スリランカが抱える 国内/国際問題 ニュースから読み解く

スリランカが抱える
国内/国際問題
TOPIC01:
ニュースから読み解く
・09/05/07 “Voice of India”
「Sunday Leader」の記者で編集者のラサンタ・ウィクレマトゥンガ(Lasantha Wickrematunga)氏が、
栄誉ある 2009 年の UNESCO 世界報道自由賞に輝き、死後となったがこれを受賞することとなった。ウィ
クレマトゥンガ氏は 1958 年生まれ。1 月 8 日に暗殺された。
UNESCO はこの賞の候補者を広く国家、地域、国際団体、営利団体、非営利団体などでジャーナリズム
と表現の自由のフィールドで活躍する人たちの中から選んでいる。この賞は、世界のあらゆる場所、特
に危険下で報道の自由を守り尊重することに顕著な貢献があった個人や団体や研究所を表彰するもの
である。
「審判員は、鮮明に危険を意識しながら語ることをやめず、墓に入ってからも沈黙しなかった男をほ
ぼ満場一致で選んだ」と審判員長のジョー・トゥロロー氏は語った。
ウィクラマトゥンガ氏は法律家として修行を積み、Sun/Davasa 紙の調査レポーターとして働き始めた。
1994 年に「Sunday Leader」でスリランカ軍とタミルの反乱軍との間の内戦に反対するキャンペーン
を打ち出した。
2000 年には政府がメディアを制限する法律を廃止する判決を裁判で勝ち取った。
2007 年 11 月、
「Sunday Leader」の建物が放火され、ウィクラマトゥンガ氏は 2009 年 1 月 8 日に暗殺さ
れた。
・09/05/12 “共同通信”
国連の潘基文事務総長は11日、政府軍と反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)
の内戦が続くスリランカ情勢について声明を発表、9日夜から10日の戦闘で約400人の市民が死亡
したことについて「ぞっとすることだ」と強く非難、当事者双方に重火器の不使用と国際法の順守を改
めて強く求めた。
国連安全保障理事会も11日、英国、フランス両外相の呼び掛けで関心国が会合を開催。英国のミリ
バンド外相は記者団に「われわれのメッセージは簡単。殺害を中止せよと言うことだ」と国際社会とし
て早急にスリランカ問題に取り組むべきだと述べた。
中国、ロシアが「内政問題」と反対、会合にも参加しないなど対立、統一した行動を打ち出せていな
い。日本も安保理の分裂を懸念する立場から公式議題にすることには難色を示している。
・09/05/22 “毎日新聞”
スリランカの少数派タミル人と同じ民族が住むインド南部のチェンナイで21日、スリランカのラジャ
パクサ大統領に対する大規模な抗議デモが行われた。
参加した市民らは、死亡したスリランカの反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」
(LTT
E)の最高指導者、プラバカラン議長の写真を掲げて行進した。インド南部では、スリランカ政府への
報復を訴える抗議行動が連日続いている。
・09/05/25 “AFP 通信”
スリランカの反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)
」の国際部門責任者セルバラサ・
パスマナサン氏は 24 日、最高指導者ベルピライ・プラバカラン議長(54)が政府軍によって殺害され
たことを、初めて認めた。
スリランカ政府は約 1 週間前の 18 日、同国軍がプラバカラン議長を殺害したと発表していた。 パ
スマナサン氏は声明の中で、
「われわれの比類なき指導者で、LTTE の最高司令官が政府軍との戦いで殉
死した」とした上で、プラバカラン議長の「最終的な望みは、タミル人の自由が達成できるまで戦い続
けることだ」と強調した。一方、スリランカ政府は、LTTE の指導部は一掃されたとして、数十年にわた
