大腸癌における分子標的治療 - 新潟県立がんセンター新潟病院

新潟がんセンター病院医誌
20
特集:分子標的治療の進歩と現状 Part 2
大腸癌における分子標的治療
0ROHFXODU7DUJHWHG7KHUDS\IRU&RORUHFWDO&DQFHU
船 越 和 博
.D]XKLUR)81$.26+,
要 旨
切除不能進行・再発大腸癌の化学療法は分子標的治療薬の導入で,2010年より欧米と日本
でほぼ同様の治療ガイドラインとなり,一次から三次治療まで複数の治療ラインが並び,個々
の患者に即した治療選択が可能となった。大腸癌での分子標的治療薬は2種類あり,
抗9(*)
(血
管内皮増殖因子)抗体薬のベバシズマブと抗(*)5(上皮細胞増殖因子受容体)抗体薬である
セツキシマブ,パニツムマブである。抗(*)5抗体薬は.5$6 遺伝子野生型の症例での有効性
が示され,.5$6 遺伝子変異の有無はバイオマーカーとして有用である。化学療法の進歩で切
除不能進行・再発大腸癌の生存期間中央値は約2年まで延長してきた。治療アリゴリズムに複
雑に組み込まれた分子標的治療薬の有用性,特有な有害事象など安全性の情報を熟知し,切
除不能進行・再発例や術前化学療法として転移巣を有する大腸癌症例に対して,有効な治療
戦略を立てる必要がある。
はじめに
切除不能の進行・再発大腸癌の予後は治療がEHVW
VXSSRUWLYHFDUH(%6&) の み で68か 月 の 時 代 か ら,
5ÀXRURXUDFLO(5)8)
,LULQRWHFDQ( イ リ ノ テ カ ン:
&3711)
,R[DOLSODWLQ(オキサリプラチン:/2+3)
といった抗癌剤の併用で延長されてきた。さらに分
子標的治療薬の導入で欧米との治療格差がなくなり,
日本でも2010年度版大腸癌治療ガイドライン1)では
1DWLRQDO&RPSUHKHQVLYH&DQFHU1HWZRUN(1&&1) の
ガイドライン2)とほぼ同様に一次治療から複数の治
療ラインが並び,個々の患者に即した治療選択が可
能となった(図1)
。この治療アリゴリズムに複雑に
組み込まれた分子標的治療薬の有効性,安全性の情
報を熟知し,切除不能の進行・再発大腸癌に対して
治療戦略を立てる必要がある。
Ⅰ 切除不能進行・再発大腸癌化学療法の
変遷
1957年の5)8の開発・発表以来,大腸癌に対す
る有効な化学療法は,1990年代までは5)8に代表
されるフッ化ピリミジン系薬剤がその中心的役割を
担ってきた(図2)
。その後ELRFKHPLFDOPRGXODWLRQの
概念の導入によりOHXFRYRULQ(ロイコボリン/9)と
の併用が標準治療となり34),5)8の急速静注と持
続静注を比較する試験がいくつか行われた。1997年,
GH*UDPRQWは持続静注法と急速静注法の比較試験を
行い,5)8持続静注の方が安全性を含め効果の面
でも優れていると判断され,持続静注を用いたレジ
メンが広く行われるようになった5)。 1990年代に入り,日本で創薬された&3711が単
剤での有効性が認められ,1994年に世界に先駆け
日本で承認された。2000年には米国から5)8/9急
速静注法と&3711を組み合わせた,)/療法と,欧州
からは5)8/9の持続静注法と&3711を組み合わせ
た)2/),5,(LQIXVLRQDO5)8/9&3711)をそれぞ
れ5)8/9療法と比較する大規模なランダム化比較
試験が報告され67),いずれも5)8/9療法に比べ2
倍近い奏効率と23か月の生存期間中央値の延長が
示された。その後の検討で,)/療法は有害事象が出
やすく,治療関連死も少なくないことから,現在
&3711は主に単剤か)2/),5,療法として使用される。
/2+3 は1976年に日本で最初に合成された第三
世代の白金製剤である。米国において2004年に一
次治療例を対象とした ,)/,)2/)2;4(LQIXVLRQDO
5)8/9/2+3)および /2+3&3711(,52;)
新潟県立がんセンター新潟病院 内科
.H\ZRUGV:大腸癌(FRORUHFWDOFDQFHU)
,分子標的治療(PROHFXODUWDUJHWHGWKHUDS\)
,ベバシズマブ(EHYDFL]XPDE)
,
セツキシマブ(FHWX[LPDE)
,パニツムマブ(SDQLWXPXPDE)
第 51 巻 第 1 号(2012 年 3 月)
図1 日本での切除不能進行・再発大腸癌に対する化学療法の基本的治療戦略
(文献1)より引用・改変)
EHYDFL]XPDEの投与が推奨されるが,投与の適応でないと判断した場合はその限りで
はない。
一
次治療においてEHYDFL]XPDEを投与していない場合,および一次治療の効果が持
続しているが&3711や/2+3の毒性のために投与を中止した場合は,二次治療で
EHYDFL]XPDEの投与が推奨される。
二
次治療までに抗(*)5抗体薬を未使用の場合。
図2 切除不能進行・再発大腸癌治療薬の臨床導入
21
新潟がんセンター病院医誌
22
の3群の比較試験が報告され,)2/)2;4が奏効率,
無増悪生存期間,全生存期間のいずれにおいても
他の治療法より優れており,かつ毒性が少ないこ
とが示された8)。現在,日本においては)2/)2;4,
PRGL¿HG
(P))2/)2;6が保険適用となり,投与方
法がより簡便なP)2/)2;6療法が繁用されている。
)2/),5,と)2/)2;のどちらを先に行っても全生存
期間に変わりはなく,両治療を行うことで約20か月の
生存期間が得られるという試験結果が報告され9),切
除不能進行・再発大腸癌患者の生存期間の延長や
42/
(4XDOLW\RI/LIH)
の改善に画期的な治療法となっ
た(図3)
