1校時

生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第1学年1組 社会科(地理的分野) 学習指導案
場所 1年1組教室(教室棟3F)
1 単元名
1校時
指導者 教諭 堤 典嗣
南アメリカ州
2 単元について
(1)単元の目標
○ 多民族が共存することによって生まれた南アメリカ州の文化や生活の様子,また経済成長による
生活の変化を意欲的に追及することができる。
(関心・意欲・態度)
○ アマゾン川流域における環境保全と開発をそれぞれのメリットとデメリットを考察しながら,経
済成長と環境保全の望ましいあり方を自分なりに考える。
(思考・判断・表現)
○ 南アメリカ州の自然環境の特色や,そこの暮らす人々の特色を雨温図や統計資料から読み取るこ
とができる。
(資料活用の技能)
○ 南アメリカの産業の成り立ちや民族構成を歴史的背景や自然環境と関連付けて理解することがで
きる。
(知識・理解)
(2)単元の評価規準
関心・意欲・態度
・課題に対する関心
を持ち,進んで考
えをまとめようと
したり,資料から
読み取ろうとして
いる。
思考・判断・表現
資料活用の技能
知識・理解
・資料を基に,熱帯 ・課題を考察するために ・南アメリカ州の民族構成を
林の森林破壊の原
必要な情報(雨温図や
歴史的背景から理解して
因を読み取り,事
農業生産グラフ,工業
いる。
実に基づいて説明
生産グラフなど)を読 ・モノカルチャー経済から脱
することができた
み取りながら,資料を
却し,産業の多様化が図ら
か。
活用する力を身に付
れていることを理解して
ける。
いる。
3 指導に当たって
(1)生徒観
本学級の生徒は,地理的分野においては小学校6年生において「世界のおもな大陸と海洋」
「世界の
おもな国の名称と位置」という学習を行っている。4月に実施された全国学力・学習状況調査では,
地理的分野において,基礎・活用分野における結果が全種別において全国平均を下回った。
(下の※
資料を参照)
このような状況をふまえ,中学校で「世界」に関する地理的な学習を行っていくためにも,毎時間
の授業では,資料を読み取る力や読み取った内容を考察し,自分で答えを出したり,自分の考えを述
べたりする力を身に付けさせていかなければならない。そのためにも本単元におけるグラフや資料を
使う目的や効果について学習しておくことが大切である。
※資料(平成 26 年 4 月 全国学力調査結果 唐津市立第一中学校 社会科 1 年 1 組より)
種別
目標値
正答率
±
全国平均
世界の中の国土
67.5
54.9
-13.9
68.8
日本の食料生産
55.8
44.1
-7.4
51.5
日本の工業生産
65.0
58.7
-11.1
69.8
世界の中の日本
52.5
44.1
-5.5
49.6
-9-
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
【系統図】
小学校 6 年
「世界のおもな大陸
と海洋」
,「おもな国
の名称と位置」
中学 1 年4月
世界の地域構成
世界の地域構成を大観させる
中学 1 年 5 月
緯度・経度
大陸や海洋,各国の位置関係
を理解する。
中学1年
世界の諸地域
それぞれの州の地域的
特色を理解し,人々の
生活に与える影響や課
題,課題に向けた解決
策を自分たちなりに考
察する
(2)教材観
本単元では,中学校学習指導要領社会,目標(2)であるように,
「地域の諸事象を位置や空間的な
広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考
察し,地域的特色や地域の課題をとらえさせる」ことをねらいとしている。また,内容では「①南ア
メリカ州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる地理的事象を取り上げ,②それを基に主題を
設けて,それぞれの州の地域的特色を理解させる」とある。
①については,南アメリカ州の自然環境として、アンデス山脈やブラジル高原の広がりが特徴であ
る。また,アマゾン川の位置関係が赤道直下と関係しているため,付近は世界最大の熱帯林が存在す
る。歴史や文化においては,15世紀まではインカ帝国が代表されるように,南アメリカ州では高度
の文明が栄えていた。しかし16世紀以降,スペインやポルトガルなどヨーロッパ諸国からの侵略と
ともにアフリカからの奴隷が連れて来られ,さらにアジアからの移民が増加していく。そのため南ア
メリカ州は,様々な人種や民族が混在しており,サンバやタンゴに見られるように独自の文化が生ま
れた。産業については,19世紀以降,気候の特徴や植民地支配を受けたことによって,大農園が営
まれ,世界一のコーヒーの生産地となった。パンパにある大平原では穀物の生産も行われており,世
界有数の農業地帯が広がっている。さらに南アメリカ州では,原油や鉄鉱石などの鉱産資源も豊富で
あり,輸出を行う国や自国の工業に利用している国もある。南アメリカ州では,ブラジルなど経済成
長をとげた国がある一方,モノカルチャー経済にたよる国々もあり,今後の産業の課題も残っている。
②については,主題として,アマゾン川流域の環境問題を取り上げる。アマゾン川流域においては,
これまで鉄鉱山の開発やそれにともなう道路の建設,木材の輸出などによるアマゾン川流域の開発が
進められてきた。しかし開発と同時に森林破壊が進み,熱帯林の減少が加速化し,深刻な環境問題も
生み出している。近年では,アマゾン川流域の森林破壊を食い止める動きも起きてきている。そのこ
とを踏まえながら,アマゾン川の環境問題については,ただ「森林伐採はよくないからやめよう」と
いう答えを出すのではなく,なぜ森林伐採が止まらないのか,森林伐採がブラジルの発展を支えてい
ることや森林伐採を止めることが先住民の生活文化の消失に繋がることに気付かせながら,多面的に,
環境保全と開発の望ましいあり方を考察させたい。
(3)研究テーマとの関わり
生徒が主体的に学ぶことを心掛けた。教師による全体指導を極力少なくするために,提示する資料
の充実や生徒が取り組みやすいワークシートの充実を図った。また,学習内容に深まりを持たせるこ
とや,授業のなかで生徒が自己有用感や自己肯定感を育むことができるよう話し合い活動を取り入れ
た。
(4)指導観
アマゾン川流域の環境問題に対して,帰納的に考察させるようにしたい。そのために「なぜアマゾ
ンの森林は減少しているのか?」という問いを立てる。その際,帰納的に考察していくために具体的
な資料(ブラジルの貿易品目の推移,工業出荷額の推移,主要農作物の割合,各種工場の分布図,各
種資源の分布図,道路の広がりを示した地図など)を,分かりやすく提示していくことが必要である。
- 10 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
それをふまえ,
「なぜアマゾンの森林は減少しているのか?」という問いに対して,産業,人々の生活,
自然環境などの側面から帰納的に説明させるようにしたい。また,思考を深めさせ,表現力を身に付
けさせるためにも「資料①では,~であることが分かる。そのため~である。
」など,資料に基づいて
書くことができるようなシンキングフレームを提示する。学習形態に関しては,社会科にむずかしさ
を感じている生徒の学習意欲を引き立てるためにも,話し合いでは,内容の理解度が低い生徒が他者
の意見を参考にして自分の意見を導くことができる場を設定したり,個別学習を取り入れたりしなが
ら,机間指導のタイミングに配慮していきたい。そして本単元を学習した後には,自分の考えをまと
め,自分で答えを出したり,自分の考えを述べたりすることができるようにしていきたい。
4 単元の指導過程
次 時間
学習内容及び学習活動
南アメリカ州の自然につい
第
て,雨温図や写真・統計から
1 1 読み取る。
次
第 2
2
次
指導上の留意点
南アメリカ州における赤道の位
置を確認させる。そして資料を
もとに,緯度や標高の高さによ
って気候が異なることに着目さ
せる。
南アメリカ州の歴史と文化 南アメリカの国々が,ヨーロッ
について,資料をもとに考察 パやアフリカとの文化と深いつ
し,気づいたことをまとめ ながりがあることに気づかせ
る。
る。
第 3
3
次
南アメリカ州の産業がどの 南アメリカの産業が,モノカル
ように変化してきているの チャー経済から脱却しつつある
かを,説明する。
ことを,資料をもとに考えさせ,
気づかせる。
第
4
4
次
アマゾン川の熱帯林の減少 アマゾン川熱帯林の環境破壊の
について,環境破壊と経済発 事例を通して,開発と環境保全
展の2つの側面から考える。 の両面から考察させる。
- 11 -
評価規準と評価方法
【技】南アメリカの多様な
自然環境について,大きな
川や山脈の位置に関連さ
せて読み取っているか。
(ワークシート・観察)
【知】資料をもとに,南ア
メリカの国々の言語や人
種・民族構成の特徴を読み
取っているか。(ワークシ
ート・観察)
【関】グラフや資料をもと
に,昔と今の貿易状況の変
化について考察し,主体的
に述べているか。
(ワーク
シート・発表)
【思】【関】環境問題に対
して主体的に探求し,進ん
で考えながら,自分の言葉
でまとめ,主張できている
か。
(ワークシート・発表・
観察)
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
5 本時の学習
(1)目標
様々な資料から事実を読み取らせ,
「なぜアマゾンの森林は減少しているのか」という問いに対し
て,事実に基づき帰納的に説明させる。
(2)本時の評価規準
資料を基に,アマゾンの森林破壊の原因を読み取り,説明することができたか。
(3)展開
過 形
程 態
学習活動
つ C ①前時の学習内容の復習
か
・南アメリカ州の産業について簡単に振
む
り返る。
②本時の課題について知る。
教師の支援活動
○電子黒板でスライドを
提示し簡単に振り返ら
せる。
教材等
・電子黒板
・ワークシート
○電子黒板で森林伐採の
ようすの写真を提示す
る。
なぜアマゾン川流域の森林は減少しているのか説明できる!
考 P
え
る
③資料からブラジルの経済や自然,暮ら
しの特色を読み取る。
〈予想される答え〉
・近年,工業出荷額が増えている
・コーヒー豆やサトウキビが主要農作物
である
・鉄鉱石などの資源がとれる など
C ④資料から読み取った結果を発表し,他
者の意見と比較する。
○机間指導により,必要
に応じてヒントを与え
る。
・ワークシート
○発表によって出された
意見をまとめていく。
・ワークシート
⑤アマゾン川流域の森林が減少してい
る理由を自分の言葉で説明する。
深 G
め
る
⑥アマゾン川流域の森林を保護するた
めの取り組みを話し合う。
〈予想される答え〉
・これ以上森林を伐採して道路をつくら
ないようにする
・不法に森林伐採したものを取り締まる
・コーヒー豆,サトウキビなど各種農場
の大きさを国が規制する,など
確 C ⑦環境保全のための取り組みを発表す
か
る。
め
る
・ミニホワイトボード
・ワークシート
○役割を決めて話し合い
を進めさせる。
○ミニホワイトボードに
書いたものを黒板に貼
り,それぞれのグルー
プの代表に発表させ
る。
- 12 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第1学年3組 数学科(少人数)学習指導案
場所 3階作業室(教室棟3F)
1 単元名
1校時
指導者 教諭 坂本 和重
第6章 空間図形 2節 立体の表面積と体積
2 単元について
(1)単元の目標
観察,操作,実験などの活動を通して,空間図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに,
立体の計量についての能力を高める。そのために,
○ 展開図についての観察,実験を通して,柱体,錐体,球の表面積や体積の求め方を考察しよう
とする。
○ 柱体,錐体,球の表面積や体積の求め方について理解する。
(2)単元の評価規準
項
図
形
の
計
量
数学への
関心・意欲・態度
・扇形の弧の長さと
面積や,柱体,錐
体,球の表面積と
体積に関心を持
ち,その求め方を
考えようとして
いる。
観点別学習状況の評価規準
数学的な
数量や図形などにつ
数学的な技能
見方や考え方
いての知識・理解
・扇形について,弧の長さが ・扇形の弧の長さと ・扇形の弧の長さと面
その中心角の大きさに比例
面積を求めるこ
積の求め方を理解
することに着目し,扇形の
とができる。
している。
弧の長さと面積の求め方を ・柱体,錐体,球の ・柱体,錐体,球の表
考えることができる。
表面積と体積を
面積と体積の求め
・実験などを基にして,柱体, 求めることがで
方を理解している。
錐体,球の表面積と体積の求 きる。
め方を考えることができる。
3 指導に当たって
(1)生徒観
生徒はこれまで小学校において量と測定の領域において平面図形の長さや面積,立体の体積などを
比較したり測定したりする学習を経験してきている。図形領域においては平面図形や立体図形につい
て具体的に操作して分類したり,辺の長さや角度の大きさに着目して弁別したりしてきた。また,直
方体に関連して平面や直線の垂直や平行の関係についても学習している。さらに,角柱や円柱につい
ては,その見取り図や展開図をかくなど本単元につながる学習を経験してきている。
中学校においては前単元平面図形において,点,直線,角,距離などの意味や基本的な作図の仕方
とその根拠,円と扇形の性質とその計量などについて学習してきている。
本学年の生徒は,4月に実施した標準学力検査において,検査における正答率の度数分布では,正
規分布に近い形を示している。内容については,目標値との差が基礎的な内容においては 3.4%,活用
に関する内容では 0.8%下回っている結果であった。また,本単元に関連する学習領域において,面
積や体積などを求める「量と測定」領域については 4.5%,
「図形」領域については 1.1%,目標値を下
回っており,図形に関する学習については苦手としている傾向がうかがえる。
本学級は,意欲的に授業に取り組む生徒が多く,解法や考え方を積極的に発表する生徒も多い反面,
グループにおける学び合いでは得意な生徒が丁寧に教えている。数学を苦手とする生徒もおり,グル
ープ学習で学び合うことで,少しずつ意欲的に問題を取り組む生徒が増えてきた。
- 13 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
【系統図】
量と測定
図形
1年 長さ、広さ、かさの大きさの比較
1年 平面図形、立体図形の観察や構成
2年 長さの単位
体積の単位
2年 箱の形
3年 長さの単位
重さの単位
4年 面積の単位 正方形・長方形の面
積 角度の単位
4年 直方体と立方体
5年 三角形・四角形・平行四辺形・台形・ひ
し形の面積
体積の単位
直方体・立方体の体積
5年 角柱・円柱 見取図 展開図
6年 概形の面積
円の面積
角柱・円柱の体積
1年 平面図形
基本的な作図の方法とその
活用 図形の移動
1年 空間図形
・直線や平面の位置関係
・空間図形の構成と平面の構成
・扇形の弧の長さと面積、柱体や錐体及び球の表面積・体積
3年 三平方の定理
高校 空間のベクトル
(2)教材観
小学校においては,作業的・体験的な活動を通して,基本的な図形について理解できるようにして
いる。それらの算数的な活動を通して図形についての豊かな感覚を育てるとともに,様々な問題解決
の場面で図形の定義や性質を活用して,適切に判断したり,的確に表現したり,処理したりできるよ
うにしてきた。
本単元においても引き続き,図形に関する観察,操作的な活動などの直観的な取り扱いを中心とし
て,平面や空間内の直線や平面の位置関係,図形の性質についての理解を深めていく。また,立体の
構成を多面的に考察できるようにし,図形の計量についての能力も伸ばしていく。
(3)研究テーマとの関わり
生徒が主体的に学習活動に取り組めるように,授業の形態をパーソナルワーク,グループワーク,
クラスワークという流れで行っていく。この活動をより意味のあるものにする手立てとして,ワーク
シートの工夫に取り組んでいる。ワークシートには,自分の考えを書くスペースやグループでの話し
合いのまとめを書くスペースを入れるようにしている。この学習活動を積み重ねることによって,主
- 14 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
体的な学習態度を育てていきたい。
(4)指導観
空間図形においては,具体的なイメージを伴って理解することが困難な生徒もいる。特に,平面上
に表された図を見てそこから空間図形を想起することができない生徒も少なからず見られる。
そこで,指導に当たっては,観察,操作,実験を取り入れたり,それぞれの学習内容を相互に関連
づけさせたりしながら,生徒の興味関心を高めて授業に取り組ませることで,理解が深められるよう
にしていきたい。また,得意な生徒が苦手とする生徒に教えることができているので,不得意な生徒
からも,積極的に質問できるように支援していきたい。学級全体を学び合う集団としてとらえたとき,
現在のグループだけでなく他のグループとも交流し,教え合いができるようにしていきたい。
4 単元の指導過程 (全8時間 本時 1/8)
次
時
間
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
①本時の学習課題を確認する。
角柱,円柱の表面積の求め方を説明できる。
1
第
一
次
2
第
二
次
3
4
評価基準と方法
[関]小学校の既習内
容や展開図を手がか
りに問題に取り組も
うとしている。
[見・考]表面積を求
め,説明することがで
きる。(観察,ワーク
シート)
②柱体の表面積,側面積,底面 ・底面積は底面の1つの面積であ
積について理解する。
ること,表面積は全ての面の面
積であることを確認する。
③立体の表面積のよりよい求め ・円柱においては,側面が長方形
方を考え,説明する。
であること,その横の長さは底
面の円周の長さと等しいこと
を気付かせる。
①本時の学習課題を確認する。
[技能]展開図をかき,
表面積を求めること
角錐,円錐の表面積の求め方を説明できる。
②角錐の展開図をもとに,表面 ・展開図をかかせ,底面と側面の ができる。
(観察,ワークシート)
積の求め方を考え説明する。
形に着目して求めさせる。
③円錐の展開図をもとに,表面 ・円錐では側面が扇形になる
積の求め方を考え説明する。
ことをとらえさせる。
扇形の弧の長さと底面の
円周の長さが一致するこ
とを利用して,側面積を求
めさせる。
①本時の学習課題を知る。
角柱,円柱の体積の求め方を説明できる。
②角柱の体積を求める。
・角柱,円柱は,底面の多角形や
③円柱の体積を求める。
円が高さの分平行移動した立
体であるという既習事項を確
認する。そのことから,体積が
「底面積×高さ」として求めら
れることを理解させる。
①本時の学習課題を確認する。
角錐,円錐の体積の求め方を説明できる。
- 15 -
[技能]公式を用いて,
体積を求めることが
できる。
(観察,ワー
クシート)
[技能]公式や見取図
を用いて,体積を求め
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
②錐体の体積の求め方を,実験 ・錐体の体積が柱体の体積とどの ることができる。
(観
する活動を通して考える。
ような関係になっているか考 察,ワークシート)
③角錐の体積を求める。
えさせる。
・公式を用いて求めさせる。
5
④1つの直角三角形から,回転 ・大小比較をする活動を通して,
の軸を変えた2つの円錐の体
生徒の関心を高める。
積の大小について予想し,求 ・具体的なイメージを持てない生
積する。
徒には,見取図をかいて体積を
求めるよう促す。
①本時の学習課題を確認する。
[見・考]意欲的に問題
に取り組み,求め方に
球の体積の求め方を説明できる。
②同じ半径をもつ半球と円柱の ・実験の結果から,球の体積の公 ついて説明すること
ができる。
体積の実験問題に取り組み,
式を導く過程を考えさせる。
球の体積の求め方を考える。
③球の体積を求める。
①本時の学習課題を確認する。
第
三
次
6
7
第
四
次
[見・考]自分の考えを
説明することができ
球の表面積の求め方を説明できる。
②球の表面積を求める。
・球の表面積の公式をおさえ,公 る。(ワークシート)
③P181のひもの長さの問題
式を用いて求めさせる。
で,球の表面積の公式を用い
て説明する。
①本時の学習課題を確認する。
[関]既習内容をもと
に,問題に取り組もう
平面図形,空間図形の練習問題に取り組み,理解を深めよう!
