Training Private School of Forging Manager

鍛造の中核人材を育てる
「鍛造マネージャー育成塾」
∼名古屋大学大学院に−鍛造特論−設置∼
㈳ 日本鍛造協会
ヒアリング及びアンケート調査結果をもとに審議を重
1.はじめに
ねた結果、鍛造業の中核人材像を次のように定義した。
鍛造現場の技術・技能を体得し、問題・課題の解
日本の鍛造業の高い国際競争力は、ユーザー業界の
決能力と工場の効率向上に必要なマネージメント
発展をはじめ、優れた材料や設備などによって支えら
能力を身につけ、利益の出せる鍛造品を生み出す
れてきた側面は大きいが、長年にわたる地道な研究開
とともに、ユーザー等に対して説明、PR、提案の
発や創意工夫を重ねて築かれてきた。鍛造品の高品質
できる人材。また、将来、中小企業の工場長や経
を支えてきたのは優秀な生産技術者と熟練技能者であ
営幹部を担える人材。
る。情報技術が急速に進展してきたとはいえ、必ずし
も単純作業と機械設備だけで高品質で低コストの鍛造
2)ターゲットとする受講者層
品が生産できるものではない。特に最近では、燃料、
本事業プログラムは、単に知識を身につけることが
資材価格の急激な変動をはじめ製造及び販売のグロー
目的ではなく、鍛造現場で自身が経験した様々な作業
バル化の加速、国内・海外需要の大幅な落ち込み等、
について、理論・原理・原則を関連づけて理解するこ
鍛造業を取り巻く環境は目まぐるしく変化し、従来に
とにより、応用力を高め、日頃鍛造現場で突き当たる
も増して需要の変動に迅速に対応できる供給体制が求
問題・課題について解決力を身につけること。また、
められている。
マネージメント力を高めることにより、生産効率の向
今後も日本の鍛造業が国際競争力を維持、向上し続
上をはじめユーザー等に対して自社の技術力や製品の
けていくためには、「高機能化」、「軽量化」、「コスト
品質、信頼性等をアピール、あるいは提案できるよう
削減」、「短納期」、「品質を具備した安定供給」、「環境
な人材を育成することを目的としている。従って、対
対応型工法・製品の開発」をキーワードとした鍛造技
象とする受講者層は、実務経験 5 年以上、且つ当協会
術の高度化に取り組まなくてはならず、そのためには、
の通信教育「職業訓練認定コース」修了者またはそれ
正社員を中心にした人材を確保、定着させ、優秀な生
と同等の鍛造に関する知識を有する者とした。
産技術者及び技能者を育成し、固有技術及び技能をい
かに伝承していくかが重要な課題となっている。
これらの状況に鑑み、当協会は、経済産業省関東経
3.事業管理・推進体制
済産業局より平成 19 年度に「中小企業産学連携製造
平成 19 年度及び 20 年度事業遂行にあたっては、当
中核人材育成事業」、平成 20 年度に「産学人材育成パー
協会が名古屋大学、社団法人日本塑性加工学会(鍛造
トナーシップ事業」を受託し、平成 21 年度よりの自
分科会)、名古屋市工業研究所と連携して事業を実施
立化に向け、名古屋大学、社団法人日本塑性加工学会
した。主な役割は次のとおり。
及び名古屋市工業研究所に協力を仰ぎ、産業界と教育
界が連携して、鍛造における中核人材育成システムの
開発に取り組んだ。
・技術領域 3 科目のカリキュラム、シラバス、テキ
スト、教材作成等及び実習マニュアルの作成。
2.鍛造業における中核人材像
〔名古屋大学〕
・名古屋大学で行う模擬講義、模擬実習場所と機材
の貸与。
1)中核人材育成事業に着手する以前に実施した企業
・大学院における鍛造専門講座の開設、単位取得等
に係る諸準備業務。
41
レベル確認や検証をお願いするとともに、受講生並び
〔社団法人日本塑性加工学会〕
・技術領域 6 科目のカリキュラム及びシラバスの作成。