。
Ⅱ 大腸癌における分子標的治療薬
大腸癌に対する細胞障害性薬剤の効果はほぼ頭打
ちとなり,現在では新薬の応用は分子標的治療薬
が中心である。大腸癌領域において臨床応用され
ている分子標的治療薬は大きく2種類に分けられる。
すなわち抗9(*)(YDVFXODUHQGRWKHOLDOJURZWKIDFWRU
血 管 内 皮 増 殖 因 子 ) 抗 体 薬 と 抗(*)5(HSLGHUPDO
JURZWKIDFWRUUHFHSWRU上皮細胞増殖因子受容体)抗
体薬で,前者はEHYDFL]XPDEで,後者はFHWX[LPDEと
SDQLWXPXPDEである(表1)
。
Ⅲ ベバシズマブ(Bevacizumab)
3-1)作用機序
9(*)は多くの癌腫で発現し,腫瘍の浸潤や転
移,再発および予後に関連する。ベバシズマブはヒ
ト9(*)に対するキメラ型ヒト化モノクローナル抗
体で,9(*)に結合することで9(*)の9(*)受容体
への結合を阻害する。これにより腫瘍血管新生を妨
げ,さらに腫瘍血管透過性の改善や腫瘍血管の正常
化作用によって,抗癌剤の腫瘍内への移行を容易に
し,抗腫瘍効果を増強させることが作用機序とされ
ている1011)。
3-2)一次治療としての有用性(表2)
ベバシズマブの切除不能進行・再発大腸癌に対
する臨床効果を示す最初の第Ⅲ相試験($9)2107J
試 験 ) は,)/療 法ベ バ シ ズ マ ブ 群 と,)/療 法プ
ラセボ群のランダム化比較試験である12)。全生存
期間においてベバシズマブ群の生存期間中央値が
203か月,プラセボ群が156か月と有意に優れてい
た。)2/)2;療法と5)8の経口プロドラッグであ
るカペシタビン(&DSHFLWDELQH)を使用した&DSH2;
療 法(&DSHFLWDELQH/2+3) に ベ バ シ ズ マ ブ を 上
乗せした1216966試験ではベバシズマブ併用によ
り無増悪生存期間が有意に延長することが示され
た13)。)2/),5,療 法 に 関 し て は,)2/),5,療 法,)/
療法&DSH,5,療法(&DSHFLWDELQH&3711)を比較し
た%,&&&試験1415) のSHULRG2で,)2/),5,療法と,)/
療法にベバシズマブを上乗せしても,,)/療法より
)2/),5,療法で無増悪生存期間ならびに全生存期間
が延長したことが示された。5)8/9療法に関して
はベバシズマブの併用効果を検討した第Ⅱ相試験
である$9)0780試験で16) で奏効率が改善されたこ
と,$9)2107試験17)で5)8/9ベバシズマブ療法
図3 切除不能進行・再発大腸癌化学療法の生存期間の推移
第 51 巻 第 1 号(2012 年 3 月)
23
表1 大腸癌で承認されている分子標的治療薬の比較
Bevacizumab
抗体のタイプ
Cetuximab
Panitumumab
抗VEGF抗体薬
抗EGFR抗体薬
ヒト化モノクローナル抗体
IgG1 キメラ型モノクローナル抗体
IgG2 完全ヒト型モノクローナル抗体
2007年4月
2008年7月
2010年4月
日本での認可
治癒切除不能な進行・再発の結腸, EGFR陽性の治癒切除不能な進行・ KRAS 遺伝子野生型の治癒切除不
直腸癌 再発の結腸,直腸癌
能な進行・再発の結腸,直腸癌
大腸癌での適応
KRAS
変異型でも効果あり
野生型で有用
野生型で有用
投与間隔
2週
1週
2週
必要
前投与
原則不要
一次治療での
併用化学療法
FOLFOX,CapeOX,FOLFIRI,
5-FU+LV
FOLFOX,FOLFIRI
FOLFOX,FOLFIRI
FOLFIRI,FOLFOX,CapeOX
FOLFIRI,CPT-11
FOLFIRI
infusion reaction 20%
(重度 5%未満)
infusion reaction 4%
(重度 1%未満) 皮膚毒性 90%
(Grade3以上 17%)
皮膚毒性 90%
(Grade3以上 16%)
低Mg血症 33.3%
低Mg血症 28% 1か月目 :789,668円/月
2か月目以降:717,880円/月
575,546円/月
二次治療以降
消化管穿孔
創傷治癒遷延
動脈血栓症
静脈血栓塞栓症
主な副作用
0.9%
1.2%
0.3%
1.3%
出 血
14.4%(重篤 1.4%)
高血圧
13.0%(重篤 0.4%)
5mg/kg :299,754円/月
10mg/kg :580,342円/月
1か月薬価
原則不要
(H1受容体拮抗薬,ステロイド)
※身長170㎝ 体重60㎏(体表面積1.7㎡の場合)
表2 一次治療での分子標的治療薬を用いた主な臨床試験結果
臨床試験
phase
化学療法
症例数
AVF2107g 12)
Ⅲ
IFL+bevacizumab
IFL
402
411
NO16966
13)
Ⅲ
FOLFOX4/CapeOX+bevacizumab
FOLFOX4/CapeOX
699
701
38
38
p=0.99
14,15)
Ⅲ
FOLFIRI+bevacizumab
mIFL+bevacizumab
57
60
57.9
55.3
23)
Ⅱ
FOLFOX+cetuximab
FOLFOX
(KRAS 野生型)
61
73
61
37
p=0.011
FOLFOX+cetuximab
FOLFOX
(KRAS 変異型)
52
47
33
49
p=0.106
FOLFIRI+cetuximab
FOLFIRI
(KRAS 野生型)
172
176
59.3
43.2
p=0.0025
FOLFIRI+cetuximab
FOLFIRI
(KRAS 変異型)
105
87
36.2
40.2
p=0.2661
FOLFOX4+panitumumab