②基本のたしかめの練習問題に ・これまでの既習内容をもとに, としている。
[見・考]自分の言葉で
取り組み,その答えを説明す
練習問題に取り組ませる。
説明することができ
る。
る。 (ワークシート)
①本時の学習課題を確認する。
8
[関]既習内容をもと
に,問題に取り組もう
平面図形,空間図形の練習問題に取り組み,理解を深めよう!
②章末問題の練習問題に取り組 ・これまでの既習内容をもとに, としている。
[見・考]自分の言葉
み,その答えを説明する。
練習問題に取り組ませる。
で説明することがで
きる。 (ワークシー
ト)
5 本時の学習
(1)目標
・ 側面の長さが底面の周の長さに等しいことを理解し,表面積を求めることができる。
・ グループの話し合いや発表で,どのように求めたかを説明できるようにしようとする。
(2)本時の評価規準
・ 角柱と円柱の表面積の求め方について理解することができる。
・ グループで話し合う中で,考え方を自分の言葉で説明することができる。
- 16 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
(3)展開
過 形
程 態
C
つ
か
む
P
考
え
る
P
C
深 P
め
る
G
〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
学習活動
・ウォーミングアップをする。
教師の支援活動
○図形の面積の公式を確認する。
・本時の学習課題を確認する。
教材
直方体
の箱
画用紙
角柱,円柱の表面積の求め方を説明できる。
問題
たて 10cm,横 30cmの画用紙で,辺の長さが 5cm,8cm,
10cmの直方体を作ることができるか考えよう。
○実物を見せて,作ることができるかどうかを
二択で答えさせる。
・直方体の全ての面の面積を求め, ○面積をもとに,作ることができるかどうかを
直方体を作ることができるのか考え
確かめる。
る。
・立体における「表面積」,「側面 ○底面積は底面の1つの面積であることをお
積」,「底面積」について知る。
さえておく。
問1
ワークシ
三角柱の表面積を求めなさい。
ート
・三角柱の展開図をかき,表面積を ○三角柱の5つの面の面積で求める,合同 ヒ ン ト カ
求める。
な長方形と三角形の面積の和で求める, ード
展開図で表わして求める方法が予想され
る。それぞれの考え方がでるように意図的
に指名して発表させる。
○展開図をきちんとかいて考えるように机間
指導する。
・三角柱の表面積の求め方を確認 ○側面の横の長さと底面の周の長さが等し
する。
いことを説明させる。
問題
深
ワークシ
底面の半径が 4cmで、高さが 10cmの円柱の表面積を求めなさい。
ート
・円柱の展開図をかき,表面積の求 ○机間指導で,円柱の展開図をかいて考え ヒ ン ト カ
め方について考える。
るように促す。
ード
○思考が進まない生徒には,側面の横の長
さが,底面の円周の長さと同じであることや
円周の長さと円の面積を求める公式のヒント
を与える。
・グループで,自分の考えをもとに ○一人ひとりが,必ず自分の考えることがで
互いに説明し合う。
きたところまでは発表するように指示する。
・円柱の表面積の求め方について
理解を深める。
・円柱の表面積の答えを確認する。 ○表面積の求め方を発表させる。
問3
P
1校時
半径3cm,高さ6cmの円柱の表面積を求めなさい。
・問3の円柱の表面積を求める。
・問3の答えを確認する。
- 17 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
確
か
め
る
C
・柱体の表面積の求め方についてま ○角柱,円柱の表面積の求め方について,
とめる。
まとめさせる。
○数学的用語を使用してまとめるように促
す。
○角柱,円柱の表面積は,側面積と2つの底
面積の和であることを確認させる。
- 18 -
1校時
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第1学年3組 数学科(少人数)学習指導案
場所 1年3組教室(教室棟3F)
指導者 教諭 池田 徳子
1 単元名 第6章 空間図形 2節 立体の表面積と体積
2 単元について
(1)単元の目標
観察,操作,実験などの活動を通して,空間図形に対する直観的な見方や考え方を深めるとともに,
立体の計量についての能力を高める。そのために,
○ 展開図についての観察,実験を通して,柱体,錐体,球の表面積や体積の求め方を考察しようと
する。
○ 柱体,錐体,球の表面積や体積の求め方について理解する。
(2)単元の評価規準
項
図
形
の
計
量
数学への
関心・意欲・態度
・扇形の弧の長さ
と面積や,柱
体,錐体,球の
表面積と体積
に関心を持ち,
その求め方を
考えようとし
ている。
観点別学習状況の評価規準
数学的な
数学的な技能
見方や考え方
・扇形について,弧の長さがそ ・扇形の弧の長さ
の中心角の大きさに比例す
と面積を求める
ることに着目し,扇形の弧の
ことができる。
長さと面積の求め方を考え
・柱体,錐体,球
ることができる。
の表面積と体積
・実験などを基にして,柱体,
を求めることが
錐体,球の表面積と体積の求
できる。
め方を考えることができる。
数量や図形などにつ
いての知識・理解
・扇形の弧の長さと面
積の求め方を理解
している。
・柱体,錐体,球の表
面積と体積の求め
方を理解している。
3 指導に当たって
(1)生徒観
生徒はこれまで小学校において量と測定の領域において平面図形の長さや面積,立体の体積などを
比較したり測定したりする学習を経験してきている。図形領域においては平面図形や立体図形につい
て具体的に操作して分類したり,辺の長さや角度の大きさに着目して弁別したりしてきた。また,直
方体に関連して平面や直線の垂直や平行の関係についても学習している。さらに,角柱や円柱につい
ては,その見取り図や展開図をかくなど本単元につながる学習を経験してきている。
中学校においては前単元平面図形において,点,直線,角,距離などの意味や基本的な作図の仕方
とその根拠,円と扇形の性質とその計量などについて学習してきている。
本学級の生徒は,計算問題や練習問題(類似問題)には意欲的に取り組み,また積極的に発言・発
表を行う生徒が多い。一方で,授業に集中できない生徒や数学に苦手意識を持つ生徒もいる。また,
文章題や数学的見方や考え方を要する問題となると抵抗を感じる生徒がいる。主体的に思考したり調
べたりすることが苦手で,すぐに諦め教師や友達に助言・解答を求める傾向がある。グループでの学
び合いでは,質問したり教え合ったりしているが,解答の確認や解答を教えてもらうことがほとんど
で,自分の考えを話し合うことまでは至っていない。
- 19 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
【系統図】
量と測定
図形
1年 長さ、広さ、かさの大きさの比較
1年 平面図形、立体図形の観察や構成
2年 長さの単位
体積の単位
2年 箱の形
3年 長さの単位
重さの単位
4年 面積の単位 正方形・長方形の面
積 角度の単位
4年 直方体と立方体
5年 三角形・四角形・平行四辺形・台形・ひ
し形の面積
体積の単位
直方体・立方体の体積
5年 角柱・円柱 見取図 展開図
6年 概形の面積
円の面積
角柱・円柱の体積
1年 平面図形
基本的な作図の方法とその
活用 図形の移動
1年 空間図形
・直線や平面の位置関係
・空間図形の構成と平面の構成
・扇形の弧の長さと面積、柱体や錐体及び球の表面積・体積
3年 三平方の定理
高校 空間のベクトル
(2)教材観
小学校においては, 作業的・体験的な活動を通して, 基本的な図形について理解できるようにし
ている。それらの算数的な活動を通して図形についての豊かな感覚を育てるとともに,様々な問題解
決の場面で図形の定義や性質を活用して,適切に判断したり,的確に表現したり,処理したりできる
ようにしてきた。
本単元においても引き続き,図形に関する観察や操作的な活動などの直観的な取り扱いを中心とし
て,平面や空間内の直線や平面の位置関係,図形の性質についての理解を深めていく。さらに,前単
元で学習した学習内容をもとに,論理的に考察し表現する能力と図形の計量についての能力を培う。
空間図形を平面上に表現し,平面上の表現から柱体や錐体の表面積を求めることをねらっている。
(3)研究テーマとの関わり
生徒が主体的に学習活動に取り組めるように,授業の形態をパーソナルワーク,グループワーク,
クラスワークという流れで行っていく。この活動をより意味のあるものにする手立てとして,ワーク
シートの工夫に取り組んでいる。ワークシートには,自分の考えを書くスペースやグループでの話し
合いのまとめを書くスペースを入れるようにしている。この学習活動を積み重ねることによって,主
- 20 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
体的な学習態度を育てていきたい。
(4)指導観
空間図形においては,具体的なイメージを伴って理解することが困難な生徒もいる。特に,平面上
に表された図を見てそこから空間図形を想起することができない生徒も少なからず見られる。そこで
指導に当たっては,模型を用いての観察,操作や実験などの活動を取り入れたり,それぞれの学習内
容を相互に関連づけさせたりして,生徒の興味関心を高めて授業に取り組ませていく。また,グルー
プで話し合ったり教え合ったりさせることで,苦手意識をもった生徒の意欲化や,多様な考えを引き
出させたい。さらにワークシートに自分の考えを図や文章で表現させたり,既習内容との関連性やポ
イント等を書かせたりして,理解を深めたい。
4 単元の指導課程 (全8時間 本時 1/8)
次
時
間
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
①本時の学習課題を確認する。
角柱,円柱の表面積の求め方を説明できる。
1
第
一
次
②柱体の表面積,側面積,底面 ・底面積は底面の1つの面積であ
積について理解する。
ること,表面積は全ての面の面
積であることを確認する。
③立体の表面積のよりよい求め ・円柱においては,側面が長方形
方を考え,説明する。
であること,その横の長さは底
面の円周の長さと等しいこと
を気付かせる。
評価基準と方法
[関]小学校の既習
内容や展開図を手
がかりに問題に取
り組もうとしてい
る。
[見・考]表面積を求
め,説明することが
できる。(観察,ワ
ークシート)
①本時の学習課題を確認する。
2
[技能]展開図をか
き,表面積を求める
角錐,円錐の表面積の求め方を説明できる。
②角錐の展開図をもとに,表面 ・展開図をかかせ,底面と側面の ことができる。
(観察,ワークシー
積の求め方を考え説明する。
形に着目して求めさせる。
③円錐の展開図をもとに,表面 ・円錐では側面が扇形になる ト)
積の求め方を考え説明する。
ことをとらえさせる。
扇形の弧の長さと底面の
円周の長さが一致するこ
とを利用して,側面積を求
めさせる。
①本時の学習課題を知る。
第
二
次
3
4
角柱,円柱の体積の求め方を説明できる。
②角柱の体積を求める。
・角柱,円柱は,底面の多角形や
③円柱の体積を求める。
円が高さの分平行移動した立
体であるという既習事項を確
認する。そのことから,体積が
「底面積×高さ」として求めら
れることを理解させる。
①本時の学習課題を確認する。
角錐,円錐の体積の求め方を説明できる。
- 21 -
[技能]公式を用い
て,体積を求めるこ
とができる。
(観察,
ワークシート)
[技能]公式や見取
図を用いて,体積を
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
5
②錐体の体積の求め方を,実験 ・錐体の体積が柱体の体積とどの 求めることができ
する活動を通して考える。
ような関係になっているか考 る。(観察,ワーク
えさせる。
シート)
③角錐の体積を求める。
・公式を用いて求めさせる。
④1つの直角三角形から,回転 ・大小比較をする活動を通して,
の軸を変えた2つの円錐の体
生徒の関心を高める。
積の大小について予想し,求 ・具体的なイメージを持てない生
積する。
徒には,見取図をかいて体積を
求めるよう促す。
①本時の学習課題を確認する。
[見・考]意欲的に問
題に取り組み,求め
球の体積の求め方を説明できる。
②同じ半径をもつ半球と円柱の ・実験の結果から,球の体積の公 方について説明す
ることができる。
体積の実験問題に取り組み,
式を導く過程を考えさせる。
球の体積の求め方を考える。
③球の体積を求める。
①本時の学習課題を確認する。
第
三
次
6
7
第
四
次
8
[見・考]自分の考え
を説明することが
球の表面積の求め方を説明できる。
②球の表面積を求める。
・球の表面積の公式をおさえ,公 できる。(ワークシ
ート)
③P181のひもの長さの問題
式を用いて求めさせる。
で,球の表面積の公式を用い
て説明する。
①本時の学習課題を確認する。
[関]既習内容をも
とに,問題に取り組
平面図形,空間図形の練習問題に取り組み,理解を深めよう!
②基本のたしかめの練習問題に ・これまでの既習内容をもとに, もうとしている。
[見・考]自分の言葉
取り組み,その答えを説明す
練習問題に取り組ませる。
で説明することが
る。
できる。 (ワークシ
ート)
①本時の学習課題を確認する。
[関]既習内容をも
とに,問題に取り組
平面図形,空間図形の練習問題に取り組み,理解を深めよう!
