ソキアレポート 2010 春季号

2010 春季号
Vol.21 No.1
USER REPORT
ターフの専門家集団が
グリーンを緻密に読み取る
ニホンターフメンテナンス株式会社 様
WORLD REPORT ∼最先端で活躍する『NET05』∼
公害のない新しいエネルギー開発に貢献
フィンランド/ダイバータ試験施設
難易度の高いトンネル・モニタリングに採用
イギリス/「新・タイン川横断トンネル」プロジェクト
EVENT REVIEW
第2回 SOKKIAサービス技能コンテスト
全国に100余名のSOKKIA製品のスペシャリスト
「セールス・パートナー」
SOKKIA TECHNOLOGY
CHAPTER1「角度の測定」∼究極の精度に向けて∼
長年にわたるシステム研究の成果がここに
NEW PRODUCT NEWS
GNSS受信機
SeriesGRX1
他
ゴルフ場のアンジュレーションを
SOKKIA『SRX』が読み取る
計測作業の高効率化を実現 。
図化によりプレゼンテーションに活用 。
ニホンターフメンテナンス株式会社 様
ゴルフの発祥は、スコットランドの羊飼い達が小石を
棒で転がして穴に入れていた、 単純な遊びが始まりとさ
れているが、近代ゴルフの面白さは、 コースやグリーンを
いかに読み取るかにかかる。 一打一打に一喜一憂する
プレーヤーと観客 。 ゴルフは自然、 そしてコース設計 ・
管理者とプレーヤーとの知恵と技術の戦いである。
今回ソキアレポートが訪れたのは、 関東のゴルフ場を
中心に管理・改修を行っているニホンターフメンテナンス
ニホンターフメンテナンス株式会社 様
〒240-0006 神奈川県横浜市保土ヶ谷区星川3-20-5
TEL.045-348-8008 FAX.045-348-7227
http://www.nihonturf.co.jp
様である。 主に改 修 工 事 に伴う測 量 にSOK K I Aの
『SRX 』を活用されている。
公共測量でもなく、 構造物のための計測でもない、
ゴルフ場の測量 。 その難しさやご苦労をお聞きした。
撮影協力:厚木国際カントリー倶楽部 http://www.akkgolf.com/
01
たそうです﹂。
川井 敬介 様
改修工事を
従来TSと比較して精度・効率が倍に
大澤 康弘 様
管 理 部 、ゴルフ 場 の 新 設
ろんのこと、作業効率も格段に上がった、
くなり始めた頃で、導入後、精度はもち
だ っ たようです 。土 木 部 の 仕 事 が 忙 し
﹁そ れ ま で は、平 板 測 量 で し た か ら、
精 度 はそこそこで、時 間 も 労 力 も 大 変
ものである 。
噌 な が ら、う れ し い 評 価 を い た だ い た
SOKKIA の、長 年 に 渡 る 信 頼 が
行 う 土 木 部 などから 構 成 されている 。
耳 に 届 い て い た の だ ろ う か? 手 前 味
﹁ゴルフ 場 の 芝 生 の 管 理 は、従 来、
ゴルフ 場 自 体 が 行 っ て お り、当 社 の よ
いわば、
ターフ
︵ 芝生︶
の専門企業である。
横 浜 駅 から 電 車 を 乗 り 換 えて 数
分 。ニホンターフメンテナンス様の本社
うに 専 門 特 化 した 企 業 は、全 国 でも
名門
東 を 中 心 に 東 海、東 北 の ゴルフ 場 の 管
改 修 を 手 がけており、有 名
プロテストで 長 く 使 わ れ て い た﹁伊 豆
ゴルフをや っ たことがある 方 ならわ
か る だ ろ う が、ゴルフコ ー スは 高 低 差
に 富 んだ 設 計 にな っ ている 。とりわけ
グリ ー ン 上 はアンジ ュ レ ー シ ョ ンと 呼
ば れ る 微 妙 な 起 伏 が い く つ も あ り、こ
れらがプレーを面白くしている 。
大 胆 なドライバ ー シ ョ ッ トと 繊 細 な
タ ッ チのパ ッ ト 。体 力 だけではいい 成
績 を 上 げ ら れ な い の が ゴルフで あ る 。
そんな 繊 細 なアンジ ュ レ ー シ ョ ンを
数値化して読み取 ろうとする川井主任
ら土木部 。 年前に自動追尾 ・ 自動視
準 TS﹃SRX﹄
をご購入いただいた 。
﹁実際の計測は、見通しのきく任意の
基 準 点 を 決 めて、そこから 周 辺 の 位 置
と高さ︵ XYZ 座標︶を計測していきま
す 。たとえば、グリ ー ンの 場 合、その 大
小にもよりますが、計測点は500点か
ニホンターフメンテナンス株式会社
土木部 主任
全国屈指のターフ専門家集団 ││
”SOKKIA
“ 指名で測量機をご購入
ビルは、神 奈 川 県 初 の スポ ー ツ 公 園 で
社 ほ ど あ る か な い か で し ょ う 。関
∼
に立っている 。
理
コースも少なくありません﹂と、土木部
と聞いています﹂と、川井主任は先輩ら
の川井主任が事業を語る 。
く、その環境をうらやましく感じた 。
て、
﹁厚木国際カントリー倶楽部﹂
﹁横 浜
経 験 が 要 求 される 。同 社 の 技 術 力 の 高
の 入 社 前 なので 詳 細 はわかりません
自動追尾の﹃SRX﹄は 年前から
折 々 に 草 木 が 彩 りを 添 えてくれる 。
ニホンターフメンテナンス様は、1984
年に芝生の製造販売を業務として創業 。
カントリ ー クラブ﹂
﹁桜 ヶ 丘 カントリ ー
同 社 は、ゴルフ 場 の コ ー ス 管 理︵グ
リーンキーパー︶を行う管理部 。その他
さは、数 々 の 名 門 コ ー スを 管 理 するこ
SOKKIAのトータルステーション
︵以 下、T S︶ご 購 入 は 年 ほど 前 。
﹁私
が川井主任ら土木部である 。
要 にな っ てくる 。そこで 出 番 となるの
が 悪 くな っ たりと、コ ー スの 改 修 が 必
た 芝 生 が 荒 れ た り、バンカ ー の 水 は け
のスポーツ施設や公園などの芝生の管
グリーンキーパーの仕事は専門知識と
一 口 に 芝 生 と 言 っ て も、 種 類 以
上 あ る 。そ れ ぞ れ に 特 性 が 違 う た め、
コースが列挙される 。
下 田 カントリ ー クラブ﹂を は じ め と し
現 在 は、主 に ゴルフ 場 を は じ め と し た
クラブ﹂な ど、ゴルフファン 馴 染 み の
施工を行っている 。また、最
近では、屋上や小学校のグラウンド緑化
生の管理
サッカーなどのスポーツ施設、公園の芝
イチ ョ ウ の 黄 色 が 青 空 に 映 え て 美 し
の苦労と英断を思いはかっていた 。
3
ゴルフ 日 本 シリ ー ズの 開 催 会 場 であ
取 材 に 訪 れ た 晩 秋 は 、紅 葉 の 見 頃 で 、