FOLFOX4
(KRAS 野生型)
325
331
55
48
p=0.07
FOLFOX4+panitumumab
FOLFOX4
(KRAS 変異型)
221
219
40
40
BICC-C
文献
OPUS
CRYSTAL
PRIME
24)
30)
Ⅲ
Ⅲ
奏効率
(%)
44.8
34.8
p=0.004
無増悪生存期間
(月)
10.6
6.2
p<0.0001
HR=0.54
9.4
8
p=0.0023
HR=0.83
11.2
8.3
p=0.28
HR=0.28
7.7
7.2
p=0.0163
HR=0.57
8.6
5.5
P=0.0192
HR=1.830
9.9
8.7
p=0.017
HR=0.68
7.6
8.1
p=0.85
HR=1.171
9.6
8
p=0.02
HR=0.80
7.3
8.8
p=0.02
HR=1.29
HR:Hazard Ratio
全生存期間
(月)
20.3
15.6
p<0.001
HR=0.66
21.3
19.9
p=0.0769
HR=0.89
28
19.2
p=0.037
HR=1.79
24.9
21
p=0.22
HR=0.84
17.5
17.7
p=0.85
HR=1.03
23.9
19.7
p=0.072
HR=0.83
15.5
19.3
p=0.068
HR=1.24
新潟がんセンター病院医誌
24
が,)/療法に匹敵する効果が認められたことにより
併用が推奨された。ベバシズマブは日本では2007年
4月に保険適用となり,一次治療として)2/)2;療
法,&DSH2;療 法,)2/),5,療 法,5)8/9療 法 と
の併用が推奨されている1)。
3-3)二次治療としての役割(表3)
二次治療として/2+3を含むレジメンに抵抗性に
なった場合には)2/),5,療法に,)2/),5,療法に抵
抗性になった場合は)2/)2;&DSH2;療法との併用
が推奨されている18)。)2/),5,療法と&DSH2;療法
に関して二次治療としてのベバシズマブ上乗せ効果
を検討した臨床試験はないが,)2/),5,療法に関し
てはNH\GUXJの使い切りが重要である19)という観点
から,&DSH2;療法に関しては)2/)2;療法に対し
て同等の効果が期待できる20) という点から推奨と
なっている。大規模観察研究である%5L7(試験21)で
は,ベバシズマブ投与後に腫瘍増悪を認めた症例
について無治療,ベバシズマブを除いた治療(非
%%3),ベバシズマブ継続投与(%HYDFL]XPDEEH\RQG
¿UVWSURJUHVVLRQ%%3)の3群に分類し生存期間が検
討された。その結果,%%3が無治療群,非%%3群に
比し生存期間の延長が示されたが,あくまでこの試
験は前向きの比較試験ではない。
3-4)有害事象
国内特定使用調査成績によるとベバシズマブの
有 害 事 象 と し て,*UDGH3,4の 重 篤 な も の は 全 体
の142であった。高血圧が最も頻度が高く130
(*UDGH3以上04)であった。出血は144(*UDGH
3以上14)で鼻出血などの粘膜出血が多くを占め
たが,腫瘍関連出血に関しては注意が必要で,脳転
移症例は原則使用禁忌である。蛋白尿は41
(*UDGH
3以上004)で,他に消化管穿孔09,創傷治癒
遷延12,動脈血栓症04,静脈血栓塞栓症13,
ショック・アナフィラキシー 10など生命にかか
わる重篤な有害事象もあり,その発現・対応には充
分な注意が必要である。
表3 二次治療での分子標的治療薬を用いた主な臨床試験結果
臨床試験
文献
phase
化学療法
症例数
E3200
EPIC
奏効率
(%)
22.7
8.6
p<0.0001
18)
Ⅲ
FOLFOX+bevacizumab
FOLFOX
286
291
25)
Ⅲ
bevacizumab
CPT-11+cetuximab
CPT-11
(KRAS 野生型・変異型含む)
243
648
650
3.3
16.4
4.2
p<0.0001
20050181 32)
Ⅲ
FOLFIRI+panitumumab
FOLFIRI
(KRAS 野生型)
303
294
35.4
9.8
p<0.0001
無増悪生存期間
(月)
7.3
4.7
p=0.61
HR=0.61
2.7
4
2.6
p<0.0001
HR=0.692
5.9
3.9
p=0.004
HR=0.73
HR:Hazard Ratio
全生存期間
(月)
12.9
10.8
P-0.0011
HR=0.75
10.2
10.7
10
p=0.71
HR=0.975
14.5
12.5
p=0.12
HR=0.85
表4 三次治療での分子標的治療薬を用いた主な臨床試験結果
臨床試験
文献
phase
化学療法
症例数
BOND-1
26)
Ⅲ
CPT-11+cetuximab
cetuximab
218
111
CO.17
27)
Ⅲ
BSC+cetuximab
BSC
287
285
奏効率
(%)
22.9
10.8
p=0.007
8
0
p<0.001
20020408 33)
Ⅲ
BSC+panitumumab
BSC
231
232
10
0
p<0.001
TRC-0301 35)
Ⅱ
5-FU/LV+bevacizumab
100
1
無増悪生存期間
(月)
4.1
1.5
p<0.001
p<0.001
HR=0.68
2
1.8
p<0.001
HR=0.54
3.5
HR:Hazrad Ratio
全生存期間
(月)
8.6
6.9
p=0.48
6.1
4.6
p=0.005
HR=0.77
HR=1.00
9
第 51 巻 第 1 号(2012 年 3 月)
