病気のフェレットに別れを告げること 家で最後の時を過ごす病気のフェレットに何をしてあげ られますか? ジュリー・フォッサ 2011 年 11 月 1 日 5:00 EDT しるし。それはそこかしこにあります。そして、私たちがどこへ行くのか、何ができて何 ができないかを教えてくれます。道路標識は方向を示し、警告標識は安全を守ってく れます。フェレットもしるしを示し、飼い主が一生の間世話をするよう導いてくれます。 飼い主はそれを読み取り、解釈しなければいけません。 フェレットは年を取るにつれ、身体が変化します。フェレットの動きが遅くなり、あまり 遊ばなくなりよく眠るようになる時、飼い主は皆フェレットが年を取ってきているというし るしを認めることになります。フェレットがその生命の黄昏に達すると、他の細かいし るしが現れます。しるしの認め方を学び、そしてその読み取り方を理解すると、最期の 時が来た時、フェレットの終末期の決定によりよい心の準備ができる助けとなります。 フェレットがもうすぐ逝ってしまうことを受け入れる 飼い主の最初の責任、かつ一番の選択肢は命を守ることです。フェレットが病気の徴 候を見せている時は、どんな時でも獣医に見せるべきです。多くの健康問題が解決で き、QOL が回復します。効果的な痛みの管理を行うことで、多くのフェレットが楽しい 何ヶ月かの命を与えられてきました。投薬を管理すると、フェレットは快適でいられま す。しかし残念ながら、もう何もできずお別れを言わなければならない時がやって来ま す。 すべてのフェレットが同じ速度やパターンで衰えるわけではありません。衰えの理由 が異なるからです。それゆえに、死に関わる目に見える徴候はかなり異なります。し かし、生命が終わりに近づいている共通の特徴には 2、3 の定数があるようです。 外傷的、危機的な状況の他に、フェレットがもう何も口にせず水も飲まなくなるまでに 弱ることがあります。フードや水への興味を失うのは、フェレットが栄養を取る必要が 弱まったか止まってしまったことの最初の徴候です。フェレットがあごを堅く締めてフー ドも水も受け付けないのであれば、無理にあげない方がいいのです。獣医に見せ、緊 急処置が必要か聞いてみましょう。 フェレットはいつもよりずっと長く眠り、または抱かれても嗜眠(*)に傾き反応がないか もしれません。死にゆくフェレットは普通毛布に包まれてもそのまま抱かれていますが、 ほとんどのフェレットはこの姿勢に少しの間しか耐えられないのです。普通フェレット は、痛みを伴わない限り、生命の終わりのこの時点で抱かれることに抵抗しません。 その子が痛がっていたり、嗜眠になったり、触られるのをいやがるようであれば、獣医 の診察が必要です。 (*)強い反応を与えなければ起きない状態 死の過程が始まり、臓器が活動停止を始めると、状況を変えるためにできることはほ とんどありません。こうなると、獣医に同意を求めて下さい。そうすれば、フェレットは あなたといっしょに家で息を引き取ることができます。他に何ができるでしょうか? フェレットの最期の時を快適に この時点で、飼い主にできるのはフェレットを快適にしてあげることです。指先に水を つけて飲ませると、フェレットが水を飲みたくない場合に無理強いせず、口が渇いてい れば何滴か水が飲めます。フェレットを毛布に包んで体温を保ち、心地よくしてあげて ください。こうすることで、フェレットは守られているとも感じるでしょう。 フェレットの息が不規則で浅くなります。肺に水が溜まり始め、「臨終の喉声(*)」とし て知られる状況を引き起こします。心臓と肺の機能は弱まり続け、フェレットの体温は 下がり、青黒い色が口や鼻、肉球、恐らくは舌にも目立つようになるでしょう。 (*)死に際して喉がゴボゴボ、ゴロゴロということ。 この機会に、この最後の瞬間を最大限に活かして、フェレットを抱いてあげてください。 フェレットの可笑しなおふざけや個性的な性格を思い出せば、喪失の痛みも楽になる でしょう。 毛布にくるまれあなたの腕に心地よく抱かれていても、フェレットはトイレに行きたくな るとじっとしていられないことがあります。フェレットは潔癖な動物で、自分のいる場所 で排泄しないようにとても気を払います。フェレットにしたいようにさせ、そしてまた毛 布でくるんで抱っこしてあげると喜ぶでしょう。ある時点で、腎臓が弱って尿の産生が 最小限になります。 経過が続くにつれ、フェレットの神経系は強い衝撃を受けます。周りの状況がどんど ん分からなくなります。目はしなびたように見え、目を瞬きする能力は失われ、同時に 飲み込む能力もなくなります。フェレットはますます弱くなります。 フェレットには死の間際になって、短い間エネルギーを爆発させるものがいて、歩きた がったり少し落ち着きがなくなったりします。これは経過の正常な一部で、フェレットの 状態が改善していることを示すものではありません。 この時点で、フェレットは普通、できる限り飼い主の近くに来ようとします。聴覚は最後 まで(人間では)残ると言われており、フェレットに話しかけることは恐らく双方を安心 させます。多くの飼い主がこの時フェレットに「虹の橋」について語り、旅立ちに祝福を 贈ります。 心臓が止まると、筋肉はすべて緩みます。フェレットの膀胱と腸は空になり、排泄が起 こります。決まった時系列はなく、違う順番で起こることもあります。事態の経過は 1 時 間以内に起こりますが永遠に続くように思われます。辛い時間です。 フェレットが皆飼い主の腕の中で平和で静かに逝くわけではありません。ある病気は けいれんや他の心配な行動を引き起こします。必要のない痛みと苦しみを止めるた め、フェレットを獣医のところに連れて行き、旅立ちを助けてもらうことも必要かもしれ ません。決して簡単な決断ではありませんし、これはいつでも、フェレットの飼い主と 獣医の間のとても個人的な選択なのです。 そうなる前に、あなたのフェレットがいつか安楽死を必要とするかもしれない可能性を 考えておいてください。愛するフェレットが死にゆく時に苦しむのを見るのは、大変な 心の痛手となります。可能な選択肢を前もって調べておいてください。安楽死にはいく つか方法があるからです。どの方法が薦められるか、獣医と相談してください。 フェレットの最期の時に何ができるかが分かれば、お別れを言わなければなら ないときのストレスを小さくすることができます。 (翻訳・文責:吉田博子) 原文: http://www.smallanimalchannel.com/ferrets/ferret-health/saying-goodbye-to-anailing-ferret.aspx
© Copyright 2024 Paperzz