る﹁東 京 よ み う り カントリ ー クラブ﹂、
公 園 に は、ラグビ ー 場、サ ッ カ ー 場、
野球場、テニスコートなどがあり、四季
・
が、聞いた話では、当時の担当者が迷う
2
ら 1000点 に も 及 び ま す 。グリ ー ン
ニホンターフメンテナンス株式会社
土木部 CAD オペレーター
・
ある 県 立 保 土 ヶ 谷 公 園 に 隣 接 するよう
10
と か ら も わ か る が、そ れ で も 年 月 を 経
などにも取り組んでいる 。
10
名門コースを管理する
ターフのパイオニア。
いいモノは取り入れる──
進取の精神からSOKKIAの
自動追尾TSを購入。
グリーンと周辺で
500∼1000点を計測。
『SRX』で精度、作業効率が
倍になり、より緻密な
データ収集が可能になった。
4
・
ことなく SOKKIA の T S を 指 定 し
02
5
2
・
コンサルテ ィ ングも 手 がける 事 業
理
・
は 直 線 がほとんどなく、高 低 差 も
∼
業界最速の自動視準を誇る﹃SRX ﹄
草木が多い場所は、どうしてもロストが
の茂みに囲まれている特殊な環境です 。
﹁自動追尾の機能を使えば、 人でも
作業は可能ですが、ゴルフ場は樹木や草
ズンオフ間近の晩秋から冬季になる 。
測 量 作 業 の 多 くはその 数 ヶ 月 前 。シ ー
ゴルフ場の改修工事は、春のシーズン
開 幕 に 向 け て 行 わ れ る 。し た が っ て、
めざすのはユーザーニーズをカタチに
多くなります 。SOKKIAの自動追尾
言 う ま で も な く、ゴルフ 場 は 吹 き さ
らしであり、雨の中、雪の中の計測作業
い慣れた印象であった 。
テムの 操 作 も スム ー ズで、い か に も 使
め計測を進めていく 。
﹃ SRX ﹄と シス
川 井 主 任 と 大 澤 さ ん は 、絶 妙 の コン
ビネ ー シ ョ ン で 次 々 に ポイント を 決
タル地形測量システム︶
﹄
で構成される 。
︵デジ
﹃ Field Sketch PRO
プ リ ズ ム の﹃ A T P 1 ﹄と ペ ン コ ン
現場のシステムは、自動追尾 ・ 自動視
準 TS﹃SRX ﹄
、プリズム側には360
°
部の大澤さんである 。
主 任 とともに 作 業 に 当 た っ ている 土 木
実 際 の 計 測 の 難 しさを 語 るのは、川 井
緻密にとっていく必要があります﹂と、
の 大 きい 場 所 はより 細 かく、計 測 点 を
2m も あ り ま す 。アンジ ュ レ ー シ ョ ン
1
側 がプリズムに 合 わせるやり 方 で 計 測
いので、作業は2人1組で、確実なTS
の﹃SRX﹄
ががんばっている 。
川井主任・大澤さん、
そしてSOKKIA
も少なくないという 。厳しい環境の中、
て、時間が半分になり、精度も倍になり
データ収集に貢献しています﹂。もとも
り 多 くの 点 が 計 測 可 能 になり、緻 密 な
集 め た い の で、早 朝 か ら 日 没 ま で 計 測
を 行 っ ています 。より 多 くのデ ー タを
中 と い う 大 澤 さ ん だ が、システムの 使
い勝手には十分満足しているという 。
シ ー ズンオフ と は い え、プレ ー す る
お 客 様 が 皆 無 というわけではない。
しています﹂と、川井主任 。
1
と は CAD が 専 門 で、測 量 は ま だ 勉 強
ま し た 。作 業 効 率 が ア ッ プし た 分、よ
﹁大きな現場では、泊まり込みの時も
あ り ま す が、通 常 は 日 が か り で 測 量
しています。﹃SRX﹄
を使うようになっ
は復旧も早いのですが、測点が細かく多
1
03
ボ ー ルが 飛 ん で く る 中、プレ ー の 合 間
を縫って計測することもある 。
より早い作業をしたいという川井主
任。
﹁不便さを感じるほどではないので
測 量 業 界 はこれまでデ ー タを 集 める
のが主な仕事であったが、GIS
︵地理情
報システム︶などの登場により、現在は、
データをいかに活用し、どのようなカタ
チで見せるかという時代になっている 。
株式会社 京浜商会 様 〒213-0023 神奈川県川崎市高津区子母口757 TEL.044-766-8854 FAX.044-766-8804 http://w w w.keihin-jp.com
た と え ば、ドライバ ー の 目 で 街 並 み を
“ が人気に
見 る”Goog le ™マ ッ プ
なっている 。ならば、測量業が多くの労
力 と 時 間 を 費 や し て 集 積 し た デ ー タの
活 用 は ? 支 援 するソフトウェアは? 実
現する計測機器は?・・・ユーザーが求
め る モノ、時 代 に 求 め ら れ る モノ ││
SOKKIA が め ざ す の は、常 に 一 歩
● どの方向から見ても視準中心のズレを最小に抑える、SOKKIA 独自の設計
す が、
﹃ S R X ﹄が プリズムを 見 失 っ て
情報提供をお待ちしています﹂と、新し
い技術に意欲を見せる 。
ターフのパイオニアを自負する同社 。
年 前 には 芝 生 の 研 究 室 を 配 置 する
先をゆく機器・システム・情報である 。
● 6 個のプリズムで構成され 360°
プリズム
キ ャ ンセル 状 態 に な っ た 場 合、私 の 気
の 焦 り か、も っ と 早 く 視 準 が で き な い
かと思うことがあります﹂と、厳しいご
意見があった 。
﹁他社製品に比べても、SOKKIA
の自動追尾・自動視順は圧倒的な
早 さ を 誇 っ て い ま す が、今 後 参 考 に
な ど、進 取 の 精 神 が 息 づ い て い る 。
さ せ て い た だ き た い と 思 い ま す﹂と、
ソキア 販 売 東 京 営 業 所 の 斉 藤 所 長 。
SOKKIAの自動追尾 TS 導入に際し
ATP1
ユ ー ザ ー の 声 を モノ づ く り に 活 か す
360°
プリズム
ても﹁いいモノはどんどん取り入れろ﹂と
を搭載。ライセンス不要で
● Bluetooth ® 無線技術(クラス1)
フルワイヤレスなリモートコントロール観測システムを構築可能
││ 当社の機器 ・システム開発の姿勢
● アブソリュート・エンコーダーをさらにリファインした新しい測角システム
● 従来からのシリアルはもちろん、CF カード、USB、
SFXダイアルアップ機能など多彩なインターフェースを搭載
いう会社の判断があったからだという 。
● 測距精度にこだわった RED-tech EX 搭載