Ⅳ セツキシマブ(Cetuximab)
4-1)作用機序
セツキシマブは 「ヒト上皮細胞増殖因子受容体
(HSLGHUPDOJURZWKIDFWRUUHFHSWRU(*)5)を標的とす
る免疫グロブリン*1サブクラスのヒトマウスキメ
ラ型モノクローナル抗体」 で,日本では2008年7月,
「(*)5陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・
直腸癌」 に対する治療薬として承認された。細胞
膜上にある(*)5にリガンドが結合すると細胞を分
化・増殖させるが,癌細胞では自身の遺伝子増幅や
遺伝子変異,構造変化をきたすことで発癌および癌
の増殖,浸潤,転移などに関与する22)。セツキシマ
ブは(*)5に特異的に結合することで,(*),71)
αなどの内因性(*)5リガンドの(*)5への結合を
阻害し,細胞増殖や腫瘍血管新生および細胞浸潤な
ど腫瘍増殖・転移に関する多くの細胞機能を抑制
する。また(*)5を介した細胞シグナル伝達の下流
に.5$6 があり,.5$6 遺伝子に点突然変異が起こ
ると(*)5を分子標的としても下流のシグナル伝達が
ブロックされず,治療効果が乏しいことが示され2324),
セツキシマブの使用に際しては.5$6 遺伝子変異検
査が推奨され,保険承認されている。
4-2)大腸癌化学療法におけるセツキシマブの役割
(表2,3,4)
一 次 治 療 と し て)2/)2;療 法 と の 併 用 で あ
る2386試 験23) で 奏 効 率 の 改 善 効 果 が 示 さ れ,
)2/),5,療法との併用においては&5<67$/試験24)
で無増悪生存期間の延長が示された。二次治療と
しては,/2+3を含むレジメンに抵抗性になった
場合に)2/),5,ないし&3711単独との併用療法が推
奨され,&3711への上乗せ効果を検討した(3,&試
験25)で無増悪生存期間と奏功率の改善が示された。
5)8,/2+3,&3711を含むレジメンに抵抗性に
なった場合の三次治療として,%21'1試験26)では
&3711との併用療法でセツキシマブ単独より無増
悪生存期間と奏功率で有意に優れており,単独で
%6&との比較をした&217試験27)では全生存期間と
無増悪生存期間の改善が示され,単独療法としても
推奨されている。
4-3)効果予測因子:バイオマーカー
セツキシマブは当初,(*)5陽性症例が適応とさ
れたが,現在では免疫組織染色による(*)5の発現
強度とセツキシマブに対する腫瘍の反応性とは相
関しないといわれている24)。一方,.5$6 遺伝子変
異の有無はセツキシマブの有効性を予測する重要
なバイオマーカーであり28),2010年日本のガイド
ラインでも.5$6 野生型での使用が推奨されている。
.5$6 の変異は(;212のFRGRQ12,FRGRQ13に90以
上が集中しており,大腸癌の3040で検出される
25
といわれている。しかしセツキシマブの治療効果
は.5$6 遺伝子変異の部位によって異なり,.5$6 *13'変異ではFRGRQ12変異とは違い,.5$6 野生型
と同様の上乗せ効果が示されている29)。
4-4)有害事象
セツキシマブはヒトマウスキメラ型モノクロー
ナル抗体製剤であり,投与時にはLQIXVLRQUHDFWLRQに
注意する必要がある。重度のLQIXVLRQUHDFWLRQの発現
頻度は5未満とされているが,投与時には抗ヒス
タミン薬による予防は必須で,副腎皮質ステロイド
ホルモンも前投薬として併用される。多くは初回投
与中から投与終了後1時間以内に認められる。また
国内臨床試験時では痤瘡様皮疹(872),皮膚乾
燥(513)など高率の皮膚症状が認められ,*UDGH
3以上の皮膚症状がある場合は投与延期が勧められ
ている。また皮膚毒性はその重症度と奏効率や生
存期間が正に相関すると報告され2427),バイオマー
カーの一つとされている。また低0J血症(333%)
など電解質異常,間質性肺炎にも注意を要する。
Ⅴ パニツムマブ(Panitumumab)
5-1)作用機序
パニツムマブは(*)5を標的とする完全ヒト型
,J*2モノクローナル抗体で,セツキシマブと作用機
序はほぼ同様であるが,,J*1抗体であるセツキシマ
ブと異なり,,J*2抗体であるパニツムマブは$'&&
(DQWLERG\GHSHQGHQWFHOOXODUF\WRWR[LFLW\)活性は期待
できないとされる。2010年4月,国内において「.5$6
遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・
直腸癌」の治療薬として承認された。
5-2)大腸癌化学療法におけるパニツムマブの役割
とKRAS 遺伝子変異(表2,3,4)
一次治療におけるパニツムマブの有効性を検証
した35,0(試験30) では,パニツムマブ)2/)2;4
併 用 群 と)2/)2;4単 独 群 の 比 較 を 行 っ た。 無 増
悪 生 存 期 間 は.5$6 野 生 型 で は, パ ニ ツ ム マ ブ
)2/)2;4併用群が中央値96か月,)2/)2;4単独
群が80か月で,有意な改善がみられたが,全生存
期間に有意差は認められなかった。一方,.5$6 変
異型では,併用群のほうが無増悪生存期間,全生存
期間とも成績は不良であった。二次治療について
は67(33試験31),20050181試験32)があり,いずれも
&3711または)2/),5,との併用による上乗せ効果を
評価された。三次治療としての20020408試験33) で
はパニツムマブ%6&併用群と%6&単独群での効果
が比較され,.5$6 遺伝子野生型の症例では,併用
群において無増悪生存期間が有意に優れていた。パ
