小児フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)

様式 11
疫学研究・臨床研究に関する情報の公開
研究課題名
H25-63
小児フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性
白 血 病 (Ph+ALL) に 対 す る チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤
併用化学療法の第Ⅱ相臨床試験
所属科
血液腫瘍科
研究責任者
金子 隆
研究期間
2013/12~2017/9
研究概要
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)は、ABL
と BCR という遺伝子が融合し、異常な蛋白質を生じる。それが造血幹
細胞を無制限に増殖させ白血病の原因となる。現在の治療法では小児の
白血病全体として、約 8 割が長期に生存されるようになった。しかし
ながら急性リンパ性白血病(ALL)の約 4-5%にみられる Ph+ALL は最も
予後不良な白血病の一つで、チロシンキナーゼ阻害剤という新しいお薬が併用
されるようになるまでは、同種造血幹細胞移植を行っても長期生存は 4
割程度だった。
近年イマチニブという BCR-ABL 融合遺伝子産物を特異的に阻害するチロシン
キナーゼ阻害活性を持った経口の分子標的薬剤が開発され、Ph+ALL に対
する治療成績は向上してきた。またダサチニブという、イマチニブと比較し、
325 倍の BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害活性を持ち、イマチニブが到達しにく
い中枢神経病変を有する患者さんに対しても効果が期待できる薬が開
発され、小児治療抵抗性 Ph+ALL 患者さんにおいて、治療効果向上へ
の貢献を期待されている。予後良好が見込まれる患者さんに対しては短
期的にも長期的にも合併症が多いとされる同種造血幹細胞移植を行わ
ずイマチニブまたはダサチニブ併用化学療法を続け、その有効性と安全性を確
認します。
倫理的配慮・個人情報 正常細胞(生殖細胞系列)の遺伝子変異は対象としないので、ヒトゲノ
の保護 の方法につ い ム・遺伝子解析研究に該当する内容は含まないが、ヒトゲノム・遺伝子
研究指針の趣旨に従って研究を実施する。
て
また、本試験に関係する全ての研究者は、ヘルシンキ宣言(2008 年
10 月ソウル総会で修正、日本医師会:
http://www.med.or.jp/wma/helsinki08_j.html)、臨床研究に関する
倫理指針(平成 20 年厚生労働省告示第 415 号)(厚生労働省:
http://www.mhlw.go.jp/general/
seido/kousei/i-kenkyu/)に従
って本試験を実施する。
研究の問い合わせ先
小児総合医療センター内研究責任者:金子 隆
東京都立小児総合医療センター 血液腫瘍科
〒183-8561 東京都府中市武蔵台 2-8-29
TEL 042-300-5111
結果の公表について
研究登録終了後、治療中の患者が全て治療を終了後、学会医に報告。
利益相反について
なし