低水位河川等からの有効取水に関する研究(第 1報)

消防科学研究所報 41号(平成16年)
低水位河川等からの有効取水に関する研究(第 1報)
高橋公也ぺ湯浅弘章*ぺ細谷昌右**森永健治指ぺ佐藤衛寿**
概 要
阪神大震 災等、大規模災 害 にお ける火災時の水利 として、自然水利である河川の有効活川が消 防にとっ
ての至 上命題となっている 。
1
1からの有効取水の可能性、及び市販されて
そこで本研究は、$:点都内の水利不足地域にある低水位向 )
いる低水位河川│用吸水器具の性能について検証を行ったものである。
その結果は、次のとおりである。
1
2
一般的吸水性 能としての忌大吸水 泣は 、現用スト レーナー と低水位用吸水器 具に大差は ない。
吸水限界水位 は 、現用スト レーナーが 1
5CDIで、ある のに対 し、低水位用吸水器具は 5CDIであり低水位
の河川に対応可能である。
3 J見用ストレーナ一及び低水位用吸水器具は、枯葉等 の吸水障害 に より、吸水時間 の経過と共 にその性
能が減少していく。
4 低水位用吸水器具は 、ゴミよけネッ ト等を活用するこ とにより吸水障害に対する性能 を向上でき 、あ
る程度 の吸水性能を保持できる。
1 はじめに
3 検証実験日時等
吸水器具に求められる t
'l:能として、枯葉等が散 f
じする
(
1
)
日時ヰ'成 1
5年 7月 22 日
河川においても料統的に吸水で宅きること、着脱が容易で
平成 1
5年 9月 4 日
平成 1
5年 7月 29 日
平成 1
5年 9月 5 日
ある事、枯葉 等が付示した際の対処が容易である事など
(
2
) 場所
が挙げられる。 このことから、特に本研究(第 1報)で
(
3
) ポ ン プ 車 研 究 所 1(P02122)
は、低水位用吸水~~只として現在市販されている製品 l
東京消防庁消防科学研究所総合 実験!字削l
A2級 2段 R-3ポンプ
号及び製品 2号の吸水性能、使用性能、低水位阿川での
(
4
) 水利簡易組立水槽
有用性~ を検 証し、当庁 で使用している現用ストレーナ
ー の諸性能と 比較するこ とを 目的 とする。
表 1 各稀吸水器具比較表
称
法
寸
量
質
質
イ
キ
結 合 昔¥
1
材
、
名
法
質
む
I
質
オ
キ
結合部
称
、
名
名
2 吸水器具の種類
製品 1 ~j. 、製品
2 号及び現用ストレーナーの形状、構
1
l
:
ι
"等 を比較 したものを表 1、写真 1に示 す
。
』
ぎる
製品 1号は、円盤状であり、結合部のエルボ状自在継
手に より平 面 に 対 し 安 定 し て 設 置 で き る 特畏 を有す
P
水
。円盤部の側面にあるステ ンレス製メッシュ部より吸
する。(写真 2参照)
のて
製品 2号は、結 f
T部を町野氏にすることにより、着脱
利便性を日めている。ボックス部の下部周囲が関口し
おり、勺該開 口部より吸水す る。(写真 3参照)
寸
質
法
畳
質
オ
キ
結合部
製品 l号及び製品 2号は、共に形状は全く異なるもの
の 大きさ・質量 は同程度である。
*荏原消防署、**第三研究室
67
製品 lサ
タト汗~ 300日l
皿
円盤 虐1さ 45r
n
m 高 さ 246皿
約 3.5k
g
本 体 アルミ合金、メッ シュ 部
75阻メスねじ式
スァレンス
製品 2号
台 ~友 34 0 X2 15 阻
高さ
約 3.5kg
本体 スァレンス、口金
65皿町野式
現用ストレーナー
ゆ1
1
0x235皿
約 0.4kg
ポリ プ ロ ピレン
75皿メスねじ式
127 l
D
D
l
アル ミ合金
r
吸 '
iJ,
1
ζ
簡 易 水作l
2
r
l放 水
2
3IDmスムースノズル
写点 1 各相吸水器 具
図 1 吸水性指実験概略図
表 2 汲水性能 :
支
出会て
、
の 実験 条件
吸
器具
水
製
f
E
}
I
jl
'
F
、
)
,
口
に口
:
*
{
立
1
7
1
工3
7
6
0
c
m
.3
0cm
. 10cm
2
号
60cm、3
0
c
m
. 10ιm
現 用 ストレーナー
6
0
c
m
. 30cm
(
注)現 用ストレーナ ーは水位 1
0c
mて‘は吸71<不能
であるため、水位 1
0c
mでの 実験 ば行わない。
(
2
) 吸水限界水位笑験
虫
製品 1号、製品 2 号及び現用ス トレーナーを 対象に l
水限界水位を 制 定する。本実験 の吸 水限界水位 とは 、吸
水訟 を 600L/分 l
二保らなが ら水位を 徐々 に減少 させてい
き
、 l
汲水 量が 600L/分 未 満 L
こなった時点の水位とする。
なお、 6
5剛ホースを l線延 長 し
、 2
3凹スムースノズ
0
c
m
)~3. 7
ル に よ り l口放水する。ィ存差は 3.6m(水位 2
m(水位 1
0c
m
)とする。'だ!