ニツムマブは一次から三次治療すべての治療ライン
で有効性が確認され,.5$6 遺伝子変異の有無はパ
ニツムマブの有効性を予測する重要なバイオマー
新潟がんセンター病院医誌
26
カーとなっている34)。
5-3)有害事象
パニツムマブに最もよく認められる有害事象は皮
膚障害で,国内臨床試験では痤瘡(65)
,皮膚乾
燥(60)
,爪囲炎(35)を認め,低0J血症(28)
や間質性肺炎にも注意が必要である。またパニツム
マブは完全ヒト型抗体であるためLQIXVLRQUHDFWLRQの
発現は少なく(重度は1未満)
,前投薬の必要はな
いとされている。
Ⅵ 切除不能進行・再発大腸癌化学療法に
おける治療戦略(アリゴリズム)
大腸癌治療ガイドライン2010年度版では切除不
能進行再発大腸癌の一次治療は)2/)2;,&DSH2;,
)2/),5,療法にベバシズマブの併用が推奨されるが,
ベバシズマブはコントロール不良な高血圧症例,蛋
白尿,血栓塞栓症や術直後の症例では併用を避け
る。一次治療で)2/)2;療法(または&DSH2;療法),
)2/),5,療法を選択するかは,いずれのレジメンを
先に使用しても全生存期間に差がないことから有害
事象のプロファイルで判断する9)。)2/)2;療法は
蓄積性の神経毒性により長期投与が困難になること
があり,/2+3の休薬・再導入を行いながら,治療
を行う。&DSH2;療法は)2/)2;療法に非劣性が示
され20),経口剤でポート造設の必要がないことから
広く施行されているが,カペシタビンによる手足
症候群の管理が必要である。.5$6 野生型の場合に
限り,抗(*)5抗体薬も一次治療にも適応拡大され,
効率的な治療選択が可能になった。セツキシマブは
原則週1回,パニツムマブは2週に1回の投与の相違
はあるが,ともに皮膚症状で42/を低下させる可
能性があることに留意しなければいけない。二次治
療では一次治療で使用していないレジメンを選択す
る。)2/)2;療法&DSH2;療法と)2/),5,療法の切
り替えである。また.$56 野生型の場合,ベバシズ
マブから抗(*)5抗体薬,抗(*)5抗体薬からベバ
シズマブへの切り替えも可能である。三次治療に関
しては全身状態を考慮しての分子標的薬の使用は可
能である。抗(*)5抗体薬は&3711との併用での有
効性はセツキシマブのみで示されている。&3711
が不耐でなければ&3711セツキシマブ療法を行う
が,&3711不耐ならば抗(*)5抗体薬単独投与を行
う2627)。ベバシズマブは75&0301試験35) で三次治
療での有効性は認めておらず,単独療法は無効であ
る。また術後補助化学療法での分子標的薬の有用性
は示されておらず,現時点で使用することはない。
Ⅶ 分子標的治療薬を用いた長期生存例
症例は60歳台,男性。2006年,他院で直腸癌に
て低位前方切除を受け,6WDJH ⅢEであった。2007
年7月,肺・肝に多発転移を認め,当科紹介となっ
た。2007年9月より)2/)2;4P)2/)2;6ベバシ
ズマブを33コース施行し,末梢神経障害(*UDGH3)
にて,2009年6月より二次治療として)2/),5,ベ
バシズマブに変更,21コースを施行したが転移巣は
再増大した(図4$)
。(*)5陽性,.5$6 野生型であ
り,2011年2月より三次治療として&3711セツキ
シマブ2コース施行し,肺・肝転移巣は縮小した(図
4%)
。4年6か月の長期にわたり,現在もセツキシマ
ブ併用化学療法にて治療継続中である。
Ⅷ 分子標的治療薬を用いた集学的治療
薬物療法が奏功し当初切除不能であった大腸癌が
切除可能となり,治療方針を手術に移行することを
&RQYHUVLRQ7KHUDS\と呼ぶ。大腸癌同時性遠隔転移
の頻度は,肝107,肺16,腹膜50,その他の
部位09とされるが1),腹膜播種については外科切
除の有効性は限定的であり,&RQYHUVLRQ7KHUDS\の
主な対象は肝・肺転移を有する転移性大腸癌である。
最近,手術困難な多発肝転移症例に対してベバシズ
マブ(%2;(5試験36))やセツキシマブ(&(/,0試
験37))を併用した化学療法により肝転移巣を縮小・
減少させ,切除に持ち込み,良好な成績が報告され
てきている。日本でも肝転移を有する大腸癌に対し
ての分子標的治療薬を用いた術前化学療法はすでに
有効な成績が示されており38),今後治療効果予測因
子を用いた適切な臨床試験を通じて,最適な対象,
レジメン,治療期間の検証が必要となろう。
おわりに
切除不能進行・再発大腸癌に対する化学療法はこ
の15年で大きな変貌を遂げ,一次から三次治療まで
のレジメンは多彩化し,個々の症例に応じた適切な
治療戦略が必要となってきた。最近の化学療法に
て生存期間中央値は約2年まで延長してきたが,現
状では治癒を望むことは難しい1)。しかし以前は切
除不能と考えられていた遠隔転移を有した進行癌で
あっても,分子標的治療薬を併用した術前化学療法
など集学的治療の進歩で,治癒切除が期待できる症
例も増えてきた。一方で抗癌剤のなかでも分子標的
治療薬は高額であり,個々の患者の経済状況はもと
より,社会全体の医療財源に対する影響も配慮しな
ければならず,その医療経済性が新たな課題となっ
ている。
文 献
1)大腸癌研究会編大腸癌治療ガイドライン医師用 2010
年度版.金原出版,東京2010
2)1DWLRQDO&RPSUHKHQVLYH&DQFHU1HWZRUN1&&1&OLQLFDO
3UDFWLFH*XLGHOLQHLQ2QFRORJ\70
[引用20111215]
&RORQ &DQFHU 922012 >KWWSZZZQFFQRUJSURIHVVLRQDOV
