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要旨集 学生賞セッション(Abstracts of student award)

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学生賞二次審査タイムテーブル
時間
14:15-14:17
発表順 グループ
名前
講演番号
演題名
学生賞班による説明
14:17-15:13
4分発表+2分質疑応答
修士グループA
+1分審査表記入時間
ペットネコにおける有機ハロゲン化合物および水酸化代謝物の汚染実態
1
A
山本恭央
1A-20
2
A
西本慶
3A-01
リン酸エステル系・臭素系難燃剤によるヒトの母乳汚染
3
A
西村亮
3A-02
臭素系難燃剤による室内ダストの汚染とヒトの曝露量評価
4
A
Nishimura Chiya
2C-01
5
A
加藤祐
3D-07
6
A
栗栖美菜子
3B-05
7
A
児玉和子
1B-05
8
A
高口倖暉
1A-07
9
B
松神秀徳
1A-04
と甲状腺ホルモン恒常性への影響
ベトナム、フィリピン、ガーナでのE-waste野焼き土壌における塩素化
および臭素化多環芳香族炭化水素の発生状況
魚介類から同定されたセレン代謝物の生物学的利用能の解析
エアロゾル中の人為起源鉄の著しく低い安定同位体比の検出と 海洋表層
への寄与の評価
LC/MS/MSによる尿中パラベン抱合体の探索と同定に関する研究
ポリ塩化ビフェニル(PCBs)を曝露したイヌの脳プロテオーム解析に
よる毒性影響評価
ベトナム北部におけるE-wasteのリサイクル作業に伴う難燃剤の環境排
出実態調査(第三報)
Screening and analysis of 940 organic micro-pollutants in
10
B
Duong Thi Hanh
1C-02
groundwaters in Hanoi and Hochiminh City, Vietnam (ハノイおよ
びホーチミン市の地下水に含まれる半揮発性化学物質940種の網羅分析)
11
15:15-16:04
4分発表+2分質疑応答
博士
+1分審査表記入時間
B
後藤哲智
2B-07
GC×GC-HRTOFMSによるハロゲン化ジフェニルエーテル類の網羅的
スクリーニング
Development of a comprehensive analytical method of polar
12
B
Chau Thi Cam Hong
2C-04
organic pollutants in water samples by liquid chromatographytime of flight-mass spectrometry(LC/TOF-MSを用いて水試料中
の極性有機化合物の網羅分析法の開発)
16:06-17:02
4分発表+2分質疑応答
修士グループB
+1分審査表記入時間
Concentrations of polycyclic aromatic hydrocarbon metabolites
13
B
Bortey-Sam Netsa
1C-09
14
B
三保紗織
3C-04
河川水中におけるPRTR対象物質および生態毒性物質の検出
15
B
明本靖広
2B-05
土壌中からの塩類除去のための動電的手法の適用
16
C
前田佳貴
2C-07
有明海河口域における有機フッ素化合物の食物連鎖蓄積の評価
17
C
根岸純也
2C-06
18
C
妹尾結衣
3B-03
19
C
西川博之
2A-01
PCBs代謝物によるアメリカアリゲーターの汚染実態
20
C
久米伊万里
1B-03
遊離型甲状腺ホルモンの高精度機器分析法の開発
21
C
元木一貴
2A-02
瀬戸内海のスナメリに残留する有機ハロゲン化合物の網羅分析
22
C
武田一貴
3A-07
野生齧歯類におけるワルファリン抵抗性獲得機序の解明
23
C
芳之内結加
1A-11
(OH-PAHs) in domestic animal in Kumasi, Ghana
ペルフルオロアルキル酸類前駆体総量の定量に対するOHラジカルスカ
ベンジャーの影響
固体捕集 / 二段階溶出法を用いる第二世代電子タバコから発生する化学
物質の分析
バイカルアザラシ エストロゲン受容体を介したビスフェノール類による
アンタゴニスト作用の評価
1A-20
第 24 回環境化学討論会,山本㻌
恭央,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,山本
恭央,口頭発表(札幌;2015年)
ペットネコにおける有機ハロゲン化合物および水酸化代謝物の汚染実態と甲状腺
ホルモン恒常性への影響
○山本恭央1, 野見山桂1, 水川葉月2, 滝口満喜2, 石塚真由美2, 国末達也1, 田辺信介1
(1; 愛媛大・沿環研セ,
2
;北海道大・院・獣)
【はじめに】
有機ハロゲン化合物のポリ塩化ビフェニル(PCBs)および電子・電気機器やプラスチック製品に含
まれる難燃剤のポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)は、難分解性、生物蓄積性を有し、発がん
性、内分泌撹乱性などの毒性を示すことが知られている。これらの有害物質は環境や野生生物、ヒト
から広く検出されており、その曝露リスクが懸念されている。なかでもヒトと生活圏を共有するペッ
ト動物は、これら化学物質の恒常的な曝露を受けていると考えられる。
米国の先行研究において、ペットのネコ血中から高濃度の PBDEs が検出され、増加する甲状腺機能
亢進症との関連性が疑われている 1)。近年の研究では、甲状腺機能の撹乱には PCBs, PBDEs が体内に
吸収された後に生成する水酸化代謝物(OH-PCBs, OH-PBDEs)の関与も強く疑われている 2,3)。しかし、
ペットネコの化学物質汚染に関する国内の研究事例は極めて少ない。
これら水酸化代謝物の一部は甲状腺ホルモン(THs)と構造が類似しているため、血中で甲状腺ホ
ルモン輸送タンパクに競合結合し、THs の恒常性を撹乱することが示唆されている。したがって、ペ
ット血中 THs の分析は重要な課題であるが、現在の臨床試験において一般的に用いられている
radioimmunoassay (RIA)や electrochemiluminecent immunoassay (ECLIA)などの免疫測定法では、抗体の特
異性による異常値の出現が指摘されており、ヒト以外の動物における分析精度が疑問視されている 4)。
そのため、ペットの THs 濃度を高精度で分析した報告はほとんどなく、THs の恒常性に対する化学物
質の影響を調査した研究事例は皆無である。
本研究では、わが国におけるペットネコの有機ハロゲン化合物およびその水酸化代謝物の汚染実態
解明と甲状腺ホルモンへ及ぼす影響を明らかにするため、ネコ血清中 PCBs, PBDEs, OH-PCBs,
OH-PBDEs, MeO-PBDEs およびブロモフェノール(BPhs)を分析するとともに、液体クロマトグラフ
タンデム質量分析計(LC-MS/MS)を用いて甲状腺ホルモンを高精度で測定し、有機ハロゲン化合物が
甲状腺ホルモンの恒常性に及ぼす影響について検証した。
【方法】
2012-2014 年に日本の動物病院で採取したペットネコの血清 47 検体(オス n = 24、メス n = 9 不明 n
= 14)を分析に供試した。試料は分析時まで、-25°C で冷凍保存した。化学分析は既報に従い 5)、血清
0.5 g に 6 M HCl, 2-propanol, 50% methyl t-butyl ether(MTBE)/ hexane を加え、変性・抽出後、KOH 分
配により有機層に PCBs, PBDEs, MeO-PBDEs、水層に OH-PCBs, OH-PBDEs, BPhs を分離した。有機層
は活性化シリカゲルカラムと GPC でクリーンアップ後、GC/MS(JEOL MS800D)で定性・定量した。
水層は 50 % MTBE / ヘキサンで再抽出し、トリメチルシリルジアゾメタンで誘導体化後、活性化シリ
カゲルカラムでクリーンアップし、GC/MS で定性・定量した。対象物質は、PCBs 56 異性体、OH-PCBs
52 異性体、PBDEs 11 異性体、OH-PBDEs 24 異性体、MeO-PBDEs 24 異性、BPhs 10 異性体とした。
THs 分析は既報に従い 6)、LC-MS/MS (AB SCIEX QTRAP 5500)で定性・定量した。対象 THs は、
L-thyroxine (T4), 3,5,3'-triiodo-L-thyronine (T3), 3,3',5'-triiodo-L-thyronine (rT3), 3,3'-L-diiodo-L-thyronine
(3,3'-T2), 3,5-diiodo-L-thyronine (3,5-T2) , 3-iodo-L-thyronine (3-T1)とした。
Contamination status of organohalogen compounds and their hydroxylated metabolites in pet cats: effects
on thyroid hormones homeostasis
○Yasuo Yamamoto1, Kei Nomiyama1, Hazuki Mizukawa2, Mistuyoshi Takiguchi2, Mayumi Ishizuka2, Tatsuya
Kunisue1, and Shinsuke Tanabe1
1
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, Bunkyo-cho 2-5, Matsuyama 790-8577
2
Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University.
第 24 回環境化学討論会,山本㻌
恭央,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,山本
恭央,口頭発表(札幌;2015年)
Conc. (pg/g)
【結果と考察】
300
有機ハロゲン化合物の汚染実態:
10000
104
250
Maximum
分析したすべてのペットネコ血清か
200
75th percentile
150
Median
ら PCBs, OH-PCBs, PBDEs, OH-PBDEs,
100
1000
25th percentile
103
および BPhs が検出された。各有機ハロ
50
Minimum
0
ゲン化合物濃度(pg/g wet wt. ; 中央値)
1
2
3
1002
10
は、PCBs:350 pg/g(52 ~ 5200 pg/g)
、
OH-PCBs:270 pg/g(71 ~ 800 pg/g)
、
101
10
PBDEs:680 pg/g(27 ~ 7600 pg/g)、
PCBs OH-PCBs PBDEs OH-PBDEs BPhs
OH-PBDEs:550 pg/g(14 ~ 4600 pg/g)
、
Fig. 1. Concentrations of organohalogen compounds and their metabolites in pet
BPhs:300 pg/g(2.4 ~ 4500 pg/g)であ
cat serum.
り、PBDEs が最も高値を示した(Fig. 1)。
PBDEs の異性体組成に注目すると、Deca-BDE が全体の 6 割以上を占めていた。日本における PBDEs
製剤の使用は Deca 製剤が主体であり、キャットフード 7)やハウスダスト 8)も同様の組成を示している
ことから、ペットネコに対する Deca 製剤の影響が推察される。
甲状腺ホルモンへの影響:
Table 1. Spearman’s rank-correlation coefficients between concentrations
T4 は分析したすべてのネコ血清から検
of THs and organohalogen compounds in pet cat serum.
出され、T3, rT3 は 95 %の個体から検出され
Compounds
T4
T3
rT3
T3/T4
た。一方、T2, T1 はほとんどの試料で検出限
PCB
㻙㻜㻚㻝㻜㻌
㻙㻜㻚㻟㻝㻌
㻙㻜㻚㻟㻟㻌*
㻙㻜㻚㻟㻠㻌*
界以下であった。各 THs 濃度(ng/g wet wt. ;
α
High OH-PCBs
㻙㻜㻚㻞㻞㻌
㻙㻜㻚㻞㻟㻌
㻙㻜㻚㻟㻤㻌*
㻙㻜㻚㻜㻥㻌
、
中央値)は、T4:17 ng/g(2.8 ~ 34 ng/g)
**
**
**
PBDEs
㻙㻜㻚㻢㻝㻌
㻙㻜㻚㻡㻤㻌
㻙㻜㻚㻠㻡㻌
㻙㻜㻚㻝㻥㻌
、rT3:0.15 ng/g
T3:0.15 ng/g(0.0 ~ 0.45 ng/g)
OH-PBDEs
㻜㻚㻜㻜㻌
㻙㻜㻚㻝㻟㻌
㻙㻜㻚㻞㻝㻌
㻙㻜㻚㻞㻟㻌
(0.0 ~ 0.52 ng/g)であった。
PentaBPh
㻙㻜㻚㻟㻢㻌*
㻙㻜㻚㻜㻠㻌
㻜㻚㻞㻣㻌
㻙㻜㻚㻞㻢㻌
THs と各有機ハロゲン化合物濃度の関係
* p < 0.05, ** p < 0.01.
α
を、スピアマンの順位相関で検定した結果
High OH-PCBs : represent the total levels of hexa-, hepta-, octa- OH-PCBs.
(Table 1)
、PCBs は rT3 および T3/T4 と負の
相関(p < 0.05)を示した。OH-PCBs は高塩素化体において、rT3 と負の相関(p < 0.05)を示した。ま
。一方、天然起源のハロゲン化
た、PBDEs は T4, T3, rT3 との間に強い負の相関関係を示した(p < 0.01)
5)
フェノール類であり 、ペットフードからの高曝露が指摘されている OH-PBDEs は、THs との有意な
相関関係がみられなかった。BPhs はペンタブロモフェノール(PBPh)と T4 の間に負の相関関係がみ
られた(p < 0.05)
。
PBDEs
本研究において、最も THs への影響が顕著にみられた
Inhibition ?
T3
PBDEs の作用機序を推測すると(Fig. 2)
、T3 と rT3 は T4 の
脱ヨウ素化によって生成されるホルモンであることから
9)
、
PBDEs が甲状腺における T4 の生成を阻害したことで、T3
および rT3 の血中レベルも低下したことが示唆された。
また、複数の有機ハロゲン化合物が rT3 と有意な負の相
Tyrosine
Thyroid
with TPO
T4
(↓)
Liver
with deiodinase
(↓)
rT3
(↓)
Fig. 2. Proposed pathway of the disruptions of THs
homeostasis by the PBDEs. *In parenthesis indicates
effect on THs.
関関係を示した。rT3 はホルモン活性をもたないが、肝臓において過剰に生成した T4 の量を調節する働
きを担っている。このことから有機ハロゲン化合物による rT3 の撹乱が、THs の恒常性に影響を及ぼす
ことが懸念された。しかしながら、本研究では化学物質ごとに相関関係がみられた THs が異なること
から、化学物質ごとの作用点も異なることが予想される。本研究のように、化学物質と rT3 の関係を評
価した報告は極めて少ないため 10)、今後より詳細な影響評価が求められる。
【参考文献】
1) Dye et al., 2007, Environ. Sci. Technol. 41, 6350-6356; 2) Purkey et al., 2004, Chem.& Biol.11, 1719–1728; 3) Hamers et al., 2006, Toxicol. Sci.
92, 157–173; 4) Kunisue et al., 2011, Environ. Sci. Technol. 45, 10140–10147; 5) Mizukawa et al., 2013, Environ. Pollut. 174,28-37; 6) Kunisue et
al., 2011, Arch. Environ. Contam. Toxicol. 61, 151-158; 7) 水川博士論文 2013; 8) Takigami et al., 2009, Chemosphere76, 270–277; 9) Larsen
and Zavacki., 2012, Eur. Thyroid J. 1, 232-242; 10) Nomiyama et al., 2014, Environ. Sci. Technol. 48, 13530–13539.
3A-01
第  回環境化学討論会,西本
慶,口頭発表(札幌;
年)
第24回環境化学討論会,西本
慶,口頭発表(札幌;2015年)
リン酸エステル系・臭素系難燃剤によるヒトの
リン酸エステル系・臭素系難燃剤によるヒトの母乳汚染
○西本 慶 1,磯部友彦 2,田辺信介 1, 国末達也 1
(1 愛媛大・沿環研セ, 2 国環研・環境健康セ)
【はじめに】
リン酸エステル系難燃剤 (PFRs) は、樹脂製品や繊維製品に防燃性を付与する目的で添加される化学
物質であり、世界で年間 30 万トンが生産されている(1)。2009 年にポリ臭素化ジフェニルエーテル
(PBDEs) 製剤の一部が、2013 年にヘキサブロモシクロドデカン(HBCDs) が、残留性有機汚染物質
(POPs) に関するストックホルム条約登録物質に指定されるなど、臭素系難燃剤 (BFRs) の生産・使用
の規制が進行している。これらの規制に伴い、BFRs の代替物質として PFRs の使用量が近年増加して
おり、環境影響や曝露リスクが危惧されている。Fujii ら(2)は、2005~2006 年に北海道と沖縄で採集し
た母乳中の PBDEs レベルを報告したが、今なお使用が継続している Deca 製剤の主成分 BDE-209 を含
む高臭素化体は未測定である。また、HBCDs や PFRs によるヒト曝露の実態もほとんど理解されてお
らず、わが国におけるヒト母乳汚染の調査研究例は存在しない。そこで本研究では、2009~2014 年に
採集したヒト母乳を対象に BFRs と PFRs を分析し、日本人の曝露実態を解明するとともに乳児のリス
ク評価を試みた。また、愛媛大学の生物環境試料バンク(es-BANK) に保存されていた 1999 年の母乳試
料を分析し、これら難燃剤による汚染レベルの変動を解析した。
【試料と方法】
試料と方法】
2009~2014 年に北海道・福島県・茨城県・東京都・千葉県・神奈川県・愛知県・兵庫県・徳島県・
高知県・愛媛県在住者からインフォームドコンセントを得て、母乳 20 試料を採集した。また、1999
年に採集され es-BANK に-25◦C で保存されていた愛媛県在住者の母乳 6 試料も化学分析に供試した。
母乳試料 50 g を凍結乾燥し、ヘキサン/アセトン (1:1) 溶媒を用いて高速加熱溶媒抽出装置で抽出し
た。BFRs と PCBs 分析用に試料重量 20 g に相当する抽出液を分取し、ゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC) および活性シリカゲルカラムで精製した。PFRs 分析用には試料重量 5 g に相当する抽出液を分
取し、GPC および 5 %含水シリカゲルで精製した。PBDEs と PCBs はガスクログラフ-質量分析計
(GC-MS)で、HBCDs と PFRs は超高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計 (UHPLC-MS/MS) で
定性・定量した。
【結果と考察】
2009~2014 年に採集した母乳試料すべてから BFRs と PFRs が検出され、その濃度順位は PFRs (中央
値:19.1 ng/g lipid wt) ≒ HBCDs (19 ng/g lipid wt) > PBDEs (2.2 ng/g lipid wt) であった(Fig.1)。
また、
PFRs
Contamination status of organophosphorus- and brominated-flame retardants in human breast milk from Japan
Kei Nishimoto1, Tomohiko Isobe2, Shinsuke Tanabe1, Tatsuya Kunisue1 ,
1. Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, Bunkyo-cho 2-5, Matsuyama
790-8577,
Japan.,
2. Center for Environmental Health Science, National Institute for Environmental Studies, 16-2 Onogawa, Tsukuba
305-8506, Japan.
第  回環境化学討論会,西本
慶,口頭発表(札幌;
年)
第24回環境化学討論会,西本
慶,口頭発表(札幌;2015年)
および HBCDs 濃度の中央値は PCBs (8.0 ng/g lipid wt)より高値を示
PFRs
し、これら難燃剤による近年の曝露が示唆された。
PBDEs の異性体組成に注目すると、BDE-209 が 60%以上を占め
ており、次いで BDE-184 が高い割合で検出された(Fig.2)。この結果
は、すでに Penta-および Octa-製剤の生産・使用がそれぞれ 1991 年
HBCDs
PBDEs
と 2000 年に中止されている一方で、BDE-209 が主成分である Deca
PCBs
製剤は未だ規制されておらず、使用が継続しているためと考えられ
10
10
る。HBCDs では、α-HBCD が主要異性体として母乳から検出され、
10 1
100
10 2
1,000
10 3
Concentration (ng/g lipid w t)
Fig. 1. Concentrations of PFRs, HBCDs ,
製剤の主成分である γ-HBCDs の割合は約 20%であった(Fig.2)。
PBDEs and PCBs
α-HBCD は生体内で安定であることが報告されており(3)、ヒト体内
に蓄積されやすいため、母乳へ移行しているものと考えられる。実
BDE47
際に、我々の研究グループは、日本人の脂肪組織に蓄積していた
HBCDs の 99%が α-HBCD であったことをすでに見出している(4)。
PFRs の 化 合 物 組 成 に 着 目 す る と 、 TBOEP (Tris-[2-butoxyethyl]
phosphate) が最も高い割合で検出された(Fig.2)。このことから、相
BDE153
BDE184
BDE209
PBDEs
α-HBCD
β-HBCD
γ-HBCD
HBCDs
(Log KOW 4.38)は近年の曝露があり、
対的に脂溶性が高い TBOEP
TNBP
母乳へ移行したものと推察された。
1999 年に採集した母乳中 BFRs および PFRs 濃度と比較したとこ
ろ(Fig.3)、統計的な有意差は認められないが、PFRs と HBCDs 濃度
TBOEP
TMPP
その他
PFRs
0
は 2009-2014 年に採集した母乳中レベルは高い傾向を示した。一方、
TPHP
20
40
60
Composition (%)
80
100
Fig. 2. Composition of PBDEs, HBCDs and PFRs
in human breast milk from Japan
PCBs 濃度は 1999 年に比べ 2009~2014 年の母乳で有意に低値であ
った。これらの結果は、2013 年に POPs 条約の登録物質に指定された HBCDs や規制対象外である PFRs
のヒト曝露量が 1999 年以降増加したことを暗示している。とくに PFR 化合物の中で、TBOEP 濃度は
1999 年に比べ 2009~2014 年の母乳で有意に高値を示しており(Fig.4)、組成割合も高かったことを考慮
すると(Fig.2)、
近年の曝露が強く示唆された。
TBOEP は主に木造建築の床研磨剤に添加されており(5)、
室内ダスト等を介したヒトへの曝露量が増大している可能性がある。
2009~2014 年の母乳から検出された BFRs と PFRs 濃度を用いて乳児の一日取込量を見積もったとこ
ろ、
PBDEs と HBCDs は WHO が定めた RfD 値より低値を示した。
しかしながら、
PFR 化合物の中で TBOEP
は一検体の母乳で RfD に匹敵する値が認められ、乳児の健康影響に関するさらなる調査が必要と考えら
れた。
1999
2009-2014
*
10 2
10 1
10 0
1999
10 3
Concentration (ng/g lipid w t)
Concentration (ng/g lipid w t)
10 3
2009-2014
*
10 2
10 1
10 0
10 -1
PFRs
HBCDs
PCBa
PCBs
PBDEs
Fig. 3. Comparison of concentrations of PFRs, PBDEs, HBCDs and PCBs
in Japanese breast milk collected in 1999 and 2009-2014
TEP
TNBP
TPEP
TPHP
TPP
EHDPP TBOEP TMPP
Fig. 4. Comparison of concentrations of PFR compounds in Japanese
breast milk collected in 1999 and 2009-2014
【参考文献】
(1)Frame Retardants Online (2012) http://www.flameretardants-online.com
(2)Fujii, Y. et al., Environ. Pollut. 162, 269–274 (2012).
(3)
(4)Isobe, T. et al., Environ. Chem. 6, 328-333 (2009).
(5)Wei, G.-L. et al. Environ. Pollut. 196C, 29–46 (2014).
