平成 26年度 アジアにおけるI T関連情報の収集・提供に 関する報告書 平成 27年 3月 一般財団法人 国際情報化協力センター 序 当財団では、発展途上国等の情報化の進展に協力することにより、それらの国々の経済 発展及び我が国との協力関係の進展に貢献し、我が国 IT産業の国際展開及び産業発展に寄 与することを目的として、発展途上国等の情報化に関する情報収集・提供、IT利活用推進 への支援協力、人的・組織的ネットワーク構築のための国際交流等の事業を実施してき ている。 現在政府が進めている成長戦略「世界最先端 IT国家創造宣言」では、202 0年までに世界 最高水準の I T利活用社会を実現するとともに、その成果を国際展開することを目標として いる。同戦略には、地域の活性化、行政の効率化、地理空間情報、農業、医療・健康、資 源・エネルギー、防災・減災、道路交通、教育等における IT利活用は、インフラ輸出の新 たなフロンティアであり、この成功モデルを、相手国のニーズを踏まえ、総合的に活用し て海外展開することにより、国際貢献と我が国の国際競争力強化に貢献するとしている。 さらに、「開発協力大綱(新 ODA大綱)」においても「日本の持つ強みを生かした協力」が 言及されており、ハード面の支援のみならずその運営管理、人づくりや制度づくりなどソ フト面の支援を総合的に行うとしている。 一方、201 5年末に「ASEAN経済共同体(AEC) 」発足を目指す A SEANはじめ急速な成長を続 けるアジア各国等においても、社会インフラの整備の遅れや行政の効率化、医療福祉等の 様々な課題を ITの利活用によって解決していくことが重要視されており、我が国の先進的 な情報化協力に対し大きな期待が寄せられている。 当財団では、アジア各国における情報化に関する情報の収集・提供を実施した。この報 告書は、事業の一環として実施したアジアにおける IT関連情報の収集・提供について報告 するものである。事業の実施にご協力を頂いた関係官庁、関係会員ならびに直接に労を賜 った専門家各位に深く感謝の意を表するとともに、この報告書が関係方面に利用され、情 報化協力事業の円滑な推進をはかるための資となれば幸いである。 平成 27年 3月 一般財団法人 国際情報化協力センター 理事長 1 川村 隆 平成 26年度アジアにおける IT関連情報の収集・提供に関する報告書 (目次) 1-1.背景と目的 ................................................................................................................3 1-2.事業概要 ....................................................................................................................3 2.アジア各国 IT関連ニュース .............................................................................................4 インド ..................................................................................................................................4 インドネシア..................................................................................................................... 30 カンボジア ........................................................................................................................ 41 シンガポール..................................................................................................................... 46 スリランカ ........................................................................................................................ 55 タイ ................................................................................................................................... 61 パキスタン ........................................................................................................................ 82 バングラデシュ ................................................................................................................. 86 フィリピン ...................................................................................................................... 105 ベトナム ...........................................................................................................................119 マレーシア ...................................................................................................................... 131 ミャンマー ...................................................................................................................... 136 モンゴル .......................................................................................................................... 148 ラオス ............................................................................................................................. 150 韓国 ................................................................................................................................. 152 台湾 ................................................................................................................................. 163 中国 ................................................................................................................................. 174 3.CICCからの海外向け情報発信「東京便り」 ............................................................... 192 第 35 号:平成 26年 4月 3日......................................................................................... 192 第 36 号:平成 26年 6月 5日......................................................................................... 195 第 37 号:平成 26年 8月 7日......................................................................................... 198 第 38 号:平成 26年 10月 2日 ....................................................................................... 200 第 39 号:平成 26年 12月 3日 ....................................................................................... 204 第 40 号:平成 27年 2月 5日......................................................................................... 206 2 1.事業の概要 1-1.背景と目的 世界的に I T利活用が社会経済インフラの重要な基盤となっている中で、アジア各国及び 諸外国との情報化協力を円滑かつ有効に推進するためには、アジア各国・地域における政 府等の情報化政策並びに IT産業及び関連市場の動向に関し、適宜適確な情報を収集し、政 府等関係機関、賛助会員企業等広く内外の関係者、関係機関に対し情報提供することが極 めて重要である。 本報告書は、平成 26年度のアジアにおける IT関連情報の収集・提供に関する報告につ いて取りまとめた。 1-2.事業概要 (1)アジア各国関連 IT ニュース 情報化途上国に対し適切な情報化協力を実施するため、対象国における情報化関連の 動向を迅速且つ的確に把握し、またそれらの情報を新鮮なうちに国内関係者に提供し、 時機を捉えた事業の企画立案と実施に繋げていく必要がある。そのため当財団では、対 象国における情報化関連の最新情報を随時収集し、合わせて現地コレスポンダントから も適宜情報を入手し、 「アジア各国 IT 関連ニュース」 (以下、IT ニュース)としてとり まとめ、毎月 1 回発信した。 (2)CICC からの海外(主にアジア諸国)向け情報発信「東京便り」 これまで CI CCの各種事業により構築したアジア諸国とネットワーク等の維持し、アジ ア諸国の関係機関における IT推進上で有益な日本の ITに関わる情報提供強化のために 2ヵ月に 1回、英文メルマガ「東京便り」を海外関係者へ送付した。 3 2.アジア各国 IT関連ニュース 平成 26年度は、304号から 31 5号まで 1 2回ニュースを発行した。各号の国別・カテゴリ 別記事は以下のとおりである。なお、インド、中国、タイについては、現地コレスポンダ ントから提出された情報を含む。 インド 【IT政策】 ◆[ITインフラ/IT政策:光通信網の整備状況] 通信政策で謳われている「201 4年までに 25万パンチャヤット(地方自治組織)に光通信 網を敷設し 2020年までに全 60万村でインターネット接続が可能になるプロジェクト」の 進捗が遅れており、現在 80 0ヵ所のパンチャヤットをカバーする 40地区に光通信網が敷設 されただけである。本政策の実施会社として 2012年 2月に設立された Bhara tBroadb and Network社の NRaviShanke r会長は遅れている事態の明言を避け、「総選挙後の 3ヵ月程度 で見通しが決まり 20 15年末には完成するだろう。」と述べた。 また、インドインターネット携帯電話協会(I AMAI )の SubhoRay会長は、「政府は 2020年 までにインターネット利用者数を 6億人にするという目標をたてており、その半数は農村 地域の利用者である。光通信網の整備に際し、土地の採掘認可など旧態依然の法の整備が 課題だ。」と述べた。IAMA Iによれば、2013年 12月のインターネット利用者数は 2億 1,30 0 万人で、その 7割は都市の利用者である。また、携帯電話からインターネットを利用して いる利用者数が半分を占める。第 3世代携帯電話やスマートフォンの利用者数は 2割であ る。(TheEc onomicT imes 20 14/03/20 Vol.3 04) ◆[IT政策:通信情報技術省の新大臣、通信分野に安定した政策が必要] 新政権発足後に新たに通信情報技術省の閣内相に就任した Rav iShank arPras ad大臣は、 「汚職、訴訟、税制の問題からイメージが悪く、海外投資が滞っている通信分野において、 透明で公正な意思決定プロセスの構築に注力する。 」と通信局幹部に対し、2時間のプレゼ ンを行って、海外投資、安定した政策の必要性を述べた。201 3年 7月に前政権は通信分野 で海外の資本比率 100%を認めたが、それを実施したのは英国の Vod afon eのみであった。 ロシアの Sistem aとノルウェーの Tel enorは J Vのインド企業の株式比率を上げなかった。 一方、NTTD ocom oは、保有する TataTe leservic e sの株式を全て売却し、インド携帯電話 事業から撤退した。(TheEcon omicTim es 201 4/05 /28 Vol.30 6) ◆[IT政策:鉄道省の予算案、IT活用に言及] 4 鉄道省の G owda大臣は、7月 10日に発表される連邦政府予算案で鉄道建設計画に ITの活 用を図ることを発表した。今後 5年間で、業務の電子化を行い、鉄道車両のリアルタイム トラッキング、駅ナビゲーションシステム、次世代 eチケットシステムを開発、運用する。 インドソフトウェア産業協会( NASSCOM) では、ITは鉄道の近代化や顧客サービスの向上に貢 献し、官民パートナーシップによってインド IT産業のビジネス機会が拡大すると歓迎して いる。(TheEconomicTimes 2014/07/ 09 VO l.30 7) ◆[IT政策:政府予算案 2014における IT関連事業] インドの新政権は 7月 10日に 2014年度(2014年 4月から 201 5年 3月)予算案を発表し た。特に I T産業界が注目する事業として、最新インフラが整備されたスマートシティをイ ンド全土に 100ヵ所構築する計画に 706億ルピー、農村地域のブロードバンドアクセス整 備とハードウェアやソフトウェア開発および製造の推進(デジタルインディア計画)に 50 億ルピー、警察近代化プロジェクトに 30億ルピー、仮想クラスルーム(遠隔教育) 構築に 10 億ルピー、9ヵ所の空港における電子ビザ申請機器の開発、政府機関の統合プラットフォー ム構築、操業したばかりのスタートアップと呼ばれるソフトウェア製品開発者への基金が 充てられた。 (TheEc onomicT imes 20 14/07/10 Vo l.307)(1ルピー=1. 70円 2 014/07/1 0 現在) ◆[ITインフラ/IT政策/IT振興:政府、スマートシティへ誘致を計画] モディ新政権のスマートシティ構想を今年度に具体化するために、政府は、デリー・ム ンバイ間産業大動脈沿い(DMIC )に、3ヵ月以内にグジャラート州の Dhol era、2015年 3月ま でにグレートノイダ地区、マディヤ・プラデーシュ州の VikramUdyogp uri地区における産 業集積地域への誘致を計画している。DMIC開発公社 CEOの Tal leenKum ar氏は、 「この産業 集積地域に、ドイツ、英国、米国、韓国など多くの国が関心を示している。第 1フェーズ には、日本の(独)国際協力機構(JI CA)と(株)国際協力銀行(JBIC) が 45億米ドルの資 金を提供している。」と語った。更に、政府は、201 5年半ばまでにマハーラシュトラ州の ShendraBid kin産業集積地域に誘致を計画している。7月に実施された産業界向けのワー クショップに、Oracl e、Micro soft、TC S、Cisc o、A ccenture、L&Tなど多くの企業が参加 した。新政権は、スマートシティを 1 00ヵ所作ると約束し、独立記念日の首相挨拶でイン ドに製造業を誘致すると言っている。 VikramUd yogpuri地区には、自動車とその部品、ITと IT活用サービス、エンジニアリ ングサービス、教育機関を、グレートノイダ地区には、バイオテクノロジー、電子産業、 研究開発など新産業を誘致するが、その他に、通信、電子、自動車、食品、薬品、医療、 防衛なども支援する。 プロジェクト資金の 35-4 0%にあたる主要インフラは DMICトラストが提供し、残りの 60-65%は PP Pモデルで実施する。 5 現在、商工省産業政策促進局(D IPP)において、スマートシティの「スマート」の定義 に関するガイドラインが審議されている。Kuma r氏はスマートシティについて、「エネルギ ー、水、交通、セキュリティ、ごみ処理の 5つのインフラのうち 3つが必要である。同時 にアプリケーションとして、医療、教育、インクルージョン、全員参加型の行政、コミュ ニティーサービスのうち 3つが必要である。」と言う。 デリー・ムンバイ間産業大動脈構想において、JI CAは 8地区のうち 3地区(カルナタカ 州の Punder iと Tumk ur、アーンドラ・プラデーシュ州の Krishna patnam)のマスタープラ ンを策定した。「新産業集積地域の土地の確保は、州政府と協力して進んでいる。 」と D IPP は述べている。日本は、インドに産業パークを作ることにも関心を示している。(The EconomicTi mes 201 4/08/18 Vol.308 ) ◆[IT政策:内閣、デジタル・インディアを承認] 内閣は、8月 20日にデジタル・インディアを承認した。これは、インドをデジタル化さ れた知識経済社会へ変遷させていくプログラムである。予算は進行中のスキームに 1兆ル ピー、新しいプロジェクトに 1,300億ルピーが割り当てられた。デジタル・インディアは、 多くの関連政府機関がそれぞれ実施する事業である。プログラムの管理は通信情報技術省 電子情報技術局(Deit Y)が担当する。そのビジョンは 3つあり、1つ目は全国民のライフラ インとしての ITインフラストラクチャの構築、2つ目はオンデマンドの行政サービス、3 つ目はデジタル技術を活用した国民のエンパワーメントである。 これらのビジョンを実現するために、次のとおり 9本の柱からなるプロジェクトを実施 する。(1)ブロードバンドハイウェイ構築に 4,769億ルピーを充当し、2 016年 12月までに 25万ヵ所あるパンチャヤット(数ヵ所の村を集めた自治組織)でブロードバンドを整備し、 新開発地域ではブロードバンド整備を義務化し、既存の ITインフラは高度化と統合化を進 める。(2)モバイル通信がどこでも可能となる環境整備に 1,600億ルピーを充当し、20 18年 度までに 4万 2,300ヵ所の村でモバイル通信を整備する。(3) 公共インターネットアクセス に 475億ルピーを充当し、201 7年 3月までに 2 5万ヵ所の村の公共サービスセンターと 15 万ヵ所の郵便局で公共インターネットサービスを提供する。(4 )電子政府では、書式の簡素 化、学校の証明書、IDのオンラインデータベース化、国民 ID番号プロジェクトと決済サー ビスプロジェクトの統合化、行政電子化、オンライン告訴を進める。(5 )公共サービスの電 子媒体による配信では、3年以内に、遠隔教育、遠隔医療、オンライン相談、オンライン決 済、農家向け金融情報、裁判所・警察・検察の電子化を進める。(6)ウェブサイト、ソーャ ルメディアやオープンデータを活用した国民と政府との双方向の情報のやり取りを行う。 (7)輸入ゼロを目指した電子機器製造業の強化を推進する。対象として、半導体前工程工場、 ファブレス設計、セットトップボックス、VSA T、携帯電話機、消費者向け電子機器、医療 電子機器、スマートエネルギーメータ、スマートカード、少額決済用 A TMの分野に重点を 置く。(8)I T人材育成に 20億ルピーを充当し、5年間で 1千万人の研修を実施する。(9) 早 6 期に成果をあげるプログラムとして 90億ルピーを充当し、10月までにバイオ、WiFi、政府 内の安全な e-メール運用、1 2月までにショートメッセージベースの災害警報、天気情報、 2015年 12月までに都市にホットスポット 100万ヵ所設置など進める。 (PressI nformat ion Bureau, Gov ernment of Ind ia, Cab inet 20 14/08 /20 Vol.3 09) ( 1 ル ピ ー =1.7 円 2014/08/20現在) ◆[IT政策/ 企業動向:カルナータカ州 IT局、C isc oのソリューションに不満] カルナータカ州 IT局 S .Krshna長官は、IT政策「DigitalI ndia」のスマートシティモ デルとして、Cisc oがバンガロール市向けに発表した駐車場ソリューションに対し、「単に 管理用のルータやソリューションを売るのではなく、インドの実情に合わせた対応をして ほしい。」と明確に不満を示した。インドソフトウェアサービス産業協会(NASSCOM)の R. Chandrashek har会長も、「Ci scoのスマートシティの考え方は、アムステルダムやバルセロ ナなどの都市では有効かもしれないが、インドでは役に立たない。インド人の考え方とは 異なる。」と述べた。(TheHin du 2014 /09/23 Vol .310) ◆[IT政策/ 企業動向:Googleの IT政策支援] GoogleIn diaは、政府の Dig italInd iaと連携して、インターネットアクセスの改善に 注力する。焦点を当てるのは、女性と英語以外の言語を話す国民のインターネット利用で ある。インドでは、流暢に英語を話す人は 1億 5千万人で、約 11億人は英語を話さない。 まずはヒンディ語のオープンソースのフォントへの対応を開始し、他の言語についても対 応を図っていく。また、同社が 2013年に実施した調査によれば、2億 3,8 00万人いるイン ターネット利用者のうち、女性の利用者はその 30% であった。2013年 11月より同社は Help WomenGetOnli ne(HWGO )プログラムを実施して、インターネットの利用方法や生活での活 用法を教え、201 4年末までに女性のインターネット利用者を 5,00 0万人増やすことを目標 としている。 Google本社では、Andr oidOneプログラムの一環として、インド各地域の NGOと協力し、 ラジャスタン州、ウッタールプラデシュ州、タミルナドゥ州、マハラシュトラ州などの地 域で女性 70万人にスマートフォンによるインターネット利用について現地教育機関、政府 機関と連携して研修を実施した。 また、Goo gleIn diaは、9月 29日にアンドラプラデシュ(A P)州と覚書を締結し、同州 の DigitalAPビジョンの実現に協力する。同州の公用語であるテルグ語化は現地グループ が対応し、女性、中小企業、子供のインターネット利用を促進する。(Th eEcono micTim es 2014/09/23 、09/29、10/02 V ol.310) ◆[IT政策:NasscomFoundat ionと電子情報技術局、100万人にデジタルリテラシを] NASSCOMF oundatio nと C SC-SPV(通信情報技術省 電子情報技術局(D eitY)が助成する公 7 共サービスセンタの特別目的事業体)では、18ヵ月以内にインドで 100万人にデジタルリテ ラシを獲得させるために、Nat ionalDi gitalL iter acyMission (NDLM) の MOUに調印した。 この官民連携は、2020年までに、 「各世帯にデジタルリテラシを持つ人が少なくとも 1人い る。」という NDLMの大目標を実現するために資本力の強化を図ったものである。NASS COM Foundationはメンバー企業 2 ,000社に NDLMの促進を働きかけ、 すでに A mdocs、Co gnizant 、 Cyient、Goo gle、Int el、Micr osoft、Z ensarT echn ologiesなどの企業と NDLMセンタの立 ち上げを図っている。CSC-SP Vが定めた NDLMカリキュラムに基づき、産業界はボランティ アや資金を提供して研修を行う。(TheEconomi cTi mes 2014/1 0/08 Vo l.310) ◆[IT政策:デジタルインドにオープンソースソフトウェア導入を準備] 政府は、デジタルインド【注 1】の一環でオープンソースソフトウェアの導入を計画して いる。インドには 20 10年に草案されたオープンスタンダード政策があった。また、政府は ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービスである Git Hub【注 2】のよう なサイトの設置を計画している。(TheEconomi cTi mes 2014/1 1/13 Vo l.312) 【注 1】2 014年 8月に閣議決定されたモディ政権の IT政策で、3つのビジョン、9本の柱 プロジェクトで構成されている。 【注 2】GitHub (ギットハブ)社が運営するソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウ ェブサービス。 ◆[IT政策/ 電子商取引:インドポスト、eコマースのインフラ整備拡充へ] eコマースの 90億米ドルの市場を見据えて、ラストワンマイルのネットワークを有する インドポストは、衛星を利用した配送荷物のリアルタイムトラッキングシステムのインフ ラ整備を進める。郵便事業担当の通信情報技術省 RaviShankarPras ad大臣は、郵便局 (DepartmentofPost )幹部に対し、投資を引出し雇用を増やす可能性のある eコマースと そのインフラ整備に注力するよう指示を出した。(S iliconIndia 2014/1 1/20 Vo l.312) ◆[国際連携/IT政策:第 2回日印合同作業部会開催] 2013年 10月に日印 IT協力が合意され設置された日印合同作業部会の第 2回日印合同作 業部会が 12月 3日にニューデリで開催された。インド側は Prasa d通信情報技術大臣、日 本側は総務省阪本総務審議官を筆頭に両国の I T関係者が参加して、グリーン IT、サイバー セキュリティ、社会経済における IT利活用、国家 ID関連のアプリケーションに関し、両 国が協力できる分野について討議した。 (TheEcon omicTimes 2014/12 /03 Vol .313) ◆[IT政策:オリッサ州、IT分野に 50 0億ルピーを投資] オリッサ州の Patna ik首席大臣は、 「国の IT政策により、政府機関は年間予算の 2%または 全体予算の 1%を IT投資に割り当て、I Tを活用してサービスを提供していかねばならない。 8 オリッサ州では 5ヵ年計画で IT、BPO、電子設計製造システム関連の開発に 500億ルピーを 予算として計上する。 」と Te chMahin dra社の新工場の開所式で述べた。オリッサ州の I T 輸出は、過去数年間で国全体の伸びより大きくなっていると言う。さらに、 「IT産業振興の ために、Inf o-cityや I nfo-vall eyに IT経済特区を設置した。さらに州政府は環境に配慮 した電子製造拠点を Info-va lleyに設置する。海外の電子製造産業の誘致を図るために、 オリッサ州は、州で初めて米国シリコンバレーにあるインド人起業家支援組織であるイン ダ ス ・ ア ン ト レ プ レ ナ ー ズ (TiE)と 覚 書 を 結 ん だ 。」 と 述 べ た 。 (Business Standard 2014/12/11 Vol.313 )(1ルピー=1.92円 201 4/12 /11現在) ◆[IT政策:踏切の安全管理に IT活用を] 鉄道省の P rabhu大臣より、踏切での利用者の安全確保に向けて GPSや GISなどの活用を 検討するよう指示が出され、Railw ayBoard、Re searc hDesignsan dStanda rdsOragn isation、 CenterforRailwayInformat ionSyst ems、In dianSpaceRese archOrg anizatio nの機関 が参加してハイレベルな会合が開催された。会合では、GPS、GI S、リモートセンシングな ど地理空間情報システムを活用したアクションプランを作成することが決定された。(eG ov 2014/12/22 Vol.313 ) ◆[IT政策:政府、2 016年末までに 55 ,000ヵ所の村でモバイル通信可能に] インドの全部で 60万ヵ所ある村のうち 1割弱の 55,000ヵ所はまだ携帯電話が利用でき ない。通信情報技術省通信局は 2 016年 12月までにこれらの村で携帯電話が利用できるよ うにする。政府が進めるデジタル インディアでは、誰でもどこでもモバイル通信ができる ことを目指しており、内閣は、2014年 9月に普及率が低い北東部の 8,62 1ヵ所の村に 6,67 3 ヵ所の基地局を設置するため 530億ルピーの予算を承認した。インド電気通信規制庁(TRAI) の調査では、北東部におけるモバイル通信の普及率は、アルナーチャル・プラデーシュ州 で 56%、メガラヤ州で 38%、ミゾラム州で 32%、マニプル州で 24 %となっている。(The EconomicTi mes 201 4/12/26 Vol.313 ) ◆[国際連携/IT政策:米国、デジタル・インディアに協力] 米国国務省の主催で、1月 14日、15日に米印情報通信技術作業部会がワシントン D.C. で開催され、双方は、インドにおけるデジタル・インディア政策で、I Tインフラ、電子政 府、ビジネス機会の拡大と生産性向上のための IT利活用で協力を強化していくことに同意 した。2回目の米印情報通信技術作業部会も年内に開催する予定である。(TheEconomic Times 2015 /01/17 Vol.314) ◆[IT政策:ハードウェア産業界、IT製品の特別追加関税免除を歓迎] 2月 28日に ArunJ aitley財務大臣は、201 5年度( 2015年 4月から 201 6年 3月) の連邦政 9 府予算案を発表した。2015年度予算案発表を受けて、ハードウェア業界は、国内で PC、タ ブレットを製造する時に使用される部品や入力装置に限定して特別追加関税(SAD)が免除 されることを歓迎した。一方で、免税が及ぶ部品の定義が明確になされていないことから、 PCやタブレットの国内製造コスト削減に貢献するか不明だとの声も上がっている。(T he EconomicTi mes 201 5/02/28 Vol.315 ) ◆[IT政策:ソフトウェアサービス産業界、連邦政府予算案 201 5を評価] 2015年度連邦政府予算案の発表を受けて、インドソフトウェアサービス産業協会 (NASSCOM )の Chand rashekh ar会長は、「起業家のビジネス支援に投資ファンド 100億ルピ ーを設けたことを評価する。一方で、エンジェル投資家への課税、ソフトウェア製品に対 する二重課税の免除減免はなされなかった。更に経済特区(SEZ )における IT産業の研究 費課税免除の延長もなされなかった。 」と述べた。また、デジタル・インディアやスマート シティプロジェクト向けの予算配分がないことに懸念を示した。(The E conomic Times 2015/02/28 Vol.315 ) 【情報化機関】 ◆[情報化機関:電子情報技術局、国家計画監視審議会(NEPM) を設置] 電子情報技術局(De itY)は、調達に際し優遇措置をとることにより国内製造業の強化を目 指して、国家計画監視審議会(NE PM、Nat ionalP lan ning&Mon itoringCouncil ) を設置 した。国内の電子、電気および通信機器事業者から、軍の通信インフラプロジェクト(1,300 億ルピー相当)の入札基準が外国企業に優位であると批判があり、インド電子・半導体協 会(IESA )、インド電気通信製造業協会(T EMA)、インド電子産業協会(EL CINA)、通信システ ム設計製造業者協会( TSDMA)などの産業団体が K apilSibal通信情報技術大臣と首相宛てに 書簡を送った。(TheEconomicTimes 2014/03 /21 Vol.304) 【国際連携】 ◆[国際連携:中国と IT分野で協力の覚書に署名] インドと中国は、3月 18日に開催された第 3回戦略的経済対話の場で IT分野での協力に 関する覚書を署名した。「これは、苦戦しているインドの大部分のソフトウェア企業の中国 国営企業からの受注拡大を図る旨、中国政府から公式に合意を取り付けた内容である。」と インド政府高官が述べた。具体的には、350億ドルに及ぶインド側の対中貿易赤字を是正す るため、インドはソフトウェア産業の中国における市場拡大を求めた。 一方、中国工業情報化部(MI IT)楊学山副大臣は新聞社のインタビューに答え、「インド 側の認識とは異なり、これまでも中国国営企業はインド IT企業を市場から阻害していなか 10 った。」と述べると同時に、他国との成功事例や Tat aConsulta ncySer vicesの国営銀行や 地方政府からの受注事例を示した。(Th eHindu 20 14/03/18 V ol.304) ◆[国際連携:ロシア、インドにスーパーコンピュータ開発協力を提案] ロシアのスパコン開発企業 RSCグループと Ru ssia nAcademyofScie nceは、性能ランキ ング世界首位の中国製スパコン「天河-2号」に対抗し、スパコン開発でインドと協力して、 IndiaInsti tuteofScienc eと Karnata ka州政府に共同でスーパーコンピューティングセ ンターを B angalor eに設立することを提案した。スパコン性能ランキングでは、インドの ParamYuvaIIが 83位、ロシアの Lomon osovが 37位となっている。(Th eEconom icTimes 2014/04/08 Vol.304 ) ◆[IT振興/ 国際連携:米国 I T企業や日本政府、インド投資に意欲] 政権交代後に、海外の大手企業や政府はインドへの IT投資に強い関心を示し、通信情報 技術省 R aviShan karPras ad大臣は、「F acebook 、C isco、H P各社がインドへの高い投資意 欲を示している。特に Faceb ookと Ci scoは教育分野への関与に積極的だ。インドで約 4万 人の従業員数を持ち米国を超え最大のビジネスを営む HPには、7月 31日に副社長と面会し た際に電子機器製造業の分野で更なる投資を求めた。」と述べた。 さらに通信情報技術大臣は 7月 31日に日本の赤羽経済産業副大臣率いる訪問団と面会し、 インドの電子機器製造業への投資について議論し、携帯電話基地局向け太陽光発電の利用 について早期に覚書を締結する予定である。日本の訪問団からは、一部の電子機器に対す るインド標準局(BIS) による安全認証義務化に対し懸念が表明された。(TheEco nomicTi mes 2014/07/31 Vol.308 ) ◆[企業動向/国際連携:首相、TCSJap an社 Tech no logyandCu ltureAc adem y開所式に出 席] 9月 2日に行われた TCSJapan社 Tech nologya ndCultureAc ademy開所式に日本滞在中 のモディ首相が出席し、これから 6-8週間のインドでの研修に参加する 48人の日本人新 入社員に対し、「インドの研修で知識を得て、T CSの職員として日本に戻りインド大使とし て活躍してもらいたい。」と励ました。TCSは 4月に三菱商事との合弁会社 TataCo nsultanc y ServicesJa panの設立を発表した。(T heTimesofIndia 2014 /09/02 Vol.309) ◆[国際連携/IT政策:第 2回日印合同作業部会開催] 2013年 10月に日印 IT協力が合意され設置された日印合同作業部会の第 2回日印合同作 業部会が 12月 3日にニューデリで開催された。インド側は Prasa d通信情報技術大臣、日 本側は総務省阪本総務審議官を筆頭に両国の I T関係者が参加して、グリーン IT、サイバー セキュリティ、社会経済における IT利活用、国家 ID関連のアプリケーションに関し、両 国が協力できる分野について討議した。 (TheEcon omicTimes 2014/12 /03 Vol .313) 11 ◆[国際連携/IT政策:米国、デジタル・インディアに協力] 米国国務省の主催で、1月 14日、15日に米印情報通信技術作業部会がワシントン D.C. で開催され、双方は、インドにおけるデジタル・インディア政策で、I Tインフラ、電子政 府、ビジネス機会の拡大と生産性向上のための IT利活用で協力を強化していくことに同意 した。2回目の米印情報通信技術作業部会も年内に開催する予定である。(TheEconomic Times 2015 /01/17 Vol.314) 【市場動向】 ◆[市場動向:2014年パブリッククラウドサービス市場、5億 5 ,700万米ドルへ] Gartnerの発表によれば、インドにおける一般利用者向けパブリッククラウドサービス市 場は、対前年比 32.2%の増加で 2 014年には 5億 5, 6 80万米ドルになると見込まれる。その うち、ネットワークを介して必要に応じてソフトウェアを利用できる Sa aSの市場が対前年 比 33.2%増で 2億 2, 000万米ドルを占める。SaaSがクラウドサービス全体の最も大きな部 分を占め、次いでインターネットを介したサービスとして情報システムインフラを利用で きる IaaSであり、その市場は 7,800万米ドルと見込まれる。クラウドサービスで提供され るビジネスプロセスマネジメントサービスである BP aaSがその後に続き、その市場は 7,5 00 万米ドルと推定される。2018年には、B PaaS市場は 2億 400万米ドル、IaaSは 3億 1,700 万米ドル、SaaSは 6億 3 ,600万米ドルになり、パブリッククラウドサービス全体では 17億 米ドルになると予想される。 (Gartner 2014/ 04/2 8 Vol.305) ◆[市場動向:インド保険業界、1,170億ルピーの I T投資見込み] Gartnerの調査によれば、2014年のインド保険業界の IT投資は、移動体通信やタブレッ ト PC対応への必要性から、前年より 5%多い 1,17 0億ルピーになると推定されている。IT 投資のうち、移動体通信への対応は前年より 35%増えて 41億ルピーが見込まれる。保険会 社の多くの CIOは、移動体通信に対応したアプリケーションやサービスが業績拡大に重要 であると認識している。特に、飽和状態となった都市ではなく、郊外や農村地域において 加入者拡大のために重要だとしている。(TheEcono micTime s 201 4/05/0 7 Vol .305)(1 ルピー=1.69円 201 4年 5月 7日現在) ◆[市場動向:2017年までに I Tインフラ市場、23億 5千米ドルへ] ITインフラ市場が停滞した状況は 20 13年で終わり、2014年度はモビリティ、クラウド、 ビッグデータをキーワードに投資が進み、2017年までに 23億 5,000米ドルに拡大すると、 Gartnerは予想する。2014年のサーバ売上高は前年から 1%減少して 6億 6,300万米ドル、 2015年の売上高は 6億 9,70 0万米ドルになり、企業内 LAN構築の売上高は 8億 8 ,700万米 12 ドルになると見込まれる。データセンタへの統合、クラウドやモビリティに加え仮想化の 導入が伸び、ネットワーク機器の市場増加につながっている。ストレージの 201 4年の売上 高は 3億 8,400万米ドルで前年比 11 %増となり、バックアップやディザスタリカバリなど の機能が注目されている。(Si liconInd ia 201 4/05 /12 Vol.30 6) ◆[市場動向: 2015年までにモバイルアプリ 9 0億ダウンロード数へ] インド合同商工会議所(Asso cham)と Deloitt eの合同調査によれば、インドにおける携帯 電話の急増に乗じて、 2015年までにアプリは 90億ダウンロード数を突破しそうである。2012 年は 15億 6千万ダウンロード数であった。16歳から 30歳を対象とした調査の結果は、マ ーケット毎に適切な言語による適切なアプリの開発、ユーザの啓蒙や教育、販促活動が今 後の通信、メディア、エンターテイメント産業を大きく成長させると示した。(Th eEconom ic Times 2014 /07/29 Vol.308) ◆[市場動向:大部分の中小企業がクラウド採用を希望] SAPがスポンサである Circl eResearchG lobalRe portによれば、インドの中小企業の約 90%が、事業を成功させるためにクラウドの採用が重要だと考えている。中小企業経営者 800人に聞き取り調査を行ったところ、エンタープライズアプリケーション、アナリティク ス、モバイルソリューションが自社の業績を上げるために重要な役割を果たすと 87%が考 えていた。( TheEcon omicTim es 2014 /09/09 Vol .309) ◆[市場動向:クラウドコンピューティング市場シェア争い] インドのクラウドコンピューティング需要は急増しており、現在 Ama zonが独占する市場 シェアを Goo gle、Mi crosoft 、IBMが切り崩そうとしている。G artnerによれば、Amazonの クラウドサービス Am azonWe bServi ce(AWS) の市場シェアは、G oogle、M icrosof tを含めた 競合企業 14社の合計の 5倍よりも多い。 Googleは、売上額が 5 0万米ドル以下で、インドソフトウェアサービス産業協会( NASSCOM) の「10 ,000StartupProgr am」に認定されたスタートアップ企業(起業家)またはベンチャ ーキャピタルの投資を受けている企業に対し、従量課金制で 10万米ドルの与信枠を設定し 同社のクラウドコンピューティングを利用する資格を与える。 Microsoftは、売上 10 0万米ドル以下のソフトウェアのスタートアップ企業に対し、従量 課金制で 6万米ドルの与信枠を設定し、同社の Az u reforBizS parkPlusを利用できるよ うにする。 IBMは、S ofLayerCatalystProgra mを通してビジネスプランで選抜されたスタートアッ プ企業に一定期間、一定量で SoftLay erクラウドサービスの利用を与信枠内で提供してい る。(TheEc onomicT imes 20 14/09/18 Vol.3 10) ◆[市場動向:政府の IT市場、2015年までに 7 2億米ドルと予想] 13 インド政府の IT市場は、2014年の 66億米ドルより 5%増加して 2015年には 72億米ド ルになると予想される。2018年に至るまで、政府の IT市場で最も大きな割合を占めるのは ITサービスで、これはコンサルティング、システム構築、ITアウトソーシングである。I T サービスは 20 14年の 16億米ドルから 10.9%増加して 2015年には 18億米ドルに達する見 込みである。 (Gartne r 2014/ 10/12 V ol.311 ) ◆[市場動向: 2015年に 733億米ドルの IT市場を予想] インドの IT市場は、2 014年の 671億米ドルより 9.4%増加して 2015年に 733億米ドル になると Gart nerは予想する。2 016年末までにアジア・パシフック地域において第 3位、 2018年までに第 2位の市場になると見込まれる。201 5年までに ITサービスの収益は 15.7%、 ソフトウェアは 14%、デバイスは 12.6%、通信サービスは 4.2%の増加が推定されている。 (Gartner20 14/10/15 Vol.31 1) ◆[市場動向:2020年までにモノのインターネットを 150億米ドル規模へ] 政府は、今後 6年間でモノのインターネット(Io T)を 150億米ドル規模にする野心的な 計画を取りまとめている。Io T政策の草案には、 「モノに通信機能を持たせる IoTは、農業、 医療、エネルギー、セキュリティ、防災など諸産業の課題解決に役立つ。2015年までにイ ンドに 150億米ドル規模の IoT産業を創ることを目標とする。インターネットに接続され たモノが 202 0年までに 2億個から 27億個以上に増加する。」と記されている。この政策は スマートシティ 10 0ヵ所実現計画に対応している。政府は、インドソフトウェア産業協会 (NASSCOM)などと連携して、Na tionalC entreo fEx cellenceと言う名称のインキュベーシ ョンセンタを設置する。また、外国との相互協力で、In ternatio nal I oT Co llaborat ion Scheme(IIR C)という名称の共同研究開発プロジェクトの提案をしている。(TheEconom ic Times 2014 /10/26 Vol.311) ◆[市場動向:ヘルスケア産業の IT投資は 11億米ドル] インドのヘルスケア産業は、前年より 5%増加し、2014年は IT製品・サービスへの投資 が 11億米ドルになると Gartn erは推定している。このうち、コンサルタント、ITアウトソ ーシング、ビジネスプロセスアウトソーシングを含む ITサービスに大きな需要があり、2 013 年の 2億 8,0 00万米ドルから、20 14年には 3億米ドルになると見込まれる。(Silicon India 2014/11/10 Vol.312 ) ◆[市場動向:電子機器産業、2016年度中に輸入を 15%に削減] 政府のメーク・イン・インディアの掛け声のもと、インド電子半導体協会(IESA )は公式 声明で、2016年度に完成品の国内消費における輸入の割合を現在の 65%から 50%に削減し、 国内製造の割合を現在の 35 %から 50 %に増加すると発表した。 電子機器産業の市場規模を、 14 2014年度の 900億米ドルから 2025年までに 4, 000億米ドルに拡大させ、従業員数も現在の 200万人から、更に 278万人の増加を目標としている。(SiliconInd ia 2015/02 /03 Vol.315) ◆[市場動向:インドのパッケージソフトウェアの状況] インドソフトウェアサービス産業協会(NASSCOM )が発行する「Strategic Rev iew for FY2015」によれば、2 014年の世界のパッケージソフトウェア売上は 4 ,200億米ドルであっ たのに対し、2015年度のインドの売上は、前年度比 12%増の 61億米ドルと予想されてい る。国内の売上の 4 0-45%は多国籍企業に占められ、操業間もない企業の割合は 5-10%で しかない。パッケージソフトウェアの 91%は欧米からの輸入である。 ( BusinessStandar d 2015/02/24 Vol.315 ) 【企業動向】 ◆[企業動向:Boein g社、インド企業と航空宇宙空間用無線技術を開発] 米国 Boein g社とインドの W ipro、HC LTech nologi es、IndianInstit uteofScien ce(IIS) は、共同研究コンソーシアムの Aero spaceNe tworkResearchC onsortiu m(ANRC) を通して、 未来の航空機に適応できる省エネ型の航空宇宙空間用無線ネットワーク技術の開発に成功 したと発表した。 (C IOL 201 4/03/10 Vol.30 4) ◆[企業動向:IBM、自動車産業向けクラウド型 EDIプラットフォーム配備] IBMは、インド自動車工業会(SIAM )、インド自動車部品工業会(ACMA )と連携して、B2B クラウド型ネットワークの新しい EDI( ElectricDat aExchange) プラットフォーム AutoD X を開発した。データ交換の高速化や最大 8割の業務コスト削減が可能となり、自動車産業 界の変革を図ると期待されている。(CI OL 201 4/03 /10 Vol.30 4) ◆[企業動向:BhartiAirtel社、IBMとアウトソーシング契約更新] 最大手通信事業者 Bh artiAir tel社は、IBMと 3月 31日に 10年間の契約期限が終わり、 4月 2日に新たに 5年間のアウトソーシング契約を締結した。関係者は 5億から 5.5億米ド ル相当の契約額と伝えている。今回の契約は加入者と従業員のソフトウェア利用が対象で ある。前回と違い今回は、Bhar ti Ai rtel社は他領域の契約で HCLTechnolo gies、Tech Mahindra、W ipro、Ta taConsulta ncyService sなど他の ITベンダーの活用を検討している ようである。 (TheEc onomicT imes 20 14/04/0 2 V ol.304) ◆[企業動向:TCS、三菱商事㈱と新会社設立で、日本市場拡大へ] HfSResear chによれば、2 013年度のグローバル I Tサービス企業トップ 10に初めてイン 15 ドの IT企業 Tat aConsul tancySe rvice(T CS)が年間売上高 101億米ドルで入った。その他 のインド企業では、C ognizan tが 1 5位、I nfosysが 18位、Wiproが 20位、HC Lが 2 5位で あった。 TCSと Inf osysの売上高には 52億米ドルの差があるが、その差のうち 12億米ドルは欧米 以外の地域から生じている。特に日本での動きが顕著で、4月 2 1日に日本のパートナであ る三菱商事㈱との傘下にある 3社を統合し、新しい I Tサービス企業を設立すると発表した。 TCSが 51%、三菱商事㈱が 49%の株式を持ち、新会社は 2014年 7月から営業を開始する。 Gartnerによれば 1,0 90億米ドル相当の世界第 2位の日本市場は重要な市場だが、その市場 の 8割は日本の IT企業に占められている。TCSは、三菱商事㈱との新会社設立で日本企業 に入り込み、今まで難しかったその市場を開拓しようとしている。(TheEconomicTimes 2014/04/21 、2014/04 /22、201 4/05/01 Vol.30 5) ◆[企業動向:Dell、地方で P C販売店倍増計画] 米国 PCメーカの D ellは、 2014年中に地方で販売店の出店を倍増して 400店とする計画 だ。すでに大都会では PC普及率が 70 %となっているのに対し、地方では 20%以下である。 Dellが PC需要を調査した結果、地方の小都市が最も高かった。現在 Dellは地方に 200店 出店しているが、201 5年 3月までに地方の専ら小都市に 40 0店を出店する。Del lの 2 013 年の第 3四半期の売上高は 20 %減であった。 (TheE conomicTime s 2014 /04/23 Vol.305) ◆[企業動向:TCS従業員数、年度内に世界 2位へ] タタコンサルタンシーサービス(TCS) は、2014年 3月末時点で従業員数が 30万人を超え た。IT産業の従業員数では世界 1位が IBMで約 43万人、次いで Hewlet t-Packa rd(HP)が約 32万人となっているが、TCSは 2014年度に新たに 5万 5千人を採用する予定であり、今年 度末には HPを追い越し世界 2位になる勢いだ。TCSの人件費総額は 2007年の 900億米ドル から 2013年は 3,192億米ドルに増加したが、一人当たりの人件費は 20 07年から 2013年で 1.2%増えたのみである。最近の特徴は、中途者より新卒者の採用数が大幅に多く、採用者 の中で新卒者の占める割合は 200 7年の 5 1%から 2013年は 8 1%に増加している。( The EconomicTi mes 201 4/06/17 Vol.307 ) ◆[企業動向:Google 、インド携帯電話機メーカと提携] Googleは、Androi dOneイニシアティブの一環として、「インド国内の携帯電話機メーカ Micromax、K arbonn、Spiceと連携して、100米ドル以下の価格のスマートフォンを今年の 秋に世界に先駆けインドで販売する。画面サイズは 5インチ以下で、FMラジオ機能があり、 OSは Androi dOSである。」と発表した。(TheE cono micTimes 2014/06/ 26 Vol. 307) ◆[企業動向:Cisco 、エレクトロニクス・シティ産業協会と Io T開発で連携] 16 アジアで最初の「モノのインターネット( IoT)」イノベーションのハブを開発するため、 Ciscoはバンガロールの Elect ronicsCityIn dustr iesAssocia tion(EL CIA、エレクトロニ クス・シティ産業協会)との戦略的連携を発表した。この連携で、バンガロールのエレクト ロニクス・シティにある電子システム設計・製造(E SDM)などの企業は、IoT関連の製品開 発に拍車がかかると期待している。ESD M産業強化のために E LCIAは政府の補助金も認可さ れた。Ciscoは、ネットワークシステムの提供や実証実験で支援する。エレクトロニクス・ シティの Liv ingLabで、ESD M分野の新規参入企業などが、スマートパーキング、スマート 監視カメラ、スマート街灯、スマート水道管理などのスマートシティソリューションを開 発する。(Th eEconom icTimes 2014/0 7/02 V ol.3 07) ◆[企業動向/国際連携:首相、TCSJap an社 Tech no logyandCu ltureAc adem y開所式に出 席] 9月 2日に行われた TCSJapan社 Tech nologya ndCultureAc ademy開所式に日本滞在中 のモディ首相が出席し、これから 6-8週間のインドでの研修に参加する 48人の日本人新 入社員に対し、「インドの研修で知識を得て、T CSの職員として日本に戻りインド大使とし て活躍してもらいたい。」と励ました。TCSは 4月に三菱商事との合弁会社 TataCo nsultanc y ServicesJa panの設立を発表した。(T heTimesofIndia 2014 /09/02 VOl.309 ) ◆[企業動向:国営通信企業 B SNLと MT NL、201 5年 7月までに合併を] 国営通信事業者の BharatSancharNigam(BS NL) 社と Mahan agarTel ephoneN igam(MTN L) 社に対し、通信情報技術省 通信局(D oT)は今まで検討されてきた 2社の合併を 20 15年 7月 までに完了させるよう期限を設けた。(TheEco nomi cTimes 20 14/09/03 Vol.30 9) ◆[企業動向:Infosy s、新たに Micros oft、日立データシステムズ、Hua weiと提携] ソフトウェア現地大手の I nfosysは、クラウド、ビッグデータアナリティクス、通信、 インフラストラクチャ、データセンタなどの新分野で商品提供を拡大していくために、 Microsoft、日立データシステムズ(HDS )、Huaw eiと新たなパートナーシップを発表した。 すでにシ ステム 統合では パート ナであ る Mic rosoftと Center of Excellen ce f or MicrosoftA zureMa chineL earningを設立し、201 5年末までに 1,000人以上の技術者を研 修する予定である。日立グループの H DSとのパートナーシップでは、エンタープライズ向 けインフラストラクチャやデータセンタトランスフォーメンション(DTC)ソリューション を従量課金制サービスで提供する Cent erofExcell enceを設立する予定である。Huaweiと の提携では、クラウド、ビッグデータ、通信分野でのソリューションを拡張する。( The EconomicTi mes 201 4/09/19 Vol.310 ) ◆[IT政策/ 企業動向:カルナータカ州 IT局、C isc oのソリューションに不満] 17 カルナータカ州 IT局 S .Krshna長官は、IT政策「DigitalI ndia」のスマートシティモ デルとして、Cisc oがバンガロール市向けに発表した駐車場ソリューションに対し、「単に 管理用のルータやソリューションを売るのではなく、インドの実情に合わせた対応をして ほしい。」と明確に不満を示した。インドソフトウェアサービス産業協会(NASSCOM)の R. Chandrashek har会長も、「Ci scoのスマートシティの考え方は、アムステルダムやバルセロ ナなどの都市では有効かもしれないが、インドでは役に立たない。インド人の考え方とは 異なる。」と述べた。(TheHin du 2014 /09/23 Vol .310) ◆[IT政策/ 企業動向:Googleの IT政策支援] GoogleIn diaは、政府の Dig italInd iaと連携して、インターネットアクセスの改善に 注力する。焦点を当てるのは、女性と英語以外の言語を話す国民のインターネット利用で ある。インドでは、流暢に英語を話す人は 1億 5千万人で、約 11億人は英語を話さない。 まずはヒンディ語のオープンソースのフォントへの対応を開始し、他の言語についても対 応を図っていく。また、同社が 2013年に実施した調査によれば、2億 3,8 00万人いるイン ターネット利用者のうち、女性の利用者はその 30% であった。2013年 11月より同社は Help WomenGetOnli ne(HWGO )プログラムを実施して、インターネットの利用方法や生活での活 用法を教え、201 4年末までに女性のインターネット利用者を 5,00 0万人増やすことを目標 としている。 Google本社では、Andr oidOneプログラムの一環として、インド各地域の NGOと協力し、 ラジャスタン州、ウッタールプラデシュ州、タミルナドゥ州、マハラシュトラ州などの地 域で女性 70万人にスマートフォンによるインターネット利用について現地教育機関、政府 機関と連携して研修を実施した。 また、Goo gleIn diaは、9月 29日にアンドラプラデシュ(A P)州と覚書を締結し、同州 の DigitalAPビジョンの実現に協力する。同州の公用語であるテルグ語化は現地グループ が対応し、女性、中小企業、子供のインターネット利用を促進する。(Th eEcono micTim es 2014/09/23 、09/29、10/02 V ol.310) ◆[企業動向:Micros oft、201 5年までにデータセンタ 3ヵ所設立] 「Microso ftは、クラウドサービスの A zureと Of fice365を提供するために、インドで 初めてのクラウドデータセンタを 2015年までに 3ヵ所設立する計画だ。 」と訪印中の同社 SatyaNadell a最高経営責任者が述べた。この発表は、データ主権を維持するため国内にデ ータセンタを設置させたいインド与党(BJP)や国内のパブリッククラウドでデータを処理 したいインド企業の声が大きくなってきた時期と重なった。クラウドサービスの市場競争 は激しくなっており、Micros oftはインド国内にデータセンタを置き市場の要求に応えるこ とで企業競争力の強化を図る。(TheEc onomicTime s 2014/10/ 01 Vol. 310) 18 ◆[企業動向:IBM、国内にクラウドデータセンタ設立] IBMは 1 2億米ドルを投資して、インド国内に初めてのクラウドデータセンタをムンバイ 郊外に設立する。このデータセンタができると、今まで法的規制のために不可能だった通 信や政府分野にクラウドサービス市場を拡大することができる。Gar tnerによれば、パブリ ッククラウドサービス市場は 2013年の 4億 2, 300万米ドルから 2017年には 13億米ドルに 伸びると推定されている。IB Mの新しいデータセンタは SAPの H ANAEnterpr iseCloudと提 携した。 Microsoftも 2015年末までにインド国内にクラウドデータセンタを設置すると 9月に発 表した。(Th eEconom icTimes 2014/1 0/27 V ol.3 11) ◆[企業動向:Google 、3年後にインターネット利用者数 5億人を目指す] Googleは 20 17年までにインドにおけるインターネット利用者数の 5億人達成を目指す。 GoogleIndi aはインターネット上のコンテンツの現地語化を進めるため、コンテンツ開発 者や技術者との「Ind ianLan guageI nternetAllia nce」を発表し、ヒンディ語の音声検索 やウェブサイト hind iWeb.comを開設する。 さらに同社は、インドにおけるスマホメーカと提携してヒンディ語のキーボードを導入 する。現在、ほとんどのスマホはヒンディ語をサポートしているが、eメールや SM Sを入力 する際のキーボードは英語である。インドの 9億 2 , 400万人の携帯電話利用者のうち 71% はフィーチャーフォンを利用しているが、次第にスマホにシフトしている。ヒンディ語の キーボードはスマホの普及を促進し、ほとんどの人にとって初めての体験となるインター ネット利用を進めるであろう。(TheEc onomicTime s 2014/11/ 03、11/0 4 Vol.3 11) ◆[企業動向:リコー、TCIと連携し郵便局より地方 ICTプロジェクトを受注] リコーインドと国営企業の Telecomm unicatio nsC onsultantsIndi a(TCI) は、通信情報省 郵便局(De partmentofPost )から 5年間で 1 37億ルピーの IC Tプロジェクトを受注した。 地方の国民により良い ICTサービス、金融サービスを提供するのが目的である。リコーイ ンドと TC Iは、モバイルコンピューティングを含めハードウェアの供給、設置、メンテナ ンス等を受注した。安定的に電力を供給するために太陽電池を活用した UPSを設置する。 (TheEconom icTimes 2014/1 1/25 Vo l.312) (1ルピー=1.91円 2014/ 11/25現在) ◆[企業動向:TCS、欧州におけるトップ ITサービス企業に] 調査会社 W hitelan eResearc hが欧州 13ヵ国における主要 IT利用機関の CEO、CIO、CF O、 COO、CTOたち 1,470人に投票形式の調査を行い、上位 23位の ITサービス企業の実績と顧 客満足度を評価した。 インドの IT大手 Ta taConsul ta ncyServices (TCS)は、欧州 9ヵ国(英、 仏、独、スイス、オーストリア、スエーデン、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド) で一般的な満足度で 80%以上の評価を得て首位であった。また、スペイン、ベルギー、ルク 19 センブルグ、オランダでは 3位であった。実績ではアプリケーションサービスとインフラ サービス(データセンタとエンドユーザサービス)分野で首位であった。 (TheEcon omic Times 2015 /01/29 Vol.314) ◆[企業動向:Huawei 、インド研究開発センタに 1億 7,000万米ドルを投資] モディ首相が唱える製造業誘致キャンペーン「メイク・イン・インディア」のもとで、 中国の通信機器企業 Huawe iTechno logie sは 1億 7 ,000米ドルを投資して、インドに研究 開発センタを開設する。バンガロールに建設される本センタは、中国企業の投資案件とし ては最大であり、Huaweiが国外で建設するセンタとしても最大のものとなる。 「本センタは、 ソフトウェア技術者が 5,00 0人まで働くことができ、技術革新の役割を確実に担うと思う。」 と HuaweiI ndiaの C OOである WilsonWang氏は述べた。(Reut ers 201 5/02/09 Vol.314 ) ◆[企業動向:インド・インターネット・オブ・シングズ・パネル結成] インド工学技術学会(IETIn dia)主導により、医療、教育、農業などの課題解決のために、 モノのインターネット(Interne tofThing s)ソリューションを開発しようと、インド・ インターネット・オブ・シングズ・パネルを結成した。主要メンバーは TechMahindr a、GE、 Vodafone、Cis co、Phili ps、Tescoなどの企業から参画した。パネルは分野ごとに 6つのワ ーキンググループに分かれ、市場開拓に取り組む。法整備についても検討する。政府は、 IoT関連市場が 2020年までに 150億米ドルに達すると見込んでいる。(Th eEconomicTim es 2015/02/24 Vol.315 ) ◆[企業動向:Surat市警察、NECの顔認証システムを導入] NECインディアは、グジャラート州の Surat市警察に顔認証システム NeoF aceを納入す ると発表した。Sura t市警察では、「最適な顔認証ソリューションを導入することで、犯罪 捜 査 の時 間 が大 幅に 短 縮で きる 。」と 述べ て いる 。( Bus iness Standar d 2015 /02/24 Vol.315) ◆[企業動向/電子商取引:インドのスタートアップ企業 4社、躍進] TheWallStreetJou rnalandDowJone sVentur eの調査によると、世界で操業間もない スタートアップ企業のうち株式評価額が 10億米ドルを超えた上位 73社のリストに、イン ドから eコマースに関わる Fl ipkart、Snapdeal 、Ol aCabs、In Mobiの 4社がランクインし た。Flipkar t(ネット通販)の株式評価額は 110億米ドル、Sna pdeal(ネット通販)2 0億 米ドル、InM obi(モバイル広告)は 25億米ドル、O laCabs(専用車予約サイト)は 10億 米ドルとなっている。特に I nMobiのモバイル広告プラットフォームは急成長して世界で採 用されている。(Sili conIndia 2015/0 3/02 V ol.3 15) 20 【IT振興】 ◆[IT振興:インド人民党、マニフェストで電子政府推進を謳う] 下院選挙( 投票期間は 4月 7日から 5月 1 2日、開票は 5月 16日)のマニフェストで、最 大野党のインド人民党(BJP )は電子政府の実現を強調している。政府機関の汚職対策に電 子政府が有効と考えているからだ。BJ Pは、「全国にブロードバンドを普及させ、電子政府 を推進し、農村や中小都市に IT産業で雇用を作り、モバイルバンキングなどで皆が銀行口 座を利用できるよう注力する。 」とマニフェストで謳っている。 現政権与党の統一進歩同盟( UPA)も今まで電子政府に多額の予算を投じ、選挙で票を獲得 するためにも電子政府政策を重点として推進してきた。 新政権は、次世代の電子政府に立ち向かうことになるだろう。( DATAQUE ST 2014/04 /07 Vol.304) ◆[IT振興/ 国際連携:米国 I T企業や日本政府、インド投資に意欲] 政権交代後に、海外の大手企業や政府はインドへの IT投資に強い関心を示し、通信情報 技術省 R aviShan karPras ad大臣は、「F acebook 、C isco、H P各社がインドへの高い投資意 欲を示している。特に Faceb ookと Ci scoは教育分野への関与に積極的だ。インドで約 4万 人の従業員数を持ち米国を超え最大のビジネスを営む HPには、7月 31日に副社長と面会し た際に電子機器製造業の分野で更なる投資を求めた。」と述べた。 さらに通信情報技術大臣は 7月 31日に日本の赤羽経済産業副大臣率いる訪問団と面会し、 インドの電子機器製造業への投資について議論し、携帯電話基地局向け太陽光発電の利用 について早期に覚書を締結する予定である。日本の訪問団からは、一部の電子機器に対す るインド標準局(BIS) による安全認証義務化に対し懸念が表明された。(TheEco nomicTi mes 2014/07/31 Vol.308 ) ◆[ITインフラ/IT政策/IT振興:政府、スマートシティへ誘致を計画] モディ新政権のスマートシティ構想を今年度に具体化するために、政府は、デリー・ム ンバイ間産業大動脈沿い(DMIC )に、3ヵ月以内にグジャラート州の Dhol era、2015年 3月ま でにグレートノイダ地区、マディヤ・プラデーシュ州の VikramUdyogp uri地区における産 業集積地域への誘致を計画している。DMIC開発公社 CEOの Tal leenKum ar氏は、 「この産業 集積地域に、ドイツ、英国、米国、韓国など多くの国が関心を示している。第 1フェーズ には、日本の(独)国際協力機構(JI CA)と(株)国際協力銀行(JBIC) が 45億米ドルの資 金を提供している。」と語った。更に、政府は、201 5年半ばまでにマハーラシュトラ州の ShendraBid kin産業集積地域に誘致を計画している。7月に実施された産業界向けのワー クショップに、Oracl e、Micro soft、TC S、Cisc o、A ccenture、L&Tなど多くの企業が参加 21 した。新政権は、スマートシティを 1 00ヵ所作ると約束し、独立記念日の首相挨拶でイン ドに製造業を誘致すると言っている。 VikramUd yogpuri地区には、自動車とその部品、ITと IT活用サービス、エンジニアリ ングサービス、教育機関を、グレートノイダ地区には、バイオテクノロジー、電子産業、 研究開発など新産業を誘致するが、その他に、通信、電子、自動車、食品、薬品、医療、 防衛なども支援する。 プロジェクト資金の 35-4 0%にあたる主要インフラは DMICトラストが提供し、残りの 60-65%は PP Pモデルで実施する。 現在、商工省産業政策促進局(D IPP)において、スマートシティの「スマート」の定義 に関するガイドラインが審議されている。Kuma r氏はスマートシティについて、「エネルギ ー、水、交通、セキュリティ、ごみ処理の 5つのインフラのうち 3つが必要である。同時 にアプリケーションとして、医療、教育、インクルージョン、全員参加型の行政、コミュ ニティーサービスのうち 3つが必要である。」と言う。 デリー・ムンバイ間産業大動脈構想において、JI CAは 8地区のうち 3地区(カルナタカ 州の Punder iと Tumk ur、アーンドラ・プラデーシュ州の Krishna patnam)のマスタープラ ンを策定した。「新産業集積地域の土地の確保は、州政府と協力して進んでいる。 」と D IPP は述べている。日本は、インドに産業パークを作ることにも関心を示している。(The EconomicTi mes 201 4/08/18 Vol.308 ) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ/IT政策:光通信網の整備状況] 通信政策で謳われている「201 4年までに 25万パンチャヤット(地方自治組織)に光通信 網を敷設し 2020年までに全 60万村でインターネット接続が可能になるプロジェクト」の 進捗が遅れており、現在 80 0ヵ所のパンチャヤットをカバーする 40地区に光通信網が敷設 されただけである。本政策の実施会社として 2012年 2月に設立された Bhara tBroadb and Network社の NRaviShanke r会長は遅れている事態の明言を避け、「総選挙後の 3ヵ月程度 で見通しが決まり 20 15年末には完成するだろう。」と述べた。 また、インドインターネット携帯電話協会(I AMAI )の SubhoRay会長は、「政府は 2020年 までにインターネット利用者数を 6億人にするという目標をたてており、その半数は農村 地域の利用者である。光通信網の整備に際し、土地の採掘認可など旧態依然の法の整備が 課題だ。」と述べた。IAMA Iによれば、2013年 12月のインターネット利用者数は 2億 1,30 0 万人で、その 7割は都市の利用者である。また、携帯電話からインターネットを利用して いる利用者数が半分を占める。第 3世代携帯電話やスマートフォンの利用者数は 2割であ る。(TheEc onomicT imes 20 14/03/20 Vol.3 04) 22 ◆[ITインフラ:ブロードバンドを 3年間で全土に普及へ] 新政権発足後に就任した P rasad通信情報技術大臣は、 「公共サービスを提供するために、 3年以内でインド全土の 25万ヵ所のパンチャヤット(数ヵ所の村をまとめた地方自治組織) を接続するブロードバンドハイウェイを構築する。1年目は 5万ヵ所、その後は毎年 10万 ヵ所に導入する。インドの I T産業はソフトウェアやサービスで有名だが、今後、教育、ヘ ルスケア、行政向けの IT製品が開発されるよう望む。一方、電子政府化推進に向けて、電 子申請の認可、ビジネス手続き簡素化について、関係政府機関等に要請している。 」とイン ド ソ フ ト ウ ェ ア サ ー ビ ス 産 業 協 会 (NASSCOM )幹 部 と の 交 流 会 で 述 べ た 。 NASSCO Mの Chandrashek har会長は、 「インド全土にブロードバンドを普及するために 2千億ルピーとい う大規模な予算が充当されているが、完了すれば、経済的な効果は倍増するだろう。」と述 べた。(TheEconomicTimes 2014/07/ 01 Vol .307 ) ◆[ITインフラ:国産携帯電話機メーカ Microm ax、4-6月期シェア 1位] 香港に拠点を置く調査会社 Counterp ointTechnol ogyMark etRe searchの発表によれば、 インドの携帯電話機メーカ Mic romaxの 4-6月期の携帯電話の市場シェアが 16.6 %になり、 2位の Samsu ngの 14. 4%を上回り初めて 1位となった。3位は Noki aの 10.9 %、4位は国産 メーカの Karbonnの 10 .9%だった。一方、スマートフォンの市場では、Samsungが引き続 き 1位で 25 .3%のシェアを占め、2位の Micro maxが 19.1%、3位の Ka rbonnが 5.9%とな っている。インド市場に再進出した Motor olaはインドのオンライン販売大手 Flipc artと 排他的なタイアップを組みシェアを 4. 3%と伸ばして 4位につけた。インド全体の携帯電話 市場は年率 2%の増加だが、スマートフォンは年率 68%で増加し、フィーチャーフォンは 年率 16%で減少している。スマートフォン市場は急成長しているが、X iaomi、Gionee 、Huawei や Asusなど低価格を武器とするアジア企業の進出で競争の激しさが増している。(Daily News&Anal ysis 20 14/08/05 Vol.30 8) ◆[ITインフラ: Wi -Fiを 3年以内に農村地域で普及へ] 25万ヵ所のパンチャヤット(数ヵ所の村をまとめた地方自治組織)に光ファイバ網を整備 する Nat ionalOp ticalFi breNetw ork(NOFN )に加えて、パンチャヤット内で W i-Fiサービ スを 3年以内に提供する Go vernmentUserNe twork (GUN)プロジェクトが提案されている。 GUNは、494億 2千万ルピーの開発予算と、別途、年間運営費として 24 7億 2千万ルピーが 必要である。地方開発省は、 「閣議決定がなされれば、GUNに 10年分の運営費用が必要であ る。」と述べた。(TheEconomi cTimes 2014/0 8/11 Vol.308) ◆[ITインフラ/IT政策/IT振興:政府、スマートシティへ誘致を計画] モディ新政権のスマートシティ構想を今年度に具体化するために、政府は、デリー・ム ンバイ間産業大動脈沿い(DMIC )に、3ヵ月以内にグジャラート州の Dhol era、2015年 3月ま 23 でにグレートノイダ地区、マディヤ・プラデーシュ州の VikramUdyogp uri地区における産 業集積地域への誘致を計画している。DMIC開発公社 CEOの Tal leenKum ar氏は、 「この産業 集積地域に、ドイツ、英国、米国、韓国など多くの国が関心を示している。第 1フェーズ には、日本の(独)国際協力機構(JI CA)と(株)国際協力銀行(JBIC) が 45億米ドルの資 金を提供している。」と語った。更に、政府は、201 5年半ばまでにマハーラシュトラ州の ShendraBid kin産業集積地域に誘致を計画している。7月に実施された産業界向けのワー クショップに、Oracl e、Micro soft、TC S、Cisc o、A ccenture、L&Tなど多くの企業が参加 した。新政権は、スマートシティを 1 00ヵ所作ると約束し、独立記念日の首相挨拶でイン ドに製造業を誘致すると言っている。 VikramUd yogpuri地区には、自動車とその部品、ITと IT活用サービス、エンジニアリ ングサービス、教育機関を、グレートノイダ地区には、バイオテクノロジー、電子産業、 研究開発など新産業を誘致するが、その他に、通信、電子、自動車、食品、薬品、医療、 防衛なども支援する。 プロジェクト資金の 35-4 0%にあたる主要インフラは DMICトラストが提供し、残りの 60-65%は PP Pモデルで実施する。 現在、商工省産業政策促進局(D IPP)において、スマートシティの「スマート」の定義 に関するガイドラインが審議されている。Kuma r氏はスマートシティについて、「エネルギ ー、水、交通、セキュリティ、ごみ処理の 5つのインフラのうち 3つが必要である。同時 にアプリケーションとして、医療、教育、インクルージョン、全員参加型の行政、コミュ ニティーサービスのうち 3つが必要である。」と言う。 デリー・ムンバイ間産業大動脈構想において、JI CAは 8地区のうち 3地区(カルナタカ 州の Punder iと Tumk ur、アーンドラ・プラデーシュ州の Krishna patnam)のマスタープラ ンを策定した。「新産業集積地域の土地の確保は、州政府と協力して進んでいる。 」と D IPP は述べている。日本は、インドに産業パークを作ることにも関心を示している。(The EconomicTi mes 201 4/08/18 Vol.308 ) ◆[ITインフラ:インターネット利用者数、ムンバイが 1位] インドの都市において、インターネット利用者数が最も多いのはムンバイで 1 ,640万人 であり、2位はデリーの 1, 215万人、3位はコルカタの 627万人、4位はバンガロールで 599 万人、5位はチェンナイで 5 58万人であった。前年度比 50%の増加でデリーが最も高い伸 び率を示し、続いてムンバイが 37%、バンガロールが 36%、ハイデラバードとプネが 3 4%、 コルカタとアフメダバードが 33%の増加率であった。利用者数上位 4位までの都市がイン ド全体のインターネット利用の 23%を占めた。 (IAM AI 2014/11 /04 Vol .311) ◆[ITインフラ:基礎コンピュータ教育 Dishaプログラムの開始] インターネット携帯電話協会(IAMA I)によれば、インターネットへのアクセスは政府が 24 主導するデジタルインドにとって鍵であるが、課題はローカルコンテンツの開発である。 ローカルコンテンツ、安価な機器、大規模な IT研修プログラムの不足がボトルネックとな っている。政府は、9. 5億ルピーを充当して 100万人に基礎のコンピュータ教育を行う Dish a と呼ばれるプログラムを開始した。(Th eEcono micTimes 2014 /11/25 Vol.312) (1ルピ ー=1.91円 2014/11 /25現在) ◆[ITインフラ:インドはアジア大洋州で最速成長のスマホ市場] IDCによれば、インドはアジア大洋州で最も成長率の高いスマホ市場となっており、2014 年 7月から 9月期は、前年同期比 82%の伸びで出荷台数は 2,330万台であった。