第 51 巻 第 1 号(2012 年 3 月)
27
図4 分子標的治療薬併用化学療法長期施行例の胸腹部&7像
$ )2/)2;4P)2/)2;6ベバシブマブ33コース,ベバシズマブ
)2/),5,21コース施行,肺・肝転移は再増大した。
% &3711セツキシマブ2コースにて肺・肝転移は縮小した。
SK\VLFLDQBJOVSGIFRORQSGI@
5HFWDO &DQFHU922012 >KWWSZZZQFFQRUJSURIHVVLRQDOV
SK\VLFLDQBJOVSGIUHFWDOSGI@
3)3HWUHOOL 1 'RXJODVV +2 -U +HUUHUD / HW DO 7KH
PRGXODWLRQ RI IOXRURXUDFLO ZLWK OHXFRYRULQ LQ PHWDVWDWLF
FRORUHFWDOFDUFLQRPDDSURVSHFWLYHUDQGRPL]HGSKDVH ⅢWULDO
*DVWURLQWHVWLQDO7XPRU6WXG\*URXS-&OLQ2QFRO714191426
1989
4).RKQH &+ :LOV - /RUHQ] 0 HW DO 5DQGRPL]HG SKDVH
Ⅲ VWXG\ RI KLJKGRVH IOXRURXUDFLO JLYHQ DV D ZHHNO\ 24
KRXU LQIXVLRQ ZLWK RU ZLWKRXW OHXFRYRULQ YHUVXV EROXV
IOXRURXUDFLO SOXV OHXFRYRULQ LQ DGYDQFHG FRORUHFWDO FDQFHU
(XURSHDQ RUJDQL]DWLRQ RI 5HVHDUFK DQG7UHDWPHQW RI &DQFHU
*DVWURLQWHVWLQDO *URXS 6WXG\ 40952 - &OLQ 2QFRO 213721
37282003
5)GH*UDPRQW$%DVVHW-)0LODQ&HWDO5DQGRPL]HGWULDO
FRPSDULQJPRQWKO\ORZGRVHOHXFRYRULQDQGÀXRURXUDFLOEROXV
ZLWKELPRQWKO\KLJKGRVHOHXFRYRULQDQGÀXRURXUDFLOEROXVSOXV
FRQWLQXRXVLQIXVLRQIRUDGYDQFHGFRORUHFWDOFDQFHU$)UHQFK
,QWHUJURXS6WXG\-&OLQ2QFRO158088151997
6)6DO]/%&R[-9%ODQNH&HWDO,ULQRWHFDQSOXVÀXRURXUDFLO
DQGOHXFRYRULQIRUPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU1(QJO-0HG
3439059142000
7)'RXLOODUG -< &XQQLQJKDP ' 5RWK$' HW DO ,ULQRWHFDQ
FRPELQHGZLWKÀXRURXUDFLOFRPSDUHGZLWKÀXRURXUDFLODORQHDV
¿UVWOLQHWUHDWPHQWIRUPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHUDPXOWLFHQWUH
UDQGRPL]HGWULDO/DQFHW355104110472000
8)*ROGEHUJ 5 6DUJHQW ' 0RUWRQ 5 HW DO$ UDQGRPL]HG
FRQWUROOHGWULDORIÀXRURXUDFLOSOXVOHXFRYRULQLULQRWHFDQDQG
R[DOLSODWLQFRPELQDWLRQVLQSDWLHQWVZLWKSUHYLRXVO\XQWUHDWHG
PHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ2QFRO2223302004
9)7RXUQLJDQG&$QGUp7$FKLOOH(HWDO)2/),5,IROORZHG
E\)2/)2;6RUWKHUHYHUVHVHTXHQFHLQDGYDQFHGFRORUHFWDO
FDQFHUDUDQGRPL]HG*(5&25VWXG\-&OLQ2QFRO22229
2372004
10).HUEHO567XPRUDQJLRJHQHVLV1(QJO-0HG3582039
20492008
11)-XEE$0+DUULV$%LRPDUNHUVWRSUHGLFWWKHFOLQLFDOHI¿FDF\
RIEHYDFL]XPDELQFDQFHU/DQFHW2QFRO11117211832010
12)+XUZLW]+)HKUHQEDFKHU/1RYRWQ\:HWDO%HYDFL]XPDE
SOXV LULQRWHFDQ IOXRURXUDFLO DQG OHXFRYRULQ LQ PHWDVWDWLF
FRORUHFWDOFDQFHU1(QJO-0HG350233523422004
13)6DOW] /% &ODUNH 6 'tD]5XELR ( HW DO %HYDFL]XPDE LQ
FRPELQDWLRQZLWKR[DOLSODWLQEDVHGFKHPRWKHUDS\DVILUVWOLQH
WKHUDS\LQPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU$UDQGRPL]HGSKDVH Ⅲ
VWXG\-&OLQ2QFRO26201320192008
14))XFKV &6 0DUVKDOO - 0LWFKHOO ( HW DO 5DQGRPL]HG
FRQWUROOHG WULDO RI LULQRWHFDQ SOXV LQIXVLRQDO EROXV RU RUDO