TCEP
3A-02
第 24 回環境化学討論会,西村亮,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,西村 亮,口頭発表(札幌;2015年)
臭素系難燃剤による室内ダストの汚染とヒトの曝露量評価
○西村亮 1,Nguyen Minh Tue1,田辺信介 1,国末達也 1
(1 愛媛大学・沿岸環境科学研究センター)
【はじめに】
臭素系難燃剤(BFRs)のポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)やヘキサブロモシクロドデカン
(HBCDs)は、電気・電子機器や繊維製品、建材などに防燃目的で使用されてきたが、近年、その環
境残留性・生物蓄積性・毒性からストックホルム条約(POPs 条約)の対象物質として追加登録された。
しかしながら、これら BFRs を含む上記製品は未だ大量に流通・使用されており、室内汚染やヒトへ
の影響が危惧されている。また、規制された PBDE や HBCD 製剤の代替物質として、ビストリブロ
モフェノキシエタン(BTBPE)とデカブロモジフェニルエタン(DBDPE)が使用されているが、こ
れら物質による環境・室内汚染や毒性に関する情報はきわめて限定的である。ヒトに対するこれら
BFRs の主要な曝露経路は室内ダストであるが 1)、わが国では室内ダストの BFRs 汚染に関する報告例
は少なく、住居の築年数や生活様式等を考慮した解析もおこなわれていない。そこで本研究では、室内
ダストの PBDEs、HBCDs、BTBPE、DBDPE 濃度を測定し、汚染実態の解明、生活様式等による濃
度変化の解析、そしてヒトの曝露量評価を試みた。
【試料と方法】
2014 年に、愛媛県松山市在住者の家屋から室内ダスト(n =31)を採取し、250 µm メッシュで篩別
したダスト 2.5 g を化学分析に供試した。
高速溶媒抽出装置による抽出と硫酸処理後、多層および活性シリカゲルカラムで精製・分画した。
PBDEs、DBDPE、BTBPE は GC(Agilent 7890A)-MS(Agilent 5975C)で、HBCDs は LC(Waters
2795)-MS/MS(Waters Quattro micro)で定性・定量した。
本研究では、試料提供者から生活様式等に関する情報を得て、各種パラメーターによる室内ダスト
中 BFRs 濃度の変化を統計的に解析した。
【結果と考察】
分析の結果、すべての試料から DBDPE(中央値:0.58 µg/g, 範囲:0.14-1.2 µg/g)
、PBDEs(0.52
µg/g, 0.11-7.6 µg/g)
、HBCDs(0.15 µg/g, 0.056-4.2 µg/g)が、また約半数の 15 試料から BTBPE(ND0.016 µg/g)が検出された(図 1)
。代替物質である DBDPE のダスト中濃度は、PBDEs レベルに匹敵
していたことから、日本国内における DBDPE の代替化の進行が示唆された。一方、BTBPE は検出頻
度に加え、検出濃度も相対的に低く、日本での代替化は進んでいないと考えられた。
中国 2)、米国 3-4)、ベルギー5)で分析されたデータと比較したところ(図 1)
、本研究のダスト中 DBDPE
濃度は、使用量の多い中国のデータと同レベルであり、欧米より数倍高値を示した。このことから、日
本や中国などアジアの先進・新興国では、欧米に比べ相対的に DBDPE の代替が進んでいるものと推
Contamination status of brominated flame retardants in house dust from Japan and risk
assessment for humans
Ryo Nishimura, Nguyen Minh Tue, Shinsuke Tanabe, Tatsuya Kunisue
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho,
Matsuyama, Ehime 790-8577, Japan
第 24 回環境化学討論会,西村亮,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,西村 亮,口頭発表(札幌;2015年)
10000
4
10
DBDPE
PBDEs
HBCDs
BTBPE
本 中 米 ベ
研 国 国 ル
究 2) 4) ギ
ー
本 中 米 ベ
研 国 国 ル
究 2) 3) ギ
ー
本 中 米 ベ
研 国 国 ル
究 2) 3) ギ
ー
5)
5)
5)
濃度 (ng/g)
1000
3
10
101002
10101
10 01
NA
本 中 米 ベ
研 国 国 ル
究 2) 3) ギ
ー
5)
図1. 室内ダスト中BFRs濃度の国際比較
NA: Not analyzed
4.0
log [HBCDs]
r = -0.3043
p = 0.0249
取込量 (ng/kg bw/day)
察された。一方、各国の室内ダスト中 BTBPE
濃度は相対的に低値を示し、BTBPE の代替
化はほとんど進展していないと考えられた。
PBDEs の同族体組成に着目すると、本研
究で分析したすべての試料において 10 臭素
化体(DecaBDE)が 90%以上を占めていた。
これは、デカ製剤が PBDE 製剤の主流として
使用されたことが反映されたものと推察され
る。HBCDs のダスト中残留組成は、α体とγ
体がそれぞれ 50%と 40%を占めていた。
HBCD 製剤中ではγ体が卓越しているが、自
然光によるγ体からα体への異性化が報告
されていることから 6)、主要異性体としてα
体が検出されたものと推測される。
試料提供者のアンケートによって得られ
た生活様式のパラメーターと室内ダスト中
BFRs 濃度の関係を解析したところ、住居の
築年数が短いほどダスト中 HBCDs 濃度は高
い傾向を示した(図 2)
。HBCDs は主に建材
の断熱材に使用されており 7)、最近の建材ほ
ど HBCDs を多量に使用している可能性があ
る。
ヒトに対する室内ダストを介した BFRs
曝露の健康影響を評価するため、本研究で
検出された BFRs 濃度から成人と乳幼児の
推定一日取込量を見積もり、EPA が提唱し
ている健康参照用量(RfD)と比較した(図
3)。その結果、乳幼児のダストを介した
BFR 取込量は成人に比べ 1 桁高値を示した
が、すべての BFR 化合物において RfD よ
り数桁低値であり、現状のダスト中 BFRs
曝露によるリスクは低いと考えられた。
3.0
2.0
1.0
0
10
20
30
40
築年数 (年)
図2. 室内ダスト中HBCDs濃度と住居の築年数との関係
10 6
RfD
RfD
RfD
RfD
10 4
10 2
10 0
10‐2
ND
成人 乳幼児
DBDPE
成人 乳幼児
PBDEs
成人 乳幼児
HBCDs
成人 乳幼児
BTBPE
図3. 室内ダストを介したBFRsの推定一日取込量
【結論】
2014 年に採取した室内ダストの BFRs 濃度を測定した結果、代替難燃剤である DBDPE は PBDEs
と同レベルであったことから、国内における DBDPE の代替化が示唆された。また、HBCDs 濃度は築
年数が短い家屋のダストで高い傾向を示し、最近の建材ほど HBCDs を多量に使用していることが推
察された。検出された BFRs 濃度から見積もったダストを介した一日取込量は、RfD より低値であっ
たが、代替物質の汚染は今後進行する可能性があり、継続的なモニタリング調査が必要である。
【参考文献】
1) Samara et al., 2012, Environmental Pollution, 169, 217-229; 2) Jing et al., 2011, Environmental Pollution, 159,
3706–3713; 3) Stapleton et al., 2008, Environ. Sci. Technol., 42, 6910-6916; 4) Paura et al., 2013, Science of The
Total Environment, 15, 177-184; 5)van der Eede et al., 2012, Talanta, 89, 292-300; 6)Covaci et al., 2006,
Environ. Sci. Technol., 40, 3679-3688; 7) Managaki et al., 2009, Organohalogen Compound, 71, 2471-2476
2C-01
第 24 回環境化学討論会,西村智椰,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,西村 智椰,口頭発表(札幌;2015年)
ベトナム、フィリピン、ガーナでの E-waste 野焼き土壌における塩素化および臭素化
多環芳香族炭化水素の発生状況
○西村智椰 1, 堀井勇一 2, 川西理史 1, 田中周平 1, 阿草哲郎 3, 板井啓明 3, 鈴木剛 4,
Nguyen M. Tue3, Kwadwo A. Asante5, Florencio C. Ballesteros Jr.6, Pham H. Viet7, 高岡昌輝
, 高橋真 3, 田辺信介 3, 滝上英孝 4, 藤森崇 1
1
(1 京都大,2 埼玉環科国セ,3 愛媛大, 4 国環研, 5CSIR Water Research Institute, 6 フィリピ
ン大ディリマン校, 7 ハノイ理科大)
【はじめに】
多環芳香族炭化水素(PAHs)は燃焼に伴い非意図的に生成し、一部が発がん性や変異原性を示し大気
汚染防止法の優先取組物質に指定されている。水素がハロゲンに置換された塩素化および臭素化
PAHs(Cl/BrPAHs)は、PAHs 以上に生体内蓄積性・環境残留性および発がん性・変異原性を有し 1),2)、新
規残留性汚染物質候補とされている。廃電気・電子製品(E-waste)野焼き土壌中ダイオキシン類以外の
有機塩素化合物の存在示唆
3)や、ダイオキシン類以上の高濃度が報告されている
PAHs4)等の先行研究
から、E-waste 野焼き土壌における Cl/BrPAHs の生成・汚染が懸念される。大気中や、廃棄物処理施設
の排ガス・焼却灰中 Cl/BrPAHs 濃度の報告はあるが 5)、E-waste 野焼き土壌における報告例はない。本
研究では、ベトナム、フィリピン、ガーナの E-waste 野焼き土壌に着目し、土壌中の Cl/BrPAHs による
汚染実態を明らかにすることを目的とした。
【方法】
試料:E-waste 野焼き跡地の表層土壌を以下「野焼き土壌」とする。2011
年に対照土壌としてベトナム北部 Hung Yung 省 Duong Quang で 1 地点(VN-1)
を採取し、
野焼き土壌を同年にベトナム同省の Bui Dau で 2 地点(VN-2, VN-3)、
2010 年にフィリピン北部 Caloocan の Marilao 川土手で 2 地点(PHI-1, PHI-2)、
2013 年にガーナ南部 Accra の Agbogbloshie で 2 地点(GH-1, GH-2)採取した。
これら土壌試料は分析まで冷暗所に保存した。
前処理および分析方法:本研究では 26 種の ClPAHs、14 種の BrPAHs、15
種の PAHs を分析した。
対象とした PAHs、
Cl/BrPAHs の親 PAHs の略称を Table
1 に示した。Cl/BrPAHs は先行研究 5)に基づき前処理を行い GC/MS で、PAHs
は先行研究 6)に基づき前処理後 HPLC/FL で分析した。
Table 1. Target PAHs.
Abbreviation of PAHs
Nap Naphthalene
Ace Acenaphthene
Fle Fluorene
Phe Phenanthrene
Ant Anthracene
Flu Fluoranthene
Pyr Pyrene
Chr Chrysene
BaA Benzo[a ]anthracene
Benzo[b ]fluoranthene
BbkF
Benzo[k ]flooranthene
BaP Benzo[a ]pyrene
DA Dibenz[a,h ]anthracene
IP Indeno[1,2,3-cd ]pyrene
BP Benzo[g,h,i ]perylene
【結果と考察】
総濃度:各土壌における 26 種の ClPAHs 総濃度(ΣClPAHs)、14 種の BrPAHs 総濃度(ΣBrPAHs)、15 種
の PAHs の総濃度(ΣPAHs)を Fig.1a に示す。E-waste 野焼き土壌は総じて ΣPAHs > ΣClPAHs > ΣBrPAHs
Concentrations and distribution patterns of chlorinated and brominated polycyclic aromatic
hydrocarbons in e-waste open burning soils in Vietnam, the Philippines, and Ghana
Chiya Nishimura1, Yuichi Horii2, Satoshi Kawanishi 1, Shuhei Tanaka1, Tetsuro Agusa3, Takaaki Itai3, Go
Suzuki4, Nguyen M. Tue3, Kwadwo A. Asante5, Florencio C. Ballesteros Jr.6, Pham H. Viet7, Masaki Takaoka1,
Shin Takahashi3, Shinsuke Tanabe3, Hidetaka Takigami4, Takashi Fujimori1,* (1Kyoto Univ., 2Center for
Environ. Sci. in Saitama, 3Ehime Univ., 4NIES, 5CSIR Water Research Institute, 6Univ. of the Philippines,
Diliman, 7Hanoi Univ. of Sci.)
*Kyoto University, Katsura, Nishikyo-ku, 615-8540, Kyoto, Japan. E-mail: [email protected]
第24回環境化学討論会,西村 智椰,口頭発表(札幌;2015年)
第 24 回環境化学討論会,西村智椰,口頭発表(札幌;2015
年)
(a)
100000
105
の傾向にあり、対照土壌と桁違いの高値、
かつ、
倍以上)、
フィリピンで 110~250 ng/g(1 千倍以上)、
ベトナムで最も高く 1200~2800 ng/g(1 万倍以上)
であった。E-waste 関連試料 および廃棄物焼却
7)
国の野焼き土壌では 5.8~530 ng/g であり、廃棄
5)
物焼却灰 と同等以上の値であった。ΣPAHs は
VN-1 で 30 ng/g、 3 カ国の野焼き土壌で は
480~7100 ng/g で あ り 、 GH-1 を 除 き 中 国 の
E-waste 野焼き土壌 と同等の値であった。
4)
性体 i に関して BaP に対する毒性係数 REP BaP, i1)
と濃度値 Ci を用い、
毒性等量(TEQ)値を求めた。
10
5100000
100000
100000
10
410000
10000
10000
10
31000
1000
1000
10
1001002100
10
10
10
10 10 10
11
1 1 1
0.10
0 0 0
0.01
1.00
1.00
0
1.00
0 10 0
(b)
100%
100%
100%
100
90%
90%
90%
80
80%
80%
80%
70%
70%
70%
60%
60%
60%
60
50%
50%
50%
40%
40%
40%
40
30%
30%
30%
20%
20%
20%
20
10%
10%
10%
0
0%0%0%
毒性等量:17 種の ClPAHs、9 種の BrPAHs 異
ΣClPAHs(Conc.)
ΣPAHs
(TEQ)
1002
10
Composition (%)
った。ΣBrPAHs は VN-1 では検出されず、3 カ
Concentration (ng/g)
ΣClPAHs は、ガーナで 21~29 ng/g(VN-1 の 200
灰
ΣPAHs
(Conc.)
1000
103
ΣBrPAHs ΣBrPAHs
(TEQ)
(Conc.)
TEQ (pg-TEQ/g)
各国固有の濃度範囲を示した。野焼き土壌中
5)と比較すると同等もしくは上回る濃度であ
ΣClPAHs(TEQ)
10000
104
1
0.1
0.01
IP
BbkF
BP
DA
BaP
BaA
Chr
Pyr
Flu
Fle
Ace
Nap
Ant
Phe
GH-2
PHI-2
GH-1
PHI-1
VN-3
VN-1
VN-1
VN-2
VN-1 VN-2
VN-2 VN-3
VN-3 GH-1
GH-1 GH-2
GH-2 PHI-1
PHI-1 PHI-2
PHI-2
VN-1
VN-2
VN-3
GH-1
GH-2
PHI-1
PHI-2
Figure 1. (a) Concentrations and Toxic equivalency (TEQ)
values of ∑PAHs, ∑ClPAHs and ∑BrPAHs in soils. (b)
Compositions of individual PAHs, ClPAHs and BrPAHs to
each ∑PAHs, ∑ClPAHs and ∑BrPAHs concentraitons in soils.
PAHs の内 7 種の TEQ 値を REPPAHs5)を用い計算した。結果を Fig.1a の第 2 軸に示す。ClPAHs は VN-1
で 0.14 pg-TEQ/g、野焼き土壌ではガーナで 78~110 pg-TEQ/g、フィリピンで 360~1000 pg-TEQ/g、ベト
ナムで最も高く 7600~12000 pg-TEQ/g であった。野焼き土壌における BrPAHs は 0.90~160 pg-TEQ/g、
PAHs は 0.048~12 pg-TEQ/g であり、TEQ 値は総じて ΣClPAHs > ΣBrPAHs > ΣPAHs の序列を示した。
ΣClPAHs および ΣBrPAHs は ΣPAHs の数%から数十%程の低濃度にも関わらず、TEQ 値は PAHs 由来の
数百倍以上であった。同地点において先行研究で測定したダイオキシン類由来の TEQ 値 3)と比べると
ClPAHs 由来の毒性等量は 3.9~54 %に相当した。VN-2, VN-3, PHI-2 では ClPAHs 由来の毒性等量のみで
日本の土壌中のダイオキシン類の環境基準 1,000 pg-TEQ/g を上回った。以上より、E-waste 野焼き土壌
中 Cl/BrPAHs はダイオキシン類様の高い毒性を有していることが明らかとなった。
分布パターン: 各地点での各化合物総濃度に対する異性体分布パターンを Fig.1b に示す。フィリピ
ンを除く野焼き土壌で各国固有の分布パターンをとった。PHI-1, 2 では小規模で突発的な野焼きが行わ
れており、GH-1, 2 では大規模な広場一帯で雑多な E-waste の野焼き、VN-2, 3 では畦道で定期的に廃ケ
ーブルを主とする野焼きが確認されており、分布パターンの差は、野焼きの対象物や焼却方法等によ
るものと考えられる。特にベトナム野焼き土壌中 ClPAHs は、廃ケーブルの塩ビ(PVC)被膜と銅線との
同時燃焼による固有の分布パターンと推測され、今後模擬野焼き実験により検証予定である。廃棄物
焼却灰 5)と比べると分布パターンは大きく異なり、野焼き土壌では Phe、Ant を親とする Cl/BrPAHs が
占める割合が高かったがこれは燃焼温度の違いによるものと推測される。野焼き土壌において ClBaA、
BrBaA は、総濃度への寄与は 0.23 ~15 %と小さかったが、TEQ 値への寄与は 16~61 %と多くを占めた。
【結論】
本研究は、E-waste 野焼き土壌中 Cl/BrPAHs 汚染の初めての報告であり、途上国 3 カ国での汚染レベ
ルや特長を明らかにした。TEQ 値の結果から、特に ClPAHs は野焼き土壌においてダイオキシン類に
匹敵する毒性寄与因子であると考えられる。今回測定した 40 種の Cl/BrPAHs の他、同族体とみられる
ピークも多数検出され、更なる Cl/BrPAHs の探索・同定が必要と考えられる。
【謝辞】本研究は、科研費・若手(A)26701012 の助成を受け実施した。
【参考文献】1) Ohura T et al. Chem. Res. Toxicol.., 2007, 20, 1237-1241. 2) Horii Y et al., Environ. Sci. Technol.,
2009, 43, 2159-2165. 3) Nishimura C et al. Organohalogen Cmpds., 2014, 76, 7038-7042. 4) Wang Y et al., Sci. Tot.
Environ., 2012, 439, 187-193. 5) Horii Y et al., Environ. Sci. Technol., 2008, 42, 1904-1909. 6) 川西ら, 日本水環境
学会シンポジウム講演集, 2014, 17, 20-21. 7) Ma J et al., Environ. Sci. Technol., 2009, 43, 643-649.
3D-07
第 24 回環境化学討論会,加藤㻌
祐,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,加藤
祐,口頭発表(札幌;2015年)
㻌
魚介類から同定されたセレン代謝物の生物学的利用能の解析
○加藤 祐 1,阿南 弥寿美 1,小椋 康光 2
(1 昭和薬科大学 衛生化学研究室, 2 千葉大学大学院薬学研究院 予防薬学研究室)
【はじめに】
セレン (Se) は動物にとって必須元素の一つであり、グルタチオンペルオキシダーゼ (GPx) などの
Se 酵素の活性中心として機能する。また、毒性元素である水銀 (Hg) と相互作用し解毒作用を示すこ
とが知られる。自然界には様々な Se 化合物が存在しており、ヒトはセレノメチオニン (SeMet) や亜
セレン酸 (selenite) などの形で Se を摂取する。近年、魚介類から新規 Se 代謝物としてセレノネイン
(SeN) が発見された 1)。SeN はマグロやカツオに高濃度に含有されているため、ヒトは食事を通して
SeN を摂取していると考えられる。しかし、SeN の哺乳類における生物学的利用能は不明である。
本研究では哺乳類における SeN の体内動態の解析を目的とし、ラットに SeN を Se として栄養量に
なるように投与した。また、SeN と比較検討するため、体内動
態が既知の化合物である SeMet を投与した。Se は必須元素で
あるため、ラット生体内には内在性の Se が存在するが、栄養量
H2
の Se を投与する場合、内在性の Se と投与化合物由来の Se の
区別は困難である。本研究ではラット内在性 Se を Se 安定同位
体の一つである 82Se に置き換えることにより、投与化合物由来
の Se を評価した。
SeMet
SeN
Fig. 1 Structures of the selenium compounds
using in this study.
【方法】
SeN 投与液の調製 : 市販のマグロ血合い肉に 50 mM Tris-HCl (pH7.4) を加えホモジナイズした。超
遠心分離で得られた上清を濃縮し、陰イオン交換 (DE52) カラムにより SeN を含む画分を分取した。
溶出液のうち、Se 濃度の高かったフラクションを濃縮し、Se 化学形を LC-ICP-MS で確認した。
動物実験 : Wistar 系ラット (雄、5 週齢) を 1 週間馴化させた後、Se 欠乏食及び [82Se]-selenite (82Se
濃縮率 98.9 %) を含む飲料水 (200 ng Se/mL) を 4 週間自由摂取させた。その後、各 4 匹ずつをコン
トロール群、SeN 投与群、SeMet 投与群とした。SeN 及び SeMet は 25 μg Se/kg となるよう経口投
与した。その後、24 時間後に尿を回収し、各臓器と血液を採取した。
ICP-MS による定量分析 : 各臓器、全血に濃硝酸を加え、160℃のホットプレートで湿式灰化をした。
内標準物質として Te (終濃度 10 ng/mL) を加え、ICP-MS (Agilent 7500ce)の D2 リアクションモード
で Se (m/z 76, 77, 78, 82) と Te (m/z 125) を検出した。
LC-ICP-MS による化学形態分析 : 血清をマルチモードゲル濾過カラム (GS-520HQ) で分離し、50
mM Tris-HCl (pH7.4)、流速 0.6 mL/min で溶出した。溶出液は ICP-MS の D2 リアクションモードで
Se (m/z 76, 77, 78, 82) を検出した。
Bioavailability of selenoneine separated from seafood in rat.
