大阪キリスト教短期大学 自己点検・評価報告書 平成 26 年 9 月 はじめに 大阪キリスト教短期大学は、2009 年(平成 21 年)度に短期大学基準協会による第三 者評価を受け、「適格」の認定を頂きました。7 年に一度認証評価を受けることが義務 づけられているため、第 2 回目の評価は 2016 年(平成 28 年)度に受けることになりま す。そのため、来年、2015 年度の評価が正念場となります。そのため 2014 年度は、本 番に向けての観点に基づく点検と課題の整理を中心にまとめました。次年度に向けて、 行動計画・改善計画を適切に策定するために、新しい評価方法をよく知り、そのために 備えなければなりません。 本年度の報告書は、そのために様々な取組を発展途上のままご報告することになりま した。不十分な点も多々あるとは存じますが、次年度に向けての作業工程の確認と改善、 観点に基づく事業計画の見直しなど、課題は目白押しであることに、改めて気づかされ ました。 私たちは、大学改革の方向性、また短期大学の置かれた現実の厳しさに直面しつつ、 短期大学でなければできない、学生一人ひとりを大切に育てる教育、地域に根差した大 学のあり方を求め、今後も尽力してまいりたいと存じます。教職員の総力を挙げて、一 丸となってこの厳しい時代の要請に応えるべく、また本学の使命を再確認しつつ、教育 の使命を果たしていく所存であります。 この自己点検・評価報告書に書かれたことが、来年度、再来年度と確実に実現され、 よりよい大学となっていけるように、ご意見、ご感想を頂ければ幸いです。 すべての教職員・関係者の方々への感謝をこめて。 2014(平成 26)年 9 月 30 日 大阪キリスト教短期大学 学長 池田美芽 自己点検・評価報告書 この自己点検・評価報告書は、2013(平成 25)年度の大阪キリスト教短期大学の自 己点検・評価活動の結果を記したものである。 2014(平成 26)年 9 月 30 日 理事長 今井 洋 学長 池田 美芽 ALO 高市 勢津子 目次 自己点検・評価報告書 1.自己点検・評価の基礎資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.自己点検・評価報告書の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 3.自己点検・評価の組織と活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 【基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅰ-A 建学の精神・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅰ-B 教育の効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅰ-C 自己点検・評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 23 25 31 【基準Ⅱ 教育課程と学生支援】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 基準Ⅱ-A 教育課程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 基準Ⅱ-B 学生支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46 【基準Ⅲ 教育資源と財的資源】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅲ-A 人的資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅲ-B 物的資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅲ-C 技術的資源をはじめとするその他の教育資源・・・・・・・・・・ 基準Ⅲ-D 財的資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 62 65 72 74 【基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス】・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅳ-A 理事長のリーダーシップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅳ-B 学長のリーダーシップ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 基準Ⅳ-C ガバナンス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 77 79 82 【選択的評価基準 1. 教養教育の取り組みについて】・・・・・・・・・・・・・ 86 【選択的評価基準 2. 職業教育の取り組みについて】・・・・・・・・・・・・・ 87 1.自己点検・評価の基礎資料 (1)学校法人及び短期大学の沿革 明治38年 川邊貞吉師によって「大阪伝道学館」を天王寺区(現)下寺町に創立 大正11年 「自由メソヂスト神学校」開校 昭和 2年 阿倍野区丸山通の現在地に移転、 「聖愛幼稚園」を開設(昭和4年大阪 府認可) 昭和17年 「自由メソヂスト神学校」を「日本聖化神学校」に併合 昭和18年 「丸山学園女学校」を開設 昭和20年 大空襲により校舎のほとんどを焼失、 「丸山学園女学校」閉鎖 昭和23年 大阪日本橋教会を仮校舎として「大阪神学校」開設 昭和25年 「大阪神学校」の名称を「大阪基督教学院」と改称 昭和26年 現在の丸山の丘に「大阪キリスト教学院」の校舎・礼拝堂を建築 昭和27年 学校法人大阪基督教学院を創立し、「大阪基督教短期大学(神学科Ⅱ 部・保育科)を開設、 「聖愛幼稚園」を再開 昭和28年 「大阪基督教短期大学」に神学科Ⅰ部及び保育科Ⅰ・Ⅱ部を増設し、児 童福祉法施行令により大阪府より保母養成所指定を得る 昭和29年 保育科Ⅰ・Ⅱ部に幼稚園教諭二級普通免許の課程認定を得る 昭和30年 神学科に専攻科(神学専攻)を増設(修業年限 1 ヶ年 入学定員 5 名) 昭和31年 保育科を初等教育課と改称し、Ⅰ・Ⅱ部共に小学校二級普通免許の 課程認定を得る 入学定員はⅠ部40名、Ⅱ部40名 昭和41年 初等教育科の入学定員をⅠ部100名、Ⅱ部60名に増員 昭和42年 初等教育科の入学定員をⅠ部150名、Ⅱ部100名に増員 昭和47年 初等教育科を児童教育科と改称し、専攻分離する 初等教育学専攻(入学定員Ⅰ部100名、Ⅱ部50名)および幼児教育 学専攻(Ⅰ・Ⅱ部共に50名)に分離し、共に小学校。幼稚園二級普通免 許の課程認定を得る 幼児教育学専攻に保母養成所指定(50名) 昭和49年 専攻科(神学専攻)の修業年限を2年に変更 昭和53年 「グレース幼稚園」が寄贈され併設幼稚園となる 昭和58年 米国ニューヨーク州「ロバーツ・ウェスレイアンカレッジ」と姉妹校提 携 昭和62年 児童教育学科初等教育学専攻に初等教育コース・児童文化コース・国際 教養コースを、幼児教育学科専攻に保育コースを開設。神学科に神学基 礎コース、文化・教養コースを開設。児童教育学科Ⅱ部廃止 昭和63年 「大阪基督教学院」を「大阪キリスト教学院」に、「大阪基督教短期大 学」を「大阪キリスト教短期大学」に改称 平成 4年 改組転換により児童教育学科の募集を停止し、幼児教育学科(入学定員 120名)及び国際教養学科(入学定員100名)を設置。幼児教育学 科には幼稚園教諭2種免許の課程認定及び保母養成校の指定を得る 専攻科(神学専攻)が学位授与機構より学士(神学)の課程認定を得る 平成 9年 国際教養学科に情報ビジネス・英語コミュニケーション・教養特選の3 1 平成16年 平成17年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 コースを開設(平成 12 年には、教養特選コースを国際教育コースに変 更) 専攻科(幼児教育専攻 入学定員20名修業年限2年)を設置し、学位 授与機構より学士(幼児教育学)、文部科学省より幼稚園教諭1種免許 の課程認定資格を得る 大阪キリスト教学院創立 100 周年記念行事を開催し、記念誌出版 幼児教育学科の入学定員170名(50名純増)の認可を得、同時に 170名の幼稚園教諭2種免許の課程認定及び保育士養成校指定を得 る 専攻科(神学専攻)が学位授与機構の「認定専攻科における教育の実施 状況の審査」の結果、 「適」と認められる 神学科の募集を停止し、国際教養学科に「神学基礎コース」及び「キリ スト教文化コース」を加える 専攻科(幼児教育専攻)の募集を停止する 丸山校地の隣接地(515.88 ㎡)を購入 年度末をもって神学科と専攻科(幼児教育専攻)の廃止申請 「幼保連携型認定こども園」認可 「幼保連携型認定こども園(聖愛幼稚園、せいあい保育園) 」開園 幼児教育学科入学定員を 200 名、国際教養学科入学定員を 70 名に変更 (2)学校法人の概要 平成 26 年 5 月 1 日現在 教育機関名 所在地 入学定員 収容定員 在籍者数 大阪キリスト教 短期大学 大阪府大阪市 阿倍野区丸山通 1-3-61 270 名 540 名 421 名 認定こども園 (聖愛幼稚園・ せいあい保育園) 大阪府大阪市 阿倍野区丸山通 1-3-61 58 名 210 名 164 名 グレース幼稚園 大阪府大阪市 阿倍野区昭和町 4-3-19 25 名 95 名 37 名 2 (3)学校法人・短期大学の組織図 ■専任教員数、非常勤教員数、教員以外の専任職員数、教員以外の非常勤職員数 平成 26 年 5 月 1 日現在 短期大学 短期大学 幼児教育学科 国際教養学科 専 任 教 員 14 9 非常勤教員 39 専 任 職 員 認定こども園 グレース幼稚園 計 0 0 23 16 0 0 55 11 8 0 0 19 非常勤職員 13 4 0 0 17 専 任 教 諭 0 0 10 4 14 非常勤教諭 0 0 7 3 10 保 士 0 0 9 0 9 臨時保育士 0 0 8 0 8 専 任 職 員 0 0 1 0 1 非常勤職員 0 0 0 1 1 計 77 37 35 8 157 育 3 (聖愛幼稚園・ せいあい保育園) 組織図 4 (4)立地地域の人口動態・学生の入学動向・地域のニーズ ■ 立地地域の人口動態 本学の入学者の8割が大阪府下在住の現役女子高生であるため、大阪府の18歳人口 (女子のみ)の推移をグラフで示す。18歳人口の減少傾向は、全国の推移に比べて大 阪府では数年遅れてやってくる。むしろ平成31年度までは、平成26年度より多い1 8歳人口推移となっている。ただ、短期大学進学希望者の割合の漸減傾向は続くと推察 されるので、ここ数年の人口増がそのまま本学の受験者増につながるとは考えにくい。 (平成25年度学校基本調査 小学・中学校の生徒数より推計) 受験年度における大阪府の18歳女子人口 36,724 35,472 37,172 38,038 38,679 39,785 40,590 41,092 平成37年度 平成36年度 平成35年度 平成34年度 平成33年度 平成32年度 平成31年度 平成30年度 42,550 平成29年度 41,146 41,072 39,825 41,098 平成28年度 平成27年度 平成26年度 平成25年度 30,000 ■ 32,000 34,000 36,000 38,000 40,000 42,000 44,000 学生の入学動向:学生の出身地別人数及び割合 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) 大 阪 203 76.0 209 79.5 174 79.5 204 81.0 192 86.1 奈 良 55 20.6 43 16.3 32 14.6 38 15.0 23 10.3 その他 9 3.4 11 4.2 13 5.9 10 4.0 8 3.6 計 267 100 263 100 219 100 252 100 223 100 ■ 地域社会のニーズ 前項の本学の出身地別入学者数の推移をみても、受験生の地元志向傾向が見ら れる。本学の立地が JR・地下鉄・近鉄などのターミナル駅である天王寺駅から徒 歩15分、南海・地下鉄の停車駅である天下茶屋駅から徒歩15分にあることか 5 ら、沿線である大阪府の南部地域や東部、東南部からの入学者が多い。 その地域において幼児教育系短期大学へは減少傾向はあるものの根強い需要があ る。本学は就職先である地元幼稚園・保育園からの高い評価を受けて、比較的良 質の高校生の進学先として引き続き受験生の関心も高い。一方大阪北部や東北部 では受験生の4大シフトが他の地域より先行しており、地元志向との相乗効果も 加味すると、一定の潜在需要はあるもののこれまで以上の受験者獲得には特別な 戦略が必要となる。 一般企業事務職を進路の主流としている国際教養学科は、就職率の高さや就職 先の堅実さ、立地(企業訪問等就職活動の利便性)などで、特に大阪南部・東南 部地域の入学実績のある高校からは、高い評価を受けてきた。しかし本学が教育 体制を整える英語系、情報処理系、秘書系の分野には、四年制大学や専門学校の 競合校も多く、又、そもそも全体として減少している短大希望者の中においても、 むしろ栄養系や地域総合学科型の多様な講座を備えた企業事務職と直結していな い(イメージがある)分野が好まれているようだ。短大からの企業事務職就職を 希望する受験生の絶対数が減少している状況にある。 (高校訪問や高校内説明会で得た情報) ■ 地域社会の産業の状況 大阪は、古くから、海外との窓口として、また、日本経済の中心としての役割を 果たしてきた。近代には産業革命の担い手として、日本経済を牽引し、多くの重要 な産業と著名な企業を生み出してきた。 大阪産業の特徴としては、第一に「中小企業の街」であるということができます。 大阪府の工業生産に占める中小企業の割合は 65%に達し、これらのなかには独自の 技術で世界のシェアの大半を誇るものもたくさんある。 第二に「合理精神・起業精神の旺盛な街」といえる。インスタントラーメンなど のユニークな製品やニュービジネスの多くが大阪で誕生している。今日、大阪を含 む関西圏は、数々のビッグプロジェクトが進行する世界でも有数の活力あふれる地 域となっている。 (大阪府ホームページより) 6 ■ 短期大学所在の市区町村の全体図 (NAVITIME掲載の地図を使用) 7 (5) 課題等に対する向上・充実の状況 ①頌栄短期大学との相互評価での指摘 改善を要する事項 対策 成果 教育の課程の改善などに、自 PDCA 対策の見直し、改善努 自己点検・評価報告書に各観 己点検・評価の反省が生かさ 力 点の課題を明記し次年度に れにくい 生かす 基礎学力が不足する学生の 授業の改善、初年次教育の実 国際教養学科では、新入生対 増加に伴う体制づくり 施 象に従来のゼミの時間に読 み書きの基礎力養成のリメ ディアル教育を導入する。幼 児教育学科では未定である SD の実施と研修規程の未整 理事会で SD への企画 備 年度末に SD を実施。今後も 課題をもって企画実施する 災害時の規程、安全対策 規程の作成と対策の検討 安全衛生委員会を中心に企 画検討、規程化は次年度の課 題である ②上記以外で、改善を図った事項について 改善を要する事項 対策 成果 学内 LAN のセキュリティ体 学生利用と教職員利用の LAN 実施によりセキュリティを 制強化 の分離 高めることができた 学内の規程等の公開 教職員対象のグループウェ 全教職員が規程を随時閲覧 ア導入、教職員限定で公開 可能となった グループウェア導入により、 その他の学内情報の共有と 伝達の迅速化を実現した 施設利用の重複をいち早く 発見でき是正可能になる 耐震改修工事の必要 1号館耐震改修工事の着工、 耐震改修による安全性の確 完成 保のほか、懸案の 1 号館バリ アフリー化と校舎の美装、さ らに普通教室の改修などを 実施でき、教育環境を整備で きた 食堂の改善 学生より、営業 業者との話し合い 時間、内容の点で多数改善要 十分学生の要望を反映しき れていない 望が出ている 8 (6)学生データ(学校基本調査のデータを準用) ① 入学定員、入学者数、入学定員充足率、収容定員、在籍者数、収容定員充足率 学科等の名称 事項 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 入学定員 170 170 170 170 200 入学者数 184 161 193 188 180 108 95 114 111 90 収容定員 340 340 340 340 370 在籍者数 360 341 353 376 367 106 100 104 111 99 入学定員 100 100 100 100 70 平成 25 年度 入学者数 79 58 59 35 18 メディア表現コ 79 58 59 35 25 収容定員 200 200 200 200 170 止 在籍者数 169 136 115 95 54 平成 26 年度 入学定員 幼児教育学科 充足率(%) 収容定員 充足率(%) ース新設、国際教 入学定員 充足率(%) 国際教養学科 備考 育コース募集停 神学基礎コー ス・キリスト教文 収容定員 85 充足率(%) 68 58 48 31 化コース募集停 止 入学定員 − − − − − 入学者数 − − − − − − − − − − 収容定員 0 − − − − 在籍者数 1 − − − − − − − − − 区分 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼児教育学科 175 174 179 160 186 国際教養学科 92 87 77 52 59 0 1 0 0 1 4 2 1 入学定員 充足率(%) 神学科 収容定員 充足率(%) ② 平成 20 年度 募集停止 卒業者数(人) 神 専攻科 専攻科 学 神 科 学 専 攻 幼児教育専攻 1 9 ③ 退学者数(人) 区分 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼児教育学科 1 6 2 5 3 国際教養学科 3 4 3 3 0 0 0 1 0 1 0 0 0 神 専攻科 専攻科 ④ 学 神 科 学 専 攻 幼児教育専攻 0 休学者数(人) 区分 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼児教育学科 0 1 0 1 1 国際教養学科 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 神 専攻科 専攻科 ⑤ 学 神 科 学 専 攻 幼児教育専攻 0 就職者数(人) 区分 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼児教育学科 170 168 173 156 176 国際教養学科 58 69 51 36 47 0 0 0 0 1 0 0 0 神 専攻科 専攻科 ⑥ 学 神 科 学 専 攻 幼児教育専攻 2 進学者数(人) 区分 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 幼児教育学科 2 0 1 4 4 国際教養学科 15 5 10 7 5 0 0 0 0 0 0 1 0 神 専攻科 専攻科 学 神 科 学 専 攻 幼児教育専攻 0 10 (7)短期大学設置基準を上回っている状況・短期大学の概要 ① 教員組織の概要(人) 平成 26 年 5 月 1 日現在 設置基準 で定める 入学定員に応じ で定める 教員数 て定める専任教 教授数 〔イ〕 員数〔ロ〕 幼児教育学科 5 3 5 2 15 11 4 0 39 国際教養学科 4 2 2 0 8 7 3 0 14 3 1 (兼) (兼) 0 0 0 4 9 5 7 2 0 57 0 57 専攻科神学専攻 (小計) 4 (兼) 23 18 7 〔その他の組織等〕 短期大学全体の入学 5 定員に応じて定める 2 専任教員数〔ロ〕 (合計) ② 9 5 7 2 23 23 9 教員以外の職員の概要 専任 兼任 計 事務職員 16 15 31 技術職員 1 0 1 図書館・学習支援センター等の専門事務職員 2 2 4 その他の職員 0 0 0 計 19 17 36 11 備考 計 短期大学全体の 非常勤教員 助教 講師 准教授 教授 学科等名 設置基準 助手 専任教員数 ③ 校地等(㎡) 在籍学 共有する 区分 専用 共用 他の学校 (㎡) (㎡) 等の専用 基準面積 生一人 (㎡) 当たり [注] の面積 計(㎡) (㎡) 11,257 0 0 11,257 運動場用地 17,043 0 0 17,043 小計 28,300 0 0 28,300 313 0 0 313 28,613 0 0 28,613 合計 (共有 の状況 など) (㎡) 校舎敷地 その他 備考 5,400 68 ④ 校舎(㎡) 専用 共用 (㎡) (㎡) 13,284 0 区分 校舎 共有する他の 学校等の専用 (㎡) 0 計 (㎡) 基準面積 備考 (㎡) (共有の状 [注] 13,284 況など) 9,200 ⑤ 教室等(室) 講義室 演習室 実験実習室 情報処理学習室 語学学習施設 18 8 1 2 1 ⑥ 専任教員研究室 専任教員研究室 27 12 ⑦ 図書・設備 図書 〔うち外国書〕 学科・専攻課程 (冊) 幼児教育学 79,036 科 [4,815] 国際教養学 33,872 科 [2,063] 計 図書館 体育館 学術雑誌 〔うち外国書〕(種) 電子ジャーナ ル〔うち外国 書〕 視聴覚資料 (点) 84 [1] 1,262 標本 (点) 0 0 0 0 0 0 [5] 57 [3] 112,908 0 [0] 機械・器具 (点) 0 [0] 828 [106] 141 [4] 0 [0] [6,878] 2,090 [111] 面積(㎡) 833 閲覧席数 72 席 面積(㎡) 収納可能冊数 77,000 冊 体育館以外のスポーツ施設の概要 767 13 (8) 短期大学の情報の公表について ① 教育情報の公開について 事項 1 2 3 4 公表方法等 要覧 大学の教育研究上の目的に関すること 自己点検・評価報告書 学校案内 ウェブサイト 要覧 教育研究上の基本組織に関すること 自己点検・評価報告書 ウェブサイト 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位 自己点検・評価報告書 及び業績に関すること ウェブサイト 入学者に関する受け入れ方針及び入学者の数、 収容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了 要覧 学校案内 した者の数並びに進学者数及び就職者数、その ウェブサイト 学生募集要項 他進学及び就職などの状況に関すること 5 授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授 業の計画に関すること 要覧 6 学修の成果に係る評価及び卒業又は修了 要覧 の認定に当たっての基準に関すること 7 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生 要覧 自己点検・評価報告書 の教育研究環境に関すること 学校案内 ウェブサイト 8 授業料、入学料その他の大学が徴収する費 学生募集要項 用に関すること 9 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身 要覧 の健康等に係る支援に関すること URL ② 学科目概要 ウェブサイト ウェブサイト ウェブサイト http://www.occ.ac.jp/ 学校法人の財務情報の公開について 事項 公表方法等 財産目録、貸借対照表、収支計算書、 学院報 ウェブサイト 事業報告書及び監査報告書 (9)各学科・専攻課程ごとの学習成果について 幼児教育学科、国際教養学科の両学科とも、学習成果は、建学の精神に基づいて、教 育目的、カリキュラムポリシーに方針を示している。また、学科目概要には各科目の学 習成果を明確に示している。 査定する仕組みは、授業アンケートと卒業生アンケートがある。結果は統計的に分析 し、学習成果に反映するよう学科で協議しPDCAサイクルを確立している。授業アン ケートは、統計分析されて学内では開示されている。アンケート結果は担当者に返され、 担当者は改善点を文書化して提出している。卒業生アンケートの結果は、学科協議会で 検討後、教授会に報告され学内に公開される。 14 〈幼児教育学科〉 学習成果の見直しは、幼稚園教諭免許状のための教育課程、保育士資格のための保育 課程に対する文部科学省、厚生労働省の通達等を学科の教育内容に反映するよう、毎月 開催される学科協議会で行っている。 〈国際教養学科〉 国際教養学科ではコミュニケーションの基礎としての「聴く、読む、書く、話す」能 力を重視し、こういった学習成果を学生自身が自己認識するプログラムとして卒業研究 の発表会を持っている。こういった学生のプレゼンテーションにより1年次生の模範と し学習成果の向上を図っている。 (10) オフキャンパス、遠隔教育、通信教育のその他の教育プログラム 実施していない (11)公的資金の適正管理の状況 公的資金の管理についての学内規程は作成されていないが、学内経理規程などを準 用して適正管理を行っている。 15 (12)理事会・評議員会ごとの開催状況(23 年度∼25 年度) 区分 開催日現在の状況 定員 人 10 平 成 10 2 3 10 年 度 10 理 10 事 会 9 9 11 11 11 28∼36 人 評 議 30 30 員 会 31 11 人 2 出席理事数 平成 23 年 5 月 9 日 実出席率 人 18:00∼21:08 平成 23 年 5 月 23 日 17:30∼17:55 平成 23 年 5 月 23 日 20:15∼21:40 平成 23 年 6 月 20 日 18:00∼20:50 平成 23 年 9 月 12 日 18:00∼20:55 意思表示 出席率 出席者数 % 人 3/3 8 80 1 8 80 1 3/3 8 80 1 2/3 9 90 0 2/3 9 90 2 3/3 9 90 0 3/3 9 90 0 3/3 9 100 0 2/3 9 100 0 3/3 10 90 0 2/2 11 100 0 1/2 11 100 1 1/2 27 90 3 3/3 28 90 3 3/3 30 90 2 2/2 11 100 1 2/2 11 100 0 1/2 平成 23 年 10 月 17 日 10 10 成 監事の 開催時間 現員 11 人 平 出席者数等 開催年月日 11 11 17:30∼19:10 平成 23 年 11 月 7 日 20:00∼21:00 平成 23 年 12 月 5 日 18:00∼20:50 平成 24 年 1 月 23 日 18:00∼19:50 平成 24 年 2 月 20 日 18:00∼20:50 平成 24 年 3 月 26 日 20:30∼22:00 平成 24 年 3 月 30 日 15:30∼17:40 平成 23 年 5 月 23 日 18:00∼20:15 平成 23 年 11 月 7 日 18:00∼19:50 平成 24 年 3 月 26 日 18:00∼20:10 平成 24 年 5 月 7 日 18:00∼21:10 平成 24 年 5 月 21 日 19:30∼20:30 16 4 11 年 度 11 理 10 事 会 10 10 10 10 9 9 9 評 28∼36 人 議 員 30 会 11 人 平 成 2 5 年 度 理 事 会 31 9 8 8 11 11 11 11 平成 24 年 6 月 25 日 18:00∼21:00 平成 24 年 7 月 23 日 18:00∼20:50 平成 24 年 10 月 15 日 18:00∼20:30 平成 24 年 11 月 5 日 18:00∼21:05 平成 24 年 12 月 10 日 18:00∼21:15 平成 25 年 1 月 21 日 18:00∼20:25 平成 25 年 2 月 18 日 18:00∼20:45 平成 25 年 3 月 15 日 14:00∼17:06 平成 25 年 3 月 25 日 17:00∼18:00 平成 25 年 3 月 25 日 20:11∼20:46 平成 24 年 5 月 21 日 18:00∼19:44 平成 25 年 3 月 25 日 18:00∼20:10 平成 25 年 4 月 8 日 13:00∼13:43 平成 25 年 5 月 13 日 18:00∼21:15 平成 25 年 5 月 27 日 20:25∼20:55 平成 25 年 6 月 24 日 18:00∼19:55 平成 25 年 7 月 19 日 15:00∼17:00 平成 25 年 8 月 12 日 10:00∼12:00 平成 25 年 9 月 19 日 15:00∼17:00 17 11 100 0 2/2 9 80 0 2/2 10 100 0 2/2 10 100 0 2/2 10 100 0 2/2 10 100 1 2/2 9 90 1 1/2 9 100 0 1/2 9 100 0 2/2 9 100 0 1/2 27 90 4 2/2 27 90 3 2/2 9 100 0 2/2 8 100 1 2/2 8 100 0 2/2 11 100 0 2/2 11 100 0 2/2 11 100 0 2/2 11 100 0 2/2 11 11 11 11 11 11 評 23∼28 人 議 員 会 25 25 平成 25 年 11 月 11 日 18:00∼20:30 平成 25 年 12 月 9 日 18:00∼20:40 平成 26 年 1 月 20 日 18:00∼20:40 平成 26 年 2 月 17 日 14:00∼17:10 平成 26 年 3 月 24 日 12:00∼13:40 平成 26 年 3 月 24 日 16:10∼16:40 平成 25 年 5 月 27 日 18:00∼20:15 平成 26 年 3 月 24 日 14:00∼16:00 11 100 0 2/2 11 100 0 1/2 11 100 2 1/2 11 100 0 2/2 11 100 2 2/2 11 100 2 2/2 24 90 3 2/2 23 90 4 2/2 2.