特定非営利 活動 法人 ピースウィンズ・ジャパン 〒102 - 0074 東京都千代田区九 段南4 -7-16 市ヶ谷KTビルI 5階 TEL 0 3 - 5 2 13 - 4 070 FAX 03 - 3 556 - 5 7 71 E-mail meet @ peace -winds. org www. peace -winds. org ピースウィンズ・ジャパン @PeaceWindsJapan 年次 報 告 書 2012 /2 / 1 -2013/ 1 /31 特定 非 営利 活 動 法 人 2012 ピ ースウィンズ・ジャパ ン ひとりの 覚 悟 が 難 民 の 一 生 を 変 えて いく。 1人でも多くの命を救 いたい。 2 013 年 2月、私はイラクを訪れました。 難 民キャンプに行くと初 心に返り、 はじめてイラクへ 行った学 生 時代を思い出します。 あの時、欧 米のNG Oが 数百人のスタッフを抱えて 何十 万人もの難 民を支 援 するのを見て、 私は衝 撃を受けました。 当 時の日本のNGOは、個人ボランティアの集まりのようで、 事 業 体としてのパワーに欠けていたからです。 このままでは、救えるはずの命も救えない… そう感じた私は、自分 が日本のNG Oを変え、 1人でも多くの命を救おうと覚 悟しました。 限 界を決 めない。 その頃よりイラクの治 安は良くなっていますが、 世 界では未だ紛 争が 絶えず、 多くの人びとが命を落としています。 食 料 危機に し、 あるいは住む 家をなくした人もたくさんいます。 海 外だけでなく、東日本 大 震 災のような 国内の大 規 模 災 害にも備えておく必要があります。 我々にできることはなんなのか。 NG Oだからという限 界を決めずに、 これまでの知識と経 験をフルに活かし、 さらなる平 和を目指して挑 戦し続 けます。 特定 非 営利 活 動 法 人 ピースウィンズ・ジャパン 003 ANNUAL REPORT 2012 大 西 健 丞 PEACE WINDS JAPAN PEACE WINDS JAPAN ANNUAL REPORT 2012 002 代 表 理 事 兼 統 括 責任者 写真:イラク国内に作られたシリア難民キャンプでの生活物資の配布の様子 思 いを届 ける。世 界を変える。 支 援 活 動 の3つ の 柱 「 世 界を変えたい」という思 いを原 動 力に、 ピースウィンズ・ジャパンは活 動を続けています。 支 援 のプロを世 界に派 遣するピースウィンズ・ジャパンの活 動 の3つの 柱をご 紹 介します。 東日本 大 震 災では 支援が 届きにくい場所で レスキュー活 動ができるよう、 発生から2時 間 後に 治 安やアクセスの悪さから、 スタッフが専 門 家の 出動を決定し、 他の援 助 機 関の支援が 指 導のもと、厳しい訓練に 翌日にはヘリコプターで 届かない南スーダンの 励んでいます。 004 ANNUAL REPORT 2012 災 害 時に、 より迅速な 被災 地 へ 向かいました。 ジョングレイ州では また、要 救 助 者の また、1ヵ月の間に 189本の井 戸を作り、 捜 索に活 躍 する 約16 0トンの緊 急 支 援 物 資を 10万 人に安 全な水を 災 害 救 助 犬の育成も 配布しました。 届けました。 行っています 。 住 民の自立を促 す 自治 体や企業との 防災協定を 東ティモールでは 今 後、想 定される 経 済的な自立を支えるため、 国 内の大 規 模 災害に備え、 大規 模に PEACE WINDS JAPAN 一人でも多くの命を 救いたい コーヒー生 産 者 への 物資やサービスの提供について シリア難 民 支 援では、 技 術 支 援を行っています 。 事 前に協 議をすることで、 難民キャンプ内の 参 加 農 家は 迅 速な支 援につなげます。 ほぼ全員分をカバーする 10年 前の10世 帯から 静岡県 袋 井 市、 約2万 人に、氷 点 下となる 今では520世 帯に。 東 京 都 世田谷 区・ 冬を越すために必要な 収 穫されたコーヒーは 緊急 支 援 物 資を配 布しました。 日本 国 内で販 売します 。 飾 区と防 災 協定を 結んでいます。 005 スピーディーに 災害 への備え ANNUAL REPORT 2012 復 興・開発 支 援 PEACE WINDS JAPAN 緊急支援 現 場を奔 走する支 援のプロ スタッフ インタビュー 世 界のあらゆる場 所で支 援に携わり、 持 続 的な平 和のために活 動する スタッフの素 顔をご紹 介します。 2 5 3 4 大学時代、恩師の一言をきっかけにNGOでの活動をはじめ、以来アフリカを中心に現場 4歳の女の子を育てながらP W Jで世 界 各 地を飛び回る山 本 理 夏に、支 援のプロとして で18年支援活動をする の気 持ちをインタビューしました。 口博昭。支援のプロとして、活動を続ける思いを聞きました。 1.事務所のあるボー郡からアユッド 郡に向かうヘリコプターの中で 2.緊 急支援物資の輸送 3.住民との話し 合い 呂 敷を広 げなさい。そして必 ずその風 呂 敷を畳みなさい」すぐに 口は先 生に弟 子 入 す 彼 女に、 「プロとは何か?」と聞いたとき、 まず 現 場での意 識の話が出た。 「 現 場に立つ り、その後フィリピン等に渡りN G O 活 動にのめりこんだ。そのまま卒 業 後も風呂敷を畳む と、意識が切り替わるんです」。現場に立つ時、変わり果てた故郷に絶望する人や、家族 ことはなく、今も現 場で支 援 活 動を続けている。先 生の言 葉に衝 撃を受け、研 究 室のド が亡くなり涙 する少 女の前で、 もちろん泣いてはいられない。事 態を見 極め、 どんな方 法 アをノックした時からずっと、 口はがむしゃらに大きな夢を目指しながら進んでいる。夢 でどんなプロセスで解決するか、迅速に考え指示を出す。一緒に涙を流す事ではなく、そ は「この職を失う事 」という。例えば 5 0 年 後には授 業で、昔は援 助というものがあったん の涙が流れないためにどうすればよいかを考えて動く。 だと先生が話しているような、支援が必要の無い世の中になって欲しいのだ。 ANNUAL REPORT 2012 006 世界には、たくましく笑う、凄い人たちがいる。 PEACE WINDS JAPAN ら、13年にわたりPWJで支援のプロとして世界を飛び回る。あかるい笑顔でハツラツと話 を目の当たりにした。自分には何も出 来ないと、無 力を感じ活 動を止めようと思った事も んは「ありがとう」と涙を流したという。それが、 「 人のために何かをしたい」と気 づいたき あった。そんな中エイズ末 期 のおばあさんに出 会った。痩 せ 細った彼 女 は 亡くなる寸 っかけだった。