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電気自動車用電池における熱 - 芝浦工業大学 機械機能工学科

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機械機能工学科
卒業研究第 2 回審査会概論
2014 年 10 月 24 日
電気自動車用電池の冷却に関する伝熱計測と新システムの考案
(電気自動車用電池における熱管理技術の研究開発)
Measuring Heat Transfer and Devising of New Systems about Cooling of the Battery for Electric Vehicles
(Research and Development of Thermal Management Technology of the Battery for Electric Vehicles)
AB11111
山田
達也
(指導教員
小野 直樹)
Key Words : Thermal Management Technology, Lithium ion Battery, Phase Change Material, Heat Pipe
1.
緒論
得られることを確認した(2).そこで,本年度からは
実際の電池を導入して基礎実験を行う.
本研究は,JST-MOST 日中共同研究において,「電気
自動車用電池における熱管理技術の研究開発」の一部で
あり,北海道大学・秋山友宏教授グループと共同で実施
するものである.
近年,リチウムイオン電池の開発が進み,電池の
高出力化・高容量化が急速に進歩した.しかし,電
池を適切に利用するための熱管理技術の確立が十分
ではない.電池のエネルギー密度が高いために,充
放電による発熱は電池劣化の促進及び発火・爆発の
恐れがある.図 1 に電池の使用温度における充放電
回数による電池容量減少の割合を示す.これより,
Fig. 2 Thermal Management system for the battery with
combination of heat pipe and phase change material
電池の使用温度を 45℃以下に管理することで電池
2.
の性能劣化を防ぐことが可能であるとわかる.また,
保護回路や保護素子などの安全対策が有効に機能せ
目的
これまでの実験で用いてきたヒーターの発熱量は,印
ず,電池の異常発熱による温度上昇が発火・爆発を
加した電流と電圧から推定することができた.しかし,
引き起こす可能性が想定される.そのため,発火・
電気自動車に搭載するリチウムイオン電池の発熱量は,
爆発に至るまでの時間を遅延させ,搭乗者が避難す
電池温度・SoC(State of Charge :充電状態)・充電放電な
るための時間を確保できる熱管理技術も必要である
どの条件により異なる.本実験では電池を熱管理システ
と考える.
ムに組み込む前の基礎実験として,充放電による電池の
温度上昇を測定し,発熱量の推算を試みる.
3.
原理(3)
電池の連続充放電を行い温度が定常状態になった所
で,発熱量を次式により求める.式(1)は発熱と放熱があ
る場合の温度上昇の一般式である.式(1)の Q:発熱量[W]
Fig. 1 Capacity fade analysis of battery
at different operation temperatures (1)
と K:放熱係数[W/℃]について解くと式(2),(3)が得られ
る.
=
本研究は,電池の熱管理技術として,高い熱伝導






+  − { − ( −  )}  (− )
(1)
率を有するヒートパイプと,相変化時の潜熱で高密
度熱貯蔵可能な PCM(Phase Change Material : 相変化
=
材料)を組み合わせた熱管理システムを提案するも
an 0 ∙∆∞∙
∆∞− +
(2)
のである.図 2 に熱管理システムの概要を示す.先
行研究では,電池を模擬したヒーターを用いた実験
を行い,本研究で提案する熱管理システムの効果が
=
 0 ∙
∆∞− +
(3)
ここで,T:電池の表面温度[℃],:周囲温度[℃],:電
池の初期温度[℃],C:電池の熱容量[J/℃],t:経過時間
[s],tan 0: = 0における電池の温度上昇の傾き,∆∞:
電池温度が定常になったときの周囲温度との差とする.
5.
SoC20%,50%,80%における 1C と 2C の発熱量,
定常状態の電池表面温度を表 1 に示す.
Table 1 Heat generation rate and maximum surface
temperature of the battery
実験方法
被測定電池として,公称容量 22Ah の積層型リチウム
イオン電池(高さ 200mm,幅 176mm,厚み 8mm)を用
いた.正極活物質としてリン酸鉄リチウム(LiFePO4),
1C
SoC[%]
20
50
80
2C
Q[W]
2.4
2.3
2.0
Q[W]
7.5
7.1
6.2
T[℃]
28.1
28.2
28.0
T[℃]
32.5
32.7
32.5
負極活物質として人造黒鉛が用いられている.熱容量は
共同研究している渦潮電機様から頂いたデータによる
図 4 において,推定値と比較した結果,実測値の
と 600J/K 程度であるとされている.図 3 に本実験で用い
温度上昇が遅い.これは,電池の発熱量は電池の温
る充放電装置を示す.
度によって変わるため,試験開始前半における発熱
量が式(2)より求めた発熱量よりも低いためだと考
えられる.表 1 より,SoC によって発熱量が異なる
が,定常時の温度は SoC の状態に依らず近い値とな
ったことから,SoC20~80%において発熱量は概ね等
しいと考える.発熱量の推算結果の差は,推定値が
 = 0における電池の温度上昇の傾きに依存するこ
とによる計算精度の限界と熱容量が精確な値でない
ことによるものであると考える.
Fig. 3 Battery charge and discharge control apparatus
SoC20%,50%,80%のそれぞれの状態で 1C 充放電,
7.
結論
リチウムイオン電池の充放電試験を行うために装
2C 充放電を行い,電池の温度を定常状態にさせた.充放
置を導入し,電池の特性を知るための基礎実験を行
電する範囲は SoC±0.5%とした.升目状に 16 か所と中
った.簡易的な実験により,電池の発熱量は,
心の電池表面温度をK型シース熱電対で測定した.
なお,
SoC20~80%において 1C の連続充放電では 2~2.4W,
周囲温度は 25℃,電池は平置きとした.
2C の連続充放電では 6.2~7.5W 程度であると考えた.
6.
結果及び考察
8.
今後の計画
電池の連続充放電を行い各測定位置の電池表面温
今回,電池を平置きにして充放電を行ったが,電
度の平均から発熱量を求めた.SoC50%における 1C,
池を垂直にした場合の発熱量の推算と,実際の電池
2C の実測値と推定値を図 4 に示す.
をモジュールに組み込み,本実験で推算した発熱量
の熱収支を検討していく.また,実際に電気自動車
が走行することを想定した充放電パターンを用い
て実験を行う.
文
Fig. 4 Measured results of charge and discharge cycle of
1C and 2C in SoC50% and its estimated results
献
(1) P.Romadass “Capacity fade of Sony 18650 cells
cycled at elevated temperatures” j.Power Sorces
112(2):614-620 2002
(2) 野中厚佑,工藤和宏,小野直樹,“電気自動車用
電池のために相変化材料を用いた冷却システムの
熱流体計測”,第 51 回日本伝熱シンポジウム講演
集(2014),Paper No.F322.
(3) 千輝淳二,
“伝熱計算法”,工学図書株式会社,(1990),
pp214-217
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