対話型端末の設計

平成28年度 ロボット介護機器開発・導入促進事業(基準策定・評価事業)
「ロボット介護機器開発に関する調査」
ロボットリスト
コミュニケーションロボット名:エーアイセンス(A・Isense)
企業名:株式会社インテリボイス
Ⅰ.実生活での活用法
項
目
と
具
体
的
内
容
・
留
意
点
「概要」
目
標
と
す
る
「
活
動
」
:
本システムは、被介護者の活動と社会参加が向上支援することを目的と
したコミュニケーションロボットです。
特長は、被介護者との直接的なコミュニケーション(音声による対話)
を可能とする対話型ロボットと、活動の低い被介護者(自主的な活動が
困難な方)を対象とした介護支援(日常生活動作の把握と対応)を可能
とする見守り型ロボットとを連動させた新たなコミュニケーションロボ
ットです。
1.音響によるコミュニケーション
・音声(起床時、昼食時、イベント時、夕食時、就寝時、危険動作の予
兆等のお声掛け)と被介護者の日常生活動作(以降 ADL)と介護者の判
断による時間を設定することで、被介護者の活動と社会参加の向上を支
援するお声掛けができます。
例)
「朝一番の起床時(06:00)の挨拶」
→おはようございます。良く眠れましたか?
「危険動作の予兆(離床)検知時(23:13)」
→直ぐにスタッフさんが来るので、ちょっと待っててね
「イベント案内(14:30)」
コミュニケーショ
ン
→○イベントは 15:00 から始まるよ。参加してみようよ
「居室に戻られた時(19:10)」
→お帰りなさい。さびしかったよ
・基本的な言語による対話を行うことができ、会話による癒し効果やス
トレス解消などのメンタルケア分野でのサービスにも活用できます。
・クラウドサーバや外部機器との情報を組み合わせることで、必要とす
る情報を提供できます。(オプション)
例)
「今日は天気が良いので、傘はいらないよ」
2.光(LED ライト)によるコミュニケーション
就寝時の LED 照明モード(起き上がり時、端座位時、離床時、柵越え
時)を設定することで、被介護者の生活動作に合わせた LED 照明が可能
となり、被介護者の精神的支援(リラックス、介護者の訪室予告通知
※)と身体的支援(安心して歩行や行動ができる環境)を実現させま
す。
例)
起き上がり時には、リラックスできる照明
端座位時には、周りが見える程度の照明
離床時には、安全に歩行するために必要な照明
駆け付け予告時には、点滅にて気付かせる照明
※危険動作の予兆検知時に介護者が駆け付けることを知らせる
コ
ミ
ュ
ニ
ケ
ー
シ
ョ
ン
以
外
被
介
護
者
被介護者の危険動作の予兆を早期に介護者が知ることで、危険発生前
に適切な対応(支援)を受けられます。また、被介護者の ADL を把握
できることから被介護者毎に適した介護を受けることができます。
被介護者の危険動作の予兆を早期に介護者が知ることで、危険発生前
介
護
者
に適切な対応(支援)ができます。被介護者の ADL を把握できること
から被介護者毎に適した介護プランを作成することができます。
また、昼夜を問わず被介護者の生活動作を見ることができることか
ら、夜間の睡眠状況を把握することができます。
場所:サービス付き高齢者向け住宅、介護施設
使用する環境
(場所、時、物、人等)
時:終日使用
物:対話型ロボット、見守り型ロボット、無線 AP
人:被介護者、介護従事者、家族
疾患
心身機能
お
こ
り
う
る
マ
イ
ナ
ス
と
対
処
法
被
介
護
者
活動
参加
疾患
心身機能
介
護
者
活動
参加
・聴覚障害者においてはお声掛け・対話が正しく伝わらない可能性があ
ります。
→正しく聞き取れない可能性がある被介護者には使用しない
・重度の認知症患者においてはロボットを破壊する怒れがあります。
→ロボットを破壊する怒れがある被介護者には使用しない
・就寝時の照明による悪影響(ストレス、睡眠妨害等)を受ける可能性
があります。
→悪影響が考えられる被介護者には照明機能は使用しない
・お声掛け・会話による悪影響(ストレス、睡眠妨害等)を受ける可能
性があります。
→悪影響が考えられる被介護者にはお声掛け・対話機能を使用しない
・安心して歩行や行動ができる環境(照明)の提供により、単独での
「できる活動」の回数が増加することによる転倒リスクが増加します。
→生活動作毎のお声掛けにより、駆け付けるまでの時間を稼ぐ
・被介護者の危険動作の予兆を早期に発見して駆け付けるため、被介護
者の自主的な生活動作が低下する可能性があります。
→被介護者の「している活動」を考慮したアシストを行う
・お声掛けにより、被介護者の自主的な生活動作が低下する可能性があ
ります。
→被介護者の「している活動」を考慮したお声掛けを行う
「する活動」を目標とした自主的な生活動作において本機器が装着され
ていない環境(居室)に移動した場合の転倒リスクが高くなる。
→本機器が装着されていない環境での注意ポイントを事前説明する。
なし
なし
・介護者が対処すべき必要性がない(誤報、危険度低い)場合に、介護
者の負荷はむしろ増加してしまう。それによって本来行うべき介護がで
きなくなる
→検知・通知する時に状況判断できる情報(画像・音声)を同時に発信
することで介護者自身が判断できる機能を設ける
被介護者の自主的な生活動作により「している活動」が向上したにも関
わらず、介護支援内容が更新されない可能性がある。
疾患
