2016年9月 - 四日市看護医療大学

平成 28 年度
自己点検・評価委員会提案書
2016/9/21
四日市看護医療大学の自己点検・評価委員会は、平成 27 年度提出された「自己点検・評価委員会
提案書」で提案された内容の評価を行うとともに、平成 27 年度の各部門から提出された「年次活動
報告書」の結果を分析し問題点を抽出し、また文科省から求められている大学改革の内容等も踏ま
え、ここに平成 28 年度の提案を行う。
<提案>
1. 大学設置目的実現のためのプロセスを明確にし、教職員間で共有すること
2. エビデンスに基づく、質の高い教育の実践を行うこと
3. 学生へのサービスが、適切に実施されること
4. 教員の教育力向上に資する企画を計画立案すること
5. 大学に求められる課題を追求し、地域貢献を図ること
具体策は以下の通りである。
1.大学設置目的実現のためのプロセスを明確にし、教職員間で共有すること(大学職員間におい
て必要な情報共有の強化を図ること)
について
1) 本学の諸制度について適正規模化を図る(規程・マニュアルなどの内容を確認し、整合性を図る)
。
・本学の諸制度が運営管理能力を越えたオーバースペックなものとなっていないか、点検・評価
する。必要以上の制度の肥大化・複雑化は、正常な大学運営を圧迫するおそれがある。それを踏
まえて規程体系の適正規模化(簡略化、単純化)を実施する。
2) 会議・委員会における審議・意思決定の効率化を図る。
・委員会運営は、大学運営の基幹システムである。これをスムーズに進めるためには、完成度の
高いプランの作成、そして合意形成を諮りながらの審議と適切な意思決定、これらがバランスよ
く遂行されなければならない。特にプランの完成度の高さは、極めて重要である。これには、教
職員の業務遂行能力の向上が求められる。これに資する SD(教職員全員を対象とする)を計画
的かつ効果的に実施する。
3) 指示・命令について組織上のルールを明確にする。
・教員集団の組織的取組を円滑に進めるためには、専門領域制における責任、任務分担、連携の
あり方等の明確化が必要といえる。
・研究活動においては、教員間の研究協力(研究指導含む)のありかたを明確にし、研究協力体
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制と「研究の自由」が両立する制度設計を行う。
・教員集団と事務組織の連携(教職協働)のあり方を明確にする。
4) 「教育の質的転換」について本学の方針を明確にし、教育活動に反映する。
・大学への大きな社会的要請となっている「教育の質的転換」について、本学としてどのよう
に取り組むか、全学的な議論を経た上で、基本方針を明示し、全学的取組と個々の教育活動、
それぞれのレベルにおける教育改革の内容を実質化する。また、現在、進行中である各教育改
革事業との整合性を図る。
5) 本学の内部質保証システムについて方針を明確にして制度化を図り、教育活動に反映する。
・次期機関別認証評価においては、内部質保証システムの整備状況及び運用実績が問われる。
本学の質保証について、以下の基本要件の検討を進め、制度化を図る。
内部質保証システムのあり方
内部質保証システムにかかる基本方針、規程、ガイドライン等
内部質保証の責任を担う部局の明確化
地域等、学外者の参画
2.エビデンスに基づく、質の高い教育の実践を行うこと
について
1) 三つのポリシーの見直しを行う。
・学校教育法施行規則の改正により、来年度から三つのポリシー(DP、CP、AP)の策定・公
表が義務化される。本学も含め、既にほとんどの大学で三つのポリシーは策定・公表されている
が、義務化に伴い、その見直しが求められている。その際の参考となるよう中教審が「三つのポ
リシーの策定及び運用に関するガイドライン」
(H28.3.31)を公表しており、本学もこのガイド
ラインに沿った三つのポリシーの見直しが必要である。
2)大学入学者選抜方法の見直しを行う。
・高大接続システム改革会議「最終報告」(H28.3.31)では、大学入学者選抜において学力の 3
要素(①知識・技能②思考力・判断力・表現力③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)
を多面的・総合的に評価する選抜が望ましいとしている。これは三つのポリシー、特にアドミッ
