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水理学演習
問題集(0)
次元と単位,流体の物理的性質
単位について:本授業では、SI 単位系で扱う.
問題0−1
密度・単位体積重量・比重
重力加速度 g=9.8m/s2,水の密度をρ=1000kg/m3 とする.以下の問いに答えよ.千倍を表す k「キロ」を用いて
良い.単位はすべて SI 単位系で答えよ.
(1) m[kg]の物体に働く重力の大きさを(SI 単位で)表せ.(教科書 p.17,演習問題1)
(2) ρ=0.875g/cm3 の流体(油)の密度を,SI 単位で表すとどうなるか.(教科書 p.17,演習問題2の類題)
(3) 水の単位体積重量γ=ρg=を数値と単位(SI 単位)で表せ. またその理由を示せ.
(4) 水銀(液体)の比重は s=13.6 である.水銀の密度とρHg,単位体積重量γHg を求めよ.
問題0−2
圧力と力の単位
(1)図-0.1 の板に作用する全水圧が F=10000N で、板の面積は
A=2.0m2 であった。
このとき,板に作用する水圧 p を求めよ。
(2) (1)において,水圧 p=2000N/m2=2000kPa がかかっていると
き,この板に作用する全水圧 F を求めよ.
板:
面積 A=2m2
図-0.1 円筒下端に作用する水圧
問題0−3
圧力と力の単位(教科書 p.17,演習問題 5)
図-0.2 において①,②のピストンの断面積をそれぞれ A1=706.5cm2,
A2=19.6cm2 とする.②断面のピストンに p2=13.8N/cm2 の力を加えるとき,
①断面を押し上げ力 P1 はいくらか? (ヒント:パスカルの原理により,
同じ高さでは同じ圧力が全方向に作用する=上向きにも作用する.)
図-0.2 油圧ジャッキの原理
水理学演習
確認小テスト
次元と単位,流体の物理的性質
2007/04/23
単位について:本授業では、SI 単位系で扱う.(欄外を計算で使用して良い)
基本問題
密度・単位体積重量・比重
重力加速度 g=9.8m/s2,水の密度をρ=1000kg/m3 とする.
以下の問いに答えよ.千倍を表す k「キロ」を用いて良い.単位はすべて SI 単位系で答えよ.
(1) m=5.0kg の物体に働く重力の大きさを(SI 単位で)表せ.
答え:
(2) ρ=0.875g/cm3 の流体(油)の密度を,SI 単位で表すとどうなるか.
答え:
(3) 水の単位体積重量γ=ρg=を数値と単位(SI 単位)で表せ.
答え:
(4) 水銀(液体)の比重は s=13.6 である.水銀の密度とρHg,単位体積重量γHg を求めよ.
答え: ρHg=
答え: γHg=
応用問題
(5) 右図のように,水中の2つの断面の間の,面積 A=1m2,深さ h=5m の水の
柱の重さ(重量)を求めよ.ただし,水の単位体積重量は基本問題(3)の結果を
A=1.0m2
用いよ.
答え:
h=5m
図 水の柱
水理学1
問題集(1)
側圧管
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.圧力
はすべてゲージ圧で答えよ.(大気圧=0)
問題1−1
側圧管
(教科書,p.47,問1)
(1)図-1.1(a)(b)の場合の点 A で
の圧力 pA はいくらか?
(2)図-1.1(c)の点 A と点 B の圧力
差(pA-pB)はいくらか?
図-1.1
問題1−2
側圧管
(1)図-1.2(a)において,A 点での圧力 pA は,式でどう表せる
か? (B 点は大気圧である.) また,右側の液体をγm
=s γ とし,比重 s=13.6 として,h1=0.3m,h=0.8m のとき,
pA はいくら(値)になるか求めよ.
(3)図-1.2(b)において液体 A より軽い液体 B が U 字管の右
側に注入された.その高さ h2 がわかっているとき,その
差∆h=h2-h1 はいくらになるか,図中の記号を用いた式
(a)
(b)
図-1.2
で答えよ. また,液体 A が水,液体 B がトルエン(比重
s= ρ2/ρ1=0.875)で,h2=0.2m の時,∆h はいくらか?
問題1−3
ベンチュリー管・差圧マノメータ
① 図-1.3(a)のベンチュリー管の断面 A,B の圧力差を測りたい.水が入っていた U 字管に水銀を入れ,その差
圧マノメータの差は h であった.この時の圧力差∆p=pa-pb を表せ.水銀の比重を s とせよ.また,水銀の比重
を s=13.6 とし,水銀柱の高さの差が h=0.05m である時,圧力差∆p の値はいくらか?
② 図-1.3(b)の差圧マノメータによって,管路上の断面 A,B の圧力差を測りたい.トルエンの比重を s=0.875 と
し,界面の高さの差が h=0.05m である時,圧力差∆p=pA-pB の値はいくらか?
トルエン:
比重 s=0.875
Δh=0.05m
水
差圧マノメータ
A点
(a)
B点
管路(水平)
(b)
図-1.3
水理学 I 問題集(2) 平面に作用する全水圧
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
問題2−1
平面に作用する全水圧
(1)(一般図形=円形の例)
θ =30°
図-2.1 における,円盤に作用する全水圧 P の大き
さと,作用線の位置 sC および,HC を求めよ. ただし,
Hc
O
全水圧 P
sc
直径 D の円の重心周りの断面2次モーメントは,
I G = πD 4 64 であることを利用せよ.
s1=4m
C
D=4m
図-2.1
θ =30°
(2)(長方形,水没パターン)
図-2.2 における,全水圧 P の大きさと,作用線の位
Hc
O
全水圧 P
sc
置 sC および,HC を求めよ.ただし,幅 B,高さ H の長
方形の重心周りの断面2次モーメントは,
C
I G = BH 3 12 であることを利用せよ.
C
B=3m
G
s1=4m
H=4m
図-2.2
θ =60°
(3)(長方形,水面まであるパターン)
図-2.3 における,全水圧 P と,作用線の位置 sC およ
O
Hc
び,HC を求めよ.
全水圧 P
sc
C
G
C
H=6m
B=2m
図-2.3
問題2−2
平面に作用する全水圧
(1)(一般図形=三角形の例)
θ =30°
図-2.4 における,三角形の板に作用する,全水圧
P の大きさと,作用線の位置 sC および,HC を求めよ.