験 概 略図を図 2、実験条件 を
去 3こ
(示すd
写真 3
製 品 2号
吸 ~1~ L
木
4 検証実験方法
(
l
) 吸水性能実験
製 品 1号、製品 2号及び士見用ストレーナーを 対象 に
、
ポン プAを O
.lMPa から O
.05MPa ごとに噌加させ、キャ
ビテーションが起きるまでそれぞれの圧力での吸水且
l口放水
と連成計示度を測定する
簡易 水槽
2
3m
mスムースノズル
なお、 65皿ホースを 2線延長し、 2
3凹スムースノズ
ルにより 2口放水する。落差 は 3.2m(水 位 60c
m
)~3. 7
図 2 吸水限界水作 )
f験概略 l
河
m(水 位 1
0c
m
)とする。実験概略図を図 1、実験条件を
表 2に示す。
68
表 4 枯葉 混入実験での実験条件
表 3 吸水限界水位笑験で、の 実験条件
吸水器
具
位
水
吸水器
具
7
1
<
.
口
門口
1
F
Eコ
10cmから減少
製
号
10cm
ロロ
2
号
1
0cmから 減少
ロ口
1
号
製
ゴミよけネット 装着
10cm
現用ストレ ー ナー
20Cl
I
I
カ
、 ら械少
製
i製
T
製
I
I
で
、 は吸水不能
(祢)現用ストレ ーナーは水位 10Cl
I
1
1
l
二
仁
I
l
?
E
7
コ
2
ロロ
現用ストレーナー
位
10cm
20Cl
I
l
であるため、水位 20cmから実験をすすう。
写真 5 使 用ポ ンプ車
5 実験結果
(
l
) 吸水性能実験結果
(
3
) 枯葉混入実験
製品 1号、製品 2号及び現用ストレーナーを対象に、
ア 製 品 l号
各水位における M大吸水 且の実験 結果を 表 5に示す ι
簡易水槽 に枯業 が浪人してい る条 件で、吸水 実験を行う 。
時間経過に伴い枯紫が 付近 していく過程で、 一定吸水が
表 5 製品 1号の各 7州立で
、 の最大吸水 {
可 能 と なる吸水 量を 制定する ロ 各種 吸水 a~ 具 において十 !lj
*
必混入時 における 最大 吸水量から 実験を 開始す る。製品
1号 は付属 品のゴミよけネット 装着時の 実験 も行う。
なお 、65皿ホース を 2線延長し、 23皿スムー スノス
m)~3. 7
ノレにより 2 ロ放水する 。 落差は 3.2m(水位 60c
z
、
{
60cm
30Cl
I
l
10CU
l
ホンプ!
王
0.41MPa
0.38MPa
O
.30MPa
連成 d
十示 度
6
6
r
n
r
叫1
9
-68m吋1
9
-67mmHg
1100L
/分
1080L
/分
i
胤
(最大吸水
m(水位 1
0c
m
)とする。 実験概略 l
玄│を図 3、実験条件を
:
;
.
="-'"
表 4に示す
。
(
了
) 水位 60Cl
I
I
で
は
、 写真 6のように製品 1号は完全に
水 甜 ドにあり、 最 大 吸 水 栓 は IIOOL/分(ポンプ圧
一一-議一 vR
O
.41MPa)であった。さ らにポ ンプ回転数 を上げる とキ ャ
一
一一
吸符 l
本
一一'
ι
E
F
・
昌広地買り
一
一
↑
2
3m
r
uスムースノス、/レ
ー一
yJ
簡易
;
j
<
:
.
