事業報告書(平成27年度) - 一般財団法人環境優良車普及機構

平成27年度 事 業 報 告
Ⅰ 平成 27 年度の我が国の経済・社会情勢と自動車運送事業を取り巻く諸情勢
i 平成 27 年度の我が国の経済・社会情勢
平成 27 年度の我が国経済は、基調としては、緩やかな回復傾向が続いた。
しかし、中国その他の新興国や資源国等海外経済に弱さがみられるとともに、
我が国の半期毎の GDP 成長率も一進一退を繰り返し、27 年度全体としては対
前年度 0.7%増(実質速報値)となるなど、総じて力強さを欠くものであった。
こうした中で、地球環境問題について、27 年度は大きな前進が見られた年
となった。即ち、難航していたポスト京都議定書をめぐる国際的な論議が、27
年末パリで開かれた COP21 においてようやく決着し、各国が削減目標を設定し、
それを国連に提出することが義務付けられた。我が国は「2030 年度までに 2013
年度比で 26%減」という地球温暖化ガス削減目標を掲げ、これを国連に提出
した。今回の合意では、京都議定書のような各国毎の削減量の義務付けこそな
くなったものの、世界第 1 位と第 2 位の温暖化ガス排出国であるアメリカと中
国が、いずれも新たに参加するなど、地球環境問題への対応が国際的に大きく
前進した年となった。
一方、平成 26 年まで高騰を続けてきた原油価格が、同年後半から急落し、
28 年 1 月には一時 1 バレル 20 ドル台の水準まで低下した。これにより、長年、
石油価格の高騰に苦しんできた自動車運送事業者等石油消費産業では、収益環
境が大幅に改善する一方で、資源開発・供給型産業では、価格低下がその経営
に大きな打撃を与えるなど、原油価格の急落は、27 年度の我が国経済に対し、
功罪両面から大きな影響を与えた。
27 年末から 28 年にかけて、我が国経済は一転して円高・株安の傾向が顕著
となり、景気は緩やかに回復基調が続いているとされるものの、むしろその不
透明感は増してきている。加えて、新興国等の景気の不振もあって、先日のサ
ミット(主要先進国首脳会議)においても、世界経済の下振れリスクが高まっ
ているとの認識を共有したところであり、今後の景気の動向には細心の注意が
必要な状況となっている。
-1-
ⅱ 自動車運送事業をめぐる平成 27 年度の諸情勢
1.概観
平成 27 年度の経済・社会情勢の中でも、自動車運送事業に最も大きなイ
ンパクトを与えたのは、原油価格の急落であった。平成 26 年後半に下落し
始めた原油価格は、同年 11 月のサウジアラビアの減産見送りを契機に急落
し、20 年 7 月につけた 1 バレル=147 ドルの史上最高値から、本年に入って
1 月には 26 ドル台にまで落ち込むなど、シェールガス革命によって下落し
たアメリカの天然ガス価格にも匹敵する急落を示した。この結果、そのエネ
ルギーの大半を石油に依存するため、ここ数年原油価格の高騰に悩まされ続
けてきた自動車運送事業者の収益環境は、大幅に改善した。
一方、需要面からは、我が国の景気回復の足取りが力強さを欠く中で、一
部に外国人観光客の大幅増といった明るい面もみられたものの、総じて貨物
輸送量、旅客輸送量とも前年並みを確保するのが精一杯という状況であった
(統計のある昨年末までの状況)
。
こうした中で、近時、自動車運送事業者を悩ませている問題として、運転
手を中心とする労働力不足の問題がある。これは、運送事業の成長のための
構造的なボトルネックとなっているばかりでなく、本年早々に発生した長野
県軽井沢町のスキーツアーバスの事故では、運転手の経験不足が指摘される
など、非常に重い課題となってきている。
以上のように、自動車運送事業をめぐる経営環境は、石油価格の急落によ
り、足元では改善の動きも見られたが、景気回復の弱さに伴う需要面での不
安定さや、労働力不足という、より根本的な構造上の問題もあって、総じて
みれば依然として厳しく、また、予断を許さないものとなっている。
2.自動車の環境問題をめぐる諸情勢
我が国は、全体として 2030 年度に 2013 年度比 26%の地球温暖化ガス削
減目標と同時に、運輸部門として同期間に 27%の削減目標を明らかにして
いる。
自動車からの CO2 排出量は、我が国全体の排出量の約 2 割を占めており、
地球温暖化対策推進のため、自動車からの CO2 排出量を削減することは重要
な課題となっていることは言うまでもない。しかしながら、ポスト京都議定
書をめぐる国際的な議論が混迷を深めている間に、国民の間における地球環
境問題への関心・意欲は低下を余儀なくされた感もあったが、ここに来て新
たな目標が設定されたことから、今後、再び地球温暖化対策への関心が高ま
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ってくることが予想される。
運輸部門の削減目標積み上げの基礎となった施策を見ても、次世代自動車
の普及や車の燃費改善のほか、モーダルシフトやエコドライブの推進などソ
フト面からの施策を含めた幅広い施策が上げられており、今後、これらの施
策を総合的・多角的に推進することで、運輸部門の CO2 削減に積極的に取り
組んでいく必要がある。
一方、排ガス規制の分野では、フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題が
発生し、排ガス規制の前提となるデータへの信頼性と実際の路上走行におけ
るディーゼル車の排ガス問題に対する関心が、世界的に高まっている。現在、
政府においては型式指定の審査時における路上走行試験の導入等の検討が
なされているが、このように 27 年度は、いわゆるディーゼル車の排ガス問
題に注目が集まった年になったといえる。28 年度には、いわゆるポスト・
ポスト新長期規制のスタートが予定されている中で、我が国大手自動車メー
カーの燃費データをめぐる不正問題も発覚し、自動車の排ガス問題への関心
は更に高まってきている。
3.自動車のエネルギー源をめぐる諸情勢
長年にわたり高騰を続け、自動車運送事業の経営の大きな圧迫要因となっ
てきた石油価格は、平成 26 年秋頃から急落し、この結果、自動車運送事業
者の収益環境は大きく改善した。一方で、原油価格に連動してその輸入価格
が決定される天然ガス価格は、原油価格の予想以上の急落によって、短期的
にはその相対的優位性が薄れるところとなり、自動車運送事業者の間には、
軽油回帰、ディーゼル車回帰の動きがみられるところとなった。
このように足元では歴史的ともいえる低水準にある原油価格であるが、28
年度に入り、原油価格は一進一退を続けながらも上昇傾向もみられるように
なっている。一方で混迷の度を深める中東情勢に加え、頻発するテロの脅威
に揺れる国際情勢下にあって、エネルギーをめぐるリスクはむしろ高まって
きており、現状のような原油安の傾向がいつまで続くか、その先行きは予断
を許さない状況となっている。
このような情勢の中、27 年7月に政府において決定された「長期エネル
ギー需給見通し」では、個別分野における取組の一つとして、エネルギーの
石油分野への依存度が圧倒的に高い(98%)運送事業について初めて言及し、
「運輸燃料の多様化」を図る必要性が指摘された。
一方、27 年度には世界で初めてともいえる重量車の燃費基準がスタート
したこともあり、運送事業者の間では、燃費改善や省エネに対する関心が高
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まっている。特にエコドライブの推進は、その交通安全への効果もあって、
引き続き熱心な取り組みがみられた。
このように自動車運送事業をめぐるエネルギー問題については、運輸燃料
の多様化と省エネ(自動車の燃費改善及びエコドライブの推進)が施策の 2
本柱となっているが、後者への関心に比べ、前者への関心は、むしろ低下傾