は変わることはない 。
● 自動追尾機能に「リモートキャッチャー」
をプラスし、
「完全なリモートコントロール」
を実現
取材は初めてという、SOKKIAの
パ ー トナ ー 販 売 店 である︵株︶京 浜 商 会
福島 寛 様
の 福 島 営 業 部 長 は﹁通 常 の 営 業 活 動 で
は、こ こ ま で の お 話 を な か な か 伺 う ま
で 行 きません 。よい 機 会 を 持 たせてい
た だ き ま し た 。営 業 は モノを 売 る だ け
でなく、周 辺 にあ る 情 報 を 提 供 す る こ
とで 製 品 の 付 加 価 値 を 高 め、次 の 営 業
Sketch PRO
ま た、﹃ Field
︵デジタル 地 形 測 量 システム︶﹄を 利 用
し、出 力 した 図 面 を 取 り 出 して、
﹁収 集
てより 有 益 な 情 報 のご 提 供、ご 提 案 に
様 の 声 に 耳 を 傾 け、メ ー カ ー と 協 力 し
に つ な げ る こ と が で き る 。今 後 も お 客
斉藤 篤史
したデ ー タをもとにコンタ ー︵等 高 線︶
の 入 っ た 図 面 を 作 成 し、ゴルフ 場 の 施
主様に現況説明や改修工事のプレゼン
SRX
3
努めていきたい﹂と 締 めくくった 。
トータルステーション
観測結果から、詳細な図面と改修プランを作成し、
施主にプレゼンテーションを。さらに 3D画像、3D
動画の作成にも意欲を見せる。
株式会社 京浜商会
営業部 部長 テ ー シ ョ ンを 行 っ ています 。これでも
十 分 な 説 明 は で き る の で す が、3D 画
像 さらには 3D 動 画 なら、も っ と 効 果
的 で、よ り 説 得 力 の あ る プレゼンテ ー
ションができると考えています 。ソキア
や 販 売 代 理 店 か ら の ソフト の 提 案 や
04
株式会社 ソキア販売
東京営業所 所長 公害のない新しいエネルギー開発のために
『NET05』
が貢献
世界的規模で行われている国際熱核融合実験炉
(ITER)
プロジェクトは、
人類の未来を明るくするためのエネルギー開発事業である。
そのテーマは、恒星のエネルギー源、すなわち、核融合を人類が利用することである。
成功すれば、公害の心配がない新しい重要なエネルギー源を手に入れることができる。
ITERプロジェクトでは、過去数十年間に渡って
核融合エネルギーを科学的・技術的に実現可能なものにする試みを続けており、
すでに、フランスに実験用の500MWの発電所の建設が進められている。
ダイバータ試 験 施 設
D i v e r t o r
T e s t
P l a t f o r m F a c i l i t y
フィ ン ラ ンド / タ ン ペ レ
05
核融合炉内での作業は
ダイ
:
y
t
i
l
i
c
a
F
ている 。
バー タ 試 験 施 設 ︶で テスト が 行 わ れ
m
r
o
f
t
a
l
P
t
s
e
T
ロボット に 委 ね ら れ て い る
保 護 するためのダイバータ・カセット
や不純物を収集し核融合炉の構造を
ト と ロボット の 移 動 に 必 要 な レー ル
成 要 素 、す な わ ち ダイバータ・カセ ッ
う こ と で ロボッ ト の 運 動 学 的 モデル
と各 々 の カセットモデル は 調 整 さ れ 、
実 際 のものに 限 りなく 近 づくように
照 合 することが 重 要 となる 。その 上
、
t近くもある物体を動かしている
た め 、ど う し て も 変 形 し て し ま う の
較正されるのである 。
﹃NET05﹄へ の 賞 賛 の 声
精度の高さゆえに寄せられた
で 数 学 的 モデル に も 考 慮 し な け れ ば
ならない 。
モデリングの誤 差 は 測 定・分析さ れ
安 全 性 を 重 視 し た ロボット の 遠 隔 制
は 、仮 想 モデル と カメラ を 用 い て 、
タンペレ 市 に あ る タンペレ 工 科 大
学 の 知 能 流 体 力 学・自 動 制 御 学 科 で
を 引 き 合 い に 出 し て﹁ 自 動 車 の メ ー
で き ま す ﹂。ま た 、自 動 車 の メ ー タ ー
サイクル を 正 確 に 測 定 す る こ と が
自 動 追 尾 す る の で 、ロ ボ ッ ト の 移 動
﹃ N E T 05 ﹄は 移 動 す る プ リズム を
間 が 直 接 行 う 事 が 出 来 な い た め 、ロ
ボ ット に 作 業 を 委 ね る こ と に な る 。
3.5
補正されなければならない
御 用 ソ フ トウ ェア を 開 発 し て い る 。
保 守 ポ ー トの一つ の 実 物 大 モデルと
こ の 学 科 の 上 級 研 究 員 ヨウニ・マ ッ
バー タ・カセット は 定 期 的 に 取 り 替
2 ∼ 3 mm 以 内 の 精 度 で 取 り 扱 う
タ ー が 1 0 0 k m / h を 示 し てい
マ ッ テ ィ ラ 氏 は﹃ N E T05 ﹄を
使用した感想を次のように述べた 。
必 要 が あ る た め 、ロボ ッ ト が 移 動 す
テ ィ ラ 氏 は 、前 述 の 件 に 関 し て﹁ ロ
て も 、よ り 精 度 の 高 い レ ー ダ ー を
なっている 。
こ の た め 、ロ ボ ット を 遠 隔 制 御 に
より操作する技術とバーチャル技
る 際 の 小 さ な エラ ー も 許 さ れ な い 。
ボットが核融合炉の坑道内で作業す
合 炉 内 部 のメ ン テ ナ ン ス 作 業 は 人
術 が 不 可 欠 と な る た め 、そ の 実 現
そ こ で 、座 標 系 の 確 実 な 構 築 と 、ダイ
使 用 し て 計 測 す る と 、実 際 の 速 度 は
重さ
1
こうせい
t も あ る 上 に 、そ れ を 誤 差
8.5
第 段 階 で 運 搬 テスト さ れ て い る
ダイバ ー タ・カセッ ト は 、長 さ m 、
に 向 け て フィン ラ ン ド・タ ン ペ レ 市
る と き に は 、ロボ ッ ト と 各 々 の ダイ
に 設 置 さ れ た D T P 2︵
km / h と 計 測 さ れ た り し ま す 。
実際の形状にどのように較正される
お い て 、ロ ボ ッ ト の 数 学 的 モデル が
る 。さ ら に﹁ ダイバ ー タ 試 験 施 設 に
正 さ れ る 必 要 が あ り ま す﹂と 説 明 す
分 析 さ れ 、数 学 的 モデル を 修 正 し 補
グ の 誤 差 が 生 じ た と き に は 、測 定・