Hc
O
全水圧 P
sc
ただし,底辺 B,高さ H の三角形の重心周りの断面2
s1=4m
次モーメントは, I G = BH 3 36 であることを利用せよ.
C
C G
B=3m
H=4m
図-2.4
(2)(長方形,水没パターン)
θ =60°
図-2.5 における,長方形板に作用する,全水圧 P
の大きさと,作用線の位置 sC および,HC を求めよ.た
O
Hc
だし,幅 B,高さ H の長方形の重心周りの断面2次モ
sc
全水圧 P
ーメントは, I G = BH 3 12 であることを利用してよい.
s1=3m
C
G
C
H=6m
B=2m
図-2.5
(3)(長方形,水面まであるパターン)
θ =30°
図-2.6 における,長方形板に作用する,全水圧 P と,
作用線の位置 sC および,HC を求めよ.
Hc
全水圧 P
sc
C
C
G
B=2m
H=6m
図-2.6
O
水理学演習
問題集(3)
曲面に作用する全水圧
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
,幅 b,高さ H の長方形の重心周りの断面2次モーメントは, I 0 = bH 3 12 であることを利用してよい.なお,ここ
での「曲面」は,円筒状の曲面に限定される.
問題3−1
曲面に作用する全水圧
本問は,教科書と同じ.
(1) (ラジアルゲート,下向き作用)
教科書 p.32,例題 2・4
図-3.1 のようなラジアルゲートに働く全水圧 P お
よびその作用点の位置(hc,xc,角度 α)を求めよ.
ただし,r=4m,θ=60°,ゲート幅(奥行き)は
B=2m で,水深 H=5m とする.
図-3.1
(2) (テンターゲート,上向き作用)
教科書 p.32,例題 2・5
図-3.2 に示すテンターゲートの幅 B=1m にかか
る,①全静水圧の水平成分 Px および鉛直成分
成分 Pz ならびに全静水圧 P を求めよ.②全静
水圧の作用点の位置(hc,xc,角度 α )を求めよ.
ただし,r=4m,θ=90°,h1=1m である.
図-3.2
問題3−2
曲面に作用する全水圧
(1)(テンターゲート,下向き作用)
A
hc
r=6m
図-3.3 のような,奥行き b=10m,半径 R=6m,中心角
全水圧 P
θ=60°のテンターゲートに作用する,全水圧 P の大
きさと,その分圧 Px,Pz,作用線の角度αを求めよ.
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
奥行き b=10m
Pz
α
hc'
Px
O
B
xc
図-3.3
(2)(テンターゲート,上向き作用)
A
図-3.4 のような,奥行き b=10m,半径 R=4m,中心
H1=4m
角θ=60°のテンターゲートに作用する,全水圧 P の
大きさとその分圧 Px,Pz,および作用線の角度αを求
hc
奥行き b=10m
xc
C
O
めよ.
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
θ =60°
Px
α
hc' 全水圧 P
r=4m
Pz
B
図-3.4
(3)(ローリングゲート)
奥行き b=10m
図-3.5 のような,奥行き b=10m,半径 R=4m のゲー
A
トに作用する,全水圧 P の大きさと,その分圧 Px,Pz,
作用線の角度αを求めよ.
hc
θ =30°
C
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
(ヒント:Pz を求めるには, AC 面には下向き作用,
BC 面には上向き作用する.この差が Pz.)
R=4m
O
Px
α
hc'
r=4m
xc
全水圧 P
Pz
B
図-3.5
奥行き b=5m
(4)(ローリングゲート,半円)
A
図-3.6 のような,奥行き b=5m,直径 4m(半径
R=2m)のローリングゲートに作用する,全水圧 P の大
きさと,その分圧 Px,Pz,作用線の角度αを求めよ.
hc
C
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
(ヒント:Pz は, AC 面には下向き作用,BC 面には上
向き作用する.この差が Pz.その結果,半円 ACB の
内部の重量が浮力として作用することがわかる.)
hc'
O
Px
α
全水圧 P
D=4m
(r=2m)
B
Pz
xc
図-3.6
水理学演習
問題集(4)
連続式と流れの分類
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
問題4−1
連続式
v2
(1本の管路の流れ,教科書 p.63No.3 類題))
v1
図-4.1 のような,流管に流れている水の流量を Q とする.
断面①および断面②での平均流速と内径は,それぞれ,
v1,D1 および v2,D2 とする.
D1=20cm, D2=10cm として,以下の問いに答えよ.
(1) 流量 Q=5l/s の時の流速 v1 および v2 を求めよ.
(2) 流速 v1=1.0m/s のときの流量 Q および v2 を求めよ.
図-4.1
D3=1m
問題4−2
連続式(分岐水路の流れ)
図-4.2 のように分岐している水路がある.図の様に,①か
速 v1∼v3 とそれぞれ定義する.
② Q2
を求めよ.
(2) Q1=12m3/s,v2=1.0m3/s の時の,流量 Q3 を求めよ.
図 -4.3 の よ う に , 面 積 A1=10m2 の タ ン ク か ら , 内 径
D2=0.1m の管に流れている.以下の問いに答えよ.
(1) このタンクの水位低下速度-dh/dt=v1 が,0.01m/s のとき,
図-4.2
面積 A1=10m2
D2=0.1m
(2) 管の流速 v2 を=1.0m/s のときのタンクの水位低下速度
v2 ② Q
v1 を求めよ.
図-4.3
内径 D=4cm の円管がある.その層流・乱流の流れの分類
について,以下の問いに答えよ.ただし,水の動粘性係数ν
(ニュー)=1.0×10-6m2/s=1.0×10-2cm2/s とせよ.
(1) 流量 Q=50cm3/s のときの流れは層流か乱流か?
(2) 流量 Q=0.2l/s のときの流れは層流か乱流か?
①
-dh/dt=v1
管を流れる流量 Q と,その流速 v2 を求めよ.
問題4−4 流れの分類(層流・乱流)
D2=2m
①
(1) v1=2m/s,v2=1m/s,時の,流量 Q1∼Q3 および,流速 v3
タンクの水位低下と流量(おふろ問題)
v2
v1
Q1
D1=4m, D2=2m, D3=1m として,以下の問いに答えよ.
問題4−3
③
内径 D1=4m
ら③の断面において,流量 Q1∼Q3,内径 D1∼D3,平均流
Q3
v3
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
問題4−5
連続式
内径 D1=0.3m
(1本の管路の流れ)
図-4.4 のような,流管に流れている水の流量を Q とする.