自己点検・評価報告書の概要 基準Ⅰについて。本学の建学の精神は、「『道・真理・いのち』であるイエス・キリ ストに倣って、神と人とに仕える人間の育成を目指す。」とあるように、キリスト教に 基づく人格教育である。建学の精神を伝えるため、学生に対しては毎週1回のチャペル・ アワー、教員には教授会でのデボーションのように、絶えず建学の精神を確認し、「チ ャペルトーク集」などの印刷物、ウェブサイト、学院報等でもその精神を内外に宣明し ている 学習成果については、幼児教育学科・国際教養学科ともに、教育目的・目標が確立さ れ、3ポリシーに明確に表され、内外に表明している。教育目的・目標を随時確認、点 検している。学科目概要に「授業終了時の到達目標」を記載しそれに基づき成果を確認 している。学習成果を測定する仕組みに関しては、量的データの一つとして授業アンケ ートを実施している。また、平成25年度より卒業後2年目、5年目の卒業生にアンケート を実施している。 教育の質保証については、教育の向上・充実のためのPDCAサイクルとして、教員は授 業の質向上のために、学科目概要での授業計画(Plan)を立て、それを実際に行い(Do)、 その反省のもとに(Check)次の授業、次の年度の計画を修正して行う(Action)。そ のために学科目概要の改善と、学生の授業アンケート、さらなる改善というサイクルが 成立しているが、非常勤教員には周知が困難な面があり、客観的な検証の手法が必要と 思われる。 自己点検・評価については、自己点検・評価規程及び自己点検・評価委員会規程に基 づき、毎年その年度の評価を委員会で検討し報告書を作成している。平成25年度は頌栄 短期大学との相互評価に取り組み、双方の教育に対する姿勢、内容などを学び合うこと 18 ができた。 基準Ⅱについて。幼児教育学科の教育課程は、学位授与の方針により学則第 13 条に 幼稚園免許二種免許状、保育士資格の取得に向けられている。平成 25 年度の学位授与 の方針は、保育者の資質を中心に定められており、学位授与の要件である卒業要件、成 績評価の基準、資格取得の要件との整合性が希薄である。学生の卒業後評価の取り組み では、平成 25 年度は、就職先への訪問に加え就職先に新卒者に関するアンケート調査 を実施し、おおむね高い評価を得た。国際教養学科の教育課程は、学位授与の方針に対 応しており、具体的な成果として位置づけられる各資格、上級秘書士、秘書士、上級情 報処理士、情報処理士、ビジネス実務士、プレゼンテーション実務士、ウェブデザイン 実務士(全国大学実務教育協会)の資格取得要件を規定している。 入学者受け入れについては、推薦、一般、AO 入試を実施し、入学選抜においてはさ まざまな資質の入学者を獲得するように配慮している。すべての入試で面接を行いコー スの教育目的に合った学生の選抜を目指している。 学生支援については、教員と職員の連携により、きめ細やかな支援が行われている。 教員は、学科の学習成果の獲得に向けて教育資源を有効に活用している。本学では、 入学時から専任教員が担当するゼミに全学生が配属され、生活面での指導をしている。 教務担当、ゼミ担当との連繋により早期に対応する体制が整えられている。 事務職員は所属部署の役割を理解し、職務を通して学生支援を行っている。各部署で は事務職員が互いの情報を共有し連携した学生支援を行っている。 教職員は、学内のコンピュータを授業や学校運営に活用していると言える。教授会の 会議資料は電子化され教員は PC 等から資料を閲覧している。平成 25 年度よりグループ ウェアの導入を行った。 進路支援のために、キャリアセンターを設置している。企業系就職ガイダンスは 1 年 前期から後期にかけて計 32 回、教育・保育系就職ガイダンスは 1 年後期から 2 年前期 にかけて計 32 回実施しており、途中、全学生に個別面談し、進路に対する希望を把握 して進路支援を行っている。 入学支援については、入学者受け入れの方針は、 「学生募集要項」の裏表紙に各学科、 コースごとに明記している。入試事務全般および入試広報を行い、6種類の入試を厳正 に実施している。 基準Ⅲについて。本学は幼児教育学科、国際教養学科の2学科にふさわしい教員組織 が編成されている。短期大学設置基準に適合する教授数と教員数が確保され、幼児教育 学科は幼稚園二種免許状及び保育士資格のための課程認定を受けており、教育課程の編 成・実施はこれらの基準を満たしている。また教育研究活動の成果をウェブサイト、学 院報等に公開している。 事務職員については、事務局長の下に職員に係る規程に基づく業務に携わっている。 人事管理については、諸規程に基づき行われるが、明確な人事評価システムがない。 校地・校舎の面積は設置基準を満たしている。校舎については老朽化が進んでいたが、 平成26年3月において全ての建物の耐震工事が終了し、同時にバリアフリー化を進め環 境や福祉に向けた改善も推進し概ね当初計画は終了した。施設・設備の維持管理につい ては、規程に従い法定検査を実施し、災害に対して耐震工事を終了、防犯対策も行って 19 いる。 技術的資源については、教育用情報機器施設として 3 つのコンピュータ実習室、学生 ロビーで自由に利用できるパソコンコーナーを整備しており教育研究に活用している。 学内 LAN は学内のほぼすべての建屋に巡らせ、インターネットはほぼ学内全域で接続可 能となっている。 財的資源については、法人は 1 短期大学(2 学科)、1 幼稚園、1認定こども園(幼稚 園・保育園)を設置運営するが、法人としての借入金はゼロ、減価償却引当、退職給与 引当、2 号基本金引当、4 号基本金保管など資産を適切に保有、資金を安全に運用して いる。しかしながら流動資金増には今後、更なる資金運用手段を採用の上、運用益を得 ることが必要である。平成 25 年度は国際教養学科が大幅に収容定員を下回ったことに より、大幅な減収となり、学生募集の立て直し他、財政の改善の必要に迫られている。 基準Ⅳについて。理事長は寄附行為に基づいて本学校法人を代表し、その業務を総理し ている。平成25年度は13回の理事会を招集し、議長を務めた。学長は短期大学の学校運 営に関しリーダーシップを発揮している。学長は建学の精神を理解し、それに基づく教 育と研究の向上に努め、教授会を規程に基づき運営し、教授会の下に各種委員会を設置 し、教育研究に関わる諸事項を適切に運営している。 平成 25 年度の理事、監事及び評議員現員は寄附行為の定員を充足する。2 名の監事 は理事会、評議員会への出席率は 100%に近く、職責を果たしている。評議員は事業計 画、予算等の諮問を受け質疑応答など寄附行為に定める職務遂行している。近年、短期 大学の経営が厳しさを増し、改革の迅速化が必要とされるため、理事会及び常務理事会 もそれらに即した判断力が求められている。 3.自己点検・評価の組織と活動 自己点検・評価委員会(担当者、構成員) 本学は「自己点検・評価委員会規程」「自己点検・評価規程」を平成6年に制定し それに基づき下記の委員をもって構成している。 ○理事長、○学院長(兼)、○学長、幼児教育学科長、国際教養学科長、教務担 当主事、キャリアセンター室長、入試担当課長、学生担当主任、図書館長(兼) 、 キリスト教センター主事、国際教育センター室長、実習指導室主事、広報室長、 地域協働センター室長、情報システム担当主事(兼) 、事務局長、総務部長 20 自己点検・評価の組織図(規程は提出資料) 評議員会 理事会 ↑↓ 教授会 ↑↓ 自己点検評価委員会 報告書作成責任 基準Ⅰ 学院長 学長 各学科長 教務担当主事 基準Ⅱ 各学科長 教務担当主事 入試担当課長 キャリアセンター室長 学生担当主任 図書館長 国際教育センター室長 地域協働センター室長 情報システム主事 基準Ⅲ 学長 教務担当主事 事務局長 総務部長 図書館長 情報システム主事 基準Ⅳ 理事長 学長 事務局長 ↑↓ 幼児教育学科 国際教養学科 事務局 平成 25 年度自己点検・評価については、平成 24 年度の反省の各学科・部署・委員会 での自己点検評価をもとに、新しい様式での自己点検評価報告書の執筆の分担と要領の 確認のため、二度事前に委員会を持った。その後、さらに作成のために疑問点を持ち寄 り、ALOと学長を中心に確認しつつ各担当者が執筆を行った。 ① 頌栄短期大学との相互評価 平成 25 年 7 月 30 日 平成 24 年度自己点検評価報告書発行 頌栄短期大学との相互評価活動開始 9月5日 午後 1 時 30 分∼6 時 大阪キリスト教短期大学にて 頌栄短期大学の訪問調査 9 月 12 日 午後 1 時 30 分∼6 時 頌栄短期大学にて 大阪キリスト教短期大学の訪問調査 平成 26 年 3 月 30 日 頌栄短期大学との相互評価報告書発行 ② 自己点検・評価活動 平成 26 年 5 月 20 日 第 1 回自己点検・評価委員会 平成 24 年度の報告書作成要領確認 6 月 17 日 第 2 回自己点検・評価委員会 観点別評価確認 7月8日 第 3 回自己点検・評価委員会 基準別評価確認 7 月 22 日 第 4 回自己点検・評価委員会 編集委員会 8月6日 自己点検・評価報告書編集委員会 9月5日 報告書発行予定 21 【基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果】 (a)要約 本学の建学の精神は、「『道・真理・いのち』であるイエス・キリストに倣って、神 と人とに仕える人間の育成を目指す。」とあるように、キリスト教に基づく人格教育で ある。建学の精神を伝えるため、入学式、卒業式、創立記念礼拝、新入生研修会、音楽 チャペル・アワー、人権教育チャペル・アワー、クリスマス・チャペル、卒業礼拝など の機会を通して、キリスト教精神に基づく本学の建学の精神が、学生に周知徹底するよ う努めている。また、日常的に、毎週1回のチャペル・アワー、教員には教授会でのデ ボーションのように、絶えず建学の精神を確認し、 『チャペルトーク集』などの印刷物、 ウェブサイト、『学院報』等でもその精神を内外に宣明している。 幼児教育学科・国際教養学科ともに、建学の精神に基づいて教育目的・目標が確立さ れ、学則第4条の2に定め、「大阪キリスト教短期大学 要覧」に掲載、本学ウェブサ イトでも公開して周知している。新入生研修会で学生に学科の教育目的の意味を理解さ せ、目指すべき学習成果を明確に示している。学外への表明は、学生募集要項や高校教 員への入試説明会においても公開している。時代の変化に伴う学科内のコースの改廃な どの折にも、教育目的・目標を確認し、点検している。 学習成果は、建学の精神を反映した教育目的に基づいてカリキュラムポリシーとして 学習成果の目指す方針を示している。教育目的に基づいてカリキュラムを編成し、学科 目概要において各科目の学習成果を明確に示している。学科目概要には授業科目別に 「授業終了時の到達目標」が授業の概要や成績評価の方法などとともに記載されている。 学習成果は、基本的には定期試験、レポートや作品制作などを判断材料とし、成績評価 が行われている。 学習成果を測定する仕組みに関しては、量的データの一つとして授業アンケートを実 施している。結果を統計的に分析し、各科目の学習成果の達成度を検討する資料として いる。質的データとしては、学生の自由記述がある。また、平成 25 年度より卒業後 2 年目、5 年目の卒業生にアンケートを実施している。結果は統計的に分析し学科協議会 において、学習成果を学科の教育目的、カリキュラム等に反映するよう検討している。 学習成果の公表に関しては、一つの例として資格・検定の取得者数や、免許・資格を活 かした就職先への就職率、就職者数として、 「学校案内」 、ウェブサイト等に掲載し、学 外へ公表している。授業アンケートの結果は学内で開示されている。卒業生アンケート の結果は学科協議会で検討後、教授会に報告される。通常の学習成果点検機関としては 学科協議会がある。 教育の質保証のため、学校教育法、短期大学設置基準等の関連法令の変更について、 適宜確認し、法令の順守に努めている。教育の向上・充実のためのPDCAサイクルとして、 また教員は、とりわけ授業の質向上のために、学科目概要での授業計画(Plan)を立て、 それを実際に行い(Do)、その反省のもとに(Check)次の授業、次の年度の計画を修 正して行う(Action)。そのために学科目概要の改善と、学生の授業アンケート、さら なる改善というサイクルが成立している。しかし、授業改善については、非常勤教員に は努力の方向性への理解と協力は求めるが、実際には実施が難しい面もあり、客観的な 検証の手法が必要と思われる。 22 自己点検・評価については、自己点検・評価規程及び自己点検・評価委員会規程に基 づき、毎年その年度の評価を委員会で検討し報告書を作成し、公表している。平成25 年度は頌栄短期大学との相互評価に取り組んだ。 (b)行動計画 建学の精神と学科の教育目標との関係を明確にする必要がある。学生に対し、建学の 精神をよりわかりやすく解説する方法を検討し、そのうえで学科の教育目的の意味を深 く理解できるように、学科の教育目的との繋がりを学生に示す。 また、学習成果を明確に確認する客観的な数値指標の使い方が確立していないので、 せっかくの成果が十分理解・共有されにくい点があると考えられる。この成果の共有と 点検を進めていく具体的な計画を策定する。他大学の例を参照しつつ、本学独自の指標 となるものを、次年度に案を作成し、2 年後には実施したい。 両学科とも、カリキュラムマップの作成が課題である。平成 26 年度中に完成させる。 国際教養学科では、平成 24 年度入学生をもって募集停止となったコースがあり、教 育目的の見直しが必要となる。またそこから新たな学科の教育内容を見いだし、時代の 要請にあった教育課程、取得資格を再検討する。 本学の自己点検・評価活動は、体制は整っているが、一番大きな問題として、そもそ も大学としての中長期計画が明確に文書で示されておらず、そこから日常の教育研究活 動についても、何を目標とするか、それに対してどう評価し、改善するかを具体的に示 すことが難しかった。今後、改善に結び付けるために、まず大目標の設定を理事会レベ ルでできるように求めて行く必要がある。 基準Ⅰ-A 建学の精神 (a)要約 本学の建学の精神は、 「 『道・真理・いのち』であるイエス・キリストに倣って、神と 人とに仕える人間の育成を目指す。」とあるように、キリスト教に基づく人格教育であ る。建学の精神を伝えるため、入学式、卒業式、創立記念礼拝、新入生研修会、音楽チ ャペル・アワー、人権教育チャペル・アワー、クリスマス・チャペル、卒業礼拝などの 機会を通して、キリスト教精神に基づく本学の建学の精神が、学生に周知徹底するよう 努めている。また、日常的に、毎週 1 回のチャペル・アワー、教員には教授会でのデボ ーションのように、絶えず建学の精神を確認し、『チャペルトーク集』などの印刷物、 ウェブサイト、 『学院報』等でもその精神を内外に宣明している。 (b)改善計画 基本的には、現在のチャペル・アワーの形を踏襲しつつ、同時に、現代社会の中で生 きている学生たちにとって馴染みやすい讃美歌を取り入れたり、より具体的なキリスト 教的内容の込もったお話にしたり等の工夫を加えて、継続的に、建学の精神をより広く、 深く周知していくことを心がけなければならない。 23 基準Ⅰ-A-1 建学の精神が確立している。 (a)現状 本学の建学の精神は次のようであり、明文化されている。 「本学院は自由メソヂスト教会の伝統を汲む河邊貞吉により、明治 38 年(1905 年)に キリスト教伝道者を養成する神学校として創設された。教育は 100 年にわたって聖書的 人間観に基づく人格教育をおこなってきた。学院第二世紀においても、『道・真理・い のち』であるイエス・キリストに倣って、神と人とに仕える人間の育成を目指す。 」 これは新約聖書「ヨハネによる福音書」第 14 章 6 節「わたしは道であり、真理であ り、命である」というイエス・キリストの言葉に基づく。イエスはご自身の生涯と言葉 を通して、我々が従うべき生き方、道を示し、神と人への愛という真理を示し、ご自身 が人を活かし自分をも生かす命の与え主であることを示された。そのイエスの生き方に 倣い、 神と人に奉仕し、人を愛し人に仕える人間育成が本学の人間教育の目標である。具体的 には、教会に仕え、人々の魂に仕える牧師・伝道者の育成(神学科、ただし平成 22 年 度に廃止) 、幼子の魂と命の育成に携わる保育者養成(幼児教育学科) 、広く世界におい て人々に仕える社会人の育成(国際教養学科)のそれぞれの教育において実践され、こ の精神は学院の創立以来の本学の教育の目指す目標を変わらず伝えている。 上記の精神に則り、種々の行事が行なわれている。 幼児教育学科・国際教養学科おのおのにおいて毎週1回のチャペル・アワーが催され、 学内外のキリスト教信徒である教員およびゲスト説教者によって、キリスト教の教えが 語られ、それを実践する仕方が指導されている。 また、入学式、卒業式、創立記念礼拝、新入生研修会、クリスマス・チャペル、卒業 礼拝などの機会を通して、キリスト教精神に基づく本学の建学の精神が、学生に周知徹 底するよう努めている。このチャペル・アワーは、チャペル委員会の決定の下にキリス ト教センターが具体的に主催し、企画運営を行っている。 学内においては、上記の諸行事や毎週のチャペル・アワー以外にも、年に数回、外部 からの音楽家や特別講師を招いて、「音楽チャペル・アワー」や「人権教育チャペル・ アワー」を催している。 また一般教授会の開始時にキリスト教信徒の教員の指導の下に短いデボーション(讃美 歌と短いメッセージ)の時を持ち、全ての教育と研究の業が建学の精神に則っているべ きことを確認している。 学生には、チャペル・アワーへの出席が義務づけられており、年間を通じて3分の2 以上の出席が求められている。2年間の皆出席者の割合は30%にも及んでいる。毎回、 出席カードにお話しへの感想や質問が求められており、語られた内容や自分自身の悩み などを率直に書いており、必要に応じて、説教者やキリスト教センターの教職員がその 応対に当たっている。 また、チャペル・アワーにおいて語られたメッセージの内、代表的なものを集めて『チ ャペルトーク集』が毎年、出版されており、学生および関係者に配布され、各人が聖書 のメッセージにふれる機会を提供している。 対外的には、本学のウェブサイトや『学院報』といった種々の媒体を通じて、保護者 24 や関係者にも告知し続けている。 (b)課題 課題としては、チャペル・アワーが単なる修行の場のようになるのでなく、学生にと って親しみやすく、充実した時間となることが上げられる。 基本的には、現在のチャペル・アワーの形を踏襲しつつ、同時に、現代社会の中で生 きている学生たちにとって馴染みやすい讃美歌を取り入れたり、より具体的なキリスト 教的内容の込もったお話にしたりなどの工夫を加えて、継続的に、建学の精神をより広 く、深く周知していくことを心がけなければならない。 基準Ⅰ-B 教育の効果 (a)要約 幼児教育学科・国際教養学科ともに、建学の精神に基づいて教育目的・目標が確立さ れ、学則第4条の2に定め、 「大阪キリスト教短期大学 要覧」に掲載、本学ウェブサイ トでも公開して周知している。新入生研修会で学生に学科の教育目的の意味を理解させ、 目指すべき学習成果を明確に示している。学外への表明は、学生募集要項や高校教員へ の入試説明会においても公開している。 学習成果は、建学の精神を反映した教育目的に基づいてカリキュラムポリシーとして 学習成果の目指す方針を示している。教育目的に基づいてカリキュラムを編成し、学科 目概要において各科目の学習成果を明確に示している。学科目概要には授業科目別に 「授業終了時の到達目標」が授業の概要や成績評価の方法などとともに記載されている。 学習成果は、基本的には定期試験、レポートや作品制作などを判断材料とし、成績評価 が行われている。 学習成果を測定する仕組みに関しては、量的データの一つとして授業アンケートを実 施している。結果を統計的に分析し、各科目の学習成果の達成度を検討する資料として いる。質的データとしては、学生の自由記述がある。また、平成 25 年度より卒業後 2 年目、5 年目の卒業生にアンケートを実施している。結果は統計的に分析し学科協議会 において、学習成果を学科の教育目的、カリキュラム等に反映するよう検討している。 学習成果の公表に関しては、一つの例として資格・検定の取得者数や、免許・資格を活 かした就職先への就職率、就職者数として、 「学校案内」 、ウェブサイト等に記載し、学 外へ公表している。授業アンケートの結果は学内で開示されている。卒業生アンケート の結果は学科協議会で検討後、教授会に報告され学内に公開される。通常の学習成果点 検機関としては学科協議会がある。 教育の質保証のため、学校教育法、短期大学設置基準等の関連法令の変更について、 適宜確認し、法令の順守に努めている。教育の向上・充実のためのPDCAサイクルとして、 また教員は、とりわけ授業の質向上のために、学科目概要での授業計画(Plan)を立て、 それを実際に行い(Do)、その反省のもとに(Check)次の授業、次の年度の計画を修 正して行う(Action)。そのために学科目概要の改善と、学生の授業アンケート、さら なる改善というサイクルが成立している。しかし、授業改善については、非常勤教員に 25 は努力の方向性への理解と協力は求めるが、実際には実施が難しい面もあり、客観的な 検証の手法が必要と思われる。 (b)改善計画 建学の精神と学科の教育目標との関係を明確にする必要がある。また、学習成果を明 確に確認する客観的な数値指標の使い方が確立していないので、せっかくの成果が十分 理解・共有されにくい点があると考えられる。この成果の共有と点検を進めていく具体 的な計画が必要である。 また、非常勤講師との連繋した十分な学習成果の点検はできていない。 今後、教育の質保証のために、学科目概要の改善から学生の授業のフィードバックま での PDCA サイクルを日常化することができるよう一層の努力が必要である。 基準Ⅰ-B-1 教育目的・目標が確立している。 (a)現状 〈幼児教育学科〉 建学の精神に基づき、幼児教育学科の教育目的を定めている。教育目的は、学則第4 条の2に規定されており、それを具体化して「大阪キリスト教短期大学 要覧」の幼児 教育学科の項の冒頭に掲載、本学ウェブサイトでも公開して周知している。 幼児教育学科 教育目的 1.キリスト教精神にもとづき、愛をもって人に奉仕する豊かな人間性の育成を目的 とする。 2.子どもたちとともに歩み、変化する社会のニーズに対応し得る資質を備えた保育 者の育成を目的とする。 3.人々に関わることを楽しみ、学生生活を自ら充実させる学生の育成を目的とする。 学科の教育目的・目標は、アドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプ ロマポリシーとして学習成果の方針を示し、学科目概要において各科目の学習成果を明 確に示している。カリキュラムマップによって学習成果をより具体的、視覚的に示すた め、学科協議会において1年間検討を続けている。 学内外への表明は、 「要覧」に教育目的を記載し、新入生研修会で学生に学科の教育 目的の意味を理解させ、目指すべき学習成果を明確に示している。学外への表明は、入 試担当主催、高校教員への説明会において、学科の教育目的を説明し、理解を深めてい ただくようにしている。 学科の教育目的・目標は常に学科協議会で検討されている。平成 25 年度より大学改 革に係って本学の位置づけを「地域の知の拠点となる大学」としたため、学科協議会で 検討した結果、平成 26 年度の教育目的に地域に貢献する人材の育成という項目を追加 することとなった。それに伴ってアドミッションポリシー、カリキュラムポリシーを変 更した。ディプロマポリシーは包括的であるので変更していない。 26 〈国際教養学科〉 建学の精神に基づき、国際教養学科の教育目的を定めている。教育目的は、学則第4 条の2に定め、 「大阪キリスト教短期大学 要覧」の国際教養学科の項の冒頭に掲載、本 学ウェブサイトでも公開して周知している。 国際教養学科 教育目的 1.キリスト教精神に基づいて、国際的、現代的教養を身につけた品性ある人材の育成 を目的とする。 2.現代の様々な課題に応えることのできる教育者ならびにキリスト教奉仕者として必 要な知識の習得と人格形成を目的とする。 3.グローバル化した社会の幅広い分野で、国際人として活躍するために必要な実務的 能力と語学の習得を目的とする。 教育目的には国際的、現代的教養を身につけ、キリスト教奉仕者として働く人材、グ ローバル化した社会の幅広い分野で国際人として活躍する実務的能力と語学を身につ けた人材の養成を目的としており、国際教養学科の各コースの学習成果を具現化する理 念を教育目的としている。 国際教養学科はコース制を取っており、各コースの特性に合った、資格取得という具 体的な形で学習の目的としている。資格取得、検定取得の人数を資格、検定ごとに算出 して、学校案内、ウェブサイトにも掲載して公表している。 学科の教育目的・目標は、要覧に記載し学内に表明している。学外へは、学生募集要 項や高校教員への入試説明会において、学科の教育目的を説明し、ウェブサイト上でも 公開している。 教育目的は、コース制の改編に関わる事案が発生したとき検討を行っている。平成 24 年度にはメディア表現コース新設、平成 25 年には国際教育コースを廃止した。また 平成 26 年度末に神学基礎コース、キリスト教文化コースが廃止になるため、教育目的 の検討を行う。 (b)課題 〈幼児教育学科〉 建学の精神に基づいたカリキュラムマップの作成が課題である。