工学倫理 第3回

2014/10/5
第3章 組織のなかの一人の人の役割
工学倫理 第3回
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
教科書:技術者の倫理入門 第四版
杉本泰治 高城重厚 著
杉本泰治,高城重厚
第3章 組織のなかの
一人の人の役割
工学倫理 第3回
1
3.1 チャレンジャー号事件-1
・スペースシャトル,チャレンジャー号
1983年以来 9回の飛行に成功
1986年1月28日 10回目の打上げ
宇宙飛行に一般市民から初めて選ばれた高校教
師クリスタ・マコーリフ一が搭乗。
全米の子供たちが 宇宙からの彼女の授業に期
全米の子供たちが、宇宙からの彼女の授業に期
待。
黒人、日系人などが搭乗 世界の注目を集めて
いた。
世界中が注目する中、発射73秒後に突如爆発
⇒乗員7名が全員死亡、宇宙開発史上最大の悲劇
全米や日本、世界中にショックを与えた事件
3
工学倫理 第3回
巨大システムに携わる者すべてに、重い教訓を
残した。
巨大システムは巨大組織によって運営され、
事故に組織上の要因がからむ。
JCO臨界事故、リコール隠し、食中毒事故
臨界事故、リ
ル隠し、食中毒事故
など、
事故発生⇒組織の責任⇒トップ辞任
⇒事故の繰返し
巨大な組織も、個人で構成
←そこに目を向ける必要
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
2
3.1 チャレンジャー号事件-2
• (1)組織の責任を追及する見方
NHKのテレビ番組:「人間の小さな過ちが、思
わぬ大惨事に結びついてしまう巨大技術システム」
の例に、チャレンジャー号事件を取り上げた。
当時NASAは、財政悪化のため厳しく予算を削
減されていた。
減されていた
初の民間宇宙飛行士として女性教師が乗り組む
⇒宇宙開発の重要性をアピールし、
財政難を打開するまたとない機会
「個人のミス」ではなく、NASAの「組織の体
質や意思決定」が事故を引き起こしたという構成に
なっている。
工学倫理 第3回
4
3.1 チャレンジャー号事件-4
3.1 チャレンジャー号事件-3
工学倫理 第3回
チャレンジャー号事件
個人と法人
組織の倫理問題
個人尊重の倫理
まとめ
5
• (2)技術者倫理の見方
1986年1月27日夜(打上げ前夜)
モートン・チオコール社:
ロジャー・ボイジョリー(技術者)
Oリングの問題に熟知
Oリング:ブースター・ロケットの接合部のシール材
低温でのシール性能について懸念がある。過去最悪
低温でのシ
ル性能に いて懸念がある。過去最悪
の高熱ガスの漏洩は、気温11.7℃で発生している。
ガ
打上げ時の予想大気温は、-3.3℃で過去最低
技術的な証拠は不十分(データ不足)だが、シール
がうまくいかず、高熱ガスの漏洩
⇒貯蔵タンク内の燃料の点火⇒破滅的な爆発
ロバート・ルンド(技術担当副社長)
打上げに反対する技術者たちの懸念を伝えて、NA
SAとのテレビ会議で技術者たちの打上げ中止勧告を
伝えた。
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工学倫理 第3回
1
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3.1 チャレンジャー号事件-6
3.1 チャレンジャー号事件-5
NASA:打上げ中止勧告に疑問を呈する。
チオコール社の承認なしに飛行を決定したく
ない。
チオコール社:再検討のためテレビ会議を中止。
経営者は 技術者達の同意のない勧告は出し
経営者は、技術者達の同意のない勧告は出し
たくない。
工学倫理 第3回
7
3.1 チャレンジャー号事件-8
3.1 チャレンジャー号事件-7
ジェラルド・メーソン(上級副社長)
⇒ロバート・ルンド(技術担当副社長)に対して
「技術者の帽子を脱いで、経営者の帽子をかぶ
りたまえ。」
⇒経営者は 最初の打上げ中止勧告の決定を覆
⇒経営者は、最初の打上げ中止勧告の決定を覆
した。
工学倫理 第3回
ジェラルド・メーソン(上級副社長)
NASAは飛行を計画どおりに成功させたがってい
ることを知っていた。
会社はNASAとの新しい契約を必要としている。
中止勧告は契約獲得の見込みを大きくするはずはな
い。
技術データが決定的なものでないことに気づいた。
技術者は飛行が安全でなくなる正確な温度につ
いての確かな数値を提出できない。
技術者の拠りどころは、温度と弾性の間には明
らかに相関性があること。
技術者たちはOリングの安全性といった重大な
争点には保守的になる傾向。
8
工学倫理 第3回
9
ロジャー・ボイジョリー
技術者としての帽子を脱ぐのが適切とは思わなかった
。
Oリングが危険=技術者としての最良の技術的判断
宇宙飛行士を含む公衆の安全を守る責務がある。
低温での問題点を指摘し 最後の異議申立てを試みた
低温での問題点を指摘し、最後の異議申立てを試みた
。気も狂わんばかりに経営陣の説得に努めたが、無視さ
れた。
惨事を防ぐことには失敗したが、専門職の責任は実行
していた。
経営陣は、これを無視して、中止勧告を覆した。
⇒チャレンジャー号は、発射後73秒で爆発。
NASAの評判を劇的に落とした。
10
工学倫理 第3回
3.1 チャレンジャー号事件-10