内径 D2=0.1m
v1
断面①および断面②での平均流速と内径は,それぞれ,
v2
Q
v1, D1 および v2, D2 とする.
②
Q
①
D1=0.3m, D2=0.1m として,以下の問いに答えよ.
(1) 流量 Q=50l/s の時の流速 v1 および v2 を求めよ.
(2) 入り口の流速 v1=2.0m/s のときの流量 Q および断面
図-4.4
②の流速 v2 を求めよ.
D1=2m
Q1
問題4−6
連続式(分岐水路の流れ)
③
v1
内径 D3=8m
図-4.5 のように合流している水路がある.図の様に,①
v3
から③の断面において,流量 Q1∼Q3,内径 D1∼D3,平
①
均流速 v1∼v3 とそれぞれ定義する.
D1=2m, D2=4m, D3=8m とし, v1=2m/s,v2=1m/s の時の,
流量 Q1∼Q3 および,流速 v3 を求めよ.
Q3
②
v2
Q2
D2=4m
図-4.5
問題4−7
タンクの水位低下・上昇と流量
図-4.6 のように,面積 A1=20m2 のタンク①から,面積
面積 A1=20m2
面積 A2=4m2
A1=4m2 のタンク②へ,内径 D3=0.2m の管を通じて流れて
いる.以下の問いに答えよ.
-dh/dt=v1
(1) タンク①の水位低下速度-dh/dt=v1 が 0.01m/s のとき,
v2
管を流れる流量 Q と,管の流速 v3 を求めよ.
(2) (1)において,下流タンク②の水位上昇速度 v2 を求
Q
めよ.
内径 D3=0.2m
問題4−8 流れの分類(層流・乱流)
内径 D=1cm の円管がある.その層流・乱流の流れの分
類について,以下の問いに答えよ.ただし,水の動粘性
係数ν(ニュー)=1.0×10-6m2/s=1.0×10-2cm2/s とせよ.
(1) 流量 Q=50cm3/s のときの流れは層流か乱流か?
(2) 限界レイノルズ数となるとき,つまり層流と乱流の限
界となるときの,流量 Q を求めよ.(ヒント:Re=2000
のときの平均流速 v を求める)
図-4.6
水理学 1 問題集(5) ベルヌイの式(損失なし)
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
問題5−1
問題5−2
ベルヌイの式の基礎
今,断面積 A=0.1m2 の管に水が流れている.
ベルヌイの定理(損失無し)について以下に答えよ.
(1) 損失のない場合のベルヌイの定理では,流れに沿っ
が,同じとなる.
たどの2点の間で,
(2) 全水頭(全エネルギー)は3つの水頭から構成される.
以下の問いに答えよ.
(1) 流量 Q=5l/s の時の,速度水頭を求めよ.
(2) 速度水頭が 5cm=0.05m の時の速度と流
の次元を持ち,高さとして表され,
各水頭は
,
それぞれ
量を求めよ.
および
,
と呼ぶ.このうち,
たものは,
速度水頭と流速および流量
をあわせ
水頭とよび,管に垂直に取り
問題5−3
タンクから管路への流出
教科書 p.66,例題 4・1 を,解け.
付けたマノメータ(チューブ)に現れる水位と同じであ
る.
問題5−4
と
(3) 速度水頭は,その地点の流速 v を用いて,
タンクから管路への流出
教科書 p.67,例題 4・2 を,解け.
表される.(本講義では(速)と書くこととする.)
と
(4) 圧力水頭は,ある地点の圧力 p を用いて,
表される.(本講義では(圧)と書くこととする.)
タンクから管路への流出
教科書 p.75,問題 3 を解け.
から流線(管の中心)ま
(5) 位置水頭は,
での高さ z*として表される.(本講義では(位)と書く.)
(6) 流れのない貯水槽(タンク)の水面では,流速が
なので速度水頭は
問題5−5
であり,また圧力も
問題5−6
ベルヌイの式(損失なし)
図-5.1 について,以下の問いに答えよ.但し,
エネルギー損失は考えない.
なので,位置水頭しか残らない.つまり,タ
(1) エネルギー損失がない場合,タンクか
ンク水面では,その全水頭 E は,その水面である.ま
ら管にかけて,どこでも全水頭は一定で
た,タンク内部では静水圧であるから,∆h だけ深くな
ある.全水頭 E はいくらか?
ると,圧力水頭は
だけ上昇する.つまりピエゾ
(2) 管内の流速と流量はいくらか?
水頭(=(位)+(圧))と全水頭はタンクの中でどこも
(3) 地点 B での圧力水頭はいくらか?
同じで,タンクの水位に一致する.
(4) 地点 B での圧力はいくらか?(単位付き)
(7) 大気中に放出される管の出口では,圧力水頭は
となる.そこでの全水頭は,位置水頭(管の高さ)と速
(4) 図-5.1 を描き,全水頭線,動水勾配線
(ピエゾ水頭の線)を描け.
度水頭の合計となる.
(8) 管路の問題では,(1)入口側・出口側の境界条件から,
流量が未知ならば流速から流量が,既知ならば境界
Q
点A
v
タンク
C(大気)
での水頭や水位がすべてわかり,全水頭もわかる.
A'
(2)管路の途中のある点での圧力水頭を求めるには,
流量と断面積から速度水頭を求め,次式から求める.
圧力水頭=全水頭ー(
水頭+
これにρg をかければ圧力が求められる.
水頭)
4m
B
zB=2m
内径
D=0.1m
zC=3m
基準面
図-5.1
問題5−7
オリフィス(ベルヌイ)
図-5.2 のような,タンクとオリフィスがある.このオリフィスか
らの流量を求めよ.但し,流量係数 C=0.6 とする.
問題5−9
ベルヌイの式の基礎(損失な
し,鉛直管)
前問図-5.3 でおなじく,D=0.1m, l=2m,y=1
において,水位 h が不明で流量がわかってい
る.以下の問いに答えよ.タンク内の速度水頭
点A
タンク
と損失は無視してよい.
内径
D=0.1m
(1)' 流量 Q=0.15m3/s,の時,管内流速および
流量係数
C=0.6
点B
3m
v
Q 大気
zB=1m
基準面
タンク水深 h を求めよ.(ヒント:まず連続式
から点 B の流速を求め,点 A と B の間で
ベルヌイ式をたて,h を求めよ)
(2)' (1)の時の C'点,C 点,および E 点の圧力
水頭および圧力を求めよ.