向さえみられことから、運輸燃料の多様化は、喫緊の課題として、今後特に
重点的に取組むべきものと考える。
4.自動車の交通安全をめぐる諸情勢
平成 28 年に入り、長野県軽井沢町でのスキーバス事故、山陽自動車道で
のトンネル内多重事故など、事業用自動車に関する重大事故が相続き、国民
の間で自動車運送事業の交通安全対策への関心が急速に高まっている。25
年 4 月の関越自動車道における高速ツアーバス事故や、26 年 3 月の北陸自
動車における高速乗合バス事故など、ここ数年の間にも重大事故の発生が続
いていることから、国土交通省でも「高速貸切バスの安全・安心回復プラン」
(25 年 6 月 25 日)をはじめ、様々な事業用自動車の安全対策を打ち出して
いる。これらの対策が相俟って、今後更に交通安全の確保が図られることに
より、自動車事故の軽減につながっていくことが強く期待されるところとな
っている。
交通安全施策は、デジタル式運行記録計やドライブレコーダの整備などハ
ード面での対策と、運転手の健康管理、労務・運行管理などソフト面での対
策が相俟って、総合的にこれを推進していく必要がある。ハード面では、近
時、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置など、新しい交通安全機器の
開発も進んでおり、今後、これらの機器の自動車への装着が進むことが期待
される。また、ソフト面からは、最近、特に関心が高まっている健康起因性
(脳疾患、心疾患、意識喪失等)の事故防止の観点から、SAS スクリーニン
グ検査の普及等が期待され、少しずつではあるが認知度も高まってきている。
更に、今般の軽井沢の事故では、経験未熟な運転手の起用の問題も指摘され
るところであり、運転手の確保という面からの対策の充実強化を図っていく
必要性も高まっている。
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ⅲ 当機構をめぐる情勢の変化
1.近年における事業の多角化とソフト事業への取組み
当機構では、従来からのいわゆる環境優良車、環境・省エネ機器等の普及
等ハード面からの施策に加え、近時は、ソフト面からの対策の充実・強化を
図っているところである。
即ち、従来からの調査研究事業に加え、最近の各種補助事業において求め
られる事業実施後の燃費改善、CO2 削減に関する分析・評価、情報提供にも
適切かつ積極的に対応している。更に、エコドライブの推進に関しては、エ
コドライブ講習会というソフト面からの施策にも積極的に取組んでいると
ころであり、同講習会への参加者も大幅に増加している。
また、交通安全分野においても、関連法人の行う SAS スクリーニング検査
を通じて、最近の喫緊の課題である健康起因性の事故防止対策にも取組んで
いる。更に近時は、実証走行実験等のプロジェクトにおいて、中立的な立場
からこれに参画し、関係者間の架け橋的役割を果たすべく努力している。27
年度もこうしたソフト事業に積極的に取組んだことから、次項2で述べる補
助金執行団体としての活動と相俟って、当機構の事業の多角化が進んだとこ
ろである。
2.補助金執行団体としての活動の充実・強化
当機構では、平成 26 年度よりスタートした「中小トラック運送業者向け
環境対応型ディーゼルトラック補助事業」(以下「環境ディーゼル車補助事
業」という。)の補助金執行団体に応募し、これに採択されたが、27 年度も
引き続き同事業の補助金執行団体に応募・採択され、遺漏なく補助金の執行
を全うした。
一方、28 年度は、
「環境ディーゼル車補助事業」と同様、環境省のエネル
ギー特別会計の事業として「物流分野における CO2 削減対策促進事業」
(以
下「物流 CO2 削減事業」という。
)が、独立した予算枠として認められたが、
当機構はこの事業の補助金執行団体にも応募し、平成 28 年 3 月 4 日採択さ
れた。28 年度に入り、既に物流事業からの補助金申請を締め切ったところ
であり、現在、補助金交付決定に向けて、作業を進めているところである。
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当機構は、これまで、主として自動車リース事業者の一つとして、補助金
の交付対象となって環境優良車等の普及を図ってきたが、27 年度は以上に
述べたように、補助金を運送事業者に対して執行する機関としての事業の充
実強化を図り、当機構の事業分野の多角化とそのすそ野の拡大を図ったとこ
ろである。
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Ⅱ 具体的な事業実施状況
ⅰ 環境優良車の普及促進
1.天然ガス自動車の普及促進
(概観)
○ 当機構が発足以来、その普及に力を入れてきた天然ガス自動車について、
平成 27 年度は、ここ数年重点的に取り組んできた大型天然ガス自動車の
普及に関し、本格化に向けた取り組みがスタートした象徴的な年となっ
た。即ち、
● これまで改造車のみであった大型 CNG トラックにつき、昨年末に大手
商用車メーカーが新車の市場投入を発表し、本年 2 月よりその第 1 号
車が実運送を開始した。
● 日本自動車ターミナル(株)の京浜トラックターミナルに、将来の大型
LNG 車の普及も想定した L-CNG スタンドへの転用が可能な新たな CNG ス
タンドが整備され、本年 3 月より運用を開始した。
● 自動車メーカー、エネルギー供給事業者等関係者間で、大型 LNG 車や
DDF 車(ディーゼル デュアル フューエル車:軽油と天然ガスを併用す
るディーゼルタイプのエンジンを搭載した車両)の開発・実用化への
関心が高まり、当機構を含めてその具体的な取り組みが開始された。
○ また、今年度も、
● 環境省のエネルギー特別会計事業として、新たに「先進環境対応トラ
ック・バス導入加速事業」
(以下「先進トラック・バス補助事業」が設
けられ、その一部として営業用の大型天然ガストラックへの新たな補
助制度が創設された。
● 高圧容器の保安基準に関する日本基準と国際基準(UNECE-R110)との
調和作業が進められており、今年秋にも新しい国際基準が発効する予
定となっていている。
というように、大型車を中心とする天然ガストラックの普及にとって、
引き続き精力的な取組みが進んでいる。
○ しかしながら、一方で、26 年度末からの原油価格の大幅な低下と、ポス
ト新長期規制に対応したディーゼル車の性能の飛躍的な向上により、天
然ガス自動車の相対的優位性が低下していることやインフラ整備が進ん
でいないことに加え、国民の間でも、地球環境問題への関心がやや薄ら
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いできていることから、自動車運送事業者の間でも、運輸燃料多様化へ
の関心や取組み意欲が低下し、軽油回帰、ディーゼル車回帰の動きさえ
みられるようになってきた。こうした状況を反映して、当機構の取り扱
う中小型 CNG 車への補助金交付台数も、絶対数こそ 3 年連続の増加とな
ったものの、新規申請事業者数は漸減しており、またガススタンド数も、
設備の更新が進まないこともあって、6 年連続減となり、その減少に歯
止めがかかっていない。
○ このように天然ガス自動車、とりわけ、中小型 CNG 車の普及環境は、決
して楽観を許されるような状況にはないが、一方で、現時点では低水準
にある石油価格も、今後の動向は非常に不透明であることから、運輸燃
料の多様化は、引き続き自動車運送事業者の重大な課題である。よって、
天然ガス自動車の普及を進めていくことが必要であることに変わりはな
い状況にある。
○ このため、運送事業者、荷主、更には国民一般の天然ガス自動車への更
なる理解の増進を図る必要があるとともに、天然ガス自動車の相対的優