四半期 2 期続けて前年同期比 80%以上の伸び率である。スマホが携帯電話機全体に占める割合は 32%であり、ブランド別内訳は S umsungが 24%で首位、次いで、20%の Mi cromax 、8%の Lavaと Karb onn、5%の M otorolaとなっている。(TheEconomicTi mes2014 /11/26 Vol.312) ◆[ITインフラ:政府、Wi-Fiの普及計画を早める] 年間売上が 10億ルピー以上ある ISP事業者は、全国に Wi-F iホットスポットを展開する 連邦政府のプロジェクトに申請することができるようになった。12月初旬に政府は本プロ ジェクトの実施時期を早めることとし、まず 201 5年 6月までに主要 2 5都市で、通信速度 が少なくとも 2Mb psの Wi-F iホットスポットを設置する。現在インドには民営の Wi-F iホ ットスポットが 3万ヵ所以上あるが、公共のホットスポットはほとんどない。Ma ravedis社 と iPass社の調査では、2018年までに Wi-Fiホットスポットが 200万ヵ所以上になり、Wi -Fi が利用できる地方自治体は現在の 30ヵ所から 400ヵ所に増加すると予想している。 (BusinessS tandard 2014/12 /23 Vol .313) ◆[ITインフラ:3月末までに 2万ヵ村に光ファイバ網を導入] 通信情報技術省通信局は、国家ブロードバンドネットワーク計画のもと、3月末までに全 国 20,000ヵ村で光ファイバ網を敷設しインターネットへのアクセスを可能とする予定であ る。ケララ州は 3月末までにデジタル通信が整備される最初の州となり、次にカルナタカ 州など南部の州が続く。政府は、全国に国家光ファイバ網プロジェクトのもとでデジタル 通信を導入する期限を 201 6年 12月へ前倒しした。本プロジェクトでは各村に 100mbp sで ブ ロ ー ド バ ンド サ ー ビ スを 提 供 す る予 定 で ある 。 (The Eco nomic Ti mes 2015 /01/10 Vol.314) 【電子政府】 ◆[電子政府:所得税申告に電子署名導入へ] 納税者が所得税申告書を郵送する手間を省き電子申請を使いやすくするため、所得税局 25 (IncomeTa xDepar tment)は、納税者の真正性を確保する電子署名の導入を決定した。政策 決定機関の直接税中央委員会( CBDT)は、法務省と通信情報省と連携し 20 15年 3月末までに 新機能を導入すると決めた。( TheEcon omicTi mes 2014/03/23 Vol.30 4) ◆[電子政府:州政府、投票者のデータ管理に顔認証と GISを活用] 1億 1,200万人の人口で 2番目に大きな州のマハラシュトラ州政府は、2014年 12月に実 施される州議会選挙の前に、投票者の重複や氏名、住所の誤りをなくすため、顔認証と GIS 技術を利用した投票者の電子データ登録を実施する。同州 IT局によれば、本プロジェクト は今月から開始し 5ヵ月以内に終了する。 州政府がこのような最新技術を使って投票者の電子データ運用管理をするのは初めてのこ とである。同州では、8千万人の投票者が 5年間の任期の州議会議員 288人を選出する。 (FutureGov 2014/05 /26 Vol .306) ◆[電子政府:ムンバイ市、モバイルガバメント始動] ムンバイ市政府(MC GM)は、30 0万人の市民向けに、水道や税金の支払い、免許の申請を携 帯電話で行える行政サービスを開始した。ムンバイ市役所のモバイルアプリ「MCG M24x7 」 は、先進コンピューティング開発センタ(C-DAC )のモバイルアプリ Mobi leSev aプロジェク トの一環として開発され、5月に国連 Public Se rvice A wardを受賞した。(fut uregov 2014/08/07 Vol.308 ) ◆[電子政府:ウッタール・プラデーシュ州の D igit alVillageプロジェクト] モディ首相が「Sma rtCity 」構想を語る一方、ウッタール・プラデーシュ州の A.Yad av 州首相は、大規模な「Dig italVill age」プロジェクトのフレーム作りを静かに進めている。 「DigitalVillage 」は、州全土の村にある 1万 6,0 00ヵ所の生活支援センタにコンピュー タを設置して、州政府の行政記録を保持する中央データセンタとネットワークで結び、必 要な時に遅滞なく村民が土地登記、カースト証明書、納税、所得証明書、死亡・誕生証明 書など 53種類の文書や証明書を取得できるようにするプロジェクトである。(T heEcono mic Times 2014 /09/10 Vol.309) ◆[電子政府:政府、国民 IDプロジェクトに予算 12 0億を承認] 全国民に ID番号を付与する A hdaarプロジェクトを推進するために、政府は固有識別番 号庁(UIDAI )に対し 120億ルピーの予算を承認した。人口の多いウッタール・プラデーシ ュ州、ビハール州、チャッティースガル州、ウッタラーカンド州で進め、2015年末までに 10億人に ID番号を発行することを目標とする。本プロジェクトでは、全国民にオンライン でデジタルな身分証明の取得を可能とすることで、社会全体に経済成長が行き渡ることを 26 目指す。(Th eEconom icTime s 2014/ 09/10、T heT imesofInd ia 201 4/09/11 Vol.309 ) ◆[電子政府:ケララ州政府、配水ソリューションで IBMを採択] IBMは、ケララ州における配水監視や漏損防止に同社のビッグデータソリューションを提 供する。ケララ州水道局(KWA) は、IB Mのアナリティクスやモバイルソリューションを活用 して、州都ティルヴァナンタプラム市の配水監視、分析、管理を行う。予算は公表されて いないが、KWAは、センサやインテリジェントメータを使って監視し不具合を発見できる配 水システムを整備するとともに、使用料に応じた正確で公正な水道料金徴収システムを導 入するとしている。( TheEcon omicTim es 201 4/09 /23 Vol.31 0) ◆[電子政府:政府、公務員の勤怠管理システムを導入] 政府は、固有識別番号庁(UIDAI)による公務員用の生体認証を使った勤怠管理システム である「Attendance.gov.in」を導入した。登録はインターネット上のウェブページから UIDAIの識別番号と指紋認証で行う。( TheEcon omicTimes 201 4/10/07 Vol.310 ) ◆[電子政府:労働雇用省、社会保障受給をスマートカードに集約へ] 労働雇用省では、フォーマルセクタの従業員【注】が、年金、従業員積立基金、健康保 険などの異なる制度の社会保障を受給しやすくするために、スマートカード 1枚に情報を 集約しようという計画がある。スマートカードには、従業員の従業員積立基金番号(UAN)、 従業員国家保険(ESI )、国民 ID番号(Aadhaar )、納税者番号(PAN)、銀行口座番号、金融 システムコード(IFS C)の情報を含める。従業員積立基金機構( EPFO)により UA Nが対象者 全てに発行されて、UANのデータベースが安定した後に本格的にスマートカードが展開され る予定で、少なくとも 1年後の発行となる。(D ecca nHerald 2 015/01/2 3 Vol.3 14) 【注】フォーマルセクタの従業員とは、組織に属し納税している者。 ◆[電子政府:政府、デジタル・ロッカー試作版を始動] 自分の国民 ID番号からオンラインでアクセスして、ウェブ上にログイン・アカウントを 作り、出生証明書や大学の学位証明書を入手できるデジタル・ロッカーについて、通信情 報技術省 電子情報技術局(DEITY )は、マハーラシュトラ州政府、Tat aConsult ancySer vices (TCS)と協力して試作版の運用を開始した。このロッカーを利用して、教育、医療、パス ポート、納税などの日常的な手続きをデジタルで行えると期待されている。(TheEconom ic Times 2015 /02/12 Vol.315) 【電子商取引】 27 ◆[電子商取引:オンライン支払、201 4年 12月までに 1兆 2,01 2億ルピーに] インドインターネット携帯電話協会(IAMAI )によれば、201 3年 1 2月におけるインドの インターネット利用者数は 2億 1,30 0万人を超えた。また eコマース利用者数は 2 ,500万 人を超え、eコマース市場は 6,2 97億ルピーと急増し、オンライン支払は 201 3年 12月の 8,580億ルピーから 2014年 12月までに 40%の増加率で 1兆 2,012億ルピーになると推定 されている。2013年のオンライン取引 8億件の支払方法は、デビットカードが 32 %、クレ ジットカードが 21%であった。オンライン支払の内容は、オンライントラベルが 59%、金 融サービスが 23 %、電子商取引が 12%、その他 6 %となっている。地域別では、デリー、 ムンバイ、コルカタ、チェンナイの 4大都市で 60 %を占め、バンガロール、ハイデラバー ド、アフメダバード、プネの 4都市で全体の 25%を占めている。 (IAMAI 2 014/05/2 1、05/28 Vol.306)(1ルピー= 1.73円 2014/05/ 28現在) ◆[電子政府:バンガロール市、GISベース地方政府向けソリューション導入] 8千万人の人口を持つバンガロール市では、バンガロール都市圏当局( BBMP)が行政サービ ス改善のために電子政府プロジェクトを導入している。その一つとして道路網の管理に G IS を活用することを決定した。米国 GIS大手企業 Esr iのパートナである C yberTech社の GIS ベースの地方政府向けソリューション GeoCivi cを採用し、BB MPは全長約 7,50 0キロに及ぶ 道路網の効率的な管理と 20 %のコストダウンを目指す。GISの導入により、道路情報シス テム、路面切断認可システム、光ファイバーケーブル管理について、自動化を進め、飛躍 的に効率を上げることができるという。(CiOL 201 4/05/30 Vo l.306) ◆[IT政策/ 電子商取引:インドポスト、eコマースのインフラ整備拡充へ] eコマースの 90億米ドルの市場を見据えて、ラストワンマイルのネットワークを有する インドポストは、衛星を利用した配送荷物のリアルタイムトラッキングシステムのインフ ラ整備を進める。郵便事業担当の通信情報技術省 RaviShankarPras ad大臣は、郵便局 (DepartmentofPost )幹部に対し、投資を引出し雇用を増やす可能性のある eコマースと そのインフラ整備に注力するよう指示を出した。(S iliconIndia 2014/1 1/20 Vo l.312) ◆[企業動向/電子商取引:インドのスタートアップ企業 4社、躍進] TheWallStreetJou rnalandDowJone sVentur eの調査によると、世界で操業間もない スタートアップ企業のうち株式評価額が 10億米ドルを超えた上位 73社のリストに、イン ドから eコマースに関わる Fl ipkart、Snapdeal 、Ol aCabs、In Mobiの 4社がランクインし た。Flipkar t(ネット通販)の株式評価額は 110億米ドル、Sna pdeal(ネット通販)2 0億 米ドル、InM obi(モバイル広告)は 25億米ドル、O laCabs(専用車予約サイト)は 10億 米ドルとなっている。特に I nMobiのモバイル広告プラットフォームは急成長して世界で採 用されている。(Sili conIndia 2015/0 3/02 V ol.3 15) 28 【セキュリティ】 ◆[セキュリティ:フィッシング被害額、世界で 4番目] 2013年度のインドにおけるフィッシング詐欺被害額は 2億 2,50 0万米ドルにと推定され、 世界で 4番目に大きな被害額となっている。( HinduBusinessLin e 2014 /04/23 Vol.305) ◆[セキュリティ:急増するサイバー犯罪] インド商工会議所( ASSOCHAM )と Mahi ndraSpecialService sGro upの共同調査によると、 インドのサイバー犯罪は急増しており、2015年には倍増して 30万件になると警告を発して いる。スマートフォンやタブレットによるオンラインバンキングや電子決済が増えたこと で、リスクも拡大している。サイバー犯罪数は、201 1年は 13,30 1件、201 2年は 2 2,060件、 2013年は 71,7 80件、201 4年は 149,25 4件であった。なりすまし、スパム、フィッシング 詐欺などが主な犯罪である。 (TheEco nomicT imes 2015/01/0 5 Vol.3 13) 【IT人材】 ◆[人材育成:NASSCO M、起業家を 1年間で 1万人支援] インドソフトウェアサービス産業協会(NASS COM)は、起業家のインキュベータである「ス タートアップ ウェアハウス」のチェンナイとムンバイでの開設について、それぞれタミ ル・ナードゥ州、マハラシュトラ州の州政府と検討を進めている。NASSC OMは、 「スタート アップ ウェアハウス」をカルナータカ州政府とバンガロールで 20 13年 8月に始めた。カ ルナータカ州政府は起業家のためにウェアハウスと呼ばれる事業所を建設する土地を提供 し、NASSCOMは起業家を支援するプログラム、優秀なチームやアドバイザを用意した。起業 家は 6ヵ月間までウェアハウスを事業所として利用できる。NAS SCOMは、201 3年度で 1万 人に対し、本プログラムを Google、Mi crosoft、Ko ta k、Verisignの支援を受けて実施した。 (SiliconIn dia 201 4/04/30 Vol.305 ) ◆[IT人材:インド I T人材の給与調査報告] インド IT産業の給与調査報告書「Mo nsterSalar yIndexI ndiaI TSecto rRepor t2014 」 によれば、IT人材の 1時間当たりの給与平均は 34 6.42ルピーであった。年齢別では、30 歳未満は全体の 45.5%で 1時間当たりの給与は 233 .51ルピー、3 0-40歳は 4 9.6%で 1時 間当たりの給与は 461.8 9ルピー、41歳以上は 4.9 %で 1時間当たりの給与は 635 .10ルピ ーである。経験年数でみると、3年以下の 1時間当たり給与は 1 42.97ルピーで、10年以上 の場合は 625 .55ルピーであった。 29 性別では、1時間当たりの男性の給与は 359.26ルピーであり、女性の給与は 254.0 4ルピ ーであった。この差は、管理職に昇進するのは男性が多いことによると推定される。男性 は 52%が昇進するが、女性の場合は昇進するのが 3 6 %である。IT産業界で女性の占める割 合は 30%で、同じ職位の男性に比べると給与に 29%のギャップがあることもわかった。(The Times of India 2014/07/ 23、 Monster Salary I ndex Vol.308)( 1 ル ピ ー =1.69 円 2014/07/23現在) ◆[IT人材:バンガロールは H adoopエンジニアのグローバルハブ] ビッグデータを分散処理するためのオープンソースソフトウェアである Hadoopは、大手 eコマースサイト Fli pkartなどビックデータを活用する企業から需要が増えている。 「バン ガロールは、Hadoopのエンジニアがシリコンバレーに次いで多い。」と A pacheHa doopのデ ィストリビュータである米国 Hor tonworks社の Ar u nMurthy氏は述べている。共通の目的 や趣味を持つグループの活動を促す SN Sである Meet upのデータによれば、Hadoo pグループ の登録者数は、シリコンバレーで 2,552人、 バンガロールで 2,339人であった。 (TheEco nomic Times 2015 /02/26 Vol.315 ) インドネシア 【IT政策】 ◆[IT政策:新ブロードバンド 5ヵ年計画を発表] 国家開発企画庁(BA PPENAS) は、インドネシア国家 ICT委員会(DeT IKNas)、インドネシア 情報通信協会(MASTEL)とともに、新たな 5ヵ年計画「インドネシアブロードバンド計画 2014-2019」を発表した。同計画は、2015年までのブロードバンド計画完了を各国に要請す る ITU勧告に従い、従来の計画を見直しまとめたもので、必要な予算は約 278兆ルピアと 見積もられている。 同計画は、P alapaRi ngI Iなどネットワークインフラに関する 6つのフラッグシッププロ ジェクトで構成され、また電子政府や教育、調達、医療・ヘルスケア、物流の 5つをブロ ードバンド化で優先すべきセクターとしている。Pa lapaRingI Iは、スマトラ島、ジャワ 島などの主要諸島を光ケーブルで結ぶ PalapaRin gの後継プロジェクトで、ブロードバン ド化が遅れている東部地域を対象に計画されていて、2014年 7月から 9月頃に入札予定と なっている。(BAPPENASプレスリリース 2014/0 6 /19、Bisnis Indon esia 2014/ 06/19、 IndoTelko2 014/06/2 2 Vol.3 07)(1ルピア= 約 0.0 1円 2014/06 /19 時点) ◆[IT政策:次期大統領、電子政府推進に言及] ジョコ・ウィドド次期大統領は、e-b udgetin g(電子予算管理),e -catalog ues(電子調 達),e-au ditin g(会計監査の電子化)が汚職撲滅の最強の武器になる旨、言及した。ジ 30 ャカルタ州知事として導入した電子政府の成果にも触れながら、 「現システムは改善が必要 だが、我々はこの 3システムに従わなければならない。逸脱は許されない」と述べた。ジ ョコ・ウィドド氏は選挙期間中も国民に対するサービス改善と汚職問題への対応として電 子政府システムを大いに活用すべきだと力説していた。(Future Gov20 14/09/05 Vol.30 9) ◆[IT政策:新ブロードバンド 5ヵ年計画、正式発効] 新たな 5ヵ年計画「インドネシアブロードバンド計画 201 4-2019」 【注】に関する大統領 令が 1 0月 15日に出され、同計画が正式に発効となった。必要な予算総額は約 278兆ルピ アと見積もられているが、そのうち国家予算からの支出は 10%のみで、残りは民間部門から の資金が充てられることとなっている。同日、インドネシアテレコム社は、同プロジェク トを支援するため、デジタルネットワーク構築のために 45兆ルピアを 2015年までに拠出 することを約束した。 同計画により、都市部では 70%の世帯と全事業所に、また地方では 49 %の世帯と全事業所 に対して有線ブロードバンドアクセスを可能とする環境整備を行い、またモバイルブロー ドバンドアクセスについては都市部の全住民と 52 %の地方住民が利用できる環境整備を 2019 年 ま で に 行 う 。( Jakarta Post 2014/10/16、 KOMINFO Press Releas e 2014/10/2 0 Vol.311)(1ルピア= 約 0.01円 2014/1 0/16時点) 【注】同計画は、ネットワークインフラに関する 6つのフラグシッププロジェ クトで構成され、また電子政府や教育、調達、医療・ヘルスケア、物流 の 5つをブロードバンド化で優先すべきセクターとしている。 ◆[IT政策:スマートシティの成功モデルを選定予定] ルディアンタラ通信情報大臣は、「地方自治体も技術を活用して市民へのサービス改善に 努め、街の魅力を高めるべきである。そのためにもスマートシティの成功モデルを 2015年 末までに選定する」と述べた。 ジョグジャカルタ、バンドン、東ジャワ州のバニュアンギが既にスマートシティのプロ ジェクトを実行している。ジャカルタは今年スマートシティプロジェクトで 25 0万米ドル を支出する計画である。西ヌサ・トゥンガラ州のロンボク島は納税のオンラインシステム や通信ネットワーク構築のために通信情報省と検討を進めている。また、東カリマンタン 州のクタイ・カルタヌガラのスマートシティプロジェクトは、パナソニックをはじめとす るコンソーシアムが神奈川県藤沢市で進めている二酸化炭素排出量と水の消費量削減を目 指すスマートタウンプロジェクトを参考にしている。(FutureGo v2015/0 3/03 Vo l.315) 【法制度】 ◆[法制度:インドネシア中央銀行が電子マネーの規制を緩和] 31 インドネシア中央銀行は、電子マネーに関する規制緩和を実施し、電子マネー事業への 新規参入とサービスの充実化を促す道筋をつけた。中央銀行の R onaldWaas副総裁は、「こ のたびの規制緩和により、携帯端末を使った送金の簡略化や顧客の保護が図られ、さらに 電子マネーでの換金方法も増えるだろう」と述べた。現在、9つの銀行と 8つのノンバンク が電子マネーの事業ライセンスを保有している。しかし今後はその他のノンバンクや個人 でもライセンス申請が可能になるため、多くの新規参入が期待されることに加えて、店舗 を必要としない金融サービスであるブランチレスバンキングなどでの新たなビジネスモデ ルも創出されるだろう。2013年の電子マネーによる商取引は 80億ルピア(7百万ドル)強 であり、前年比 60%増加したものの、まだ少額に留まっていて、今後拡大の余地があるもの と想定されている。( JakartaPost201 4/04/17 Vo l.305) ◆[法制度/I T人材:ITに関する資格制度の導入を検討] ルディアンタラ通信情報大臣は、認定資格を持つ IT専門家の必要性を検討するため、通 信情報省、労働力・移住省、及び複数の IT業界団体による会合を 1月に開催し、3月には 資格制度導入の時期や資格認定機関の設立時期などの取決めを行うと述べた。また、同認 定制度の相互認定協定の締結についても他の A SEAN諸国と議論していることにも言及した。 インドネシアコンピュータソフトウェア協会(ASPI L UKI)は、マレーシアやシンガポールと 比較して、同国の大学で ITを学ぶ学生は 10倍以上いるものの、認定資格を持つ IT専門家 は半分に留まっていると指摘する。また、2015年末予定の ASEA N経済共同体の発足により、 他の ASEA N諸国からの I T専門家の流入が始まることが予想される中で、同国の I T専門家 が認定資格を取得することが就業機会を広げる手段となること、さらには国のブロードバ ンドネットワークインフラ構築の取り組みを強化することにも貢献できると述べた。 (JakartaP ost2014 /02/04 Vol.314 ) ◆[法制度/ 電子商取引:電子商取引の新たな規則発令を検討] 政府は、電子商取引の事業環境整備のために、物流サービス、決済方法、税などの新た な規則を 3~6ヵ月後を目処に発令する計画である。また政府では、電子商取引市場におけ る新興企業の資金調達を支援するため、海外からの直接投資を禁止する規制の緩和につい ても議論されている。 同国の電子商取引市場はまだ黎明期にあるが、今後、急拡大が期待されている。電子商取 引協会(idE A)によると、201 6年の市場規模予想は 29 5兆ルピアで、201 3年の 94. 5兆ル ピアから 3倍近くの伸びとなる見込みである。電子商取引市場の急成長はスマートフォン ユーザの急拡大によるもので、米国の調査会社 eMa rketer社によると、スマートフォンユ ーザ数は 201 4年の 6 ,120万人から 20 17年には 1億 360万人となる見込みである。 (Jakarta Post2015/0 3/03、20 15/03/07 Vol.31 5)(1ルピア=約 0.01円 2015/03/ 06時点) 32 ◆[法制度/ セキュリティ:個人情報保護法案の審議は 2016年以降に持ち越し] 個人情報保護法案は、2015年の立法計画に入らず、国会での審議は 2016年以降に持ち越 しとなった。ルディアンタラ通信情報大臣は、通信サービスのユーザ情報を保護する必要 性から、個人情報保護法を制定する旨、言及していた。通信情報省は、来年の制定を目指 す意向である。(Indo Telko20 15/02/20 Vol.3 15) ◆[法制度:4G対応スマートフォン、タブレットの国産部品調達率の省令を検討] 政府は、国内で販売される 4G対応スマートフォン、タブレットの国産部品調達率を 2017 年までに 40% 以上とする省令を 2015年中頃に発令する見込みである。 この問題に関して、ルディアンタラ通信情報大臣は、まずこの省令に関係する全ての団体 との協議会を開催する予定であり、国際部品調達率はまだ決めていないと述べた。 この問題について、インドネシア国内に製造拠点を持たないアップルなどが不利益を被 るため、米国通商代表部は既にインドネシア政府との二国間協議の場や多国間フォーラム において問題提起をしている旨、コメントした。なお、サムスン電子は昨年、インドネシ アに携帯電話工場を設立し稼働を開始している。(Jakarta Post 2015/02 /28, Reuter s 2015/02/24 Vol.315 ) 【市場動向】 ◆[市場動向:2015年情報通信ネットワーク投資額は 40億米ドルとなる見込み] ルディアンタラ通信情報大臣は、国内通信事業者による 2015年の情報通信ネットワーク の投資額が 40億米ドルとなり、この投資により 20 1 5年の情報通信産業の成長が 7~10%押 し上げられるだろうと述べた。国内通信事業者のうち、Telkomが 18億米ドルと 2015年国 内投資予想額全体の 45%を占めている。(TheJa kart aGlobe201 5/01/08 Vol.313 ) ◆[市場動向:2015年の電子マネー取引額は増加見込み] インドネシア中央銀行(BI) は、201 5年の電子マネー取引額の目標を、2014年の実績値で ある GDP比 1.6%から G DP比 2%に引き上げた。 インドネシアでは、政府による低所得者層 1,550 万世帯に対する医療保険や奨学金の財政支援に際し、電子マネーが利用されていることも あり、電子マネーの利用が広がってきている。BIによると、201 4年の電子マネー取引額は 前年比 3 0%増加となり、またデビットカード取引額は 15%の増加となっている。1回の取引 での電子マネー取引額は 20 13年の平均 2万ルピアから 201 4年には平均 1万ルピアに半減 しており、このことから電子マネーの利用が低所得者層にも広がってきていると考えられ る。(Jakart aGlobe2014/01/ 29 Vol. 314)(1ルピア=約 0.01円) 33 【企業動向】 ◆[企業動向:XLAxi ata社のデジタルサービスが急成長] 通信サービス事業者である XLAxi ata社のデジタルサービス事業が 20 14年第一四半期に おいて急成長している。同社では、デジタル・エンターテーメント、 モバイル・ファイナンス、モバイル広告、M2M 、クラウドコンピューティング、eコマース の 5分野に力を入れているが、その中では M2Mが前年比 20%増加し、またデジタル・エンタ ーテーメントは前年比 25%増加となっている。 (Busin essIndonesi a 2014 /04/23 Vol.305) ◆[企業動向:インドサット、ソフトバンクと I Tベンチャーファンド設立] インドネシアの通信事業者であるインドサットは、ソフトバンクと共同で、 Eコマース、デジタル・ソーシャルメディア、モバイルファイナンスサービスを手掛ける ベンチャーを対象としたファンドを設立したことを発表した。 インドサットはこのファンドによるベンチャー支援を通じて、情報通信業界での事業拡大 に役立てていく予定である。ファンドの総額は 5千万米ドル。今回の発表とは別に、イン ドサットでは、モバイルアプリのベンチャー企業を対象とした財政支援制度も開始してい る。(TECHIN ASIA 20 14/05/23 ,BisnisIndone sia 2014/05/2 6 Vol.3 06) ◆[企業動向:Telkom sel、4Gサービス年内開始予定] 1億 2,20 0万人の加入者を持つインドネシア最大の携帯電話事業者 Telkoms elは、4Gサ ービスに関するライセンスを受けており、年内にサービス提供を開始する計画であること を公表した。サービス開始に向けてインフラを整備した後、年末までにまずバリ島でのサ ービス提供が計画されている。2015年の第一四半期(1~3月)には、ジャカルタ、バンド ン、スラバヤ、マカッサル、ジョグジャカルタ、マナドの 6大都市に拡大する予定である。 (ANTARANEWS .COM 20 14/07/20 Vol.30 8) ◆[企業動向:ディメンションデータ、データセンター事業会社と提携] NTTグループ会社として ITサービスや ITソリューションを提供するディメンションデー タは、インドネシア Telkomの子会社でデータセンター事業を行う Telk omsigma社とデータ センターサービスの開発、提供に関わる戦略的パートナーシップを構築したと発表した。 この提携では、同国に拠点を置くグローバル企業や地場企業を対象とするが、Te lkomsigm a 社としては特に日系企業でのシェア拡大を期待している。(Netwo rks Asia 2014/07/ 11 Vol.308) ◆[企業動向:ブラックベリー社、モバイル電子決済サービスの対象をアンドロイド、iO S ユーザにも拡大] カナダのブラックベリー社は、同社端末で提供するモバイル電子決済サービス BBMマネ ーの対象を 2 015年から他社製端末ユーザにも拡大する。 34 かつてはブラックベリー国家とも呼ばれたインドネシアだが、IDCによると端末シェアは 2011年の 43 %から 20 13年には 13.54% まで減少している。しかし、同社のメッセージ交換ア プリ BB Mの人気は依然高い。そこで、アンドロイドや iOS端末上での BB Mユーザにも BBM マネーのサービスを提供し、収入拡大を図る。さらに BBMマネーが急成長している同国の 電子商取引市場での新たな決済手段になれば、ポテンシャルはさらに広がるものと期待し ている。 インドネシアの電子商取引市場は、世界の中で中国に次ぐ2番めの速さで急成長している。 idEA(インドネシア電子商取引協会)によると、同市場は 2013年の 9 4.5兆ルピアから 20 16 年には 3倍以上の 295兆ルピアになると予想されている。一方で、クレジットカード、デ ビットカードの所有者は人口比 3%程度に留まっている。(Jak arta Po st 2014/ 09/20、 THE/PAYPERS2014/09 /19 Vol .310)( 1ルピア= 約0 .01円 2014/ 09/20時点) ◆[企業動向:インドネシア赤十字社、自然災害に備えたアプリを提供開始] インドネシア赤十字社は、差し迫る自然災害の警告や、災害関連情報を共有できるアン ドロイド携帯端末用アプリの提供を開始した。このアプリを利用することで、災害への備 えの強化と被災後の救済活動に役立ててもらうことを狙いとしている。環太平洋火山帯に 位置するインドネシアは自然災害が多いため、災害に関する情報共有することで防災意識 を高めることが極めて重要になる。(Ja kartaP ost2014/10/31 Vol.311 ) ◆[企業動向:Telkom sel,インドネシア初となる 4 G商用サービスを開始] 携帯電話事業者 Te lkomselが 4Gの商用サービスをバリ島とジャカルタで開始した。同社 の AlexJ.Sinaga社長は、 「2010年以降、4Gのトライアルに成功してきたが、遂にインド ネシアで最初に 4Gコマーシャルサービスを提供する事業者となった。今後はサービス提供 エリアを拡大していき、2019年には国内 22州にまで広げる計画である」と述べた。4Gサ ービスにより、ユーザは高品質のストリーミングビデオや音楽をスムーズにダウンロード できたり、高解像度のオンラインゲームを遅延なく楽しめるようになる。(T elkomselPress Release201 4/12/08,IndoTel ko2014/ 12/08 Vol. 312) ◆[企業動向:XLAxi ata、IND OSAT、4 G商用サービス開始] 通信事業者 XLAxia taは、1 2月 19日、メダン、ジョグジャカルタ、ボゴールの3都市で の 4G商用サービス開始を発表した。また、INDO SATも 12月 22日、ジャカルタでの商用サ ービス開始と、201 5年 1月末にジョグジャカルタとバリでの商用サービス開始計画を発表 した。インドネシアでは、この 2社による商用サービスの開始前に、Te lkomselと BOLT(P T Internux社の 4Gサービスのブランド名)が 4Gサービスを提供している。(XLAxiataPr ess Release201 4/12/19,TechinAsia20 14/12/1 9,J akartaPost2014/12 /24 Vol .313) 35 【IT振興】 ◆[IT振興:ジャカルタ防災局、ツィッター社と業務提携] ジャカルタ防災局は、洪水発生時の迅速な職員派遣を実現するため、ツィッター社と業 務提携した。ジャカルタには 13の河川が流れ込んでおり、2013年の洪水による損害は 7億 米ドルにも上っている。そこで、同局が持つビッグデータのクローラー【注】を使って、 ツィッター上に掲載された洪水に関する市民の苦情をピックアップし、その位置情報を地 図上にプロットするシステムを構築することで速やかな職員派遣の実現を目指す計画であ る。また同局は、市長の承認後、ツィッター利用者に対する洪水警報システムについても 検討を進めていく予定である。2012年に出された調査レポートでは、ジャカルタはツィッ ターのアクティブユーザが多い都市と紹介している。(FutureGo v2014/1 1/26 Vo l.312) 【注】ウェブサイトの情報を網羅的に収集し、検索用データベースに反映する 自動巡回プログラムのこと 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:データセンター市場、インフラ整備が課題] IDCによるアジア大洋州地域 13ヵ国(日本を除く)におけるデータセンター立地に関す る国別ランキング【注】において、インドネシアはインフラの未整備と不安定な電力供給 を理由に、フィリピン、中国に続くワースト 3に入っている。「政府が通信ネットワークや その他の関連インフラの改善を図らない限り、同国のデータセンター市場の評価は上がら ないだろう」と IDCは述べている。 インフラ整備については、アジア大洋州の多くの国では、GDPに占めるインフラ投資の割合 が 3%から 4% となっているのに対して、インドネシアは 2%未満と非常に少ないのが現状であ る。(Jakart aPost2 014/06/1 8 Vol.3 07) 【注】2014年 3月に IDC発表。 ◆[ITインフラ:Tel kom、東南アジア・米国間海底ケーブルの共同事業に参加] インドネシア Telk omは、東南アジアと米国間を結ぶ海底ケーブル敷設に関する共同事業 SEA-USに参加することを発表した。アジア地域におけるインターネットデータ通信のハブ は現在、シンガポール、香港、日本となっているが、この事業を通じてインドネシアと米 国とを直接つなぐ海底ケーブルを実現させ、近い将来、インドネシアがネットワークハブ となることを目指している。この共同事業には Telk omの子会社 PTTelekomInte rnation al (Telin)の他、フィリピンの G lobeT elecomなど 7通信事業者が参加している。プロジェク 36 ト総額は 250億米ドルで、Tele komが最大株主(28. 5%)となる予定。この海底ケーブルシス テムの構築業者は N ECが選定されており、20 16年完成予定となっている。(Jaka rtaPost 2014/08/29 Vol.309 ) ◆[ITインフラ:通信情報大臣退任、次期パラパリング計画延期] 通信情報省は 9月 22日、通信情報大臣の退任予定の話と合わせ、インドネシアの主要諸 島を光ケーブルで結ぶ Palap aRingの後継プロジェクトである「Palap aRingI I」の計画 延期を公表した。当初、同プロジェクトの入札は 7月から 9月を予定していたが、大臣退 任の影響を受けて来年に持ち越しとなった。現在、入札の技術仕様の準備が継続されてい るが、その一方で政府は「Pal apaRingII」を含む情報格差解消プログラム US O全体計画 の見直しも行っており、通信事業者や地方政府などの関係者からの情報収集も行っている。 なお、通信情報省は 9月 30日、Ti fatulSe mbirin g通信情報大臣が同日付で退任したこと を 発 表 し た 。( ditkcom 2014/09 /22、 IndoTelk o 2014/09/23、 KOM INFO Press Re lease 2014/09/30 Vol.310 ) 【電子政府】 ◆[電子政府:インドネシアの市長、スマートシティ計画を説明] 150万人(インドネシア第 6位)の人口を抱える Makassar市の DannyPomanto市長が、 モバイルとオープンデータを活用したスマートシティ計画について説明した。現在、モバ イル端末を使ったオンラインサービスを住民に提供するため、無料の公衆無線 L ANホット スポットの設置に取り組んでいる。将来は、リアルタイムな交通状況の情報から目的地へ の最適ルートをチェックしたり、近くの駐車場の空き状況の確認やモバイルバンキングに よる納税も提供する考えである。インドネシアの経済成長が 6.1%であるのに対して、 Makassar市の経済成長は 9 .88%と高く、また、インターネット普及率もジャカルタ市を抜 いてインドネシア第 2位にある。(Futu reGov 2014 /04/03 Vol .304) ◆[電子政府:2019年の総選挙に向けて電子投票システム開発中] インドネシア技術応用評価庁(BPPT) では、2 019年の総選挙での実施を目指して e-KTP(電 子 IDカード)の利用を前提とした電子投票システムの開発に取り組んでいる。このシステ ムでは、インターネットでの投票の安全性、機密性を確保するために暗号化の技術が使わ れる予定である。BPP Tの Marza nA.Iska ndar長官は、「議会選挙、大統領・副大統領選挙、 地域の首長選挙での利用が予定されている。選挙結果の迅速性、透明性、正確性などの利 点がある」と述べた。また、このシステムを導入することで 25% のコスト削減も期待されて いる。(ANTA RANEWS.C OM 2014 /03/20 Vol.305 ) 37 ◆[電子政府:ユドヨノ大統領、オープンガバメント政策の基調講演を実施] ユドヨノ大領領は、5月にバリ島で開催されたオープンガバメント・パートナーシップ (OGP)【注 1】のアジア地域会議において、「政府が保有する財政情報やデータの透明性」、 「パブリックサービス改革」、「国民参加」を3本柱とするインドネシアのオープンガバメ ント政策についての基調講演を行った。 基調講演では、同国が国民への予算情報の開示に努めている結果、オープンバジェット指 数【注 2】が東南アジア諸国の中で上位に入っていることが説明された。また、森林や保護 地域など政府が保有する地理空間の情報や様々なデータ提供を行うサイトの立ち上げや、 国民との双方向コミュニケーションを維持するためのソーシャルメディアの活用など、IT 利活用の事例についても紹介された。( FutureG ov2 014/05/14 Vol.306) 【注 1】政府の情報公開や行政への市民参加を促すオープンガバメントを推進す ることを目的に 2011年に設立された組織。現在 64ヵ国が参加。 【注 2】インドの民間組織インターナショナル・バジェット・パートナーシップによる予算 情報の開示度を示す指数のこと。 ◆[電子政府:オープンデータのサービス提供開始] インドネシア政府は、2 4の省庁、政府機関が保有する 70 0種類のデータを公開するオー プンデータのサイトを開設し、サービス提供を開始した。このサービスは、政府への信頼 度の向上、国民へのサービスの向上、そして社会におけるイノベーション創出推進を狙い としている。このサイトでは政府が保有するデータ公開に加えて、政府と国民がオープン データを利用して開発したアプリの公開や、公開して欲しいデータの要望を受け付ける機 能もあり、双方向コミュニケーションを通じた国民のアイディア創出にも期待している。 サイトは現在、ベータ版としての公開であるが、一定期間経過後、正式なサービス提供と なる予定である。(Fu tureGov2014/09/ 05 Vol .309 ) ◆[電子政府:電子政府実行に関する覚書を韓国政府と締結予定] インドネシアの Yu ddyChr isnandi行政効率化・官僚改革国務大臣は、官僚改革を目的と した電子政府実行に関する覚書を韓国政府と締結する予定であると述べた。同大臣は、「韓 国は電子政府による官僚改革実行のベストケースであり、世界中から注目されている。国 民へのサービス向上と行政透明化の強化を目指すため、今回の計画では中央省庁や国の研 究機関だけでなく、地方政府ともシステム統合する予定である。2019年初めまでに、計画 の 90%を 完 了 さ せ る 。」 と 述 べ た 。( ANTA RANE WS.COM 2014/1 2/10, skal anews.c om 2014/12/10 Vol.312 ) ◆[電子政府:投資調整庁、投資許認可のオンラインサービスの本格導入開始] 投資調整庁(BK PM)は、投資許認可に関するオンラインサービスの本格導入を開始した。 38 このシステムの導入により、事業の開始、変更、合併や外国企業の駐在事務所開設など 11 の許認可申請が全てオンラインのみの受付けとなる。 BKPMの Fran kySibar ani長官は、「このサービスは、インドネシアでの投資環境改善の取組 みの一つであり、投資許認可手続きの効率化と投資家への支援を狙いとするものである。 投資家は許認可取得のために BKPM事務所に来る必要もなくなる。また、サービスは英語で も提供する。 」と述べた。 同国ではジョコ・ウィドド大統領主導により、投資申請から許認可書類の発行までの手 続きを BKPMに一元化する統合ワンストップサービスの実現を目指している。まず 2015年 1 月に中央省庁の許認可業務を一元化した後、20 16年までに地方政府業務との統合を完了さ せる計画である。(Ja kartaPost20 14/12/12 ,ANTAR ANEWS.COM2012 /12/15,Ja kartaGlob e 2012/12/15 Vol.313 ) ◆[電子政府:インドネシア政府、国民の声を受け付けるシステムを強化] 国家開発計画実行の監督、管理を行う大統領直下の作業ユニット UKP4は、公共サービス の改善と行政改革を促進するため、行政効率化・官僚改革国務大臣府( PAN-RB )と連携し、 公共サービスに関する国民からの要望や苦情を受け付けるオンラインシステム L APORを強 化する。同システムは、U KP4により 2011年に構築されたもので、ウェブサイトへの書き込 みの他、ショートメッセージ、Fa ceboo k、ツィッターなどからも利用できる。現在は、81 の中央省庁や国の研究機関、5つの地方自治体、4 4の国営企業に導入されているが、20 19 年までに全ての公共機関、地方自治体での同システム導入を目指す計画である。同システ ムには 27万人以上のアクティブユーザがいて、国民からは 1日に平均 900件の要望や苦情 が届いている。(Jaka rtaPost2014/12 /20 Vo l.31 3) ◆[電子政府:教育文化省、電子教科書の作成とタブレット端末配布計画を発表] 教育文化省は、全国の教師や生徒がアクセスしやすい、インターネットを使った双方向 教育の計画を発表した。アニス・バスウェダン教育文化大臣は、通信情報省や通信事業者 Telkomと電子教科書の作成について検討していると述べた。また、全国にある 2 0万 8千の 学校にタブレット端末を配布する予定で、まずはパプア、カリマンタン、東ヌサ・トゥン ガラの3州から配布していくことにも言及した。教育文化省のデータによると、初等、中 等学校には少なくとも 5千万人の生徒と 3百万人の教師がいる。(Jaka rtaPost2015/01/ 08 Vol.313) 【電子商取引】 ◆[電子商取引:韓国 SKPlan et社、インドネシアでの Eコマース事業を開始] 韓国の大手インターネットサービス事業者である SKPlanet社は、インドネシア第 2位 のモバイル通信会社の XLAxiata社と共同で設立した Eコマース・マーケットプレースの 39 事業を開始したと発表した。2 013年にインターネット普及率が 31% に達し、人口の 2/3以 上のモバイルユーザーを持つインドネシアは Eコマース事業者にとって有望な市場と見ら れている。インドネシアの Eコマース事業者である VelaA sia社によると、同国の Eコマ ース市場は 201 3年の 80億ドルから 201 6年には 25 0億ドルへ成長すると予想されている。 (JakartaP ost 201 4/03/20 Vol.304 ) ◆[法制度/ 電子商取引:電子商取引の新たな規則発令を検討] 政府は、電子商取引の事業環境整備のために、物流サービス、決済方法、税などの新た な規則を 3~6ヵ月後を目処に発令する計画である。また政府では、電子商取引市場におけ る新興企業の資金調達を支援するため、海外からの直接投資を禁止する規制の緩和につい ても議論されている。 同国の電子商取引市場はまだ黎明期にあるが、今後、急拡大が期待されている。電子商取 引協会(idE A)によると、201 6年の市場規模予想は 29 5兆ルピアで、201 3年の 94. 5兆ル ピアから 3倍近くの伸びとなる見込みである。電子商取引市場の急成長はスマートフォン ユーザの急拡大によるもので、米国の調査会社 eMa rketer社によると、スマートフォンユ ーザ数は 201 4年の 6 ,120万人から 20 17年には 1億 360万人となる見込みである。 (Jakarta Post2015/0 3/03、20 15/03/07 Vol.31 5)(1ルピア=約 0.01円 2015/03/ 06時点) 【セキュリティ】 ◆[法制度/ セキュリティ:個人情報保護法案の審議は 2016年以降に持ち越し] 個人情報保護法案は、2015年の立法計画に入らず、国会での審議は 2016年以降に持ち越 しとなった。ルディアンタラ通信情報大臣は、通信サービスのユーザ情報を保護する必要 性から、個人情報保護法を制定する旨、言及していた。通信情報省は、来年の制定を目指 す意向である。(Indo Telko20 15/02/20 Vol.3 15) 【IT人材】 ◆[法制度/I T人材:ITに関する資格制度の導入を検討] ルディアンタラ通信情報大臣は、認定資格を持つ IT専門家の必要性を検討するため、通 信情報省、労働力・移住省、及び複数の IT業界団体による会合を 1月に開催し、3月には 資格制度導入の時期や資格認定機関の設立時期などの取決めを行うと述べた。また、同認 定制度の相互認定協定の締結についても他の A SEAN諸国と議論していることにも言及した。 インドネシアコンピュータソフトウェア協会(ASPI L UKI)は、マレーシアやシンガポールと 比較して、同国の大学で ITを学ぶ学生は 10倍以上いるものの、認定資格を持つ IT専門家 は半分に留まっていると指摘する。また、2015年末予定の ASEA N経済共同体の発足により、 40 他の ASEA N諸国からの I T専門家の流入が始まることが予想される中で、同国の I T専門家 が認定資格を取得することが就業機会を広げる手段となること、さらには国のブロードバ ンドネットワークインフラ構築の取り組みを強化することにも貢献できると述べた。 (JakartaP ost2014 /02/04 Vol.314 ) カンボジア 【IT政策】 ◆[IT政策:カンボジア政府、新たな電子教育プロジェクトを開始] 教育・青少年・スポーツ省は、カンボジアで通信サービスを提供する Ce llcardと共同で、 ICTを活用した教育プロジェクト(20 14~2017年、総額 1.13百万ドル)を開始したことを 発表した。このプロジェクトは、電子教科書の作成の他、334の学校にコンピュータを 3台 ずつ配布して視聴覚教室を設置し、ブロードバンド環境での教育ビデオの閲覧や生徒間で の意見交換を可能とする教育ツールとしてのポータルサイトの立ち上げなどを行うことで、 生 徒が 学ぶ機 会を増 やし 、スキ ル向上 に役 立てる こと を狙い とする 。( Minis try o f Education,Yout handSportプレスリリース、Pres sReleasePhnomPenhPost 2014/0 5/07 Vol.305) 【法制度】 ◆[法制度:ユネスコ、カンボジア政府の情報公開に関わる法整備に協力] カンボジアの情報大臣とユネスコが 5月に締結した MOUにより、カンボジア政府が保有 する情報公開についての法整備をユネスコの協力を得て実施することが判明した。カンボ ジアでは政府が保有する情報のうち、どこまでを公表するかについての法律がないため、 専門家を招いて3年間かけて整備していく方針。ユネスコはこの法整備のために 100万米 ドルの資金を提供する予定。(ThePhno mPenhPost2014/06/02 Vol.30 6) ◆[法制度:電子商取引法の現状] カンボジア商務省は、電子商取引法の草案に関する回答が郵便電気通信省とカンボジア 国立銀行より 7月中に出され、8月には閣僚評議会(日本の内閣に相当)に提出される見込 みであると語った。また商務省の広報担当者より、この電子商取引法の草案作成では世界 銀行が 12万米ドルを拠出していることに加えて、商務省で作成中の消費者保護および競争 に関する法案が 8月中に出来上がる見込みであることの説明もなされた。現在、ASEANの中 で電子商取引法が未成立なのは、カンボジア、ラオス、フィリピンの 3ヵ国のみとなって いる。(TheCambodi aDaily2014/06 /05 Vol .307) (1米ドル= 約 102.6 4円 2014 /06/05時 点) 41 ◆[法制度:サイバー犯罪法案が棚上げ] カンボジアでは、携帯電話やインターネットのネットワーク監視システムの導入が計画 されるなど、政府によるインターネットの監視と規制強化の取り組みが進められようとし ていた。その中で、カンボジアにて論争となっていたサイバー犯罪法案が棚上げとなった。 閣僚評議会(日本の内閣に相当)のスポークスマンは、「同案は既に廃案となっている。内 務省と郵便電気通信省とが連携して進めていた時期があったが、今は何も行われていない。 但し、同案検討の再開の可能性についてはわからない」と述べた。インターネット上に同 案の情報が漏れた 20 14年 4月以降、人権保護団体などから、この法案は政府によるソーシ ャルメディアの利用制限を法的に正当化するものであり、人権を侵害し、言論の自由を奪 うものであると異議が唱えられていた。(Th e Cam bodia Daily 2014/12 /10, 20 14/12/12 Vol.313) ◆[法制度/ 電子商取引:電子商取引法の修正法案、年内に国民議会提出見通し] 閣僚評議会(日本の内閣に相当)が電子商取引法の草案を見直し、201 5年末までに国民 議会に修正法案を提出する予定である旨、同草案のチーフ・アドバイザを務める SokSioh ana 氏が述べた。同氏はまた、今年は ASE AN経済共同体の発足を控えているため、電子商取引 法の成立を急ぐ必要があることについても言及した。ASEAN諸国で電子商取引法が制定され ていないのはカンボジアのみであるが、電子商取引法の草案は、2003年以降、大きな進展 がない状況が続いている。(KH MERTIME S2015/ 02/1 7 Vol.315 ) 【情報化機関】 ◆[情報化機関:新たな ICT業界団体が発足] カンボジアにおける新たな ICT業界団体として TheInf ormatio nandC ommunic ations TechnologyF ederati on(ICTF) が正式に発足した。IC TFは、カンボジア郵便電気通信省から の要請に基づき、Cambodi aITAs sociatio n(CiTA、カンボジア IT協会)と ICTBusi ness Association (ICTBA) の 2団体を統合した組織である。その発足式において、郵便電気通信 省幹部は「I CTFは、カンボジアの IC T産業発展に関する郵便電気通信省のメインパートナ である」と述べた。また、2014年から 2020年における ICTの重点分野として電子政府、サ イバーセキュリティ、Eコマース、Eツーリズム、Eラーニングを挙げた。(TheCam bodiaDa ily 2014/07/25 、NEWEURO PEONLIN E2014/0 7/24,G eeksinCambodi a2014/0 7/31 Vo l.308) 【市場動向】 ◆[市場動向:2013年の携帯電話加入者数とインターネットユーザ数] 42 郵便電気通信省は、201 3年の携帯電話加入者総数が前年比 5.8%増加し、2千万人を超え たことを発表した。また、20 13年のインターネットユーザ総数は 380万人(前年比 42.7% 増加)となったものの、前年比 140万人増加した 20 11年と比べるとその伸びは鈍化してい る。(TheCa mbodiaD aily201 4/03/27 Vol.30 4) ◆[市場動向:スマートフォン販売の伸びが減速] カンボジアではここ数年、スマートフォンの販売は好調であったが、今年に入ってその 伸びが減速してきている。シンガポールを拠点とする調査会社 Gf Kによると、201 3年の販 売台数は前年比 4 3%増加の約 9 1万台であったが、今年の第1四半期の販売台数が前年同期 比 10%の伸びに留まっている。但し、他の新興国同様、今後は従来のフィーチャーフォンか らスマートフォンへの切り替えが進むため、一時的なものと予想している。 一方、同国のスマートフォン市場において大きなシェアを持つサムスンは、スマートフォ ンへの切り替えコストの高さを根拠に、短期的にはこれ以上の成長はあまり望めないとい う見解である。また L G電子の現地代理店は、今年初めに導入された特別税 1 0%の影響で、 今後は海外からの密輸が増えるだけではないかとみている。同代理店によると、カンボジ アのスマートフォン市場では、サムスンが約 50%のシェアで、アップルが 30% 、ノキア 8%、 LG電子、ソニー、華為が 5%ずつと推定している。 (ThePhnonPenhP ost2014 /07/11 Vol.308) ◆[市場動向:インターネット自由度は「部分的に自由」] 12月 5日、米国に本部を置く監視機関 Fr eedomH ouseが発表した報告書によると、カン ボジアのインターネットに関する自由度は 100点満点中 47点(点数が低いほど自由度が高 い)で、昨年に続いて「部分的に自由」となった。昨年とほぼ同じスコアとなっているも のの、従来は制限されていなかった政治、社会的コンテンツの閲覧が制限されていること が同報告書では指摘されている。また、現在、カンボジアではインターネット利用の自由 を大幅に制限するサイバー犯罪法の制定が検討されており、この法案が修正されない場合、 今後、この自由度の評価にかなりの影響が出るだろう。 (ThePhnonPen hPost2014/12/ 08 Vol.312) 【IT振興】 ◆[IT振興:米作りにおける I T利活用の実証試験を開始] 国際農業開発基金(IF AD)は、米作りに関するアドバイスをリアルタイムで入手できるス マートフォンアプリを使った国家プロジェクトを計画している。農作業者が水田状況のデ ータをスマートフォン上で入力すると、その分析結果として、米の品質改善に役立つ農作 業のアドバイスが返信されてくる仕組みである。既に実証を開始している地域の農作業者 からは、様々なアドバイスが簡単に得られるこのアプリについて好意的な反応が得られて 43 いる。本計画ではまずカンダル州などの 5州での実証を行い、その結果がよければ全国へ 展開する計画である。端末はこの実証では IFADが提供するが、その後希望者は年間 10ド ルの支払いが必要となる。(Th eCambod iaDail y20 14/08/26 V ol.309) ◆[IT振興:NGO連合体、選挙有権者登録システムの実証試験計画を発表] カンボジアで民主主義を推進する NG O連合体 Elec toralReformAll iance(ERA )は、選挙 有権者を登録する新たな電子システムの実証試験を 2015年 1月に実施することを発表した。 ERAでは、2018年の総選挙での導入を目指しており、よい試験結果が得られれば、導入に 向けた正式な実証試験の実施を国の選挙管理委員会に推薦する意向である。同システムで は指紋と写真のデータを用いて有権者登録を行うことで、人為的ミスの削減や有権者の二 重登録の回避が期待される。有権者登録リストの信頼性や選挙不正の可能性が問題視され るカンボジアでは、選挙改革の議論が行われており、日本政府からも改革支援の約束が表 明されている。ERAでは、新たなシステムの候補として日本や欧州のシステムも検討されて いる。(TheCambodiaDaily2 014/12/1 9,KHME RTI MES2014/12 /22 Vol .313) ◆[IT振興:NGO連合体、選挙有権者登録システムの実証試験結果を公表] カンボジアでの民主主義を推進する NGO連合体 El ectoralRefor mAlliance(E RA)は、有 権者登録リストの信頼性や選挙不正の可能性が問題視されることを背景に、201 5年 1月に 実施した選挙有権者登録の新たな電子システムの実証試験結果を公表した。首都プノンペ ン、ラタナキリ州、コンポンチュナン州の 3地域 65 2名を対象に実施した試験では、99%の 人が正しく登録され、また重複登録も排除されることが確認できた。この電子システムは、 指紋と写真のデータを用いて有権者登録を行うもので、ラップトップ PC、指紋スキャナー、 カメラ、プリンター、発電機が必要となる。ERAは、次回選挙に向けて、この電子システム の導入を全国の選挙管理委員会に働きかけていく。(The Phnon Penh Post 201 5/02/13 Vol.315) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:201 3年の携帯電話加入者数とインターネットユーザ数] インターネット通信速度のツールを提供する米国 Ookla社が実施した世界の通信速度の 調査結果より、カンボジアのプノンペン市におけるダウンロード速度は 5.8Mbpsで、190ヵ 国中 119位と世界平均 18.2Mb psには遠く及ばないものの、マレーシア、インドネシア、フ ィリピン、ミャンマー、ラオスより上位であることがわかった。この調査は、3 0日間にわ たる有線とモバイルブロードバンドインターネットの通信速度の計測結果に基づくもの。 79.59Mbsの香港をトップに、シンガポールの 6 7.9M bpsが2位と続いている。 カンボジアにおける有線とモバイルインターネット利用者数は、201 3年に 3. 8百万人に 44 なり、201 1年の 1 .68百万人から 2年間で 2倍以上に増えている。(Th eCambod iaDaily 2014/05/06 Vol.305 ) ◆[ITインフラ:光海底ケーブルの敷設を計画] カンボジアの通信事業者である Chu anWei社は、カンボジアで初めてとなる光海底ケー ブルの敷設契約を N TTコミュニケーションと締結したことを発表した。今回の契約は、既 設の AsiaSu bmarinecableEx press(AS E、アジアの主要都市を結ぶ大容量光海底ケーブル) のルート拡張によりカンボジアに接続されるものであり、インターネットの接続性改善が 期待される。 2013年 6月、カンボジアの通信事業者である Tel cotech社がマレーシア、カンボジア、 タイをつなぐ光海底ケーブルプロジェクト(総額約 8,000万米ドル、2014年末に運用開始 予定)を発表している。今回の Chua nWei社の発表に対して EZE COM社(T elcotec h社の親会 社)の PaulBlan che-Horg anCEOは、 「Telcote ch社の光海底ケーブルプロジェクトは計画通 り進んでいる」とコメントしている。 (TheCambo diaDail y2014/0 6/13 Vo l.307) (1米ドル=約 99.1 0円、20 13/06/3 0現在) ◆[ITインフラ:EMA XX社、華為技術社と 4G全国ネットワーク構築契約締結] 通信事業者の EMA XX社は、カンボジアにおけるデータ通信の需要増大に対応するため、 中国の華為技術社と 4GLTEの全国ネットワーク構築契約を締結した。調印式に同席した郵 便電気通信省の KenChannme ta次官は今回のパートナーシップを歓迎し、また両社に対し て政府のブロードバンド政策起草への協力を要請した。EMAXX社は本契約により、2年以内 にプノンペンを含む 8つの都市で 4GLT E用基地局を構築する。2015年の初めに、まずプノ ンペンでの 4 Gの音声サービス、固定とモバイル通信によるブロードバンドインターネット サ ー ビ ス の 提 供 を 開 始 す る 予 定 。 (The Phnon Penh Post 2014/ 09/18、 tele compaper 2014/09/18 Vol.310 ) ◆[ITインフラ:携帯電話事業者 SEATE L、4Gネットワーク構築計画を発表] カ ン ボ ジ ア の 携 帯 電 話 事 業 者 で あ る Southeast Asia Teleco m (Cambodi a) Co. Ltd.(SEATEL )は、同国で最速の 4 Gネットワークを構築するため、5億米ドルを投資する計 画を発表した。カンボジアでは、携帯電話市場 2位のシェアを持つ Smar t社が 4Gのデータ 通信サービスを開始しているが、SEA TEL社は 4Gネットワーク上での音声通話も可能とする VoLTEサービスの提供を計画している。既に 5,50 0k m光ファイバーケーブルを購入済みで、 今後 2~3年かけてネットワークを整備していく。(The Cambodi a Daily 201 5/02/10 Vol.315) 45 【電子政府】 ◆[電子政府:農村部の情報オンライン整備促進に太陽光発電を活用] アジア開発銀行の支援を受けた貧困削減プロジェクトの一環として、Tonl eSap流域の 123ヵ所の地方行政事務所のコンピュータ電力源として太陽光発電が設置される予定であ る。これは、送電網が未整備な農村部における情報オンラインを整備することが目的であ る。2014年半ば迄に太陽パネルの設置とインターネットアクセス環境を整備し、ITトレー ニングは 201 4年末までに完了する計画である。アジア開発銀行では、このプロジェクトに より、地方行政レベルでの情報収集効果の高まりを期待している。(Phnom Penh Post 2014/03/06 Vol.304 ) ◆[電子政府:商業省、ホームページをリニューアル] 商業省は、カンボジアの力強い経済成長に関心を寄せる事業者や投資家へのサービス向 上を狙いとして、ホームページをリニューアルし、そのベータ版を公開した。新しいホー ムページでは、見やすいデザインに刷新するとともに、商品価格のデータ、政府文書や貿 易取引に関する協定、法令のライブラリーなど、情報の整備も行っている。事業者や海外 投資家は、最新で正確な情報を見つけられない場合、意欲が萎えてしまうものだが、カン ボジア政府のホームページは、立ち上げ以降、情報の更新があまりなされず、中には 5年 以上も放置されているものもある。今回の商業省ホームページのリニューアルは、ソーシ ャルメディア上でユーザから好評を博している。商業省では、同ホームページ上での原産 地証明発行の申請手続きや、会社登記の手続きに関するオンラインサービスも予定してい る。 (KHM ERTIMES2014/01 /18、商業省ホームページ Vol.3 14) 【電子商取引】 ◆[法制度/ 電子商取引:電子商取引法の修正法案、年内に国民議会提出見通し] 閣僚評議会(日本の内閣に相当)が電子商取引法の草案を見直し、201 5年末までに国民 議会に修正法案を提出する予定である旨、同草案のチーフ・アドバイザを務める SokSioh ana 氏が述べた。同氏はまた、今年は ASE AN経済共同体の発足を控えているため、電子商取引 法の成立を急ぐ必要があることについても言及した。ASEAN諸国で電子商取引法が制定され ていないのはカンボジアのみであるが、電子商取引法の草案は、2003年以降、大きな進展 がない状況が続いている。(KH MERTIME S2015/ 02/1 7 Vol.315 ) シンガポール 【IT政策】 ◆[IT政策:陸上交通庁、ITS開発マスタープランを発表] 46 陸上交通庁(LTA)は、今後 15年間の IT S (高度道路交通システム)開発マスタープランで ある「スマートモビリティ 2030」を発表した。同計画は、最新技術を使って同国の交通シ ステムの改善や通勤環境を改善することを狙いとしている。LT Aの ChewH ockYon g長官は 「従来の IT Sはインフラに依存するものであったが、これからはデータ収集、分析を行い、 そこで得られる情報の利活用に重点を置く」と述べた。(The B usinessTimes20 14/08/06 、 CHANNELNEW SASIA20 14/08/06 Vol.30 8) ◆[IT政策:保健省、ヘルスケア分野での BigData計画を発表] 保健省は、ヘルスケア関連機関から集めたデータを分析する信頼性の高いシステムの実 現性調査を実施することを発表した。このシステムでは、個人でも機器を使って健康管理 に関するデータを提供できるようにする予定である。GanKimY ong保健相は「さまざまな 機関から収集した匿名化された情報から、患者に対する治療を改善する新たな知見が生ま れるだろう。保健省は来年、最初のパイロットプロジェクトを開始する」と述べた。 (CHANNE L NEWSASIA20 14/07/24 Vol.30 8) ◆[IT政策:統合ケア庁、老人ホームでの IT利活用調査計画を発表] TheAgenc yforI ntegrate dCare( AIC、統合ケア庁)【注】は、ケアサービスの改善と業 務効率を狙いとした老人ホームでの I T利活用実現性調査の計画を発表した。この計画は、 ITを利活用して、老人ホームで生活する高齢者が利用する様々な看護・介護サービス機関 と老人ホームの間で高齢者の医療・健康情報の共有化を進め、高齢者一人ひとりの健康状 態に合った質の高いケアを包括的に提供する環境整備を目指すものである。その実現のた めに、AICが持つ長期ケアに関する電子紹介状の情報管理システムと国による EH R(個人が これまで受けてきた医療・健康に関する電子情報)とを統合する予定である。まず 2015年 2月に最初の老人ホームにおいて関連 I Tシステムを導入して実証を行い、2017年までに計 36の老人ホームがこの計画に参加する予定である。プロジェクト総額は 65 0万シンガポー ルドル。(CH ANNELNE WSASIA2 014/08/2 5 Vol. 309) (1シンガポールドル=約 83.1 4円) 【注】統合的な長期ケア強化のため、2 009年に設立された保健省傘下の独立行政法人 ◆[IT政策:陸上交通庁、次世代の電子道路課金システムの入札を発表] 陸上交通庁(LTA)は、GNSS (衛星を用いた測位システム)を使った次世代の電子道路課金 システムの入札を発表した。この新システムの採用により、設置から 2 0年が経過した現在 の料金徴収ゲート設備維持の問題が解消されるだけでなく、衛星を使って測位した位置情 報を基に、渋滞緩和したい道路での走行距離に応じたきめ細かく、公平な課金も可能にな る。LTAでは、20 15年下期にシステムの設計と開発の契約を締結し、202 0年ごろからシス テム運用開始を予定している。 (THES TRAIGHTTIM ES2014/10/ 01 Vol. 310) 47 【法制度】 ◆[法制度:個人情報保護法施行] 7月 2日、個人情報保護法【注】が施行され、全てのシンガポールの企業や団体などは、 個人情報の収集、利用、開示についての目的を通知し、個人の同意を取り付ける必要があ る。また、同法では個人情報への不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策や利用目的 が終了した時点での個人情報削除など、個人情報の取扱いについても義務づけられている。 なお、既に同法に準じた規則を導入している公的機関はこの法律の適用対象外となってい る。(CHANNE LNEWSAS IA2014/ 07/01、F utureGo v20 14/07/02 V ol.307) 【注】シンガポールでは、これまで包括的な個人情報保護に関する規定はなく、 銀行法など特定の分野において個別に規定が存在していたのみであった。 このたびの個人情報保護法は、包括的な規定として誕生したものである。(JETR O「シンガ ポールにおける個人情報保護法について」 201 4/03 ) ◆[法制度:スーパーWi-Fiに関する法令のフレームワークを発表] 情報通信開発庁(IDA )は、2014年 11月に開始するスーパーW i-Fi (未利用のテレビ放送 周波数帯を利用した無線ブロードバンド技術)の利用に関する法令のフレームワークを発 表した。この法令では、技術仕様と同周波数帯利用の法令を順守することを前提に、スー パーWi-Fi利用のライセンスは不要である。但し、利用可能な周波数帯を特定するために位 置情報のデータベースの利用が義務付けられていたり、機器メーカーのライセンス取得は 必要となる。 スーパーW i-Fiの技術は、電波の到達範囲が広く、また従来の Wi -Fiに比べてつながりや すい特長があるため、インターネット接続の改善や新たなビジネスチャンスの拡大が期待 されている。 (THEST RAITST IMES 20 14/06/17 ,CH ANNELNEWSA SIA201 4/06/16 Vol.307 ) 【情報化機関】 ◆[情報化機関:情報通信大臣、情報セキュリティ管理最高責任者の任命に言及] YaacobIbr ahim情報通信大臣は、情報通信開発庁(IDA)主催のイベントにおいて、政府機 関における情報通信のセキュリティガバナンス強化のため、Chi efInf ormationSecu rity Officer(情報セキュリティ管理最高責任者)を任命する予定であることを述べた。また、 セキュリティ上の脅威からシステムを守るため、運用管理センターを設置する計画につい ても言及した。シンガポールでは今年 6月、1, 500名を超える電子政府アカウント SingPass がサイバー攻撃の脅威に晒された問題が起こるなど、サイバー攻撃のリスクが高まってい る。情報通信大臣の今回の発言に対して、IDAは「詳細はまだ検討中である」とコメントす 48 るに留めている。(CH ANNELNE WSASIA2 014/08/ 28 Vol.309) ◆[情報化機関/セキュリティ:サイバーセキュリティ局を新設予定] 国のサイバーセキュリティを一元管理するサイバーセキュリティ局が 2015年 4月 1日付 けで首相府に新設されることとなった。YaacobIbr ahim情報通信大臣が、サイバーセキュ リティ担当大臣に任命されている。同局は、内務省の情報セキュリティ局や情報通信開発 庁(IDA)のコンピュータ緊急対応チームの機能も引き継ぐ。また、シンガポールのサイバー セキュリティ強化に向けて民間部門との連携体制も構築していく。(The S TRAITS T IMES 2015/01/27,CHANNELNEWSASI A2015/0 1/28 V ol.3 14) 【企業動向】 ◆[企業動向:NTTデータ、AP ACにおける研究開発拠点設立を発表] NTTデータは、経済成長が著しい APAC市場でのニーズに即した研究開発を促進するため、 シンガポールとインドネシア(バンドン市)の 2箇所に研究開発拠点を設置したことを発 表した。前者は APA Cにおける技術戦略のハブ機能を担い、また後者はインドネシアにおけ るスマートコミュニティ関連の研究を行うものである。同社では、この 2つの研究開発拠 点を 2017年までに 4 0人体制に拡張する計画である。(MISAsia2014/04 /01 Vol .304) ◆[企業動向:公共交通におけるビッグデータ調査プロジェクトを発表] 陸上交通庁(LTA) 、公共交通サービス事業者 S MRT 、通信事業者 StarHubおよび IBMは、 公共交通で発生するトラブルや事故等の対応を改善することを目的としたビッグデータの 利活用に関する共同調査プロジェクトを発表した。このプロジェクトでは、ICカード乗車 券の情報や、SMR Tが提供する駅の映像データ、さらに StarH ubが提供する匿名化された通 信データ等を融合し、IBMのデータ解析技術を使って通勤者の行動パターンを見える化した り、情報を列車の故障や混雑、その他の突発事故への対応改善に役立てる計画である。 (LTA プレスリリース 201 4/06/02 、THESTR AITSTI MES 2014/06/0 2 Vol.3 06) ◆[企業動向:NTTデータ経営研究所、シンガポール事務所を開設] NTTデータ経営研究所は、アジア大洋州地域における NTTデータの顧客に対してコンサル ティングサービスを提供するため、9月 1日付けでシンガポール事務所を開設する。同事務 所は、東南アジア地域を対象に、企業による市場調査、戦略の立案、業務プロセス改善活 動の支援を行っていく。(tele compaper2014/0 8/29 Vol.309) 49 【技術動向】 ◆[技術動向:科学技術研究庁、ビッグデータの共同研究センターを設立] 科学技術研究庁(A *STAR )は、富士通、シンガポールマネジメント大学とビッグデータを 活用した都市開発に関する共同研究の包括契約を締結した。この契約に基づき、3者は共同 研究のための先端研究センターの設立などに 5 ,40 0万シンガポールドルを投資する。同セ ンターでは、都市における人の導線などのビッグデータに関する研究と船舶の入出港の管 理による港湾オペレーションの最適化の2分野に焦点を当てて、持続可能な都市づくりに 必要な社会課題解決のためのソリューション開発を行う。(CHA NNELN EWSASIA2014/1 0/16 Vol.311)(1シンガポールドル=約 83.7 1円 201 4/10 /16時点) 【IT振興】 ◆[IT振興:情報通信開発庁、公共部門と民間部門のデータの利活用を促進するイベントを 開催] 情報通信開発庁(ID A)は、公共部門のデータと民間部門のデータを使って、国民の生活や ビジネスで役立つ新たな製品やサービスの創出を目指すデータのマッシュアップ【注】の イベント「D ataDisc overyCh allenge 」を 2 015年 1月 2 5日まで開催している。イベント 参加者は、公共部門と民間部門が持つデータを共有できるシンガポールの新たなシステム FederatedD atasetResistry(FDSR) にあるデータとその他の公共部門や民間部門データと を組み合わせて、新たなデータを可視化するツールやモバイル・ウェブアプリを開発する。 (FutureGov2014/12/ 19 Vol. 313) 【注】ウェブ上に提供されている情報やサービスなどを組み合わせて、新しいソフトウェ アやサービス、データベースなどを作ること(IT用語辞典 e-Wor ds) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:シングテル、日米間海底ケーブルコンソーシアムに参加] 通信事業者大手のシングテルは、新たな日米間海底ケーブルシステム「FASTE R」建設の コンソーシアムに参加することを公表した。同システムは、日米間で急増するトラフィッ ク需要への対応を狙いとするもので、設計上は 201 6年の完成時点で、太平洋ルートで最大 のキャパシティを持つシステムとなる。このシステムは、日本を経由してアジア地域にも 接続される。コンソーシアムには、シングテルの他、中国移動、中国電信、KDD I、マレー シアの Globa lTran sit、Goo gleの計6社が参加する。総工費は 3億米ドル。システム構築 50 事業者として NECが選定されている。シングテルは、シンガポール、サウジアラビア、フ ランスなど 17ヵ国を接続し、2016年初めに商用開始予定となっている別の海底ケーブル (SEA-ME-WE5)のコンソーシアムにも参加している。 (CHANNELN EWSASIA2014/08/ 11、Tod ay 2014/08/12,FierceT elecom2 014/08/1 1 Vol. 308 ) ◆[ITインフラ:シンガポールのブロードバンド通信速度が世界最速] シンガポールは、米国の Ookla社【注】が発表した世界 198ヵ国のブロードバンド通信 速度において、19ヵ月連続でトップを維持してきた香港を抜いて世界最速となった。201 4 年 12月以降、シンガポールにおける下り速度は平均 104Mb psであり、以下香港が 2位 (95Mbps) 、韓国が 3位(80Mbps )となっている。(Th eSTRAITSTI MES2015 /02/09 Vol.315) 【注】インターネット通信速度計測アプリの開発会社。2008年より、各国のブロードバン ド通信速度の計測を開始しており、各国比較の他、各国の主要都市ごと、及びインターネ ットサービスプロバイダごとの通信速度も公表している。 【電子政府】 ◆[電子政府:情報通信開発庁(IDA)、公衆無線 LANサービスを強化] 情報通信開発庁(I DA)は、2006年から提供している公衆無線 LANサービス 強化のため、自動ログインサービスを 4月1日から開始することを発表した。このサービ スでは、SIMカードでの認証方式を採用することで、接続ごとの契約者情報の入力が不要に なる。また、公衆無線 LANサービスへの需要の高まりに対応するため、インターネット接 続を提供するホットスポットを 201 5年までに現状の 5千箇所から 1万箇所に、更に 2016 年までには 2万箇所に増やす計画である。(Fut ureG ov 2014/04 /03 Vol .304) ◆ [電子政府:IDAが総額 12億シンガポールドルの IT入札計画を発表] 情報通信開発庁(IDA)は、電子政府サービスと国民との双方向でのコミュニケーション を強化することを狙いとした I Tに関する 40 0件の入札(総額 12億シンガポールドル)を 2014年度に実施することを発表した。シンガポールでは、ITを活用して国民生活の質を高 める「スマート国家」の実現を目指しており、今回の入札はその一環である。クラウド、 モバイルサービス、サイバーセキュリティ、データ分析、インフラなどが対象となってい る。(THEST RAITSTI MES 201 4/05/24 、CHANNE LNE WSASIA2014 /05/27 Vol.306 )(1シン ガポールドル=約 81 .29円 2 014/05/2 4 時点) ◆[電子政府:公共サービス対応の新部局、国民向けサービス向上で ITを活用] シンガポール政府は、複数の政府機関が関係する公共サービスに関わる問題を総合的に 取り扱う新部局 Muni cipalServ icesOffic e(MSO) を開設した。10月 2日、MSOの代表に就 51 任したグレース・フー首相府大臣は、国民が公共サービスに関する問題を写真と位置情報 を使って簡単にレポートできるスマートフォン用アプリを開発し、来年早々から提供を開 始する予定であると述べた。また、M SOは国民から届く公共サービスに関わる要望に対処す るため、8つの関連政府機関と情報共有し、対応をモニターできるシステムの開発にも着手 していることにも言及した。( THESTRA IGHTTI MES2014/10/02 Vol.310 ) ◆[電子政府:内務省、携帯電話を活用した緊急メッセージ送信を計画] シンガポール政府は、発砲事件など近くで起こっている危険を国民に知らせる必要があ る際に携帯電話のネットワークを活用してテキストメッセージを送付する計画である。内 務省が発表した入札仕様書によると、システムは選定された国内の特定のエリアにいる国 民に緊急メッセージを送るもの。通信事業者から提供される携帯電話の情報と位置情報を 使うため、システム利用のための事前登録は不要であるが、ユーザはこのシステム利用を 断ることもできる。