った LTTE との戦いで勝利したと宣言している。
・09/05/25 “毎日新聞”
「欧米諸国は二重基準を平気で押し付けてくる。いつまで宗主国を気取ってるんだ」。スリランカの主
要都市コロンボの食堂。地元記者が怒ると、同僚の 記者が「批判しすぎると米国が牛耳っている国際
通貨基金(IMF)のローンを借りられなくなる」となだめた。結局、世界の支配構造は19世紀以降
も大して 変わっていないとの見解で2人は一致したが、この感覚が今のコロンボ市内を覆っている「常
識」だ。
スリランカは英国の植民地時代、インド南部からタミル人が使役農民として連れてこられたことで、
民族対立の種がまかれた。多数派シンハラ人には、 英国などが反政府武装組織「タミル・イーラム解
放のトラ」(LTTE)寄りだと映っている。また、「二重基準」とは、米国の対テロ戦争で多くの市
民が犠牲 となっているのに、「どこの国が停戦を求めているのだ」(アベイワルダナ・メディア情報
相)という素朴な問いかけだ。
スリランカ政府にとって、LTTEとの戦いは「対テロ戦争」そのものだった。米国もLTTEをテ
ロ組織に指定していた。米国の支援を受けたパキスタンでは、武装勢力掃討が内戦へと発展しつつあり、
スリランカの10倍の避難民が出ている。なのにどの国も国連安保理や国連人権委で討議しろとは言わ
な い。政府が、欧米諸国や人権団体の非難を無視した最大の理由がここにある。
ただ、スリランカ側が二重基準を言い出せば、LTTE攻撃で無数の市民に犠牲を出した自らの「戦
争犯罪」にふたをしようとしているとのそしりは免れない。気になるのは、他国の非難がスリランカ政
府をさらに硬化させ、世界を挑発するような「構想」が議論されていることだ。 それは、北部地域に
分離壁で囲った自治都市を3カ所程度造営し、タミル人が暴動を起こさないよう管理する構想だ。イス
ラエルの対パレスチナ封じ込 めをほうふつさせる発想の源には、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガ
ザ攻撃で多数の民間人が死傷したにもかかわらず、国際社会は黙認したとの分析がある。
内戦中にタミル人への人権侵害を告発してきたある国会議員は「今はメディアに会えない。政府批判
は即、生死に直結する」と電話口で声を潜めた。ラジャパクサ大統領が19日の勝利演説で民族和解を
呼びかけたが、タミル人社会は逆に粛清の恐怖に脅えている。
・09/05/25 “毎日新聞”
25年余り続いた内戦が終結したスリランカで、最大の避難民キャンプがある北部バブニア郊外のマニ
クに26日入った。反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」
(LTTE)が最後まで抵抗した
北東部の海岸線で「人間の盾」とされていた人々が続々と押し寄せ、その数は26万人以上に。水や食
糧が不足する劣悪な環境に加え、LTTEとの関係を疑われて外出が認められないケースもあり、避難
民たちは先の見えない不安な生活を強いられていた。
ジャングルを伐採してできた赤土の上に白色のテント群が並ぶ。前日の雨で地面がぬかるみ、無数の
ハエが顔にまとわり付いた。
「いつここを出られるのか分からない」
。高さ150センチの鉄条網を握り締めたラセティさん(7
0)は北部のキリノチから会いに来ためい(31)を前に泣いた。ラセティさんの孫がLTTEメンバ
ーだったため政府軍にLTTEとの関連を疑われ、自由を制限されている。
水をもらう長蛇の列に並んでいた女性のサミラさん(24)は、2歳の娘とともに「盾」となった。
夫は5年前、
「1家族1人」を兵士として参加させるよう求めたLTTEに従った。
「今、夫がどこにい
るのかも分からない」とサミラさんは取り乱す。
「この子にミルクをください」。生後間もない長女を抱いて地面に座り込んでいたタミルバーニさん
(22)が懇願した。LTTEとともに立てこもった海岸線の粗末なテントの中で、政府軍に事実上制