に講師各位に毎回アンケートを実施し、その結果を委
員会にて審議、検討して最終的なカリキュラムを構築
〔名古屋市工業研究所〕
・模擬講義、模擬実習場所及び機材の貸与協力。
した。
〔社団法人日本鍛造協会〕
・カリキュラム、シラバス、テキスト、教材作成等
の検証、プログラム全体の開発及び取り纏め。
・模擬講義の実施。
・自立化を含む事業計画の立案。
・協会認定資格創設の検討等
また、教材作成にあたっても、いきなり最終的な教
4.プログラム、カリキュラム、教材の開発
材を作成すると、各講師の主観に基づいた内容になり
中核人材育成のため新たに開発するプログラムは、
がちであることや、大幅な内容修正が生じるとかえっ
て時間及び費用にロスが生じることが懸念されること
鍛造に関する「技術」領域だけでなく「管理」や「経営」
から、19 年度の模擬講義の検証結果を十分に踏まえ、
の領域も含めて、鍛造業における中核人材育成のため
の総合的な教育内容とし、座学だけでなく、実証実験
や実習を組み入れ、更に現実の生産現場での問題、課
題の事例を取り上げ、議論を行う事例研究など、現場・
現実に即した体系的な教育システムを目指した。その
ために 2 年間で 2 回模擬講義を実施して、委員各位に
◎平成 19 年度模擬講義プログラム
日付
19 年度 講義内容
日付
オリエンテーション
1 / 17
鍛造方法と鍛造の歴史
(木) 鍛造技術の動向
コンピュータシミュレーションの基礎入門
2 / 29
プレゼンテーション
トヨタ自動車見学
鍛造機械の構造と特徴
3 / 14
(金)
プレゼンテーション
加工力、面圧の計算
鍛造用材料
熱処理の基礎技術
金型材料と金型構造
3 / 15
プレゼンテーション
各種鍛造実験と材料流動観察
講義 1「TQM」
5 / 23
鍛造品の設計
(金) 鍛造品の評価に関する事例研究
プレゼンテーション
講義 2「問題解決」
演習 2「問題の発見」
5 / 24
講義 3「SQC」
(土)
演習 3「原因の追及」
鋼材から製品出荷までの熱間鍛造プロセス
2 / 16
熱間鍛造形状並びに工程の設計
(土) 鍛造工程設計に関する事例研究
講義 1「工場管理」
7 / 24
2 / 28 金型生産と金型管理と金型補修
(木) 金型寿命の対応事例研究
プレゼンテーション
42
講義 2「経営管理」
(金) 工場見学
プレゼンテーション
金型設計と金型寿命対策
工場見学
(金) 演習 1
鍛造品の適用機能・性能・品質と検査
2 / 15
鍛造におけるトライボロジーと潤滑技術
(土) 鍛造潤滑、金型寿命に関わる事例研究
材料と熱処理の問題解決事例研究とプレゼンテーション
2/2
各種材料の変形能と変形抵抗
(土)
結果のまとめとプレゼンテーション
鍛造機器と周辺装置の選定について
(金) 鍛造機械の変形、破壊とその防止策環境・公害・エネルギー設備
材料の塑性と塑性加工力学
2/1
CAD/CAM の概要とコンピュータシミュレーション事例研究
(金) 三次元 CAE システム導入事例研究、課題抽出と解決法の研究
鍛造現場の問題、問題課題解決例
1 / 18
自動車メーカーの鍛造技術
(金)
グループワーク(プレゼンテーション)
19 年度 講義内容
演習 1 どうして鍛造化が実現するか
7 / 25
(土)
演習 2 演習 1 の課題解決方法
講義 3 間接部門の効率化
演習 3 相手先の工場で鍛造化をどう実現するか
◎平成 20 年度模擬講義プログラム
日付
20 年度 講義内容
オリエンテーション、自己紹介
8 / 1 工場見学(トヨタ自動車(株)衣浦工場)
(金) 自動車会社における鍛造
プレゼンテーション
鍛造技術の概要
鍛造方法と鍛造品
8/2
(土) 経営と管理