3.1 チャレンジャー号事件-9
• 倫理分析の方法
事故の観察=科学技術、法、倫理の三つの観
点がある。
ロケットやOリング=それ自体は科学技術
倫
倫理の観点からの分析
観
析
=登場人物の人間関係に焦点を合わせる。
3人=企業組織のなかの個人
企業コミュニティ内部の人間関係
外部との人間関係
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
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3.2 個人と法人-1
3.2 個人と法人-2
• 自然人・法人
会社=チオコール社=日本の株式会社に相当
=会社法に定めた虚構の存在
=法律上の人=法人
生物としての人=自然人=個人=意識と五感を持つ
法人=モラルの意識もない。倫理では「人」でない。
会社の組織は、
経営方針を決める取締役会
⇒事業執行(経営)組織=経営者⇒従業員
工学倫理 第3回
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3.2 個人と法人-3
• 会社にできること
会社は、事業を営む営利法人
営利=利益をあげ、その利益を株主に配分(配当)する。
株主=分配を受けるために出資(投資)する。
会社は、人間が発明した「財産処理の技術」といわれる。
株主からおカネを集め それで購入した設備などの
株主からおカネを集め、それで購入した設備などの
財産を所有し、人を雇用して、目的の事業を営み、得
られた利益でさらに財産を増やし、その一部を株主に
配分する、という働きを継続する機能がある。
会社が事故を起した場合
会社を逮捕して刑務所に入れることはありえない。
しかし、財産を所有するので、罰金や損害賠償を支
払うことができる。(第8章で学びます。)
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工学倫理 第3回
組織を構成し、動かすのは自然人(個人)であ
る。
会社の成否や成績は、個人の意識・判断能力
にかかる。
企業倫理は 経営者 従業員の倫理にほかな
企業倫理は、経営者、従業員の倫理にほかな
らない。
チオコール社の倫理は、メーソン、ルンド、
ボイジョリーの倫理。
企業倫理を強調することは、経営者や従業員
の倫理から目をそらすことになる。
工学倫理 第3回
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3.2 個人と法人-4
• 会社以外の法人
私法人
社団法人:人の集合からなる。
財団法人:財産を基礎とする。
宗教法人 学校法人 医療法人 社会福祉法人
宗教法人、学校法人、医療法人、社会福祉法人
NPO(非営利組織):特定非営利活動促進法(
NPO法)で法人になる
道が開けた。
任意団体も、組織の原理は大差ない。
工学倫理 第3回
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3.3 組織の倫理問題-1
3.2 個人と法人-5
公法人
国および地方など公共団体:行政を担当
独立行政法人、国立大学法人などがある。
どのような組織であれ 組織の内外における人間
どのような組織であれ、組織の内外における人間
関係がある。
チャレンジャー号事件の3人の場合と同じようなこ
とがありえる。
チャレンジャー号事件:
技術者ボイジョリーに照明が当てられることが多い。
経営者と技術者が出合う倫理問題のモデルである。
• (1)経営者の判断
上級副社長メ ソン
上級副社長メーソン
経営者であり、この場面でチオコール社の最終的
な意志決定をする立場。
経営者が困難な選択を迫られることがわかる。
メーソン=悪と単純に考えるのは、無意味。
※技術者⇒管理職⇒経営者へと進む場合を考える。
工学倫理 第3回
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工学倫理 第3回
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3.3 組織の倫理問題-3
3.3 組織の倫理問題-2
経営判断の原則
会社に損害を及ぼすと賠償責任がある。
経営に冒険は不可避であり、
経営者の冒険心を委縮させることは、
株主利益にならない。
事実認識・意思決定のプロセスに不注意がなければ、
広い権限を認め、責任を問わないのが原則。
※メーソンは、おそらくこの原則をふまえて、調査委員
会で主張した。
工学倫理 第3回
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3.3 組織の倫理問題-5
3.3 組織の倫理問題-4
経営者/技術者の判断の区分
①技術者が技術業の実務を優先して判断すること
(イ)技術業の専門的能力の範囲に入る技術事項
(ロ)技術者の倫理規程に定められていること
特に公衆の健康と安全を保護するよう要求する原則
②経営者が経営的な考慮事項を優先して決定すること
(イ)価格、スケジュール、マーケティング、
被用者の士気や組織の福利に関係する要素。
(ロ)その決定が技術者の実務や倫理基準に、
受け入れ不可能な妥協を強制しないこと。