心身機能
被
介
護
適
応
活動
者
参加
なし
禁忌
適
応
と
禁
忌
疾患
・介護作業が行える程度の疾患
心身機能
・介護作業が行える程度の心身状態
適
介
応
活動
護
参加
者
→被介護者の「している活動」を本機器を用いて常時把握することによ
り、的確な介護支援となるようにする
・認知症(せん妄にもほぼ同様に使用可)
・精神疾患(躁うつ病等)
・知的低下、歩行機能の低下
・精神的ストレスがある
・能動的に通知することが難しい
(判断力、異常通知装置の操作性が低い)
・室内の歩行が不安定
・活動による疾患リスクの高い病状
・人とのコミュニケーションが苦手
社会参加を目標とした自主的な生活動作が行える方
禁忌
・被介護者からの通知を受けた時、能動的に対応(判断力、異常通知装
置の操作、現場への移動)ができる
・被介護者毎の「する活動」を目的とした自主的な生活動作を支援でき
る
・被介護者毎の社会参加を実現させるための「する活動」の設定ができ
る
・介護作業が行えない程度の疾患
・介護作業が行えない程度の心身状態
・被介護者からの通知を受けた時、能動的に対応(判断力、異常通知装
置の操作、現場への移動)ができない
・被介護者の「する活動」を設定できない
Ⅱ.機械としての要件定義
Ⅱ-1.有用性
1.音響的
・基本的な言語による対話を行うことができ、被介護者の言葉を理解し
て音声で返答できます。
・被介護者の生活動作を把握して、日常生活動作と時間に合わせたお声
掛けができます。
主機能
(コミュニ
ケーション
として用い
る手段)
・モバイル端末を用いて被介護者の危険動作の予兆を早期に検知して介
1.ロボットか
らの出力
護者や家族に電子音で通知できます
・被介護者に必要な情報を音声で提供できます
例)「今日は雨が降るから気をつけて。」
・ロボットに必要な情報を音声で提供できます
例)「お腹がすいたよ。充電して。」
2.光学的
被介護者の危険動作の予兆を把握し、動作に合わせた居室の照明を行い
ます。(就寝時)
3.動作・表情
・モバイル端末を用いて介護者や家族は任意に被介護者の生活動作をリ
アルタイム映像として確認することができます。
・被介護者との対話に合わせた動作をロボット自身が行うことができま
す。
4.その他
・モバイル端末を用いて被介護者の危険動作の予兆を早期に検知して介
護者や家族にリアルタイム画像で通知できます
1.音響的
・基本的な言語によるコミュニケーションを行うことができ、被介護者
の言葉を理解することができます。
・被介護者の危険動作の予兆を早期に検知した時の環境音を取得できま
す。
2.ロボットへ
2.光学的
の入力
・被介護者の危険動作の予兆を赤外線を用いた3次元画像として取得で
きます。(昼夜を問わず取得可能)
3.力学的
なし
4.その他
生活動作の3次元画像と環境音は保存することができます
Ⅱ-2.機械としての安全性
1. ウイルス対策ソフトの実装
カメラユニット、サーバーPC、モバイル端末の全てに実装
2. システムアクセス権の適用
セキュリティレベル毎にアクセス権を設定
3. プライバシー保護
情報セキュリティ・
プライバシー
プライバシーに配慮した画像を採用し、データ管理はアクセス権を
制限することで対応(管理者以外はアクセス出来ない)
4. 外部ネットワークを必要としない(クラウド未使用時)
外部ネットワークアクセスを必要としない設計を採用
5. セキュアなクラウド・サービスの活用
クラウド・サービスを活用する場合、VPN 等のセキュリティ保護され
たサービスを使用
最低限の安全の確認試験リスト参照
安全基準への準拠
Ⅱ-3.機器の構造・機構
機
機 構
造
構 ・ 器
の
1.見守り型ロボット
外観と重量
外観:190(H)×190(W)×110(D)mm
重量:1.2Kg
2. 対話型ロボット
外形:280(H)×140(W)×160(D)mm
重量:763g
1. 見守り型ロボット
①本機器を被介護者のベッド周辺の適切な場所に設置(ベッド全体が画
面に入ることが必要)します。(被介護者と要相談)
②本機器のサーバーPC の電源を ON することで本システムが立ち上が
る。(起動中のエラー発生時には、エラー表示して停止することを確
認)
③本機器の初期設定をガイダンスに従って行い、カメラ位置と電子
マット位置設定、予兆動作設定、照明モード設定、モバイル端末の登録
電
気
系
操作・操縦方法
等を行います。
の概要
④本機器の開始ボタンを押下してサービス開始状態(モニター上に状態
を表示)を確認します。
⑤本機器にて設定された動作検知がされた場合、通知が事前登録された
通知用モバイル端末に通知されます。通知解除方法は、画面表示されて
いる解除ボタンを押下する。
⑥本機器を停止させたい場合には、モバイル端末から停止ボタンを押下
することで本機器は停止します。(サーバーPC は稼働中)
2. 対話型ロボット
電源 ON 後、会話やネオスケアとの連動により自動制御
Ⅳ.費用、メンテナンス費用・体制
コミュニケーションロボット(対話・見守り):498,000 円
費用
※サーバーPCとモバイル端末は対象外
見守り型ロボットの供給:ノーリツプレシジョン株式会社
対話型ロボットの供給:ヴイストン株式会社
供給体制
製造組み立て、出荷:三井物産エレクトロニクス株式会社
供給台数:500~1000台可能
費用
機器購入費に含まれる
メンテナンス
体制
保守・サービス:三井物産エレクトロニクス