図-5.2
問題5−10
問題5−8
ベルヌイの式の基礎(損失なし,鉛直管)
ベルヌイの式の基礎
教科書 p.75,問題 2 を解け.
図-5.3 のようなタンクと鉛直な管がつながって水が流れて
いる.D=0.1m, l=2m,y=1m として,以下の問いに答えよ.
タンク内の速度水頭と損失は無視してよい.
問題5−11
ベルヌイの式の基礎
図-5.4 の様に,管の断面①および②にそれ
(1)h=1m の時,管内流速および流量を求めよ.(ヒント:
ぞれマノメータが付いている.各断面の内径は,
(2) (1)の時の C'点,C 点,および E 点の圧力水頭および圧
D1=0.2m および D2=0.1m で,z1=3m,z2=2m で
ある.
力を求めよ.
①における,管中心からのマノメータ水位
h1=2m,流量 Q=0.01m3/s の時について,断面
②におけるマノメータの管中心からの水位 h2 と,
両断面の流速 v1,v2 を,それぞれ求めよ. 但
しエネルギー損失は考えない.
図-5.3
図-5.4
水理学演習
問題集(6)
ベルヌイの式(損失なし
その2)
水の密度ρ=1000kg/m ,重力加速度 g=9.8m/s ,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.
3
問題5−12
2
ベルヌイの式の基礎
問題5−14
図-5.5 のように,タンクから断面積 A=0.01m2 の管に水が
ベルヌイの式(損失なし)
図-5.7 の様に,管の断面①および②にそれ
流れている.エネルギー損失を無視し,次の問いに答えよ.
ぞれマノメータが付いている.各断面の内径は,
(1)B 点の管からのマノメータの水位 h が 1m の時,管の流速
D1=0.4m および D2=0.2m であり,管の基準面
からの高さは z1=4m,z2=2m である.
および流量はいくらか?
(2) 流量 Q=0.02m3/s の時,h はいくらか?
断面②でのマノメータの水位 h2=2m で,流量
Q=0.04m3/s の時,全水頭 E はいくらか,また,
断面①でのマノメータの水位 h1 と流速 v1 を求
点A
めよ. 但しエネルギー損失は考えない.
タンク
断面積
A=0.01m2
h
v
A'
B
Q
HA=4m
基準面
zB=1m
図-5.7
図-5.5
問題5−13
ベルヌイの式の基礎(損失なし)
図-5.5 について,以下の問いに答えよ.但し,エネルギー
類題5−15
ベンチュリーメータ
図-5.8 の様な,水銀(比重 s=13.6)を用いた
ベンチュリーメータがある.
損失は考えない.
(1) エネルギー損失がない場合,タンクから管にかけて,
どこでも全水頭は一定である.全水頭 E はいくらか?
(1)流量と H'の関係を求めよ.(補正係数は考
えなくて良い.まず,側圧管の方法により①
(2) 管内の流速と流量はいくらか?
および②での圧力と H'の関係を,ベルヌイ
(3) 地点 B での圧力水頭はいくらか?
の定理から圧力差と流量の関係を求めよ)
(4) 地点 B での圧力はいくらか?(単位付き)
(4) 図-5.6 を描き,全水頭線,動水勾配線(ピエゾ水頭
(2) D1=0.3m,D2=0.15m,H'=0.1m の時の流量
Q を求めよ.
の線)を描け.
Q
点A
v
タンク
A'
5m
C(大気)
B
zB=1m
内径
D=0.2m
基準面
zC=3m
図-5.6
図-5.8
類題5−16
分岐管(損失なし)
問題5−19
テンターゲート(ベルヌイ)
図-5.9 のような,水平面上に配置された分岐管があり,分
図-5.12 のような,奥行き B=10m のテンターゲ
岐後すぐに大気中に放流されている.いま,135l/s の流
ー ト が あ る . い ま , H1=2.6m , H2=2.2m ,
量が流れているとすると,各管の流量および主管 A の
H=(H1+H2)/2 であるとき,このゲートからの流量
圧力はいくらか?
を求めよ.小型オリフィス公式を用いるものとし,
流量係数 C=0.6 とする.
(ヒント:断面積は長方形,出口流速はベルヌイ
式から求める)
図-5.9
類題5−17
ピトー管
図-5.10 のような,ピトー管がある.H=0.02m のとき,流速 v
図-5.12
はいくらか? 補正係数 C=1.0 とせよ.
問題5−20
分岐管(損失なし)
図-5.13 のような分岐管で,上流側の断面 A,
下流側の顔面 B,C の諸量について,表のよう
にわかっているとき,断面 B の圧力はいくら
か? エネルギー損失はないものとする.
(ヒント:A から全水頭 E を求め,ベルヌイ式から
図-5.10
vc を求め,連続式から v B を求め,最後に
pB/ρg を求める.
問題5−18
ベンチュリーメータ(損失なし)
図-5.11 の様な,水銀(比重 s=13.6)を用いたベンチュリー
メータがある.
D1=0.3m,D2=0.15m,H'=0.05m の時の流量 Q を求めよ.
公式を用いて良い.また,流量係数 C=1.0 とせよ.
図-5.11
図-5.13
水理学演習
問題集(7)
ベルヌイの式(管路,損失あり,管径一定)
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.(出
口損失はいつも fo=1である)
問題7−1
図-7.1 のような,2つのタンク A および G につながれ
た,管径一定の管路がある.
摩擦損失係数 f=0.02,
管径 D=1.2m,全長 l=100m
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.5,
バルブ(弁)の損失係数 fv=0.1,
曲がり(屈折)損失係数をそれぞれの fb=0.18,
および
図-7.1
流出(出口)損失係数 fo=1,
とする.タンク A の水位 HA=15m の時,以下の問いに
答えよ.
(1)流量 2.5m3/s の水を送るには,タンク G の水位 HG を
基準面からいくらにとればよいか?
(2)タンク A,タンク G の間の水位差 H=2m のときに管
を流れる流量 Q を求めよ.
(3) (2)において,管路の全長のうちの中間点 K が点 C
と点 F の間にあり,その基準面からの高さは zK=5m
であった.この点 C での圧力水頭はいくらか?また
その圧力 pK をkPa で表せ.