槽
2口放水
砕いらぬい一
i
iは急激に低下した。
ビテーションが起こり、吸水 i
写真 6 製品 1号(水位 60cmで吸水)
図 3 枯葉 混入実験概略図
69
(
イ
) 水位 3
0c
mでは、写必 7の よ うに製 品 1号が「度水
イ
製 品 2号
各水位 における 最大 吸 71
<
.1
訟の実験 結 果 を表 6に示 す。
面下 とな る 水 位 で 、 最 大[吸水 1
I
iは 1
0
8
0L!分(ポンプぽ
O
.3
8
¥I
Pa
)で、あっ た。 さらにポ ンプ凶転数を │げ る とキャ
,r
b2号の各水位 での最大吸水 沿
表6 製
ビテーション が起こり 、吸水 量は急激に f
J
l卜した。
6
0c
m
3
0c
m
10ιm
*
'ン デ 圧
0
.44
MP
a
O
.3
6MP
a
¥I
P<J
0
.
28
連打主計示 度
-6
6
m吋1
9
6
7
m
m
H
g
ー
最大放水量
1
0
3
0
L
/分
1
0
2
0l
.
!
分
7
1
<
.
{
立
7
0
m叶 I
g
1
0
1
5
L
/分
(
了
) 水位 6
0c
皿では、 写真 9のよう に製品 2号は完全 に
;1<.面下にあり、 最 大 l
妓
7
1
<
.誌 は 1
0
3
0l.!分(ポ ン プ 圧
O
.4
4
M
P
a
)であった。 さらに ポン プ回転数 を 上げるとキャ
ピテー ションが起こり、吸71<.mは急激に低下 した
η
1
1
1
I
込
・
・
・
・・
0
c
mで
吸
ノ
1
'
;
:
.
)
写真 7 製 品 1号(水位 3
(
ウ
) 水位 1
0c
m、
で は、?
7
P
五8のよう に 円盤 f
m分は水面下
にあるが取 下部分は水面か ら織叫 した状態 で 、最大政 水
凶
量 は 1040L!分(ポン プ圧 O
.3
0
M
P
a
)であ った。 水位 6
0c
m
と比 較 す る と、水 N
:が 出くなるこ とで 1
t
l
大 吸 水 位 が約
~
Iふ
さ
わ
や1
1
命、
5
%減少し、ポ ンプj
王も低下 した。
'
'
'
'
4
ー‘
ま た、 ポ ンプ圧 O.IMPa 、吸水 量 610L/ 分 ては製 J;~, 1号
~
i
l
J
聞 に渦が宛 生 したが(写 真 8
)、渦に よる空気の混入
のJ
-
考21
..
,
'
j
0
c
mで、吸水)
写~'.Ç 9 製品 2号(水位 6
は見ら れなか った。更にポンプ圧 を上げる 二と で 1
0
0
0l
.
!
(
イ
) 水位 3
0c
mでは、 写真 1
0のように水位 6
0c
mの"き
分 程庄の 吸水が可能であ った。
と同様 、製品 2号は完全に 水面 下 にあり、最大吸水 量は
1
02
0l
.
!分 (
ポンプ匝 O
.3
6
MP
a
)であ った。水 位 6
0c
mのと き
と比較して変化は少なかった。
(
工
) 吸水性能図
ポンプ圧を O
.l
M
P
aか ら O
.0
5
M
P
a ごと に増加さ せた と
きの吸ノJ
<
.n
.
誌の 変化を 区1
4に示す。ポン プ圧 の上昇と共に 、
0
c
mで吸水)
写真 1
0 製品 2号(水位 3
(
ウ
) 水位 1
0c
mで、は、 写真 1
1のように本体上部は水面
吸水量はほ ぼ直線 的に増加 するのが確 認 された。
0 じm、落差
引用ストレーナーでは吸水不 可能 な水位 1
から 露 出した状態で、 最大 l
汲水;止 は 1015L
1分(ポ ンプ圧
3.7mね度で、は、吸管 l本の吸水 によ り約 1
0
0
0l.!分の安
O
.2
8
M
P
a
)であ った。
また、ポン プ圧 O
.
