在チェンナイ総領事館 平成27年 7月 13日 安全対策情報 (平成27年度第1四半期) この安全対策情報は,過去3か月の間に南インド4州(タミル・ナド,アンドラ・ プラデシュ,テランガナ及びケララの各州)及びプドゥチェリー連邦直轄地において 発生した重要事件・事故をまとめたものです。 私たちの身近でもこの種事件・事故が発生していることを承知していただき、「海 外では自分の身は自分で守る」ことを基本に,事件・事故に巻き込まれないようご注 意ください。 なお,最新のインド国内渡航情報については、外務省ホームページ(www.mofa.go. jp/mofaj/)内の「海外安全ホームページ」をご覧ください。 1.治安情勢及び一般犯罪の動向 (1)治安情勢 ア 全国的に治安当局からテロ警戒警報が発出されています。 過去の3ヶ月の間に南インド4州では大規模なテロ事件は発生していませんが, 2014年5月1日,チェンナイ中央駅に停車中の寝台急行列車で2発の時限式爆 弾が爆発し,22歳のインド人女性が死亡,14名が負傷した事件が発生しており、 引き続き人が多く集まる場所、鉄道駅、空港、公共施設等に赴かれる際には十分に 注意してください。 イ インドでは全国的に政党間・カースト間の争いが過熱し,大規模な騒擾に発展 することが多くあります。政治・治安情勢に常時注意を払ってください。 2013年4月下旬から5月に,農業カーストを中心とするPMK党党員が逮捕 されたことに反発して,タミル・ナド州内各地の農村地域で暴力的抗議活動を実施 し,州議会議員事務所の放火,多数のバスを破壊,道路を封鎖するなどの被害が発 生しています。 ウ インドの東部・中部の森林地域では、マオイストの活発な活動が報告されており、 2014年11月のケララ州コチ市の日系企業事務所に対する襲撃事案や201 5年6月のアンドラ・プラデシュ州とオディッサ州の州境付近で警察部隊と銃撃戦 事案の発生などその脅威は急速に増加しており常に厳重な注意が必要です。 (2)一般犯罪 南インドは北インドと比較して一般的に治安がいいと言われていたが,凶悪犯罪 発生件数は増加傾向にあり,体感治安は急速に悪化しています。昨年度の犯罪発生件 数は一昨年と比較してほぼ同程度ですが,中でも集団強盗、住居侵入窃盗などの凶悪 犯罪の増加が顕著です。 2015年2月には,チェンナイ市内で日本人旅行者に対する昏睡強盗事件が発生 しました。また,最近ムンバイ及び南インドを中心として同一犯人によるものと思わ れる日本人旅行者をターゲットとした昏睡強盗事件が多数発生しており,注意が必要 です。 報道によると,タミル・ナド州では過去3年間で強姦事件の発生件数が37%増加 するなど,性犯罪の危険が高まっています。安全を常に自覚し,夜間は外出しない, 一人で行動しない,派手な服装はしない等の注意が必要です。 2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例 (1)強盗 邦人被害の事件は認知していません。 (2)殺人 邦人被害の事件は認知していません。 (3)強姦 邦人被害の事件は認知していません。 3.テロ・爆弾事件発生状況 (1)概況 インド全土でテロの脅威は存在しており十分な注意が必要です。テロの標的とな る軍事関連施設,政党の集会・演説会場,その他政府の重要施設等危険な場所には近 づかない,市場,ショッピングセンター,宗教関連施設等多数の人が集まる場所への 訪問は極力避け,用事がある場合にはできるだけ短時間で済ませる等,一層慎重を期 す対策が必要です。 (2)南インドにおけるテロ関連事件の発生状況 ア 3ヶ月の間に南インド4州では大規模なテロ事件は発生していませんが、2014 年5月1日午前7時15分ころ,チェンナイ市内中心部に所在するチェンナイ中央駅 9番プラットフォームに停車中のカルナタカ州バンガロール発アッサム州グワハテ ィ行寝台急行列車「BANGALORE - GUWAHATIEXPRESS」の2つの2等寝台車両で2発の 時限式爆弾が爆発し,22歳のインド人女性が死亡,2名が重傷を負い,12名が負 傷しました。(邦人被害はなし)。 また,2013年2月21日午後7時頃,AP州ハイデラバード近郊の街ディスク ナガール地区において連続爆弾テロが発生しました。報道によると,犯行には自転車 に取り付けられた簡易爆発物(IED)が用いられた模様であり,爆発により16名 が死亡,117名が負傷しました。 イ 当館管轄地域と隣接するスリランカでは,長年の多数派のシンハラ人と,同国北 東部に多く居住する少数派タミル人過激派グループとの間の武力対立は終結した ものの,両民族間の問題は依然続いています。2014年3月には国連人権委員会に よるスリランカ内戦時の人権侵害についての調査勧告がスリランカ政府に対し発出 されました。当地にはスリランカ・タミル人支援団体も多く存在し,これらの団体に よるスリランカ関連施設への抗議やデモ活動等もしばしば発生しています。今後の中 央政府、州政府の対応次第で,大規模な抗議等に発展する可能性も排除できず,その 動向を注視する必要があります。 4.誘拐・脅迫事件発生状況 邦人に対する誘拐・脅迫事件の発生は認知していません。 5.対日感情 対日感情は基本的に良好であり,特段の変化は見られません。
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