位性を確保するため、大型天然ガス自動車の開発普及、中小型 CNG 車の
性能向上等が急がれるところとなっている
(具体的取組)
(1)大型天然ガストラックの普及促進
①「大型 CNG 車モデル構築事業」への取り組み
(ア)平成 26 年度採択事業への取組み
○ 「大型 CNG トラックを活用した中距離貨物輸送分野の低炭素化に係
る課題解決型モデル構築事業」(以下「大型 CNG 車モデル構築事業」
という。)は平成 25 年度にスタートし、27 年度をもって終了した。
このため、27 年度は新規採択事業がなかったことから、26 年度に採
択された 新潟運輸(株)及び日本自動車ターミナル(株)との共同事
業 及び (株)ニヤクコーポレーション及び大阪ガス(株)との共同事
業につき、代表申請者として参画した。
○ 新潟運輸等との共同事業については、本年 2 月に、日本自動車ター
ミナル(株)の京浜トラックターミナルにおける L-CNG スタンドへの
転用可能な CNG スタンドが完成、運用を開始したことから、実運行
がスタートした。
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○ (株)ニヤクコーポレーション等との共同事業については、大型 CNG
車の完成が今年度にずれ込んだことから、環境省の許可を得て、本
年 7 月以降の運行開始に向け準備中である。
表1
当機構が代表申請者となった 26 年度採択事業(27 年度継続)
共同参加事業者
区間
備考
車両はメーカー車両
新潟運輸㈱
日本自動車ターミナル㈱
東京~新潟~燕
京浜トラックターミナルに L-CNG スタンドへ
の転用可能な CNG スタンドを稼動
平成 26・27 年度の 2 ヵ年事業
㈱ニヤクコーポレーション
大阪~京都
車両はタンクローリー型メーカー車両
大阪ガス㈱
大阪~滋賀
平成 26・27 年度の 2 ヵ年事業
表2
当機構が代表申請者となった 25 年度採択事業
共同参加事業者
岡山県貨物運送㈱
大阪ガス㈱
表3
区間
岡山~栃木
備考
車両は改造車両
大阪ガススタンド増強
(参考)当機構が共同事業者となった 25・26 年度採択事業
LEVO 以外の
共同参加事業者
佐川急便㈱
東京ガス㈱
佐川急便㈱
東邦液化ガス㈱
佐川急便㈱
東邦液化ガス㈱
名古屋陸送㈱
東邦ガス㈱
区間
久喜~仙台
東京~小牧
京都~小牧
常滑~富山
備考
車両は改造車両
東京ガススタンド増強
車両は改造車両
東邦液化ガススタンド改造
車両は改造車両
東邦液化ガススタンド改造
車両は改造車両
東邦ガススタンド新設
(イ)25・26 年度採択事業のフォローアップ
いずれも当機構が代表申請者となった、岡山県貨物運送(株)等との
共同申請事業(平成 25 年度採択事業)及び(ア)の 26 年度採択の 2
事業について、当該補助事業のフォローアップとして、27 年度分の燃
費データの収集、燃費及排出量の計算・分析を行った。
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②大型 LNG 車の開発・普及への取組み
○ 大型 LNG 車は、大型 CNG 車に比べ航続距離性能に優れることから、大
型 CNG 車に次ぐ次世代の天然ガス自動車として、関係者の間でその開
発・実用化への関心が急速に高まっている。
○ このような状況から、27 年度には
● 環境省の「大型 CNG 車モデル構築事業」補助金を活用して、日本自
動車ターミナル(株)の京浜トラックターミナルに L-CNG スタンドへ
の転用可能な CNG スタンドが整備され、3 月にその運用を開始した。
● 国土交通省の次世代大型車開発実用化促進事業の 1 つとして、引き
続き大型 LNG 車実用化促進の課題の 1 つとされるボイルオフガス対
策の確立につき、研究・開発が進められた。
● 環境省の「CO2 排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」(以下
「CO2 削減技術開発・実証事業」という。
)に応募することにより、
大型 LNG 車の実証走行を目差すべく、当機構、自動車メーカー、ガ
ス供給事業者等関係者間で検討を進めた。
● 中国における LNG トラックの普及状況につき、当機構が、(一社)日
本ガス協会の委託を受けて、情報調査を実施した。
など、大型 LNG 車の開発・実用化に向けて様々な取り組みが行われた。
○ 28 年度には、
「CO2 削減技術開発・実証事業」に応募すべく、関係者間
で精力的に調整が行われていることや、当機構で引き続き中国の LNG
車普及調査を行うこととなっている。更に 28 年 5 月には、経済産業省
が G7 エネルギー大臣会合において「LNG市場戦略」を発表し、「国
土交通省とも連携して、LNG トラック等の促進に取り組む」ことを表明
した。
○ このように大型 LNG 車の開発・普及は、実用化に向けて本格的な検討
が行われようとしているが、当機構はこれらの検討に積極的に参画し、
関係者間のいわゆる架け橋としての役割を果たすべく努めているとこ
ろである。
(2)中小型 CNG 車の普及促進
○ 国土交通省の「環境対応車普及促進対策補助金」
(以下「環境対応車補助
金」という。)等を活用して平成 10 年代前半に導入された中小型 CNG 車
が、ここ 1~2 年の間にその本格的な代替期を迎えたことから、平成 27
年度に同補助金を交付された中小型 CNG 車の台数は、525 台、対前年度
102 台増(24%増)と、25 年度から 3 年連続の増加となった。
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○ しかしながら、これを補助金交付事業者数でみると、27 年度は 46 社で、
対前年度 21 社の減少となっており、その普及状況は、必ずしも楽観でき
るものとはいえない状況が続いた。因みに、CNG スタンドについてみて
も、平成 20 年度の 344 店舗をピークに 6 年連続しての減少となっている。
表4
年
中小型 CNG 車「環境対応車補助金」交付台数等の推移
度
補助金交付台数
H23
H24
H25
H26
H27
267
244
263
423
525
(3)関係者との連携強化、情報発信の充実・強化
○ CNG 車の普及に当たっては、運送事業者、ガス事業者及び自動車メーカ
ー等関係者の連携が欠かせないことから、当機構としても、あらゆる機
会を通じて関係者間で情報交換、意見交換を行い、情報の共有化、意思
の疎通を図ることに努めている。このため、関係者の情報・意見交換の
場である「天然ガストラック普及推進協議会」の事務局を、平成 27 年度
より担当するとともに、28 年 3 月からは、構成メンバーの充実・強化を
図るなど、その活性化を主導した。
○ また、天然ガス自動車フォーラム第 60 回研究会「ユーザーが期待する天
然ガストラックの技術開発~海外調査事例より~」(平成 27 年 6 月 19 日)、
大型天然ガストラック普及促進会(平成 28 年 2 月 19 日)等にも積極的
に参画し、情報収集・提供・交換に努めた。
2.環境対応型ディーゼル車への代替促進
(概観)
○ 環境対応型ディーゼルトラック(以下「環境ディーゼル車」という。
)へ
の代替促進により、トラック運送事業全体の燃費改善(省エネルギー)
と温暖化ガスの削減を図ることを目的とする「環境ディーゼル車補助事
業」が、平成 26 年度より新たにスタートしたが、同時に当機構は、その
補助金執行団体に応募し、これに採択された。27 年度においても引き続
きこれに応募し、平成 27 年 3 月 20 日に採択された。
○ 27 年度事業は、平成 27 年 6 月 15 日~28 年 1 月 29 日の期間で募集を行
ったが、12 月 28 日受付の段階で、応募補助金額が事業予算の 28 億円に