I
M
P
a、吸水 量 5
1
0l.!分では本体後方
能であることが位認 された。
定した吸水がロl
に渦が発生 したが(写真 11)、渦による 空気の混入は 見 ら
1
2
0
0
1
0
0
0
(余¥﹂)咽ぷ門医
8
0
0
れなかった。更にポン プ圧 を上げることで 1
0
0
0l
.
!
分程 度ー
一:
メ
芥
の吸水が可能て、あった。
¥
「
ご1
X
一ーローー水位 6
0
c
m
-..-ー水位 3
0
c
m
6
0
0
4
0
0
---~・・ー水位 10cm
2
0
0
。
。
a
0
.
1
0
.
2
0
.
3
ポンプ圧倒 P
a
)
0.
4
0
.
5
図 4 製品 l号吸水性能│立]
写真 1
1 製品 2号(水位 1
0
c
mで吸水)
7
0
(
工
) 吸水性能図
表 8 最大吸水
ポ ンプ圧を O.IMPa から O
.05MPa ごとに増加させたと
きの吸水量の変化を図 5に示す。ポンプ圧の上昇 と共に、
及びポンプ圧の比較
*
比
t
項
目
最大吸水 最
ポンプ圧
製
ロ
口ロ
1
号
IIOOL/分
0.41叫Pa
製
口
ロロ
2
,
.
-
1030L/分
O
.44~IPa
800
現用ストレーナー
1160L/分
0.44MPa
600
*
吸水量 はほぼ直線的に増加することが確認された。
1200
1000
)
圃
m
u
A
k
g
(余 ¥﹂
ー-ローー水位 60cm
一一合一水位 30cm
......水位 10cm
400
200
O
0.
2
0
.
1
O
0
.
3
0.
4
0
.
5
ポンプ圧倒 P
a
)
絞
比
較
製
!
t
l
¥
!
ウ 現用ストレーナー
土
各水位で、の最大吸水量 の実験結果を表 7に、ポンソ j
をO
.lMPa から 0.05MPa ご とに増加させ たときの吸水性
位
30CD
l
目
故大 吸水量
ポンプ![
口
口口
1
号
1080L/分
O
.38MPa
口
ロロ
2
号
1020L/分
O
.36MPa
現用ストレーナー
1130L/分
O
.40MPa
ヒ
上
較
!
出
口
口口
製
口
口口
位
項
2
1
0cm
目
最大吸水 量
ポン プ圧
号
1040L/分
O
.30MPa
号
1060L/分
0.28MPa
~
~
現J
t
Jス ト レ ー ナ ー
能図を図 6に示す
。
60cm
項
*
l
河 5 製品 2号吸水性能以│
立
イ
(
了) 水 位 60 CIIlで、は、現用ストレーナーと比較すると、
水位の違いによる大きな変化は見られず、水位 30 CI
l
製品 1号の最大吸水 位は約 5 %、製品 2号の忌大吸 7
k!
l
i
以上あれば、 1000L/分程度の吸水は十分可能である。ま
た、ポンプ圧の上昇と共に、吸水 量 はほぼ直線的に増加
は約 11%減少した。また、製品 1号は製品 2号より最大
することが確認された。
阪
7
I
<
.j
/
(が約 6%多い。
イ)
(
水 位 30 CIIlで、は、現用ストレーナーと比較すると、
表 7 現用ストレーナー の各水位での最 大吸水
*
60cm
l
30CI
O
.44MPa
0.40MPa
位
ポン プ 圧
連 成 計示 J
変
-6
8
r
r
u
n
Hg
-67m
吋1
9
最大吸水量
1160L/分
1130L/分
製品 1 号の最大吸水 量 は約 4% 、製品 2 号の最大吸 * ìl~
n
は約 10%減少した
1
0CI
l
(
り
) 水位 1
0CIIlでは、製品 1号 と製品 2 号は同 程度 の 最
~
~
大吸水虫であった。
(
エ
) 製品 1号及び製品 2号 は 現 用 ス ト レ ー ナ ー と 比 較
~
I
l
で
、
の 最 大吸水 量の減少
すると、水位 60CIIl及び水位 30CI
(注)水位 1
0CIIlで、は吸水不能であるため、水位 1
0
が少なく、現用ストレーナーでは吸水不能な水位 1
0 cm
cmで、の実験は行わなし、。
において吸水可能であることから、低水位用吸水器具と
して有効である。
1400
(
2
) 吸水限界水位実験結果
1200
落 差 3.7m(水位 10CI
I
l
)
か ら吸 管 l本 で 600L/分吸水し、
口
吸水器具から空気が混入して吸水量が 600L/分未満に(氏
1000
会
、
、 800
」
下するまでの、各種吸水器具の吸水限界水位を測定した
結果を図 7に示す
650
600
550
咽
~
、
, 600
容
一ーロー. 7
]
<
.位6
0cm
一一合一水位 30cm
400
200
。
。
季
500 I
450 I
則 400
I
0
.
