念願の太平洋横断!

2013年(平成25年)10月31日
(木曜日)
毎 日 新 聞
Oh Me
オー!ミー
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1
インターネットと連動した
【滋賀生活情報紙】
vol.488・10月31日号 毎週木曜発行 4面に プレゼント情報!
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発行部数:100,000部
●発行/毎日新聞大阪本社開発宣伝部:大阪市北区梅田3-4-5
み
きた むら
お
米サンフランシスコを出港し
直した。
「海音号
(孫の名前と同じ)
」
た小型のクルーザーが、
3カ
と名付けた船でサンフランシスコ
月かけて太平洋を横断し、
9
を6月3日に出港。
月3日、兵庫県の芦屋港に帰
海 流と風を計 算しな がらパート
還した。乗組員は北村紀興
ナーと二人で20日間かけて最初の
さん
(73)
と、10年来の友人で
目的地のハワイに到着した。
カメラマンでもあるパートナー
(65)
ここで燃料補給した後、再び出航。
の二人だけ。二人とも冒険家でもな
季節は夏。次々と台風が発生す
ければ航海士でもない。北村さんは
る。燃料効率を考え、さらに風と
13年前、還暦で仕事をリタイアして趣
波を計算に入れながら超低速で航
味でクルージングを始めた。
「仕事も
海を続け、小笠原にたどり着いた
遊びもチャレンジ精神が大切」
とい
のは出航してから132日目の8月
う北村さんに心の内を聞いてみた。
27日。だが、あと一歩のところを
またもや台風に見舞われ足止めを
のり おき
北村 紀興さん
(近江八幡市在住・73歳)
小型モータークルーザー 3カ月の冒険
念願の太平洋横断!
入念な計画でリスク回避
食った。焦っては元も子もない。
小型のヨットで太平洋を横断した例は
はやる気持ちを抑えながら慎重にタイ
と二人きりの100日近い旅は大変でし
あ る が、小 型
ミング を は
た。登山も同じだと思いますが、心をコ
モータークルー
か っ て 出 航。
ントロールしなければなりませんでした」
ザ ーで の 横 断
9 月 3 日、つ
は 珍 し い。風
いに兵庫県の
で 走 る ヨ ット
屋に入港
は、風では転覆
難しく、またもや夢中になった。
できる理由積み上げよう
60歳で後進に会社を譲り、
「これからは
琵琶湖で楽しさを知った
毎年一つずつ新しい事に挑戦していこ
北村さんは24歳で自らの会社を設立し、
う」
と決心。ボートも琵琶湖から敦賀港
し、太 平 洋 横
猛烈に働いた。一方で人生を楽しむこ
へ移した。毎年航海距離を伸ばし、沖
しないように設
断2万㌔、3カ
とにも熱心で、アマチュアのラリードラ
縄、北海道、佂山、小笠原諸島……とク
計されている。
月に及ぶ長旅
イバーとして活躍。だが40歳のとき、大
ルージング、日本一周も3回達成した。
こ れ に 対 して
を終えた。
事故を目の当たりにして家族に大きな
太平洋横断はこの延長線上にあった。
モータークルーザーはスピードが出せ
昼も夜も船を止めないで交代で海を走
るように水の抵抗を少なくし、重心も浅
り続けた。
「向い波」
は避けたいが、
「追
くされいるため転覆しやすい。また、太
心配を掛けていることを悟った。
「楽しみを味わうには楽しむ努力が必要
「趣味とはいえ、家族に心配を掛けるよう
です。自転車でも何でもいいので挑戦
手波
(後から追いか
ではだめだと反省
してみることです。できない理由を探す
平洋を横断するには莫大な燃料が必要
けてくる波)
」
や
「横
し、きっぱりA級ラ
よりも、できる理由を積み上げ、チャレン
だが、ハワイ以外に適当な燃料補給基
波」
はもっと危険だ。
イセンスを返上し
ジする方が幸せでしょう」
ました」
日常生活に流されがちなタイミングで、
大きな 喝 を入れられた。
(取材・越智田)
地がほとんど無い。太平洋横断がいか
「燃料を節約するた
に難しいかを知りながら北村さんはあ
めにスピードを落と
その後は琵琶湖
えてこれにチャレンジしたという。
し、向かい風を避け
でおとなしくボー
日本 の 法 律 の 関 係でアメリカからス
ながら遠回りしまし
トを楽しむつもり
タートすることにした。愛用の船を売却
た。覚悟はしていま
だった が … … 船
し、アメリカで全長12㍍の中古船を買い
したが、パートナー
は車よりも扱いが
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