インド経済短信 2008 年 1 月 9 日発行 第 296 号 発行:ジェトロ・バンガロール 編集:久保木一政 #407,408, Prestige Meridian II, 4th Floor, M.G. Road, Bangalore-560 001 Phone:+91-80-41138168, Fax :+91-80-41138169, E-mail:[email protected] 1. バンガロールに日本領事館がオープン 2. 信越ポリマー、携帯電話部品でチェンナイに生産拠点(子会社)を設立 3. 日産・ルノー・マヒンドラの自動車合弁、マヒンドラが撤退 1. バンガロールに日本領事館がオープン 日本政府(外務省)は 2008 年 1 月 1 日をもって、約 330 名の日本人が居住するバンガロ ールに領事館(出張駐在官事務所)を開設し、このほど事務所長として土川正之領事、ま た次席として若林英樹領事が着任した。 事務所は M.G.ロード沿いのプレスティジ・メリディアン I(ジェトロが入居するプレス ティジ・メリディアン II の隣のビル 8 階)を仮事務所として一部の業務を開始した。 そ の後、本年 9 月に完成予定の建物に移転し、全面的に業務を開始する。詳細は外務省ウェ ブサイトから以下引用の通り。 『(1)連絡先 住所: No. 809, Prestige Meridian-I, No. 29, M.G. Road, Bangalore - 560001, India 電話: +91-80-4166-0111 Fax: +91-80-4166-0114 (2)開館時間(月曜日~金曜日)9:00~13:00、14:00~18:00 (3) 領事業務についての注意事項 2008 年 1 月 1 日をもって開設。ただし、全面的に業務を開始し得るのは 2008 年 9 月 になる見込みであり、ご留意願います。それまでの間は、査証発給業務は引き続きチェ ンナイ総領事館で行います。 9 月完成予定の建物に移転し、全面的に業務を開始し得るまでの間、仮事務所で次の 業務のみ開始します。 1 月 1 日~2 月上旬(仮事務所立ち上げ準備期間) -邦人保護業務 2 月上旬~9 月目処 -邦人保護業務 -旅券発給業務(IC 旅券は申請から約 3~4 週間後の交付になる) -戸籍・証明関連業務 -在留届管理 -在外選挙人登録申請受付 なお、上記業務を開始する 2 月上旬の具体的な日付や本格業務を開始する 9 月の日付は 別途ご案内いたします。 』 1 2. 信越ポリマー、携帯電話部品でチェンナイに生産拠点(子会社)を設立 信越ポリマーはこの程、主力製品の携帯電話用キーパッドをはじめとする電子デバイス 製品の生産拠点として、チェンナイに現地法人を設立、2008 年 1 月から工場建設に着手し た。同年 10 月からの生産開始を目指す。 資本金 3.3 億ルピー(約 10 億円)で、信越ポリマーが 85%、三菱商事およびインド三菱 商事が合計 15%出資する。 総投資額は 13 億円で、チェンナイ市郊外の経済特区に約 40,000m2の土地を取得し、延床 面積約 6,500m2の工場を建設する。また初年度の人員体制は 300 名程になる予定。稼動が本 格化する 2 期目の 2010 年 3 月期売上は 25 億円を見込む。 電子デバイス事業のアジアにおける生産拠点としては、マレーシア、中国に次ぐもので、 インド市場への参入という目的にとどまらず、三極体制によってリスクの分散効果も併せ 持つ。世界の生産拠点としては、ほかに欧州のハンガリー、中米のメキシコがあり、イン ドは 5 拠点目とる。 チェンナイのスリペルンブドゥール地区には、ノキアをはじめ、フレクストロニクス、 フォックスコン、モトローラといった携帯電話メーカーが集積し、さらにフィンランド、 台湾、米国、英国から部品メーカーが進出している。(12 月 12 日付けジェトロ・インド経 済短信第 294 号をご参照)。同社の進出により日本からのメーカーの進出にも拍車がかかる ことが期待される。 【子会社の概要】 1. 商号:Shin-Etsu Polymer India Private Limited 2. 所在地:タミル・ナードゥ州チェンナイ市 3. 設立:2007 年 10 月 1 日 4. 資本金:3.3 億ルピー(約 10 億円) 5. 出資比率:当社 85% 三菱商事株式会社 10% インド三菱商事会社 5% 6. 従業員:初年度約 300 名 7. 事業内容:携帯電話用・車載用キーパッド、インターコネクターなどの生産 8. 工場概要: (1) 建設予定地:Plot No.OZ-12, Hi-Tech SEZ, SIPCOT Industrial Growth Centre, Oragadam, Kanchipuram, Tamil Nadu(タミル・ナードゥ州オラガダム) (2) 総投資額:13 億円 (3) 敷地面積:約 4 万平米 (4) 工場面積:建屋延床面積 約 6,500m2(第 1 期工事分) (5) 工事計画:着工 2008 年 1 月 竣工 2008 年 9 月中旬(予定) (6) 生産品目:当初は携帯電話用キーパッドを生産し、以後、車載用キーパッド、イ ンターコネクターなどを予定 (7) 生産開始:2008 年 10 月(予定) (1 月 9 日付け信越ポリマー プレスリリースより) 2 3. ルノー・日産・マヒンドラの自動車合弁、マヒンドラが撤退 マヒンドラ&マヒンドラ(M&M)は 8 日、日産自動車、ルノーとの 3 社合弁事業として、 チェンナイのオラガダムに新工場を建設すべく、2007 年 2 月タミル・ナードゥ州政府と覚 書を交わし、推進してきた本計画を再検討した結果、本共同生産事業には参画しないこと を明らかにした。同日に日産自動車もプレスリリースで発表した。しかしながら、日産お よびルノーは、チェンナイでの新工場建設計画は継続する。 M&M としては、同社の中期計画を満たすため、プネ近郊のチャカンに拠点を置く同社の新 工場、およびその他の既存工場を活用することとし、オラガダムに計画していた自動車工 場建設は当面延期する。ただし、チェンナイでは、同社がチェンガルパットゥで独自に推 進しているマヒンドラ・リサーチ・バレー(MRV)を継続させ、オラガダムで MRV テスト・ トラックおよびトラクター工場建設計画は続行するとしている。 9 日付け Business Line 紙によれば、タミル・ナードゥ州政府としては、オラガダムで 3 社に割り当てた用地の分配の見直しを行うことになるという。 一方、M&M の発表では、ルノーとの合弁会社マヒンドラ・ルノー社(低価格車ロガンを生 産中)は継続すると同時に、ルノーがチェンナイで生産する車はマヒンドラ・ルノーブラ ンドで販売する予定であるという。 日産・ルノーのインドでの展開は、多面的な展開を見せており、ルノーは小型車ではバ ジャージ・オートと生産を開始する。また、日産はアショク・レイランドと小型商用車関 連で3つの合弁会社を設立する。1 月 5 日付け Business Standard 紙は、消息筋の話しとし て、M&M 側がかかる動きについて行けなかったと報道している。 (了) 3
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