ション・ポリシーと不可分であり、大学としてどのような学生を入学させたいのかというところ
から検討する必要がある。
3)学修成果のアセスメントを行う。
・単位認定や進級判定・卒業判定以外に学生の学修成果を測るシステムが必要である。現在
学年別到達目標の達成度調査(教務委員会)、解剖生理学・病態生理学のアセスメント・テスト
(キャリア支援委員会)などが行われているが、大学として計画的に(できればアセスメント・
ポリシーを策定して)実施されることが望ましい。三つのポリシー(Plan)→ポリシーに基づ
く教育(Do)→ポリシーの成果を検証(Check)→検証結果に基づく改善(Action)という PDCA
を考えた場合、学修成果のアセスメントは不可欠である。
4)シラバスの見直しを行う。
・「私立大学等改革支援総合事業」の項目で、シラバスに次の 4 点の記載が求められている。ア)
準備学習(予習・復習等)の具体的な内容及びそれに必要な時間。イ)授業における学修の到達
目標及び成績評価の方法・基準。ウ)卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連。エ)課
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題(試験やレポート等)に対するフィードバックを行うこと。この基準に従い、次年度のシラバ
スを見直す必要がある。
5)IR 課の充実を図る。
・IR 課は、大学全体の教育改善につながるよう、学内情報の一元化を進め、集めた情報の分析、
まとめ、提案を積極的に行う。
6)学生の基礎学力の向上を進める。
・低学年の段階で学生の成績データ等を把握し、GPA 制度を利用し、基礎学力が不足している学
生を把握し、要因の分析と必要に応じて個別指導を行う。
3.学生へのサービスが適切に実施されること
について
1)アドバイザー制度の充実を図る。
・対応困難の学生が出た場合の報告・指示系統の確立を行うとともに、研修会等によるアドバイ
ザーの能力向上を図る。
2)SD の充実を図る。
・SD 義務化(H29.4)に伴う規程等の整備を行うとともに、研修会等による職員(事務職員だけ
でなく、教員を含む)の能力向上を図る。
3)教学課窓口における学生対応の充実を図る。
・担当者の複数化、情報の共有化を進め、対応の時間的ロスを少なくする。
4)図書館の充実を図る。
・電子ブックの活用を進める。
4.教員の教育力向上に資する企画を計画立案すること
について
1) 各教員が自主的に研修に取り組める方法を検討する。
・昨年度は、研修参加の得点化による参加率の向上について提案した。今年度は、取り組みの評
価を行う。
2) 授業改善への取り組みを図る。
・講義演習・臨地実習にタブレット端末を利用し、学生の学力向上に繋がるかどうか効果を検証
する。
・生体シミュレーターの購入推進と活用型教育の確立を図る。
・反転授業(flipped classroom)の導入検討(試行を含む)と教員へのテクニカル・サポートを
行う。
・各部門、専門領域内での意見交換を促進する。
5.大学に求められる課題を追求し、地域貢献を図ること
について
1) 看護研究交流センターの活用を図る。
・地域再生の観点からいくつかの地域連携課題が想定されるので、効果的な連携モデルを作成し
実績を積む。
2) 公開講座及び公開セミナーの内容を対象者に合わせて修正する。
・公開講座及び公開セミナーのテーマが地域のニーズに合ったものかどうか、また、実施効果(満
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足度)を地域の視点から検証し、次年度に向けて改善を図る(PDCA を実効化する)。
3) 自治体などの共同研究を含め、研究における外部組織との連携を図る。
・自治体との連携を強化し、特に地域における教育支援(教育研究の一環としての教職員・学生
による児童等への教育活動。高大連携を含む。
)と子育て支援(地域の子育て支援への参画、保
育の質向上に係る研究・支援)を行う。
4)社会人を対象とした履修証明プログラムの見直しを行う。
・本年度から開始した履修証明プログラムの内容等を見直すとともに、単位・証明書等の発生し
ない聴講生制度を PR するなど、地域社会に開かれた大学を目指す。
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