その後大学院やNGOでの活動を経て、PWJに入ったあと、20ヵ国以上の現 前、 口に一 言 話しかけた。それが「ありがとう」という言 葉だった。生きていることに誇 場に立った。それでも老 人ホームのおばあちゃんに「ありがとう」と言われ、胸がいっぱい りを持ち、全ての事に対し、ありがとうと言ったその人が忘れられないという。それから1 0 になった頃と、気 持ちは変わらずにいる。ただその頃と大きく違う事は「1人では世 界は 年 以 上あらゆる土 地で様々な人に出会ってきた。 「 現 地の人は本当にたくましい。 どんな 変えられない」とハッキリと意 識している事だ。 「 P W Jのスタッフ、P W Jを支 援して下さる 口博昭 1 9 9 5 年 東 北 福 祉 大 学 社 会 福 祉 学 部 卒 業 後 、アフリカを中心に支 援 活 動に従 事 。在ウガンダ日本 国 大 使 館やN P Oでのプロジェクト立ち上げなどを経て2 0 1 0 年 P W Jに入 団 。以 後 南スーダンで活 動し2 0 1 2 年より南 スーダン事 務 所 現 地 事 業 責 任 者に就 任 。 4.ニジェールで地元住民と 5.東日本 大震災直後、気仙沼に駆けつけた 6.家ではお母さんの顔になる 7.東ア フリカ初動調査時のテント生活 山本は中学 生の頃、学校のボランティアで老 人ホームにおむつを届けた。それは学 生が 手作りした不格好な物で、 とても使いやすい物ではなかったのに、受け取ったおばあちゃ 口はこれからも、そんな風に笑う人を、1 人でも増やすため、活 動を続ける。 山本 理夏 1人では、世界は変えられないと思った。 大学卒業後、 ウガンダで村 落 開 発 事 業に携わっていた時、身近な人が次々に亡くなるの 困 難の中でも笑っている人 が 1 0 0 0 人に1 人くらいいる。そんな人には頭 が 上 がらない」 東京事務局 緊急対応部長 方々、一 緒に活 動 する現 地の方々、たくさんの力が合わさるからこそ、プロとして大 規 模 に、必要な支援を届ける事が出来、変えられる世界がある」と山本は言う。 山 本 理 夏 法 政 大 学 法 学 部 卒 業 後、米 国 州 立オハイオ大 学に留 学 。2 0 0 0 年 P W Jに入 団 。東 京 事 務 所では、緊 急 対 応 全 般を統 括 。事 業の立ち上げや緊 急 対 応 準 備にかかる連 絡・調 整を図るほか、現 地 への出張を通して状 況の把握、方 針の策 定などを行う。 007 口 博昭 口の今の活 動につながっている。先 生はこう続けた。 「大風 「昔から涙もろくて、映画でもすぐに泣いてしまうんです」と言う山本。 1児の母でありなが ANNUAL REPORT 2012 「 大 学 生は何でも出 来ます 。思いっきりやりたい事をやって下さい」大 学で一 番 最 初の 授 業、ある先 生の一 言が 7 自分に必 要とされてるのは、一 緒に涙を流 す 事じゃない。 50年 後、この仕 事がなくなればいい。 南スーダン事務所 現地事業責任者 6 PEACE WINDS JAPAN 1 2012年 度 の 活 動 私たちは「 必 要な人びとに、必 要な支 援を。」という思いを掲げ、1 9 9 6 年の設 立 以 来、 支 援が届きにくい場 所にも迅 速に、かつ長 期 的に支 援を行っています。 2 0 1 2 年 度は計 1 1ヵ国で活 動しました。 これまでに活動した地域 東 北 MIYAGI, IWATE, FUKUSHIMA JAPAN 20 12 年度に活動した地域 東北復興支援 イラク IRAQ 小 学 校 改 築 支 援 /シリア難 民 支 援 モンゴル MONGOLIA 教育・子ども支 援 KOSOVO NORTH KOREA アフガニスタン AFGHANISTAN TURKEY 復興支援 IRAN NEW ORLEANS 神 石 高 原 HIROSHIMA, JAPAN CHINA 地域活性化 PAKISTAN ニジェール NIGER MYANMAR 食 糧 危 機 支 援(2012年11月終了) INDIA THAI SIERRA LEONE LIBERIA INDONESIA フィリピン PHILIPPINES 台風洪水被災者支援(2012年12月終了) 帰還民再定住支援 国内避難民緊急支援 2012年 度の支 援事 業 一 覧 受 益 者 総 数 23,901世 帯+約 58,934人 実施場所 復興支援 インフラ整備 シリア難民支援 生活物資配布 小学校改築事業 ニワナ州アクレ郡・アルビル州・ ドホーク州 ドホーク州 受益者 食糧危機支援 実施場所 収入向上 キャッシュ・フォー・ワーク 南スーダン 支援物資配布 008 国内避難民緊急支援 ANNUAL REPORT 2012 水・衛生 ソマリア難民支援 PEACE WINDS JAPAN 実施場所 帰還民再定 住 支 援 ケニア 井戸建設及び衛生・井戸管理研修 トイレ建設・衛生研修 5,346人 10,974世帯 仮設住宅の建設 ラガデラ県・ガリッサ県 実施場所 水・衛生 4,266世帯 受益者 43,606人 ジョングレイ州 実施場所 仮設住宅支援 受益者 655人 3,836人 アフガニスタン 復興支援 ティラベリ州フィレンゲ郡 水資源調査 ハイチ サリプル州 実施場所 地震被災者支援 インフラ整 備 学校家具・学校備品・学用品の配布 キャパシティ・ビルディング講 座 心理 社会サポート講 座 保 健衛生向上 講座、防災講座 マナー県・ワウニヤ県 ムラティブ県 実施場所 生計支援 農業・酪農・小規模ビジネスパッケージ配布 インフラ整備 灌漑施設整備(農業用溜池修復・拡張工事) 農業支援 農業研修及び畑作種子配布 酪農支援 酪農家収入向上支援 トリンコマレ県 台風被災者支援 生活物資配布 ミンダナオ島 東北復興支援 実施場所 392世帯 受益者 5,814世帯 600世帯 受益者 生計支援 宮城県南三陸町・岩手県大船渡市 漁協支援 漁具やテントなどの備品支援 宮城県南三陸町 1,548人 子ども支援 運動場整備・高等学校備品支援・ ミュージカル支援 宮城県気仙沼市 1,149人 課外講座開催・地域防災支援 宮城県南三陸町 岩手県陸前高田市・大船渡市 福島被災犬受け入れ 栃木県那須町 370人 849人 N/A 6次産業化支援 宮城県気仙沼市 N/A 災害救助犬育成・捨て犬保護・観光振興など 広島県神石高原町 N/A モンゴル 教育・子ども支援 103世帯 仮設店舗支援・中小企業診断士派遣・ 女性の作業場支援など コミュニティ支援 受益者 受益者 414世帯 147世帯 実施場所 日本 受益者 520世帯 392世帯 マニラ首都圏および周辺地域 N/A 1,571人 仮設住宅およびトイレの建設 生活物資配布 地域活性化 ポルトープランス郡 仮設住宅支援 洪水被災者支援 受益者 仮 設 教室 建 設 エルメラ県・リキサ県 フィリピン 279世帯 受益者 実施場所 コーヒー生産者自立支援 スリランカ 帰還民再定住 支援 ニジェール 東ティモール EAST TIMOR 地域開発支援 東ティモール 地域開発 支援 イラク スリランカ SRI LANKA 帰還民再定住支援 実施場所 貧困家庭の子どもの自立支援 ウランバートル市 受益者 4人 009 南スーダン SOUTH SUDAN ANNUAL REPORT 2012 ケニア KENYA ソマリア難 民 支 援 PEACE WINDS JAPAN ハイチ HAITI 地震 被 災 者 支 援( 2012年 7月終了) 受 益者数の算出について:村でのインフラ整備など、事業実施地域全体が対 象となる支 援については、その地域の人口を受 益者数としています。 