各 ダイバ ー タ・カセ ッ ト に モ デ リ ン
け れ ば な り ま せ ん 。も し 、
ロ ボット と
正 確 な 情 報 を 欲 していたのですが、
トンネル 内 で ど の よ う に 動 く の か
ん だ 理 由 と し て﹁ 我 々 は 、ロボット が
と 述 べ た 。さ ら に﹃ N E T 05 ﹄を 選
誤 差 の 少 ない 測 定 値 が 得 られます﹂
元 的 に 精 度 の 高 い 検 査 を 行 うので
ロ ボ ット の 移 動 経 路 に つ い て 、3 次
これと同じように、
﹃ N E T 05 ﹄は
ある 。
﹃ N E T05﹄で 行 わ れ る 測 定
3 D ステ ー シ ョ ン﹃ N E T05﹄で
がその 開 発 に 貢 献 しているというの
れている昨今、ソキアの﹃NE T05﹄
地球の環境問題が取り沙汰され、公
害 の な い 新 し いエネルギ ー が 求 め ら
と語った 。
や 較 正 は I T E R プロジェクト の 重
は誇らしい限りである 。
この難題に応えられる測定機器と
し て 選 ば れ た の が 、高 精 度 A U T O
そ の 期 待 に 見 事 に 応 え て く れ ま し た﹂
95
か も 重 要 で す ﹂と も 述 べ て い る 。
バ ー タ・カ セット が 正 確 に 動 作 し な
バータ・カセットの移動経路を較正し
え る 必 要 が あ る が 、こ の よ う な 核 融
が
も 含 ま れ た 、核 融 合 炉 底 部 に あ る
ダイバータ 試 験 施 設 は 長 さ 約 m 、
重 さ 約 tで、将 来 の 核 融 合 炉 の 構
20
以 上 設 置 さ れ る 。こ れ ら の ダイ
将 来 の 核 融 合 炉 の 炉 心 に は、高 温
の プラズマ か ら 発 生 す る ヘリウム 灰
65
10
要 な 要 素 で あ り、
﹃ N E T 05﹄を 使
06
50
r
o
t
r
e
v
i
D
イギリスで注目されている、
「新・タイン川横断トンネル」プロジェクト
難易度の高いトンネル・モニタリングに採用された
『NET05』
「新・タイン川横断トンネル」プロジェクト
T h e
N e w
T y n e
C r o s s i n g
P r o j e c t
イ ギ リス / ニ ュー カ ッス ル・ア ポ ン・タ イ ン
高精度AUTO 3Dステーション『NET05』である。現場のシス
テムは、次のように構成されている。
トンネルの入り口付近に置かれたモニタリング制御プログラム
●
をインストールした P Cと、3 台 の『NET05』を光ファイバー
ケーブルで接続し、
インタラクティブなネットワークを構築
ニューカッスル・アポン・タイン市を
悩ませていたトンネル渋滞
●
400mを超えるトンネル壁面に、80 個のターゲットを設置し
モニタリング
毎日、多くのビジネスマンや観光客が訪れるイギリス北東部
加えて、
計測システムは、
携帯電話網を利用したデータ通信によっ
の街ニューカッスル・アポン・タイン市。市の西側の道路は整備
て外部に対してもネットワーク化されており、世界中のどこからで
が進んでいるので渋滞に悩まされることはないが、東側の道路
もアクセスすることができる。つまり、現場の作業者だけではな
には整備の遅れている箇所があり、交通渋滞の原因となって
く、現場から離れた場所、TWITAや JVのオフィスからでも、自
いる。それは幹線道路「ルート A19」にある1967年に開通した
動作成される報告書や各種情報をリアルタイムに確認すること
市内を流れるタイン川を横断する「タイン川トンネル」がトンネル
ができるのである。
部分で 1 車線と狭くなっているためである。また、
「タイン川トン
が(開通当時の交通量は 1日5,000 台)
、現在では交通量が 1日
過酷な環境の中でも
サブミリメーターの精度を保つ『NET05』
38,000 台と設計時の1.5 倍以上に増加したため、両方向で交通
トンネル内は排気ガスや埃、温湿度の変化、
さらには自動車
渋滞を引き起こしている。
の通行によって引き起こされる振動など、とても過酷な環境で
交通渋滞を解消するため、
タイン・アンド・ウィア統合交通局(Tyne
ある。その中で、24 時間365日ノンストップで稼動し続けなけれ
and Wear Integrated Transport Authority、以下 TWITA)
は、新たな
ばならない。そんな過酷な環境に耐え、かつサブミリメーター
自動車トンネル「新・タイン川横断トンネル(2.6km)
」の開発を発表した。
の 精度を保つことが できるのは
ネル」は 1日24,000 台の自動車交通量を想定して設計されていた
このプロジェクトは、準 備 作 業 が 2008 年 2月に 始まり、新
『NET05』だけである。
トンネルの建 設は2008年10月に 始まった。新トンネルの完 成
渋滞を解消するインフラ整備の
予定は 2011年 2月、同時に 既 存トンネルは閉鎖して改 装され、
ために、
遠くイギリスの地で活躍す
新旧のトンネルの全面開通は2011年12月を予定している。
る『NET05』。高精度モニタリング
という海外での実績により、
土木建
トンネル建設のためのモニタリング
選ばれたのはSOKKIAの『NET05』
設業の方からも『NET05』のもつ
「新・タイン川横断トンネル」が建設される中、既存のタイン
ただけることを期待したい。
高精度と高い耐環境性能を評価い
川トンネルが工事によってどのような影響を受けるかということ
をモニタリングする必要が出てきた。その業務を請け負ったの
がフランスのブイグ・トラボー・パブリック
(=ブイグ TP)社であり、
ブイグTP社が 計 測システムのセンサーとして採用したのが、
AUTO 3D STATION
07
第2回 SOKKIAサービス技能コンテストを開催
2009 年10月22日、23日の 2日間、ソキア研修所にて全国のパートナー販売店様の修理技術者 17 社 22 名参加で
第 2 回 SOKKIAサービス技能コンテストを開催いたしました。今回のコンテストは第1回よりもボリュームを増し、
筆記と実技を2 回ずつ、計 4ステージで行われました。特に実技については、前半にレベルやセオドライト、
レーザー機器を中心とした光学系 8 種類、後半にトータルステーションに代表される電子系 8 種類と、測量機に関する
総合的な技能を競い合っていただきました。ご参加いただいた皆様それぞれ、日ごろの実力を遺憾なく発揮いただき、