( FutureGo v2014/1 0/24 V ol.3 11) ◆[電子政府:住宅開発庁、センサーを使った高齢者サポートの実証試験計画を発表] シンガポール住宅開発庁は、センサーを使った高齢者サポートの実証試験計画を発表し た。同計画は、高齢者住居の周囲に設置したセンサーを使って、高齢者に異常な行動パタ ーンが見られた場合に家族や近隣の住民にアラームを出す仕組みについて実証試験するも ので、政府による高齢者介護を補強するものである。リー・シェンロン首相は、 「2030年ま でにシンガポールの 65歳以上の高齢者は 90万人に達する。ITを活用して国民生活の質を 高めるスマート国家の実現を目指して、健康寿命を延ばすアクティブ・エイジングへのア プローチも変革していく。」と述べた。同首相は、モバイル決済、無人自動車、遠隔治療な ど、スマート国家の実現にセンサー技術を活用していく方針である。また、スマート国家 戦略を推進するため、新たに SmartNationProgr am meOffic eを設置したことも発表した。 (FutureGov 2014/11 /28 Vol .312) (参考)201 4年 12月現在のシンガポール人口は、約 547万人 ◆[電子政府:統計局、主要統計データを手軽にダウンロードするモバイルアプリの無償提 供を開始] シンガポール統計局(DOS)は、国民がより手軽に主要統計データにアクセスできるモバイ ルアプリケーションの無償提供を開始した。このアプリケーションは情報通信開発庁と共 同開発したもので、GDP、人口、物価など、国民からの要望の多い 25のカテゴリー、200の データをモバイル端末から図表形式で入手することができる。また、このアプリを使って 入手した図表をユーザが自由に加工することもできる。DOSでは、ユーザの利用体験のフィ ードバックに基づき、継続してアプリの改良に対応する計画である(DOS P ress Rel ease 2014/11/25,CHANNELNEWSASI A2014/1 1/25 V ol.3 12) 52 ◆[電子政府:陸上交通庁、利用可能なタクシーの位置情報を提供するアプリの無償提供を 開始] 陸上交通庁(LTA)は、近くにいるタクシーの位置情報を提供するスマートフォンアプリの 無償提供を開始した。このアプリは、今の場所でタクシーを待ち続けるのがよいのか、場 所を変えてタクシーを探すのがよいのか、他の交通手段を利用するのがよいのか等を判断 するための情報提供を狙いとしている。現在、国内で利用されている他のアプリでは、業 務提携している会社のタクシーに限定されるが、LT Aが提供するアプリは国内全てのタクシ ーを対象に利用できる。 同アプリは、利用希望者の位置情報を全タクシーに対して提供できる機能もあるため、ド ライバーにとってもメリットがある反面、他のアプリにはある予約機能がないため、その 使い勝手について、タクシー利用者、ドライバーから様々な意見が出されている。LTAでは、 利用者からの意見を収集し、アプリの更新を行っていく予定である。 (T heSTRA ITSTIM ES 2014/12/17,CHANNELNEWSASI A2014/1 2/19 V ol.3 13) ◆[電子政府:都市再開発庁、陸上交通庁、シンガポール ETHセンター、交通インフラの需 要分析モデル構築プロジェクトの覚書を締結] 都市再開発庁(URA) 、陸上交通庁(LTA )、シンガポール ETHセンター【注】は、都市計画 や交通網整備計画の改善を図るため、交通インフラに関する需要分析モデルを構築する共 同プロジェクトの覚書を締結した。同プロジェクトは、シンガポール E THセンターが開発 したシミュレーションツール MATSi mSingap oreを使って、LT Aによる交通インフラ利用の 調査結果や様々な居住区の人口統計などの生データから、交通インフラを利用するリアル タイムな人の流れを人工的に作成し、交通インフラ需要のシミュレーションを行うもの。 例えば、新たな鉄道路線やバスルート、自転車専用レーンの設置や無人自動車、カーシェ アリングなどの導入が交通インフラを利用する人の流れにどのような影響を与えるかのテ ストを行う。このプロジェクトは、201 5年 1 0月までの実施を予定している。( FutureGo v 2015/01/27,TheSTR AITSTIM ES2015/ 01/26,URAプレスリリース 2015 /01/23 Vol.314) 【注】スイス連邦工科大学(ETH )チューリッヒ校とシンガポール国立研究財団により 2010 年に設立された研究センター ◆[電子政府:科学技術研究庁、全政府機関共通 O Sの標準フレームワーク開発でマイクロ ソフトと提携] 科学技術研究庁(A* STAR)は、全政府機関で共通利用する OSの標準フレームワーク開発の 覚書をマイクロソフトと締結した。現在、各政府機関では別々の ITシステムを使っている ため、他の機関とデータ共有するためにはデータの加工が必要となる。このたびの提携は、 ITを活用して国民生活の質を高める政府ビジョン「スマート国家」の実現に向けて、セン 53 サーネットワークから集めたデータを政府機関間で共有できる情報基盤構築に備えるもの であり、年内に共通 OSの標準フレームワークの試作開発を行う。A*S TARとマイクロソフト は、さらにセンサーから集めたデータ分析の技術の開発も行う。(F utureGov2015 /02/03, CHANNELNEW SASIA20 15/01/28 Vol.31 4) ◆[電子政府/セキュリティ:政府オンラインサービスの認証システムを強化] 情報通信開発庁(ID A)は、政府の各種オンラインサービスの認証システムを強化するため、 2015年 7月よりワンタイムパスワードを導入する方針であり、そのシステムベンダーとし てシンガポールの As surityTrustedSolutio ns社【注】を選定した。従来は、所得税の確 定申告や年金口座の残高確認を含む約 350の電子サービスの認証方式は、国民一人ひとり に割り当てられるパスワード SingPassとユーザ名の入力によるものであったが、そのうち 機密性の高い情報を含むサービスについて、一度しか使えないワンタイムパスワードのオ プションサービスを提供するものである。同国では、昨年 6月に 1,560の SingP assユーザ アカウントへの不正アクセスの問題が発覚したため、システム強化に取り組んでいる。 (TheSTRAIT STIMES2015/02/ 18,CHAN NELNEW SASI A2015/02/1 8 Vol.3 15) 【注】IDAの子会社。官民共通の個人認証システムを運用するために設立された。 ◆[電子政府:電子行政サービス eCiti zenの拡充を計画] 政府は、電子行政サービスの総合ポータルサイト eCitizenの利便性を向上するため、新 しいサービス MyInf oを 201 6年にも導入する予定である。このサービスを利用することで、 公団住宅への入居申し込みや出産奨励金の申請など、eCitize nでの手続きにおいて、生年 月日、住所、配偶者の有無など、既に政府が保有する個人情報の入力が不要になる。(CH ANNEL NEWSASIA20 15/03/09 Vol.31 5) 【セキュリティ】 ◆[情報化機関/セキュリティ:サイバーセキュリティ局を新設予定] 国のサイバーセキュリティを一元管理するサイバーセキュリティ局が 2015年 4月 1日付 けで首相府に新設されることとなった。YaacobIbr ahim情報通信大臣が、サイバーセキュ リティ担当大臣に任命されている。同局は、内務省の情報セキュリティ局や情報通信開発 庁(IDA)のコンピュータ緊急対応チームの機能も引き継ぐ。また、シンガポールのサイバー セキュリティ強化に向けて民間部門との連携体制も構築していく。(The S TRAITS T IMES 2015/01/27,CHANNELNEWSASI A2015/0 1/28 V ol.3 14) ◆[電子政府/セキュリティ:政府オンラインサービスの認証システムを強化] 情報通信開発庁(ID A)は、政府の各種オンラインサービスの認証システムを強化するため、 54 2015年 7月よりワンタイムパスワードを導入する方針であり、そのシステムベンダーとし てシンガポールの As surityTrustedSolutio ns社【注】を選定した。従来は、所得税の確 定申告や年金口座の残高確認を含む約 350の電子サービスの認証方式は、国民一人ひとり に割り当てられるパスワード SingPassとユーザ名の入力によるものであったが、そのうち 機密性の高い情報を含むサービスについて、一度しか使えないワンタイムパスワードのオ プションサービスを提供するものである。同国では、昨年 6月に 1,560の SingP assユーザ アカウントへの不正アクセスの問題が発覚したため、システム強化に取り組んでいる。 (TheSTRAIT STIMES2015/02/ 18,CHAN NELNEW SASI A2015/02/1 8 Vol.3 15) 【注】IDAの子会社。官民共通の個人認証システムを運用するために設立された。 スリランカ 【IT政策】 ◆[IT政策:テレセンタ 1,00 0ヵ所目を達成] 2005年 1月に始まったテレセンタ(シンハラ語で Nenansala) 【注】プロジェクトは、1,000 ヵ所目のテレセンタを中央山脈南西側のサバラガムワ州 Bisowe laの仏教寺院に設置して目 標を達成した。1,00 0ヵ所目のテレセンタの開所式には、Rajap aksa大統領、通信情報技術 省 Siyambal apitiya大臣、サバラガムワ州 Herat h知事が出席した。併せて、通信情報技術 省の支援により、全国のテレセンタの所長や技師が一堂に会した Nenans alaCon ventionが 開催された。大統領は、「本プロジェクトの目的は、国民が、特に地方の国民が ICTを活用 して経済力を付けることである。ITを活用して生活が便利になり、良い就職先を見つける ことができるようになった。」と述べた。本プロジェクトは、2 014年のビル& メリンダゲイ ツ財団のベスト地方 ITプロジェクト賞を受賞した。また、政府統計局は、本プロジェクト が大きな機動力となって ICTリテラーシが向上したと報告した。(DailyNews 2014/12/ 24 Vol.313) 【注】テレセンタとは、通信が普及していない地域で、人々が情報にアクセスできるよう に情報通信端末が設置された施設。 ◆[IT政策/I Tインフラ:3月末までに、全国 2 60ヵ所で無料 WiFi始動] 外務兼通信【注】副大臣の AjithP .Perer a氏は、「大統領選挙時のマニフェストを実現 すべく、3月末までに全国 260ヵ所に、90日以内に全国 1,00 0ヵ所以上に無料 WiFi設備 を提供する。インターネットは、もはや贅沢ではなく、水、電気、ガスと同じようなライ フラインである。政府は、多くの Wi-F i設備を迅速に提供していくことを決定した。」と I CT エージェンシー(I CTA)での記者会見で述べた。さらに「WiFi設備の提供は、現政権のデ ジタル・イニシアティブの始まりにすぎず、今後主要都市に W i-Fiスポットを設置してい く。」と述べた。外務兼通信大臣の Man galaS amaraw eera氏は、全ての通信事業者がこの事 55 業に参画し、デジタル時代への適応を図る必要があると呼びかけている。 ICTAの CE Oである Canagey氏は、 「全通信事業者と協力してこのような野心的で大規模な プロジェクトを短期間に実施するのは、ICTAの夢である。相互運用性など技術的な課題は 多くあるが、選挙の公約以上のことができそうだとみな前向きである。 」と述べた。(Dai ly News 2015/ 03/05 V ol.315) 【注】1月の大統領選挙による政権交代により、前政権の通信情報技術省(ICT Aは通信情 報技術省の管轄下にあった。 )は解体し、通信・情報技術分野は調整中として外務大臣が管 轄している。(TheSu ndayTim es 2015 /01/25) 【情報化機関】 ◆[情報化機関/国際連携:スリランカから UNES CAPの ICT委員会 副委員長に] 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP )の I CT委員会副委員長にスリランカ ICT庁 (ICTA)の CEOである ReshanDewapur a氏が満場一致で選出された。最初の IC T委員会は運 輸委員会 とのジョイントで開催され、アジア情報スーパーハイウェイを実施するためにア ジア輸送ネットワーク(鉄道や高速道路ネットワーク)を利用するという決議が採択され た。(DailyF T 2014/ 10/22 V ol.311) ◆[情報化機関:ICT庁の CEO交代] 1月 9日に発足した新政権において、I CT庁の CE Oに、スリランカで IT、衛星通信、放送 産業の分野で 20年のキャリアを持つ実業家 Muh unth anCanage y氏が就任する。同氏は、ス リランカで開発したソフトウェアアプリケーションの製品化と国際市場における戦略的な 競争力強化で成功してきた。MangalaSamaraw eera外務大臣が 1月後半にインドやブリュッ セルを訪問する前には、スリランカの ICTビジョンの実施と強化に関して Ca nagey氏と徹 底的に討論がなされたと言う。(DailyFT 201 5/01 /30 Vol.31 4) ◆[情報化機関:ICTエージェンシー役員交代] ICTエージェンシー(IC TA)は 2月 9日に新しい役員人事を発表した。会長には、ICT A で e-Society事業を 9年間主導した Chitran ganieMubarak氏、CEOには、IT、衛星通信、 放送産業分野の実業家 Mu hunthanCanagey氏、さらに 5名の新理事が任命された。現職の CEOである R eshanDewarpur a氏は 2月末で 1 2年間の任期を終了し、3月より新体制に引き 継ぐ。 「新体制では、IT人材の能力開発、グッド・ガバナンスを目的としたオープンデータ や政府の透明化事業、さらに民間部門の強化に重点を置く。」と新 CEOとなる Ca nagey氏は 述べた。(ce ylontoda y 2015/ 02/10 V ol.315) 56 【国際連携】 ◆[国際連携:JETRO 、スリランカ IT産業ミッションを日本へ招待] 日本貿易振興機構コロンボ事務所(JE TROコロンボ)は、「スリランカの様々な産業の中か ら ICTと BPO分野に開発支援を行うことを決め、20 15年の 2~3月に IT産業ミッションを 東京に招へいし、ビジネスマッチングや B2Bの商談会を開催する予定である。」と商工省の R.Bathiud een大臣に伝えた。JETROコロンボでは、最近、日本市場への進出を求めるスリ ランカの企業からの問合せと日本企業からもスリランカ IT企業への関心や問合せを受けて いるという。(DailyNews 20 14/09/18 Vol.3 10) ◆[国際連携:地デジ化を対象とした円借款契約で日本と調印] スリランカ財政計画省と日本国際協力機構(JICA )は、スリランカの地上テレビ放送デジ タル化事業を対象とした 173億 9,600万ルピー( 137億 1,700万円)の円借款契約に調印した。 同国では、地デジ化に日本方式の ISD B-Tシステムを採用することで、テレビ放送の高度化 だけでなく、周波数を有効に利用することができ、携帯電話や端末の受信品質の向上、多 様な情報(防災警報、道路交通情報、気象情報、教育や医療情報などを含む)提供や通信 コスト低減が可能となる。(Da ilyNews 2014/ 09/2 5 Vol.310) ◆[情報化機関/国際連携:スリランカから UNES CAPの ICT委員会 副委員長に] 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP )の I CT委員会副委員長にスリランカ ICT庁 (ICTA)の CEOである ReshanDewapur a氏が満場一致で選出された。最初の IC T委員会は運 輸委員会 とのジョイントで開催され、アジア情報スーパーハイウェイを実施するためにア ジア輸送ネットワーク(鉄道や高速道路ネットワーク)を利用するという決議が採択され た。(DailyF T 2014/ 10/22 V ol.311) 【市場動向】 ◆[市場動向:SLASSC OM、IT-B PM産業レビューを報告] ス リ ラ ン カ ソ フ ト ウ ェ ア サ ー ビ ス 産 業 協 会 (SL ASSCOM )が 初 め て ま と め た IT-BPM(Busi nessPro cessMana gement) 産業レビューによれば、IT-BP M産業の輸出高は、20 07 年の 2億 1, 300万米ドルから 248%増加して 20 13年は 7億 2,00 0万米ドルになった。IT-BP M 産業の従業員数は 20 07年の 3万 3,70 0人から 123%増加して 7万 5,100人になった。IT-BP M 産業の企業数は、200 7年の 17 1社から 201 3年は 22 5社に増加した。I T-BPM産業のアウト ソーシング先としてスリランカが占める地位は、ATKearnyの調査で 25位、Gartnerでは 30位となった。(Dai lyFT 20 14/07/25 Vol.30 8) 57 【企業動向】 ◆[企業動向:Microso ft、ICT庁と MOU締結] Microsftスリランカは、I CT庁(ICT A)と MOUを締結した。両者は IT分野における広範囲 な関係強化を図り、様々なプロジェクトや活動を推進する。特に、モバイルアプリケーシ ョン、ソフトウェア開発プロセスの改善とテスティング、デジタル著作権管理、サイバー セキュリティ、サイバースレットインテリジェンスセキュリティ、コンピュータ法科学、 経営・会計・情報処理システムに焦点を当てる。(D ailyFT 201 4/09/30 Vol.310 ) 【IT振興】 ◆[IT振興:SMARTS riLankaビジョンを重点に] LalithWee ratunga大統領秘書官が I CT庁(ICTA )を訪問し、新しい政府の I CT戦略“SMA RT SriLanka ”にもっと重点的に取り組むよう要請した。大統領秘書官は、今までの 8年間に ICTAが e-Sr i Lankaビジョンで果たした情報化への多大な貢献を評価するとともに、 MahindaRaj apaks a大統領の新ビジョン“SMA RTSr iLanka”の必要性と重要性を強調し、 ICTAが次の I CT開発イニシアチブの原動力となって最適化を果たすよう要請し、そのため に最大の支援をすると強調した。(Dail yNews 201 4/03/25 Vo l.304) ◆[IT振興:スリランカの ITBPM産業、欧州で評価] スリランカの IT-B PM(Busi nessProces sManagem ent)産業は、過去 5年間の業績が認め られ、欧州アウトソーシング協会(E OA)による Off shoringDest inationoftheYe arAward の候補にノミネートされた。スリランカの ITBPM産業は、欧州では特にパッケージソフト ウェア開発と財務会計の分野で強く、Informat ics 、hSenid、JohnKeel ls、DMSなど 30 0社 を超えるスリランカ企業が厳しい競争下で活躍している。 すでに英国では、スリランカは 2013年に Nat iona lAssociationf orOutsou rcing(NO A) による Off shoringDestinat ionoft heYea rを受賞している。(DailyNews 20 14/04/24 Vol.305) ◆[IT振興:コロンボ市内にナレッジパークを建設] 政府は推定 700万米ドルを投じ、知識産業を育成するためにコロンボの Marada na地区に ナレッジパークの建設を進めていて、2 014年末には完成する見込みである。ナレッジパー クには、電子、ソフトウェア、ビジネスプロセスアウトソーシング、ファッションデザイ ン、医薬の企業が入る予定である。スリランカをアジアのナレッジハブにするという大統 領ビジョンを実現するために、政府は 2016年までに情報産業で 10億米ドルの売上を上げ ることを目指している。(Dail yFT 201 4/08/07 Vo l.308) 58 ◆[IT振興/電子政府:e-Lib raryNen asalaプログラム、ビル& メリンダ・ゲイツ財団より 受賞] スリランカの e-L ibraryN enasal aプログラム(e LNP)は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の 2014年の Acce sstoLe arningAwardを受賞した。8月 1 8日にフランスのリヨンで授賞式 が開催され、ICTA gencyに 100万米ドルの賞金が授与された。e LNPは、行政サービスが行 き届いていない地方の国民にコンピュータやインターネットへのアクセスを提供する推進 力となった点が評価された。政府は、デジタルリテラシや経済開発を向上させる手段とし て、eNLPプログラムを始めた。e NLPのテレセンタは Nenasalaと呼ばれ、スリランカのコ ンピュータ利用率を 2004年の 1 0%から今日の約 40 %に増加させた。地方のセンタは、寺、 モスク、教会などの宗教施設内にコミュニティセンタとして設置され、コンピュータやイ ンターネットの利用を無料とし、住民がテクノロジを容易に受け入れやすい環境とした。 (DailyFT 2 014/08/2 0 Vol.3 09) ◆[IT振興:ICT輸出額、201 5年内に 1 0億米ドルに達する見込み] (一社)情報サービス産業協会(JISA )、日本貿易振興機構コロンボ事務所との協力により 3月 10日に開催した ICTセミナで、産業商業大臣 R ishadBathiu deen氏は、「スリランカの ICT産業の輸出額は、計画よりも早く 201 5年内に 10億米ドルを達成する見込みである。2022 年までに 50億米ドル達成を目標とする。日本と協力することで、この目標達成がより実現 性のあるものになる。 」と述べた。スリランカの IC T輸出額は 201 3年で 7億 2,00 0万米ド ル、2014年で 8億 1,500万米ドルであった。セミナでは JISAより日本の ITサービス産業 の概要が紹介され、両国でのジョイントベンチャやアウトソーシングビジネスへの期待が 示された。「来る 5月に東京で開催される JapanITWeek、10月に東京で開催されるビジネ スマッチングイベントに、スリランカ輸出振興庁(EDB)が主導して IC T産業界からミッシ ョンを送る予定である。」と産業商業大臣は述べた。(DailyFT 2015/03 /11 Vol .315) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:Mob itel、情報セキュリティマネジメント国際規格に適合] 国営の携帯電話会社 Mobit elは、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格で ある ISO27001:20 05を取得した。MOBITE Lの CEOである Ru basingh e氏は、 「ISO認証のた めに、情報セキュリティマネジメントシステムを開発し、主要な ITプロセスとセキュリテ ィポリシを見直した。手続きは ISOの規定に沿って文書化し、運営管理されている。I SO認 証を得たことで、スリランカの主要企業として競争力を強化できると確信している。」と述 べた。Mobit elは KPM Gからコンサルタントを受けドイツに本社を置く第三者認証機関であ るテュフズードから認証を受けた。(Da ilyFT 2014 /07/30 Vol .308) 59 ◆[ITインフラ:SLT 、100G超高速ナショナルバックボーンネットワーク導入] 元国営通信事業者 SriLa nkaTele com(SLT) は、国内で初めて超高速の高密度波長分割多 重方式(DW DM)による光ファイバーバックボーン伝送ネットワークをスリランカに導入する。 Huaweiが戦略的パートナとなり、ナショナルバックボーンネットワーク(NB N)を OTN-b ased 100GDWDMソリューションで構築する。政府は、「20 16年までに GDPが 1, 000億米ドル、一 人当たり国民所得を 4,000米ドルに達成する。 」という目標を掲げており、そのためには多 目的に利用できる IC Tプラットフォームが重要であるため NBNの強化を進める。( DailyFT 2014/11/04 Vol.311 ) ◆[IT政策/I Tインフラ:3月末までに、全国 2 60ヵ所で無料 WiFi始動] 外務兼通信【注】副大臣の AjithP .Perer a氏は、「大統領選挙時のマニフェストを実現 すべく、3月末までに全国 260ヵ所に、90日以内に全国 1,00 0ヵ所以上に無料 WiFi設備 を提供する。インターネットは、もはや贅沢ではなく、水、電気、ガスと同じようなライ フラインである。政府は、多くの Wi-F i設備を迅速に提供していくことを決定した。」と I CT エージェンシー(I CTA)での記者会見で述べた。さらに「WiFi設備の提供は、現政権のデ ジタル・イニシアティブの始まりにすぎず、今後主要都市に W i-Fiスポットを設置してい く。」と述べた。外務兼通信大臣の Man galaS amaraw eera氏は、全ての通信事業者がこの事 業に参画し、デジタル時代への適応を図る必要があると呼びかけている。 ICTAの CE Oである Canagey氏は、 「全通信事業者と協力してこのような野心的で大規模な プロジェクトを短期間に実施するのは、ICTAの夢である。相互運用性など技術的な課題は 多くあるが、選挙の公約以上のことができそうだとみな前向きである。 」と述べた。(Dai ly News 2015/ 03/05 V ol.315) 【注】1月の大統領選挙による政権交代により、前政権の通信情報技術省(ICT Aは通信情 報技術省の管轄下にあった。 )は解体し、通信・情報技術分野は調整中として外務大臣が管 轄している。(TheSu ndayTim es 2015 /01/25) 【電子政府】 ◆[電子政府:国連電子政府ランキングで 74位に上昇] 国連は 2 014年 6月に電子政府の世界ランキングを発表した。同ランキングは国連加盟 1 93 ヵ国を対象に調査を実施し、スリランカは前回 2012年の 115位から一気に順位を上げて 74 位になった。スリランカ政府は、オンラインポータルを開設して、国民向けサービスを 51 件、ビジネス向けサービスを 51件、非居住者向けサービスを 10件提供した。ポータルで は、携帯電話や SM Sサービスを活用し、様々な手段で行政サービスを活用できるよう工夫 された点が評価された。(ICTA 2014/0 6/27 V ol.3 07) 60 ◆[IT振興/電子政府:e-Lib raryNen asalaプログラム、ビル& メリンダ・ゲイツ財団より 受賞] スリランカの e-L ibraryN enasal aプログラム(e LNP)は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の 2014年の Acce sstoLe arningAwardを受賞した。8月 1 8日にフランスのリヨンで授賞式 が開催され、ICTA gencyに 100万米ドルの賞金が授与された。e LNPは、行政サービスが行 き届いていない地方の国民にコンピュータやインターネットへのアクセスを提供する推進 力となった点が評価された。政府は、デジタルリテラシや経済開発を向上させる手段とし て、eNLPプログラムを始めた。e NLPのテレセンタは Nenasalaと呼ばれ、スリランカのコ ンピュータ利用率を 2004年の 1 0%から今日の約 40 %に増加させた。地方のセンタは、寺、 モスク、教会などの宗教施設内にコミュニティセンタとして設置され、コンピュータやイ ンターネットの利用を無料とし、住民がテクノロジを容易に受け入れやすい環境とした。 (DailyFT 2 014/08/2 0 Vol.3 09) 【セキュリティ】 ◆[セキュリティ:中国とスリランカの CERT/C Cが M OU締結] 中国の N ationalCompute rNetwor kEmerge ncyR esponseTec hnicalT eamCoor dination Centre(CNCE RT/CC)と ス リ ラ ン カ の Compute r Eme rgency Read iness T eam/Coor dination Centre(SriLankaCERT/CC) は、両国のサイバーセキュリティ確保のために協力することを 同意し、スリランカ I CT庁(I CTA)において覚書に署名した。 (IC TA 2014 /10/16 Vol.311) タイ 【IT政策】 ◆[IT政策:国家放送通信委員会(NBTC)はテレビ放送周波数帯へデジタル・ラジオ周波数 帯域をも割り当て] 国家放送通信委員会(NBTC )の会長である M rCo lNateeSuk onratは、今年末に現状の テレビ放送周波数帯へデジタル・ラジオ周波数帯域をも割り当てる方針を発表。また、並 行しアナログ・テレビからデジタル・ラジオへの切り替えも推進する方向。 一方、同局はテレビのデジタル化が 2 -3年以内に進み同時にタイの民家全体の 80 %がネット ワークでカバーできる見込みを伝えた。 さらに、国営の放送業者である首相府広報局(PRD) 、タイ・マスコミ公団(MCOT )、ロイヤ ル・タイ・アーミー(RTM)はテレビ放送業者に指名されデジタル・ラジオのオペレータの 資格も与えられる可能性がある。(Bang kokP ost2 01 4/3/04 Vol .304)(1バーツ=3.2円、 2014/4/02時点) 61 ◆[IT政策:タイ政府は交通安全の改善にモバイルの活用を推進] MST(Mini stryofScienceandTech nology科学技術省)傘下にある NECTEC (Nationa l ElectronicsandCom puterTe chnologyCenter 国家電子・コンピュータ技術センター ) は、交通事故の低減を目指したモバイルサービスを開始した。 NECTE Cによると、タイは世界で 2番目に交通事故の多い国である。 提供されるサービ スは、現在 iOSと Andr oidに対応しており、自動車、他公共交通の安全運転を支援するも のである。フリーソフトである「SafeMate」は、運転手の運転習慣などを加速度センサで 捉えスマートフォン経由でリアルタイム把握し分析を行う。また、急ブレーキ、急ハンド ルなど危険行為をした場合は運転手にアラームを通知する。さらに、危険と思われる運転 習慣を運転終了後に伝えるなど以降の運転改善につながる情報も提供する。(AsiaPacif ic futureGOV2 014/05/0 7 Vol.3 06) ◆[IT政策:政府系通信業者の TOTと C ATの合併計画の検討再開] 軍事クデータ後タイ全権を掌握した NC PO(Nati onalCouncilforP eacea ndOrd er国家平 和秩序維持評議会)において TOTと CATの合併計画の検討を再開する旨、情報通信技術省 の事務次官 M r.Surac haiSri sarakamは伝えた。本件は、タクシン政権の時代からから数え て過去2度も議題に上がっていたが、複雑な法律問題の関係で頓挫してきた。また、当時、 TOTと CA Tの 2社は持ち株会社を設立してから両社のネットワークなどを併合しようと検討 されていた。 TOT社長の Mr.Yongy uthWatt anashinは、本件の検討再開にはいいタイミングとしながらも、 一方で課題として①両社の資産および負債の評価、②従業員数の差などを指摘した。TOTは、 2Gで 1万 2,000の基地、3Gで 5 ,200の基地、また、伝送・ケーブルなど国内に 30万拠点 を保有している。 加えて、同氏は TOTと CA Tはモバイルの利権時期にも差があり、CA Tの保有する利権はすで に期限切れとみている。(Bang kokPost2014/0 6/02 Vol.306) ◆[IT政策:モバイルの膨大なローミング費用(1,4 00万バーツ)請求に対するクレーム対 処に NBTCは、各通信事業者へ状況調査と対策指示] NBTC(国家放送通信委員会) の事務局長 M rTakornTantasithによれば 1,400万バーツの ローミング費用の請求を受けたビジネスマンから告訴されたとの事実が伝えられた。同ビ ジネスマンが海外出張中に自身のスマートフォンが使えないために何度かボタンを押した のが背景としても伝えられている。 さらに、これを受けて MrTak ornTantas ithは、D TAC、TrueMov e等主要モバイル事業者 社に対して上記ビジネスマンのローミング状況につき精査するよう指示を出した。加えて、 同氏は Goo gleplayStoreの代表者と各モバイル事業者と会談し携帯電話のコンテンツお よびアプリ使用に際して上限金額を 1 ,000バーツに設定、また最初にアプリのダウンロー 62 ドを行った際には適切なアラームをショートメッセージで促すなど対応計画につき議論し た。(Bangko kPost2 014/06/2 5 Vol.3 07)(1タイバーツ=3.1 4円、 2 014/06/2 5時点) ◆[IT振興/I T政策:首都圏水道公社が近郊県の水道関連データ共有および活用] 首都圏水道公社(MWAMetro politanWaterAutho rity)は、各部門で保有しているデー タを 5年以内に中央システムに統合する内容を伝えた。対象とされる領域は、顧客情報、 漏水システムおよび水道インフラ設備の遠隔管理システム等となる見込み。また、MWAの水 道管情報システム部門の上級エンジニアの MrPhakp oomPirach aiは、新システムへは携帯 端末などを経由してアクセスできるようになるべきだとも語った。 また、MWAは G IS (地理情報システム)の活用を過去 1 0年間調査してきており、約 1億 4,700 万バーツ投じバンコクおよび近郊 2県で 3万 1, 00 0キロメートルに渡る水道管の管理改善 を進めてきた。従来、手作業で対応してきた業務が、GISを活用する事により 1 0日間短縮 できるようになった。 (ASIAP ACIFICf utureGO V20 14/07/23 V ol.308)(1タイバーツ= 3.18円、 20 14/07/2 3時点) ◆[IT政策:情報通信大臣と科学技術大臣が方針演説を実施] 9月 15日に情報通信大臣の P ornchaiRujiprap a氏と科学技術大臣の Pi chetDur ongkaver oj 氏がそれぞれ暫定政権入閣後初めての方針演説を行った。 情報通信大臣の PornchaiRujipr apa氏は、コンピュータおよび eCommerceに関する法規 の改定、TOTと C ATの 2つの国営通信企業の財務体質の改善につき述べた。共同委員会を発 足させ 2か月以内に双方の重複領域の整理と通信周波帯域の明確化などが織り込まれてい る。また、最後に 20 14年度予算の 50億バーツの活用促進についても付け加えた。 一方、科学技術大臣の PichetDuron gkaveroj氏は科学技術による国力強化に向けての 3ヶ 月を目途とした「短期計画」、約 1年を目途とした「中期計画」、10年以内を目途とした「長 期計画」のそれぞれの実行計画について述べた。「短期計画」では調査・開発関連プロジェ クトの税金還付を増やすこと。また、中小企業への科学技術の適用支援を行う。 「中期計画」 では、民間企業が政府主導の R&Dプロジェクトの恩恵を受けやすくなる様に法の整備と科 学、技術、エンジニアリング、数学の教育の改革を進める。「長期計画」は、国家が科学、 技術、イノベーションで先導される社会の実現をめざして民間企業も含めて R& Dの投資の 拡大である。目標は、第 11次国家経済社会開発計画(2012-2016)における R&D比率 1% (対 GDP)、金額では約 1,30 0億バーツを第 12次国家経済社会開発計画(201 7-2021)で 2%まで 伸ばし、かつ政府と民間の配分比率も 30:70を目指すことである。(TheNation2 014/09/1 6 Vol.310)(1タイバーツ=3.3 2円、 20 14/09/1 6時点) ◆[IT政策:NBCT(国家放送通信委員会)と MI CT(情報通信技術省)の役割分担明確化] 政府は、デジタル・エコノミー社会の実現にむけて来年早々に NBCT(国家通信委員会)と 63 ICT (情報通信技術省)の役割分担の明確化を行う予定である。NBCT長官の Tak ornTanta sith 氏によれば、両組織で重複した業務がデジタル・エコノミー社会実現への時間的障害にな ると見ており、あわせて非実践的な法規の改定にも着手する予定であると語った。 (Bangk ok Post2014/0 9/23 Vo l.310) ◆[IT政策:DigitalEconomyに向けて情報通信技術省で活動計画の着手] 情報通信技術(MICT )大臣の PornchaiRujip rapa氏は、公共セクター開発委員会に対して 「DigitalEcon omyOf fice」の設置および活動計画を作成するように指示をした。また、 当初 DigitalEconom yOffic eへは国家電子・コンピュータ技術センター(NECTE C)に対し 20名の要員派遣を要請し MIC Tのメンバと連携し活動していくと伝えた。 一方、副首相の Prid iyathornDevaku la氏は 2 014年末までに D igitalEconomy法案を国家 立法議会へ提出し、関連省庁から専門家を招集する予定であると伝えた。また、草案は① MICTの権限強化、②国家ブロードバンドの推進、③ハッカー対策の法強化、④ソフトウェ 並びにハードウェアの開発力強化、⑤企業の強化に必要なアクションプランの策定などの 方針を伝えた。(Thenation2 014/10/1 6 Vol. 311) ◆[電子商取引/IT政策:電子商取引の苦情対応の簡素化に向けて] 商務省事業開発局(DBD Department of Bu sinessDevelopment )は E -Commerce連盟と Webmaster s連盟と連携し電子商取引に関する法整備およびトラブルへの対応を推進する。 DBD長官の Po ngpunGe araviriy apun氏は昨日すべての電子商取引業者に対して法規に従い 営業免許を取得するように命じた。また、DBDが付与した営業免許を保持する事により市場 からの信用を得ることができると加えた。 DBDは、政府の推進する Digit alEco nomy政策の影響もあり今後電子商取引は年率 20%成長 とみており、業者と買物客との間のトラブル解決に必要な苦情処理センターも商務省内に 開設した。(TheNati ons2014 /10/23 Vol.311 ) ◆[IT政策:国家電子・コンピュータ技術センタが経済発展に向け活動強化] 国家電子・コンピュータ技術センタ(N ECTEC)の理事長である Sarun Sumridd etchkajo rn 氏は、企業の製品ならびにサービスの付加価値を高め競争力を強化するために役立つ調 査・分析に注力すると語った。また、目標として同国を中進国の罠から早急に脱出するた めの技術支援だとつけ加えた。NECTECは、今年度政府から調査関連で 1億 5, 000万バーツ の予算を確保している。 特に注力する分野として、①食品と農業、②サービス業、③製造業、④エネルギーと環境、 ⑤地方と貧困層の国民、⑥ヘルスケアと医薬、⑦サイバーセキュリティを含む国家安全保 障の 7つの分野である事も明らかにした。(Bangk okPost2014/ 11/07 V ol.312)(1タイ バーツ=3.4 9円、 2 014/11/0 7日時点) 64 ◆[IT政策:DigitalEconomyに向けてドラフト作成に拍車がかかる] 情報通信技術省(MICT)は「Data -drivenbusinessculture」を目指す Di gitalEc onomy のドラフトのガイドラインを公表した。MICT大臣の PornchaiRuj iprapa氏は、2017年ま でにインターネット利用者を現在の 2倍の 4,00 0万人へ伸ばし、ICT関連のビジネス規模を 1兆 3,000億バーツに拡大すると述べた。 また、政府は 2015年に MIC Tを D igitalE conomy省へと名称変更し同省大臣は新たに Digit al Economy推進部門を設立し主要産業の強化推進および官民連携による経済的シナジー効果 を推進する。上記実現に向けて、内閣府の傘下に Na tionalDat aCente rを設置し政府およ び民間へのサービスを行う事になり、今後は電子商取引開発庁(ET DA)も重要な役割を担 う事になる。 同ワーキンググループの責任者である副大臣の Pridyathorn De vakula氏は、Digita l Economy 実 現 に 向 け て ① H ard infra structure、 ② Soft Infrast ructure、 ③ S ervice Infrastruct ure、④DigitalE conomyP romotion 、⑤DigitalEcon omy、⑥DigitalKnowledg e の 6つの柱が重要な役割を担うことになると伝えた。(BangkokPost20 14/11/21 Vol.31 2) (1タイバーツ=3.6円、 201 4/11/21日時点) ◆[IT政策:政府は D igitalE conomyに関する草案を承認] 首相府報道官の Mr.Y ongyuthMa yalarpは、16日に N ationalCommi tteeofDig italEcon omy andSocietyの設置法案および Di gitalEcono my省設立に向けて情報通信技術省(MICT)の 再構築案を承認したと伝えた。前者は、首相主導のもと副首相が主に経済関連の分野の補 佐を行い、Dig ital Eco nomy国家実現に向けての方針・目標を策定する。後者は新たに DigitalEconom y省へと改名し Di gitalEcono myの具体化・実現に向けた役割を担い、首相 府、大臣官房、Digit alEcono my庁、気象庁、国家統計局を統括することになる。 また、上記発表とあわせて財務大臣は中堅・中小企業の支援策として約 250億バーツ相当 のベンチャ―キャピタルの設置を承認したと述べた。 さらに、国家企業政策委員会(StateE nterpri seP olicyCommi ssion)は TOT 、CAT、タイ 開発銀行およびタイ・イスラム銀行の再建計画見直し予定があると伝えた。(TheNatio n 2014/12/17 Vol.313 )(1タイバーツ=3.55円、 2 014/12/17日時点) ◆[IT政策/ 電子商取引:財務省歳入局が電子商取引業者への課税に対する見解表明] 財務省歳入局の長官 Mr.Praso ngPoo ntaneatは、電子商取引ビジネスに携わる約 50万社に 対し税金の適切な支払いを命じた。最近の電子商取引の増加に伴い、約 5万社が税金規定 およびシステムを適切に遵守できてない状況にある。(BangkokPost20 14/12/18 Vol.31 3) ◆[IT政策:電子政府庁は早期に約 7 00の政府系システムのクラウドコンピューティング化 65 を目指す] 電子政府庁(EGA)長官の Mr. SakSe gkhoonth odは、すでに対応済の政府系のシステムを含 めて合計で 700システムを今年度中にクラウドコンピューティング化を目指すと述べた。 また、現在は社会保障庁、国民医療保障局、地方行政局のみでしか導入が進んでない国民 からの申請および問い合わせ業務の電子化に触れ、今後の利用拡大を強力に推進して行く 方針を伝えた。 さらに、同氏はソフトウェア産業庁(SIPA)、ソフトウェパークと協力し政府および公共機 関向けのアプリケーション開発に於いて民間のソフトウェア開発企業の活用・育成をめざ していくことも述べた。(TheNation2 015/02/ 04 Vol.315) ◆[IT政策:SmartT hailandプロジェクトは A SEAN経済共同体も視野] 情報通信技術省は、I T活用による国力の強化と A SE AN経済共同体への準備に向けて Sm art Thailand構想の具現化を進めている。Smart Thai landは国家 IT政策フレームである 「ICT2020」の一部であり、IC Tインフラの整備をめざす Sma rtNetwo rkおよび政府サービ ス強化をめざす Smar tGover nmentに支えられている。今回、さらに実践的な検証として内 務省と協力し SmartCityプロジェクトを立上げ、住民のインターネットの活用、同じく接 続する端末などの様々な要望の調査・実現に向けての活動を行う。 また、情報通信大臣の Mr. PornchaiRujipra paは、SmartThail andがめざすのは地方の教 育機関や企業などの啓蒙教化により国力を向上させ近隣諸国との連携と競争に対応すると ともに、一方で IC Tの利用コストを下げることにより国民の生活水準を向上させることだ と述べた。なお、Sma rtNetwo rkへの投資額は約 80 0億バーツが見込まれる。 (TheNat ion 2015/02/28 Vol.315 )(1タイバーツ=3.67円、 2 015/02/28日時点) ◆[IT政策/ 国際連携:政府はデータセンタ投資に対して優遇策を提示予定] DigitalEco nomy関連の政府委員会アドバイザーである Mr. DjittLa owattan aは、 「政府は 2015年中に少なくとも 40のデータセンタの立上げ計画があり、内外の投資先に対して税の 優遇策を提示する。また、投資額としては 300億バーツを見込んでいる。 」と述べた。この 政府方針と連携しタイ投資委員会(Boa rdOfInves tment)は、外資に対してデータセンタ 投資に伴う税優遇計画作成に着手している。 また、Mr.Dj ittLaowatt anaはデータセンタビジネスは DigitalEc onomyの実現および拡大 に必要不可欠であり、企業、政府機関へのニーズに対応すべく付加価値の高いサービスを 提供していくと述べた。 通信事業者の TOT、C ATも現在のデータセンタのサービスを財務省、国防省向けへシフトし ていく方針である。 (T heNatio n2015/03 /04 Vo l.31 5) (1タイバーツ=3. 59円、2015/03/ 04 日時点) 66 【法制度】 ◆[法制度:DTACは F acebookへの接続の制限指示を受け入れ] タイの通信事業者 DT ACは、軍事政権の命令に従い「通信規制に対する苦情が書き込まれて いる Faceboo kへの接続制限指示」を受け入れた。また、DTACの大口株主である Tele nor社 アジア法人 V icePr esidentも同指示を了承した。これにより、NBTC(国家放送通信委員会) は Facebookへの接続を制限した。(Cel lularn ews2014/06/11 Vol.307 ) 【情報化機関】 ◆[情報化機関:ソフトウェア産業振興庁は、組織変更により役割も拡大] ソフトウェア産業振興庁(SiP A)は、2 015年 4月から情報通信技術省の組織再編成にあわ せて Digit alEcono my推進庁へと名称変更される。それに伴い、従来のソフトウェア開発 の推進のみならず関連するハードウェア、電子機器の革新的技術の開発および同国の知的 財産権の強化促進などの役割が拡大される。 SiPAの副長官である M r.Suwimo lTaewas ilchaku lによると、新体制に向けて要員を現在の 3倍となる 30 0名へ増員する計画とともに、主に国家科学技術開発庁(NST DA Nationa l ScienceandTechno logyDev elopmen tAgency )から異動させる。また、2015年度予算の 2 億 8,500バーツの中から中小・中堅企業向け基幹業務サービスとして 2,800万バーツを割 り当てるとのこと。 (Bang kok P ost2015/01/ 16 Vol.31 4)(1タイバーツ=3.57円、 2015/01/16日時点) 【国際連携】 ◆[国際連携:ITベンダ、周辺国へのビジネス展開] IDCの発表によるとタイの今年の IT需要は US$22.3B(対前年比+6.8%)で昨年の US$22.4B(対前年比+7 .2%)に比べ低下している模様。 これに対して、タイ ICT産業連盟(A TCIAs socia tionofThaiI CTInd ustry)の Adirak Patitus会長は、 「タイの産業、特にテレコムと銀行は政府の混乱による不安から IT投資を 控えている一方、それを相殺すべく I Tベンダはミャンマー、インドネシア等に新市場へ向 けての活動と合わせて2015年に動き始める ASEA NEconomicCommun ityに向けたビジネ スが活性化している。 」旨伝えた。 ATCIは、関連メンバでミャンマー、ラオス、カンボジアそしてベトナムへのビジネス活 動も推進しており、特にミャンマーは3Gサービスの拡大に伴いテレコムおよび I Tのビジ ネスが拡大してくるとみている。これに伴い、ATCIはミャンマーの MCIA (MyanmarComputer IndustryAs sociati on)、MCF (MyanmarComput erFe reration)等とも正式に連携をしている 67 模様。(Bang kokPost2014/04 /14 Vol .305) ◆[ITインフラ/国際連携:NCP0 (国家平和秩序評議会)は海底ケーブルへの投資 59 ,7億バ ーツを承認] NCPO(Nat ionalCouncilforP eacean dOrde r 国家平和秩序評議会)スポークスマンの YoungyuthM auyalap氏は 3系統の海底ケーブルへの投資総額 59億 7,000バーツの承認と、 これによるインターネットの性能向上を伝えた。投資内訳は、1.アセアン、アフリカ、欧 州ルートで 14億バーツ、2. 東南アジア、中近東、欧州ルートで 13億バーツ、3.東南アジ ア、日本ルートで 22億 7 ,000バーツである。また、本プロジェクトにより TOT【注】のイ ンターネットの性能が現在の 900ギガビット/ 秒から最終的に 3,700ギガビット/秒に向上 する。さらに、本プロジェクト完遂によりタイの As eanConnec tivityにおける競争力の強 化にも繋がると期待されている。(Bang kokPos t20 14/08/14 V ol.309)(1タイバーツ= 3.19円、 20 14/08/1 4) 【注】タイの主要通信事業者。 ◆[IT政策/ 国際連携:政府はデータセンタ投資に対して優遇策を提示予定] DigitalEco nomy関連の政府委員会アドバイザーである Mr. DjittLa owattan aは、 「政府は 2015年中に少なくとも 40のデータセンタの立上げ計画があり、内外の投資先に対して税の 優遇策を提示する。また、投資額としては 300億バーツを見込んでいる。 」と述べた。この 政府方針と連携しタイ投資委員会(Boa rdOfInves tment)は、外資に対してデータセンタ 投資に伴う税優遇計画作成に着手している。 また、Mr.Dj ittLaowatt anaはデータセンタビジネスは DigitalEc onomyの実現および拡大 に必要不可欠であり、企業、政府機関へのニーズに対応すべく付加価値の高いサービスを 提供していくと述べた。 通信事業者の TOT、C ATも現在のデータセンタのサービスを財務省、国防省向けへシフトし ていく方針である。 (T heNatio n2015/03 /04 Vo l.31 5) (1タイバーツ=3. 59円、2015/03/ 04 日時点) ◆[国際連携:国家科学技術開発庁(NS TDA)と Mic rosoftが連携しイノベーションセンタ 設立] 国家科学技術開発庁(Nation alScien ceandTe chno logyDevelop mentAge ncy)と Microso ft は連携し先端技術を取り込んだ企業家の育成をめざすことで合意した。国家科学技術開発 庁 長官の M r.Thawe esakKoanant akoolは、Digita lEconomy方針を視野に入れ、より創造 的な製品およびサービスを提供する企業の育成をめざすと述べた。また、本 Mi crosoftイ ノベーションセンタは起業を目指す若手エンジニアに同社の製品、サービスを提供するだ けでなくグローバルでの投資家との橋渡しの役割も担う。(Bangk ok Pos t 2015 /02/19 68 Vol.315) 【市場動向】 ◆[市場動向:2014年のコンピュータ市場は、政治的混乱により 5%縮小の見込み] タイのコンピュータ関連メディア AripPlc(ht tp:/ /www.arippl c.com/ )の MrPathomInda rodom(CE O)は、今年のコンピュータ市場は一連の政治的混乱の影響もあ り 5%の縮小が見込まれ、また最悪 2ケタ縮小の可能性と数年にわたる低迷を示唆。昨年の ノートブック PCを含めたコンピュータの売上は 27 0万台で、今年はノートブック PCが 20% 縮小する見込み。 (B angkokP ost2014 /3/06 Vol. 304)(1バーツ=3.2円、2014/ 4/02時 点) ◆[市場動向:2014年第 1四半期のスマートフォン売上げは、携帯電話全体の 50 %超] IDC AsiaPacifi cの MrSat ianpornSuvansup aによれば、2 014年第 1四半期の携帯電 話の売上は昨年同期比で 27% 減であったが、スマートフォンは同 27%伸び、携帯端末全体 の 50%を超えたとの事。また、同氏によれば、スマートフォンの売れ筋は 2,500バーツ前後 の商品で全体の 20 %を稼いでいるとの事。(Th eNa tion2014/0 7/01 Vo l.307)(1タイバ ーツ=3.12円、 201 4/07/01時点) ◆[市場動向:ディザスタ・リカバリサービスは、今後大規模システムでの要求が高まる] タイのシステムインテグレータの YipinTsoi社、CEOの MrSu pakLail ertは、今後自 然災害時および人災時での事業継承(Bu sinessCont inuity)対策について語った。それによ ると、大規模かつミッションクリティカル対応システムが運用されているデータセンタで の優先対応につき強調し、特に対応が必要な業種としては政府、金融機関、天然資源およ び通信等が引き合いに出された。本事業継承サービス市場は昨年で 10億 2,000万バーツで 今後年間 1 0%から 15%で伸びると合わせて伝えた。 (TheNatio n2014/0 7/01 Vo l.307)(1 タイバーツ=3.12円、 2014/ 07/01時点) ◆[市場動向:タイはモバイル広告で世界 9位にランク ] TheBuzzCi tyRepor tによれば、タイはモバイル広告では約 2 0億件のバナー広告を 1,20 0 万人の顧客に対して打っており世界 9位にランクされている。2 014年第 1四半期は、掲載 された広告は 15億 5 ,000万件で前期に比べて 3 0%と大きく伸びた。また、今後スマートフ ォンなどが市場に浸透していくのでさらに拡大すると見られている。コンテンツ別では、 ファッション関連が全体の 23 %、次いで娯楽・ライフスタイルが 21%、ポータルが 6 %でさら にニュース、情報、コミュ二ティがそれぞれ 6%となっている。 (Bangko kPost2 014/07/1 7 Vol.308) (1タイバーツ=3.15円、 2014/0 7/17時点) (1タイバーツ=3.16円、 2014/ 07/17 時点) 69 ◆[市場動向:2014年度のソフトウェア市場の伸びは鈍化傾向] TDRI(ThaiDe velopmen tResearchI nstitute )によれば、2014年の国内ソフトウェアの売 上は対前年比で 8.6% 伸び、49 6億バーツと見込まれ 2013年の 9. 9% に比べわずかながら低下した。 TDRIのリサーチャーの SaowarujRattana khamfu氏によれば、 政府の不安定な状況が続いたために新規投資、従来投資分の停滞が原因とのことである。 また、201 4年の第 1四半期は経済情勢の不安定さもあり民間企業の投資は遅れているが、 年間では上記 496億バーツは確保できるとも伝えた。その内訳は、ソフトウェア製品で 1 17 億バーツ、ソフトウェア関連サービスで 379億バーツとのことである。一方、輸出向け売 上は前年同期比で 17 %伸びて 5 7億バーツとなった。 市場別にみると、政府、自動車、テレコム、観光業の市場が上位を占めた。 また、2014年のソフトウェア業界の従業者は 54,89 6名で職種としてはプログラマー、ビジ ネスアナリストが上位にランクされた。 (Bangk okPo st2014/08/06 Vol.309 )(1タイバー ツ=3.15円、2014/0 8/06時点) ◆[市場動向:iPhone6は 10月 24日発売] 業界の情報によると、Apple社の iPhon e6のタイでの正式発売は 10月 24日になるとの事 である。また、iPhon e6および iPho ne6Plusは Appleonlin eshop、モバイル通信事業 者、代理店経由で 2万 5,000バーツから 3万 7, 300バーツの価格帯で販売される。 (Bangk ok Post2014/0 9/30 Vo l.310)(1タイバーツ=3. 38円、 2014/0 9/30時点) ◆[市場動向:タイ企業のクラウドコンピューティングの導入は道半ば] IT 関 連 の 調 査 、 ト レ ー ニ ン グ な ど の サ ー ビ ス を 提 供 す る IMC Institute (http://ww w.imcins titute.c om/)は 177社の大企業および中堅・中小企業を対象にクラ ウドコンピューティングの導入状況を調査した。 同社 Exe cutiveD irecto rの Th anachartNumnond a氏によると、94%の企業は自社内にサー バを保有しており内 28%のみがプライベートクラウドを活用している。また、29% は将来プ ライベートクラウドの活用を検討しているが 43%は予定なしと答えたとの事である。また、 興味深い傾向として大企業の方がプライベートクラウドの導入比率が高く、中堅・中小企 業は IaaSのようなパブリッククラウドへの関心が高いとも伝えた。 クラウドコンピューティングの提供企業としては、IaaSは Mi crosoftAzure、AmazonW eb service、Saa Sは Mic rosofto ffice36 5、GoogleAppが上位を占めた。 (TheNation2 014/10/0 9 Vol.311) ◆[市場動向:IT投資は、来年度 11%伸長の見込] 調査会社 IDCT hailand代表の Mi chaelAr aneta氏は、2015年度の IT投資はタイ経済の 70 回復により 1 0.6%の伸びで 13 4億米ドルとなり、なかでもモバイル、クラウドコンピューテ ィングなどの分野でより大きな伸びが見込まれると伝えた。 また、今後の I T投資目的は費用削減からビジネス拡大に重点を移していくことになり、 主要な市場としては金融、テレコムと製造業を取り上げた。 さらにスマートフォンについても言及を行い、20 13年の 1,30 0万台、2014年の 1,650万 台から 2015年は 17%の伸びで全携帯端末 3,000万台のうち 1,920万台を占める見込みとの ことである。 (Bangko kPost2 014/11/2 8 Vol. 312 ) 【企業動向】 ◆[企業動向:DellT hailandが直販ビジネスからパートナ連携へシフト] DellThaila ndの Manag ingDir ectorの An othaiWe ttayakor n氏は、同社は、2014年初め からタイでのビジネスモデルの再構築を推進しており従来の直販ビジネスから代理店など パートナを巻き込んだビジネスへ変更予定と伝えた。また、同社売上全体の 90% を占める直 販ビジネスは今後 18か月間で 10%へと減少するとも伝えた。 今後、代理店ビジネスにより、200名から 1,000名規模の 7,000社から 10,000社の顧客を 目標に営業活動を進める模様。また、同社は Andro i d仕様のタブレット端末を 8 00バーツ で販売予定。(Bangko kPost2 014/3/20 Vol.3 04)(1バーツ=3 .2:) ◆[企業動向:CAT社は4Gサービスでのパートナ交渉中] 韓国の通信キャリアの SKテレコムは、CATテレコムと連携し 4 Gのライセンス取得に興味 を示している。一方、CATの社長 Kit tisakSri prase rt氏はビジネスモデル、ライセンス入 札等の条件を顧慮しながら SKテレコムと戦略的な連携を検討する意向である。 また、CAT社長の Kitti sakSrip rasert氏は SK社との交渉を通じ自らもモバイルの卸売ビ ジ ネ ス の 可 能 性 を NBT C( タ イ 国 家 通 信 委 員 会 N ational Broadca sting a nd Telecommuni cationC ommissio n)に打診した模様だが、正式な回答は得てない旨伝えた。 一方、NBTCは、来月には 4Gの入札に向けたドラフト作成を完了する予定。 (BangkokPost 2014/04/17 Vol.305 ) ◆[企業動向/IT人材:Thaico mは教育省と遠隔地教育につき MO U締結] 衛星事業者である Th aico mは、教育省と遠隔地教育につき MO Uを締結した。内容は、 Thaicommが(ボーイスカウト等)スカウト運動 、赤十字社活動、青少年関連等のプロジェ ク ト に て 通 信 衛 星 を 活 用 し た 教 育 機 会 を 提 供 す る と の こ と で あ る 。( Telcom Paper 2014/06/12 Vol.307 ) ◆[企業動向:TrueI nternet社は中堅・中小顧客向けビジネス開拓] 71 TrueInterne t社は十分開拓しきれてない中堅・中小(SME)顧客の開拓に乗り出し 201 4年 度は 30%の売上増を目指す。具体的には、売上 2 0億バーツをめざし大手顧客向けには 20,000 バーツ/月で提供しているインターネット使用料を S ME顧客向けに 1,300バーツ/月で提供 する。この SM E顧客向けサービスは、ADSLで提供され容量は 30M bpsとなる。同社の事業部 長である Vas uKhunV asi氏は、「自社の目標は、首位の CSLox Ino社を追い越して市場シェ アの 20%を取ることである。 」と語った。また、同社はブロードバンドのアップグレードに 2億バーツを投資してきており、主要都市でのブロードバンドの能力向上とカバー地域拡大 が図られている。ブロードバンド市場もスマートデバイスおよびビデオ配信等のニーズに つられて、ここ数年で年率 70 %の伸びを記録している。 さらに、同社は今後の売上げ拡大に向けてクラウドベースの付加価値サービスおよびデジ タルサイネージなどのビジネス領域拡大を予定している。(Bangk ok Pos t 2014 /09/06 Vol.310)(1タイバーツ=3.2 8円、 20 14/09/0 6時点) ◆[企業動向:Micros oftのクラウドコンピューティングサービスは順調に拡大] Microsoft (Thai land)の ク ラ ウ ド お よ び エ ン タ ー プ ラ イ ズ 事 業 部 門 の リ ー ダ で あ る SuchaluckS arananus orn氏は、同社クラウドコンピューティングサービスの A zureは既に 2,600社の顧客があり 2015年は 2桁の伸びが見込めると語った。 同サービスは、IaaSと Pa aS があり 2012年にタイでサービス開始以来 300% の伸びを実現してきた。また、従業員が 5名 から 10名程度の中小企業向けのサービスで、一人につき 10米ドル/月で提供している。 また、同社は Az ureを①オンライン、②代理店、③パートナ企業の 3つのチャネルで提供 している。(TheNati on2014/ 11/13 V ol.312) ◆[企業動向:Intelは早くも IoTの進展を期待し新端末投入] IntelMicroe lectroni cs(Thail and)のカントリーマネージャである SontiyaNujeesen g 氏は、IoT活用による政府業務の効率化、ビジネスの変革および生産性の向上は、政府が推 進している Digi talE conom yに大きく寄与すると述べた。製品例として、同社の「I ntel ComuputeS tick【注】」は既に台湾では 4,900バーツ相当で市場に出回りはじめており、タ イでも来年早々に発売予定である。同製品は、主に自宅での利用とデジタルサイネージ等 との連携によるビジネス用途を目指している。また同氏は、来年以降「IntelComuput e Stick」は DigitalEconomy政策と連動し情報と技術の融合を牽引していくと考えている。 また、調査会社の I DCによれば IoTの世界市場は現在 1兆 9,00 0億米ドルから 20 20年には 7兆 1,000億米ドルで 2,000億個になると見込んでいる。(The Nations 2014/11/19 Vol.312) 【注】Intel社の無画面デバイスで、PC等に差し込むことにより Wi ndows等アプリにアク セスできる。 http//micro soft-new s.com/in tel-is-n ow-sell ingusb-stick-p cs-power ed-by-ba y-trail 72 -cpus-can-r un-windo ws-8/ ◆[企業動向:華為は来年以降もタイ市場での好調なビジネスを期待] 華為は、販売促進のために今年の 3倍となる 4億バーツを投入し市場拡大をはかる。華為 SouthEastAsi a社長の Mr.Thoma sLiuは、政府が推し進める D igitalEc onomy政策と景気 回復によりスマートフォンを含めたスマートデバイス市場の堅調な伸びを見込んでおり 2015年は約 40万台のスマートデバイスの売上げをめざしている。 また、同氏は 2015年に 1万バーツから 1万 5,000バーツの価格帯で 20種類の新製品を投 入し、販路も主要代理店である Jayma rt、TGF one 、PowerBu y等と連携を強化しつつビジ ネス拡大をめざして行くと述べた。(Ba ngkokPost2 014/12/18 Vol.313) (1タイバーツ= 3.55円、 20 14/12/1 8日時点) ◆[企業動向:CATは、新たな事業戦略として e -pay mentを取り込む] CATは、継続的な伸びと利益が見込めるビジネスに向けて事業戦略の転換を推進している。 会長の Mr.ColSan pachaiH uvananda naは、急速な市場の伸びが期待できる電子商取引で の e-paymen t関連ビジネスで 2020年に 1,000億バーツの売上を目指すべく抱負を語った。 あわせて、同社の理事会も事業実現に向けて民間企業との合弁を視野にいれた調査着手に 関し了承した。同氏によれば、流通、物流、金融等向けの e-p aymentを取り込み、投資費 用は少なくとも 2億バーツを予定しているとのことである。(BangkokPost2015/01 /14 Vol.314)(1タイバーツ=3. 57円、 2 015/01/ 14日 時点) 【技術動向】 ◆[技術動向:タイ企業、アセアン統合に向けて新 I T技術導入へ] IMCInstit ute社(ITコンサルタント、調査サービス会社 http ://www.i mcinstit ute.com/ ) によると、タイの企業は ASEA NEconomicComm unityに向けて競争力、効率化を推進すべく 「Mobility」 、 「BigD ataAnaly tics」、 「CloudCo mputi ng」、 「Servi ceOrien tedArchi tecture」 への取り組みが必要との事。また、Gar tner社の T a nachart氏は A PACの国々はこれらの先 端技術に対し積極的な取り組みがなされており、タイは BigD ata関連の取り組み関してシ ンガポール、マレーシアに次ぐ位置だと伝えた。一方、対応できる技術者が現在 1,000名 で 2015年までに 5,000名必要な旨伝えている。IM Cは、それに対し海外の関連機関と連携 し約 2,00 0名の IT技術者を 201 4年中に育成する旨伝えた。( BangkokPost2014/4/0 3 Vol.305) 【IT振興】 73 ◆[IT振興:タイ政府と Micro softは学童 800万人向けクラウドサービスを提供合意] OBEC(Off iceoft heBasicEducati onComm issi on教育革新開発事務局)と Microso ft は、Microso ftoffice3 65forEduc ationを 800万人の生徒と 4 0万人の教師に提供する旨 MOUの締結を行った。 OBECのシニア アドバイザの Mr.AnekRat piyap apornは、OBECの教育パートナー・ス キームを通じ Micros oftとは過去 10年来教育ツール、システムの向上で連携していると語 った。(AsiaPacificfutureG OV2014/ 05/22 Vol. 306) ◆[IT振興/I T政策:首都圏水道公社が近郊県の水道関連データ共有および活用] 首都圏水道公社(MWAMetro politanWaterAutho rity)は、各部門で保有しているデー タを 5年以内に中央システムに統合する内容を伝えた。対象とされる領域は、顧客情報、 漏水システムおよび水道インフラ設備の遠隔管理システム等となる見込み。また、MWAの水 道管情報システム部門の上級エンジニアの MrPhakp oomPirach aiは、新システムへは携帯 端末などを経由してアクセスできるようになるべきだとも語った。 また、MWAは G IS (地理情報システム)の活用を過去 1 0年間調査してきており、約 1億 4,700 万バーツ投じバンコクおよび近郊 2県で 3万 1, 00 0キロメートルに渡る水道管の管理改善 を進めてきた。従来、手作業で対応してきた業務が、GISを活用する事により 1 0日間短縮 できるようになった。 (ASIAP ACIFICf utureGO V20 14/07/23 V ol.308)(1タイバーツ= 3.18円、 20 14/07/2 3時点) ◆[IT振興:ITC業界内での連携強化により IC T事業全体の底上げを高める] ATCI(Associ ationofTha iICTIndust ry)の長官 Ad riakPati us氏は、ICT業界の連携を強 化しエコシステムを構築することにより、国内外での競争力がさらに高まると語った。特 に、ICT関連では ATS (Associ ationo fThaiSoftw areIndustr y)、TSEP A(ThaiSoftwar e ExportPr omotionAssoci ation)がリードし政府および民間企業のニーズを掘り起こし、 同時に業界全体のレベルを引き上げるのが重要だと伝えた。 また、同氏は I Tシステム構成の変化に伴いハードウェ、ソフトウェア、ICTインフラ、ア プリケーション、プロフェショナルサービスなどを司る各団体も再統合が必要だとも伝え た。(TheNa tion201 4/08/26 Vol.309 ) ◆[IT振興:モバイル活用により国土調査の効率化を推進] 財務省にて、実地(フィールド)調査員が 1,0 00台のモバイルを活用し省内のデータベー スにアクセスしリアルタイムでデータの更新を行う実証実検を行っている。具体的には、 調査中の土地の写真を撮るだけでなく GPSを活用し正確な位置などの情報の把握などを行 っており、これにより国土調査の期間が 10分の 1になるとの事である。また、モバイルを 74 活用することにより紙ベースの作業がなくなり、ミスの撲滅にもつながる。 今後、同省は土地調査の作業に対し 100% モバイル端末活用を進めていく予定である。(ASIA PACIFICfut ureGOV2 014/09/0 4 Vol.3 09) ◆[IT振興:DigitalEconomy実現には IT投資が必要] タイ IT連盟(TFIT :Th aiFedera tionofICTTechn ologyAssoci ation)会長の Mr.Vichai Bencharongk ulは、D igitalE conomy実現に向けて当初2年間で( 1)ITインフラ、(2)電子商 取引、(3)人材育成、(4)政府の技術部門の 4領域を中心に 2,000億バーツの投資が必要だ と語った。 一例として、ITインフラ領域ではブロードバンドの整備とインターネット速度を 2020年 までに 100Mb psに向上させる必要がある。 また、同氏は政策実現には政府と民間の強力な連携が必要で、かつ政府のコミットメン トが重要であると加えた。 これらが実現すればタイの IT市場規模は 2兆バーツが見込め、上記内容を含めて副大臣へ 提言すると伝えた。(Bangkok Post 2014/12/11 Vol.313)(1タイバーツ=3.62円、 2014/12/11日時点) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:Tru eMoveは、2014年中に 4Gの加入者 100万人を目指す] 通信キャリアの Tr ueMoveは、2014年中に 4 Gの加入者 100万人を目指すと発表した。現 在、同社では 25万人の加入者が 4Gのサービスを受けている。また同社は、210 0MHz帯の LTEサービスをタイを含む 14地域で開始した。(TheNation201 4/4/18 Vol.305) ◆[ITインフラ:AIS 【注 1】 が携帯ショップなど顧客サービス向上にむけて投資] AISは、携帯ショップ(AI Sショップ)の充実などに 14億バーツを投じて現有顧客 4 ,200万 人および潜在顧客に対するサービスの向上を図る。上記金額は、同社のマーケティング費 用全体の三分の一を占め、同内訳の7億バーツを現在の携帯ショップ 46店舗から 89店舗 への拡張に使い、残りの 7億バーツは顧客サービス活動に充てる旨、同社のチーフカスタ マーオフィサーの MrVilasin eePuddh ikarantは述べた。 また、AISは 2014年中にサービス店舗を 25万か所に拡大し、上記投資額 14億バーツ以外 にさらに 4億バーツを現在 45 0ある Te lewizショップ【注 2】の内 129店舗の改装および拡 充にあてる計画である。(tele compape r2014/ 07/1 1 Vol.308) (1タイバーツ=3.15円、 2014/07/11時点) 【注 1】タイの携帯電話事業者(Advan cedInfoSer vicePublicCompa nyLimited) 。他に、 CAT、DAC、T rueなどがある。 75 【注 2】AISの代理店。 ◆[ITインフラ/国際連携:NCP0 (国家平和秩序評議会)は海底ケーブルへの投資 59 ,7億バ ーツを承認] NCPO(Nat ionalCouncilforP eacean dOrde r 国家平和秩序評議会)スポークスマンの YoungyuthM auyalap氏は 3系統の海底ケーブルへの投資総額 59億 7,000バーツの承認と、 これによるインターネットの性能向上を伝えた。投資内訳は、1.アセアン、アフリカ、欧 州ルートで 14億バーツ、2. 東南アジア、中近東、欧州ルートで 13億バーツ、3.東南アジ ア、日本ルートで 22億 7 ,000バーツである。また、本プロジェクトにより TOT【注】のイ ンターネットの性能が現在の 900ギガビット/ 秒から最終的に 3,700ギガビット/秒に向上 する。さらに、本プロジェクト完遂によりタイの As eanConnec tivityにおける競争力の強 化にも繋がると期待されている。(Bang kokPos t20 14/08/14 V ol.309)(1タイバーツ= 3.19円、 20 14/08/1 4)【注】タイの主要通信事業者。 ◆[ITインフラ:社会インフラ投資として 1,00 0億バーツ認可] 公共管理局によると政府は 201 5年度の社会公共投資として国債など借り入れを含め 1 ,000 億バーツを許可したと伝えた。同局長官の Chu laratSuteethorn氏によれば、上記の内 26 3 億バーツを、 PurpleLine( BangYai -BangSu e),BlueLine( HuaLam phong-Ba ngKhae) , GreenLine(SoiBe aring-Sa mutPrak an)、 Gr eenLine(MorC hit-Saph anMaiKhuKhot ) 等鉄道へ投資するとの事である。鉄道本体への投資に加えて鉄道無線などネットワーク領 域などへの投資も可能性がある。 (BangkokPost201 4 /09/13 Vol .310) (1タイバーツ=3.32 円、 2014/0 9/13時点) ◆[ITインフラ:タイ政府は水害対策に向けてモバイル緊急対策センタ立ち上げ] 科学技術省は、洪水、干ばつ等の災害時での迅速な対策に向けてモバイルデータセンター を立ち上げた。モバイル緊急対策センタは、 「ハイパフォーマンスコンピューティング」、 「衛 星経由でのデータ通信」、「無線上でのバックアップ」、「自動消火システム」の技術が配備 されている。また、災害時には飛行機および船舶等で状況を調査、把握し対策を進める。 また、科学技術省は本センタの稼働により災害時の対応時間が従来の2日~3日が 20時間 に短縮されるとの事である。(AsiaPac ificFu tureGOV2014/1 0/14 Vo l.311) ◆[ITインフラ:TOTの保有している周波数帯の一部開放への動き] NBCT(国家放送通信委員会)長官の TakornT anta sith氏は MI CT(情報通信技術省)に対 して TOTの保有してる 900MHzと 470MH zの帯域をオークションに出すよう進言した。 一方、TO Tは M ICT大臣の Porncha iRujipr apaと先週個別に会談をしており、900 MHz帯は 2015年 9月に AISとのコンセッション(事業権付与)契約が終了した後も当面保有し、同 76 社のライセンスが切れる 2025年に返還すると伝えた。(Then ation2 014/10/1 3 Vol.3 11) ◆[ITインフラ:情報通信省は公共向けサービスでの衛星の活用の調査へ] 情報通信技術(MIC T)大臣の Pornch aiRuj iprap a氏は宇宙委員会に対し公共向けサービ スで衛星の活用調査を 6ヶ月で完了するように伝えた。また、その後立ち上げプロジェク トへ進んだ際には科学技術省傘下の地理情報・宇宙技術開発機関とも衛星のオペレーショ ンにつき協力していくと伝えた。 本プロジェクトへの投資総額は 80億バーツと見込まれており、 当初は運輸通信省、厚生省、 防衛省、内務省、農業省、教育省、情報通信技術省の7省庁中心にサービスを提供する予 定である。 (Thenatio n2014/10/2 9 Vol.3 11)(1タイバーツ=3.32円、 2014 /10/29時 点) ◆[ITインフラ:主要携帯通信事業者、4G導入に向けて活発な動き] 携帯通信事業者 DTAC子会社の TriNetは、Eri cssonを同国主要都市での 4GLTEのベンダと して選定した。締結された 5年契約には、LTEと 3 Gのアップグレードおよび拡張、ロール アウトなどの構築サービスに加え保守サービスなどが含まれている模様。 一方、Trueも Alcat elLuce ntと IPトランスポートネットワークのアップグレードに関し 4年間の包括契約を締結した。契約内容は、有線と無線のバックホールのアップグレードだ けでなく、高速ブロードバンドも含め同社の 4GLTEへの対応も視野に入っている。 (Te lecom Paper/TheNation2 014/11/0 6 Vol.3 12) ◆[ITインフラ:最大手携帯通信業者の AISが来年度の入札に向けて抱負を語る] NBCT(国家放送通信委員会)は来年 7月に 9 00MH zおよび 1,800 MHz帯の入札を予定して おり、AISの CEOである Somcha iLertsu tiwong氏は応札に向けて最低でも 400億バーツの 準備をしていると意欲を見せた。