②章末問題の練習問題に取り組 ・これまでの既習内容をもとに, もうとしている。
[見・考]自分の言
み,その答えを説明する。
練習問題に取り組ませる。
葉で説明すること
ができる。 (ワーク
シート)
5 本時の学習
(1)目標
・側面の長さが底面の周の長さに等しいことを理解し,表面積を求めることができる。
・グループの話し合いや発表で,どのように求めたかを説明できるようにしようとする。
(2)本時の評価規準
・角柱と円柱の表面積の求め方について理解することができる。
・グループで話し合う中で,考え方を自分の言葉で説明することができる。
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過
程
形
態
学習活動
教師の支援活動
- 22 -
教材
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
C
つ
か
む
考
え
る
○図形の面積の公式を確認する。
角柱,円柱の表面積の求め方を説明できる。
P
P
C
P
G
深
め
る
確
か
め
る
・ウォーミングアップをする。
・本時の学習課題を確認する。
P
C
問題
1校時
直方体
の箱
画用紙
たて 10cm,横 30cmの画用紙で,辺の長さが 5cm,8cm,
10cmの直方体を作ることができるか考えよう。
○実物を見せて,作ることができるかどうかを
二択で答えさせる。
・直方体の全ての面の面積を求め, ○面積をもとに,作ることができるかどうかを確
直方体を作ることができるのか考え
かめる。
る。
・立体における「表面積」,「側面 ○底面積は底面の1つの面積であることをお
積」,「底面積」について知る。
さえておく。
問1
ワーク
三角柱の表面積を求めなさい。
シート
・三角柱の展開図をかき,表面積を ○三角柱の5つの面の面積で求める,合同な ヒントカ
求める。
長方形と三角形の面積の和で求める,展開 ード
図で表わして求める方法が予想される。そ
れぞれの考え方がでるように意図的に指名
して発表させる。
○展開図をきちんとかいて考えるように机間
指導する。
・三角柱の表面積の求め方を確認 ○側面の横の長さと底面の周の長さが等しい
する。
ことを説明させる。
問題
ワーク
底面の半径が 4cmで、高さが 10cmの円柱の表面積を求めなさい。
シート
・円柱の展開図をかき,表面積の求 ○机間指導で,円柱の展開図をかいて考える ヒントカ
め方について考える。
ように促す。
ード
○思考が進まない生徒には,側面の横の長さ
が,底面の円周の長さと同じであることや円
周の長さと円の面積を求める公式のヒントを
与える。
・グループで,自分の考えをもとに ○一人ひとりが,必ず自分の考えることができ
互いに説明し合う。
たところまでは発表するように指示する。
・円柱の表面積の求め方について
理解を深める。
・円柱の表面積の答えを確認する。 ○表面積の求め方を発表させる。
問3 半径3cm,高さ6cmの円柱の表面積を求めなさい。
・問3の円柱の表面積を求める。
・問3の答えを確認する。
・柱体の表面積の求め方についてまと
める。
○角柱,円柱の表面積の求め方について,ま
とめさせる。
○数学的用語を使用してまとめるように促す。
○角柱,円柱の表面積は,側面積と2つの底
面積の和であることを確認させる。
- 23 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第1学年4組 外国語科学習指導案
場所 1年4組教室(教室棟3F)
1 単元名
指導者 講師 井上 亜沙美
Multi Plus2 一日の生活 New Horizon English Course Book1 東京書籍
2 単元について
モデル文として彩の毎日の生活習慣が起床から就寝まで時間を追って表現されている。彩の表現から
発展し,周りの生徒と関わりを持ちながら,積極的に自己表現をすることができる4技能統合型の教材
である。生徒は自分の生活習慣を述べることを通して身近で日常頻繁に使われる表現に触れることがで
き,親しみをもって英語を使えるものと思われる。なお,本単元では,既習言語材料である疑問詞 what
や how,そして三人称単数現在形の動詞-s[es]の復習も行うことができる。4技能の総合的かつ統合的
なコミュニケーション能力を養うために大事に扱いたい単元である。
(1)単元の目標
○ 自分の「一日の生活」について,積極的に表現したり,友だちと質疑応答したりする。
(コミュニケーションへの関心・意欲・態度)
○ 既習事項を活用して,
「一日の生活」について書く。
(外国語表現の能力)
○ 友だちの「一日の生活」についてインタビューをして,理解する。
(外国語理解の能力)
(2)単元の評価規準
コミュニケーションへ
言語や文化についての
外国語表現の能力
外国語理解の能力
の関心・意欲・態度
知識・理解
・
「一日の生活」につい ・自分や友だちの「一日 ・友だちの「一日の生 ・
「一日の生活」につい
て表現する活動に間
の生活」について表現
活」を聞いたり,読
て表現する語句や単
違うことを恐れず,
することができる。
んだりして理解でき
語,時刻を表す前置詞
意欲的に取り組もう ・疑問詞を用いた疑問文
る。
の使い方がわかる。
としている。
で質問・応答ができる。
3 指導に当たって
【系統図】
(1)生徒観
小学校での外国語活動が積極的に
行われてきたことで入学当初より活
小学校 Hi,friends!2 一日の生活を紹介しよう
発に言語活動に取り組んできた。授
起床時間や就寝時間をたずねあう。
業開始時のグリーティングでは元気
よくあいさつをしたり,Let’s
中学1年7月 Multi Plus1 自己紹介
talk&talk でクラスメイトとインタ
自分のことを簡単な文章で表現する。
ビュー活動ができたりする生徒が多
いこともあり,佐賀県学習状況調査
中学1年9月 Listening Plus2 友達のプロフィール
での「英語が好きか」という質問に
簡単な自己紹介を聞いて,書き取る。
対して,
「好き」と答えた生徒の割合
が,県平均に比べ本校は5ポイント
以上上回っており,これまでの学年
中学1年10月 Unit7 サンフランシスコの学校
より意欲や関心は高いとみられる。
疑問詞を用いた疑問文でたずねる。
ただ,本年度の調査で「自分の考
えを他の人に説明したり,文章に書
いたりするのは難しい」と答えた生
中学1年2月 Multi Plus2 一日の生活
徒が65.3パーセントと全体の6
自分の一日について書き,友だちにもたずねる。
割以上を占めているので,表現活動
の際には個々に応じた手だてが必要である。
- 24 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
生徒たちの表現する能力を養うため,基本的な言語材料を身に付けさせるようにしている。もとも
と小学校で身に付けた英語の素地があるため,口頭での英語の簡単なやりとりについては多くの生徒
が意欲的に取り組むことができる。しかし,新出語彙の増加とともに教科書の内容が複雑になるにつ
れて,苦手意識をもつ生徒も増えてきた。定期テスト等においても学力差が目立ちつつある。そのた
め,インタビュー活動を授業の中で多く取り入れている。また必須の文章については,一覧表にして,
授業の始まりに帯学習として音読活動に毎回取り組ませている。長期休業中や日々の課題とリンクさ
せることで使用頻度を高め,定着を図っている。生徒の言語材料を増やすことで「書くこと」
「読む
こと」に自信をつけさせたいと考えている。
その結果,定期テストでは毎回,既習の言語材料を用いて自分自身のことを表現する問題で力試し
をするようにしているが,なかなか書けないという生徒が全体的に少ないことは成果である。今後も
継続的に基礎定着を図らせたい。
(2)教材観
自分の「一日の生活」についてまとまりのある文章をしっかり書くことや友達の生活についてもた
ずねることができる教材である。Unit6で扱った三人称単数の表現や Unit 7で扱った What time
~? How do you ~? What do you do ~?など疑問詞を用いた疑問文を復習することもできるため,
学年末の総合的なまとめになる。現在時制での活動をこの教材で復習させておくことで,今後時制が
変わりさらに,表現の幅が広がる教材へとつなげていきたい。
(3)研究テーマとの関わり
パーソナル・グループ・クラスワークを通して,生徒たちが主体的に学ぶ場面を多く設定したい。
グループワークでは,生徒どうしが相互的に学びあい,英作文の添削をしたり,発表をスムーズに進
めるなど比較的英語が苦手な生徒にとっても意欲的に活動できるようにしたい。パーソナルワークで
は既習の言語材料を十分に用い,積極的にインタビューや英作文を書かせたい。このような活動を通
して,生徒自身が学び,活動できるようにしたい。
(4)指導観
学年のまとめとして文法事項やインタビュー活動の復習に力を入れる。グループワークを取り入れ
ることで,一つ一つの活動を全員が取り組めるようにする。指導に当たっては,課題設定や英作文と
インタビュー後のまとめについて工夫したい。帯学習を継続して取り組ませているので,生徒間のイ
ンタビューや音読の活動に苦手意識が比較的少ない。今回の課題においても取り組みやすいと考えら
れる。
まず,課題設定では,自分の一日を紹介するという活動を小学校の英語活動で行ってきているので,
想起させるとともに,中学校での既習の言語材料を用いて,書きたいことを書くことで達成感や自分
自身の英語の知識の定着具合を感じさせたい。また,友達へのインタビュー活動では,既習の疑問詞
を使って,たずねたいことを聞けるよう促したい。その後のまとめにおいても3単元の s(es)など1
年生の重要な文法の理解が必要となり,1 年生の総まとめとなる教材であるため,一つ一つポイント
を押さえるなどの復習をしながら授業を進めたい。
- 25 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
4 単元の指導過程 ( 全3時間 本時3/3 )
次 時
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
間
第 1
①教科書のモデルを読み取る。
○一日の流れを想像させなが
1
ら,モデルを読ませる。
次
②表現活動に必要な言語材料を ○新出語句や表現の定着をさ
知る。
せるよう練習機会を増や
す。
1校時
評価基準と評価方法
【表】自分の一日につい
てモデルを参考に書く
ことができる。
〈英作文〉
自分の「一日の生活」についてまとまりのある英文を書くことが
できる!
第 2
2
次
③「一日の生活」について書く。 ○グループで英作文させるこ
とで意欲的に表現活動に取
り組ませるように促す。
①前時に書いた英作文を読む。
○疑問詞の意味や使い方を復
習させ,文章を作らせる。
②既習の疑問詞を用いた疑問文
を作成する。
【知】疑問詞を用いた疑
問文とその応答の仕方
がわかる。
〈ワークシー
ト〉
友達の「一日の生活」についてたずねることができる!
第 3
3
次
③友達の「一日の生活」について ○疑問詞の意味や使い方を復 【理】友達の「一日の生
たずねる。
習させ,文章を作らせる。 活」を聞き取ることがで
〈ワークシート〉
○間違いを恐れず,友達の「一 きる。
日の生活」を聞かせる。
①世界の友達の「一日の生活」に ○日本語のワークシートを準 【理】友達の「一日の生
ついて聞き取る。
備し,聞き取りやすいよう 活」を聞き取ることがで
にする。
きる。
〈ワークシート〉
【表】
友達の「一日の生
友達の「一日の生活」について英文を書くことができる!
②前時に聞いた友達の「一日の生 ○三単現の s(es)に注意する 活」についてまとまった
英文を書くことができ
活」について英語でまとめる。
よう伝える。
る。
〈英作文〉
5 本時の学習
(1)目標
友達の「一日の生活」について既習の疑問詞を用いた疑問文でたずね,その答えをもとに英作文を
書かせる。
(2)本時の評価規準
○ 友達の「一日の生活」を聞き取ることができる。(外国語理解の能力)
○ 友達の「一日の生活」についてまとまった英文を書くことができる。(外国語表現の能力)
- 26 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
形
学習活動
指導上の手立て・評価
教材等
態
C ①英語であいさつをする。
・曜日や日付はつづりミスがな
いか,周りの答える生徒が参
加しているか観察する。
②『Review』
・音読活動により学習に対して ・
『Review』シート
・pattern practice
の心構えをもたせる。
つ
P
・ワークシート
か
む
③Challenge のリスニングの英文を ・学習の流れを提示しておくこ
聞き,今日の授業のゴールをつか
とで,学習のめあてや内容を
む。
把握できるようにする。
めあて:友達の「一日の生活」レポートを書くことができる!