ÀXRURS\ULPLGLQHVLQ¿UVWOLQHWUHDWPHQWRIPHWDVWDWLFFRORUHFWDO
FDQFHUUHVXOWVIURPWKH%,&&&VWXG\-&OLQ2QFRO254779
47862007
15))XFKV &6 0DUVKDOO - %DUUXHFR - HW DO 5DQGRPL]HG
FRQWUROOHG WULDO RI LULQRWHFDQ SOXV LQIXVLRQDO EROXV RU RUDO
ÀXRURS\ULPLGLQHVLQ¿UVWOLQHWUHDWPHQWRIPHWDVWDWLFFRORUHFWDO
FDQFHUXSGDWHGUHVXOWVIURPWKH%,&&&VWXG\-&OLQ2QFRO
266896902008
28
16).DEELQDYDU)+XUZLW]+,)HKUHQEDFKHU/HWDO3KDVH Ⅱ UDQGRPL]HG WULDO FRPSDULQJ %HYDFL]XPDE SOXV IOXRURXUDFLO
()8)OHXFRYRULQ(/9)ZLWK )8/9 DORQH LQ SDWLHQWV ZLWK
PHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ2QFRO2160652003
17)+XUZLW] + )HKUHQEDFKHU / +DLQVZRUWK -' HW DO
%HYDFL]XPDELQFRPELQDWLRQZLWKÀXRURXUDFLODQGOHXFRYRULQ
DQDFWLYHUHJLPHQIRUILUVWOLQHPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-
&OLQ2QFRO23350235082005
18)*LDQWRQLR%-&DWDODQR3-0HURSRO1-HWDO%HYDFL]XPDE
LQ FRPELQDWLRQ ZLWKR[DOLSODWLQIOXRURXUDFLODQGOHXFRYRULQ
()2/)2;4)IRU SUHYLRXVO\ WUHDWHG PHWDVWDWLF FRORUHFWDO
FDQFHUUHVXOWVIURPWKH(DVWHUQ&RRSHUDWLYH2QFRORJ\*URXS
6WXG\(3200-&OLQ2QFRO25153915442007
19)*URWKH\$ 6DUJHQW '- *ROGEHUJ 50 HW DO 6XUYLYDO
RI SDWLHQWV ZLWK DGYDQFHG FRORUHFWDO FDQFHU LPSURYHV ZLWK
WKH DYDLODELOLW\ RI IOXRURXUDFLOOHXFRYRULQ LULQRWHFDQ DQG
R[DOLSODWLQLQWKHFRXUVHRIWUHDWPHQW-&OLQ2QFRO221209
12142004
20)&DVVLG\ - &ODUNH 6 'tD]5XELR ( HW DO 5DQGRPL]HG
SKDVH ⅢVWXG\RIFDSHFLWDELQHSOXVR[DOLSODWLQFRPSDUHGZLWK
ÀXRURXUDFLOIROLQLFDFLGSOXVR[DOLSODWLQDV¿UVWOLQHWKHUDS\IRU
PHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ2QFRO26200620122008
21)*URWKH\$ 6XJUXH 00 3XUGLH '0 HW DO %HYDFL]XPDE
EH\RQGILUVWSURJUHVVLRQLVDVVRFLDWHGZLWKSURORQJHGRYHUDOO
VXUYLYDO LQ PHWDVWDWLF FRORUHFWDO FDQFHU UHVXOWV IURP D ODUJH
REVHUYDWLRQDOFRKRUWVWXG\(%5L7()-&OLQ2QFRO265326
53342008
22)+\QHV 1( /DQH +$ (5%% UHFHSWRUV DQG FDQFHU WKH
FRPSOH[LW\RIWDUJHWHGLQKLELWRUV1DW5HY&DQFHU5341354
2005
23)%RNHPH\HU&%RQGDUHQNR,0DNKVRQ$HWDO)OXRURXUDFLO
OHXFRYRULQ DQG R[DOLSODWLQ ZLWK DQG ZLWKRXW FHWX[LPDE LQ
WKHILUVWOLQHWUHDWPHQWRIPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ
2QFRO276636712009
24)9DQ &XWVHP ( .|KQH &+ +LWUH ( HW DO &HWX[LPDE DQG
FKHPRWKHUDS\ DV LQLWLDO WUHDWPHQW IRU PHWDVWDWLF FRORUHFWDO
FDQFHU1(QJO-0HG360140814172009
25)6REUHUR$)0DXUHO-)HKUHQEDFKHU/DWDO(3,&SKDVHⅢ
WULLDORIFHWX[LPDESOXVLULQRWHFDQDIWHUIOXRURS\ULPLGLQHDQG
R[DOLSODWLQIDLOXUHLQSDWLHQWVZLWKPHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-
&OLQ2QFRO26231123192008
26)&XQQLQJKDP ' +XPEOHW< 6LHQD 6 HW DO &HWX[LPDE
PRQRWKHUDS\ DQG FHWX[LPDE SOXV LULQRWHFDQ LQ LULQRWHFDQ