圧される2日前に出産した。だが、極度の緊張の中にあったタミルバーニさんは十分な母乳が出ない。
夫は政府軍の「更生施設」に収容され、連絡がつかないという。
また、5年前に地雷で左脚ひざ下を失ったカンダスアーミさん(40)は政府系の地雷撤去機関の職
員だった。
「毎日のように地雷被害の報告を受けていた」と話す。ただ、地雷で体の自由と収入を失っ
た後、
「生活支援をしてくれたのはLTTEだった」と語り、最後まで「人間の盾」として従った理由
を語った。
劣悪なキャンプの現状について、政府軍広報官は「内戦が終わった直後の暫定的な措置」と説明する。
これに対し、国際援助機関のある職員は「ここは事実上、強制的な収容施設になっている」と指摘する。
・09/05/27 “時事通信”
少数派タミル人の反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」を政府軍が打倒して終結し
たスリランカ内戦をめぐり国連人権理事会の特別会合が26、27の両日、国連欧州本部で開かれた。
会議では、内戦に伴う人権侵害非難を企図した欧州各国に対し、当事国スリランカを中心に途上国など
が結束して反発、最終的にスリランカ政府が現在取っている対応を追認するだけの骨抜きされた決議を
採択して終了した。
スリランカ内戦をめぐっては、同国政府が戦闘終結後もLTTEとの関係を疑う住民らを「強制収容
所」と非難されるキャンプに集め、援助団体の接触を制限するなど批判を浴びている。
・09/05/27 “Oxford Analytica”
国連の潘基文(パンギムン)事務総長はスリランカを訪問し、23日、同国のラジャパクサ大統領と会
談した。約30万人といわれるタミル人避難民の状況について協議し、民族和解を促した。
スリランカでは反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)
」が壊滅し、持続的和平
と、多数派シンハラ人と少数派タミル人との和解の歴史的好機が訪れた。ラジャパクサ大統領の今後の
政策は、治安問題や民族主義者からの圧力などによって形成されるだろう。
この30年間、スリランカは、タミル人多数派地域に権限委譲を渋る政府と独立国家樹立を求めるタ
ミル人解放運動とによって政治的妥協の余地がない状況に追い込まれていた。LTTEの消滅により、
この膠着(こうちゃく)状態は終わりを告げたが正常化にはなお大きな障害が立ちはだかる。内戦で生
まれたシンハラ人とタミル人双方の民族主義勢力が大きな影響力を及ぼすだろう。
スリランカ政府にとって今後6カ月の課題は、来年4月に予定される総選挙を有利に進めることだ。
シンハラ人が人口の約75%を占めることから、ラジャパクサ大統領はシンハラ人の有権者を意識した
政策に集中するだろう。シンハラ人の支持を得るためには、LTTE残存勢力によるテロ攻撃を最小限
に抑えることが必要で、タミル人の故郷帰還は遅れそうだ。
内戦からの復興にはIMF(国際通貨基金)など、海外から資金を呼び込む必要がある。そのために
はタミル人への権限委譲や人権状況の改善が求められる。しかし、スリランカが中国との関係強化に向
かう戦略的方向転換をしていることから、西側からの圧力は限定的なものにとどまりそうだ。スリラン
カの内戦はシンハラ人とタミル人との権力分有をめぐる民族対立から始まった。しかし、内戦後の焦点
は、経済発展が優先され、政治改革や権限委譲は二の次になるだろう。
・09/05/27 “ヒューマンライツ・ウォッチ”
先日のスリランカでの潘基文(Ban Ki-moon)国連事務総長の発言は、強い内容の決議の採択を、遺憾
にも遠ざけてしまった、とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。潘事務総長は、ス リランカ政府
は「できる限りの行動」をとっており、「多大な努力」を重ねていると公式に称賛し、過去何度も破ら