1
0.
2
0_
3
0.
4
0.
5
二
工
I
一
一
ー一一
言350
ポンプ圧倒 P
a
)
図 6
n
300
250
200
25
現用ストレーナー吸水性能図
各種吸水器具の比較
各 種 吸 水 器 具 に お け る ポ ン プ 圧 及 び 最 大 吸 水 量 の比
20
1
5
1
0
5
水位 (
c
m
)
較を表 8に示す。
図 7 吸水限界水位測定結果
7
1
。
ア 製 品 l号
エ
各種吸水器 具 の比較
常時 6
0
0
L
I分の吸水が可能となる吸水限界水位は、現
(
了
) 水位 1
0cm では、 写~ 1
2のよう に大ノトの渦が 従
ノ
│
会
0
0
L
I分(ポン プ !
と
し て い た が 空 気 の 混入はなく、 6
用ストレーナーが 1
5c
m、製 品 1号及び製 品 2号が 共に 5
O
.3
6
M
P
a
)の│汲水が 可能であ った。 なお、水位 8c
m以下に
cmで、あった。吸水 限界水位の目 安 と して 、現用 ストレー
なると渦は発生しなかった。
ナー は 騰かごの 上 端 、製 品 1号 は I
J
j
盤 仰 のナット 部上面 、
そして製品 2 号 は 本体ボックスの 下 ' ~'. B
f
)
がそれぞれ水
川 下に あることが必要 となる 。
製品 l号及 び製 品 2号は、現用ストレーナーと比較す
ると吸水 哨が 約 10%減少 す るが 消 防活 動 μ影 響 し ない
許谷 範閉 である。また、 現用 ストレーナーより 1
0 CU
l
低
し、水{立 5c
阻まで l
放水可 能であることから、低水{立河川に
も対応した 通 常 の 吸 水 器 具と して活 用 できる と考えら
れる。
(
3
) 枯 柴混 入実験 結 果
ア
(
イ
) 水位 5c
阻までは 6
0
0
LI
分 の吸水 置を保っ たが、水位
水位 1
0c
mにおける製品]号の 時間 経過 ごとの状況を、
4
.Oι
mになると吸 71
'
<
.:
[
;
1は 500L/分 まで 低卜 した。製品 1
写点 1
4か ら写瓦 1
7に示す
。
号の 円盤 M
¥
の I街さ が 4
.5cmて'あ るため、 4.5cm以上の水
与畠書コ
=
位 で な け れば吸水は不可能である。よ って、円 催 都が水
山下と な るような水位が吸水可能の 口1
7
:となる。
イ
!
j
d品 2号
量当 d
(
7
) 水位 5c
mまで :
J6
0
0
L
I分の吸水 町を保ったが、 J
)
<
.u
i
:
4.8CUlになると吸水 量 は 5
0
0
L
I分まで低下し た。
(
イ
) 水 位 4 CUlの状態 から 吸 水 す る と、最 大 吸 水 量 は
4
0
0
L
I分が 限界 であっ た。よって、水位 4cmて、の吸水 は、
写真 1
4 吸水前
低吸水量 が J
i
F
'
容される 消防活 動 に ;
!
J
J
I約される υ
ウ
ill~ Ji, 1号
写真 1
5 吸水 1
5秒 後
ι二三三で温
現 jjJストレーナー
(
7
) 水位 2
0CI
l
l
で
は
、 写山 1
3のようにf
f
幸治、ごが完全 に
量司
水面下にあり、吸水 量は 6
0
0
L
I分(ポン プ任 0
.