背景には、TO Tとの コンセッション(事業権付与)契約 が 201 5年 9月に終了し、今後伸びが期待できる 4 Gでのモバイルおよびデータサービスに 対する布石を打ちたい考えがある。また、同社は T OTとの戦略パートナシップに関しても 当局の後押しもあり前向きに検討しており、現在計画を策定中である。(The nation 2014/11/19 Vol.312 )(1タイバーツ=3.55円、 2 014/11/19日時点) ◆[ITインフラ:モバイル通信事業者の DTACは 4Gの品質テストを開始] モバイル通信事業者の DTACは、新年の休暇中にバンコクのスワナプーム国際空港とドンム ア空港で 4Gの品質テストを行う計画がある。 DTACによると、同空港は旅客の移動のハブであり、モバイル利用者が多く集まるので 4Gの 各種テストおよび評価する場所としては最優先と判断している。ちなみに、スワナプーム 国際空港では今年 1月から 9月においてインターネットの回線稼働が 80 %を超え、またドン 77 ムア空港でもモバイルデータのトラフィックが最大 317%に達したとのことである。 また、DTACは 2015年 3月までにバンコクおよび 30の主要都市で約 6,50 0ヶ所の 3Gおよび 4Gの基地局を新設する予定である。(T elecomP aper2014/12/18 Vol.31 3) ◆[ITインフラ:先 2年のブロードバンドへの投資は意欲的] タイの調査会社 Kasi kornRe searchCenterは、先 2年のタイでの固定、無線、ブロードバ ンド全体での投資額は 1,732億バーツが見込まれると発表した。内訳として、1, 110億バー ツが無線で 6 20億バーツが 3Gおよび 4 Gとなる。Di gitalEconom yの実現には、ブロードバ ンド・インターネットの広域でのカバレッジとアクセス速度の向上が必要である。Trueと DTACは既存の 2 .1GHzの回線上で 4 G対応済である。一方、Tru eMove、DPC、AI Sは CATと TOTが保有する 1,800 MHzと 90 0MHzの回線がオークションされるのを待つ状況である。 (The Nation2015 /02/02 Vol.314) (1タイバーツ=3.5 9円、 2015/ 02/02日 時点) ◆[ITインフラ:情報通信技術大臣は、4Gオークションまでに通信事業者間の問題解決め ざす] 情報通信大臣の M r.Pornch aiRujip rapaは、4 Gオークションまでに、コンセッション(事 業権付与)契約のもとで運営管理されている通信施設など資産の所有に関わる問題の決着 をめざすと述べた。結論次第で政府系通信事業者ないし民間通信事業者のどちらかが不利 になる懸念されることから慎重な対応が必要であるがゆえ、先だって財務副大臣の Mr.Pridiyat hornDev akulaが「4Gのオークションは政府としても最優先事項であり 201 5 年の上期に必ず実施する。」と発言したことへの補足的対応である。 (TheNation2 015/02/2 6 Vol.315) 【電子政府】 ◆[電子政府:プーケットで S martCou ntry プロジェクト開始] MICT(Ministry o fInformat ionandCo mmunica tionTechnolo gy情報通信省)の事務 次官 MrSurachaiSrisara khanは、プーケットで開始された SmartC ountryプロジェクト (約 950億バーツ)につき以下の発表を行った。 本プロジェクトは、20 15年目標に、地域住民が IDカード利用により各種サービスを Onestop で受けられる事を目指す。また地方政府、警察および企業等ともセキュアなネットワーク を介して情報共有と交換ができるようになる。また、本プロジェクトは地域住民向け行政 手続きの迅速化と効率化をオンライン活用での実現を目指しており、一方地方政府もペー パレス化による作業環境の改善がはかられる。さらに、同地域は、選挙での電子投票化に より約 40億バーツの費用削減が可能となる。 加えて、プーケットでのパブリック WiFiサービスにより旅行者への各種情報提供、また 78 地方での e-learning利用により大都市圏と同レベルの教育機会の提供なども推進する。 (AsiaPaci ficfutu reGOV20 14/05/09 Vol.3 06) (1タイバーツ=3.13円 2014/ 05/2 2時 点) ◆[電子政府:タイ政府は行政業務のモバイル対応サービスセンタを構築] EGA (El ectric Governm ent A gency 電 子 政 府 庁 )の 総 裁 兼 CE O で あ る Mr. Sak Segkhoontho dは各省庁および部署の各業務およびサービスをモバイルで提供する旨伝えた。 EAGはモバイルポータル(apps.go. th.porta l)を 5月に正式開設し、すべての政府業務が ポータル上で稼働している。すでに、1 00の業務が提供されており、さらに 1 0の業務が提 供される。また、ユーザからのアクセスが容易なように各業務が分類されているのが特徴 である。 技術面では、シングル・サインオン対応で各ユーザは 1つのユーザネームで全ての業務 を使うことが可能。また、システムは現在 iO Sと An droidの各 O Sに対応しているが、将来 Windowsへの対応も予定されている。(AsiaPac ificfutureGOV2014/5/7 Vol.30 6) ◆[電子政府:e-Clou d促進に向けて EG A(電子政府庁)長官が方針を伝える] EGA(Elec tricGov ernmentAgency電子政府庁) 総裁兼 CEOである Mr.SakSeg khoonth odによれば、過去2年間でクラウドベースの e-Gove rnmentシステム構 築に 4億バーツ投資しており、詳細は伝えられてないが費用削減効果が 3億バーツに達し ているとの事である。また、同氏は 2015年までのサービス拡大に向けてさらに 7億バーツ 投資する計画があり、具体的には 2 014年中に 400の業務をクラウドで提供し 201 5年には 累計で 1000の業務をクラウドで提供するとの事である。 さらに、現在行政業務全体の 30% 程度をクラウドで提供しているが 20 17年には 100%提供 を目指しており、それに必要な 20 15年度の投資額 2 5億バーツにつき EG Aは NCPO (Nat ional CouncilforPeaceandOrder 国家平和秩序評議会)へ要求する旨伝えた。(Bang kokPost 2014/06/04 Vol.307 )(1タイバーツ=3.13円、 2 014/06/04時点) ◆[電子政府:バンコクおよび近郊で電力料金の支払いがモバイルで可能へ] 首都圏配電公社(ME A:Met ropolita nElect ricit yAuthorit y)によれば、バンコクお よび近郊の 2県で 201 4年末までにモバイルによる電力料金の支払いが可能になる。 MEAは、 昨年 8月にモバイルアプリ「M EASmartLife」 をリリースしており、現在 3 00万人の住民が窓口にてこのアプリを使いバーコードおよび QRコードから情報を読み出し電力の支払いを行っている。201 4年末からは窓口に行く必要 がなくなる。 また、MEAのアプリケーションシステム開発部長の C hingchai氏によれば、現在モバイル通 信業者により行われている支払手続きが、今後利用者がカード会社を選択し支払う事が出 79 来るようになると伝えた。(AS IAPACIF ICfutu reGO V2014/07/1 6 Vol.3 08) ◆[電子政府:タイは政府向のすべてのウェブサイトを 2017年中に完成予定] EGA(電子政府庁)会長の Sa kSegkho onthod氏によると、政府は省庁全体のサービスを網 羅するウェブサイトの開発を承認し、2 017年までに完成する予定があると伝えた。また同 氏は、各省庁が国民へのサービスを意識しつついかに業務を改革するかが大きなポイント となることも伝えた。 今回のプロジェクトで採用する技術はそれほど困難でなく、ポータルはクラウドで運営さ れ、ユーザインターフェイスは「国民」、「ビジネス」、「政府機関」、「投資家」に分けられ ているとのことである。 さらに、SakS egkhoont hod氏は「3rdICTM asterP lan」は来月には承認がおり、その際に ポータルおよび他の e-Govern mentの方向性も明確に出ると語った。 e-Governmen tは、ICT戦略の 4本柱の 1つであり、政府への国民参加の促進と政府内での ビジネス感覚の醸成が期待されている。 (ASIAPACI FICfutureG OV2014/ 08/22 V ol.309 ) ◆[電子政府:G-Clou d(Gover nment-Cl oud)の運用費用を 2年間で 30% 低減] EGA(電子政府庁)会長の SakSegk hoontho d氏によると、過去 2年間で G-Clou dの運用費 用を 6億バーツ、約 30 %削減できたとのことである。現在、100の公的機関において約 500 の業務およびサービスが G-Cloud上で稼働しており、 14億バーツの予算が投じられてきた。 また、G-Cl oudは運用費用の削減だけでなく国民および公的機関の職員の要求に対しても迅 速な対応が出来ているという。 さらに、SakSegkhoo ntod氏は Secur ity面でも G -Cloudはグローバル標準である Clou d SecurityAl liance【注】の要求基準を採用中であることも強調した。 (ASIAPACI FICfutu reGOV20 14/08/26 Vol.3 09) (1タイバーツ=3. 16円、 2014/08 /26 時点) 【注】国際的に活動を展開している非営利法人で、クラウドコンピューティングのセキュ リティを実現するために、ベストプラクティスを広め推奨している。 【電子商取引】 ◆[電子商取引:E-co mmerceの拡大が物流、EMS (受託製造業者) 関連ビジネスを牽引] UBS銀行によると、タイの Ecommerc e市場は 47億ドルで同国の流通市場全体 94 4億ドルの 0.5%を占めるとの事である。 E-commerce関連の webサイト開発、市場調査、物流業務などを手がけている aComm erce社 の CEOである MrTomS rivorakulによれば、ブランド企業、輸出業者は東南アジアに向け てオンラインビジネスの販路を拡大中とのことである。また、スマートフォンの浸透、無 80 線の高速化進展等の恩恵を受けてモバイルでの買い物に拍車がかかっており、1オーダあた りの買い物額が 1,50 0バーツとなり過去 3年間で 3倍に伸びた。 一方、タイポスト(Thaila ndPost )の社長である Mr.AnusraChittmi ttrapapによれば、 E-commerce拡大により 2014年の EMSの売上げは昨年比 15%の伸びが見込まれるとの事であ る。昨年度の売上げは、EMSは全体で 180億バーツのうち 40億バーツであった。また、同 社は 3億 5,000万バーツを投じて物流子会社を設立した。(Bangkok Post 2014/0 7/17 Vol.308)(1タイバーツ=3.1 6円、201 4/07/17時点) ◆[電子商取引/IT政策:電子商取引の苦情対応の簡素化に向けて] 商務省事業開発局(DBD Department of Bu sinessDevelopment )は E -Commerce連盟と Webmaster s連盟と連携し電子商取引に関する法整備およびトラブルへの対応を推進する。 DBD長官の Po ngpunGe araviriy apun氏は昨日すべての電子商取引業者に対して法規に従い 営業免許を取得するように命じた。また、DBDが付与した営業免許を保持する事により市場 からの信用を得ることができると加えた。 DBDは、政府の推進する Digit alEco nomy政策の影響もあり今後電子商取引は年率 20%成長 とみており、業者と買物客との間のトラブル解決に必要な苦情処理センターも商務省内に 開設した。(TheNati ons2014 /10/23 Vol.311 ) ◆[IT政策/ 電子商取引:財務省歳入局が電子商取引業者への課税に対する見解表明] 財務省歳入局の長官 Mr.Praso ngPoo ntaneatは、電子商取引ビジネスに携わる約 50万社に 対し税金の適切な支払いを命じた。最近の電子商取引の増加に伴い、約 5万社が税金規定 およびシステムを適切に遵守できてない状況にある。(BangkokPost20 14/12/18 Vol.31 3) ◆[電子商取引:電子商取引は 2016年に向けて堅調な伸びが見込まれる] 商務省によると、タイの電子商取引の市場は、スマートフォンなどの端末の浸透、外資の 参入および政府の進める Digi talEc onomy政策により 2016年は 1兆バーツを凌ぐ勢いであ るとのことである。 また、E-Com merce協会会長の MrPawootPongvita y apanuは「タイ OnlineMegaSaleイベ ント」の開催に際し、当業界は 20 14年に少なくとも 20%伸び 2015年は 35%から 40%の伸び が期待できると語った。 さらに、統計局によると電子商取引全体で 7,4 44億バーツの市場の部門別内訳として B 2B が 79,8%、B2Cが 19,2%、B2Gが 1%となった。また、モバイルによる取引は全体の半数を超 えた。 (Bangko kPost20 14/12/16 Vol.31 3) (1タイバーツ=3.5 9円、 2014 /12/16日時点) ◆[電子商取引:電子商取引市場の好調さに連動しタイポストの宅配事業拡大] タイの電子商取引はここ数年で毎年 20 %以上伸びており、それに連動しタイポストの宅配事 81 業も 15%以上伸びており毎日 40万個以上の荷物を取り扱っている。タイポスト副社長の Mr.PiyawatMahapaur ayaによれば、宅配関連事業の 201 4年の売上は 216億バーツで 201 9 年には 280億バーツをめざすとのことである。また、同社は今後 2年間で 2億バーツを IT システム更新に充当するとのことである。 さらに、情報通信技術(MICT )大臣の Mr.Porn chaiRujiprap aも「タイポストはタイの電 子商取引の物流サービスの中心であり、国としても AEC(ASEANEcon omicCommun ity)の物 流ハブになることをめざす」と加えた。(SupplyC hainsMaga zine20 15/01/1 5 Vol. 314) (1タイバーツ=3.5 7円、 20 15/01/1 5日時点) 【IT人材】 衛星事業者である Th aico mは、教育省と遠隔地教育につき MO Uを締結した。内容は、 Thaicommが(ボーイスカウト等)スカウト運動 、赤十字社活動、青少年関連等のプロジェ ク ト に て 通 信 衛 星 を 活 用 し た 教 育 機 会 を 提 供 す る と の こ と で あ る 。( Telcom Paper 2014/06/12 Vol.307 ) ◆[IT人材:SmartC lassroomにより児童の学習が促進] 在米タイ大使館の公式サイトによると暫定政権の承認を得た後 SmartC lassroo mの最初の クラスが開校され、今年中に 18, 000の公立校への展開が完了する予定である。Smart Classroomはコンピュータ利用による教育現場での相互対話強化、最新の情報技術活用によ り児童の教育水準の向上、教育の近代化を目指す。また、従来のタブレット配布プロジェ クトに取って変わるプロジェクトとも伝えられている。 一方、OBEC (OfficeofBasi cEduca tionCom missi on教育省基礎教育委員会事務局)とマ イクロソフトも Smar tClass room関連の共同プロジェクトを進めており、1,Teach ingwit h Technology2,Digita lConten ts3,Clo udbaseser vices4,Mic rosoftO ffice36 5の 4つ の技術を同プロジェクトで活用していく予定である。(BangkokPost20 14/09/09 Vol.31 0) (RoyalTha iEmbass y(U.S.A)HP2014 /07/09 ) パキスタン 【IT政策】 ◆[IT政策:マニフェストに則り、ICT事業を推進] 情報技術通信省 An ushaRa hman大臣は、「選挙時のパキスタン・ムスリム連盟のマニフェ ストに基づいて、私は、第 3世代と第 4世代移動通信の周波数ライセンスオークションを 実施し、全国の国民に通信手段を提供できるようにする。僻地でも ITを利用して医療、電 子政府、公安、税管理、農業などのサービスが受けられるようになる。北西部のアフガニ 82 スタン国境地帯にある連邦直轄部族地域(FATA) でも通信サービスを始め、イスラマバード、 ラホール、カラチでは ITパークを設立する。予算は、公共サービス基金(USF)、研究開発 基金、ソフトウェア輸出基金を活用する。USF理事会は、政策を実施するために、テレセン ターの設置、光通信網敷設、農村地域の通信普及を実施すると決めた。」と述べた。 (propakista ni 2014 /04/29 Vol.305) ◆[IT政策:国家サイバーセキュリティ法案、国会へ上程] 「テロリズムに対抗する国家アクションプランの履行を加速するため、国家サイバーセ キュリティ法案を、すでに 1月 3日に首相に上程し、内閣の承認を待たず 1月 1 6日に実施 される国会に上程する。」と情報技術省 Rehman大臣が、1月 14日に開催された情報技術通 信分野の S enateSt andingC ommitte eで述べた。政府機関に対してのハッキング、不正ア クセスに対抗しサイバーテロや犯罪を効率的に管理するために、本法案は国家アクション プランの一部と位置付けられた。(TheExpressTri bune 2015/ 01/15 V ol.314) 【国際連携】 ◆[国際連携/IT振興:中小企業開発庁、中国へ IT分野への投資を期待] 中小企業開発庁(SM EDA)は、パキスタン・中国ジョイント商工会議所の仲介で、中国貿易 投資ミッションの 24人を迎え、現在造成中の経済特区への投資ならびに、IT、建設、流通、 エンジニアリングの分野への投資を中国に強く求めた。(TheE xpressT ribune 2014/03/ 28 Vol.304) 【企業動向】 ◆[企業動向:パキスタンテレコム、人事管理にクラウドを採用] 固定通信最大手の PakistanTelecomm unicati onCo mpany(PTCL 、パキスタンテレコム)は、 人事管理の効率性を高めるため SAPのクラウドソリューション“SuccessFacto rs”を導入 することを決めた。パキスタンで人事管理にクラウドを採用するのは初めてである。 (propakista ni 2014 /05/23 Vol.306) ◆[企業動向:最初のローカルスマホアプリ] パキスタンのブロードバンド事業者の wi-tri be社は、初めて自国で開発されたスマホの 通話アプリ「HiApp 」を発表した。この製品は、国際的に広く利用されている WhatsApp 、 Viber、Skyp eと競り合うことになる。(propaki stan i 2014/08/ 27 Vol. 309) ◆[企業動向:Teleno rPakist an、位置情報ベース災害警報 SM Sシステムを発表] 83 通信事業者 TelenorPakista nと災害救援活動を行う Pakista nRedCr escentS ociety (PRCS)は、災害応急対策時の通信プロジェクトに関する契約に署名し、位置情報に基づく 早期警報 S MSシステムを初めて導入した。災害被害を軽減し負傷者の救護を適切に行うた めに、救護機関が被災地の携帯電話保持者と S MSテキストシステムを通し双方向のコミュ ニケーションができるようにする。Int ernatio nalF ederationofRedCresc entと Te lenor Pakista n が 本 プ ロ ジ ェ ク ト へ の 資 金 を 提 供 し て い る 。 (propaki stani 201 4/08/29 Vol.309) ◆[企業動向:民間航空庁の開発したフライト情報および課金システム始動] パキスタン民間航空庁(CAA) IT支部は、パキスタン領空を利用する全フライトの情報管理 と課金管理を全自動で行うシステム(FIRMS)を開発した。その稼働の開始式には、CAAの MuhammadYo usaf長官が出席した。CAAの IT支部では、更に、飛行機の耐空証明の手続き をオンラインで申請できる耐空管理システム(AMS )を開発中である。(Ex press T ribune 2014/12/25 Vol.313 ) 【IT振興】 ◆[国際連携/IT振興:中小企業開発庁、中国へ IT分野への投資を期待] 中小企業開発庁(SM EDA)は、パキスタン・中国ジョイント商工会議所の仲介で、中国貿易 投資ミッションの 24人を迎え、現在造成中の経済特区への投資ならびに、IT、建設、流通、 エンジニアリングの分野への投資を中国に強く求めた。(TheE xpressT ribune 2014/03/ 28 Vol.304) ◆[IT振興:市民によるハッカソンの開催] パキスタン国立科学技術大学(NUS T)は、市民によるプログラム開発コミュニティであ る CodeforPakist anと共催で、イスラマバードで初めてのハッカソンを 2月 20日に開催 した。9 8人の参加者が 22チームに分かれ、プログラムを終日開発した。犯罪通報ソフト、 SMSサービス、コラボレーションツールから優秀なアイディアがあった。1位には Scho ol Source、2位は C rimea lert、3位は E-Foun dが優れたソリューションとして選ばれた。 (propakist ani 201 5/02/23 Vol.315 ) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ: SI M購入に生体認証手続きが義務化] 「2014年 8月 1日より、パキスタンで SIM(携帯電話の番号を特定するために固有の ID 番号が記録された I Cカード)を購入し作動させるには、生体認証手続きが義務付けられた。」 84 とパキスタン電気通信庁(PTA) が発表した。新政策のもとで、S IMの購買者は、国家データ ベース登録局(NADRA)に登録されている親指の情報と照合させ本人証明をしなくてはなら ない。 (pro pakistan i 2014/ 07/24 V ol.308) ◆[ITインフラ:パキスタン国民の 89 %はオフライン] McKinsey&Compan yグループの 2 013年の調査報告によれば、パキスタン国民のわずか 11%だけがインターネット接続が可能である。この数字はパキスタン政府が発表したイン ターネット普及率 17%、インターネット利用者数 3 ,000万人より幾分低い数字である。こ の差は、パキスタン電気通信庁(PTA) が発表するブロードバンド利用者数の 360万人であろ う。ブロードバンドを使ってもパキスタンのインターネット接続の平均速度は、近隣国と 比べて大幅に遅く、netindex.comによれば、パキスタンのブロードバンドの平均速度は 3.2Mbps、インドの平均速度は 5.7Mbpsである。3Gや 4GLTEサービスが今年から始まり、 インターネットのアクセス数や速度が増えている。携帯電話の登録者数は 1億 4,000万人 近くになり、通信事業者は携帯電話の普及率 80%を達成したいとしている。(Th eExpres s Tribune 20 14/10/03 Vol.31 0) 【電子政府】 ◆[電子政府:IT省、e-Offic eの進捗を評価] IT省 Anus haRahma n大臣が議長となって、全中央省庁の e-Off ice利用状況を評価する会 議が開かれた。e-Off iceは 2007年 4月 30日に承認された Pu blicSec torDeve lopment Programme(P SDP)の一環で I T省がペーパレス化、電子行政化を進めるために開発したベー シックな電子行政の共通アプリケーションである。しかし完成が遅れていたため、現在、 IT省は全中央省庁にその重要性を説明し利用するよう強く求めている。すでに、e-Offic e は、首相府、議院事務局、I T省で利用されている。また、75 %の中央省庁間ではイントラ ネットによる通信が可能となっている。(propa kist ani 2014/0 3/20 Vo l.304) ◆[電子政府:ラホールで土地登記情報のコンピュータ化] パキスタン第 2の都市であるラホールの Laho reD evelopmentAuth ority(L DA)の都市計画 チーフ C.M .Akra m氏は、「現在、土地登記情報のコンピュータ化を進めており、2015年 4 月までには完了する。コンピュータ化することで、システムに透明性が確保される。」と述 べた。(TheExpressTribune 2014/09 /19 Vo l.31 0) ◆[電子政府:土地登記情報の電子化、苦戦] 土地登記情報電子化プロジェクトの進捗報告を税務署は最高裁判所に提出した。報告に よると、税務署は、ある区域の土地マフィアや一部の税務官吏からデータの紛失などで強 85 い抵抗を受けていて、パンジャーブ州政府は土地登記情報電子化プロジェクトで苦戦して いる。2010年 6月 15日に全州に土地登記情報の電子化を進めるよう指示が出され、201 5 年 11月までに完了させることとなっている。政府は通信事業者 PT CLと協力してラホール にデータセンタを設立し、本州のサービスセンタ 14 2ヵ所にコンピュータ機器を設置した。 (TheExpres sTribun e 2014/ 11/04 V ol.311) 【IT人材】 ◆[IT人材:パキスタンソフトウェア産業協会、給与等の調査結果発表] パキスタンソフトウェアハウス協会(P@SHA )では、ソフトウェア産業における平均給与、 昇進、福利厚生の実態調査を毎年実施している。今回で 4回目となる 20 14年度は、今まで で最多の 93社、14,35 2人のデータを回収した。IT人材の職種は 2 6種、役割は 9 2種に分 類され、今年新たに追加された職種には、Pytho n(プログラミング言語)プログラマ、ゲ ームデザイナ、ゲームプロデューサ、ゲームプロダクトマネージャ、データマイナ、デー タサイエンティストがある。役割の中で、平均給与が最も高額だったのは、最高経営責任 者(CEO)で 3 1万 1,77 0ルピーであった。なお C EOのうち 9%は 6 7万 5,0 00ルピー以上の月 給を得ていた。2位は最高技術責任者(CTO)で 2 5万 6,250ルピーであった。3位はシニアゲ ームプロダクトマネージャで 23万 6,6 67ルピーであった。平均給与が最も低額だったのは 初級アドミニストレータで 2万 3,006ルピーである。本給与額は 2013年度の調査に比べる と 7.26%上昇した。なお、全体の平均給与額は 201 3年度に比べると 12. 37%増加した。な お、2013年度に比べて最も増加が大きかったのは中級レベルの R ubyプログラマで 94.24% 上昇した。手当として支給されるものには、健康保険、ボーナス、フレックスタイムが 2013 年度に引き続き上位 3位であった。( P@SHA 2 014/ 07/01 Vol. 307)(1ルピー=1.02円 2014/07/01現在) ◆[IT人材:Microso ft、高等教育委員会を通し大学 156校に I T教育提供] Microsof tとパキスタン高等教育委員会(H EC)は、同国の 1 56校以上の大学に対し、学生 の ITスキル向上のため研修プログラムを連携して実施することで同意した。初めに 73校 の公立大学で本プログラムを実施し、その後私立大学に展開する。本プログラムにおいて、 提携大学の学生は、Microsof tの最新ソフトウェアへの自由なアクセス、Micros oft認定ト レーナによる研修とワークショップの受講、国際的な技術コンペやカリキュラム設計への 参加機会を得ることができる。 (propak istani 201 4/07/02 Vo l.307) バングラデシュ 【IT政策】 86 ◆[IT政策:通信情報技術大臣、通信政策見直しの必要性を認識] 郵政通信・情報技術省(MoPT IT) の AbdulL atifSi ddique大臣は、「18年前に制定された 時代遅れの通信政策を Digita lBang ladesh政策に合わせるため、詳細な調査を実施して抜 け穴を修正し、適切な討議がなされた後に首相へ提出し、時代に合った政策を策定する。 」 と TelecomReporter sNetwor kBanglad esh主催のラウンドテーブルで述べた。(UN BConnec t 2014/04/30 Vol.305 ) ◆[IT政策: バングラデシュの ICT税率は世界最高] 米国 ITイノベーション財団(ITIF)のレポートによれば、バングラデシュの I CT機器及び サービスに対する税率は 57.8 %で、他国で一般的な 15%に比べ極めて高いことが明らかに なった。2番目に高税率のトルコでも 26.1%である。例えば、バングラデシュでは外国か ら輸入する際に、通信インフラ機器に 55 %、光ケーブルに 24%、スマートフォンに 21%の 課税がされている。 バングラデシュコンピュータ協会(BC S)前会長の MustafaJab bar氏は、「デジタル バン グラデシュ実現に協力したいが、現状では価格が 30 0タカの SIMカード に 15% の付加価値 税 (VAT)が 課税 され てい て、 政府 の方 針は 矛 盾し て いる 。」 と述 べた 。 (Daily Star 2014/10/29 Vol.311 )(1タカ=1.38円、2014年 10月 28日現在) ◆[IT政策:ICT分野のロードマップ実現に向けて] サイバー犯罪や環境問題と闘いながら、全ての人にブロードバンドインターネット接続 を実現するために、政府は IC T分野のロードマップを作った。そこには、国内外の IT企業 からの投資奨励、IT技術者の就労機会増加、電気・電子製品の廃棄物管理も含まれている。 ロードマップの実現に向けて、2014年 2月に郵政電気通信省と情報通信技術省が合併し、 新たに郵政情報通信技術省が発足した。2014年 6月に開催した最大の IT展示会 Digit al World2014では、シリコンバレーの Feno xVentureCapitalが同国の IT分野に 2億米ドル の投資を始める機会を提供した。政府は、全国の 4 ,516ヵ所のユニオン(最小行政区)情 報サービスセンタを、IT分野の起業家やフリーランサと協力して小規模なアウトソーシン グセンタに移行させる計画があり、県レベルで 15, 0 00人、郡レベルで 5 5,000人のフリー ランサを育成する予定である。現在、同国の IT分野では 60万人のフリーランサが働いて いる。 一方、バングラデシュは、2 016年 9月までに大容量光海底ケーブル SEAME-WE-5 (シン ガポールからフランスまで 17ヵ国を結び総延長約 2万 km )に接続し、201 7年 6月までに 同国初の衛星として準備中の Bangaba ndhuを打ち上げる計画であり、データ通信の大容量 化が期待されている。(TheFi nancialExpress201 5/01/04 Vo l.313) ◆[IT政策:国家 IC T政策 201 5草案を内閣が承認] 87 内閣は、2月 2日に国家 I CT政策 201 5の草案を承認した。草案は、I CTの活用を拡大し て、市民への行政サービス向上のため、透明で信頼できる政府の確立を目指す。この目的 のため、政策は、1 0の具体的な目標、5 6の戦略的なテーマにおいて、短期(~2 016年)、 中期(~2018年)、長期(~2021年)にわたる 30 6のアクションプランで構成され、様々 な省庁で実施されることになる。(JAGR ANJosh 20 15/02/04 V ol.315) 【情報化機関】 ◆[情報化機関:BCSが幹部会を刷新] 4月 6日、バングラデシュ最大のコンピュータハードウェア、ソフトウェア関連事業者団 体である BCS (Bangla deshComputerSami ty)が幹部会を刷新した。新会長には AH MMah fuzul Arif氏が就任し、Gen eralSec retaryには Nazu rulIs lamMioon氏が選出された。(D ailyStar BusinessEd ition 2 014/04/0 7 Vol.3 05) ◆[情報機関:政府がサイバーセキュリティ部門設立を計画] バングラデシュ政府は、急速に増加しているサイバー犯罪による脅威から、国家のセキ ュリティと金融サービスを守るため、独立したサイバーセキュリティ部門、CIRT (Compute r IncidentRes ponseTe am)の設立を検討している。郵政通信・情報技術省 ICT担当次官の N.I. Khan氏は、 「e-Servi cesや eCommerc eの普及に伴い、サイバー犯罪が増加しており、C IRT 設立が必要である。関係機関にプロポーザルを提出する。」と述べた。 (Daily Star 2014/05/17 Vol.306 ) ◆[情報化機関:郵政通信・情報技術省 Siddiqu e大臣、更迭] 郵政通信・情報技術省(MoPT IT)大臣 AbdulL atifSiddique氏が、不適切な発言をしたこ とで、閣内、与党、野党および国民から非難を受けている。Sid dique氏は、これが原因で 内閣からも所属する与党アワミ連盟の幹部会員からも除籍された。(Da ilyStar2014/10/ 13 Vol.310) ◆[情報化機関:バングラデシュ、ITU委員として再選] 10月 27日に韓国釜山で実施された国連の国際電気通信連合( ITU)総会において、バング ラデシュは 1 15票を得て、20 15年~2 018年の管理委員会委員に再選された。郵政通信情報 技術省の ICT担当大臣 ZunaidA hmedPal ak氏は、電話でのインタビューに答え、 「デジタ ル バングラデシュのスローガンが広く世界に認められた証であり、バングラデシュは、世 界の通信、デジタル化、デジタルデバイドなどに関して、政策レベルで後発開発途上国諸 国のために貢献できる。」と答えた。 ( DailyS tar2014/10/28 Vol.311 ) 88 【国際連携】 ◆ [IT振興/ 国際連携:オランダ IT投資の誘致推進] ソフトウェア情報サービス産業協会( BASIS) は、オランダの大使館と Nyenro deBusin ess Universityと協力してビジネスを開拓する機会を設けた。オランダから参加した IT企業 10社は、バングラデシュ企業とビジネスマッチングを行った。B ASISの ShameemAhsan会 長は、「政治の不安定さは IT産業の成長に影響を与えない。」と述べ、郵便通信情報技術省 ZunaidAhmedPalak大臣は、 「ITは国家の経済社会改革の重要な柱として認識されている。 安価な通信サービスで IT産業を促進する。」と強調した。政府はハイテクパークの整備を 進めており、オランダミッションはそのうちの一つ Kaliako irハイテクパークを訪問する こととなっている。B ASISは、 「ここでは、ソフトウェア、ITサービス産業には法人税が無 く、コンピュータなどハードウェアの輸入関税もゼロで、外国企業は利益を 100%送還する ことができる。外貨規制はシンプルでコピーライトはあり、厳しい情報セキュリティ法も ある。ソフトウェアと情報サービス産業は過去 5年間で輸出高が 2,4 00万米ドルから 2億 米ドルに増加した。次の 5年間で 1 0億米ドルの輸出高を目指す。 」と述べた。(TheFi nancial Express 20 14/04/03 Vol.30 4) ◆[電子政府/国際連携:オンライン統計情報データウェアハウス構築] バングラデシュ統計局は、オンライン統計情報データウェアハウス(SD W: Onlin e StatisticalDataWareho use)を構築し、政策立案や、企業の要請に応じて統計情報を利 用できるようにする。SDWは、2014年から 2015年の間に、7億 6,000万タカを投じて開発 する。サービスの提供は 2017年を予定している。韓国 KoreaInterna tionalCooperat ion Agency(KOIC A)がすでに援助に合意しているという。(DailySt ar2014/ 04/10 V ol.305) (1 タカ=約 1. 3円 201 4年 4月 10日現在) ◆[IT振興/ 国際連携:第 1回 ITEE(情報処理技術者試験)合格書授与式] バングラデシュコンピュータ評議会(B CC)において、第 1回 ITE E(情報処理技術者試験) 合格者に対して、合格書授与式が行われた。式には、所管省である郵政通信・情報技術省 (MoPTIT)の AbdulLatifS iddiqu e大臣、在バングラデシュ日本国特命全権大使 佐渡島 志郎氏、国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所長 廿枝幹雄氏などが出席し、25人の 合格者に証書を授与した。 (P rothomA lo他 20 14/0 4/18 Vol.3 05) ◆[IT振興・国際連携:第 2回 ITEE(情報処理技術者試験)を全国 3大学で実施] 国際協力機構(JIC A)が技術協力プロジェクトとして支援しているバングラデシュ IT EE (情報処理技術者試験)が、4月 27日にダッカ大学、バングラデシュ工科大学 ( BUET)及び ラッシャヒ大学構内で実施され、工科系の学生や I Tエンジニア約 500人が受験した。視察 89 に来た日本の情報処理推進機構(IPA )の坂口氏は、「試験実施機関である B anglades h IT EngineersE xaminat ionCent er(BDITEC)は、きちんと試験を管理運営できていた。」と講 評した。合格者の確定は 5月末頃で、結果は BD-I TECの Webや e-ma ilで広報される。 (FinancialExpress他 2014 /04/28 Vol.305) ◆[電子商取引/国際連携:農村地方における eコマース促進] 国連開発( UNDP)が支援する AccesstoInfor matio n(A2I)プログラムでは、農村地域に e コマースを普及するため、首相府と 8ヵ所の民間機関が覚書を締結した。覚書のもとで、 まず行政の最小単位であるユニオン毎に設置されたユニオン情報サービスセンタ (UISC)200ヵ所で eコマースサービスを開始する。UISCに続き、中小都市(Purasha bha) 情報サービスセンタ、都市自治体情報サービスセンタに eコマースサービスを導入する。 (TheFinanc ialExpr ess 201 4/05/23 Vol.30 6) ◆[国際連携:日本がバングラデシュに 6,000億円支援] 日本を訪問中であったバングラデシュのハシナ首相は、5月 2 6日に日本の安倍首相と会 談した。その際、安倍首相はバングラデシュに対して 6,000億円の支援を行うことを約束 し、その後共同声明に調印した。共同声明では、ただ一つの I T関連条項として、(独)国 際協力機構(JICA)が(独)情報処理推進機構(IP A)の支援を得てバングラデシュ政府と 推進中の情報処理技術者試験(ITE E)が取り上げられ、その成果への両首脳の期待が述べ られている。(Daily Star他 2014/0 5/27 Vo l.30 6) ◆[IT振興/国際連携:ITEEは地場 IT産業、I T技術者に裨益効果大] バングラデシュソフトウェア情報サービス協会 (BASIS) と Ba ngladeshIT-en gineers ExaminationCenter(BD-ITEC )が共同で開催した I TEngineersExamina tion(IT EE、情報 処理技術者試験)【註】セミナで、 バングラデシュおよび日本の IT専門家たちは、「IT EE が同国内における多数の I T技術者を適切に評価する基準として有効である。」と述べた。 セミナでは、日本人講師として NTTデータの渡辺氏、東川氏、IPAから坂口氏が日本企業に おける ITEE活用事例などを紹介した。 【註】ITE Eは、情報処理技術者試験をバングラデシュの国家試験として導入するもので、 JICAが技術協力している。すでに 2回実施し、45名の合格者を輩出しており、10月からは、 アジア共通 I T技術者試験としても正式に実施される。 (DailySun他 201 4/06/16 Vol.307 ) ◆[IT振興/ 国際連携:バングラデシュ、7ヵ国目の I Tアジア共通統一試験協議会メンバに] フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、モンゴルの 6ヵ国が加盟して いるアジア共通統一試験協議会(ITPEC) 【注】のメンバとして、バングラデシュが加盟する 90 式典が 9月 1日に開催された。加盟覚書には上記 6ヵ国に加えバングラデシュ代表が署名 した。同時に、Bangl adeshCompute rCou ncil(BCC) と日本の(独)情報処理推進機構(IPA) との間で合格者のスキルに関する相互認証覚書に調印した。これにより情報処理技術者試 験(ITEE )に合格したバングラデシュ技術者は、日本の情報処理技術者試験合格と同等と認 定された。 式典には、郵政通信情報技術省大臣 AbdulLatifSiddique氏、同省 IC T担当大臣 Zunaid AhmedPala k氏、経済産業省審議官 大橋 秀行氏、I PA理事 田中 久也氏、駐バングラデシ ュ日本国大使館大使 佐渡島 志郎氏、(独)国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所長 廿 枝 幹雄氏、(独)日本貿易振興機構(JETRO )ダッカ事務所長 河野 敬氏などが参列し、バン グラデシュ加盟の祝賀と同国 I T人材の活躍に対する期待を述べた。(Dail ySta rWe b他 2014/09/02 Vol.309 ) 【注】ITPECは、我が国の情報処理技術者試験(ITEE )と同等の試験制度を導入している国が 組織するアジア IT共通統一試験協議会で、加盟国は同一試験を、同日、同時刻に実施して いる。バングラデシュでの ITEE導入では、JI CAの技術協力プロジェクトに IPAが協力して バングラデシュを支援しており、CICCからも専門家を派遣している。 ◆[IT振興/ 国際連携:政府、データセンタ、コールセンタ、衛星計画を発表] 郵政情報通信技術省 ZunaidAhm aedPalak副大臣(ICT担当)は、バングラデシュコンピ ュータ評議会主催「デジタルバングラデシュ達成に向けた前進の年」の記者発表会で、「ダ ッカ郊外 Gaz ipur、Kaliakoi r地区に建設中のハイテクパーク内でデータセンタを建設する 中国政府との契約の最終調整を行っている。これは、クラウドコンピューティング技術を 活用した行政用の世界 5番目に大規模なデータセンタであり、2 015年中に基礎工事を開始 したい。さらに、公共サービス情報を迅速に提供するために、ナショナルコールセンタも 開発中である。」と発表した。また、P alak副大臣は、政府は、ロシアの Inter sputnik Internation alOrganiz ationofSp aceCommu nicati onと衛星のリース契約を 2,80 0万米ド ルで調印したことも明らかにした。バングラデシュ Executive Commit tee of N ational EconomicCo uncilは、201 4年 9月 16日に、本プロジェクトへ 260億タカの予算を承認し ている。(Da ilyStar 2015/0 1/12 Vo l.314)( 1タカ=1.52円 2015年 1月 12日現在) 【市場動向】 ◆[市場動向:女性向け Andro idアプリをシティバンクが提供開始] 3月 11日、米国の大手銀行シティバンクが、女性に情報を提供して自立と活性化を支援 する目的で「Eve」というアンドロイドアプリケーションを発表した。これは、第 103回国 際女性デーに合わせて発表したもので、コンテンツは DailyS tarLi feSt yleと Da ilySt ar Magazineが提供する。アプリケーションは、フィットネス、レシピ、キャリア形成、旅行 91 などのライフスタイル情報を提供する。今年末までに 2,000人のユーザを目標としている (DailyStar2014/03 /12 Vol .304) ◆ [市場動向:ITフリーランサーは次世紀には 10億ドルを稼ぐ] 4月 7日、SMEFound ationが開催した「アウトソーシングによる起業者精神開拓」セミ ナにおいて、現地企業 Priyo .comの創業者で C EOの ZakariaSwap an氏は、ITフリーランサ ーは政府の支援さえ受けられれば 10億ドルの外貨を獲得することができるだろうと述べた。 彼によれば、世界のアウトソーシング市場は 1 ,00 0億ドルを越えようとしており、政府の 支援さえあれば、バングラデシュは最低 1%、10億ドルの市場を獲得できるという。同席 した郵政通信・情報技術省の ICT担当大臣 ZunaidA hmedPalak氏も、バングラデシュには すでに 20万人の ITフリーランサーが外貨を獲得しており、今後毎年 5 0,000人を育成する 計画だという。その一環で、すでに約 197のウポジラ(郡レベル)に光ケーブルを引いて おり、2015年までに全国のウポジラに高速インターネットコネクションを提供するという。 バングラデシュはすでに米国、カナダ、英国、オーストラリア、シンガポールから IT-ITES 業 務 を 年 間 2 億 ド ル 受 注 し て い る 。 (Daily S tar Busin ess E dition 2014/04 /07 Vol.305) ◆[市場動向:2014年のソフトウェア輸出高] 2010年から 20 13年の 4年間増加が続いたソフトウェアの輸出高は、政府の統計によれば、 2014年度(2013年 6月から 2 014年 7月末まで)は目標額である 1億 5,44 5万米ドルを達 成できる見込みはなく、201 4年 4月時点で 9,23 7億米ドルであった。その原因は、1月の 総選挙に起因する政情不安や、14万人のフリーランスのソフトウェアアウトソーシングが 増えたもののその数字が政府の統計に含まれていないことが挙げられている。バングラデ シュソフトウェア情報サービス協会(BASI S)では、「個々の企業の業績は良かったので、政 府の統計上での目標未達は一時的なものだ。政府の適切な支援があれば、ITスキルを持つ 若者に就職の機会を与え、201 5年までにソフトウェア輸出高は 1 0億米ドルに拡大する。」 と述べている。(TheFinancia lExpres s 2014 /07/ 02 Vol.307 ) ◆[市場動向:違法 V oIP国際通話は、大部分が Tele talk経由] 携帯電話事業者 Gr ameenpho ne、ban glalink 、Rob iの 3社は、バングラデシュ通信規制委 員会(BTRC )に対して、国営携帯電話事業者 Teleta lkが違法国際通話に対して何の規制措 置も行わないことに関し、至急対処するよう文書で要求した。 すべての国際通話は、相互接続交換機(ICX )、国際ゲートウェイ(IGW )を経由しなければ ならず、そこで課金情報が収集されるが、これをバイパスして課金されないようにする、 つまり、国際通話を国内通話に見せかける機能がある“SIMボックス”という SIMの存在を、 BTRCはすでに確認している。3社の文書では、BTR Cも、5月 28日から 6月 27日の 1ヵ月 92 で、Teletalkの 38,613件の SIMが疑わしい国際通話をしていると報告している、という。 (DailyStar2014/07 /06 Vol .308) ◆[市場動向:バングラデシュに LTEは時期尚早] ダッカ市内ラディソンホテルで開催されている英連邦通信機関会議(CT O)で、バングラデ シュ電気通信規制委員会(BTRC )の Dir ectorGe nera lである B rigGenMdWahid -Uz-Zam an 氏が、 「バングラデシュではまだ L TE導入の需要が小さい。LTEは 3Gよりも高速なサービス だが、対応する携帯端末の価格は高く、LTEのスピードを活かすアプリケーションもコンテ ンツも少ない。現状、最先端の端末を所有するユーザは全体の 3%であり、3Gを利用して いるのはそのうちの約 10 %である。携帯電話利用者の平均売上( APRU)は 150タカから 200 タカである。LTEサービスの導入には、市場がもっと成熟する必要がある。 」と述べた。( Daily Star2014/0 9/10 Vo l.309)( 1タカ=1 .3円 2 014/ 09/10現在) ◆[市場動向:インターネット利用者数が 4,08 0万人] 2014年 8月のインターネット利用者数は 4,080万人とバングラデシュ電気通信規制委員 会(BTRC)が発表した。このうち、モバイルインターネット利用者数が大多数の 3, 930万人、 WiMAX利用者数が約 2 7万人、ISPや固定電話事業者の利用者数が約 1 23万人である。バン グラデシュのインターネット 利用者総数は 1 億 1,700万人だという。(Daily Star 2014/10/02 Vol.310 ) ◆[市場動向:大部分のモバイル決済事業者は黒字] バングラデシュのモバイル決済事業者の 96 %は、安価な費用と利用者の増加により黒字 を計上していることが、ビル・メリンダゲイツ財団の支援を受けた米 M icroSav e社の調査 報告「A gentN etworkAcceler atorS urvey」で明らかになった。本調査によれば、バング ラデシュ成人の 22 %がモバイル決済サービスを利用しており、一方、モバイル決済事業者 は流動性管理(liquid itymana gement) という効果的な利用者管理を導入している。 バングラデシュ国銀行によれば、利用登録者は 2 , 070万人、決済事業者は 477 ,920人だ という。1人の決済事業者は 1日 30件の決済業務を実施し、20%の手数料を徴収する。主な モバイル決済事業者は、BRA C銀行と米国 Moneyi nMotion社合弁の bKas hが市場の 5 0%を 占め、Dutch -BanglaBankLtd .の DBBLが 28%、Unit edCommerci alBank社の Ucashが 14% と続く。(Da ilyStar2014/10 /29 Vol .312) ◆[市場動向:縫製品産業で I T活用を] バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGME A)とバングラデシュソフトウェア情報 サービス協会(BASIS )が共催したセミナにおいて、BGMEAの At iqulIsl am会長は、「既製 服の分野では、国際的な競争力を強化するために最新の ITを導入した。生産性向上のため 93 サプライチェーンを ITで統合管理することが重要だ。既製服分野では 350万人が働いてお り、その従業員データベースも必要だ。 」と語った。縫製品産業では、2 014年に I T技術者 が 4万人以上働いているという。(TheFinalnc ialExpress 20 15/02/12 Vol.31 5) 【企業動向】 ◆[企業動向:Gramee nSoluti on社が、4年間で 10万人の ITフリーランサを育成] GrameenS oltuins社は、デンマークの CodersTr ust社と提携して、今後毎年 5万人の ITフリーランサを訓練して、2年間で合計 10万人のフリーランサを養成する契約に調印し たと発表した。マッキンゼーレポートによれば、フリーランサ向けポータルには、2015年 までに 1億 5 ,000万件の仕事が掲載される。郵政通信・情報技術省 ICT担当次官 N.I .Khan 氏は、「世界のフリーランサ向けの仕事の 12% を獲得する。そのために学生などにビジネス を 行 う た め の 手 段 と 新 た な ス キ ル を 与 え る 。」 と 述 べ た 。 (Daily Star 2014/ 05/05 Vol.306) ◆[企業動向:女性起業家向け e-Comme rceサービス提供] 女性起業家向けに新たな e-Comme rceサービスが 6月 1 5日に始まった。各起業家は、商 品を e-Comme rceを通じて販売したり、他の起業家の商品を購入したりできる。決済方法は UnionCommerc ialBankが提供している Mob ileWall etや UCashで行われる。システム開発 には AsiaFo undatio nとダッカ大学が協力した。(D ailyStar 2014/06/ 16 Vol. 307) ◆[企業動向:Telenor 、モバイル健康サービスを強化] 世界第 6位のノルウェーの通信事業者 Telenorグループのグローバル健康サービス部門 のトップである Matt hewGuilf ord氏が、「政府、NG Oとの連携を強め、携帯端末による健康 サービスビジネスをさらに拡大する。 」と述べた。彼によれば、バングラデシュは、モバイ ル健康サービスに関してアジアで最も先進的な国であり、Grame enphon eは Teleno rグルー プの中で一番健康サービスの成果を挙げている。更に規模を拡大するために NG Oや開発パ ートナとの連携を積極的に行うという。Te lenorグループは、バングラデシュ携帯電話サー ビス最大手、Grameen phon eの 5 5.8%の株を保有している。Grame enphon eはすでに携帯電話 により、顧客が 2 4時間健康相談できる“健康電話(HealthLin e)”というサービスを提供 している。( DailySt ar 2014 /07/03 Vol.308 ) ◆[企業動向/IT振興:Gramee phoneがダッカ大学にコンピュータラボを開設] 7月 3日に、ダッカ大学の観光・ホスピタリティ学部(Tourism&Hospita lityDep artment) にコンピュータラボが開設された。開設されたラボには、携帯電話事業者最大手 Grameenphon eが支援した 52台のデスクトップコンピュータ、プリンタ、マルチメディアプ 94 ロジェクタ、CCTVが装備されている。全ての学生が、インターネットで世界の知識や情報 にアクセスできるようになり、勉学のために利用する。(DailyStar201 4/07/04 Vol.308 ) ◆[企業動向:ベンガル語 OCRの発表] バングラデシュで初めてのベンガル語 OCR 「Puthi 」の発売を現地企業 TeamEngin e社が 8月 7日に発表した。この OCRは、現在 10 0種類以上のベンガル語フォントに対応し、オリ ジナルテキストから 95%の正確さでデジタル変換が可能となっている。OCRはオンライン ライブラリの構築だけでなく、eガバメントの実施にも必須である。(thedailyo bserver 2014/08/07 Vol.308 ) ◆[企業動向:業界第 3位の携帯電話業者 Robi社が収益増] 携帯電話事業者第 3位、Robi社の今年第 2四半期営業利益が前年比 2. 6%増加して、11億 3,700万タカとなった。今年初めから 6月までの新規利用者は 1 70万人だという。収益に関 しては、前年比 5.8%増加して、同じく第 2四半期で 1 23億タカとなった。Rob i社によれば、 通話収入は、市場の低価格要求により低い成長率となったが、利用者による携帯電話利用 形態の変化に伴い、データ通信収入は同時期でこれまでにない 122.4%の伸びを示した。 (DailySun 2014/08 /28 Vol .309)、( 1タカ=1 .3円 2014/08 /28現在) ◆[企業動向:業界 2位の携帯電話業者 Bangla lin kの利用者が 3,000万人に] 携帯電話事業者 2位の Bang lalink社は、同社の目標である利用者数 3,000万人を達成し たと発表した。バングラデシュ電気通信規制委員会(BTRC)によると、バングラデシュの携 帯電話の総利用者数は 1億 1, 680万人であり、業界 1位の Grame enphoneは 4,940万人、業 界 3位の Rob i社は 2 ,420万人となっている。 (Dai lyStar 20 14/09/29 Vol.31 0) ◆[企業動向:グラミンフォン CEOが将来計画を語る] バングラデシュで携帯電話事業第 1位のグラミンフォン(GP )の新 CE Oである VivekSo od 氏は、11月 6日にインタビューに答えて、 「将来計画として、現在、農村地域でもインター ネットアクセスができる安価なフィーチャーフォンの製造について、地場の携帯電話製造 会社と検討している。 」と語った。また、これまでに「携帯電話機利用者 5,000万人、3 Gイ ンターネットスピード 2倍」という目標を達成し、次は教育用の新たなコンテンツとアプ リケーションを開発し、さらに新たなデータプランを提供する予定だという。G Pの利用者 は、Faceboo k、YouTu be、Vibe r、Whats Appや音楽配信などを利用している。2013年 10月 時点で 15テラバイトだったデータ通信利用量がすでに 65テラバイトに増加していると述 べた。 (Dai lyStar2014/11/ 09 Vol. 312) ◆[企業動向:GoogleBus、バングラデシュの大学でインターネット教育] 95 検索サービス大手の Googleは、1 1月 12日にバングラデシュ全国の大学 480校の学生 50 万人に対して、インターネット利用について教えるワークショップの Go ogleBu sを開始し た。GooglBusでは、GoogleSearch 、Chrome 、Docs 、Maps、You Tube、Go ogle+など Google の各種ツールの利用方法も教える。 開始式で、郵政通信情報技術省 ICT担当大臣の Zun a idAhmedPa lak氏は、 「Googleは、今 後 2ヵ月以内にダッカ及びチッタゴンのストリートビューを提供する。また、バルーン内 にレシーバを組み込んでインターネットアクセスをサポートする Goo gleBall oonのほか 4 ~5つのプロジェクトを検討中である。 」と述べた。 (DailySta rt2014/ 11/13 V ol.312) 【IT振興】 ◆[IT振興:インターネット普及に関するラウンドテーブル開催] 3月 8日、ダッカ市内で、バングラデシュ最大手の通信事業者 Gramin phoneと Telenorグ ループによるラウンドテーブルが開催され、出席者から、インターネットの成長は、ロー カルコンテンツと低価格携帯電話が鍵であるとの意見が述べられた。Gr aminphon eの CEOに よれば、国民の 85%はインターネットの使い方を理解していないため、利用者の教育とイン ターネットに対する理解が重要であるという。この会議は 3、4年後に人口の半分がインタ ーネットを利用するためのキャンペーンの一環として開催された。 バングラデシュは 1億 1,400万人の携帯電話利用者がおり、世界でも有数の伸びを示し ている国のひとつである。しかし、バングラデシュ通信規制庁( BTRC )によれば、インター ネット利用者は 3,50 0万人しかいない。 (Dail ySt ar2014/03/ 09 Vol. 304) ◆ [IT振興/ 国際連携:オランダ IT投資の誘致推進] ソフトウェア情報サービス産業協会( BASIS) は、オランダの大使館と Nyenro deBusin ess Universityと協力してビジネスを開拓する機会を設けた。オランダから参加した IT企業 10社は、バングラデシュ企業とビジネスマッチングを行った。B ASISの ShameemAhsan会 長は、「政治の不安定さは IT産業の成長に影響を与えない。」と述べ、郵便通信情報技術省 ZunaidAhmedPalak大臣は、 「ITは国家の経済社会改革の重要な柱として認識されている。 安価な通信サービスで IT産業を促進する。」と強調した。政府はハイテクパークの整備を 進めており、オランダミッションはそのうちの一つ Kaliako irハイテクパークを訪問する こととなっている。B ASISは、 「ここでは、ソフトウェア、ITサービス産業には法人税が無 く、コンピュータなどハードウェアの輸入関税もゼロで、外国企業は利益を 100%送還する ことができる。外貨規制はシンプルでコピーライトはあり、厳しい情報セキュリティ法も ある。ソフトウェアと情報サービス産業は過去 5年間で輸出高が 2,4 00万米ドルから 2億 米ドルに増加した。次の 5年間で 1 0億米ドルの輸出高を目指す。 」と述べた。(TheFi nancial Express 20 14/04/03 Vol.30 4) 96 ◆[IT振興/ 国際連携:第 1回 ITEE(情報処理技術者試験)合格書授与式] バングラデシュコンピュータ評議会(B CC)において、第 1回 ITE E(情報処理技術者試験) 合格者に対して、合格書授与式が行われた。式には、所管省である郵政通信・情報技術省 (MoPTIT)の AbdulLatifS iddiqu e大臣、在バングラデシュ日本国特命全権大使 佐渡島 志郎氏、国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所長 廿枝幹雄氏などが出席し、25人の 合格者に証書を授与した。 (P rothomA lo他 20 14/0 4/18 Vol.3 05) ◆[IT振興・国際連携:第 2回 ITEE(情報処理技術者試験)を全国 3大学で実施] 国際協力機構(JIC A)が技術協力プロジェクトとして支援しているバングラデシュ IT EE (情報処理技術者試験)が、4月 27日にダッカ大学、バングラデシュ工科大学 ( BUET)及び ラッシャヒ大学構内で実施され、工科系の学生や I Tエンジニア約 500人が受験した。視察 に来た日本の情報処理推進機構(IPA )の坂口氏は、「試験実施機関である B anglades h IT EngineersE xaminat ionCent er(BDITEC)は、きちんと試験を管理運営できていた。」と講 評した。合格者の確定は 5月末頃で、結果は BD-I TECの Webや e-ma ilで広報される。 (FinancialExpress他 2014 /04/28 Vol.305) ◆[IT振興:Hasina首相、IT産業促進を述べる] SheikhHa sina首相は、最大の IT展示会 DigitalWorld2014の開会式に出席し、「若い 世代がコンピュータ技術や知識を習得することにより、国が発展していく。安定したイン ターネット接続のために第 2海底ケーブルの敷設に着手した。学校にマルチメディア教室 やコンピュータラボを設置し、各地域に IT技能を持つ新世代の若者の仕事場となる ITパ ークを建設する。政府は、ソフトウェアと ITサービス産業の年間輸出高 50億米ドルを目 標とする。この目標を達成するために政府と産業界は協力すべきである。 」と述べた。(T he FinancialE xpress 2014/06/ 05 Vol. 306) ◆[IT振興/国際連携:ITEEは地場 IT産業、I T技術者に裨益効果大] バングラデシュソフトウェア情報サービス協会 (BASIS) と Ba ngladeshIT-en gineers ExaminationCenter(BD-ITEC )が共同で開催した I TEngineersExamina tion(IT EE、情報 処理技術者試験)【註】セミナで、 バングラデシュおよび日本の IT専門家たちは、「IT EE が同国内における多数の I T技術者を適切に評価する基準として有効である。」と述べた。 セミナでは、日本人講師として NTTデータの渡辺氏、東川氏、IPAから坂口氏が日本企業に おける ITEE活用事例などを紹介した。 【註】ITE Eは、情報処理技術者試験をバングラデシュの国家試験として導入するもので、 JICAが技術協力している。すでに 2回実施し、45名の合格者を輩出しており、10月からは、 アジア共通 I T技術者試験としても正式に実施される。 97 (DailySun他 201 4/06/16 Vol.307 ) ◆[企業動向/IT振興:Gramee phoneがダッカ大学にコンピュータラボを開設] 7月 3日に、ダッカ大学の観光・ホスピタリティ学部(Tourism&Hospita lityDep artment) にコンピュータラボが開設された。開設されたラボには、携帯電話事業者最大手 Grameenphon eが支援した 52台のデスクトップコンピュータ、プリンタ、マルチメディアプ ロジェクタ、CCTVが装備されている。全ての学生が、インターネットで世界の知識や情報 にアクセスできるようになり、勉学のために利用する。(DailyStar201 4/07/04 Vol.308 ) ◆[IT振興/ 国際連携:バングラデシュ、7ヵ国目の I Tアジア共通統一試験協議会メンバに] フィリピン、タイ、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、モンゴルの 6ヵ国が加盟して いるアジア共通統一試験協議会(ITPEC) 【注】のメンバとして、バングラデシュが加盟する 式典が 9月 1日に開催された。加盟覚書には上記 6ヵ国に加えバングラデシュ代表が署名 した。同時に、Bangl adeshCompute rCou ncil(BCC) と日本の(独)情報処理推進機構(IPA) との間で合格者のスキルに関する相互認証覚書に調印した。これにより情報処理技術者試 験(ITEE )に合格したバングラデシュ技術者は、日本の情報処理技術者試験合格と同等と認 定された。 式典には、郵政通信情報技術省大臣 AbdulLatifSiddique氏、同省 IC T担当大臣 Zunaid AhmedPala k氏、経済産業省審議官 大橋 秀行氏、I PA理事 田中 久也氏、駐バングラデシ ュ日本国大使館大使 佐渡島 志郎氏、(独)国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所長 廿 枝 幹雄氏、(独)日本貿易振興機構(JETRO )ダッカ事務所長 河野 敬氏などが参列し、バン グラデシュ加盟の祝賀と同国 I T人材の活躍に対する期待を述べた。(Dail ySta rWe b他 2014/09/02 Vol.309 ) 【注】ITPECは、我が国の情報処理技術者試験(ITEE )と同等の試験制度を導入している国が 組織するアジア IT共通統一試験協議会で、加盟国は同一試験を、同日、同時刻に実施して いる。バングラデシュでの ITEE導入では、JI CAの技術協力プロジェクトに IPAが協力して バングラデシュを支援しており、CICCからも専門家を派遣している。 ◆[IT振興:政府、国民向けサービスのモバイルアプリ 25種を公開] 9月 28日、バングラデシュコンピュータ評議会(B CC)にて開催された MCC社と EATL社の 「もっと国民寄りに!」と命名されたイベントのセレモニーで、バングラデシュ政府は、 国民に対するサービス向上を目的としたモバイルアプリケーション 25種を、主賓として出 席した郵政通信・情報技術省の I CT担当大臣 Para k氏が発表した。国民は、現在、アプリ ケーションの「RighttoInform ationLaw」、「D rivi ngLicens eInf ormation 」、「Dha kaZoo 」 などを、無料でダウンロードすることができる。 ( DailyStar 2014/09 /29 Vol .310) ◆[IT振興:バングラデシュが WISTAグローバル IC T賞受賞] 98 WITSAG lobalICTEx cellenceAward2014の IT活用による国民生活改善部門でバングラ デシュ郵政通信・情報技術省 ICT局が、そして Mobi leExcelle nce部門で Bangl alink社が 表彰された。世界 I Tサービス産業機構(WITS A)会合は、2年ごとに世界国際電気通信会議 (WCIT)に合わせて開催され、ICT活用に顕著な実績を上げた団体、行政組織や個人を表彰し ている。(Da ilyStar2014/10 /02 Vol .310) ◆[IT振興 :首相府、情報化達成状況を発表] 首相府の A 2I(Acces stoInform ation)プロジェクトディレクタでもある KabirBi nAnwar 長官は、11月 7日開催の Digi talCen treEnt repre neursConfe renceにて、202 1年のデジ タルバングラデシュ実現に向けた情報化の達成状況を発表した。これまでの 4年間で、ユ ニオン【注】デジタルセンタ 4,5 47ヵ所、地方自治体デジタルセンタ 321ヵ所、区デジタ ルセンタ 40 7ヵ所を設置し、50万件のサービスを提供し、70万件のオンライン出生登録を 行い、オンラインバンキングを 9万人に提供しているという。郵政通信情報技術省 I CT担 当大臣 Pala k氏は、2016年には全ユニオンのデジタルセンタが光ファイバで結ばれ、1Mbps のインターネット接続が可能になると述べた。 (Da ilyStar20 14/11/10 Vol.31 2) 【注】バングラデシュには最少の行政単位であるユニオンが約 4,500ヵ所ある。ユニオン の平均人口は約 28,0 00人(201 3年 3月時点)。 ◆[IT振興:Kaliako irハイテクパーク開発契約の進捗] 11月 1 1日に経済事項担当の内閣委員会は、バングラデシュ Summi tグループとインド Infinity社のジョイントベンチャによる Gazipur地区の Kaliakoi rハイテクパーク開発契 約を承認し、大幅に遅延していた Kari akorハイテクパークの開発が着手される。 ハイテクパークには 1 0年間で 2億 75 7万米ドルが投資され、約 9 4エーカーの土地にイ ンフラが整備される。ITや BPO企業に、約 40年間(最長 60年間)にわたり土地が貸し出 され、入居した企業は土地の広さに応じて収入の 41 % から 42.5%を、郵政通信情報技術省 ICT 局 傘 下 の ハ イ テ ク パ ー ク 庁 に 収 め る こ と と な っ て い る 。 (Daily Star 2014/10/27、 2014/11/12 Vol.312 ) ◆[IT振興:ナショナルハッカソン開催] 郵政情報通信技術省 ICT局による Na tionalMobi l eApplicationDev elopment&Cap acity BuildingPro gramの一環で、12月 6 、7日に 36時間に及び実施されたプログラミングマラ ソンの結果が 12月 14日に発表された。1,614人のプログラマがチームを組んで 10分野で 社会、公共的な課題を解決するプログラム開発を行い、10チームが表彰された。受賞チー ムには、プログラムを実現するために、郵政情報通信技術省 ICT局から支援金 200万タカ が授与された。受賞チームは、BRAC大学、Daf fodilInternation al大学、企業などであっ 99 た。 (DailyStar 2 014/12/1 5 Vol.3 14)(1タカ=1 .53円、201 4年 12月 15日現在) ◆[IT振興/ 国際連携:政府、データセンタ、コールセンタ、衛星計画を発表] 郵政情報通信技術省 ZunaidAhm aedPalak副大臣(ICT担当)は、バングラデシュコンピ ュータ評議会主催「デジタルバングラデシュ達成に向けた前進の年」の記者発表会で、「ダ ッカ郊外 Gaz ipur、Kaliakoi r地区に建設中のハイテクパーク内でデータセンタを建設する 中国政府との契約の最終調整を行っている。これは、クラウドコンピューティング技術を 活用した行政用の世界 5番目に大規模なデータセンタであり、2 015年中に基礎工事を開始 したい。さらに、公共サービス情報を迅速に提供するために、ナショナルコールセンタも 開発中である。」と発表した。また、P alak副大臣は、政府は、ロシアの Inter sputnik Internation alOrganiz ationofSp aceCommu nicati onと衛星のリース契約を 2,80 0万米ド ルで調印したことも明らかにした。バングラデシュ Executive Commit tee of N ational EconomicCo uncilは、201 4年 9月 16日に、本プロジェクトへ 260億タカの予算を承認し ている。(Da ilyStar 2015/0 1/12 Vo l.314)( 1タカ=1.52円 2015年 1月 12日現在) ◆[IT振興 :バングラデシュ政府、IT人材研修プログラムを始動] 2021年を目途に進めている DigitalBangla deshに向けて、バングラデシュ政府は、1月 31日に IT-BPO分野の 30, 000人の卒業生に対する研修プログラムをスタートさせた。この プログラムは、世界銀行から 7 ,000万ドルの借款で、2013年から 3年間にわたりバングラ デシュコンピュータ評議会(BC C)が実施している Le veragingIC TforGr owth,Em ployment andGoverna nceProj ect(LICT )と連携して行うものである。 研修は英国の E rnst&Y oung社が行い、専門研修を 10,00 0人に、基礎研修を 20,00 0人 に実施する。IT及び工学系の卒業生には、4ヵ月間程度、約 300時間のモバイル技術、ク ラウドコンピューティング、ビッグデータなどの研修が行われる。科学系の卒業生には、 約 160時間のグラフィックデザイン、アナリティクスリサーチ研修が行われる。文化系や 大学入学資格を取得した学生には、オンラインマーケティング、カスタマサービスなどの 基礎研修が実施される。Ernst& Young社は 60%の研修生の就職を保証するという。 (Daily Star2015/0 2/01 Vo l.315) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:第 2海底ケーブルに調印] バングラデシュは、インターネット帯域を現在の 7倍にする第 2海底ケーブル敷設に関 して海底ケーブルコンソーシアムと契約した。SEAM E-WE-5ケーブルは、アジア太洋地域の 15の先進通信事業者とヨーロッパを今後 22ヵ月以内に結ぶことになる。バングラデシュは コンソーシアムメンバになり、1,40 0ギガビット/ 秒のインターネット帯域を得る予定であ 100 る。海底ケーブル上陸ステーションは、フランス Ar catel-Lucen tと日本電気がバングラデ シュ南部の K uakataに建設する。 (Dai lyStar201 4/03/09 Vo l.304) ◆[ITインフラ:バングラデシュ政府がインターネット帯域をインドに貸し出す] バングラデシュ海底ケーブル公社総裁の Monw arH ossain氏によれば、バングラデシュは、 4,500万タカ/月で 40 Gpsのインターネット帯域をインドの Bhara tSancharNiga m社に貸し 出すという。この決定は 2月になされたが、まだ調印に至っていない。バングラデシュは、 今後 12年間利用可能な海底ケーブルで 2 00Gpsの帯域を保有しているが、現在、音声、デ ータ通信で 3 2Gpsしか使用しておらず、2015年末には 1,400Gpsの容量を持つ新たな海底ケ ーブルが利用可能となる。シンガポール、マレーシア、イタリア、ミャンマーなどもこの 貸 出 し に 関 心 を 示 し て い る 。 (Daily Star 2014/ 05/08 Vol.306)( 1 タ カ = 1.31 円 2014/05/08現在) ◆[ITインフラ:201 9年までにインターネット普及率を 75%に] 「Digita lBangla deshビジョンを実現するため 20 19年までにインターネット普及率 75% に達成することを目指す。」と郵政通信・情報技術省(MoPTIT) の Pala k閣外大臣は述べた。 インターネット普及率は 200 9年にはわずか 3 %であったが、現在は 24%となっている。2015 年までに達成すべきミレニアム開発目標につながるとして、フリーランサ、アウトソーシ ングの展開、光ファイバー網など ITインフラの拡充、3万 4千人の ICT人材の育成計画な どに注力している。( TheInde pendent 2014/0 5/24 Vol.306) ◆[ITインフラ:7月末の第 3世代携帯電話の加入者数、485万人] バングラデシュ電気通信規制委員会( BTRC)によれば、第 3世代携帯電話(3G) の加入者数 は、2013年 1 1月末の 77万人に比べて 530%増加し、2 014年 7月末に 485万人となった。201 4 年 7月末の携帯電話加入者数は 1億 1,68 7万人、インターネット加入者数は 3, 905万人で あった。2013年 9月に民間企業 4社(Gra meenpho n社、Banglalin k社、Rob i社、Airte l社) に 3Gライセンスが付与され、国営企業の Tel etalk社を合わせ 5社が 3Gネットワークを拡 張している。(bdnews 24 2014 /08/15 Vol.309 ) ◆[ITインフラ:通信規制委員会、更に高速インターネット周波数の提供を検討] 通信規制委員会( BTRC )は、モバイル事業者が更に高性能なサービスを広範囲で提供でき るようにするため、来年新たに 700MH z周波数をリリースする準備を開始した。これに先立 ち、ISPが使用している帯域をモバイル事業者に供給するべく調整が行われる。 この 700MHz周波数は、国連の国際電気通信連合( ITU)の勧告に従い、第 4世代モバイル 技術の LTEで利用される。(Da ilyStar2014/1 0/22 Vol.311) 101 【電子政府】 ◆[電子政府/国際連携:オンライン統計情報データウェアハウス構築] バングラデシュ統計局は、オンライン統計情報データウェアハウス(SD W: Onlin e StatisticalDataWareho use)を構築し、政策立案や、企業の要請に応じて統計情報を利 用できるようにする。SDWは、2014年から 2015年の間に、7億 6,000万タカを投じて開発 する。サービスの提供は 2017年を予定している。韓国 KoreaInterna tionalCooperat ion Agency(KOIC A)がすでに援助に合意しているという。(DailySt ar2014/ 04/10 V ol.305) (1 タカ=約 1. 3円 201 4年 4月 10日現在) ◆[電子政府:外国援助のオンライン追跡システム開発] バングラデシュ政府は、政府とパートナ機関における透明性とアカウンタビリティ向上 のためにオンライン海外援助追跡システムを開発した。海外からの援助受け入れ窓口であ る ERD(Eco nomicRe lationsD ivision )は、昨日関係者と会議を開催し、AIMS (AidInf ormation ManagementSyste m)のベータ版を披露した。このシステムは、海外援助プロジェクトの開 発状況と資金の流れを記録する。今後ウェブから、政府関係者、開発パートナだけでなく 民間機関などがアクセスできるようにする。このシステムは地場の I T企業、T echnoVis ta 社が、300万タカで、マルチドナー援助資金を利用して開発した。 (DailyStar201 4/05/12 Vol.306)(1タカ=1 .31円 20 14/05/1 2現在) ◆[電子政府:ITU、バングラデシュの電子政府推進を表彰] Internatio nal Telec ommunica tion Unio n (ITU)は 、 A2I プ ロ グ ラ ム (註 :Access t o Informatio nプログラムは農村地域でのインターネット利用向上、IT技術を活用した公共 サービスの提供改善施策)に関連してバングラデシュの電子政府推進の成果を表彰した。 