その高い技能には感銘を受けました。今後もますますのご活躍を期待いたします。時には過酷とも言える環境で使われる
精密機械、それが測量機です。ですから、確かな技能が無ければ、本物のメンテナンスを行うことが出来ません。
当社はパートナー販売店様と力を合わせ、SOKKIA 製品を安心してご購入いただけるよう、信頼できるアフターサービス
体制の構築に取り組んでいます。皆様も、安心してお近くのパートナー販売店様へ点検・修理をご依頼ください。
1st Day
❶ステージ1:まずは機械や部品の名称など
を問う筆記試験、
開会式直後に開始された。
スクリーンに次々映し出される問題は、短い
制限時間で次へと進んでしまう。
❷ステージ2:8 種競技のPART1。レベルや
セオドライトの組立調整、工具使用方法など
を中心とした問題に取り組む。例えば、
「自
動補正部の位置調整を行って自動補正精
度と水平精度を規格内に調整」。実技は、
作業の正確さはもちろんのこと、スピードに
ついても評価対象となった。
❸ 初日は、超高 精度な AU TO 3 D ステー
ション「N E T 0 5」のデモンストレーション
なども行われた。
2nd Day
❹ステージ4: 朝一番、
まずはステージ1同様の筆記試験をこなして頭の回転を上げた後に行われた 8 種競技の PART2。
トータルステーションの調整方法、工具の使用方法が中心の問題。今回のコンテストの中で、一番難易度の高いものであった。
例えば、
「 EDM 小型コリメーション工具を使用して、送光ダイオードの位置確認」。技能だけでなく、図面を読み取る問題も
あった。 ❺: 2日目は競技のほか、
デジタルレベル SDL30を用いての水準測量実習や一般社団法人 日本測量機器工業会
による講習会も行われた。 ❻: コンテストの優勝者は、
(株)
ジツタの浜上範行様(写真中央)
。おめでとうございます。
08
SOKKIA 製 品のスペシャリスト「セールス・パートナー」
日本全国のお客様にソキア製品を安心してご使用いただくため、全国 27 社の販売店様をセールス・メンテナンスの両面で
サービス技術が優れたパートナー販売店とし、お客様サポートを行っていただいております。
その中でも、研修課程を修了、厳格な認定試験(筆記試験ならびに、デモンストレーション実技試験)に合格をした、
豊富な製品知識と販売力を兼ね備えた営業マンの方々を「セールスパートナー」として認定しています。
現在全国で 100 余名活躍している SOKKIA 製品のスペシャリスト
「セールス・パートナー」。
皆様も測量機のことならお近くのパートナー販売店、セールス・パートナーへご相談ください。
セールス・パートナー認定取得者(敬称略)
2010 年 4月現在
会社名
トータル レーザー
SP認定取得者 ステーション
稲野辺 裕人
○
○
柿崎 要
○
○
久保田 弘
○
○
初田 正昭
○
○
大平 敦
○
○
後藤 大地
○
福島 寛
○
沖田 光之
GPS/
GNSS
GIS
○
○
会社名
トータル レーザー
SP認定取得者 ステーション
伊藤 孝
○
小松 博
○
○
田辺 雅人
○
○
○
○
○
○
GPS/
GNSS
GIS
○
○
○
○
○
○
株式会社測機社
千代田測器株式会社
山田 直矢
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
平原 幸男
株式会社京浜商会
木村 健二
株式会社西衡器製作所 田中 豊
福沢 貴人
○
石ケ森 勝吉
○
○
○
○
佐倉 一蔵
○
○
○
○
○
○
○
○
有限会社岩手測器社
株式会社ヤシマ測器店
村田 幹雄
○
○
猿橋 真人
○
○
田中 輝彦
○
○
橋本 豊
○
○
菅野 剛
濱田 英昌
○
○
池内 渉
○
○
○
○
上条 和重
○
○
○
○
谷村 卓郎
○
○
○
○
○
○
○
○
芹川 良二
○
○
浅田 大輔
○
○
山下商事株式会社
株式会社東日精光
株式会社山形測器社
長南 利昭
○
相ノ山 賢司
○
川名 秀徳
○
○
○
○
○
鬼澤 智也
○
○
○
○
武田 俊光
○
○
○
○
成田 健一
根崎 茂雄
○
○
○
○
保田 寛之
○
○
○
○
石橋 裕幸
○
○
○
○
○
○
株式会社測機社茨城
株式会社シーティーエス 巾 弘成
牧田 誠
○
横山 和広
○
○
渡辺 卓
○
○
○
○
株式会社千葉測器
株式会社湯澤計器商会 杉山 直弘
生駒 友和
○
○
○
岩上 孝行
○
○
金子 芳彦
○
○
株式会社埼玉測機社
奥田 直樹
○
○
菊池 龍平
○
○
○
○
佐村 啓之
○
○
平田 洋一
○
○
○
○
澤津 幸生
○
○
古川 広中
○
○
株式会社亀太
トータルステーション / レーザー製品
2009年 6月18日
(木)∼ 19日
(金)
大阪
2009年 7月22日
(水)∼ 24日
(金)
ソキア研修所
トータルステーションとレーザー製品については、東西 2ヶ所で
実施 。トータルステーションとレーザー製品についての講義や
観測実技研修の後、筆記と模擬デモンストレーションの試験を
行う。特にトータルステーションでは、放射 / 対回観測や杭打ち
等の基本的操作はもちろんのこと、SRXとリモートキャッチャー
を使った自動追尾のデモンストレーションが評価基準となる。
09
全 国 2 7 社 の パ ートナ ー 販 売 店 様
会社名
トータル レーザー
SP認定取得者 ステーション
大塚 武志
株式会社ジツタ
GPS/
GNSS
GIS
○
○
○
○
全国に100余名の
会社名
トータル レーザー
SP認定取得者 ステーション
田邉 哲則
株式会社亀太
大山 亮
○
○
岡林 誠
○
○
蔭佐 輝明
○
○
大町 昌嗣
曽根 龍治
○
○
中野 勇治
○
○
○
GPS/
GNSS
○
長尾 斐馬
○
○
堀部 貴康
○
○
佐野本 光哉
○
○
谷口 智也
○
○
○
○
GIS
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
株式会社神戸清光
西森 隆裕
○
○
中島 三千夫
藤田 裕二
○
○
松田 泰輔
○
○
山本 紀彦
○
○
銭神 裕幸
○
○
○
○
有限会社シンエイ測器 岸田 裕也
○
○
○
山崎 康司
○
○
○
○
鶏内 裕久
○
○
川浪 友輔
○
○
○
○
小橋 利晴
○
○
○
○
武井 敏雄
○
○
西 孝
○
○
荒牧 和臣
○
○
○
○
三宅 英和
児島 周治
○
○
○
○
板倉 永佳
○
○
善 浩稔
○
○
○
○
窪田 和範
○
○
松尾 智和
○
○
○
○
浜田 一邦
○
○
佐藤 光紀
○
○
○
○
赤木 建史
○
○
綿谷 彰洋
○
○
○