鍛造現場の問題・課題解決成功事例
実証実験:鍛流線と強度・タフネスの確認実験
8 / 22 鍛流線の生成と衝撃試験の実習
(金) グループ討論とプレゼンテーション
コンロッドの鍛造における品質・コスト・生産性
鍛造品の適用機能の性能
自動車・建機部品の機能と鍛造の重要性
鍛造品の設計と重要性
鍛造品の設計における重要ポイント
8 / 23 部品の軽量化への取り組み
(土) アルミ・チタンの鍛造品への適用
鍛造と品質管理
設計・品質・製造における仕様書∼作業標準まで
品質管理に役立つ検査データの統計処理
度数分布と正規分布から求める工程能力評価
材料から検査までの工程設計
日付
20 年度 講義内容
熱間鍛造用の金型材料・表面処理・金型製造法
冷間鍛造用の金型材料・表面処理
10 / 17
冷間鍛造用における金型寿命
(金)
鍛造における摩擦・潤滑・摩耗のメカニズム
プレゼンテーション
環境負荷低減のための熱間鍛造用潤滑剤
10 / 18
環境負荷低減のための冷間鍛造用潤滑剤
(土)
摩擦試験実習(プレゼンテーション含む)
鍛造機械の構造と特徴
鍛造機械:ハンマについて(機械の構造、部品の破損、
10 / 24 機械から見た工程設計)
(金) 鍛造機械:プレスについて(機械の構造、部品の破損、
機械から見た工程設計)
プレゼンテーション
周辺装置について
10 / 25
加工加重の計算
(土)
鍛造機械:フォーマについて(機械の構造、部品の破損、
機械から見た工程設計)
演習と発表
講義 1「TQM」
10 / 31
演習 1「TQM」
(金)
講義 2「問題解決」
Q&A
演習 2「問題の発見」
11 / 1
講義 3「SQC」
(土)
演習 3「原因の追及」
8 / 29
鍛造の工程設計
(金)
演習と発表
荒地設計
8 / 30 演習と発表
(土) 実証実験の荒地設計
荒地設計の発表、コメント、実験の注意事項
工場見学((株)栗本鐵工所住吉工場)
9/5
実証実験
(金)
実証実験の整理
9 / 6 考察と発表のシート作り
(土) 発表とコメント
塑性変形(変形機構、変形抵抗、延性)
9 / 26 鍛造用材料
(金) 熱処理の基礎技術
材料と熱処理の問題解決事例研究(プレゼン)
9 / 27 実験(変形抵抗測定、鍛造性評価試験)
(土) 実験結果の整理と結果発表(プレゼン)
精密金型製作
10 / 3
(金) 金型製作現場の見学と質疑応答
((株)ニチダイ宇治原田工場)
生産・工程管理
11 / 7
品質管理・設備管理
(金)
品質管理・生産管理の事例研究
11 / 8 鍛造設備管理の事例研究
(土) プレゼンテーション
11 / 14 原価と生産性の管理と改善
(金) 人事・労務管理、安全・衛生管理、環境・省エネ
11 / 15 環境改善の事例研究
(土) プレゼンテーション
各種鍛造方法の加工力(拘束係数)
11 / 28
応力、応力成分、静水力、フックの式
(金)
降伏条件、対数ひずみ、変形抵抗曲線面圧
11 / 29 実験(各種鍛造方法の変形過程の実験)
(土) プレゼンテーション
コンピュータシミュレーションの基礎
12 / 5 CAE/CAM の概要とコンピュータシミュレーション事例
(金) 研究
精密鍛造設計と金型設計
3 次元 CAE システムの導入事例研究
ヘッダ及びフォーマによる精密鍛造
操作練習①成形解析
10 / 4
(土) プレス機械による精密鍛造
プレゼンテーション
12 / 6
操作練習②金型応力解析
(土)
実習(鍛造成形実証実験、改善案の検証)
12 / 12
プレゼンテーション
(金)
12 / 13
人材育成とコミュニケーション
(土)
43
実状に即した教材を作成すべく 20 年度の模擬講義を
進めた。
模擬講義の開催概要は以下のとおりであるが、19