ジュネーブで開催された世界情報社会サミットで行われた表彰式で、郵政通信・情報技術 省の ICT担当大臣 Zu naidAhmedPalak氏が受賞した。(DailyStar 2 014/06/0 6 Vol.3 07) ◆[電子政府:全省庁、来年 7月までに電子調達を実施] 「政府は、公共調達での透明性、信頼性を確保するため、来年の 7月までに全省庁に電 子調達、電子入札を導入する予定である。」と計画省の AHMM ustafaK amal大臣が述べた。 政府は、すでに世界銀行の支援を受け、道路庁、地方政府開発庁、地方電子化局、水開発 局の 4機関が先行して公共調達リフォームプロジェクトの一環である新電子調達システム を導入し、オンライン調達を実施している。他の 2 6省庁にも今後電子調達システムが導入 される。(Th eIndepe ndent20 14/09/06 Vol.3 09) ◆[電子政府:財務省 経済協力局、外国援助金状況データベースを公開へ] 102 財務省 経済協力局(ERD)がウェブベースの外国援助金データベースソフトウェア(AIMS 、 AidInform ationManageme ntSyst em)を公開した。このシステムからすべての人が外国援 助金の収入と支出にアクセスできる。「バングラデシュは、これまで毎年 18億 5,0 00万ド ルの外国援助金を得ており、それはバングラデシュ開発予算の 35%に及んでいる。システ ム導入は容易だがその活用は難しい。今後関係機関の人材育成を行っていく。」と首相府の 経済担当アドバイザ MashiurRhaman氏は述べた。( DailyStar2014//10 /27 Vol .311) 【電子商取引】 ◆[電子商取引/国際連携:農村地方における eコマース促進] 国連開発( UNDP)が支援する AccesstoInfor matio n(A2I)プログラムでは、農村地域に e コマースを普及するため、首相府と 8ヵ所の民間機関が覚書を締結した。覚書のもとで、 まず行政の最小単位であるユニオン毎に設置されたユニオン情報サービスセンタ (UISC)200ヵ所で eコマースサービスを開始する。UISCに続き、中小都市(Purasha bha) 情報サービスセンタ、都市自治体情報サービスセンタに eコマースサービスを導入する。 (TheFinanc ialExpr ess 201 4/05/23 Vol.30 6) 【IT人材】 ◆[IT人材:女性児童省、全国の女性に IT研修を実施] 女性児童省は女性の IT産業への就業機会を増やすため、5億 2千万タカの予算を充当し、 基礎的なコンピュータ研修プログラムを全 64県(D istrict)で開始した。今後 5年間で約 19,200人の女性に研修を行う。(TheF inancialTime s 2014/07/ 02 Vol. 307) (1タカ=1.2 9 円 2014/07 /02現在) ◆[IT人材: 第 1回アジア共通統一情報処理技術者試験実施] 10月 26日、アジア 7ヵ国で同一日、同一試験問題で実施しているアジア共通統一情報処 理技術者試験が、バングラデシュで初めて実施された。試験は、ダッカ大学(DU )、バング ラデシュ工科大学(BUE T)、ラッシャヒ大学(RU )、チッタゴン工科大学(CUE T)、クルナ工科 大学(KUET) の 5会場で実施された。あいにく、ジャマティ・イスラミ党による全国規模の ゼネストが同日に行われていたが、合計 500名近くが受験申し込みを行っていた。 ア ジ ア 共 通 情 報 技 術 者 試 験 は 、 IT PEC ( In formation Technol ogy P rofessio nals ExaminationCounc il)が実施している、日本の情報処理技術者試験と同レベルの試験で、 この試験合格者は日本を含む ITPE Cメンバ国でも高度 IT人材として認定される。 (FinancialExpress 、 Protho mAlo他 2014/10 /27 Vol.311) 103 ◆[IT人材:LICTプロジェクト修了生の 50%が就職] 郵便通信情報技術省所管のバングラデシュコンピュータ評議会(BCC)の「Levera gingI CT (LCIT)forGrowth,Employm entandGoverna nce」プロジェクトでは、将来の ITリーダに と期待される 4,0 00人の若者を対象に 3ヵ月間の研修プログラムが実施されている。第 1 期では 9月に 148人が修了し、そのうち 70人が様々な IT機関で採用された。第 2期は 3 ヵ月研修のうち 1ヵ月間を地方の研修機関で実施している。BCCは LICTプロジェクトでは IT産業界で必要とされる有能な若者を短期間で研修することに焦点を当てている。(T he FinancialE xpress 2014/11/ 04 ◆[IT人材:LICTプロジェクト修了生の 50%が就職] 郵便通信情報技術省所管のバングラデシュコンピュータ評議会(BCC)の「Levera gingI CT (LCIT)forGrowth,Employm entandGoverna nce」プロジェクトでは、将来の ITリーダに と期待される 4,0 00人の若者を対象に 3ヵ月間の研修プログラムが実施されている。第 1 期では 9月に 148人が修了し、そのうち 70人が様々な IT機関で採用された。第 2期は 3 ヵ月研修のうち 1ヵ月間を地方の研修機関で実施している。BCCは LICTプロジェクトでは IT産業界で必要とされる有能な若者を短期間で研修することに焦点を当てている。(T he FinancialE xpress 2014/11/ 04 Vol. 311) ◆[IT人材:第 1回 I TEE(情報処理技術者試験) に1 0名合格] 10月 26日にホルタル(ゼネスト)の中実施された第 1回 IT EE正式試験の結果が 11月 17日に発表され、1 0名が合格した。彼らは、アジア 13ヵ国で ITプロフェッショナルと認 められたことになる。試験は、ダッカ大学、バングラデシュ工科大学、チッタゴン工科大 学、ラッシャヒ大学およびクルナ工科大学の 5会場で実施され、ホルタル中にもかかわら ず 182名が受験した。 (DailyIttefa q他 201 4/11 /18他 Vol. 312) ◆[IT人材:政府、2 6,000人に IT研修実施] 「バングラデシュ政府は、これまでに女性 12,00 0人を含む 26,000人の若者に対し、IT の仕事が自宅でできて将来は起業できるように IT研修を実施した。」と郵政情報通信技術 省 ZunaidAhmaedPalak副大臣(ICT担当)が述べた。今後 2年間でさらに 55,000人に研 修を行う予定である。基礎研修では 1週間でコンピュータの一般常識を教え、上級研修で は、ウェブデザイン、グラフィックデザイン、モバイルアプリケーションなどの研修を実 施している。オンライン研修も提供しており 13,18 4人が受講している。フリーランサの IT 技術者は 45万人登録されており、彼らの全体の収入は 201 3年度で 2, 100万米ドルとなっ ている。(Da ilyStar 2015/1 /13 Vol .314) 104 フィリピン 【IT政策】 ◆[IT政策:Globeの電子政府事業部、地方自治体を支援] GlobeTeleco mで新たに組織された電子政府事業部は、中央政府及び全国の地方自治体の要 人からなる団体や、国際非営利組織の代表などを集めた「IC T刷新フォーラム」を主催した。 同フォーラムの目的は、ICTの利活用について政府要人と民間企業間の包括的な対話を推進 し、政府機関が ICTシステムを導入する際のノウハウについて意見交換することである。 GlobeTele com副社長は、民間企業が納税、調達、関税、人材、統計などの業務系アプリ ケーションの ICTに関する技術ノウハウを政府に提供するよいタイミングであると語った。 また、フォーラムでは、フィリピン開発銀行や専門家などから、給与支払いや登記、災害 対策等に ICTを導入する場合の利点などの解説があった。また、地方政府での ICT導入に より、国全体としての総合的な競争力向上を目指すことについても話し合いが行われた。 (ManilaBul letin 2 014/07/6 Vol.30 7) ◆[T政策:O nlineフリーランスが政府インセンティブを得て成長産業へ] フィリピンでは、B POの領域で Onlin eフリーランスが産業として成長してきている。同 業大手 El ance-oD esk社によると、フィリピンの On lineフリーランス産業は年間 2億米ド ルの収益を上げている。同収益は世界規模では約 9億米ドルである。 フィリピン政府も、Onlin eフリーランスを担う人材の育成と税制面のインセンティブを 検討している。政府の教育機関である TESDA(Te chni calEducationa ndSkillsA uthorit y) は Freel ance.co mと協力し、On lineフリーランスに従事する上でのスキル向上等の研修を 提供する。 また、内国歳入局と貿易産業省は、資産 6 6,785米ドル以下の Onli neフリーランサーの所 得税の一部を免除する等、税制上のインセンティブなどの措置を急ぐ。(t echniasi a 2014/10/16 Vol.311 ) ◆[企業動向/IT政策:政府データセンター 、G lobeTerlecomのサービスを活用] フィリピン政府が電子政府マスタープランの一環として推進している「統合政府フィリ ピン(iGovPh il)」プロジェクトで、科学技術省は政府機関の情報を保管予定の第 2政府デ ータセンターを Glob eTerle comの施設内に建設中である。第 1政府データセンターは既に 省庁内の施設に設置されている。 第 2政府データセンターの建設・設置完了後には、科学技術省情報通信技術局(DO ST-ICTO) のメールやホームぺージ、ドキュメント管理を同データセンターが行う。 iGovPhilの担当者は、政府の情報システムにおいて GlobeTer lecomのサービスを活用す ることにより、通信事業者の最新技術、施設や ITの運用ノウハウを活用できると述べた。 (TheManil aBullet in 2014 /12/25 Vol.313 ) 105 ◆[IT政策:フィリピン政府、 「2020電子商取引ロードマップ」策定へ] 2014年フィリピンの電子商取引市場は 10億米ドルであり、2015年は 20億米ドルに伸び ると予測されている。 こうした中、貿易産業省(DTI )は「2020電子商取引ロードマップ」策定へ動き始めた。同 省次官によると、今年から電子商取引関連企業関係者で構成される技術ワーキンググルー プ(TWG)を複数設置する。TW Gは、情報セキュリティ、データプライバシー、電子決済、消 費者保護、ロジステクス等に分かれて構成される。 (Philstar 2015/02 /02 Vol .314) 【市場動向】 ◆[市場動向:フィリピンに「スマートホーム」市場拡大予測] 好調な経済成長により、個人資産が増加傾向にあるフィリピンで、鍵のグローバルメー カが生体認証キーなどのスマートキーの販売を開始した。 Yalelock s社の東南アジアデジタルドアキー部長はスマートホームソリューション市場 の拡大が期待できる市場としてフィリピンを挙げており、同社は指紋や瞳の虹彩、手の掌 紋などの生体認証や RFIDを使った非接触型カードキーなどの鍵をフィリピン市場に出す。 同社がこのようなデジタルキーをアジアに導入したのは 200 8年の香港が初めてである。 (BusinessW orld 20 14/04/07 Vol.30 4) ◆[市場動向:フィリピンで電子マネー取引が急増] フィリピンの中央銀行である theBangkoS entra lngPilipi nas(以下、BSP)のデータ によると、電子マネーによる取引が 20 13年は 2 010年の約 2倍となっている。 2010年に総額 4,41 0億ペソであった電子マネーによる取引額は、201 3年には 7,300億ペ ソに増額した。また、電子マネーによる取引件数も 2 010年の 1億 3,800万件から 2億 1,680 件に増加した。 BSPは、電子マネー取引の増加の背景には、フィリピン人のライフスタイルの変化と技術 の進歩があり、更に中央銀行による法規制や安全面での整備が電子マネーの使用を後押し したことで、顧客向けプラットフォームの統合が進んだと述べた。今後は、まだ銀行を利 用 し て い な い 潜 在 顧 客 へ の サ ー ビ ス も 拡 大 し て い く と し て い る 。( ABCCBN news 2014/05/12 Vol.305 )(1ペソ=2.33円 2014 /05/ 12時点) ◆[市場動向:科技省「IT産業、フィリピン経済への貢献度は高い」] 科学技術省傘下の I T政策意思決定機関である Inform ation and C ommunica tion a nd TechnologyOffice( ICTO、20 11年 6月設立)の IT産業局副事務局長の Mo nchitB.Ibrahi m 氏【注】は 6月 17日-20日にシンガポールで開催される東南アジア最大の IT関連イベント” 106 CommunicAsi a2014”等の参加に先立つ記者会見で、 「2013年末までで、フィリピン IT産業 の売上額は 15 5億 USドルに達し、90万人の直接雇用を生み出した」と発表した。さらに、 「我国は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO )のコールセンター等では 20 11年にイ ンドを抜いたが、IT関連のアウトソーシング(ゲーム、アニメ、ITサービス、ソフトウェ ア開発等)ではインドに水をあけられている。しかし、今後、2 016年までに同産業は 2 50 億 USド ルに達 し 130万人の雇 用創造 が見込ま れる」と 述べた。( M anila Bullit en 2014/06/02 Vol.306 ) 【注】Monch itB.Ib rahim氏は 2009年当財団に訪問歴あり。 ◆[市場動向:フィリピンのインターネット消費者 4つの特徴] インターネット上での消費行動調査に実績のある TheGlo balWebIndex社は、 フィリ ピンのネット消費者の傾向について、4つの特徴に分析し、市場調査ツールに SNSを導入す ることが有益であると結論づけている。 1.楽観的な消費者 東南アジア 2位の楽観的な傾向があるが、一方で節約にも熱心である。この傾向を支え ているのは、健全な経済発展と中間層の成長である。 2.インターネットの影響を受けやすい ネットで得られる技術と情報に貪欲である。ネットユーザの 7割以上がブランドサイト にアクセスしている。 3.急増するモバイルユーザ スマホユーザは年 300%増のペースで増加している。このため、フィリピン市場を目指す 企業は市場調査予算の約 7割をモバイル向けに投じている。 4.SNS過多の傾向 フィリピンの 3,80 0万人のネットユーザの内、3,4 00万人が SN Sでトレンドニュースにつ いて意見交換している。 (ManilaBul liten 2 014/05/2 8 Vol.3 06) ◆[市場動向:オンライン不動産サイトの利用者が急増] フィリピンのオンライン不動産サイトである Prop erty24.co mへのアクセス数が 201 4年 6 月から 7月のひと月で 180%増加し、国内で最も利用される不動産サイトとなった。 これは不動産の売買希望者間で、オンライン上の物件情報掲載や検索が便利であるとい う認識が広がってきていることと、オンライン上での不動産取引の信用性が上がったこと が背景にあると分析されている。更に、モバイルからのアクセスが増えていることも一因 である。特に、Pr operty2 4.comは、フィリピン唯一の不動産ローカルアプリを備えている。 (ManilaBu lletin2 014/09/0 8 Vol.3 09) 107 ◆[市場動向:フィリピン E-l earning 、教育現場より広がる] スマートフォンやコンピュータ、タブレットの普及増加に伴い、教育のデジタル化が進 んでいる。 オンライン教育プラットフォームの" QuipperSch ool"は、フィリピンの 2万校以上に導 入されている。特にケソン市にある NewE ra高等学校は 3,400人の生徒に対してオンライ ンでの宿題サービスを導入しており、オンライン導入校としては全国一の規模である。物 心ついた頃より、P C等の電子機器に慣れ親しんでいる「デジタルネイティブ」と言われる 世代の高校生はすぐにオンライン教育に適応し、自主学習に取り組んでいる。 さらに、Q uipperS choolは、生徒の成績を向上させた教師に賞金を付与する試みがあり、 今後付随して E-lea rning導入を積極的に導入する教育機関が増加するものと予測される。 (ManilaBul letin 2 014/11/2 4 Vol.3 12) 【企業動向】 ◆[企業動向:日系企業、ASEA N統合市場をめざし比投資に積極的] 在日フィリピン大使館によると、同主催のフィリピン投資セミナーは毎回盛況であり、 多くの日本企業が 20 15年の ASEAN統合 6億人市場への入り口としてフィリピンを視野に入 れているとのことだ。 なかでも、BPOへの期待が高く、日本の大手 ITコンテンツ開発企業が、theCre ativeCo ntent GameNetwo rkingM issionとして、5月にマニラを訪問し、現地でパートナー企業を探す予 定である。 (ABS-C BNNEWS 2014/03 /20 Vo l.30 4) ◆[企業動向:GlobeTelecom 、クラウド部門を新設] アラヤ財閥系通信キャリアである G lobeTel eco mは、新たにクラウド部門を新設し、拡 大傾向にある ICTソリューション市場でのプレゼンス拡大を目指す。今回新設された IT EnabledServ iceGrou pは、製造業の中小企業から大企業まで幅広く業務支援を行う。また、 BPO、データセンター、クラウド、ストーレッジやビジネスアプリケーションなど、多様な サービスも提供する。 (Busine ssWorld 2014/0 3/31 Vol.304) ◆[企業動向:PLDT、フィリピン初 TDLTE基地局を年内 1,000基増設] 拡大する高速データ通信環境に対応するため、PL DTは年内に LTE基地局を 1,000基増設 すると発表した。同社はこの 3ヵ月間で TD-LT E【注】導入のために 20億ペソを投じて 228 の基地局を建設した。統計データによると、TD -LT E用基地局としては、今のところアジア 太平洋地域では、最大規模とのことだ。計画では、基地局の 39 %を南ルソンに建設し、同 32%を北ルソン、11%をマニラ、10%をミンダナオ、9%をビザヤに建設予定である。(The PhilippineStar 20 14/04/30 Vol.30 5) 【注】第 3世代(3G)携帯電話を高度化した高速なデータ通信仕様である LTE(LongTerm 108 Evolution)の一種で、上り方向と下り方向の多重化に時分割多重(TDD:Time Div ision Duplex)方式を採用したもの PLDTは、これまで携帯電話用とパケット WiFiと別々だったネットワークを統合するとして いる。 ◆[企業動向:PLDT、北米でバーチャルネットワークサービス開始] PLDT(Phi lippineLo ngDistanc eTelephon e)は、6月 12日より北米で MVNOサービスを 開始すると発表した。これは北米在住の 350人のフィリピン人をターゲットに展開する。 同社は同サービスを既にマカオ、香港、マレーシア、グアム、台湾、シンガポール、英国 で提供している。(Bu ssinessW orld201 4/06/04 Vo l.306) ◆[企業動向:GlobeTelecom ,ICTソリューションを強化] アラヤ財閥系企業でフィリピン第 2の通信キャリアである Glo beTelec om(以下、Glob e) は、ICT分野のビジネス拡大のために、ICTソリューション事業者の Asti comTechn ology社 【注】を買収したと 6月 3日に発表した。 Globeの第 1四半期純利益は 34億ペソ(前年同期 31億ペソ)であった。サービス部門の 収益は 8.4% 増加の 23 2億ペソであった。 また、今年は 6,000億米ドルから 650 0億米ドルの設備投資を予定し、事業の拡大を計画し ている。 (ThePhi lippineStar 20 14/06/0 5 Vol.3 0 6) (1ペソ=約 2 .34円 2014/06/ 05時 点) 【注】前身は A yalaSys temTech nologyで、AzaleaT echnology社が 49% 出資、SCSCo mputer Systems社が 51%を出資していた。 ◆[企業動向/電子商取引:PLD P、オンラインショッピング決済事業強化を計画] PLDPは、スマートフォン普及率が急増している新興国市場におけるモバイル端末を活用し たオンラインショッピング決済サービスの開発を加速するため、東南アジアで人気を博し ている Zaloraや Lazadaなどの電子商取引大手サイトを運営するロケットインターネット 社(独)とのグローバル戦略パートナーシップを構築したと発表した。今回の業務提携に より、PLD Tが持つモバイル決済のノウハウとロケットインターネット社の電子商取引サイ ト運営技術との融合を進め、新たな決済システム技術やサービスの共同開発を進める考え である。PLDTは今後、4億 4,500万米ドルを出資し、ロケットインターネット社の株式 10% を取得する予定。この出資により、PL DTはロケットインターネット社の 9人の役員のうち、 1名の人事権も持つこととなる。(ABCC BN2014/ 08/0 7 Vol.308) ◆[企業動向:GlobeT elecom、社内外での技術革新作業を活性化] フィリピン第 2の通信事業者である Gl obeTele c omは、既存事業の延長線上にはない新 109 たな ICTサービス事業の創出を目指して、社員、顧客、ベンダーなど社内外の幅広い人材 交流を通じた技術革新活動を行うと発表した。具体的には Nok ia等パートナーベンダを招 いた研修フォーラムを行う「G lobe革新フォーラム」、クリエイティブアーティストや様々 な分野の専門家との意見交換による新たな商品化を目指す「MindBrewTalk s」、同社研究 所の研究者と社員の情報共有を促進する「iSpa rk」 、バーチャルプラットフォームでのゲー ムを活用して新たな技術革新の創出を目指す「Glob eCity」から成る 4つの活動を推進し ていく計画である。(ManilaB ulletin 2014/0 8/13 Vol.308) ◆[企業動向:Smart 、Wikimed ia財団とパートナーシップ締結] フィリピンの携帯電話事業者である Sm artComm unic ations(Sma rt)は、ウィキペディアを 運営しているウィキメディア財団とパートナーシップを締結したと発表した。これにより、 Smartのユーザ 6,89 0万人は、ウィキメディア財団が提供する「グローバルウィキペディア ゼロプログラム」を使って、モバイルからのウィキペディアへのアクセスが通信料無料で 利用できるようになる。Smartは、モバイルインターネットの利用者の多いフィリピンにお いて、学習の場を提供するよい機会になると期待している。 ウィキペディア財団は、教育に力を入れる Sma rtの活動が同財団のミッションに合致する と評価し、Smartが推進しているタブレットを利用した教育プログラム Tap&Lear nとも連携 し、公立小学校の先生を対象としたウィキペディアを教育ツールとして使用するための研 修のサポートを行っている。( ManilaB ulletin201 4/09/08 Vo l.309) ◆[企業動向:Globe 、固定料金ローミング可能国を 35ヵ国に拡大] フィリピン第 2の通信事業者である GlobeTeleco mは 1日 599ペソの固定料金で 24時間 のデータローミングが可能な国を 35ヵ国に拡大する。現在は日本を含む 15ヵ国が対象と なっている。さらに Glob eの契約者には 2 00,000ペソ相当の海外旅行保険が付く。 (A BCCBN 2014/09/09 Vol.309 )(1ペソ=約 2.4 1円 20 14/0 9/09 時点) ◆[企業動向:フィリピンで、医薬情報システム導入・強化により市場活性化] フィリピンの医薬品市場は、一握りの大手製薬会社と多数の小規模薬局で成り立っている。 小規模の薬局は、いつ誰にどれだけの量の薬を処方したのかを把握するシステムがない。 一方、大手製薬会社には経営の意思決定を支援する情報システムが皆無である。こうした 状況下で消費者のニーズと製薬会社のシーズはかけ離れているのが現状である。この課題 を解決すべく、ジョンソンエンドジョンソン等での職務経験のある起業家メラリ氏が mClinica社を起業した。 mClinica社は、モバイル技術を使い 1,40 0の小規模薬局と 2,000万人の患者に対し、共通 のプラットフォームでサービスを提供している。一例として、患者は同プラットフォーム 上で自身の携帯電話番号等の情報を入力すると条件に応じて値引き価格で薬を購入できる。 110 一方、薬局側は顧客情報をプラットフォーム上で共有することで製薬会社から割引をうけ ることができる。(te chniasia 2014/1 0/31 V ol.3 11) ◆[企業動向/技術動向:Globe 、地下鉄 –LRT線間の発券システムに出資] Globeテレコムは地下鉄と L RT線間に発券システム(MRT-LRTシステム) を導入するために、 AFコンソーシアム【注】を通じて 3億ペソを出資する AFコンソーシアムは、20 14年 1月 30日に交通通信省(DOTC)から官民連携プロジェクト(PPP) 賞を授与されている。 (ABCCBNNWES201 4/11/17 Vol .312)(1ペソ=約 2. 58円 2 014/11/ 17 時点) 【注】Glob eテレコム以外のコンソーシアムメンバーは、ACインフラストラクチャホール ディングス、B PI投資会社、メラルコファイナンシャルサービシーズ社、インフラストラク チャジャイアントメトロパシフィック投資社、スマートコミュニケーションズ社 ◆[企業動向:フィリピン航空、Smar tコミュニケーションズ社と電子支払サービスアプリ 導入] フィリピン航空と通信事業者の Sma rtコミュニケーションズは、モバイルやタブレット からの予約や航空運賃の支払ができるアプリの開発に着手する。新しいアプリは、既存の フィリピン航空のオンライン予約システムとオンライン料金支払いシステム「Me Pay」を統 合して開発される。 「MePay」は Smartコミュニケーションズの子会社である e-Mon ey社が開発したもので、ク レジットカード、デビットカード、電子マネー(スマートマネー)、AT M振込、代引きなど 多様な支払方法が選択できる。新アプリでは、これらに加えコンビニやの Smar tコミュニ ケーションズの代理店でも支払いが可能になる上、同社の契約者(現在約 7,00 0万人)で あれば、データ通信料金は無料で新アプリを利用できるようになる。(Ma nilaBull etin 2014/12/09 Vol.312 ) ◆[企業動向/セキュリティ:SmarteMoney社、スマートフォン用セキュリティアプリ提供 開始] フィリピン中央銀行の発表によれば、201 3年の A TMやクレジットカード関連の詐欺によ る被害額は 2億 2 ,000万ペソであり、2012年の 1億 7,500万ペソから 13% 悪化し、深刻な 社会問題となっている。 このような状況に対応するため、Sma rtコミュニケーションズの子会社でデジタルファイナ ンスサービスを担当する Smar t e-M oney社は、スマートフォン用セキュリティアプリ 「LockBy Mobil e」の提供を開始した。このアプリにより、ユーザは自身のアカウントを管 理できるようになる。 同アプリのダウンロードは Goo gle Pl ayやアップルストアでできる。(A BS-CBN NEWS 111 2014/12/14 Vol.313 )(1ペソ=約 2.6 6円 20 14/1 2/14 時点) ◆[企業動向:GlobeTelecom 、M2Mを活用したサービスをアジア地域で展開] GSM(GlobalSystemforMob ileCom municati ons) 協会の発表によれば、アジア地域におけ る M2M市場は世界市場の 42% に相当する。他地域のシェアは欧州 18%、北米 19%であった。 こうした状況下で GlobeT elecomはアジア太平洋地域最大の携帯電話事業者連合体「ブ リッジアライアンス」の創設メンバとなり、同地域における M 2Mサービスやソリューショ ン提供を開始した。同社は衛星通信を利用した IP通信事業者と組み、銀行の A TMや行政サ ービスなどをターゲットとした情報通信技術サービスを提供している。 M2M技術は、サプラーチェーンの最適化、および資産管理の効率化、遠隔・常時監視等が容 易に実現でき、企業の競争力向上につながるので需要拡大が見込まれる。 GlobeTe lecomは、 この分野を戦略的に取り組んでいく。(TheMan ilaBulletin 2 015/01/0 5 Vol.3 13) ◆[企業動向/IT政策:政府データセンター 、G lobeTerlecomのサービスを活用] フィリピン政府が電子政府マスタープランの一環として推進している「統合政府フィリ ピン(iGovPh il)」プロジェクトで、科学技術省は政府機関の情報を保管予定の第 2政府デ ータセンターを Glob eTerle comの施設内に建設中である。第 1政府データセンターは既に 省庁内の施設に設置されている。 第 2政府データセンターの建設・設置完了後には、科学技術省情報通信技術局(DO ST-ICTO) のメールやホームぺージ、ドキュメント管理を同データセンターが行う。 iGovPhilの担当者は、政府の情報システムにおいて GlobeTer lecomのサービスを活用す ることにより、通信事業者の最新技術、施設や ITの運用ノウハウを活用できると述べた。 (TheManil aBullet in 2014 /12/25 Vol.313 ) ◆[企業動向:PLDT、RocketI nternet社と JVでオンラインビジネスを活性化] PLDTは、Zalo raや Lazadaなど東南アジアで人気の高い電子商取引大手サイトを運営す るドイツの R ocketInte rnet社と 50%ずつの出資で PhilippinesI nternetGr oups社を設立 し、フィリピンにおけるオンラインビジネスの活性化を図る。RocketIn ternet社は既にフ ィリピンでインターネット関連ビジネス会社を 4社運営しているが、今回新規に立ち上げ る JVは他 4社のビジネスモデルを採用する。 主にインターネットインフラの構築に携わってきた PLD Tは、R ocketIn terne t社のノウ ハウを得ることで今後は電子商取引に代表されるオンラインビジネス分野への事業拡大を 目指していく。(ABSCBNNews 2015/0 1/20 V ol.3 14) ◆[企業動向:PLDT、2014年は積極的な投資を実行] PLDTの 20 14年の投資総額は当初の予定の 32 0億ペソに対して、345億ペソとなり、その 112 うち、ワイヤレス事業に 208億ペソ、有線事業に 1 3 7億ペソが支出された。2014年のワイ ヤレス事業では、データ処理サービスへの需要の高まりを背景に、92%の自治体で 4Gサー ビスの提供を開始した。また、2015年は、現在 6, 9 00万人のワイヤレス契約者を 9月まで に 7,500万人まで拡大し、ブロードバンド契約者は 370万人まで増やす計画である。 有線事業では、光通信 9万キロの拡張とビザヤとミンダナオ間での光通信の敷設の計画が ある。国際連携事業としては、香港の PCCW社と 2 5 ,000キロのアジア-アフリカ-ヨーロッ パ(AAE-1)ケーブル敷設で協力している。なお 201 5年内に FD D-LT Eの基地局を 2 ,600まで 増設し、高速インターネットサービスをフィリピン国内で展開していく予定である。 (Philstar 2015/01 /26 Vol .314)(1ペソ=約 2. 67円 2015/ 01/26 時点) ◆[企業動向:Google 、低価格スマホ、フィリピンで販売開始] Googleは、2月 17日にフィリピンで低価格スマートフォンである An droidO neの販売を 開始した。同低価格スマホ販売の開始は、インド、バングラデシュ、ネパール、スリラン カ、インドネシアに続き、6番目である。 Googl eは、「フィリピンでは約 4,40 0万人のインターネットユーザがいる。And roidOne により、201 5年内にはさらに 1,000万人の増加が見込めるであろう。」と述べた。 (ABSCB N News、Busin essWorld 2015/0 2/17 Vo l.315) ◆[企業動向:オンライン自動車販売大手、多国間企業協力でフィリピン市場へ] 自動車のオンライン取引サイトを運営する C armu di社は、インターネットユーザが人口 の 30%を超えたフィリピンをアジアの主要マーケットと位置付け、さらなる市場拡大を目指 し、必要資金 2,50 0万米ドルを調達する。同社によると、この資金はロケットインターネ ット社【注 1】と、Oore doo社【注 2】とのジョイントベンチャーである AsiaPacificInternet Groupからも調達される。 また、Carmu di社は、「インターネットユーザの更なる増加が見込まれるフィリピンで、自 動車関連取引サイトのトップを目指す」と語った。 (PhilSTAR 2015/02 /20 Vol .315) 【注 1】ドイツ大手の I Tサービス企業で、東南アジアで広く電子商取引事業を展開してい る。 【注 2】カタール籍の通信事業者で 2013年 7月にミャンマーで通信事業ライセンスを取得 している。 ◆[企業動向:ライバル通信事業者 2社、地下鉄の自動料金収集システム構築で協業] PLDTの携帯電話事業を担当している SmartTelec ommunicatio nsと GlobeTelecomは互 いに 1億 6,000万ペソを投じて、地下鉄事業者の MetroPa cificIn vestmen t(MPIC) 社と AyalaCorp. のコンソーシアム【注】に参画し、プロジェクト規模 1 7億ペソの Autom atedFare CollectionSystem( AFCS)構築事業で協業する。 113 同 AFCS構築事業は、交通通信省(DOTC)と同コンソーシアムとが連携した PPP (官民連携プ ロジェクト)であり、契約は 2013年 6月に締結されている。同事業では、磁気カードの発 券システムを廃止し、新たに非接触式 ICカード導入を目指す。(PhilSTAR 2015/03/09 Vol.315)(1ペソ=約 2.72円 2015/0 3/09 時点) 【注】コンソーシアム構成企業は以下のとおり。 Ayalaグループ:ACInfrastr uctureH oldingsCor p., BPICardFi nanceCo rp.,Glo beTelec omsInc . MPICグループ:MPIC ,Meralc oFinanc ialSer vice sCorp.,Sm art ◆[企業動向:災害復旧クラウドベースのサービス提供開始] 中小企業向け ITサービスを提供している PLD TSM ENation社は、企業が保有しているデ ー タが災害 で壊れた 場合でも 対応でき る災害復旧 サービス (Disas ter Recovery as a Service:DRaaS) の提供を始める。また、この PLD Tの DRaaSサービスは定期的な保守費用 等 も 定額 料 金な ので 、 顧客 にと っ て初 期費 用 など を 含め 節 約が でき る とし てい る 。 (PhilSTAR 2015/03 /09 Vol .315) ◆[企業動向:PLDT、オープンソースの国際コンソーシアムに参加] 2015年 2月に GE 、IBM、I nfosys等のグローバル IT大手により設立された OSSのコンソ ーシアムである Ope nDataP latform( ODP)【注】に、PLDTが参加している。このコンソー シアムはクラウドプラットフォーム開発・提供等を行っている企業である Pivota l社(米) が中核となって結成されており、ビックデータ関連のオープンソースソフトウェアを企業 が安心して使えるように、事前テストをきちんと行い、個々のユーザ企業における検証負 荷を軽減し、さらにビックデータ関連 OSSプロジェクトと連携し、企業の求める要件への 対応を進め、OSS技術バージョンの組み合わせを推進していく。 PLTDは ODPコンソーシアムのメンバ企業となることで、ASEANでのビックデータの最優良 企業としての地位を目指しているとしている。 (Phi lSTAR 2015 /03/11 Vol.315 ) 【注】設立 201 5年 2月 17日 メンバは、GE、 Hort onworks、 IBM、 Infosys、 Pivotal 、 SAS、 Alt iscale 、 Cap gemini 、 Cent uryLink 、 EMC 、T eradata、Splunk 、 Ve rizonEnt erprise Solutions、VMwareと PLDT 【技術動向】 ◆[技術動向:フィリピン選挙管理委員会、次期選挙の ITの選定を促す] フィリピン選挙管理委員会は、諮問委員会に対して 2016年 5月の大統領選挙に使用する ITの提案を来月までに提出するよう指示した。これは、選挙自動化法に基づくもので、諮 問委員会は選挙管理委員会に対して、最も適切で、セキュリティ性が高く、費用効果のあ 114 る技術を提案することとなっている。201 0年と 201 3年の選挙では、光学式マーク読取装置 (OMR)システムを使った thePrecinc tCountOptic alScan(PC OS)が諮問委員会の提案に 基づき使用された。(ManilaB ulletin 2014/0 7/14 Vol.307) ◆[企業動向/技術動向:Globe 、地下鉄 –LRT線間の発券システムに出資] Globeテレコムは地下鉄と L RT線間に発券システム(MRT-LRTシステム) を導入するために、 AFコンソーシアム【注】を通じて 3億ペソを出資する AFコンソーシアムは、20 14年 1月 30日に交通通信省(DOTC)から官民連携プロジェクト(PPP) 賞を授与されている。 (ABCCBNNWES201 4/11/17 Vol .312)(1ペソ=約 2. 58円 2 014/11/ 17 時点) 【注】Glob eテレコム以外のコンソーシアムメンバーは、ACインフラストラクチャホール ディングス、B PI投資会社、メラルコファイナンシャルサービシーズ社、インフラストラク チャジャイアントメトロパシフィック投資社、スマートコミュニケーションズ社 【IT振興】 ◆[IT振興:デジタル教育展示会、マニラにて 9月中旬開催] DigiTechマニラ会議と展示会が 9月 19日、20日の 2日間、SMXコンベンションセンター で開催される。DigiT echでは、子供向け、学校向け、図書館向け、IT企業向けのデジタル 教育関連サービスを扱い、デジタル社会の中で、人々がどのようにして学んでいくかにつ いて、新たな展望を開く。会議のハイライトは 2つある。1つは「教育をささえる技術につ いての国家会議」と「フィリピンにおける初めての教育出版会議 PEPC om」である。どちら の会議にも、デジタル教育のリーダ、専門家、教育関係者、学校関係者、図書館関係者、 編集者、研究者、コンテンツ事業者、ソフト、ハードを扱う IT業者、Web開発者などの幅 広い層の参加が見込まれる。2つの会議の講演者には、前教育省次官が含まれる。 (Manila Bulletin20 14/08/25 Vol.30 9) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:PLD T、200万米ドルを投じ、比-米ケーブルを強化] PLDTは 200万米ドルを投資し、既設の Asia-Am eric aGateway( AAG、東南アジアと米国を結 ぶ光海底ケーブル)の通信容量を 100Gb psの光通信技術を使って倍増する計画である。P LDT の President&CEOである Napole onNaza reno氏は「PLDTグループはデータサービスや文 字、画像などの複数形態のデータを組み合わせたマルチメディアサービスへの需要の高ま りに対応するため、設備増強に努めている。本計画により、より高速でかつ信頼性の高い グローバルネットワークのメリットをユーザに提供できるようになる」と述べた。 115 AAGは PLDTが 100Gbpsの光通信技術を使って通信容量を増強する 4番めの国際海底ケーブ ルである。また、同社は、201 2年にフィリピン国内で初めて 100Gbp sの光ファーバーケー ブルネットワークのサービスも提供開始している。(ABC CBNニュース 2014/0 7/02 Vol.307) 【電子政府】 ◆[電子政府:フィリピンの 2 015年予算、オープンデータで公開] フィリピン財務省は 2015年の予算をオープンデータとして csvフォーマットで初めて公 開した。これにより、政府の予算化状況が国民に把握できるようになる。 2015年の予算編成にはオープンデータ政策も含まれている。同政策のもとでは、全ての 政府機関、国公立大学、政府系企業は、現金自動支払い機で判読可能な納税データをオー プンライセンスで作成することが求められる。(ASIA PACIFIC Futu re GOV 2014/8/1 9 Vol.309) ◆[電子政府:フィリピン政府内でのエンタープライズモビリティ推進状況] フィリピン法務省では、個人の端末を業務用途に使う BYODと、組織所有の端末の両方の 使用を認める形でエンタープライズモビリティ(企業・組織のモバイル化を支援する各種ソ リューション)を進めている。 フィリピン政府が BYODを推進する理由はコスト削減である。しかし、個人所有のデバイ スを仕事では使いたくない職員もいるため、同省ではタブレット、ラップトップ、ディス クトップをそれぞれ 1,000台ずつ揃えている。また法務省でエンタープライズモビリティ が推奨される背景には、国境を超えた国際犯罪の増加に伴い、2 4時間体制で情報にアクセ スし、海外とも協力体制を進めていかなければならないことがある。今後は、職員がいつ でもどこでも最新の法規にアクセスできるよう、モバイルデバイスのセキュリティ強度を さらに上げ、海外で働くフィリピン人の要求に対しても迅速に対応できる体制強化を図っ ていく。(As iaPacif icFutur eGov 2014/09 /23 Vol.310) ◆[電子政府:フィリピン政府、新規導入スパコンで災害対策] フィリピン政府は、気象予測システムにより災害による被害を最小に抑える活動を強化 している。科学技術省リボロ次官補によると、2012年から開始された国家プロジェクト「国 家災害アセスメント」では、フィリピン全土 2 58の河川の台風等による増水のモニタリン グを行っている。また、降雨状況や降雨量を測定し、リアルタイムデータを気象庁に送っ ている。 さらに、予測・測定機能を向上させるため、このたび政府は新たにスーパーコンピュータ を設置した。リボロ次官補は、これにより洪水、地すべり等の情報のより正確なシュミレ 116 ーションが可能となり、災害への対応が向上すると期待していると語った。 (futurego vasia 2014/10/24 Vol.311 ) ◆[電子政府:フィリピン政府、600自治体をネット接続へ] フィリピン政府は、T Vのホワイトスペース【注】の WiFiへの転用を行い、2015年に 600 の自治体を無線インターネットで接続する。 これは、科学技術省が推進する国家プロジェクトの1つであるインターネット接続性向上 の一環であり、予算は 670万ドルである。将来的に全ての国民が電子政府を活用すること を目指している。現在試験的にホワイトスペース活用を行っている自治体は、約 1年前に 台風の被害を受けたタクロバン市に近いパロ市役所である。ここではネット接続が必要な 災害対策要員や災害被害者にインターネット接続環境を提供している。(f utureGOV . 2014/11/14 Vol.312 ) 【注】放送用などの目的で割り当てられた周波数であるが、モバイルなどの通信にも利用 可能である電波帯のこと。 ◆[電子政府:貿易産業省、登記の更新にはオンライン活用を] 従来、フィリピンでは会社を登記後、5年が経過すると更新が必要で、更新を忘れて 6ヵ月 が経過すると貿易産業省のデータベースから自動的に登記内容が削除される状況であった。 今回、貿易産業省( DTI)は、オンライン登記システム【注 1 】で登記期限が切れる前の更 新サービスを提供した。企業は登記期限切れの 3ヵ月前から無料でオンライン更新ができ るようになる。しかし、期限が切れた後、更新費用の 50%負担が生じ、手数料は Ba ncNetデ ビットカードと GCas hで払うことができる。 貿易産業省の次官は「登記のオンライン更新はモバイルからも可能であり、手続きにか かる時間は約 15分である上、費用【注 2 】も安く済む」と述べた。 (Philstar 2015/0 1/27 Vol.314)(1ペソ=約 2.68円 2015/0 1/27 時点) 【注 1】theBusines sNameR egistrat ionSyst em(B NRS:bnrs.d ti.gov.p h) 【注 2】地方自治体で登記の更新を申請した場合、市役所 500ペソ、日本の県庁相当の機関 1,000ペソ、国の機関 2,000ペソの費用がかかる。 【電子商取引】 ◆[電子商取引:オンラインショッピング Lazad aが飛躍] ドイツ資本のロケットインターネット社が運営するオンラインショッピングサイト Lazadaが客のニーズを掴んだ対応で、フィリピンで成功している。 同社はフィリピンで、自社専用車による送料の無料化(返品にも対応)、多様性のある支 払方法の提供(代引き等)により、店舗の少ない地方の顧客も取り込んだ。同社の好業績 117 に対し、JPモルガン社と英国資本の Tescoは総額で 4億 3,000万ドルの投資を行った。 (ABC CBNニュース 2014/ 04/29 V ol.305) ◆[企業動向/電子商取引:PLD P、オンラインショッピング決済事業強化を計画] PLDPは、スマートフォン普及率が急増している新興国市場におけるモバイル端末を活用し たオンラインショッピング決済サービスの開発を加速するため、東南アジアで人気を博し ている Zaloraや Lazadaなどの電子商取引大手サイトを運営するロケットインターネット 社(独)とのグローバル戦略パートナーシップを構築したと発表した。今回の業務提携に より、PLD Tが持つモバイル決済のノウハウとロケットインターネット社の電子商取引サイ ト運営技術との融合を進め、新たな決済システム技術やサービスの共同開発を進める考え である。PLDTは今後、4億 4,500万米ドルを出資し、ロケットインターネット社の株式 10% を取得する予定。この出資により、PL DTはロケットインターネット社の 9人の役員のうち、 1名の人事権も持つこととなる。(ABCC BN2014/ 08/0 7 Vol.308) 【セキュリティ】 ◆[セキュリティ:フィリピンの情報セキュリティランキング 4ポイント上昇] シマンテックが発表した「サイバーセキュリティ脅威レポート 2014」によると、2012年 にサイバーセキュリティランキングが 36位であったフィリピンは、2013年には 32位へ回 復した。 しかしながら、ハッカーに対する脆弱性は引き続き、高いままである。特に、中小企業 のセキュリティ対策には欠陥が多く、給料日にサイバー攻撃を受ける傾向にある。また、 役員秘書や広告部門が攻撃対象になりがちである。シマンテック社は、企業、消費者とも にサイバー犯罪に備えることが重要とコメントした。(ABC C BNニュース 2014/0 4/28 Vol.305) ◆[セキュリティ:フィリピンのモバイルユーザはセキュリティ意識低] トレンドマイクロは、アンドロイド OSが使われるようになった 5年間で、マルウェアや 危険度の高いウイルスによる被害件数は 200万件に達し、その数は増え続けていると発表 した。 トレンドマイクロによると、ITは便利さをもたらしたが、個人情報への侵害リスクもあ る。例えば利用目的ごとに別々のアカウントを持つことや、無料のアプリダウンロードを 控えるなど、セキュリティ意識を高めてほしいとのべた。(Busine ssWorld 2014/07/ 07 Vol.307) ◆[セキュリティ:「国際データ保護ランキング」でフィリピンは 13位] 118 この 1年間で世界全体におけるデータ破損やハードウェアトラブル等、データ保護関連 の損出額は 8 9億米ドルに上っている。 その中で EM C社が発表した「国際データ保護ランキング」 【注】によると、フィリピンは 24 ヵ国中、1 3位であり、日本(1 9位)、韓国(2 0位)などの情報先進国よりも高い順位であ った。これはフィリピン企業が情報通信、ITサービス(BPO含む)、バンキング、航空会社 で先進的なデータ保護ストレージを保有しているためであると分析されている。 (ManilaBul letin 2 014/12/0 8 Vol.3 12) 【注】フィリピンのランキングは 125社からのアンケート回答に基づき算出されている。 ◆[企業動向/セキュリティ:SmarteMoney社、スマートフォン用セキュリティアプリ提供 開始] フィリピン中央銀行の発表によれば、201 3年の A TMやクレジットカード関連の詐欺によ る被害額は 2億 2 ,000万ペソであり、2012年の 1億 7,500万ペソから 13% 悪化し、深刻な 社会問題となっている。 このような状況に対応するため、Sma rtコミュニケーションズの子会社でデジタルファイナ ンスサービスを担当する Smar t e-M oney社は、スマートフォン用セキュリティアプリ 「LockBy Mobil e」の提供を開始した。このアプリにより、ユーザは自身のアカウントを管 理できるようになる。 同アプリのダウンロードは Goo gle Pl ayやアップルストアでできる。(A BS-CBN NEWS 2014/12/14 Vol.313 )(1ペソ=約 2.6 6円 20 14/1 2/14 時点) ベトナム 【IT政策】 ◆[IT政策:ベトナム、ハイテク農業で生産性向上、投資停滞など課題山積] ベトナムは農業の近代化が社会経済の発展に重要な役割を担っているものの、投資の停 滞やインフラ整備の遅れなど課題が山積である。同国農業関係者は先端技術の導入を進め、 生産性や品質の向上を図らなければ、同国の農業は競争力を失い、世界市場への参入がさ らに難しくなると危機感を募らせている。 農村・地方開発省によると、同国政府は、灌漑設備や生産管理が可能な最先端技術を導 入して野菜や花などを栽培する農業地域を全国 29カ所に指定した。これらの地域では生産 性向上などに伴い、年間の生産高が1ヘクタール当たりで従来の5億ベトナムドンから1 0億ベトナムドンへと倍増する見込みとなっている。 同省は 201 5年までに、最先端技術を用いた農業生産地域を更に増加させ、同国の農業生 産高全体の 1 0~15% をハイテク農業としたい考えである。 しかし、同国の農業・農村開発戦略政策研究所のソン所長は、先端技術の導入を阻害する 119 要因として、資金不足に加え、農業用地の確保が難しいことやインフラ整備の遅れを挙げ、 政府はハイテク農業への投資誘致に向けて、さらなる優遇措置を講じるべきとの見方を示 した。 また、農業関係者からは投資を加速させるには 5 0~100年といった長期の土地使用を可 能にしたうえで、使用税の免除が必要などと主張している。 (1,000ベトナムドン=5.04円 2014/1 0/5時点 Vo l.310)(Vie tnamNew s2014/1 0/5) 【国際連携】 ◆[国際連携:ホアラックハイテクパーク、6月に日本 ODAインフラ着工] ホアラックハイテクパーク管理委員会とハノイ市人民委員会は 1月、用地収用【注】、イン フラ整備、投資誘致における協力について協議を行った。この席で管理委員会は市に対し、 日本の OD Aによるインフラ開発プロジェクト着工に向けて土地を引渡すため、用地収用計 画を完遂するよう同地が所在する Thac hThat、QuocOai各県に指示することを要請した。 現時点でハイテクパークは 990haを収用しており、6月にも日本の OD Aによるインフラ開 発プロジェクトに着工し、201 8年完成予定である。 これまでに同パークでは 69件が投資証明書を取得しており登録総額約 2 8億 5,00 0万米 ドル、面積 345 ha、現時点で 2 8件( 100ha )が活動を開始し、9件(28 ha)が建設中である。 (HotNam20 15/2/2 Vol.314 ) 【注】公共利益となる事業用途に土地を提供するため、土地の所有権その他の権利を国又 は地方公共団体等に強制的に取得させる行為。 【市場動向】 ◆[市場動向:オンラインゲーム業界の売上高 7 .9兆ベトナムドン] 財務省によると、国内のオンラインゲーム業界 58社の総売上高は約7兆 9,000億ドンに上 り、他の多くのサービス業に比べ、収益性の高い事業とみられている。 財務省より、特別消費税(SCT)法の改正に当たって、オンラインゲームを SC Tの課税対 象にするよう提案が出されていて、9月 25日に開かれた国会常務委員会でも課税の是非が 議論になった。そのため、財務省がオンラインゲーム業界の具体的な状況をグエン・タン・ ズン首相に報告した。 同報告によると、オンラインゲーム運営会社の多くが、ハノイまたはホーチミン市に本拠 を置き、58社の資本金の総額は1兆 1,560億ドンになる。総売上高は7兆 9, 830億ドンで、 うち国内売上高は6兆 4,870億ドンとなっている。 財務省は、オンラインゲームを新たに SCTの対象とする場合、各企業が投資や事業の計 画を見直す可能性があるとしており、税率として当面は 10%を適用するよう提案している。 120 この場合、S CTの税収額は年間 6,500億ドン余りとなる見込みである。(1,000ベトナムド ン=5.06円 2014/10/ 7時点) (トイチェー電子版 20 14/10/7 Vo l.310) ◆[市場動向:モビフォン IPO狙う外資 ベトナム市場参入へ提携に意欲] ベトナム政府が国営企業の改革を進めるなか、同国情報通信省傘下の携帯電話サービス大 手であるモビフォン(Mobi fone)の新規株式公開(IP O)を国外通信会社が待ち望んでいる。 同国政府は Mobi foneに対し今年末までに IPOに向けた計画書を提出するよう求めており、 2015年に IP Oが実施される見込みである。 モビフォンは同国携帯電話サービスでシェアが約 20%の 2位、9月末時点の携帯電話契 約件数が約 4,070万件に上る。同国携帯通信市場への参入を狙う国外通信会社にとって魅 力的な提携先である。 また昨年のベトナム ICT(情報通信技術)白書によると、201 2年の同国携帯電話サービ ス市場は 84億 7,000万米ドル規模であり、廉価なスマートフォンの普及などに伴い同市場 は急拡大するとみられており、商機を見込んだ国外通信会社の動きが今後、更に活発化す ると見られている。(VietnamNet2014 /10/22 Vol .311) 【企業動向】 ◆[企業動向:東芝、日立等、ホーチミン~ザウザイ間高度道路交通システム受注] (株)東芝、 (株)日立製作所、 伊藤忠商事㈱の 3社は、共同でベトナム高速道路公社 (Vietnam ExpresswayCorpor ation、以下、VEC )から、ホーチミン~ザウザイ間の高速道路向けに電 子料金収受システム(ETC;El ectronicTollColle ctionsyste m)、交通管制システム、設 備監視システムなどの高度道路交通システム(ITS;Intellig entTr ansportSystem s)一 式を受注し、契約に調印した。受注金額は約 40億円で、2017年前半に運用開始予定であり、 日本企業が海外においてこのような I TSパッケージを受注するのは初めてである。本案件 は日本政府による有償資金協力により実施される予定。 ITSが導入されるのは、ベトナムで計画されている南北高速道路の一部で、ホーチミン市 とザウザイ市を結ぶ約 55㎞の区間で、IT S機器納入を(株)東芝、設備設置工事を日立(株)、 商務事項を伊藤忠商事(株)がそれぞれ担当する。 (Newscli p2014/0 3/18 Vo l.304) ◆[企業動向:FPTソフト、日立の大学向け学務情報システムを販売へ] 通信・IT分野最大手 FPT情報通信[FPT]傘下の F PTソフトウェアは、株式会社日立製作 所(東京都千代田区)が日本の大学向けに提供している学務情報システムを、ベトナムの大 学向けに対応させて製品化し、2014年 7月より販売を開始する予定。 これは、日立と F PTソフトウェアが 2012年 4月に締結した戦略的パートナーシップ契約 121 に基づくもので、既に、FPTソフトウェアの親会社である FPT情報通信が設立した FPT大学 での試験的な導入を行い、学生や教職員などの意見を基に、使い易さ等を向上させ製品化 を実現したものである。 FPTソフトウェアは今後、日立の技術支援のもと、FPT大学への本格的な導入を進めてい くと共に、ベトナムの他大学への販売強化を行う方針である。(VietJo 2014/0 5/22 Vol.306) ◆[企業動向:国産初のウィンドウズ O Sタブレット「ROSA」発売] 地場のコンピューターメーカーである VietSonは、米国のマイクロソフト及びインテル と共同開発した Window s8.1搭載タブレット PC「RO S A」を発表した。ウィンドウズ OSを搭 載した国内産タブレット端末が発売されるのはこれが初めてである。 同製品には、最新の OS「W indows8. 1SST(スモールスクリーンタッチ) 」及び Microsof t Officeがプリインストールされている。また、8インチの WiFiモデルと 10インチの W iFi +3Gモデルの 2つがあり、販売価格は前者が 399万ベトナムドン、後者が 649万ベトナム ドンで、ウィンドウズ以外の OSを搭載した同種のタブレットと変わらない価格帯となって いる。(1,00 0ベトナムドン=4.71円 2 014/07/0 1時点)(VietJo2014/07 /01 Vol .307) ◆[企業動向:トランスコスモス、オペレーションセンターをハノイに設立] コールセンター、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO) 、デジタルマーケティングな どの ITアウトソーシングサービスを手掛けるトランスコスモスは、新たな海外拠点として ハノイ市に Tran scosmosVietnamco.,lt d.を設立し、2014年 7月より事業を開始すると 発表した。 ベトナムにおける事業は、国内外の市場にコンタクトセンターサービス及び B POサービ スを提供するもので、特に B POサービスでは自動車・航空機メーカーや建築・社会インフ ラ業界向けの設計・開発支援のオフショアサービスを行っていく予定である。 また、同社はハノイ国家大学日本語学部などの教育機関と連携することで、日本語堪能 で優秀な現地スタッフを採用し、日系企業向けに日本語対応可の高品質なサービスを提供 していく予定である。 (JST20 14/07/08 Vol.3 07) ◆[企業動向: FPT情報通信、ベトナム鉄道とオンライン予約システムの共同事業展開へ] FPT情報通信(FP T)とベトナム鉄道総公社(Viet namRailways )は、鉄道分野における情 報通信(ICT)技術応用プロジェクトの一環であるオンライン予約システムに関する共同事 業契約を 7月 31日に締結した。 この契約では、FP Tは単なる請負業者に留まらず、1,970億 VNDを投じてデータベースセ ンターから各駅までを結ぶ通信インフラ、端末装置、オンライン予約ソフトウェアまでの 設備投資を実施し、同システムを通じたチケット販売による売上高の一部を受け取ること 122 となる。 同システムの導入により、サービス利用者はインターネット上でチケット予約だけでな く、座席選択や予約確認、オンライン決済も可能になる。(1,000ベトナムドン=4 .78円 2014/7/31時点)(Vi etJo20 14/08/04 Vol.30 8) ◆[企業動向:ビナフォン、新 3G通信プロトコルの実証試験に成功] ベトナム郵便通信グループ( VNPT)傘下の携帯電話サービス大手ビナフォンは 7月 30日、 第 3世代移動通信システム(3G )の新たな通信プロトコル「DC-HS DPA」の実証試験において、 3G通信速度の引き上げに成功したことを発表した。 DC-HSDPAの導入で、3 G通信速度は従来の 6倍となる 42Mbit/ sになり、例えば、5G bの動 画のダウンロード時間が従来の 12分 4 2秒から僅か 2分 7秒に短縮されることとなる。 この実証試験はハノイ市、中部ダナン市、ホーチミン市の 3大都市にある複数の 3G基地 局(BTS)で行われたものである。同社は、今回の実証試験の成功を受けて、2 015年までに全 国の 3G基地局約 1万 3000か所で同高速通信サービスを本格的に展開する予定である。 (Vie t Jo2014/08/ 01 Vol. 308) ◆[企業動向:米インテル、ベトナムで新型プロセッサーの生産開始へ] インテル・プロダクツ・ベトナムは 7月 29日、第 4世代 CPU「ハスウェル(Haswel l)」 の生産成功式典を開催した。今後、全製品の 8割をベトナムで製造していく計画である。 同製品はホーチミン市サイゴンハイテクパークのインテル工場で生産される。 同工場 では 2013年末よりタブレット向け Ato mSoC (システム・オン・チップ)を生産しているが、 同社は新型プロセッサーのベトナム生産に向け、今後半年以内に約 16 0台の特殊機材を輸 入し生産体制を整える予定。 インテルは現在までにベトナムで 4億 5000万米ドルを投資しており、従業員数は 1000 人に上っている。(Vi etJo20 14/08/04 Vol.3 08) ◆[企業動向:マイクロソフトベトナム、ダナン大学内に IT学院を開校] マイクロソフトベトナムは 8月 22日、ダナン市にあるダナン大学内に、「マイクロソフ ト IT学院」を開校した。 同学院は、マイクロソフトベトナムとダナン大学の共同事業として運営され、同学院の 生徒はマイクロソフトの講義を受講したり、マイクロソフトの専門書約 700冊を利用でき るほか、マイクロソフトのオフィス 2 010、SQ Lサーバー、ビジュアルスタジオなどを学ぶ オンラインコース約 250コースも受講可能である。更に、同社の「ドリームスパーク」と いう ICT技術の学習や教育、研究をサポートする年間制のメンバーシッププログラムを 1 年間無料で利用できる上、学習目的でソフトウェア開発ツールやデザインツール等のイン ストールも可能となる。 123 開校式典では、マイクロソフトベトナムとダナン大学との間で、IT開発に関して全面的 に提携していく合意書も締結された。これによると、マイクロソフトベトナムは同大学の 集中型データベース、プライベートクラウド型のデータセンターの構築を支援することと なっている。 (VietJ o2014/8 /27 Vol .309) ◆[企業動向:マイクロソフト、携帯電話事業の生産をベトナムにシフト] 米マイクロソフトは、昨年買収したノキアの携帯電話事業について、中国やハンガリーな どの生産を縮小・停止し、ベトナムに移管する。現地法人ノキア・ベトナムが発した情報 として、タインニエン電子版が報じた。 マイクロソフトはリストラの一環として、ハンガリー西北部コマロムにあるノキアの携 帯端末工場の停止、中国の北京と東莞(広東省)にある工場の規模縮小、メキシコのレイ ノサにある工場では製造を止め、修理センターに変更する。これらの生産分は、昨年 10月 に 稼 働 し た 北 部 バ ク ニ ン 省 の 工 場 に 移 管 す る 。( タ イ ン ニ エ ン 電 子 版 20 14/8/25 Vol.309) ◆[企業動向:ベトテル(Viet tel)がマイクロソフトと業務提携] ベトナムの三大携帯電話キャリアの一角であるベトテル(Viett el)と米マイクロソフトは、 中央政府に対する情報技術(I T)インフラ及びサービスの提供について業務提携契約を締 結した。 ベトテルによれば、提携するのはインターネット上で情報・アプリケーションを提供す るクラウドコンピューティング・サービスの分野で「Iaa S」、「PaaS」、「Sa aS」の3種類の サービスを含むとのこと。 両社は、クラウドコンピューティングやセキュリティなどの問題に関するコンサルティ ングや分析、設計、実施等でも緊密に協力する。 ベトテルのチュン副社長は、2016年末までにこの提携の成果を政府機関に提供できるよ うになる予定とし、将来企業や個人にもサービス対象を拡大する考えを示した。 (ダウトゥ 電子版 201 4/10/3 Vol.310 ) ◆[企業動向:ベトテル、農家向け農業情報サービスを開発] ベトナム軍隊通信グループ( ViettelGroup =ベトテル)は 10月 29日、アジア・オセアニ アコンピュータ産業機構 I CTサミット 2014(A SOCIOICTSummit2014)において、同社が開 発した農家向け農業情報サービス「Agr i.ONE」を紹介した。 「A gri.ON E」は農家・企業・団体・専門家を結び、農家が農業に関する様々な情報を得 ることができるサービスであり、同サービスの利用者は、ウェブサイト、SMS、コールセン ターへの電話、スマートフォンのアプリケーションの 4つの方法により、資金借入れ、種 苗・種エビの選定、耕作・養殖に影響する天候、耕作・養殖技術、肥料、農薬、生産する 124 商品の値動きなどの情報を容易に入手できるとのこと。また、個々の利用者の利用履歴が データベースに保存されるため、これを元に専門家が的確にアドバイスすることができる 仕組みとなっているという。 同サービスは、全国でも農耕作と水産養殖が最も盛んなメコンデルタ地域の 13省・市で 既に展開されている。 (Vie tJo2014 /11/4 Vol. 311) ◆[企業動向/電子商取引:S BIホールディングスなど 3社、FPTと共同出資でマーケットプ レイス事業に参入] SBIホールディングス株式会社、オンライン決済サービスを提供する香港のイーコンテク スト・アジア、eコマース事業を行うビーノス株式会社の 3社は、FPT情報通信(FPT Corporation )及び FPT傘下の FPTオンライン(FPTOnline)との共同出資によるオンライン マーケットプレイス「Sendo」を合弁事業化する。 「Sendo」は、ベトナムの 20~30代の若者向けのアパレルを中心とした商品を幅広く取 り扱うインターネットモールで、201 4年度の年間取扱高において、ベトナム最大のオンラ インマーケットプレイスになると見込まれている。 ベトナムにおけるインターネット普及率は 20 13年時点で 36 %、EC市場は 2 2億米ドルに 達し、2015年には 4 0億米ドルにまで成長すると予測されている。 同 3社は、今後「Sendo」をベトナム最大のマーケットプレイスに成長させていくと共に、 マーケットプレイス上でのエスクロー決済サービス「SenPa y」を通じたオンライン決済関 連サービスの強化と周辺のインフラサービスの充実を図り、ベトナムにおける E Cマーケッ トの成長に寄与していく方針である。(VietJo2014 /12/8 Vol. 312) ◆[企業動向:東光、ベトナムでスマホ向けパワーインダクター量産] 東光は親会社の村田製作所と共同開発したスマートフォン向けパワーインダクター 「DFES」を、2015年 6月をめどに同社のダナン工場に専用設備を設け量産する計画である。 東光は国内の協力工場で量産に向けた準備を進めてきたが、スマホの高級機種向けに一 定の受注が見込めるため、自社の海外工場を活用する方針に転換し量産するものである。 2015年中に同製品を含む金属コイルの生産能力を、現状比 16.3 %増の月 5億個に引き上げ る予定である。 DFESは「パワーインダクター」と呼ばれる小型・薄型の金属コイルの一種で、スマホの 電源回路に搭載し、ノイズの除去や電圧の安定化を担う重要部品である。(Vi etnamnet 2014/12/22 Vol.313 ) ◆[企業動向:ブレイク・フィールド社 現地に 100 %子会社設立] インターネット広告代理店の株式会社ブレイク・フィールド社( 本社:東京都千代田区)は、 2014年 12月、100%子会社 BreakF ieldVie tnamCo.,Ltd.をベトナムに設立し、進出す 125 る日系企業中心に、Faceboo k運用代行サービス及び Googleなどを活用する最先端のデジタ ルマーケティングのコンサルティングサービスを開始する。 経済発展が続くベトナムにおいては、インターネットユーザーが急成長しており、とく に Faceboo kのユーザーは、増加し続け、現在約 2,80 0万人が利用していると言われている。 成長著しいベトナム市場に着目した同社は 20 13年より、ベトナムで日本を紹介するベト ナム語の Fac ebookメディア「PR EMIUMJA PAN」の運営を開始し、その運用ノウハウを基に、 今回の子会社設立、サービスの本格運用を開始するものである。 (Vietn amnet 2 014/12/1 4 Vol.313) ◆[企業動向:フタバ産業、ベトナムでの情報機器部品製造計画中止] フタバ産業(愛知県岡崎市)は 2月 2日、ベトナムで予定していた情報機器部品の製造販 売事業を中止するとの発表を行った。 ベトナム北部ハイフォン市の VSIP工業団地に情報機器部品の製造販売を行う全額出資子会 社(資本金 1, 200米ドル)を設立し、2014年 11月から生産を始める計画であったが、受注 量が当初想定を大幅に下回る見通しとなり、設立中止を決めたとのこと。(Ne wsclip 2015/2/2 V ol.314) ◆[企業動向:セタ・インターナショナル、ダナンにオフショア開発センター設立] セタ・インターナショナル(東京都品川区)の 1 00%子会社で、ベトナム・ハノイでのオ フショア開発事業を展開するセタ・インターナショナル アジア(以下セタ・アジア、本社・ ハノイ)は、2月 1日、ベトナムで 2拠点目の開発センターをベトナム中部最大都市である ダナンに開設した。 セタ・アジアは、2 011年から日本市場向けに特化したオフショア開発事業をハノイで展 開し、現在では 2 00人体制にまで拡大している。これまで、LAM P、Java 、.NE T系のサーバ ーサイドシステム、i OS、Andr oid、Win dowsPho neなどのデバイス系アプリケーション、HTM L コーディング、ウェブサイト制作など多岐にわたる開発・保守業務の実績を有する。現在、 開発領域の拡大に伴い、エンジニア増員のニーズが高く、優秀なエンジニアの採用が急務 となり、このため、新たな開発拠点として人件費が比較的安く抑えられ、優秀な人材の確 保がしやすいダナンに、オフショア開発センターを開設したものである。 今回、オフショア開発センターを開設するダナンは、ベトナム中部最大の都市であり、 ハノイ、ホーチミンに次ぐ I T産業の第 3の集積地として注目を集めており、多くの日系企 業が進出している。ダナンでは、IT産業の振興に向けたインフラ整備が集中的に投資され ているため、ハノイやホーチミンに比べ、エンジニアコストが 2 0-30% 低く、離職率が低い 点も注目されている。 (Newscl ip2015/ 2/2 Vo l.31 4) ◆[企業動向:KSKアナリティクス、IV Sと協業でオフショアビッグデータ分析を受託] 126 アナリティクス・ソフトウェア事業を手掛ける株式会社 KSKアナリティクス(東京都中央 区)は、ベトナムでオフショア開発を展開するインディビデュアルシステムズ社( IVS、ホー チミン市)と協業し、オフショアでビッグデータの分析業務を受託するサービス(オフショ ア分析)の提供を開始した。 オフショア分析は、データ分析業務を海外企業に委託するもので、日本ではまだ新しい 概念であるが、米国では APO(アナリティクス・プロセス・アウトソーシング)としてインド などコストの安い国にデータ分析業務を委託することが一般的になりつつある。 今回の協業により、KSKアナリティクスの持つデータ分析ノウハウや高機能な分析ツール と、IVSの持つ人材育成能力や人材ネットワークを活用することで、顧客に対して質の高い データ分析サービスを低コストで提供できるようになるとのこと。 同サービス提供開始の背景には、ビッグデータ分析需要の高まりとデータサイエンティ ストの不足、オープンソースやクラウドの発達などがある。こうした中、豊富な人的資源 が存在するベトナムが大きな注目を集めている。(V ietJo2015 /2/26 V ol.315) 【技術動向】 ◆[技術動向:新料金システム導入により物流円滑化に本腰] 交通運輸省は、遮断機を廃し、自動車が制限最高速度で料金所を通過できる 料金自動収受システムの展開計画を発表した。このシステムの導入により、時間と燃料の 節約、渋滞抑制が期待できるだけでなく、料金徴収業務の透明化も可能となる。 DinhLaTha ng交通運輸大臣は、「料金自動収受システムを全ての道路網で 進める。まずは国道 1A号線と T ayNguyen地域を通過するホーチミン道路に導入する。国 道 1A号線が、何十キロか進めば料金所で止まることで渋滞を引き起こし、時間を浪費する 状況は改善しなければならない」と会議で話している。 この大臣発言を受けて、Ngu yenHongTruon g交通運輸次官は、自動車の計量所を兼ね備 えた自動料金所 3カ所の試験展開を 201 5年 1月 3 1日までに開始するよう、プロジェクト チームに指示した。 このチームには、交通運輸省の複数の機関と自動料金所に投資する企業グループが参加 し、国道 1 A号線と、TayNgu yen地域を通過するホーチミン道路に同システムを導入する総 合計画をまとめる。(HotNam2 014/12/6 Vol.3 12) 【IT振興】 ◆[IT振興:「ASOCI O ICTサミット 2 014」、1 0月にハノイで開催] ベトナムソフトウェア協会(VINASA)は、アジア・オセアニアコンピュータ産業機構 (Asian-Ocea nianCom putingI ndustryOrganiz atio n=ASOCIO) 【注】が主催する ICT(情報 127 通信技術)サミット(A SOCIOI CTSumm it2014) を、ハノイ市で 1 0月 28 ~31日に開催すると 発表した。 このサミットは、世界の最新 ITトレンドを探り、各国及び各企業間のパートナーシップ を推進することを目的として毎年開催されている。多くの会議やセミナーなどのイベント が行われる予定で、世界の約 30か国・地域から 70 0人以上が参加する見込みである。 ベトナムでは VINA SAがホスト役として準備しており、VINASAのチュオン・ザー・ビン会 長によると、サミットの主要議題の一つとしてベトナムが提案した「農業再編と農村開発 における IT利用」が採用されたとのこと。 ビン会長は「今回のサミットはベトナムが世界から経験を学ぶ機会になる。I Tを新たな 開発方法の基盤にすることで、農業や農村の開発モデルを革新し経済社会発展のきっかけ にしたい」と述べた。 (VietJo 2014/0 5/28 V ol.3 06) 【注】日本からは(一社)情報サービス産業協会(J ISA)が加盟。 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:「ビザ申請オンラインシステム」完成、ネット上で申請可能に] ハノイ市では 3月 14日、「査証( ビザ)申請オンラインシステム」と「外務省データセン ター」の完成式典が開かれ、ファム・ビン・ミン副首相兼外相や世界銀行(WB )ベトナム事 務所のビクトリア・クワクワ所長らが参列した。 「ビザ申請オンラインシステム」は、インターネット上でビザを申請できる初めてのシス テムであり、外務省と外国に所在するベトナム代表機関が外国人に発給するビザの手続き や形式などが統一されることとなる。 「外務省データセンター」は、国際標準レベルの I Tインフラにより、業務管理能力・業務 効率・業務の質向上とコスト削減を目指す。これら 2つのプロジェクトは、世界銀行の支 援を受けて 2006年から実施されている「ベトナム情報通信技術(ICT)発展計画」の一環で ある。 ミン副首相兼外相は式典で、 「両プロジェクトの完成は、行政管理への ICT導入において 重要な意義を持つ」とし、「政府の行政手続き改革計画の中で必要不可欠なプロセスだ」と 強調した。(VietJo2014/03/ 18 Vol. 304) ◆[ITインフラ:IT競争力ランキング、ベトナムは 148ヶ国中 8 4位] 世界経済フォーラム(WEF)が発表した世界各国の IT競争力ランキング・国別順位(2014 年)によると、ベトナムは世界 148か国・地域中 8 4位で、前年と変わらなかった。 同ランキングは、国や企業、個人においてどれだけITネットワークが整備されている かを点数化し、◇ITネットワーク環境(政府・規制環境、ビジネス・イノベーション環境) 、 ◇ITネットワーク達成度(インフラ・デジタルコンテンツ、費用の手頃さ、スキル) 、◇IT 128 ネットワーク利用状況(個人、ビジネス、政府)、◇ITネットワークの影響(経済的影響、 社会的影響)の 4つの主要項目を評価して順位付けしている。 評価項目別に見ると、ベトナムは「費用の手頃さ」において前年から 3 0ランク上昇の 8 位に評価されている一方、「ビジネス・イノベーション環境」は 100位と低評価だった。 なお、ランキングの上位には、1位のフィンランドをはじめ北欧諸国が名を連ね、アジア 地域の上位は、シンガポール:2位、香港:14位、日本:21位、中国:58位、タイ:74位 となっている。(VietJo2014 /05/05 Vol.305 ) ◆[ITインフラ:ベトナム通信大手ベトテル、サイゴンハイテクパークの通信インフラ工事 開始へ] ベトナムの軍隊系通信大手ベトテルは、ホーチミン東部の第 9地区に建設予定のサイゴ ンハイテクパーク(SHTP )の第 2期工事として、通信インフラ工事開始の認可を取得した。 当該通信インフラ整備プロジェクトへの投資額は 425億ベトナムドンで、全長 35.2㎞に 及ぶ光ファイバー回線網や 14カ所の携帯電話の基地局、事務棟、オペレーションセンター などが今年末までに完成する予定とのこと。同パークには韓国家電・電子機器最大手サム スン電子が 1 4億米ドルを投じて大規模家電工場を建設する予定である。(1,00 0ベトナムド ン=5.6円 2 015/02/1 2 時点) (サイゴンタイムス電子版 201 5/2/12 Vol.315 ) 【電子商取引】 ◆[電子商取引:ベトナムのオンラインショッピング急成長、携帯端末からの利用者が 3 5%] 米クレジットカード大手のマスターカードが発表した 2013年 11月-12月の世界 25ヵ国 オンラインショッピングに関する調査結果により、ベトナムではオンラインショッピング が急速に普及してきていることが明らかになった。 ベトナムでの調査によると、 「オンラインでショッピングをしたことがある」と答えた割 合は 68.4% と高水準で、「どうすればオンラインショッピング利用者が増えるか」という質 問に対しては、 「取引方法を簡素化する」と答えたのが 60.8%、 「配達料を引き下げるか無料 にする」が 6 0.5%であった。 また、「携帯端末でインターネットに接続している」と答えたのは 94%と、極めて高い割 合になっており、携帯端末によるオンラインショッピング利用のポテンシャルが極めて大 きいことがうかがえる。なお、「過去 3ヵ月以内に携帯端末からオンラインショッピングを 利用したことがある」と回答した人の割合は、34 .9 %に達した。 (Ne wsclip2014/03 /24 Vol.304) ◆[電子商取引:ベトナム電子商取引市場、201 5年に倍増の 40億米ドル規模へ] 129 ベトナムの商工省情報技術電子商取引局(VECIT A)が 4月 16日に発表した電子商取引(e コマース)に関するレポートによると、2015年におけるeコマースの規模は 2013年の 2倍 に相当する40億米ドル超まで拡大する見通しとの見解である。 