『徒然草』兼好法師

福島県
次
の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ふみ
解答
解説
ページ
ページから
兼好法師は「徒然草」の中で、書物を読むことについて次のように述べ
ています。
ともしび
のもとに文 (書物)をひろげて、見ぬ世の人 (見知
*
問一 線部「あはれなる」を現代仮名遣いに直しなさい。
問二 次の会話は、この「徒然草」と「冬夜読書」について、授業で話し
合ったときの内容の一部です。あとのⅠ、Ⅱの問いに答えなさい。
A さ ん 「 ど ち ら も、 夜 ふ け に 灯 火 の 下 で 静 か に 本 と 向 き 合 っ て
いるようですね。」
Bさん 「状況は似ていますが、私は違う点もあると感じました。
』であると言っ
『徒然草』では、本を読むことを『
Ⅱ 』と言っ
ており、心がいやされているような印象を受けます。一
方、
『冬夜読書』は、何冊もの本を並べ『
というすばらしさがあると、共
に当てはまる適切な言葉を、文中(文語文)から
、
Ⅰ aは六字、bは五字で抜き出しなさい。
通して述べているのではないでしょうか。
」
文章は、古典には
Cさん 「私は古典を読む意義について考えました。この二つの
ているので、調べものをしていたのだと思います。」
b
ひと り 灯
* はく し もん じふ
らぬ昔の人)を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる (何よ
* もんぜん
りも心がなぐさめられることである)
。
文 は文 選 の あ は れ な る ( 心 ひ か れ る )巻 々、白 氏 文 集、 老
*
へん
はかせ
子のことば、南華の篇。この国の博士ども (日本の学者たち)
の 書 け る 物 も、 い に し へ の は ( 昔 の も の に は )
、あはれなるこ
と多か り 。
(注) 文選――中国の詩や文章を集めた書物。
白氏文集――中国の詩人である白楽天の作品集。
老子のことば――中国の思想家である老子の著書。
とうや
南華の篇――中国の思想家である荘子の著書。
かんさざん
また、江戸時代の詩人である菅茶山も「冬夜読書」という詩で、書物を
読むときの心境についてこう表現しています。
雪は 山 堂 を 擁 し て 樹 影 深 し
*えんれい
(山中にある家をおおって)(樹木の姿が黒々と見える)
檐 鈴動かず夜沈沈
(しんしんとふけていく)
に乱帙を収 め て疑 義を思ふ
しづか *らんちつ
閑
ばんこ
(整理して)(疑問の点)
穂の青灯万 古の心
いっすゐ
一
a
10 20
(ひとすじの青い灯火が昔の人の心を照らし出してくれる)
c
10 分
(注) 檐鈴――軒下につるした風鈴。
に当てはまる内容を、二十字以内で書きなさい。
b
古文
漢文
乱帙――散らかった書物。
『徒然草』兼好法師(ケンコウホウシ)『冬夜読書』菅茶山(カンサザン)
a
c
01