年度は 23 名、20 年度は 14 名が受講し、本事業に対す
る関心の高さがうかがえた。日程が 1 泊 2 日であった
ことやグループワークを通じて受講生同士、受講生と
講師間の交流が深まり、各自の人脈ネットワークが拡
がったことは一つの成果である。
実験で得られた鍛流線
模様を浮かび上がらせる実験。鍛造工程の違いによっ
て、鍛流線の模様の違いを確認する。
③変形抵抗測定試験及び割れ限界試験
変形抵抗試験については、円柱圧縮試験片を油圧万
能試験機(低速圧縮)及びメカプレス(高速圧縮)で
圧縮する。圧縮力(変形抵抗)と圧縮量(ひずみ)を
求め、その関係を求める。また、割れ限界試験につい
プレゼンテーション風景
ては、油圧試験機で試験片を圧縮し、表面にき裂が入っ
た段階で実験を中止する。同一条件にて複数回実験を
行い、割れが発生する確率を求める。
円柱圧縮試験片
実験の模様
◎平成 20 年度模擬講義 実証実験
①シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験機のハンマで試験片を打撃して
破壊し、打撃後のハンマの振り上げ角度を読み取って
試験片の破壊に費やされたエネルギーを求める。
割れ測定試験片
④潤滑試験
1. 冷間鍛造用の潤滑剤についてリング圧縮試験。
2. 熱間のリング圧縮試験。
3. ボール通し試験。(油の焼付き防止性能を評価)
図 1 シャルビー衝撃実験
②鍛流線(ファイバーフロー)の生成と観察
準備した試料(冷間鍛造品を正確に半分にカットし
たもの)を 70 ∼ 80℃に加熱した塩酸に 30 ∼ 40 分程
度浸け、表面の軟らかい層を溶かし、硬い鍛流線の縞
44
図 2 熱間のリング圧縮試験
⑤鍛造荷重試験(実測と計算)及び硬さ分布測定
育成事業を経て、これらで構築されたカリキュラムと
純アルミ円柱試験片を使用し、油圧万能試験機(低
教材を使用し、エキスパートの講師陣による「鍛造マ
速圧縮)による荷重の測定と、圧縮試験による変形抵
ネージャー育成塾」が平成 21 年度より自立化事業と
抗を測定する。また、拘束係数及びノモグラムから荷
してスタートする。開講は 4 月から来年 1 月の 10 ヶ
重値を計算し、実験結果と比較検討する。硬度分布測
月にわたり 12 科目の講義を予定しており、そのうち
定については、ビッカース硬さ試験機で円柱圧縮試験
の 3 科目については、名古屋大学大学院の特論として、
片及び後方押出し試験片の断面を研磨し、断面におけ
大学院生と受講生が同時に受講することになり、産業
る硬度分布を測定し、ひずみ分布について考察する。
界と学生との技術交流の発展が期待される。また、本
講義を修了された受講生に対しましては「鍛造マネー
5.鍛造マネージャー育成塾開講
(平成 21 年度よりの自立化)
ジャー育成塾修了証」を発行することとしている。
以下に教育科目の概要とスケジュールを掲載する。
平成 19 年度より 2 年間にわたる鍛造現場の中核人材
教育科目の概要
科目
科 目 名
概 要
1
鍛造概論
鍛造の歴史と現状、鍛造技術の世界的な動向の講義及び鍛造全般を経験してきた先輩による
経験談と事例討論によって、我が国鍛造業界の中核人材に求められる「問題・課題解決能力」
「ユ
ーザへの提案力」の能力の重要性を理解して、日常行っている鍛造関係の業務の位置づけを理
解できるようにする。
2
鍛造品とその評価
自動車等輸送用機器や土木建設機械、重電機産業、造船・産業機械、航空機などに使用され
ている代表的な鍛造品と鍛造品に要求される機能・品質及び製造工程、管理ポイントについて
講義を行い、鍛造品の軽量化などを通して競争力と生産するための品質管理について理解でき
るようにする。
3
工具と潤滑