Yu Kato1, Yasumi Anan1, Yasumitsu Ogra2
1Showa
Pharmaceutical University, 3-3165 Higashi-Tamagawagakuen, Machida, Tokyo 194-8543
Tel/Fax : +81-42-721-1564 2Guraduate School of Pharmaceutical Sciences, Chiba University,
1-8-1 Inohana, Chuo, Chiba 260-8675
第 24 回環境化学討論会,加藤㻌
祐,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,加藤
祐,口頭発表(札幌;2015年)
【結果と考察】
ラット内在性 Se の置換率の評価 : ラット内在性 Se は 4 週間後には肝臓で 87.2 %、腎臓で 88.3 %、
その他の臓器でも約 80 % 以上が 82Se へと置き換えられており、投与する天然存在比を持った Se 化
合物との区別は可能であると判断した。
各臓器への分布 : 各臓器及び全血中に分布
1.4
Se concentration [µg/g]
した投与 Se 化合物由来の Se 濃度を Fig. 2
に示した。SeN 群では肝臓、腎臓、脾臓、
全血で SeN 由来の Se 濃度の増加が見られ、
その他の臓器には SeN の分布は見られなか
った。SeMet 群では肝臓、腎臓、脾臓、心
臓、膵臓、全血で増加が見られた。SeN 群
と SeMet 群を比較すると、Se 濃度の増加
*
1.2
2SeMet group
3SeN group
1
0.8
*
0.6
**
0.4
0.2
*
**
*
** **
0
率は肝臓では SeN 群の方が 2.5 倍高かった
Liver
のに対し、腎臓、全血では SeMet 群の方が
Kidneys
Heart
Spleen
Pancreas
Whole blood
Fig. 2 Distribution of Se in the tissues and blood of rat administered orally
それぞれ 3.1 倍、2.7 倍高かった。以上より、
with SeN or SeMet. * : p < 0.05
SeN は SeMet と異なる体内動態を示し、特
に肝臓に多く集積することが示唆された。
化学形態分析 : SeMet などの Se 化合物は哺乳類において生体内で代謝され、Se タンパク質へ利用さ
れる。ラットの血清中には Se タンパク質として GPx やセレノプロテイン P (SelP) が存在することが
知られている 2)。本研究において SeMet 群ではこれらのピークの増加が見られたが、SeN 群では増加
が見られなかった (Fig. 3)。これより SeN は Se タンパク質へ利用されない可能性が示唆された。
㻠㻜㻜㻜
Control group
administered orally
㻝㻜㻜㻜
orally
with SeN
GPx or
㻞㻜㻜㻜
SeMet.
SelP
㻝㻜㻜㻜
㻜
㻡
㻝㻜
㻝㻡
㻞㻜
㻾㼑㼠㼑㼚㼠㼕㼛㼚㻌㼠㼕㼙㼑㻌㻔㼙㼕㼚㻕
㻞㻡
㻟㻜
orally
with
SeN
㻞㻜㻜㻜
SelP
or
SeMet.
㻝㻜㻜㻜
㻜
㻜
GPx
㻟㻜㻜㻜
㻿㼑㻌㻯㻼㻿
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GPx
SelP
d
㻣㻤
㻞㻜㻜㻜
administered
administere
㻟㻜㻜㻜
with SeN or SeMet.
㻣㻤
㻿㼑㻌㻯㻼㻿
㻟㻜㻜㻜
SeMet group
㻠㻜㻜㻜
SeN group
㻣㻤
㻠㻜㻜㻜
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㻞㻡
㻟㻜
Fig. 3 Elution profile of 78Se in the serum of rat administered orally with SeN or SeMet.
administered orally with SeN or SeMet.
【結論】
本研究より、哺乳類生体内において SeN は SeMet と同様に消化管吸収されるが、SeMet とは異な
る体内分布を示すことが明らかとなった。また、Se タンパク質へ利用されない、あるいは利用効率が
著しく低いことが示唆され、SeMet や既知の Se 化合物とは異なる経路により代謝されると考えられた。
今後は SeN の生体内代謝経路を解明する必要がある。
【引用文献】
(1) Y. Yamashita, M.Yamashita (2010) J Biol Chem. 285,18134-8.
(2) Y. Anan, Y. Hatakeyama, M. Tokumoto, Y. Ogra (2013) Anal Sci. 29:787-92.
3B-05
第 24 回環境化学討論会,栗栖
美菜子,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,栗栖
美菜子,口頭発表(札幌;2015年)
エアロゾル中の人為起源鉄の著しく低い安定同位体比の検出と
海洋表層への寄与の評価
○栗栖 美菜子 1,宮原 彩 2, 飯塚 毅 1,山川 庸芝明 1,宮本 千尋 1,坂田 昂平 2,
高橋 嘉夫 1
(1 東京大・院理,2 広島大・院理)
Solubility (%)
【はじめに】
はじめに】
鉄は海における植物プランクトンの生産性を左右する重要な元素である。しかし、植物プランクト
ンが利用できるような溶存した形で供給される鉄は少なく、High Nutrient-Low Chlorophyll (HNLC) 海
域の生物生産は鉄が制限していると言われている(Martin の鉄仮説; Martin and Fitzwater, 1988 )。植物プ
ランクトンの光合成は炭素循環に大きな影響を及ぼし、気候にも影響を与えうる。このような鉄の海
洋への供給源として注目されているのが大気中のエアロゾルである。エアロゾルは、黄砂などの自然
起源(粒径大)と、燃焼などによる人為起源(粒径小)の 2 成分に大別され、近年エアロゾル中の鉄
に対する人為起源の寄与について多く研究がなされている。例えば Takahashi et al. (2013) は、鉄の
化学種と水への溶解性に基づき、人為起源の方が海洋に溶解する鉄への寄与が大きいことを示唆して
いる。また、Mead et al. (2013) は、鉄の地球表層での循環を調べる上で不可欠な地球化学的ツールで
ある鉄安定同位体比の観点から研究を行った。彼らはエアロゾルを粒径 2.5 μm で 2 分画して鉄の安定
同位体比を比べ、人為起源(粒径小)の鉄は自然起源(粒径大)の鉄よりも低い安定同位体比を持つことを
示唆している。しかし、彼らの研究では 2 つの起源の鉄安定同位体比の差が誤差の範囲内にあり、人
為起源と自然起源を明確に区別できていない。そこで、本研究では粒径をより細かく分けてエアロゾ
ルを採取し、鉄の安定同位体比と鉄化学種(起源や溶解性と関連)の2つの視点から研究することで、
自然起源と人為起源の鉄の化学種や安定同位体比の差を明確にし、その溶解性や海洋における鉄の循
環への影響を評価することを目的とした。
30
【方法】
winter
spring
試料は、広島県東広島市の広島大学東広島キャンパスの屋上
25
summer
autumn
(北緯 34.40 度、東経 132.71 度、高さ約 10 m)で粒径を 7 分画
PA
20
してフィルター上に採取されたものを用いた。これらは 2012
Kosa
年 9 月から 2014 年 3 月まで継続して採取されたものであり、
15
その中からイオンクロマトグラフィーによる主要イオンの濃
10
度分析などに基づいて、各季節を代表する試料(冬、春、夏、
秋)と、黄砂が多く飛来した時期の試料(黄砂試料; 2013 年 3
5
月)、また PM2.5 濃度が著しく高い汚染大気が飛来した時期の
0
試料(2013 年 2 月; PA 試料)を選び出し、本研究に用いた。得ら
0.24 0.54
1
1.7 3.2
7.2
15
Particle size (µm)
れた試料中の化学成分のうち、水溶性の主要無機成分はイオン
Fig. 1. Soluble fraction of Fe to synthetic seawater.
クロマトグラフィーにより、微量金属元素は混酸による全分解
試料の ICP 発光分光法(ICP-AES)により分析した。また海水や雨水を模擬した水に溶解した成分(水抽
出実験)の分析も行った。さらに X 線吸収微細構造(XAFS)による鉄化学種の分析を KEK-Photon Factory
(つくば市)、SPring-8(佐用町)、Advanced Light Source (米国バークレー)で行った。また鉄の安定同
位体比分析は、陰イオン交換法による鉄の分離を行った後に、マルチコレクター型 ICP 質量分析計
(Neptune)を用いて測定した。鉄安定同位体比の標準としては IRMM-014 を用いた。
Detection of Remarkably Low Isotopic Ratio of Iron in Anthropogenic Aerosols and Evaluation of its
Contribution to the Ocean Surface
○Minako Kurisu,1 Aya Miyahara,2 Yoshiaki Yamakawa,1 Chihiro Miyamoto,1 Kohei Sakata,2 Tsuyoshi Iizuka,1 Yoshio Takahashi1
(1Graduate School of Science, The University of Tokyo,
2
Graduate School of Science, Hiroshima University)
第 24 回環境化学討論会,栗栖
美菜子,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,栗栖
美菜子,口頭発表(札幌;2015年)
δ56Fe (‰)
Fe species (%)
【結果と考察】
hematite
magnetite
biotite
Fe(II)SO4
エアロゾル中の全鉄濃度と水溶性鉄濃度から求めた鉄の溶解率
ferrihydrite
Fe(III)SO4
(Fig. 1)から、微小粒子側に多く存在する人為起源鉄の水への溶解
100
率が、粒径の大きな自然起源の鉄よりも著しく大きいことが分か
80
った。また、季節別にみると、鉄の水への溶解率は黄砂試料が最
も低く、夏の試料で水への溶解率が最も高いことが分かった。
60
XAFS 解析の結果から、本研究で使用した試料に含まれる鉄化
40
学種は主に ferrihydrite, hematite, magnetite, biotite, Fe(II)および
Fe(III)の硫酸塩(FeSO4、Fe2(SO4)3)であることが分かった(Fig. 2)。
20
微小粒子側ほど hematite や硫酸鉄の割合が増え、粗大粒子側ほど
0
粘土鉱物である biotite の割合が増える傾向が見られたが、粒径や
0.24 0.54 1
1.7 3.2 7.2 15
Particle size (µm)
季節によって鉄化学種に大きな変動はなかった。しかし、Fig. 1 に
Fig. 2. XANES fitting of the summer samples.
示した水への溶解率の結果などから、同じ化学種であっても、
1
粒径によって起源や生成過程が異なることが示唆される。
このような特徴を持つエアロゾル中の鉄について、鉄安定同
0
位体比(δ56/54Fe)の分析を行った。その結果、バルク試料の鉄
安定同位体比は、粗大粒子側では地殻物質に近い δ56Fe 値
(+0.5‰前後)を示したが、微小粒子側では著しく低い δ56Fe
-1
値を示し、人為起源の鉄が低い同位体比を持つことが本研究に
より明確になった(Fig. 3)。またエアロゾル試料(夏)では、水
-2
で抽出された鉄の安定同位体比の値はさらに低く、δ56Fe=-
4‰に近い値を示した。これは地球表層の試料の鉄安定同位体
-3
比として報告された値としては最も低く、人為的な燃焼過程で
鉄安定同位体比が著しく低くなることが示唆された。これらの
-4
Summer (soluble fraction)
ことから、人為起源鉄は、水への溶解性が著しく高く、非常に
Summer (bulk)
56
低い同位体比を持つことが明らかになった。この δ Fe 値は先
Kosa (bulk)
行研究で見積もられた人為起源エアロゾルの値(δ56Fe=-
-5
1
10
0.10‰)よりもはるかに低く、本研究において粒径を細かく分
Particle size (µm)
けることで、自然起源エアロゾルの影響を少なくし、より純粋 Fig. 3. Iron isotopic compositions. Colored area shows
the range in Mead et al. (2013).
な人為起源鉄の安定同位体比を求めることができたと考えら
れる。
【結論】
本研究で、より確からしい人為起源鉄の δ56Fe 値を得たことは、HNLC 海域などの海洋に供給され
る様々な起源の鉄(黄砂起源エアロゾル、火山起源エアロゾル、人為起源エアロゾル、堆積物からの
溶出、海底熱水からの供給)の寄与を推定する上で重要である。例えば、Conway and John (2014)で
は、北部大西洋中の溶存鉄の起源を推定しているが、本研究で得た人為起源エアロゾル中の鉄の安定
同位体比を考慮した場合、その鉄の起源推定の結果は修正を要する可能性がある。エアロゾルも含め
た HNLC 海域の鉄の収支には、人為起源エアロゾルの δ56Fe 値を用いた考察が今後重要になる。
【参考文献】
Conway, T. M., & John, S. G. (2014). Quantification of dissolved iron sources to the North Atlantic Ocean. Nature,
511(7508), 212–215.
Martin, J. H., & Fitzwater, S. E. (1988). Iron deficiency limits phytoplankton growth in the north-east Pacific subarctic.
Nature, 331(3414343), 947–975.
Mead, C., Herckes, P., Majestic, B. J., & Anbar, A. D. (2013). Source apportionment of aerosol iron in the marine
environment using iron isotope analysis. Geophysical Research Letters, 40, 5722–5727.
Takahashi, Y., Furukawa, T., Kanai, Y., Uematsu, M., Zheng, G., & Marcus, M. A. (2013). Seasonal changes in Fe
species and soluble Fe concentration in the atmosphere in the Northwest Pacific region based on the analysis of
aerosols collected in Tsukuba, Japan. Atmospheric Chemistry and Physics, 13, 7695–7710.
1B-05
第 24 回環境化学討論会,児玉和子,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,児玉 和子,口頭発表(札幌;2015年)
㻌
LC/MS/MS による尿中パラベン抱合体の探索と同定に関する研究
○児玉和子、鈴木茂
(中部大学大学院 応用生物学研究科)
【はじめに】
パーソナルケア製品等に使用されている防腐剤パラベンは、近年人体のホルモンレベルの変動への
影響が懸念されている。パラベンは、人体へ摂取後一部がグルクロン酸等の抱合体として尿中に代謝
されることは知られているが、抱合体の種類、生成割合などに関する知見は乏しい。
質量分析では、衝突誘起解離(CID)により Diels-Alder 反応生成物では逆反応による共役ジエンのイ
オンが、また、フタル酸エステルでは加水分解によるフタル酸イオンが生成する例が知られている。パ
ラベン抱合体は、エステル結合による化学的結合であると多くの文献から推測されるため、演者らは、
このエステルが CID により加水分解を起こす現象を利用して、代謝物が含まれる尿中から、MS/MS
で生じるパラベンイオンを第 2MS で捕らえ,その Precursor Ion のスペクトルを解析するによって抱
合物質の探索ができないかと考えた。そのはじめとして、5 種類のパラベンを対象に尿中の抱合体の探
索 を 行 っ た 。 Precursor Ion Scan に よ り 得 ら れ た 抱 合 体 の 可 能 性 が あ る イ オ ン を 、
LC/HRMS(LC/Q-ToFMS/MS)により分析し、前駆イオンスペクトルと中性ロスの元素組成を解析した。
現在、該当する化学組成の物質の構造解析を進めている。
【方法】
(1)LC/MS/MS-Precursor Ion Scan によるパラベン抱合体探索方法
抱合体を含むパラベン類の分析では、尿 2ml に同量のアセトニトリルを加えて希釈することでマト
リックス効果を抑え、C18 カートリッジに通りやすいように調整後、固相のコンディショニングを行
い、調整した尿希釈液を C18 に通し、メタノール 6ml で溶出を行った。
全量 10ml を 4ml まで窒素濃縮し、前処理を行い尿試料とし、このサンプルを以下の分析条件を用
いて、測定を行った。
表 1. LC/MS/MS 分析条件
表 2.Precursor Ion Scan の Q3 モニターイオン
Monitor ion
m/z(Q3)
Methyl paraben
151.053
Ethyl paraben
164.946
Propyl paraben
179.046
Butyl paraben
192.914
Benzyl paraben
227.125
Study on Search and Identification of Urinary Paraben Conjugates by LC/MS/MS
Kazuko KODAMA and Shigeru SUZUKI(Grad. School of BioSci. & BioTech. Chubu Univ.)1200
Matsumoto-cho, Kasugai, Aichi 487-8501 Japan,Phone:+81-568-51-9673, Fax +81-568-52-4832
第 24 回環境化学討論会,児玉和子,口頭発表(札幌;2015
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第24回環境化学討論会,児玉 和子,口頭発表(札幌;2015年)
(2) LC/Q-ToF MS/MS を用いた抱合物質探索と構造解析
(1)の試料の Precursor Ion Scan で,第 2MS でパラベンの[M-H]-のクロマトグラムを描き、ピーク
が得られた位置の前駆イオンスペクトルを抽出した。同じ試料を LC/Q-ToF MS/MS を用いて測定し,
Precursor Ion Scan で抽出したイオンに相当するイオンおよび中性ロスの精密質量から,元素組成と
部分構造を推定し,それと矛盾しない物質を化合物データベース ChemSpider で探索し、抱合物質の
推測を行った。
【結果と考察】
はじめに、Free 体パラベン定量時に、LC/MS のインソース CID 条件中を変化させたところ、抱合
体の解離ではないかと推察されるパラベン相当のイオンが得られた。そこで、標準溶液を添加しない
尿を用いて、実験方法に示した前処理を行い、LC/MS/MS による Precursor Ion Scan 測定(低分解
能)を行い,尿中パラベンを探索した。エチルパラベンを含むドリンク剤を摂取した尿を測定した結
果、エチルをはじめとしてパラベンのプロダクトイオンを生じる前駆イオンが検出された。不定期に 5
日間(5 回)同様の分析を行ったところ、エチルパラベンやその他 3 種について、前駆イオンと推察
されるスペクトルが明瞭に観測された。抱合する物質に相当する質量は(前駆イオン)-(パラベン)-
H+H2O で計算したところ、硫酸抱合体に相当する 98 などのイオンが確認できた。前駆イオンスペク
トルには付加体も含まれるため、解析にはエステル化体と付加体の判断も行ったが、測定した前駆イ
オンの強度は小さいため、スペクトルの質量精度はばらつきが大きく、他の前駆イオンの解析はでき
なかった。
そこで LC/HRMS(LC/Q-ToFMS/MS)による高分解能での抱合物質探索を行った。エチルパラベ
ンの m/z でプロダクトイオンクロマトグラムを抽出し、精密質量が一致するピークを確認し、並行し
て測定している同じリテンションタイムのシングル MS の精密質量スペクトルを調べた(図 1.)。このス
ペクトルから演算した元素組成が、グルクロン酸抱合体の質量が高い質量精度で一致した。この手法
を使い、他のパラベンの前駆イオンスペクトルからの抱合物質の探索、抱合物質の構造の推測につい
て現在解析を進めているが、今回測定に使用した尿試料は、元の尿の量自体が少なかったため、抱合
体濃度が薄く、硫酸やグルクロン酸抱合体以外の抱合体を確認することができなかった可能性が考え
られる。そこで、前処理時の元の尿の量を増やし前処理方法を検討することで、硫酸とグルクロン酸
の 2 つの抱合体の断定と、今回推定することのできた 2 つの抱合体以外の抱合体探索と構造推定も進
めている。
図 1.グルクロン酸抱合体と推測されるクロマトグラム(左)とそのピークのスペクトル(右)
【参考文献】
Sayaka Shirai, Yayoi Suzuki, Jun Yoshinaga,Reproductive Toxicology. 35 96–101 2013
1A-07
第 24 回環境化学討論会,高口㻌
倖暉,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,高口
倖暉,口頭発表(札幌;2015年)
㻌
ポリ塩化ビフェニル(PCBs)を曝露したイヌの脳プロテオーム解析による
毒性影響評価
○高口倖暉 1,野見山桂 1,Lauan Maria Claret1,草木桃子 1,Yoo Jean1,水川葉月 2,
岩田久人 1,国末達也 1,田辺信介 1
(1 愛媛大・沿環研セ,2 北大院・獣医)
【はじめに】
ポリ塩化ビフェニル(PCBs)は環境や野生生物・ヒトから広く検出され、その生体影響が危惧され
ている。とくに近年では、脳移行に伴う毒性影響が注目されている。PCBs を投与したラットやマウス
の研究では、脳内神経伝達物質ドーパミンやセロトニンレベルの変化が報告されている 1)。また、体内
の PCBs は肝臓で水酸化 PCBs(OH-PCBs)へと代謝されるが、一部の OH-PCBs は甲状腺ホルモンと構
造が類似しているため、血中で甲状腺ホルモン輸送タンパクと結合して体内に残留し、甲状腺ホルモ
ンの恒常性を撹乱することが示唆されている 2)。甲状腺ホルモンは脳神経系の発達に必須であるため、
血流に乗って脳へ移行した OH-PCBs が、極低濃度で脳神経細胞の発達や脳内の遺伝子発現に影響する
ことも報告されている 3)。
先行研究より、食肉目の PCBs 代謝能はヒトや海棲哺乳類に比べて強いことが報告されている 4)。と
くに、イヌは PCBs 代謝能が強く、OH-PCBs による毒性影響が危惧される。しかしながら、イヌを対象
に PCBs の毒性影響を解析した研究例は少なく、とくに、脳への影響を包括的に調査した研究は皆無で
ある。本研究では、ペット動物として社会的に関心の高いイヌに注目し、PCBs の体内動態と水酸化代
謝物による毒性影響の解明を目的として PCBs の曝露試験を実施した。PCBs・OH-PCBs の脳に及ぼす
影響をタンパク質発現レベルで解明することを目的とし、二次元ゲル電気泳動と質量分析を組み合わ
せたプロテオーム解析による毒性影響の評価を試みた。
【方法】
1. PCBs 曝露試験:ビーグル 9 検体を溶媒対照群(G1)
、PCBs 処理群(G2)
、CYP2B/3A 誘導剤フェノ
バルビタールと PCBs 共処理群(G3)に分けた(n=3/群)
。G2・G3 には、12 種の PCBs 各異性体(CB18,
28, 70, 77, 99, 101, 118, 138, 153, 180, 187, 202) 0.5 mg/kg を腹腔内投与した。投与終了から 120 時間後に
放血安楽死させ、臓器組織を採取して-80 ℃で冷凍保存した。これらの投与試験は、Institutional Animal
Care and Use Committee により承認され、韓国安全性評価研究所の動物実験規程に従って実施された。
2. 脳プロテオーム解析:採取した大脳新皮質から既報 5)に従い、ミクロソーム画分を抽出した。これ
ら脳ミクロソーム画分からアセトンによりタンパク質を抽出し、等電点電気泳動(一次元)
、SDS-PAGE
(二次元)によりタンパク質を分離した。その後、ゲルを 1% CBB 溶液で染色・脱色し、画像解析によ
ってタンパク質のスポット強度を解析した(PDQuest, BioRad)
。溶媒対照と比較して、各群から検出さ
れたスポットの強度が 2 倍以上の増加、または 0.5 倍以下に減少したものを選定し、Student t-検定によ
り有意差(p < 0.05の認められたスポットを同定対象とした。これらのスポットのタンパク質はトリプ
シン処理後に MALDI-TOF/TOF-MS で測定し、得られたマススペクトルから MASCOT(Swiss Prot)解
析によってタンパク質を同定した。
【結果と考察】
全てのゲルから 600 を超えるスポットが検出された。G1 群と比較して、G2 群では 26 スポット(増
加: 13、減少: 13)
、G3 では 14 スポット(増加: 5、減少: 9)が有意な変化を示した。さらに G2 と G3
を比較した結果、13 スポット(増加: 9、減少: 4)が有意な変化を示した。本研究では、G1 と G2 で有意
差を示した 9 スポットを MALDI-TOF/TOF-MS 解析に供し、6 種のタンパク質の同定に成功した(Table
1)
Toxicological assessment of PCBs in the brain of dogs by proteome analysis
○Kohki Takaguchi, Kei Nomiyama, Lauan Maria Claret, Momoko Kusaki, Jean Yoo, Hazuki Mizukawa, Hisato
Iwata, Tatsuya Kunisue, Shinsuke Tanabe
Address: Center for Marine Environmental Studies (CEMS), Ehime University, Matsuyama, 790-8557, Japan,
[email protected]
第 24 回環境化学討論会,高口㻌
倖暉,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,高口
倖暉,口頭発表(札幌;2015年)
Table 1. Summary of identify protein spots with significant change
Spot #
Protein Name
Accession #
242
Fumarylacetoacetate hydrolase domaincontaining protein 2A isoform X1
gi|359321623
Tubulin alpha-1B chain
gi|545556308
MS Cov Nominal
Score (%)
mass
30
9
85*
27
61
36
2218
80*
33
2221
120*
49
85*
26
gi|57088159 101*
Long-chain-fatty-acid--CoA ligase ACSBG1
gi|545493699 82*
isoform X4
1222
1225
3314
4119
3726
7023
Tubulin beta-2B chain isoform X3
Glutathione S-transferase Mu 3 isoformX1
Succinate dehydrogenase [ubiquinone]
cytochrome b small subunit, mitochondrial
isoform X2
gi|545554241
gi|545497390
34
pI
34941
7.6
50792
4.9
Fold induction
( vs. control)
3.04
3.13
2.46
Function ( Human )
May have hydrolase activity.
