1 平成 26 年度 琉球大学2次試験前期日程 (数学問題) 理・工・医・農・教育学部 平成 26 年 2 月 25 日 • 理・工・医・教育 [数学] 学部は, 1 ∼ 4 数 I・II・III・A・B・C (120 分) • 農・教育 (学校教育 [教育実践学・技術・特別支援],生涯教育 [自然環境科学]) 学部は, 5 , 6 数 I・II・A・B (60 分) 1 次の問いに答えよ. Z π 4 (1) 定積分 x cos 2x dx を求めよ. 0 (2) AB = AC = 1 である二等辺三角形 ABC において,BC = 2x,内接円の 半径を r とおく. (i) r を x を用いて表せ. (ii) r が最大となる x の値を求めよ (最大値そのものは求める必要はない). à ! a b 2 a,b,c,d は a + d = 0,ad − bc = 1 をみたす実数とし,A = , c d à ! 1 0 E= とする.次の問いに答えよ. 0 1 (1) A2 = −E を示せ. (2) p,q は実数で p2 + q 2 6= 0 をみたすとする.実数 x,y に対して (pA + qE)(xA + yE) = E が成り立つとき,x,y を p,q で表せ. (3) θ を実数とする.すべての正の整数 n に対して {(cos θ)E + (sin θ)A}n = (cos nθ)E + (sin nθ)A が成り立つことを,数学的帰納法を用いて証明せよ.ここで,(sin θ)A は 行列 A の sin θ 倍を表す. 2 3 整数 m,n は m = 1,n = 2 をみたすとする.次の問いに答えよ. (1) x > 0 のとき,y = log x の第 1 次導関数 y 0 と第 2 次導関数 y 00 を求めよ. 答えを記すのみでよい. (2) 座標平面上の 3 点 A(m, log m),B(m + 1, log(m + 1)) を頂点とする三 角形の面積を Sm とする.Sm を m を用いて表せ.答えを記すのみでよい. Z m+1 (3) f (m) = log m + Sm − log x dx とおく.f (m) < 0 が成り立つことを, m y = log x のグラフを用いて説明せよ. (4) f (1) + f (2) + · · · + f (n − 1) < 0 であることを用いて,不等式 log 1 + log 2 + · · · + log(n − 1) < n log n − n + 1 − 1 log n 2 を証明せよ. √ ³ n ´n (5) 不等式 n! < e n を証明せよ.ただし,e は自然数の底である. e 4 1 個のさいころを繰り返し投げて景品を当てるゲームを行う.景品は A と B の 2 種類があり,次の規則にしたがって景品をもらえるとする. ・ 出た目の数が 6 のときは,景品 A をもらえる. ・ 出た目の数が 4,5 のときは,景品 B をもらえる. ・ 出た目の数が 1,2,3 のときは,景品はもらえない. ・ 景品 A と景品 B の 2 種類とももらえることができたらゲームは終了する. ちょうど n 回さいころを投げ終わったところでゲームが終了する確率を pn と する.次の問いに答えよ. (1) p2 の値を求めよ. (2) n を 2 以上の整数とする.pn を n を用いて表せ. (3) n を 2 以上の整数とする.不等式 2 pn+1 − pn < (pn − pn−1 ) 3 を示せ.ただし,p1 = 0 とする. 3 5 4ABC において,辺 AB を 2 : 1 に内分する点を D,辺 AC を 3 : 1 に内分する 点を E とし,線分 CD,BE の交点を P とする.次の問いに答えよ. −→ −→ −→ (1) AP を,AB と AC を用いて表せ. √ (2) AB = 3,AC = 4,AP = 7 のとき,∠BAC の大きさを求めよ. 6 a,b を実数とし,放物線 y = x(x − a) を C とする.次の問いに答えよ. (1) C 上の点 (t, t(t − a)) における C の接線の方程式を求めよ. (2) 点 (b, 0) から C に,相異なる 2 本の接線が引けるとする.このとき,a,b がみたす不等式を求め,その不等式が表す領域を,ab 平面上に図示せよ. (3) C と x 軸が囲む部分の面積を S(a) とする.関数 y = S(a) (−2 5 a 5 2) のグラフをかけ. 