2012 ANNUAL REPORT SRI LANKA アジア ASIA EAST TIMOR スリランカ 帰還した故郷で安心して 暮らせるように。 課題 東ティモール コーヒー作りを通して、 豊かな生活を。 26年間の内戦が終了した後、人びとは故郷へ 課題 2002年に独立したばかりの東ティモールでは、 の帰還を始めましたが、彼らを待ち受けていたのは、荒れ果 食 物をはじめとする多くの物 資を輸 入に頼り、国の基 盤も てた土地と、家も仕事もない厳しい現実でした。 脆弱です。 コーヒーは唯一の換金作物であり、国民の4人 に1人がコーヒー生産者と言われていますが、品質に対す 活動報告 帰還した人びとの再定住を支援するため、 東 部では、溜 池 8ヵ所 の 整 備と拡 張を行ったほか 、農 業 る意識が低く作った豆も中間業者に安く買いたたかれてし まい、貧困から抜け出せない人びとが多くいます。 組 合を対象に、農業研修と種子の配布を実施しました。 ま た、酪農組合を通して酪農研修や物資の提供を行い、生 計の改善を支援しました。北部では、414の帰還民世帯を 対 象に仮 設 住 宅とトイレを建 設し、1 0 3 世 帯に生 計 支 援 パッケージを配布しました。 支援を受けた家族 1,448 世帯 SRI LANKA 生計支援 パッケージ 配 布の例 働き、自立して生きる。 そんな日常を届けたい。 PHILIPPINES フィリピン P WJの活動に参加した 生 産 者の数 520 活動報告 世帯 こうした 生 産 者 の 経 済 的自立を支えるた め、2003年から、 コーヒー技術支援を行い、 日本国内で販 売しています。2012年度は520世帯の生産者が活動に賛 現地と力を合わせ、 台風被害からの復興を。 内 戦 後、故 郷に帰ったものの仕事も家もない帰還民。 彼らが働き自立できるよう一軒一軒話を聞き 家 族 構 成や前職に合わせた生計支援パッケージを配布しています。 課題 同し、収 穫 量も例 年 以 上の1 8 0トンとなりました。世 帯 数、 生産量の拡大を通して、生産者の収入向上・経済的自立 2012年8月、台風とその後の豪雨により、マニラ をこれまで以上にサポートすることができました。 首都圏および近郊地域で大規模な洪水が発生しました。 3 8 年 続 けた 床 屋を再 開 働くという あたらしい 希 望 紛 争の影 響で避 難を余 儀なくされ、それまで営んできた 6,414 世帯 貧 困 家 庭の子どものための保 護 施 設を支 援しています。 2012年にサポートした子どものうち、1人はセンターを出て独 立することができました。 「鶏の世話をしているときだけは、悲しかったことを忘れら 床 屋も閉 店しました。やっと紛 争が終わりふるさとに戻っ れる。大学生になる孫に卵を見せることが目標だよ。」ルク ても、資 金を確 保できず、床 屋の再 開を断 念していまし ミさんは夫と息子を内戦で亡くし、売店を営む娘の仕送り た。 しかし、P W Jからの支 援を受け、再び 床 屋を開くこと を頼りに、今は1人で暮らしています 。深く傷ついた彼 女 ができました。 この道38年。床屋は私の天職です。 まだ始 を支援するため、力作業の少ない養鶏パッケージを配 布 。 めたばかりでお客さんは少ないですが、 これからを見て 鳥小屋は、近所の人びとの協力で建てられました。 いてください。今よりずっと繁盛しているはずです! 緊急支援物資を配布した家族 011 養鶏パッケージを 受け取った ルクミさん モンゴル ANNUAL REPORT 2012 010 ANNUAL REPORT 2012 PEACE WINDS JAPAN 小 規 模ビジネス パッケージを受け取り 床屋を始めた ランジットさん( 6 5 歳 ) MONGOLIA 活動報告 被 災 地 域の合 計 6 , 4 1 4 世 帯を対 象に、食 糧と生活物資を配布しました。対象世帯の選定や物資の 配布については、現地のパートナー団体CDRC(Citizens Disaster Response Center) と協 力 することで、より迅 速 な支 援 が 可 能となりました。 支 援した子ども 4 人 PEACE WINDS JAPAN また、1 2月には大 型の台 風 が 南 部のミンダナオ島を直 撃 し、広範囲に渡って洪水や土砂崩れを引き起こしました。 2012 ANNUAL REPORT IRAQ/SYRIA 中東 MIDDLE EAST AFGHANISTAN イラク/シリア 2003年から、慢性的な水不足の解消を目的とした水資源 イラク小 学 校 改 築 支 援 調 査を行いました。現 在、収 集したデータを解 析し、有 効 子どもたちに学びの場を。 課題 アフガニスタン 活用できるように取りまとめ作業を実施しています。 イラクのクルド人自治区では、2003年にイラク戦 争が終わった後も、 クルド政府の予算はいまなお不足してお り、人口の急激な増加に対応できず、子どもたちの教育環 境が整っていません。天井に穴が開いた老朽化した校舎 で、多くの子どもたちが勉強しています。 活動報告 2011年6月に始めたアルビル州での小学校 7校の改築が2012年3月末に完成し、1,439人の子どもた ちが安心して学校に通えるようになりました。 さらに2012年 5月からは、 イラク北 部 3 郡で小 学 校 7 校の改 築 事 業を開 始し、2013年5月の完成をめざしています。 改築した小学校の数 7 CARIBBEAN SEA HAITI 校 ハイチ 大地震から2年。 もう一度学べる場所をつくりたい。 課題 I R AQ 小学校 改 築の例 もっと勉 強したい。 その真っすぐな夢を叶えたい。 治 安が安 定しないイラク。子どもたちの学習環境をよくするために、 老 朽 化した小学校の改築支援を行っています。 