35
Wコa
)で
あ った。渦は発 生し たが笠 気の混入は な く、この渦 は移
動 しなが ら自 然消 滅 した。
つ
=
写真 1
6 吸 水 30秒 後
写真 1
7 吸 水 3分後
4に示 すように水槽 全体に
(
7
) 吸水前の他業 {
士
、 写真 1
広がっていた。
;
'D15
(
イ
) 吸水 1
5秒後、つ
仁 木 すよう に i'}~l ;b 1号の周
問に枯 葉 が集ま り始めた。底 u
l
i
:、てゐる枯柴,1:すぐに吸い
寄せ られ付右し、浮遊しているものは大きな渦になって
付 着 した。
写真 1
3 現用ストレーナー
(水位 20cmで、吸水)
(
ウ
) 吸水 30秒後、 写 :
(
&1
6 仁王J'すように枯葉のほとん
i
h
l号のメッシュ印に付主:し淡水した。
どが製 l
(
イ
) 水位 1
5CUlでは、藤かご、の 上 部 が水面
ー か ら露 出した
務水後、付析した枯葉 が離脱したため 罰
一 度 吸 水 措置 を
状態となったが、内部のストレーナーが水 面下 にあり空
行い吸水すると、約 o
40
0
L
I分 で一 定吸水可能であった。
気の 混入 は なく、吸水 品-は 6
0
0
L
I分であっ た。
また、 写点 1
7に示すように、約 4
0
0
L
I分の低吸水 訟 で、は
(
ウ
) 水位 1
4
.
5CUlになると、常気が混入しはじめ吸水虫
枯 葉 が 吸着 しないことが碓認 された。よって、枯葉があ
は急激に低下した。よって、 6
00Ll分の吸水母 を保つに
る水利から継続して吸水する 場ー
合 、吸水量を低め に設定
は、水面の波の影 響 などを 考 忠 してl
穣 かご、が水面下とな
する必要がある。
るような水位が目安となる。
(
工
)
メッシュ部に付着した枯葉は、吸水停止後容易に
離脱した。
72
イ
ウ 製 品 2号
製品 l号(ゴミよけネット装着時)
製品 2号の1
1
午1
:
1
1
経過ごとの状況を、写点 2
2 から写真
ゴミよけネットは、ネット状の袋に製品 l号を挿入し、
上部を紐で結ぶ 単純な操作で容易に装着 できる。
2
5に示す。
ゴミよけネットを装着した製品 1号の外観と、時間経
過ごとの状況を、 写真 1
8から 写真 2
1に示す。
己令
写 ょ~ 2
2 吸水前
8 製品 1号(ゴミ
写真 1
国 岨
ナネッ ト 腕時)
写真 2
3 吸水 1
0秒後
‘圃 己 = >
写以 2
4 吸水 20秒後
・‘,ー
d
写真 2
5 吸水 l分後
-~
(
7
) 吸水 I
I
有の 砧柴 :
t、写真 22に示ナ 上うに水槽全体に
写真 1
9 吸水前
d
開
広が ってい た。
2
0 似
3
0
(
イ
) 吸水 10 秒 後、写 ょ'~: 2
3に示すよ うに製 品 2けー
の問
団に枯葉 が集 主り ボ ックス 内に吸入されていっ 1
:~
(
ウ
) 吸水 2
0秒後、 写必 2
4に示すよう に製品 2号の周
'
1にあった枯必がさらにボンクス内に吸入され、吸水 量
り]
が低下し貴台めた
(
工
) 吸水 l分後、写真 2
5に示す ように水槽内の 全ての
に吸入さ れた。吸水量は約
帖撲が製品 2号のボックス│人l
汲水 n
T
t
i
eであった。
500L/分 とな り 定 l
(
オ
) 製品 1号 と同様 に、枯葉の量が 多い河川で 長時
ー1
:
1
¥
1
吸水した場 介、務71<する 可能性が考え られる。
写真 2
1 吸水 l分後
(
カ
) ボックス内に吸入された枯葉は 、写真 2
6に示すよ
m
(
7
) 吸水 f
f
i
Iの枯葉 は
、 写真 1
9に示すように水槽全体に
,・
を離
うにボックス内メッシュ部 に張り付いており、村1
広がっていた。
脱する l
mには台版 を取り外す必要がある
(
イ
) 吸水 3
0秒後、 写:其 20に示す よう に大きな 渦が発
生して枯葉が付着 し、製品 l号側面 には小さ な渦が発生
した。ま た 、枯葉 の付若に伴い吸水 泣は低下 した。
(
ウ) 吸水 l分後、写真 21に示すように枯必の ほ とんど
吸水可能
が製品 1号 の周辺 に集 ま り、約 400L/分で一 定 l
であった。
(
工
) 吸水 3
0秒後ま で‘は吸水叫が多いため、水の流れと
i
lと速度 l
ま:4く、製品 1号に 1