Tubulin is the major constituent of microtubules. It binds two
moles of GTP.
3.12
2.85
Tubulin is the major constituent of microtubules. It binds two
moles of GTP. TUBB2B is implicated in neuronal migration.
50862
4.8
83
27317
6.7
0.43
Conjugation of reduced glutathione to exogenous and
endogenous hydrophobic electrophiles. May govern uptake and
detoxification at the testis and brain blood barriers.
15
78355
5.7
0.36
Mediates activation of saturated, monosaturated and
polyunsaturated long-chain fatty acids for both synthesis of
cellular lipids, and degradation via beta-oxidation
15
9990
10
0.49
* : Protein scores greater than a certain value are significant ( p <0.05 ).
2.09
Membrane-anchoring subunit of succinate dehydrogenase
involved in the mitochondrial electron transport chain and
responsible for transferring electrons from succinate to
ubiquinone
G1 と比較して有意な増加を示した 3 スポット
(#1222・1225・2218)から Tubulin alpha-1B chain
を、さらに 2 スポット(#2221・3314)から Tubulin
beta-2B chain isoform X3 を同定した。Tubulin は微小
管の主な構成成分であり、Tubulin alpha と beta は二
量体を形成している。また、これらのタンパク質は
グアノシン三リン酸(GTP)と結合して加水分解す
る GTPase の一種であり、GTP 結合と加水分解によ
り微小管の伸長、短縮を調整している 6)。これら微
小管は神経軸索において突起の骨格を形成し、突起
構造の支持や軸索内物質運搬時のレールの役目を
果たしている 7)。本研究と同試料を用いたメタボロ
ーム解析により 8)、G2 群で微小管の形成に必要な
GTP の減少が確認されている。
これらの結果より、 Fig. 1. Predictable effect of PCBs for dog neurons.
PCBs の脳移行によって変性した神経軸索を回復させるために、Tubulin が脳内の GTP を消費して微小
管を合成していると推察された(Fig. 1)
。
有意な減少を示したスポット#4119 から Glutathione S-transferase Mu 3 isoform X1 を同定した。
Glutathione S-transferase Mu は、多様な疎水性求電子化合物へ還元型グルタチオン(GSH)を結合(グル
タチオン抱合)させる転移酵素である 9)。さらに、GSH の生成に必要な ATP の生産に関与するタンパ
ク質(ACSBG1、Succinate dehydrogenase [ubiquinone] cytochrome b small subunit)発現量も減少していた。
またメタボローム解析 8)により、G2 群ではグルタチオン抱合に必要な GSH の減少と ATP を生成する
解糖系パスウェイの抑制が示唆された。これらの結果から、PCBs 曝露により脳内の ATP 産生能が低下
することで GSH が減少し、Glutathione S-transferase Mu 3 isoform X1 発現量も減少したと推定された。
【結論】
本研究では、G1・G2 で有意差を示したスポットから 6 種のタンパク質の同定に成功した。同定した
タンパク質の機能から、脳へ移行した PCBs が脳神経細胞の軸索変性に関与していること、さらに ATP
産生能低下に起因する Glutathione S-transferase の減少が示唆された。今後、PCBs・OH-PCBs のどちらが
これらの毒性発現に関与するのかについて、詳細な解析を進める予定である。
【参考文献】
1) Fonnum and Mariussen, 2009, J. Neurochem 111, 1327-1347.; 2) Miyazaki et al., 2004, J. Biol. Chem. 279, 18195-18202.; 3) Kimura-Kuroda et
al., 2007, Chemosphere 67, 412-420.; 4) Mizukawa et al., 2013, Environmental Pollution 174, 28-37.; 5) Guengerich, F. P., 1982, Principles and
methods of toxicology., 609-634. ; 6) 黒川, 1977, 化学と生物 Vol.15 No.9, 571-572.; 7) S. Wakatsuki et al., 2011, Nat. Cell Biol. 11, 1415-1423.;
8) 野見山ら, 2015, 第 24 回環境化学討論会要旨集 ; 9) Patskovsky et al., 1999, Biochemistry 38, 16187-16194.
2C-07
第 24 回環境化学討論会,前田佳貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,前田 佳貴,口頭発表(札幌;2015年)
有明海河口域における有機フッ素化合物の食物連鎖蓄積の評価
○前田佳貴 1, 小森田智大 2,石橋弘志 3,櫻井健郎 4,小林淳 2
(1 熊本県立大院・環共,2 熊本県立大・環共,3 愛媛大学農学部,4 国立環境研究所 )
【はじめに】
パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は 2009 年に残留性有機汚染物質に指定されたため、現
在は PFOS の代替物質として鎖長の異なる有機フッ素化合物(PFCs)の使用が進んでいる。PFOS は極
めて生物濃縮性が高いが、他の PFCs の生物濃縮や食物連鎖蓄積に関する知見は限られている。演者ら
1)
は昨年有明海の河口域における 5 種の PFCs の水、底質、生物中の濃度や生物濃縮係数などを報告し
た。本研究では、鎖長の違いによる蓄積傾向を調査するため 17 種の PFCs を対象として水生生物への
蓄積を明らかにするとともに、窒素安定同位体比(δ15N)より求めた生物の栄養段階と PFCs 濃度を基
に PFCs の食物連鎖蓄積の程度(Trophic magnification factor : TMF)を明らかにすることを目的とした。
【材料と方法】
試料採取 2012 年 10 月に福岡県の大牟田川河口域において採取したスズキ(n = 3)、ボラ(n = 3)
、
ハゼクチ(n = 3)
、マハゼ(n = 1)
、2013 年 9 月に同地点において採取したフトヘナタリ(n =3、混合
試料)を分析に供した。魚類は消化管を除いた全身、フトヘナタリは軟体部を分析対象とした。
対象物質 有機フッ素化合物のカルボン酸類(PFCAs)については、PFPeA(C5)、
PFHxA(C6)、PFHpA(C7)、
PFOA(C8) 、 PFNA(C9) 、 PFDA(C10) 、 PFUnDA(C11) 、 PFDoA(C12) 、 PFTrDA(C13) 、 PFTeDA(C14) 、
PFHxDA(C16)、PFODA(C18)を対象とした。また、スルホン酸類(PFSAs)については、PFBS(C4)、
PFHxS(C6)、PFOS(C8)、PFDS(C10)を対象とした。
化学分析 生物試料は、クリーンアップスパイク(1,2,3,4-13C4PFOS)を添加し、高速溶媒抽出装置(ASE)
によって 20%メタノール/水で抽出を行った。抽出液は精製水によりメタノール 10%以下に希釈し、固
相カートリッジ(Presep® PFC, Wako)に通し、メタノール 2 mL で溶出させた。溶出液は N2 気流で 1 mL
まで濃縮した。その後、C18 カラム(Wakosil-Ⅱ 3C18 RS, Wako)を装着した液体クロマトグラフタン
デム質量分析計(SRM 法、Ultimate 3000/TSQ Quantum Access MAX, Thermo Scientific)により分析を行
った。
PFOS のみ同位体希釈法で定量したが他の PFCs については絶対検量線法で定量した。
生物の δ15N
は元素分析計(NA2500, CE Instruments)/質量分析計(DELTA plus,Finnigan)で測定した。
データ解析 生物の δ15N を用いて栄養段階(TL)を算出(式 1)した後、TL と体内濃度の関係を解析
(式 2)し、TMF を算出(式 3)した。なお、巻貝を一次消費者として栄養段階を求めた 2)。
TLconsumer = [(δ15Nconsumer –δ15Nprimary consumer)] / 3.4 + 2・・・式 1
Ln concentration (wet-basis) = A + B × TL ・・・式 2 TMF = eB ・・・式 3
δ15Nconsumer: 生物の窒素安定同位体比、δ15NPrimary consumer: 一次消費者の窒素安定同位体比
Trophic magnification of 17 perfluorinated compounds in an estuary of the Ariake sea.
Yoshitaka Maeda1, Tomohiro Komorita2, Hiroshi Ishibashi3, Takeo Sakurai4, Jun Kobayashi2: 1Graduate School
of Environmental and Symbiotic Science (E&SS), Prefectural University of Kumamoto (PUK), 2Faculty of
E&SS, PUK, 3Ehime University, 4National Institute for Environmental Studies, 3-1-100 Tsukide, Kumamoto,
862-8502, tel 096-383-2929, fax 096-384-6765,
e-mail: [email protected]
第 24 回環境化学討論会,前田佳貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,前田 佳貴,口頭発表(札幌;2015年)
TL: 栄養段階、A: 傾き、B: 切片
【結果と考察】
生物中の PFCs 濃度 Fig.1 に生物中の PFCs 濃度を示す。
本研究の値は、同地域の既報 3)と比較して低い値であっ
た。生物種によって蓄積する PFCs には違いが見られ、
スズキにおいては高フッ素化物が検出されず、ボラにお
いては低フッ素化物が検出されなかった。この結果は水、
底質の濃度(前田ら、未発表データ)を勘案すると生息
域や食性の違いに起因しているものと考えられた。
PFCAs の炭素鎖が 13 以降の物質については、全てのサ
ンプルにおいて検出されなかった。
生物中の PFCs 濃度と栄養段階の関係 各 PFCs の生物中
濃度と栄養段階の関係を解析した。なお、ボラについて
は摂餌生態が特異的であることから除外した 4)。ほとん
どの PFCs では鎖長によらず両者に相関がみられなかっ
たが、PFOS(C8)のみ栄養段階の上昇に伴って濃度が
増加した(Fig.2)
。
TMF と炭素鎖長の関係 TMF は、PFOS については 8 で
あったが、それ以外の PFCs については 0.2~3 の範囲で
あり、食物連鎖を通した蓄積は低いことが示唆された
(Fig.3)
。既報においても PFOS は他の PFCs と比べ高い
値であった 6)。しかし炭素鎖長の増加に伴って TMF が増
加する傾向が見られており本研究の結果と異なった。ま
た、同地点においてポリ塩化ビフェニルなどの TMF を
調べた研究 4)においては、化合物の脂溶性が増加するの
に伴い TMF が減少する特異的な傾向が観察されている。
河口域は、生物の移動などにより平衡状態に達しにくい
ため、既報 6)の傾向と異なったと考えられる。
【結論】
各 PFCs によって蓄積傾向に違いが見られ、PFOS が他
の PFCs と比べ特に高い蓄積を示すことが示された。ま
た、生物種による各 PFCs の蓄積パターンについても違
いが見られた。PFCs の蓄積にはタンパク質等の生体内成
分との結合が示唆されているため 5)、今後は PFCs と各
生物のタンパク質との結合実験を行う予定である。
【謝辞】本研究の一部は、環境省の環境研究総合推進費
(5RFb-1203)の支援により実施された。
【参考文献】1)前田ら、第 23 回環境化学討論会要旨集、
451-452、2014、2)Post et al., Ecology, 703–718, 2002, 3)
Nakata et al., Environ. Sci. Technol. 40, 4916–4921, 2006,
4)Kobayashi et al., Chemosphere, 201–206, 2015, 5)Ng,
Hungerbuhler, Environ. Sci. Technol. 47, 7214–7223, 2013,
6)Fang et al., Environ. Sci. Technol. 48, 2173−2182, 2014
Fig.1 Concentration of PFCs in organisms
Fig.2 Relationship between concentration
of PFCs and trophic level in organisms
Fig.3
Relationship
between
trophic
magnification factor of PFCs and carbon
chain length
2C-06
第 24 回環境化学討論会,根岸純也,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,根岸 純也,口頭発表(札幌;2015年)
ペルフルオロアルキル酸類前駆体総量の定量に対する OH ラジカル
スカベンジャーの影響
○根岸純也 1,徳村雅弘 2,益永茂樹 2
(1 横浜国立大学 大学院環境情報学府, 2 横浜国立大学 大学院環境情報研究院)
【はじめに】
ぺルフルオロアルキル酸類(PFAAs)には優れた界面活性があるため、1950 年代より消火剤やフラ
イパンの撥水・撥油加工等に使用されてきたが、2009 年に POPs 条約により、一部の PFAAs の規制が
始まった。しかし、分解によって PFAAs を生じる多数の前駆体は規制対象ではないため使用されつづ
けている。これら前駆体は下水中にも存在しているが、種類が多いため全貌が把握されていない。そ
こで前駆体をペルフルオロアルキルカルボン酸類(PFCAs)に酸化分解し、分解前後の PFCAs 存在量
の差から前駆体総量を定量する方法が提案された 1)。酸化分解にはペルオキソ二硫酸カリウム(K2S2O8)
の熱分解により生成した硫酸ラジカル(・SO4−)を OH ラジカル(・OH)に変換して用いている 2)。中
間生成物の・SO4−は酸化力が強いため、CF2−CF2 結合の切断により前駆体が短鎖 PFCAs まで分解するこ
とが疑われる。また、下水などの試料では夾雑物質が・OH スカベンジャーとして働き、前駆体が十分
に PFCAs に酸化分解されない可能性がある。そこで本研究では、メタノールを・OH スカベンジャーと
して用い、この定量法に対する下水中の夾雑物質の影響を考察するとともに、前駆体の適切な定量条
件を探索した。
【方法】
本研究では PFAAs 前駆体である N-メチルペルフルオロオクタンスルホン酸アミド酢酸
(N-MeFOSAA)
、
5 種類の PFCAs(PFPeA、PFHxA、PFHpA、PFOA、PFNA)を測定対象とした。酸化分解では既往研
究に従い 1)、酸化剤として K2S2O8 を 60 mM、pH 調整剤として NaOH を 125 mM 添加後に恒温槽にて
85 ºC で 6 h 加熱した。・OH による N-MeFOSAA の酸化分解を反応式1に示す 1)。N-MeFOSAA と生成
した PFCAs の定量は HPLC-MS/MS により行い、N-MeFOSAA の分解率(分解した N-MeFOSAA モル
濃度/初期 N-MeFOSAA モル濃度)と PFOA の生成率(生成した PFOA モル濃度/初期 N-MeFOSAA モ
ル濃度)をそれぞれ算出した。実験は夾雑物質による影響を考慮する必要のない超純水を用いて行い、
・OH スカベンジャーとしてメタノールを添加した。
CF3(CF2)7SO2N(CH3)CH2CO2−
CF3(CF2)6CO2−
(N-MeFOSAA)
(PFOA)
(反応式1)
【結果と考察】
メタノール添加濃度に応じた N-MeFOSAA 分解率の変化を図1(左)に示す。N-MeFOSAA 分解率
Effect of OH-radical scavenger on the quantification of the total perfluoroalkyl acid precursors
Junya NEGISHI1、Masahiro TOKUMURA2、Shigeki MASUNAGA2
1
Graduated School of Environment and Information Sciences, Yokohama National University
2
Faculty of Environment and Information Sciences, Yokohama National University
第 24 回環境化学討論会,根岸純也,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,根岸 純也,口頭発表(札幌;2015年)
はメタノール添加濃度が 0.42 g/L 以下のときにほぼ 100%であった。また、PFOA 生成率の変化を図1
(中央)に示す。PFOA 生成率は添加メタノール濃度が低いほど高くなる傾向がみられたが、メタノー
ルを全く添加しないときは、統計的に有意ではないものの(p = 0.4566)
、低下傾向を示した。メタノー
ルの添加濃度に応じた酸化分解後の短鎖 PFCAs のモル濃度を図 1(右)
に、酸化分解前後の N-MeFOSAA
および PFCAs のモル濃度の変化を図2に示す。添加メタノール濃度が低いほど N-MeFOSAA は分解し
たが、炭素鎖長の短い PFCAs の生成はメタノール添加量が 0.3~0.5 g/L ではほとんど見られず、その
範囲の上下で増加した。これは、CF2−CF2 結合が切断されることにより短鎖の PFCAs(PFPeA, PFHxA,
PFHpA)が生成したと見られ、・OH より酸化力の強い中間生成物である・SO4−が反応に寄与したことが
120
0.03
100
100
0.025
80
60
40
20
0
0
80
60
40
20
0
0.15 0.3 0.45 0.6 0.75 0.9
モル濃度 [µmol/L]
120
PFOA生成率 [%]
N-MeFOSAA分解率 [%]
示唆された。
0
0.02
0.015
0.01
0.005
0
0.15 0.3 0.45 0.6 0.75 0.9
添加メタノール濃度 [g/L]
PFHpA
PFHxA
PFPeA
0 0.28 0.35 0.42 0.49 0.56 0.7 0.84
添加メタノール濃度 [g/L]
添加メタノール濃度 [g/L]
図 1 N-MeFOSAA 分解率(左)
、PFOA 生成率(中央)
、および、酸化分解後に生成した短鎖 PFCAs
のモル濃度(右)に対するメタノール添加濃度の影響(各 n=2)
モル濃度 [µmol/L]
0.065
N-MeFOSAA
PFOA
PFHxA
0.052
0.039
PFNA
PFHpA
PFPeA
0.026
0.013
0
前
後
0
前
後
0.28
前
後
前
後
前
後
前
後
0.35
0.42
0.49
0.56
添加メタノール濃度 [g/L]
前
後
0.7
前
後
0.84
図2 異なるメタノール添加濃度における酸化分解前後の N-MeFOSAA と PFCAs のモル濃度
(各 n=2)
【結論】
本研究より、・OH スカベンジャー濃度が低いほど前駆体の分解率および PFOA の生成率が向上した
が、スカベンジャーが全く存在しない場合は PFOA の生成率は低くなり、前駆体を過小評価すること
が示唆された。一方、・OH スカベンジャー濃度がある濃度を超えると、短鎖の PFCAs の生成が観察さ
れた。・OH スカベンジャー濃度が高いため、中間産物の・SO4−が直接反応に参加し CF2−CF2 結合が切断
された可能性が考えられる。そこで、今後は CF2−CF2 結合の切断に寄与する・SO4−を介さない酸化法を
用いた前駆体の分解について検討し、より適切な前駆体総量の定量法の開発を目指したい。
【参考文献】
1) Houtz & Sedlak, Environmental Science & Technology, 46, 9342-49, 2012.
2) Johnson et al., Environmental Science & Technology, 42, 9350-56, 2008.
3B-03
第 24 回環境化学討論会,妹尾結衣,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,妹尾 結衣,口頭発表(札幌;2015年)
固体捕集 / 二段階溶出法を用いる第二世代電子タバコから発生する化学
物質の分析
○妹尾結衣 1,内山茂久 2,稲葉洋平 2,中込秀樹 1,欅田尚樹 2
(1 千葉大学大学院, 2 国立保健医療科学院)
【はじめに】
タバコの有害性が明らかになり,世界各国で禁煙・減煙への取り組みが高まっている中,タバコの代替製品
として登場してきたのが“電子タバコ”である。電子タバコとは,バッテリー,電熱線を含む蒸発ユニット,
リキッド(グリコール類やグリセロール)で構成される気体吸引器であり,本体のスイッチを押すと,リキッド
が蒸発ユニット内部の電熱線により加熱され,霧状の煙になる仕組みである。電子タバコは日本を含む世界中
で急速に普及してきているが,電子タバコから発生する煙に含まれる化学物質に関する詳細な報告は少ない。
我々は,ハイドロキノンと 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを用いた二連カートリッジ法(HQ-DNPH
法)1)により,一部の電子タバコからカルボニル化合物が発生することを明らかにした
2)。この時被験体と
したのは,いわゆる“第一世代電子タバコ”で,小型で構造が単純であり,煙の発生量も少ないものであっ
た。また,測定対象物質はガス状のカルボニル化合物のみであった。その後,第一世代電子タバコは姿を消
し,現在は比較的大型で発煙量の多い“第二世代電子タバコ”が急速に普及している。
本研究では,第二世代電子タバコから発生する煙に含まれる粒子中とガス中に存在する VOCs とカルボ
ニル化合物を固体捕集 / 二段階溶出法 3)で分析を行い,化学物質の発生量や生成メカニズムを検討した。
【方法】
電子タバコ煙の捕集:電子タバコから発生する煙を,粒子状
物質とガス状物質に分けて捕集・分析を行った。なお,実際
Electronic cigarette
Switch
に電子タバコを使用する状況を考慮し,被験用の第二世代電
Filter pad
子タバコを 30 度の角度で自動喫煙装置に設置した
(Fig. 2)
。
電子タバコから発生する煙の粒子状物質をガラスフィルター
で捕集した後,Carboxen 572 を 300 mg 充填したカートリッ
ジ(CX-572 カーリッジ)を通してガス状物質を捕集した。
粒子状物質の分析:捕集を終えたガラスフィルターを 50 mL
の三角フラスコに入れる。10 mL のメタノールを加え,120 cpm
30°
CX-572 cartridge
Smoking machine
Puff duration: 2s
Puff interval: 30s
Fig. 1. Schematic drawing of the collection system for
electronic cigarette smoke.
で 30 分間振とうした後,5 mL のメスフラスコに 1 mL 分取する。DNPH 溶液(20 mg/mL)を 400 μL 添
加してカルボニル化合物を誘導体化してから,エタノールで 5 mL に定容して HPLC で分析する。
ガス状物質の分析:捕集を終えた Carboxen 572 粒子をセプタム付の 15 mL バイアルに移し,1 mL の二硫
化炭素を添加する。5 分間静置した後,4 mL のメタノールを添加し撹拌する。カルボニル化合物を分析す
る際には,0.5 mL を分取し,DNPH 溶液を 200 μL 添加して誘導体化した後,エタノールで 5 mL に定容
してから HPLC で分析する。VOC を分析する際には,溶出液から 1 mL をオートサンプラーのバイアルに
分取し,10 mg/mL ベンゼン-d6 溶液(内部標準溶液)を 10 μL 添加した後,GC/MS で分析を行う。
【結果と考察】
国内で市販されている 10 銘柄(銘柄 A~J)の電子タバコについて,分析を行った。
Determination of chemical compounds in smoke mist generated from the second-generation electronic
cigarette using a sorbent cartridge followed by two-step elution.
