性教育講演会 『あなたの命』 助産師:西川佐稲子さんのお話 君たちが

奈良市立平城西中学校
第2学年 15号
2016年11月16日発行
平城西中学校HP
性教育講演会 『あなたの命』
助産師:西川佐稲子さんのお話
助産師会のお二人の助産師さんに来ていた
だいて体育館で2時間お話を聞きました。スラ
イドや手作りの胎児の模型なども使って、具体
的でわかりやすい講演でした。
最後には、出産の場面のVTRも見せていた
だきました。みんなの意見もたくさん聞き出して
もらいながら、私たち一人一人が生まれてきた
ことが、どれほど大切なことなのかを感じること
ができました。
君たちが感じとったこと

ぼくはここにいることを当たり前だ
と軽く感じていましたが、話を聞いて考
え方が変わりました。まず、ぼくがここ
にいることができるのはお父さんとお
母さんがいてくれて、初めてぼくが誕生
したということがわかりました。
僕を生むためにお母さんを何人もの
人が支えてくれていていたので僕は生
まれてきた。

これまで自分が生きているのは「ふつう」
だと思っていたけど、話を聞いて、今、私が
生きているのはたくさんの愛や奇跡が重なり、
私という生命が誕生したということがわかり
ました。
私は13年間生きてきて、つらい事もうれ
しい事もたくさんあったけど、生まれてすぐ
に死んでしまう子や生まれて産声をあげる前
に死んでしまう子は、つらい思いや悲しい思
いさえもできずに死んだので、私はこの命を
大切に使い、もし私が母親になった時は、新
しい生命を、責任を持って大切にしたい。
我が子が誕生した時のこと
出産の場面のVTRを観ていて、お兄ちゃんた
ちと手をつなぎながら、多くの人たちに見守られ
て出産をむかえたお母さんの笑顔がとてもうれし
く思えました。我が子が誕生した時のことを思い
出しました。
私事で申し訳ありません。私の娘は3月14日に
帝王切開で生まれました。母親は身体が丈夫な
方ではなく、10ヶ月の妊娠期間を持ちこたえるこ
とができず、予定日より6週間も前に破水してしま
いました。救急車を呼ぶ時も手術室の前で一人
待っている時も「しっかりしないと」と妙に平静だっ
たことを覚えています。医師からこのままでは母
親も胎児も危ないと言われ、帝王切開の手術に
なりました。
2270gで生まれた娘の産声は小さく、そのま
ま保育器に入れられ、母親も私も抱くことはでき
ませんでした。ガラス越しに見る娘は本当に小さ
く、呼吸するたびに小さく膨らみ、しぼむ胸の動き
が止まるのではないかと、おびえながら何時間も
「おってもめんどいだけやし。
」と思っていま
ずっと見守っていました。
す。でも、将来自分の気持ちがどう変わるか
消化器官の成長が未熟で自分の力で母乳を
はわからないし、もし、お腹に子どもがいて、
飲むことができませんでした。保育器に入れられ
いざいなくなるとどういう気持ちになるのか、
たまま救急車で大きな病院に転院しました。
今回の話で考えさせられました。もしかした
鼻から通された3mmのチューブから注射器で
ら、今、こうやって生まれていないかもしれ
初めて 5ccの母乳が通った時、涙が止まりませ
ないと考えると、本当に親のおかげでここま
んでした。それからは、病院の方々の配慮で、注
で来れたと思います。
射器で母乳を飲ます役目は私にさせていただき
一人一人の命を粗末にするような言動、行
ました。
動はひかえなきゃいけないな。
転院したことは知らせていなかったのに、不思
議なことに母親は気づいていました。初めて娘を

私たちの命はこんなに沢山の人たちの協力
抱くことができたのは2週間ほどたってからでした。
と努力のおかげでなりたっているんだな。
母親は泣きながら、笑顔で抱いていました。
今まで軽い気持ちで友達に「死ね」
「殺すぞ」
今、娘は28歳になろうとしています。誰かいい
など、ひどいことを言ってしまっていたのが、
とても申し訳ないです。
結婚相手はいないのか、いつまで夢を追ってる
こうして文字を書くのも、自分の足で歩い
ねんと、今も心配ばかりしてしまうのですが、先日、
て家に帰ることも、何もかもが生まれてこら
私の誕生日に夕食とプレゼントを用意してくれまし
れたからこそできること。なので、周りの人
た。何が欲しいと聞かれても困ってしまいます。
や家族に感謝して生きていきます。
ただ元気にしてくれてたらいい、それだけです。
 (略)少しつまらないと思う部分もあった。
自分が生まれた時の話を聞いたことはあります
でも、そういう自分みたいな人がまだまだい
か。まだの人は一度聞いてみてください。家族の
るから子どもや赤ちゃんを傷つける人は減ら
誕生日はみんなで祝っていますか。誕生日はそ
ないんだな。私が変わったところで、それが
んな話をするいい機会だと思います。きっと親は、
なくなっていくとは思わないけれど、私だけ
笑顔でいろんな話をしてくださると思いますよ。
でも変わらないといけないという気持ちをし
っかり持つことで、誰かの命を守れたり、幸

改めてだけど、やっぱり自分は愛されてる
せにできたらなと少し感じた。
存在、まわりの人に見守られてる存在だと思
った。そして、それは当たり前のことじゃな
 命は大事。それを一番大事だなと思ってくれ
く、感謝して生きていかないと。具体的にど
てる人はお母さんだと思いました。なので生
んなことをすれば感謝できてるとかわからな
んでくれたお母さんに感謝。育ててくれたお
いけど、それはそれで見つけていくのも大切
父さんにも感謝。そして、これからもよろし
なことだ。
く。今はお父さんしかいないけど、お父さん
でも、やっぱり自分を大切にすることが一
もお母さんも好きだ。
番の感謝だと思うので、そこからしっかりと
やっていきたい。自分にできることはそれく

私は価値のない人間だと思ってたけど、私
らいだ。
のために入っている心臓は、私だけに動いて
いると思うと、なんだか心臓にもうしわけな

自分の親に反抗することもあるし、変な口
くなり、とても感謝しました。
をたたいたりすることもあるけど、実際すご
今日の話は、きっと私がこれから女性とし
い痛みを味わって、自分のことを生んでくれ
て成長していくのに役に立つと思います。私
たのかと思うと、考え直さなければいけない
を生んでくれたお母さん、まわりで支えてく
な。母親だけでなく、家族みんなに感謝の気
ださった人に感謝したいです。
持ちを忘れてはいけない。
「価値のない人間」なんて一人もいませんよ。
自分は、今、
「子どもなんていらん。
」