寸芯す
ともに枯葉 が集まる i
る枯葉の 盈 は急激 に精力目した包 その後、吸水 批の 低下 で
枯葉の付着する 割 合は小さくなった。
(
オ
) 吸水 l分後、ほとんどの枯葉 が付若しでも溶水す
ることはなかった。しかし、枯葉の盈 が多い阿川│で長時
6 製品 2号ボ ックス 内に吸入された枯葉
写真 2
間吸水した場合 、務水する 可能性が考えられる 。
(
カ
) ゴミよけネットに付着した枯集 は、吸 水停止後容
易に離脱した。
73
現用ストレーナー
エ
(
3
)枯葉混入実験
枯葉混入実験において、製品 1号及び製品 2号は、現
7
現用ストレーナーの時間経過ごとの状況を、写点 2
から写其 3
0に示す。
0 CIDかつ、枯葉が
用ストレーナーでは吸水不能の水位 1
(
T
) 吸水前の枯葉は、写真 2
7に示すように水槽全体に
混入された 実験条件で 、吸管 1;本で 400L/ 分 ~500 Ll分の
広がっていた。水深 20 CIDでは藤かごの上部は水面下に
一定吸水が可能であ った。今 回の擬似的低水位河川とし
ある状態である。
た簡易水槽での実験条件では、低水位用吸水器具の活用
(
イ
) 吸水 3
0秒後、写真 2
8に示すように枯葉が藤かご
可能性は高いと考えられる。
また、枯葉が付析した際の対処について、製品 1号及
上部に集 まり始め付着した。
(
ウ
) 吸水 l分後、写真 2
9に示すよ うに吸 水 3
0秒後と
び現用ストレーナーは、吸水停止後に枯策 は~易に離脱
同程度の枯葉付着量 であった。
出来るが、製品 2号はボ ックス内メッシュ部に枯J
誌が張
0に示すように藤かごへの枯柴
(
エ
) 吸水 3分後、写点 3
り付き、台板を取り外す必要がある。よって、村!.\~付着
付着坑は増加し、約 800L/分で ー定吸水可能であ った。
時の離脱操作の容易性では、製品 2号より製品 1号の方
(
オ
) 藤かごに付着した枯策は 、吸水停止後容易に離脱
盛れている。
がt
7 まとめ
(
1
) 本検 止
" 実験 において、吸水限界水位及び枯柴 混入
能の観点から、現用ストレーナーに対
時における吸水ヤt
する製品 1号及び製品 2号のイ l利性が確認された。
4
m43
ι
t
q
u
. a開
ll
圃
. FF v,
, a ipa
司咽
邑
, h-
司
・
閉
JE
1
z
F
Vh
R
r
h掴rEEL
...........
珊刀 J句凡M.......
..
r
・
・
・
・
・
・
・
冒
・
・
・
・
園
・
司
----------・
ea---E
句
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
,
一
'
、
・
・
﹂
h
FL
E
-・
- -E
月・
------・
--F
L
・
・
した。
写真 2
7 日
(
2
) 水位 1
0 C皿で枯必が混入された実験条件で、 500L/
E令
分の一定吸水が可能であった拠品 2号が、低吸水虫での
吸水継続十件において最も『向性能で、あった α
ρ
(
3
) 本検証実験では、吸水時聞 が短いため、長時間吸
合の必水可能性は検証されていない。 また、実
水した がJ
写真 2
8 似 問 後
1では、多量の枯葉・泥等の吸水障 害物が
際の低水位何)1
散在している場合が考えられる。よ って、今後こ の様な
4品 2号の吸
実際の低水位河川において、製品 1号及び3
水性能を検証する必要がある。
亡字
(
4
)
製品 1号ではゴミよけネットが付属品とされてお
り
、 討
す該付属品を装心した場合、陀かではあるが枯葉混
入実験において吸水性能が向上した。
(
5
) 本検証実験の吸水性能実験において、水位 3
0cr
nま
では現用ストレーナーの最大吸水量が最も 多い。水位 が
写真 3
0 吸水 3分後
十分保 たれた 河川 等であれば、現用ストレ ーナーの吸水
性能は非常に高い。
6 考察
(
1
) 吸水性能実験
吸水性能実験において、各種吸水器具の 最大吸水量は、
消防活動上支障のない十分な数値であった。また、製品
1~及び製品 2 号は、水位 10
C
I
Dという現用ストレーナ
ーでは対応不可能であ る水利に おいても 、吸水が可能で
ある。特に製品
1号は、水位
1
0 CIDでの最大吸 *i
l
l
が
