知財会計・経営分科会セッション

日本知財学会第 14 回年次学術研究発表会予稿集,2016 年
知財会計・経営分科会セッション
◆ ペット産業の知的財産と専門技術の伝承 ◆
【講演者】
パネリスト
井上 義隆(弁護士/KSIパートナーズ法律特許事務所)
佐藤 貴紀(白金高輪動物病院総院長)
田中 康智(エルフドッグスクール所長)
50 音順
モデレーター
川上 正隆(青山学院大学大学院法学研究科客員教授)
【内 容】
本年度学会の開催地である神保町にある猫専門の書店「にゃんこ堂」には猫の生態
を考える本が多数並んでいる。また、各地での「殺処分ゼロ」運動など、従来とは異
な、単に愛玩ではなく生き物としてペットを捉えるブームが生じている。そして、近
年は動物医療の進歩やペット用品の改良、あるいはトレーニングなどペットを育てる
技術の発展も著しい。
その一方で、知的財産の観点からペット産業を論じられることはあまり見受けられ
ない。そこで、本セッションでは、「ペット」を切り口として知的財産を論じていく
ものである。
具体的には、各自より
・ペット産業における知的財産の概要
・特許法 69 条3項と動物医療との関係
・日常的な動物医療行為の内容
・言語コミュニケーションが困難な相手に対するトレーニング技術の習得技法
といった点を中心に説明し、知的財産との関係を検討したうえで、パネルディスカ
ッションにて
・動物医療は医療行為ではなく物の修繕行為である
という「動物」が民法上の「人」ではないことによる問題点を論じていく。
特に、獣医師やトレーナーという専門家として専門技術を常に保つモラルあるいは
後進を育成するモラルなど、法的に「人」とは異なる客体を扱うことに伴う弊害を乗
り越えて技術を習得・伝承していく高度のモラルの所以について、議論を深めたい。
以 上
日本知財学会第 14 回年次学術研究発表会予稿集,2016 年
知財会計・経営分科会セッション
◆ ペット産業の知的財産と専門技術の伝承 ◆
【略 歴】
井上 義隆(弁護士/KSIパートナーズ法律特許事務所)
京都大学大学院工学研究科修了、1998 年株式会社本田技術研究所入社、2004 年弁護士登録(
57期)。大野総合法律事務所において特許訴訟を中心とした事件を担当、2016 年特許出願
から係争案件までを取り扱う KSI パートナーズ法律特許事務所開設。「新・注解 特許法」共
著、「平成 23 年における特許審決取消訴訟の概況」(パテント誌)共著など。2015 年「日弁
知財ライブ研修「最近の特許関係訴訟の重要裁判例 審判取消事件」講師。現在は、東京弁護
士会知的財産権法部において事務局次長を務める。
佐藤 貴紀(白金高輪動物病院総院長)
麻布大学獣医学科卒業、2002 年。杉並区西荻動物病院・上石神井動物病院勤務。
2007 年 dogdays 東京ミッドタウンクリニック非常勤、日本獣医生命科学大学研修生。
2008 年株式会社 FORPETS 設立・白金高輪動物病院院長に就任。2011 年附属病院中央アニマル
クリニック開院。
2011 年獣医循環器学会認定医取得。論文「冠動脈肺動脈瘻の犬の一例」。
2015 年 Dog Care Salon LINDO 開店。2016 年日本獣医生命科学大学 大学院研修生。
現在 FORPETSgroup 総院長に就任し、勤務を行う。
著書「犬の急病対応マニュアル」「猫の急病対応マニュアル」「犬の悩みなんでも相談室」など
田中 康智(エルフドッグスクール所長)
JKC 公認訓練教士。トレーニング頭数、約 3000 頭。
2002 年 エルフドッグスクール開設、人犬共に負担ゼロを目指したトレーニングを実践
現在は後進のトレーナー育成、複数のコラム連載、企業研修会講師なども手がける。
現在、フリーマガジン HAPPY LIFE PAW 内「しつけのイロハ」、WEB マガジン 「にゃんこ
マガジン」に連載中。過去には、リフォーム産業新聞内「ペットのためのリフォーム」、
ユニマットそよ風 親孝行倶楽部 内 「シニア世代とペットの上手な暮らし」や学生向け就
職情報誌内で執筆、また井上こみち「動物訓練士になるためには」内でインタビュー。
川上 正隆(青山学院大学大学院法学研究科客員教授)
慶応義塾大学卒、1983 年(株)電通入社、2015 年法務マネジメント局部長にて早期退職。
青山学院大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学後、2013 年より同大学大学院法学
研究科客員教授にて知的財産法の講義を担当、また、名古屋商科大学で情報法の非常勤講師
を担当している。知的財産管理技能士試験委員。著書「知財のビジネス法務リスク」等。論文「ビッ
グデータから論じるプライバシー保護についての検討」、「「営業秘密」と「業務上の有用情報」に係
る法的問題」、「主体保護の観点からみる非公知性領域の拡張論」等。本分科会活動として昨年より、
特定あるいは専門技術の伝承について分科会を開催している。