先進教育推進室 女子高生を対象にものづくり教育

先進教育推進室
女子高生を対象に
高齢者に使いやすいカップを設計
先進教育推進室が実施している「女子高校生を対象と
したものづくり教育」講座が5月20日(火)、石川県立工
業高校デザイン科の演習室で実施された。このプロジェ
クトは女性エンジニア育成支援を目的に平成21年から毎
年実施されており、中学生・高校生・高専生を対象とし
た特色ある教育プログラムとなっている。今回は昨年8
月5日から10日まで実施されたインターンシップ講座の
内、前半で実施されたデザインプロジェクトの最終ステ
ージに当たる。
この講座では「高齢者に使いやすいカップを設計する」
をテーマに、
①高齢者体験スーツで体の動きを疑似体験する、及び
高齢者施設で高齢者の方々との交流を通して身の振
る舞いを観察する。
②持ちやすいカップについて話し合い、アイデア創出
活動を実施する。
設計したカップは洗いやすいか検証する女子高生
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③プロトタイプを製作する。
ため高齢者擬似体験スーツ着用や高齢者との交流を実施
④高齢者スーツを着用し製作したプロトタイプの検
している。更に生徒がプロトタイプとデザイン補足説明
証・改善を繰り返す。
⑤最終的なプロトタイプを完成させデザイン補足説明
シート作成する。
といった一連の設計過程を体験する。
シートを用いて「カップを実際に陶器にできる技術を持
つ人」に自分の設計案を伝えるという点も重視している。
CDIO ア プ ロ ー チ の 観 点 で い う と Conceive- DesignImplementのステージまでを体験させていることになる。
この講座では生徒に対して、本当に使いやすいカップ
今回の訪問授業は高専・竹俣一也教授によって、生徒
について潜んでいるニーズを掘り起こさせている。その
が自ら設計したカップが考えたとおりのカップに仕上が
っているかを検証してもらった。カップの主機能は「飲
み物を入れることができる」、付帯機能は「洗いやすい・
持ちやすい・飲みやすい」であることを説明し、8人の
女子高校生に再び高齢者体験スーツを着用させ、自ら設
計したカップの付帯機能について検証させた。カップは
今回も陶芸家の武田朋己氏によって陶器として仕上げら
れている。
生徒へのアンケート調査において「あなたのカップは
あなたが考えていた『付帯機能及び解決策』を満足して
いますか?」に対して6人から満足しているという回答
を得た。2人はあまり満足していないと回答し、改善す
べき点を挙げている。また、全員が陶器になったカップ
についてコメントしており、その内容から生徒らは、も
のづくりは教わるものでなく、試行錯誤の過程から学ぶ
設計したカップは飲みやすいかを検証する女子高生
ものであるのに気づいたことが示唆される。