Senoo, Y.; Uchiyama, S.; Inaba, Y.; Kunugita, N.; Nakagome, H.
Chiba University; Department of Environmental Health, National Institute of Health
第 24 回環境化学討論会,妹尾結衣,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,妹尾 結衣,口頭発表(札幌;2015年)
120
電子タバコを一服(パフ)する
formaldehyde
毎に,CX-572 カートリッジを交換し,30 パフまで連続して捕集
amount, μg
を行った。Fig. 2 にパフ間隔を 30 秒に設定して吸煙を行ったと
きの 1 パフ毎のカルボニル化合物の発生量を示す。13 パフ目ま
でカルボニル化合物はほとんど発生しない,14 パフ以降に急激
acrolein
60
30
な発生が見られた。カルボニル化合物の発生メカニズムとして,
リキッド成分であるグリセロール,グリコール類の酸化が考えら
0
れる。パフを繰り返すことによりアトマイザーが蓄熱され,ある
1
3
5
7
9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29
puff number
Fig. 2. Changes in the generation amount of
carbonyl compounds from E-cigarette with puff
number. (30s interval)
パフ数からの急激に発生量が増加したことが推測される。
カルボニル化合物と印加電圧の関係
acetaldehyde
90
電圧を変化させることが
できる電子タバコを用いて,印加電圧と発生するミスト,カルボ
400
12
ニル化合物の関係を求めた(Fig. 3)
。印加電圧が 4 V 以下の時
は,カルボニル化合物はほとんど発生しないが,4 V を超えると
acetaldehyde
formaldehyde
acrolein
mist
carbonyls, mg
9
急激にカルボニル化合物の発生量が増加した。一方,ミストの発
生量は,
電圧の上昇に伴い増加したが,
4.8 V では若干減少した。
各銘柄の電子タバコから発生したカルボニル化合物量 1 本の
電子タバコに対し 30 パフを 1 スモーキングとして,5 本測定す
ることによりカルボニル化合物の発生量を比較した。測定は,1
300
smoke mist, mg
パフ回数による発生量の変化
6
200
3
100
0
本につき 3 回,2~3 日間放置してから測定を行った。銘柄 E か
3.0
3.5
4.0
voltage, V
4.5
5.0
0
Fig. 3. Changes in generation amount of
carbonyl compounds from electronic cigarette
with applied voltage to a heater coil in the
atomizer.
ら発生した各種カルボニル化合物および電子タバコミストの量
を Fig. 4 に示す。銘柄 E は比較的高濃度のカルボニル化合物を
発生した電子タバコであるが,同一製品間,さらには測定回数
間によるカルボニル化合物発生量のバラツキが大きく生じることが明らかとなった。
3rd
1st
400
200
0
1
250
2
3
Product No.
4
200
2nd
200
3rd
amount, mg
1st
150
100
50
3rd
1
2
3
Product No.
4
5
1
2
3
Product No.
4
2nd
3rd
100
0
5
250
E_methylglyoxal
1st
2nd
200
3rd
150
100
0
1st
50
50
0
E_acrolein
150
200
250
E_glyoxal
2nd
400
0
5
200
E_acetaldehyde
amount, μg
2nd
amount, μg
amount, μg
1st
amount, mg
600
E_formaldehyde
amount, mg
600
1
2
3
Product No.
4
5
3
Product No.
4
5
E_mist
1st
2nd
3rd
150
100
50
1
2
3
Product No.
4
5
0
1
2
Fig. 4. Amounts of various aldehydes and smoke mist generated from E brand of electronic cigarette.
【結論】
一部の電子タバコから各種のカルボニル化合物が発生した。また,グリオキサールとメチルグリオキサ
ールは通常のタバコ主流煙にはほとんど含まれておらず,電子タバコ特有の物質である。今後,これらの物
質の有害性に関して精査することが必要である。
【参考文献】
1) Uchiyama, S. et al. J. Chromatogr. A 2010, 1217, 4383-4388.
2) Uchiyama, S. et al. Anal. Sci. 2013, 29, 1219-1222.
3) Uchiyama, S. et al. J. Chromatogr. A 2013, 1314, 31-37.
2A-01
第 24 回環境化学討論会,西川博之,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,西川 博之,口頭発表(札幌;2015年)
PCBs 代謝物によるアメリカアリゲーターの汚染実態
○西川博之 1,野見山桂 1,Russell Lowers 2,Louis J. Guillette Jr. 2,田辺信介 1
(1愛媛大・沿環研セ,2 サウスカロライナ医科大学, MBES)
【はじめに】
トランスやコンデンサーの絶縁油および熱媒体などに使用されてきたポリ塩化ビフェニル(PCBs)は、内分
泌撹乱作用、免疫抑制、発癌性等の毒性をもつことが知られている。また、PCBs の代謝により生成する水酸
化代謝物(OH-PCBs)やメチルスルホン代謝物(MeSO2-PCBs)も内分泌撹乱作用を示すことが報告されてい
る(1)。近年、親化合物の PCBs だけでなく、その代謝物の高次生物蓄積も問題となっており、生体および環境
の汚染実態解明とリスク評価が求められている。北米大陸南東部に分布しているアメリカアリゲーターは生態
系の頂点に位置するため、食物連鎖を介した残留性有機汚染物質の蓄積と影響が危惧されている。1980 年にフ
ロリダ州アポプカ湖で発生した農薬の漏洩事故は、湖に棲息するアメリカアリゲーターの個体数減少を引き起
こしたが、これはジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)などの有機ハロゲン化合物による内分泌撹乱
作用が原因とされている(2-3)。さらに、アポプカ湖以外の湖においても内分泌撹乱物質の影響と考えられるアメ
リカアリゲーターの異常が報告されており(4)、継続的な汚染調査と広域モニタリングが求められている。しか
しながら、これまで本種における PCBs 代謝物の研究は皆無であり、蓄積特性や生体リスクについては明らか
にされていない。そこで本研究では、親化合物の PCBs とその代謝物によるアメリカアリゲーターの汚染実態
について解明を試みた。
【方法】
米国フロリダ州の 3 地点(アポプカ湖、ウッドラフ湖、メリット島)で採取したアメリカアリゲー
ターの血液・肝臓(オス n = 18、メス n = 2)を分析に供試した。分析方法は既報に従い(5)、肝臓試料を
攪拌・抽出後、KOH 水溶液を加えて有機層に PCBs と MeSO2-PCBs、KOH 層に OH-PCBs を分配し、
有機層は更に硫酸処理後で有機層に PCBs、硫酸層に MeSO2-PCBs を分配した。OH-PCBs はトリメチ
ルシルジアゾメタンを用いて誘導体化し、GPC、シリカゲルカラムで精製した後、PCBs とともに高分
解能 GC / MS で定性・定量した。MeSO2-PCBs は多層シリカゲルカラムで精製した後、GC/MS(NCI)
で定性・定量した。本研究では PCBs 56 異性体、OH-PCBs 51 異性体、MeSO2-PCBs 23 異性体を測定対
象物質とした。
【結果と考察】
アメリカアリゲーター肝臓中の PCBs 濃度は 57000 pg/g (wet wt.)、OH-PCBs は 300 pg/g、MeSO2-PCBs
は 320 pg/g であった。PCBs と OH-PCBs の濃度を既報と比較すると、PCBs は陸棲哺乳類よりも相対的
に高値であったが、OH-PCBs は同程度であった(6)。そこで、アリゲーターの代謝能を検証するため、血
液および肝臓それぞれの PCBs と OH-PCBs 濃度比(OH-PCBs/PCBs = 0.005)を算出し、他動物種(7)と比
較した結果、PCBs 代謝能が弱いとされる海棲哺乳類と同程度の値が得られた(Fig. 1)。 これらの結
果から、アメリカアリゲーターの PCBs 代謝能は相対的に弱いことが示唆された。しかしながら、
OH-PCBs の異性体組成は、4OH-CB172、4OH-CB193 等などの高塩素化体(7 塩素化体)が高割合を占
Contamination status of PCBs and their metabolites in American alligator
○Hiroyuki Nishikawa 1,Kei Nomiyama 1,Russell Lowers 2,Louis J. Guillette Jr. 2 and Shinsuke Tanabe 1
1) Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho, Matsuyama 790-8577,
Japan.
Email: [email protected]
2) Marine Biomedicine and Environmental Science (MBES), Medical University of South Carolina, 165 Cannon
Street # 503, Charleston, South Carolina 29403, USA
第 24 回環境化学討論会,西川博之,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,西川 博之,口頭発表(札幌;2015年)
めており、代謝能の強い陸棲哺乳類でみられる
特徴と類似していた(Fig. 2)
。また、親 PCBs の
異性体組成に注目すると、多くの高等動物でみ
られる CB138、CB153、CB180 など難代謝性の
高塩素化体(6、7 塩素化体)が高割合を占めて
いた。これらの結果から、アメリカアリゲーター
は第 2 相反応において低塩素化 OH-PCBs に対す
る強い抱合能を有するか、難分解性である一部
の高塩素化 PCBs を特異的に代謝できる能力を
もつことが推察された。
そこで、第 2 相反応におけるグルタチオン抱合
能の強さを推察するため、MeSO2-PCBs の濃度お
よび MeSO2-PCBs/OH-PCBs 濃度比(3.67)を既 Fig. 1. Concentration ratios of OH-PCBs/PCBs in the
serum and liver of American alligator in comparison
報と比較した結果、濃度は海棲哺乳類よりも低 with other terrestrial and marine animals
値であったが、濃度比は海棲哺乳類、陸棲哺乳
類よりも相対的に高値を示し、低塩素化体ほ
ど高い濃度比が認められた(Fig. 3)
。これらの
結果から、低塩素化 OH-PCBs に対するアメリ
カアリゲーターのグルタチオン抱合能は、相
対的に強いことが示唆された。
【結論】
アメリカアリゲーターの肝臓中 PCBs とそ
の代謝物濃度を分析した結果、PCBs 濃度およ
び OH-PCBs 濃度は海棲哺乳類よりも低く、陸
棲哺乳類よりも高い、あるいは同程度のレベ
ルであった。また、MeSO2-PCBs 濃度は海棲哺
Fig. 22. Concentration of OH
OH-PCBs
PCBs congeners in the
liver of American alligator
乳類より低いレベルで検出された。そこで、代
謝能・抱合能を検証した結果、アメリカアリゲ
ーターの第 1 相反応における PCBs 代謝能は、他
生物種に比べ相対的に弱いことが推察された。
第 2 相反応に注目すると、低塩素化 OH-PCBs に
対するグルタチオン抱合能は、相対的に強いこ
とが推察された。
本研究により、PCBs 代謝物蓄積特性とその代
謝能が初めて明らかとなった。
Fig. 3. Concentration ratios of MeSO2-PCBs/OH-PCBs
in the liver of American alligator
【参考文献】
(1) Londono et al., 2010, J. Appl. Toxicol. 30, 330-342; (2) Guillette et al., 1994, Environ. Health Perspect. 102,
680-688; (3) WHO 国際化学物質安全性計画. 2002, 第 4 章, 36-56; (4) Guillette et al., 1999, Arch. Environ.
Contam. Toxicol. 36, 447-455; (5) Eguchi et al., 2014, Talanta. 118, 253-261; (6) Shuangying et al., 2012, Arch.
Environ. Contam. Toxicol. 65, 555-566; (7) Nomiyama et al., 2010, Environ. Sci. Technol. 44, 3732-3738
1B-03
第 24 回環境化学討論会,久米伊万里,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,久米 伊万里,口頭発表(札幌;2015年)
遊離型甲状腺ホルモンの高精度機器分析法の開発
○久米伊万里,田上瑠美,田辺信介,国末達也
(愛媛大・沿環研セ)
【はじめに】
内因性ホルモンの一種である甲状腺ホルモン(THs)は、生体内のエネルギー代謝や細胞の分化・発達
に重要な役割を果たしており、視床下部-下垂体-甲状腺軸によりその恒常性が維持されている。プ
ロホルモンとして作用するサイロキシン(T4)は甲状腺で生成され、血流を介して標的組織へ運ばれた
後、脱ヨード化酵素により活性化体であるトリヨードサイロニン(T3)に変換され、甲状腺ホルモンレ
セプターと結合することで遺伝子発現を調節している。しかしながら、難分解性有機汚染物質(POPs)
など有害化学物質の曝露による THs の恒常性機能攪乱が様々な動物種で報告されている 1), 2)。ヒトの
場合、THs 恒常性機能は生理学的活性を有する遊離型 THs(タンパク非結合型)の血中濃度を測定する
ことで評価されており、一般にその測定には免疫測定法が用いられている。免疫測定法は高感度の検
出を可能とする一方で、用いた抗体の非特異的反応により異常値が生じることも指摘されている 3)。そ
のため近年、機器分析法を用いた測定が試みられているが、十分な精度が検証されていないことに加
え、ヒト以外の動物種への適用も未知である。そこで本研究では、限外ろ過法を用い、多様な動物種
に適用できる遊離型 THs の高精度機器分析法の開発を試みた。
【方法】
遊離型 THs の分析は、既報の総 THs 分析法 3), 4)
の一部を限外ろ過に変更して実施した。分析フロー
を Fig. 1 に示す。限外ろ過デバイスの検討には、先
行研究でヒト血清中遊離型 THs 分析に使用された
Centrifree YM-30 5)、YM-30 と同様の膜素材(再生セ
ルロース)を有する Amicon Ultra-0.5、安価で血清中
遊離型医薬品分析で実績のある Nanosep Omega 6)
の 3 種を用いた。ウシ血清 400 L を限外ろ過デバ
イスにスパイクし、室温で 30 分静置した後、遠心分
離により限外ろ過に供した。遠心温度はウシの基礎
体温 37 ℃に設定した。得られたろ液に Milli-Q (1
mL)および Crean-up Spike (T4-13C6, T3-13C6)を加
え、あらかじめメタノール(3 mL)と Milli-Q (5 mL)
を通液しコンディショニングした Agilent SampliQ
OPT カートリッジを用いて固相抽出した。調製した
ろ液をカートリッジにスパイクし、0.01 %酢酸水溶
Fig. 1. Flow chart of free
f
TH analysis
analysis.
液/メタノール(9 : 1, v/v)で洗浄後、メタノールを用
いて THs を溶出した。溶出液を窒素気流下で約 70 L まで濃縮し、Syringe Spike (rT3-13C6)を加えて
100 L に定容後、LC (Shimadzu UFLC-XR)-MS/MS (AB Sciex QTRAP 5500)で定性・定量した。
Development of a novel method for free thyroid hormones using LC-MS/MS
Imari Kume, Rumi Tanoue, Shinsuke Tanabe, Tatsuya Kunisue
Center for Marine Environmental Studies(CMES), Ehime University, Bunkyo-cho 2-5, Matsuyama.
第 24 回環境化学討論会,久米伊万里,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,久米 伊万里,口頭発表(札幌;2015年)
【結果と考察】
(1) 遠心力 (g) の検討
3 種の限外ろ過デバイスに対して、異なる 7 段階の遠心力(1,100; 1,500; 2,000; 3,000; 4,000; 5,000;
10,000 g)で分析した遊離型 T4 の濃度変化を Fig. 2 に示す。YM-30 を用いた場合、1,100–3,000 g の
間で安定した測定値が得られた。一方、Amicon Ultra-0.5 の測定値は YM-30 に比べ数倍高く、変動幅
にも大きなバラツキがみられた。Nanosep Omega では、4,000 g 以上の遠心力でのみ遊離型 T4 が検
出され、測定値も安定していなかった。以上の結果から、最も測定値が安定した YM-30 を本手法の限
外ろ過デバイスとして選定した。
YM-30 を用いた遊離型 T4 の測定値は、1,100–3,000 g の間で有意差はなく(p>0.05, ANOVA)、4,000
g 以上では濃度上昇の傾向が認められた。この要因として、4,000 g 以上の遠心力によるタンパク質の
漏出が推察されたため、3,000 g 以下の遠心力で最も低い 1,100 g を最適遠心力とした。
Fig. 2. Variation in concentrations of free T4 in bovine serum by centrifugal force.
ND = Not Detected
(2) 遠心時間の検討
上記(1)で最適化された条件を用いて限外ろ過の遠心時間を 10 分、20 分、30 分に設定し、測定値の
変動を精査した。その結果、遠心時間 30 分で最も安定した値が得られたことから、最適遠心時間を
30 分とした。
(3) 他種への適用性
ウシ血清を用いて確立された YM-30 限外ろ過法をヒトとウサ
ギ血清に適用し、遊離型 THs を分析した。その結果、いずれの動
物種においても変動係数は 11 %以下を示し、良好な精度が得られ
た(Fig. 3)。
(4) 検出下限の算出
定量下限(S/N 比=10)相当の濃度に調整した血清試料を 5 回繰り
返して分析し、得られた測定値の標準偏差から検出下限を求めた。
本分析法における遊離型 THs の検出下限は、
遊離型 T4 が 4.5 (pg/g
serum)、遊離型 T3 が 1.7 (pg/g serum)と算出された。
Fig. 3. Concentrations of free T4 and free T3
in bovine, human, and rabbit serum.
【結論】
本分析法の併行精度は T4:7.8 %、T3:12 %であり、室内再現精度は T4:13 %、T3:17 %と良好
な結果を示した。本研究で開発した遊離型 THs の高精度機器分析法は、多様な動物種における甲状腺
機能の恒常性を評価する上で有用と考えられる。
【参考文献】
2)Ibhazehiebo et al., 2010, Environmental health Perspecttive 119, 165–178.
et al., 2010, Hot Thyroidology, 12/10(epub).
et al., 2011, Environmental Science and technology 45, 10140–10147. 4)Kunisue et al., 2011, Analytical Chemistry, 83, 417–424.
6)Kratzer et al., 2014, Journal of Chromatography B , 961, 97–102
5)Soldin et al., 2011, Clinical Chemistry , 57:1, 122–127.
1)Koibuchi
3)Kunisue
2A-02
第 24 回環境化学討論会,元木
一貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,元木
一貴,口頭発表(札幌;2015年)
瀬戸内海のスナメリに残留する有機ハロゲン化合物の網羅分析
○元木一貴 1,野見山 桂 1,後藤哲智 1,落合真理 1,国末達也 1,田辺信介 1
(1 愛媛大・沿岸研セ)
【はじめに】
トランスやコンデンサーに絶縁油として使用されたポリ塩化ビフェニル (PCBs) および臭素系難燃
剤として家電製品に利用されたポリ臭素化ジフェニルエーテル (PBDEs) は、難分解性、生物蓄積性、
発がん性、催奇形性などの毒性をもつことが知られている。興味深いことに、近年、PCBs や PBDEs
などの人為起源有機汚染物質と類似の構造・物性をもつ天然起源化合物が野生生物から検出されてい
る。中でもメトキシ化 PBDEs (MeO-PBDEs) やメチルビピロール (MBPs) などの天然有機ハロゲン化
合物は、鯨類から PCBs に匹敵する濃度で検出されている[1]。そのため、これまで注目されなかった天然
化合物による生態影響も懸念されるが、これら化合物の残留実態の解明を試みた研究例は未だ少ない。
これまでの環境モニタリング研究では、主にターゲット分析が適用されてきた。ターゲット分析は目的
物質を確実かつ正確に定性、定量可能という点で有用であるが、測定対象以外の汚染物質を検知でき
ない。そこで、未知物質を含む多様な環境汚染物質を包括的に検出する手法として、二次元ガスクロマ
トグラフ/飛行時間型質量分析計 (GC×GC/TOF-MS) を用いたノンターゲット分析が近年注目されてい
る。先行研究では、魚油中に残留する人為および天然起源の有機化合物を対象とした網羅分析により、
多数の有機ハロゲン化合物を検出している[2]。しかしながら、これまでの研究は魚類などの低次生物を
対象としたものが中心であり、高次生物を対象とした研究例は極めて少ない。生物濃縮が顕著な高次
生物は、低次生物に比べ多様な化学物質を高蓄積することが予想される。そこで本研究では、高次生物
である沿岸性鯨類スナメリ (Neophocaena phocaenoides) に注目し、GC×GC/TOF-MS を用いて既知およ
び未知有機ハロゲン化合物の網羅分析を試みた。
【方法】
本研究では、1985 年および 2008 年に愛媛県沿岸に座礁・漂着したスナメリの脂皮 0.8 g を分析
に供試した。試料を 110 g の無水硫酸ナトリウムとともに乳鉢ですりつぶし、脱水・均質化した。そ
の後、試料に 300 mL のアセトン/ヘキサン混合溶液 (1:1)を加え、35 °C で 30 分間高速加熱流下抽出を
行った。得られた抽出液は、前処理による化学物質の消失を極力減らすため、ゲル浸透クロマトグラ
フ ィ ー (GPC) の み で 精 製 分 画 し 、 得 ら れ た 溶 液 を 窒 素 気 流 下 で 50 µL ま で 濃 縮 後 、
GC×GC/TOF-MS で分析した。
【結果と考察】
GC×GC/TOF-MS 分析により、1985 年のスナメリの脂皮試料から人為・天然起源を含む計 194 種類、
2008 年の試料からは計 200 種類の有機ハロゲン化合物が検出された (Table 1) 。確認された化合物の多
Comprehensive analysis of persistent organohalogen compounds in finless porpoises from Seto Inland Sea
○Kazutaka MOTOGI, Kei NOMIYAMA, Akitoshi GOTO, Mari OCHIAI, Tatsuya KUNISUE and Shinsuke
TANABE
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho, Matsuyama 790-8577,
Japan. Email:[email protected]
第 24 回環境化学討論会,元木
一貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,元木
一貴,口頭発表(札幌;2015年)
くは、PCBs、PBDEs、クロルデンなど残留性有機汚染物質
(POPs) に指定されている人為起源の有機ハロゲン化合物で
Table 1. Organohalogen compounds of anthropogenic
and natural origin detected in the blubber of finless
porpoises.