考
え
る
P
G
深
め
る
確
か
め
る
④Q&A のワークシートをもとに友達 ・3単現の s(es)に注意するよ
についての英作文を書く。
う口頭練習させてから書か ・前時に聞いたイン
せる。
タビューの答えを
⑤個人の英文を読み,添削しあう。 ・文法上の間違いに気付かせる
書いたワークシー
ように促し,添削のアドバイ
ト
⑥添削したものを音読する。
スをする。
⑦代表者を決め,発表する。
P
・間違いを恐れず,大きな声で
発表するよう指導する。
⑧ 本時の学習の振り返りをする。 ・ノートにきちんとふりかえり
・ノートに目標達成できたかを振
を書けているか観察する。
り返る。
- 27 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第1学年5組 社会科学習指導案(地理的分野)
場所 1年5組教室(教室棟3F)
1 単元名
1校時
指導者 教諭 日巻 宏章
南アメリカ州
2 単元について
(1)単元の目標
○ 多民族が共存することによって生まれた南アメリカ州の文化や生活の様子,また経済成長による
生活の変化を意欲的に追及することができる。
(関心・意欲・態度)
○ アマゾンの森林破壊の原因を考察,説明し,経済成長と環境保全の望ましいあり方を考えること
ができる。
(思考・判断・表現)
○ 南アメリカ州の自然環境の特色や,そこに暮らす人々の特色を雨温図や統計資料から読み取るこ
とができる。
(資料活用の技能)
○ 南アメリカの産業の成り立ちや民族構成を歴史的背景や自然環境と関連付けて理解することがで
きる(知識・理解)
(2)単元の評価規準
関心・意欲・態度
○課題に対する関心を
持ち,進んで考えを
まとめようとした
り,資料から読み取
ろうとしたりしてい
る。
思考・判断・表現
資料活用の技能
知識・理解
○資料を基に,
アマゾ ○課題を考察する
○南アメリカ州の民族構成を
ンの森林破壊の原
ために必要な情
歴史的背景から理解してい
因を読み取り,
事実
報を地図や写真,
る。
に基づいて説明す
グラフなどの資
○モノカルチャー経済から脱
ることができる。
料から読み取る
却し,産業の多様化が図られ
ことができる。
ていることを理解している。
3 指導に当たって
(1)生徒観
本学級の生徒は,小学校で「世界のおもな大陸と海洋」
,
「おもな国の名称と位置」の学習を行って
いる。中学校に入学してからは,緯度と経度を学習することで,大陸や海洋の分布,各大陸や国々の
位置関係を捉え,小学校で学習した内容を深めている。さらに,アジア州・ヨーロッパ州・アフリカ
州・北アメリカ州の各地域について,自然環境や産業の様子を確認しながら,それらが人々の生活に
どのような影響を与えているのかを学習してきた。
しかし,各地域の山脈や河川などの名称,産業の特色など基本的知識を身に付けることはできるが,
資料から事実を読み取ったり,資料から読み取った事実をもとに,その地域ではどのような課題があ
るのかを考察したり,説明したりすることは不十分である。
一方,グル―プ学習の際には,グループのメンバーに自分が分からないことを聞いたり,教え合っ
たりすることはできる。
そこで,本単元では,南アメリカ州の自然環境や産業,暮らしの特色を資料から読み取り,読み取
った事柄を,言語を用いて説明する活動を取り入れたい。さらに,グループ活動を通して自分の説明
文と他者の説明文を比較したり補充したりすることで,知識の定着を図りたい。
【系統図】
中学 1 年4月
中学1年
小学校 6 年
世界の地域構成
世界の諸地域
「世界のおも
世界の地域構成を大観させる
それぞれの州の地域的特
な大陸と海
色を理解し,人々の生活
洋」
,
「おもな
に与える影響や課題,課
中学 1 年 5 月
国の名称と位
題に向けた解決策を自分
緯度・経度
置」
(2)教材観
たちなりに考察する
大陸や海洋,各国の位置関係を理解する。
- 28 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
本単元では,中学校学習指導要領社会,目標(2)であるように,
「地域の諸事象を位置や空間的な
広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考
察し,地域的特色や地域の課題をとらえさせることをねらいとしている。また,内容では「①南アメ
リカ州に暮らす人々の生活の様子を的確に把握できる地理的事象を取り上げ,②それを基に主題を設
けて,それぞれの州の地域的特色を理解させる」とある。
①については,自然環境,民族構成と歴史的背景,産業の様子などを取り上げながら,生徒が南ア
メリカ州の人々の暮らしを把握できるようにする必要がある。
その際,
自然環境では雨温図を用いて,
降水量と気温の両面から日本をはじめとした他地域との比較しながら,南アメリカの気候の特徴をと
らえさせる。
また,
上空写真からアマゾンやアンデス山脈の広がりに気付かせることも効果的である。
民族構成とその歴史的背景では,統計グラフなどの資料を用いて,資料から特色を読み取り,様々な
人種や民族の文化が融合してどのようなものが生み出されたのかを考える活動に繋げていきたい。産
業の様子では,ブラジルに焦点を絞り,統計資料から,モノカルチャー経済からの脱却が進んでいる
ことや著しい経済成長に気付かせたい。そのために,ブラジルの昔と今の貿易品目の違いや昔と今の
工業出荷額の違いなどを示す資料が必要になる。
②については,主題として,アマゾン川流域の環境問題を取り上げる。アマゾンの森林減少の問題
に対して,ただ「森林伐採はよくないからやめよう」という答えを出すのではなく,なぜ森林伐採が
止まらないのか,森林伐採がブラジルの発展を支えていること,また,森林伐採が地球温暖化にもた
らす影響などに気付かせながら,多面的に,環境保全と経済発展の望ましいあり方を考察させたい。
(3)研究テーマとの関わり
生徒が主体的に学ぶことを心掛けた。教師による全体指導を極力少なくするために,提示する資料
の充実や生徒が取り組みやすいワークシートの工夫を重視した。また,学習内容に深まりを持たせる
ことや,授業のなかで生徒が自己有用感や自己肯定感を育むことができるよう話し合い活動を取り入
れた。
(4)指導観
アマゾン川流域の環境問題に対して,帰納的に考察させるようにしたい。そのために「なぜアマゾ
ンの森林は減少しているのか」という問いを立て,帰納的に考察していくための支援として様々な資
料を提示する。資料は,主要農作物の割合,プランテーションでコーヒーを栽培している画像,工業
出荷額の推移,各種工場の分布図,各種資源の分布図,道路の広がりを示した地図とする。
これらの資料から事実を読み取り,
「なぜアマゾンの森林は減少しているのか」
という問いに対して,
産業,人々の生活,自然環境などの側面から帰納的に説明させるようにしたい。その際「資料①では,
~であることが分かる。そのため~である。
」など,資料に基づいて書くことができるようなシンキン
グフレームを提示する。学習形態に関しては,資料からの読み取り,説明文の記入などの取り組みは
個別学習で行い,資料から読み取ったことと森林減少の関係をグループのメンバーと話し合って考え
させるようにしたい。
加えて,
社会科にむずかしさを感じている生徒の学習意欲を引き立てるために,
話し合いでは,内容の理解度が低い生徒が他者の意見を参考にして自分の意見を導くことができるよ
う,グループの人数(3~4人)や机の配置,机間指導のタイミングに配慮する。
4 単元の指導過程
学習内容及び
次 時間
学習活動
第 1
南アメリカ州の自
1
然について,雨温
次
図や写真・統計か
ら読み取る。
第
2
南アメリカ州の歴
指導上の留意点
評価規準と評価方法
南アメリカ州における赤道
の位置を確認させる。そして
資料をもとに,緯度や標高の
高さによって気候が異なる
ことに着目させる。
南アメリカの国々が,ヨーロ
【技】南アメリカの多様な自然環境
について,大きな川や山脈の位置に
関連させて読み取っているか。
(ワー
クシート・観察)
- 29 -
【知】資料をもとに,南アメリカの
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
2
次
第
3
次
3
第
4
次
4
史と文化につ い
て,資料をもとに
考察し,気づいた
ことをまとめる。
南アメリカ州の産
業がどのように変
化してきているの
かを,説明する。
アマゾン川の熱帯
林の減少につ い
て,環境破壊と経
済発展の2つの側
面から考える。
ッパやアフリカとの文化と 国々の言語や人種・民族構成の特徴
深いつながりがあることに を読み取っているか。(ワークシー
気づかせる。
ト・観察)
南アメリカの産業が,モノカ
ルチャー経済から脱却しつ
つあることを,資料をもとに
考えさせ,気づかせる。
アマゾン川熱帯林の環境破
壊の事例を通して,開発と環
境保全の両面から考察させ
る。
【関】グラフや資料をもとに,昔と
今の貿易状況の変化について考察
し,主体的に述べているか。
(ワーク
シート・発表)
【思】
【関】環境問題に対して主体的
に探求し,進んで考えながら,自分
の言葉でまとめ,主張できているか。
(ワークシート・発表・観察)
5 本時の学習
(1)目標
様々な資料から事実を読み取らせ,
「なぜアマゾンの森林は減少しているのか」という問いに対し
て,事実に基づき帰納的に説明させる。
(2)本時の評価規準
資料を基に,アマゾンの森林破壊の原因を読み取り,説明することができたか。
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過 形
学習活動
教師の支援活動
教材等
程 態
つ C ①前時の学習内容の復習
○電子黒板でスライドを提 ・電子黒板
か
・南アメリカ州の産業について簡単に振り返る。
示し簡単に振り返らせ
・ワークシ
む
②本時の課題について知る。
る。
ート
○電子黒板で森林伐採のよ
うすの写真を提示する。
なぜアマゾン川流域の森林は減少しているのか説明できる!
考
え
る
深
め
る
P ③資料からブラジルの経済や自然,暮らしの特色を ○机間指導により,必要に ・ワークシ
読み取る。
応じてヒントを与える。 ート
〈予想される答え〉
・近年,工業出荷額が増えている。
・コーヒー豆やサトウキビが主要農作物だ
・鉄鉱石などの資源がとれるなど
C ④資料から読み取った結果を発表し,他者の意見と ○発表で出された意見を
比較する。
まとめていく。
・ワークシ
⑤アマゾン川流域の森林が減少している理由を自
ート
分の言葉で説明する。
G ⑥アマゾン川流域の森林を保護するための取り
○役割を決めて話し合いを ・ミニホワ
組みを話し合う。
進めさせる。
イトボー
〈予想される答え〉
ド
・これ以上森林を伐採して道路をつくらないよう
・ワークシ
にする
ート
・不法に森林伐採したものを取り締まる
・コーヒー豆,サトウキビなど各種農場の大きさを
- 30 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
国が規制するなど
確 C ⑦環境保全のための取り組みを発表する。
か
め
る
- 31 -
○ミニホワイトボードに書
いたものを黒板に貼り,そ
れぞれのグループの代表
に発表させる。
1校時
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第2学年2組 社会科学習指導案(地理的分野)
場所 2年2組教室(教室棟2F)
1
指導者
教諭 吉村 典浩
単元・教材名
日本は原子力発電所とどのように向き合っていくべきか
~具体的プランを検討しあおう~
2 単元について
(1)単元の目標
○ 市民社会において正解は存在しないが,切実な判断に迫られているエネルギー問題について
考え,現時点での自分なりの意見を持つことができる。
○ 相手の主張に対して,実施可能性や持続可能性,更に別の問題発生の可能性を考慮して質問
し,改善点を提案できる。
○ 論題に対して多面的・多角的に考え,明らかになった問題点を改善する方法を考え出す。
(2)単元の評価規準
社会事象への
社会事象について
社会的な思考・判断・表現
資料活用の技能
関心・意欲・態度
の知識理解
・日本の諸地域の地域 ・日本の諸地域の地域的特 ・日本の諸地域の地域 ・日本の諸地域について,
的特色に対する関心 色を,自然環境,歴史的 的特色に関する様々 自然環境,歴史的背景,
を高め,それらを意 背景,産業,環境問題や な資料を収集し,有 産業,環境問題や環境
欲的に追求しとらえ 環境保全,人口や都市・ 用な情報を適切に選 保全,人口や都市・村
ようとしている。
村落,生活・文化,他地 択して,読み取った 落,生活・文化,他地
域との結びつきのいずれ り図表などにまとめ 域との結びつきのいず
かを中核とした考察の仕 たりしている。
れかを中核とした考察
方を基に多面的・多角的
の仕方を基に地域的特
に考察し,その過程や結
色を理解し,その知識
果を適切に表現してい
を身につけている。
る。
・日本のエネルギー政 ・日本のエネルギー政策に ・日本のエネルギー政策 ・中部地方の産業の特色,
策に対する関心を高 ついて考える意義や特色, に関する有用な情報 相互の関連を理解し,
そ
め,それを意欲的に 相互の関連を多面的・多角 を適切に選択して自 の知識を身に付けてい
追求し,広い視野に 的に考察し,
社会の変化を 分の意見形成のため る。
立って自分なりの主 踏まえ公正に判断してい に活用している。
張を述べようとして る。
・教科書等を参考にしな ・中部地方の原子力発電
いる。
・相手の主張の問題点を踏 がらワークシートに 所の現状をとらえてい
・日本のエネルギー政 まえて質問したり改善す まとめている。
る。
策に興味を持ち課題 べき点を提案できたりし ・資料の要点をノート
に取り組もうとして ている。
にまとめながら資料
いる。
・論題に対して多面的・多角 読解を進めている。
的に考え,未来を見通し ・資料を活用しながら
・積極的に討論に参加 て筋道の通った最終判断 プランの作成ができ
しようとしている。
ができる。
る。
・現在の社会的状況をもと
に判断しているか。
・日本の発電に関して望ま
しい方法を述べている。
- 32 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
3 指導に当たって
(1)生徒観
学習状況調査(12 月実施)の結果から,資料を読み取って文章記述によって回答する問題で約35%
の生徒が空欄であった。単純に語句や記号で答える問題に比べて無回答率が高い。複数の資料を読み
取って得た情報を文章として表現することが十分できていない。その前提として必要とする基礎知識
が定着していないことも原因と考えられる。
日頃の授業において,本学級の生徒は私語が少なく熱心に取り組む生徒が多い,しかし教科書の内
容を理解するだけの学習には意欲が持てない生徒も存在する。
そのためワークシートを活用し,学び合いによって東北地方の生活・文化を中心に学習する。その
後,
「日本は原子力発電所とどのように向き合っていくべきか」という現実的論争問題を扱っていく。
同様の単元構成で行った授業として,中学 2 年 1 学期に単元「日本の範囲」において「北方領土問
題をどのように解決するべきか。
」を行った。教科として興味がある・なしを越えて,現実に私たち
が問題に向き合い,判断しなくてはならない現実的課題であることを伝えたところ,関心を持って取
り組む生徒が多かった。その際,班活動によって協力しながら立論や反論を作成する様子が見られた。
今回のテーマは,先に行われた衆議院選挙でも大きな論点となっていた。政治的判断を行う市民と
しての語りを求めていきたい。
【系統図】
中学1年:石油資源が豊富な西アジア
中学2年:中部地方はどのような地方だろうか
若狭湾に原発が集中していることをつかむ
中学2年:資源や産業の特色
エネルギー・鉱産資源の生産と消費
発電方法とその内訳をつかむ
小学5年 工業生産と貿易
石油が主に西アジアの国々から輸入
されていることをつかむ
中学2年 東北地方
日本は原子力発電所とどのように向き合っていくべきか
中学3年:21世紀の資源・エネルギー問題
(2)教材観
2011年の東北大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故から3年が経過した。福島第一原子力発
電所の事故は東北地方や福島県の人だけの問題ではなく,私たちも考え続けなければならない問題であ
る。東北の震災に対して「絆」という言葉がさかんに使われ,人々の結びつきが高まったかに見えた。
しかし,震災がれきの受け入れ・処分に関しては,その絆は見られなかった。私たちが暮らす九州にお
いても川内原発や玄海原発の再稼動に向けての動きが進んでいる。玄海町においては原発再稼動を目指
す町長が住民の支持により再選された。今後の日本のエネルギー政策については性急に判断せず10年
ほどかけて長期的に考えていくべきだという意見もある。私たちは,ひとりの市民として日本のエネル
ギー政策においてどのような状況を優先して決定していくべきか考え続けていかなければならない。こ
うした取り組みを通じて社会科の目標である「公民的資質」を育成するべきだと考えている。
教科書の単元,中部地方はサブテーマ「産業の視点を中心にして」と設定されている。本授業では,
中部地方各地域の産業や生活を支えるエネルギーとして,若狭湾に集中している原子力発電所に注目す
る。本単元の学習内容は、日本が原子力発電所とどのようにむきあうべきかを判断するためのリソース
のひとつと位置づけて学習を行っていく。
- 33 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
(3)研究テーマとのかかわり
本単元の問いである「日本は原発とどのように向き合っていくべきか~具体的プランを検討しあお
う~」は現実社会における論争問題である。私たちは社会を構成する一員として現実的社会問題に対
して何らかの判断を下すことが求められる。ここに学ぶ必然性が発生する。教師から生徒への一方向
的に知識が伝達されるのではなく,自ら探求し判断することが求められる。さらに,それがどのよう
な判断であるにせよ,たった一つの正解があるということはない。すなわち教師・生徒の中で誰一人
として正解を持っていないところで自分がよりよいと考える判断を下していかなければならない。し
かもその判断は,単に自分の思い込みによるものではなく,根拠を示しながら他者を納得させうるも
のである必要がある。以上の理由から研究テーマの関わりをもたせる。
(4)指導観
一方的な教え込みの学習には意欲がもてなかったり,十分理解できかったりする生徒も存在する。
そのためワークシートを使って,学びあいによって中部地方の産業を中心に学習する。
その後,現実的論争問題を授業に持ち込むことにより学ぶ必然性が生まれ,意欲的に取り組ませる
ことを目指す。資料を取捨選択して具体的プランを作成する際においても,資料読解や活用場面でグ
ループワークを活用して取り組ませていきたい。今回の討論は,一般的な「是か非か」を突き詰める
ディベートではなく,プランを検討しあうことによって,実現可能性や持続性を高めるブランを再構
築することを目指す。より現実社会での話し合いに近いパブリックディベートの形式を採る。すすめ
かたとしては,2つのグループがそれぞれ問いに対して実効性があると考えるプランを提示する。相
手チームの発表に対して,実現可能性,効果的か,別の問題発生の可能性はないか等を検討し,質問
を行う。質問に対する回答を受けて,修正意見を発表する。最後に相手チームから修正意見を受けて
最初に発表したプランを修正して最終プランを発表する。審判は,両チームの最終意見を評価する。
後日,意見文作成を行い,討論を経て一人ひとりが新たに構成した主張を意見文としてまとめる。同
様の単元構成で行った授業として,中学 2 年 1 学期に単元「日本の範囲」において「北方領土問題を
どのように解決するべきか。
」を行った。
(この授業では 4 つの立場を設定してパネルディスカッショ
ン形式で討論を行った。
)
4 単元の指導過程(全8時間)
時
学習課題及び
指導上の留意点
評価規準と評価方法
次
間
おもな学習活動
①問題の所在から問いを ・福島の原発事故を想起させ 【関】日本のエネルギー政策に興味
設定した理由をとら るとともに,事故後原発が を持ち課題に取り組もうとしてい
え,単元全体の学びの 停止した状況であること確 る。
〔ワークシート・観察〕
見通しを持とう。(0.5 認させる。
時間)
・玄海原発の近くに住む私た
ちにとっても身近な問題で
あること捉えさせる。
第 1 ②学びあいによって中部 ・生徒どうしのつながりによ 【資】教科書等を参考にしながらワ
一 ~
地方の基礎知識に触れ って学習を進めるよう指導 ークシートにまとめている。
〔ワー
次 2
よう。(1.5 時間)
する。
クシート〕
【知】中部地方の産業の特色,相互
の関連を理解し,その知識を身に
付けている。
〔ワークシート〕
- 34 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
③「問い」を探求するた ・解説を加えながら資料の読 【資】資料の要点をノートにまとめ
めに必要な情報を分析 解を進めさせる。
ながら資料読解を進めている。
〔観
しよう。
(1時間)
察〕
④討論のための準備をし ・根拠となる資料を明確に示 【資】資料を活用しながらプランの
よう。(2 時間)
しながらプランや質問を作 作成できた。
〔ワークシート〕
・資料を活用しながらプ 成させる。
【思】相手の主張を予想し,資料を
ランを作成する。
根拠とする質問を作成している。
・相手のラベルを参考に
〔ワークシート〕
第 3
して資料を活用しなが
二 ~
ら質問を準備する。
次 7
⑤論題「日本は原発とど ・相手の主張した内容から逸 【関】積極的に討論に参加しようと