問題7−2
図-7.2 のような,摩擦損失だけの管路がある.以下の
管の諸量
問いに答えよ. (曲がりと流入損失(入口損失)は無視
内径 D=0.1m
すること)
f=0.01,l=l1+l2,
C
(1) 管内の速度水頭を H と L を用いて表せ.次に流量
H
l1
l1=l2=20m
l2
も表せ.管の諸量は数値を代入せよ.
zC=H/4
(2) C 点での圧力水頭を H と L で表せ.管の諸量は数
値を代入せよ.
(3)
A
H=12m,L=2m の時の,速度水頭,管内流速,流
量,C 点での圧力水頭および圧力を数値で求め
よ.
(4) いま,出口の高さ L を変更できるものとし,C 点で
の圧力が負とならないときの L の条件を求めよ.
図-7.2
B
L
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする. (出
口損失はいつも fo=1である)
問題7−3
図-7.3 の様な,管径一定の管路がある.タンク A の水
位 HA=10m,管径 D=1.0m,管の全長は 200m である.
摩擦損失係数 f=0.02,流入損失係数(入り口損失係数)
fe=0.5,バルブ(弁)の損失係数 fv=0.1 および流出(出
口)損失に配慮し,曲がり(屈折)の損失を無視し,以下
の問いに答えよ.
図-7.3
(1)タンク A,タンク G の間の水位差 H=2m のときに管を
流れる流量 Q を求めよ.
(2) (1)において,管路の全長のうちの中間点 K が点 C と点 F の間にあり,その基準面からの高さは zK=2m であ
った.この点での圧力水頭はいくらか?また,その圧力 pK をkPa で表せ.
(3) (1)とは別に,流量 Q=1.0m3/s の水を送るには,基準面からのタンク G の水位 HG をいくらにとればよいか?
問題7−4
管の諸量
Q
図-7.4 のような,単純な管路がある.摩擦損失係数お
よび流出(出口)損失にのみ配慮し,流量 Q または
水位差 H が未知であるとして、以下の問いに答え
局所損失:
内径 D=0.1m
出口損失係数ζ0=1,
f=0.01,l=l1+l2,
その他局所損失は無視
l1=l2=20m
H
C
l1
よ.
(1) タンク間で損失水頭を含むベルヌイ式を立て,(a)
l2
基準面
zC
管内の速度水頭と流量を,記号を用いて表せ.次に,
(b)諸量の数値を代入し,速度水頭が H に比例する
B
A
図-7.4
事を確認せよ.
(2) いま,zC が予め与えられ、H だけが変更できるものとする。C 点での圧力が負とならないとき(つまりゼロの
時)の H と zC の関係を示せ.なお(1)(b)の結果を利用すること.(ヒント:まず,C 点での圧力水頭を H と zc で
表せ.)
(3) H=10m,zC=2m の時の,管内流量 Q と,C 点での圧力(単位 kPa)を数値で求めよ.
問題7−5
図-7.5 のようなタンクと管路がある.以下の問いに答えよ.
(1)この管路を流れる流量を示せ.ただし,損失は摩擦損失と
出口損失のみを考え,出口損失係数 ζ0=1,摩擦損失係
数を f とする.管の内径は D とし,l1,l2 は管の長さを表し,
l1
H2+H
l2
A
B
fl1/D=1,fl2/D=2 であるとする.
(2)C 点での全水頭線,ピエゾ水頭,圧力水頭を式で表せ.ま
た H= 3.0m,L=2.0m の時の C 点での圧力の値を求めよ.
C
基準面
H2
zc =H2+L
図-7.5
(3)A 側のタンクの水位 H を自由に変えられる場合, C 点での圧力が負圧(大気圧未満)にならないための,
H の条件を求めよ.
水理学演習
問題集(8)
ベルヌイの式(管路,損失あり,管径変化・大気開放)
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする.(出
口損失はいつも fo=1である)
問題8−1
図-8.1 のような,管路がある.
摩擦損失係数 f1= f2=0.03,
管径 D1=0.3m,D2=0.15m,
管長 l1=10m,l2=10m,
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.25,
曲がり(屈折)損失係数を fb=0.25,
急縮損失係数 fsc=0.36,
バルブ損失係数 fsc=0.14,
出口損失 fo=1,
点 B∼F の基準面からの高さ zB=zF=3m,タンク A の
基準面からの水位 HA を 7m とする.
とする.以下の問いに答えよ.
(1)タンク A と B の水位差 H=2m のときに管を流れる
流量 Q と,管 1 および 2 でのそれぞれの速度水頭
v12/2g および v22/2g を求めよ.
(2) (1)において,点 C の右側(急縮後,点 C+)での圧
力水頭はいくらか?またその圧力 pC をkPa で表
せ.
図-8.1
水の密度ρ=1000kg/m3,重力加速度 g=9.8m/s2,水の単位体積重量γ=ρg=9800N/m3=9.8kN/m3 とする. (出
口損失はいつも fo=1である)
問題8−2
図-8.2 のように,タンク A から,タンク B に接続された
管がある.各諸元は,
摩擦損失係数 f1= f2=0.03,
管径 D1=0.3m,D2=0.15m,
管長 l1=17m,l2=8m,
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.25,
曲がり(屈折)損失係数を 2 箇所それぞれ fb=0.1,
図-8.2
急縮損失係数 fsc=0.36,
点 B および F の基準面からの高さ zB=zF=3m
とする.ただし,タンク B への出口損失は fo=1である.以
下の問いに答えよ.
(1)出口を基準面にとり,タンク A の水位 HA=8m,
HB=4m のときに管を流れる流量 Q,管 1 および 2 で
のそれぞれの速度水頭 v12/2g と v22/2g を求めよ.
(2) (1)において,点 F の右側(急縮後,点 F+)での圧力
水頭はいくらか?またその圧力 pF をkPa で表せ.
問題8−3
図-8.3 のように,タンク A から,大気に開放された管
がある.各諸元は,問題8−1と同じである.
摩擦損失係数 f1= f2=0.03,
管径 D1=0.3m,D2=0.15m,
管長 l1=17m,l2=8m,
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.25,
曲がり(屈折)損失係数を 2 箇所それぞれ fb=0.1,
急縮損失係数 fsc=0.36,
点 B および F の基準面からの高さ zB=zF=3m
とする.当然出口損失はない.以下の問いに答えよ.
(1)出口を基準面にとり,タンク A の水位 HA=8m のとき
に管を流れる流量 Q および速度度水頭 v12/2g と
v22/2g を求めよ.
(2) (1)において,点 F の右側(急縮後,点 F+)での圧力
水頭はいくらか?またその圧力 pF をkPa で表せ.