あった。また、1985 年と 2008 年の分析結果を比較したとこ
ろ、検出された POPs の異性体・同族体の数に明確な差異は
認められなかった。この結果は、これら POPs の生体残留性を
強く反映したものと考えられる[3,4]。
興味深いことに、MeO-PBDEs や MBPs が POPs に匹敵する
レベルで検出された。また、検出された異性体・同族体数の年
代間の差は見られなかった。これら天然有機ハロゲン化合物
は、沿岸域に生息する藻類等により生成されることが報告さ
れている[5]。とくに、MeO-PBDEs や MBPs は、食物連鎖を介
して生物濃縮することが知られているため[6,7]、これら天然
化合物もスナメリ体内に常在的に蓄積し POPs に匹敵するレ
ベルで検出されたものと考えられた。
さらに、本研究では tetraBDEs、MeO-tetraBDEs と類似の溶
出パターンを示す未知化合物が検出された。この化合物の精
密質量やハロゲンクラスターの同位体比・フラグメントパタ
ーンから構造を解析した結果、1 塩素+3 臭素が置換したメト
キシポリハロゲン化ジフェニルエーテル (MeO-PXDE) であ
ると推定された (Fig. 1)。MeO-PXDE は、米国東岸に座礁し
たマイルカ (Delphinus delphis) から検出されているが[8]、そ
の報告例は極めて乏しく、発生源等の詳細は未だ不明である。
本研究では、未知起源のミックスハロゲン化合物が、PXDE
と MeO-PXDEs の 2 種検出された。これらはいずれも日本沿
岸の鯨類から初めて確認された化合物である。
【結論】
本研究では、GC×GC/TOF-MS 分析によりスナメリの脂皮
に約 200 種類の有機ハロゲン化合物が蓄積していることを
明らかにするとともに、2 種の未知起源化合物を同定した。
また一部の天然有機ハロゲン化合物は POPs に匹敵するレ
ベルで検出されたことから、今後これらの定量分析を試み、
曝露実態を解明したいと考えている。
【参考文献】
[1] Haraguchi et al., 2009, Science of the Total Environment,
407, 2853–2859.
[2] Hoh et at., 2009, Environmental Science & Technology,
43, 3240–3247.
[3] Nakata et al., 2007, Environmental Science & Technology,
41, 2216-2222.
[4] Oshihoi et al., 2010, Interdisciplinary Studies on
Environmental Chemistry , vol . 4 , 215-222.
[5] Teuten, E. L., Xu, L., Reddy, C. M., 2005, Two abundant
bioaccumulated halogenated compounds are natural products.
Science 307, 917–20.
[6] Rotander et al., 2012, Science of the Total Environment,
416, 482-489.
[7] Pangallo et al., 2009, Environmental Science &
Technology, 43, 122-127.
[8] Hoh et al., 2012, Environmental Science & Technology
46, 8001–8.
Fig. 1. EI mass spectra of the MeO-PXDE in the blubber of finless porpoises.
3A-07
第 24 回環境化学討論会,武田
一貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,武田
一貴,口頭発表(札幌;2015年)
野生齧歯類におけるワルファリン抵抗性獲得機序の解明
○武田一貴 1,池中良徳 1,田中和之 2,中山翔太 1,谷川力 2,水川葉月 1,石塚真由美 1
(1 北海道大学大学院獣医学研究科,2 イカリ消毒株式会社)
【はじめに】
ワルファリンは抗血液凝固作用を示す化学物質であり、その薬効はビタミン K 依存性血液凝固因子の合
成に不可欠な酵素であるビタミン K エポキシド還元酵素 (VKORC1)の阻害により発揮される。ワルファリン
を含む抗血液凝固薬は殺鼠剤として世界中で用いられているが、主として欧米で用いられる、強力な第 2
世代殺鼠剤は野生鳥類の中毒・死亡事故等の二次被害を出している
1)。このため、日本などでは現在も比
較的安全性の高いワルファリンが広く用いられている。
しかしながら、近年世界中の都市部でワルファリンに対し抵抗性を持つ野生齧歯類の棲息が確認され、
棲息数の 80%を占める地域すら存在する 2)。これら野生齧歯類は重篤な人獣共通感染症を媒介するため、
抵抗性獲得機序の解明は急務であるといえる。
抵抗性獲得にはワルファリンの標的分子である VKORC1 の遺伝子変異の関与が確認されている
3)が、薬
物代謝酵素であるシトクロム P450 (CYP)によるワルファリン代謝能の向上も報告されている 4)。
本研究では、野生齧歯類のワルファリン抵抗性獲得機序の解明を目的とし、①抵抗性ラットの VKORC1 遺
伝子解析②抵抗性ラットを用いたワルファリン経口投与後血中濃度測定・薬物動態 (PK/PD)解析の 2 点につ
いて解析を行った。
【方法】
1:抵抗性ラットの VKORC1 遺伝子解析
・供試動物:ワルファリン抵抗性ラットとして、新宿で捕獲された後クローズドコロニー化されたクマネズミ、ワルフ
ァリン感受性個体として小笠原諸島のクマネズミを用いた。 (それぞれ N=4)
・VKORC1 遺伝子のシークエンス解析:肝からゲノム DNA を抽出し、VKORC1 遺伝子を PCR 法により、ラ
ット VKORC1 特異的プライマーを用いて増幅した。得られた PCR 産物のシークエンス配列の解析は ABI
Prism 310 Genetic Analyzer を用いて行った。
2:抵抗性ラットでのワルファリン経口投与試験
・供試動物:上に同じ。
・血中ワルファリン濃度測定:各ラットに三種混合麻酔下で頸部皮膚切開術を施し頸静脈を露出後、10 mg/kg
のワルファリンを経口投与した。その後 51 時間まで一定時間おきにイソフルレン麻酔下で頸静脈から採血し
血漿を分離した。また採取した血液のプロトロンビン時間を、コアグチェック XS を用いて測定した。ワルファ
リン及びその代謝産物は、ジエチルエーテル液液分配により抽出し、SIMADZU LCMS-8030 で定量した
後 Phoenix1.3 を用いてノンコーパントメント解析を行った。
Warfarin resistance in Japanese wild rodents
○Kazuki TAKEDA1, Yoshinori IKENAKA1, Kazuyuki TANAKA2, Shouta NAKAYAMA1, Tsutomu
TANIKAWA2, Hazuki MIZUKAWA1, Mayumi ISHIZUKA1
1Graduate
School of Veterinary Medicine, Hokkaido University. 2Ikari Corporation
第 24 回環境化学討論会,武田
一貴,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,武田
一貴,口頭発表(札幌;2015年)
【結果と考察】
1:VKORC1 遺伝子解析
VKORC1 遺伝子のアミノ酸シークエンス解析を行った結果、抵抗性群 (新宿由来ネズミ)の全個体(N=4)が
Leu76Pro の変異を有していた。この変異を持つ個体は過去に行われたワルファリン含有餌投与試験におい
て 1 か月以上生存し、抵抗性を示していた 5)。
2:抵抗性ラットでのワルファリン経口投与試験
2-1:血液凝固時間の変化
図 1 は血液凝固能の指標であるプロトロンビン時間 (INR)を示
す。INR が高いほど血液が凝固しにくく、ワルファリンの薬効が発現
していると言える。感受性群では投与後 26 時間以降でプロトロンビン
時間の有意な延長が認められたが、抵抗性群では投与前と比較して
有意な上昇は確認されなかった。
2-2:血中動態
ワルファリンの血漿中濃度に関する値では AUC (血中濃度―時間
曲線下面積)と Cmax (最高濃度)が抵抗性群で有意に低く、またクリ
アランス(排泄能)は抵抗性群が有意に高かった (図 2)。クリアランス
の高値はこれまで提唱していた代謝能の向上を支持するが、今回得
られた Cmax の低値は新たな仮説として、抵抗性群での経口摂取後
の吸収率が低下している可能性を示している。人の医療現場では実
際にワルファリンの吸収不良により抵抗性を得たと見られる症例が存
在する 6)。
2-3:ワルファリン代謝能
ワルファリンの主な代謝産物である 4’位水酸化ワルファリンの血中
動態では、Tmax (最高濃度へ到達した時間)は抵抗性個体が有意
に早かった(図 3)。この傾向は他の 4 代謝産物 (6, 7, 8, 10 位)でも
同様に認められた。抵抗性群が感受性群よりも迅速に Tmax へ到達
した一因として、抵抗性個体におけるワルファリン代謝能の向上が考
えられる。
【結論】
日本のワルファリン抵抗性ラットの抵抗性獲得機序には、従来 VKORC1 遺伝子の変異と CYP 系による解
毒亢進の 2 つのメカニズムが提唱されていた。本研究の結果は、これらの仮説を生体レベルで実証するととも
に、新たに経口摂取したワルファリンの吸収率の低下が関与している可能性を示した。
【参考文献】
1) Science of the Total Environment: 2012, 420: 280-288
2) 衛生動物: 1993, 44: 293-298.
3) J Biochem Mol Toxicol: 2005, 19: 379-385
4) Drug Metabolism and Disposition: 2006, 35: 62-66
5) Pesticide Biochemistry and Physiology: 2012, 103: 144-151
6) Am J Health Syst Pharm:2009, 66(17): 1548-1553
1A-11
第 24 回環境化学討論会,芳之内結加,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,芳之内 結加,口頭発表(札幌;2015年)
バイカルアザラシ エストロゲン受容体を介したビスフェノール類に
よるアンタゴニスト作用の評価
○芳之内結加 1,清水沙千子 1,李 鎭善 1,平野将司 1,鈴木賢一 2,中田晴彦 3,
金 恩英 1,4,岩田久人 1
(1 愛媛大学沿岸環境科学研究センター,2 広島大学大学院理学研究科,3 熊本大学大学
院自然科学研究科, 4Department of Life and Nanopharmaceutical Science and Department of
Biology, Kyung Hee University, Korea)
【はじめに】
バイカルアザラシ(Pusa sibirica)は PCBs・DDTs・ダイオキシン類・有機フッ素化合物等の残留性
有機汚染物質(POPs)を高蓄積している 1-3)。これら POPs の一部は、エストロゲン受容体(ER)を活
性化することで本来のエストロゲンの応答を撹乱することが知られている。また、プラスチック等の
原料として使用されているビスフェノール類(BPs)も環境中から検出されている。これら BPs の一部
もエストロゲン作用を示すことから、野生生物への影響が危惧されている。しかしながら、環境汚染
物質曝露によるバイカルアザラシ ER シグナル伝達経路への影響に関する知見は欠如している。また、
ER によるリガンドの構造選択性や、リガンドによる ER 活性化の分子機序については依然として不明
な点が多い。我々は先行研究で、バイカルアザラシ ERα および ERβ(bsERα・ERβ)アイソフォームに
対して、多くの BPs がアゴニスト活性を示すことを報告した 4)。本研究では、BPs による ER の影響を
さらに調査するため、17β-エストラジオール(E2)共存下で bsERs を介した BPs のアンタゴニスト活
性を評価した。
【方法】
bsERα・ERβ 発現ベクター、ER 標的遺伝子の 5’上流域に存在する ER 応答配列を含むレポーターベ
クターを COS-1 細胞に導入し、in vitro レポーター遺伝子アッセイ系を構築した。次いで COS-1 細胞
を内因性 ER リガンド E2 と 26 種の BPs をそれぞれ単独で共処理し、レポーター遺伝子(ルシフェラー
ゼ)活性を測定することで、bsERs のアンタゴニスト活性を評価した。また bsERs の種特異的機能を
理解するため、マウス ERs(mERs)についても同等のアッセイ系を構築し、アンタゴニスト能を評価
した。加えて、分子シミュレーションソフト Molecular Operating Environment(CCG 社)を使用して ERs
の 3D ホモロジーモデルを構築し、BPs と ERs の結合状態を in silico でシミュレーションした。
【結果と考察】
BPs の ER アンタゴニスト活性を in vitro レポーター遺伝子アッセイでスクリーニングしたところ、
多くの BPs は E2 共存下においてアンタゴニスト活性を示した。興味深いことに、これら BPs の多くは、
E2 非共存下ではアゴニスト活性を示した。一方、一部の BPs は E2 と相加・相乗作用を示した。BPs に
よるアンタゴニスト活性は ERα・ERβ アイソフォーム間やアザラシ・マウス種間で差が認められた(Fig.
1)。過去の報告によれば、4,4'-(1-methylethylidene)bis(2-methylphenol)(BPC)はヒト ERs に対してアン
タゴニスト活性を示し、ヒト ER-BPC 複合体の結晶構造が解析されている 5)。そこで、in vitro スクリ
ーニングで bsERs アンタゴニスト活性を示した BPC と 4,4'-(2,2-dichloroethenylidene)bisphenol(BP C2)
の 2 種を対象として、E2 共存下でのアンタゴニスト活性の用量—応答関係を解析した。
In vitro assessment of antagonistic potencies of bisphenols through Baikal seal estrogen receptors
○Yuka Yoshinouchi, Sachiko Shimizu, Jin-Seon Lee, Masashi Hirano, Ken-ichi T. Suzuki, Haruhiko Nakata,
Eun-Young Kim, Hisato Iwata
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, Bunkyo-cho 2-5, Matsuyama 790-8577,
Japan. Tel: +81-89-927-8194, Fax: +81-89-927-8194, e-mail: [email protected]
第 24 回環境化学討論会,芳之内結加,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,芳之内 結加,口頭発表(札幌;2015年)
Relative luciferase activity [%]
200
150
Baikal seal ERα (+ E2 0.8 nM)
Mouse ERα (+ E2 0.3 nM) Baikal seal ERβ (+ E2 5 nM) Mouse ERβ (+ E2 25 nM) 100
50
0
250
200
150
100
50
1 μM
5 μM
10 μM
PA
TC
BP
A
TB
B
H
BP
TB
P
H
4,
PP
4'
-M
BT
BP
BP
BP
S
Sm
on
oP
BP
E
2,
2'
-B
PF
2,
4'
-B
PF
4,
4'
-B
PF
C
2
BP
C
BP
BP
A
BP
B
D
D
M
H
D
M
H
PT
E
TM
BP
A
BP
Z
M
P
s-
BP
AP
Bi
O
H
T
D
PM
D
PP
BP
AF
0
100 μM
Fig. 1. Results of in vitro screening assays of ER-mediated transactivation by BPs cotreated with E2.
Relative luciferase activity [%]
Baikal seal ERα
Baikal seal ERβ
BPC 処理(0.01-100 µM)の結果、bsERs に対して BPC
● OHT
■ BP C2
は弱いアンタゴニスト作用を示したが、mERs に対して有
*
▲ BPC
*
****
**
IC [μM] ** ***
IC
[μM]
** ** ** ***
***
*** *** ***
意な作用は示さなかった(Fig. 2)。一方、BP C2 は BPC よ
0.00081
0.0015
***
0.011
0.025
***
*** ***
***
***
410
11
りも約 100∼1000 倍低濃度で、陽性対照であるヒドロキシ
*** ***
Mouse
ERα
Mouse
ERβ
タモキシフェン(OHT)と同様に ER 転写活性化能を抑制
した(Fig. 2)。
IC [μM]
IC [μM]
次に BPC と BP C2 のアンタゴニスト作用の差を解明する
*
0.00097
0.0052
***
**
Not effect
0.029
*** *** ***
***
ために、ER リガンド結合ポケットにおける両物質の結合状
*** ***
Not effect
Not effect
態を in silico シミュレーションで解析した。先行研究での
Log [Concentration (μM)]
; Solvent control, *; p 0.05, **; p 0.01, ***; p 0.001
結晶構造解析結果から、強いアゴニスト活性を示す BPA の
Fig.
2.
Dose-response
curves
of
2つのフェノール環は、ポケット内の両端に位置する3つ
ER-mediated
transactivation
by
OHT,
BP
の極性残基(H524・E353・R394)と水素結合を形成し、
C2 and BPC cotreated with E2.
E2 と類似した結合様式をとることが明らかにされている 5)。
一方、アンタゴニスト活性を示す BPC は、BPA と比較し OHT
BP C2; -44.7 kcal/
kcal/mol
kcal/mol
OHT; -53.4 kcal/
kcal/mol
mol
BPC-like position
て片方のフェノール環が別方向に配置される 5) 。これら
BPA・BPC の配置はそれぞれ“BPA-like”・“BPC-like”と定義
されている 5)。本研究で in silico シミュレーションした結果
(OHT との共結晶構造[PDB ID: 3ERT]をテンプレート構
BPC; -19.2 kcal/
kcal/mol
kcal/mol
BPC; -25.3 kcal/
BPC
kcal/mol
kcal/mol
造として使用)、バイカルアザラシ ER で BPC は“BPA-like” BPA-like position BPC-like position
と“BPC-like”両方の配座を示したのに対し、BP C2 は完全な
“BPC-like”の配置を示した(Fig. 3)。また相互作用エネルギ
ーを推定したところ、BP C2 の値は BPC の値よりも低かっ
た(Fig. 3)。これらの結果は、in vitro アッセイで得られた、
Fig. 3. Binding mode of OHT, BP C2 and
BPC の弱いアゴニスト活性・弱いアンタゴニスト活性と、 BPC with the ligand binding pocket of
BP C2 の強いアンタゴニスト活性の結果を支持した。
bsERα.
140
140
120
120
100
80
60
100
80
50
40
40
20
0
-7
20
-6
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
0
-7
2
140
140
120
120
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
80
80
50
50
60
40
40
20
20
0
-7
-6
100
100
60
50
60
-6
-5
-4
-3
-2
-1
0
1
2
0
-7
-6
○, □, △
R394
H524
R394
H524
E353
E353
T347
T347
R394
H524
R394
H524
E353
T347
E353
T347
【結論】
本研究の結果、BPs は ERs に対しアゴニスト活性だけでなく、アイソフォーム・種特異的なアンタ
ゴニスト作用も有することが明らかとなった。また、BPs と ER の特定のアミノ酸との結合状態を in
silico シミュレーション解析することで、アゴニスト活性・アンタゴニスト活性を判別できる可能性が
示唆された。
【引用文献】
1) Nakata et al. (1995) Environ. Sci. Technol., 29, 2877–2885.
4) 芳之内ら (2014) 第 23 回環境化学討論会
2) Tsydenova et al. (2004) Mar. Pollut. Bull., 48, 749-758.
5) Delfosse et al. (2012) Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 109,
3) Iwata et al. (2004) Environ. Sci. Technol., 38, 3505–3513.
14930–14935.
1A-04
第 24 回環境化学討論会,松神秀徳,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,松神 秀徳,口頭発表(札幌;2015年)
ベトナム北部における E-waste のリサイクル作業に伴う
難燃剤の環境排出実態調査(第三報)
○松神秀徳 1,2, 鈴木剛 1, Nguyen Minh Tue3,4, Le Huu Tuyen4, 染矢雅之 5, 阿草哲郎 6,
Pham Hung Viet4, 高橋真 3,7, 田辺信介 3, 鑪迫典久 2,8, 滝上英孝 1,2
(1 国環研・循環セ, 2 東京大院・新領域, 3 愛媛大・沿環研セ, 4 ハノイ自然科学大・環技持開研
セ, 5 東京都環科研, 6 熊本県大・環境, 7 愛媛大・農, 8 国環研・環境リスク)
【はじめに】
開発途上地域で実施されている電気電子機器廃棄物(E-waste)のリサイクル作業に伴う難燃剤の排出実態
の解明と実情に即した排出制御方策の提案を目標とした 3 カ年計画の定点調査を進めている。第一報では、
2012 年 1 月調査時点の排出実態を紹介し 1)、第二報では、2013 年 1 月調査時点の野焼き現場及びリサイク
ル施設近傍における詳細な地理的分布を報告した。第三報では、2012 年 1 月から 2014 年 1 月までの定点調
査で得られた知見を紹介し、リサイクル作業に伴う難燃剤の排出実態の総括と今後の課題を整理した。
【方法】
試料採取と前処理: ベトナム北部 Hung Yen 省 Bui Dau で 2012 年 1 月、2013 年 1 月、2014 年 1 月に表層土
壌および河川堆積物を採取した。表層土壌(0–5 cm)は、水田あぜ道(19 地点)、野焼き現場(6 地点)、リサイ
クル施設(10 地点)近傍で採取した。河川堆積物は、上流域(1 地点)、リサイクル地域(3 地点)、下流域(4 地
点)で採取した。各試料を風乾後、ふるい(<2.0 mm)にかけ、ふるい下を分析供試料として−20℃で保管した。
化学分析:㻌 調査対象とした難燃剤を Table 1 に示す。試 Table 1. Flame retardants targeted in the present study.