のように向き合ってい 脱せず的確に反論するよう している。
〔観察〕
くべきか。
」の討論をし 指導する。
【思】相手の主張に対して逸脱する
よう。
(2時間)
ことなく反論を行った。
〔観察〕
【思】論題に対して多面的・多角的に
考え,未来を見通して筋道の通っ
た最終判断ができる。
〔観察〕
⑥討論を振り返り,テー ・ルーブリックを示し,ルー 【思】
マ「日本は原発とどの ブリックに沿って意見文を ・現在の社会的状況をもとに判断し
第
ように向き合っていく 作成するよう指導する。
ている。
三 8
べきか」の意見文を作
・資料を根拠にして主張している。
次
成しよう。
(1時間)
・日本の発電に関して望ましい方法
を述べている。
〔ワークシート〕
5 本時の学習
(1)目標
○ 福島原発の事故をきっかけとして日本のエネルギー政策の見直しについて自分の主張を述べよ
うとする。
○ 相手の主張に対して逸脱することなく質問・修正意見を述べる。
○ 根拠を明確にして意見を述べたり,プランを評価したりできる。
(2)本時の評価規準
○ 積極的に討論に参加しようとしている。
(関心・意欲・態度)
○ 相手の主張に対して逸脱することなく質問や修正意見を述べる。
(思考・判断・表現)
○ 問いに対して持続可能性・有効性・他の問題発生の可能性を考慮してプランを評価できる。
(思考・
判断・表現)
- 35 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
(3)本時の展開【全8時間 本時7/8】
〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)
〕
過
程
学習活動
形
態
教師の支援活動
評価とその方法
①前時までの学習内容の復習
(1)中部地方の原子力発電にふれる。
(2)福島の原発事故から原子力発電に
つ ②福島第一原発の現在の状況から日
C
関する政策見直しが行われている
か 本の原子力発電について問題点と
ことを確認する。
む 論題を確認する。
問い「日本は原発とどのように向き合っていくべきか」
考 ③意見発表を行う【説明する】
C (3)教室全体に聞こえる声量で発表さ
え
せる。
る 〔発表の例〕~予想される意見発表~
ア 原発ゼロを目指すべきである。再び事故が起これば福島のように故郷に住め
なくなり人体へも大きな被害をもたらす。
イ 将来,原発を○基まで減らし,自然エネルギーを増やしていくため,○年間
は現在の火力発電中心に発電を行っていく。
ウ 福島以外の全ての原発を再稼働する。福島のような事故は数百年に一度ある
かどうかの事故なので,震災前のように電力の安定供給を行う。
積極的に討論に
参加しようとし
ているか。
【観察】
(4)質問・意見は相手の主張から逸脱さ 相手の主張した
内容から逸脱せ
せないようにする。
ず的確に質問・
〔意見交換〕~予想される質問と意見~
ア 原発ゼロで将来も持続的に安定して発電ができるでしょうか?原発はゼロを 意 見 交 換 で き
【観察】
目指すのではなく地盤が安定して地震が起こりにくい場所を選んで再稼働する る。
④意見交換を行う【共感的に聞く・批
判的に聞く】
べきです。
イ 原発の数を減らしても核廃棄物は出続けます。どのように処分しますか?地
層処分など核廃棄物の処分方法も示して提案するべきです。
ウ ウランを今のペースで使い続けると石油よりも先に枯渇します。別の発電方
法を示したうえで提案するべきです。
論題に対して多
面的・多角的に
考え,未来を見
通して最終判断
ができる。【観
⑤修正意見の発表を行う【共感的に聞
(5)修正点を示しながら自分たちの意
深
察】
く・批判的に聞く】
【記録する】フ C
見を再度伝えるよう指導する。
め
ローシトに記録しながら議論に参
る
加する。
⑥審判はジャッジを行う。判断の根拠 P (6)プランの実行性・持続可能性・別の
を述べる。
G
問題の発生可能性を考慮し判断させ
る。
〔修正意見〕~予想される修正意見~
ア 最終的に原発ゼロを目指す。安定した発電方法が確立するまではいくつか選
んで原発を使用する。
イ 核廃棄物の地層処分は日本では難しいので地盤の安定した外国で処分してく
れる国を探し相応の処分費用を支払う事で最初のプランを実行する。
ウ いくつかの原発でプルサーマル発電を行い,各廃棄物の再利用も行いながら
少しでも長く原発での安定した発電を行う。
⑦本時を振り返る。
確
⑧次時にパフォーマンス課題「日本は
か
原子力発電所とどのように向き合
め
っていくべきか」に取り組むことを
る
告げる。
(8)次時の見通しを持たせる。
- 36 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
問い
日本は原子力発電所とどのように向き合っていくべきか
現在,全て停止している日本の原子力発電所を今後どのようにするべきか考えよう。
2011年3月11日の東北の大震災に伴って福島第一原子力発電所で水素爆発が起こりました。福島第一原子
力発電所周辺では帰還困難区域,居住制限区域が設定され今も故郷に戻れない人がいます。その後全国の全
ての原子力発電所が検査名目で停止しています。
震災以前,日本の電力の3割を賄っていた原発が停止した分を火力発電で補っている現状と今停止してい
る原子力発電所を今後どのようにするべきか考えましょう。
経済産業省は,今後のエネルギー政策を考える視点として「3つのE」と「1つのS」を示しています。
「3つのE」とは,安定供給(Energy Security)
,経済効率性の向上(Economic Efficiency),環境への
適合(Environment)+「1つのS」安全性(Safety)これらを満たすことを条件に,今後日本の原子力発電所
をどうするべきか考えていきましょう。
〈意見発表の例〉
A.将来,原発を○基まで減らし,自然エネルギーを増やしていく,
電力の安定供給とコストを考えて原発をゼロにするべきではないと考えます。しかし,事故の不安を
完全にぬぐうことはできないので,原発は○基まで削減します。その分太陽光発電や風力発電など再生
可エネルギーの開発を進めていきます。再生可エネルギーが原発の削減分を補えるようになるまで,不
足分は火力発電を中心に発電を行っていきます。この政策を行うことによって次のような効果が期待で
きます。原発の事故の危険を減らし,将来の電力安定供給を目指すことができる,です。最後に確認し
ます。私たちが行うべきだと考えることは「将来,原発を○基まで減らし,自然エネルギーを増やして
いく」です。
B.将来原発ゼロを目指すべきであるが今すぐゼロにするべきではない
これまで日本の発電の3割を賄ってきた発電方法なのでより安全で安定的な発電方法が確立するま
で原発を稼働させるべきです。しかし,目標とするタイムリミットを設定し,その時までに原発に代わ
る発電方法を確立させます。将来的には全ての原子炉を廃炉にして原発ゼロにしていくことを目指しま
す。この政策を行うことによって次のような効果が期待できます。電力の安定供給と将来の安全の両方
を手に入れられることです。証拠資料を引用します。
「15 年後にやめるなら,すべての原発を稼働し,
15 年かけてやめる方策を考えるのが世界標準。
」(資料 7) 最後に確認します。私たちが行うべきだと考
えることは「将来原発をゼロにするべきであるが今すぐゼロにするべきではない」です。
C.福島以外の全ての原発を再稼働する。
福島のような事故は数百年に一度あるかないかの事故なので,そのような事態を恐れていてはどの発
電もできません。電力の安定供給とコスト削減を考えて,震災前のレベルまで原子力発電の割合を増や
していくべきです。ただし,福島や耐用年数を超える原発は,順次廃炉作業を進めて行く必要がありま
- 37 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
す。この政策を行うことによって次のような効果が期待できます。それは,電源の多様化によってエネ
ルギー安全保障が強化できることです。証拠資料を引用します。
「燃料のウランは石油などとは異なり
産出地が比較的分散しており、しかもカナダやオーストラリアなど地政学的にも安定した地域に存在
している。それゆえ価格も比較的安定している。
」安定した電力供給のためにも原発を電源の一つとして
残しておくことがオイルショックのようなことが起こった時に日本の安全につながります。最後に確認
します。私たちが行うべきだと考えることは「福島以外の全ての原発を再稼働する」です。
- 38 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第2学年3組 外国語科学習指導案
場所 2年3組教室(教室棟2F)
1校時
指導者 教諭 久保 寛美
1 単元名
Speaking Plus 4 買い物
2 単元について
2年生で学習する Speaking Plus は,①「先生にお願い」
(May I ~? Could you ~?)
,②「電話の
会話」
,そして,本単元の「買い物」
(Shall I ~?)である。
本単元は,買物の場面であり,ジャケットを買いに来たケビンと店員との対話である。May I help you?
look for, How about ~? Shall I ~?などの表現が使われている。
(1)単元の目標
○ 買い物の場面での英語を理解し,英語で買い物することができる。
(外国語理解・表現の能力)
○ 「~しましょうか」という表現を使って,正確に会話ができる。
(表現の能力)
(2)単元の評価規準
観 コミュニケーションへ
外国語表現の能力
点
の関心・意欲・態度
聞 (言語活動への取組)
く ①積極的にグループワ
こ
ークを行い,相手の話
と
していることを聞こ
うとしている。
(観察)
話 (言語活動への取組)
す ② May / Shall / How
こ
much を使って,自分
と
の伝えたい表現を伝
えようとしている。
(観察)
読 (言語活動への取組)
む ③分からないところが
こ
あっても,友達に聞い
と
たり,場面を想定した
りして,読もうとして
いる。
(観察)
書
く
こ
と
(コミュニケーション
の継続)
④既習の語句や表現を
使い,伝えたいことを意
欲的に書こうとしてい
る。
(ワークシート)
外国語理解の能力
(正確な聞き取り)
①対話を聞いて,本文
の場面を理解して
いる。
(観察)
②買い物の際のサイ
ズ交換や価格を尋
ねる表現を正しく
理解している。(観
察)
(正確な発話)
①与えられた場面
を想像し,正確に
伝えている。(観
察,グループワー
ク)
(正確な音読)
(正確な読み取り)
②発音,強勢,抑揚, ③買い物の様子を正
区切りに注意し
しく読み取ってい
て,音読してい
る。
(観察)
る。
(観察,暗唱) ④店員の商品の勧め
方や客の要求の仕
方を正しく読み取
っている。
(観察)
(正確な筆記)
③与えられた場面
を,既習の表現を用
いて,正しく書いて
いる。
(ワークシー
ト)
- 39 -
言語や文化について
の知識・理解
(言語についての知識)
①買い物の受け答えに
関して知識をもって
いる。
(観察)
②May/Shall の助動詞が
含まれた文について
理解している。
(定期
テスト)
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
3 指導に当たって
(1)生徒観
男女とも,授業中それぞれの活動に意欲的に授業に参加し,課題を解決していこうと考えている生
徒が多い。しかし,英語学習も1年半が過ぎて,英語学習に困難を感じ始めている生徒が多く見られ
ることも事実である。writing については,簡単な表現を英語で言えるにもかかわらず,英語で書こ
うとすると書けない生徒が少なくない。これは,文の構造が理解できていないことも考えられるが,
場面や状況における対話のアウトプット活動が多く必要であると言える。そのために,基本的な文法
事項をしっかりと押さえ,語順を意識して英文を創造し,書く学習活動を増やしていくことが必要で
ある。そこで,特に適切な支援や授業展開・教材の工夫により,生徒自身が可能な限り英語を通して
表現し,理解を深められたという達成感をもたせ,さらに表現したことが自分のものとして一層定着
することのできるように授業を展開したい。
(2)教材観
客と店員の間でよく用いられる
表現と「申し出る」表現を習得さ
せる。実際に,客として自分の欲
しい物を英語で店員に伝え,質問
することができるような活動を取
り入れる。
【系統図】
Speaking Plus 1 先生にお願い May I~? Could you~?
Speaking Plus 2 電話での応答 May I speak to~, please?
Speaking Plus 3 道案内 Which ~ goes to …? Take ~.
Speaking Plus 4 買い物 Shall I~?
(3)研究テーマとの関わり
これまで,ペアワークの形態
で対話文の音読活動に取り組んでいた活動を,グループワークに発展させるため,本文の内容理解を
素地として,
「創造性を働かせ新たな場面を創り出し,会話文を作成させる」という課題解決活動につ
なげる。
(4)指導観
指導に当たっては,既習事項をもとに,買い物での客と店員間のよくある会話の場面を通して,自
分自身の欲しい物の情報を相手に伝え,手に入れることができるようになるための教材を提示してい
く。生徒の学習課題である表現力の育成をめあてとする課題を提示し,生徒が自ら考え,場面を設定
し,イメージをもたせて英語の会話を作られるようにする。同時に,実際に生徒同士が活動する前に,
モデル文などの見本を提示し,自信をもって活動できるように,声をかけながらサポートしていく。
4 単元の指導過程(全2時間 本時2/2)
時
次
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
間
第
1 ①本時の学習課題を確認す ○電子黒板で,パターンプ
1
る。
ラクティスを行い,基本
次
文の定着を図る。
②本文の内容を理解し,ペア ○これまで Speaking Plus
で音読することができる。
で学習した「~しましょ
・新出単語の確認をする。
うか」の表現の復習を行
・欲しい物や値段を自由に創
う。
作して,ペア音読をする。 ○客として自分の欲しい
物を英語で店員に伝え,
質問することができる
ような活動を取り入れ
る。
- 40 -
評価規準と評価方法
【コミュニケーションへの関
心・意欲・態度】③
【外国語表現の能力】②
【外国語理解の能力】①②
【言語や文化についての知識・
理解】①
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第
2
次
1校時
2 ○本文の内容に,場面を創造 ○班の中で,全ての生徒が 【コミュニケーションへの関
本
して,登場人物を増やし,
取り組めるような分担 心・意欲・態度】①②④
時
会話を作成する。
をさせる。
【外国語表現の能力】①②③
○会話文の暗唱まで目指 【外国語理解の能力】③④
すように促す。
【言語や文化についての知識・
理解】①
5 本時の学習
(1)目標
・買い物の場面での英語を理解し,英語で買い物をすることができる。
・
「~しましょうか」と申し出ることができる。
(2)本時の評価規準
・モデル対話を参考にしながら,グループで対話を作成し,ロールプレイすることができたか。
【表現・ワークシート】
(3)展開
〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過 形
学習活動
教師の支援活動
教材等
程 態
つ P ①前時の学習内容の復習として,買 ○英語で表現することが難しい ・電子黒板
か
物の場面で遭遇しそうな場面を提
生徒が記入できるように,ワ ・ワークシート
む C
示し,表現させる。
ークシートに日本語の欄を設
ける。
考 C
え
る
②今日の課題について,確かめる。
○本文の内容を確認しながら,
会話文を発展させるように指
示する。
グループで、買い物の場面の対話をもとに、登場人物を増やして、会話文を完成させよう。
深 G
め
る C
確 P
か
め
る
③グループで会話文を作成する。
○班の中で,日本語を考える役
割や英訳する役割など,英語
が苦手な生徒が取り組みやす
いような分担をさせる。
○会話文の暗唱まで目指すよう
に促す。
④いくつかのグループが発表をし, ○聞く生徒が集中するために,
聞く生徒は,リスニングシートに
各グループが創作した会話の
記入する。
部分を聞き取るための観点を
与える手立てをとる。
⑤今日の復習をする。ディクテーシ ○電子黒板で,少しずつヒント
ョンと英訳をする。
を与えていく。
- 41 -
・ワークシート
・辞書
・ワークシート
・電子黒板
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
第2学年5組 理科学習指導案
場所 第2理科室(管理棟2F)
1 単元名
指導者 教諭 江口 達雄
前線の通過と天気の変化
2 単元について
(1)生徒観
これまで,小学5年時の「天気の変化」では,雲の量や動きは,天気の変化と関係があることや,
天気の変化は,観測した気象情報を用いて予想できることなどを学んでいる。気象の単元は,天気予
報をはじめとして,生徒たちにとってより身近な自然現象の一つに挙げられるはずだが,事前の意識
調査の結果からは,気象に関する語彙についての知識は乏しく,気象について知っていることといえ
ば,
「晴れ」や「雨」などの天候に関する語彙しか出てこない生徒がほとんどである。これは,気象
を科学的にとらえようとしている生徒が少ないことを意味しており,自然科学が身近なもので,探求
する価値を感じ取っていないと考えられる。また,観察・実験において,活動を主導的に進めていく
生徒が決まっており,一人ひとりが目的意識と主体性をもって観察・実験を行っていく手だてが求め
られる。
【系統図】
中学2年「気象観測」
気温,湿度,気圧,風向などの気象要素を理解し,
観測方法や記録の仕方を身につける。
小学4年生「天気の様子」
水は水面や地面から蒸発し,水蒸
気になって空気中に含まれる。
小学5年生「天気の変化」
雲の量や動きが天気の変化と関係
する。
中学2年「大気中の水蒸気の変化」
霧や雲の発生について,気圧,気温,及び湿度の変
化と関連付けてとらえる。
・露点
・飽和水蒸気
中学2年「前線の通過と天気の変化」
前線の通過によっておこる気温,湿度,気圧,風向,
天気の変化などを暖気や寒気と関連付ける。
・高気圧、低気圧
・温暖前線、寒冷前線
中学2年「日本の気象」
日本の天気の特徴を気団と関連付けてとらえる。
・気団、季節風
- 42 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
(2)教材観
寒気と暖気がぶつかってできる前線を,温度の異なる水を使ってモデル化し,前線の動きについて
の理解を深めさせる。また,個人の考えや予想とグループワークでまとめた意見を記録する箇所をそ
れぞれ設けたワークシートを使用することで,意見の相違や考えの変容などを比較しやすくする。そ
れによって,後の学習の際に自らの思考過程を振り返れるとともに,気象に関わる科学的な見方や考
え方を定着させたい。
(2)研究テーマとのかかわり
観察・実験に伴う予想や考察などの場面において,個人で考える場面とグループやクラスで意見を
共有する場面をそれぞれ設定し,生徒一人ひとりが役割をもって活動に参加できる流れをつくり,生
徒の主体性を高める。
(3)指導観
身近な気象の観測を通して,観測器具の取り扱い方や観測記録の仕方などを身に付けさせるととも
に,天気変化の中に潜んでいる規則性や原因に気付かせたい。また,観察・実験から天気の変化が主
として大気中の水の状態変化と大気の動きによって引き起こされていること,および,これらの変化
の規則性をもとに天気の予測ができることに着目させたい。
3 単元の指導目標
○ 観測結果などにもとづいて,前線の通過に伴う天気の変化をとらえ,その規則性を見出すことがで
きる。
○ 暖気と寒気がぶつかってできる前線の様子を,プリントにモデル化して表すことができる。
○ 高気圧や低気圧のしくみを理解し,前線の通過に伴う天気の変化を説明することができる。
4 単元の評価規準
自然事象への
関心・意欲・態度
科学的な思考・表現
観察・実験の技能
自然事象についての
知識・理解
・日本の天気の特徴, ・前線が通過するときの ・天気図や気象衛星画像 ・前線の通過に伴う天気
大気の動きと海洋
気温,風向,天気の変
の資料の活用の仕方
の変化などの仕組み
の影響に関する事
化などの規則性を見
などを身に付けてい
と規則性について基
物・現象に進んでか
出すことができる。
る。
本的な概念を理解し,
かわり,それらを科
知識を身に付けてい
学的に探求しよう
る。
とするとともに,自
・天気図や気象衛星画像
・気圧配置と風の吹き方
然環境の保全に寄
から,自分が住んでい
の関係を理解し,高気
与しようとする。
る地域の天気の変化
圧と低気圧の違いを
を予測し,その根拠を
説明することができ
説明することができ
る。
る。
- 43 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
5 単元の指導過程(全 4 時間 本時 2/4)
次
第
1
次
(
導
入
)
時
間
1
2
本
時
第
2
次
(
追
求
)
3
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
①霧や雲のでき方と気象におけ
【観察・実験の技能】
○身近な天気予報の話から,天気
る水の循環を振り返る。
地図上に正しく天気
図への関心を高める。
②本時の学習課題を確認する。
記号や等圧線を引く
ことができている
気象予報士を目指そう!