VECITAによると、2013年におけるeコマース市場の規模は 22億米ドルで、eコマース への平均支出額は 1人当たり 120米ドルとなった。 現在、ベトナムの全人口に占めるイ ンターネット利用者数の割合は 36%で、2015年には 40%~45 %へと増大すると見込まれて いる。VECIT Aの予測によると、2015年における人口は約 9,30 0万人と推定されており、イ ンターネット利用者の 70%がeコマースを利用すれば、eコマース市場規模は約 43億米ド ルに、65%の場合でも約 41億米ドルとなる試算である。 大手国際会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(P wC)によると、現時点でベ トナムのeコマース市場には米国のアマゾンや中国の淘宝(タオバオ)のようなeコマー ス世界大手がまだ参入していないことから、同市場の開拓余地はまだまだ大きいとの見方 である。(EM eye2014 /04/21 Vol.305 ) ◆[電子商取引:オンラインショッピング、約 6割が携帯電話から利用] 米国の市場調査会社ニールセン(Niel sen)が発表した「電子商取引( eコマース)に関する グローバル調査結果」によると、調査対象となったベトナム消費者のうち、オンラインシ ョッピングで携帯電話を使用すると答えた人の割合が 58%に上ることがわかった。 同調査は、世界の消費者のオンラインショッピング及び購入意向を調査するため、東南 アジア 7か国を含む 60か国・地域に住む 3万人以上のネットユーザーから回答を集めたも のであり、東南アジアではオンラインショッピングに携帯電話を使用すると答えた人の割 合が高く、この割合が高い上位 10か国にはベトナムのほか、フィリピン(62%) 、インドネ シア(61%) 、タイ(58 %)が入っている。ちなみに、日本は 21%である。 (VietJo2014/9 /8 Vol.309) ◆[企業動向/電子商取引:S BIホールディングスなど 3社、FPTと共同出資でマーケットプ レイス事業に参入] SBIホールディングス株式会社、オンライン決済サービスを提供する香港のイーコンテク スト・アジア、eコマース事業を行うビーノス株式会社の 3社は、FPT情報通信(FPT Corporation )及び FPT傘下の FPTオンライン(FPTOnline)との共同出資によるオンライン マーケットプレイス「Sendo」を合弁事業化する。 「Sendo」は、ベトナムの 20~30代の若者向けのアパレルを中心とした商品を幅広く取 り扱うインターネットモールで、201 4年度の年間取扱高において、ベトナム最大のオンラ インマーケットプレイスになると見込まれている。 ベトナムにおけるインターネット普及率は 20 13年時点で 36 %、EC市場は 2 2億米ドルに 達し、2015年には 4 0億米ドルにまで成長すると予測されている。 130 同 3社は、今後「Sendo」をベトナム最大のマーケットプレイスに成長させていくと共に、 マーケットプレイス上でのエスクロー決済サービス「SenPa y」を通じたオンライン決済関 連サービスの強化と周辺のインフラサービスの充実を図り、ベトナムにおける E Cマーケッ トの成長に寄与していく方針である。(VietJo2014 /12/8 Vol. 312) ◆[電子商取引:ベトナムの 2 014年オンラインショッピング、売上規模 30億米ドルに] ベトナム商工省(MOIT )傘下の電子商取引 IT庁(VECITA)は、201 4年の国内オンライン ショッピングの売上規模が 30億米ドルとなったことを発表した。 この売上規模は同国の小売売上高全体の 2% に相当し、オンラインショッピングでの売れ 行きランキングで上位を占めた商品は ITや電子機器関連の商品で、他にファッション、化 粧品、家庭用品、書籍、文房具となった。また、売上の大半はソーシャル・ネットワーキ ング・サービス(SN S)やフォーラムなどユーザー同士のコミュニケーションサイトを通じ て購入されたとしている。(Ha noi放送局電子版 2 015/2/17 V ol.315) マレーシア 【IT政策】 ◆[政府施策:2020年に向け注力する I T分野を発表] 政府の改革プログラムの進捗を管理・監督する業績評価局(Per formanceManag ementand DeliveryUnit:PE MANDU)は、2013年度の報告書で 2020年までに注力する IT分野を電子 政府、ヘルスケア、E -ラーニングの3分野にしたことを明らかにした。 電子政府の分野では、201 4年内に電子政府ポータルサイトの利用率を 80%にし、202 0年ま でにはこれを 100%、すなわち対面サービスをゼロにする目標を立てている。 ヘルスケアの IT化の分野では、全ての医療施設、患者、保険会社が情報を共有できるイン フラを構築し、2020年までに医療品質の向上、医療コストと医療ミスの削減を図る。 E-ラーニングの分野では、生徒、教師の共通知識ベースを使った授業方法の開発を行う。 2020年までに小中学校 600万人の生徒は、高速インターネットに接続された環境のもと、 非対面教育を十分に訓練された教師から学習できる学校教育を確立する。 通信・マルチメディア省の A hmadSha beryChe ek大臣は、これらの目標達成の鍵はブロー ドバンド速度の向上であると語った。(FutureG ov2 014/5/15 V ol.306) ◆[IT政策:政府 CIO 、国家 I CT政策の3本柱に言及] 「ビッグデータ分析、データセンタ強化、サイバーセキュリティ強化が、国家 I CT政策の 3本柱である。」とマレーシア行政近代化管理計画院(MA MPU)で政府 CIOを務める Dr SuhazimahD zazaliが語った。 また、「ビッグデータ分析のパイロットプロジェクトの実施は、MAMP Uに課せられた重要任 131 務である。本プロジェクトは、首相の肝いりの案件であり 1,0 00万米ドルの予算を計上し ており、201 5年から以下の 4省で実施される予定である。それらは、情報通信・文化省の 対外評価分析、内務省の犯罪防止分析、保健省の伝染病防止分析、国際貿易産業省の指標 分析である。 」とも同氏は語った。(Fut ureGov 201 4/11/14 Vo l.312) ◆[IT政策:政府 CIO 、BYODについての対策方針を語る] マレーシア政府は、職員が個人の携帯端末からアクセス可能な政府関連情報の保護強化の ため、新しい方針を検討中であると、マレーシア行政近代化管理計画院(MAMPU )で政府 CIO を務める DrSuhazim ahDzaza liが語った。 新しい方針では、個人保有の携帯機器の使用を基本的に許可するが、携帯端末からの政府 関連データの参照、更新等に際し、データ保護が実現できる対策を講じる必要がある。 「現在、政府は個人保有の携帯機器を登録させることで制限しようとしているが、情報資 産を保護する唯一の方法は、データのアクセス管理を実装することである。」と同氏は語っ た。(Future Gov 201 4/11/18 Vol.312 ) ◆[IT政策:MDeC、 ビッグデータ解析のための研究所を設立] マルチメディア開発公社(MDeC )は、ビッグデータ解析のために、新しい政府系研究所を設 立する計画があることを発表した。本研究所は、マレーシア行政近代化管理院(MA MPU)と国 家 ICT研究開発機関である MI MOS社により設立される。 本研究所は、IB M、マイクロソフト、Del l、オラクル、H P、SAP、統計解析ソフトウェアに 強みのある SASIns titute社、テレコムマレーシアからなるイノベーションネットワーク を活用し、国家規模プロジェクトのビッグデータ解析を行う。M DeCの CEOである Yasm in Mahmood氏は、「本研究所は、ASEANにおけるビッグデータ解析のハブ国家を目指すマレー シアにとって、重要なステップである」と語った。 (FutureGov 2015/0 1/30 Vo l.314) 【法制度】 ◆[法制度:PIKOM、I T業界に与える新税制の影響は最小限と発表] PIKOM(マレーシア情報通信技術産業協会)は、20 15年 4月に導入される物品・サービス税(GST、 GoodsandS ervicesTax)の現地 IT企業への影響は、最小限に留まることをメディア向け に発表した。PIKOM調査委員会の WoonTaiHa i氏によれば、75% の現地企業が新しい GST制 度を現行の 売上税(S alesTa x)とサービス税(S ervi ceTax)と比較し、より良い制度として 認めているという。 一方、税制改正により企業の税に係る会計処理、システムの変更等による企業の負担が増 えるため、GST制度を認める企業は 50%未満になるという。 (TheMalay sianRes erve201 4/7/9 Vol.307) 132 【市場動向】 ◆[市場動向:統計局、2013年度のインターネット普及率を 57% と発表] 統計局は、個人・一般家庭での IC T利用に関する調査の結果、昨年個人が利用した ICT (複 数回答)については、PCが 56.0%、インターネットが 57.0%、携帯電話が 94.2% となった事 を発表した。 インターネットを利用する頻度としては、「1日 1回以上」が 60.3 %で最多となった。イン ターネットの利用場所では、7 1.2%が「自宅」、 「職場」が 37. 8%、ネットカフェ等の「商用 インターネット施設」が 26.0 %だった。 またインターネットを利用する目的としては「情報投稿・SMSの送信」が 69.1 %、「電子メ ールの送受信」が 65.4%、 「情報収集」が 65 .3%、 「映画・動画・写真のダウンロード、映画・ テレビ・音楽の鑑賞」が 64.6 %、「新聞や電子書籍の取得・閲覧」が 52.1 %となった。一方、 「電子商取引」は 1 5.3%、「電子送金」は 13. 1%にとどまった。電子商取引で購入した商品 としては「衣料品」が 50.4% で最多となった。 インターネットを利用する家庭のうち、携帯電話などの「モバイルブロードバンド回線」 の利用は 50. 0%に達し、 「固定ブロードバンド回線」の 48.2%、 「デジタル回線」の 1.8 %を上 回った。一方、インターネットを利用しない家庭はその主な理由として「利用料が高額」 (24.1%)、「知識不足」(19.0 %)、「関心が無い」(1 7.2%)を挙げた。(BERNAM A 201 4/09/04 Vol.309) 【企業動向】 ◆[企業動向:米 Del l、ペナンに保守サービス管制拠点を設立] Dellは、 I CT分野におけるハイレベルな人材確保が可能という理由で、マレーシアのペナ ンに5番目の保守サービス管制拠点であるグローバルコマンドセンターを設立した 。 「マレーシアは、才能ある人材確保、ICTインフラ環境、サプライチェーンの他、政府の強 固な支援面で選択された 。他の4つのコマンドセンターは、テキサス州オースティン、ア イルランドのリムリック、中国のアモイ、日本の川崎にある。これらのセンターでは、様々 な対象分野の専門家が密接に連携し、障害発生から対策完了までの保守サービスの状況を リアルタイムに監視できる。」と Dellマレーシア社長の GohThe ngLai氏は語った。 また、同氏は「コマンドセンターでは、まず顧客からのサービスの依頼を受け、電話での 支援を提供する。また必要に応じ 600以上の世界中の配送拠点からスペアパーツを取寄せ、 顧客サイトへの技術者派遣を行う。」とも語った。(TheStarO nline2 014/4/25 Vol.30 5) ◆[企業動向:TM、中小企業向け ビジネスフォーラムを開催] テレコムマレーシア(TM)の中小企業担当執行副社長である Azi ziAHad i氏は、4月 24日、 133 ペタリンジャヤで開催した「SMEBizf est2 014」フォーラムで、「中小企業はマレーシア 経済に大きく貢献し、2020年までにマレーシアの国内総生産の 40%を占める。しかし現在、 中小企業の約 3分の 1しかビジネスに ICTを活用できていない。 」と述べた。 3年目となった同フォーラムは、同社の最新のビジネス ICTソリューションを紹介するプロ グラムであり、ペタリンジャヤを皮切りに、ジョホール·バル、ペナンおよびクチンで開催 され、約 5, 000名の参加者を見込んでいる。現在、中小企業 516 ,000社が TMの I CTサービ スに加入しており、T Mの売上高の約 20%を占めている。(Bern ama2014 /4/25 V ol.305) ◆[企業動向:NTTコミュニケーションズ、企業向けクラウドメールサービスを開始] NTTコミュニケーションズ(NT TCom)は 7月 30日、マレーシアにおいてクラウドメールサー ビス「Bizメール」の販売を開始した。Bizメールは、クラウド基盤上に構築された企業向 けの Webメールサービスであり、スケジュール管理や企業向け SNSなど、包括的な企業内 コミュニケーション・サービスを提供することができる。 NTTComは、新たにシンガポールに同サービスのプラットフォームを構築し、マレーシアの みならずシンガポール、ベトナムにおいても販売を開始する。(NTTComMalaysiaPress Releases20 14/7/30 Vol.308 ) ◆[企業動向:日立サンウェイ、データセンター事業強化のため、1億リンギットを投資] 日立システムズとサンウェイ・テクノロジーとの合弁会社日立サンウェイ・インフォメー ション・システムズ( 日立サンウェイ)の CEOである CheahKokHo ng氏は、マレーシアの データセンター運営サービス企業、フリー・ネット・ビジネス・ソリューションズを買収、 子会社化すると発表した。同時に、マレーシアでデータセンターの設計・構築を手がける パワーウェア・システムズ(P WS)と資本業務提携を行い、東南アジアにおいてニーズが高ま ると予想されているデータセンター事業に本格的に取り組むことを発表した。 日立サンウェイは買収や資本業務提携により、データセンターのコンサルティング・設計・ 構築から運用サービスまでワンストップで手掛けられるようになる。今後は、セキュリテ ィ及びインフラ管理関係の企業との M& Aを計画しているという。 (NewS traitsTi mesOnli ne 2014/7/31 Vol.308 )(1リンギット=3 2.51円 2014 /8/19時点) ◆[企業動向:マキシス、法人向けの新サービス開始] 携帯電話通信事業最大手のマキシスは、法人向けのインターネット接続サービス「マキシ スONEビジネス」の運用を開始した。主に中小企業を顧客に取り込むことで、法人向け 事業の収益拡大を図る。 本ビジネスは、定額・無制限でインターネット電話やデータ通信を行えるプランであり、 高速通信の他、24時間対応のカスタマー・サービス等も特徴となっている。 同社法人事業の責任者であるエイブラハム・フォス氏は、マレーシアの中小企業は急成長 134 しており、現在約 3 2%となっている国内総生産(GDP) に占める割合が 2020年には 4 1%まで拡 大する見通しだと語り、新サービスの開始によって、中小企業との契約を増やし、収益を 拡大したい考えを示した。(BE RNAMA20 14/09/0 3 V ol.309) ◆[企業動向:日立サンウェイ、シンガポールのアイ・ネット社を買収] 日立サンウェイ・インフォメーション・システムズ(HSI S)は、域内のデータセンター事 業強化を目指し、シンガポールのアイ・ネット・ソリューションズ社を買収したと発表し た。 HSISの CE Oであるチア・コックフーン氏は、アイ・ネット社のネットワークとセキュリテ ィ製品がマレーシアにおける既存の製品ラインナップの補完的役割を果たすと述べた。 HSISによる同業者の買収はアイ・ネット社で 3社目となり、買収額は明らかにされていな いが、HSISはアイ・ネット社を含む 3社の買収に 1億リンギットを投じた。また、同社は 今年 5月には、2015年までの売上目標を 1億 2,32 0万リンギットから 1億 3,70 0万リンギ ットに上方修正した。 (TheMalaysi anRese rve 2 014/11/05 Vol.31 1)(1リンギット =34.05円 20 14/11/0 5時点) ◆[企業動向:エアアジア、航空機内における W iFiサービスを正式発表] 格安航空大手のエアアジア・グループは、航空機内における WiF iサービスを正式に発表し た。2014年内に WiF iサービスを行う航空機を 4機から 20機に増やす。 同グループによると、2015年第 2四半期までには、80機とする計画だ。現在は「LINE」や 「Whatsa pp」、「WeCha t」などのメッセージング・アプリのみ利用できるが、来年を目途に 電子メールや「フェイスブック」、「ツイッター」の利用も可能になる。 3メガバイトの通信で料金は 8リンギットとなる。サービスは現在のところ先着順で受けら れるようになっており、今後はオンライン事前予約やシーズンパスの導入も計画している。 (BERNAMA 2 014/11/0 4 Vol.3 11)(1リンギット=34 .10円 2014/ 11/04時点) 【IT振興】 ◆[IT振興:MIMOS、ESRIと地理空間ビッグデータ解析における協業契約を締結] ESRIアジアパシフィックの GMである Leona rdJaya mohan氏は、「マレーシアの国家研究機 関である M IMOS(M alaysianInstitu teofMi croel ectronicSy stems)は、地理空間ソリュ ーションプロバイダである E SRIと地理空間ビッグデータ解析における協業契約を締結する 予定である。本契約の主旨は、国家の安全保障と公共の安全を強化することである。」と述 べた。 また、 MIMO Sの CEOである Da tukAbdulWaha b氏は、「限られた人的資源、時間、資金を有 効に活用し、この協業を成功させる。」と述べた。 135 ESRI側は、MIMOSの既存のオープンソースプラットフォームも活用する意向であり、当面 は、警察庁、厚生省、移民局、国防省、国土開発省調査地理局、公共サービス近代化局か らデータの入手等連携を図る予定である。 (Fu ture Gov 2014/1 1/03 Vo l.311) 【セキュリティ】 ◆[セキュリティ:国家サイバーセキュリティポリシーを 2017年までに改訂] 科学技術革新省の副大臣である Dr.Ab uBakarMoha madDiahは、インターネットセキュリ ティを 2050年までに順次強化するための一環として、国家サイバーセキュリティポリシー を再検討していることを発表した。 「改訂されたポリシーを 2年後には準備する。」と、国家安全保障会議(MKN)で政策を検 討しているサイバーセキュリティマレーシアの最高経営責任者(CEO)である Dr.Amirrud in AbdulWahabは語った。 今後 5年間で、政府は、デジタルフォレンジクス【注】の適用、ユーザとプロバイダ間の 認証強化、高整合性かつ高可用性システムの構築等によって、サイバー攻撃に対する対応 強化を図る。 サイバー攻撃の数は、2013年の 9 ,000件から 2014年には 11,900件と、過去 2年間で上昇 している。(FutureGo v2015/3 /6 Vol. 315) 【注】コンピュータへの不正アクセスや情報漏えいなどのセキュリティインデントの発生 時に、原因究明や法的証拠を保全するために対象となる電子的記録を収集・解析する技術。 ミャンマー 【IT政策】 ◆[IT政策:ミャンマー郵電公社、大容量光海底ケーブルプロジェクトの調印へ] ミャンマー郵電公社(M PT)は、2016年の初めにはミャンマーに新たな大容量光海底ケーブ ルの敷設を行い、ミャンマーでの不安定なインターネット環境を改善する計画である。 MPTは、シンガポールからフランスまで 17ヵ国を結ぶ総延長約 2 0,000kmの大容量光海底ケ ーブルプロジェクト「SEA-M E-WE-5 」の建設請負契約を行うため、「SE A-ME-WE-5」コ ンソーシアムとしてクアラルンプールで行われた契約調印式に参加したことを明らかにし た。 新しい「SEA -ME-WE -5」ケーブルは、現在の「SE A-ME-WE-3 」ケーブルが毎秒 10ギガ ビットであるのに対し、毎秒 100ギガビットのデータ転送が可能である。(Myan marTime s 2014/04/28 Vol.305 ) ◆[政府動向:藤川総務大臣、ミャンマーの郵便事業について M ICTと会談] 136 7月 2 3日、総務省の藤川総務大臣政務官は、ミャンマー政府・通信情報技術省( MCIT)の担 当者と会談した。 通信事業の近代化に向け 5月から日本郵便による技術援助が始まっているが、藤川政務官 はインターネットショッピングの実用化について、ネット環境が整えば遠隔地域とも容易 に通信が可能になり、ネットショッピングの商品輸送には郵便制度が必要と説明した。 一方、ミャンマーでは、商品輸送時の渋滞や一部地域でのオートバイ走行禁止等の問題も ある。(MCITのホームページ 2014/7/2 3 Vol.3 08) ◆[IT政策:JICA、通信網改善計画に円借款 10 5億円を供与] 8月 9日、ネピドーを訪問中の岸田外務大臣は、ミャンマーの W unnaMa ungLwi n(ワナ・マ ウン・ルイン)外務大臣と会談を行い、「ティラワ地区を含むヤンゴン、ネピドー、マンダ レーの 3都市間の通信網改善計画に円借款 10 5億円を供与する方針を決定した」と語った。 また岸田大臣は、銀行を含む日本企業の事業展開への配慮を要請し、ミャンマーによる商 業ビザ発給緩和についても現地政府への働きかけを行った。(本邦外務省のホームページ 2014/8/9 V ol.308) ◆[IT政策:ミャンマー政府、2015年度までに税関システムを刷新予定] ミャンマー政府は、ASE AN加盟国において貿易関係手続きの簡素化・効率化を目的とする ASEANシングルウィンドウ(AS W)を実現するため、ナショナルシングルウィンドウ( NSW)の導 入を計画している。 財務省関税局の副局長である SoeS oeLwi n氏は、N SW導入により貿易制限が縮小され、費 用効果の高い取引が可能となり、迅速に貨物を受け入れることができると話している。 ミャンマー政府は、2014年当初から日本の輸出入・港湾関連情報処理システム(NA CCS)技術 を活用したミャンマーでの通関 ITシステムの構築と運用・維持管理に必要な資金を日本政 府に対し要請していた。これに対し、日本政府は 20 14年 2月から 4年間で 39億 9,0 00万 円の無償資金協力及び技術協力を行う。 (TheMyan marTimes,2014/8/1 1 Vol.3 08) ◆[IT政策:ミャンマー政府、電子政府に 1,60 0万米ドル以上を投入] 情報通信省の副大臣である Thaun gTin氏によると、2011年度以降、65の地方政府及び州 政府において、電子政府開発プロジェクトを実施中との事である。 政府は、全省庁で共有されるアプリケーションを開発し、同時にインフラの整備と運用の ためのロードマップを作成中である。また各省では、独自のサービス内容を検討中との事 であり、201 5年 3月までに本システムの稼働を目指している。 世界銀行は、一般市民や企業が行政サービスに直接アクセスできる、シングルポータルシ ステムを導入する為、2014年 1月に 540万米ドルの追加支援を発表している。( FutureGo v 2014/11/28 Vol.312 ) 137 【国際連携】 ◆[国際連携:JICAの投資、通信網整備を加速] 通信情報省の副大臣である UThau ngTin氏によると、(独法)国際協力機構(JICA) は、50年 間、0.01%の低利子で、105億円の円借款をミャンマーの通信インフラ用途に供与すること を決定した。同氏によると、本円借款はヤンゴン、ネピドー、マンダレー間の光ファイバ ー基幹網の構築、ヤンゴンでの高速ケーブル敷設、ネピドーとヤンゴンのゲートウェイの 改修、ティラワ経済特区でのインフラ整備、IP v6インターネットプロトコルの適用準備に 利用するようだ。(My anmarTi mes2015 /1/26 Vol. 314) 【市場動向】 ◆[市場動向:モバイル端末利用者、70 0万人超で昨年比 3.5倍に達す] ミャンマー郵電公社(MPT)は、モバイル端末でのインターネット利用者が 700万人を突破 したと発表した。昨年の約 20 0万人から、1年間で 3.5倍に成長した事になる。M PTによる と、700万人のうち、400万人は MPTのインターネット環境を利用している。 また、通信事業を展開中のノルウェー・Teleno r社は、SIMカードを約 1 00万枚販売し、カ タール・Oor edoo社は約 200万枚を既に販売している。 MPTによると、インターネット利用者の 90 %はモバイル端末を使用し、ADSLや光ファイバー での利用者数は約 10万人に限られる。(Myanma rTi mes2014/12 /1 Vol. 312) 【企業動向】 ◆[企業動向:タイの大手 Webサービスプロバイダ、ミャンマー市場に参入] タイの大手 We bサービスプロバイダである Ready Planet社は、ミャンマーでのオンライ ンビジネス企業の急速な拡大をにらみ、ミャンマーでの事業を開始することを発表した。 同社 CEOの SongyotKantha manon氏によると、PC 、スマホ、タブレット等の様々なプラッ トフォームに対応した WEBサイトを顧客自身が DIYで構築できる 「Rea dyMyanm ar.com 」 を立上げ、2 014年中に、ミャンマーで 3 00件以上の顧客を獲得する目標を掲げているとの 事である。 また同社は、企業がインターネット上にウェブサイトを持つことの重要性やオンライン広 告の必要性などをセミナーで紹介し、オリジナル W EBサイト作成のワークショップも開催 し、参加企業にオンラインビジネスの可能性を伝えている。同社は、このレディメード型 の WEBサイト構築サービスを主軸に、ネット広告、研修、市場調査サービスを提供してい る。(Thena tion201 4/04/07 Vol.304 ) 138 ◆[企業動向:ミャンマー郵電公社、初めて携帯通信料特別割引を実施] ミャンマー郵電公社(MPT)は、Tele nor社と Oored oo社との販売競争のため、18 84年の創 業以来初めて、正月(水祭り)向けの携帯通信料特別割引を実施した。 MPTの顧客は、4月 1 2日から 21日の間、5,00 0チャット、10,00 0チャットのモバイルトッ プアップカードと呼ばれるプリペイドカードを購入するとそれぞれ 1,00 0チャット、2,0 00 チャットのボーナス割引を受けられる。 正月の間のモバイルトップアップカードの販売量は、正月前の 3倍になったため、来年も 実施すると MP Tの担当者は語った。(Mya nmarTi me s2014/04/ 28 V ol.305)(1チャット =0.10654円 2014/5 /2時点) ◆[企業動向:レッドリンク、無料 WiFiサービスを拡大] ミャンマーのワイヤレス通信事業者であるレッドリンク(Redli nk)によると、7月 1日の ヤンゴン大学医学部を皮切りに、マンダレー大学、マンダレー空港、ヤンゴン大学、ヤン ゴン鉄道駅に無料 Wi -Fiサービスを拡大する。 レッドリンクではこれまで、シュエダゴンパゴダ、ヤンゴン国際空港、ヤンゴン大学外国 語学部、カンドージ湖周辺のレストラン、娯楽施設で無料 Wi-F iサービスを提供している。 同社は、256Kb ps以上の回線速度を目指しており、2 56~512Kbpsの速度があれば、1サイト で 500~1,0 00人が無料インターネットを利用できると述べている。(Myanma r Tim es 2014/06/02 Vol.306 ) ◆[企業動向:オーレドー・ミャンマー、IT企業家に資金援助] 携帯電話サービス事業者のオーレドー・ミャンマー(OoredooMyanmar )は、”I deaBox”と いう ITベンチャー企業向けのインキュベーションプログラムを発表した。本プログラムは、 ミャンマーの IT企業家に最大 10万米ドルの資金の他、ガイダンス、オフィススペースを 4ヵ月から6ヵ月間提供するものである。 オーレドー・ミャンマーの CE Oである RossC ormac k氏は、本プログラムにより、資金不足 に陥っている優秀な IT企業家が、より開発に集中できると述べた。(MYA NMORE YA NGON 2014/05/29 Vol.306 ) ◆[企業動向:ミャンマー郵電公社、KD DIと提携へ] 国営ミャンマー郵電公社(MPT )の ThanTunAun g局長によると、MP Tは日本の携帯電話サ ービス事業者である KDD Iとパートナー契約を 2014年 5月末までに締結する予定であると 語った。 MPTは現在、ミャンマーにおける唯一の携帯電話サービス事業者だが、2 014年度内には、 海外企業であるテレノールとオーレドー、民営化予定のヤタナポーンテレポート(YTP)の 139 3社も本サービス市場に参入する。 同氏は、201 3年 6月に行われた携帯事業免許の入札で落選したフランスのオレンジグルー プ、日本の KDDI、シンガポールテレコムに対し、20 13年 9月から提携への招致活動を行っ ており、時期が来たら正式な契約発表を行い、本提携の過程を公開すると述べた。 (Mya nmar Times2014/ 05/12 V ol.306) ◆[企業動向:NEC、ミャンマー国際コンベンションセンターの I CTインフラを構築] NECアジアパシフィック(NECA P)と ShweTaungグループは、ネピドーにあるミャンマー国際 コンベンションセンター(MICC )の ICTインフラを構築したと発表した。 MICCは、ミャンマーが初めて議長国を務めた「ASEA Nサミット 20 14」が開催された会場で もある。 NECAPは、MICCにおける音声・データ・映像を統合した ICTインフラを構築し、非接触スマ ートカード技術を活用した認証システムや、ビデオカメラ映像を用いた高度な監視システ ムを実現した。また、ヘルプデスクを設け、これらシステムの総合的な保守・運用サポート を提供する。 (Myanma rBusine ssToday2014/7 /10 Vol.307) ◆[企業動向:MTP、K DDIと住友商事との合弁会社と事業契約締結] 7月 17日、KDDIと住友商事が設立した合弁会社 KD DISummitG lobalMy anmar(K SGM)は、 ミャンマー郵電公社( MPT)との 10年間の共同事業運営契約を締結した。 KSGM側が新規設備や技術・運用ノウハウ、マーケティングノウハウ、資金などを提供し、 MPT側が事業ライセンスや顧客基盤、既存設備を提供する。 KSGMは、今後 2~3年で 20億米ドルを投資し、当初は未整備エリアのネットワーク整備に あたる。 ミャンマー政府は、20 13年 6月に、外資系 2社(ノルウェーの Telen orとカタールの Oore doo) に対して、携帯電話事業のライセンスを付与した。この時の国際入札には僅差で落選した 日本企業だが、今回の MPTとのパートナーシップ締結で見事“復活当選”した形となる。 ミャンマーにおける携帯電話の普及はほぼ 10パーセントで、政府は 2 015年から 2016年の 会計年度にかけて 75パーセントのレベルへの到達を目指している。( Myanmar Tim es 2014/7/29 Vol.308) ◆[企業動向:オフショア開発.com、ヤンゴンでのオフショア開発企業と提携] オフショア開発に特化したポータルサイト「オフショア開発.co m」は、7月 25日にミャン マーに開発拠点を置く日系オフショア開発企業「Te chFun株式会社」と業務提携を結んだ ことを発表した。 同社は、スマートフォンのアプリ(Andr oid/iOS/PhoneGa p)や業務系 Webシステム( Java /PHP)、E Cサイト、WordPre ssによる HP制作などの開発を手掛けるという。 ( オフショア 140 開発.comの HP、 20 14/7/30 Vol.308 ) ◆[企業動向:Ooredo o、格安 SIMカードの販売を開始] 8月 2日、カタールの Ooredooは、格安 SIMカードの販売を開始し、ミャンマーで初めて、 外資系通信事業者としてのサービスがスタートした。 SIMカードは、ヤンゴン、マンダレー、ネピドーで販売され、価格は約 1.5米ドル。Oored oo が参入するまでは、約 200米ドルで販売され、軍事政権時代には 1, 500米ドル以上の値が 付いていた。 SIMカードを購入した顧客は、8月 14日まで、Oored ooネットワーク間で 900分の無料通話 と、900テキストのメッセージ送信無料サービスが受けられる。国営サービスの MPTネット ワークへの接続は、90分の通話と、9 0テキストのメッセージ送信が無料となっている。ま た、8月 15日まで Facebookへのデータアクセスは 20メガバイトまで、毎日無料アクセス が可能。 8月 15日からは、6 8の国内他都市への通信が可能となり、20 15年末までには国内の 80% の 都市をカバーする予定だ。(My anmarTi mes201 4/8/ 2 Vol.308) ◆[企業動向:KBZ、モバイルバンキングサービスを間もなく開始] ミャンマー最大の民間銀行であるカンボーザ銀行(K BZ)は、間もなくモバイルバンキングサ ービスを開始すると語った。本サービスでは米国の情報セキュリティ会社である RSAが、 オンライン詐欺等のサイバー脅威から顧客を保護するとのことである。 KBZは 1999年に 4億 7,700万チャットの資本で起業し、2014年には 1, 130億チャットまで 資本拡大してきている。 また、他の民間銀行である協同組合銀行(CB)も、試験的に、201 4年初めから同様のサービ スの導入を開始していた。(Myanm ar Busin ess To day 2014/7/24 Vol.308 )(1チャット =0.10530円 2014/8 /12時点) ◆[企業動向:ソフトウェア開発大手 M CC、SAPと提携] 7月 22日、ミャンマーコンピュータ会社(MC C)は、独 SAPとの交流イベント“MCC-SAPデー” をヤンゴン市内で開催した。 本イベントの席上、S APインドシナの社長である M r .LiherUrb izuと MCCグループの最高 経営責任者( CEO)である Ms.Cha wKhinKhinの間で、SAPERPソフトウェアの使用に関する パートナー契約が締結された。(MCCのホームページ 2014/8/1 Vol.308) ◆[企業動向:Teleno r、20米ドル以下の携帯電話を販売] Telenorは、9月に 1, 500チャットの SI Mカードと 20米ドル以下の携帯電話を販売すると 発表した。誰もがインターネットを利用できるようにするため、2Gと 3Gの携帯電話にもイ 141 ンターネット接続機能を持たせている。 (Dai lyEle venNewspape r2014/0 8/13 Vo l.309)(1 チャット=0. 1093円 2014/09 /10時点) ◆[企業動向:Ooredo o関連情報(1)、インターネット利用料金について] Ooredooは、8月 14日にネピドーで行われた会見で、インターネット利用料を 1Mb当り 25 チャットとするパケット通信サービスを発表した。 インターネットを毎日 30Mbまで利用できるサービスは一日 500チャットで、Fac ebookを 20Mbまで無料利用できるという。また、週に 200M bまで利用できるサービスは 3,0 00チャ ットで、Face bookは 120Mbまで無料利用できる。毎月 1Gbまで利用できるサービスは 12, 000 チャットで、Faceboo kは 600M bまで無料利用できる。 また、サムスンのギャラクシーVの携帯電話(97,50 0チャット)を Oored ooの代理店で購入 すれば、通話 300分、SM S300回、インターネット 1ヵ月に 100Mbまで 3ヵ月間無料で利用 できるという。 (Dai lyEleve nNewspa per201 4/08 /15 Vol.30 9)(1チャット= 0.1093円 2014/09/10時点) ◆[企業動向:Ooredo o関連情報(2)、通信品質について] Ooredooの S IMカードは、ヤンゴン市では繋がらない所が多いと、使用者から多くの批判が 出ている。これは基地局の遠近に関わらず、人口が密集している地区でも発生している不 具合のようである。 また、繋がっても雑音が多く、通話中に切れることも多いという。O oredooの顧客は、料金、 繋がりの良さを考慮し、ミャンマー郵電公社( MPT) の SIMカードを使用するしかないと考え 始めているようだ。( DailyEl evenNew spaper2014 /08/19 Vol .309) ◆[企業動向:Ooredo o関連情報(3)、通信品質の向上対策について] Ooredooは、携帯電話の 3Gネットワークを拡大し、9月 15日までに 1,230万人の利用に 対応できるインフラを再構築することを表明した。 利用者の一部は、Oore dooのサービス品質に不満を抱いており、通話の繋がり難さだけで なく、通話料は毎分 35チャット(約 4円)を課金するが、通話時間が 1単位を数秒超えただ けで 1単位の 35チャットを課金されることに不満を感じている。 Ooredo oミャンマーの CE Oであるロス・コーマック氏は、「ヤンゴン中心部で利用者が集 中し、サービス品質の低下を招いている。技術者が問題を解決し、通話可能範囲拡大とサ ービス向上に努める」と語った。 (Dai lyElev enN ewspaper20 14/09/03 Vol.30 9)(1チ ャット=0.10 93円 2 014/09/1 0時点) ◆[企業動向:働楽ホールディングス、ミャンマー現地法人設立] 働楽ホールディングスは、日本データスキルと共同で、ヤンゴンに Myan marDRK, Co.,Ltd. (ミ 142 ャンマー働楽)を設立し、201 4年 8月より営業を開始した。 同社では、日本国内で培ってきたソフトウエアおよび IT基盤(ネットワーク、サーバシス テム等)の開発、設計、運用管理などの高い技術力と実績をベースに、ミャンマーの若い優 秀な技術者を活用して、以下の事業を推進する計画だ。 ▪現地エンジニアに対する日本語および IT技術の教育ならびに育成 ▪日本国内企業向けの現地エンジニアの紹介ならびに派遣 ▪ミャンマー進出日系企業およびローカル企業向けの ITソリューションサービスの提供 ▪日本国内企業からの業務アプリケーション、組込みソフトウェア等の開発受託 (D aily ElevenNews paper20 14/08/19 Vol.30 9) ◆[企業動向:電子ビザ試験運用、約 6 00人が申請] ミャンマー政府は、8月に行った「E-VISA( 電子ビザ)」システムの試験運用の結果を明らか にした。試験運用は 8月に行われ、専用のウェブサイトを通じて 584人が申請し、531人 に観光ビザが発給された。 移民・人口省のキン・イー大臣は、「ビザを発給された 5 31人のうち、すでに 48人がミ ャンマーに入国した。電子ビザ制度は本試験運用を経て、9月 1日から本格運用が始まって いる。」と語った。(D ailyEle venNews paper2 014/ 08/19 Vol. 309) ◆[企業動向:MCIT、テレコム事業者の今後について語る] 通信情報技術省(MCIT )の Thau ngTin副大臣は、 「テレコム事業者は、2年以内に大学、病院、 高速道路での携帯電話の接続可能領域を拡張する必要がある。1年以内には 10万人以上の 町へ、2年目からは 1万人以上の町への携帯電話接続を可能とさせる。また 5年以内に国土 の 90%をカバーすることで人口の 80%が携帯電話を使える環境を整備する。」と語った。 「同省では、国からの助成金への依存を減らすため、MPTを民営化する計画がある。」とも 同氏は語った。(Dail yElevenNewspap er2014 /09/ 27 Vol.310 ) ◆[企業動向:GMOインターネット、AC E社と合弁会社設立] GMOインターネット( 株)は、現地法人の AC EDataSy s temsと、合弁会社 GMOAC E社を設立し、 2014年 10月より事業を開始した。GMOACE社は、現地法人として初めてミャンマー国内向 けにインターネットサービスを提供する。 現在、通信需要の加速度的な伸びを背景に、ミャンマー政府主導で通信インフラの整備が 推進されていることから、今後、インターネットが飛躍的に普及していくことが予測され る。(DailyElevenN ewspaper2014/10 /02 Vo l.31 0) ◆[企業動向:太陽生命保険、自社システムをミャンマー国営保険会社に寄贈] 太陽生命保険(株)は、ミャンマーの保険事業の発展のため、自社で開発した保険システム 143 を国営のミャンマ・インシュアランスに寄贈したと発表した。I T化による抜本的な業務改 革、効率化を通じ、保険事業の発展を加速させることができると見込む。 ヤンゴンで 9月 2 7日、寄贈式を開き、臨席した M aungMaungThei n財務副大臣は、保険 システム寄贈や人材教育などへの幅広い支援が、保険業界の発展に寄与するとの期待を示 した。 同社は 2012年 4月、ヤンゴンに日本の生命保険会社として初めて駐在員事務所を開設し ていた。(NN A.ASIA2 014/09/2 5 Vol.3 10) ◆[企業動向:DKSHミャンマー、SAP社ソリューションプラットフォームを提供開始] スイスのソリューションサービスプロバイダである Diethelm Keller Si ber Hegner社 (DKSH)は、ミャンマーでグローバル展開可能な S AP社ソリューションプラットフォーム を提供する最初のプロバイダになるようだ。 DKSHミャンマーの責任者である Pre man氏によると、 DKSHは 1995年にミャンマーに進出し、 現在、1,500人以上のモバイル関連の知識を持った専門家や営業を擁す。ヤンゴンに本社を 置き、マンダレー、ミッチーナ、タウンジーとモーラミャインに支店を持つ。 DKSHのグローバルソリューションプラットフォームは、マレーシアのコーポレートシェア ードサービスセンタから一元管理され、同センタでは、SAP基幹システムと顧客管理、受注 管理、配送管理、在庫管理、物流証明書などの I Tツールを、約 20 0名の I T専門家が運用 する。(Myan marBusi nessTod ay2014/ 10/22 Vol. 311) ◆[企業動向:FPT、ミャンマーでの大規模物流管理システムを受注] ベトナムの IT企業である FPT社は、ミャンマー・メイソン・インダストリーズ社(MMI) との間で、日用品における物流管理システム(DMS:Distributi onMana gementSystem)の 導入契約を結んだことを明らかにした。 本契約により、FPTと MM Iは、持ち株会社とミャンマー全土で 7つの支店に営業担当者を持 つこととなり、FPTにとってミャンマーでの最初の大規模プロジェクトの受注となる。 MMIは、ケーキ、お菓子、飲み物等の製造物流におけるミャンマー最大規模の企業であり、 現行の DMSは、全国で 10, 000名以上の営業、1, 10 0店の代理店、東南アジア 9ヵ国ではユ ニリーバ、ペプシコ、サントリー、味の素等の著名な消費財企業に利用されている。 (MyanmarBu sinessT oday201 4/10/10 Vol.31 1) ◆[企業動向:新航空会社による、ミャンマー初の国内線フライト予約システム] 3月に 10番目の国内航空会社として参入する A pexエアラインは、航空券の予約状況に応じ て価格を変動させるシステムを採用する予定である。ミャンマーの国内線航空券の販売価 格は、現行の国内線航空会社では繁忙期と閑散期のみの設定であるが、A pexエアラインで は、需要と季節により変動させる予定だ。また、顧客はインターネットによるオンライン 144 システムで予約後、emai lと SMSにより予約の確認が可能となる。 (M yanmarT imes2015 /2/9 Vol.314) 【IT振興】 ◆[IT振興:日本の特許庁、ミャンマー知的財産シンポジウムで講演] 9月 9日、東アジア・アセアン経済研究センター(E RIA)、国家経済計画開発省(MN PED)、及 び科学技術省(MOST) 共催の知的財産シンポジウムが、首都ネピドーにおいて開催された。 同シンポジウムでは、 「中小企業の発展のための知的財産権」をテーマに、アセアン各国の 有識者から報告がなされるとともに、活発な議論が交わされた。 日本の特許庁からは、堂ノ上総務部長が講演を行い、特許庁の中小企業支援策や知財を活 用して成功した日本の中小企業の事例を紹介した。(特許庁ホームページ 2014/ 09/12 Vol.310) ◆[IT振興:NICT、ミャンマー語の日・英自動翻訳システム実用化へ] 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT )のユニバーサルコミュニケーション研究所は、ミ ャンマー語を対象にした日・英自動翻訳システムを世界で初めて開発した。旅行会話向け の自動翻訳システムでは、翻訳率は約 90%と高い精度を得ている。 現在、ヤンゴンコンピュータ大学(UC SY)とミャンマー語の音声認識・音声合成に関する共 同研究を実施しており、上記の自動翻訳システムと組み合わせて、ミャンマー語の自動音 声翻訳システムを構築する予定である。 本件は、総務省提唱のグローバルコミュニケーション計画の一環として実施されており、 同計画は、東京五輪を目途に、音声翻訳の実装を目指している。 (NIC Tのプレスリリース 2014/10/15 Vol.311 ) ◆[IT振興:MOST、M CF、METI 、CICC、国家空間データ基盤普及促進セミナーを開催] 2月 27日に首都ネピドーにおいて、ミャンマー側が科学技術省( MOST :Minis tryofSc ience andTechnol ogy)、ミャンマーコンピューター連盟( MCF:Myanma rComput erFede ration)、 日本側が経済産業省( METI)、C ICCの 4者共催による国家空間データ基盤(NSDI :Nationa l SpatialDat aInfras tructure )普及促進セミナーが開催された。 セミナーでは、科学技術大臣 Dr.KoKoOoをはじめ関係政府機関幹部、実務担当者等が参 加し、ミャンマーでの NS DI実現に向け、日本での NSDI導入経験やミャンマーの地図利用 業務の実態を発表し、活発な意見交換が行われた。 NSDIは、全国の地図データを整備し政府関係機関で共有利用するプロジェクトであり、効 率的な都市開発計画や災害危機管理等に活用される。 本セミナーを契機に、NSDI取り纏め省となる MOSTが NSDI委員会の設置を急ぐ予定である。 145 (MyanmaEd ucationDailyNe ws2015/ 02/27 Vol. 315) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:海底ケーブルの故障でインターネット通信速度が低下] ミャンマー郵電公社( MPT)の W inAun g氏は、8月 1 2日にシンガポールとミャンマー間の海 底ケーブルが切断された影響でインターネットの通信速度が低下しており、対策には 1ヵ 月程度が必要と語った。 MPTによると、切断の原因は船舶の運航や海流の影響で、海底の石とケーブルが接触するこ とだと述べている。 切断により、ミャンマー国内のインターネットの通信速度は約 25%低 下すると言う。 MPTでは、頻繁に切断される既存ケーブルに代わり、新しい海底ケーブル(SE-MEWE5)の導 入を、2015年内に完了させる予定である。 (D ailyE levenNewspa per2014 /08/15 Vol.309) ◆[ITインフラ:MPT 、ネットワーク近代化に向け米企業ソリューションを採用] ミャンマー郵電公社( MPT)は、ミャンマーにおけるサービスエリアの拡大と高速通信サービ スを低料金で提供するため、米ダイアロジック・インク社のインフラ・ソリューションを採 用した。 MPTは 2016年に 1 00万人超の新規ユーザーの獲得を目指しており、それに対応する、高品 質でインフラ設定を容易に操作可能なソリューションを探していた。 (M yanmarBuisine ss Today2014/ 09/19 V ol.310) 【電子政府】 ◆[電子政府:鉄道省、鉄道チケットシステム改修の入札を公示] 鉄道省はヤンゴン環状鉄道の Eチケットシステムの導入と運用の公開入札を発表した。ヤ ンゴン管区内の 15の駅に導入され、サービス品質の向上を図る。7月 14日が応札の締切で 落 札者 は 3年契約で 導入と 運用の 権利を得 る。 (Myanm ar B usiness Toda y 20 14/7/10 Vol.307) ◆[電子政府:移民・人口省、電子ビザシステムの入札予定を発表] 移民・人口省(MIP)は、観光、ビジネスで外国人の入出国が増加しており、ビザ取得をオン ラインで行う電子ビザ(E-Visa )システムの入札が近々行われることを発表した。本入札は、 移民局が 7月 16日までに纏める“意思決定プロセス”に従う事が好まれる。しかし、ミャ ンマー旅行業協会(UM TA)は、E -Visaシステムが導入される前にインターネットの品質の改 善が必要と指摘している。(My anmarBu sinessToda y2014/7/10 Vol.30 7) 146 ◆[電子政府:国勢調査速報、ミャンマーの人口 5,1 00万人と判明] 移民・人口省が 2014年 4月に実施した 31年ぶりの国勢調査の暫定結果によると、ミャン マーの人口は、2011年の推計値 6 ,100万人を約 1, 0 00万人も下回る結果となった。国勢調 査の情報は、電子政府関連アプリの基礎情報となり、詳細結果は 2015年 5月に発表される 予定である。 暫定結果によると、ミャンマーの人口は 5,149万 9 ,420人で、うち男性が 2,48 2万 1,17 6 人、女性が 2,659万 8,244人で、男女比は 48. 2対 51.8だった。5,021万 3,067人は、国 勢調査で実際にカウントされた人であり、残る 120万 6,35 3人は、西部ラカイン州、カイ ン州、北部カチン州の一部で調査が実施できなかった地域の推計値である。 14 の管区・州のうち、人口が最大だったのはヤンゴン管区で、735 万人(総人口の 14.30%)であった。 国勢調査は 15万人の調査員を投じて行われた。1983年の調査以降、中央政府と、少数 民族武装勢力との対立などで実施が困難になっていたが、2011年の民政移管後に武装勢力 との停戦が進み、調査が実現した。 (D ailyEl evenNewspaper2014/09/ 07 Vol. 309) ◆[電子政府:E-Vis aシステム、累計申請者 3. 4万人突破へ] 移民・人口省は、現在 6 7カ国を対象に実施中の EVisaシステムの利用者が 3. 4万人以上 に上り、新たに 3 3カ国を認可する意向を示した。同省は、「現状では、67ヵ国に対して、 インターネットでのビザ申し込みを許可している。 これまでに、約 50ヵ国の外国人が E-V isa システムを利用した。 」と語った。 E-Visaシステムは、2 014年 9月 1日から導入が開始され、累計申請者は 3 .4万人に達した。 ヤンゴン国際空港に続いて、1 1月からはマンダレー国際空港およびネピドー国際空港でも 導入された。今後、国境検問所でも開始される予定だ。(Eleven2014/11 /27 Vol .312) ◆[電子政府:ミャンマーの港湾に電子通関システム導入へ] 電子通関システム(MACCS/MC IS)の導入に向け、日本が約 40億円の支援を行うことが明ら かになった。 ASEAN加盟国は、AS EAN経済共同体の発足に向けて貿易関連情報アクセス窓口の一元化を目 指しており、ミャンマーの電子通関システム導入もこの一環である。 ミャンマー政府は、2 015年には同システムの試験運用を開始したいとしている。税務局で は、同システムは輸出入における関税の支払いを迅速かつ容易にするものだと説明してい る。(ELEVEN2015/1/ 7 Vol.3 13) 【電子商取引】 147 ◆[電子商取引:MPU 、2C2Pと共同でオンライン決済システムを構築] MyanmarPay mentUni on(MPU )の UZawLinHtu t経営最高責任者は、M PUと決済サービス 業者の 2C2Pが共同で、ミャンマーの消費者向けに国内および海外での商品購入ができるオ ンライン決済システムを構築した事を 2月 16日に発表した。本オンライン決済システムは、 ミャンマー国内の銀行が発行する MP Uカードの保有者 90万人が利用できる。(ZDNet 2015/02/16 Vol.315 ) モンゴル 【IT政策】 ◆[IT政策:大統領、国産モバイル製造業者へ補助金を約束] 2014年 5月 8日にエルベグドルジ大統領と政府関係者は、携帯電話の国営企業 4社【注】 から新製品についてのプレゼンを受けた。プレゼン目的は、モンゴル語のオリジナルアプ リ開発等に国家予算の投入を要請するものである。 これら業界の要請に対し、大統領は、48 0億トグログが外国産モバイルの使用により、海 外へ流れ出していることに触れ、支援について前向きな回答をした。(InfoMo ngolia 2014/05/08 Vol.305 )(1トグログ=約 0.057円 2 014/05/12 時点) 【注】ITZo ne社:モンゴルブランドのスマートフォンの製造会社。外資スマホの代理店も 務める。 Emondo社:モンゴル語のオリジナルアプリ開発社。 DarkhanJon on社:中国より中古携帯を輸入し、リサイクルを行う会社。 MigmaElect ronics社:老人、子供用携帯製造業者。 ◆[IT政策/ 国際連携:モンゴル、Goog leと連携し産業強化] 2年間の導入準備期間を経て、Goog leのストリートビューは正式にモンゴルでサービス を開始した。 これはモンゴル政府が現在推進中の「スマートウランバートル」事業の一環で、Google マップ、ストリートビュー、カルチャー機関(G oogl eCultureInsti tute)、アートプロジ ェクト(Goog leArtp rojects) 等で Go ogleとの協力を推進することにより、経済競争力を 高め観光業を始めとした国力強化を目指して行く。同事業により、モンゴルは中央アジア 初の Googleストリートビュー適用国となった。 (MO NTSAMENEWS 2014/1 0/22 Vo l.311) 【国際連携】 ◆[国際連携:韓国との協力で新入国管理システム導入] モンゴル入国管理局は、韓国国際協力団(KOI CA)と共に入国管理プロジェクトを開始する。 148 このプロジェクトは 2016年まで韓国の無償援助で運営される。国籍の管理や入管での正確 なモニタリング、海外在住モンゴル人の法的保護などを行う。また、在モンゴルの外資や 国際機関や投資機関などの情報も管理する。 (Mongol ianNationalNewsAg ency 20 14/03/13 Vol.304) ◆[国際連携:チンギスカン国際空港、米企業より気象 WS技術を導入] 米国の科学技術関連製品を扱う Glo balScie nceTechnology,Inc(以下、GST社)は、通 信ソフトウェアにより、気象衛星のデータ等を収集、解析し、気象チャートや航空ドキュ メントを自動的に作成できる気象ワークステーション WAFS-ME TLABをウランバートルのチ ンギスカン国際空港内のモンゴル航空気象センター(以下、AMC )に導入する契約を結んだ。 GST社は、韓国の W eatherLi nk社と気象庁の協力のもと、気象データ情報処理システムを AMCに導入し、同センターのスタッフへの研修も行った。GST社は、同システムを既にフィ リピンとカンボジアに導入済である。(Mon golia n National News Ag ency 2 014/03/1 4 Vol.304) ◆[国際連携:KOICA支援で epassサービス導入、第 2弾] 韓国国際協力団(KO ICA)による無償援助でモンゴル出入国管理局は、2013年 1月からジン ギ ス カ ン 国 際 空 港 に E-Imm igratio n プ ロ ジ ェ ク ト の 一 環 と し て e-pass( Electron ic checkpointmachine) を設置している。 さらに 2014年 10月 1 0日に同空港に新しい e-pa ssが導入され、法務大臣や関係企業等 の出席のもと、セレモニーが行われた。現在、e-pa ssは同空港の出国カウンターと入国カ ウンターに設置されており、モンゴル国民が事前に登録した指紋などの生体認証を読み取 り 、 14 秒 か ら 1 8 秒 で 出 入 国 の手 続 き が で きる よ う に な っ て い る 。( InfoMo ngolia 2014/10/13 Vol.310 ) ◆[IT政策/ 国際連携:モンゴル、Goog leと連携し産業強化] 2年間の導入準備期間を経て、Goog leのストリートビューは正式にモンゴルでサービス を開始した。 これはモンゴル政府が現在推進中の「スマートウランバートル」事業の一環で、Google マップ、ストリートビュー、カルチャー機関(G oogl eCultureInsti tute)、アートプロジ ェクト(Goog leArtp rojects) 等で Go ogleとの協力を推進することにより、経済競争力を 高め観光業を始めとした国力強化を目指して行く。同事業により、モンゴルは中央アジア 初の Googleストリートビュー適用国となった。 (MO NTSAMENEWS 2014/1 0/22 Vo l.311) ◆[国際連携:モンゴル政府、e-TAXシステム導入にアジア開発銀行の資金を活用] モンゴル財務省は会計の透明性を目指した e -TA Xシステム導入の技術支援に向けアジア 149 開発銀行の資金 110万米ドルを活用する。本資金は日本政府が貧困削減基金として 2000年 にアジア開発銀行内に設置した基金より拠出される。なお、同基金は 2 010年からは技術支 援の活用も可能となっている。 同プロジェクトの実施期間は 2016年までの 2年間であり、目的は効率的かつ透明性のある 財務基盤と e-TAXシステム導入の 2点である。なお、被援助国として、モンゴル政府も 5 万 5,000米ドルを拠出する。( InfoMong olia 2 014/ 11/11 Vol. 312) ◆[国際連携:世銀、モンゴルへ電子政府導入に向けて支援等を開始] 11月 19日に世銀はモンゴルに対し、1.医療情報(eヘルス)、2.スマート政府等の IT関 連のプロジェクトを含む、5つのプロジェクトの支援を確定した。 「医療情報( eヘルス)プロジェクト」は、①eヘルス基金の立ち上げ、②医療関連データ の統合及び医療従事者と患者の間でのデータ共有、③国家健康情報センターの設立、④eヘ ルスを推進する上での人材育成、⑤プロジェクトマネジメント要員、資金の確保の 5つの 施策から成り立っている。 また、「スマート政府プロジェクト」は、ICTを活用し、モンゴルにおける公共サービスの 透明性、効率性、接続性を高めることを目的に、①資金支援及び技術支援。②国民が必要 とする eサービスの提供。③データの継続的な活用と品質向上に向けた利用者主体のエコ システム構築。④内閣官房にプロジェクト推進部署の設置の 4つの施策から成り立ってい る。(InfoMo ngolia 2014/11/ 19 Vol. 312) ラオス 【企業動向】 ◆[企業動向:ハイアール社、ラオ語対応の電子機器開発で科学技術省と提携] 中国の家電メーカであるハイアールグループ日本及びアセアン諸国の統括会社であるハ イアールアジア社は、ラオス科学技術省及びラオスの総合商社 A MZGroupCo.,Lt dと教育、 科学技術分野での提携に関する覚書(MO U)を締結した。今回の合意により、三者はラオ語対 応の電子辞書、PC、タブレットなどの共同開発を行う。まず、2 015年にラオスにおける学 校などの教育機関向けに電子辞書の提供を開始する予定。(Sou theastA siaPost2014/11/ 05、 XinhuaNewsAgency2014/11/ 05 Vol. 311) 【IT振興】 ◆[IT振興:ラオス国立大学、高等教育用 Eラーニングを開発] ラオス国立大学の ITセンターは、ラオ語での高等教育用 Eラーニングシステムを開発し た。同大学では、この Eラーニングの利用を促進するため、まず経済学部と経営学部の学 150 生を対象にラップトップ PCを配布し、今月からその運用テストを開始する。この Eラーニ ングにより、同大学の学生が場所の制約を受けずに学習できる環境が提供されるようにな る。今後、Eラーニングの導入を他の学部にも拡大する予定。 ラオス国立大学は、Eラーニングを活用することで、アセアン諸国の国民に対して高等教育 を受ける機会を広げ、高等教育の普及を目指す韓国教育省主導のアセアンサイバー大学 (ACU)の設立プロジェクトに参加している。ラオス国立大学の ITセンターでは今後、英語 での高等教育受講環境を他国の学生にも提供するための Eラーニングシステムの開発にも 着手する。 2013年現在、ラオス、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマーの 5ヵ国と 4大学が ACU プロジェクトに参加している。 (Vienti aneTim es2 014/10/03 Vol.310 ) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:3Gユーザの増加に対応したインフラ整備が課題] ラオスの通信事業者は、3 Gインターネットユーザーの増加を受けてインフラ整備の必要 性に迫られている。ラオスの通信事業者は、ユーザーから近隣国と比べて 3Gの通信速度が 非常に遅いことの不満を多く言われているが、その原因は通信容量が小規模であることに ある。その解決のためにはタワーの増設などのインフラ整備の投資が必要になるため、解 決には時間を要する見込みである。(Vi entianeTim es2014/05/ 08 Vol. 305) 【電子政府】 ◆[電子政府:ラオス政府、公式ウェブサイトを立ち上げ] 5月 30日、ラオス政府は、政府・政党の政策の公表や、政府組織の義務と責任の遂行、 さらに国民の政治への参加を促すことを目的に、政府の公式ウェブサイトを立ち上げたこ とを発表した。 ソムサワート・レンサワット副首相は、「ラオスは WTOに加盟し、また 2015年の AS EAN 経済の統合に向けた準備を進めているところでもある。そのため、国外とのコミュニケー ションを促進するためにも、このサイトは必要である」と述べた。(Lao News Agency 2014/06/03 Vol.306 ) ◆[電子政府:スイス開発協力庁、ラオス政府内情報ネットワーク整備で協力] スイス開発協力庁( SDC)は、ラオス政府が計画策定と意思決定において必要とする社会経 済情報へのアクセス環境整備計画への協力について、ラオス政府との覚書を締結した。こ の計画は、統計局を初めとする 5つの省庁が保有するデータの共有や統合、その分析結果 を一元的に提供するシステム開発を今後 4年間で行い、データに基づく国の開発計画策定 151 と意思決定を促す環境整備を目的としている。SDCはスイスのベルン大学の技術サポートを 得てこの計画への協力を実行していく考えであり、420万米ドルの資金提供も行う予定。 (VientianeTimes20 14/07/19 Vol.30 8) ◆[電子政府:地理空間データの利活用に関するハイレベルセミナを開催] ラオスの閣僚、政府高官を対象とする地理空間データ利活用に関するハイレベルセミナ が首都ビエンチャンで開催された。このセミナでは、XaisySan tivong内務大臣による開会 挨拶の後、地理空間データの収集とその関連規制を担当する内務省傘下の Nationa l GeographicDepartm ent(ND C)より、地理空間データの利活用事例やラオスの都市計画、森 林、水資源、国土管理、災害監視での利用価値についての説明が行われ、そのデータ提供 サービスを維持するための財源についての議論が行われた。 同セミナは、フィンランド政府の資金援助により、2014年 10月から 2015年 12月まで実 施されるラオスの地理空間データのインフラ整備プロジェクト「St rengthen ingN ational GeographicS ervicesi nLaoPDR– E xtensionPro ject(SNGS-E P)」の一環で実施された ものである。(Lao News Agenc y 2015/0 1/16, The Lao People' s Ar my Ne ws 2 015/01/1 6 Vol.314) 【IT人材】 ◆[ICT人材:ICTに精通した人材育成が喫緊の課題] 労働・社会福祉省 技能開発・雇用局の Ph ouvanh局長は、 「国内の ICT産業の市場規模は 2 009 年の 7,20 0万米ドルから 201 0年には 9 ,200万ドルとなり、着実に成長している。しかし、 人材の ICTスキル開発が十分でないために国内の I C T産業が育たず、ITサービスの多くを 輸入に依存しなければならない状況となっている。I CTインフラへの投資を増加し、最新機 器を使用して、ICT人材の技術力強化を図らねばならない。」と述べた。 ラオス中央銀行のレポートによると、IC Tサービスの輸入は、201 1年は輸入超過の 4.83% を占めていたが、201 2年には 11%に上昇している。 (VientianeTi mes2014 /06/11 Vol.307) 韓国 【IT政策】 ◆[IT政策/ セキュリティ:住民登録番号の代替「マイピン」導入へ] 個人情報の流出が相次いだことを受け、韓国政府は住民登録番号の代わりに使用できる 個人識別番号サービス「マイピン(My-P IN)」の導入を計画している。 安全行政部によると、201 1年 9月から 2014年 5月までに発生した個人情報の流出事件は 42件、流出した個人情報は約 1億 2,00 0万件に達している。 152 今回、導入される「マイピン(My-PI N)」は 1 3桁の数字からなり、住民登録番号と同じ桁 数であるが、生年月日や性別などの個人情報は含まれない。電子商取引サイトなどでの会 員登録や公共機関向けの書類を作成する際に住民登録番号の代わりに使用できるようにな る。 しかし、「マイピン(My-PIN) 」も I Dとパスワードを使用するため、ハッキングされる可 能性が高いとの課題も指摘されている。韓国インターネット振興院の安全政策チーム長は 「最終的には機関別などの識別番号を導入するなど、住民番号とは関連のない認証手段を 用いることを考案中である」と述べた。 (毎日経済 2014/07/1 4 Vol.3 07) ◆[IT政策/ セキュリティ:未来創造科学部推進の「クラウド発展法」への懸念] 政府が国会へ提出する「クラウドコンピューティングの発展及び利用者保護に関する法 律」(以下、クラウド発展法)について、セキュリティ上の問題と政府の対応について、懸 念が指摘されている。 未来創造科学部が 2013年 10月に発表したクラウド発展法では、政府省庁などの公共機関 が民間のクラウドサービス利用することを許可している。それまで、政府機関はクローズ ドのコンピュータで情報を管理し、201 2年に政府は、政府機関に対し、民間企業が提供す るクラウドサービスを使用しないよう勧告した。これに対し、企業側は国内のクラウド産 業の成長を阻害するものだと反発してきた。実際、韓国内では、クラウド市場の 7割以上 を外国企業が占めている。未来創造科学部は同発展法を通じ、20 17年までに公共機関の 1 5% 以上が民間クラウドサービスを活用できるようにする方針だ。 しかしながら、セキュリティ上の問題が指摘されている。政府の情報がインターネット に接続された民間クラウドサービスにおいて、ハッキングなど外部からの攻撃を受ける恐 れがある。電子政府法、国家サイバー安全管理規定などでは、クラウドサービスで公共機 関に関連する事故が発生したときは、国家情報院長に通知するように規定されているが、 これを政府の過剰な措置だと主張する意見もある。 (韓国日報 2014/09 /10 Vol .309) ◆[IT政策:朴大統領、新年記者会見で経済成長に向けた技術として Io T推進を] 朴大統領は 1月 12日に経済成長牽引のための技術の柱として、IoT技術を活用したビジ ネスを推進すると発表した。しかしながら、現在、韓国の Io T市場は 2兆 3,00 0億ウォン で世界市場の約 1%を占めるに過ぎない。韓国政府は、2014年 5月に発表した「IoT (モノ のインターネット)基本計画」に従い 2020年までに同市場を 30兆ウォンまで拡大する予 定である。 また、未来創造科学部は、ヘルスケアやスマートシティの実証事業のため、3月中に実証事 業を行う地方自治団体を 2つ候補として選定し、Io Tサービスに向けたオープンプラットフ ォームを構築する。 (iニュース 2015/ 01/12 Vol.3 13) (1ウォン=約 0. 11円 153 2 015/01/1 2 時点) ◆[IT政策:政府、「ICT競争力強化総合対策」を 3月発表予定] 未来創造科学部は、1月 28日に発表した「2015年度事業計画」の中で、ICTを活用し、 競争力を向上させ、国家経済を活性化させる対策などを盛り込んだ「ICT競争力強化総合対 策」を、3月 12日の第 4回情報通信戦略委員会で承認後に発表すると表明した。 これまで、韓国経済はサムスン電子などに代表される ICT企業にけん引されてきたが、 韓国企業との技術格差を縮め、価格競争力もつけてきた中国企業と、急激な円安により輸 出競争力を上げた日本企業に挟まれ、苦戦している。こうした現状を踏まえ、未来創造科 学部は昨年 1 2月より同部長官(大臣相当)主催で「ICTと他産業の融合」や「ソフトウェ ア」など分野別懇談会を開催し、現場の意見を取り入れて「ICT競争力強化総合対策」の骨 子を練ってきた。(アジア経済 2015/0 1/28 V ol.3 14) 【国際連携】 ◆[国際連携:KT、アジアモバイル通信事業者と共同技術研究に関する MOU締結] KTは 10月 6日8日の日程で、ベトナムで開催されたアジアの通信事業者協議会コネク サス(CONEXU S)の定期総会で、9ヵ国のモバイル通信事業者と IoT(Int ernetofThings) 共 同技術研究についての覚書(MO U)を締結したと 1 0日に発表した。 この共同技術研究には、日本の NT Tドコモ、フィリピンのスマートテレコム、シンガポ ールの Starhub 、香港の Hut chinsonが参加する。今後は、各メンバで構成された「IoTプ ロジェクトグループ」を発足させ、IoT技術、商品、サービス、ビジネスモデルなどを共同 で開発していく。(NE WSis 20 14/10/10 Vol.3 10) ◆[国際連携:KOICA 、ベトナムと科学技術研究院設立で MOU] KOICAはベトナム科学技術省と共同でハンベ科学技術院(V-KIST )設立について MOUを締結し た。これは、韓国科学技術院(KIST )をモデルにした機関をベトナムに設立し、同国の主要 産業の先端技術開発、技術移転の促進、博士課程教育等の充実を推進するものである。同 プロジェクトは、201 4年から 4年間で約 3,500万米ドルを投入して推進される。 ハンベ科学技術院(VKIST)は、ハノイから西に約 4 0キロにあるホアラック(HoaLac)地域 のテクノパーク内に入居する予定である。(KOI CA 2014/10/24 Vol.311 ) ◆[企業動向/国際連携:SKテレコム、台湾モバイルとコンサル契約] SKテレコムは、台湾モバイルと 3Gと LTE関連のサービス強化につきコンサルティング契 約を結んだ。SKテレコムは契約に基づき、今後 3ヵ月間、専門家を派遣してコンサルにあ たる。同社は同様の通信専門家派遣契約をインドネシア、中国、マレーシア、モンゴルと 154 も締結している。(Ko reaTime 、teleco mpaper 20 14/10/31 V ol.311) ◆[国際連携:KOICA 、カンボジアで高度 IT人材育成後、韓国企業への就業機会提供] カンボジアのプノンペンにある「韓国ソフトウェア HRDセンター」では、韓国国際協力 団(KOICA)が韓国 IT企業のウェブケシ社と協力し、8ヵ月間の高度ソフトウェア開発人材養 成コースを提供し、過去 2年間で 100人以上の IT人材を育成した。養成コースの修了生は、 韓国 ITセキュリティ大手のアンラボ社、韓国 IT大手との合弁会社 KOSI GN社の韓国本社や カンボジア現地法人などに就職することが可能である。KOIC Aは IT人材育成事業を、韓国 企業の現地進出途上国の人材開発及び経済発展に同時に貢献する官民協力事業と位置付け、 今後も推進していく。 2月 10日にはカンボジア教育省(Min istryforE du cation,YouthandSport)大臣の Hang ChuonNaron氏が同 HRDセンターを訪問し、卒業生を激励すると共に同センターが IT講座 のクメール語サイト「クメールアカデミー(khmer ac ademy.com )」を開設したことについて 謝辞を表した。(KOIC A公式サイト 20 15/02/12 Vo l.315) 【市場動向】 ◆[市場動向:韓国のインターネット利用人口約 3,50 0万人] 6月 4日のニールセンコリアンクリック社が発表した「第 30回インターネット利用者調査 報告書」 【注】によると、韓国のネット利用人口は 2 014年 3月現在で、3,4 76万 2,0 00人で あった。これは韓国の人口の 81. 1%である。一方で、ネットを使用したことのない人は 12.4 % であった。ネット利用者の男女比は、53対 47であり 2004年 9月の調査開始以来、男性の 割合が高い。また、ネットを最も利用している年代は 20代の 96 %であった。 なお、韓国内のスマホ利用者は 20 13年 12月と比べ、3.4%増加した 3,182万 1,0 00人で あった。年代別に見て目立ったのは、60代のスマホ利用が増加している点である。2013年 12月より 3. 8%増加し、60代の 35.5%がスマホを利用している。 スマホ利用者の内、アンドロイドの利用者は全体の 88% の 2,79 9万人、iPhon eは 333万 5,000人で 1 0%にとどまった。 (聯合ニュース 2014 /06/04 Vol .306) 【注】201 4年 2月 2 6日から 3月 1 8日まで韓国内の満 7歳から 6 9歳までの男女 400 0名へ 電話によるアンケート調査に基づいて作成。 ◆[市場動向:韓国でビックデータが普及しない理由とは] 大韓商工会議所が 6月に 500社を対象に行ったアンケート調査によると、「ビックデータ の利用計画がない」と回答したのは全体の 8 1.6%であった。サムスン経済研究所が 201 2年 に企業経営者 211人を対象に行った調査でも「ビックデータを積極的に活用する」と回答 したのは 19. 4%にとどまった。 155 このように韓国企業がビックデータの活用を躊躇する理由は、個人情報の活用と保護に 関する明確な法的基準がないことによると同業界関係者は分析している。(世界日報 2014/08/12 Vol.308 ) ◆[市場動向:スマートスクール市場、予想外の低迷] 2014年の始めに政府主導のスマートスクール全国拡大事業が事実上中断され、既に発注 された関連のシステム構築は世宗市教育庁事業に引き継がれた。6月に 5 6億ウォンで入札 があった「世宗特別自治市教育庁スマートスクールシステム構築事業」では、幼稚園 2ヵ 所、小学校 5校、中学校 5校、高校 1校の合計 13校の校内教育電算網の高度化を行う。全 国展開を見込んでいた国家プロジェクトが、一市 13校にとどまってしまった。これにより、 当初 2兆ウォン市場を当て込んでいた中堅 ITサービス企業らは方向転換を余儀なくされて いる。成功事例として、LGCNSは早々と海外事業に転換し、201 4年始めに 370億ウォン規 模のコロンビアスマートスクール構築事業(米国)を受注した。 韓国内スマートスクール構築市場が活性化されなかった理由は、デジタルコンテンツの不 足であると分析されている。韓国教育学術情報院は 2012年に全国の小• 中•高等学校が利用 できるデジタルコンテンツ流通プラットフォームを構築するとし、多くの学校は電子白板 などの機器を導入したが、未だに活用できるデジタルコンテンツが存在せず、期待した効 果が出なかったのが実情である。(電子新聞 2 014/ 08/17 Vol. 308)(1ウォン=約 0.1円 2014/08/17 時点) ◆[市場動向:新学期を前に 2 0万ウォン台のタブレットが爆発的人気] オークションサイトにおける 8月 1 4日から 2 7日までのタブレット販売量が、昨年同時期 と比べ、220 %増加した。新学期を控えた学生の購入が増えたためと分析されている。特に 学生が講義を動画で視聴できるアンドロイドタブレットで、価格が 20万ウォンから 25万 ウォンのものが人気であり、昨年同時期と比べ販売量は 310%増加している。その中でも「エ ムピシオ」は 535%増であった。Windo wsタブレットでは、ディスクトップ PCとの互換性が あり、キーボードを接続しノート PCのように使えるタイプが、クラスごとに教室移動をす る中高大学生に人気である。(デジタルタイムズ 2 014/09/10 Vol.309) ◆[市場動向:8月の ICT輸出は前年同月比 2.1 %減] 11日、未来創造科学部と産業通商省が発表した韓国の 8月の I CT輸出入動向の統計による と、ICT輸出額は 14 1億 9,00 0万ドルで、前年同月比で 2.1%減少した。前年同期比 ICT部 門の輸出が減少したのは、去る 5月(前年同期比 7 .6%減)に続き、3ヶ月ぶりのことだ。 1日平均輸出額は 6億 3,000万ドルで、昨年 8月(6億 1,000万ドル)に比べ小幅増加して いる。ICT輸出先のうち、主要国では、小幅に減少しており、中国(香港を含む)向けで 1.4%減の 73億 3, 000万ドル、米国向けは 0.4% 減の 13億 6,000万ドル、欧州連合(EU )向 156 けは 8.5%減の 10億 3,000万ドルであり、日本向けは、24.3%減の 4億 1,000万ドルとなっ た。(デジタルタイムズ 2014 /09/11 Vol.309 ) ◆[市場動向:韓国での MSの積極的活動に業界は静観の様子] マイクロソフト(MS) の CEOは 9月 24日にソウル三成洞グランドインターコンチネンタルホ テルで開かれた「Te chDaysコリア 201 4」での基調講演で「全世界がモバイルとクラウドの 環境に変化しており、開発者もこの環境に合わせて新しい開発方法論を適用する必要があ る」と強調した。 しかしながら、同社の 2013年の売上は 6,000億ウォンを超えたにもかかわらず、雇用はわ ずか 480人であった。さらに、PC1台あたり数十ドルのロイヤルティを徴収しており、これ は韓国での売上 6 ,000億ウォンを越えている。また、業界内では、M Sの今回の訪韓の背景 には釜山に構築するインターネットデータセンター(IDC)に関連し、政府の支援をより引 き出すのが目的とも言われている。事実、基調講演後には産業通商資源省長官と会って、 釜山 IDCの建設で緊密な協議を続けていくことに合意した。(iN EWS20 14/10/10 Vol.31 0) (1ウォン=0.01円 2014/10 /10 時点) ◆[市場動向:韓国 I Tサービス企業の 2014年を振り返る] 2014年において、韓国 ITサービス企業は低迷する国内市場を脱し、海外に活路を見出し 新規事業へ投資をする傾向にある。サムスン S DSは物流プロセスアウトソーシングやクラ ウドなどの新市場開拓に注力した。LGCNSも独自のソリューションで海外事業を拡大して いる。SKC& Cは海外市場での売上が全体の 15% を超えた。 また、9月までのソフトウェアの輸出額は 3 7億 3 ,000万米ドルで前年同期比 44% 増加し た。(MoneyT oday 20 14/12/16 Vol.31 2) ◆[市場動向:2014年の韓国企業「IT利活用指数」は 57.7点] 未来創造科学部が発表した「2014年韓国国内企業 IT利活用実態調査」によると、2 014 年の IT利活用指数は 57.7点で 20 13年の 55点よりも上昇した。