2010年1月12日に起きた大地震で、首都にある 学校の約80%が被害を受けました。 また、震災前から就学 率が約 5 0 %にとどまっていたハイチでは、 この震 災 後、学 シリア難 民 支 援 増えつづける難民に安心を届けたい。 課題 校に通う生徒がより一層減っていました。 イラクのドミズ難民キャンプでは、激しい内戦が 勉強を再開できた子どもの数 続くシリアの戦禍を逃れた難民約3万5千人が暮らしていま す。今も一日に数百人の難民が流入しています。急増する難 民への対応は困難を極め、食糧の配布や、衛生環境の整備 など、生活に不可欠な支援が緊急に必要とされています。 シリア難民約10,974世帯を対象に、故郷に 1,416 戻れるまでのキャンプでの暮らしが、少しでも快適になるよう、 補助食糧・衛生用品・灯油などの生活物資を配布しました。 ハンダ小学校は、人口増加の一途をたどるアルビル市内 012 スで日本に未 曽 有の大 震 災 が 起きたことを知りました。 PEACE WINDS JAPAN 人の入学を拒否せざるを得ませんでした。ある日のニュー ANNUAL REPORT 2012 にあります。教室不足のため、入学希望者320人のうち200 しかし、そのたった2ヵ月後にP W Jスタッフが学 校を訪れ て、 『 支援を開始できる』 と伝えてくれました。わたしはショッ クを隠せませんでした。 日本は大震災の被害で危機的な 改築工事後 状態にあるにもかかわらず、他国のことを忘れないで支援 をしようとしてくれていることに驚いたからです。わたしは 生活物資を受け取った家族の数 10,974 活動報告 人 2012年には、学校6校を対象に、仮設教室・ トイレ・教 員 室などを各 校のニーズに合わせて建 設し、学 校 備 品も提 供しました。地 域 住 民や親・教 員・生 徒による 世帯 「学校支援委員会」を各校で立ち上げ、彼らの主導による 効果的な学校運営の継続が可能となるよう、住民参加型 で事 業を進めました。 さらに「キャパシティ・ビルディング講 毎日モスクで祈りをささげ、皆にこの話を伝えました。話を 座」 「 心 理 社 会サポート講 座 」 「保健衛生向上講座」 「防 聞いた誰もが日本への感謝と尊敬の意を示していました。 災講座」などソフト面での支援も実施しました。 これにより、 1,416人の子どもが安心して勉強できる環境を提供しました。 013 老 朽 化した学 校 活動報告 ANNUAL REPORT 2012 人びとの 心に 響 いた日本 の 支 援 PEACE WINDS JAPAN マジィード校 長 先 生より 2012 ANNUAL REPORT KENYA アフリカ AFRICA NIGER ケニア 人びとが安心して眠れる家を。 課題 2011年の大干ばつとソマリア国内の治安悪化 家族が自立できるよう 働く機会をつくる。 によって、約15万人のソマリア難民が新たにケニアに流入し ました。増え続ける難 民に支 援のスピードは追いつかず、 ニジェール 長引く乾季と不規則な降雨のため農産物の収 課題 穫が激減し、2012年も食糧価格の高騰が続き、サヘル地 多くの難民は強い日差しと風雨にさらされて傷んだテントに 域 一 帯では1 , 9 0 0 万 人、 このうちニジェールでは6 4 0 万 人 住んでいます。 が食糧不足の状況に陥りました。 過酷なダダーブ難民キャンプの生活環境を 活動報告 改 善するため、難 民を対 象に284棟の仮 設 住 宅を建 設し ました。 建設した仮設住宅の数 284 棟 4,266 キャッシュ・フォー・ワークで支 援した家 族 活動報告 C KENYA ダダーブ プ 難 民 キャン の例 世帯 フィレンゲ郡における調 査で、食 糧の価 格 は上昇しているものの、入手は可能なことを確認しました。 IOM/UNHCR photographer:Brendan Bannon そこで、地 域 住 民を土 地 整 備の作 業に参 加させ、支 払っ た労 賃で食 糧を購 入できるようにする「キャッシュ・フォー・ 不安なく眠れるよう、安 心をつくりたい。 ワーク」方式の支援を、2012年8月から11月まで4,266世帯 を対象に実施しました。住民は現金収入を得て、必要な食 治 安が悪く強 盗などの被害も深刻な状況のダダーブ難民キャンプ。 糧の購入などに充てることができました。 安 心して過ごせる仮設住宅を建設しました。 SOUTH SUDAN 南スーダン 仮 設 住 宅に暮らす女 性 あって が かけられること です。夜も安心して眠ること ができます。 AFTER 難 民のセクションリーダー このキャンプに住む誰もが、 仮設住宅を必要としている。 しかし、治 安を理 由に撤 退 していった団 体も多く、自分 たちのことなんて忘れられて しまっているのかな、 と思うこ PEACE WINDS JAPAN ANNUAL REPORT 2012 014 木 の 枝をくみ 上 げ 、 ビニールシートで 補 強した住 居に暮らしています 。 ともよくある。 PWJにはどう か少しでも多くの仮 設 住 宅 を建ててほしい。 課題 ジョングレイ州には安全な水にアクセスできず、 不衛生な暮らしを余儀なくされている人びとがたくさんいま す。汚く濁った川の水を飲むことで、老若男女を問わず感染 症に悩まされており、特に幼児の多くが下痢で命を落として います。 活動報告 雨 漏りも床 のぬかるみもない、衛 生 的な住 環 境になりました。 地 域 住 民 が 安 全な水を得られるよう、ジョ ングレイ州で22本の井戸を建設し、2006年以降に建設し た井 戸は合 計で1 8 9 本になりました。 また、衛 生 環 境を整 えるため、公共トイレを2棟建設しました。 さらに、洪水で大 きな被 害を受けたアユッド郡の避 難 民に、蚊 帳、 ビニール シート、浄 水タブレット等の緊 急 物 資を、 ピボール郡では、 反政府勢力の攻撃から避難した住民を対象に、食糧を配 布しました。 建 設した井 戸の数 22 本 015 一 番ほっとしたのは、 ドアが BEFORE 「一刻も早く水が欲しい」という人びとに井戸を。 ANNUAL REPORT 2012 にも困り、強盗も心配でした。 PEACE WINDS JAPAN テントでの暮らしは、着 替え 日本 2012 ANNUAL REPORT JAPAN 東北 広 島 / 神 石 高原 震災から2年。 経験を踏まえた地域づくりを。 捨てられる犬を一頭でも守りたい。 2 0 1 0 年 秋に開 始した災 害 救 助 犬の訓 練を続けるととも 2011年3月に発生した東日本大震災から2年。 に、専門家の定期的な指導の下でレスキュー要員の育成 東北の被災地では、海岸部の施設や災害公営住宅など、 に取り組みました。 