鍛造用金型材料の特徴と種類及び金型の構造と製造方法、鍛造における摩擦・潤滑・磨耗・
表面損傷等のいわゆるトライボロジー現象の特徴とメカニズム及びそれらの評価を行うための
摩擦試験の役割・種類・特徴、さらに潤滑剤の種類と金型表面処理について学ぶ。
4
精密鍛造と金型生産
冷間鍛造金型の重要性と型技術の動向を理解し、精密鍛造品の設計と金型設計方法を習得す
る。また、金型と製品精度と形状、金型寿命の向上対策、金型製作の動向、金型表面処理など
の知識を得る。これらをベースに実際の精密鍛造金型の生産現場である金型メーカーを見学す
ることにより、精密鍛造金型に係わる課題解決方法、応用力をつける。
5
鍛造用材料と熱処理
鍛造に使用される鉄鋼材料及び非鉄金属材料の概要、材料の鍛造特性と鍛造製品の材質に関
する原理について講義し、事例研究及び見学の組み合わせによって、原理を日常業務に応用す
る方法を学習する。
6
加工力と面圧
各種鍛造法における鍛造に必要な加工力、面圧について講義し、工具やプレス機械の変形や
熱が鍛造製品、金型寿命に及ぼす影響について学ぶ。
7
熱間鍛造品の工程設計
熱間鍛造において競争力の高い鍛造品の効率的な生産方法を事例で考える。そして、重要工
程である熱間工程について、ハンマ鍛造機、プレス鍛造機を用いた場合の熱間鍛造形状並びに
工程の設計、競争力の高い熱間鍛造品を開発してきた先輩達の経験談を学習し、演習により、
効率の高い生産のための熱間鍛造の設計技術を理解できるようにする。
8
鍛造及び CAE 実習
これまでの経験や事例を元に工程設計を行い、鍛造実習を通して工程設計技術の理解を深め
ると共に、コンピュータを利用した技術の知識と活用方法についての習得を行う。
9
鍛造設備
鍛造に使用されているハンマ、フォーマ、プレス機械をはじめ素材切断機、加熱装置や搬送
装置等の構造について広く全般にわたり基礎知識を習得する。理論的な設計概念も紹介し、実
際の運用に際し、利用するための技術に対する適応能力を養うことにより、鍛造設備全般に及
ぶ知識の習得を行う。
10
品質管理
(総合的)品質管理は、「品質」という視点から経営管理を見つめ、経営課題を達成し、重要
問題の解決をすることであり、企業活動における競争力の中核となる技術を高め、技術を活用
し、魅力製品を創出するための活動でもある。本科目では、品質管理の考え方、TQM(総合
的品質管理)の考え方、問題解決の方法を講義、事例提示、演習などを通して理解させる。
11
工場管理
競争力の基本的な要因であるコスト、納期、品質などを含めてマーケティング(提案型のマ
ーケティング)理論や「OCDF」など、他産業の事例との比較で理科を深めていく。
12
工場経営と
マーケティング
講師の経営・営業体験を基に様々な鍛造品の新規品開拓や、新規得意先の獲得など具体的な
事例を紹介。従来鍛造品ではない製品を、VE 提案で切り板・製缶品・鋳鋼から鍛造品に替え
て受注する考え方や提案方法を学ぶ。顧客に購買意欲を持ってもらうため、効率的なプロモー
ションプロセスを知る。企業資源の(設備・人材・供給者)継続成長を促す手法を参考例とし
て紹介。
45
◎平成 21 年度開講スケジュール
内 容
開催場所 科目 開催日
ものづくりは人づくり
鍛造技術の概要
名古屋大学
1
7
実証実験(鍛造実習)
8
プレゼンテーション
鍛造品の適用機能・性能・重要性とその設計
鍛造機械:ハンマについて(構造、部品の破
損、機械から見た工程設計、加工荷重)
鍛造における摩擦・潤滑・摩耗のメカニズムⅡ
熱間鍛造用の金型材料・表面処理・
金型製造法
フォーマによる精密鍛造加工
名古屋
サーボプレスと新しい加工法
プレゼンテーション
環境負荷低減のための冷間鍛造用潤滑剤
(事例研究含む)
講義 1「TQM」