図-8.3
水理学演習
問題集(9)
開水路の流れ(常流・射流の分類,Manning 則)
重力加速度 g=9.8m/s2 とする.
問題9−1
常流と射流(フルード数 Fr)
図-9.1 のように,幅 B=1.2m の矩形(長方形)断面の水路
に,流量 Q=1.0m3/s が流れている.以下の問いに答えよ.
(1) 水深 H=0.8m のとき,流れが常流か射流かを判断せよ.
また,水面形は上流・下流のどちら向きに決まるか?
(2) (1)の時比エネルギー(河床を基準面とした全水頭)は
いくらか?(ヒント:水面での全水頭でよい.)
(3) この流量の限界水深 Hc と限界流速 vc を求めよ.
(限界状態 Fr=1 のときの水深と流速を求める.)
図-9.1
(4) (3)の時の比エネルギーは,限界水深の何倍か?
問題9−2
等流と抵抗則(Manning 則)
図-9.2 のように,一様な長方形断面の水路を,一定の水
深 H=0.8m で流れている.底面の幅 B=1.2m,水路の勾配
ib=1/1000 で,底面・壁面の粗度係数は n=0.015 である.こ
のときの,平均流速 v と,流量 Q を求めよ.
図-9.2
問題9−3
等流と抵抗則(Manning 則)
図 -9.3 の よ う に , 左 右 壁 面 の 勾 配 が 1 : 2 , 底 面 の 幅
b=1.7m,底面・壁面の粗度係数 n=0.025 の,一様な台形断
面の水路を,水深 H=3.5m,水面勾配 I=1/2000 で流れてい
る.このときの,平均流速 v と,流量 Q を求めよ.(「斜面の勾
配 1:2」とは,鉛直1に対し,水平2の割合の傾きである.)
図-9.3
問題9−4 複断面水路の流量計算(Manning 則)
図-9.4 のような,一様な複断面水路の流量を求めよ.ただ
し,水面勾配 I=1/1600,粗度係数は,高水敷(左側の高い
部 分 ) で は n1=0.035 , 低 水 路 ( 右 側 の 低 い 部 分 ) で は
n2=0.020,とする.(ヒント:高水敷と低水路に分け,それぞ
れでの流速・流量を Manning 則から求め,流量を合計す
る.)
図-9.4
問題9−5
常流と射流(フルード数 Fr)
図 -9.5 の よ う に , 幅 B=5.0m の 矩 形 断 面 水 路 に , 流 量
Q=10.0m3/s が流れている.以下の問いに答えよ.
Hc?,vc?
(1) 水深 H=1.0m のとき,流れが常流か射流かを判断せよ.
また,水面形は上流・下流のどちら向きに決まるか?
H
Q,v
(2) (1)の時,比エネルギーはいくらか?
(3) この流量の限界水深 Hc と限界流速 vc を求めよ.
B
(4) (3)の時の比エネルギーは,限界水深の何倍か?
図-9.5
問題9−6
等流と抵抗則(Manning 則)
図-9.6 のように,一様な長方形断面の水路を,一定の水深で水
が流れている.底面の幅 B=5.0m,水面勾配 I=1/1600 で,底面・
H
Q
壁面の粗度係数は n=0.015,水深 H=2.0m である.このときの,
平均流速 v と,流量 Q を求めよ.
B
図-9.6
問題9−7
等流と抵抗則(Manning 則)
図-9.7 のように,左右壁面が 45°に傾いた,底面の幅 b=4.0m,
粗度係数 n=0.020 の一様な台形断面水路を,水深 H=2.0m,水
H
45 °
面勾配 I=1/900 で流れている.このときの,平均流速 v と,流量 Q
を求めよ.
b
図-9.7
問題9−8 複断面水路の流量計算(Manning 則)
b1=200m
b2=300m
b3=200m
図-9.8 のような,一様な複断面水路の流量を求めよ.
ただし,水面勾配 I=1/1700 であり,粗度係数は,高水敷(左右
の高い部分)では n1=n3=0.035,低水路(真ん中の低い部分)で
は n2=0.020,とする.
H1=1.0m
n1=0.035
H3=1.0m
H2=6.0m
n2=0.020
図-9.8
n3=0.035
水理学1・まとめと問題例集
番号:
学年:
2007/07
氏名:
重力加速度 g=9.8m/s2,水の密度をρ=1000kg/m3 と
位置 sG,図形の面積 A および図形の重心まわ
する.以下の問いに答えよ.千倍を表す k「キロ」を用
りの二次モーメント I0 用いて,次式で表される.
いて良い.単位はすべて SI 単位系で答えよ.
問題1
密度・単位体積重量・比重
(1)密度ρとは,
(4)曲面に作用する全水圧 P の大きさは,水平成
あたりの流体の
であ
あた
(5)曲面作用の静水圧の水平成分 P x は,作用面を
である.
に投影した図形に作用する全水圧
(2)ある流体 A の比重が s である.比重とは,その流体
の
が,水の
と
して求められる.
る.また,単位体積重量γ=ρg とは,
りの流体の
分 Px と鉛直成分 Py を求め,P=
の何倍であるかという
を求めればよい.このとき,図形の面積は,投
影した図形の面積 Ax を用いること.
(6)曲面作用の静水圧の水平成分 P y は,作用面と
比を表している.そこで,水の密度をρとし,水の単
水面を延長した平面とで挟まれてできる水柱
位体積重量をγ=ρg とすると,
の水の
を求めればよく,それ
は,
流体 A の密度ρΑは記号で
と表され,s=0.9
とすると,数値では
となる.
流体 A の単位体積重量密度γΑは記号で
表され,数値では
をかけれ
ば求められる.
(7)円柱形の曲面に作用する全水圧は,かならず
と
その
点に作用する.P x の作用点は,上
記(3)と同じ方法で求められるから,P y の作用
となる.
(2)ある流体 A の密度ρΑが 13500kg/m3 である.この流
.
体 A の比重はいくらか?
.にこの水柱の
点の位置は,P x と P y の
点まわりの力学
モーメントの合計がゼロ(つりあう)ことを利用し
て求められる.
またその時の,流体 A の単位体積重量は数値では
問題3 ベルヌイの定理(損失無し)
.
いくらか?
(1)損失のない場合のベルヌイの定理では,流れ
(3) 水銀(液体)の比重は s=13.6 である.水銀の密度
とρHg,単位体積重量γHg を求めよ.
.