○
江頭 健
○
○
○
○
○
○
○
○
勝部 和宣
○
○
○
○
新原 良雄
○
○
○
○
○
○
○
○
原口 典一
扇精光株式会社
株式会社実測
株式会社金剛測機
○
松永測機株式会社
株式会社古城
大迫 信之
佐藤 茂
株式会社山陽測器
平田 信太郎
○
株式会社久永
佐藤 拓也
○
○
平見 優
○
○
有限会社ソキワーク
株式会社測機システム
山中 義人
○
○
野原 修一
○
○
吉岡 稔訓
○
○
吉田 正美
○
○
和田 忠
○
○
GNSS / GIS
2009年 11月16日
(月)∼ 18日
(水)
ソキア研修所
ソキア研修所にてGNSS観測やGISの観測からデータ整理まで、
一連作業の講義や実技研修を行った後、筆記 / 実技試験を行う。
特に GNSS 観測については、ネットワーク型 RTK 観測のデモン
ストレーションが評価基準となる。
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SOKKIA TECHNOLOGY
「 究 極 の 精 度 に 向け て」
ナンス時の調整、コストの問題点もクリア
用 し た ア ブ ソ リ ュ ー ト・エ ン コ ー ダ ー
こ れ ら の 技 術 的 に困 難な 課 題を ひ と
つひ と つ 想 定 し な が ら、情 報 符 号 を 応
しなければならない。
基 本 で あ っ た。電 子 セ オ ド ラ イ ト が 開
を エ ン ジ ン とした測角システムが完成
トランシットや光学セオドライトは 、
ガラスの円盤に目盛りとして刻まれた
発されて、目盛りに相当する全く同一の
角度の値を光学的に読むことが測角の
パターン
︵ほぼ長方形︶が繰り返しガラス
し た。こ の 符 号 は 読 み 誤 り を 検 出 で き、
測 角 の シ ス テ ム は 、極 め て シ ン プ ル
な メカニズムと光学の部品を用いない
の円盤に一周印刷されている、インクリ
構 造 で 、従 来 に 比 較 し て 調 整 や メ ン テ
条件によってはその訂正さえも可能な
を搭載した測量機の時代が非常に長い
ナンスのし易さが格段に向上した。最初
コードである。
間 続 い た 。しかし、角度が相対的な量で
の ア ブ ソ リ ュ ー ト・エ ン コ ー ダ ーは 測 角
メンタル・エンコーダーを 電 子 的 に 読 む
し か 測 定 で き な い た め、ユ ー ザ は 電 源
我々は デジタルレベルSDL30
そこで、
の標尺の RABコー ドや 、
イメージライン
ソ リ ュ ー ト・エンコーダーを 搭 載 し た 。
ス テ ー シ ョ ン S E T51 0 ﹄に も ア ブ
を 開 始 し た 。そ の 約 1 年 後﹃ ト ー タ ル
た後、
このインクリメンタル・エンコーダー
投 入 直 後 に ゼ ロ・イ ン デ ッ ク ス を 検 出
精 度 を5 秒 と し 、日 本 国 内 向 け に﹃ 電 子
セ ン サ︵ SD L30 の 標 尺 の 読 み 取 り
として展開
素 子︶の 技 術 を ベ ー ス に 、角 度 の 測 定
アブソリュート・エンコーダー
10
さ れ 、そ の 後 ロ ン グ セ ラ ー を 誇 っ た 。
き る 製 品 群 、Series
これらは電源投入後直ちに測角がで
セ オ ド ラ イ ト D T51 0S ﹄か ら 搭 載
する操作を行う必要があった。
こ と に 代 わ っ た。測 量 機 が 電 子 化 さ れ
図 1 エンコーダーの目盛り
に 最 適 な コ ー ド の 開 発 に 着 手 し た。
のそ れ ぞれ の 角度 が 識 別
できるアブソリュートコードを刻む
図 2 アブソリュート・エンコーダーの構造
一周 360
目盛り盤
アブソリュート・エンコーダーシステムの
CCD
開 発 で あ る 。角 度 の 測 定 で は 絶 対 に
誤 り は 許 さ れ な い 。い ず れ 1 秒 以 下 の
角度分解能と、それに伴った精度が要求
されてくるだろう。さらに従来のインクリ
LED
度
メ ン タ ル・エンコーダーの 製 造 や メ ン テ
インクリメンタル・エンコーダー
角度の測定
$)"15&3
測量の最も基 本的なデータのひとつが角度であり、
測点の
座標計算を行うためには必須なものである。
角度を測定する
測量機は、
トランシット、
光学セオドライト、
電子セオドライト、
トータルステーションなど、
時代や技術の進展と共に発展を
遂げてきた。現在では角度 測定は基 本的にアブソリュート・
エンコーダーと、
マイクロ・コンピューターとソフトウェアに
よる測角処理とで構成される。
ソキア・トプコンでは長 年にわたり測角の高 精 度化および
高 信 頼 性化に努め、
近 年 画 期的な 角度 測定システムを開
発してきた。
そこには単に測量機の機構、
光学部などハード
ウェアの高精度化だけではなく、
測角処理のアルゴリズムに
情報 理論、
通信理論などの技術を導入し、
角度 測定の極め
て高度なシステムを研究してきた成 果が生かされている。
第一回はこれらの技 術について述べる。
アブソリュート・エンコーダー
11
測角パラメーター
測 角 の 精 度 の 目 標 は や は り 1秒 以 下 で
測 定 の 技 術 を 高 め て い く た め に は、
精 度 の 追 究 が 絶 え 間 な く 継 続 さ れ る。
タ ー に よ っ て、外 部 に 角 度 の リ フ ァ レ
これを測角パラメーターによる高精
度化 と 呼 ん で い る。こ の 測 角 パ ラ メ ー
調整を一切行わずに2秒、
1秒の水平角
ン ス さ え 用 意 す れ ば 、ハ ー ド ウ ェ ア の
の 精 度 を 高 め る、よ り 細 か い 目 盛 り を
測定精度を持つ測量機を安定して作る
ある。高精度化の方法としては、目盛り
作 る、回 転 軸 の 加 工 精 度 を 高 め る な ど、
本体へ登 録
ハ ー ド ウェア の 高 度 化 が 挙 げ ら れ る 。
測 角パラメーターの算出
ことができるようになった。
( 簡略化のため、フーリエ級数の表現を省略 )
し か し、こ れ ら は 製 造 時 間 や コ ス ト に
大きく影響を与える。
角度の測定システム
で は、目 盛 り 盤 を 一 周
リュート・エンコーダーを
す る と︵ 例 え ば ア ブ ソ
定 を 行 う 時 間、観 測 者 の 観 測 誤 差 な ど
め、設備の設置や確認作業、あるいは測
メーターやほかの 角 度 模 範 であるた
外部のリファレンスとなるものは、コリ
の測定値を高精度化するものであった 。