か。
~天気図を読み解こう~
(ワークシート・練
③地図上に天気記号や等圧線を ○観測結果を表す天気図記号の 習問題)
記入し,天気図を完成させる。 書き方や等圧線の引き方,読み
④高気圧・低気圧における風向
取り方を理解させる。
の分布や下降気流・上昇気流,
天気との関係を理解する。
○デジタルコンテンツを使って
高気圧と低気圧のモデルを示
し,イメージ化を図る。
①気圧配置と風の吹き方を振り ○モデル実験を行う前に,結果の
返り,本時の学習課題を確認
予想を個人で考えさせ,その
する。
後,グループ内で意見交換をし
て実験に臨ませる。
【関心・意欲】
実験の予想を行い,
グループワークや実
験に意欲的に取り組
んだか。
モデル実験から,前線の特性を分析しよう!
(ワークシート・観
②モデル実験を行い,前線ので ○暖気と寒気の勢力の違いによ 察)
きるしくみを検証する。
ってできる前線が違ってくる
ことをおさえる。
①前線の特性を振り返り,本時 ○前線の種類によって発生する 【思考・表現】
の学習課題を確認する。
雲や天気の変化の違いを,モデ 前線の構造を理解
ル図を使ってとらえさせる。
し,前線付近にでき
る雲の様子やそれに
前線の通過に伴う天気の変化を説明できるようになろう!
②それぞれの前線における気象 ○前線の発生から消滅までのし 伴う天気の変化を説
明することができた
データの特徴や天気の変化を
くみをおさえる。
か。
比較し,共通点と相違点をま
(ワークシート)
とめる。
①本時の学習課題を確認する。
第
3
次
(
ま
と
め
)
4
評価規準と評価方法
○前線の移動と気温,風向,降水 【思考・表現】
量の変化を関連付けて考えら 気象要素のデータを
れるようにする
もとに,通過した前
線の種類や時刻を説
気象予報士になって,天気予報をしてみよう!
②気象データのサンプルをもと ○気象要素のデータのどこを見 明することができた
に,いつどのような前線が通
れば,天気の変化や前線の通過 か。
過し,天気がどのように変化
時刻を知ることができるかを 気象要素のデータを
もとに,
したかを考え,グループごと
おさえる。
に発表する。
- 44 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
5 本時の学習
(1)目標
前線面をつくるモデル実験を通して,前線の構造についての理解を深め,温暖前線や寒冷前線付近
にできる雲の様子や天気の変化との関連性を見出させる。
(2)本時の評価規準
・ 前線のメカニズムを理解し,それぞれの前線が通過するときの気温,風向,天気の変化などの規
則性を見いだすことができる。
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過
程
形
態
と
ら
え
る
C
学習活動
教師の支援活動
教材等
①前時の学習内容の復習
○自作のアニメーションを使 ・ワークシート
雲や霧のでき方と気象における水の循
って,これまでの学習内容を ・電子黒板
環を振り返る。
振り返らせる。
②本時の課題について知る。
モデル実験から,前線の特性を分析しよう!
考
え
る
P
③熱対流による雲の生成過程をふり返り, ○机間指導を行い,予想が書け ・ワークシート
暖気と寒気がぶつかる前線面のモデル
ていない生徒へ言葉かけを
実験の結果を予想する。
行う。
予想される答え
・ ゆっくり色が混ざっていく。
・ あまり混ざらない。
G
C
深
め
る
G
C
つ
な
げ
る
C
○グループワークにおける役
割分担を確認させ,それぞれ
が役割意識をもって参加す
るように促す。
④個人で考えた実験の結果予想をグルー ○ホワイトボードを配り,グル
プ内で出し合い,意見交換を行う。
ープ内の意見をまとめさせ,
黒板に貼って紹介する。
⑤モデル実験を行い,結果を記録する。 ○実験装置の仕切り板のはず
し方のコツを伝え,観察ポイ
ントを明確に指示する。
⑥グループで,
最初の予想と実験結果を照 ○結果の考察のヒントとして,
らし合わせ,現象の解明を行う。
二つの水の温度差に着目さ
せる。
⑦話し合った結果を発表し,
他のグループ
の意見と比較する。
・ワークシート
・ホワイトボー
ド
・モデル実験装
置
⑧前線のモデルをワークシートに記入し, ○実験結果をアニメ化したも ・ワークシート
前線の種類についてまとめる。
のを紹介して,実験のまとめ ・電子黒板
を行うとともに,前線の特徴
のイメージ化を図る。
- 45 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第3学年3・4組保健体育科学習指導案(女子 計36名)
場所 体育館
1 単元名
1校時
指導者 教諭 三浦 智弘
球技(バスケットボール)
2 単元について
(1)単元の目標
○ バスケットボールに積極的に取り組むとともに,勝敗を競う楽しさや喜びを味わいフェアなプレ
イを守ろうとすることや分担した役割を果たそうとすること,作戦などについての話し合いに参加
し,健康・安全に気を配り学習に取り組むことができる。
○ バスケットボールの基礎的な知識や技能を活用して,学習課題に応じた運動の取り組み方を工夫
することができる。
○ 基本的な技能や仲間との連携した動きでゲームを展開する動きを身に付けることができる。
○ バスケットボールの特性や成り立ち,技能の名称や行い方,関連して高まる体力を理解すること
ができる。
(2)単元の評価規準
生活や技術への
関心・意欲・態度
・バスケットボールの
学習に積極的に取
り組もうとしてい
る。
・フェアなプレイを守
ろうとしている。
・自己の責任を果たそ
うとしている。
・作戦などについて話
し合いに参加しよ
うとしている。
・互いに助け合い教え
合おうとしている。
・健康・安全に留意し
ている。
生活を工夫し
生活や技術についての
生活の技能
創造する能力
知識・理解
・ボール操作やボールを持た ・ゴール前への侵 ・バスケットボールの特性
ないときの動きなどの技
入などから攻
や成り立ちについて,学
術を身に付けるための運
防を展開する
習した具体例を挙げて
動の行い方のポイントを
ための安定し
いる。
見付けている。
たボール操作 ・技能の名称や試合の行い
・提供された練習方法から, と空間をつく
方について,学習した具
自己やチームの課題に応
りだすなどの
体例を挙げている。
じた練習方法を選ぶこと
動きができる。 ・バスケットに関連して高
ができる。
まる体力について,学習
・仲間と協力する場面で,分
した具体例を挙げてい
担した役割に応じた協力
る。
の仕方を見付けている。
・バスケットボールの試合
・学習した安全上の留意点を
の行い方について,具体
他の練習場面や試合場面
例を挙げている。
に当てはめている。
3 指導に当たって
(1)生徒観
本学級の生徒は小学校時代において,ゴール型のサッカーやバスケットボールに取り組んできてお
り,その特性やおもしろさに多くの生徒が触れて中学校に入学をしている。
中学1年時においは小学校時代に習得した技能やプレイの振り返りの場を設け確認を行った。楽し
く意欲的に行っている一方で,パスがうまく通らない,シュートがリングやボードにも当たらず,得
点がなかなか決まらないなど,技能面の習得に不的確さが感じられた。そのため,基本的なパス練習
やゴール下シュート,ドリブルシュート,レイアップシュートなどを何回も反復練習させ,個人技能
を高めながらミニゲームや簡易ゲームに発展させた。中学2年時では,1年時の振り返りから入り,
基本的な技能を中心に反復練習をさせ,2対1,3対2のアウトナンバープレーや3対3,ハーフコ
ート5対5へと発展させゲームを行った。しかし,個人差が激しく,初めから得意とする生徒は時折,
個人プレイに走ったり,球技を苦手と感じたりする生徒にとってはボールコントロールがうまくでき
ない,ボールに触ろうとしないなど,意欲が損なわれるなどの課題もあった。中学3年時では,2年
- 46 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
時までの基本技能の振り返りとスキルテストを実施しながら,
技能の状況を把握しながら,まずは,活動を一緒にやりやす
いと感じるペアをつくり,そこからチーム分けに発展させる
ようにした。全体的にゲームに関する関心は高いが,基本練
習は長続きしない傾向にあり,自主的な活動も今一歩苦手で
指示待ち傾向にあり,人間関係も複雑であり,協力的に欠け
る生徒もいる。できるだけ自ら進んで授業が展開できるよう
にしていきたい。
また,本学級の生徒にかかわらず,スポーツテストの結果
によると本校の生徒は巧緻性や敏捷性,スピード,筋持久力
など,全体的に体力の落ち込みが見られるため,バスケット
ボールの種目の特性に触れながら楽しみ,技能の習得と体力
の向上を目指し取り組んで行いきたい。
【系統図】
小学校の学びの振り返り
球技としての領域
・バスケットボール
・サッカー
中学1年
・バスケットボールの基本的技能
を身につけ、簡易のルールでゲー
ムを楽しむ。
中学2年
・基本的技能を身に付けチーム毎
(2)教材観
に練習し、作戦について話し合い
球技は,ボールを媒介として,個人対個人,あるいは集団
ゲームを楽しむ。
対集団の攻防から得点を競い合う所に楽しさや喜びを味わう
ことができる運動である。
中学3年
バスケットボールは2つのチームがコート内で入り乱れな
・ゲーム毎に反省や課題を見つけ
がら相互に攻撃と防御を駆使し,一定時間内で得点を競い合
出し、チームの練習に生しながら
うゴール型の運動である。攻防の切り替えが早いので,運動
作戦について話し合いゲームに取
量も多く,ボールコントロールや瞬時に変化する場面に応じ
り入れて楽しむ。
た判断力を高めることに適した教材である。また,基本的な
技能や仲間と連携した動きを発展させて,作戦に応じた技能
で仲間と連携しゲームが展開できるようにするところに喜びを感じることができる。
また,ゲームの反省や課題点をワークシートにまとめ,チームの仲間同士で共有し合い,チーム内
で練習やミニゲームを行いながら確認し,それをゲームに生かしながら楽しみ,成功したときの達成
感を味わうこともできる。
(3)研究テーマとの関わり
生徒を取り巻く社会の現状を見ると,人間関係の希薄さが目立ち,人と人をつなげているものが言
語活動や共同作業・共同活動によるコミュニケーションではなく,携帯電話やSNSなどが主流とな
り,様々な誤解やトラブルに取り囲まれている。本来望ましい生徒像として仲間とともに協力し,考
え,同じ目標に向かって取り組み,その達成感や充実感を味わいながら,様々な活動への意欲へとつ
ながっていくような人間関係を形成していきたい。したがって,本単元はその一つの手立てとして取
り組みを進めていきたいと考える。
(4)指導観
はじめの段階では,学習レディネスとしてバスケットに必要な基本技能の確認をペアワークで行い,
スキルテストを行いながら進めていく。その結果をチーム分けの参考にして6チームに分ける。その
チーム内でスキルアップドリルの基礎練習(ドリブル,シューティング,パス回しなど)を毎時間行
う。単元の評価規準にも挙げている運動の技能「ボール操作と空間に仲間と連携して走り込むなどの
動きによって,マークをかわし,ゴール前での攻防を展開することができる。
」の技能習得のため,
ねらい1ではチーム練習①→ゲーム→チーム練習②の学習形態で進めていく。チーム練習①では3対
2などのアウトナンバーによる状態から,ボールを持っていない時の動き方を意識できるような運動
を取り入れて行く。ゲームではチーム練習①を生かして行い,チーム練習②ではゲームで見付けた課
題を出し合い,それをもとに練習できるようにする。また,チーム練習で出た意見や課題はワークシ
ートに記入し,次回への課題を明確にしていく。
- 47 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
ねらい2ではゲーム①→チーム練習→ゲーム①の学習形態の形を取り入れ,ゲーム①では3対3の
チーム対抗ゲームを通して課題を明確にし,チーム練習では,課題にあった練習や提示された練習方
法を用いて,課題解決を見いだす話し合いの時間を確保していきたい。ゲーム②では課題解決がなさ
れるかどうかの確認の時間としたい。ねらい1同様,毎時間の授業で気づいたことやわかったことを
ワークシートに書き込み自己やチームの課題を明確にさせる。
まとめの段階では,6チームのチームバランスを考えて,対戦を決めて高めた力を確認しながら十
分にバスケットボールを楽しませるようにしたい。
そこで,本時の指導にあたっては,自己のチームの課題を明確に持たせるために,チームでの話し
合いや練習の時間,ワークシートの記入の時間を確保し,自己やチームの課題及び解決方法をチーム
全体で共有できるようにしたい。
4 単元の指導過程 ( 全15時間 )
次 時間
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
評価基準と評価方法
1
①バスケットボールの特性につ
〇バスケットボールの進
第
1
いて振り返る。
め方や基本技能の名称
次
②単元を通しての学習課題を設
を発問し,確認する。
(
導
定する。
入
基本技能を高め,チームの作戦を立てながらゲームを楽しむ態度を身に付ける
)
③学習の進め方やワークシート 〇基本的なシュートやパ 【関】スキルテストの
の使い方を確認する。
ス,ドリブルを提示し練 練習に意欲的に取り組
④ペアを作りスキルテスト内容
習させる。
もうとしているか。
の確認,練習をする。
①本時の学習を確認する。
〇チーム編成の参考とす 【関】スキルテストに
るため,基礎的な動きの 一生懸命に取り組んで
スキルテストを行い,今の力を知
内容にとどめ,テスト数 いるか。
る。
2
は多くする。
②スキルテストを行う。
・シュート パス ドリブル
等
①本時の学習を確認する。
3
第
2
次
(
追
求
)
〇チーム内で3対3のミ
ニゲームを行い,今のチ
チーム分けを行い,チーム練習を
ームの現状を知り,課題
行う。
点を出し合い,ワークシ
②チーム分けを行う。
ートにまとめる。
③チーム内で試しのミニゲーム
を行う。
④ミニゲームを通してお互いの
感想や課題点を出し合う。
①本時の学習を確認する。
【思・判】ミニゲーム
を通してお互いで意見
を出し合い,確認をし
ているか。
(ワークシー
ト)
ねらい1:自分たちの今できる作戦を立て,簡単なルールでゲームを楽しむ。
4
②スキルアップドリルを行う。
・ドリブル
・チェストパス,バウンズパス
・ドリブルシュート
・レイアップシュート
③アウトナンバーでの動き
・2対1 ・3対2
④チーム内ミニゲーム
〇シュートやパスの基本
的な動きを再度,模範し
たり,図示したりしなが
ら説明する。
〇アウトナンバーにおけ
る,空間に走り込む動き
の確認やボールとゴー
ルが同時に見える位置
- 48 -
【技】正確性やきちん
としたフォームで取り
組んでいるか。
【思・判・技】アウト
ナンバーでの空間に走
り込む動きやマークを
交わす動きをしている
か。
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
5
6
7
8
9
10
第
3
次
(
ま
と
め
)
11
12
13
14
15
・ハーフコート
の確認,マークをかわし 【関】お互いで空間の
⑤ミニゲームの反省を行い,課題