また、 「セラピー犬 」を連れて高 齢 者の 公 共インフラを整 備し、地 域を復 興していくための努 力が 福祉施設を訪れる活動も続けました。 いまなお続けられており、今後も継続的な支援が必要とさ 捨て犬や野 犬の殺 処 分が全 国で年 間 約5万 頭にのぼる れています。 現 状を改 善 するために、神 石 高 原 町と協 力し、町 内で発 課題 生する捨て犬の保護と里親探しをしています。2013年1月 までに計33頭を保護し、 うち10頭を元の飼い主に返還、 ま たは新たな飼い主に譲渡しました。 また、町から運営委託を受けたドッグランを大幅に拡充し、 イベントなどを通じて集 客を図ったほか、付 属する施 設で ドッグホテルやドッグカフェの営業も手がけました。 活動報告 被 災地の人びとと共に、 未 来の町を育てていく。 魚 貝で 「 南 三 陸の 」 ! 鍋を作ろう 編 は、地元の商工会議所を通じて、仮設商店街の事業再開 を支 援しました。 また、陸 前 高田市では、自主 防 災 会を対 象に、今回の震災の経験を踏まえ地域の防災力を向上す る取り組みをサポートしました。 東日本 大 震 災から2年、 子どもたちにふるさとを好きになってもらい、一緒に育ってほしい。 そんな思いで、地元の人びとと連携したふるさと学習会を開催しています。 1 本物の包丁を持って魚をさばきます。 鍋の具を煮込んでいる間、 先 生によるマグロの 解体ショーも行われました。 016 ANNUAL REPORT 2012 PEACE WINDS JAPAN 2 もう一 つの インパクト 後日、 この講座を担当した魚屋さん(先生) にお礼を伝える と、ふるさと学習会をきっかけにお客さんが増えたと教えてく ださいました。参加した子どもたちが、 またあの美味しい魚 3 4 自分たちでつくったお鍋は格別です! 「うまーい!」 「おいしーい!」と 声があがりました。 5 約 3 0 人の子どもたちが 参 加してくれました! 経済復興支援や、子どもを対象とした課外講座「ふるさと 広島/尾道 学習会」を実施しました。同県気仙沼市においては、パー トナー団体であるピースネイチャーラボと協働で、食と自然 カタログ販売事業「PWJ特選マルシェ」では、産地直送の に着目した6 次 産 業 化 支 援 事 業を開 始し、新たな産 業 構 農 海 産 物を含む、健 康と環 境に配 慮した食 品を販 売 。前 築に乗り出しました。 年度に続き、震災支援の一環として福島県産の果物の販 売にも取り組みました。 学 校プロジェクト 017 先生のレクチャーの後、 ホタテの殻 開けにチャレンジ! 小さな手で一 生 懸命です。 東 北 駐 在スタッフ 奥 村より 宮 城 県 南 三 陸 町では、地 元の漁 業 協 同 組 合を通じての が食べたいと言って家族で来てくれるそうなのです。 ふるさと学習会を通じて学びと遊びの機会を提供するのみ ならず、子どもたちを介して地域の大人たちや商店のつな がりを再生するきっかけづくりとなる。 これこそがふるさと学 習会が生み出したかったもう一つのインパクトです。 将来を担う子どもたちを 対 象に、世 界 各 国の現 状やPWJの支援活動の 実 態などを伝える国 際 理 解 教 育の活 動「 学 校 プロジェクト」にも積極的 に取り組み、修学旅行生の東京事務所への受け入れや、 学校での講演などを行いました。 ANNUAL REPORT 2012 習 会 の1日 ふるさと学 岩 手 県 大 船 渡 市 、陸 前 高 田 市 において PEACE WINDS JAPAN JAPAN 企 業 や 団 体 の皆さまからのご支 援 いろいろな支 援 の方 法 寄付をする ボランティアをする PWJでは設立当時より企業や団体の皆さまを大切なパートナーと考え、連携を重視してきました。 ピースサポーター 現在のボランティア登録数は約140名で、学生・社会人・主 公共サービスの提供において民間セクターの担う役割が一層高まる機運の中、 ピースサポーターは、毎月の継続的なご寄付によって、災害 婦・シニア世 代など実にさまざまなバックグラウンドをお持 それぞれの特色とリソースを活かした協業について、 さらに可能性を広げていきたいと考えています。 の被災者や紛争による難民に寄り添い、長期的に支えてい ちの方々で構成されています。皆さんのご都合に合わせて、 ただくご支援のプログラムです。年次報告書と季刊ニュー 東京事務所で作業をしたり、各種イベントに参加したりしな スレターをお送りします。 がら、和気あいあいと楽しく活動しています。 昨今では、企業の本業を活かしたご協力に関する問い合わせを多くいただいています。 寄付控除の対象です 企業の専門性を活かす 本業を通じた子ども向けの講座を開催 2012年9月より4ヵ月間、UBS証券株式会 宮 城 県 南 三 陸 町「ふるさと学習会」では、子どもたちに町 社よりシステムエンジニア1 名の出向を受 のことや町の外のことを楽しく学ぶ場を提 供しています 。 PWJは「認定NPO法人」として国税庁に認可されていま け入れ、PWJのデータベースのクラウド化にご尽力いただ 地域コミュニティの活性化を目的として開始され、2012年 す。 これによりPWJへのご寄付は寄付金の税金控除の対 き、災害に備えた基盤整備を行いました。 はのべ50回以上の講座開催となりました。多くの企業の皆 さまのご協力により、本業を活かした多様な講座を提供い 象となります。※正会員会費は対象外です。 ただきました。 2012年11月より4ヵ月間、デロイト トーマツ ご寄 付は責 任を持って使います。 コンサルティング株 式 会 社 からコンサル 皆さまからのご寄付は、世界中の苦しんでいる人びとのた めに、大切に使わせていただいております。2012年度は、全 収入のうち、88.8%を事業費に11.2% を管理費に使わせていただきました。 管理費など 11.2% タント5 名のプロボノ支 援を受けました。本 業である経 営 本やハガキで支 援 する ブックキフ ブックキフ コンサルティング業務を活かして、PWJのファンドレイズ戦 検索 略策定に携わっていただきました。 ブックオフコーポレーションの協力により、不要になった中古本 やCDを無料集荷の上、 買取金額がPWJに寄付されます。 皆さまからの温かい思いにPWJは支えられています。 人と人が繋がる場 PWJのボランティアでは作業の意図やNPOの仕 組みを知ることができ、 さらには素敵な方々との出会 いもあります。PWJには誰でも歓迎する雰囲気があり、 ボランティアを通して、人と人とを繋いでくれます。私も紹介された一人で すが、 これからもそんな場であって欲しいと思います! 書き損じハガキや未使用切手をPWJに直接お送りください。 メディア掲 載 新聞、テレビ、 ラジオ、雑誌で紹介されました。 