Chemical name
料 15 g を無水硫酸ナトリウムと混合した後、高速加熱流下 Group
2,4,4'-Tribromodiphenyl ether (BDE-28)
抽出装置(三菱化学アナリテック製 SE-100)を用い 50%ア
2,2',4,4'-Tetrabromodiphenyl ether (BDE-47)
セトン/ヘキサン溶液及びトルエンで抽出した。2 g 相当量
2,2',4,4',5-Pentabromodiphenyl ether (BDE-99)
2,2',4,4',6-Pentabromodiphenyl ether (BDE-100)
の抽出液を分取し、濃硫酸および多層シリカゲルカラムで
2,2',4,4',5,5'-Hexabromodiphenyl ether (BDE-153)
精製した後、GC/MS(島津製作所製 GCMS-QP2010)を
2,2',4,4',5,6'-Hexabromodiphenyl ether (BDE-154)
用いて PBDEs 異性体 12 種の濃度を測定した。1 g 相当 PBDEs 2,2',3,4,4',5',6-Heptabromodiphenyl ether (BDE-183)
2,2',3,3',4,4',5,6'-Octabromodiphenyl ether (BDE-196)
量の抽出液を分取し、オクタデシルシリル化シリカゲルカ
2,2',3,3',4,4',6,6'-Octabromodiphenyl ether (BDE-197)
ラムで精製した後、LC/MSMS(アジレント・テクノロジー社
2,2',3,3',4,4',5,5',6-Nonabromodiphenyl ether (BDE-206)
製 1290 Infinity LC/ウォーターズ社製 Quattro Ultima)を
2,2',3,3',4,4',5,6,6'-Nonabromodiphenyl ether (BDE-207)
Decabromodiphenyl ether (BDE-209)
用いて TBBPA、M-PFRs、O-PFRs 濃度を測定した。
TBBPA Tetrabromobisphenol A
【結果と考察】
Triphenyl phosphate
定点調査の間に野焼き現場及びリサイクル施設近傍の
Methylphenyl diphenyl phosphate
2-Ethylhexyl diphenyl phosphate
表層土壌から検出された PBDEs、TBBPA、M-PFRs、
O-PFRs の濃度を Fig. 1 に示す。また、河川堆積物から検 M-PFRs Tris(methylphenyl) phosphate
Tris(dimethylphenyl) phosphate
出された PBDEs、TBBPA、M-PFRs、O-PFRs の濃度を
Tris(2-chloroethyl) phosphate
Tris(2-chloroisopropyl) phosphate
Fig. 2 に示す。開発途上地域におけるリサイクル作業に伴
Tris(1,3-dichloro-2-isopropyl) phosphate
う難燃剤の排出実態に関する報告の中で、M-PFRs 及び
Resorcinol bis(diphenyl phosphate)
O-PFRs に関する情報は、本研究が初めての報告となる。 O-PFRs Bisphenol A bis(diphenyl phosphate)
過去 10 年にわたり、Penta-BDE 及び Octa-BDE 製剤の国
Resorcinol bis[di(dimethylphenyl phosphate)]
Flame retardant emissions from e-waste recycling operation in northern Vietnam-3rd report
Hidenori Matsukami*, Go Suzuki, Nguyen Minh Tue, Le Huu Tuyen, Masayuki Someya, Tetsuro Agusa, Pham
Hung Viet, Shin Takahashi, Shinsuke Tanabe, Norihisa Tatarazako, Hidetaka Takigami
*Center for Material Cycles and Waste Management Research, National Institute for Environmental Studies 16-2
Onogawa, Tsukuba 305-8506, Japan, Tel 029-850-2847, E-mail: [email protected]
第 24 回環境化学討論会,松神秀徳,口頭発表(札幌;2015
年)
第24回環境化学討論会,松神 秀徳,口頭発表(札幌;2015年)
PBDEs
TBBPA
M-PFRs
SS-29
SS-28
SS-32
SS-27
O-PFRs
PBDEs
TBBPA
M-PFRs
2012
2013
2014
SS-23
SS-31
SS-30
2012
2013
2014
0
SS-26
2012
2013
2014
10000
SS-25
2012
2013
2014
2012
2013
2014
2012
2013
2014
2012
2013
2014
2012
2013
2014
SS-22
20000
2012
2013
2014
SS-35
2012
2013
2014
SS-21
200
0
SS-34
2012
2013
2014
SS-20
2012
2013
2014
400
Recycling workshop
30000
2012
2013
2014
SS-33
2012
2013
2014
600
SS-24
40000
2012
2013
2014
Open burning site
Concentration (ng/g-dry)
800
2012
2013
2014
Concentration (ng/g-dry)
際的な規制や Deca-BDE 製剤の段階的廃止に伴い、電気電子機器に使用される高分子材料の代替難燃剤と
して、M-PFRs 及び O-PFRs は重要な役割を果たしてきた。2006 年に欧州内で消費された難燃剤の総量のうち
PFRs は 20%を占めており、臭素系難燃剤(BFRs)の割合(10%)を超えていたことが報告されている 2)。Fig. 3
に示すように、定点調査の間に採取した野焼き現場及びリサイクル施設近傍の表層土壌 48 試料のうち 19 試料
については、M-PFRs 及び O-PFRs の合計濃度(total PFRs)が PBDEs 及び TBBPA の合計濃度(total BFRs)
を上回った。M-PFRs 及び O-PFRs を添加した高分子材料が E-waste として廃棄処理段階まで到達し、リサイク
ル作業に伴い環境排出されている実態を表していると示唆された。また、野焼き現場及びリサイクル施設近傍
では、高濃度の難燃剤による深刻なスポット汚染が形成されていたことから、その周辺環境に生息する生物、
地域で生産される食品、作業者や近隣住民が難燃剤に曝露している可能性が考えられた。難燃剤のリスク性
に関する考察に資する更なる実態調査が必要視される現場データの一つとなった。
定点調査の間に採取した河川堆積物 24 試料については、M-PFRs 及び O-PFRs の合計濃度が PBDEs 及
び TBBPA の合計濃度を上回る試料は確認されなかった(Fig. 3)。表層土壌及び河川堆積物にみられた難燃
剤組成の違いは、リサイクル施設で保管・解体・破砕されている高分子材料の難燃剤組成に加えて、土壌と堆
積物中での分解性の差を反映している可能性があると考えられたが、M-PFRs 及び O-PFRs 等の代替難燃剤
については、これまでに土壌及び堆積物を対象とした分解性試験の結果は報告されていない。難燃剤の環境
排出を評価するにあたり、このような代替難燃剤を対象とした土壌及び堆積物中での分解挙動に関する知見
の集積が今後の課題となった。
O-PFRs
Recycling area
RS-4
PBDEs
M-PFRs
RS-7
RS-8
2012
2013
2014
2012
2013
2014
2012
2013
2014
TBBPA
RS-6
2012
2013
2014
RS-5
RS-1
2012
2013
2014
RS-3
Downstream area
2012
2013
2014
Upstream
area
O-PFRs
Figure 2. Concentrations of flame retardants in river sediment samples
collected around upstream area, recycling area, and downstream area.
Ratio
(total PFRs/total BFRs)
100
RS-2
2012
2013
2014
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
2012
2013
2014
Concentration (ng/g-dry)
Figure 1. Concentrations of flame retardants in surface soil samples collected around open burning sites and recycling workshops.
10
Surface soil
River sediment
1
0.1
0.01
Figure 3. Ratio of total PFRs concentration to total BFRs concentration in
surface soil and river sediment samples collected from e-waste recycling area.
定点調査の 3 年にわたり E-waste の屋外保管が確認されていた SS-24、-25、-26、-28、-29、-30 地点では、
表層土壌から検出された難燃剤の合計濃度が 3 年にわたり μg/g レベルを上回った(Fig. 1)。この傾向は屋外
保管量が多い施設(SS-25 及び-26)で特に顕著であった。その一方で、3 年にわたり E-waste の屋外保管が確
認されなかった SS-27 地点では、難燃剤の合計濃度が 3 年間にわたり μg/g レベルを下回った(Fig. 1)。室内
環境から PBDEs が高濃度で検出される原因を追究した研究では、ハウスダストが室内で使用している難燃製
品から放散や剥離などによって排出した難燃剤の集積の場となっていることが報告されている 3)。そうであるな
らば、表層土壌が屋外保管されている E-waste から放散や剥離などによって排出した難燃剤の集積の場となっ
ている可能性が示唆された。一般的に製品からハウスダストへの移行経路としては、製品に含まれる難燃剤の
揮発による近傍のダストへの移行、製品が紫外線照射や温度変化等の影響により劣化して生じる微細粒子の
ダストへの移行、製品に添加されている難燃剤がダストと直接接触した際に生じる直接移行などが移行経路と
して想定されている 4)。表層土壌から検出された難燃剤の存在状態の把握は、製品からの移行経路の解明だ
けでなく、その後の溶出性や放散性等に関連する重要な情報であり、今後の課題と考えられた。
【参考文献】
1) Matsukami et al. (2015); Sci. Total Environ. 514: 492–499. 2) Van der Veen and de Boer (2012); Chemosphere
88: 1119–1153. 3) Suzuki et al. (2009); Environ. Sci. Technol. 43: 1437–1442. 4) Takigami et al. (2008);
Chemosphere 73: 161–169.
1C-02
24th Symposium
Environmental
Chemistry,Chemistry,
Duong Thi
Hanh,
(Sapporo;
2015)㻌
24thon
Symposium
on Environmental
Duong
ThiOral
Hanh,presentation
Oral presentation
(Sapporo;
2015)
Screening and analysis of 940 organic micro-pollutants in groundwaters
in Hanoi and Hochiminh City, Vietnam
○Duong Thi Hanh1, Kiwao Kadokami1, Katayama Shinsuke1, Trung Quang Nguyen2
(1 Univ of Kitakyushu, 2Inst of Environ Technol, VAST, Vietnam)
【Introduction】
Two biggest cities (Hanoi (HN) and Ho Chi Minh City (HCM)) are the most highly industrialized
and urbanized in Vietnam, which may result in both an increased demand for fresh-water and the
generation of wastewater. Groundwater is the major source of water supply for tap water in HN
and HCM and the main source of drinking water for rural population. Since our previous studies
had revealed that a wide range of organic micro-pollutants contaminated the Vietnamese aquatic
environment, hence it may cause groundwater pollution. Therefore, a comprehensive study of 940
organic micro-pollutants representing a wide variety of uses and origins in 26 groundwater wells of
HN and HCM was carried out in order to: (1) gain an overview of the occurrence of organic-micro
pollutants in groundwater; (2) find potential sources and assess the potential risk of detected
contaminants.
【Materials and Methods】
Samples and chemical analysis
Forty-three groundwater samples from 26
wells were collected twice (2013, 2014) in HN
and HCM (Fig.1). Nine hundred and forty
semi-volatile organic compounds (SVOCs)
were analyzed by solid-phase extraction.
Briefly, after addition of surrogates (1 g) to
1-L of pH adjusted water sample (7.0). The
sample was loaded on to disks in the sequence
of a GMF 150, XD and AC. Then the disks
were dried for 30 min and eluted with 10 mL
of acetone and 5 mL of dichloromethane (XD),
and 10 mL of acetone (AC). The eluate was
concentrated to 1 mL and was spiked with 1
g of a IS solution prior to measurement by
GC-MS-SIM/Scan and GC-MS-MS/SRM
Quality control
Fig. 1 Location of 26 wells sampled in HN and HCM.
(underline indicated the wells with single sample
collection whereas other wells were sampled twice)
Quality control consisted of blank analysis,
reproducibility
and
confirmation
of
recoveries of 13 surrogates spiked to samples prior to extraction.
【Results and discussion】
Seventy-four of the 940 analytes were detected at least once, and the median number of detections
per well was 16. Total 62 and 37 compounds were detected in the first (2013) and the second round
(2014), respectively. There was no sample free of organic chemicals. Six out of 10 sterols were
detected with cholesterol observed in 100% wells. Caffeine was detected in No. 14 and No. 21 with
24th Symposium
Environmental
Chemistry,Chemistry,
Duong Thi
Hanh,
(Sapporo;
2015)㻌
24thon
Symposium
on Environmental
Duong
ThiOral
Hanh,presentation
Oral presentation
(Sapporo;
2015)
concentration up to 2.7 g L-1. Diethyltoluamide, L-menthol and squalane were detected in
two-third of the wells with sum concentrations of less than 0.4 g L-1. Bisphenol A and
4-tert-octylphenol were sporadically found at concentrations of less than 0.06 g L-1. Phthalates
(DBP and DEHP) were the most frequently detected pollutants (>70%) with the greatest
concentrations (>6.2 g L-1). Some organochlorine pesticides (OCPs) and polychlorinated biphenyls
(PCBs) were detected, in which o,p'-DDD, p,p'-DDT and endrin were the most frequently detected
OCP with the greatest concentrations. No. 20 was seriously polluted by PCBs and OCPs with sum
Fig. 2 Frequency of detection of SVOCs by general use category and percent of total measured
concentration of SVOCs by general use category in the first round (September 2013) and the second
round (August 2014). Number of compounds in each category is shown above bar.
concentration of 20 ng L-1, followed by No. 3A, No. 4 and No. 5, which was in good agreement with
our previous studies dealing with surface waters and sediments pollution carried out at these sites.
The 74 compounds were divided into 18 contaminant groups based on their general use category
(Fig. 2). The detection frequency of over 40% was seen for 9 and 5 groups in the first and the second
round, respectively. Compared to surface water (235), the number of detected substances (74) in
groundwaters was smaller. Although only 3 wells had total concentrations of higher than 10 g L-1,
50% of surface waters had sum concentrations greater than 120 g L-1. A fecal sterol (coprostanol),
pemethrin and fenobucarb were seriously polluted in surface waters but not in groundwaters. The
sources of detected contaminants in No. 14 were probably due to direct influence from surface or
leak of underground septic systems, while the leakage of surface waters contaminated with sewage
from the decrepit sewer canals was probably the sources of pollutants in No. 13, No. 16 – 17.
Non-point source pollution (storm water and urban runoff, leakage from urban sewerage system
and diffuse aerial deposition) was not excluded however this hypothesis should be tested in the
further study. As a result of health risk assessment, 19 out of 74 contaminants detected, which we
could obtain toxicity data, gave no risk to human health.
【 Conclusions】
This is the first comprehensive study of a wide range of organic micro-pollutants in groundwater in
Vietnam. The presence of pollutants in groundwaters in HN and HCM alarmed for the human
health even though most detected contaminants are not currently regulated or were present at
levels much lower than drinking water standards or health advisories. However, the results
obtained in this study will assist in determining the direction and priority of further deep studies
on primary fate, degradation and transport processes in impacted aquifers as well as a full
evaluation of potential risks for other detected contaminants.
2B-07
第 24 回環境化学討論会,後藤哲智,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,後藤 哲智,口頭発表(札幌;2015年)
GC×GC–HRTOFMS によるハロゲン化ジフェニルエーテル類の網羅 的 スクリーニング
○後藤哲智 1,染矢雅之 2,磯部友彦 3,高橋真 4,国末達也 1, 田辺信介
1
(1 愛媛大・沿環研セ,2 都環研,3 国環研,4 愛媛大・農)
【はじめに】
近年、天然起源の臭素化ダイオキシン類 (PBDDs) が、バルト海沿岸に生息するムラサキイガイ
(Mytilus edulis) か ら 検 出 ・ 同 定 さ れ 、 そ の 残 留 レ ベ ル は CB-153 に 匹 敵 す る こ と が 判 明 し た 1 。 なかでも、主要異性体である1,3,7-/1,3,8-TrBDDは、アリルハイドロカーボンレセプター (AhR) に 結合し、ダイオキシン様活性を示すことが指摘されたため 2 、沿岸性魚介類への恒常的な曝露と そ の 影 響 が 懸 念 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 こ う し た 一 連 の 調 査 は バ ル ト 海 沿 岸 に 限 ら れ 、 日本沿岸おける魚介類汚染の態様はこれまで未解明であった。
そこで本研究グループは、人為起源・天然起源双方に由来するダイオキシン類汚染の 実態を 明らかにするため、瀬戸内海でマッセルモニタリングを実施した3,4。調査の結果、瀬戸内海東部沿岸の
イガイには、クロロニトロフェン (CNP) の不純物である1,3,6,8-/1,3,7,9-TeCDDが相対的に高割合で
残留していたのに対し、西部沿岸では天然起源の1,3,7-/1,3,8-TrBDDに加え、起源未知のミックス ハロゲン化ダイオキシン類 (DiBMoCDDs) が相当濃度で検出された。つまり、人為的な汚染負荷が 少ない海域においても、魚介類は天然起源や起源未知のダイオキシン類に曝露されていることが 判 明 し た こ と か ら 、 そ れ ら 発 生 源 の 究 明 が 必 要 と 考 え ら れ た 。 し た が っ て 本 研 究 で は 、 1,3,7-/1,3,8-TrBDDやDiBMoCDDsの生成中間体と予想される多様なハロゲン化ジフェニルエーテル類
をGC×GC–HRTOFMSでスクリーニングし、それらの生成メカニズムについて調査・解析した。
【方法】
ムラサキイガイ (Mytilus edulis) および褐藻であるノコギリモク (Sargassum macrocarpum C. Agardh)
は、2012 年 11 月に愛媛県伊予市で採取した。試料は凍結乾燥後ホモジナイズし、50% acetone/n-hexane
混 合 溶 液 で 抽 出 し た 。 粗 抽 出 液 は ク リ ー ン ア ッ プ ス パ イ ク を 添 加 後 (13C-OH-PBDEs) 、 ゲル浸透クロマトグラフィーで精製・分画し、得られた溶液を 1 M KOH で分配した。KOH 層は 濃硫酸を添加し溶液の pH を酸性に調製した後、50% MTBE/n-hexane で再抽出した。この溶液を
硫酸処理、シリカゲルカラムで精製し、シリンジスパイク(13C-6MeO-BDE47) を添加後、窒素気流下で
50 μL に濃縮した。濃縮溶液は BSTFA/TMCS (99:1) で誘導体化し、最終溶液を GC×GC-HRTOFMS で 測定した。機器分析およびデータ処理は既法を一部改変したメソッドで実施した 4。
【結果と考察】
GC×GC-HRTOFMS 分析で得られた 2 次元トータルイオンクロマトグラム (2D TIC) を GC-Image で
解析した結果、イガイから検出強度 1,000 以上のピークが 1,028 成分確認されたが (Figure 1)、 その大半は試料マトリックスであった。この 2D TIC から、特定のハロゲン化フェノール・ジフェニル エーテル類を選択的に検出するため、まず PXPs・OH-PXDEs (X=Br and/or Cl) 異性体の理論精密質量
Comprehensive screening of halogenated diphenyl ethers using GC×GC–HRTOFMS
Akitoshi GOTO, Masayuki SOMEYA, Tomohiko ISOBE, Shin TAKAHASHI, Tatsuya KUNISUE and Shinsuke TANABE
Center for Marine Environmental Studies (CMES), Ehime University, 2-5 Bunkyo-cho, Matsuyama 790-8577, Japan.
Email: [email protected]
第 24 回環境化学討論会,後藤哲智,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,後藤 哲智,口頭発表(札幌;2015年)
を同位体シミュレーターで計算した。つぎに、これらの精密質量をもとに指定した質量±0.5 u の範囲
でマスクロマトグラムを作成し、対象物質のスクリーニングを試みたところ、7 種の化合物が 確認された (Figure 1)。また、これら化合物の溶出パターンやマススペクトル (精密質量・ハロゲン クラスターの同位体比・フラグメントパターン) をもとに、それらの構造を詳しく解析した結果、 2 種の塩素化合物 (PCP、OH-TrCDE (Triclosan))、4 種の臭素化合物 (2,4-DiBP、2,4,6-TBP、OH-TrBDE、
OH-TeBDE) および、1 種のミックスハロゲン化合物 (OH-TrBMoCDE) が同定された。
一方でノコギリモクからは 22 種の化合物が確認され (Figure 1)、3 種の塩素化合物 (PCP、OH-TrCDE
(Triclosan)、OH-TeCDE)、5 種の臭素化合物 (2,4-DiBP、2,4,6-TBP、OH-DiBDE、OH-TrBDE、OH-TeBDE)
および、7 種のミックスハロゲン化合物 (MoBMoCP 、MoBDiCP 、DiBMoCP 、OH-MoBDiCDE、
OH-DiBMoCDE、OH-DiBDiCDE、OH-TrBMoCDE) が同定された。海藻類は、本研究で確認された 5 種の臭素化合物および、一部のミックスハロゲン化合物を合成することが先行研究で報告されて いるため 5 、塩素化合物を除くこれら一連の化合物の生産者であると考えられた。またバルト海の 紅藻類が生成する PBDDs の前駆体は OH-PBDEs であることが示唆されていることから 6、本研究で 同定された OH-PXDEs は PXDDs の生成に関与している可能性がある。事実、本研究で分析した ノコギリモクから DiBMoCDDs が検出されていることから、化学構造が類似した OH-TrBMoCDE が
主要な前駆体であると推察された。
Figure 1. Two-dimensional total ion chromatogram of the blue mussel and marine algae samples in this study.
【結論】
本研究は、これまで未同定であったミックスハロゲン化ダイオキシン (DiBMoCDDs) の起源が 天然由来であることを見出し、それらの前駆物質と考えられるミックスハロゲン化ジフェニル エーテル類 (OH-PXDEs) を網羅的に同定した初の研究例である。今後はこれら化合物の毒性リスク
評価が課題と考えられた。
【参考文献】
1) Malmvärn et al., 2005, Environ Sci Technol., 39, 8235-824; 2) Haldén et al., 2011, Aquat Toxicol., 102, 150-161; 3) 後藤ら, (2013)
第 22 回環境化学討論会要旨集, 136-137; 4) 後藤ら (2014) 第 23 回環境化学討論会要旨集, 221-222: 5) Malmvärn et al., 2005, Environ Sci
Technol., 39, 8235-824; 39, 2990-2997; 6) Arnoldsson et al., 2012, Environ Sci Technol., 46, 7239-7244.
2C-04
th
24th Symposium on24Environmental
Chemistry, Chau
Thi Cam
, Oral
presentation
(Sapporo;
2015)
㻌
Symposium on Environmental
Chemistry,
ChauHong
Thi Cam
Hong,
Oral presentation
(Sapporo;
2015)
Development of a comprehensive analytical method of polar organic pollutants
in water samples by liquid chromatography time-of-flight mass spectrometry
○Chau Thi Cam Hong,Kiwao Kadokami (The University of Kitakyushu, 1-1 Hibikino,
Wakamatsu, Kitakyushu)
[Introduction]
Liquid chromatography time-of-flight mass spectrometry (LC/TOF-MS) is one of the best instruments for
screening of a large number of polar compounds 1-3. Many reports have described applications of LC/TOF-MS to
determine pharmaceuticals and pesticides in a variety of samples 4-5. Since full-mass spectrum with accurate
masses is obtained by LC/TOF-MS, the number of compounds found and confirmed can be increased
unlimitedly, even after analysis. In this study, we developed a comprehensive analytical method consisting of
solid-phase extraction (SPE) and LC/TOF-MS analysis equipped with an accurate-mass database of 311
polar-organic compounds (POCs) with accurate masses of molecular related ions and fragment ions, retention
times, method detection limits and calibration curves.
[Methods]
Chemical and Reagents
Two hundred sixty four POCs were selected as model compounds (MCs) having log Pow ranged from -2.20
to 8.53. Reagents of MCs, internal standards (IS, methomyl-d3, pirimicarb-d6, imazalil-d5), surrogates
(methamidophos-d6, sulfamethoxazole-d4, sulfadimethoxine-d6, simazine-d10, diflubenzuron-d4, ethofenprox-d5),
acetone and dichloromethane (DCM) for pesticide residue analysis, and methanol of LC-MS grade were
purchased from Wako Pure Chemical Industries (Osaka, Japan), Kanto Chemical Company and Sigma-Aldrich
(Tokyo, Japan).
SPE cartridges
Five SPE cartridges were examined for
comprehensive extraction performance: C18 SepPak
Plus (C18), PS-2 Sep-Pak short cartridge (PS-2), Oasis
HLB Plus (HLB), and AC-2 Sep-Pak (AC-2) from
Waters and Aqusis PLS-3 (PLS-3) from GL Sciences.
Table 1 Conditions of LC/TOF-MS
LC: Agilent 1200
Column: GL Science ODS-4 HP 2.1mm×150mm, 3μm
Mobile phase:
A; 5 mmol CH3COONH4 in H2O
B; 5 mmol CH3COONH4 in CH3OH
Gradient : A 95:B5(0min)-A5:B95 (30min-50min)
Column temperature: 40°C
Injection volume:
2 μl
Flow rate:
0.3 ml/min
MS: Agilent 6220 MSD
Ionization:
ESI-Positive
Fragmentor Voltage: 100V for quantification, 100, 150,
200 and 250V for identification
VCap voltage:
3500V
Drying gas:
10 L/min at 325°C
Scan range (m/z):
50-1000
SPE procedures
A water sample (200 mL) spiked with 40 μL of
surrogates (5 μg/L) was passed through cartridges
preconditioned with 5 mL of DCM, 5 mL of methanol
and 10 mL of purified water and then rinsed with 10
mL of purified water. The cartridges were then dried
with nitrogen to remove water for 40 min. The
cartridges were eluted with methanol (5 mL) and DCM
(3 mL). The eluate was evaporated to 200 μL and then
spiked with 40 μL of IS (5 μg/L). The concentrate was
diluted to 400 μL with methanol, filtered through a 0.2-μm syringe filter (Millex-LG) into an analysis vial and
subsequently measured by LC-TOF-MS.