め、それを測量機の内部に記憶して角度
を 用 いて 誤 差 関 数 のパラメ ー タ ー を 求
測角パラメーターによる高精度化は、
測 量 機 の 外 部 に 模 範 となる 基 準 の 角 度
測定に貢献している 。
な り、測 量 の 角 度 の 高 精 度 で 安 定 し た
精 度 の 製 品 には 必 ず 搭 載 される 技 術 と
2 秒機の
IACSはSRXの1秒機、
製 品 か ら 搭 載 さ れ、現 在 で は 測 角 の 高
精度に関する品質の問題は全くない 。
の劣化、観測誤差による精度の偏りなど、
ら、リフ ァ レンスのトラブルによる 精 度
して 測 定 する 必 要 も 皆 無 であることか
維持管理は全く不要で、望遠鏡で視準を
が伴った 。そこで、我々は測量機の外部
に 設 備 や、観 測 者 の 測 定 を 必 要 と し な
い測 量 機 単 独 で 角 度 測 定 の 高 精 度 化
を実現する研究に入った 。
角度検出部の特徴を活かし、その周辺
の幾何学的な条件からある角を設定し、
近年の角度測定の技術は、アブソリュート
我 々 は、こ の 体 系 の 上 に さ ら に 新 し い
市場に提供することができる。
極 め て 高 く、安 定 し た 製 品 を よ り 多 く
だ け で な く 製 造 性、メ ン テ ナ ン ス 性 も
構築された技術は角度測定の基本機能
よって構築されてきた。
高信 頼 性 化 を 体 系 的 に 追 究 す る こ と に
エンコーダーの開発を原点に、高精度化 、
図 4 IACS の基本概念
まで
その角を測量機内部のアブソリュート・
エンコ ー ダ ー で 測 定 をする 。このとき 、
誤 差 関 数 の 全 周 期 をできるだけ 均 等 に
網 羅 で き る よ う、エンコ ー ダ ー の 全 周
を 用 い て 測 定 す る 。こ う す る こ と に よ
り、先 に 設 定 さ れ た 角 度 が リフ ァ レン
スとなりうる充分な精度で決定するこ
と が で き る 。次 に こ の 角 度 と エンコ ー
ダーの1 周のアブソリュート角とを比較
し 誤 差 関 数 を 求 め て い く 。誤 差 関 数 が
求 め ら れ た あ と の 手 順 は 測 角 パラメ ー
ターの方法と全く同一である 。
︵内部で︶角
この方法を、測量機単独で
度の校正ができるという意味から、
IA
︶
CS︵ Independent Angle Calibration System
と名づけた 。開発段階でIACSを施し
た測量機の精度を評価した結果、精度が
リファレンスとなる角
か ら360
回 転 す る と ︶、誤 差 が
測 角精 度の 測 定
コリメー ター
0
元に戻るという特徴
が あ る 。そ の 誤 差 は 角
度の連続性に応じて
連続的に変化するた
め 、そ の 周 期 性 と 連 続
性により三角関数の
誤差関数として表す
ことができる。
こ の 誤 差 関 数 を 、何
らかの高精度なリファ
レンスとなる測量機の
外部にある角度から得
て 測 量 機 に 記 憶 す る。
各測定角度での誤差を
誤差関数から計算して、
測定角度から減算する
ことによって測定角度
測角パラメーターの 処 理
を 凌 ぐ 精 度 に 生 まれ 変 わ っ ている 。
%の割合で 秒
誤 差関数を求める
測角システムを開発中である。
数秒であった測量機が
リファレンスとなる角の設定
外 部 の 設 備 を 必 要 と し な い た め、そ の
0.5
fE(θ)
:誤差関数 A E: 振幅 φE: 初期位相
測定 角度 (θi ) − f E(θi )
・・・(2)
度
の精度を高めることが
できる。
12
100
f E(θ)= A E・sin (θ+ φE)・・・
(1)
表 示 さ れる角 度 =
度
図 3 測角パラメーターの基本概念
IACS
新 製 品 紹 介
GLOBAL NAVIGATION SATELITE SYSTEM
軽量コンパクトな完全一体型
当社従来機比で約 30%の小型化を実現しました。この軽量コンパクトなボディー
に GPS+ GLONASS 受信機、アンテナ、着脱可能なバッテリー、クラス1のロング
レンジ Bluetooth無線、送受信タイプの小エリア無線を内蔵します。
充 実 の ラ イ ン アップ
1周波タイプから、2 周波 GPS、2 周波 GPS+GLONASS、そして 2 周波タイプ
では内蔵小エリア無線機の有無も選べ、5 種類の充実ラインアップです。
Model
受信衛星波
GGDM
GDM
GGD
GD
GG
GPS L1
●
●
●
●
●
GPS L2
●
●
●
●
−
GLONASS L1
●
−
●
−
●
GLONASS L2
●
−
●
−
−
SBAS (MSAS/WAAS/EGNOS)
●
●
●
●
●
小エリア無線機
GNSS 受信機
SeriesGRX1
●(内蔵)
−
好評のユーザーインターフェース
NEW
従来から好評の、音声ガイダンスを搭載しています。受信状態、メモリーやバッテリー
残量などを、聞き取りやすい日本語音声でガイダンスします。また、表示パネルには
GRX1 GGDM・GRX1 GDM・GRX1 GGD・GRX1 GD・GRX1 GG
22 の LED を搭載し、受信機の状態が一目でわかります。
極めて軽量コンパクトなボディーで、かつてない軽快さを実現 。
高い耐環境性能
シンプルな GPS 受信機から、小エリア無線内蔵の
耐衝撃性を考慮したマグネシウム合金ボディーは、土埃の舞う現場でも突然の豪雨
GNSS 受信機まで、5 種類のフルラインアップです。
でも安心な IP67 の防塵防水性能を持っています。
TOTAL STATIONS
さらなる 進 化 を 遂 げ た R E D -t e c h Ⅱ E D M
高精度の位相差測定方式はそのままに、ノンプリズムで最大 400m まで測距可能
となりました。長距離化を実現しても、30cm から測距という使い勝手は変わりま
せん。また、ノンプリズム測定アルゴリズムの改良で、測距時間のばらつきを 30%
削減し(当社従来比)、スピーディーな観測を可能にしています。
埃や水だけでなく外気温にも強い最高の耐環境性能
防水・防塵性能は、IP66 というクラス最高の性能です。また、気温 +60℃に耐える
高温地モデル* −30℃に耐える寒冷地モデル* も用意し、外気温にも最高の耐性を
備えています。
*ファクトリーオプションにて対応 。受注生産となりますので、詳細はお問合せください。
信頼の測角システムに新技術を投入