018 ANNUAL REPORT 2012 PEACE WINDS JAPAN 1996年の設立当初からPWJを支援しています。 き ちんと報告してくれることと、 スタッフが真 に活動に 取り組む姿が印象的でした。 みんなで応援できれば大き な力になると思い、 サポーターになりました。報告書やニュースレターを通じ て、世界各地で困っている子どもたちの支援になっていると実感できてい ます。PWJを通じて世界に幸せの種をまいて、 それがいつか自分にも巡っ てくる。 そんな思いがあって、 スタッフや活動を応援しています。 ピースサポーター 安藤 槇千估さん デザインで貢献! 経験を活かした支援をしたいと思っていたところ、 ピースウィンズからお話をいただき、 プロボノ参加さ せていただいています。小さいことでも、 それぞれがで きる事をおすそ分けしていけば、大きな力になると思います。 プロボノ 種村 京子さん (デザイナー)各種報告書のデザインを無償でご協力いただきました。 ※プロボノとは、各分野の専門家が、職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献する ボランティア活動です。 「アメフト選手とスーパー鬼ごっこ」 協力:富士通株式会社 「ダイヤモンドの旅」講座 協力:Fo r e ve r ma r k株式会社 「南三陸の魚、世界へ!」講座 協力:みずほ証券株式会社 2012年度の高額寄付企業・団体 ※20万円以上/社員や顧客などの寄付を集約・代行して入金された金額を含みます。 2月 ・N H K 総 合ニュース・ 石 新 聞でPWJ主 催の講 演 会が紹 介 ・東 京FM「ジブリ汗まみれ」に代 表 大 西が出演 ・テレビ東 京「 地 球 V O CE」でスリランカの活 動が紹 介 3月 ・FMヨコハマ「 Y o k o h a m a s o c i a l Ca f e 」に スタッフ齋 藤が出演 ・時 事 通 信・北 海 道 新 聞で南スーダンの活 動が紹 介 ボランティア 松 下 泰 樹さん( 大 学3年 生 ) 設立当初からPWJを応援 「ふしぎ探検隊」化学実験教室 協力:三井化学株式会社 スタジオジブリ発 行「 熱 風 」 3月号に代 表 大 西の対 談が掲 載 ・BSジャパン「 地 球 V O CEスペシャル」でP W Jの活 動が紹 介 4月 ・NHK「おはよう日本 」で 「 南 三 陸 町のみんなに写 真 集を届けようプロジェクト」が紹 介 ・読 売 新 聞に東 北 駐 在スタッフ西 城が掲 載 ・三 陸 新 報に東 北の活 動が掲 載 6月 ・T h e J a p a n T i m e sにフェアトレード事 業が掲 載 ・2 5 a n s(ヴァンサンカン)8月号にP W Jの活 動が紹 介 7月 8月 10月 11月 ・朝日新 聞「オピニオン」に南スーダン駐 在スタッフ石川が掲 載 ・東 京 新 聞に東 北の活 動「ふるさと学習会 」が掲 載 ・日本 経 済 新 聞に東 北の活 動「ふるさと学習会 」が掲 載 アサップネットワーク株式会社/アド・コムグループ株式会社/アピデ株式会社/アンダーワークス株式会社/イヴ・サンローラン・ ボーテ(日本ロレアル)/株式会社エクスパンド/株式会社エニシル/NGOサポート募金(運営:JANIC)/株式会社NTT データ/青年団体 ohana/ギフコ株式会社/KIEHL S SINCE 1851(キールズ)/キユーピーグループマッチングギフト 「QP eace」/Sullivan & Cromwell LLP/JWord株式会社/JX日鉱日石エネルギー株式会社/シャディ株式会社/一般財 団法人ジャスト・ギビング・ジャパン/高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン実行委員会/特定非営利活動法人チャリティ ・プラット フォーム/一般社団法人Think the Earth/TENSEISHINBIKAI 岡田茂吉総合研究所/東栄産業株式会社/東亜工 ・読 売 新 聞に東ティモールフェアトレードコーヒーが掲 載 業株式会社・浦安工場/日興AM従業員チャリティプログラム (日興アセットマネジメント株式会社)/株式会社日本ワークシス ・岐 阜 新 聞・日本 経 済 新 聞・産 経 新 聞に テム/バカラ/特定非営利活動法人パブリックリソースセンター/株式会社ヒロコーヒー/フィアット クライスラー ジャパン/ 「 被 災 地の子どもたちによるミュージカル」が掲 載 12月 ・N H K「クローズアップ現 代 」でP W Jの活 動が紹 介 1月 ・時 事 通 信にハイチ担当スタッフ山元のインタビューが掲 載 Forevermark株式会社/株式会社藤田商店/株式会社プレーリードッグ/公益財団法人毎日新聞東京社会事業団/ maneo株式会社/丸中製菓株式会社/みずほ証券株式会社/三菱電機関連労働組合連合会/三菱樹脂株式会社/ 三井化学株式会社/株式会社メディコム/Yahoo!ボランティア/株式会社ユナイテッドアローズ/株式会社有隣堂/UBS証 券株式会社/リコージャパン株式会社/株式会社ロワール/株式会社ワンダーシティ (50音順) 019 PWJを支える仲 間 ハガキフ ANNUAL REPORT 2012 88.8% PEACE WINDS JAPAN 事業費 当期支出合計1,320,032,988円 (2012年度実績) PWJ のフェアトレード事 業 PWJ に ついて 2003年より東ティモールにてコーヒー生産者の支援を本格化。 活動年表 更なる品 質 向 上に向けて 大豊作だった2012年度のコーヒー豆をいかに品質を落と さず日本に持ってくる事が出来るかが最大の課題でした。 豆の水分値管理を特に徹底し特殊な穀物用袋を導入し、 きれいな緑の豆のまま日本に届けることができました。 祝! 84.5 点 専門家に味のチェックをしていただいた結果、84.5点という 高得点 ※をいただきました。甘みが強く、明るくきれいな酸味の 1997 11 インドネシアで支 援 事 業を開 始 1998 6 朝 鮮 民 主 主 義 人 民 共 和 国で緊 急 食 糧 支 援 1999 1 真っ赤に熟した コーヒーの実を 手摘みします。 2 選 別した実の 3 水分値が12%に 果肉を なるまで天日で 機械で取り除きます。 乾 燥させます。 5 麻 袋に詰められ、 いよいよ日本に 出港です。 6 皆さまのお手 元に お届けします。 ある東ティモール産の良い部分が2012年の豆にはよく出て 2005 2007 7 新 潟 県中越 沖 地 震 緊 急 支 援(∼2009年 8月) 11 尾 道 事 務 所 開 設 1 ハイチ地 震 緊 急 支 援を開 始(∼2012年7月) 3 国 税 庁により「 認 定 N P O 法 人 」に認 定 11 広 島 県 神 石 高 原 町にて災 害 救 助 犬の育 成 事 業を開 始 2011 3 4 10 11 020 ANNUAL REPORT 2012 PEACE WINDS JAPAN かせていきます。 2012 東日本 大 震 災 被 災 者 支 援を開 始 ビジョン 広 島 県 神 石 高 原 町に「 災 害 救 助 犬 訓 練センター」を開 設 人びとが紛 争や貧 困などの脅威にさらされることなく、希望に満ち、 トルコ東 部 地 震 被 災 者 緊 急 支 援 尊厳を持って生きる世界をめざします。 タイ洪 水 被 災 者 緊 急 支 援 2 ケニアでソマリア難 民 支 援を開 始 8 フィリピン洪 水 緊 急 支 援 ニジェール食 糧 危 機 緊 急 支 援 11 イラクでシリア難 民 支 援を開 始 12 フィリピン台 風ボーファ緊 急 支 援 ミッション ・ 紛 争や自然災 害などにより、生 命 が脅かされている人びとに対し、 迅 速に緊 急人 道 支 援を行います。 ・ 社 会 的 基 盤の崩 壊などにより、困 窮している人びとに対し、 自立のための復 興・開発 支援を行います。 ・ 支 援 地での活 動を通じ、紛 争の予 防および 解 決に取り組みます。 ・ 支 援の必 要 性に対 する情 報を発 信し、市民の関心を喚 起します。 ・ 援 助システムをより効 果 的にするための提 言を行い、 その改 善に取り組みます。 ※フェアトレードとは、経済的、社会的に立場の弱い生産者に対して通常の国際市場価格よりも高めに設定した価格で継続的に農産物や 手工芸品などを取引し、発展途上国の自立を促すことが目的。取引価格以外にも、生産者の労働条件や環境にも配慮した取り組みが求められます。 ケニア 2010 トリンコマレ 7 スリランカで支 援 事 業を開 始 10 インドネシア・スマトラ島西 部 沖 地 震 ナ イロビ/ダダーブ 5 ミャンマー・サイクロン被 災 者 緊 急 支 援(∼2009年 8月) スリランカ さな生 産 国を世 界に羽 ば た P W Jボランティア 統括責任者 東ティモール ルという高品質な豆が育つ小 理事会 ディリ /レテフォホ と期 待を背 負い、東ティモー 総会 南スーダン 掲げ、生産者の皆さんの笑顔 組織図 被 災 者 緊 急 支 援(∼2010年12月) 強も行 い 品 質 向 上に努 めて ている生産者の情報と品質を 清水 雄二 イラク 2009 監事 3 静岡県 袋 井 市と「 災 害 時の支 援 協 定 」を締 結 9 アメリカ・ハリケーン被 災 者 緊 急 支 援 10 パキスタン北 部 地 震 緊 急 支 援(∼2006年 5月) 3 東 京 都 飾 区と「 災 害 時の支 援 協 定 」を締 結 5 東 京 都 世田谷 区と「 災 害 時の支 援 協 定 」を締 結 8 南スーダンで支 援 事 業を開 始 を通じてコーヒーについての勉 います。私たちだからこそ知っ アフガニスタン復 興 N G O 東 京 会 議を開 催 2006 2008 桑名 恵 山本 理 夏 アルビル/ ドホーク ある度に書籍やセミナー参加 石井 宏明 アフガニスタンで支 援 事 業を開 始 3 リベリアで支 援 事 業を開 始(∼2010年 2月) 10 新 潟 県中越 地 震 緊 急 支 援(∼2004年 11月) 12 インドネシア・スマトラ島 沖 地 震・津 波 緊 急 支 援(∼2006年3月) 携わっています。NPOだからと いう甘えは通用せず、機会が 三宅 登志子 東北 販 売までの す べての 段 階に シエラレオネで支 援 事 業を開 始(∼2007年 3月) 2004 PWJフェアトレード部ではコー ヒーの栽培から加工、輸出入、 木村 町子 気仙沼 フェアトレード部スタッフより 大西 健丞 理事 神石 高 原 コーヒーなども作成しました。 役員 代 表 理 事 管理部 差し上げたいなど嬉しいお声掛けをいただきました。 43人 会計/財務/人事 実施し独立10周年を記念するTシャツやオリジナルラベル 事 務局有 給 職員数 フェアトレード 部 「東ティモール独立10周年を記念する会」というイベントを 1 9 9 9 年 1 0月 ジュバ/ ボー /アユッド オーダーメイドで展開しました。名刺代わりに名前の入った ドリップバッグコーヒーを使いたい、お店の記念日にお客様に 法人格取得 コミュニケーション部 年でした。P W Jは他 団 体と連 携し、文 化や歴 史を考える 1 9 9 6 年 2月 事業部 今年は様々な企業やショップ・レストランのロゴ入りコーヒーを インド西 部 震 災 支 援(∼2001年 9月) 4 イラク・クルド人自治 区 外に支 援を拡 大 12 イラン・バム震 災 緊 急 支 援(∼2006年 2月) 周年 2 0 1 2 年は東ティモールが独 立してから1 0 年という節目の 設立 支 援 事 業・緊 急 対 応 10 オーダーメイド型 オリジナルラベルを展開 1 4 11 12 2003 いるそうです。 ※80点以上はスペシャルティコーヒーと言われ高品質の証です。 東ティモール独 立 特 定 非 営 利 活 動 法 人 ピースウィンズ・ジャパン N P O 法 人 格を取 得 2001 4 脱 穀した豆を 手 選 別し、欠 陥 豆を 取り除きます。 4 旧ユーゴスラビア・コソボ自治 州で緊 急 支 援(∼2000年 3月) 9 中国 雲 南 省チベット人自治 州で支 援 事 業を開 始(∼2007年 1月) 10 東ティモールで支 援 事 業を開 始 名称 021 ピースコーヒーができるまで 2 ピースウィンズ・ジャパン設 立 3 イラク北 部クルド人自治 区で支 援 事 業を開 始 8 モンゴルで支 援 事 業を開 始 ANNUAL REPORT 2012 1996 団体概要 PEACE WINDS JAPAN 当初10世帯だった参加農家は、約520世帯に増え、現在も住民の自立を促進しています。 