LC/TOF-MS measurement
Analytical conditions of LC/TOF-MS are shown in Table 1. A final concentrate was measured by using two
fragmentor voltage (FV) conditions in Table 1. Quantitation was performed by IS method using a peak area
obtained at 100V. In order to certainly identify, we used measurement data obtained at four FV. Method detection
th
24th Symposium on24Environmental
Chemistry, Chau
Thi Cam
, Oral
presentation
(Sapporo;
2015)
㻌
Symposium on Environmental
Chemistry,
ChauHong
Thi Cam
Hong,
Oral presentation
(Sapporo;
2015)
limits (MDL) of almost compounds are 8 ng/L that was obtained from the lowest concentration of their
calibration curves ranging from 8 ng/L to 2000 ng/L. The correlation coefficients of calibration curves were
higher than 0.99 for all the analytes.
[Results and discussion]
Cartridge selection
Five SPE cartridges, C18, PS-2, HLB, AC-2 and PLS-3, were
used to assess the extraction efficiency by using 200 mL of purified
water containing 100 ng of 128 pesticides MCs. The number of
MCs with recovery over 50% by using PS-2 or PLS-3 was 100,
which was larger than 86 MCs by HLB or other cartridges (Table
2). However, up to 62 MCs were extracted at recoveries of ≧70%
by HLB. It was also clarified that AC-2 could effectively extract
MCs having low log Pow (highly polar substances). Therefore, two
kinds of combinations of PS2-AC2 and HLB-AC2 were selected to
simultaneously extract MCs.
Table 2 Recoveries of MCs using 5 cartridges
Number of MCs
Cartridge
Re ≧50%
Re ≧70%
AC-2
C18
HLB
PS-2
PLS-3
46
73
86
100
100
6
45
62
55
53
Re: Recovery
Recovery test using purified water
Purified water (200 mL) was spiked with 264 MCs at two levels of concentrations (50 ng/L and 200 ng/L),
and was extracted by SPE using PS2-AC2 and HLB-AC2 (replication n=7 for each concentration and each
combined cartridges). Table 3 showed the results obtained at low-concentration (50 ng/L); the developed method
produced recoveries over 70% for 180 and 181 (96%) out of 188 MCs, which had MDL lower than 50 ng/L, by
using PS2-AC2 and HLB -AC2, respectively. At high-concentration level, these cartridges also showed the same
recoveries in extraction of MCs (PS2-AC2, 219 MCs; HLB-AC2, 218 MCs accounting for 83% out of 264 MCs)
(Table 3). Most of low-recovery MCs had log Pow of > 4.
Table 3 Numbers of MCs detected in the purified water spike tests and evvironmental sample spike tests
Environmental sample spike test
(recovery ≧ 70%)
Purified water spike test (recovery ≧ 70%)
PS2-AC2 (n=7)
HLB-AC2 (n=7)
Numbers of
spiked M Cs
200 ng/L
50 ng/L
200 ng/L
Numbers of
spiked M Cs
PS2-AC2 (n=5)
50 ng/L
Pharmaceuticals
Pesticides
87
177
65
115
74
145
66
115
78
140
50
35
41
26
Total
264
180
219
181
218
85
67
200 ng/L
Application to environmental samples
An effluent water (200 mL) of a sewage treatment plant was added with 200 ng of 85 MCs, and then
extracted by SPE with PS2-AC2. Recoveries of 80 MCs (94% of spiked MCs) exceeded 50%. Sixty seven MCs
were extracted with high recovery rates of over 70% (Table 3). Some MCs that showed high recovery rates
(>50%) in the purified water recovery tests, however, showed low recoveries from environmental samples. It is
probably due to matrix effects of a sample in LC/TOF-MS measurement. Surrogates with log Pow ranging from
-0.78 to 7.3 were useful to confirm recoveries of the analytes in environmental samples.
[Conclusions]
The analytical method for a large number of POCs in water samples was developed by the combination of
SPE using PS2-AC2 or HLB-AC2 and LC/TOF-MS analysis. The combination of this developed SPE method
and the accurate-mass database of LC/TOF-MS has a potential for not only multi-residue screening but also the
quantitative analyses.
[References]
(1) Ferrer I, Thurman E.M. (2008), Wiley, 257-257; (2) Mezcua M, et al. (2009), Anal. Chem. 81, 913-929; (3)
Akiyama Y, et al. (2009), J. Pestic. Sci. 34, 265-272; (4) Ferrer I, et al. (2012), J. Chromatogr. A. 1259, 148-157;
(5) Gómez M, et al. (2007), J. Environ. Monitor. 9, 718-729.
1C-09
th
24th Symposium on 24
Environmental
BORTEY-SAM、Oral
presentationOral
(Sapporo;
2015)(Sapporo; 2015)
Symposium Chemistry、Nesta
on Environmental Chemistry,
Nesta BORTEY-SAM,
presentation
Concentrations of polycyclic aromatic hydrocarbon metabolites (OH-PAHs) in domestic animal in
Kumasi, Ghana
○ Nesta Bortey-Sam1, Yoshinori Ikenaka1, Osei Akoto2, Shouta M.M. Nakayama1, Jemima Marfo1,
Hazuki Mizukawa1, Mayumi Ishizuka1
1
Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
Department of Chemistry, Kwame Nkrumah University of Science and Technology, Kumasi, Ghana
2
[Introduction]
As a developing country, the economic and population growth rates in Ghana over the past few years have seen
tremendous increase. The growing rate of industrialization is gradually leading to contamination and deterioration
of the environment and pollution is likely to reach disturbing levels. This has led to an increase in levels of
polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in the environment. The assessment of the health risk of humans
exposed to PAHs is primarily based on results from animal studies and this has indicated that PAHs can produce
carcinogenic and mutagenic effects. Based on high levels of PAHs in air and soils in Kumasi (Bortey-Sam et al.
2014), we developed and validated a method for the quantification of 13 OH-PAHs in human and domestic animal
urine since there is currently no study on OH-PAHs in human urine in Kumasi, Ghana.
[Materials and methods]
Two sampling sites located at Kumasi and Offinso in Ashanti Region of
Ghana were selected for cattle urine sampling (Fig. 1). A total of 95 cattle
urine were collected, out of which 35 were males, 60 were females.
Concentrations of OH-PAHs in urine (5 mL) were determined after
enzymatic deconjugation and pH adjustment (5.5), followed by
liquid−liquid extraction. Briefly, the urine samples were diluted with 4
mL of Milli-Q water and then extracted twice with 10 mL of n-pentane
by shaking in a reciprocating shaker for 1 h. A total of 13 OH-PAHs,
were analyzed in this study. A Shimadzu 8030 triple quadrupole mass
spectrometer (ESI MS-MS; Shimadzu), equipped with a Prominence
UFLC system (Shimadzu) was used for analysis.
Target compounds were determined by multiple-reaction monitoring in
the negative ionization mode. The limits of quantification ranged from
0.23 ng/mL to 1.16 ng/mL for 2-OHPhe and 3-OHPhe respectively.
Concentrations of polycyclic aromatic hydrocarbon metabolites (OH-PAHs) in domestic animal in Kumasi, Ghana
○Nesta Bortey-Sam1, Yoshinori Ikenaka1, Osei Akoto2, Shouta Nakayama1, Jemima Marfo1, Hazuki Mizukawa1, Mayumi Ishizuka1
(1Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University; 2Department of Chemistry, Kwame Nkrumah
University of Science and Technology, Kumasi, Ghana)
th
24th Symposium on 24
Environmental
BORTEY-SAM、Oral
presentationOral
(Sapporo;
2015)(Sapporo; 2015)
Symposium Chemistry、Nesta
on Environmental Chemistry,
Nesta BORTEY-SAM,
presentation
[Results]
From the results, 2-OHNap, OHPhe and 1-OHPyr were detected in the cattle urine samples collected. There was
no significant correlation between age of the cattles and measured OH-PAHs (p > 0.05) but there was significant
correlation among measured OH-PAHs (p ˂ 0.05). OH-PAHs accumulation in male and female cattles was not
statistically significant (p > 0.05) except for 2-OHNap and 1-9-OHPhe. The high molecular weight (HMW) PAHs
were not detected in the samples collected. High levels of 1-OHPyr was observed and levels were higher compared
to similar study by Saengtienchai et al. (2014).
[Discussion]
The results from cattle studies showed that high levels of OH-PAHs were measured compared to other studies. 2OHNap was the most abundant OH-PAH (2.7 ± 5.9; p ˂ 0.01) and was reported to reflect more specifically the
exposure to PAHs in ambient air. Levels of 2-OHNap measured in Kokote was significantly higher compared to
the other sites (p ˂ 0.05). High levels of 1 OH-Pyr were measured in samples and could be due to the high vehicular
activities and rampant combustion. The high levels of OH-PAHs in cattle urine could also be the use of pesticides
and mothballs containing
naphthalene.
Strong
positive
correlation
between
all
indicated
OH-PAHs
similar
source/route of exposure.
However, there was no
correlation
(cattle)
between
and
age
OH-PAHs,
possibly due to the short
half-life of PAHs. The study
showed that there wasn’t any differences in sex in terms of OH-PAHs accumulation except for 2-OHNap and 1-9OHPhe. Principal component analysis (Fig. 2) of the results showed a clear separation between samples collected
in Kokote and the other sites. 2-OHNap, 1-9-OHPhe and 1-OHPyr were highly associated with Kokote indicating
high contamination within the sample site (Fig. 2). Kokote has several farmlands, and the use and sometimes abuse
of pesticides containing PAHs was possible. Therefore, human urine were collected from hospitals in Kumasi to
determine the concentrations of 13 OH-PAH, OHPyrene Glucuronide and Sulfate; estimate health risk to PAHs
using 8-hydroxy-2-deoxyguanosine, a biomarker for oxidative stress due to exposure to carcinogenic compounds.
[References]
1.
Bortey-Sam N, Ikenaka Y, Nakayama M.M.S, Akoto O, Yared YB, Baidoo E, Mizukawa H, Ishizuka M. .
Occurrence, distribution, sources and toxic potential of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons (PAHs) in surface
soils from the Kumasi metropolis, Ghana. Sci Total Environ 496: 471-478 (2014).
2.
Saengtienchai A, Ikenaka Y, Nakayama S, Mizukawa H, Kakehi M, Bortey-Sam N, Darwish W, Tsubota T,
Terasaki M, Poapolathep A, Ishizuka M. Determination of metabolites in the urine of 16 mammalian species
exposed to environmental pyrene. Environ Toxicol and Chem 33(9): 2062-2069 (2014).
3C-04
第 24 回環境化学討論会,三保紗織,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,三保 紗織,口頭発表(札幌;2015年)
㻌
河川水中における PRTR 対象物質および生態毒性物質の検出
○三保紗織 1,亀屋隆志 1,小林剛 1,藤江幸一 1
(1 横浜国大院・環情)
【はじめに】
リスク懸念が疑われている化学物質について、実施可能な方法による管理が必要であり、暴露デー
タとなる実環境中濃度の監視は極めて重要である。しかし、環境モニタリングに係る財務状況は厳し
く、公定法など高精度分析の実施回数の確保は困難な現状がある。本調査では、スクリーニング的用
途で利用可能な既存の同時一斉分析手法を活用し、河川水における PRTR 対象物質および生態毒性物
質等のリスク懸念物質を対象にモニタリング分析を実施して、各対象物質の検出率を確認することで
効率的な簡易分析手法の適用性を検討するとともに、検出物質の時空間的な変化や濃度レベル、毒性
情報との関係の把握を試みた。
【方法】
対象物質
化管法対象物質/化審法優先評価化学物質/旧三監
物質/生態毒性物質のうち、GC/MS 自動同定・定量法
(AIQS-DB 法 1))で分析・解析が可能な 484 物質とした。
調査期間と調査エリア
AIQS-DB 法の適用性の検証では神奈川県内の水質環
境測定点より境川流域 8 地点と相模川流域 5 地点(時
期:2012 年・夏)および鶴見川流域 33 地点(時期:2013
年・夏)とした(Fig.1)。河川水中における環境化学物質
の検出率では神奈川県内の河川水質測定点 23 地点
Fig.1 Locations of river water
monitoring sites
(2010 年・夏、2011 年・冬、2012 年・夏、2013 年・
冬、2014 年・夏、2015 年・冬)とした。
分析
前処理
2)
として、ろ過した河川水を Sep-Pak AC-2
および PS-2(日本ウォーターズ製)を用いた固相抽出法
によって 1000 倍に濃縮した(Fig.2)。1000 倍濃縮液に
内標準物質を添加し GC/MS に供した。分析は Agilent
製 DB-5ms カラムで分離し、
島津製作所製 QP-2010plus
を用いて TIC モードで同時分析した。
【結果と考察】
自動同定・定量法の適用性の検証
AIQS-DB 法において自動同定を行った際、保持時間
Fig.2 Procedure of pretreatment
for water sample used in this study
Detections of Japanese PRTR Chemicals and Ecotoxicological Chemicals in River Water
Saori MIHO, Takashi KAMEYA, Takeshi KOBAYASHI, Koichi FUJIE
Faculty of Environment and Information Sciences, Yokohama National University
第 24 回環境化学討論会,三保紗織,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,三保 紗織,口頭発表(札幌;2015年)
RT に最も近いピークよりも付近の保持時間 RT の似
たピークが優先されて同定されるケースがある。こ
のようなケースがどの程度の割合で含まれるかにつ
いて調べるため、実際の環境水分析試料を AIQS-DB
を用いて自動同定した解析結果と、さらに個別ピー
クを確認した手動同定した結果を比較した(Fig.3)。
結果より、多くの物質において自動同定/手動同定に
おける検出の一致率は高い結果であり、一致率 90%
は全体の 8 割以上であった。一方で、わずか 17 物質
(=約 3.5%)について検出率が自動同定 50%以上=
高頻度検出かつ手動同定 50%未満=低頻度検出であ
り、このような物質に自動同定を適用する際には検
出率が高く、高頻度検出であっても不確実性を認め
た上で結果を使用する必要があるといえる。上記の
Fig.3 Differences of detection ratio
between automated identification and
non-automated identification
結果より、自動同定での検出見逃しのケースはごく
稀であり、スクリーニング的用途における同時一斉
分析手法として利用が可能と考えられた。
PRTR 対象物質における毒性情報の有無
PRTR 対象物質のうち本研究の分析可能範囲は 300 物質であり、それぞれの物質について各種毒性
情報の有無とその毒性クラスを分類し、確認した(Table.1)。生態毒性クラスとの比較について、製造・
輸入量の比較的多い第一種指定化学物質において 142 物質とほとんどの物質が生態毒性クラス 1 に分
類されており、うち 109 物質が検出された結果であった。一方で、毒性情報のない物質が 37 物質あり、
うち 28 物質が検出された。その他に経口慢性クラスと発がん性クラスとの比較も行ったところ、多く
の物質は毒性情報がなく毒性ランクなしと分類された。さらに、検出物質も毒性ランクなしに分類さ
れた分析対象物質のうちの半数以上で検出が確認された結果となった。
Table.1 classification by toxicity class of PRTR chemicals
第一種指定
化学物質
第二種指定
化学物質
1
生態毒性クラス
2
なし
1
経口慢性クラス
2
3
なし
1
(Detections/Targets)
発がん性クラス
2
なし
109/142
62/68
28/37
3/5
20/25
36/56
140/161
0/1
25/30
174/216
0/0
3/10
29/43
0/1
0/0
8/15
24/37
13/21
13/18
6/14
【結論】
GC/MS で分析・解析が可能な PRTR 対象物質および生態毒性物質 484 物質について AIQS-DB 法
を用いた自動同定・定量法の適用性を確認したところ、自動同定での検出見逃しのケースはごく稀で
あり、スクリーニング的用途における同時一斉分析手法として利用が可能と考えられた。また、PRTR
対象物質について、製造・輸入量の比較的多い第一種指定化学物質において生態毒性クラス 1 に物質
が多く含まれており、検出も確認されている。一方でその他の毒性クラスによって分類をしたところ、
毒性情報がなく毒性クラスがない物質が多数存在しており、検出も確認された。
【謝辞】本研究の一部は経済産業省平成 24 年度環境対応技術開発等および JSPS 科研費 25281049 の
助成を受けて実施した。
【参考文献】
1) Kadokami et al, Jour. of chrom. A 1089, p.229-226, 2005
2) 亀屋ら (2014) 第 48 回年会講演集, 2J-09-2
2B-05
第 24 回環境化学討論会,明本靖広,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,明本 靖広,口頭発表(札幌;2015年)
講演番号
土壌中からの塩類除去のための動電的手法の適用
○明本靖広 1,菅 正彦 2,田中俊逸 1
(1 北大院・環境,2 北教大札幌)
【はじめに】
塩害は土壌中の塩分濃度が上昇し,作物の生育に影響を与える現象である。この塩害の原因は,災
害や気候などの自然由来のものから,温室内での連作など人工由来のものまで多岐にわたり,対策も
様々である。農地における除塩方法として縦浸透法や溶出法などがあるが,簡便である反面,排水設
備が必要であることや透水性の低い土壌に対しては効率が悪いことなどが短所として挙げられる。特
に東北地方太平洋沖地震に伴う津波の影響で宮城県を中心に発生した塩害では,津波により排水路が
損壊し,除塩を行うことができなかった農地が多かったという報告がある 1)。
動電的手法(Electrokinetic remediation; EKR)とは,電場において荷電粒子がそれぞれの電位とは反
対方向の極に移動する電気泳動現象(Electromigration)と,細孔内の荷電壁に接する電気的中性の媒体
が電場によって移動する電気浸透流現象
(Electroosmotic flow; EOF)を用いた原位置修復技術である 2)。
前報では,この動電的手法を白陶土および園芸用土壌を用いて調製した模擬土壌に適応した結果を
報告した 3)。本研究では,青森県八戸市にてサンプリングを行った農地土壌に対して動電的手法を適応
し,特にナトリウムイオンの挙動を観察した。
【方法】
Fig. 1 に示すようなアクリル樹脂製の実験装置
Power supply
を用いた。この装置は全長 10 cm,内径 3 cm の円
柱状の泳動槽と全長 5 cm,内径 3 cm の 2 つの電極
Cathode
Sensor
Anode
槽からなる。陰極(Cathode)側にはオーバーフロ
ーとして検出される EOF を受けるためにメスシリ
ンダーを接続した。電極は円盤格子状のチタン電
EOF
極に白金コーティングを施したものを使用した。
電位勾配は 1 V/cm とし,印加時間は 24 時間,イ
オン交換水を電解液として実験を行った。
Pump
10 cm
Fig. 1. Schematic diagram of EKR equipment.
模擬土壌として白陶土(化学用,和光純薬)を,実土壌として青森県八戸市から採取した海水流入
の被害を受けた農地の土壌を用いた。
泳動試験後,セクションごとに土壌を取り出し,80℃で一晩乾燥させた後,1 : 10 水浸出法で得た上
澄み溶液中の塩濃度を AAS にて測定した。土壌 pH は 1 : 2.5 水浸出法で,電気伝導率(Electric
conductivity; EC)は 1 : 5 水浸出法でそれぞれ測定した。
Application of electrokinetic remediation to remove salt from contaminated soil
○Yasuhiro Akemoto1, Masahiko Kan2, Shunitz Tanaka1
1
Graduate School of Environmental Science, Hokkaido University
2
Hokkaido University of Education, Sapporo
第 24 回環境化学討論会,明本靖広,口頭発表(札幌;2015
年)㻌
第24回環境化学討論会,明本 靖広,口頭発表(札幌;2015年)
【結果と考察】
1.2
模擬土壌として用いた結果を Fig. 2 に示す。
1
24 時間の泳動時間で模擬土壌中からのナトリウム
After pH
0.6
10.0
8.0
6.0
0.4
4.0
い粘土に対して,動電的手法が適応できる可能性が
0.2
2.0
示された。Section 1 のナトリウムイオン濃度が高い
0
0.0
1
理由として,動電的手法に伴う電気分解により,土
5
in white clay after EKR.
向がある。このことから,pH の上昇に伴い,白陶土
の負電荷が強くなり,対象物質であるナトリウムが
1.2
白陶土により強く吸着され,泳動しづらくなったこ
Before pH
0.8
C/C0
12.0
C/C₀
1
とが原因の一つであると考えられる。
に示す。塩害土壌を泳動セルの中央(Section 3)に入
4
Fig. 2. Distribution of sodium ion and pH
土は pH の上昇に伴い,負のゼータ電位が強くなる傾
八戸市の土壌(Na 0.6 mg/g)を用いた結果を Fig. 3
3
Section number
壌 pH が上昇することが挙げられる。今回用いた白陶
+
2
After pH
0.6
10.0
8.0
6.0
0.4
4.0
れ,この土壌を挟むように白陶土を配置し,実験を
0.2
2.0
行った。Section 3 のナトリウムイオン濃度は約 80%
0
0.0
1
減少し,陰極側へ泳動した。また,Section 3 の土壌
pH (H2O)
80%以上の除去効率となっており,透水性が極めて低
Before pH
0.8
C/C0
イオンの除去効率は 61.6%となった。Section 2-5 では,
12.0
C/C₀
pH (H2O)
白陶土にナトリウムを添加(初期濃度 1.7 mg/g)し,
2
3
4
5
Section number
EC は 0.58 mS/cm から 0.28 mS/cm へと低下しており,
植物の生育基準とされている 0.3 mS/cm 以下となっ
Fig. 3. Distribution of sodium ion and pH
ていることから,土壌 EC の観点からも本手法を用い
in natural soil and white clay after EKR.
た除塩が見込めると考えられる。
【結論】
装置全体に汚染した白陶土を詰めた実験では約 60%のナトリウムが陰極槽へ泳動した。また,中央
に八戸市の土壌を詰めた実験では,約 80%のナトリウムが陰極方向に泳動した。除去されたナトリウ
ムイオンは Section 1 に集積,或いは陰極・EOF 中から検出されることから,動電的手法を用いること
で,土壌中のナトリウムイオンを陰極近傍と液相に集め,回収することができる可能性が示された。
一方で,いずれの実験においても陰極槽と Section 1 のナトリウムイオン濃度はほぼ同等となっている。
これは濃度平衡の観点から,土壌中のイオン種を陰極槽中へと運ぶ障害となっている可能性がある。
陰極槽の電解液を循環させ,ナトリウムイオン濃度を下げることで,より効率的な除去が見込めると
考えられる。
【参考文献】
1) 千葉克己,加藤徹,富樫千之,冠秀昭.縦浸透除塩の有効性と宮城県の津波被災農地の除塩対策.
水土の知,vol. 80 (7),(2012),527-530.
2) Y. B. Acar, A. N. Alshawabkeh. Principles of Electrokinetic Remediation. Environ. Sci. Technol., 27 (1993),
2638-2647.
3) 明本靖広,菅正彦,田中俊逸.動電的手法を用いた土壌中からのアルカリ金属イオン除去に関する
研究.第 22 回環境化学討論会要旨集,東京,(2013),p102.
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