てボールをもらうパス 位置を声かけしながら
を出し合う。
ラインを図示で説明す 取り組んでいるか。
・仲間との話し合い・自己分析
る。
【知】ワークシートに
・ワークシートへの記入
〇空間の場所を示す声か きちんと課題点を記入
⑥課題確認後,チーム内練習を行
けを行うよう働きかけ し,発表できているか。
う。
る。
また,それを聞いた他
⑦全体集合の後,チーム毎の課題 〇ワークシートへの記入 のチームから解決策や
や気づきを発表し,それに対し
を確認し,意識した動き 意見が発表されている
ての解決策の意見を発表する。
ができるように声を掛 か。
ける。
①本時の学習を確認する。
ねらい2:チームの課題を解決するために練習してゲームを楽しむ。
②スキルアップドリルを行う。
③前時のチーム課題を確認し,チ
ーム対抗ゲーム①を行う。
[オールコート 3対3]
④チームによる課題別練習
[ハーフコート]
⑤チーム対抗ゲーム②を行う。
[オールコート 3対3]
⑥チーム内で振り返り,課題確
認。ワークシート記入を行う。
⑦全体集合の後,チーム毎の課題
や気づきを発表し,それに対して
の解決策の意見を発表する。
①本時の学習を確認する。
〇自己のチームの課題を
見付けることができる
ように,ゲーム①→チー
ム練習→ゲーム②の流
れで活動を指示する。
〇課題を明確にし,ねらい
1で取り組んだ内容も
きちんと加味している
か確認する。
〇まとめのゲームの意欲
付けとして,課題点を解
決する練習の提示を準
備しておく。
〇チームの様子を見なが
ら,互いが精一杯ゲーム
チームで高めた技能を生かして
を楽しめる対戦を考慮
5対5のリーグ戦のゲームを楽
する。
しむ
【思・判・技】自己の
チームの課題にあった
動きをしているか。
【知】ワークシートに
きちんと課題点を記入
し,発表できているか。
また,それを聞いた他
のチームから解決策や
意見が発表されている
か。
【関】精一杯動きなが
ら,活動をしている。
見方同士声を掛け合
い,取り組んでいるか。
【知】ワークシートに
②チームバランスを考えた対戦
〇反省を生かしたゲーム きちんと課題点を記入
によるゲームを行う。
ができるよう,声を掛け し,発表する。また,
③ハーフタイムを用いて,前半戦
ながら取り組む。
それを聞いた他のチー
の反省を行う。
ムから解決策や意見が
④反省を生かして後半戦を行う。
〇発表内容や全体の動き
発表される
⑤自己やチームの反省を振り返
を見て,次につながるよ
りワークシートに記入し,全体
うな動きや作戦のアド
集合の後発表する。
バイスを行う。
⑥評価をする
⑦次時の学習内容について確認
する。
- 49 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
5 本時の学習
(全15時間 本時13/15)
(1)目標
自己のチームの課題に応じた動きを意識して取り入れ,ゲームやチーム練習を行う。
(2)本時の評価規準
自己のチームの課題に応じた練習を提示した練習内容から選び,自己のチーム課題に必要な動きを
ゲームに取り入れて活動しているか。
【運動や健康・安全についての思考・判断】
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過
程
形
態
整
理
す
る
C
・
G
学習活動
教師の支援活動
教材等
①前時までの学習内容の確認。
〇チーム毎にキャプテンを中 ・ワークシート
②準備運動,スキルアップドリル
心に集団行動を生かしなが ・デジタイマー
をチーム毎に行う。
ら,活動を行うように指示す ・ホワイトボード
・シュート ・パス ・ドリブル
る。
③本時の目標を確認する。
チームで高めた技能を生かして5対5のリーグ戦のゲームを楽しむ
深
め
る
G
G
①5対5のチーム対抗ゲームを
行う。
②ゲームの前に作戦を話し合う。
・3チームの対抗戦で行う。
・1試合7分(前半)
作戦タイム2分
7分(後半)
・オールコートで行う。
Aコート
ステージ側
〇ゲームに入る前に前時の課
題や反省点を確認する時間 ・デジタイマー
を設ける。
〇練習内容を提示しておく。
【オフェンス】
・ドライブイン
・ワークシート
・カットインプレイ
・ミニホワイトボ
ード
【ディフェンス】
・ゾーンディフェンス
・マンツーマンディフェンス
など
〇自己やチームの課題に沿っ
た練習を行うことができる
ようにそれぞれのチームに
アドバイスする。
〇練習での課題解決に取り組
んだプレイをゲームで行う ・ワークシート
よう指示する。
Bコート
入 口側
振
り
返
る
C
①各チームより本時の反省と次 〇反省や課題点の発表に対し ・ワークシート
時の課題を発表する。
て意見を求め,次回の5対5
②本時の学習のまとめ・次時の確
のリーグ戦の意欲付けを行
認を行う。
う。
- 50 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第3学年3・4組(男子32名)保健体育科学習指導案
場所 運動場
指導者
教諭
兼武 巖
1 単元名 球技(サッカー)
2 単元について
(1)単元の目標
○ サッカーに積極的に取り組むとともに,勝敗を競う楽しさや喜びを味わいフェアなプレイを大切
にすること,自己の責任を果たすことや,作戦などについての話し合いに参加し,健康・安全に気
を配り学習に取り組むことができる。
○ サッカーの基礎的な知識や技能を活用して,自己やチームの学習課題に応じた運動の取り組み方
を工夫することができる。
○ 仲間との連携から,安定したボール操作と空間を作り出す動きなどでゲームを展開し,ゴール前
での攻防を展開することができる。
○ サッカーの特性や成り立ち,技能の名称や行い方,関連して高まる体力を理解することができる。
(2)単元の評価規準
運動や健康・安全への
運動や健康・安全
運動や健康・安全
運動の技能
関心・意欲・態度
についての思考・判断
についての知識・理解
・サッカーの学習に積 ・ボールの操作やボールを持 ・安定したボール操 ・技能の名称や試合の行
極的に取り組もう
たないときの動きなどの
作と作り出した
い方について,学習し
としている。
技術を身に付けるための
空間に仲間と連
た具体例を挙げてい
・ルールやマナーを守
運動の行い方のポイント
携して走り込む
る。
り,お互いのフェア
を見つけている。
などの動きによ ・サッカーに関連して高
なプレイを認めて ・提供された練習方法から,
って,パスをつな
まる体力について,学
いる。自己の役割に
自己やチームの課題に応
ぎゴール前に侵
習した具体例を挙げ
積極的に取り組ん
じた練習方法を選ぶこと
入してシュート
ている。
でいる。
ができる。
することができ ・運動観察の方法につい
・お互いに助け合い, ・作戦などの話し合いなどで
る。
て理解したことを言
教え会いながら協
合意を形成する関わり方
ったり書き出したり
力して取り組もう
を見つけている。
している。
としている。
3 指導に当たって
(1)生徒観
本学級の生徒は小学校時代において,ゴール型の球技のサッカーに取り組んできている。地域でい
くつか活動している社会体育のサッカーチームに所属している者も少なくなく,その特性やおもしろ
さに多くの生徒が触れて中学校に入学をしている。
中学1年時においてはサッカーの楽しさや特性に,より深く理解できるようにDVDによる視聴か
ら導入を行った。また,小学校時代に習得した基本技能の振り返りの場を設け確認を行った。楽しく
意欲的に行っている一方で,力強いシュートばかりを意識して,パスをつないで攻め上がる動きに乏
しく,社会体育や部活動を通してサッカーに取り組んでいる生徒は個人プレイが目立ち,苦手に感じ
る者はボールを保持したらとりあえず蹴り出すだけなど,技能面の習得やチームワーク力不足が感じ
られた。そのため,基本的なパスの出し方から練習し,1対1のパスワークを反復し,個人技能を高
めた。技能の高まりをお互いで確認し合いながら,次は2対1によるパス回しなど,対人の人数を増
やしながらミニゲームまで発展させパスの精度を高めるようにした。しかし,初めから得意とする生
- 51 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
小学校の学びの振り返り
徒同士だけでパスをつないで攻め上がったり,また,球技
球技としての領域
そのものを苦手と感じたりする生徒にとってはボールコン
・サッカー ・バスケットボール
トロールが上手くできない,ボールが回ってこないなど意
欲が損なわれたりするなどの課題もあった。
中学2年時では,1年時の振り返りから入り,基本的な
中学1年
パスワークからミニゲームへ発展させてみて現状の様子を
・サッカーの基本的技能を身につけ、
把握することから入った。チーム毎に振り返りの時間を設
簡易のルールでゲームを楽しむ
け,お互いで気づきを述べ,課題点を見いだしてチームの
練習に生かす取り組みを反復した。また,基本技能からチ
ームワークへの発展を求め,個人の技術向上の到達度を設
定し,それぞれの様子や技能に応じた役割やポジションを
意識できるようなフォーメーションでゲームに取り組んだ。 中学2年
・基本的技能を生かしてチーム毎に
各個人が自分の力を存分に発揮でき,チームへの所属感や
練習し、作戦について話し合いゲー
達成感を味わい,お互いが認め合うチーム作りを行った。
ムを楽しむ
中学3年時では事前にサッカーについてのアンケートを
実施し,興味・関心にあわせ,どのようなチームだったら
さらに意欲的に取り組めるかのアンケートも同時に調査し
た。その結果「気の合う仲間,同じくらいのレベルの人」
中学3年
などの意見を聞くことができた。
生徒の実態・様子に加え、
・ゲーム毎に反省や課題を見つけ出
チーム分けの参考とした。単元の初めに2年時の振り返り
し、チームの練習に生しながら作戦
として基本技能のスキルテストを行い、現段階での自己の
について話し合いゲームに取り入
技能を確認し、チームにおける自分の役割や授業を進める
れて楽しむ。
中でどれだけ伸ばすことができたかなどの規準にしたいと
考えている。
個々人の意欲やゲームに関する関心は高いが,
主体的に課題点を見いだしてゲームに生かそうとする思考力や作戦に基づいた約束の動きを継続し
ようとする協力的な様子に欠ける一面がある。チームでの仲間意識やチームワークを高める取り組み
や活動を入れる必要性を感じる学級集団である。その上でチームの課題を毎時間毎のゲームで見いだ
しながら,提示した練習内容からチームに必要な内容を選択し,作戦を立ててゲームに臨むようにす
る。また,本学級の生徒にかかわらず,スポーツテストの結果によると本校の生徒は巧緻性や敏捷性,
スピード,筋持久力に落ち込みが見られるため,サッカーの種目の特性に触れながら楽しみ,技能の
習得と体力の向上を目指し取り組んで行く。
(2)教材観
球技は,ボールを媒介として,個人対個人,あるいは集団対集団の攻防から得点を競い合う所に楽
しさや喜びを味わうことができる運動である。
サッカーは2つのチームがコート内で攻守入り乱れながらパスやドリブルを駆使し,ゴールまで運
んでシュートをする一定時間内で得点を競い合うゴール型の運動である。コートも広く,運動量も多
いため,安定したボールコントロールや素早いパスワーク,ドリブル,空間を見つけて走り込むなど
場面に応じた判断力を高めることに適した教材である。また,基本的な技能や仲間と連携した動きを
発展させて,作戦に応じた技能で仲間と連携しゲームが展開できるようにするところに喜びを感じる
ことができる。
ゲームの反省や課題点をワークシートにまとめ,チームの仲間同士で共有し合い,チームの課題に
応じた練習内容を選択し,それをゲームに生かしながら協力して楽しみ,成功したときの達成感を味
わうこともできる。
(3)研究テーマとの関わり
生徒を取り巻く社会の現状を見ると,人間関係の希薄さが目立ち,人と人をつなげているものが言
語活動や共同作業・共同活動によるコミュニケーションではなく,携帯電話やSNSなどが主流とな
- 52 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
り,様々な誤解やトラブルに取り囲まれている。本来望ましい生徒像として仲間とともに協力し,考
え,同じ目標に向かって取り組み,その達成感や充実感を味わいながら,様々な活動への意欲へとつ
ながっていくような人間関係を形成していきたい。したがって,本単元はその一つの手立てとして取
り組みを進めていきたいと考える。
(4)指導観
はじめの段階では,学習レディネスとして2年時までに習得した技能の確認をペアワークで行い,
スキルテストとして進めていく。その結果やサッカー部やクラブチーム所属などを考慮しバランスの
良いチームを編成し4チームに分ける。そのチームで,まずはお互いの仲間意識を高めるチーム対抗
戦を補強運動や体力の向上に絡めてリレーなどで取り入れていきたいと考える。現段階のチームの状
況や課題を知るために,ルールを確認し試しのゲームを行う。その後チームの課題を見いだして,次
回のチーム練習へ結びつけていく。しかし主体的な課題解決に向けてチーム練習を見いだす思考力に
乏しい様子があるため,ねらい1ではチーム練習の内容を教師側で準備し,それぞれの練習の仕方を
確認する時間を設けていきたい。その後学習したチーム練習を生かしたゲームに取り組み,その中で
チームの課題点や反省点を見いだし,振り返りの時間ではチームの作戦に対する各チームでの反省・
評価を全員の前で述べる時間を設け,他のチームとも共有していきたい。単元の評価基準にも挙げて
いる運動の技能「安定したボール操作と作り出した空間に仲間と連携して走り込むなどの動きによっ
て,パスをつなぎゴール前に侵入してシュートすることができる。
」の技能習得のため,ねらい1で
はこの練習時間も確保した学習形態で進めていく。また,この技能習得には基本的なパスやボールを
保持して運ぶコントロール,ドリブルが欠かせないことも気づかせていきたい。練習内容は4対3な
どのアウトナンバーによる状態から,シュートまで結びつける動きに取り組み,同時にボールを持っ
ていない時の動き方を意識できるような思考力を身に付けるように声をかけていく。
ねらい2では各チームの課題や様子に応じてねらい1で習得した練習から選択し,毎時間のチーム
練習の時間に取り入れて行く。その後作戦を立てゲームに取り組み,チーム毎の振り返りで出た意見
や課題はワークシートに記入し,全員の前で発表し,共有して次回への取り組みを明確にしていく。
まとめの段階では,ゲーム中心の4チームリーグ戦を行い,ハーフタイムでは前半戦の反省を確認
し,後半に生かす形を取っていきたい。お互いで高めた力を確認しながら十分にサッカー楽しませる
ようにしたい。
そこで,本時の指導にあたっては,自己のチームの課題を明確に持たせるために,チームでの話し
合いや練習の時間,ワークシートの記入の時間を確保し,自己やチームの課題及び解決方法をチーム
全体で共有できるようにしたい。
4 単元の指導過程 ( 全 15 時間 本時 12/15 )
時
次
学習課題及び主な学習活動
指導上の留意点
評価基準と評価方法
間
①サッカーの特性や魅力につ 〇サッカーの進め方や基
いて映像やプリントで振り
本技能の名称を発問し,
返る。
確認する。
②単元を通しての学習課題を
設定する。
第
1
次
安定したボール操作とパスワークを身に付け,作り出した空間を生かし,シュートへ結びつ
( 1