達したことから、最終期限の到来を待たずに募集を締め切った。
- 11 -
○ 26 年度当初は、事業の周知が必ずしも徹底していなかったこともあり、
募集期間の前半での申請が低調であったため、募集締切間近になって申
請が集中した。27 年度はこの反省に立って、募集前の事業説明会の充実・
強化を図った(全国 15 カ所・18 会場、26 年度は 9 カ所・9 会場)ことも
あり、申請は 26 年度に比べ平準化され、最終的には締切を待たずに申請
額が予算額に達することとなった。
○ この間、当機構はできるだけ多くの事業者に広く補助金を交付するため、
当初、1 社当たり 10 台の申請台数上限を設けたが、申請が比較的平準化
されたこともあり、26 年度同様、10 月からは当該上限を撤廃した。申請
は結局大半が 10 台以下であったので、この上限撤廃にも特に混乱はなか
った。
○ 以上のように、27 年度事業は極めて順調に推移し、最終的には 1,775 事
業者、3,548 台の車両に対し、遺漏なく補助金を執行した。
○ なお、本事業は、ディーゼル車による CO2 排出量の削減を目的とするこ
とから、廃車車両との燃費比較から CO2 削減量の分析を提出することと
なっており、これにも適切に対応した。27 年度は、そのフォローアップ
の期間が当初の 3 年から 1 年に短縮された。
(具体的取組)
○ 当機構では、公募要領の作成・公表後、平成 27 年 6 月 15 日からの申請
書受付に先立って、5 月 13 日に有識者等による審査基準作成委員会を開
催し、補助金申請の採択に関する基準を整備するとともに、5 月 18 日~
30 日までに全国 15 地区(札幌、新潟、仙台、福島、千葉、埼玉、東京、
神奈川、名古屋、大阪、兵庫、広島、高松、博多、鹿児島)で 18 回、公
募要領等申請要件・手続き概要について説明会を実施した。
○ 更に、事業開始前の平成 27 年 5 月 13 日には、環境対応型ディーゼル車
の製造メーカー4 社(いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・
バス及びUDトラックス)の担当者と、事業促進のための要件・手続き
等に係る改善点等について情報交換会を実施した。
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(1)補助金交付経過
平成27年
3月 5日
3月20日
4月 9日
4月17日
5月13日
5月18日
~30日
執行団体公募への応募申請
公募結果通知(採択)
当機構へ補助金交付決定(29 億 6,500 万円)
運送事業者等への公募要領発表(HPに掲載)
補助金審査基準作成委員会開催
公募説明会
東京(2 回)、仙台、福岡(2 回)、郡山、鹿児島、千葉、
大阪(2 回)、新潟、兵庫、埼玉、神奈川、札幌、広島、
高松、名古屋
6月15日 運送事業者等からの申請書の受付開始
申請者(運送事業者等)に逐次補助金を交付
10月 1日 募集要件緩和
(1社 10 台までの台数制限を撤廃し無制限に)
12月28日 申請額累計額が間接補助金予算額に達したことから募
集を締め切り
平成28年
2月26日 運送事業者等への最終補助金交付
3月31日 事業実績を環境省に報告
(2)補助金交付結果
表5
事業結果
平成 27 年度
平成 26 年度
予算額
29.65 億円
29.65 億円
事業費
約 28.03 億円
約 25.3 億円
事業内訳
補助金申請件数(社数)
2,952 件(1,775 社)
2,524 件(1,693 社)
交付台数(交付金額) 3,548 台(2,803.1 百万円) 3,106 台(2,531.5 百万円)
事務費
大
型
1,798 台(1,798.0 百万円) 1,789 台(1,789.0 百万円)
中
型
1,017 台(
711.9 百万円)
719 台(
503.3 百万円)
小
型
733 台(
293.2 百万円)
598 台(
239.2 百万円)
71.6 百万円
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76.1 百万円
(3)本補助事業のフォローアップ
平成 26 年度に交付決定を行った車両(3,106 台)につき、27 年度 1 年
間の燃費データを、また、27 年度に交付決定を行った車両(3,548 台)に
つき、運行開始から年度末までの燃費データをそれぞれ収集し、これに
基づき二酸化炭素削減効果を分析した。26 年度交付車両でデータの提供
があった 3,094 台につき、走行実績(走行距離、燃料使用量)より分析を
行った結果、27 年度 1 年間で、廃車車両の排出量に比べ合計 10,300 ト
ン、8.2%(速報値)の CO2 削減効果があった。このうち 7,400 トンは、
大型車からの排出削減量となっているが、削減率でみると小型車は
17.3%と、大型車の 2 倍以上の効果を示している。
3.ハイブリッド車、電気自動車その他の環境優良車の普及促進
○ 国土交通省の「環境対応車補助金」や自治体、各種団体の助成制度も活
用し、前年度に引き続きハイブリッド車等の普及促進に努めた。平成 27
年度は、当機構を通じて補助金を交付したハイブリッド車は 515 台、対
前年度 87 台減(14.5%減)で 5 年連続の減少となり、事業者数も 134 社
で、前年度比 16 社の減少となった。
○ このほか、国等の補助制度を活用しない当機構の一般リースを通じた低
燃費・低排出ガスディーゼル車の台数は、4 台であった。
表6
年
ハイブリッド車「環境対応車補助金」交付台数等の推移
度
補助金交付台数
H23
H24
H25
H26
H27
942
849
630
602
515
4.環境優良車の普及促進活動
(1)補助制度等に係る説明会の開催
○ 昨年度に引き続き、運送事業者、トラックメーカー、主要ディーラー等
との情報交換会において、環境優良車、環境・省エネ機器、安全機器な
どに対する国の補助制度等に関する普及説明会、情報交換会(平成 27 年
5 月 13 日)を開催した。
○ また、環境ディーゼル車補助事業についても全国各ブロックにおいて、
15 カ所 18 会場で説明会を開催した。
- 14 -
(2)協議会、イベント、その他の環境優良車等普及促進活動への参画
○ 地方運輸局、地方公共団体等で設置している環境優良車普及促進等を目
的とした協議会に参加するとともに、その実施するイベント、展示会、
セミナー等に積極的に参加し、環境優良車普及の重要性、エコドライブ
の有用性、環境・省エネ機器の有効性等について啓発活動を行った。
○ また、国、地方公共団体、公益法人などが主催する講演会、セミナー、
展示会などに参加し、自動車の環境及びエネルギーに関する内外の動向、
環境優良車、環境・省エネ機器及びエコドライブの必要性並びにそれら
の効果について、種々の情報を収集するとともに、広く一般国民の理解
増進に努めた。
○ なお、関係者の意見交換の場として設けられた「天然ガストラック普及
推進協議会」については、27 年度より当機構が事務局として主催した。
≪事務局として主催≫
・「天然ガストラック普及推進協議会」
平成 27 年 6 月 17 日・平成 28 年 3 月 9 日
トラック運送事業者、(公社)全日本トラック協会、(一社)日本ガス
協会、ガス事業者、(一社)日本自動車工業会 等
≪協議会等への参加≫
・「天然ガス自動車フォーラム第 60 回研究会」平成 27 年 6 月 19 日
(一社)日本ガス協会
・「大型天然ガストラック普及促進会」平成 28 年 2 月 19 日
(一社)日本ガス協会、いすゞ自動車(株)ほか
・「近畿スマートエコ・ロジ協議会」平成 28 年 3 月 4 日
国土交通省 近畿運輸局ほか
・「エコドライブ普及促進協議会」平成 27 年 11 月 4 日