①ルンド<②メーソン⇒上席のメーソンが最終判断
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工学倫理 第3回
• 顕微鏡的な見方
技術者や専門職には、顕微鏡的な見方の問題
がある。
専門職の教育・訓練は、専門事項に重点を置
き、専門職として信頼できる能力を育てる。
精確で詳細な観察は大切だが 全体が見えな
精確で詳細な観察は大切だが、全体が見えな
くなる。
業務中に一休みし、顕微鏡から目を上げる必
要がある。
工学倫理 第3回
• (2)技術担当副社長ルンドの立場
当初:部下の技術者の主張に同意して、
NASAに打上げの中止を勧告をした。
上司メーソンから「技術者の帽子を脱いで、経営者
の帽子をかぶりたまえ。」といわれ、考えを変えた。
意思が弱いとか モラル的に未成熟とかではない
意思が弱いとか、モラル的に未成熟とかではない。
普通のモラルの持ち主でも、モラルは状況によって
揺らぎやすい。
• 二つの立場
技術者の立場 ⇔ 経営者の立場
上位にあるメーソン上席副社長にノーとは言い難い。
典型的な利害関係の相反(=利益相反)(4.5で学ぶ)
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工学倫理 第3回
3.3 組織の倫理問題-7
3.3 組織の倫理問題-6
工学倫理 第3回
メーソンの主張
打上げをするしないの決定は、技術業の見地よりも経
営者の見地からなされるべきである。
①打上げ反対に、技術者が全員一致ではなかった。
②気温とOリングのシール時間の関係が数値で特定でき
なかった。
なかった
技術者は重大な局面では、必要以上に保守的になる。
↓
経営者は、組織の業務について判断し、指揮する立場。
深い思慮、判断力、リーダーシップが必要。
しかし、経営者が上位で技術者を雇っている立場で
も、正当な理由なしに技術者の意見を無視できない。
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工学倫理 第3回
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• 雰囲気
チオコール社:準備が完了したことを証明する立場。
↓ 打上げ前夜は、雰囲気の変化
NASAは、チオコール社が打ち上げ中止を主張する
なら、準備が完了していなことを証明するよう求めた。
・ チオコール社が、打ち上げが危険であることの一応
の証明をした。
証 を た
・ それを疑問とするNASA側が、危険がないことを
証明して、チオコール社の意見を聞く立場。
(異常であることに、事故数日後ルンドが思い当たっ
た。)
場の雰囲気は、組織の風土と同様に、難しいが、注目
してもらいたいことを、どんどん話したり、環境を変え
24
工学倫理 第3回
たりするだけで、平常の意識に戻る。
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3.3 組織の倫理問題-8
3.3 組織の倫理問題-9
集団思考
技術者は、集団で、仕事をし、考えを練る。
集団で討論し、合意して意思決定するのは有益な
方法
=プラスの側面
プ
側
⇔ マイナスの側面
側
集団思考の八つの兆候
(1982年アービング・ジェニス(米))
①失敗しても「集団は不死身という幻影」
②強度の「われわれ感情」 集団の定型を受け入
れるよう奨励し 部外者を敵とみなす
れるよう奨励し、部外者を敵とみなす。
③「合理化」 これにより責任を他の人に転嫁し
ようとする。
④「モラルの幻影」 集団固有のモラルを当然の
こととし、その意味を注意深く検討する気を起
させないようにする。
•
工学倫理 第3回
25
最も強く打上げに反対したボイジョリーとト
ンプソンは、打上げを決めた経営者の会議に呼ば
れなかった。
関係した技術者の大部分がこの最終段階で沈黙
した。
⇒全会一致
ルンドが、開始勧告で一致するために仕組ん
だとみられている。
⇒心の警備
⑤メンバーが、“波風をたてない”ように「自己
検閲」をする。
⑥「満場一致の幻影」 メンバーの沈黙を同意と
解する。
⑦不一致の兆候を示す人に 集団のリーダーが「
⑦不一致の兆候を示す人に、集団のリーダーが「
直接的圧力」を加え、集団の統一を維持しよう
とする。
⑧「心の警備」 異議を唱える見解が入ってくる
(たとえば、部外者が自分の見解を集団に提示
しようとする)のを防いで、集団を保護する。
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3.3 組織の倫理問題-12
集団思考を防ぐために対策をとる=リーダーの条件
ケネディ大統領
顧問団に批評家の役割を割り当てる。
会議に部外者を招待。
自分自身が会議を欠席
自分自身が会議を欠席・・・自分の熟慮に不当な
自分の熟慮に不当な
影響が及ばないようにした。
• 人の意識は揺れる
顕微鏡的な見方、雰囲気、集団思考
=人の意識は揺れる。
モラルの意識は一定不変ではない。
∴モラルの意識を健全な状態に維持する努力が必要。
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工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