また、そのカリキュ ラムマップは、教育目的の変更を教育課程に反映させ学習成果を明確に示し、学生が理 解しやすいものを目指す。ディプロマポリシーは、学習成果が示されているものが適切 であるため検討を要する。 〈国際教養学科〉 国際教養学科では、毎年入学者が減少している。教育目的、目標の時代的な要請との 合致、わかりやすさ、具体性などが問われている。体系的に教育内容を示すために、今 年度は国際教養学科の学科全体の概念図を示した。これらは学校案内に掲載され国際教 27 養学科の内容を時系列で説明した広報用のものであるが、さらに体系的な資料としてカ リキュラムマップを作成する。 平成 24 年度にコース編成に変動があり、メディア表現コースを新たに設置したが、 学則第 4 条とともに教育目的を点検し、再構築し教育目的の定期的点検をさらに詳細に 行うべきであった。また、平成 24 年度入学生をもって募集停止となったコースがあり、 教育目的の見直しが必要となる。またそこから新たな学科の教育内容を見いだし、時代 の要請にあった教育課程、取得資格が再検討されなければならない。 基準Ⅰ-B-2 学習成果を定めている。 (a)現状 〈幼児教育学科〉 学習成果は、建学の精神を反映した教育目的に基づいてカリキュラムポリシーとして 学習成果の目指す方針を示している。教育目的に基づいてカリキュラムを編成し、学科 目概要において各科目の学習成果を明確に示している。学科目概要の「授業計画」の項 では、「授業終了後の到達目標」を記載し、学生が理解しやすくしている。 学習成果を測定する仕組みに関しては、量的データの一つとして授業アンケートを実 施している。結果を統計的に分析し、各科目の学習成果の達成度を検討する資料として いる。質的データとしては、学生の自由記述がある。結果は当該担当者のみに知らされ る。また、平成 25 年度より卒業後 2 年目、5 年目の卒業生にアンケートを実施してい る。結果は統計的に分析し学科協議会において、学習成果を学科の教育目的、カリキュ ラム等に反映するよう検討している。学習成果の公表に関しては、一つの例として免 許・資格を活かした就職先への就職率、就職者数として、 「学校案内」等に記載し、学 外へ公表している。授業アンケートの結果は学内で開示されている。卒業生アンケート の結果は学科協議会で検討後、教授会に報告され学内に公開される。 学習成果の見直しは、幼稚園教諭免許状のための教育課程、保育士資格のための保育 課程に対する文部科学省、厚生労働省の通達等を学科の教育内容に反映するよう、毎月 開催される学科協議会で行っている。また、教員が最新の情報を収集するため、全国保 育士養成協議会等の研究会に積極的に参加し、学科協議会での報告を通して共通理解を 図っている。 〈国際教養学科〉 学習成果は、理念的には学科の教育目的に示されるほか、学科目概要に具体的に記さ れている。学生に分かりやすいように記載内容を検討して現在の形になっている。要覧 には、教育課程表と履修指針が示され、学生が履修計画を立てる上での重要な事項が説 明されている。学科目概要には授業科目別に「授業終了時の到達目標」が授業の概要や 成績評価の方法などとともに記載されている。学習成果は、基本的には定期試験、レポ ートや作品制作などを判断材料とし、成績評価が行われている。 コース毎に目指す企業の業種や職種に必要な知識やスキルを身につける資格に対応 した科目が多数設置され、その検定の合否という形で学習成果の達成度は明瞭になる。 28 コースの目的に掲げられた資格・検定取得に必要な科目を点検し、反映されるよう点検 している。 学習成果は、建学の精神に基づいて、学科の「教育目的」と「カリキュラムポリシー」 として方針を示している。学科目概要には「学習終了時の到達目標」という形で具体的 な学習成果を示した。 教育目的に基づいてカリキュラムを編成し、学科目概要において各科目の学習成果を 明確に示している。学科目概要の「授業計画」の項では、授業の概要や成績評価の方法 などとともに「授業の終了時の到達目標」を明確に記載している。 国際教養学科では「読む、書く、話す」というコミュニケーションの基礎の育成を重 視してきたが、こういった学習成果を把握する仕組みとして、「合同ゼミナール」にお ける卒業研究の発表会がある。プレゼンテーション力育成の集大成であり、優秀な発表 を 1 年生が見てまねることにより、学習成果のレベル向上を図っている。 学生による授業アンケートを実施している。統計的に分析し、各科目の学習成果の達 成度を検討する資料としている。 平成 25 年度より卒業後 2 年目、5 年目の卒業生にアンケートを実施し、その結果は 統計的に分析し学科協議会に開示し、ここから得られた卒業生が重要視する学習成果を、 学科の教育目的やカリキュラム等に反映することを検討している。 各コースに設定した目標資格、検定の取得者数は、「学校案内」等に記載し、学外へ 公表している。また、卒業後の目標達成としての就職者数も「学校案内」等に公表して いる。卒業生アンケートの結果は学科協議会において教育内容の改善に供される。学習 成果の学外への公開については、資格取得、検定取得の人数を資格、検定ごとに算出し て、学校案内、ウェブサイトにも掲載して公表している。 通常の学習成果点検機関としては学科協議会がある。コース毎の教育成果を個々に点 検することはあるが、学科のカリキュラムの体系的な学習成果を点検しているとは言え ない。 また、非常勤講師との連繋した学習成果の点検はできていない。 (b)課題 〈幼児教育学科〉 学習成果の象徴的核心としての建学の精神を、より現代の学生にわかりやすく説明し、 学科の学習成果との繋がりを示す必要がある。そこで、それぞれの科目が学科の教育目 的の中でどこに位置づけられるかを学生が明確に理解し自己の学習成果を自覚できる ように、カリキュラムマップの作成が課題である。 学習成果の評価システムの一つである卒業生アンケートは、卒業時の住所に送付して おり回収率が悪い。同窓会組織である友の会との協議を行い現住所へ送付することが課 題である。評価システムの一つと考えられる授業アンケートの結果の公開は、その趣旨 と影響を教員でよく検討し共通理解を図ることが重要である。学科協議会での協議が今 後の課題である。卒業生アンケートの結果を学院報、ウェブサイトなどによって学外に 公表することが課題である。 学習成果の見直しは、学科協議会において適宜検討されているので、専任教員には徹 29 底されているが、非常勤講師へは 1 年に1回、2 月に開催される教育懇談会において説 明するのみである。したがって、その科目内容への反映は1年遅れる。学科の学習成果 に関して、非常勤講師の方々への明確な説明の時期と方法の検討が課題である。 〈国際教養学科〉 建学の精神と教育目標に基づく学科の教育目標や履修指針において、学習成果は明確 に示されているが、学科・コースの学習成果を評価するシステムは有しておらず、その 開発が課題となっている。また、各学科・コースの学習成果の定期的な点検も今後の課 題である。これらは、学生の質の変化や社会のニーズへの対応を必要とするため、企業 や卒業生に対する調査によって正確に把握し、量的・質的データとして測定する仕組み によって、学科の教育目的、教育課程、履修指針に反映できるよう努めるべきである。 卒業生アンケートの回収率が低く、現状ではデータとしての価値が疑われるが、その 点、卒業生と国際教養学科の接点を考える上では一つの問題として受け止められなけれ ばならない。 基準Ⅰ-B-3 教育の質を保証している。 (a)現状 教育の質保証のため、学校教育法、短期大学設置基準等の関連法令の変更について、 適宜確認し、法令の順守に努めている。幼児教育学科においては、保育士養成課程にお けるカリキュラムの変更等を学科で明確に理解し、科目の変更等を教学部教務担当等と の協力によって実施するなどの努力を行なっている。 学習成果について、明確な査定の手法として定まっているものはないが、本学幼児教 育学科においては、教育目標である幼稚園教諭二種免許状及び保育士資格の取得率が毎 年90%を超え、資格を活かした就職率も90%を超えている。こうした資格取得率及び資 格を活かした就職率のほか、学内では、それぞれの科目における基準をできるだけ一貫 させ、単位授与の厳格化、資格取得における厳格化を実施している。また、その他の資 格講座等の受講率、達成率、英語検定、漢字検定等も目安となる。幼児教育学科では学 生一人ひとりに履修カルテを作成し、自分がどのように伸びたか、どういう評価を受け、 どのように努力したかを記録し、教員による評価を受け、学生自身も自分の成長を実感 できるシステムを取っている。 国際教養学科においては、情報ビジネスコースにおける秘書技能検定、情報処理検定 等の検定における級の取得率、MOS等の資格取得率、ファイナンシャルプランナー講座 合格率、簿記検定合格率などが挙げられる。英語コミュニケーションコースにおいては、 最初からTOEICの受験を勧め、入学当初からのスコア上昇率、実用英語検定2級以上取得 率等で測ることができる。また、数字ではなく、レポートの出来やパワーポイントを使 ったプレゼンテーションの実施などによって、基礎資料を読み、書き、話し、発表する 技能や、その内容理解などの形でも定性的に成長度を測ることができる。 教育の向上・充実のためのPDCAサイクルとして、また教員は、とりわけ授業の質向上 のために、学科目概要での授業計画(Plan)を立て、それを実際に行い(Do)、その反 30 省のもとに(Check)次の授業、次の年度の計画を修正して行う(Action)。そのため に学科目概要の改善と、学生の授業アンケート、さらなる改善というサイクルが成立し ている。 しかし授業改善については、非常勤教員には努力の方向性への理解と協力は求めるが、 実際には実施が難しい面もあり、客観的な検証の手法が必要と思われる。 (b)課題 教育の質保証において、定量的な数値の改善は無論だが、いかにして「学生の質」を 多角的に理解し、学生の人間的充実、教養や人格の高まりなど、また主体性や責任感、 自発性といった現代に求められる人格形成といったところにどう結び付けていくかが 課題である。 まず、質保証のための定量的、定性的指標を学校内で定め、検討していく必要がある。 基準Ⅰ-C 自己点検・評価 (a)要約 自己点検・評価については、自己点検・評価規程及び自己点検・評価委員会規程に基 づき、毎年その年度の評価を委員会で検討し報告書を作成し、公表している。平成25 年度は頌栄短期大学との相互評価に取り組み、双方の教育に対する姿勢、内容などを学 び合うことができた。 (b)改善計画 本学の自己点検・評価活動は、体制は整っているが、一番大きな問題として、そもそ も大学としての中長期計画が明確に文書で示されておらず、日常の教育研究活動につい ても、何を目標とするか、それに対してどう評価し、改善するかを具体的に示すことが 難しかった。今後、改善に結び付けるために、まず大目標の設定を理事会レベルででき るように求めて行く。 基準Ⅰ-C-1 自己点検・評価活動等の実施体制が確立し、向上・充実に向けて努力し ている。 (a)現状 自己点検評価活動のために、「自己点検・評価規程」及び実際の活動のための「自己 点検・評価委員会規程」を整備し、自己点検・評価委員会を年3,4回開催し、その方向 性に従って自己点検・評価活動を日常的に行っている。 本学では平成 19 年の第 1 回目の第三者評価に向けて、毎年自己点検・評価報告書を 作成するようになり、以来毎年作成、公表している。また、平成 25 年度には、頌栄短 期大学との間で相互評価を行い、その成果を「頌栄短期大学・大阪キリスト教短期大学 相互評価報告書として作成し、短期大学基準協会ウェブサイトにも公開されているほか、 冊子として、大阪私立短期大学協会加盟校、キリスト教学校同盟加盟校等にも配布した。 31 自己点検・評価活動には、学科や部署を通じて全教職員が関与し、教育研究活動のさ らなる向上を図っている。 平成 24 年度まで、自己点検・評価の内容から翌年の修正へのつながらなかった点が ある点を鑑み、そうした点検から修正に至るサイクルが十分に機能するよう、自己点 検・評価委員会において確認し、平成 25 年度自己点検・評価については、自己点検・ 評価報告書を通じてまとめられた問題点を次年度の課題として具体的に対策を講じ、そ の成果を再度評価するようにした。 (b)課題 大きい課題としては、これまで、大学の中長期の目標設定がなされておらず、自己点 検の基準となる目標が、各学科・各部署において明確でなかったため、改善のための具 体的な提言や計画が十分になされてこなかった点である。 体制としての委員会や委員会規程が整備されていても、どこに向かうべきかの目標設 定を大学として行い、その内容を各学科・各部署で検討し、具体的な実行課題を明確に し、その行動計画を立て、実施していくよう、中長期の展望を理事会が中心となって提 示していけるよう理事会・評議員会等に働きかけていく。 また、そのことにより、各学科でも日常の教育において、各部署でも成果についての 意識と反省を持つとともに、どのような目標を定めて改善を実行していくかの提案を常 に意識することになる。そうした意識の改革を進めていきたい。 32 【基準Ⅱ 教育課程と学生支援】 (a)要約 教育課程については、幼児教育学科と国際教養学科に分けて記す。 〈幼児教育学科〉 幼児教育学科の教育課程は、学科の教育目的を達成するために編成されている。学位 授与の方針(ディプロマポリシー)は、学則第 3 章教育課程・履修方法、第 11 条に卒 業要件、第 12 条、13 条に幼稚園免許二種免許状、保育士資格の取得要件、および、保 育者の資質を中心に規定している。これらの要件を満たすように「要覧」では履修指針 表が記載し、学生が学習の流れを理解できるようにしている。 アドミッションポリシーは、学長・学科長が主導して学科協議会で決定されている。 入試内容は入試委員会を経て教授会で承認されている。すべての入試に学科、面接試験 および音楽・体育の実技試験(点数化せずも含めて)を課し、学科のアドミッションポ リシーを具現化している。 学生の卒業後評価の取り組みでは、平成 25 年度は、就職先に新卒者に関するアンケ ート調査を実施した。結果の概要は、本学卒業生について「まじめで素直」「挨拶が出 来る」「責任感がある」「意欲が高く、仕事に対して一途である」「他大学に比べ保育技 術の水準が高い」など、学習成果の卒業後評価はおおむね高いといえる。 〈国際教養学科〉 国際教養学科の教育課程は、ディプロマポリシーに対応しており、各コースの目的に 合った学習成果を目指した授業科目の編成となっている。ディプロマポリシーは、コー ス毎に制定され、各コースの特色に合わせたものになっている。ディプロマポリシーは 学科協議会において年度毎に点検される。 学則に卒業要件が明示されているが、教育課程の具体的な成果として位置づけられる 各資格、上級秘書士、秘書士、上級情報処理士、情報処理士、ビジネス実務士、プレゼ ンテーション実務士、ウェブデザイン実務士(全国大学実務教育協会)の資格取得要件 を規定している。 〈両学科共通〉 学科のディプロマポリシーは要覧に記載し学内への表明は行われている。学外への表 明はウェブサイトで公開されている。各教員はディプロマポリシーの教育目的を意識し た科目の到達目標、成績評価基準を学科目概要(シラバス)に明示している。教員は、 学科の学習成果の獲得に向けて教育資源を有効に活用している。 学習支援については、学習の動機付けのため、入学時に実施される新入生研修会にお いて 2 年生から特定科目の内容やそれぞれの科目の学びの意味に関するプレゼンテー ションがあり新入生のモチベーションを高めている。基礎学力が不足する学生の補習授 業等に関しては、全学的な組織ではないが個々の授業において各教員または教員チーム が実施する場合がある。 33 学習支援の設備面において、CALC (Computer Assisted Learning Center)では、PC プログラムの視聴覚教材を利用した語学学習(英語)を提供している。また、図書館で は 4 月入学時に新入生対象のオリエンテーションを実施、その後、ゼミ毎の図書館利用 案内を実施し、学生の図書館利用の効果を高めている。なお、学生の図書館利用につい ては、一人当たりの年間貸出冊数が 31 冊と、全国平均の 5 冊を大きく上回っている。 ボランティア活動については地域協働センターがコーディネートして学生の視野と 経験を拡げるためのボランティア活動の企画に当たっている。その他、社会人学生の学 習支援としては、社会人入試、聴講生募集、科目等履修生制度がある。 学生支援については、教員と職員の連携により、きめ細やかな支援が行われている。 専任教員の一部はゼミナールを担当しており、卒業に至る指導の中心はゼミ担当教員が 行っている。場合によっては学生生活支援室、科目担当者やゼミ担当者との学内連携・ 協働によるチーム支援がなされる場合がある。 授業の欠席状況は組織的に管理しており、欠席が 3 回以上になると各教員は教務担当 に連絡し、その情報をゼミ担当教員に連絡することでゼミ担当教員が就学指導を行って いる。また、学力的問題、修学意欲の低下、健康的問題、情緒的問題、家庭的問題、経 済的問題などさまざまな理由による履修困難者に対して、学科協議会で情報共有しゼミ 担当、学科長、関係部署が連繋してこれらの問題に早い対処を心掛けている。 事務職員は所属部署の役割を理解し、職務を通して学生支援を行っている。本学には、 チャペル・アワーに各学科の学生全員が集まる時間があり、掲示板掲載だけでなく、各 部署から全体的な口頭でのアナウンスができる。教務担当、学生担当、キャリアセンタ ー、実習指導室、情報教育、美術準備室、栄養実習室、図書館、キリスト教センター、 地域協働センター、国際教育センターでは、主に事務職員が学生に直接対応しているた め、職員が互いの情報を共有し連携した学生支援も可能である。 FD 活動については、平成 25 年度にはアクティブ・ラーニングについて富山大学 大 学教育支援センターFD 部門、橋本勝教授の講演が開催された。また例年と同様に、11 月から 12 月にかけて授業の相互参観が行われ、教員同士が授業評価を行い、結果を当 該教員および学長に報告した。その他、学生による匿名の授業評価を実施しており、各 教員は授業評価を確認した後、その結果に対する反省・意見をレポートとして提出し、 授業改善がなされる。また、授業内容について各学科協議会または担当教員間で改善の 議論がなされている。 教職員は、授業や学校運営に ICT を活用しており、教授会の会議資料は電子化され教 員は PC 等から資料を閲覧している。学内に Wi-Fi アクセスポイントがいくつかあり、 利用を希望する学生および教職員は情報システム担当に WEP を訪ねる事で利用できる。 FD・SD 研修的な企画としての ICT スキル向上は稀ではあるが、各教職員が業務に耐え うるスキルを身につけるべく技術向上を目指している。平成 25 年度にはグループウェ アの導入に伴い利用方法の手順講習を必要に応じて開催している。 進路支援については、学生の就職支援を目的にキャリアセンターを設置している。構 成メンバーは教員 1 名、職員 3 名、アルバイト 1 名である。そのうち教員 1 名はキャリ アカウンセラー資格を有しており、職員 1 名も資格取得の準備をすすめている。企業系 就職ガイダンスは 1 年前期から後期にかけて計 32 回、教育・保育系就職ガイダンスは 34 1 年後期から 2 年前期にかけて計 32 回実施しており、途中、全学生に個別面談し、進 路に対する希望を把握して進路支援を行っている。 卒業時の就職状況に関しては、幼児教育学科は、100%の就職率である。幼稚園・保 育園・こども園・施設からの求人が卒業予定学生数の約 5 倍あり、学科の専門性を生か した就職が 92%を占めている。一方、国際教養学科は、企業からの求人数は減ってお り、四年制大学との競合が激しいが、国際教育コースの幼稚園就職者も含め、国際教養 学科の就職率は 90%、うち 99%が正規雇用である。 入学支援については、入学者受け入れの方針は、 「学生募集要項」の裏表紙に各学科、 コースごとに明記している。入試担当には専任職員 3 名と兼任職員 1 名がおり、入試事 務全般および入試広報を行っている。多様な選抜については、指定校制推薦入試・公募 制推薦入試・一般入試・AO 入試(国際教養学科のみ) ・社会人入試・帰国生徒入試と 6 種類の入試を設定している。公正かつ正確な入試とするため、試験当日の試験官はすべ て複数名であり、事前に各部門全員で採点方法、採点基準の確認を行い公正かつ正確な 入試を行っている。 入学予定者に対して入学準備説明会を開催し、各学科の概要を説明して入学後の学修 および学校生活に備え安心して入学できるよう配慮している。また新入生に対して入学 式の翌日から 2 日間オリエンテーションを行っている。オリエンテーションにおいては 履修指導や学生生活における様々な事柄が説明される。 (b)行動計画 〈幼児教育学科〉 現在のカリキュラムポリシーおよびディプロマポリシーを、平成 26 年度には学内へ は「要覧」において、学外へはウェブサイトにおいてさらに見やすく表明する。 教育課程に関しては、1年生の科目割合が多い。密な学期のカリキュラムを必要最低 限の科目に整理し、各学期の開講科目数を平均化して、2 年間を見通した教育課程の設 定を行う。建学の精神、学科の教育目的に対応した学習成果を明確にし、学生が理解し やすく自己の成長を自覚できるカリキュラムマップを平成 26 年度中に作成する。 入学者受け入れの方針に関しては、入学前の学習成果として音楽技能の程度、運動技 能の程度をより具体的に示し、入学予定者にとって入学受け入れの方針を明確にする。 本学を志望する生徒の質的変化に対応し面接試験の評価の観点、評価基準について、現 状に即しているか学科協議会で検討し見直す。 卒業後評価へ取り組みとして、就職園に対するアンケート調査は継続する。今回は卒 業後 1 年目の学生を対象としてアンケート調査を行ったが、現場の厳しさに直面して乗 り越えていく力や離職せずに経験年数を重ねていく要因などを分析する必要性および アンケート調査方法について、平成 26 年度に検討する。 幼児教育学科では、非常勤講師との教育懇談会が 2 月に開催されるため、学科目概要 への反映は次々年度となる。教育懇談会を学科目概要作成前である、10 月頃に開催す るか、保育者養成の変更を非常勤講師に周知するための説明書を配布するなどの対策を 行う。 35 〈国際教養学科〉 教育課程に関する課題としては情報公開が不充分である。学内外に公開する予定であ る。国際教養学科の入学志願者が年々減少し、定員を大きく下回っている。このため入 学者の選抜の困難から修学上の問題もある。学力低下への対応としては入学前課題、入 学後のリメディアル教育等を実施する。今後は初年次教育、日本語リテラシー教育など を充実させていく必要がある。 平成 26 年度からは、コース毎の募集ではなく、学科全体での募集とし、コース選択 を 1 年次の 7 月に行うこととし、コースの学びの前に基礎学力を見直し、抜け落ちを補 充するリメディアル教育の時間を設ける。 〈両学科共通〉 図書館の老朽化のため降雨時に一階書庫への浸水が起こるため資料の汚損が懸念さ れるため、抜本的な対策を行う。 コンピュータスキルについては、教職員の間に活用能力に差があり、グループウェア の活用も、まだ十分とはいえず、大学の実状に応じた使い方を習熟していく必要がある。 平成 26 年度は学科の教育目的に基づくカリキュラムマップを完成させ、非常勤講師 に学科達成目標を周知し、次年度に備えることを行動計画とする。 学生の抱える問題によっては、担当教員では対応が難しいことも生じている。学生生 活支援室、保健室等との連携、また最終的には教務担当、学生担当との連携を密に行う ことのできる環境づくりを行動計画とする。 学生食堂に対する学生アンケートの結果を受けて、学内食堂委員会に提出し、サービ ス及び問題点の改善実行に努めることが急務であり、平成 26 年度中の改善を計画して いる。 入学支援については、近年の情報インフラの進歩により、受験生・保護者が情報をよ り得やすくする目的でスマートフォン等を利用する機会が多くなってきている背景か ら、それら情報端末から情報受信できる手段を作成する。 基準Ⅱ−A 教育課程 (a)要約 〈幼児教育学科〉 幼児教育学科の教育課程は、学科の教育目的を達成するために編成されている。ディ プロマポリシーは、学則第 3 章教育課程・履修方法、第 11 条に卒業要件、第 12 条、13 条に幼稚園免許二種免許状、保育士資格の取得要件を規定している。これらの要件を満 たすように「要覧」では履修指針表が記載し、学生が学習の流れを理解できるようにし ている。ウェブサイトでのディプロマポリシーの閲覧は、サイトの「教育基本情報」の 項目に入っており幼児教育学科の説明のページにないため、見られにくい場合がある。 ディプロマポリシーについて学科協議会で毎年協議しており、平成 25 年度にはディプ ロマポリシーは変更の必要がないとの検討結果となった。学位授与の評価基準である学 習成果の査定は、定期試験の実施の有無を学科目概要(学科目概要)に明記し、その単 36 位認定基準を記述している。定期試験を行わない場合は期間中のミニテストやレポート 提出などの評価方法とその基準を記述している。 アドミッションポリシーは、学長・学科長が主導して学科協議会で決定されている。 入試内容は入試委員会を経て教授会で承認されている。指定校制推薦入試・公募制推薦 入試・一般入試・社会人入試・帰国生徒入試と 5 種類の入試を設定し、多様な学生に門 戸を開いている。すべての入試に学科、面接試験および音楽・体育の実技試験(点数化 せずも含めて)を課し、学科のアドミッションポリシーを具現化している。なお、AO 選抜は実施していない。これらはすべて「学生募集要項」ならびにウェブサイトに明記 され、受験生にとってミスマッチのない進路選択の一助となっている。 受験生は、学科(国語や英語)を課さない指定校推薦入試を希望する者が増加し、公 募制推薦入試で学科試験・面接・実技試験を課している入試を敬遠する傾向がある。同 時に早期の合格決定を望むことから、一般入試受験生も減少している。社会人入試は、 入学後の経済的優遇対応がないため、受験者もきわめて少数で推移している。 学生の卒業後評価の取り組みでは、平成 25 年度は、就職先への訪問に加え就職先に 新卒者に関するアンケート調査を実施した。訪問園数は 41 園、アンケート調査は、3 月卒業生 148 名の就職先 113 園に、8 月下旬にアンケート用紙を郵送し 72 件回答が得 られた(回収率 64%)。結果の概要は、本学卒業生について「まじめで素直」「挨拶が 出来る」「責任感がある」「意欲が高く、仕事に対して一途である」「他大学に比べ保育 技術の水準が高い」など、学習成果の卒業後評価はおおむね高いと言える。アンケート 結果は、教授会で資料を配布し学内に公表している。 〈国際教養学科〉 国際教養学科の教育課程は、ディプロマポリシーに対応しており、各コースの目的に 合った学習成果を目指した授業科目の編成となっている。学科目概要には到達目標、単 位認定の方法等が明示されている。 ディプロマポリシーは、コース毎に制定され、各コースの特色に合わせたものになっ ている。ディプロマポリシーは学科協議会において年度毎に点検する方針である。 学則に卒業要件が明示されているが、教育課程の具体的な成果として位置づけられる 各資格、上級秘書士、秘書士、上級情報処理士、情報処理士、ビジネス実務士、プレゼ ンテーション実務士、ウェブデザイン実務士(全国大学実務教育協会)の資格取得要件 を規定している。 入学者受け入れについては、推薦、一般、AO 入試を実施し、入学選抜においてはさ まざまな資質の入学者を獲得するように配慮している。すべての入試で面接を行いコー スの教育目的に合った学生の選抜を目指している。また、オープンキャンパスでは、高 校生が在学生に自由に質問できる時間を設け学生生活の実態が伝達されている。 (b)改善計画 〈幼児教育学科〉 各ポリシーの公開に関しては、カリキュラムポリシーおよびディプロマポリシーを、 卒業要件、資格取得要件と、建学の精神に基づく保育者としての資質と関連させ、より 37 見やすく学内外に表明できるようにする。 教育課程に関しては、1年生の科目割合が多く、密な学期のカリキュラムを必要最低 限の科目に整理し、各学期の開講科目数を平均化して、2 年間を見通した教育課程の設 定が必要である。建学の精神、学科の教育目的に対応した学習成果を明確にし、学生が 理解しやすく自己の成長を自覚できるカリキュラムマップを作成する。 入学者受け入れの方針に関しては、入学前の学習成果として音楽技能の程度、運動技 能の程度をより具体的に示し、入学予定者にとって入学受け入れの方針を明確にする。 本学を志望する生徒の質的変化に対応し面接試験の評価の観点、評価基準について、現 状に即しているか学科協議会で検討し見直す。 卒業後評価へ取り組みとして、就職園に対するアンケート調査は継続する。今回は卒 業後 1 年目の学生を対象としてアンケート調査を行ったが、現場の厳しさに直面して乗 り越えていく力や離職せずに経験年数を重ねていく要因などを分析する必要性および アンケート調査方法について検討する。 〈国際教養学科〉 教育課程に関する課題としては情報公開が不充分である。学内外に公開する予定であ る。国際教養学科の入学志願者が年々減少し、定員を大きく下回っている。このため入 学者の選抜の困難から修学上の問題もある。学力低下への対応としては入学前課題、入 学後のリメディアル教育等を実施する。今後は初年次教育、日本語リテラシー教育など を充実させていく必要がある。 基準Ⅱ-A-1 学位授与の方針を明確に示している。 (a)現状 〈幼児教育学科〉 学科の学位授与の方針(ディプロマポリシー)は、教育課程の方針に対応して、保育 者の資質を中心に規定されている。したがって、それぞれの学習成果に対応している。 学則では、学科の学位授与の要件を、第3章 教育課程・履修方法 第11条に卒業要 件、第12条に幼稚園教諭二種免許状と保育士資格の資格取得要件、を規定している。 第4章 課程修了認定 第17条に卒業認定の方法を規定している。 学科のディプロマポリシーは、ウェブサイトによって学外に表明しており、学科協議 会で毎年協議している。 〈国際教養学科〉 国際教養学科の教育課程は、ディプロポリシーに対応して編成し、各コースは特色を 発揮するために、目的に合致した学習成果に対応した授業科目を編成している。 学科目概要には、授業終了時の到達目標、授業内容、授業時間数、単位認定の方法・ 基準、教科書・参考書等が明示されている。 学則においては卒業要件と全国大学実務教育協会から発行される上級秘書士、秘書士、 上級情報処理士、情報処理士、ビジネス実務士、プレゼンテーション実務士、ウェブデ 38 ザイン実務士の資格取得要件を規定している。 学科のディプロポリシーは、ウェブサイトによって学外に表明している。 ディプロポリシーは、コース毎に制定され、各コースの特色に対応したものになって いる。国際教育コースは幼稚園免許の取得を前提として、社会の変化や国際的背景を理 解し新しい教育状況に対応することとを、情報ビジネスコースは、ビジネスに必要な情 報リテラシー、コミュニケーションリテラシーを、英語コミュニケーションコースは国 際的コミュニケーションに不可欠な英語力・語学力、メディア表現コースは各種のメデ ィアを駆使し、映像、音声、ことばの分野で表現できる能力を、神学基礎・キリスト教 文化コースはキリスト教精神をもって地域社会や国際社会で活動することができるこ とを盛り込みディプロポリシーとしている。 ディプロポリシーを点検する機関としては、学科協議会があり年度毎に点検する方針 である。 (b)課題 ディプロポリシーを要覧等に記載する必要がある。 社会的要請の変化という面もあり、国際教養学科では国際教育、神学基礎、キリスト 教文化の3コースが平成 25 年度で廃止となったが、卒業までの学生の支援はさまざま な問題があった。人格、能力において卒業にふさわしい者であるためには学科の教員の 連繋を生かして指導を強化する必要性がある。 基準Ⅱ-A-2 教育課程編成・実施の方針を明確に示している。 (a)現状 幼児教育学科・国際教養学科ともにディプロマポリシーを定め、ディプロマポリシー に即した教育課程が編成されている。幼児教育学科は、要覧の履修指針表において保育 士資格、幼稚園教諭2種免許状および社会福祉主事任用資格に必要とされる単位が記述 されている。国際教養学科は、要覧の履修指針表において、コースごとに取得できる実 務教育協会資格に必要とされる単位が記述されている。また、国際教育コースにおいて は、他学科科目履修によって、幼稚園教諭2種免許状が取得できるように必要科目のリ ストを記述している。 両学科ともに履修指針表に開講年次が記述されており学びの流れを理解できる。教育 課程は、定期的ではないが、各学科協議会にて必要に応じて見直しが図られている。 前期末および後期末に授業アンケートを行っており、学生の理解度や意見を確認しつ つ教員毎に科目内容の見直しが図られており、学習成果に対応した、分かりやすい授業 科目を編成している。 学科目概要には、必要な項目(達成目標・到達目標、授業内容、準備学習の内容、授 業時間数、成績評価の方法・基準、教科書・参考書等)が明示されている。準備学習の 内容に関しては各教員の記述に委ねている。 通信による教育を行う学科は有していない。 専任教員、非常勤講師ともに、資格・業績に即した科目を担当している。専任教員は 39 毎年業績報告を行っている。 成績評価は、各教員により定めた基準を学科目概要(学科目概要)に明記している。 到達目標に対する評価基準を示すよう指導している。 学科の教育課程の見直しについては、各学科協議会にて、必要に応じて行っている。 (b)課題 就職活動や教育実習までに必要とされる教育科目があり、1年生の科目割合が多くな ってきている。密な学期のカリキュラムを必要最低限の科目に整理し、各学期の開講科 目数を平均化して 2 年間での教育を目指した設定が必要である。 要覧の履修指針表に各科目の開講年次が記されているが、科目間の繋がり関係が分か り辛いところがあり、カリキュラムマップの作成が求められる。 基準Ⅱ-A-3 入学者受け入れの方針を明確に示している。 (a)現状 〈幼児教育学科〉 アドミッションポリシー(求める学生像)は学長・学科長が主導して、各学科協議会 で決定されている。入試内容については入試委員会を経て教授会で承認されている。指 定校制推薦入試・公募制推薦入試・一般入試・社会人入試・帰国生徒入試と5種類の入 試を設定し多様な学生に門戸を開いている。これらは、すべて「学生募集要項」ならび にウェブサイトに明記され、受験生にとってはミスマッチのない進路選択の一助となっ ている。 幼児教育学科は学習成果に対応する入学者の受け入れを目指してアドミッションポ リシーと求める学生像を以下のように定め、学生募集要項に記載して公開している。 【アドミッションポリシー】 幼児教育学科の入学者選抜では、自分の夢や目標に向かって努力する意思を明確に 持っていること、子どもや周りの人々に積極的に関わる明るさをもっていること、 「国 語」 「英語」などのコミュニケーション能力において基礎的学力をもっていること、 歌唱、演奏、造形、運動などの基礎技能を習熟する熱意をもっていること、および休 まず通学するための健康管理ができることを重視します。 【求める学生像】 ○子どもを愛し、社会や人々のために働くことに喜びを感じる優しい人。 ○学ぶ意欲をもち、自分の夢にむかって努力する人。 ○子どもやいろいろな人々と自分から交流し、学生生活を楽しむことのできる人。 入試内容については、指定校制推薦入試では、受験資格・条件を評定平均値だけでは なく、欠席日数や実技(音楽・体育)の能力を条件にし、入学後の学修に対応させてい る。公募制推薦入試・一般入試・社会人入試・帰国生徒入試には、国語(一部作文)又 は英語の科目を課し基礎学力を、実技試験では音楽・運動能力を、面接では欠席日数や 40 クラブ活動などを点数化するとともにコミュニケーション力を評価し、アドミッション ポリシーを具現化している。AO 選抜は実施していない。 入試情報の周知については、 「学生募集要項」に各試験内容を詳細に明記している。 オープンキャンパスにおいて学科の概要を説明するとともに、試験内容について音楽と 体育は模範演技を示し、入学後の学修および学校生活については在学生が受験希望者の 質問に答えて、入学後の学修や学校生活にミスマッチがないようにしている。 〈国際教養学科〉 国際教養学科は学習成果に対応する入学者の受け入れを目指してアドミッションポ リシー(求める学生像)をコース毎に以下のように定め、学生募集要項に記載して公開 している。 【国際教育コースの目標】 国際的な視野を持ちつつ、それぞれの子どもの人格を尊重する幼稚園教諭をめざし ています。音楽・美術などに加え、児童英語、PC、コミュニケーションなど、現代 に必要とされる高い資質・能力を持った幼児教育者をめざします。 【求める学生像】 ・将来幼児教育にたずさわろうという志望を持ち、国際的な関心と広い分野にわたり 学習意欲のある人。 ・コミュニケーション能力を持ち、人との関わりを楽しむことができる人。 ・健康管理ができ、教育実習に対応できる人。 ・幼児教育に必要な音楽・美術・体育に興味を持ち、歌唱、演奏、造形、運動などの 基礎技能を習熟する熱意のある人。 ・基礎学力としての国語表現能力があり、特に自分の考えや感想を、話す・書く能力 のある人。 ・学校以外の体験学習やボランティア活動、海外研修や海外との交流などに関心があ る人。 【情報ビジネスコースの目標】 幅広い教養を身につけ、全員が上級情報処理士・ビジネス実務士など、就職に有利 な資格を取得し、さらにマイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)や簿記検 定、秘書検定、ITパスポートなどの検定の合格をめざします。 【求める学生像】 ・情報社会に対応するため、自己の資質と能力の向上を図り、自分を成長させたいと 考える人。 ・企業における業務の流れを知り、効率化するためのPDCAサイクルを習得し、I Tパスポート取得に意欲の ある人。 ・ワープロや表計算の利用のほか、ネットワークからの情報収集と情報発信を学び、 より高度なITリテラシーの習得を目指す人。 ・ビジネスマナーやマーケティング、会社組織の成り立ちや経営に関する知識の習得 41 を目指し、秘書検定、上級情報処理士、ビジネス実務士資格の取得に意欲のある人。 ・企業や社会における問題点やテーマに関する情報を、わかりやすく表現できる技術 を習得し、プレゼンテーション実務士資格の取得に意欲のある人。 【メディア表現コースの目標】 映像・音声、ことばの表現を身につけ、作品制作によって自己の表現を見出し、発 信する技術を身につけます。 表現する主体として、情報ネットワーク社会に通用する教養と実務を身につけます。 【求める学生像】 ・マルチメディア表現に関心を持ち、柔軟な発想力で自分の得意とする表現をさらに 深めたいと考えている人。 ・創り上げた自分の作品を発信すると共に、他者の異なる感性や表現にも関心と理解 を持ち、自己の表現をさらに広げようとする人。 ・異なるメディア、異なる感性による作品の共同制作を経験し、人間関係を築こうと する人。 ・身につけたメディア表現を実現する場として職業をとらえ、情報処理士、ビジネス 実務士、ウェブデザイン実務士などの資格取得をめざす人。 ・マルチメディアの知識と制作の経験を実践する場を広く社会に求める人。 【英語コミュニケーションコースの目標】 英語によるコミュニケーション能力を高め、TOEIC・実用英語検定の為の能力 向上をめざします。 児童英語教育プログラム修了証取得をめざすこともできます。また就職に有利な資 質・能力を養います。 【求める学生像】 ・英語への関心が高く、英語力向上への意欲が強い人。 ・異なる文化の人々と交流を図ることに関心があり、教養、知識を深めながら、コミ ュニケーション能力を高めることに熱心な人。 ・TOEIC、実用英語検定ほか各種検定・資格取得で実績を示し、資質・能力を高める 意欲のある人。 ・時代の求める素養を身につけ、企業など様々な社会の分野で活躍を目指す人。 ・進学、留学などを視野に入れ、国際化していく社会の中で自らの可能性をさらに伸 ばすことを願う人。 【神学基礎コースの目標】 福音主義キリスト教信仰に基づいて、幅広いキリスト教的教養と品性を身につけ、 国際化し多様化する時代の中で、深い敬虔と伝道の情熱に満ちた実践的奉仕者および 教職者をめざします。 【求める学生像】 ・聖書を深く学ぶとともに神学の基礎知識を習得したい人。 42 ・将来、福音主義キリスト教の牧師、伝道者、宣教師を目指す人。 ・洗礼を受けて教会生活に励み、神と人とに仕えようとする人。 【キリスト教文化コースの目標】 聖書の知識を身につけ、キリスト教に基づく教養を高めて広い視野に立ち、キリスト 教会と関係を保ちつつ、その能力や品性をみがき、社会で働く使命を持つ奉仕者をめ ざします。 【求める学生像】 ・キリスト教文化に興味を持ち、視野を広げて将来に備えようとする人。 ・広く国際的な教養を身につけて、キリスト教的品性を高めようとする人。 ・神学とともに実学を学び、社会のニーズに応えようとする人。 国際教養学科では、推薦入試、一般入試、AO 入試を実施し、学業成績、課外活動、 検定取得などの自主的学業成果を評価して入学選抜に幅広い資質の受験者を獲得する ように配慮すると共に、募集要項や、オープンキャンパスの機会等で、学科試験、面接 についての趣旨の説明と評価法を明示している。 国際教養学科では、入学者受け入れに対して入学前の学習成果を正しく評価し、様々 な資質をもった学生を受け入れるため、個々の入試種別において特色を出すと共に、す べてにおいて面接を行っている。とくに AO 入試では合計3度の面談、面接を通じて学 科、コースの教育目的に合った学生の選抜を目指している。 また、オープンキャンパスでは教員が教育内容を説明するだけでなく、在学生がアド バイザーとして1年間の学生生活や学びについて高校生に自由に語る時間を設けてい る。学生生活の実態に近いものが伝達されている。 (b)課題 〈幼児教育学科〉 指定校制推薦入試のように学科試験(国語や英語)を課さない入試を希望する受験生 が増加し、本学のように公募制推薦入試において学科試験・面接(幼児教育学科では実 技試験も)を課している入試を敬遠する傾向がある。また、同時に早期の合格決定を望 むことから、一般入試受験生も減少している。社会人入試は、入学後の経済的優遇対応 ができていないため、受験者もきわめて少数で推移している。 したがって、指定校制推薦入試による入学者の確保と同時に、学力・保育者としての 適性を維持するための方策が求められる。入学試験内容では、実技試験内容を受験生に わかりやすく周知する工夫と、受験生の負担感を減ずる試験内容の検討が必要である。 また、受験生の質的変化に対応する面接評価基準の見直しが必要である。入学者確保の 方策としては、入学後の経済的優遇の方策も必要と思われる。以上が、平成 27 年度入 試にむけての課題である。 〈国際教養学科〉 国際教養学科の入学志願者が年々減少の傾向にあり、定員を大きく下回り、入学者の 43 選抜には困難がある。このため修学上の問題が予想される場合もある。たとえば基礎学 力の低下が見られるが、対応としては入学前における課題の提示や入学後のリメディア ル教育等を実施する予定である。また、入学後の学びをスムーズに始めるために、入学 前に入学予定者でコミュニケーションを図る企画を行っているが、今後は初年次教育、 日本語リテラシー教育などを充実させていく必要がある。 平成 26 年度からは、コース毎の募集ではなく、学科全体での募集とし、コース選択 を1年次の7月に行うこととし、コースの学びの前に基礎学力を見直し、抜け落ちを補 充するリメディアル教育の時間を設ける予定である。 基準Ⅱ-A-4 学習成果の査定(アセスメント)は明確である。 (a)現状 学習成果の査定は定期試験の実施の有無を学科目概要(シラバス)に明記し、その単 位認定基準を記述している。定期試験を行わない場合は期間中のミニテストやレポート 提出などの評価方法とその基準を記述している。 学習成果の具体性を達成する為に、学科目概要に記載する「授業修了時の達成」の書 き方は、「∼できるようになる」と具体的に記述している。履修者の単位修得状況から 単位取得率からその達成も適度なレベルで書かれていると考えている。この単位修得率 から、ほとんどの科目は一定期間内での学習で成果を出していると考えている。一部の 実技科目(器楽、コンピュータ、教育実習など)において、学習レベルが他より劣る者 に対して各教員の判断により補習の時間を設けている。 幼児教育学科における学習内容のほとんどは保育士資格および幼稚園教諭免許に準 じた内容であり、国際教養学科における学習内容のほとんどは実務教育協会に準じた内 容であり実際的な価値があると考えている。 それらに加えて本学の建学の精神を反映した各学科のディプロマポリシーに見合う 科目があり、社会で有益に活躍する人材の育成を目指し基礎教育を行っている。 ディベートを行ったり、アートを磨いたりするような科目の学習成果は、定期試験に よるキーワードの暗記をテストとして計ることは可能であるが、科目の本質的な目的に 見合う学修成果を客観的に測定することは困難ではあると考えるが、実技のほとんどは 計測可能である。例えば、コンピュータ教育に関しては MOS 試験やワープロ検定、表計 算検定などの検定により成果を外部基準で計り確認している。そのような検定試験によ る測定は TOEIC、漢字検定、簿記検定、秘書技能検定、IT パスポート試験など様々な科 目において実施している。 (b)課題 学科目概要執筆の例や条件などを記したマニュアルを教員に配布し、記述された内容 も教務担当でチェックを行って基準を充たす表記になってはいるが、教員の意識が学科 目概要を厳守する意識でない場合もある。なんらかの方法で、教員への学科目概要厳守 を啓蒙する必要がある。 44 基準Ⅱ-A-5 学生の卒業後評価への取り組みを行っている。 (a)現状 平成 25 年度は、就職先への訪問時の聴取に加え、就職先のご協力を得て初めて新卒 者に関するアンケート調査を実施し、学生の卒業後評価を確認した。キャリアセンター 職員が訪問した園数は 41 園、企業数は延べ 48 社で、アンケート調査は、教育・保育系 は 8 月下旬に、3 月卒業生 148 名の就職先 113 園にアンケート用紙を郵送し、72 件回答 が得られた(回収率 64%)。企業系は 9 月に 3 月卒業生 32 名の就職先 27 社に郵送また はアンケート用紙を持参して回答を依頼し、16 件が返送された(回収率 59%) 。アンケ ート項目は、平成 21 年 2∼3 月に、複数の卒業生が勤めている就職先(幼稚園 30 園、 保育園 30 園、企業 25 社)を選んで実施したときと同じ内容にした。 卒業生評価について、まず、教育・保育系は、訪問した園から、 「まじめで素直」 「挨 拶が出来る」「責任感がある」「意欲が高く、仕事に対して一途である」「他大学に比べ 保育技術の水準が高い」など高い評価を得ている。また、卒業後 5 ヶ月時点でのアンケ ート結果の上位 5 項目は、①礼儀・マナーが身についている ②責任感がある ③仕事 への適応能力がある ④チームの中で仕事を遂行する能力がある ⑤自発性・自主性が ある、の順で、5 段階評定で 4.14∼3.89 ポイントであった。自由記述欄には、肯定的 な記載が多かったが、積極性、コミュニケーション能力、正しい言葉づかいや書く能力 などに課題があるとの指摘もあった。 企業系は、訪問時の人事、採用担当者からの聴取では、「マナーや言葉遣いが良く訓 練されている」 「仕事に対して前向き」 「社会人として常識をわきまえている」等、総じ て好意的であった。アンケート結果の上位 5 項目は、①責任感がある ②積極的に仕事 に取り組める ②チームの中で仕事を遂行する能力がある ④礼儀・マナーが身につい ている ⑤仕事への適応能力がある、の順で、5 段階評定で 4.05∼3.84 ポイントであ った。自由記述欄への回答は少なく、卒業後6ヶ月時点で判断するのは難しいとの指摘 があった。 アンケート結果の公表については、教授会で資料を配布し、学習成果の点検に活用し ている。なお、内定者や卒業生に関して、何らかの問題が生じたり指摘されたりした場 合には、キャリアセンターとして把握に努め、必要に応じて学内関係者で協議し、就職 先に対応している。検討課題があれば、キャリア委員会や学科協議会で協議している。 (b)課題 アンケート調査は、日常業務で接点のある上司が回答するとは限らず、また、新卒者 を対象に依頼したが、これまでの卒業生を含めた評価であったり、個別に返送を依頼し たが複数就職した場合には総評であったり、実施方法に課題が残った。5 年前と同じ項 目だが、対象者の卒業後の年数が異なるため、比較はできていない。就職先に負担がか からないよう配慮しながら、今後も継続していくことで、新卒段階での経年的な変化は 把握できると思われる。 今回は、卒業時にディプロマポリシーを実現できているかという視点から卒業後すぐ にアンケート調査を行ったが、現場の厳しさに直面して乗り越えていく力や離職せずに 経験年数を重ねていく要因などを把握し、教学に反映させていくことも必要と思われる。 45 基準Ⅱ-B 学生支援 (a)要約 ディプロマポリシーに対応した成績評価基準により学習成果を評価し、各教員はその 教育目的を意識した成績評価基準を学科目概要(シラバス)に記述し評価している。ま た、欠席が3回以上で各教員は教務担当に連絡し、その情報をゼミ担当教員に連絡する ことでゼミ担当者が就学指導を行っている。また、小テスト、授業レポート、出席カー ドのコメントなどから授業における学生の理解度や関心、到達度を把握しながら授業を 進めている。 教員はゼミナールを担当しており、担当の学生の成績や履修状況について把握してい る。学力的問題、健康的問題、情緒的問題、家庭的問題、経済的問題などさまざまな理 由による履修困難について、担当部署と協力しながら履修指導を行っており、卒業に至 る指導の中心はゼミナール担当教員が行っている。 幼児教育学科においては、カリキュラム内容は保育系、福祉系、音楽系、美術系、運 動系に大別される。それぞれの系統において、また系統間において専任教員の意思疎通 は良好であり、カリキュラム内容の調整を行っている。非常勤講師とは 1 年に1回、2 月に教育懇談会を開催し学科の教育目的、具体的学習成果について説明を行い、教育内 容の調整、教育方法の改善について系統別に協議している。専任教員においては、急激 に変化している保育者養成課程について毎月の学科協議会において共通理解を図って いるので、それぞれの授業内容に反映することが容易である。 国際教養学科では、毎月の学科協議会で専任教員の意思疎通を図り、コース毎の教育 内容である情報、ビジネス、英語、メディア系のカリキュラム実現のための調整を行っ ている。情報ビジネス教育では、簿記講座、FP 講座等の開講提案や実施状況、MOS 資格 の取得状況等が逐一報告され、学生の学習成果の現状の把握に努めている。英語教育で は、英語教育に関わるプログラムの提案や報告が毎月行われている。英語教員で構成さ れる「英語教育ミーティング」や国際教育センターと連繋して、英語教育に欠かせない 教育プログラム、行事の進行状況を学科協議会のメンバーが把握するよう努めている。 国際教養学科では毎年開催される FD 研修の講演内容を受けて協議を行っている。国際 教養学科は、コース毎に教員がゼミナールを担当しており、最小単位で学生の修学状況 を把握している。実際には卒業研究、卒業制作という形で2年間のゼミナール活動の成 果としている。 FD 活動は、平成 25 年度にはアクティブ・ラーニングについて富山大学・大学教育支 援センターFD部門、橋本勝教授の講演が開催され、非常勤講師もともに研修した。ま た、5 月に関西地区 FD 連絡協議会において、本学の FD 活動についてのポスター発表を 行い、ピア・レビューとして、相互参観の工夫などを助言いただいた。 11 月から 12 月にかけて専任教員の相互授業参観が行われた。教員は評価項目につい て互いに評価して、報告書を提出、教授会にて開示された。また、近年増加しつつある 入学者の学力不足、修学意欲の低下、経済的問題など、さまざまな問題について、学科 協議会では連絡を取り合って早い対処を心掛け、ゼミ担当、学科長、関係部署が連繋し てこれらの問題に当たっている。 各授業において、学生による匿名の授業評価を実施している。授業評価の結果は、実 46 際の数値以外にデータをレーダーチャート化し理解しやすい状態で教員に配布され、各 教員は授業評価を確認した後、その結果に対する反省・意見を自己点検フォームに従い レポートとして提出し、授業改善がなされる。教員同士による、授業内容について各学 科協議会で授業内容に関しての議論がなされている。 学習支援には、CALC (Computer Assisted Learning Center)が PC プログラムの視聴 覚教材を利用した語学学習(英語)の設備・資源を提供している。また、図書館では4 月入学時に新入生対象のオリエンテーションを実施、その後、ゼミ毎の図書館利用案内 を実施し、学生の図書館利用の効果を高めている。なお、学生の図書館利用については、 一人当たりの年間貸出冊数が 31 冊と、全国平均の5冊を大きく上回っている。 基礎学力が不足する学生に対し補習授業等に関しては、学習支援に関して全学的な組 織ではないが、個々の授業において基礎学力が不足するものに対する支援を各教員また は教員チームが実施する場合がある。特に教育実習では付属園にて練習実習を追加した 後に再度学外実習を実施するなど実習指導室による組織的な補習・サポートが計画やコ ンピュータ技術で基礎力が不足する学生への指導を行っている。また、MOS 講座、FP 講 座などカリキュラム外のエクステンション講座を実施している。コンピュータ技術の科 目において、進度の早い学生には授業進度を越えた難易度の高い検定級を目指す課題を 与えることがある。 アメリカ、ニューヨーク州の姉妹校ロバーツウエスレイヤン大学とのクロッシング・ ボーダー・プログラムにより希望する学生は約 8 か月間の短期留学を受けることができ る。 学生の生活・心理的支援には、学生生活支援室、科目担当者やゼミ担当者との学内連 携・協働によるチーム支援が計画される。また、学生の生活支援のためには教学部学生 担当が設置されている。定期的に学生担当関連委員会を開催し、学生がキャンパスライ フを送る上での様々な問題に対応している。 障がい者受け入れとしては、平成 24 年度入学の聴覚障がい学生に対して「障がい学 生サポート規則」に則り、地域協働センター内の「障がい学生サポート」窓口を通して 対応にあたった。 社会人学生の学習支援としては、社会人入試、聴講生募集、科目等履修生制度がある。 ボランティア活動については地域協働センターがコーディネートして学生の視野と 経験を拡げるためのボランティア活動の企画に当たっている。 事務職員は所属部署の役割を理解し、職務を通して学生支援を行っている。本学には、 チャペル・アワーに各学科の学生全員が集まる時間があり、掲示板掲載だけでなく、各 部署から全体的な口頭でのアナウンスができる。主に事務職員が学生に直接対応してい る職員が互いの情報を共有し連携した学生支援も可能である。 学習の動機付けのため、入学時に実施される新入生研修会において 2 年生から特定科 目の内容やそれぞれの科目の学びの意味に関するプレゼンテーションがあり新入生の モチベーションを高めている。 教職員は、学内のコンピュータを授業や学校運営に活用している。教授会の会議資料 は電子化され教員は PC 等から資料を閲覧している。教室に液晶プロジェクタが整備さ れており、授業によっては PC を用いた教材提示がなされている。