(公財)交通エコロジ―・モビリティー財団
・「物流環境対策委員会」平成 27 年 9 月 29 日・平成 28 年 3 月 16 日
(一社)日本物流団体連合会
≪主な環境対策促進啓発イベントの参画≫
・
「エコ&セーフェテイ神戸カーライフ・フェスタ 2015」平成 27 年 5 月
環境省、神戸市、(一社)日本自動車連盟
・
「第 11 回みんなで学ぼう!トラック環境フェア」平成 27 年 10 月 4 日
- 15 -
(一社)愛知県トラック協会)
・「トラックの日山梨フェスタ 2015」平成 27 年 10 月 10 日
(一社)山梨県トラック協会
・「第 23 回ひろしまトラックまつり」平成 27 年 10 月 11 日
(公社)広島県トラック協会
・「和歌山トラックの日」平成 27 年 10 月 12 日
(公社)和歌山県トラック協会
・「ふれあいトラックフェスタ 2015」平成 27 年 10 月 18 日
(一社)大阪府トラック協会
・第 18 回「びわ湖環境ビジネスメッセ 2015 滋賀環境ビジネスメッセ実
行委員会」平成 27 年 10 月
滋賀県環境優良車普及促進協議会
・「京都環境フェスティバル 2015」平成 27 年 12 月
京都府文化環境部環境・エネルギー局
((一社)京都府トラック協会、近畿スマートエコ・ロジ協議会ほか)
≪後
援≫
・大阪モーターショー2015 平成 27 年 12 月
(一社)日本自動車販売協会連合会大阪府支部ほか
・福岡モーターショー2015 平成 27 年 12 月
(一社)日本自動車販売協会連合会福岡県支部ほか
- 16 -
ⅱ 環境・省エネ機器の普及促進その他の環境・省エネ対策の推進
1.自動車運送事業におけるエコドライブの推進
(概観)
○ エコドライブは、燃費の向上を通じて省エネと温暖化ガス削減に寄与す
ることから、当機構では平成 17 年度より 24 年度まで、経済産業省の「エ
ネルギー使用合理化事業者支援事業」の補助金を得て、EMS(エコドライ
ブ・マネジメント・システム)機器というハードの普及(以下「EMS 機器
普及事業」という。)を推進してきた。
○ EMS 機器普及事業は、平成 25 年度より「省エネ型ロジスティクス等推進
事業費補助金(エコドライブ総合プログラム実施の実証事業)」
(以下「エ
コドライブ総合実証事業」という。)に衣替えした。これは、EMS 機器の
普及促進というこれまでのハードを中心とする事業から、エコドライブ講
習会等のエコドライブ・コンサル事業(ソフト事業)推進及びそのための
手段としての EMS 機器の普及を併せて図ることにより、ハード・ソフト相
俟って総合的にエコドライブの推進を支援するものへと発展したもので
ある。
○ 当機構では、平成 27 年度も引き続き「エコドライブ総合実証事業」に積
極的に参加し、当機構の公益リースを活用して 9,149 台(26 年度 12,471
台)の車両に EMS 機器を備え付けるとともに、エコドライブ講習会を全国
9 ブロックで合計 29 回(前年度 1 次募集・2 次募集あわせて 27 回)実施
した。
○ 特にエコドライブ講習会については、引き続き「エコドライブ総合診断
事業」の成果を取り入れるなど、その内容の充実・強化を図った。その結
果、受講者数は年々増加しており、27 年度は、2,207 名で、前年度(1 次
募集・2 次募集合計 1,640 名)比 35%増と好調であった。更に、そのうち
1,259 名は、EMS 機器の導入に当たって、LEVO リースを活用しなかった者
であり、それだけ当機構のエコドライブ講習会への期待が高まったといえ
る。
○ また、当該補助事業のフォローアップとして、事業に参加した車両につ
いて、エコドライブ指導前後及びその後の四半期ごとの燃費等データ収集
及びドライバーのエコドライブ実施状況を把握するためのドライバーデ
ータの収集を行った。
- 17 -
(具体的取組)
(1)エコドライブ総合実証事業の推進
① 平成 27 年度事業の概要
平成 27 年度の「エコドライブ総合実証事業」は、平成 27 年 6 月 19
日~6 月 30 日に募集が行われ(実際には、6 月 23 日に予算額に達し、
募集が締め切られた。)、エコドライブ車載器(EMS 機器)9,149 台を、
LEVO リースを活用してその普及を図るとともに、エコドライブ講習会は、
全国 9 ブロックで合計 29 回(前年度 27 回)実施した。
表7
年度
車載器
EMS 機器の普及台数(LEVO リース分)の推移
H18
H19
H20
H21
24,604 23,217 27,180 9,534
事務所機器 1,273
1,201
表8
1,496
H22
H23
7,272
7,466
398
375
475
H24
H25
H26
H27
4,455 5,145 12,471 9,149
159
73
306
253
平成 27 年度エコドライブ講習会開催地実績
(イ)開催地一覧
21 カ所 29 回
東京(2 回) 大阪(3 回) 福岡(3 回)
北海道
宮城
福島
千葉
埼玉(2 回)
神奈川
愛知(2 回)
新潟
兵庫(2 回)
岡山
香川
鹿児島
岩手
茨城
石川
静岡
広島
愛媛
(ロ)受講者数等の推移
年度
会場数
延べ開催数
平成 25 年度
10
13
464
1次
15
18
1,300
2次
8
9
340
21
29
2,207
平成 26 年度
平成 27 年度
受講者数(人)
② 説明会の開催
○ エコドライブ総合実証事業の開始に当たり、助成事業の概要、予算規
模、事業スケジュール等について、東京において説明会を開催(平成
27 年 6 月 9 日)し、全国より集まった関係機器メーカー41 社に対して
その周知を図った。これにより当該各機器メーカーを通じ、その傘下
の販売会社の周知も図った。
- 18 -
○ また、補助金交付決定後、その決定を受けた参加事業者に対し、事業
を円滑に実施するため、その後の事業実施に係る事務手続、スケジュ
ール、申請書面の記載方法、データ提出方法その他の注意事項等に関
する説明会を実施した。
③ 平成 26 年度事業参加車両の燃費データ等の提出
○ エコドライブ総合実証事業のフォローアップとして、平成 26 年度事業
に参加した車両につき、エコドライブ講習前後の燃費データやエコド
ライブ講習会後の取り組み、改善点などの情報を収集するとともに、
27 年度における走行距離、燃料消費量等(四半期ごとに 4 回)のデー
タ収集を行い、これに基づき燃費改善率を分析した。
○ 27 年度参加車両については、26 年度参加車両同様に、エコドライブ講
習前後の燃費データやエコドライブ講習後の取り組み、改善点などの
情報を収集するとともに、走行距離、燃料消費量、輸送形態等のデー
タ収集を行った。加えて、27 年度事業が「ドライバーのエコドライブ
推進による省エネ化」に着目したものになったことから、EMS 機器に記
録された「エコドライブ講習後のドライバーデータ」の収集を行い、
補助金執行団体に提出した。
(2)エコドライブ総合診断事業の事業成果の活用
平成 20 年度に創設したエコドライブ総合診断事業のこれまでの成果
を活用し、エコドライブ総合実証事業のエコドライブ講習会における資
料として提供した。これにより、実践的な講習会となることをめざした。
2.物流分野における CO2 削減対策の促進
(概観)
○ 環境省のエネルギー特別会計の平成 28 年度予算において、国土交通省と
の連携事業として認められた「物流 CO2 削減事業」に対して、当機構は、
以下の理由からその補助金執行団体に応募することとした。
● 当機構は、近時、エコドライブの推進事業にみられるように、ハード、
ソフト一体型の総合的な事業推進に積極的に取り組むようになってき
たこと。
● 折しも、我が国は、新しい地球温暖化ガス削減目標に向けた具体的な方
