RAS 野生型転移性大腸がん

ASCO Abstract Number: 3506
報道関係各位
2014 年 6 月 3 日
参考資料
この資料は、2014 年 5 月 15 日に Merck Serono 本社が発表した英語版プレスリリースの翻訳(一部省略)で、参考資
料として提供するものです。英語版は http://www.merckgroup.com をご参照ください。
セツキシマブ+FOLFIRI
併用で
セツキシマブ
併用で、RAS 野生型転移性大腸がん
野生型転移性大腸がん
(mCRC)
)患者の
患者の全生存期間を
全生存期間を有意に
有意に延長
新たなレトロスペクティブな解析
たなレトロスペクティブな解析により
解析により明
により明らかに
• RAS 遺伝子の変異を評価した第 III 相 CRYSTAL 試験のレトロスペクティブな解析で、
RAS 野生型 mCRC 患者群において、セツキシマブ+FOLFIRI 併用群は、
FOLFIRI 単独群と比較して臨床的意義のある結果が認められました。
• RAS 変異型患者群において、セツキシマブ+FOLFIRI 併用群は、FOLFIRI 単独群
と比較して有益性は認められず、その結果は欧州における添付文書及び最近の科学
的エビデンスと一貫するものでした。
ドイツ・ダルムシュタット発、2014 年 5 月 15 日 -- メルクのバイオ医薬品部門であるメルクセ
ローノ社はセツキシマブ+FOLFIRI 併用群と FOLFIRI 単独群を比較した第 III 相試験
「CRYSTAL」終了後のレトロスペクティブな解析により、バイオマーカーに関する新たな知見
が得られたことを発表しました。この解析には KRAS 野生型(エクソン 2)の転移性大腸がん
患者のサブグループが対象に含まれていました。RAS 野生型 mCRC に対する一次治療で
は、セツキシマブと FOLFIRI 併用群において、臨床的意義のある結果が認められました 1。こ
の新しいデータは、2014 年米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次会議(5 月 30 日~6 月 3 日)
での消化器(大腸)癌セッションにおいて発表されます。今回の解析結果は、患者さんの治療
を向上させるというメルク社のコミットメントを強固なものにし、がんの個別化治療という極めて
革新的な領域におけるメルクの主導的役割を実証するものです。
今回の新たな解析では、KRAS 野生型(エクソン 2)患者 430 名(666 名のうちの 65%)の腫
瘍サンプルを用いて、さらに RAS 遺伝子変異(KRAS 遺伝子のエクソン 3 または 4 の変異、
及び/または NRAS 遺伝子のエクソン 2、3 または 4 の変異と定義)の評価を行いました。こ
のうち 367 名が RAS 野生型で、63 名に変異が認められました。一次治療でセツキシマブ+
FOLFIRI を併用した RAS 野生型 mCRC 患者群(n=367)では、FOLFIRI 単独群と比較して、
奏効率は 27.7%上昇し、無増悪生存期間(PFS)中央値では 3.0 ヵ月の延長が示され、さら
に全生存期間中央値では、8.2 ヵ月の延長が示されました(奏効率:66.3%対 38.6%、オッズ
比:3.11、95%信頼区間[CI]:2.03–4.78、p<0.0001、PFS:中央値 11.4 ヵ月対 8.4 ヵ月、ハ
ザード比[HR]:0.56、95% CI:0.41–0.76、p=0.0002、OS:中央値 28.4 ヵ月対 20.2 ヵ月、
HR:0.69、95% CI:0.54–0.88、p=0.0024)1。
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参考資料
最初の KRAS 解析で KRAS エクソン 2 変異型と同定された患者群(n=397)または他の RAS
変 異 を有する 患者 群 ( n=63 ) にお い ては 、セツキシ マブ +FOLFIRI 併 用群 ( n=246 )は
FOLFIRI 単独群(n=214)と比較して有益性を示しませんでした(奏効率:31.7%対 36.0%、オ
ッズ比:0.85、95% CI: 0.58–1.25、p=0.40、PFS:中央値 7.4 ヵ月対 7.5 ヵ月、HR:1.10、