韓国統計庁より承認され た同指数は 10 0点を 4段階に分け、どのレベルであるかについて評価している。2 014年の 57.7点は、第 3段階の「企業間取引、協業、情報共有に情報システムが利活用されている」 レベルである。ちなみに、58.6点以上は 4段階で、 「戦略的経営及び新事業創設」レベルと なる。 (news1 2015/02/ 05 Vol. 314) ◆[市場動向:韓国の IoT競争力、主要 20ヵ国中 1 2位] IoTは朴槿恵政府の 経済上、重要な課題となっている。しかしながら、アクセンチュア が主要 20ヵ国 IoTの競争力を評価したレポート” WinningwithTheIndus trialIntern et 157 ofThings”によると、韓国は 20ヵ国中 12位であった。その理由として、「革新的な技術 があっても投資が受けにくい国」、「産官学の R &D協力が不足」 、「リスクの高いプロジェク トに挑戦するのは難しい」と評価されたのだ。1位は米国、2位はスイス、アジア圏では日 本 9位、中国 14位であった。 IoT産業市場規模は、20 15年に 2,370億米ドルとなり、また、2020年には 1兆ドルまで 成長すると予測されている。(東亜日報 2015/ 03/1 0 Vol.315 ) 【企業動向】 ◆[企業動向:続々、南米市場を目指す韓国 IT企業] 韓国主要 I T企業が続々と南米市場に進出している。 サムスン電子は 5 ,000万ドルを投資してベネズエラ政府と共同で、201 4年末に携帯電話ㆍ タブレット P C工場を建設する。中南米のスマートフォン市場は急成長しており、市場規模 は初めて 1億台を超えると見込まれている。 ポスコ IC Tは、ブラジル政府のサンパウロ地下鉄の近代化プロジェクトの一部を落札し、 地下鉄のプラットフォームスクリーンドアシステム【注】を構築した。L GCNSは、昨年、 コロンビア首都ボゴタで 3,0 00億ウォン規模の交通カードプロジェクトを受注した。さら に隣国ペルーㆍチリㆍエクアドル·メキシコからの追加事業の受注を狙っている。同社のコ ロンビア法人の社長は、「現地でビッグデータを活用した交通システムを新たに構築してい る」と述べた。 ネイバーのメッセンジャーサービスである LIN Eは、最近メキシコからの 1,00 0万人の加入 者を誘致した。南米の国々に広く受け入れられるため、スペイン語のサービスを早期に導 入したことが功を奏したとのことだ。 (毎日経済 20 14/06/05 V ol.306) (1ウォン=約 0. 10 円 2014/06 /05) 【注】乗客の線路内立ち入りや転落を防止するために設けられたホームと線路を仕切るド ア。列車のドアと同時に連動して開閉される。 ◆[技術動向/企業動向:サムソンスマートフォン機能、医療機器との棲み分けが課題] サムソンが 10月発売予定のギャラクシノート 4には血液内の酸素量を示す酸素飽和度セ ンサと紫外線濃度センサが搭載されている。喘息患者や喫煙者、敏感肌なユーザに周辺環 境の状況を教える意図がある。しかし、現行の法律ではそれらの状況を測定する機器は医 療機器としての許可を取らなければならない。 現在、サムスン電子は国内食品医薬品安全局や米国食品医薬品局などの酸素飽和度セン サ搭載機器を健康管理機器として許可してもらうよう働きかけている。今後は、スマホで 収集した情報を医療機関と連携して、スマートヘルスケア、スマート診療機能に強化して いくことを目的としている。(デジタルタイムズ 158 2 014/09/15 Vol.309 ) ◆[企業動向/国際連携:SKテレコム、台湾モバイルとコンサル契約] SKテレコムは、台湾モバイルと 3Gと LTE関連のサービス強化につきコンサルティング契 約を結んだ。SKテレコムは契約に基づき、今後 3ヵ月間、専門家を派遣してコンサルにあ たる。同社は同様の通信専門家派遣契約をインドネシア、中国、マレーシア、モンゴルと も締結している。(Ko reaTime 、teleco mpaper 20 14/10/31 V ol.311) ◆[企業動向:SKテレコム、C iscoと協力し、I oT領域で釜山スマートシティを支援] SKテレコムは、Ciscoと釜山スマートシティとの間で三者契約を結び、Io Tのテストベッ ト及び IoT運用センターを構築する計画である。また、3者が構築予定のインフラ上で Io T ベースでのサービス提供の調査と運営をおこなう。提供される主要なサービスは、緊急安 全、交通、観光、メディア、環境、教育、健康の 7領域となった。 (聯合ニュース、te lecom paper 2014 /10/30 Vol.311 ) 【技術動向】 ◆[技術動向:クラウドコンピューティング産業の成長が本格化] 韓国でクラウドコンピューティング産業の成長が本格化する見通しだ。情報通信産業振興 院(NIPA)が運営する IT知識ポータル(www. itfin d.or.kr)に掲載された「クラウドコン ピューティング:TheBigPict ure」報告書によると、2015年には韓国内のクラウド市場は、 3兆 3 ,100億ウォンとなると予測されている【注】 。また、クラウド導入の利点についての アンケート調査では、コスト削減を挙げる会社が全体の 43%を占め、また業務遂行の効率が 上がるとの回答も 42 %を占めた。(電子新聞 2 014/0 5/01 Vol.3 05)(1ウォン=約 0.09円 2014/05/12 ) 【注】データ元は K T経済研究所。プライベートクラウド及びパブリッククラウドを合わせ た数値。 ◆[技術動向/企業動向:サムソンスマートフォン機能、医療機器との棲み分けが課題] サムソンが 10月発売予定のギャラクシノート 4には血液内の酸素量を示す酸素飽和度セ ンサと紫外線濃度センサが搭載されている。喘息患者や喫煙者、敏感肌なユーザに周辺環 境の状況を教える意図がある。しかし、現行の法律ではそれらの状況を測定する機器は医 療機器としての許可を取らなければならない。 現在、サムスン電子は国内食品医薬品安全局や米国食品医薬品局などの酸素飽和度セン サ搭載機器を健康管理機器として許可してもらうよう働きかけている。今後は、スマホで 収集した情報を医療機関と連携して、スマートヘルスケア、スマート診療機能に強化して いくことを目的としている。(デジタルタイムズ 159 2 014/09/15 Vol.309 ) 【電子政府】 ◆[電子政府:官民参加の電子政府ガバナンス組織の発足] 9月 1 5日に安全行政部は電子政府のガバナンス組織として「電子政府の官民協力フォーラ ム」を発足させた。 同フォーラムは産官学の専門家と政策担当官 18 9人からなり、安全行政部の第一次官と 高麗大学名誉教授が共同議長を務める。扱うテーマは ICT新技術(クラウド、ビックデー タ等)、電子政府サービス、電子政府のインフラ(情報セキュリティ技術、政策動向、電子 政府ネットワーク)等である。安全行政部の第一次官は、「韓国は国連の電子政府ランキン グで 3回連続 1位を占める中、今回発足したフォーラムは、韓国の電子政府がさらにアッ プグレードするための場となるだろう」と述べた。 (電子新聞 2014/0 9/15 Vo l.309) ◆[電子政府:電子政府システム、クラウド移行加速] 韓国政府は、すでに 260のシステムを 2014年末までにクラウドベースに移行しているが、 2015年末までにさらに 143の電子政府システムをクラウドベースに移行すると 2月 1日に 発表した。 同政府は、電子政府システムのクラウド移行により運用コストの 40%にあたる 3,7 00億ウォ ンを節約することができる上、統計庁の国勢調査のような特定期間にトラフィックが集中 する業務にも効果的に対応できると説明した。 (デジタルタイムズ (1ウォン=約 0.11円 201 5/02/01 Vol.314 ) 2015 /02/01 時点) ◆[電子政府:公共機関、地方自治体でビックデータの活用] 統計庁、韓国科学技術情報研究院、仁川市などは、上半期から業務にビックデータの活 用を目指している。 例えば、統計庁はビックデータを活用することで、商品の販売価格変動の推移など、品 目別の市場情報に関する照会時間を大幅に短縮できるようになるとしている。 韓国科学技術情報研究院は「図書館ビックデータサービス」を年内に立ち上げる。同サー ビスにより、政府図書館と国立大学の図書館情報、利用関連情報が統合され、蔵書管理や 検索が容易になり、利用者にはより便利な図書館情報を提供することができるようになる。 仁川市は、S NS上に投稿される市政関連の情報を「ソーシャルビックデータ分析システム」 で分析、加工し、行政への市民の意見に対し効率的にフィードバックを行う。(デジタルタ イムズ 201 5/03/01 Vol.315 ) 【電子商取引】 160 ◆[電子商取引:LGユープラス社、韓国内初「公認証明書」なしで決済可能に] 韓国では 30万ウォン以上のネット決済にはアクティブXベースの本人確認のための「公 認証明書」が必要である。しかしながら、アクティブXの脆弱性により、韓国政府は 9月 までに「公認証明書」の規定を撤廃する予定である。 一方、L Gユープラス社は上記「公認証明書」の代替システム、 「ページナウプラス」を開 発した。同システムは、金融監督院の安全性審議会で認定された最初のシステムとなる。 同システムでの本人認証方法はパスワード等、5種類が提供されている。 現在までのところ「ページナウプラス」が対応しているカードは新韓、BC、ハナ S Kの 3 つであるが、2014年内には全てのクレジットカードでの決済が可能となる。(News1 2014/08/13 Vol.308 )(1ウォン=約 0 .1円 2 014/ 08/13 時点) 【セキュリティ】 ◆[IT政策/ セキュリティ:住民登録番号の代替「マイピン」導入へ] 個人情報の流出が相次いだことを受け、韓国政府は住民登録番号の代わりに使用できる 個人識別番号サービス「マイピン(My-P IN)」の導入を計画している。 安全行政部によると、201 1年 9月から 2014年 5月までに発生した個人情報の流出事件は 42件、流出した個人情報は約 1億 2,00 0万件に達している。 今回、導入される「マイピン(My-PI N)」は 1 3桁の数字からなり、住民登録番号と同じ桁 数であるが、生年月日や性別などの個人情報は含まれない。電子商取引サイトなどでの会 員登録や公共機関向けの書類を作成する際に住民登録番号の代わりに使用できるようにな る。 しかし、「マイピン(My-PIN) 」も I Dとパスワードを使用するため、ハッキングされる可 能性が高いとの課題も指摘されている。韓国インターネット振興院の安全政策チーム長は 「最終的には機関別などの識別番号を導入するなど、住民番号とは関連のない認証手段を 用いることを考案中である」と述べた。 (毎日経済 2014/07/1 4 Vol.3 07) ◆[セキュリティ:インターネット上の住民登録番号の保管、全面禁止] 2012年 8月に施行された改定情報通信網法では、2013年 2月以降、インターネット上で の住民登録番号の新規収集•利用を禁止したが、既に収集された住民登録番号等情報は、 2014年 8月 17日までに廃棄するよう 2年の猶予期間を与えられていた。これに対応し、放 送通信委員会は、8月 18日から本格的な査察を開始し、大手ポータルサイトなど、1日の 訪問者が 10万人以上の大規模事業者を優先的にチェックし、違反事業者には 3千万ウォン 以下の過怠料を課す方針である。(YTN 2 014/08/ 18 Vol.30 8)(1ウォン=約 0.1円 2014/08/18 時点) 161 ◆[IT政策/ セキュリティ:未来創造科学部推進の「クラウド発展法」への懸念] 政府が国会へ提出する「クラウドコンピューティングの発展及び利用者保護に関する法 律」(以下、クラウド発展法)について、セキュリティ上の問題と政府の対応について、懸 念が指摘されている。 未来創造科学部が 2013年 10月に発表したクラウド発展法では、政府省庁などの公共機関 が民間のクラウドサービス利用することを許可している。それまで、政府機関はクローズ ドのコンピュータで情報を管理し、201 2年に政府は、政府機関に対し、民間企業が提供す るクラウドサービスを使用しないよう勧告した。これに対し、企業側は国内のクラウド産 業の成長を阻害するものだと反発してきた。実際、韓国内では、クラウド市場の 7割以上 を外国企業が占めている。未来創造科学部は同発展法を通じ、20 17年までに公共機関の 1 5% 以上が民間クラウドサービスを活用できるようにする方針だ。 しかしながら、セキュリティ上の問題が指摘されている。政府の情報がインターネット に接続された民間クラウドサービスにおいて、ハッキングなど外部からの攻撃を受ける恐 れがある。電子政府法、国家サイバー安全管理規定などでは、クラウドサービスで公共機 関に関連する事故が発生したときは、国家情報院長に通知するように規定されているが、 これを政府の過剰な措置だと主張する意見もある。 (韓国日報 2014/09 /10 Vol .309) ◆[セキュリティ:インターネット上の権利侵害審議が急増] 放送通信審議委員会が作成した「インターネット不正投稿による権利侵害の現状資料」 によると、インターネット上の不正投稿や肖像権の侵害などによる審議件数が急増してい る。2010年に 1, 926件であった審議件数は 2013年には 4,768件と約 2. 5倍となった。同審 議会が出した是正要求も 2010年 446件から 201 3年には 3,135件となった。 こうした背景を受け、同審議会は 201 3年末より、インターネット上の名誉毀損、肖像権侵 害などの審議申請、紛争調整などの権利救済方法を提供したり、相談に対応するために「ワ ンストップインターネット被害救済センター」を開設し、運営している。(マネートディ 2014/10/14 Vol.310 ) ◆[セキュリティ:「国際データ保護ランキング」で韓国は 20位] 韓国 EMC社は「国際データ保護ランキング」を発表した。同調査は EM Cが世界 24ヵ国の 3,300の公共機関及び企業を対象に行ったものであり、韓国では従業員 250人以上の 12 5社 の IT担当部門へ設問形式で行われた。調査項目は①データ保護方針及び対策、②システム 障害による損害規模、③データ損失やダウンタイム等の原因と結果の分析などである。 韓国の年平均のダウンタイムは 29時間であり、世界平均の 25時間より長く、さらに IT 予算に占めるデータ保全コストが 6.3 %などで、24ヵ国中、20位であった。特に従業員数 3,500人から 5,000人規模の会社で、障害復旧について「適切な対応がとられている」との 回答はなかった。(iニュース 2014/1 2/12 Vo l.31 2) 162 ◆[セキュリティ:政府の個人情報保護実態調査で、セキュリティ意識の欠如が明確に] 韓国行政自治部と個人情報保護委員会は 3月 9日に「2014年個人情報保護の実態調査報 告書」を発表した。同調査は、民間企業(2,50 0社) と政府機関、自治団体(2,00 0機関、教 育機関含む) の個人情報管理担当者と満 12歳以上の国民 4,50 0人を対象に 2014年 9月-10 月に実施された。これによると、民間企業の会員やサービス利用者の住民登録番号の暗号 化率が 50.7% であり、201 3年の 42 .1%から大幅に改善されたとは言えない状況であった。さ らにパスワードを暗号化していない企業も 14.4 %であった。また、顧客管理のために使用し ている旅券番号や免許証番号を暗号化していない企業もそれぞれ 39.7% 、41.6%であった。 このような状況のもと、個人情報が流出した経験のある国民は半数近い 46.7% となった。(世界日報、「2014年個人情報保護の実態調査報告書」原本参照 2014/03/09 Vol.315) 【IT人材】 ◆[人材育成:「情報大国」韓国で、まさかの P C教育現場] 小学校での PC教育の現場では、ほとんどをネット検索やタイピングで過ごすことが多い 現状である。韓国内の小学校では PC教育が必修科目になってはいるが、1学期間に 4時間 ほどと短く、プログラミング等を教えることができない。 さらに不十分なインフラも問題となっている。学校に設置された PC 1台当たりの生徒数 は、小学校 4 .8人、中学校 5. 5人、高校 4人である。ほとんどの学校に PC実習室があるが、 授業以外に使われておらず、PCも適切に管理されていない上【注】、2 006年-2 007年式と古 く、処理速度が遅い。また入試科目ではないため、ソフトウェア教育のできる教師の確保 ができていない。20 00年当時は 300人の情報科目の教師を採用したが、2012年はゼロであ る。政府は、こうした現状を鑑み、スマートスクールプロジェクトを全面的に見直すとし ているが、具体案はまだ発表になっていない。 (韓国経済 201 4/05/12 Vol.305 ) 【注】ウィルス感染している。 台湾 【IT政策】 ◆[IT政策:国家通信放送委員会は、L TE用途に 260 0MHz帯を開放予定] 台湾国家通信放送委員会(NC C)は、FDD(周波数分割多重)と TD D(時分割多重)、LT E 対 応と して 合計 190MH z を 2600MH z 帯で の開 放予 定を 発表 。 (DI GITIMES 20 14/3/19 Vol.304) 163 ◆[IT政策:NCC(国家通信放送委員会)は、4 Gシステム機器の調達先の変更に向け検討] NCC(Nati onalCom municati onCommi ssion国家通信委員会)は、Amb itMicro syste m社 (台湾通信機器メーカ)の華為からの調達先変更依頼に対して、2か月以内に結論を出すと 答えた。 台湾では、通信機器の華為からの調達に関して国家安全対策の面から問題化されており、 NCC は 国 家 保 障 関 連 の 省 庁 と も 同 様 の 検 討 を 進 め て い る 。 (DIGITIMES 2014/5/15 Vol.306) ◆[IT政策:元台湾市の CIOが、公共交通関連データの公開につき語る] 台湾では 4年前に公共交通関連のデータを公開して以来、たとえば乗客が目的地に到達 する時間の事前通知などのサービスが浸透してきている。元台湾市の C IOで現在市長のコ ンサルタントを務める ChangChiaS heng氏は、公共交通のデータを公開した理由として市 民の日常生活への利便性を伝えている。本システムは、バス運行状況のリアルタイムでの 提供であり、5,00 0以上の公共バス、1,00 0のバス停、500の系統があり非常に複雑なシス テム要件かつ 3分以内に正確なデータを提供すべく高度なシステム構築であったと伝えた。 また、上記データを公開する事により住民の利便性が向上されただけでなく企業および大 学機関などでデータを活用したさまざまなアプリケーションソフトが開発された。乗客の 降車場を事前に伝え、乗り過ごしを防ぐ「BusRingRingRing」等モバイル対応のソフト などが一例である。さらに、台北市はデータを集約管理する事により違法駐車、渋滞など、 道路上の課題に対して迅速な対応が取れるようになった。 一方、警察側は犯罪などに関するデータ公開について住民の受け取り方などの 影響もあり公開に対し難色を示している。(AS IAPAC IFICfutureCOV2014 /08/06 Vol.309) ◆[IT政策:政府機関の PCで LINEの使用禁止] 台湾政府は、すべての政府職員に対し LINE 、マイクロソフト MSNなどショートメッセージ のサービス利用および政府 PCでのダウンロードを禁止した。 また、セキュリティ問題との関連については特に述べられてはいないが、フィンランドの セキュリティソフト会社の FSecureOyjと中国の無料音楽ストリーミングサイト「虾米音 乐网」間での係争問題が発生した 8月以降政府関はセキュリティの安全性に関し注意を払 っている。また、本発表後に首相の江宜樺氏など政府要人から虾米に関する調査を確実に するように関係者に指示が出た。 (TAIPEITIM ES 2014 /09/25 Vol.310) ◆[IT政策:経済部がクラウドコンピュータの普及を推進] 経済部工業局は、傘下に「TheCloudIndust ryS pecificSe rviceG roup」を設置した。 同局は、同組織を活用しクラウド関連業界のエコ・システム構築とモバイルの活用による 164 関連技術の強化を目指している。また、クラウドコンピューティングの適用を推進する分 野として電子商取引、マーケティング情報分析、電子出版、観光など 10分野をあげている。 また、同局の副大臣である Mr.Jo ngchinShenは台湾のクラウド市場は 2009年の 1, 256 億台湾ドルから 2 014年は 5, 503億台湾ドルへと大きく伸び、海外輸出でもすでに 5 0億台 湾ドルの規模に達していると述べた。投資面でも、Googleが 60 0億米ドルを投じて台湾に ク ラウ ド・プ ラット フォ ームを 構築す ると 決めて いる 。(経 済部 工業局 20 15/01/2 2 Vol.314)(1台湾ドル=3.74円、2015 /01/22 時点) 【国際連携】 ◆[国際連携:富士通は国立成功大学とビッグデータ関連の技術で連携] 富士通と国立成功大学(Che ngKungUniver sity )は、ビッグデータを活用した研究開発 に関する技術領域での連携に関する M oUを締結した。富士通は、クラウドコンピューティ ングおよびビッグデータの技術領域、国立成功大学は生物学関連の遺伝子研究領域で協力 していく内容である。両者は、コンピュータを活用した生物学に資する要員の育成も目指 している。 また、国立成功大学はビッグデータ技術を活用し災害対応などを含め他の産業分野への 適用の可能性も示唆した。(DI GITIMES2014/0 7/23 Vol.308) ◆[国際連携:インテルと中華電信は、IoTの連携に関して MoU締結] インテルと中華電信は、I oT(Inte rnet of T hings)、クラウドコンピューティンング、 SDN(Softwar eDefine dNetwor king)に関する技術開発での連携につき M oUを締結した。双 方は、通信などを含めエネルギの効率化、最適化をめざし SD N技術をクラウドデータセン タで活用する予定である。 また、IoT技術をスマートホーム、エネルギ管理、フリート管理【注】に提供することを考 えている。(DIGITIM ES2014/ 08/21 V ol.309 ) 【注】FleetMana gemen t:荷主、輸送業者の配車ならびに郵送管理の効率化、最適化が求 められている。 ◆[国際連携/企業動向:中国移動は 5Gの開発で中台両国の協力を提案] 台北で開催されている GTI(GlobalT D-LTEIn itia tive)【注 1】に於いて中国移動の奚國 華会長が中台両国の企業で GT I標準での 5Gの基本技術および関連プラットフォームの共同 開発について呼びかけた。これに対して、いくつかの台湾企業は自ら 5Gの技術自体の開発 および提供できる知的所有権関連ではあまり貢献できないが、アプリケーション関連の技 術では協力できると考えている模様。 また、奚氏は「中台は 4Gの領域でも商用 TDD-L TE/F DDLTEでの協力および通信業者に対す 165 る WiMA Xの TD-L TEへのアップグレード技術の提供等でも協力が可能」と伝えた。(DI GI TIMES 2014 /09/17 Vol.310) 【注 1】201 1年 2月 1 4日、スペイン・バルセロナで開催された「LTETDD/ FDDInte rnationa l Summit」に於いて設立が合意された団体で TD D技術の普及を共同で進める。ソフトバンク グループ、中国移動、インドのバーティエアテル(BhartiAir tel)および英ボーダフォン グループが当初から参加。 ◆[国際連携/企業動向:SAP社は台湾のクラウドコンピューティング データセンタと連携 強化] SAP台湾社は、200 5年以来台湾系のクラウドコンピューティング データセンタ数社と協 業を進めており大手企業のみならず中堅・中小企業への事業推進を行ってきた。 同社の事業部長である Ms.Jani ceLaiは「2015年の市場動向として ERPのオンプレミス 型クラウドサービスに加え、その他関連するソリューションもクラウドービスで受けたい という要求が中堅・中小企業から出てきている。その要求に対応すべく新たに連携できる クラウドデータセンタとの協力・強化を推進する。 」と語っている。(DI GITIMES 2014/1 2/16 Vol.313) ◆[企業動向/国際連携:中華電信とトヨタ自動車はコネクティッドカー領域で連携] 中華電信モバイルビジネスグループの林国豊社長は、4G対応のタブレット PCをトヨタの 車に搭載すべくコネクティッドカー・プロジェクトで連携を強力に進めていると伝えた。 両社は、車からの情報を 4Gネットワークを介しバックエンドシステムと連携することによ りさまざまなサービスを提供できるように具体的な検討を進めている。 中華電信は、4Gサービス開始後 7か月ですでに 13 3万人の加入者を確保し、今後本連携に よりさらに加入者の増加をめざしている。(FOC UST AIWAN2015/ 02/05 V ol.315) 【市場動向】 ◆[市場動向:台湾の IDC向け IT関連製品は 2 014年の世界の出荷額の 90 %を占める見込み] IDC(Inter netDataCenter )向けに、台湾の IT関連機器は、2 014年の世界 IT製品の出荷 額の 90%を占める見込みである。主に、サーバ等に使われるマザーボード、製造の組立工程 の受諾、ストレージおよび通信機器関連が主な売上げの内訳で、金額にして約 4 ,500億台 湾ドルとなる見込みである。また、鴻海精密工業製(FoxconnE lectroni cs)、Qua nta社、 Inventic社、Wiston社などサーバメーカで約 1 ,000億台湾ドルを占めるとの見込みである。 一方、ここ数年は IDCの伸長と連動しビジネスの拡大は見込めるが、グローバルでの事 業展開計画および中堅企業への市場拡大計画など検討が必要である。(Foc us TAIWA N 2014/5/23 Vol.306) (1台湾ドル=3.3 8円 201 4/5/ 22時点) 166 ◆[市場動向:4Gスマートフォンの価格は US$1 00まで下落] 半導体メーカの Qualcom社は、台湾の同業 MediaT ek社に対抗し低価格のスマートフォン 向けチップを市場投入してきており、その影響もありスマートフォンメーカー間での価格 競争も激化してきている。これにより、現在の台湾製スマートフォン価格は US$200で、2015 年上期には U S$100を目指すと市場では 認識されている。一方、中国製の初心者向けスマートフォンはすでに US $114 で売買されている。( DIGITIM ES2014/ 09/15 Vol. 310) ◆[市場動向:中韓 F TA(自由貿易協定) 締結による台湾 IT業界への影響] Acerの創業者である施 振栄氏は、中韓 FTA締結により台湾 IT業界が不利になると語っ た。背景として、関税の影響で液晶パネルメーカにとっては割高な価格設定となり、韓国 メーカに対する競争力を失うと指摘した。 一方で、Q uantaCo mpute rなど PCメーカは「すでに世界のほとんどの国で関税が徹廃さ れており、中韓 FT A締結によるビジネスインパクトは軽微」とみている。( DIGI TIM ES 2014/11/13 Vol.312 ) ◆[IT振興/ 市場動向:台湾は IoTで主要な役割を担うことができるか] 台湾市コンピュータ協会(TC A)の会長 Mr.THTu ngは同協会主催の Smar tCitySummi tand Expo2015の開催に先立ち、「台湾は、世界の IT製品の主要開発・製造拠点であり、IoTと SmartCity領域でも主導的な地位を築ける。」と述べた。 一方、製造業者は IoTに対する可能性およびニーズはあるもののハードウェアおよびソ フトウェアの製品単体でなくソリューションの創出が鍵とみている。また、適用性が高い 業種として導入効果が明確な製造業、流通業をあげたが、自動車関連は安全基準など法規 制 があ るの で優先 順位 は前記 より は低 いとの こと であ る。 (DIG I TIME S 201 5/01/20, 2015/01/28 Vol.314 ) 【企業動向】 ◆[企業動向:Invent ec社は東南アジアでクラウドベースストレージを販売開始予定] Inventiec社は、台湾政府が支援する IT企業およびソフトウェア企業と連携し 2014年度 から東南アジアの中堅・中小企業向けにクラウドベースストレージの販売を開始する。 また、同社は将来クラウドサービスでの優位性・相乗効果をめざしパートナの開拓も進 めている旨シニア・アドバイザーの Wa ng氏はコメントした。さらに、台湾の中華電信 (Chunghw aTel ecom)とも連携しデータセンタでも連携予定。詳細は、6月に開催される Computex (台北国際コンピュータ見本市)2 014で紹介予定である。 (DIGITI MES 201 4/3/13 167 Vol.304) ◆[企業動向:中華電信の関連会社が中堅企業向けクラウドサービスの提供を開始] 中華電信傘下で IP電話などのサービスを提供してる ChiefTeleco m者は中堅・中小企業 を目標にクラウドサービス「BossWin 」を開始した。提供サービスは、顧客開拓、注文オー ダ並びに顧客管理などである。台湾には約 12 7万社の中堅・中小企業があり、そのうちの 10%の顧客獲得を目標としており業種は流通としている。同社の収入の 50%はインターネッ ト関連、30 %がデータ処理関連で、残りの 20%が VoIP関連のサービスとなっている。 (DIGITIMES 2014/4/ 17 Vol. 305) ◆[企業動向:Googl eがクラウド基盤の提供を開始] Googleは、台湾市場で同社のクラウド基盤の提供を開始する旨発表し、それに伴い ComputerEng ine、C loudSto rageおよび CloudSQLの各サービスのリリースも紹介された。 台湾は、同社アジア地域での最初のサービス拠点となる。 また、台湾でのサービスに際し Goo gleは「Syst emIntegrat or」、「Se rvicepr ovider」、 「TechnicalConsu ltants」の 3タイプの台湾パートナと連携して行く事になる。パートナ 候補として、アプリおよび検索サービス分野では Mi tacInformat ionTech nology社、Maste r Concept社、地図サービス分野では、Kingwa yTechn ology社、GeoFor ceTechn ologie s社、 RichtekTec hnology社などの名前が挙げられている。(DIGITIME S 2014/ 4/16 Vo l.305) ◆[企業動向:台湾モバイル自社ブランドの 4G製品を販売へ] 台湾モバイルは、価格競争力、4GLT E対応を訴求し自社ブランドのモバイルを市場投入 する。4G対応のスマートフォン 2機種とタブレット 1機種は、中国 ZTE社製で来月から 4,9 90 台湾ドルで販売する予定。 また、5.5インチの 3G対応スマートフォンは鴻海精密工業製で 4,990台湾ドルで販売予 定で 2Gからのシフトを狙う。台湾モバイル V icePresidentの Mr.JeffKu は、自社ブ ランドのモバイルの売り上げを 2014年度の第一 4半期は全体の 30%にする事を目標として 掲げており、以降毎年 20%ずつ売上伸長を目指す旨伝えた。 また、同氏は台湾の 5大都市圏では 2 014年に 70 %から 80% の人口が LT Eネットワークを 利用し、4 0万人から 5 0万人の加入者となる見込みを伝えた。(FocusTAIWAN2014/ 5/22 Vol.306)(1台湾ドル=3.38円 2014/5/ 22時点) ◆[企業動向:Apple社が教育市場向けに PC等製品の積極的な価格対応を実施] Apple社は、教育市場向けに Mac、iP adおよび iP honeを現行価格から各 1,500台湾ドル から 3,00 0台湾ドル値引きして提供している模様。上記キャンペーンは、7月 1 6日から 9 月 16日の期間 Appleのオンラインストアで行われる予定である。Appl eは 201 4年第 1四半 168 期に iPa dを 1,64 0万台、i Phon eを 4, 730万台世界で販売した。(DIGITIMES2 014/07/1 7 Vol.308)(1台湾ドル=3.4円 2 014/07/1 7時点) ◆[企業動向:華為は台湾で 4 GLTEのスマートフォンをリリース] 華為は、4GLTE(機種名:Ho nor3C)のスマートフォンの販売を開始した。価格は、現在 5,490台湾ドルで市場に出ている。華為は、201 4年の販売計画を 100,000台としており、製品ラインアップはスマートフォンで 1 0機種、タブレ ットで 4機種を準備している。(DIGITIMES2 014/ 08/15 Vol. 309)(1台湾ドル=3.41円 2014/08/15 時点) ◆[企業動向:台湾モバイルの 4G加入者が 19万に達した] 台湾モバイルは、4Gの加入者が 19万人に達したと伝えた。また、台湾モバイルは国家通信 放送委員会(Nationa lCommun icationCommissi on)へ 2,800ヶ所の基地局申請をしており、 内 1,870ヶ所が現在までに認可されている。 中華電信の 4 Gネットワークは、台湾の人口の 85%をカバーできるとしており、20 14年度中 に 95%へ目標をあげている。( TelecomPaper20 14/0 8/23 Vol.3 09) ◆[企業動向:鴻海は、クラウドコンピューティング 対応の安全監視システム を採用] 鴻海は、自社のハードウェアおよびソフトウェアを活用したクラウドコンピュータ対応の 安全監視システムを同社本社へ導入した。監視システムは、監視カメラなどの自社製品を 利用し従業員の安全管理、事業所の環境を把握する事が出来る。さらに、鴻海は本システ ムの外販を目指している。(DI GITIMES2014/0 8/27 Vol.309) ◆[国際連携/企業動向:中国移動は 5Gの開発で中台両国の協力を提案] 台北で開催されている GTI(GlobalT D-LTEIn itia tive)【注 1】に於いて中国移動の奚國 華会長が中台両国の企業で GT I標準での 5Gの基本技術および関連プラットフォームの共同 開発について呼びかけた。これに対して、いくつかの台湾企業は自ら 5Gの技術自体の開発 および提供できる知的所有権関連ではあまり貢献できないが、アプリケーション関連の技 術では協力できると考えている模様。 また、奚氏は「中台は 4Gの領域でも商用 TDD-L TE/F DDLTEでの協力および通信業者に対す る WiMA Xの TD-L TEへのアップグレード技術の提供等でも協力が可能」と伝えた。(DI GI TIMES 2014 /09/17 Vol.310) 【注 1】201 1年 2月 1 4日、スペイン・バルセロナで開催された「LTETDD/ FDDInte rnationa l Summit」に於いて設立が合意された団体で TD D技術の普及を共同で進める。ソフトバンク グループ、中国移動、インドのバーティエアテル(BhartiAir tel)および英ボーダフォン 169 グループが当初から参加。 ◆[企業動向:鴻海精密工業の子会社がクラウドコンピューティングへ投資] 鴻海精密工業の子会社である Ingrasy sTechno log y社は、クラウドコンピューティング活 用によりストレージおよび IT関連のサービスを提供してる、台湾の HopeB ay社(和沛科 技:http://ww w.hopeba ytech.co m)の株式 40%を取得したと伝えた。本連携により、Ing rasys Technology社のビデオ監視システムと HopeBa y社のクラウドストレージサービスを合わせ たソリューションなどで監視等サービスの利用しやすさおよび運用コストの削減が可能と なり、一方で鴻海グループのチャネルを活用しシンガポール、日本、韓国などの市場での ビジネス拡大が見込める。(DI GITIMES2014/1 0/16 Vol.311) ◆[企業動向:FET(F arEasTo neTelec ommunic atio ns)は、201 4年末までに 4 Gユーザを 100万人へ] FETは、 現在 7 0万人の 4Gユーザを 2014年末までに 100万人へ伸ばそうと計画している。 FETの社長の Y vonneL i氏は、4Gの主な需要は iPh one6/6Plu sによるものであり、それ らの欧米での販売ピークが 12月で完了し、以降台湾市場が立上るので上記計画は実現性が 高いと語った。 また、業界情報によると現状台湾全体での 4Gユーザは 240万人から 25 0万人で、20 14年 末には 300万人を超えるとのことである。(DIG ITI MES 2014/1 1/18 Vo l.312) ◆[企業動向:APT(A siaPaci ficTele com)は、4Gサービス開始] モバイル通信事業者の AP Tは、12月 24日から 4 Gのサービスを開始した。また、AP Tは 同サービスと並行し iPhone(16G)を 3 0ヶ月固定契約にて 1,59 8台湾ドルで提供する。 さらに、台湾モバイルとの戦略的連携により自社の 4G回線と合わせて主要 6都市での世 帯人口カバー率が 95 %となる。(Teleco mPaper2014 /12/10 Vol .313)(1台湾ドル=3.79 円、2014/12 /10時点) ◆[国際連携/企業動向:SAP社は台湾のクラウドコンピューティング データセンタと連携 強化] SAP台湾社は、200 5年以来台湾系のクラウドコンピューティング データセンタ数社と協 業を進めており大手企業のみならず中堅・中小企業への事業推進を行ってきた。 同社の事業部長である Ms.Jani ceLaiは「2015年の市場動向として ERPのオンプレミス 型クラウドサービスに加え、その他関連するソリューションもクラウドービスで受けたい という要求が中堅・中小企業から出てきている。その要求に対応すべく新たに連携できる クラウドデータセンタとの協力・強化を推進する。 」と語っている。(DI GITIMES 2014/1 2/16 Vol.313) 170 ◆[企業動向:Invent ec社は新たな生産拠点の候補をインドで検討] Invente c社の李会長は、顧客への製品供給サービスの向上をめざしインドで新たな生産 拠点を調査していると述べた。また、I nvente c社は既に Che nnaiに生産拠点を保有してい るが、顧客である小米向け新規生産拠点としてインド北東部の可能性を述べた。さらに、 小米向けに北京でも新棟増設を計画しており、 稼働後には月間 800万台が生産可能となる。 (DIGITIMES2015/01 /15 Vol .314) ◆[企業動向/国際連携:中華電信とトヨタ自動車はコネクティッドカー領域で連携] 中華電信モバイルビジネスグループの林国豊社長は、4G対応のタブレット PCをトヨタの 車に搭載すべくコネクティッドカー・プロジェクトで連携を強力に進めていると伝えた。 両社は、車からの情報を 4Gネットワークを介しバックエンドシステムと連携することによ りさまざまなサービスを提供できるように具体的な検討を進めている。 中華電信は、4Gサービス開始後 7か月ですでに 13 3万人の加入者を確保し、今後本連携に よりさらに加入者の増加をめざしている。(FOC UST AIWAN2015/ 02/05 V ol.315) ◆[企業動向:鴻海は、ソフトウェアおよびサービス領域への投資を活発化] 鴻海は、アプリケーションソフトウェアならびに ITサービス基盤への投資を活発化して いる。すでに、双方向マーケティング基盤である Co nneXionOneへの開発投資および設計・ 開発会社である Gix iaGrou pへの資本出資を進めており、さらに即近ではデジタルサイネ ージの AriS ig社およびストレージサービスの HopeBayTechno logy社へ出資を行った。 また、同社はソフトウェアおよびサービスビジネスへの事業領域シフトだけでなく、既存 のハードウェアビジネスとの相乗効果をめざしている。(DIGITIMES20 15/02/09 Vol.31 5) 【技術動向】 ◆[技術動向:NTTデータと中華電信研究所(CH T-TL )が SDNに関する共同調査実施へ] NTTデータと中華電信研究所(CHT-TL)は連携し S DN技術の通信事業者での活用につき技 術調査を開始した。本調査で NTTデータはネットワーク管理システムとその導入を担当し、 CHT-TLはそれらシステムから受けることができるサービスおよびサービスに対する要件を 分担する。 NTTデータと CHT-TLは、台湾と日本で通信業者向けの SDMソリューションの拡 大に関心がある。(Te lecompa per2014 /6/10 Vol. 307) 【IT振興】 ◆[IT振興/ 市場動向:台湾は IoTで主要な役割を担うことができるか] 171 台湾市コンピュータ協会(TC A)の会長 Mr.THTu ngは同協会主催の Smar tCitySummi tand Expo2015の開催に先立ち、「台湾は、世界の IT製品の主要開発・製造拠点であり、IoTと SmartCity領域でも主導的な地位を築ける。」と述べた。 一方、製造業者は IoTに対する可能性およびニーズはあるもののハードウェアおよびソ フトウェアの製品単体でなくソリューションの創出が鍵とみている。また、適用性が高い 業種として導入効果が明確な製造業、流通業をあげたが、自動車関連は安全基準など法規 制 があ るの で優先 順位 は前記 より は低 いとの こと であ る。 (DIG I TIME S 201 5/01/20, 2015/01/28 Vol.314 ) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:中華電信が高速光ファイバー インターネットサービスを開始] 中華電信は、300 Mbps/100 Mbpsの高速光ファイバー インターネットサービスを月額 2,000台湾ドルで 20 14年 5月から提供する旨発表。また、新たに「100Mb ps/40Mbp s」、 「60Mbps/20 Mbps」領域でのサービスを従来の「100 Mbps/20Mbps」、「60 Mbps/15M bps」領域 でのサービスと同額で提供すると伝えた。 さらに、中華電信は現在 376万人の固定系ブロードバンドユーザの内訳として 271万人が 光ファイバー、105万人が ADSLユーザとなっており、今後 100Mbpsユーザを現在の 4 8万人 から 2014年末までに 100万人に拡大したいとも伝えた。(DIG ITIMES 2014/4/ 8 Vol.3 05) (1台湾ドル=3.38円 2014/5/ 8時点) ◆[ITインフラ:約 1 ,500の 4 G対応基地局が 6月末までに稼働] NCC(国家通信委員会)は、2,918ヵ所の 4 G対応基地局の構築を認可し、うち 1,458ヵ所は 2014年 6月末に稼働した。 申請した事業者の内訳は、中華電信が 862ヵ所、FarEasToneが 785ヵ所、Tai wanMobil e が 567ヵ所、そして TaiwanS tarCel lularが 704ヵ所であった。(DIGITIMES2014/07/ 17 Vol.308) ◆[ITインフラ:中華電信が N CP(新太平洋横断)海底ケーブルプロジェクトへ参加] 中華電信は、台湾、中国、韓国および日本を結ぶ NCP (新太平洋横断)海底ケーブルのジ ョイントプロジェクトに参加すると伝えた。同プロジェクトは海底ケーブルの設置および 保守を含み、中国移動通信、中国電信、中国联通、コリアテレコムおよび米国の 1社が参 加する予定である。 総工費は 3億 3,000万米ドルで 2 017年中頃に完成予定となる。また、同社は過去に SJC (SoutheastAsiaJap anCable )と APG(AsiaPaci ficGateway )の 2つのジョイントプロ ジェクトにも参加した。(DIGITIMES2 014/10/ 22 Vol.311) 172 ◆[ITインフラ:NCC (国家通信放送委員会)が光ファイバー網の拡大要請] NCCのスポークスマンの虞孝成(YuHsiao-ch eng )氏は、高速ブロードバンド施設の拡大 に向けてファイバー・ツー・ホームに関する法的な整備を進めていると語った。本法案は、 主に 1,000平米以上の建築物を対象としている。 また、高速ブロードバンドに関わるニュースとして台湾最大の電力会社である台湾電力が 固定通信網のライセンスを取得し通信業界に参入する事も伝えられた。同社は、当初は主 に台湾の東部に光ファイバー網を施設し、2014年末にサービスを開始し 2014年度は約 1,200万台湾ドルの売上げを目指している。(T aipe iTimes201 4/11/20 Vol.312 )(1台 湾ドル=3.8円、201 4/11/20時点) ◆[ITインフラ:NCCは 4G向け帯域を 2015年度第 3四半期に追加リリース予定] 国家通信放送委員会(Natio nalCom municati onC ommission)は、モバイル用途に全体で 190MHzを 4Gへ割り当てる計画があると発表した。時期は、2015年第 3四半期の予定で、1、 FDD-LTEあるいは TD-LTE対応として「2 ,500MH zから 2,570 MHz帯域」、「2 ,620MH zから 2,690MHz帯域」で2,TD -LTE対応として「2 ,570MHzから 2,620MH z帯域」を割り当てる予定 である。また比較的高帯域の為、主にデータ通信用途になる。 それに従い、モバイル通信業者大手の中華電信は 2 0 14年度中に 4Gのスモールセルの技術 評 価 を 完了 し 201 5 年 度か ら 当初 は 地域 を 限定し サ ー ビス を 開始 す る。 (DIGI TIME 2015/02/06 TelecomPaper2 015/02/0 6 Vol. 315) 【電子政府】 ◆[電子政府:e-Gove rnmentC enterが、ガイドライン作成につき発表] 台湾の e-G overnme ntRese archCe nterは、台湾政府のデータ公開に向けて重要な課題は 要員のデータを扱うスキルと利用者向けガイドラインの整備だと述べた。さらに、同セン タ教授の MrJinはデータ公開に向けて現有データの棚卸、公開対象データの選定と公開の 時期に注意を払わなければ、個人情報、著作権などに関わる問題を引き起こす旨伝えた。 また、同氏は省庁間の連携も重要であり、ガイドライン整備により他省庁の公開データ の共有も進める考えを示した。 (ASIAP ACIFICFutu reGOV2014/ 6/17 Vo l.307) 【電子商取引】 ◆[電子商取引:ヤフー台湾が e-Comme rceへの期待を伝える] ヤフー台湾は、携帯機器利用者の増加と消費者行動の変化が e -Commer ceのビジネス拡大 につながると伝えた。同社 e -Commerc eグループの責任者 MrJ ackyWa ng(王志仁)は、 173 e-Commerceの台湾での市場が 2014年には 1兆台湾ドルに届き、現在流通市場全体で約 4兆 台湾ドル規模であるが、e-Com merceが内 50%を超える時期も遠くないと伝えた。 また、ヤフー台湾は自社で e-Comm erce拡大に向けたエコシステムを構築しているだけで なく、 「Auctio n」、 「Stor eMarketp lace」、 「S hoppingMall」、 「Servi ceplusa ndDisco unt」、 を含めた共通プラットフォームを出店者に提供している。さらに、同社はオンラインとオ フラインが連携したビジネスモデルをスマートフォン、タブレットと合わせて提案してい く予定であるとの事。(TaipeiTimes2014/6/ 24 V ol.307)(1台湾ドル=3.4円 2 014/6/24 時点) ◆[電子商取引:201 4年末までに NFC搭載のスマートフォンで交通運賃等の支払 が可能に] 中華電信、TaiwanMobile、 FarEas Tone、 AsiaPacificTelec om、TaiwanSt arCellul ar のモバイル通信業者は Ea syCard社と連携し TSM 【注】提供会社を立ち上げ、2014年末を 目標に NF C搭載スマートフォンでの交通運賃などの支払い代行サービスを提供する予定で ある。上記モバイル通信業者と EasyC ard社は新会社の株式全体の 10% を保有し、残りは銀 行およびその他の金融サービス機関が所有するとの事である。 台湾では、現在 4百万台の NFC搭載スマートフォンが利用されており 2019年には 900万 台へ伸びると見られている。また、T SM提供企業によると現在 N FC搭載モバイルフォンの利 用者のうち 15%がモバイルでの支払いを行っており、2019年には 60%まで伸びるとのこと である。(DI GITIMES2014/07 /16 Vol .308) 【注】Trus tedServi ceManag ementの略で、N FC端末上のセキュティの管理を行うと共に、 その運営サービスなども行う。 ◆[電子商取引:中華電信が N FC対応のモバイルぺイメントサービスを開始] 中華電信は、10月 1 6日にマスターカード社、現地の銀行 4行および Ea stCard社と合意し NFC(近距離無線通信技術)対応のモバイルペイメントサービス開始に関する契約を締結し た。同サービスは、同社の主要な携帯電話機およびソニーの Xpe ria等で利用できる。具体 的には、中華電信の契約者が CHTSWP-SIMカードを入手し、上記 4銀行および EastCa rd 社で発行されるマスターカード社の Pa yPassカードを取得することにより利用が可能とな る。(DIGIT IMES201 4/10/13 Vol.311 ) 中国 【IT政策】 ◆[IT政策: クラウドコンピューティング標準化体系が完成] 2014中国国際クラウドコンピューティング技術・応用展覧会が、2014年 03月 0 4日北京で 174 開幕した。工業情報化部ソフトウェアサービス業司の陳偉司長はクラウドコンピューティ ング総合標準化技術体系案が完成した旨発表。 また、工業情報化部総経済師の周子学氏は同部が次の五つの考えでクラウドコンピューテ ィング促進のための方向性を打ち出した。1つ目は、導入計画の実施を強化し、全国のク ラウドコンピューティングインフラの構築と同産業の立ち上げ支援を行う。2つ目は、コ アとなる技術の研究開発を強化し、大規模クラウドコンピューティング・オペレーティン グシステムやコアチップなどの基礎技術の支援を行い産業化を加速する。3つ目は、要求 の高い分野に対して、大規模プラットフォームの構築を支援し、重点産業での実証および 適用を加速化する事により産業全体の発展を推進する。4つ目は、必要となるネットワー クインフラの構築を強化する。5つ目は、クラウドコンピューティングおよびサービスに おける標準体系を整備する。(中雲網 2014/03 /05 Vol.304) ◆[IT政策:インターネットセキュリティ・情報化指導組織が成立] 中国中央インターネットセキュリティ・情報化指導組織が成立し、北京で第一回会議が開 催された。同組織は、習近平中国共産党中央総書記が自らトップに就任し、李克強総理、 劉雲山氏がサブリーダを務めることとなり、国家あげてのインターネットセキュリティの 保障及び情報化推進の加速が期待されている。 背景として、インターネットの急速な拡大に伴い、セキュリティは国の安全および政治、 経済、軍事、外交、科学技術、金融、イデオロギーなど種々の面に影響を及ぼすという関 心から来ている。 一方、インターネットの成長は産業、金融、通信などと関連し経済を支える重要な役割を 果たし、それ自体も巨大な産業となった。情報化と工業化との融合促進も政府の戦略であ る。今回、財政経済部・委員会の幹部がインターネットセキュリティ・情報化指導組織に 関与したのは、今後、投資、財務・税務、金融などの各方面からも支援強化を図ることに よる経済成長への期待があるものと思われる。 (聯網周刊 2014 /03/19 Vol.305 ) ◆[IT政策:工業情報化部、ブロードバンドインターネット接続事業を民間へ開放] 工業情報化部は、同部の 10月 14日付けのウェブサイトにて苗圩部長が一部メディアと行 った単独インタビューを公開し、その中で同氏はブロードバンドインターネット接続事業 を民間資本へ開放する予定があることを語った。 また、ブロードバンドインターネットを促進するには、国家主導での「ブロードバンド特 別行動指針」を着実に実行する事により持続的な成長を目指す一方、民間資本へ事業を開 放することによって、競争を通じてサービスの全体的な底上げ及び適切な価格競争を促進 するとも伝えた。 現在、上記詳細を工業情報化部内で詰めており最終案がまとまった後に正式発表となる。 (京華時報 2 014/10/ 15 Vol. 311) 175 ◆[IT政策:国家インターネット情報弁公室、ネット上の情報管理の法律強化へ] 国家インターネット情報弁公室はこのほどモバイルインターネット業界代表会議を開いた。 席上、同弁公室の彭波・副室長が、改正版の「インターネットニュース情報サービス管理 規定」を年内に発表する予定であることを明らかにした。インターネットの分野において、 包括的な法律・法規を目指した内容に なる模様である。また、ネットセキュリティ法、電子商取引法、個人情報保護法、未成年 者 ネ ット 保 護条 例な ど のイ ンタ ー ネッ ト関 連 法規 の 立法 も 検討 して い る。 (新 京 報 2014/11/3 Vol.311) ◆[IT政策:香港にて新たに住民 IDカードを発行予定] 香港特別行政区立法会は、新たな住民 IDカードを 2 018年から 2022年にかけて 3億 8,700 米ドルを費やし発行する予定である。新規 IDカードは、チップの記憶容量が増強され、か つ生体認証機能が加えられた。これら機能とセキュリティの向上にともない、香港特別行 政区の CIOは新たに住民に提供できるサービスの検討を進めている。(ASIA PACIFIC FutureGov2 015/01/2 0 Vol.3 14) 【法制度】 ◆[法制度:2016年法案化に向けて電子商取引法草案を作成] 中国では電子商取引および関連産業が急速に発展しているが、「会社法」、 「消費者保護法」 などの法律が整備されていない。特にインターネット上の取引の安全性、知的財産権およ び商品の安全・品質に対する監督・管理、消費者保護などの問題が浮き彫りとなり、業界 の健全な発展に大きな影響がでてきている。 中国初となる「電子商取引法」草案は消費者の保護と電子商取引発展の阻害要因を取り除 き、健全な市場環境を創造する方針で、201 5年 3月までに作成する予定である。その後、 政府関連部門、電子商取引企業、協会や専門家の意見を反映し、201 6年 6月までに全国人 民 代 表大 会財 経委 員会 に提 出し 承認 を得 る予 定で あ る。(新 華ニ ュー ス 2 015/01/0 7 Vol.314) 【国際連携】 ◆[国際連携:クラウドコンピューティング活用により北京市の環境改善を目指す] IBM社は、同社最先端の天気予測技術とクラウドコンピューティング技術を活用し、環境問 題となっている北京のスモッグ低減に向けて同市と提携合意した。 この連携で、北京市は IBMがすでに中国で推進している「GreenHoriz on」プロジェクトで 176 稼働中のリアルタイムア分析およびアラーム技術活用によりスモッグの発生予測が可能と なり必要な対策が取りやすくなる。 また、国家電網公司によると、河北省張北県で稼働している風力・太陽光エネルギーの送 電事業において、IB Mの需給管理システム活用によりエネルギー浪費率が 30% から 20%に低 減できているとの事。 (新浪科技 2014/ 07/08 V ol.3 08) ◆[国際連携:四川省にハイエンドサーバー生産ライン構築] 四川華訊中星科技有限公司は、IBMと連携し「グローバルスマートシティ共同研究開発セ ンター」を設立することを合意した。 また、その中のハイエンドサーバー領域での連携について、IBMは「オープンパワーコンソ ーシアム」【注】スキームにおいてハイエンドサーバーのコアチップ技術を華訊に開放し、 華訊は中国初のハイエンドサーバー生産ラインを四川省に構築する予定があり、生産ライ ンの投資額は 1ラインあたり約 40億ドルから 60億ドルとみられている。 (人民網 2014 /07/14 Vol.308)(1米ドル=101.26円、2014/ 07/14時点) 【注】関係メンバと技術情報等を共有しオープンな開発を目指すコンソーシア ム。 ◆[国際連携:国連開発計画(U NDP)と百度がビッグデータ共同実験施設を設立] 国連開発計画(UND P)と百度は、ビッグデータ共同実験に関し連携する内容を発表した。 UNDPが IT企業と連携し、ビッグデータ関連の実験ラボを設立するのは初めてのケースであ る。 本連携の目標は、ビッグデータの活用によりグローバルで頻出している問題解決を目指す ものである。共同実験ラボは、革新的なプロジェクトの研究開発を中心とする。またビッ グデータを活用し、業界関連のデータ分析・加工を行い、将来の傾向などを予測し、国連 の開発計画の策定に効果的な提案を行う。 また、最初の連携企画である環境保護ソリューションに向けて、「百度リサイクルステー ション(LAP P)」のベータ版も同時にリリースされた。(人民網 2014/08 /19 Vol .309) ◆[国際連携:米中情報技術協定交渉に進展あり] 11月 12日、米中両国は「情報技術協定」 (IT A)の対象範囲拡大に関する交渉の早期再開・ 決着に向けて合意した。新協定によると、ITAは医療機器、GPSシステム、ビデオゲーム機、 コンピュータソフトウェア、次世代半導体など、世界貿易額が約 3兆米ドルの IT関連製品 約 200品目の関税が徹廃されることになる。協定締結後、米国製携帯電話、コンピュータ、 チップの価格が大幅に引き下がると専門家は指摘した。一方、一部の中国情報産業にとっ て、関税減免は国際競争力向上に繋がり、華為、中興(ZTE)は積極的にとらえている様子 である。(第一財経日報 2014 /11/14 Vol.312 ) 177 ◆[国際連携:ミャンマーと共同研究所を開設] 中国航天科技工業集団の研究院と中国科学技術部は、ミャンマー政府と初の共同研究所を 開設し「レーダーおよび通信衛星共同実験」プロジェクト実施に向けて調印した。同研究 所は、ASEA N諸国の科学技術関連組織との重要な共同研究を目的として両国科学技術省主導 で開設・運営される。 (人民網 2014/12 /08 Vol .313 ) 【市場動向】 ◆[市場動向:工業情報化部、ソフトウェア産業の 2 014年/01-02月の収益 4, 666億元と発 表] 工業情報化部によると、中国のソフトウェア産業の 2014年/0 1-02月の収益は 4 ,666億元 を記録。年間では 21 .5%の伸長となる見込み。 詳細は以下の通り。 (項目) ( 億元) Softwarepr oducts (前年度比) 1 496 20.8 % Systeminte grationservices 945 17.1 % Softwareus edinem beddeds ystems 815 23.6 % Dataproces singandoperati onalser vices 784 27.5 % ITconsulti ngservi ces 467 20.3 % ICdesign 159 21.2 % (DIGITIMES,Taipei2014/03/ 31 Vol. 304)(1中国元=16.62円 2014/4/ 1時点) ◆[市場動向:マイクロソフト、雲和ソフトウェアとクラウドで連携] 米国マイクロソフト社は、雲和ソフトウェア社(http://www. qoobo.co m/ )とクラウド領域で戦略的提携に調印を行い、鄭州空港内の経済総合実験区に入居する予 定。提携領域として、マイクロソフト社の Win dowsAzure「パブリッククラウド」の先進技 術およびサービスを利用し、スマートシティ、電子商取引、金融、I TSなどの分野での新規 サービスを提供。それにより、河南省の経済発展および成長を促す。調印は同省の張維寧 副省長と米国マイクロソフトグループの副総裁、大中華圏董事長兼 CE Oの賀楽賦氏の間で 行われた。 (河南省政府ポータルサイト 2014/03 /19 Vo l.30 4) ◆[市場動向:中国ソフト産業、2013年は 3兆元規模に] 4月 18日に開催された全国ソフト・I Tサービス業座談会において、中国工業報化部の楊学 178 山副部長は、 「中国のソフト産業の規模は 2010年の 1兆 3500億元(約 2 2兆 2300億円)か ら開始し、2 015年には計画値の 3兆元(約 49兆 39 00億円)を突破する見通しとなる」旨 伝えた。これは、第 12次五カ年計画(2 011−201 5年)の 3年目の 201 3年に、早くも 3兆 1,000億元(約 51兆 430億円))を達成し、最終年の 2015年には、4兆元(約 6 5兆 8,6 00 億円)を突破する見込みによるものである。(人民網日本語版 2014/04 /18 Vol .305) ◆[市場動向:中国での携帯電話利用者数に飽和状態の兆し] 工業情報化部が 4月に発表した電気通信統計データによると、中国における携帯電話利用 者の新規増加数がここ数年で最低を記録した。 2014年 1月から 4月での携帯電話利用件数は、対前年度比で約 2,275万件増加し、12億 5,200 万件に達した。一方、4月単月の新規増加数が約 344万件と、201 2年以降で最低だった。 (京 華時報 2014/ 05/27 Vol.306 ) ◆[市場動向:アウトソーシングビジネスの拡大に伴う雇用促進への期待] 中国商務部の沈丹陽報道官は、15日の定例記者会見にて「20 14年上半期に中国のアウト ソーシングは高い伸びを示し雇用も安定的に拡大した」と伝えた。データによると、2 014 年上半期のアウトソーシング契約は 8万 7,507件、 金額にして 522億 1, 000万ドルに達し、 前年同期比の 35.3 %増となった模様。また、米国、EU、香港、日本が海外での主要市場と なった。また、2 1のアウトソーシングモデル都市【注】の 2014年上半期のオフショアアウ トソーシングの契約額は 28.8 %増の 31 9億 4,0 00万ドル(全国の 91.4%)となった。 一方、2014年上半期のアウトソーシングの新規採用は 32万 4000人に達し、そのうち大卒 者が 22万 8000人となった。また、2014年 6月末時点で、中国のアウトソーシング企業は 2万 6,277社に、従業員は 56 8万 6,00 0人に達した。 さらに、I Tアウトソーシング(ITO )が中心的な地位を占め、20 14年上半期に全体の 53.3 %、 続いてナレッジプロセスアウトソーシング(KPO)が 32.9%、ビジネスプロセスアウトソー シング(BPO )が 13. 8%となった。(人民網 20 14/0 7/17 Vol.3 08) 【注】北京、天津、上海、重慶、大連、深圳、広州、武漢、哈尓濱、成都、南京、西安、 濟南、杭州、合肥、南昌、長沙、大慶、蘇州及び無錫等の 21の都市 ◆[市場動向:金融 I Cカードの発行枚数 10億枚を突破] 中国銀聯の発表によると、10月 20日現在で金融系 ICカードの発行枚数が 10億枚を突破し、 新規に発行された銀行カードの 8割以上を占めたとのことである。銀聯の金融 I Cカードは 電子マネー機能「クイックパス」を備えており、店頭などでの受け入れ環境が整備されか つカード利用による特典も多いことから、 日常生活における決済ツールとして必要不可欠なものになりつつある。 179 また、2014年に新たに 4億 5千万枚の I Cカードが発行されたが、時間軸では第 1四半期 (1-3月)は 1億 3千万枚、第 2四半期(46月)は 1億 5千万枚、第 3四半期(7 -9月) は 1億 7千万枚と発行ペースが加速されている。(人民網 2014/ 10/2 V ol.3111 ) ◆[市場動向:クラウドコンピューティング市場は 2 014年までの 4年間で年率 40% 伸びた] DigiTimes社の報告によると、中国のクラウドコンピューティング市場は 2010年から 201 4 年の間で年平均 40% 伸び売上額は 5,00 0億元となった。また、サーバ、ストレージ、ネット ワーク等クラウドコンピューティング向けインフラ製品の 2014年売上高は 50億元であっ た。(Teleco mPaper 2015/01 /07 Vol .314)(1人民元=17.11円 2015/ 01/07時点) ◆[市場動向:2014年のソフトウェアの売上は 3兆 7,000億元となる] 工業・情報化部によると、201 4年のソフトウェア全体の売上は全体で 3兆 7, 000億元とな り前年に対して 20.2%伸びた。主な内訳として、1. ソフトウェア製品が 1兆 1,320億元で 17.6%の伸び、2.システム構築サービスが 7, 679億元で 18. 2%の伸び、3.データ処理および 運用サービスが 6,83 4億元で 22.1%の伸び、④組み込みシステムが 6,45 7億元で 24.3%の伸 びであった。 (DIGIT IMES201 5/01/28 Vol.31 4)(1人民元=16 .78円 2 015/01/2 8時点) ◆[市場動向/技術動向:中華電信と百度が連携し次世代技術センタ開設へ] 中華電信と百度が連携し次世代モバイルインターネット・クラウドコンピューティングセ ンタ(new-g eneratio nmobil eIntern etclou dcom putingcent er)の開設に向けて基本合 意した。同センタは、「百度亦荘(Yizhua ng)次世代サーチ・データセンタ」と命名され、 モバイルインターネット関連では最大規模となり、3万 8,000平米の敷地に 4万台のサーバ が設置されて省エネの技術が採用される。また、稼働は 2016年の初めの予定である。 (China TechNews 2015/02/ 11 Vol. 315) ◆[市場動向:2014年1月時点での携帯電話の加入者は、12億人を超える] 工業・情報化部によると、20 14年 1月時点での携帯電話の加入者は 12億 9千万人となり対 前年比で 4.5 %の伸びとなった。また、全体の 37.6 % が 3Gユーザ、9.1 %が 4Gユーザである。 さらに、全体の 68.2 %はモバイルインターネットユーザである。(DIGITIMES2015/03 /02 Vol.315) 【企業動向】 ◆[企業動向:インスパーグループ(浪潮)金融機関向けビッグデータ対応ソリューション 発表] インスパーグループ(浪潮 http: //www.in spur.co m)は 1 8日に、中国金融業界向けソフ 180 トウェア企業の南天信息と連携し、ビッグデータに対応した AllinOn eソリューションを 発表。同ソリューションは金融業界向けビッグデータのマイニングおよび分析に活用され、 先進アーキテクチャーの採用により、柔軟性、拡張性および信頼性などが優れている。 同社ビッグデータ製品部の王峰総経理は、「今後金融行以外の分野にも同ソリューションを 拡張する」と語った。また、すでに済南省公安(警察)および中国資源衛星応用センター で稼働している。(新浪科技 2 014/03/1 8 Vol.3 04) ◆[企業動向:浪潮クラウドコンピューティングセンターを開設] 浪潮グループ(http:/ /jp.insp urworld. com/)はクラウドコンピューティングセンター を開設した旨発表した。同センターはアジア最大規模のデータセンターで、サーバー100万 台まで収納可能である。また、 同センターは済南市保税区に位置し、敷地面積が約 16万 1,3 34 平方メートルで、建屋延べ面積は 1 7万平方メートルの計画である。サーバーラックは約 3 万台設置可能で、サーバー100万台まで収納することができる。現在は、2万 1600平方メ ートルが使用され、サーバー1 2万台が収納されている。 浪潮は海南省、済南市とアウトソーシング契約に調印し、今後も同社の黒龍江から海南ま で に 配 置 され て い る 10 箇 所の セ ン ター の 売込み を 進 め る模 様 で ある 。( 新浪 科 技 2014/03/28 Vol.305 ) ◆[企業動向:中国郵政グループとアリババ、スマート物流関連で戦略的連携合意] 中国郵政グループとアリババグループは、物流、eコマース、金融、情報セキュリティなど の分野におけるスマート物流ネットワーク構築に関する戦略的連携につき合意した。両者 は、この戦略的連携で中国郵政が保有する全国 10万を超える物流拠点にて菜鳥ネットワー ク(スマート物流ネットワーク)に接続が可能になる。(新浪科技 201 4/06/12 Vol.307 ) ◆[企業動向:アップルは、中国電信のデータセンタを活用] アップルは、中国電信(チャイナテレコム)とプロバイダー契約を締結し顧客データを中 国電信のデータセンタ内のサーバーに預ける予定である。 アップルによると、同社のクラウドサービス「iCl o ud」のアクセス速度と信頼性の向上を 目指すために、顧客に近い場所にあるデータセンタを活用しサービスを提供するのが目的 であるとのことである。 また、アップルは顧客に対するセキュリティ確保とプライバシー保護については暗号化な ど厳格な対応を講じている。 業界関係者によると、アップルは顧客のサービス向上以外に今後の中国政府向けビジネス をにらんだ戦略もあると伝えられている。具体的には同社モバイル健康管理アプリケーシ ョン「Healt hKit」を拡販する際に、中国国家衛生・計画生育委員会が 2014年 5月に発表 した「人口健康情報管理規定(試行版)」の規定が足かせになる。同規定では、「国民の健 181 康に関する情報を国外のサーバーに保管してはならない」と明文化されており、アップル は先手を打ったと見られている。(人民網 2014/ 08/1 8 Vol.309 ) ◆[企業動向:アリババ株、初取引で 3 8%急伸で時価総額 2,31 4億ドルへ] ニューヨーク株式市場では、中国の電子商取引会社アリババ ・グループ・ホールディング の株価が新規株式公開後の初取引で急伸した。IPO規模は 218億ドルで、米国史上最大。 ア リババ株は IPO価格を 38%上回る 93. 89ドルで取引を終えた。IPO価格は 68ドルだったが、 この日、時価総額 23 14億ドルの巨大企業となった。これはアマゾン・ドット・コムとeベ イを合わせた規模を上回る。(ブルームバーグ 2 014/ 09/19 Vol. 310) ◆[企業動向:レノボ(聯想) 、IBMのサーバ事業部門の幹部および従業員を受け入れ] レノボの楊元慶 CEOは、IBMのサーバ事業中国地区責任者の葉明氏および関連業務に携わる 社員約 1,0 00人を受け入れると述べた。また、レノボの陳旭東上級副総裁は関連式典で今 後の方針として「IB Mの x86サーバ製品の開発路線を継承し関連製品の分野で継続的な技術 革新を推進することにより市場を拡大していく。」とも述べた。 さらに、「中国では、同社製品の Sys temxを体系化し企業ニーズに対応したソリューション を提供していく。」とも述べた。(人民網 2014/1 0/10 Vol.311) ◆[企業動向:中国スマホメーカー、グローバル市場で躍進] 調査会社のガートナーが 15日、第 3四半期(7-9月)のスマホ市場の動向を発表した。それ によると、中国の華為、小米、聯想の 3社が上位 5位に入った。なお、1位はサムスン、2 位はアップルであった。統計によると、サムスンとアップルの世界シェアは、前年度比 7 ポイント減の 37%。 一方、華為、小米、聯想の世界シェアは前年度比 4.1ポイント増の 15.5 % だった。背景として、サムスンが中国市場で販売台数を前年度比 28.6 %と大きく落とした 反面、小米が中国市場で販売台数を前年度比 336%と大きく伸ばしたことによる。 (人民網 2014/12/17 Vol.313 ) ◆[企業動向:アリババは知的財産関連で米系企業と協力と和解の動き] アリババ(阿里巴巴)集団はマイクロソフト(中国)有限公司と著作権保護に向けた協力 に関する覚書を締結した。これにより、同社電子商取引サイトの淘宝網と天猫網のプラッ トフォーム上での製品、サービスの販売、情報表示などがマイクロソフトの知的財産権が 侵害されないように監視・管理される。 一方、CIT IC21C N社【注】時代からデータベース等で Ora cleと係争関係にあった現アリ ババ Healt hInform ationTe chnolog y社は、ようやく法的合意に達した。これにより、ア リババ Healt hInfor mationTechnol ogy社は Oracl eに対してデータベースのライセンス料 として 3,7 20万元を支払うことになる。また、アリババは既にデータベースの一部を自社 182 のクラウド基盤「阿里雲」に切り替えており今後 Or acleのデータベース自体が使用されな くなる可能性もある。 (人民日報 2015/ 01/09 Chin aTechNew s2015/ 01/19 V ol.314) (1 人民元=17. 11円 201 5/01/09 時点) 【注】医療およびヘルスケア向けの ITサービス企業。2014年 3月にアリババが資本の 54. 3% を取得。 【技術動向】 ◆[市場動向/技術動向:中華電信と百度が連携し次世代技術センタ開設へ] 中華電信と百度が連携し次世代モバイルインターネット・クラウドコンピューティングセ ンタ(new-g eneratio nmobil eIntern etclou dcom putingcent er)の開設に向けて基本合 意した。同センタは、「百度亦荘(Yizhua ng)次世代サーチ・データセンタ」と命名され、 モバイルインターネット関連では最大規模となり、3万 8,000平米の敷地に 4万台のサーバ が設置されて省エネの技術が採用される。また、稼働は 2016年の初めの予定である。 (China TechNews 2015/02/ 11 Vol. 315) 【IT振興】 ◆[IT振興:公共交通共通 ICカード中国全土での相互利用を 202 0年までに実現] 交通運輸部は、複数交通機関での ICカード相互利用を目指しており、まずは 2016年末ま で大型および中型都市で実現し、202 0年には全国規模での相互利用を実現する目標を伝え た。 中国では、公共交通共通 ICカードの利用は 1999年に始まり、ここ数年かなりの速度で発 展を遂げている。現時点で、全国地級市【注】以上の 254都市で公共交通 ICカードが発行 されており、その総数は 3億 5,000万枚と言われている。 現在、江蘇、広東、吉林の 3省および公共交通インフラ整備が進んでいる 37都市にて、公 共交通 ICカード相互利用に必要な技術検証が進められている。一方、公共交通カードが拡 大する上で、 「基準の不統一」、 「都市間での相互利用不可能」、 「オンラインへの対応未了」 などの課題が出てきている。 今回の全国ネットワーク構築の進め方は、まずは北京・天津・河北エリア、長江デルタ地 域、珠江デルタ地域、東北 3省において、地域単位でのネットワーク化を展開し、その後 次 第 に 全 国 規 模 の ネ ッ ト ワ ー ク に 移 行 す る 計 画 で あ る 。( 中 国 新 聞 網 201 4/05/17 Vol.306) 【注】地級市:中国の地方行政単位で、以下の条件を満たしている地域。 ・都市部の非農業人口が 25万人以上いること。 ・地域の生産総額(GDP )が 2億人民元以上あること。 183 ・第 3次産業の比重が第 1次産業を上回り、GD Pの 35%以上あること。 ◆[IT振興: 「中国スマート農業パーク」プロジェクトは、蕭山にて 100億元規模で実施] 「中国スマート農業パーク」プロジェクトの調印式が、杭州湾信息港(HIPARK) )で行われ た。同プロジェクトは、投資総額 10 0億元で蕭山開発区で初の国家スマート産業プロジェ クトである。また、同プロジェクトは蕭山開発区市北城にトレーサビリティ安全食品セン タの本部を設立し、新湾町に営業本部及び農産物検疫センタ、技術トレーニングセンター および金融総合サービスセンタを建設する予定。また、同プロジェクトは、売上総額 500 億元、利益 1 00億元、税収 10億元を見込んでいる。 「中国スマート農業パーク」プロジェクトは、国内最大の農業における流通取引、調達の プラットフォームとなり、企業向けに技術、金融サービス、教育・トレーニングなどのサ ービスを提供し、業者、消費者向けには多くの農産物情報を提供するようになる。また、 B2B+O2Oなどの電子取引プラットフォームの活用を展開していく。(新華網 2014/05/08 Vol.306)(1人民元= 16.25円 2014/5/2 2時点) ◆[IT振興: 「珠海スマートシティの IT S(Inte llig entTransp ortSys tems:高度道路交通 システム)計画を市政府が承認] 同計画は、珠海市での ITSの建設・運営・保守・管理の整備により①市中心部の交通情報 収集カバー率 90%以上、②市内中心部におけるネット化率 90%以上をめざし、公共交通利用 率の向上および多様なデータのリアルタイム集計・分析と活用を今後5年間で実施してい く内容である。 また、上記目標を実現するには、①交通総合情報プラットフォーム、②地域交通信号制御 システム、③スマート公共交通量適正化システム、④道路ネットワーク監視制御システム、 ⑤運行状況データ提供およびトラベラー向け情報サービスシステム、⑥緊急時対応判断支 援システムなどの構築を進める。 現在、上記の交通総合情報サービスプラットフォームプロジェクトは入札段階である。ま た、珠海市は道路誘導表示パネルや公共交通電子版の建設を進めている。また、ジーメン スおよびエリクソンとの提携により、携帯電話活用による道路状況分析システムが立ち上 げられ、市内の基幹道路 160の状況がリアルタイムで把握できている。(智能交通網 2014/05/13 Vol.306 ) ◆[IT振興:交通部が ETCネットワークの構築スケジュールを発表] 交通部は 9日開いた全国高速道路 ETCネットワーク推進会議において、2 014年末までに北 京、天津、河北、山西、遼寧、上海、江蘇、浙江、安徽、江西、福建、山東、陝西、湖南 の 14省市において ETCネットワークを構築し、20 15年末までに全国のすべての省区市の ETCネットワークを接続すると伝えた。すでに、今日までに ET C専用レーンは全国で 7,10 0 184 カ所を超えており、ETCユーザーは 700万人、銀行等のネットワーク接続は 5,00 0拠点、チ ャージ端末は1万台を超えている。(証券時報網 20 14/06/10 V ol.307) ◆[IT振興:陝西省情報化指導グループ「陝西省スマート医療構築基準」を発表] 陝西省情報化指導グループの事務局、衛生局および計画実行委員会が「『デジタル陝西− スマート都市』発展要綱(201 3年-201 7年)」を確実に実行するために、 「陝西省スマート医 療構築基準」を発表した。 「陝西省スマート医療構築基準」は「市、県(区)区域衛生情報システムと住民情報シ ステムのインターフェース」、「区域衛生情報システムと医療機関構情報システムのインタ ーフェース」、「遠隔医療検診システムと病院情報システムのインターフェース」、「区域衛 生情報システムと農村合作医療制度情報管理システムのインターフェース」、「公共衛生情 報システムと医療機関情報システムおよび公共衛生サービスシステムのインターフェー ス」の 5つの仕様を定義したものである。(陝西省工業情報庁 2014/06/ 11 Vol. 307) ◆[IT振興:南北地震ベルト【注】で緊急地震速報ネットワーク完成] 緊急地震速報システム四川省重点実験室は、中国科学技術部、各地の地震局、緊急対応部 門などの支援を受け、80万平方キロメートルの地域をカバーする南北地震ベルト緊急地震 速報ネットワークが完成したと伝えた。同ネットワークは地域内の住民や建設現場などに 対して、緊急地震速報サービスを提供する。 同ネットワークは寧夏回族自治区、甘粛省、陝西省、四川省、雲南省を網羅している。南 北の直線距離は約 2,02 0キロ、面積は 80万平方キロメートルにわたり、1,960の緊急地震 速報モニタリング地点を設置している。また、同ネットワークは、緊急地震速報の他に、 地震の前兆の観測、情報収集などの機能を持つ。