策を逐次検討・実施していくことが必要となっているが、その場合、排
出源単体の対策は、その改善余地も次第に狭ってきていると思われるこ
とから、今後は様々な施策を組み合わせた対策の総合性、複合性が求め
- 19 -
られるものと考えたこと。
● 物流分野は、我が国の温暖化ガス排出量全体の約2割を占める運輸部門
の 1/3 を含め、その削減は我が国の削減目標の実現のために枢要な地位
を占めるものであること。
● これまで、当機構が進めてきた自動車輸送分野の温暖化ガス削減方策
も、環境優良車の普及など排出源そのものからの排出量を削減するいわ
ば単体対策から、今後は、モーダルシフトや物流施設全体の低炭素化な
ど複合的な対策を組み合わせた物流システム全体としての低炭素化に
取り組んでいくことが必要であると考えられること。
● このため、当機構としては、
「物流 CO2 削減事業」の執行団体に応募し、
これまで進めてきたトラックを中心とする物流分野の環境対策のより
一層の総合化、複合化に取り組むこととしたいこと。
○ 評議員会、理事会の承認(書面によるみなし決議)を得て、平成 28 年 2
月 22 日に補助金執行団体の募集に応募し、同 3 月 4 日に採択された。ま
た、これにあわせ定款を変更し、その目的規定(第 3 条)に「物流その他
交通分野における低炭素化の促進」を図ることを加えるとともに、事業規
定(第 4 条)に定める実施事業の 1 つに、
「物流分野における低炭素化の
促進支援並びに調査及び情報収集等」を追加した。
(具体的取組)
物流分野における CO2 削減対策促進事業に係る補助事業者(執行団体)の
採択までの経緯、採択後の進捗状況等は以下のとおりである。
- 20 -
表9
補助対象
事業者
補助対象
事業
補助率
補助金額
物流 CO2 削減事業の概要(平成 28 年度)
○ 貨物の輸送を委託する者である荷主企業
○ 貨物の輸送を実施する者である貨物運送事業者、地方公共団
体等物流に係る関係者
○ ファイナンスリースにより提供する契約を行う民間企業 等
(各事業の要件により異なる。
)
① モーダルシフトの促進等による低炭素型物流システム構築
事業
鉄道・海上輸送への転換促進事業
31フィートコンテナ導入促進事業
共同輸配送促進事業
② 物流拠点の低炭素化促進事業
③ 鉄道貨物輸送へのモーダルシフトモデル構築事業
④ 災害等非常時にも効果的な港湾地域低炭素化推進事業
⑤ 水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業
1/2~1/3 以内
等
37 億円
表10
これまでの事業の進捗状況
平成 28 年 1 月 21 日 執行団体の募集開始
平成 28 年 2 月 22 日 執行団体へ応募
平成
27 年度 平成 28 年 2 月 24 日 執行団体の募集締め切り
平成
平成 28 年 3 月
4 日 執行団体に採択
平成 28 年 4 月
1 日 補助金交付申請
平成 28 年 4 月
1 日 補助金交付決定
37 億円
平成 28 年 4 月 12 日 補助事業者 公募開始
28 年度 平成 28 年 4 月 19 日 事業説明会の開催(全国で 6 か所)
~27 日
平成 28 年 5 月 16 日 補助事業者 公募締切
- 21 -
ⅲ 自動車運送事業者等の行う交通安全対策への取り組み支援
(概観)
○ 平成 24 年 4 月の関越自動車道、26 年 3 月の北陸自動車道と続いて発生し
た高速自動車道におけるバス事故を契機に、国土交通省では「高速貸切
バスの安全・安心回復プラン」
(平成 25 年 6 月 25 日)
、
「運転者の体調急
変に伴うバス事故を防止するための対策」
(平成 26 年 4 月 18 日)が出さ
れ、これらに基づき事故防止のための諸施策が迅速かつ確実に実施され
てきた。
○ しかしながら、28 年に入って、長野県軽井沢町のスキーバス転落事故
(1 月)及び山陽道トンネル多重事故(3 月)が相次いで発生し、このた
め、国土交通省では緊急の監査や指導を行うとともに、6 月 3 日に行われ
た第 10 回軽井沢スキーバス事故対策検討委員会にて、
「安全・安心な貸
切バスの運行を実現するための総合的な対策」がとりまとめるなど、引
き続き事故防止のための施策が推進されている。
○ 特に昨今の事故は、SAS(睡眠時無呼吸症候群)、脳疾患、心疾患、意識
喪失等運転手の健康に起因する事故が目立つようになっていることか
ら、当機構では、交通安全のための車載機器の普及を図る傍ら、別法人
「(一財)運輸・交通 SAS 対策支援センター」
(以下「SAS センター」とい
う。)を 23 年に設立し、同センターの行う SAS スクリーニング検査業務
を支援している。27 年度も引き続きこの両施策を車の両輪として、ハー
ド・ソフト両面から交通安全対策に取り組んだ。
(具体的取組)
(1)交通安全に係る機器の普及促進
① 自動車交通安全機器の普及促進
平成 27 年度も、国土交通省の「運行管理の高度化に対する支援事業」
(以下「安全機器補助金」という)の補助金を活用して、自動車運送事
業者に対するデジタル式運行記録計やドライブレコーダなどの安全機
器の普及促進に引き続き取り組んだ。車載器は 219 台と、前年度(275
台)に比べ 56 台減となった。
- 22 -
表11 「安全機器補助金」による安全機器導入台数の推移(LEVO リース分)
年度
デジタル式運行記録計・
ドライブレコーダ
H22
H23
H24
H25
H26
H27
560
961
593
968
275
219
②貨物自動車用ドライブレコーダ選定事業
(公社)全日本トラック協会のドライブレコーダ助成事業を支援する
ため、平成 24 年度より「貨物自動車用ドライブレコーダ選定ガイドラ
イン」
(平成 23 年度策定)に基づき、助成対象機器選定作業を実施して
いる。平成 27 年度も 25 社 37 型式のドライブレコーダを選定した。
表12
貨物自動車用ドライブレコーダの選定数の推移
年度
H24
H25
H26
H27
累計
簡易型
36
21
12
17
86
標準型
22
7
2
8
39
運行管理連携型
40
25
4
12
81
スマートフォン活用型
1
0
0
0
1
累計選定台数合計
99
53
18
37
207
③ 自動車交通安全機器の普及説明会
デジタル式運行記録計やドライブレコーダなどの安全機器の普及の
ため、エコドライブ総合実証事業の普及説明会の機会をとらえ、安全機
器補助金の概要、予算規模、スケジュール等について自動車運送事業者
に説明した。
(2)SAS スクリーニング検査事業に対する支援
自動車運送事業の運転手に対して SAS のスクリーニング検査を実施する
SAS センターに対し、同事業の普及啓発・広報事業に係る支援を行い、同
センターの事業遂行の円滑化に協力した。同センターでは、27 年度もほぼ
前年度並みの 21,366 名の受検者に対し、スクリーニング検査を実施した。
- 23 -
ⅳ 公益リース事業の推進
(概観)
○ 国土交通省の「環境対応車補助金」や環境省の「大型 CNG 車モデル構築事
業」補助金を活用した平成 27 年度の環境優良車の新規 LEVO リース台数は、
501 台で前年度(398 台)に比べ 103 台増(22%増)となった。このうち
CNG 車は 470 台で、前年度(381 台)に比べ 89 台増(27%増)と堅調に推
移した。これは、平成 10 年代に導入した中小型 CNG 車の代替需要が本格化
していることによるものと考えられる。
○ 一方、新規リース車両導入事業者数は、合計で 37 社、対前年度 16 社減と
なっており、車両数は増えたものの、必ずしも楽観は許されない状況にあ
る。このほか、これらの助成制度を活用しないいわゆる一般リースによる
環境対応ディーゼル車の新規リースは前年度並みの 4 台であった。