れてきた「支援を必要とする民間人への人道 的アクセスを確保する」との政府の約束を受け入れた。
潘事務総長は、国連人道問題担当事務次長ジョン・ホームズ(John Holmes)が、4 月にスリランカでの
戦闘は「bloodbath(大量殺りく)」となりうる、と警告した際の、強い言葉からも距離を置いた。また、
ピ レー高等弁務官のように、国際的な事実調査を推し進める事もなかった。
・09/05/29 “CNN”
スリランカ外務省当局者は、2万人以上との数字について「有り得ない」と否定、根拠もないと語って
いる。軍の掃討作戦は今年に入ってから加速。LTTEの拠点を次々と陥落させ、同勢力の残党は北東
部の海岸沿いに後退、多数の民間人を「人間の盾」にして立てこもっていた。スリランカ政府は、作戦
でLTTEにとらわれていた住民約26万人を救出したと主張している。
・09/05/29 “英国タイムズ”
タイムズは、スリランカ政府軍が反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」を打倒し終
結した同国内戦で、軍の最終攻勢により民間人2万人以上が死亡したと報じた。航空写真や公文書、目
撃証言などを基に同紙が算出したもので、事実であれば、死者数は公式統計の3倍に達することになる。
同紙が入手した国連の極秘文書では、4月末までに非戦闘地域で死亡した民間人は約7000人。国
連筋によれば、それ以降5月19日までに毎日平均1000人が殺害され、最終的な犠牲者数は2万人
を超えるという。大半は政府軍の砲撃によるとされる。
一方、在英スリランカ大使館スポークスマンは「政府軍の攻撃で民間人が死亡した事実はない。民間
人が殺されたとしたら、それはLTTEの行動によるものだ」と反論している。
・09/05/29 “毎日新聞”
スリランカで25年余り続いた少数派タミル人の反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ」(L
TTE)との内戦に勝利したラジャパクサ大統領が、多数 派シンハラ人の間で「国王」と呼ばれるな
ど権威を高めている。国連や欧米諸国とのあつれきも目立ち、内戦後の課題となっている国民和解や避
難民支援への影響が懸念されている。
「Long
Live Our King!(国王、万歳!)
」。LTTEを完全制圧した19日以降、
地元各紙にはラジャパクサ大統領の「偉業」をたたえる全面カラー広告が掲載されている。最大都市コ
ロンボから中部キャンディに延びる街道には、高さ15メートルの巨大な大統領の人形も設置された。
「国王」の呼び名は、キャンディを拠点に置いたシンハラ系最後の王朝「キャンディ王国」を意識し
たものだ。
09/06/01 “朝日新聞”
スリランカのボゴラガマ外相は5月31日、スリランカ内戦の最終盤で反政府武装勢力タミル・イーラ
ム解放の虎(LTTE)に「人間の盾」にされ、巻き添えになった民間人の死者数について「わが国の
法律の下で独立機関による調査が行われるだろう」と語り、国際機関を通じた調査の実施を拒否する意
向を示した。同日閉幕したアジア安全保障会議(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で述べ
た。
09/06/03 “ヒューマンライツ・ウォッチ”
スリランカ政府は、タミル・イーラム・解放のトラ(LTTE)の軍事的敗北が、新たな"失踪"、非合法殺
人、政府批判者の投獄をもたらさないことを確保すべきである、と本日ヒューマン・ライツ・ウォッチ
は述べた。
内戦中に政府を批判した個人・団体に対して、スリランカ政府が処分を下す準備をしていることが、政
府の声明から読み取れる、とヒューマン・ライツ・ ウォッチは述べた。2009 年 6 月 3 日、メディア相
ラクスマン・ヤパ・アベイワルダナは、LTTE を支援したジャーナリスト、政治家、武装部隊要員、ビジ