95% CI:0.85–1.42、p=0.47、OS:中央値 16.4 ヵ月対 17.7 ヵ月、HR:1.05、95% CI:0.86–
1.28、p=0.64)1。このサブグループ解析により、RAS 変異型の患者では、抗 EGFR 抗体薬に
よる有益性が認められないことを示した OPUS 試験など、他の研究での知見が裏付けられま
した。
CRYSTAL 試験について
試験について
CRYSTAL 試験(Cetuximab combined with iRinotecan in 1st-line therapY for metaSTatic colorectAL cancer:転移性
大腸がんに対する一次治療におけるセツキシマブとイリノテカンの併用)は、化学療法未治療でステージ IV の EGFR 陽性
の mCRC 患者 1,198 名を対象とした無作為化第 III 相試験です。そのうち、666 名は KRAS 野生型(エクソン 2)であったこ
とが確認されています。この試験により、セツキシマブ+FOLFIRI を併用した KRAS 野生型 mCRC 患者群では、FOLFIRI
単独群と比較して、無増悪生存期間、全生存期間、および奏効率が有意に改善したことが示されました 2。
大腸がんについて
大腸がんについて
大腸がんは世界で 2 番目に多いがんであり、毎年新たに 136 万人以上が罹患していると推定されます 3。世界では、毎年
694,000 人が大腸がんで亡くなっています。これはがん死亡全体の 8.5%に相当し、がん死亡原因では第 4 位となっていま
す 3。55%近くが先進国で発症しており、罹患率および死亡率は女性よりも男性の方が大幅に高くなっています 3。
References
1. Ciardiello F et al. Poster presentation at the 2014 American Society of Clinical
Oncology Annual Meeting, June 2, 2014. Abstract No:3506.
2. Van Cutsem E, et al. J Clin Oncol 2011;29(15):2011–9.
3. Ferlay J, Soerjomataram I, Ervik M, Dikshit R, Eser S, Mathers C, Rebelo M,
Parkin DM, Forman D, Bray, F. GLOBOCAN 2012 v1.0, Cancer Incidence and
Mortality Worldwide: IARC CancerBase No. 11 [Internet]. Lyon, France:
International Agency for Research on Cancer; 2013. Available at:
http://globocan.iarc.fr. Last accessed May 2014.
大腸がんおよび頭頸部がんにおけるセツキシマブの詳細な情報については、以下のサイトをご覧ください。
www.globalcancernews.com
Cetuximabについて
について
CetuximabはファーストインクラスのEGFRを標的とするIgG1モノクローナル抗体です。Cetuximabの作用機序は、モノクロ
ーナル抗体として、EGFRに対して特異的に結合するという点で従来の標準的な化学療法とは明確に異なります。EGFRに
結合することによって受容体の活性化と下流のシグナル伝達が阻害され、正常組織への腫瘍細胞の増殖、浸潤と転移が抑
制されます。また、化学療法や放射線療法によって引き起こされた損傷を修復する腫瘍細胞の活性を抑制し、腫瘍内血管
新生を抑制するとも考えられており、それによって腫瘍の増殖を全体的に抑えるとされています。
Cetuximabに最も多い副作用はざ瘡様皮疹であり、皮疹の程度(グレード)と治療効果は相関があると報告されています。
また、結腸直腸がんの患者さんを対象とした使用成績調査において、約5%に過敏反応(インフュージョン・リアクション)が発
生し、このうちの約2分の1が重度な症状を示しました。
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参考資料
Cetuximab は結腸・直腸がん及び頭頸部扁平上皮がんの治療薬として、90 カ国以上で市販承認を受けています。
