第71号 栗東 平成27年7月発行 発行:栗東市少年センター 〒520-3015 栗東市安養寺3丁目1番1号 栗東市学習支援センター内 電話:077-551-0141 草津警察署長 大橋 慎一 現在、少子化の時代を迎え、少年の非行は減少しつつあります。現実に草津警察署管内におきましても、 窃盗や暴行などの刑法犯で検挙補導された少年は前年よりも減少しています。その反面、非行少年の低年 齢化が進み、検挙補導した少年が再び非行に走るといった現象が生まれています。また、少年が被害者と なる、児童虐待や、携帯電話を利用した児童買春事案などの犯罪が増えているのも事実です。 この背景には、少年自身の規範意識の低下やコミュニケーション能力の不足もあるでしょうが、少年と 家庭や地域の絆が希薄となり、最終的には少年を放任するといった結果になっているのではないでしょう か。また、そのことが要因となって、少年自身の居場所がなくなり、孤立してしまうといった現状がある と思います。 私が子どもの父親になったとき、子どもが非行に走らないように必要以上に躾を厳しくしたことを今で も覚えています。また、携帯電話などなく、それが却って家族の絆を強くしていたのではないかと思いま す。まさか携帯電話やインターネットの普及がここまで進むとは夢にも思っていませんでした。ところが 今やスマートフォンなどの携帯電話は、子どもであっても一人一台が当たり前の世の中になってしまいま した。そして、この環境に慣れた子どもたちが次の世代を担っていくのです。そこで重要なことは、青少 年を非行に走らせない、また犯罪の被害者とならないようにすることです。それが我々大人の責任だと思 います。 そのためには、ときには厳しく、ときには暖かい目で青少年を見守り、ときには手を差し伸べていくこ とが必要ではないかと思います。 警察としましても、非行や不良行為を行う少年に対して健全育成の精神に根ざした活動を強化しており ますが、警察の力には限界があります。少年非行を入口で食い止め、再非行に陥らせないためには、地域 の皆様方や教育・福祉の関係機関とも連携を強化していく必要があると考えております。今後とも皆様の ご支援、ご協力を賜わりますようよろしくお願い申しあげる次第であります。 滋賀県では7月を「青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間」と定め、 「地域の力で子どもを守り・はぐ くむ」を重点テーマに「インターネット上の非行・被害防止対策の推進」 「万引きを抑止する対策の推進」 「いじめ暴力行為等の問題行動への対応」を重 ◇実施期間 点施策に掲げて青少年の非行・被害防止に向けて活動を実施し ・7月1日から7月31日までの間 ます。栗東市少年センターは、草津警察署、栗東市教育委員会、 ◇県内統一行事 栗東市内小・中・高等学校等の関係機関や栗東市少年補導委員 ・7月 1日 県内一斉街頭キャンペーン日 会をはじめ青少年育成にかかわる各種ボランティア団体と連携 ・7月 17 日 県内一斉補導活動日 し、街頭啓発活動や地域実情に応じた補導・巡回活動を展開し ・7月24日 県内一斉巡回活動日 ますので皆さんのご協力をお願いします。 強調月間中の少年センターの主な取組み 7月実施の「青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間」において、少年センターでは 次の取組みをします。 ◇ 有害環境浄化活動の推進 (有害図書等取扱店[コンビ二等販売店およびレンタル店]へ学校関係者と立入調査を 実施します。) ◇ 万引き等非行防止対策の推進 (草津警察署・少年補導委員会と小中学校での非行防止教室を実施します。また、学 校、少年補導委員会等、各関係機関・団体と合同で街頭啓発活動を実施します。) ◇ いじめ・暴力行為等の問題行動への対応 (草津警察署・学校等関係機関との連携により、いじめ等の早期対応に努めます。) ◇ 薬物乱用防止対策の推進 (「ダメ。ゼッタイ」普及運動「覚せい剤・シンナー乱用防止強化運動」中の広報啓発 活動を実施します。) ◇ 関係機関と地域社会が一体となった補導・相談活動の推進 (少年補導委員会野洲川花火大会特別パトロールや保護司会等関係機関・団体との合 同パトロールを実施します。) 「覚せい剤・シンナー乱用防止強化運動」 滋賀県「ダメ。ゼッタイ。」普及運動 (6月20日~7月19日) 毎月20日は「栗東市防犯デー」 栗東市民全体の防犯意識向上を図るために 市民総ぐるみの運動として、毎月20日は 「栗東市防犯デー」と定めることになりまし た。出動式には、けいたくん、くりちゃんも 参加して「栗東市防犯デー」のアピールを実 施しました。 スマートフォン。「 SNS時代における家庭のルール」づくりは? 万引きは窃盗罪 小中学校のスマートフォン所持が 増加し、それにともないインターネ ット利用時間が長くなってきており、 様々なトラブルに巻き込まれる危険 性が増加しています。また、一方でスマートフォン、SNSの実情において は、親よりも子どもの方が詳しい場合が多く、家庭におけるルールづくりに ついては、 「親としての視点」が必要です。 その上で、危険を回避、犯罪を防止するためには、保護者自身が新しい端 末やサービスに関心をもち、親子における会話を通じて、家庭内におけるル ールを作っていく必要があるのではないかと考えられます。 「子どもに、絶対、万引きをさせない」という教 育が大切です。 どんな誘惑にも負けず乗り越えるこ とができる強い心を育てるのは大人の責任です。 ● 欲しい物があっても我慢できる強い心を育ててい きましょう。 ● 日頃から、子どもの持ち物に気を配りましょう。 ● 見慣れない持ち物を見つけたら、さりげなく、会 話の中で聞いてみましょう。 ● いつ、だれと、どんな遊びをしているのかを、知 っておきましょう。 ● 登下校中の行動や友達付き合い、小遣いの使い道 などに関心を持ちましょう。 ● 親子でよく話をしましょう。 栗東市少年補導委員会は、去る5月23日(土曜日)に栗東市役所で、平成27年 度定例総会および第1回研修会を開催しました。総会において、今年2月に永眠さ れました蜂谷和男さんに少年補導委員として、非行防止と健全育成の諸活動にご尽 力していただきました功労を称え、栗東市教育委員会教育長ならびに草津警察署長 から感謝状が贈られました。議事は、前年度事業結果報告、今年度事業計画案等が 審議承認されました。総会に引き続き、本年度第1回研修会(薬物乱用防止講演) を開催し、講師の草津警察署生活安全課長 加藤寛之 氏から「小中学校における効 果的な薬物乱用防止教室の実践」について拝聴し、盛大のうちに終了しました。 表彰受賞 おめでとうございます
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