1040L/分であり、低水位の水利でも非常に有効であるこ
とが確認された。
(
2
) 吸水限界水位実験
吸水限界水位実験において、製品 1号、製品 2号共に
皿とい う吸水 限界水位が測定された。いずれの場合も
5c
吸水限界水位における吸水 量は 600Ll分であり、 l 口の
みでの消防活動に制約される。しかし、 5CIDという水位
は現用ストレーナーでは水利として使用不能の水位で
あり、 1口ながら消防活動が可能とな るこれ ら低水位用
吸水器具の有効性は高いと考えられる。
74
RESEARCHONTHEEFFECTIVEWATERPUMPING
ATLOWWATERLEVELRIVERS
(FIRSTREPORT)
KimiyaTAKAHASHI*,HiroakiYUASA**,MasasukeHOSOYA*へ
K
e
n
j
iMORINAGA
へ
* EijuSATO**
Abstract
i
g
h
t
i
n
gwaters
o
u
r
c
et
oc
o
p
ewitht
h
ef
i
r
e
sa
tt
h
etimeo
fc
a
t
a
s
t
r
o
p
h
i
cc
a
l
a
m
i
t
i
e
ssucha
st
h
eGreat
Ast
h
e白1'ef
HanshinAwajiEarthquake,n
a
t
u
r
a
lwateri
nr
i
v
e1'sshouldbee
f
f
e
c
t
i
v
e
l
yu
s
e
d
.Thisi
st
h
emos
timperativei
s
s
u
ei
n
t
h
ef
i
r
es
er
v
i
c
et
o
d
ay
.
This1'esearchf
o
c
u
s
e
sont
h
ep
o
s
s
i
b
i
l
i
t
yt
h
a
twate1' canb
ee
f
f
e
c
t
i
v
e
l
ypumpedup仕omt
h
elowwaterl
e
v
e
lr
i
v
e
r
s
c
i
e
n
to
fwate1' s
o
u
r
c
e
si
nTokyo,andont
h
eperformanceo
ft
h
ecomme1'c
i
a
lwaterpumping
i
nt
h
eareat
h
a
ti
si
n
s
u笹I
instrumentsf
o
rlowwate1'l
e
v
e
lr
i
v
e
r
s
Ther
e
s
u
l
t
swe1'ea
sf
o
l
l
o
w
s
:
1
.Themaximumamounto
fwaterpumping,a
sg
e
n
e
r
a
lwate1' pumpinga
b
i
l
i
t
y
,i
sp
r
a
c
t
i
c
a
l
l
yequ
a
l,regardingt
h
e
s
t
r
a
i
n
e
r
sequippednowandt
h
ewate1'pumpingi
ns
t
rumentsf
o
rlowwate1' l
e
v
e
lr
i
v
e
r
s
.
2
.Thel
i
m
i
to
ft
h
ewaterl
e
v
e
lf
o
rpumpingi
s15cmf
o
rt
h
ec
u
r1'ents
t
r
a
i
n
e
r
s,whilei
ti
s5cmf
o1' t
h
ewate1' pumping
instrumentsf
o1'lowwaterl
e
v
e
lr
i
v
e1's
3
.Thet
r
o
u
b
l
ei
nwaterpumpingcaused,f
o
rexample,byt
h
edeadl
e
a
v
e
si
n
v
o
l
v
e
d,lowerst
h
eperformanceofbotht
h
e
s
tr
a
i
n
e
r
sandt
h
epumpinginstrumentswihtt
h
ee
l
a
p
s
eo
ft
i
m
e
.
4
. Withgarbage n
e
t
sequipped,t
h
ewaterpumpinginstrumentshavel
e
s
spumpingt
r
o
u
b
l
e,andcanmaintaina
c
e
r
t
a
i
nl
evelo
fwaterpumpinga
b
i
l
i
t
y
.
*
EbaraF
i
r
eS
t
a
t
i
o
n *
*
ThirdLaboratory
75