また、同ネットワークに採用された技術 は、これまで 4,000回以上の地震予兆、検知などに活用されており、芦山の M7の強震を含 む 11回の大型地震の速報に成功している。 緊急地震速報システム四川省重点実験室長の王暾氏は、 「対象地域内の学校、重要建設物、 地震影響度の高い業界などは専用受信機経由で情報を取得できる。また、住民はモバイル 経由で情報を得ることも可能である。さらに、同システムを新疆ウイグル自治区の天山、 祁連山などでも展開していく」と伝えた。(人民網 2 014/07/30 Vol.308 ) 【注】寧夏回族自治区から、甘粛省東部、四川省西部、雲南省までを結ぶ、中国大陸を南 北に貫く地震密集地帯。中国の記録に残っている M 8以上の地震が集中している。 ◆[IT振興:国家スパコン長沙センタが活動を開始] 国家スパコン長沙センタが 11月 4日から正式に活動を開始した。同センタは 2 010年 1 0月 に中国科学技術部の承認を経てプロジェクトが開始された。また、同センタは、天津市と 深セン市に続く 3番目の国家スパコンセンタであり、かつ大学によって運営される初めて の国家スパコンセンタでもある。同センタで培われた技術ノウハウは、今後大学、研究機 185 関、民間企業などでのサービスに活用される予定である。 また、スーパーコンピュータ・ランキングリスト「TOP500」の最新版が発表され、中国国 防科学大学が開発したスパコン「天河二号」が 33.8 6PFLOPS(毎秒 33. 86千万億回の浮動小 数点演算)を記録し世界一となった。 (新華社 2014/ 11/18、人民網 2014 /11/05 Vol.312 ) 【ITインフラ】 ◆[ITインフラ:北斗衛星システムにより地下のガス漏れ位置検知] 北京市ガス集団の生産技術高級専門家の高順利氏は、「現在、北京の道路の下 に張りめぐらされているガスパイプライン破損管理が関係者の悩みであった が北斗衛星システムを使用すれば、地上の検査の段階で地下数メートルのパ イプライン内で漏れが生じていないかを確認でき、かつその測定値の誤差は 数センチに縮小され、問題が生じたパイプの位置も正確に特定できる」と語 った。 中国衛星ナビゲーション測定協会と中国都市ガス協会との間でこのたび戦略 的提携がなされたことにより、北斗衛星システムをベースとした測定技術が 全国のガス業界に初めて活用されることになる。中国都市部のパイプライン は全長 40万キロ以上に達しており、20 16年には 60万キロに達する見通しで ある。 北斗衛星システムは近い将来、全国数十万キロの都市パイプラインの検査で 活用される事になる。 (人民網 2014/08 /26 Vol .309 ) 【注】北斗衛星導航系統のことで、中国が独自に開発を行なっている衛星測定システム (GNSS)である。2012年 12月からアジア太平洋地域での運用を開始している ◆[ITインフラ:北京の地下鉄、ミリ波を使った安全検査装置を導入] 北京航空航天大学教授の苗俊剛氏は、肉眼では把握が難しい化学薬品や爆弾などの危険物 を迅速に識別できる「ミリ波安全検査装置」の北京地下鉄への来年度導入を示唆した。 現在の中国での安全検査装置は、主に赤外線もしくは X線による画像化の技術を採用して いるが、同氏は、「伝統的な安全検査装置では表面しか把握できず、衣服などで遮られる部 分については識別できない。この検査装置は、被験者から見えない所での監視が主体とな り、基本構成として 2台のカメラが 5メートル間隔で設置されているので、検査エリア内 を被験者が通常の速度で通過すれば、爆発物等危険物が隠されていないかを自動的に調べ ることができる。」と伝えた。 さらに、苗氏は、「同プロジェクトは、実験段階で多くの検査を実施し継続的改良を加えて 来年にも北京の駅で使用開始する予定だ。」と述べた。(人民網 2014/09 /12 Vol .310) 186 ◆[ITインフラ:金融情報も備えたモバイル決済カードが初登場] 金融情報を内蔵した地域限定通信(R CC)用モバイル決済カード「沃信順」が、13日に海南 省で全国に先駆けて公開された。携帯電話本体や電話番号を変更する必要はなく、SI Mカー ドを交換するだけで、POSシステムやオサイフケータイの機能などを利用した決済が可能と なる。 「沃信順」カードは海南省農村信用社と海南師範大学が共同で開発したカードで、従来の 近距離無線通信(NFC )でのモバイル決済では、専用の端末が必要であり、プロバイダーが 変わる場合は番号も変更する必要があった。しかし、「沃信順」によりモバイル本体や番号 を変更する煩わしさがなく、S IMカードを替えるだけですぐに利用できる。 また、「沃信順」カード活用により、学生の入門管理、授業の出席管理、図書館への入館お よび本の貸し出し管理、生活関連サービスなど多方面で学生生活の支援が可能となり、「学 生証」としての適用も期待できる。(人民網 201 4/09 /15 Vol.31 0) ◆[ITインフラ:中興通訊(Z TE)は、カンボジアでの 4GLTEプロジェクト受注] 中興通訊(Z TE)は、カンボジアの Sou theastAs iaTelecommuni cationsHo ldingsLi mited (SoutheastAsiaTeleco mGrou p)から 4GLT Eプロジェクトを受注した。また、同時に ZT E の上級副社長である張 任 軍氏と Sou theastA siaTelecomGro upの会長の ZuoHuazhe ng 氏は両社の戦略的協業についても調印を行った。S outheastAsiaTeleco m Gr oup傘下の SoutheastAs iaTelec om(Cambo dia)は、カンボジア政府から、モバイル通信(4 GLTE) 、ISP、 無線固定通信、VoIPのライセンスを取得しており、今回のプロジェクトは 2015年中旬のサ ービス開始を目指している。(ChinaTe chNews 20 14/11/19 V ol.312) ◆[ITインフラ:微博、地震速報をリアルタイムで発信] 中国地震台網センター(CENC:ChinaEarthq uakeN etworksCe nter)は、微博【注】と戦 略的提携を締結した。具体的には、微博は CE NCが発表する地震速報を被災地の住民にリア ルタイムで提供し、住民は携帯電話経由で被災状況を 10秒以内に把握することができる。 また、上記の地震速報データは微博を通じて公開され、一定の条件のもと申請を行えばだ れでも閲覧できる。(人民網 2 014/12/1 8 Vol.3 13) 【注】IT企業の新浪公司が運営するミニブログサイト。 ◆[ITインフラ:国家発展改革委員会は太平洋光海底ケーブルプロジェクトを了承] 国家発展改革委員会は、国際間のインターネット通信の急増に伴い太平洋を跨ぐ国際海底 ケーブルのプロジェクトを許可した。中国電信、中国聯通、中国移動の 3社および各国企 業との共同プロジェクトとなる。上海市の崇明県と南匯区を起点とし韓国、日本、台湾な 187 どに繋がり全長 1万 3,61 8キロに達し、201 8年に開通する予定。(人民日報 2 015/02/0 6 Vol.315) ◆[ITインフラ:新たに 2社が 4Gライセンスを取得] 工業・情報化部は、新たに中国電信、中国聯通の 2社に 4Gのライセンスを付与した。同大 臣は、上記 2社が 4 Gライセンスを取得することにより国内に 4G網が拡大し、価格も適切 水準となり多くのサービスを国民が受けられると述べた。 一方、ガートナ社によれば通信業者と加入者は 3Gから 4Gへアップグレードすることはい い方向であるが、現在 4G加入者全体約 97 %に相当する 9,006万人を有する中国移動との間 で競争は激化すると述べた。(ChinaDa ily201 5/02 /27 Vol.31 5) 【電子商取引】 ◆[電子商取引:201 3年、中国の電子商取引市場規模 10兆元超に] 中国電子商取引市場の第三者研究機構である中国電子商研究センターは、杭州で「2013年 度中国電子商取引市場調査報告書」を発表。それによると、201 3年中国の電子商取引市場 の取引規模は 10兆 2 ,000億元で、201 2年の 8兆 50 00億元に比べ 29.9% 伸びた。 2013年の内容を業種別に見ると、B2Bの電子商取引額が全体の 8 0.4%を占め、昨年度同期比 31.2%増の 8兆 2 ,000億元に達した。インターネット小売取引額は全体の 17.6%を占め、前 年同期比 42.8%増の 1兆 8,851億元となった。(中華工商時報 2014/03 /24 Vol .304)(1 中国元=16.6 2円 201 4/4/1時点) ◆[電子商取引:電子商取引ランキング 100都市中、深セン市が 1位] 中国の調査機関である阿里研究院は 4日、 「2013年中国都市電子商取引発展指数報告書」を 発表し、201 3年において電子商取引が先行している上位 10 0都市を選出した。同調査は、 同研究院が全国の地級都市【注】以上の 294都市を対象とし電子商取引の導入レベルをラ ンキングしたもので、深セン市が 1位、広州市が 2位、杭州市が 3位となった。 また、深セン市、広州市、杭州市、上海市、北京市を含む 53の「国家電子商取引モデル都 市」に於ける企業間取引での利用業者は全体の 70%以上、小売通販事業者は 65 %以上を占 めた。(人民網 2014/ 06/05 V ol.307) 【注】中国の行政区分で、上位に省級行政区、副省級行政区がある。地級行政区には地区、 自治州、盟が含まれる) ◆[電子商取引:青島税関、クロスボーダーEC商品向けの通関サービスを提供] 6月 3 0日、青島税関にて、青島紅領集団有限公司の、英国向け輸出商品(スーツ)が、同 省第一号のクロスボーダーEC商品として通関された。 188 上記に先立ち、企業、通販業者への税還付、消費者の利便性向上、かつ税関での管理業務 強化、統計データの精度向上などを図るため、事前に十分な調査と検証を実施してきた。 また、情報化プラットフォームの公開により、企業、通販業者ともシステム連携した通関 サービスが提供できるようになり、クロスボーダーEC事業の拡大につながる。 青島税関技術所の石雲峰所長は、「当初、通常輸出業務で実積を把握しながら特殊品の輸 出、海外製品の直接輸入などへと業務を拡大していくと伝えた。(人民網 20 14/07/02 Vol.307) ◆[電子商取引/セキュリティ:モバイル eウォレット指紋認証決済サービスのトライアル 開始] 中国のモバイル決済サービス「支付宝ウォレット」【注】は、他社に先駆けて指紋認証機 能を利用した決済サービスのトライアルを実施する。これによりユーザーは、今年 7月か らサムスンの GALAX YS5で同サービスを利用することができ、「支付宝ウォレット」で買い 物をした場合はデジタル暗証番号を入力するという煩雑さから解放される。また、サムス ンと提携した指紋認証決済では、すべての指紋データは個別端末の中に保管され、クラウ ド上で処理がなくなりサーバーが攻撃された場合に生じるセキュリティ面の事故を効果的 に防げる。 また、「支付宝ウォレット」は世界最大のモバイル決済プラットフォームとして 2013年に は 27億 8,00 0万件のモバイル決済を行った。(人民網 2014/07/ 17 Vol. 308) 【注】Aliba ba(阿里巴巴)のモバイル eウォレット「支付宝銭包」のこと。 ◆[電子商取引:無錫税関で、企業向け電子通関が拡大] 江蘇省無錫市の税関が伝えたところによると、2014年に入り新たに 1 60社と通関業務の電 子化対応に調印し、管轄地域累計対応企業数で 2,0 0 0社を超えた。それに伴い、2014年 1 ~6月の電子通関率は 83.9%に達した。 通関業務の電子化により、企業は申告から通関まですべての業務をインターネットで行え るようになる。また、企業は税関の業務時間や場所に制約されず、いつでも自由に申告す ることが可能となる。さらに、証明書、納税、抜き取り検査等が不要な申告であれば、24 時間中通関手続きを行うことができる。 (人民網 201 4/08/08 Vo l.308) ◆[電子商取引:銀聯カード、飛行中の機内での決済が可能に] 中国銀聯は、中国東方航空との提携によりネットワーク・クラウド決済プラットフォーム を構築し、1万メートルの高空飛行中の銀聯カードによるリアルタイム決済を実現したと発 表した。この新サービスは 9月に中国東方航空の国内線で試行を実施し、国際線にもサー ビスを拡大していく予定である。 中国銀聯が発表した情報によると、中国東方航空の最新のボーイング 7 77−300E Rが、同プ 189 ラットフォームを初搭載する機種となる。同機は機内 Wi-Fiサービスとグローバル衛星通 信システムを搭載し、乗客に高速ネットワークサービスを提供する。 今回のプラットフォームは、銀聯カード対応機能を持つ機内マルチメディアデバイスを通 じ、中国銀聯の銀行間振込システムと直接連結する。乗客は飛行中に座席変更・予約、食 事、免税品などの商品とサービスを購入する際に銀聯カードで決済することができる。(人 民網 2014/0 8/29 Vo l.309) ◆[電子商取引:中国科学院重慶研究院にて顔認証による決済システム開発] 中国科学院重慶グリーンスマート技術研究院は、中国で初めて顔認証による決済システム を開発した。同システムにより、オンライン経由によるモバイル端末上のカメラで認証と 決裁が可能となる。海外でも 2013年に同様の発表があっが、技術研究院の周曦主任は「以 前は、認証精度が最高でも 97.6% であったが、今回の顔認証システムは国際基準での顔認証 で 99.8%の精度が実現できた。」と語った。また、現在までにも同顔認証システムは自動通 関システム、入門システムなどにも活用されている。(人民網 20 14/09/1 1 Vol.3 10) ◆[電子商取引:「ダブル 11」にアリババ天猫の取引額は 571億元達成] アリババ(阿里巴巴)集団は、「ダブル 11」 【注】当日の取引実績を発表した。それによ ると、傘下のショッピングモール「天猫」の取引額は 571億元となり、このうちモバイル 経由での取引額が 243億元で件数は 2億 7, 800万件であった。世界 21 7カ国・地域の消費 者が同社の「ダブル 11」イベントに参加した模様。また、地域別取引額は広東省、浙江省、 江蘇省、上海市、山東省、四川省、北京市、湖北省、湖南省、福建省の順となった。(人民 網 2014/11/ 13 Vol. 312)(1人民元=11.78円、20 14/11/13時点) 【注】中国の若者の間で「独身者の日」と呼ばれている。 ◆[電子商取引:福建省の病院、支付宝によるモバイル決済サービスを導入] 厦門大学附属第一病院は、モバイル決済サービス「支付宝銭包」 (アリペイウォレット)を 導入した。同病院はこれにより、福建省初の「未来病院」【注】に対応した病院となった。 今後、同病院で診察を受ける患者は、スマートフォンを使って診察予約、検査結果の照会、 診察代の支払いができるようになり、病院内の移動および順番待ちが不要となる。 (人民網 2014/12/05 Vol.313 ) 【注】アリペイが今年 5月に発表したモバイル医療に対応した病院。 ◆[電子商取引:モバイルバンキングの取引額が 7兆 9.500億元へ] 中国でのモバイルバンキングの 2014年第 3四半期の取引額が、前年度比 26.3% の伸びで 7兆 9,500億元となった。また、中国最大の調査会社である EnfoDe sk(易観智庫)は、上 記伸びの機種内訳として携帯端末が大きく伸び PCを凌駕したことも合わせて伝えた。 190 (TelecomP aper201 4/12/17) (1人民元=19.1 2円 2014/12/17時点 Vo l.313) ◆[電子商取引:201 4年第 4四半期のオンライン広告の売上は 4 70億元となる] 中国の調査会社 Anal ysysinte rnationa l社によれば、2014年第 4四半期のオンライン広告 の売上は 470億元となり対前期比で 7.9% 伸び、対前年比で 56.3% の伸びとなる。また、検 索タイプ別内訳はキーワード検索が全体の 36.8 %で首位となり、ブランド検索の 25.7% 、ビ デオ検索の 2 4.8%と続く。さらに、企業別では、百度が全体の 2 9.9%で 1位となり 2位アリ ババの 22.5%とで全体の半分以上のシェアを占める。(DIGITIMES2015/0 2/13 Vol.31 5) (1人民元=19.46円 2015/02 /3時点) 【セキュリティ】 ◆[電子商取引/セキュリティ:モバイル eウォレット指紋認証決済サービスのトライアル 開始] 中国のモバイル決済サービス「支付宝ウォレット」【注】は、他社に先駆けて指紋認証機 能を利用した決済サービスのトライアルを実施する。これによりユーザーは、今年 7月か らサムスンの GALAX YS5で同サービスを利用することができ、「支付宝ウォレット」で買い 物をした場合はデジタル暗証番号を入力するという煩雑さから解放される。また、サムス ンと提携した指紋認証決済では、すべての指紋データは個別端末の中に保管され、クラウ ド上で処理がなくなりサーバーが攻撃された場合に生じるセキュリティ面の事故を効果的 に防げる。 また、「支付宝ウォレット」は世界最大のモバイル決済プラットフォームとして 2013年に は 27億 8,00 0万件のモバイル決済を行った。(人民網 2014/07/ 17 Vol. 308) 【注】Aliba ba(阿里巴巴)のモバイル eウォレット「支付宝銭包」のこと。 ◆[セキュリティ:携帯電話ウイルスによる個人情報の流出が増加] テンセント(騰訊) ・モバイルセキュリティ研究室が発表した「201 4年 8月度携帯電話安全 報告書」によると、 「個人情報窃盗ウイルス」が全体の 34.6%に急上昇し、前月比 3 .7倍増 となった。また、 「料金等窃盗ウイルス」の比率は、前月の 24.8 %から 12 .7%へ下がった。 テンセントのセキュリティ専門家は、 「個人情報窃盗が増えたのは、オープンソースである アンドロイド採用の拡大により大量のウイルスが出回り情報を不正取得しており、一方で 料金等の窃盗を行うウイルスが急減したのは、通信事業者の管理の強化による。 」と伝えた。 (人民網 201 4/10/14 Vol.31 1) 191 3.CICCからの海外向け情報発信「東京便り」 平成 20年度より、送信を開始した「東京便り」であるが、これまで CICCの各種事業に より構築したアジア諸国とネットワーク等の維持し、アジア諸国の関係機関に対する IT推 進上で有益な日本の ITに関わる情報提供の強化を目的としている。 ITに関するトピックスに関する新聞、IT関連雑誌の内容を冒頭で紹介し、続けて、海外 IT関係者にとって日本の最新 IT状況がわかる英文サイトの UR Lを掲載した。 平成 26年度も、2ヵ月に 1回の頻度で第 35号から第 40号まで海外へ送信した。 第 35 号:平成 26年 4月 3日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.35 2014/04/03 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ Dear CICC friends, Our new fiscal year started on April 1st. In this FY, we faced at the fact that our consumption tax was set to rise, from 5% to 8%. This is the 35th and the first CICC TOKYO DAYORI on 2014 FY. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic ] Risk management in developing countries In Japan, after the low economic growth called Two “lost” decades due to the quantitative monetary easing policy of “Abenomics” started from November 2012, the economy is beginning to recover. Because of this situation, Japanese companies tend to accelerate IT investments. 192 These investments are for the mission-critical systems of the company and the social public related system that integrate the private cloud and the public cloud. Common trends in recent years to these systems are follows. 1. Can collect data from various sensors in smart mobile such as smart phone. 2. Begin to use the new technology tools, such as "Hadoop" for analyzing those big data at high speed, "Cassandra" as a management tool for distributed database. Unfortunately, the adoption of these new technologies makes some development projects more difficult than ever before. To solve this problem, serious risk managements are needed. For example, I would like to assume the development projects that a telecom company collects data from smart mobile, such as the location, receiving sensitivity, various types of sensor data and the user satisfaction rating to make the installation plan of the base station in an efficient way. In addition, you will choose to an outsourcing vendor in a developing country that can develop the program coding with one- fifth cost compared to that in Japan. In this case, what should be considered as risk? Technically, due to less experiences to new technologies for vendor in developing country, some risks for delivery not in time and less quality will be mainly considered. Also, due to new technology, we may face the performance degradation because hidden bugs in big data processing tools have affected bad influences. The another risk comes from less communication. If there is a miscommunication between the customer and the Japanese IT vendor as a contractor, the request of specification changes and additional features will be raised by the customer. This can be also occurred between the local IT outsourcing vendor and Japanese IT vendor as well. In addition, as the risk of external factors, the specification changes happened due to changes in communication policy of the local government, or the change of stakeholders such as Decision Makers of customer or related politicians. In this kind of overseas projects, I believe the most basic way to avoid these risks is to communicate among the parties concerned 193 until they understand each other completely as an intimate partner, and to share even trivial information about the project. Each member company of the CICC has strong technical areas such as network communications, power related solutions, and infrastructure developments, etc. I believe based on a thorough risk managements, if we could share their expertise areas of each company, and participate in the international tender as Japan consortium, it would be possible to propose a great suggestion and win the bid. Kazuhiro SHINOHARA (Mr.) *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ <<Topics of Government>> (1)Aggregation and Provisional Calculation of Internet Traffic in Japan, March 14, 2014 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/eng/Releases/Telecommunications/140 314_06.hml <<Topics of Industries and others>> (1)Yahoo Japan to buy telecom firm eAccess http://www.japantoday.com/category/technology/view/yahoo-japan-to-buy-eaccess-teleco m-firm (2)Record 12.8 billion cyberattacks seen in Japan last year http://www.japantimes.co.jp/news/2014/02/11/business/record-12-8-billion-cyberattacksdetected-in-japan-last-year/#.UzkZ8DjNuUk [From Editor] Hereby, just for your information. Although it does not relate to IT, I found some usuful URLs for you. (1) pictures of cool japan http://www.google.co.jp/campaigns/cooljapan/ 194 */*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/* [URL of Introduction of CICC Member Companies] http://www.cicc.or.jp/english/modules/system/modules/menu/main.php?page_id=25&op= change_page#support 第 36 号:平成 26年 6月 5日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.36 2014/06/05 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ Dear CICC friends, The rainy season has just begun in Tokyo. This is the 36th of CICC TOKYO DAYORI. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic ] “Mobile Phone Lesson” in an elementary school One Saturday on May was our parent's day and I went to my younger son's elementary school to see a class at work. The last one was a special class held in the school gymnasium for all students and their parents. The class title was “Mobile Phone Lesson”. In the gym, students sat on the floor in front of the stage and parents seated themselves on pipe chairs neatly ordered behind their children. A strange gentle man who was formally-dressed stood in front of a big screen and a beamer. Our vice-president introduced him to us as an instructor who was dispatched from KDDI, a major telecommunication carrier. [1][2] At first, he gave a broad smile and started with cheerful greeting, “KONNICHWA!“. Students returned his greeting more cheerful, “KONNICHWA!“. Their greetings have 195 eased the tense atmosphere of the gymnasium. Then, he stared to give some questions about mobile phone to all students. Let me show one sample communication among them. Instructor: I will give you a question about Mobile Phone. What you can do with a mobile phone? Students: “Ha-i, Ha-i, Hai!”(They were putting their right hands and said, “Here, here!”) Instructor:“You, in red T- shirt boy student” A student: “We can telephone call with it.” Instructor: “OK, you are right. Another?” Students: “Ha-i, Ha-i, Hai!” Instructor: ”You, with pink ribbon girl student.” A student: ”We can send and receive e-mail by the mobile.” In this way, the class went along interactively. After those communications, the instructor mentioned about manner and rule we have to keep when we use mobile phone. Then, he ran some animation videos which main characters were cute and amiable animals. Those animal characters encountered typical problems with using mobile phones, such as receiving invoice of excess charge of mobile game, offending a friend with blog or SNS and so on. This was the one of free program provided by KDDI to all public schools. [3] I attended it as one of parent. The program also gave useful solution for parents to protect their children from troubles related mobile phones. There are rapid increases of mobile penetration rate among youth in Japan behind this generous program. According to the result of a survey by Cabinet Office [4], about 60% of youth (age 10 to 17) has smart phone and about 97% of them use internet with mobile phones, such as community site, SNS and LINE or playing games. Needless to say, the Internet is very convenient tool to allow individuals to access any information and apps they want. When this ability is abused, however, people may get involved in an unexpected accident especially among young people. I do not want to mention about serious juvenile crime over social media, bullying, murders to suicides occurred in these days. I am grateful for the free program provided in early stage of elementary school, most of them do not have mobile phone yet. But, the same survey shows, around 41% of elementary school student use Internet by their mobile phone. I guess KDDI have to dispatch their Instructors to kinder gardens or day-care centers for children in near future. 196 Hiroko SHIRAKURA (Ms) [1] http://www.kddi.com/english/ [2] You can see the image picture of the same class here. http://www.kddi.com/corporate/csr/consumer/reassurance/lesson/brief-summary/ [3] Kids and Family Mobile Guide line (only in Japanese) http://www.kddi.com/family/ [4] Survey of actual usage of Internet among Juvenile in 2013, Cabinet office, Government of Japan (only in Japanese) http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h25/net-jittai/pdf/kekka.pdf *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ <<Topics of Government>> (1)METI Formulated a List of Requirements for Ensuring Security in Procurement of IT Products http://www.meti.go.jp/english/press/2014/0519_02.html (2)Global ICT Summit 2014 to be Held http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/eng/Releases/Telecommunications/140 516_01.html <<Topics of Industries and others>> (1)Hitachi's profit jumps 51.1% http://www.japantoday.com/category/business/view/hitachis-profit-jumps-51-1 (2)Japanese government mulls doing away with cell phone SIM locks http://www.japantoday.com/category/technology/view/japanese-government-mulls-doing -away-with-cell-phone-sim-locks (3)Sekisui House, Toshiba and Honda build smart house http://www.japantoday.com/category/technology/view/sekisui-house-toshiba-and-hondabuild-smart-house 197 [From Editor] Hereby, just for your information. Although it does not relate to IT, I found some useful URLs for you. (1)Japan Portal http://www.japanportal.jp/ (2)Japan's 'anti-loneliness' cafe goes viral http://edition.cnn.com/2014/05/15/travel/japan-moomin-cafe/index.html?hpt=hp_c3 第 37 号:平成 26年 8月 7日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.37 2014/08/07 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ Dear CICC friends, Japanese hot summer has begun. One of tour companies says, "Japan bakes in summer sun" http://www.insidejapantours.com/japan-news/3346/japan-bakes-in-summer-sun/ This is the 37th of CICC TOKYO DAYORI. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic ] We have summer vacations from late July through August at schools in Japan. I saw many foreign tourists among Japanese tourists and commuters in Tokyo Station this morning, too. I found more foreign tourists visited here than last year. 198 According to the Japan National Tourism Organization (http://www.jnto.go.jp/), the number of international visitors to Japan in April 2014 was 1,231,500 which was the largest number for the month in the history. The year-on-year growth rate of foreign tourists to Japan was more than around 20% these past months. The report of Japan Tourism Agency (http://www.mlit.go.jp/kankocho/en/) says that the troubles with many foreign tourists visiting Japan are inconvenient access to free Wi-Fi spots and communication in Japanese. If those troubles were solved, the trip in Japan would be more fun. Tokyo was chosen to host the 2020 Summer Olympic and Paralympic Games. The Japanese government has set a goal of 20 million annual visitors by 2020. To achieve the goal, more IT applied services are needed and examined. For example, smooth immigration procedures, more high-speed Wi-Fi hot spots, internet-based automatic interpretation system, navigation, banking, security, Emergency Information Service System and so on. In the latest IT policy or “revisions to the Declaration to be the World’s Most Advanced IT Nation”[1] endorsed by the cabinet last June, hospitality with the most advanced IT utilization was described. When you visit Japan next time, you can surely receive more useful services. Look forward to welcoming more visitors in Japan! Hiroko KAWABATA(Ms) [1]Press Conference by the Chief Cabinet Secretary (Excerpt) http://japan.kantei.go.jp/tyoukanpress/201406/24_a.html The full text version(only Japanese) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20140624/siryou1.pdf *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ <<Topics of Government>> 199 (1)FY2014 International Feasibility Studies on “Smart Community” http://www.meti.go.jp/english/press/2014/0626_01.html (2)Asia Green IT Forum Issued a Joint Statement at the Sixth Forum http://www.meti.go.jp/english/press/2014/0619_01.html (3)Results of the Regional Economic and Industrial Research (April-June 2014) http://www.meti.go.jp/english/press/2014/0729_01.html <<Topics of Industries and others>> Japan electronics giants on profit path http://www.japantoday.com/category/technology/view/japan-electronics-giants-on-profitpath [From Editor] Hereby, just for your information. Although it does not relate to IT, I found some useful URLs for you. (1)And the world's best city is ... The Japanese city of Kyoto claims the top spot in Travel + Leisure's 2014 best cities list, taking over from longtime winner Bangkok. http://edition.cnn.com/2014/07/30/travel/tl-worlds-best-cities/index.html?hpt=hp_c6 */*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/*/* [URL of Introduction of CICC Member Companies] http://www.cicc.or.jp/english/modules/system/modules/menu/main.php?page_id=25&op= change_page#support 第 38 号:平成 26年 10月 2日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.38 2014/10/02 200 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ Dear CICC friends, This is the 38th CICC TOKYO DAYORI on 2014. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic] History of IT business in Japan and lessons to note Dear Gentle persons I am Kazuki Yasui, taking care of Research &Information Division. We could survive ourselves terrible summer anyhow here in Tokyo, and autumn breeze will make us forget shining sun in summer in the past months. This is my first time to share my “Tokyo Dayori”, as I has been seconded from NEC Corporation from 1st of March, 2014. I have been involved in Semiconductors and IT solution business in NEC, and I would like to share my understanding how we, Japanese IT companies have experienced and been struggling with global competitors. Early in 1970s, MITI (Ministry of International Trade and Industry) had ordered 6 Japanese electronics manufactures to start the development for mainframe computers with governmental support. NEC, Fujitsu and Hitachi were the members of the group. During the time, above main-framers had built the business scheme to gain the most of the profit by computer hardware, and assigned system engineers to develop software running on this hardware. Of course, they have developed necessity skill by themselves as being members of huge IT projects. Also, each company has built closed and stable business relation with customers (we call those high loyalty customers “Park”), and it is so effective to keep long term relationship with customers. Because the specialists of business operations in customer side and system engineers of companies were completely supplement each other to succeed huge projects. It means that IT vendors’system engineers were trained by customers through the projects on condition that their costs were not fully charger to the project with the help of high margin of hardware prices. System engineers have been regarded as good gifts to promote expensive mainframe 201 computers. I am sorry that this is not a good explanation. Though most of every main framers had enjoyed relatively good business with above win-win business scheme, Open architecture, we call it Wintel, base severs had changes this old ecosystem rapidly. All the functions of mainframes initiated SI business were broke into components of software, like ERP, CRM and middleware spooling software, etc. Impacts of those changes were as following 3 points. 1. Customers’deep understanding of IT by hardware and software product suppliers’aggressive promotion and training to them. 2. Customers systems’ expands globally supported byglobal IT providers. 3. Needs of more SE cost charge to the projects with the price reduction of hardware, server, etc. I think that most of Japanese main framer has experienced above problems early in 90s. We had to educate System Engineers to be Projects manager and IT consultants to earn more money by projects to keep profit. Something were going well, but more amount of margin were gained by global software and hardware suppliers, like SAP, Microsoft, Oracle, EMC etc. In addition, global consulting firm who are called big five has started business consulting, like Global financial system, BPR, global rollout, etc in which they provide through high end business consulting to IT implementation with high price. Many cases, they were the prime contractor to control customers budget, and Japanese IT venders provide SE and IT products seeking the limited rest of customers’ budget. I am not negative viewer, but this was cased of our lack of understanding of business trend. They are 1. Prime contractor should approach to top management and CIO, 2. Japanes integrated IT suppliers model has not been always profitable in parallel with customers development of abilities to choose global IT suppliers by themselves. Of course, Japanese IT venders has been working very hard to catch the gap both in technical and business model , and also Japanese companies, including IT vendors are working so hard to expand the social infrastructural business to ASEAN and emerging countries using the knowhow of Japanese social and public fields. In conclusion, I can’t answer exactly the strategy what Japanese venders take and focused areas what direct to, but lessons to be learned are that the vertical integration model wasn’t worked and scratch base system development was mostly out of date. And I will continue to seek the answers, and I hope that my message would be some 202 hints for your countries. We can enjoy the fruitful autumn, and also listen to the beautiful sounds of bell-ringing crickets in long deep night. Best regards Kazuki Yasui(Mr.) The song of a bell-ringing cricket www.youtube.com/watch?v=Nl3Z4WyoiXw <<Topics of Government>> (1) White Paper on International Economy and Trade 2014 http://www.meti.go.jp/english/report/data/gIT2014maine.html (2)Third ASEAN-Japan Cyber Security International Symposium to be Held http://www.meti.go.jp/english/press/2014/0918_02.html (3) Results of the 24th Asia-Pacific Telecommunity Standardization Program (ASTAP) Forum http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/eng/Releases/Telecommunications/140 901_01.html <<Topics of Industries and others>> (1) Fujitsu to hire out supercomputers in India http://asia.nikkei.com/Business/Companies/Fujitsu-to-hire-out-supercomputers-in-I ndia (2) New Hitachi chief pushes customer-oriented reorganization http://asia.nikkei.com/Business/Companies/New-Hitachi-chief-pushes-customer-oriente d-reorganization (3) Lixil, NEC refining production to fund future acquisitions http://asia.nikkei.com/Business/Trends/Lixil-NEC-refining-production-to-fund-future-ac quisitions (4) IT giants sending disaster prediction systems to Southeast Asia 203 http://asia.nikkei.com/Business/Trends/IT-giants-sending-disaster-prediction-systems-t o-Southeast-Asia [From Editor] Hereby, just for your information. Although it does not relate to IT, I found some useful URLs for you. (1)Japan todayl http://www.japantoday.com/ 第 39 号:平成 26年 12月 3日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.39 2014/12/03 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ Dear CICC friends, Tokyo has been particularly cold recently. We are all fine, too. This is the 39th CICC TOKYO DAYORI on 2014. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic] The Third UN World Conference on Disaster Risk Reduction (WCDRR) will be held from 14 to 18 March 2015 in Sendai City, Japan.[1] To consider and adopt the post-2015 framework for disaster risk reduction, several thousand participants are expected, including high level participants from Governments, International Organizations, NGOs, private sector and other major group representatives. 204 The Public Forum is a significant component of WCDRR and promotes a shared responsibility of reducing risk and building resilience. The Public Forum is open to all the public and is a recognized part of the outcomes of the World Conference. The objectives of the Public Forum are as follows; ・To support the outcomes of the World Conference. ・To raise awareness on disaster risk reduction and the building of resilience of nations and communities. ・To contribute to promoting of knowledge on disaster risk reduction, resilience and reconstruction, for example the lessons and experiences of the Great East Japan Earthquake which devastated the region on 11 March 2011. In recent years, the world has experienced a number of cataclysmic disasters like Typhoon Haiyan in the Philippines in November 2013 and the Iquique earthquake in Chile of March 2014. This means that disaster risk reduction is increasingly regarded as an important endeavor for the international community. And in this context, I believe it is tremendously meaningful for the representatives of participating nations to gather to discuss disaster risk reduction, sharing the issues each nation is facing and how to overcome them. And at the same time, the roll of ICT development should be recognized for contributing to disaster risk reduction and management. During the conference period, heads of state and ministerial-level representatives of participating nations will visit Tohoku region and Sendai City. They will see the progress we have made towards recovery, as well as our disaster mitigation initiatives. I hope and believe that their visit will be fruitful and worthwhile as they consider their own future development and disaster mitigation planning including ICT utilization. Kinya ICHIKAWA(MR.) [1] http://www.bosai-sendai.jp/en/ http://www.unisdr.org/ <<Topics of Government>> 205 (1) Announcement of the Interim Report Compiled by the Strategic Council for Creating Data-Driven Innovation http://www.meti.go.jp/english/press/2014/1105_02.html (2)Basic Survey on the Information and Communications Industry (Preliminary Report) http://www.meti.go.jp/english/press/2014/1028_01.html (3)METI to Hold Japan Content Showcase 2014 http://www.meti.go.jp/english/press/2014/1016_03.html (4)Interpretative Guidelines on Electronic Commerce and Information Property Trading (PDF:1,770KB) PDF File (updated on November 18, 2014) http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ec/201408_ecip_guideline_english.pdf <<Topics of Industries and others>> (1) Hitachi's wearable monitor designed for all http://asia.nikkei.com/Tech-Science/Tech/Hitachi-s-wearable-monitor-designed-for-all (2)Hitachi's cryptography to protect power plants from cyber attacks http://asia.nikkei.com/Tech-Science/Tech/Hitachi-s-cryptography-to-protect-power-plant s-from-cyberattacks [From Editor] Hereby, just for your information. Although it does not relate to IT, I found some useful URLs for you. (1)http://www.japan-guide.com/ 第 40 号:平成 27年 2月 5日 -^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ CICC TOKYO DAYORI(LETTER FROM CICC TOKYO)vol.40 2015/02/05 -^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^/-^-^//^-^/~ 206 Dear CICC friends, We call February 3rd "SETSUBUN" which literally means division of seasons. It is used to mark the end of winter and is derived from the old lunar calendar. According to the calendar, it is spring now but still very cold in Tokyo. This is the 40th CICC TOKYO DAYORI. I hope you can enjoy it. *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ [Topic] I joined CICC in April, 2014, and feel pleasure in posting an article of newsletter TOKYO DAYORI for the first time. I was involved in a study and promotion to leverage ICT to address the issues in Super-Aging Society of Japan for 2 years before joining CICC. Taking this opportunity, I would like to introduce some of activities going on in Japan on that subject. Japan is the first country in the world that has grown the number of seniors at the fastest pace, and has entered a period of Super-Aging Society, where one in four Japanese are seniors aged 65 and above.[1] The rapid change of social structure has brought to Japan various challenges such as financial issue of social security, the issues that capacity of hospitals or care facilities is getting difficult to catch up with the growing number of seniors, and issues in society where number of seniors living alone or in a family of two is increasing. The way Japan addresses the challenges has attracted global attention as the first-ever case study. In Japan, various activities making use of ICT are going on, recognizing ICT as a driving force to solve the challenges. In a bit to improve efficiency in hospital operation and reduce the medical care cost, a hospital in Kyushu district relies on Big Data analytics to shorten the hospital stay.[2] The hospital daily collects 300 items of inpatients’ data such as body temperature, heart rate, the number of times to use toilet with their approval, and found key factors affecting the length of hospital stay through the 207 analysis of Big Data, more than 160,000 patients per year. There are other Big Data projects for research, such as aiming to develop a system that can discover signs of dementia by the end of 2018.[3] In Japan, explosion of the number of seniors suffering from dementia is getting serious social problem.[4] ICT is also used in the feasibility study projects to establish a new society model for community to support the living of seniors who need home cares. The test is going on to evaluate the information systems to share the electronic health record of the seniors with their approval among medical care staffs, municipal government officers, and other persons concerned in the community. The above are some of projects in Japan. Japan could create the best practice models through struggles in unprecedented society and contribute to a lot of countries that may face the same challenges in the future, I wish. Sojiro SHIMURA (MR.) [1] Population Estimate by Age and Sex(Monthly Report) http://www.stat.go.jp/english/data/jinsui/tsuki/ [2] NHK program (aired on November, 2014) http://www3.nhk.or.jp/news/medicalbd/ [3] Fujitsu press release (issued on December 24, 2014) http://www.fujitsu.com/global/about/resources/news/press-releases/2014/1224-01.html [4] Epidemic of dementia (The Japan Times) http://www.japantimes.co.jp/opinion/2013/06/23/editorials/epidemic-of-dementia/#.VL88 izj9ky8 *_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*/*_*_*/*_*_*/*_*/*_*/*_*_*//*_*_*/*_*_*/~ <<Topics of Government>> (1)Results of ICT Policy Dialogue with the Socialist Republic of Vietnam http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/eng/Releases/Telecommunications/150 208 119_02.html <<Topics of Industries and others>> (1)Fujitsu unveils drowsiness sensor for drivers http://www.japantoday.com/category/technology/view/fujitsu-unveils-drowsiness-sensorfor-drivers (2)Old factories turned into vegetable farms (Growing delicious vegetable using advanced technology, Fujitsu's Low-potassium lettuce) http://edition.cnn.com/2014/12/14/business/underwater-city-japan/index.html?hpt=hp_c 5 (3)NEC delivers infrared thermography cameras as a countermeasure against Ebola http://www.japantoday.com/category/technology/view/nec-delivers-infrared-thermograp hy-cameras-as-a-countermeasure-against-ebola 209 ・非 売 品・ 禁無断転載 平成 26年度 アジア電子情報通信基盤整備に向けた 情報収集・整備報告書 発 行 平成 27年 3月 編集・発行 一般財団法人 国際情報化協力センター 〒110-0016 東京都台東区台東 4-18-7 シモジ ンビ ルデ ィ ング 6F 電話 03-5807-5041 210
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