ネスパーソンを追訴する準備を、国防省が進めていると述べ た。
「スリランカが今最も避けるべきことは、魔女狩りである。」、とヒューマン・ライツ・ウォッチのア
ジア局長 ブラッド・アダムスは述べた。「この国には癒しがとても必要だ。政府は、国民全て、とり
わけタミル人に対し、彼らの人権を尊重することを明らかにするべきである。」
メディア相の声明に加え、軍司令官のサラス・フォンセカ大将は、5 月末のテレビインタビューで、政
府は、LTTE を利する報道を行ったジャーナリストを渡航禁止処分とし、反逆罪容疑で起訴する と述べ
た。警察監察長官ジャヤンサ・ウィクレメラトネは、シンハラ人でメディアの自由を求めている活動家
(名前は未開示)を、LTTE から賄賂を受け取り、軍の戦争犯罪を示すために偽の報道を行っていたと非
難した。
25 年に及ぶ破滅的な紛争の後、スリランカ政府は 5 月 18 日に LTTE に対する勝利宣言を出した。戦闘の
最後の数ヶ月間は、推定 7000 名以上の民 間人の死者と、14000 名以上の負傷者という、莫大な民間人
への犠牲を伴った。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、両陣営による深刻な国際人道法違反を報 告し
た。しかし、人権侵害の完全な実態把握は、政府がメディアや人道援助団体の紛争地帯への立ち入りを
制限しているため、いまだ不可能である。
ここ数ヶ月において、スリランカ政府は、LTTE 戦闘員とみなされた者や、LTTE と関係があったと疑い
をかけられた者も 9000 名以上収容した。 国連やその他の国際機関は、収容者を決定するプロセスに殆
ど若しくは全くアクセス出来ず、政府は、多くの場合、収容者の家族に何の情報も提供していない。 多
くの家族は、自分の家族の消息や居場所を今尚知らない。
野党政治家らは、スリランカの非常事態令の解除と、LTTE 支援者や政府批判者と疑われた者を逮捕し無
期限に拘禁するために利用されてきた厳しい対テロ対策法の撤廃を求めているが、スリランカ政府はこ
れを拒絶している。
近時の国内避難民の大量流入以前は、スリランカ政府は、最大 3 年間、避難民をキャンプに拘束する提
案をしていた。その計画によれば、キャンプ内に親戚がいる者は、最初の検査の後、出入りを許される
が、若者や単身者はキャンプを出ることは許されない、というものだった。国際社会からの抗議の後、
政府は 計画を変更し、「2009 年の終わりまでには、国内避難民の 80%を再定住させる」とした。しか
し、スリランカ政府が、これまでに、厳重な通行証システム や、キャンプを出ることへの厳しい制限
を通して、国内避難民の権利を制約してきたことを考えると、国内避難民は何年間もキャンプに閉じ込
められる可能性がある、との懸念が高まっている。
2 年前の戦闘により、北西部のマナー地域の故郷から逃れざるを得なくなった 2000 名以上の人々が、収
容されていたキャンプから解放されたのは、やっと今年の 5 月である。
キャンプの環境は劣悪である。事実上全てのキャンプは過密状態であり、一部には、国連難民高等弁務
官事務所が適切とする人数の 2 倍も収容している所 もある。食糧配給は無秩序状態であり、水は不足
し、衛生施設も不十分だ。キャンプに暮らす人々は、適切な医療を受けられず、感染病がキャンプ内で
発生して いる。
5 月 16 日以来、スリランカ軍が管轄するキャンプ管理組織は、キャンプ内で活動する人道援助団体に、
キャンプ内に入れる車両やスタッフの数を制限するなど、数々の制約を強いてきた。こうした制限のた
め、緊急に必要な援助の供与が遅れている。スリランカ軍は、支援団体が人びとの保護活動のためにキ
ャンプに立ち入ることを許さず、住民との会話も禁止しているため、国内避難民を更に孤立化させてい
る。スリランカ軍は、軍が主催・監視する視察を除き、キャンプ内にジャーナリストが立ち入りること
も禁止している。