○ エコドライブ総合実証事業の補助金を活用して新規にリースした EMS 機器
の台数は、27 年度は 9,149 台と、前年度(12,471 台)に比べ、3,322 台減
(26.6%減)となった。これは、26 年度にあった 2 次募集が 27 年度には
なく、また、27 年度はフォローアップのためのデータ収集につき、効率化
等により事業者負担の軽減が図られた結果、買取や他社リースを利用する
事業者が増えたことによるものと考えられる。因みに、26 年度 1 次募集に
おける新規 LEVO リース台数は、10,400 台となっている。
○ また、安全機器補助金を活用して新規にリースしたデジタル式運行記録計、
ドライブレコーダ等の車載器は 219 台と、前年度(275 台)に比べ 56 台減
(20.4%減)となった。
○ 一方、これらの助成制度を活用しないいわゆる一般リースにより導入を図
ったエコドライブ車載器は 225 台と、
前年度(176 台)に比べ 49 台増(27.8%
増)となった。
○ 以上の環境・安全機器(車載器)の新規リース台数を合計すると、27 年度
は 9,593 台と、前年度(12,922 台)に比べ 3,329 台減(25.8%減)となっ
た。
(具体的取組)
(1)環境優良車リース事業
環境優良車の平成 27 年度の新規リース台数合計は、補助金を活用しない
- 24 -
一般リースを含めた合計で 505 台と、前年度(402 台)に比べ 103 台増(1.25
倍)となり、期末保有リース車両台数は 1,911 台(平成 26 年度末 1,770 台)
となった。
表13
公益リース(環境優良車)の平成 27 年度実績
新規台数
事業者数
保有台数
CNG 車
470
(381)
28
(45)
1,654
(1,488)
ハイブリッド車
31
(17)
8
(6)
206
(221)
電気自動車
0
(0)
0
(0)
0
(8)
4
(4)
1
(2)
51
(53)
505
(402)
37
(53)
1,911
(1,770)
環境対応ディーゼル車
(一般リース)
合
(
計
) 内は、平成 26 年度実績
(参考)
27 年度 買取等申請台数
CNG 車
56 台 ( 46 台)
ハイブリッド車
491 台 (585 台)
(
)内は平成 26 年度実績
- 25 -
(2)環境・安全機器リース事業
平成 27 年度の環境・安全機器リースの実績は、以下の表のとおりである。
この結果、本事業に当機構のリースを活用し参画した事業者は平成 18 年度
から 27 年度までの累計で、事業者数は 7,421 社、車載器の台数は 138,567
台となっている。
表14
公益リース(環境・安全機器)の平成 27 年度実績
エコドライブ機器
安全機器
環境・安全機器
(一般リース)
合
計
車載器台数
事業所用機器
台数
事業者数
9,149
(12,471)
253
(306)
340
(399)
8
(2)
20
(23)
225
(176)
8
(6)
22
(62)
9,593
(12,922)
269
(314)
382
(484)
219
(275)※1
(
)内は平成 26 年度実績
※1 居眠り運転警報装置 20 台及び点呼機器 1 台を含む。
- 26 -
ⅴ 調査・研究、広報啓発活動
(概観)
○ 後述するように、当機構ではこの 2~3 年、環境優良車、EMS 機器の普及
促進等従前からのハード整備に係る事業に加え、ソフト事業にも力を入
れてきている。本項の調査・研究、広報啓発活動は、その中核をなすも
のとして、平成 27 年度も精力的に取組んだところである。
○ 引続き IEA の AMF 協定に基づく国際共同研究に参画するとともに、最近、
特に天然ガス自動車の普及が著しい中国について、その LNG トラックの
普及に係る情報調査等を受託した。
○ 近年、国の補助事業においては、補助金交付後の燃費改善や CO2 の削減
状況につき、フォローアップを求められることが多くなっている。当機
構では、これまで培ったノウハウを最大限活用して、27 年度もこれら補
助事業のフォローアップ等を遺漏なく実施した。
○ このほか、様々な広報・啓発活動を通じ、引き続き関係者間の連携強化、
利害関係者や国民一般の環境問題への理解・推進に努めた。
(具体的取組)
1.調査・研究事業
(1)国際共同研究事業
○ 当機構は、IEA の AMF 協定に政府指定機関として参加し、自動車用先
進燃料の開発及び普及に関する国際共同研究に参画している。
○ 平成 27 年度は、フィンランドより提案のあった「商用車における代
替燃料技術」に関する国際共同研究(種々の代替燃料を使用した商
用車における排出ガスや CO2 排出量の評価)に、スウェーデン、カ
ナダ、タイなど 8 カ国と共に参加することとし、タスクシェアとし
て関連情報を提供した。
○ また、AMF 協定には、28 年度に新たに(独)自動車技術総合機構 交通
安全環境研究所が加盟する予定となっているが、その加入に向けて
所要の支援を行った。
(2)海外調査・海外情報収集等
○ 天然ガス自動車フォーラムが実施した 2015 年度海外調査(タイ・カ
- 27 -
ンボジア・ベトナム)に参加し、東南アジア諸国の天然ガス自動車
に係る情報の収集を行った。
○ これらの会議の機会等を活用して、各国の研究機関等との情報交換
を行うとともに、そのネットワークを生かすことによって、海外の
研究機関、自動車メーカー及び運送事業者等への調査を円滑かつ効
率的に実施し、当機構の受託調査にも有効に活用した。
(3)受託事業
○ (独) 自動車技術総合機構 交通安全環境研究所、(一社)日本ガス協
会等より合計 5 件の調査研究事業を受託した。
○ 受託事業のうち、(一社)日本ガス協会より受託した中国の LNG トラ
ックの普及に係る情報調査については、平成 27 年 11 月に中国成都
で開かれた「アジア・太平洋天然ガス自動車国際会議(ANGVA)」に
参加するとともに、今後の調査に向け、情報収集と調査に向けての
関係者間調整等を行った。
表15
平成 27 年度 受託調査事業一覧
事
業
名
次世代大型車の新技術を活用した車両の基準整備等に関するWG
作業補助業務等 3 件
海外の天然ガス貨物自動車に関する技術動向調査
ANGVA 国際会議への参加及び中国 LNG トラック情報調査
2.広報・啓発活動
(1)自動車環境講座
自動車の環境問題、エネルギー問題等に係る様々な知見・情報を運送
事業者はじめ広く国民一般に提供する「自動車環境講座」を、平成 27
年度も引き続き実施し、中学生に対して環境優良車の普及状況等に関す
る啓発活動を行った。
(2)講演会等での発表、専門誌掲載等
天然ガス自動車等の環境優良車及び環境・省エネ機器の普及促進並び
に調査研究事業等の成果を、天然ガス自動車フォーラム等の講演会で発
表するとともに、専門誌、業界誌、LEVO ニュース等に掲載するなど、各
種媒体において情報発信を行った。
- 28 -
(3)環境優良車、環境ディーゼル車、環境・省エネ機器等に係る普及資料
の作成・配布
環境対応車補助金申請の手引き書・補助制度説明資料、環境ディーゼ
ル車補助事業、エコドライブ総合実証事業、エネルギー使用合理化補助
金等の公募要領等を作成し、自動車・機器メーカー、自動車運送事業者
及び関係者等に配布し、申請事務等の円滑化を図った。
また、環境優良車及び EMS 機器その他の環境・省エネ機器の普及促進
に向け、パンフレット、リーフレット等を作成し、関係者に広く配布す
るとともに、各種イベント等を通じて普及啓発に努めた。
(4)広報資料の作成配布
貨物運送事業者に対する環境優良車等の普及啓発のため、ユーザー訪
問により得られた環境優良車の種々の評価及び調査・研究事業等で得ら
れた環境優良車等の海外情報などを、機関誌「LEVO ニュース」に掲載し、
