むつ分析科学研究所 パンフレット

むつ分析科学研究所
Mutsu Analytical Sciences Laboratory
むつ分析科学研究所は、
みなさまの安全・安心のため、
海水や大気など環境試料の放射能を中心に、
幅広く分析・測定を行い、
地域やエネルギー産業の発展に貢献して行きます。
むつ分析科学研究所の概要
むつ分析科学研究所は、日本分析センターが47都道府県の環境放射能の水
準を把握するため実施している環境試料のうち、海水、大気などの放射能の
分析・測定を行うため、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構青森研究
開発センターのむつ事務所大湊施設の一部を借用し、分析棟、電解濃縮庫、
機械室等の研究施設を建設して、平成22年10月1日から業務を開始しま
した。
平成25年3月には、試料前処理棟を増設しました。
田名部川
測定室
事務室(2F)
1F
試料前処理棟
照射施設(1B)
2F
分析棟
海水試料保管庫
所長室(2F)
むつ分析科学研究所の主な業務内容
・海水試料の90Sr(ストロンチウム90)、137Cs(セシウム137)分析
・海水試料等のPu(プルトニウム)分析
・海水試料等の3H(トリチウム)分析
・大気試料の放射性希ガス分析
・海水試料等中のガンマ線放出核種分析のための前処理 等
1
環境試料の放射能分析
日本分析センター及び47都道府県は、 環境放射能の水準を把握するため、
大気浮遊じん、降下物、陸水、土壌、精米、野菜類、茶、牛乳、粉乳、淡水
産生物、海水、海底土、海産生物などを採取しています。採取された試料は、
日本分析センターに送付され、 90Sr(ストロンチウム90)、137Cs(セシウム
137)及びPu(プルトニウム)の分析を実施します。
海水試料の90Sr、137Cs分析
むつ分析科学研究所では、海水試料の90Sr(ストロンチウム90)及び137Cs(セシウム137)を分析
しています。
海水試料予備濃縮装置
Sr-90測定試料
ベータ線測定装置
1000
90
Sr
mBq/L
100
10
1
0.1
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
採取年度
海水試料の90Sr放射能濃度調査結果(引用:環境放射能水準調査)
2
海水試料等のPu分析
むつ分析科学研究所では、海水試料等のPu(プルトニウム)を分析しています。
イオン交換樹脂による分離・精製
アルファ線測定装置
高分解能型ICP質量分析装置
3
海水試料等の3H分析
むつ分析科学研究所では、海水試料等の3H(トリチウム)を分析して
います。
トリチウムは、大気中の窒素や酸素と宇宙線との反応により天然でも
生成しますが、原子力発電所や核燃料再処理施設からも大気や海洋へ排
出されています。
むつ分析科学研究所では、海水中のトリチウム濃度を液体シンチレー
ションカウンタを用いて測定しています。海水中のトリチウム濃度は非
常に低いので、電解濃縮法を用いることにより、通常では検出できない
低いレベルの測定を可能にしています。
電解濃縮装置
測定試料
減圧蒸留装置
液体シンチレーションカウンタ
4
大気試料の放射性希ガス分析
環境放射能の水準調査を目的として、原子力施設から大気中に放出される
放射性希ガスである85Kr(クリプトン85;半減期10.76年のβ線放出核種)と
133Xe(キセノン133;半減期5.243日のβ線放出核種)の大気中濃度について
測定しています。
大気試料は、クリプトン85については北海道、秋田県及び千葉県(平成1
9年~20年度については、福岡県、沖縄県及び千葉県)、またキセノン133
については、千葉県において採取しています。
【85Kr分析の概要】
前処理
全Kr分析
Krの分離・精製
Kr精製用ガス
クロマトグラフ
放射線計測
全Kr定量用
ガスクロマトグラフ
Qガス
熱伝導度
検出器
アルミ缶
Heガス
検出器本体
及び遮へい体
メタンガス
測定モジュール
7 7 7
前処理装置によるKrと
空気成分の粗分離
Krの分離・精製
85Krの放射線計測
全Kr量の定量
20
札幌市
秋田市
千葉市
太宰府市
南城市
H25年度
85Kr濃度(Bq/m3)
15
福島第一原発事故
10
5
0
H18年 H19年 7月 H20年 7月 H21年 7月 H22年 7月 H23年 7月 H24年 7月 H25年 7月 H26年
1月
7月 1月
1月
1月
1月
1月
1月
1月
大気中の85Kr放射能濃度調査結果
(引用:大気中放射性希ガス濃度の全国調査)
5
放射性希ガス(85Kr;クリプトン85)の
前処理、精製及び測定装置
大気試料の放射性希ガス分析
【133Xe分析の概要】
Xe精製用
ガスクトマトグラフ
真空
ポンプ
メタン
ガス
排気
3種混合
ガス
サンプル
ループ
全Xe定量用
ガスクロマトグラフ
アルミ缶
ヘリウム
ガス
メタン
二酸化炭素 ガス
トラップ
U字管
トラップ
放射線検出器
及び
遮へい体
PRガス
CO2の除去
空気成分の除去
Xeの分離・精製
133Xeの放射線計測
全 Xe量の定量
採取場所:千葉市
107
検出
106
福島第一原発事故
105
133Xe濃度(mBq/m3)
H25年度
分析データ
(検出下限値)
ガードカウンターの
不具合の影響
104
103
102
10
1
10-1
H21年
1月
7月
H22年
1月
7月
H23年
1月
7月
H24年
1月
7月
H25年
1月
7月
大気中の133Xe放射能濃度調査結果
(引用:大気中放射性希ガス濃度の全国調査)
6
H26年
1月
放射性希ガス(133Xe;キセノン133)の
前処理、精製及び測定装置
案内マップ
公益財団法人 日本分析センター
むつ分析科学研究所
〈むつ分析科学研究所へのアクセス方法〉
●JR大湊線下北駅から約1.5km(タクシーで約5分)
本パンフレットで紹介させて頂いた分析のほかに、
以下の分析も承りますので、お気軽にお問合せ下さい。
・環境放射線モニタリングに係る試料採取及び前処理
・ICP質量分析装置によるウラン、トリウム等の微量元素分析
・ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線測定
・熱ルミネッセンス線量計(TLD)及び蛍光ガラス線量計(RPLD)
による積算線量測定
・放射能分析・測定技術に係る研修(訪問研修も可)
むつ分析科学研究所
〒035-0064 青森県むつ市港町4番24号
電話/FAX 0175-22-9190/31-0873
ホームページhttp://www.jcac.or.jp/mutsu/index.html
(日本分析センターホームページ http://www.jcac.or.jp)
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