メルクは1998 年、イーライリリーの100%子会社であるイムクロンから米国、カナダ以外でのCetuximabの販売権をライセン
ス供与されました。日本では、イムクロン、ブリストル・マイヤーズスクイブ、およびメルクセローノ株式会社が共同で
Cetuximabの開発と実用化を進め、メルクセローノ株式会社とブリストル・マイヤーズ株式会社が販売提携をしています。メ
ルクはがん治療の進展に継続的にコミットしており、対象領域における新規治療法の研究に取り組んでいます。
Merck Serono(
(メルクセローノ)
メルクセローノ)について
メルクセローノは Merck(メルク)のバイオ医薬品部門です。ドイツ・ダルムシュタットに本拠を置き、世界 150 カ国において、
がん、多発性硬化症、内分泌・代謝疾患及び循環器疾患の治療に用いられる先進的な医薬品を提供しています。合衆国及
びカナダにおいては、EMD Serono がメルクセローノ子会社として事業を展開しています。
メルクセローノは、化学及び生物由来のスペシャリティ領域における医療用医薬品の研究開発、製造及び販売を行っていま
す。重点領域である神経疾患領域、がん、免疫腫瘍及び免疫疾患における最新の治療法の提供に注力しています。
メルクセローノの詳細については、www.merckserono.com.をご覧ください。
Merck(メルク)は、医薬・化学品分野において、最高水準の品質と高度な技術に基づく革新的な製品を提供するリーディン
グカンパニーです。メルクセローノ、コンシューマヘルス、パフォーマンスマテリアルズ、メルクミリポアの 4 事業部を有し、
2013 年の総売上高は約 111 億ユーロとなっています。世界 66 カ国におけるグループ従業員約 38,000 名が、患者さんの
QOL の向上や顧客企業の支援、地球的規模の課題の解決に向け取り組んでいます。
メルクは世界で最も歴史の古い医薬・化学品会社です。1668 年以来、革新性、事業の成功及び責任ある企業家精神を標
榜しています。メルクの創業家は全体の約 70%の株式を保有し、今日にいたるまで株式の過半数を所有し続けております。
EMD として事業を行っているカナダ及び合衆国を除き、ドイツ・ダルムシュタットのメルクは Merck の名称及びブランドのグ
ローバルな権利を有しています。
ここまでが、
ここまでが、2014 年 5 月 15 日(現地時間)
現地時間)に Merck Serono 本社が
本社が発表した
発表した英語版
した英語版プレス
英語版プレス
リリース本文及
リリース本文及び
本文及び Reference を翻訳(
翻訳(一部省略)
一部省略)した参考資料
した参考資料です
参考資料です。
です。
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参考資料
RAS 遺伝子の
遺伝子の変異を
変異を評価した
評価した第
した第 III 相 CRYSTAL 試験のレトロスペクティブ
試験のレトロスペクティブ解析
のレトロスペクティブ解析に
解析に関し、国
内専門医である
内専門医である愛知県
である愛知県がんセンター
愛知県がんセンター中央病院薬物療法部長
がんセンター中央病院薬物療法部長/外来化学療法
中央病院薬物療法部長 外来化学療法センター
外来化学療法センター長
センター長 室 圭
先生のコメント
先生のコメント:
のコメント
「CRYSTAL 試験における今回の新たな解析から、RAS 野生型患者においてもセツキシマブ
+FOLFIRI 併用群は FOLFIRI 単独群に対する上乗せ効果を示したとともに、KRAS 野生型
から RAS 野生型に絞り込むことで更なる臨床的効果を示すことが明らかになりました。
日本においてもそう遠くない将来、RAS 検査の体制が整い、RAS 遺伝子がバイオマーカーと
して臨床活用され更なる個別化治療が進むことを期待しています。」
メルクセローノ株式会社
メルクセローノ株式会社について
株式会社について
メルクセローノ株式会社は、ドイツ、ダルムシュタットに本社を置くメルク(Merck)のバイオ医薬品事業部門の日本法人で、
2007年10月1日に発足し、がん及び不妊治療領域を重点領域としています。
メルクセローノ株式会社の詳細については www.merckserono.co.jpをご覧ください。
以上
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