が,
に沿ったどの2点の間で,
同じとなる.
(2)全水頭(全エネルギー)は3つの水頭から構成さ
の次元を持ち,高さ
れる.各水頭は
問題2
静水圧
水面からの深さに比例してその位置の水圧(圧
力)が高くなっていく,圧力分布を指す.ある地点
での水面からの鉛直高さを h とすると,そこでの水
圧 p は記号でどう表されるか? p=
pG=
に,図形の
の高さでの水圧
,
ち,
をあわせたものは,
水
頭とよび,管に垂直に取り付けたマノメータ(チ
(3)速度水頭は,そこでの流速 v を用いて
と表される.
をかけて表せる.
(3)平面図形に作用する全水圧の作用点の,平面上
の水面との交点 O からの位置 sC は,
と呼ぶ.このう
および
ューブ)に現れる水位と同じである.
(2)水没したある平面図形に作用する全水圧の大きさ
P は,その図形の
,
として表され,それぞれ
(1)静水圧分布とは,動いていない流体中において,
の
(4)圧力水頭は,そこでの圧力 p を用いて
と表される.
(5)位置水頭は,
から流線(管の中
心)までの高さ z*として表される.
問題5 その他(ベルヌイ関係)
(6)流れのない貯水槽(タンク)の水面では,流速が
なので速度水頭は
であり,また圧力も
(1) タンクの水深 h の側面に断面積 a の穴がある.
このような流出部を通常
とよぶ.こ
なので,位置水頭しか残らない.つまり,
の出口では,正確には断面積 a から Cc の割合
タンク水面では,その全水頭 E は,その水面であ
(縮流係数)で縮流して大気圧となるが,この
る.また,タンク内部では静水圧であるから,∆h だ
断面を「ベナコントラクタ」と呼ぶ.ベルヌイの式
だけ上昇する.つ
はこの断面とタンク水面の間で立てる.その結
け深くなると,圧力水頭は
まりピエゾ水頭(=(位)+(圧))と全水頭はタンク
果,ベナコントラクタでの流速 v は,v=
の中でどこも同じで,タンクの水位に一致する.
として得られるが,この公式を
(7) 大気中に放出される管の出口では,圧力水頭は
となる.そこでの全水頭は,位置水頭(管の
高さ)と速度水頭の合計となる.
の定
理と呼ぶ.
(2) 管路の比較的高い部分では,圧力が大気圧
を大きく下回る「負圧」となることがある.このと
(8) 管路の問題では,(1)入口側・出口側の境界条件か
き,水に溶けていた気体が突沸することがあり,
ら,流量が未知ならば流速から流量が,既知ならば
これを
と呼ぶ.大きな体
境界での水頭や水位がすべてわかり,全水頭もわか
積変化と衝撃を伴うため,管路に損傷を与える
る.(2)管路の途中のある点での圧力水頭を求める
ことから,この現象を避けるため,管路ではなる
には,流量と断面積から速度水頭を求め,次式から
べく負圧を生じないよう設計する必要がある.
(3) ベンチュリーメータは,
求める.
水頭+
圧力水頭=全水頭-(
水頭)
これにρg をかければ圧力が求められる.
用して,
の定理を利
を計る装置である.
(4) ピトー管は,
の定理を利用し,流
れの任意の地点での
を計る,便利な
装置である.
問題4 ベルヌイの定理(損失あり)
(1) 摩擦損失について,摩擦損失係数 f,管の直径
D,損失区間長 l および速度水頭 v2/2g を用いて,
問題6 抵抗則,Re 数,Fr 数
摩 擦 損 失 水 頭 hf は ど の よ う に 表 さ れ る か ?
(1) 摩擦損失と流速との関係を表すには,摩擦損
(Darcy-Weisbach 式)
失係数を利用した Darcy-Weisbach 式の他に,
Manning 則がある.式でかくと,
(2)摩擦損失係数が一定と見なせるのはどういう条件
か2つ挙げよ.(この状態を完全粗面乱流と呼ぶ)
となる.ここに,R は
を
(3)形状損失,例えば,曲がり損失について,曲がりの
であり,
A
S で割ったものである.S は,断面
において,水と壁面の接する長さである.
損失係数を fb とし,および速度水頭 v /2g を用い
(2) 乱流と層流は,流体の粘性を尺度として流れ
て,曲がり部での損失水頭 hb はどのように表され
の速さを分類したものであるが,これを分類す
るか?
る無次元量として,
2
.
(4) 出口損失係数は,通常いくらか?
数があ
.
(5) 急拡損失係数は,なんという理論から導き出され
るか?
と
.
り,これは約
は,式で書くと,Re=
である.
数
であり,v
は流速,D は直径,ν:動粘性係数である.円
管でない場合は,水理径深 R を用いて D=4R とす
θ =60°
る.本講義の殆どの内容では,乱流を前提として
Hc
いる.
(3) 開水路では,流れの分類として,
流と
sc
全水圧 P
流が
ある.その分類に最も用いられるのが
O
数
s1=3m
C
Fr である.その定義は,流速 v,水深hを用いて,
G
C
次式で表される.
H=6m
B=2m
図-2
(3)(長方形,水面まであるパターン)
同じ流量で比べると,
流では,Fr>1 となり,浅く速い流れであり,
流では,Fr<1 となり,深く緩やかである.
図-3 における,長方形板に作用する,全水圧 P と,
作用線の位置 sC および,HC を求めよ.
θ =30°
後者は,上流に波が伝わる.
Hc
問題7 平面に作用する静水圧
sc
(1)(一般図形=三角形の例)
C
図-1における,三角形の板に作用する,全水圧 P の
大きさと,作用線の位置 sC および,HC を求めよ. ただ
B=2m
ーメントは, I G = BH 36 であることを利用せよ.
H=6m
3
θ =30°
図-3
O
全水圧 P
問題8 曲面に作用する静水圧
sc
s1=4m
C
B=3m
G
C
し,底辺 B,高さ H の三角形の重心周りの断面2次モ
Hc
O
全水圧 P
(1)(テンターゲート,下向き作用)
図-4 のような,奥行き b=10m,半径 R=6m,中心角
θ=60°のテンターゲートに作用する,全水圧 P の大
きさと,その分圧 Px,Pz,作用線の角度αを求めよ.