年 4 回制作、発行した。
- 29 -
ⅵ 当機構の事業運営
(概観)
(1)補助金執行団体としての業務
〇 平成 26 年度より「環境ディーゼル車補助事業」の補助金執行団体に採択
されて以来、当機構は、それまでのリース事業者として補助金を受ける
立場に加え、補助金を運送事業者に交付する立場も併せもつこととなっ
た。
○ 27 年度は、その「環境ディーゼル車補助事業」に加え、政府の 28 年度
予算で認められた「物流 CO2 削減事業」の執行団体にも応募し、採択さ
れた。
○ 当機構にとって、本補助金執行業務は、リース事業等を通じた環境優良
車等の普及促進事業と相俟って、いわば車の両輪とも位置付けられる事
業の柱となってきている。
○ このため、補助金執行業務を独立して行うための組織、管理体制の整備・
充実を図り、業務の執行に遺漏なきを期したところである。
(2)当機構のもつソフトパワーの活用
〇 当機構では、これまで、どちらかと言えば、環境優良車の普及促進や EMS
機器等の整備など、ハードの整備を中心に自動車の環境対策に取り組ん
できた。
○ しかし、
「環境ディーゼル車補助事業」等最近の補助事業においては、ハ
ード整備への助成と同時に、施策の実施状況やその効果等の把握・分析
など、ソフト面での実証・フォローアップが求められることが多くなっ
てきている。
○ 更に「エコドライブ実証事業」では、エコドライブの実践とそのための
エコドライブ講習会の受講を主たる目的とし、EMS 機器の普及促進はそ
のための手段という位置付けで助成制度が組み立てられるようになっ
た。このため、申請者の間では、当機構の行うエコドライブ講習会とい
うソフト事業への期待が高まってきている。
○ 加えて、平成 23 年度より 26 年度まで実施した「大型 CNG 車実証走行実
験事業」((一社)日本ガス協会より受託)を皮切りに、
「大型 CNG 車モデ
ル構築事業」、28 年度に実施を検討している大型 LNG 車に係る「CO2 削減
技術開発・実証事業」等においては、当機構が中立的な立場により、そ
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の検討に参画することも多くなってきている。
○ このように、最近では、ハードの普及促進に加えて、当機構がこれまで
蓄積してきた排ガスや CO2 削減に係る内外の情報や様々なノウハウの提
供及び当機構の中立的な立場を活用した、いわば関係者間の架け橋とし
ての役割への期待・関心が高まっている。
(3)事業運営の適正化・効率化
〇 補助金執行団体としての組織・要員体制の充実・強化、資金管理の適正
化等補助金執行事業の適正な運営に万全を期した。
○ 公益リース事業をはじめとする当機構事業のより一層の効率化・適正化
に努めた。
(具体的取組)
1.補助金執行団体としての適正な事業執行
(1)組織・要員体制の強化
○ 補助金執行業務は、それぞれ独立した部署によって処理する必要があ
ることから、平成 26 年度に「環境ディーゼル車補助事業」補助金の執
行グループを設置したのに続き、27 年度は、
「物流 CO2 削減事業」補助
金執行業務に新年度より直ちに対応できるよう、同補助金の執行グル
ープを一部前倒しで設置し、組織・要員体制の充実・強化を図った。
○ 「物流 CO2 削減事業」補助金執行グループでは、業務を
● 資金管理部門
● 申請処理・評価確認部門
の 2 部門に分け、それぞれの部門に責任者を置いて、部門ごとのライ
ンを形成し、更に全体を統括管理する最高責任者として役員(常務理
事)を充てる体制とした。これにより、機構本体業務とは分離独立し
た自律的な組織とした。これらは、いずれも「環境ディーゼル車補助
事業」補助金の執行体制を参考に整備した。また、このような組織体
制の強化に伴い、職員若干名を増員した。
(2)区分経理等厳正な補助金管理
○ 補助事業の執行に係る経理処理は、厳格な区分経理を求められること
から、独立した自律的な組織運営体制の強化を図ることに加え、本体
部門も含め経理部門の人員強化を図った。また、独立した口座により
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他の台帳と区分した管理台帳を作成するとともに、入出金管理その他
の補助金管理のために独立したコンピューターシステムを本事業のた
めに新たに構築するなどして、区分経理の徹底に遺漏なきを図った。
2.当機構のもつソフトパワーの活用
(1)当機構の有するノウハウの活用
① 補助事業における燃費・CO2 分析等
当機構がこれまで培ってきた燃費や CO2 削減等の情報収集・分析のノ
ウハウを活用して、下記のそれぞれの補助制度における燃費改善、CO2
削減量等に係る分析・評価を行った。
表16
補助制度
国の補助制度に係るフォローアップ
開始
年度
収集・分析データ
走行距離
大型 CNG 車
モデル構築事業
H25
燃費消費量
CO2 削減量
走行距離
エコドライブ
総合実証事業
環境
ディーゼル車
補助事業
H25
○補助金交付年度
○その後 5 年間(各年度毎)
○補助金交付年度
燃費改善率
・講習会前後 20 日間
CO2 削減量
・11 月、2 月に 7 日間
走行距離
H26
収集・分析期間
燃費消費量
CO2 削減量
○補助金交付年度
○その後 1 年間
② エコドライブ関連ノウハウの「エコドライブ講習会」への積極的活用
当機構が「エコドライブ総合診断事業」
「EMS 機器普及事業」等で培っ
てきた運送事業者に対するエコドライブ指導等に係るノウハウを、
「エコ
ドライブ総合実証事業」における講習会に生かすなど、機器の普及とい
うハード面での普及促進活動と相俟って、ハード、ソフト一体となった
総合力の発揮に努めた。
③ その他の当機構のノウハウの活用
当機構の有する自動車の燃費測定、排ガス分析、居眠り防止等の環境・
安全に係るノウハウの提供・活用を通じて、自動車運送事業者における
排出ガス低減、燃費改善、安全対策等をソフト面からも積極的に支援し
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た。
(2)当機構の架け橋としての役割
平成 27 年度に当機構は、以下の事案に参画し、中立的な立場から関
係者との意見調整、情報提供等を行った。
● 「大型 CNG 車モデル構築事業」
代替申請者として「新潟運輸(株)・日本自動車ターミナル(株)共同
申請事業(26 年度採択)」、「(株)ニヤクコーポレーション・大阪ガ
ス(株)共同申請事業(26 年度採択)」、「岡山県貨物運送(株)共同申
請事業(25 年度採択)」に係る代表申請者としての連絡調整、デー
タ収集・分析を実施(詳細は 12 頁)
● 大型 LNG 車に係る「CO2 削減技術開発・実証事業」
共同申請者の1人として、環境省の当該事業への申請につき、関係
者間で検討中(詳細は 14 頁)
● 「天然ガストラック普及推進協議会」
事務局を担当し、主体的に所要の情報提供、情報交換を行う(詳細
は 15、19 頁)。
3.事業運営の適正化・効率化等
(1)資金・債権管理体制の適正な運用
平成 25 年度に全面的に換装したリース管理システム活用して、リー
ス債権の入金状況、遅延状況等を一元的に管理する債権管理の一層の適
正化、効率化を図った。あわせて、補助金管理に万全を期すため、経理
部門要員体制の充実・強化を図った。
(2)その他の事業運営の適正化・効率化
補助事業における申請者やリース事業における顧客のニーズの把握、
要望への迅速な対応等相手方との緊密なコミュニケーションの確立を
第一とするよう心がけるとともに、事業全般にわたる不断のコスト削減
に努めることによって、事業運営全般の適正化・効率化を図った。
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