職員においてもほぼ 47 全員に端末が準備され書類作成や連絡等に活用されている。学内に3つある PC 教室は 授業外の時間に自由開放を行っており、学生は自由に PC を利用できる。また学内に Wi-Fi アクセスポイントがいくつかあり、利用を希望する学生は情報システム担当に WEP を訪ねる事で利用できる。 FD・SD 研修的な企画としての ICT スキル向上は稀ではあるが、各教職員が業務に耐え うるスキルを身につけるべく技術向上を目指している。平成 25 年度よりグループウェ アの導入に伴い、利用方法の手順講習を必要に応じて開催している。 進路支援のために、就職支援の場としては、本館 2 階にキャリアセンターを設置して いる。構成メンバーは教員 2 名、職員 3 名、アルバイト 1 名で、教員 1 名はキャリアカ ウンセラー資格を有し、職員 1 名も資格取得の準備をすすめている。キャリアセンター は、教室から近く、学生が休み時間に気軽に相談できる雰囲気を作っている。 主な支援として、企業系就職ガイダンスは 1 年前期から後期にかけて計 32 回、教育・ 保育系就職ガイダンスは 1 年後期から 2 年前期にかけて計 32 回実施しており、途中、 全学生に個別面談し、進路に対する希望を把握している。就職ガイダンスでは、「就職 のてびき」を作成・配布し、「自己分析・他己分析」「エントリーシート、自己 PR、履 歴書の書き方」等を指導している。就職活動が本格化してくる時期になると、個別の相 談の中できめ細やかに支援している。キャリアセンター実施の就職試験対策として、企 業系では、「職業適性診断テスト」「SPI 対策」「話し方講座」「業種・職種の研究」「企 業研究講座」「集団・個人模擬面接」「模擬試験」等を実施し、教育・保育系では、「保 育士模擬試験」や、公立希望者のために「一般教養試験対策講座」「集団面接練習」を 実施している。 就職状況に関しては、幼児教育学科は、100%の就職率である。幼稚園・保育園・こ ども園・施設からの求人が卒業予定学生数の約 5 倍あり、学科の専門性を生かした就職 が 92%を占めている。一方、国際教養学科は、企業からの求人数は減っており、四年 制大学との競合が激しいが、国際教育コースの幼稚園就職者も含め、国際教養学科の就 職率は 90%、うち 99%が正規雇用である。企業系においては、ハローワークとの連携 がより重要になってきている。 入学者受け入れの方針は、「学生募集要項」の裏表紙に各学科、コースごとに明記し ている。入試担当には専任職員 3 名と兼任職員 1 名がおり、入試事務全般および入試広 報を行っている。入試業務だけでなく書類発送においてもダブルチェック体制が組まれ ており、入試においてはトリプルチェック体制で正確に業務が遂行されている。多様な 選抜を目指し、指定校制推薦入試・公募制推薦入試・一般入試・AO 入試・社会人入試・ 帰国生徒入試と6種類の入試を設定している。公正かつ正確な入試とするため、試験当 日の試験官はすべて複数名であり、事前に各部門全員で採点方法、採点基準の確認を行 い公正かつ正確な入試を行っている。 入学予定者に対して入学準備説明会を開催し、各学科の概要を説明して入学後の学修 および学校生活に備え安心して入学できるよう配慮している。 新入生に対して入学式の翌日から 2 日間オリエンテーションを行っている。オリエン テーションにおいては履修指導や学生生活における様々な事柄が説明される。 48 (b)改善計画 幼児教育学科では、非常勤講師との教育懇談会が 2 月に開催される。よって、学科目 概要への反映は次々年度となるため、対策が必要である。国際教養学科では、非常勤講 師との教育内容に関する懇談会等は持てていないため、意思の疎通を図る必要がある。 図書館の老朽化のため降雨時に一階書庫への浸水が起こるため資料の汚損が懸念さ れる。抜本的な対策が必要である。 コンピュータスキルについては、教職員の間に活用能力に差があり、グループウェア の活用も、まだ十分とは言えない。大学の実情に応じた使い方を習熟していく必要があ る。 平成 26 年度は学科の教育目的に基づくカリキュラムマップが完成するため、非常勤 講師に学科達成目標を周知し、次年度に備えることを行動計画とする。 学生支援において、喫緊の課題と言えるのは、奨学金制度の改善である。学生の経済 状況の変化が著しく、奨学金制度を始め、入学した学生が卒業まで修学できるよう各部 署やゼミ担当教員と連携をとり、速やかに対応するべき課題が増えている。 また、多様化した学生支援には、学校医、学生生活支援室の教員カウンセラー、教職 員と連携をとることが必要である。安全衛生委員会を設置して、学内における安全衛生 の確率に努めている。すべての教職員、部署が連繋して福利補導に当たる体制作りが求 められている。 学生食堂に対する学生アンケートの結果を受けて、学内食堂委員会に提出し、サービ ス及び問題点の改善実行に努めることが急務である。 就職支援に関しては、教育・保育系は、就職活動時期、昼休みや休み時間に相談が集 中して行列ができ、落ち着いて相談する時間や場所を確保しにくい点は課題である。就 職ガイダンスでは、社会人基礎力にかかわる講座を設けているが、コミュニケーション 能力や一般常識やマナーを向上させるためには、教職員の協力体制のもと、全学的な取 り組みも必要である。 入学支援については、最近のメディアの進歩により、受験生・保護者が情報を得る手 段がスマートフォンなどを使用したウェブサイトに変化してきている。本学の受験希望 者により効果的に本学の受験内容や方法が伝わるように、新しい広報活動を展開する必 要に迫られている。 基準Ⅱ-B-1 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて教育資源を有効に活用してい る。 (a)現状 教員は、ディプロポリシーに対応した成績評価基準により学習成果を評価している。 要覧の各学科のページ冒頭に、各学科の教育目的を記している。各教員はその教育目 的を意識した成績評価基準を学科目概要(シラバス)に記述し評価している。また、教 員は、学習成果の状況を適切に把握している。授業進行中の学習成果の状況把握は各教 員に委ねているが、欠席状況は組織的に管理している。欠席が3回以上で各教員は教務 担当に連絡し、その情報をゼミ担当教員に連絡することでゼミ担当者が就学指導を行っ 49 ている。また、小テスト、授業レポート、出席カードにおけるコメント、検定試験の結 果等、学生の反応を把握し、授業における学生の理解度や関心、到達度を把握しながら 授業を進めている。 教員は、学生による匿名の授業評価を実施している。半期科目は、前期末、後期末に 授業評価を実施している。通年科目は後期末に授業評価を実施している。一部、履修者 が少なく匿名性が保たれない場合は授業評価を行わない場合もあるが、ほぼ9割以上の 科目は授業評価を受けている。授業評価の結果は、実際の数値以外にデータをレーダー チャート化し理解しやすい状態で教員に配布され、コメント欄の内容も人権侵害に相当 する罵詈雑言を除き教員に提示されている。 各教員は授業評価を確認した後、その結果に対する反省・意見を自己点検フォームに 従いレポートとして提出している。それらの結果に基づき、各教員において授業改善が なされる。科目によっては学科長、教務担当より担当者に対し授業改善の勧告が行われ る場合がある。 教員同士による、授業内容について各学科協議会で授業内容に関しての議論がなされ ている。幼児教育学科においては、カリキュラム内容は保育系、福祉系、音楽系、美術 系、運動系に大別される。それぞれの系統において、また系統間において専任教員の意 思疎通は良好であり、カリキュラム内容の調整を行っている。非常勤講師とは 1 年に1 回、2 月に教育懇談会を開催し学科の教育目的、具体的学習成果について説明を行い、 教育内容の調整、教育方法の改善について系統別に協議している。専任教員においては、 急激に変化している保育者養成課程について毎月の学科協議会において共通理解を図 っているので、それぞれの授業内容に反映することが容易である。しかし、非常勤講師 においては教育懇談会が 2 月に開催されるため、学科目概要への反映は次々年度となる。 教育懇談会を学科目概要作成前である、10 月ころに開催するか、保育者養成の変更を 非常勤講師に周知するための説明書を配布するなどの対策を行う。 FD 活動は、平成 25 年度にはアクティブ・ラーニングについて富山大学 大学教育支 援センターFD部門、橋本勝教授の講演が開催され、非常勤講師もともに研修した。そ の後、それぞれの授業において学生がより参加できる授業方法について協議を行った。 また、例年と同様に、11 月から 12 月にかけて授業の相互参観が行われ、教員同士が授 業評価を行い、結果を当該教員および学長に報告した。 また、5 月に関西地区 FD 連絡協議会において、本学の FD 活動についてのポスター発 表を行い、ピア・レビューとして、相互参観の工夫などを助言いただいた。 平成 26 年度においても、専任教員の授業相互参観を行う。全学のFD研修を開催す る。非常勤講師が授業改善を行いやすい方法を検討する。 また幼児教育学科では、教員は、各学生の学科教育目標に対する達成状況は成績表や履 修カルテによってゼミ毎に教員が把握・評価している。 幼児教育学科においては、専任教員は毎月の学科協議会において、個々の学生の修学 状況について検討し達成状況について把握・評価している。学科としての達成状況につ いては実習成果に反映される傾向にあり、各実習について実習担当者から学生の全般的 状況および課題について報告が行われ、学科の教育目的の達成状況を把握・評価してい る。非常勤講師は毎年 2 月に開催される教育懇談会において、学科の教育目的の達成状 50 況を、実習結果、就職結果として把握・評価している。 新学期が開始される時点で半期ごとに各ゼミ担当教員から学生に学生個人の成績表 を手渡しするとともに、今後に対する指導を行っている。また、保護者宛にも成績表を 9月と2月に郵送して提示している。 教員はゼミナールを担当しており、担当の学生の履修状況について把握している。学 力的問題、健康的問題、情緒的問題、家庭的問題、経済的問題などさまざまな理由によ る履修困難について、担当部署と協力しながら履修指導を行っており、卒業に至る指導 の中心はゼミナール担当教員というシステムになっている。 多様化した学生支援には、学校医、学生生活支援室の教員カウンセラー、教職員と連 携をとるシステムが必要であるため、その構築を計画する。 国際教養学科では、毎月の学科協議会で専任教員の意思疎通を図り、コース毎の教育 内容である情報、ビジネス、英語、メディア系のカリキュラム実現のための調整を行っ ている。情報ビジネス教育では、簿記講座、FP 講座等の開講提案や実施状況、MOS 資格 の取得状況等が逐一報告され、学生の学習成果の現状の把握に努めている。英語教育で は、英語教育に関わるプログラムの提案や報告が毎月行われている。英語教員で構成さ れる「英語教育ミーティング」や国際教育センターと連繋して、英語教育に欠かせない 教育プログラム、行事の進行状況を学科協議会のメンバーが把握するよう努めている。 平成 25 年度はFD研修として、アクティブ・ラーニングについて外来講師の講演が開 催された。国際教養学科ではその講演内容を受けて協議を行った。また 11 月から 12 月 にかけて専任教員の相互授業参観が行われた。教員は評価項目について互いに評価して、 報告暑を提出、教授会にて開示された。国際教養学科は、コース毎に教員がゼミナール を担当しており、最小単位で学生の修学状況を把握している。実際には卒業研究、卒業 制作という形で2年間のゼミナール活動の成果としている。 また、近年増加しつつある入学者の学力不足、修学意欲の低下、経済的問題など、さ まざまな問題について、学科協議会では連絡を取り合って早い対処を心掛け、ゼミ担当、 学科長、関係部署が連繋してこれらの問題に当たっている。 事務職員は所属部署の役割を理解し、職務を通して学生支援を行っている。本学には、 チャペル・アワーに各学科の学生全員が集まる時間があり、掲示板掲載だけでなく、各 部署から全体的な口頭でのアナウンスができる。また、当該学生全員のメールアドレス も入手し個々人の識別もできるため、適切に個別に対応、支援することができている。 教務担当、学生担当、キャリアセンター、実習指導室、情報教育、美術準備室、栄養実 習室、図書館、キリスト教センター、地域協働センター、国際教育センターでは、主に 事務職員が学生に直接対応しているため、職員が互いの情報を共有し連携した学生支援 も可能である。 互いの情報がどこまで個人情報であるかの線引きが難しく、時には連携支援が困難と 感じることもある。また、職員は同一部署での勤務が長いため、より先鋭化した対応、 支援ができる反面、他部署の働きへの理解が限定的である側面も否めない。一部部署で は、非常勤職員が対応するため、担当教員の負担が大きく、職員間で共有できる情報が 少ない場合もある。 SD 活動として、平成 25 年度は山野上理事による講演を通して大学の使命と職員の働 51 き方についての研修を行った。 本学における学生のための学習支援のためには、CALC (Computer Assisted Learning Center)が PC プログラム、視聴覚教材を利用した語学学習(英語)の設備・資源を提供 している。 図書館では4月入学時に新入生対象のオリエンテーションを実施、その後、ゼミ毎の 図書館利用案内を実施し、学生の図書館利用の効果を高めている。なお、学生の図書館 利用については、一人当たりの年間貸出冊数が 31 冊と、全国平均の5冊を大きく上回 っており、また閲覧室にて自習する姿も多数見られ、大変活発であるといえる。その他、 話題の図書の展示、11 月∼12 月にクリスマス展を開催、 「図書館だより」刊行など、図 書館への興味を喚起するよう努力し、学生図書館委員から利用者の要望を聞いて、運営 の助けとしている。また、図書館では「授業関係図書」として、図書館閲覧室に授業関 係図書の書架を設け、担当教員から指定を受けた授業関係図書を別置している。図書館 の利用状況は各種統計から見ても、一人あたりの年間貸出冊数が多く、短期大学の図書 館としては熱心に活用されている。とくに幼児教育関連の実践的分野の資料は、教育・ 保育実習に対応するために複本を備えており、その利用度は抜きんでている。毎年行わ れる学生サービス評価でも、図書館への評価は常に最高位にあり、図書館の施設及び利 用者サービスについては、学生から高い評価を得ている。 教職員は、学内のコンピュータを授業や学校運営に活用しているといえる。教授会の 会議資料は電子化され教員は PC 等から資料を閲覧している。また、ほとんどの教室に 液晶プロジェクタが整備されており、授業によっては PC を用いた教材提示がなされて いる。職員においてもほぼ全員に端末が準備され書類作成や連絡等に活用されている。 学内に3つある PC 教室は授業外の時間に自由解放を行っており、学生は自由に PC を利 用できる。また学内に Wi-Fi アクセスポイントがいくつかあり、利用を希望する学生は 情報システム担当に WEP を訪ねる事で利用できる。 FD・SD 研修的な企画としての技術向上は稀ではあるが、各教職員が業務に耐えうる スキルを身につけるべく技術向上を目指している。平成 25 年度よりグループウェアの 導入に伴い、利用方法の手順講習を必要に応じて開催している。 (b)課題 幼児教育学科では、非常勤講師との教育懇談会が 2 月に開催されるため、学科目概要 への反映は次年度に間に合っていないのが、課題である。 国際教養学科では、非常勤講師との教育内容に関する意思の疎通が不充分である。学 生数の減少に伴いこの数年、新たに依頼する非常勤講師はほとんどないが、専任教員と の懇談会等は持てていないため、意思の疎通を図る必要がある。とくに学力不足、コミ ュニケーション力の不足、家庭の事情等、様々な理由で修学上の困難を抱える学生が入 学しており、学科長、教務担当が連繋して非常勤講師との連絡に努め、これらの学生の 指導について、理解と協力を求める姿勢が必要である。 平成 23 年度に図書館システムの更新を行ったが、その際、懸案事項であった学外か らの検索(web PAC の公開)の導入については見送っている。老朽化のため降雨時に一 階書庫への浸水が起こるため資料の汚損が懸念される。抜本的な対策が必要である。 52 また、コンピュータスキルについては、教職員の間に活用能力に差があり、グループ ウェアの活用も、まだ十分とはいえない。大学の実情に応じた使い方を習熟していく必 要がある。 基準Ⅱ-B-2 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて学習支援を組織的に行ってい る。 (a)現状 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて、カリキュラムの履修指針は「要覧」とし て毎年発行している。 学習の動機付けに焦点を合わせた学習の方法や科目の選択のためのガイダンス等を 行っている。入学時に実施される新入生研修会において 2 年生から特定科目の内容やそ れぞれの科目の学びの意味に関するプレゼンテーションがあり新入生のモチベーショ ンを高めている。 幼児教育学科のほとんどの専門科目では、将来、教育者になることを前提として、そ れぞれの科目の位置づけが学科目概要(シラバス)に記すことで学習の動機付けを行っ ている。 国際教養学科でもほとんどの専門科目では、習得できる技術が就職してからどのよう に活かされるかを学科目概要に記述している。 また、選択科目は初回授業がガイダンス的な内容である場合が多く履修に向けての説明 がなされている。 基礎学力が不足する学生に対し補習授業等に関しては、学習支援に関して全学的な組 織ではないが、個々の授業において基礎学力が不足するものに対する支援を各教員また は教員チームが実施する場合がある(例、ピアノ・体育等も含む) 。 特に幼児教育学科の教育・保育実習では付属園にて練習実習を追加した後に再度学外 実習を実施するなど実習指導室による組織的な補習・サポートが行われている。 国際教養学科では、コンピュータ技術で基礎力が不足する学生へのサポート等も実施 している。 また、各学科においてカリキュラム外のエクステンション講座を実施している。例え ば、幼児教育学科生に対する MOS 講座や、国際教養学科生に対する FP 講座等がある。 学習上の悩みなどの相談にのり、適切な指導助言を行う体制としては、学生生活支援 室にて、学生からの相談を受けている。場合によっては、科目担当者やゼミ担当者との 学内連携・協働によるチーム支援が計画されサポートされる。 科目によっては各科目担当者の判断によって進度の早い学生に対して特別な学習プラ ンを提示することがある。例えば、コンピュータ技術の科目において、進度の早い学生 には授業進度を越えた難易度の高い検定級を目指す課題を与えることがある。 留学生の受け入れ及び留学生の派遣に関しては、アメリカ ニューヨーク州の姉妹校 Roberts Wesleyan College との交流がある。希望する学生は約 8 か月間の短期留学を 受けることができる。 53 (b)課題 全学を対象とする組織的な学習支援体制は整っていない。大学での教育を行う以前の 中学・高校レベルの学習が乏しい学生も入学している。そのような学生に対する学習支 援体制が望まれる。 また、学生の学びに対する関心の差、もしくは学生個々の理解能力の差によって学期途 中で学習成果に差がつく場合がある。学習成果の学期途中での可視化やその結果からの 支援体制が理想であるが、どの教科どの教員でも実行できる体制の整備は困難であると 考える。 基準Ⅱ-B-3 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて学生の生活支援を組織的に行 っている。 (a)現状 学生の生活支援のために、教学部学生担当が設置されている。定期的に学生担当関連 委員会を開催し、学生がキャンパスライフを送る上での様々な問題に対応している。学 生担当はクラブ活動、大学祭、球技大会に関する相談指導、学校施設使用における連絡 調整、厚生補導に関わる業務を担当し、各部署との連絡に当たっている。 学生が主体的に参加する活動としては、クラブ活動、大学祭、球技大会がある。現状 のクラブ活動は下記の通りである。今年度、クラブ活動について設備状況に応じた見直 し整理を行った。専任教員が 1 名ずつ顧問として担当し、クラブ活動に関する相談指導、 学校施設使用における連絡調整を行っている。また、必要に応じてコーチの依頼を行っ ている。 公認課外活動団体・クラブ 文化系(9) 美術部、聖書研究部、ESSクラブ、文芸部、吹奏楽部、 陶芸部、社会福祉部、合唱部、軽音楽部 体育系(9) 創作舞踊部、体操部、バレーボール部、バスケットボール部、 ソフトテニス部、卓球部、バドミントン部、フラダンス部、 コリア同好会 課外活動団体(2) 学生チャペル委員会、図書館委員 クラブ加入人数及び加入率 1年生 151 名( 60.9 %) 2年生 272 名(125.9 %)* 合計 * 423 名( 91.2 %) 2 年生の加入率が 100%を超えるのは、複数の団体・クラブに所属する学生がいるため である。 球技大会、大学祭においては、それぞれの行事に対する学生委員会を設置し、学生担 当が中心になり円滑な運営のための相談や指導を行っている。大学祭においては短期大 54 学予算によって、各ゼミに分配される大学祭の準備資金の予算、決算の管理や使途等に ついて、学生担当が指導及び確認を行っている。 卒業生の組織として、卒業生友の会がある。卒業生と在学生の交流の場として、大学 祭開催日にコンサートが開催された。また、ゼミ代表交流会も開催され、卒業後も円滑 に交流できるよう配慮がなされている。学内組織としては、卒業生友の会実務委員長を 1 名置き、定期的に友の会委員会を開催している。委員会は短期大学教職員及び友の会 専任職員で構成され、友の会からの学生支援に関する提案についての検討がなされてい る。 学生食堂は学内に 1 か所設置されている。座席数は 266 席、営業時間は 9:00∼16:30 とされているが、実質的な販売時間としては 10:00∼13:00 である。また、食堂内の売 店にてパン類、ジュース類、し好品の販売が行われているが、学生の満足度は低い。食 品以外の文具類等については、学生担当が適宜仕入れ・販売を行っている。本学は、自 宅通学者が大半を占めるが、宿舎について希望がある場合には既卒生のアンケート等で 調査した優良物件の情報提供を行っている。 本学は、大阪市内の交通の便が良い場所に位置している。学生の安全確保のため自動 車、バイクでの通学は禁止している。自転車通学については登録制とし、1 キロ∼4 キ ロ通学圏内の学生に対し、キャンパス内の駐輪場利用専用シール(有料)を発行の上、 許可している。通学路の安全確保のためには、男性職員が定期的に巡回し、通学途中の 安全確保のための意識喚起を行っている。また、学生担当からも通学上の安全路につい て地図を配布の上、注意喚起を行っている。 平成 25 年度 10 月 1 日現在で日本学生支援機構の奨学金を受給している学生は表の通り である。 日本学生支援機構奨学金受給学生人数(平成 25 年 10 月 1 日現在) 学年 学科 1 年(13 生) 2 年(12 生) 合計 幼児教育 国際教養 専攻科 幼児教育 国際教養 専攻科 第一種 26 6 0 9 3 0 44 第二種 59 8 0 63 18 0 148 併用 9 2 0 5 1 0 17 合計 94 16 0 77 22 0 209 50.26 45.71 0 40.95 39.28 0 44.56 比率(%) 本学独自の奨学金制度としては、通称「学内奨学金」や後援会運営による「オリーブ ローン」があるが、どちらも給付ではなく、入学後、成績は優秀だが経済的に困難な状 況に陥った学生に半期分の授業料を貸し付け、卒業後 3 年以内に返還するという制度が ある。 その他の奨学金として、クロッシング・ボーダー・プログラム(姉妹校 RWC への本学 在学生または卒業生の 1 年間(2 学期)留学プログラム)では、留学者全員に姉妹校側 からの奨学制度が適用される。在学中の留学者で、基準を満たした学生には、本学奨学 金(給付)が適用される。 保健室は常勤職員1名体制であり、月2回の午後には産業医、学校医として嘱託医師 55 が来室している。保健室業務としては学校安全保健法に基づいた学生の健康診断と労働 安全衛生法に基づいた教職員の健康診断を行い、学生及び教職員の保健管理を行ってい る。また、日常的な応急手当、健康相談、健康診断証明書の発行、各行事の救護、実習 生に必要な検査及び結果指導(細菌培養検査・血液検査等)、海外研修生の渡航前問診、 大学祭などの安全衛生指導、感染症対策等も行っている。さらに学生及び教職員の安全 衛生委員会が開催されるようになり、衛生管理者として出席し、またその事務も取り扱 っている。今年度の総保健室利用件数は 469 件である。内訳は内科的なもの 160 件、外 科的なもの 141 件、その他(内科的、外科的以外のものと教職員、卒業生、保護者利用) 94 件そして学生支援 74 件である。 学生の抱える諸問題が多様化・複雑化してきたことに伴い、平成 18 年 1 月より、学 生生活支援室を設置し、相談業務や修学状況の改善のための取り組みを行っている。ス タッフは、臨床心理士資格を有する専任教員 1 名で、授業の空き時間に活動している。 開室 5 年間は、非常勤カウンセラー1 名を配置してカウンセリングを依頼し、教員はア ウトリーチによる支援や学内外の連携・協働によるチーム支援をコーディネートするこ とに比重をおいてきたが、支援の積み重ねにより、様々な課題を抱える学生について、 教職員間で随時協議できるようになり、チーム支援が定着し、再び、カウンセリング業 務に比重を置くことが可能となってきている。専任教員が部署に配属されていることで、 精神疾患や障がいなど固有のニーズをもつ学生を把握した場合に、理解啓発活動を行っ たり、学内資源を活用したりする体制づくりを提案しやすいのは利点である。 本学では、入学時から専任教員が担当するゼミに全学生が配属され、ゼミ活動だけで なく、勉強や生活面での指導をしている。また、欠席回数の多い学生については、教務 担当からの報告を受けて、ゼミ担当教員が早期に対応する体制が整えられている。その 他、学生への質問紙調査を行う中で、様々な要望の聴取に努めている。このような支援 により、進路変更や個人都合を理由とした退学者数は減少傾向にあり、学生対応の充実 による支援改善が見られる。 留学生への支援として、①外国人留学生奨学金(本学制度)、②文部科学省外国人留 学生学習奨励費などの奨学制度を提供している。奨学金申請手続き、入国管理関係手続 き、外部機構からの各種サービス取次などの支援を国際教育センターが行っている。平 成 25 年度在籍留学生は、いない。 社会人に対しては、社会人入試を実施し、社会人としての経験を生かした入学前の学 習成果を評価する入試を実施している。また、各教員から開放できる科目を聴取し、聴 講生を募集している。毎年 12∼13 名程度の聴講生がある。また、科目等履修生制度を 利用して、資格、免許の取得を目指す本学卒業生、社会人がいる。 障がい者受け入れとして、平成 25 年度は、平成 24 年度入学の難聴学生に際して作成 した「障がい学生サポート規則」に則り、地域協働センター内の「障がい学生サポート」 窓口を通して以下の対応にあたった。①前年度に引き続き、パソコン通訳「ルナ」と業 務契約を結び授業保障として、授業のパソコン通訳・視聴覚教材の文字起こし及び字幕 付けを行った。②講演その他の手話通訳を行った。③要約筆記を部署スタッフおよび当 該学生の所属ゼミ担当教員が行った。 ④可動式スピーカーの教室への持ち込み態勢を作った。講義者のマイクとの連携に課題 56 が残ったままである。