2012年 度 会 計 報 告 収支計 算書 貸借対照表 2012年2月1日∼2013年1月31日 経常収入の部 円 構成比 特定非営利活動に係る事業 経常支出の部 2.3% 2.4% イラク事業 87,475,382 4.3% アフガニスタン事業 9,446,489 0.5% 南スーダン事業 政府からの補助金収入 147,714,784 7.3% スリランカ事業 4,973,793 0.2% 855,997,742 42.5% 物品・現物等寄付収入 2 イラク事業 モンゴル事業 東ティモール事業 アフガニスタン事業 ケニア事業 東日本大震災支援事業 南スーダン事業 スリランカ事業 ハイチ事業 災害救助犬育成事業 80,100 956,631 78,000 164,912 80,147,225 1,488,403 87,896 89,724 909,240 タイ事業 15,000 ニジェール事業 27,500 フィリピン事業 シリア難民支援事業 合計 2 2,023,776 363,975 2,379,211 0 2,379,211 未収入金 「その他の事業会計」立替金 未払金 未払法人税等 預り金 仮受金 「特定非営利活動に 係る事業会計」 仮受金 10,567,547 0 10,567,547 0 256,900 256,900 6,733,596 0 6,733,596 51,000 0 51,000 0 42,479,323 42,479,323 17,352,143 42,736,223 17,609,043 7,026,413 0 7,026,413 11,152,080 0 11,152,080 前払金 17,457,087 0 17,457,087 0.8% 仮払金 50,465,303 0 50,465,303 トルコ事業 210,000 0.0% 前払費用 646,000 0 646,000 タイ事業 210,000 0.0% 791,954,759 2,749,186 752,224,622 55,014,609 2.7% 11,444,268 0 11,444,268 404,296,217 20.1% 建物付属設備 7,545,249 688,591 8,233,840 固定負債合計 18,178,493 0 18,178,493 21,067,268 1.0% 構築物 5,353,910 0 5,353,910 負債の部合計 35,530,636 42,736,223 35,787,536 19,292,808 0 19,292,808 東ティモール事業 9,665,697 0.5% 工具器具備品 4,451,013 0 4,451,013 867,439,276 △ 39,298,446 828,140,830 フェアトレード事業 94,997,209 4.7% 722,697 0.0% 8,439,774 40,907,235 事業共通費 流動資産合計 建物 車両運搬具 674,483 0 674,483 リース資産 10,890,145 0 10,890,145 0.4% 建設仮勘定 43,945,977 0 43,945,977 2.0% 電話加入権 385,392 0 385,392 商標権 792,950 0 792,950 58,187,864 2.9% ソフトウェア 899,028 0 899,028 その他支出(固定資産購入支出、助成金返還額など) 60,882,219 3.0% 敷金・保証金 5,339,930 0 5,339,930 小計 1,291,330,349 111,015,153 688,591 111,703,744 902,969,912 3,437,777 863,928,366 地域再生パイロット事業 広報並びに募金活動 事業費計 管理費 1,172,260,266 固定資産合計 資産の部合計 その他の事業 支出 28,702,639 当期支出合計 次期への繰越金 機械装置 流動負債合計 2 固定負債 特定目的寄付金収入の内訳 合計 0.4% モンゴル事業 1 その他の事業 8,731,077 開発支援活動 2,015,300,142 科目 15,647,145 2 固定資産 経常収入の部合計 立替金 5.1% レスキュー犬・ トレーナー育成事業 35.0% 42,479,323 102,220,073 東日本大震災支援事業 702,656,272 0 ケニア事業 0.4% 1,312,643,870 42,479,323 3.1% 8,492,841 3 4,660,840 63,331,311 その他収入(保証金返還収入、受取利息、雑収入等) 前期からの繰越金 28,196,345 493,538 ハイチ事業 0.2% 当期収入合計 1,743,509 4,167,302 商品 4.8% 4,498,301 1.2% 26,452,836 6.2% 95,867,812 その他事業収入 23,570,813 3,177,333 124,507,414 ニジェール事業 収入 65,122,636 512,139 売掛金 フィリピン事業 その他の事業 0 2,665,194 海外現金預金 0.0% 3.4% 1,289,073,057 65,122,636 6.3% 0.3% 小計 580,119,867 229,229 7,045,529 合計 0 580,119,867 126,195,499 68,651,491 業務受託収入 フェアトレード事業収入 その他の事業 特定非営利 活動に係る事業 Ⅱ 負債の部 現金預金 1 流動資産 民間助成金収入 科目 Ⅰ 資産の部 緊急人道支援・復興支援活動 48,316,355 単位:円 特定非営利 活動に係る事業 1 流動負債 46,460,350 1 一般寄付金収入 国際機関からの補助金収入 構成比 特定非営利活動に係る事業 会費収入 特定目的寄付金収入 円 2013年1月31日現在 退職給与引当金 リース債務 Ⅲ 正味財産の部 正味財産 [うち当期 正味財産増加額] 正味財産の部合計 負債及び正味財産の部合計 [△18,948,087][79,375,096] [98,323,183] 867,439,276 △ 39,298,446 828,140,830 902,969,912 3,437,777 863,928,366 ※内部取引42,479,323を差引いています。 1.4% 1,320,032,988 3 経常支出の部合計 695,267,154 34.6% 2,015,300,142 1,043,000 87,475,382 2012年度に補助金、助成金、業務委託を受けた主な団体 特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム (JPF) ANNUAL REPORT 2012 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) 仙養ヶ原観光開発組合 株式会社地域計画工房 3 PEACE WINDS JAPAN 023 広島県神石高原町 JTIFoundation 前期からの繰越金・次期への繰越金には、 補助金、助成金、業務委託、特定目的寄付金等の未使用分を含みます。 PWJは、高塚公認会計士事務所・ 青木幹雄公認会計事務所による外部監査を受けております。 PEACE WINDS JAPAN 022 外務省 ANNUAL REPORT 2012 MercyCorps
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