2 軸 自 動 補 正 機 構 に 新 設 計 の 傾 斜 セ ン サ ー を 搭 載 し、傾 斜 補 正 範 囲 が 拡 大 し
ま し た。さ ら に SET250RX に は、上 位 機 種 で 定 評 の あ る 測 角 シ ス テ ム IACS
(Independent Angle Calibration System )を搭載し、
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ノンプリズム・トータルステーション
Series50RX
信頼性をご提供します。
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先進の機能を満載
SET250RX・SET350RX・SET550RX(RXS)
・SET650RXS
杭打ちに便利なガイドライトを標準搭載しています。また、Bluetooth ® ワイヤレス
無線、SFX ダイアルアップ機能搭載と 2 つのワイヤレス通信機能も標準搭載 。
堅牢なボディーに先進の機能を凝縮した、
SD カード、USB などインターフェースも充実しています。オプションで、レーザー
ノンプリズム・トータルステーションの新しいスタンダードです。
求心も搭載可能です。
13
DATA COLLECTORS
データコレクター
SHC250
NEW
全てのフィールドアプリケーションをインストール可能な、
マルチコネクションコントローラーです。
最 新 、最 速 の S O K K I A の コ ン ト ロ ー ル セ ン タ ー
最新の Windows Mobile® 6.5 を採用。806MHz 高速 CPU、
タッチパネル式 3.7インチの TFT カラーディスプレーと
あいまって軽快な操作を実現しています。さらに、SD/SDHC カードと CF カードのダブルスロット、無線 LAN、クラス 2
(オプションでクラス1を用意)、先進のデバイスに対応したインターフェースを装備し、高い接続性
の Bluetooth ® 無線など
を備えています。
また、過酷な現場での使用に耐える堅牢な設計となっています。
TOTAL STATIONS
トータルステーション
Series50X
NEW
SET250X・SET350X・SET550X(XS)
・SET650XS
基本性能に優れる、トータルステーションのベーシックモデルです。
高 速 化・長 距 離 化 を 実 現 し た 測 距 性 能
上位機種の測距ロジックを採用。精密測定の初速約 1.7 秒という、約 40%の測距時間の短縮(当社従 来 比)と、1素子
プリズムを使用した場合 4,000m*測定距離を実現しています。
信頼の測角システムに新技術を投入
2 軸自動補正機構に新設計の傾斜センサーを搭載し、傾斜補正範囲が拡大しました。さらに SET250X には、上位機種で
定評のある測角システムIACS(Independent Angle Calibration System)を搭載し、ワンランク上の精度と信頼性をご提供します。
優れた使い勝手
防水・防塵 性 能は、IP66 というクラス 最高の 性 能です。Bluetooth ® ワイヤレス無 線、SFX ダイアルアップ 機能 搭 載と
2 つのワイヤレス通信機能も標準 搭 載 。SD カード、USB などインターフェースも充実しています。オプションで、レー
ザー求心も搭 載可能です。
MONMOS
3D ステーション
NET05X
NEW
0.5" の測角精度とサブミリメーターの測距精度 。
計測から測量に至るまで、幅広い分野に最高の精度を提供する 3D ステーションです。
測角精度 0.5"
信頼と実績のアブソリュート・エンコーダーと IACS システムとの組合せで、最高の測角精度をもたらします。
サブミリメーター EDM
反射シートで 200m まで 0.5mm+1ppm、素子プリズムでも 3,500m まで 0.8mm+1ppm というサブミリメーターの
測距精度を誇ります。また、ノンプリズムでも100m までを1mm+1ppmで測距可能です。
充実の機能と装備で幅広く活躍
Bluetooth 無線機能、Windows® CE の OS、赤色レーザー
JIS 保護等級 IP65 という高い耐環境性能を備えています。また、
ポインターなど、装備も充実しています。また、1級トータルステーションとして登録していますので、測量業務にも活躍します。
SOKKIA 製品情報
14
h t t p : / / w w w. s o k k i a . c o . j p / p ro d u c t / i n d e x . h t m l
http://www.sokkia.co.jp
: 神奈川県厚木市長谷260-63
〒243-0036 TEL 046-248-0068(代表) FAX 046-247-6866 株式会社ソキア本社
・トプコン
株式会社ソキア
事業企画部
: TEL 046-248-4342 FAX
046-247-1731
http://www.sokkia.co.jp
通巻第43号/2008年1月発行 発行/
(株)
ソキア
事業企画部
通巻第48号/2010年 5月発行 発行/
(株)
ソキア
・
トプコン広告宣伝課
神奈川県厚木市長谷260-63
〒243-0036
TEL 046-248-0068(
代表) FAX 046-247-6866
ソキアレポート
Vol.21
No.1
ソキアレポート
Vol.19
No.1
当社 製 品の資 料が公 開されました。このデータベースには各種 産 業 の『20 世 紀の産 業 遺 産』が 網 羅されており、
国 立 科 学 博 物 館 産 業 技 術 史 資 料 情 報 センター の 運 営 するWEBサイト 内【 産 業 技 術 史 資 料デ ー タベース】に、
《測量機 器 技 術》に、当社から提 供した製品資 料 30点が掲載されています。ぜひ、
一度ご覧ください。
h t t p: // s t s . k a h a k u .g o.j p /
S-48-J-1-1005-CA-SC
・ソキアレポートと実際の製品の色とは印刷の関係で多少異なる場合があります。
・ソキアレポートと実際の製品の色とは印刷の関係で多少異なる場合があります。
・ソキアレポート記載の製品名・OS名・アプリケーション名等は各社の商標または登録商標です。
・ソキアレポート記載の製品名・OS名・アプリケーション名等は各社の商標または登録商標です。
・Bluetooth ® は、Bluetooth SIG,Inc. の登録商標です。
産業技術史資料センターWEBサイトにSOKKIA 製品が掲載される