けるようなチームの作戦を立てて,フェアなプレイでゲームを楽しむ態度を身に付ける。
導
入
)
③学習の進め方やワークシー
【関】スキルテストの練習に
トの使い方を確認する。
意欲的に取り組もうとしてい
④ペアを作りスキルテスト内 〇基本的なシュートやパ る。
容の確認,練習をする。
ス,ドリブルを提示し練
習する。
- 53 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
①本時の学習を確認する。
2
3
/
4
5
〇チーム編成の参考とす 【関】スキルテストに一生懸
るため,基礎的な動きの 命に取り組んでいる。
スキルテストを行い,今の技術
内容にとどめ,テスト数
力を確認する
は多くする。
②スキルテストに取り組む。
・シュート パス ドリブル
等
①本時の学習を確認する。
〇チーム対抗リレーを行
い,体力と仲間意識の向
チーム分けを行い,仲間意識を
上を行う。
高める対抗リレーとミニゲー
〇チーム内で4対4のミ
ムをする
ニゲームを行い,今のチ
②チーム分けを行う。
ームの現状を知り,課題
③チーム対抗リレーで仲間意
点を出し合い,ワークシ
識を高める。
ートにまとめる。
④ミニゲームを通してお互い
の感想や課題点を出し合う。
【思・判】ミニゲームを通し
てお互いで意見を出し合い,
確認をしている。
(ワークシー
ト)
①本時の学習を確認する。
ねらい1:課題解決のための練習内容を学び,安定したボール操作と作り出した空間に仲間
と連携して走り込むなどの動きを習得する。
第
二
次
(
追
及
)
②チーム対抗リレーを行う。
〇課題解決の練習につい 【技】きちんと取り組んで技
③課題解決の練習を確認する。
て模範したり,図示した 能を高めようとしている。
・インサイドキック
りしながら説明する。
・アウトサイドキック
・パスワーク ・ヘディング
・1対1 ・2対2 ・3体2
【思・判・技】安定したボー
・ドリブル ・ランニングパス
ル操作や空間に走り込む動き
・スクエアパス・トラッピング
をしている。
・サイド攻撃(クロス)
・ゴール前の空間作り
④チーム内ミニゲーム
〇空間に走り込む動きの 【関】お互いで空間の位置を
・ハーフコート
確認やボールとゴール 声かけしながら取り組んでい
⑤ミニゲームの反省を行い,課
が同時に見える位置の る。
題を出し合う。
確認,マークをかわして
・仲間との話し合い・自己分析
ボールをもらうパスラ
・ワークシートへの記入
インを図示で説明する。
⑦全体集合の後,チーム毎の課 〇空間の場所を示す声か 【知】ワークシートにきちん
題や気づきを発表し,それに
けを行うよう働きかけ と課題点を記入し,
発表する。
対して意見を発表する。
る。
また,それを聞いた他のチー
〇ワークシートへの記入 ムから解決策や意見が発表さ
を確認し,意識した動き れている。
ができるように声を掛
ける。
- 54 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
①本時の学習を確認する。
ねらい2:チームの課題解決に適した練習を選択し,作戦を立ててゲームを楽しむ。
10
11
12
②前時のチーム課題を確認し, 〇各チームの課題を見付 【思・判・技】自己のチーム
課題に応じた練習を選択す
けることができるよう の課題にあった動きをしてい
る。
に,前時の活動を確認し る。
③チーム練習を生かした作戦
チーム練習を伝える。
を立ててチーム対抗戦でゲ 〇課題を明確にし,ねらい
ームを行う。
1で取り組んだ内容も
④チーム内で振り返り,本日の
きちんと加味している 【知】ワークシートにきちん
ゲームの反省・課題を出し合
か確認する。
と課題点を記入し,
発表する。
い確認してワークシート記
入を行う。次回の練習内容を
記入する。
⑤全体集合の後,チーム毎の課 〇次回の意欲付けとして,
題や気づきを発表し,次回の
課題点を解決する練習
練習内容を発表する。
の提示を準備しておく。
①本時の学習を確認する。
練習を生かし,前後半で作戦を
立ててゲームを楽しむ
第
三
次
(
ま
と
め
)
13
14
15
②チーム練習を行い,作戦を立
てワークシートに記入する。
③前半戦終了後チームで反省
と振り返りを行い,ワークシ
ートに後半戦の作戦を記入
する。
④自己やチームの反省を振り
返りワークシートに記入し,
全体集合の後発表する。
〇チームの様子を見なが
ら,お互いが精一杯ゲー
ムを楽しめるように,動
き方や作戦を意識した
声をかけていく。
〇反省を生かしたゲーム
ができるよう,声を掛け
ながら取り組む。
〇発表内容や全体の動き
を見て,次につながるよ
うな動きや作戦のアド
バイスを行う。
【関】精一杯動きながら,活
動をしている。味方同士声を
掛け合い,取り組んでいる。
【知】ワークシートにきちん
と課題点を記入し,
発表する。
また,それを聞いた他のチー
ムから解決策や意見が発表さ
れる
5 本時の学習
(1)目標
自己のチームの課題に応じた動きを意識して取り入れ,ゲームやチーム練習を行う。
(2)本時の評価規準
自己のチームの課題に応じた練習を提示した練習内容から選び,自己のチーム課題に必要な動きを
ゲームに取り入れて活動しているか。
【運動や健康・安全についての思考・判断】
- 55 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過
程
つ
か
む
形
態
C
学習活動
教師の支援活動
教材等
①キャプテンを先頭にチーム 〇チーム毎にキャプテンを中心に ・ワークシート
毎に集合し,整列をする。
集団行動を生かしながら,活動を
②本時の目標を確認する。
行うように声をかける。
本時のチーム練習をワークシートで振り返り,練習を生かしてゲームを行い,本時の良か
った点や課題点を見つけることができる!
G
考
え
る
深
め
る
確
か
め
る
C
③学習内容を確認する。
〇声を出して各部位をしっかりと ・ワークシート
・前時で選択した本時のチ
動かしながら準備体操に取り組
ーム練習の内容を確認す
むように声をかける。
る。
④挨拶・出席の確認後にグラ
ウンド 1 周の後に準備体操
を行う。
①チーム練習に取り組む。
〇前時の様子を教師からも感想と ・ワークシート
・ハーフコートとゴール1
して伝える。
つを用いて練習を行う。
〇練習内容を掲示し,その動きや課 ・ホワイトボード
・2~3種類の練習を選択
題点を伝えながら,より活発な動 ・練習内容一覧表
して幅広い内容で行う。
きができるように声をかける。
②ゲームの前に作戦を話し合
う。
・インサイドキック・ヘディン
・練習内容を意識した動き グ
とポジショニングの確認, ・アウトサイドキック・ドリブ
空間の作り方を共通理解す ル
る。
・パスワーク・ランニングパス
③チーム練習と作戦を意識し ・1対1 ・2対2 ・3体2
たゲームを行う。
・スクエアパス・トラッピング
・オールコートで行う。
・サイド攻撃(クロス)
・1試合15分
・ゴール前の空間作り
〇作戦を意識するように声をかけ,
ボールを持っていないときの動
きや空間への移動に気づくよう
な声かけを行う。
①各チームより本時の反省と 〇反省や課題点の発表に対して意 ・ワークシート
次時の課題を発表する。
見を求め,次回から始まるリーグ
②本時の学習のまとめ・次時
戦への意欲付けを行う。
の確認を行う。
- 56 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
雨天時学習指導案
場所 3年4組教室(教室棟1F)
指導者
教諭
兼武 巖
5 本時の学習
(1)目標
ICT利活用による,前時の活動の様子をビデオ映像で確認,自己のチームを分析・課題を見出し
次時のチーム練習や戦術を練る。
(2)本時の評価規準
自己のチームの分析・課題を見出し,意見や思考を深めあいながら,自己のチーム課題に必要な練
習内容や戦術の意見を出しているか。
【運動や健康・安全についての思考・判断】
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過
程
つ
か
む
形
態
C
学習活動
教師の支援活動
①チームごとにグループを形成し着席す
る。
②本時の目標を確認する。
教材等
〇チーム毎にキャプテンを ・ワークシート
中心に集団行動を生かし
ながら,活動を行うよう
に声をかける。
前時の活動をビデオで振り返り,自分のチームを分析し課題を見出して次時のチーム練習
や戦術を見つけることができる!
P
考
え
る
G
深
め
る
確
か
め
る
C
③学習内容を確認する。
・前時のゲームの映像を元に意見を出
し合う。
④挨拶・出席の確認後にワークシートを
受け取り記入欄や内容を確認する。
①1 班対 2 班のゲームの映像を見る。
・1 班 2 班は自分のチームの課題を見
出し,個人カードに記入する。
・3 班 4 班は気づいた点を個人カード
に記入する。
②3 班対 4 班のゲームの映像を見る。
・3 班 4 班は自分のチームの課題を見
出し,個人カードに記入する。
・1 班 2 班は気づいた点を個人カード
に記入する。
③各班で自分のチームの課題や気づきを
まとめ次時の戦術や練習内容を確認す
る。また,他のチームの気づきもまと
める。
〇映像で客観的にチームや ・ワークシート
自分を見ることが,技術
の向上にもつながるよう
に声をかける。
〇前時の様子を教師からも ・ワークシート
感想として伝える。
〇映像の様子を見ながら,
①個人技能②チームワー
ク③ポジショニングの 3
観点に絞ったアドバイス
や気づき,声かけを行う。
○チーム内の個人の動きや ・ワークシート
課題を具体的にして,個
人の意識も高まるような
声かけをする。
○他のチームの課題点や気
づきをまとめることで自
分のチームへの参考にで
きるように声をかける。
①各班から自分のチームの課題と練習内 〇反省や課題点の発表に対 ・ワークシート
容及び他の班への気づきを発表する。
して意見を求め,次回か
②本時の学習のまとめ・次時の確認を行
ら始まるリーグ戦への意
う。
欲付けを行う。
- 57 -
1校時
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
第3学年5組 理科学習指導案
場所 3年5組教室(教室棟1F)
指導者 教諭 林 桂子
1 単元名 中学校理科学習の総仕上げ
2 単元について
(1)生徒観
中学校理科の内容を学習し終え,物理,化学,生物,地学の基礎的知識を有している。その知識を使い,
入試レベルの問題を解くことができる。しかし,既習事項を忘れたり,混乱し,使う場面を間違えたりすること
がある。お互いに教え合うことで,知識を整理し,使用する方法を理解し高め合うことができる集団である。
【系統図】
1年
植物の生活と種類
1年
物質のすがた
1年
身近な物理現象
1年
大地の変化
2年
動物の生活と
生物の進化
2年
化学変化と
原子・分子
2年
電流とその利用
2年
気象のしくみと
天気の変化
3年
生命の連続性
3年
化学変化とイオン
3年
運動とエネルギー
3年
地球と宇宙
3年
自然界のつり合い
3年
地球の明るい未来のために
―自然と人間と科学技術―
入 試 問 題
(2)教材観
過去の入試問題を使い,自分の知識を確かめ,教え合うことにより,理科の学習内容の理解を深め
ることができる。また,ワークシートで問題を解く方法やポイントのまとめ方を工夫することにより,
学習方法を身に付けることができる。
(3)研究テーマとの関わり
問題を解く中で,個人での学習とグループで教え合い,学級で,学習する方法を共有し合う場面を
つくり,それぞれが役割を持って学習に参加できる流れをつくり,生徒の主体性を高める。
- 58 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
(4)指導観
目前に迫った入試への対策としての学習であり,必要な知識の再確認と学び方を教え合う場面を仕
組みたい。グループで協力して問題を解く中で,お互いが理解し合えるよう説明ポイントをみつけ,
試験勉強への取り組み方を身につけさせたい。
3 単元の指導目標
これまでの学習内容を用いて,過去の入試問題を解きながら問題を解くポイントを見つけ,学級全員
で共有しながら,問題を解く力を高め合う。
4 単元の評価規準
自然事象への
科学的な
自然事象についての
観察・実験の技能
関心・興味・態度
思考・表現
知識・理解
・問題を協力して解こうとする。
・効率的に知識を ・これまで行ってきた観 ・入試問題を解き,解く
・これまでの学習内容を生活の 利用する方法を 察・実験をふり返り,その ためのポイントがつか
中の事象と結びつけて考えるこ 考えまとめること 作業のようすや注意点を める。
とができる。
ができる。
思い出せる。
5 単元の指導過程(全9時間 本時6/9)
次
1
2
3
4
5
6
本
時
7
8
(
)
第
2
次
(
(
追
求
)
第
3
次
(
ま
と
め
)
学習過程及び主な学習活動
指導上の留意点
①これまでの入試問題で難しく感じた
問題を集める。
)
第
1
次
(
(
導
入
時
間
中学校で学習した内容を使って問題を解く力を身につける!
評価基準と評価方法
【関】積極的に学習計
画を立てようとしている
か。
②学習計画を立てる。
○タイマーを使っての時間
・時間配分,グループ学習での注意
配分を考えさせる。
点,ポイントシートのつくり方
【思】グループでの教え
合いで必要な知識をま
問題に取り組みポイントシートをつくる!
③個人で問題に取り組む。
○個人学習の時間を守ら とめられたか。
【観】これまでに行った
④解けなかった問題をグループで教
せる。
え合う。
○教え合いのようすを確認 観察・実験を思い出し
て問題を解くことができ
⑤ポイントシートを作成する。
する。
⑥学級全体で知識を共有する。〔繰り ○ポイントシートを集め,1 たか。
返し〕
つのシートにまとめる。
【知】問題を解くのに必
要なポイントを見つける
学習内容の確認!
⑦ポイントシートの作り方で工夫した ○これまでのポイントシート 方法を理解できたか。
点を発表する。
をふり返らせ,まとめ方を
考えさせる。
- 59 -
生徒とともに育つ学校づくりを目指して~「授業づくり」の実践を通して~
1校時
6 本時の学習
(1)目標
入試の過去問題を個人,グループで解きながら,解くためのポイントをまとめ,学級全体で共有さ
せる。
(2)本時の評価規準
グループでの話し合いで必要な知識をまとめられる。
(3)展開 〔P:パーソナルワーク(個)/G:グループワーク(班)/C:クラスワーク(全体)〕
過程
形
態
つ
か
む
C
学習活動
教師の支援活動
教材等
①前時で作成したポイントシ ○前時に作成したポイントシー ○前時のポイント
ートを使い発表する。
トを印刷して配る。
シート
②本時の学習内容を確認する。 ○電子黒板に表示して発表させ ○電子黒板
る。
入試問題を解き,ポイントシートをつくろう!
考
え
る
P
G
深
め
る
確
か
め
る
G
③問題を解く。
④グループで教え合う。
○個人でどの問題まで取り組め ○問題プリント
ているか確認し,それぞれの ○ワークシート
状況に応じてアドバイスを与
える。
○教え合いの進み具合を確認
し,滞っているグループには
アドバイスを与える。
⑤ポイントシートを作成する。 ○ポイントシートを作成させ ○ポイントシート
る。
○ポイントシートを集める。
- 60 -