UHIUDFWRU\PHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU1(QJO-0HG351337
3452004
27)-RQNHU'-2’&DOODJKDQ&-.DUDSHWLV&6HWDO&HWX[LPDE
IRUWKHWUHDWPHQWRIFRORUHFWDOFDQFHU1(QJO-0HG3572040
20482007
28).DUDSHWLV &6 .KDPEDWD)RUG 6 -RQNHU '- HW DO .UDV
新潟がんセンター病院医誌
PXWDWLRQVDQGEHQHILWIURPFHWX[LPDELQDGYDQFHGFRORUHFWDO
FDQFHU1(QJO-0HG357204020482007
29)'H5RRFN:-RQNHU'-1LFRODQWRQLR)'HWDO$VVRFLDWLRQ
RI .5$6 S*13' PXWDWLRQ ZLWK RXWFRPH LQ SDWLHQWV ZLWK
FKHPRWKHUDS\UHIUDFWRU\ PHWDVWDWLF FRORUHFWDO FDQFHU WUHDWHG
ZLWK&HWX[LPDE-$0$304181218202010
30)'RXLOODUG-<6LHQD6&DVVLG\-HWDO5DQGRPL]HGSKDVH Ⅲ
WULDORISDQLWXPXPDEZLWKLQIXVLRQDOIOXRURXUDFLOOHXFRYRULQ
DQGR[DOLSODWLQ()2/)2;4)YHUVXV)2/)2;4DORQHDV¿UVW
OLQHWUHDWPHQWLQSDWLHQWVZLWKSUHYLRXVO\XQWUHDWHGPHWDVWDWLF
FRORUHFWDO FDQFHU7KH 35,0( VWXG\ - &OLQ 2QFRO284697
47052010
31)/DFRXWXUH0(0LWFKHOO(33LSHUGL%HWDO6NLQWR[LFLW\
HYDOXDWLRQSURWRFROZLWKSDQLWXPXPDE(67(33)DSKDVH Ⅱ RSHQODEHO UDQGRPL]HG WULDO HYDOXDWLQJ WKH LPSDFW RI D SUH
(PSWLYH6NLQWUHDWPHQWUHJLPHQRQVNLQWR[LFLWLHVDQGTXDOLW\
RI OLIH LQ SDWLHQWV ZLWK PHWDVWDWLF FRORUHFWDO FDQFHU - &OLQ
2QFRO28135113572010
32)3HHWHUV 03ULFH7&HUYDQWHV$HWDO5DQGRPL]HGSKDVH
Ⅲ VWXG\ RI SDQLWXPXPDE ZLWK IOXRURXUDFLO OHXFRYRULQ DQG
LULQRWHFDQ()2/),5,)FRPSDUHG ZLWK )2/),5, DORQH DV
VHFRQGOLQH WUHDWPHQW LQ SDWLHQWV ZLWK PHWDVWDWLF FRORUHFWDO
FDQFHU-&OLQ2QFO28470647132010
33)9DQ&XWVHP(3HHWHUV06LHQD6HWDO2SHQODEHOSKDVH
Ⅲ WULDO RI SDQLWXPXPDE SOXV EHVW VXSSRUWLYH FDUH FRPSDUHG
ZLWKEHVWVXSSRUWLYHFDUHDORQHLQSDWLHQWVZLWKFKHPRWKHUDS\
UHIUDFWRU\PHWDVWDWLFFRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ2QFRO251658
16642007
34)$PDGR5*:ROI03HHWHUV0HWDO:LOGW\SH.5$6LV
UHTXLUHGIRUSDQLWXPXPDEHIILFDF\LQSDWLHQWVZLWKPHWDVWDWLF
FRORUHFWDOFDQFHU-&OLQ2QFRO26162616342008
35)&KHQ+;0RRQH\0%RURQ0HWDO3KDVHⅡPXOWLFHQWHU
WULDORIEHYDFL]XPDESOXVÀXRURXUDFLODQGOHXFRYRULQLQSDWLHQWV
ZLWKDGYDQFHGUHIUDFWRU\FRORUHFWDOFDQFHUDQ1&,7UHDWPHQW
5HIHUUDO&HQWHU7ULDO75&0301-&OLQ2QFRO2433543360
2006
36):RQJ5&XQQLQJKDP'%DUEDFKDQR<HWDO$PXOWLFHQWUH
VWXG\ RI FDSHFLWDELQH R[DOLSODWLQ SOXV EHYDFL]XPDE DV
SHULRSHUDWLYH WUHDWPHQW RI SDWLHQWV ZLWK SRRUULVN FRORUHFWDO
OLYHURQO\ PHWDVWDVHV QRW VHOHFWHG IRU XSIURQW UHVHFWLRQ$QQ
2QFRO22204220482011
37))ROSUHFKW * *UXHQEHUJHU 7 %HFKVWHLQ :2 HW DO
7XPRXU UHVSRQVH DQG VHFRQGDU\ UHVHFWDELOLW\ RI FRORUHFWDO
OLYHU PHWDVWDVHV IROORZLQJ QHRDGMXYDQW FKHPRWKHUDS\ ZLWK
FHWX[LPDEWKH&(/,0UDQGRPL]HGSKDVH2WULDO/DQFHW2QFRO
1138472010
38)瀧井康公,丸山 聡:大腸癌肝転移に対する新規抗癌
剤治療の効果新潟がんセンター病院医誌4943482010