4 正解 Z 1 π 4 (1) · x cos 2x dx = 0 1 1 x sin 2x + cos 2x 2 4 ¸ π4 = 0 π 8 − 1 4 1 (2) (i) s = (1 + 1 + 2x) = 1 + x とおくと,ヘロンの公式により 2 p 4ABC = s(s − 1)(s − 1)(s − 2x) p p = (1 + x)x·x(1 − x) = x (1 + x)(1 − x) 4ABC = rs に上の諸式を代入すると x p r (1 + x)(1 − x) = r(1 + x) よって r = x 1−x 1+x (ii) (i) の結果から,f (x) = r2 とおくと (0 < x < 1) f (x) = x2 (1 − x) 2 = −x2 + 2x − 2 + 1+x x+1 2 2x(x2 + x − 1) = − (x +√1)2 (x + 1)2 −1 ± 5 f 0 (x) = 0 とすると x = 0, 2 したがって,0 < x < 1 における f (x) の増減表は次のようになる. ゆえに f 0 (x) = −2x + 2 − x 0 f (x) f (x) (0) · · · + % √ −1+ 5 2 0 最大 f (x) が最大となるとき,r は最大となる. √ −1 + 5 よって,求める x の値は x = 2 ··· − & (1) 5 à 2 (1) A = a b c d ! をハミルトン・ケリーの定理に適用すると A2 − (a + d)A + (ad − bc)E = O これに a + d = 0,ad − bc = 1 を代入すると A2 + E = O よって A2 = −E (2) (pA + qE)(xA + yE) = E より pxA2 + (qx + py)A + qyE = E A2 = −E より (qx + py)A = (px − qy + 1)E · · · (∗) qx + py 6= 0 のとき,実数 k を用いて,A = kE とおくと A2 = k 2 E これは,A2 = −E に反するので,qx + py = 0 となり,(∗) より à !à ! à ! p −q x −1 px − qy = −1, qx + py = 0 すなわち = q p y 0 à p2 +q 2 6= 0 より よって x=− x y ! 1 = 2 p + q2 p p2 + (3) この等式を (∗) とする. q2 , y= à p q −q p !à −1 0 ! 1 = 2 p + q2 à q p2 + q2 i) n = 1 のとき,明らかに (∗) が成り立つ. ii) n = k のとき {(cos θ)E + (sin θ)A}k = (cos kθ)E + (sin kθ)A が成り立つと仮定すると,A2 = −E に注意して {(cos θ)E + (sin θ)A}k+1 ={(cos kθ)E + (sin kθ)A}{(cos θ)E + (sin θ)A} =(cos kθ cos θ − sin kθ sin θ)E + (sin kθ cos θ + cos kθ sin θ)A ={cos(k + 1)θ}E + {sin(k + 1)θ}A したがって,n = k + 1 のときも (∗) が成り立つ. i),ii) から,すべての自然数 n について (∗) が成り立つ. −p q ! 6 3 (1) y 0 = 1 x ,y 00 = − 1 y x2 (2) (右図により) Sm = 1 2 C log(m+1) log m O {log(m + 1) − log m} A B A0 B0 m m+1 x (3) 右の図のように,2 点 A,B から x 軸にそれぞれ垂線 AA0 ,BB0 を引くと, 台形 AA0 B0 C の面積が log m + Sm であるから,グラフから Z m+1 log m + Sm < log x dx Z ゆえに m m+1 log x dx < 0 log m + Sm − m f (m) < 0 よって (4) (2) の結果から n−1 X Sm = m=1 n−1 X 1 log n 2 f (m) < 0 であるから,上式および (3) の結果から m=1 n−1 µ X Z ¶ m+1 log m + Sm − log x dx <0 m m=1 n−1 X Z n 1 log m + log n − log x dx < 0 2 1 m=1 · ¸n n−1 X 1 − log n log m < x log −x 2 1 m=1 よって log 1 + log 2 + · · · + log(n − 1) < n log n − n + 1 − 1 log n 2 (5) (4) の結果から log 1 + log 2 + · · · + log(n − 1) + log n < 1 + ゆえに したがって log n! < log e + log √ n + log √ ³ n ´n log n! < log e n e 1 log n + n(log n − 1) 2 ³ n ´n e よって √ ³ n ´n n! < e n e 7 4 (1) ちょうど 2 回さいころを投げてゲームが終了するのは,1 回目,2 回目に それぞれ景品 A,景品 B をもらう場合と,1 回目,2 回目にそれぞれ景品 B,景品 A をもらう場合であるから 1 1 2 2 1 p2 = × + × = 6 6 6 6 9 (2) ちょうど n 回さいころを投げてゲームが終了するのは,次の i),ii) である. i) n − 1 回までの少なくとも 1 回景品 A をもらい,n 回目で初めて景品 B をもらう場合. (µ ¶ (µ ¶ µ ¶n−1 ) µ ¶n−1 ) n−1 n−1 2 3 1 2 1 4 − × = − 6 6 6 3 3 2 ii) n − 1 回までの少なくとも 1 回景品 B をもらい,n 回目で初めて景品 A をもらう場合. (µ ¶ (µ ¶ µ ¶n−1 ) µ ¶n−1 ) n−1 n−1 5 3 5 1 1 1 − × = − 6 6 6 6 6 2 (µ ¶ (µ ¶ µ ¶n−1 ) µ ¶n−1 ) n−1 n−1 2 1 5 1 1 1 i),ii) より pn = − + − 3 3 2 6 6 2 µ ¶ µ ¶ µ ¶n 1 2 n`1 1 5 n`1 1 = + − 3 3 6 6 2 ( µ ¶ µ ¶ µ ¶n−1 ) n−2 n−2 1 1 2 1 5 (3) (2) より pn−1 − pn = + − 3 3 6 6 2 ( µ ¶ µ ¶n−1 µ ¶n ) n−1 1 1 2 1 5 − + − 3 3 6 6 2 µ ¶n−2 µ ¶n−2 µ ¶n 1 2 1 5 1 = + − 9 3 36 6 2 2 したがって (pn − pn+1 ) − (pn−1 − pn ) 3 ( µ ¶ µ ¶n−1 µ ¶n+1 ) n−1 1 2 1 5 1 = + − 9 3 36 6 2 ( µ ¶ µ ¶n−2 µ ¶n ) n−2 2 1 2 1 5 1 − + − 3 9 3 36 6 2 µ ¶n−2 µ ¶n 1 1 1 5 + >0 = 216 6 6 2 2 2 ゆえに pn − pn+1 > (pn−1 − pn ) よって pn+1 − pn < (pn − pn−1 ) 3 3 8 5 −→ −→ −→ (1) AP = xAB + y AC とおく. −→ 3 −→ −→ −→ 3 −→ AB = AD であるから AP = xAD+y AC 2 2 点 P は直線 CD 上にあるから 3 x+y =1 2 −→ 4 −→ −→ −→ 4 −→ AC = AE であるから AP = xAB + y AE 3 3 点 P は直線 BE 上にあるから よって 3 2 D 1 ···° 1 4 x + y = 1 ···° 2 3 1 1 ° 1 ,° 2 を解いて x = ,y = 3 2 A E P B 1 C −→ 1 −→ 1 −→ AP = AB + AC 3 2 別解 4ACD と直線 BE について,メネラウスの定理を適用すると AE CP DB · · = 1 ゆえに EC PD BA 3 CP 1 × × =1 1 PD 3 CP = PD となり,P は線分 CD の中点であるから −→ 1 −→ −→ AP = (AC + AD) 2 −→ 2 −→ これに AD = AB を代入すると 3 ¶ µ −→ 1 −→ 2 −→ 1 −→ 1 −→ AC + AB = AB + AC AP = 2 3 3 2 (2) (1) の結果から −→ 1 −→ 1 −→ −→ 1 −→ |AP|2 = |AB|2 + AB·AC + |AC|2 9 3 4 √ −→ −→ −→ これに |AP| = 7,|AB| = 3,|AC| = 4 を代入すると √ −→ −→ 1 1 −→ −→ 1 ( 7 )2 = ·32 + AB·AC + ·42 ゆえに AB·AC = 6 9 3 4 −→ −→ 1 6 AB·AC = よって ∠BAC = 60‹ したがって cos ∠BAC = −→ −→ = 3·4 2 |AB||AC| 9 6 (1) y = x(x − a) = x2 − ax を微分すると y 0 = 2x − a したがって,C 上の点 (t, t(t − a)) における接線の方程式は y − t(t − a) = (2t − a)(x − t) すなわち y = (2t − a)x − t2 (2) (1) で求めた接線が点 (b, 0) を通るとき 0 = (2t − a)b − t2 t2 − 2bt + ab = 0 整理すると このとき,上の t に関する 2 次方程式が異なる 2 つの実数解をもつので D/4 = (−b)2 − 1·ab > 0 ゆえに b(b − a) > 0 ( ( b>0 b<0 したがって または b−a>0 b−a<0 よって,求める領域は下の図の斜線部分.ただし,境界線を含まない. b b=a a O (3) C と x 軸が囲む部分の面積 S(a) は i) −2 5 a < 0 のとき µ ¶ Z 0 1 1 S(a) = − x(x − a) dx = − − (0 − a)3 = − a6 6 6 a ii) 0 5 a 5 2 のとき Z a S(a) = − 0 µ 1 x(x − a) dx = − − 6 ¶ 1 (a − 0)3 = a6 6 i),ii) より,S(a) および y = S(a) のグラフは,次のようになる 1 y − a3 (−2 5 a < 0) 6 4 S(a) = 3 1 a3 (0 5 a 5 2) 6 O −2 2 a
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