26
3.3 組織の倫理問題-11
3.3 組織の倫理問題-10
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
28
3.3 組織の倫理問題-13
• (3)技術者ボイジョリーの立場
物語りの頂点=ボイジョリーの「公衆」の認識にある。
公衆の健康と安全を守る専門職の責務
宇宙飛行士も公衆と意識(公衆については4章で)
事件後 議会での証言
← 上司から会社を不必要に中傷すべきではないと
注意されていた。
Oリングについての彼の意見を会社が尊重しなかっ
たと明かす ← 会社から懲戒処分
アメリカ科学技術進歩協会(AAAS)から、倫理
的な技術者として表彰を受ける。
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討論1
3.3 組織の倫理問題-14
技術者の倫理規定(32頁)に照らすなら
会社に対して誠実(誠実性原則)
会社の秘密を守る義務(守秘義務)
↓↑利益相反
公衆の安全を確保(公衆優先原則)
技術者としての注意する義務(注意義務)
ボイジョリー:後者を選択し、倫理的な技術者のモ
デル
⇒同じような事件で同じ行動をとる事例として有効
工学倫理 第3回
31
討論2
33
3.4 個人尊重の倫理-2
• 倫理では
「人」とされるのは、自分の意思を持ち、自分
のしたことに責任を負う人。
責任を問われないのは、「人」として認められ
ていないことを意味する。
ボイジョリーが、メーソンやルンドと、業務執
行の組織では上下関係にあっても、一人の「人」
であることが前提。
ある とが前提
わが国では科学技術が関わる事故や不祥事が起
きても、マスメディアが技術者の責任をいうこと
はほとんどない。
技術者の社会的地位とは無関係ではない。
技術者が専門職として社会に認められるように
なるための関門である。
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
①臨時取締役会を開催する手続きをとり、その決議に従
①臨時取締役会を開催する手続きをとり
そ 決議に従
う。
②副社長ルンドが技術担当だから、その決定にまかせる
③技術者の意見がまとまらないので、その多数決による
④日ごろ信頼できる技術者を見定め、その意見を尊重す
る。
⑤第三者の学識経験者に依頼し、結論をまとめてもらう
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工学倫理 第3回
3.4 個人尊重の倫理-1
話題になった事件を思い浮かべると、集団思考
が関係しているとみられるものが少なくない。自
分の経験や見聞から集団思考の兆候8項目のどれ
かの例を見つけ、あらすじを述べよう。
工学倫理 第3回
メーソンは階層組織の上位者として、技術問題につい
ても最終的な決定権がある。もしメーソンが文系の人で
技術のことはよくわからないとしたら、この場面の対策
として、つぎのどれが適当か討論しよう。
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• 法では
技術者は「人」として基本的人権をもつ。
日本国憲法が11条や14条で認めて保障
日本で女性の参政権が認められたのは戦後
(1945年の選挙法改正)
女性は、法的に差別され、一人前の人ではな
かった。
人間社会では、一人前の人として認められるか認
められないかが、重要な一線である。
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3.4 個人尊重の倫理-3
• 人を尊重する思想
モラル行為者=特別な人ではなく、普通の人、技術者
カント(18世紀)の思想=人を尊重する倫理
モラル行為者とは、 自分自身に目的がある」人で
モラル行為者とは、「自分自身に目的がある」人で
あって、他人の目的や目標を遂行する単なる手段とし
て扱われてはならない人である。
→組織のなかで、自分自身の目的と組織の目的を両立
させる。
自分を見失わないように、調整しながら生活する。
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3.5 まとめ
3.4 個人尊重の倫理-4
ベンサムなどの功利主義(18世紀末~19世紀初)
最大多数の人々に最大幸福をもたらすことを理
想とする倫理、各個人は全て1人として計算
⇒多数決による意思決定(少数派の個人が無視
される。)
個人尊重と矛盾するものではない。
多数決を正当化する思想
工学倫理 第3回
工学倫理 第3回
37
•
チャレンジャー号事件は、技術者ボイジョリー
に焦点が絞られがちだが、組織のなかの経営者/技
術者の関係など、組織のなかで個人が出会う倫理
問題を学ぶのに適した事例である。
•
いまでは、法のうえでも、人を「人」と認める時
代である。
代
ある
•
カント、ベンサムなどの思想も、われわれの生
活に引きつけて解釈すれば、そのことを教える。
•
技術者が一人の「人」として認められるようにな
ること、そうでなければ技術者の倫理は成り立た
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工学倫理 第3回
ない。
7