平成 25 年度の障がい学生入学による障がい学生サポートについ ては、授業保障の観点からの態勢確立に精一杯となった前年度に比し、対応する部署の スタッフのスキルも向上し、関連する機器も充実したと言える。 長期履修生の受け入れは、学則 6 条の 2 に長期にわたる教育課程の履修を定め、長期 履修学生に関する規定を整備して体制を整えている。 ボランティア活動については地域協働センターがコーディネートして学生の視野と 経験を拡げるためのボランティア活動の企画に当たっている。平成 25 年度の学生ボラ ンティア活動参加実績は以下の通りである。 平 成 25 年 度 平 成 24 年 度 平 成 23 年 度 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 63 84 59 74 63 116 143 177 146 119 福祉関係 41 41 4 10 13 イベント他 32 68 58 36 37 27.7 36.1 39.6 32.9 36.1 81 100 105 94 90 保育 子ども関係 一人当たり平 均活動時間 活動施設総数 学生のボランティア参加実数はここ数年大きな変化なく推移しているのが現状であ る。ボランティア活動参加率が約6割という数値は非常に高いレベルあると評価して良 いといえよう。 (b)課題 すべての教職員、部署が連繋して福利補導に当たる体制作りが求められている。 多くの学生が奨学金受給を希望しており、学生の経済状況の変化が著しい。入学した 学生が卒業まで修学できるよう各部署やゼミ担当教員と連携をとり、速やかに対応する べき課題が増えている。 多様化した学生支援には、学校医、学生生活支援室の教員カウンセラー、教職員と連 携をとることが必要である。安全衛生委員会を設置して、学内における安全衛生の確率 に努めている。 学生食堂に対する学生アンケートの結果を受けて、学内食堂委員会に提出し、サービ ス及び問題点の改善実行に努めることが急務である。 障がい者受け入れについては全教職員で理解と対応の技術を高めて行く必要がある。 そのための研修の機会を広げて行かねばならない。 基準Ⅱ-B-4 進路支援を行っている。 (a)現状 本学では学生の就職支援のための組織としてキャリアセンターを設置している。構成 57 メンバーは教員2名、職員3名、アルバイト1名で、そのうち、教員 1 名は 3 月末定年 退職のため 1 名補充、教育・保育系担当職員 1 名は、6 月退職が決まっていたため、4 月より新規採用し 2 か月間引き継ぎ、また、企業系担当職員 1 名は 3 月末で退職が決ま ったため、3 月より新規採用するなど、スムーズな移行をはかるよう努めた。教員 1 名 はキャリアカウンセラー資格を有し、職員 1 名も資格取得の準備をすすめている。 就職支援の場としては、本館 2 階にキャリアセンターを設けている。教室から近く、 学生が休み時間に気軽に相談できる雰囲気を作っている。カウンターでの窓口業務以外 に、机・いすを置いたコーナーを 3 か所有し、学生の面談および相談に使用している。 部屋の外には、企業および幼稚園、保育園等の求人票を張り出す掲示板と企業・園ごと の求人情報のファイル棚を設けている。園や企業から訪問がある場合、本館 1 階の応接 室を使用している。 学生の就職支援に関して、企業系就職ガイダンスは 1 年前期から後期にかけて計 32 回、教育・保育系就職ガイダンスは 1 年後期から 2 年前期にかけて計 32 回実施してお り、途中、全学生に個別面談し、進路に対する希望を把握している。 就職ガイダンスでは、「ライフプランニング」や「キャリアプランニングセミナー」、 「マナー講座」「メイクアップ講習」等を組み込み、将来展望や社会人として必要なこ との意識づけを行っている。また、企業希望者には、就職ナビ検索の活用術や OG 懇談 会、内定者報告会、学内企業説明会等を実施し、全員が 1 年次 2 月に企業実習(インタ ーンシップ)に積極的に参加している。教育・保育系希望者には、園長講話、内定者報 告会、公立幼稚園見学会、OG 懇談会等を実施し、現場理解を深める支援を行っている。 就職のための資格・検定取得の支援は、学科や他部署が企画・実施している。 就職ガイダンスの中では、 「就職のてびき」を作成・配布して、 「自己分析・他己分析」 「エントリーシート、自己 PR、履歴書の書き方」等を指導している。就職活動開始後 は、個別の相談の中できめ細やかに支援している。 キャリアセンター実施の就職試験対策として、企業系では、「職業適性診断テスト」 「SPI 対策」 「話し方講座」 「業種・職種の研究」 「企業研究講座」 「集団・個人模擬面接」 「模擬試験」等を実施し、教育・保育系では、「保育士模擬試験」や、公立希望者のた めに「一般教養試験対策講座」 「集団面接練習」を実施している。 卒業時の就職状況に関しては、幼児教育学科は、100%の就職率である。幼稚園・保 育園・こども園・施設からの求人が卒業予定学生数の約 5 倍あり、学科の専門性を生か した就職が 92%を占めている。受験者がいない求人先には、手紙を郵送し良好な関係 を維持するよう努めている。4 月から即戦力として働けるよう、学科としても一定レベ ルに達するまで実技の補習や実習を繰り返し、質の高い保育者を養成することを心がけ ており、1∼2 回の受験でほぼ合格しているのが現状である。公立の受験対策受講者の 合格率は高く、取り組みの成果が認められる。 一方、国際教養学科は、企業からの求人数は減っており、四年制大学との競合が激し いが、長年採用実績のある企業との関係を密にするとともに、ナビ検索やハローワーク との連携を強化し、あきらめずに就職活動を続けるよう支援している。国際教育コース の幼稚園就職者も含め、国際教養学科の就職率は 90%、うち 99%が正規雇用である。 就職以外の支援に関して、四年制大学への指定校編入については教務担当が、姉妹校 58 など海外への留学については国際教育センターが担当し、指導している。専門学校への 進学、一時的な仕事を含め、進路先の情報の総括はキャリアセンターで行っている。卒 業後科目等履修生として、免許・資格を取得するものへの就職支援も行っている。 (b)課題 構成メンバーの交代の多い年度であったこと、学科の学生数に開きがあること、求人 数が多いこと、就職先へのアンケートを実施したことなどにより、業務量の調整が難し く、内部の役割分担や他部署との関係構築に時間を費やすことが多かった。なお、大規 模校のように複数のスタッフで役割分担し一部を担う形はとれず、教育・保育系職員は 1 名で、園訪問、訪問者や電話の対応、就職ガイダンス、個別の書類添削や面談を担当 するなど、負担が大きいため、体制を考え直す必要がある。 就職支援に関しては、教育・保育系は、就職活動時期、昼休みや休み時間に相談が集 中して行列ができ、落ち着いて相談する時間や場所を確保しにくい点は課題である。求 人票を掲示する十分なスペースの確保も必要である。なお、電話対応、予約のない来訪 が増えており、学生の相談やガイダンスと重なると、人的に対応が困難である。急な来 訪のつど応接室の使用手続きをする困難さもあり、キャリアセンター近くに独立した面 接室を設けるなどの対策が必要である。 企業系においては、ハローワークとの連携がより重要になってきている。就職ガイダ ンスでは、社会人基礎力にかかわる講座を設けているが、コミュニケーション能力や一 般常識やマナーを向上させるためには、教職員の協力体制のもと、全学的な取り組みも 必要である。 就職ガイダンスの内容は、これまで継続してきた成果があがっているが、幼児教育学 科はカリキュラムがつまっており、公務員試験対策講座の開講日程も取りにくい状況が 生じている。ライフプランを考える回を追加するなど、職業教育に加え、キャリア教育 の視点からも内容を充実させる方向で検討中である。 教育・保育系においては、内定後の研修中や就職後に問い合わせがくる例も出てきて おり、質の維持に努めること、現場のニーズを聴取しながら、学内体制を見直すことが 課題である。企業系は、就職意欲が低く自ら相談にこない学生への支援が課題で、求人 をメールで通知し、意欲を高めるなどの活動に取り組んでいる。 キャリアセンターで進学や留学も含めた支援を行うかどうか関係部署で協議する機 会をもち、キャリアセンターで多様な進路に対応する方向で検討中である。 基準Ⅱ-B-5 入学者受け入れの方針を受験生に対して明確に示している。 (a)現状 入学者受け入れの方針は、「学生募集要項」の裏表紙に各学科、コースごとに明記し ている。また、本学ウェブサイトに同じものが掲載されている。受験生・保護者・高校 教員からの電話・メールの問い合わせには入試担当が窓口となり月曜から土曜まで対応 し、原則翌日までに返答すること、個人情報の守秘、公平な情報提供を配慮している。 入試担当には 3 名の職員と兼任教員1名がおり、入試事務全般および入試広報を行って 59 いる。入試業務だけでなく書類発送においても必ずダブルチェック体制が組まれており、 入試においてはトリプルチェック体制で正確に業務が遂行されている。 入試内容については入試委員会を経て教授会で承認されている。多様な選抜について は、指定校制推薦入試・公募制推薦入試・一般入試・AO 入試・社会人入試・帰国生徒 入試と6種類の入試を設定している。公正かつ正確な入試とするため、学科試験(国語・ 英語)については、過去2年の公募制推薦入試1次の試験問題(出題傾向と題したアド バイス付)を学生募集要項に掲載し、面接試験については、すべての出願者に「面接の ポイント」と題したプリントを配布し面接内容やその対策をアドバイスしている。幼児 教育学科の実技試験のうち音楽(歌唱・ピアノ演奏)試験については、課題曲の楽譜を 学生募集要項に掲載し、受験生が適切に試験対策を行えるように対応している。試験当 日の試験官はすべて複数名であり、事前に各部門全員で採点方法、採点基準の確認を行 い公正かつ正確な入試を行っている。 入学予定者に対して入学準備説明会を開催し、各学科の概要を説明して入学後の学修 および学校生活に備え安心して入学できるよう配慮している。同時に入学前課題を課し、 長い学生では 5 か月余りある入学までの期間を入学準備期間と位置付けている。特に平 成 25 年度から「漢字練習帳」を配布し、入学前に基礎学力の向上を目指した。幼児教 育学科ではピアノ演奏初心者のための個人レッスンを3回行っている。さらに、両学科 ともに、人間関係作りが苦手な学生が増加しているので、懇親のための集会を入学前に 開催している。 入学者に対して入学式の翌日から 2 日間オリエンテーションを行っている。オリエン テーションにおいては履修指導や学生生活における様々な事柄が説明される。また、学 外の施設を利用した新入生研修会が開催され、建学の精神、学科の教育目的を伝えると 共に、上級生アドバイザーによって授業・学校生活について説明が行われ、本学学生と してのスムーズな学生生活の出発を図っている。 (b)課題 最近のメディアの進歩により、受験生・保護者が情報を得る手段がスマートフォンな どを使用したウェブサイトに変化してきている。本学の受験希望者により効果的に本学 の受験内容や方法が伝わるように、新しい広報活動を検討することが課題である。 入学予定者に対しての入学前課題では、基礎学力を培う課題や技能の習熟を目指す方 法について検討が必要である。課題を遂行する学習習慣を習得するため、学びの楽しさ を体験できるような工夫を行うことが課題である。 60 【基準Ⅲ 教育資源と財的資源】 (a)要約 本学は幼児教育学科、国際教養学科の 2 学科にふさわしい教員組織が編成されている。 それぞれの学科で短期大学設置基準に適合する教授数と教員数が確保され、幼児教育学 科は幼稚園二種免許状及び保育士資格のための課程認定を受けており、教育課程の編 成・実施はこれらの基準を満たしている。また教育研究活動の成果をウェブサイト、学 院報等に公開している。研究日、研究室、研究紀要の発行、個人研究費等の設定により、 教員の研究のための条件は整えられている。 事務職員については、事務局長の下に職員に係る規程を定め、本年度は SD 研修会も 実施するなど、規程に基づく業務に携わっている。人事管理については、諸規程に基づ き行われるが、明確な人事評価システムがない。 校地・校舎の面積は設置基準を満たしている。校舎については老朽化が進んでいたが、 平成 26 年 3 月において全ての建物の耐震工事が終了し、安全性が確保できたものと思 われる。併せてバリアフリー化を進め環境や福祉に向けた改善も推進し概ね当初計画は 終了した。 図書館については、充実した蔵書と適切な選書・廃棄システムにより教育・研究に必 要な書籍等の資料を収集・管理している。 施設・設備の維持管理については、規程に従い法定検査を実施し、災害に対して耐震 工事を終了、防犯対策も行っている。 技術的資源については、教育用情報機器施設として 3 つのコンピュータ実習室、学生 ロビーで自由に利用できるパソコンコーナーを整備しており教育研究に活用している。 学内 LAN は学内のほぼすべての建屋に巡らせ、インターネットはほぼ学内全域で接続可 能となっている。また、事務用情報機器設備としてデータベースシステムを有したサー バを核とする小規模なネットワークが配備されており、学籍管理等の種々データが管理 されている。この小規模ネットワークは学内 LAN(インターネット含む)には接続して おらずセキュリティを保っている。 運用面については、教学部に情報システム担当を置き、教職員並びに学生に対する技 術サポートを実施している。 財的資源については、法人は 1 短期大学(2 学科) 、1 幼稚園、1 認定こども園(幼稚 園・保育園)を設置運営するが、法人としての借入金はゼロ、減価償却引当、退職給与 引当、2 号基本金引当、4 号基本金保管など資産を適切に保有、資金を安全に運用して いる。しかしながら流動資金増には今後、更なる資金運用手段を採用の上、運用益を得 ることが必要である。 平成 25 年度は国際教養学科が大幅に収容定員を下回ったことにより、大幅な減収と なり、学生募集の立て直し他、財政の改善の必要に迫られている。 (b)行動計画 今後、定年退職を迎える教員が複数名あるため、必要な人事配置や教員養成課程認 定などに必要な教員を新規採用で迎えるなどの人事計画を早急に実施する。 非常勤事務職員のみの部署についての改善が必要である。 61 また、従来「人事評価システム」がなかったため、教職員の士気を高め業務の向上を めざすべく、次年度よりの導入を計画している。 教員の研究に関して、学科単位やグループでの共同研究の試みが少ないことや科学研 究費等の外部資金への応募が少ないため、学内での研究を奨励し申請を増やしていく体 制づくりを考える。 教職員の研究面、事務遂行能力の向上のため、教員のFD、職員のSD規程づくりを進め る。 防災管理面について、近年震災に対する整備機運が高まる中、本学は建物の耐震工 事がすべて完了し、ハード面の安全は確保されたものの、ソフト面の運用が機能しなけ れば災害時において不安がつきまとうことになり、現在安全衛生委員会によって立案中 である。 財政面では、本法人では正常な経営状態を維持しているが、平成 25 年度に短期大学 で入学生数が学科別に大きな差を生じ結果的には短期大学として定員未充足となった。 学科別の入学定員の変更を決議しているが効果は周智するまでしばらくかかる。そこで 現状の下、本短期大学がまだできていない事項、しなければならない事項もまだまだ多 くある。社会人へのアプローチ対策を強めなければならない。現在進行中である短期大 学の在り方検討チームの方策が理事会承認によってスピードよく進めるよう努めなけ ればならない。本短期大学の特色を捉えて環境分析を行い、量的経営判断指標実態を把 握し将来像の明確化に結び経営改善計画策定につなげることが喫緊の課題となる。 基準Ⅲ-A 人的資源 (a)要約 本学は幼児教育学科、国際教養学科の 2 学科にふさわしい教員組織が編成されている。 それぞれの学科で短期大学設置基準に適合する教授数と教員数が確保され、幼児教育学 科は幼稚園二種免許状及び保育士資格のための課程認定を受けており、教育課程の編 成・実施はこれらの基準を満たしている。 専任教員は、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて教育研究活動を 行い、その成果はウェブサイト、学院報等に公開している。研究日、研究室、研究紀要 の発行、個人研究費等の設定により、教員の研究のための条件は整えられている。 また、教員の教育力向上のための FD 活動を行っているが、規程が未整備である。 事務職員については、事務局長の下に職員に係る規程を定め、本年度は SD 研修会も 実施するなど、規程に基づく業務に携わっている。 人事管理については、諸規程に基づき行われるが、明確な人事評価システムがない。 (b)改善計画 専任教員の研究活動について、ばらつきがあり、また個人単位の研究がほとんどで、 外部資金への応募などが少ないので、これを奨励していきたい。また FD の規程も整備 し、一層充実させていく必要がある。 今後、定年退職を迎える教員が複数名あるため、必要な人事配置や教員養成課程認定 62 などに必要な教員を新規採用で迎えるなどの人事計画が必要である。 非常勤事務職員のみの部署についての改善が必要である。 また、従来「人事評価システム」がなかったため、次年度よりの導入を計画している。 基準Ⅲ-A-1 学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて教員組織を整備 している。 (a)現状 本学は2学科を持ち、幼児教育学科、国際教養学科がそれぞれの専門を担当する教員 によって教員組織が編成されている。 設置基準による幼児教育学科の入学教員170名に対する必要数は11名(うち4名の教授) である。国際教養学科の入学定員100名に対する教員の必要数は7名、うち3名の教授が 必要である。入学定員270名に対し、さらに5名(うち2名が教授)が必要である。合計 23名の教員、うち9名の教授がいて、短期大学設置基準に定める教員数を充足している。 専任教員は、真正な学位を取得し、本学の教員として採用され、その後、教育実績、 研究実績、制作物の発表等を重ねている。博士号の取得者は23名中6名、学位申請準備 中の者が1名、大学院博士課程に在籍し研究を続けている者が1名、大学院修士課程に在 籍し研究を続けている者が1名いる。以上により、短期大学設置基準の規定を充足して いる。 幼児教育学科は幼稚園二種免許状取得のための課程認定と保育士養成課程の認定を 受けており、教育課程の編成・実施はこれらの基準を満たすように行われている。専任 教員はこれらに必要な科目を担当し、専任教員のみで足りない分野については、学位、 教歴等を十分精査したうえで非常勤教員を採用し配置している。国際教養学科において は、全国実務教育協会の認定資格を得られる教育課程編成を行うほか、本学・学科及び コースの教育目的に従い、教育課程を編成し実施している。基幹的な科目は本学専任教 員が行い、必要な科目については幼児教育学科同様、適した人物を非常勤講師として配 置している。 教員の採用、昇任は、「教員の任用と昇格に関する規程」に基づき、教授会(任用・ 昇格会議)において、専任の教授により、「教員の任用と昇格に関する細則」の手順に より、厳正に審査・審議され、決定する。学長はこの決定に基づき、理事会に教員の採 用・昇格を具申し、理事会において決議される。 (b)課題 専任教員の平均年齢が上がっていること、教授の男女比などに著しい偏りがみられる こと、定年退職を控える者が複数名あるため、教員の配置、新規採用などを計画的に行 う必要がある。 基準Ⅲ-A-2 専任教員は、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて教 育研究活動を行っている。 63 (a)現状 専任教員は、各自の専門分野及び担当する授業・業務に関連した分野での教育・研究 活動を行い、その成果を毎年5月末に役員室宛に報告、学長が確認している。 平成25年度の活動はウェブサイト及び学院報の誌上で公開している。 平成25年度は、科学研究費補助金を3件申請したが、いずれも採択されなかった。今 後、他の外部研究資金の獲得を目指して研究を続けたい。 専任教員の研究活動に関する規程としては、個人研究費規程があり、専任教員は年間 23万円の範囲の研究費が認められ、その用途も規程に基づき、学会参加、文献収集、消 耗品の購入などが認められている。また、それ以外に、個人特別研究奨励費として、年 間20万円の研究費が認められる規程があるが、平成25年度は申請がなかった。 本学では「大阪キリスト教短期大学紀要」を年1回発行しており、学会誌以外での研 究発表の場を確保している。 教員は各自研究室を与えられ、インターネットに接続できるよう環境も整えられてい る。また、週1日は研究日として出校を義務付けられない日が確保されており、多忙な 中にも研究に専念できる体制は整っている。専任教員の留学、海外派遣、国際会議出席 に関する規程はないが、個人研究費、服務規程などを準用し、希望のある教員について は便宜を図っている。 教員のFD活動については、規程は現在準備中であるが、自己点検・評価規程にあるよ うに、FDが義務付けられていることを踏まえて、FDに関わる研修会、学内での授業相互 参観、学生の授業アンケートは必ず行っている。平成25年度は、関西地区FD連絡協議会 のポスター発表で、本学のFDの取組を発表した。 また専任教員は、自らの研究・教育のみならず、学生の学習成果の向上のため、教務 担当はじめ学内各部署と連携している。本学では教員と職員が協力して部署の働きに当 たる体制があり、日常からコミュニケーションを取り、学生のためにより有効な連携方 法を試み、実施している。 (b)課題 個人の研究には差があり、複数の論文等の発表を行う者もあれば、成果が少ない者も あるという状態である。また、学科単位やグループでの共同研究の試みが少ないことも あげられる。少ない教員数で、様々な学校運営にも携わり、社会貢献や公的委員の活動 もあるので、条件としては厳しいが、今後、科学研究費等の外部資金への応募、申請を 増やしていく必要がある。そのための研究の奨励体制づくりが課題である。 基準Ⅲ-A-3 学習成果を向上させるための事務組織を整備している。 (a)現状 事務職員の最終責任者は事務局長と定め事務職員に係る諸規程も整備をしている。現 在全規程の見直し作業を常務理事他 3 名で進め平成 26 年度中に作業終了予定である。 事務職員は配属部署の事務分掌に従い学生支援を行う。専任事務職員のうち、図書館職 員は資格を有し業務に係り学生の図書相談にも対応する。専門的な資格を有する教務職 64 員、総務部職員など資格を活かしながら効率的に学生のために業務を進めている。各部 署での専門的な職能を高める努力を行っているが、業務上必要な資格取得も奨めている。 外部事務研修会には少なくとも一人は参加し研修後に部署で情報を共通理解すること で事務職員の質向上に寄与している。平成 25 年度の「SD 研修会】は平成 26 年 3 月 7 日(金)に実施した。講師は山野上素充氏(本学院常務理事)。テーマ1は【法人事務職 員としての働きの意義の確認】である。人は何のために働くのか、生涯持ち時間と優先 順位、働くことと勤務することの違い、人生の目的は何、仕事を通して人間力を向上さ せよう、自己を律し、自己に打ち克つ、これこそがアスリート(大学職員)の義務であり 最も大切なことであると教示された。その 2 は【法人教職員の人事制度導入】について 目的等の説明を受けた。 (b)課題 現在、規程の見直し作業中であるがことに「事務分掌規程」について内容を確認し各 部署、各員の事務分掌の確認を行い部署職員の業務遂行に力を添える。SD 活動規程を 至急作成し規程集に整備する。規程の整備が完了すれば学内での規程の閲覧を進めて規 程に従って分担した業務を効率よく遂行するように努力を積み重ね高等教育機関の事 務職員の自覚を高めたい。 基準Ⅲ-A-4 人事管理が適切に行われている。 (a)現状 教職員の就業に関する諸規程を整備している。理事会、常務理事会で承認された見直 し後の諸規程は順次学内ネットで閲覧確認することができている。細則を含めた諸規程 の整備完了は平成 26 年度秋を目途とする。教員の人事、役職変更等は学長の下で進め られる。教員採用人事は教授会の議を経て常務理事会で承認を得るなど学内手続きを経 ている。職員異動は事務局長発議で部署長に説明、常務理事会の議を経て理事長承認を 得ている。専任職員採用は公募を原則とし学内にも募集条件の周知を図る。事務職員の 役職位変更は事務職員役職位任免内規に従い所定の手続きを経て常務理事面接後、常務 理事会で協議後、理事長の決済を得ている。 諸規程に従い人事管理を行うよう努めている。寄附行為変更、規程変更など就業に変 更規程がある場合は就業規則委員会に諮り、理事会で承認議決された時には全教職員に 周知している。 (b)課題 諸規程の見直し作業後、常務理事会あるいは理事会議決で成立した規程全てを一定の 管理の下 PC 端末で確認できるよう勧めている。2014 年度中に作業を完了予定である。 諸規程に従い勤務することを説明し管理体制をも整えたい。 65 基準Ⅲ-B 物的資源 (a)要約 物的資源として、校地・校舎の面積は設置基準を満たしている。校舎については老朽 化が進んでいたが、平成 26 年 3 月において全ての建物の耐震工事が終了し、安全性が 確保できたものと思われる。併せてバリアフリー化を進め環境や福祉に向けた改善も推 進し概ね当初計画は終了した。 (b)改善計画 現在、授業に支障をきたす物的資源はないが、耐震工事に伴う安全対策(災害時の運 用マニュアル)や老朽化による重要設備(エレベーター・受電・空調)の更新計画を順 次すすめる。 Ⅲ-B-1 学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて校地、校舎、施設設 備、その他の物的資源を整備、活用している。 (a)現状 短大使用校地面積の一覧表 場 所 丸山校地 内 訳 敷地面積 短大専用敷地 備 考 11,257 ㎡ 認定こども園用地2,060㎡含まず 計 淡輪敷地 11,257 ㎡ 17,356 ㎡ 運動場を含む全体 合 計 28,613 ㎡ 設置基準(30 条)の規定は満たしている。 (約 5,400 ㎡以上) 教育にふさわしい樹木に覆われた環境をもち、学生が休息その他に利用するのに、テ ラスを配置し、淡輪セミナーハウスには運動場を有する。 66 場 所 丸山校地 内 訳 建物面積 本館 3,235 ㎡ 1号館 1,374 ㎡ 5号館 1,709 ㎡ 6号館 3,023 ㎡ 7号館 1,282 ㎡ 8号館 1,592 ㎡ クラブ棟 136 ㎡ ゲストハウス 238 ㎡ 守衛棟 13 ㎡ 計 淡輪 備 考 12,602 ㎡ セミナーハウス 317 ㎡ 倉庫 111 ㎡ 計 428 ㎡ 合 計 13,030 ㎡ (別紙校地・校舎配置図を参 照) 設置基準(31 条)の規定は満たしている。 (約 9,200 ㎡以上) 障がい者対応として建物の出入口にはスロープ・自動扉・エレベータを設置し校舎間 の移動の負担を軽減し、身障者用便所・手すりなども設置を行っている。(本館・1号 館・5 号館・8 号館は設置完了) 67 建物名 本館 階 使 用 内 訳 B1F 学生ホール・多目的ホール・協議会室・職員更衣室・電気室・機械室 1F チャペル・教室 2・講師室 2F 教室6・キャリアセンター・国際教育センター 3F 教員研究室・実習指導室 1F パソコン教室・教室2・学生談話室 2F 教室・実務教育演習室・保育演習室 3F 教室2・美術準備室・協議会室 管理事務室(教務・入試・学生・地域協働センター・広報・総務)・応接室 1号館 4F 5号館 6号館 7号館 1F 講義室2・倉庫・ポンプ室 2F 講堂 3F 講堂ギャラリー・クラブ室 1F プール(25m) 2F 学生食堂・体育教室・栄養実習室・教官室 3F 体育館・学院教会事務所 4F 体育館ギャラリー 1F 図書書庫 中2F 図書書庫・司書室 2F 閲覧室 3F 役員室・小会議室 4F 教員研究室・大会議室 1F 学生ロッカー・ピアノ演習室 4・ピアノ練習室 14・電子ピアノ室 2F パソコン教室・保健室・学生生活支援室 3F 講義室・ピアノ演習室 4F ビデオシアター・ピアノ練習室 5F ピアノ練習室 クラブ棟 1F クラブ室 2F クラブ室 ゲストハウス 1F 国際交流室・友の会 8号館 2F 客室 守衛室棟 1F 警備室 淡輪 1F 管理室・集会場・厨房・浴室・応接室 セミナーハ 2F 客室 倉庫棟 倉庫 (別紙校地・校舎配置図を参照) 通信による教育は行っていない。