C G
H=4m
図-1
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
A
hc
r=6m
全水圧 P
(2)(長方形,水没パターン)
Pz
α
図-2 における,長方形板に作用する,全水圧 P の大
きさと,作用線の位置 sC および,HC を求めよ.ただし,
hc'
Px
O
B
幅 B,高さ H の長方形の重心周りの断面2次モーメント
は, I G = BH 3 12 であることを利用してよい.
奥行き b=10m
xc
図-4
(2)(テンターゲート,上向き作用)
図-5 のような,奥行き b=10m,半径 R=4m,中心
角 θ=60°のテンターゲートに作用する,全水圧 P
の大きさとその分圧 Px,Pz,および作用線の角度α
を求めよ.
また,その作用位置 hc'および xc を求め
点A
よ.
A
タンク
奥行き b=10m
H1=4m
内径
D=0.1m
流量係数
C=0.6
点B
hc
3m
xc
C
v
O
θ =60°
Px
α
hc' 全水圧 P
Q 大気
zB=1m
基準面
r=4m
Pz
B
図-7
図-5
(3)(ローリングゲート,半円)
図-6 のような,奥行き b=5m,直径 4m(半径 R=2m)
のローリングゲートに作用する,全水圧 P の大きさと,
その分圧 Px,Pz,作用線の角度αを求めよ.
また,その作用位置 hc'および xc を求めよ.
(ヒント:Pz は, AC 面には下向き作用,BC 面には上
向き作用する.この差が Pz.その結果,半円 ACB の内
部の重量が浮力として作用することがわかる.)
問題10 管路(損失あり,両端タンク)
図-8 のような,2つのタンク A および G につながれ
た,管径一定の管路がある.
摩擦損失係数 f=0.02,
管径 D=1.2m,全長 l=100m
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.5,
バルブ(弁)の損失係数 fv=0.1,
曲がり(屈折)損失係数をそれぞれの fb=0.18,
および
奥行き b=5m
A
流出(出口)損失係数 fo=1,
とする.タンク A の水位 HA=15m の時,以下の問い
に答えよ.
hc
h c'
(1)タンク A,タンク G の間の水位差 H=2m のときに
C
O
(2) (1)において,管路の全長のうちの中間点 K が
Px
α
全水圧 P
管を流れる流量 Q を求めよ.
D=4m
(r=2m)
B
Pz
xc
図-6
点 C と点 F の間にあり,その基準面からの高さ
は zK=5m であった.この点 C での圧力水頭はい
くらか?またその圧力 pK をkPa で表せ.
(3)流量 2.5m3/s の水を送るには,タンク G の水位
HG を基準面からいくらにとればよいか?
問題9
オリフィス(ベルヌイ)
図-7 のような,タンクとオリフィスがある.このオリフィス
からの流量を求めよ.但し,流量係数 C=0.6 とす
る.
図-8
問題11
開放管(損失あり)
図-9 のような,摩擦損失だけの管路がある.以下の問
いに答えよ. (曲がりと流入損失(入口損失)は無視す
ること)
(1) 管内の速度水頭を H と L などを用いて表せ.
(2) 管の流量 Q を記号で表せ.
図-10
(3) C 点での圧力水頭を記号で表せ.
(4)
H=12m,L=2m の時の,速度水頭,管内流速,流
量 Q,C 点での圧力水頭および圧力 pC を数値で
求めよ.
問題13
(5) いま,出口の高さ L を変更できるものとし,C 点で
の圧力が負とならないときの L の条件を求めよ.
C
l1
管がある.各諸元は,問題8−1と同じである.
摩擦損失係数 f1= f2=0.03,
管の諸量
H
図-11 のように,タンク A から,大気に開放された
内径 D=0.1m
管径 D1=0.3m,D2=0.15m,
f=0.01,l=l1+l2,
管長 l1=17m,l2=8m,
l1=l2=20m
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.25,
曲がり(屈折)損失係数 2 箇所それぞれ fb=0.1,
l2
急縮損失係数 fsc=0.36,
zC=H/4
B
L
A
点 B および F の基準面からの高さ zB=zF=3m
とする.当然出口損失はない.以下の問いに答え
図-9
よ.
(1)出口を基準面にとり,タンク A の水位 HA=8m の
問題12
図-10 のように,タンク A から,タンク B に接続された
管がある.各諸元は,
ときに管を流れる流量 Q および速度度水頭
v12/2g と v22/2g を求めよ.
(2) (1)において,点 F の右側(急縮後,点 F+)での
摩擦損失係数 f1= f2=0.03,
圧力水頭はいくらか?またその圧力 pF をkPa で
管径 D1=0.3m,D2=0.15m,
表せ.
管長 l1=17m,l2=8m,
流入損失係数(入り口損失係数)fe=0.25,
曲がり(屈折)損失係数を 2 箇所それぞれ fb=0.1,
急縮損失係数 fsc=0.36,
点 B および F の基準面からの高さ zB=zF=3m
とする.ただし,タンク B への出口損失は fo=1である.
以下の問いに答えよ.
(1)出口を基準面にとり,タンク A の水位 HA=8m,
HB=4m のときに管を流れる流量 Q,管 1 および 2
でのそれぞれの速度水頭 v12/2g と v22/2g を求めよ.
(2) (1)において,点 F の右側(急縮後,点 F+)での圧
力水頭はいくらか?またその圧力 pF をkPa で表せ.
図-11
問題14 流れの分類(層流・乱流)
内径 D=1cm の円管がある.その層流・乱流の流れの
分類について,以下の問いに答えよ.ただし,水の動
粘性係数ν(ニュー)=1.0×10-6m2/s=1.0×10-2cm2/s と
せよ.
(1) 流量 Q=50cm3/s のときの流れは層流か乱流か?
(2) 限界レイノルズ数となるとき,つまり層流と乱流の
限界となるときの,流量 Q を求めよ.(ヒント:
Re=2000 のときの平均流速 v を求める)
問題15
常流と射流(フルード数 Fr)
図-12 のように,幅 B=1.2m の矩形(長方形)断面の水
路 に , 流 量 Q=1.0m3/s が 流 れ て い る . 水 深
H=0.8m のとき,流れが常流か射流かを判断せよ.
か?
図-12
問題16 等流と抵抗則(Manning 則)
図-13 のように,一様な長方形断面の水路を,一定の
水深で水が流れている.底面の幅 B=5.0m,水面勾配
I=1/1600 で,底面・壁面の粗度係数は n=0.015,水深
H=2.0m である.このときの,平均流速 v と,流量 Q を
求めよ.
H
Q
B
図-13
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