教室としての基準(28 条-2)は満たしている。 授業用備品・システム一覧表 68 建物名 階 本館 B1F 1F 2F 1号館 1F 2F 教室名 収容人員 授業用機器・備品 第二協議会室 15 多目的ホール 50 DVD ビデオ・プロジェクター 011教室 20 DVD ビデオ・プロジェクター 012教室 15 テレビ・ビデオ チャペル 93 放送設備・グランドピアノ・電子オルガン 021教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 022教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 023教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 024教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 025教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 026教室 50 DVD ビデオ・プロジェクター 101教室 40 コンピューターシステム・映像システム 105教室 40 DVD ビデオ・プロジェクター 107教室 30 DVD ビデオ・プロジェクター 201教室 120 グランドピアノ・DVD ビデオ・プロジェクター 実務演習室 36 実習用電話・プロジェクター・ビデオ・コンピューター・映像設備 保育演習室 3F 5号館 1F 2F 6号館 301教室 乳幼児バス、シャワー・床暖房設備 66 DVD ビデオ・プロジェクター 302教室 48 胸像・版画プレス機・テレビ・ビデオ 南大教室 276 プロジェクタ・DVD ビデオ・ピアノ 北大教室 122 プロジェクタ・DVD ビデオ・ピアノ 講堂 768 プロジェクタ・DVD ビデオ・ピアノ・オルガン・映像照明設備 1F 2F ボイラー・濾過循環器設備・シャワー設備 体育教室 テレビ・ビデオ 栄養教室 実習用調理機器・ボイラー・冷蔵庫・食器・テレビ・ビデオ 運動機器設備 3F 体育館 7号館 1F 書庫 (図書館) 2F 閲覧室 8号館 1F ピアノ演習室 ピアノ練習室 グランドピアノ 14 ピアノ (別途電子ピアノ12台) コンピューターシステム 2F パソコン教室 40 3F 831教室 100 グランドピアノ・プロジェクター・DVD ビデオ 832教室 46 グランドピアノ・テレビ・ビデオ 154 放送設備・音響映像設備・プロジェクター・グランドピアノ・オルガン ピアノ演習室 体育館 体育教室 グランドピアノ4台・ピアノ3台 4F ビデオシアター ピアノ練習室 2 ピアノ 5F ピアノ練習室 5 ピアノ 767㎡ 245㎡ 図書館内の構成(平成 26 年 5 月 1 日現在) 7号館閲覧室(座席 72 席) 288 ㎡ 7号館書庫(1 階・中 2 階) 544 ㎡ 座席数…72 席 内訳:一人掛け…24 席+四人掛けテーブル…12 台(48 席) DVD ブース…2 席 AV ブース…1 席 PC 席…2 席 OPAC 席…2 席 69 図書館蔵書数一覧表 区分 冊数(種) 和書 106,030 冊 洋書 6,878 冊 学術雑誌 141 種 AV資料 2,090 点 図書館では「授業関係図書」として、図書館閲覧室に授業関係図書の書架を設け、担 当教員から指定を受けた授業関係図書を別置している。購入図書の選定については神学、 幼児教育、国際教養の各分野から教員の委員を委託し、図書館委員会を編成し、毎月、 図書館から新刊書の資料を配付して選書を依頼している。また、学生のニーズに対応す るため、学生図書館委員を募集して毎月新刊の文庫本等の選書を依頼している。また、 懇談会を開いて、学生の図書館への要望、意見を吸収している。廃棄については、書庫 が満杯のため、毎年の重要な業務となっている。学生の学習に供することを第一義とし て選書し、学習やレポート作成に適さない資料を廃棄している。廃棄の選定は主に司書 が行うが、分野や領域において蔵書を見直す場合や廃棄が多量に及ぶ場合は関連科目の 教員に確認を依頼している。 (b)課題 校地面積は基準を満たしているものの屋外運動場は場所が離れるため、体育館の充実 が望まれる。 校舎面積は基準をみたし授業に支障をきたすものはない。身障者対策については目的 に沿った改善計画立案が必要に思われる。 現在、授業で支障をきたす演習・実習室の不足はない。 現在、授業で支障をきたす機器及び什器の不足はないが、老朽化が進む講堂施設や学 生用什器の更新を順次中長期計画で推進する必要がある。 基準 Ⅲ-B-2 施設設備の維持管理を適切に行っている。 (a)現状 経理規定・経理規定細則を順守している。 1)施設の維持管理に関する法定検査 ①法定点検 ・特定建築物定期調査 建築基準法に基づき、3年毎に建物外観・構造の調査を行い、適宜に改善事 項を実施する。 ・消防用設備定期点検 消防法に基づき、毎年放送設備・避難器具・消火器具の点検を行い届出とと もに、適宜に是正を行う。 ・電気設備精密点検 電気事業法に基づき、2年毎に精密点検を行い、適宜に是正を行う。 ・昇降機定期点検 70 建築基準法に基づき毎月の点検と毎年の法定点検を実施しその都度改修を行 っている。 ・ばい煙濃度測定調査 環境法に基づきガスボイラーから排出されるばい煙の濃度を測定し届出を行 っている。 ・高架水槽水質検査 水道法に基づき、毎年高架水道の清掃と残留塩素の測定を実施している。 ②その他の管理および作業 ・ガス設備・器具調査点検 ・電話設備定期点検 ・樹木薬剤散布・剪定作業 ・冷暖房空調設備点検 他営繕工事提案書に基づく改善計画にて実施し維持管理に努める。 2)災害対策・防犯対策及び訓練計画 ① 火災等の災害対策 ・防火対策(別紙消防計画書参照・職員マニュアル参照) 防火管理者のもと消防設備(非常放送・消火栓・避難誘導設備・消火設備 など)については、年2回定期検査を行ない維持管理に努めている、必要時 には所轄消防署へ改善計画を提出し施設の改修を行っている。 ・震災対策 耐震工事については、新耐震基準に適合させるため実施を進めている。残 す建物は 1 号館のみとなり、この 1 号館も平成 26 年 3 月で完了し、学院内 すべての建物が終了した。また、本学は平成 25 年より大阪市との協議によ り災害発生時において収容避難所施設として指定され、約390名の帰宅 困難者への緊急避難備蓄品の保管を行っている。その他、災害拠点強靭化 に向けた施設の改修、在校生への避難備蓄品など導入に前向きに検討を進 めたい。 ・防犯対策 監視カメラを設置し昼間1名・夜間 1 名の警備委託者で対応しているが非常 通報や警報センサーなど設備はなく今後門扉の開閉、入場者の規制を含めて 検討する必要がある。 ②学生、教職員の避難訓練等の対策 年に一度、消防署の指導のもと総合火災避難訓練(学生は避難訓練・教職員 は自衛消防隊消火訓練)を行ない安全対策に努める。また、火事・地震にお いての初期行動は異なるため、職員マニュアルを作成し、わかりやすい訓練 を実施したい。 3) コンピュータのセキュリティ対策 学内サーバ(学生用、教職員用)と学内パソコン(教職員貸与用、教室用) にセキュリティソフトをインストールし、随時、アップデート実行する設定に している。 71 4)省エネルギー対策 地球温暖化防止対策(京都議定書批准)により、エネルギー・資源の節約をは じめ環境対策に取り組む必要がある、電気設備については、建物が分散してい て集中コントロール出来ないため個々のスイッチ操作で対応しているのが現状 である。今後動力・一般照明については中央で管制出来るように検討する。現 在、耐震工事など改修工事においては、共用部分を LED 照明器具に切替え、ク ールビスの呼びかけなどの啓蒙を行い省エネルギーの対策を行っている。 4)省資源対策 資源リサイクルについては、一般焼却ゴミ、産業廃棄物以外に、資源ゴミ(紙、 プラスチック、びん缶)を分別し資源の活用を行った。 5)環境対策 校庭内には可能な限り樹木をあしらい温暖化防止対策につとめる、環境悪化の 一因である化学物質のアスベスト対策・PCB 対策・ダイオキシン対策はすでに完 了(PCB の保管対策を残すのみ)し、常に環境法を順守した環境対策を行ってい る。 (b)課題 施設設備の維持管理については、日常メンテナンス及び法定点検・保守により授業、 事務に支障をきたしていないが、近年授業の分散化、保育園の新設により保守点検日の 設定が困難となり一抹の不安がある。 近年震災に対する整備機運が高まる中、本学は建物の耐震工事がすべて完了し、ハー ド面の安全は確保されたものの、ソフト面の運用が機能しなければ災害時において不安 がつきまとうことになり、現在安全衛生委員会によって立案中である。 省エネ・省資源対策は電球の LED 化やゴミの分別及びクールビスの呼びかけを行って いるが、一人ひとりの行動実行が必要となるため、更なる啓蒙を行う。 基準Ⅲ-C 技術的資源をはじめとするその他の教育資源 (a)要約 教育用情報機器施設として 3 つのコンピュータ実習室、学生ロビーで自由に利用でき るパソコンコーナーを整備しており教育研究に活用している。一般教室においても液晶 プロジェクタ等を備え、教務担当において貸出されるノート PC と共に授業で活用して いる。コンピュータ実習室は約 4 年程度でリニューアルを行い、授業に支障のないよ う毎年定期的にメンテナンスを実施している。 学内 LAN は学内のほぼすべての建屋に巡らせ、インターネットはほぼ学内全域で接続 可能となっている。 事務用情報機器設備としてデータベースシステムを有したサーバを核とする小規模 なネットワークが配備されており、学籍管理等の種々データが管理されている。この小 規模ネットワークは学内 LAN(インターネット含む)には接続しておらずセキュリティ を保っている。 72 運用面については、教学部に情報システム担当を置き、教職員並びに学生に対する技 術サポートを実施している。 (b)改善計画 学生が単独で学習できる e-learning 等の整備が遅れている。学生への連絡手段の整 備が遅れている。学生ポータルサイトなどの導入が考えられる。 事務用データで資産価値のあるデータは小規模ネットワークとして独立しておりイ ンターネットからも切り離されているが、メールシステムなどインターネットを利用す る LAN およびサーバは学生と事務とで共用している。インターネットに繋がる学内 LAN は学内のところどころに LAN ソケットがある事と、学生が利用する目的で設置された有 用性重視のセキュリティが緩い Wi-Fi アクセスポイントがいくつかあり、場所によって は学外からの無線接続も考えられる。そのような事務業務に対するネットワークのセキ ュリティと学生の教育環境としての有用性とのトレードオフが問題点としてあげられ、 事務業務専用のサーバおよび LAN の整備が求められる。 また、事務業務の中には ICT を活用することでスムーズに遂行できるタスクが見受け られる。それらの実現は今後の改善課題である。 基準Ⅲ-C-1 短期大学は、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて学 習成果を獲得させるために技術的資源を整備している。 (a)現状 ここでは、技術的資源を ICT に関するハード・ソフトウェアおよびネットワークと定 義する。それら ICT 資源に関しては、情報システム担当が学科からの要請を受け、カリ キュラムに即した内容で整備している。端末の整備に関しては、821 教室(PC 41 台) 、 101 教室(PC 41 台)、CALC 教室(PC 35 台)、パソコンコーナー(PC 6 台)を用意して おり、教室の一部を授業のない空き時間に開放している。開放時間にはアルバイトの職 員 1 名が常駐し、学生からの技術的な質問に対応している。Office 系のソフトウェア のほか、プログラミング、画像処理、動画制作、音楽制作など様々なソフトウェアを導 入している。 821 教室と 101 教室には、ペン型入力デバイスによるタブレットを完備し、 幼児教育およびメディア表現コースの志向性に対応した環境を整備している。教室のハ ードウェアおよびソフトウェアは約 4 年毎にリニューアルされる。 各教室には、液晶プロジェクタ・書画カメラ・モノクロレーザープリンタ・カラーレ ザープリンタを用意している。 学内 LAN により、学内のほぼ全域で PC を接続できインターネットを利用できる。各 教室には LAN コンセントが用意されており、教員は PC をインターネットに接続しプロ ジェクタ等を利用して学生に提示することができる。 幼児教育学科では保育者に必要とされる ICT スキルを身に着ける授業が用意されて いる。国際教養学科では、ビジネスに必要とされる ICT スキルを身に着け、さらに、画 像処理や音声処理などカリキュラムポリシーに即した科目が設置される。それら科目に 必要とされるハードウェアおよびソフトウェア等が準備されている。一部の教員は、そ 73 れら最新の技術的資源に対応して、たとえば音楽制作のための鍵盤を PC に USB 接続し て譜面入力させるなど、新しい情報技術を活用した授業を展開している。その他、学外 ブログを活用し学生からの主体的な意見や画像付レポートを全学生に公開することで クラスの活性化を促す試みなども実施されている。 教職員は、各 1 台端末が配布または各自で利用しており、平成 25 年度からはグルー プウェアが導入され情報共有がなされている。グループウェアにより施設予約情報の共 有や連絡をスムーズに行えるようになった。また、事務・学務システムとしてインター ネットから切り離された小規模なネットワークで運営されるデータベースシステムを 活用している。 (b)課題 教職員の ICT スキルは個人差が大きいため、均一化を目指すとともに、全体的な底 上げを図る必要がある。メンテナンス効率向上を目指し学内の端末をシンクライアント 化の検討も視野に入れることが考えられる。 e-learning 等の活用が遅れている。学生に対する教育支援のほか、教職員への ICT スキル向上に e-learning 活用が有効と思われる。 掲示板に代わる学生との密な連絡や、教材管理に活用できる学生ポータルサイトの運 用も今後の課題である。 本学事務局は厳密にはインターネット接続の整備がなされていない。メールシステム などインターネットを利用する LAN およびサーバは学生用に用意されたものであり、そ の学生用の設備を事務で共有することで業務を行っている。よって本学のインフラ整備 は、学生の有用性を鑑み、インターネットに繋がる学内 LAN は学内のところどころに LAN ソケットがある事とセキュリティが緩い Wi-Fi アクセスポイントがいくつか用意さ れている。それらは有用性の観点からはメリットであるが、逆手に取ると、場所によっ ては学外からの無線接続も考えられ情報セキュリティの観点からは危険である。そのよ うな事務業務に対するネットワークのセキュリティと学生の教育環境としての有用性 とのトレードオフが問題点としてあげられ、事務業務専用のサーバおよび LAN の整備が 求められる。 また、たとえば、履修登録のサーバへの入力や、成績入力など事務業務の中には ICT を活用することで人的コストを削減できる業務が見受けられる。そのような技術の導入 は多大なコストが必要であることから経費対効果を意識した改善課題といえる 基準Ⅲ-D 財的資源 (a)要約 法人は 1 短期大学(2 学科)、1 幼稚園、1 認定こども園(幼稚園・保育園)を設置運 営する。法人としての借入金 0、減価償却引当、退職給与引当、2 号基本金引当、4 号 基本金保管など資産を適切に保有、資金を安全に運用している。しかしながら流動資金 増には今後、更なる資金運用手段を採用の上、運用益を得ることが必要である。 収容定員数と現員数が等しくなるなどの改善策を講じなければならない。 学院内の諸施設(園舎・学舎)の耐震改修整備は整い、学舎、園舎の一部にバリアフ 74 リー化の整備事業が必要である。 (b)改善計画 学生生徒等納付金の増額を図ることは収入面での重要な事項。短期大学では幼児教育 学科では定員増、国際教養学科では定員減(平成 26 年度)としたことで収支の改善を 図る。特に社会人入試の内容を見直し学生の入学率 UP につなげる。幼稚園、認定こど も園はよりこまやかな方策を用いて現員数増につなげて帰属収支の収入超過を図る。 支出面では予算費(前年比減)の厳格な執行により収支バランスの改善につなげる。 財務の改善計画、中期、長期の財務シミュレーションは再度の見直しが必要で至急に 取り組む。 基準Ⅲ-D-1 財的資源を適切に管理している。 (a)現状 平成 23 年∼25 年の 3 ヵ年の資金収支(本法人)はマイナスを計上している。平成 23 年度は認定こども園の保育所建物を建設したこと、短期大学では 8 号館の耐震改修その 他工事を実施したことがその要因である。平成 25 年度は短期大学校舎 1 号館の耐震改 修その他工事及びバリアフリー化工事の整備事業を完工させたことによる。そのほとん どは建物資産として振り替わる。平成 25 年度の耐震改修工事で本法人が所有する学舎、 園舎の耐震改修工事はすべて終えることは園児、学生等への安全対策構築済となる。次 年度繰越支払資金は 1,016,196 千円となり、本法人として目指す資金ベースを維持し収 支は均衡していると捉えている。また上記 3 ヵ年の消費収支はマイナスであるが平成 23 年度、平成 25 年度の基本金の組入れ額増(上記整備事業実施)によるものである。 貸借対照表についても健全に推移している。法人と短期大学の財務の状況を把握すると 共に短期大学を存続させる財務状況は維持している。退職給与引当金、減価償却引当金、 2 号基本金引当など適正に資金を保持している。資金運用には安全に十分な配慮と学内 規程を順守しながら安全な国債、長期の預金利息等で運用益の確保に努めている。 教育研究経費は 3 ヵ年平均で帰属収入比 23.4%(短期大学部門 26.8%)である。学 生生徒の収容数が充足していないことは学科構成も含めて全学で改善策に取り組まな ければならない。 (b)課題 本学院の 2 幼稚園、1 保育園、2 学科を要する短期大学の合計収容現員数は保育園以 外減となった。1幼稚園は認定こども園となり収容園児数が大幅に増加している。保育 園も定員比 20%増を数える。1 幼稚園は園児数が大きく減となり次年度には認定こども 園として保育園設置を検討している。短期大学では幼児教育学科入学定員増、国際教養 学科入学定員減を平成 26 年 4 月 1 日から実施することの届け出をした。また国際教養 学科のコースの見直しなど可能な事項の検討を学長、学科長等を中心に進めている。短 期大学の将来像を本学院の将来計画の中にどのように組み入れるのかは緊急に結論を 得なければならない課題として捉えている。 75 基準Ⅲ-D-2 量的な経営判断指標等に基づき実態を把握し、財政上の安定を確保する よう計画を策定し、管理している。 (a)現状 定量的な経営判断指標に基づく経営状態の区分は「法人全体」として A3 となり正常 状態にある。短期大学単独の帰属収支差額は 3 ヵ年平均で 45,227 千円、帰属収支比率 は 8.97%、人件費比率 57.26%、教育研究経費比率は 23.44%で安定している。 本学院の中長期の将来計画案作成はこれまでも常務理事会、理事会で協議を進めてき たが、改めて平成 25 年度より常務理事会で取り掛かり平成 26 年度には評議員会に諮問 する予定である。施設設備の長期計画の明確化、人事計画も現状分析と共に学院中長期 計画の中で捉えるとしている。短期大学入学定員変更の届出の事項をはじめ、学内では 機会を捉えて短期大学の危機意識を共有するよう学長理事が説明している。 (b)課題 本法人では正常な経営状態を維持しているが、平成 25 年度に短期大学で入学生数が 学科別に大きな差を生じ結果的には短期大学として定員未充足となった。学科別の入学 定員の変更を決議しているが効果は周知するまでしばらくかかる。そこで現状の下、本 短期大学がまだできていない事項、しなければならない事項もまだまだ多くある。社会 人へのアプローチ対策を強めなければならない。現在進行中である短期大学の在り方検 討チームの方策が理事会承認によってスピードよく進めるよう努めなければならない。 本短期大学の特色を捉えて環境分析を行い、量的経営判断指標実態を把握し将来像の明 確化に結び経営改善計画策定につなげることが喫緊の課題となる。 76 基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス (a)要約 理事長は建学の精神をよく理解し、寄附行為に基づいて本学校法人を代表し、その業 務を総理している。平成25年度は13回の理事会を招集し、議長を務めた。学院として必 要な規程を整備し、かつ基本情報をインターネット上に公表するなどの責務を果たして いる。 学長は短期大学の運営全般について、学識と教育経験、学内行政の経験に基づき、学 校運営に関しリーダーシップを発揮している。学長は建学の精神を理解し、それに基づ く教育と研究の向上に努めている。 また、教授会を規程に基づき運営し、教授会の下に各種委員会を設置し、教育研究に 関わる諸事項を適切に運営している。 平成 25 年度の理事、監事及び評議員現員は寄附行為の定員を充足する。2 名の監事 は理事会、評議員会への出席率は 100%に近く、種々発言や提言を示していただくなど 職責を果たしている。監事は文部科学省の監事研修会に必ず 1 名は参加し、得た情報を 共有の上、法人の業務、財務監査に活用する。監事はまた公認会計士との合同監査も毎 年テーマを以て開催、意見の交換を行い法人監査の内容を深めている。法人では監事監 査で教示された事項の順守に努めている。評議員は事業計画、予算等の諮問を受け質疑 応答など寄附行為に定める職務遂行している。 しかし近年、短期大学の経営が厳しさを増し、改革の迅速化が必要とされるため、理 事会及び常務理事会もそれらに即した判断力が求められている。 (b)行動計画 短期大学の学生の減少にともなう経営問題や、幼稚園の認定こども園化など、現状、 複雑で困難な問題に直面して、理事会においてそれぞれの理事の専門性が生かされ、迅 速にして今後の見通しを考えた判断がなされなければならない。 特に短期大学の経営の立て直し、学科の見直し等、短期大学としての大きな転換点を 迎えている今日、理事会がその社会的責任を深く自覚しなければならない。 大学改革に求められるガバナンスのあり方を求めて、既存の組織の改革、職員の意識 の向上、教員の大学全体を見渡した協力が求められる。 以上について、今後3年程度のうちに、大学改革を中心的に行う部署の設置や組織の 再編などを計画実施する。 基準Ⅳ-A 理事長のリーダーシップ (a)要約 理事長は建学の精神をよく理解し、寄附行為に基づいて本学校法人を代表し、その業 務を総理している。平成25年度は13回の理事会を招集し、議長を務めた。学院として必 要な規程を整備し、かつ基本情報をウェブサイト上に公開するなど、学校法人の社会的 責任を果たすように大学経営を指揮している。 77 (b)改善計画 短期大学の経営や幼稚園のこども園化など、複雑で困難な問題に直面して、理事会 においてそれぞれの理事の専門性が生かされ、迅速にして今後の見通しを考えた判断が なされなければならない。 基準Ⅳ-A-1 理事会等の学校法人の管理運営体制が確立している。 (a)現状 今井洋理事長は、本学神学科・専攻科を卒業後、日本フリーメソジスト教団の諸教会 での牧師を務められ、昭和 48 年に本学院の評議員・監事、平成 5 年に本学院理事、平 成 15 年より学院長を務め、平成 25 年に理事長に就任した。長らく本学の教育に関わり 続け、とりわけ建学の精神について、短期大学創立当初以来の事情を踏まえて本学院の 今日に伝えることのできる人物であり、最も深く理解する一人であり、常に本学の教育 が建学の精神から離れることのないよう見守り、指導してきた。長年の本学の変化の中 にも、変わらない建学の精神を現在の教育理念・目的に生かすことを求め、本学の発展 に寄与してきた。 理事長は、寄附行為第 13 条に基づき、本学校法人を代表し、その業務を総理してい る。 理事長は、毎会計年度終了後、通常 5 月末までに、監事の監査を受け理事会の議決を 経た決算及び事業の実績(財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書)を評議 員会に報告しその意見を求めている。また理事長は、寄附行為第 21 条に基づき、評議 員会を招集し、寄附行為第 23 条による予算、事業計画等の諮問を受ける。そのために 監事の監査を受け理事会の議決を経た決算及び事業の実績(財産目録、貸借対照表、消 費収支計算書、資金収支計算書及び事業報告書)を報告し、その意見を求めている。 理事会は、寄附行為第 18 条に基づき、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を 監督している。理事会は寄附行為第 18 条 2 項に基づき理事長が招集し、議長を務めて いる。平成 25 年度においては、定期理事会 5 回、臨時理事会が 8 回、計 13 回が開催さ れた。理事会は、第三者評価に対する役割を果たすため、その準備として自己評価・点 検を毎年行っている。また、理事会は短期大学の発展のために、理事長、常務理事、学 長、学科長、園長、監事らがその業務上の研修会、私立短期大学協会、短期大学基準協 会、その他の団体による研修会に積極的に参加し、情報を収集し、短期大学発展のため に日夜努めている。理事会は短期大学運営に関する法的な責任を認識し、法令と規程を 順守している。 学校法人は、私立学校法の定めるところに従い、必要な教育情報、財務情報をウェブ サイト、 『学院報』を通じて公開している。 理事会は、学校法人運営に関する規程集、短期大学運営に関する規程集を整備してい る。現在、常務理事を中心に、その全体を見直し、重複や字句の誤りを修正し、適切な 形に整える作業を行っている。 本学院の理事は、寄附行為第 8 条に基づいて選任され、本学の教職員、評議員、学識 経験者の内より選ばれるが、学科長及び園長以外はキリスト教信徒でなければならず、 78 本学の教育目的・教育方針を支持する者でなければならない。そのため、建学の精神の 理解と維持については協力を得られており、法人の経営についての学識及び見識を有し ていると言える。理事は私立学校法第 38 条に基づき、寄附行為第 8 条に基づいて選任 されている。 学校教育法第 9 条(校長及び教員の欠格事項)の規定は、寄附行為第 12 条の「役員 の解任及び退任」に関する条項に適用されている。平成 25 年に理事定数について常務 理事会及び理事会で協議を行い、理事選任条項に係わる寄附行為を変更した。8 条第 1 号理事は学院長及び学長の 2 名とする。8 条第 2 号理事は評議員会選出理事 5 名寄附行 為(△1 名)、8 号 3 号は学識経験者理事で 2 名(△1 名) 、8 号第 4 号理事は短期大学学 科長より 1 名選出する(新規+1 名) 。8 号第 5 号理事は認定こども園施設長、幼稚園長 の内より 1 名(新規+1 名)理事定数 11 名は変わらないが選出条項を変更した。外部 理事と共に学内の部署の責任者が理事に加わることから法人の事業計画について学内 の十分な理解を得る推進力を期待される。 (b)課題 本学院理事会の課題としては、理事選任規程の変更は理事長(学院長兼務)、学長理 事、学科長理事、こども園理事事務職員理事となり理事会の協議、審議に丁寧に説明が できることや詳細な資料説明が行われることから理事会での共通理解が進み協議内容 がより深くなっている。今後の本法人の運営も厳しくなることから各理事の専門性を活 かし役割を分担することを共通理解したい。 基準Ⅳ-B 学長のリーダーシップ (a)要約 学長は短期大学の運営全般について、学識と教育経験、学内行政の経験に基づき、学 校運営に関しリーダーシップを発揮している。学長は建学の精神を理解し、それに基づ く教育と研究の向上に努めている。 また、教授会を規程に基づき運営し、教授会の下に各種委員会を設置し、教育研究に 関わる諸事項を適切に運営している。 (b)改善計画 昨今の学校を取り巻く変化の速さと、大学改革の必要に応じての教員の組織と事務局 との協力体制を構築していく必要がある。また、教員の仕事の多忙さから、会議時間が とりにくく、短時間でも必要な合意形成やコミュニケーションを図る必要がある。 基準Ⅳ-B-1 学習成果を獲得するために教授会等の短期大学の教学運営体制が確立し ている。 (a)現状 学長は、短期大学の運営全般にリーダーシップを発揮している。 79 現学長は平成4年に国際教養学科専任講師として採用され、女性学、人間学、西洋思 想史(現・現代社会と思想)、日本文化の特質(現・古典文化表現論)等を担当、その 後、専攻科幼児教育専攻の「子どもと人間形成」、神学科の「哲学史」「宣教と文化」、 専攻科神学専攻の「宗教哲学」「キリスト教倫理学」「比較哲学」等の科目を担当。平 成23年より幼児教育学科教授として「人権教育」を担当。平成14年に准教授、平成23 年に教授に昇格した。学内では学生部主任、入試部主任、生涯学習室主任、広報担当主 事、教学部学生担当主事、広報室長等を歴任、学内の主な部署での管理職を経験した。 平成19年に大阪キリスト教学院評議員、平成21年に大阪キリスト教学院理事に就任。こ の間も研究を継続し、科学研究費補助金を二度に亘って受給し、博士学位請求論文「キ ェルケゴールの女性論」を提出し平成20年9月に大阪大学大学院より文学博士号を取得 している。 以上のように、学長は人格高潔にして専門分野における優れた学識を有するのみなら ず、学内諸部署を経験して学内行政に精通し、教育経験も豊富であり、学校運営に関す る識見を有すると認められる。 本学には学長のクリスチャンコードが存在している。学長は福音主義キリスト教徒で あり、その分野での教育研究に対する見識も深く、建学の精神に基づく教育研究を推進 し、短期大学の向上・充実に向けての努力を行っている。 平成25年度は、幼児教育学科のさらなる充実に向けて定員増の計画と、それに伴う学 内体制、教育の実施のための施設整備等を行った。これらは、教員と職員の代表者(学 長、両学科長、教学部教務担当主事、事務局長、総務部長、教務担当職員)をプロジェ クトチームとして組織し、月2回程度の会合を行い、定員増のための申請書類の作成と 整備、その一方でクラス編成、時間割、教室配置、必要な設備の決定、ゼミの担当者の 再編成など、さまざまな課題を取り上げ、約1年でその結果を出した。定員増および保 育士養成の認可は、文部科学省および近畿厚生局に無事受理され、認可された。それと 同時に、幼児教育学科の懸案であった保育演習室の整備や談話室、可動式の机を備えた 教室など、学生の学習環境も飛躍的に向上した。同時に1号館耐震改修工事も実施され、 安全で快適な教育環境づくりを進めた。 本年度の最も大きな課題となったのは、国際教養学科の募集状況の厳しさであり、こ のまま存続するのか、改組するべきかを具体的に考えるために、「大阪キリスト教短期 大学の将来のあり方についてのプロジェクトチーム(略称FPT)」を立ち上げ、具体的 な将来像、四年制大学の可能性等を検討し、理事会に対し提言を行った。平成26年度に はさらに具体的なリサーチ活動に入る。 また、本学の将来的な方向性として、地域に根差し地域に必要とされる人材育成を担 当する短期大学としての在り方を目指すため、文部科学省「地(知)の拠点整備事業」 に「阿倍野学と安心・安全のまちづくり」をテーマとして申請を行った。こちらはワー キンググループとして、申請書の作成を分担し、本学の強みを生かした教育・研究・社 会貢献を地域で行うための様々な試みを企画したが、結果として不採択であった。その 理由として、地域との連携が不十分であること、カリキュラムの改革など校全体の動き となっていないことが挙げられた。本学ではこの点を反省し、課題として次に、地域と の包括協定の締結や、学内全体を組織した大学改革へと進めて行きたい。 80 各学科の教育成果をもとに、さらなる充実に向けての不断の努力を続けている。 学長選考は、「学長選考規程」に基づき、教授会において選挙において候補者3名を 選んだ後、理事会の面接と投票によって決する。現学長もその規程に基づいて選任され、 教授会と理事会の信任を得て教学運営に努めている。 学長は学則及び教授会規程に基づき、教授会を原則月2回(第1、第3火曜)に開催し、 次の事項について審議する。 (学則第39条) (1)教育課程及び授業に関する事項。 (2) 学則及び学内諸規程に関する事項(3)学生の入学、退学、転学、休学、除籍及び卒業 に関する事項(4)学生の厚生補導に関する事項(5)学生の賞罰に関する事項(6) 教授、准教授、講師、助教の候補者の選考、昇格等に関する事項(7)教員の研究等に 関する事項(8)その他教育研究上必要と思われる重要事項 教授会の議事録は毎回整備され保存される。議題と資料は各学科・委員会等よりメー ルで提出されウェブ上で閲覧可能な状態にされ、原則ペーパーレスで進む。月 1 回の各 学科協議会と各委員会・部署よりの提案がそれぞれの会議で十分審議された後、教授会 に提案されるため、十分な検討や資料のリサーチが行われているので審議はスムーズに 進行する。 全教員が幼児教育学科、国際教養学科のどちらかの学科協議会に出席する。そこでア ドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーが話し合われ、決 定される。したがって全教員はそれらを認識し、それぞれの教育活動を行う。 教授会の議事録は、学長に指名された書記により記録され、毎回の教授会で、前回議 事録を全員の前で朗読、確認を受けた後確定し、適切に保存される。 教授会では、学科ごとに建学の精神に基づく3つの方針について確認を行い、学習成 果についての共通認識を持って諸事項の審議に当たっている。また学長は教授会の下に、 教育上の委員会を設置している。 (1)建学の精神及びチャペル・アワーの運営…チャペル委員会 (2)入試に関する実務分担、入試方法、時期、オープンキャンパスなどの運営…入 試委員会 (3)学年暦、授業評価、その他教務に関わる事項…教務委員会 (4)教員の教育力向上を目指す研修企画、運営…教員研修(FD)委員会 (5)大学祭、卒業パーティ、研修会等の企画・運営…学生担当関連委員会 (6)幼稚園・保育園・施設実習に関する事項…実習委員会 (7)キャリアガイダンス、就職内定状況、インターンシップ等の事項…キャリア委 員会 (8)姉妹校関係、学内英語スピーチコンテスト、海外インターンシップ、検定関係 …国際教育委員会 (9)学内奨学金に関する検討・推薦…奨学金委員会 (10)学生のメンタルヘルス、生活支援に関する事項…学生生活支援委員会 (11)図書館の運営等…図書館委員会 (12)地域との共同事業、聴講生募集、障がい学生サポートに関する事項…地域協働 委員会 (13)紀要の編集・発行に関する事項…紀要編集委員会 81 (14)卒業記念品に関する検討…卒業記念品委員会 (15)学生食堂の運営に関わる事項…学内食堂委員会 (16)卒業生友の会に関する事項…卒業生友の会委員会 (17)障がい学生サポートに関わる件…障がい学生サポート委員会 (18)教務内容に関する検討と教務委員会への発議…教務会議 (19)学校の施設整備計画に関わる件…学校施設・設備整備検討委員会 (20)学校の情報システムに関わる件…情報システム委員会 以上の委員会によって運営がなされている。 また平成25年度は、前年度に引き続き、「地(知)の拠点整備事業申請ワーキンググ ループ」が申請を行ったが不採択、 「幼児教育学科定員変更に伴うプロジェクトチーム」 において、定員変更に伴う申請を近畿厚生局に対して行い、文部科学省にも報告を行っ た。また必要な教室整備計画を立案し実施した。以上を持って上記2グループは当初の 目的を達し解散した。 また、平成25年10月より、「大阪キリスト教短期大学の将来のあり方に関するプロジ ェクトチーム(略称FPT、Future of OCC Project Team)が結成され、今後の本学の学 科構成、四年制大学設置の可能性などについて検討し、新年度より具体的なリサーチ活 動を行うことを提言した。 (b)課題 今後の課題として、大学改革に伴う諸事務を的確に行うための教員による組織と事務 局との協力が挙げられる。また、会議時間が不足することから、最小限の時間での合意 形成と相互理解のための工夫を必要としている。 また、本学の進むべき道として、地域に根差し地域と共に生きる姿勢を強化するため に、本学の強みである幼児教育の実績をもとに、地域との連携を深める具体的な関わり を形成していきたい。 基準Ⅳ-C ガバナンス (a)要約 平成 25 年度の理事、監事及び評議員現員は寄附行為の定員を充足する。2 名の監事 は理事会、評議員会への出席率は 100%に近く、種々発言や提言を示していただくなど 職責を果たしている。監事は文部科学省の監事研修会に必ず 1 名は参加し、得た情報を 共有の上、法人の業務、財務監査に活用する。監事はまた公認会計士との合同監査も毎 年テーマを以て開催、意見の交換を行い法人監査の内容を深めている。法人では監事監 査で教示された事項の順守に努めている。評議員は事業計画、予算等の諮問を受け質疑 応答など寄附行為に定める職務遂行している。 (b)改善計画 「大学を取り巻くステークホルダーは学生、保護者、教職員、地域住民等その範囲は 82 非常に広い。こうした大学等を運営する法人の公共性及び運営の適正性を確保するため、 監事の役割は非常に需要である」と中央教育審議会大学部会(大学のガバナンス改革の 推進について 審議のまとめ)で明示されている。財務や会計の状況だけでなく教育研 究や社会貢献の状況、大学ガバナンス体制等についても監査する必要があるとしている。 授業視察など直接教学に係る機会は現在、設置できていない。このことは監事と協議の 上進める努力をしなければならない。 基準Ⅳ-C-1 監事は寄附行為の規定に基づいて適切に業務を行っている。 (a)現状 2名の監事は毎年度修正予算(案)、決算(案)の原案作成時に合わせて来校の上、法 人業務及び財産の状況について監査を行う。監査当日に現金実査を実施。特に平成 25 年度は、業務委託等の契約書の確認を行い、適正であることを表明いただく。次に平成 25 年度の事業計画に従う「1 号館の耐震改修その他工事及びバリアフリー化工事」の整 備事業の現地視察を行い工事の進捗状態や年度内工事完工について確認がなされた。監 事は外部監査人の公認会計士と合同監査日を設け、本学院の業務、財務の状況について 意見交換の結果を理事長に報告している。 監事は毎回理事会(定期、臨時)に出席の上、長期事業計画及びそれに伴う財務計画に ついて詳細な説明を理事に求め、様々な事項に対する意見開陳をしている。 監事監査では平成 24 年度の決算案資料、平成 25 年度予算案を基に詳細内容を事務担 当者に質し、これを確認の上、監査報告を作成し決算理事会及び評議員会に提出し説明 を行っている。 監事は毎年文部科学省が設定する「監事研修会」に 1 名は出席いただき、当日の資料 を他監事に回付、情報を共有している。 (b)課題 現在、監事には授業視察の機会設定が難しく教学に限定した監査日を設けていない。 今後は監事のご意見を承りながら検討したい。寄附行為では役員(理事・監事)の定年を 80 歳と定め、任期を 4 年としている。役員はすべてキリスト教を信奉する者でなけれ ばならないことが監事選任の課題でもあったが、監事について 1 名はキリスト教を信奉 する者でないことでも可と寄附行為を変更したので今後は広く監事候補者を得られる と捉えている。 基準Ⅳ-C-2 評議員会は寄附行為の規定に基づいて開催し、理事会の諮問機関として 適切に運営している。 (a)現状 平成 25 年に理事選任条項の見直しを実施したことに伴い、評議員選任及び評議員定 数見直しも実施、寄附行為を変更した。評議員定数を 23 名∼28 名(従来は 28 名∼36 名)とし、平成 25 年 7 月 1 日付け現員は 25 名である。理事定数は 11 名であることか 83 ら私立学校法規定を充足する。寄附行為第 25 条第 1 号評議員は学院長、第 2 号が学長、 第 3 号は学科長 1 名、第 4 号は認定こども園・幼稚園より 1 名、第 5 号は法人教職員 5 ∼6 名、第 6 号は卒業生から 4∼5 名、第 7 号は福音主義キリスト教教職より 4∼6 名、 第 8 号は福音主義キリスト教信徒より 4∼5 名、第 9 号評議員に学識経験者より 2 名を 選任する。第 8 号評議員のうち外部評議員 2 名を選任したことは評議員会の活性化に大 いに貢献されると捉え、同時に外部理事の選任の機会を創造したことを評価している。 評議員会は平成 25 年度には 2 回(平成 25 年 5 月、平成 26 年度 3 月)に開催し、5 月 には前年度決算案の諮問や諸報告を受け、3 月には当該年度の修正予算、次年度予算の 諮問を受けるなど、適法に運営している。 (b)課題 従来の評議員選任条項及び評議員定数見直しの寄附行為変更は評価をしている。外部 評議員に他学校法人勤務者や勤務経験者が選任されたことは評議員会を強め、多様なご 意見の開陳は活性化につながり、理事会への好影響も得られると捉えているが外部理事 が選任されるかは評議員各位の意識の変革をも求めることになると捉えている。今後は 原則 1 年 2 回の評議員会の質向上には工夫が必要であると共に、これまで 18 時であっ た開始時間を1回は早い時間に設定できたことは課題を一つ克服したと捉えている。 基準Ⅳ-C-3 ガバナンスが適切に機能している。 (a)現状 予算案作成責任者(事務局長)は学院の事業修正案・修正予算案及び次年度に事業計 画案・予算案作成に当たり、上記について各部門長、各部署長に要求書作成を要請し、 各部門長、部署長は予算要求書(修正・次年度)として 10 月に予算案作成責任者に提 出。予算作成責任者は理事長の名を受け総務部担当者ともに査定を行い、部門長、部署 長と面談の上査定額を決定する。常務理事会、評議員会諮問、理事会で決議された後、 各部門長、各部署長に事業修正・修正予算額、次年度事業計画、次年度予算等、確定内 容を通知している。日常の出納業務は遠隔に実施し月次試算表は毎月作成の上経理責任 者を経て理事長に報告している。資産の管理も適法、適正に行っている。計算書類、財 産目録等は法人の経営状況、財政状況を適正に表示し、関係者に閲覧できるように管理 をしている。公認会計士には一年間に 6 回の監査を受けその監査指導内容を真摯に受け とめ日々の業務に活用している。また資金は安全な方法でしか運用していないことは規 程に沿っている。ウェブサイトには教育情報を公表し、財務情報を公開し法人の責務を 果たしている。 (b)課題 各部門、各部署の予算要求書の精度をさらに上げることを求める。事業計画案、予算 案が事業報告案、修正予算案、決算案とはなはだしくかい離することはあってはならな い。慎重で緻密な案作成が望ましい。同時に予算の執行状況を予算作成責任者がしっか り捉えて、予算枠を逸脱しないよう見守ると共に予算査定額超過する場合は厳しく予算 84 執行停止を宣言しなければならない。 85 選択的評価基準 1.教養教育の取り組みについて (a)現状 本学の教養教育は、教育課程で修められるものと、それ以外に教育課程にとどまらず、 職業の現場との連繋から教養を培うものとがある。その点は短期大学の在り方に合致し て、教養教育の意義を示すものである。 幼児教育学科では教育保育実習、国際教養学科ではインターンシップの職業体験にお いて、自己と社会とのかかわりや労働の意義について、学生が体験を通して考えを深め、 就職へのアプローチを歩むことになる、その過程において人間関係力、コミュニケーシ ョン力を培うものである。 カリキュラムの学科目としては、幼児教育学科では、 「共通基礎科目」の中に、人文、 社会など教養教育に当たる科目が開講されている。 国際教養学科では、学科の名称にあるように教養は学科設置当初から、現代的、国際 的教養を身につけることが目的であった。「共通基礎科目」の他に専門教育科目である 「国際的な教養・文化・宗教に関する学科目」の分野で、各コースに 18 単位から 14 単 位の修得を課している。また、ボランティア活動では、キャンパスから出て、自分が選 択した活動の場で自己と社会とのつながりを自覚する機会となっている。 (b)課題 幼児教育学科では短期大学の 2 年間という年限による制約があり、実習等の免許、資 格に直結するカリキュラム、プログラムを優先的に考えており、選択の余地がないのが 現状である。また短期大学単立であることや、学科間の履修も行っていないので選択の 幅がない。今後、短期大学における教養教育をどのように位置づけていくのかを議論す べき時期に来ている。教養教育の目的・目標、実施体制、方法等を学科毎に検討し直す 必要がある。 国際教養学科では国際的な視野、問題のとらえ方を人文社会の分野で学ぶことになる が、教養を補完し実践する力として、実務能力、語学、メディア表現の技術を考えてい る。教養と実学のバランスにこそ現代的な教養学科のあり方が示されているととらえて いる。 (c)改善計画 授業科目に限らず、効果的に教養的プログラムを盛り込むこと、また学科間の履修を 検討することも考えられる。 根本的に短期大学における教養教育とはどうあるべきか、教養教育の目的・目標、内 容と実施体制の確立、教養教育の方法の確立、効果の測定・評価、及び改善といった課 題を次年度までに検討する。 86 選択的評価基準 2.職業教育の取り組みについて 〈幼児教育学科〉 (a)現状 幼児教育学科では、学科の4つの教育目的の1項目として保育者を育成することを取 り上げ、職業教育を学科の教育目的として定めている。したがって、教育課程は、人格 形成や社会的基礎を培う教養部分に、本学科で取得できる幼稚園教諭二種免許状、保育 士資格に関する保育の専門知識と保育技能の習得を軸に構成している。職業教育として の保育者養成が教育課程の軸として分担されている。 入学選抜試験は指定校制推薦や公募制推薦が中心となっている。約80%が 11 月初 旬に入学が内定している。そこで、例年 11 月に入学内定者に対して入学準備説明会を 行い、保育者を目指す入門として入学までの課題を課している。内容は教育・保育に関 する新聞記事のスクラップブック作成、乳幼児・保育に関する書籍の読書またはTV番 組の視聴について感想文を書く、の2点である。これら課題によって、後期中等教育を 受けると同時にまた春休みなどの空白期間に継続的に学習が行われ保育者への円滑な 接続が行われるようにしている。 2 月には「きりたん体験デー」を開催し、入学予定者が来校して親睦を深め安心して 入学を迎えることができるよう、また学力面では漢字の練習帳を配布し学力の補充を行 った。特にピアノ演奏技能に関しては、職業教育として現在のところ不可欠のものであ る。しかし、入学者におけるピアノ演奏技術は年々低下している現状がある。そこで、 入学予定者のうち希望者に対して、ピアノ・レッスンを 1 月∼3月に3回行った。毎回 50 名程度の高校生が参加している。また、入学予定者を対象に、本学のピアノ練習室 を開放してピアノの練習を行うことができるように図っている。 職業教育の軸として、2 年間を通して幼稚園実習、施設実習、保育所実習が順を追っ て教育課程に配置されている。実習内容は徐々に保育実践力が育成されるように教育内 容が組まれている。また、その他の保育専門知識の科目、保育技能科目においても、学 生の保育者としての成長に合わせて科目内容が配慮されている。 学び直し(リカレント)教育の場として、科目等履修、公開講座などを実施している。 職業教育を担う教員の資質(実務経験)向上について、保育者養成において軸となる 実習担当者、実習指導員は、全員幼稚園、保育所勤務経験者である。また保育の専門知 識、保育技能の科目においても実務経験を有することを採用条件にしている。 本文の自己点検・評価と重なるが、学生による授業評価、卒業生アンケートなどによ り、職業教育の効果を測定・評価し、改善に取り組んでいる。それに加えて、幼稚園実 習協力園、保育所実習協力園、施設実習協力施設とそれぞれ年 1 回、実習懇談会を開催 している。多くの園長、施設長、職員が参加される。懇談では本学の実習の趣旨を説明 し職業教育としての実習の効果の向上を図るとともに、実習園においての学生の状況に ついて参加者から情報を収集し、学内での職業教育を評価し改善に取り組む資料として いる。 87 (b)課題 基本的にほぼ入学者全員が幼稚園二種免許状、保育士資格を取得することが続いてき た。しかし、近年徐々に学力面、情緒面で2年間での取得が難しい場合、途中で放棄す る場合などが増加している。 ピアノ・レッスンへの申し込みをしてもなかなか自宅での練習を継続することが難し い者がいる。また、ピアノ・レッスンを受講した方がよい技能であるのに、ピアノ・レ ッスンを希望しない場合がある。どのように働きかけていくかが課題である。 一昨年より履修カルテを実施して、学生が自己の保育者としての成長を自己評価する ようになったが、保育者としての成長過程を学生が実感しにくいことが課題である。 本学卒業生対象の「保育士資格取得のための特別講習」を開催予定であるが、現職保 育者対象の学び直しの教育の場としてはまだ計画がないことが課題である。 児童養護施設等の勤務経験者、また福祉実務経験者がいないことが課題である。 近年、学生のコミュニケーション能力、保育実践力が低下の傾向にあり、実習におい て困難を示す学生が増加している。学内での職業教育において、学力等のリメディアル 教育の必要性がある。自尊感情が乏しいと思われる学生が増加しており、情緒面でのサ ポートが必要となっている。 (c)改善計画 学生が自尊感情を維持しつつ自分のペースで保育者としての学習を継続するシステ ムの創出をめざし、学科協議会で検討し具体化する。 ピアノ・レッスンが無料であることをより明確に本人のみならず保護者に認知しても らい、積極的にピアノ・レッスンに参加するよう広報を強化する。 平成 26 年度完成をめざして、教育目的に対応したカリキュラムマップを作成してい るが、カリキュラムマップと連動した履修カルテを作成して、学生が自己の成長をより 実感できるようにする。 本学の教員資源を現職保育者のリカレント教育に活かす方法を検討し具体化する。 今後、児童養護施設等の勤務経験者、また福祉実務経験者を採用する。 人と関わることが職業の中心にある保育者として、現在の学生に何をサポートしてい くことがより支えとなるかを学科協議会でよく検討し、職業教育としてまた同時に人間 教育としての学科の教育力を高める。 〈国際教養学科〉 (a)現状 国際教養学科の情報ビジネスコース、英語コミュニケーションコース、メディア表現 コースでは教育目的に国際的視野と実務能力を挙げている。このためカリキュラムにも 実務に関する科目があり、また検定の取得にも力を入れている。英語、情報、基礎的国 語能力等については、それぞれの関連科目を担当する教員が指導や学生の勉学の督励に 努めている。これらは職業教育に直結する分野であり、教育課程は、人格形成や国際的 視野を培う教養と、全国大学実務教育教会認定の資格をはじめ、本学で取得できる検定 88 を軸として職業教育を分担している。 短期大学における入学選抜試験は推薦入試が中心となっており、入学決定時期が早い。 このため例年 12 月に入学予定者に対して入学準備説明会を行い、入学までの課題を課 している。自分のプロフィールを書く、将来の計画につながる夢を書く、1冊の本を読 んで要約と感想を書く課題を出している。基礎的な国語能力を身につけるため本学独自 の漢字ワークブックを作成して入学までの課題としている。また 2 月には「きりたん体 験デー」を開催し、入学予定者が来校して親睦を深めることができるよう配慮している。 入学年次の4月から取得する資格や検定を各自が定めて学科目を履修するよう指導 すると共に、オフィスワークに関する科目を実施し、キャリアセンターによる就職ガイ ダンスは学生の意識の向上に貢献している。さらに職業を生涯的に考える科目として 「キャリアプランニング演習」を必修科目として開講している。1年次の2月に行われ る企業実習は在学中に行われる職業教育の軸として位置づけられ、実習までの過程は面 接練習などを経て実践的に機能している。 リカレント教育としては社会人入試を実施し、科目等履修を実施している。 職業教育の質を向上させるために国際教養学科では長年企業で実務経験者を積んだ 教員を軸として職業教育に配慮してきた。 職業教育の改善に取り組むため、今年度から企業による卒業生の評価と、卒業生への アンケートを実施した。 (b)課題 国際教養学科の各分野は職業教育に直結する分野であり、人格形成のための教養と資 格、検定の取得を奨励して、就職への動機付けにつなげている。 入学の4月から資格検定に向けて履修するよう指導すると共に、キャリアセンターに よる就職ガイダンスを開始している。これらは機能しているが、学生募集の現状と関連 して、入学する学生の基礎学力の低下が目立っている。このためキャリア教育以前の基 礎の補習が必要となっている。これらは学力への自信のなさから就職活動の消極性や、 コースによっては職業意識、就職への意識にも現れていると考えられる。この点を改善 するためにはリメディアル教育が必要である。 また今年度は職業教育の改善に取り組むため、今年度から企業による卒業生の評価と、 卒業生へのアンケートを実施した。 国際教養学科では長年企業で実務経験者を積んだ教員を軸として職業教育に配慮し てきたが、教員が退職を迎えるため、今後はキャリアセンターとも連繋して職業教育に 工夫が必要である。 (c)改善計画 平成 26 年度完成をめざして、教育目的に対応したカリキュラムマップを作成してい る。職業教育もこの中に位置づけられることになる。 また、今年度実施した卒業生と企業へのアンケートで、卒業生は必要な能力として、 幅広い教養、パソコン技術、マナー・礼儀などを挙げている。こういった声を在学生に 伝えて意識の向上に供すると共に、教育課程の底辺に据えて改善に取り組むこととする。 89 大阪キリスト教短期大学 自己点検・評価委員会 理事長・学院長 学長 幼児教育学科長 国際教養学科長・図書館長 教務担当主事 キャリアセンター主事 入試担当主事 学生担当主任 キリスト教センター室長 国際教育センター室長 実習指導室主事 広報室長(現 大学改革推進・IR 室) 地域協働センター室長 事務局長 総務部長 情報システム担当職員 2013(平成 25)年度 大阪キリスト教短期大学 今井 池田 二見 森嶋 河崎 葉山 山岸 前川 石黒 井上 高市 葉山 重富 石井 田中 玉田 洋 美芽 素雅子 邦彦 雷太 貴美子 徹 洋子 則年 央 勢津子 正行(作成時) 勝己 英隆 修 久也 自己点検・評価報告書 2014(平成 26)年 9 月 30 日 発行 編集:大阪キリスト教短期大学 自己点検・評価委員会 発行:大阪キリスト教短期大学 〒545−0042 大阪府大阪市阿倍野区丸山通 1 丁目 3-61 TEL 06-6652-2091 FAX 06-6652-2068 http://www.occ.ac.jp/
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