11 / 19 講義 2「問題解決」
(木) 講義 3「SQC」
10
11 / 20
(金) 演習 1 TQM マネジメントのやり方
演習 2「問題の発見」
摩擦試験実習
精密金型製作
工場でのモノづくりと工場管理
12 / 11
(金) 工場管理
11
12 / 12 生産管理・納期管理
(土)
TPS とその進め方
プレゼンテーション
塑性変形(変形機構、変形抵抗、延性)
応力と降伏条件
結果のまとめとプレゼンテーション
46
名古屋大学
6
12
マーケティング①
1 / 14
(木)
マーケティング②
1 / 15
(金)
工場経営背略
総合討論
実験結果の整理と結果発表(プレゼン)
ひずみ・塑性仕事・硬さ
8/6
(木) コンピューターシミュレーションの基礎入門
8/7
鍛造荷重の実験と計算との比較・硬さ
(金)
分布測定
企業経営−鍛造業の営業活動
㈱山崎製作所
5
7 / 30 熱処理の基礎技術
(木)
7 / 31 材料と熱処理の問題解決事例研究
(金) (プレゼン)
実験(変形抵抗測定、鍛造性評価試験)
名古屋大学
鍛造用材料
演習 3「原因の追及」
㈱ジェイテクト
/名城大学
京都
4
名古屋
摩擦試験実習説明
工場見学
7 / 16
(木) 精密鍛造設計と金型設計
7 / 17 冷間鍛造用の金型材料と表面処理
(金)
冷間鍛造用における金型寿命
10 / 29 鍛造機械:フォーマについて(構造、部品の
(木) 破損、機械から見た工程設計)
10 / 30
(金) 周辺装置
プレスによる精密鍛造加工
名古屋
9
鍛造における摩擦・潤滑・摩耗のメカニズムⅠ
6 / 18 環境負荷低減のための熱間鍛造用潤滑剤
(木) (事例研究含む)
6 / 19
(金) プレゼンテーション
三次元 CAE システム導入事例研究、
課題抽出方法と解決法の研究
鍛造機械:プレスについて(構造、部品の破
損、機械から見た工程設計、荷重計算)
鍛流線と強度・タフネスの実証実験
3
CAD/CAM の概要とコンピューター
シミュレーション事例研究
鍛造機械の構造と特徴
名古屋
5 / 21
鍛造品の品質管理と役立つ検査データの
(木)
統計処理
5 / 22
(金) 鍛造品の品質・コスト・生産性に関する
グループ討議
10 / 8
(木)
10 / 9
(金)
実証実験(シミュレーション実習)
部品軽量化への取り組み
(アルミ・チタンの鍛造品への取り組み)
2
9 / 17
(木) 鍛造成形プロセスと荒地の考え方
9 / 18 鍛造工程設計に関する事例研究
(金)
モデル鍛造の荒地設計と荒地の製作
開催場所
大阪
鍛造方法と鍛造品
4 / 22 鍛造工場の経営と管理
(水)
4 / 23 鍛造現場の問題・課題解決成功事例
(木)
自動車会社における鍛造
内 容
鋼材から製品出荷までの熱間鍛造プロセス
名古屋
科目 開催日
6.おわりに
続けられる人材の育成を目指し、新たに鍛造業に入職
する新規学校卒業者及び 35 歳未満の中途社員を主た
平成 21 年度より鍛造マネージャー育成塾を自主運
る対象者としているスクーリング。
営することにより、既に当協会が展開している下記の
当協会と名古屋大学、社団法人日本塑性加工学会、
人材育成事業を含めると、初級から中核人材までの一
名古屋市工業研究所が連携して取り組んだ中核人材育
貫した人材育成事業が確立されたことになり、将来的
成事業は、名古屋大学大学院において「鍛造特論」と
には専門分野の研鑽を目指したスペシャリストの育成
して 3 科目を開講されるが、こうした名古屋大学の取
も視野に入れ、これらの人材育成事業を効果的に活用
り組みによって、学校関係者に対するものづくり教育
頂くべく、当協会に新たに設置した「人材育成部会」
の重要性を再認識頂き、全国の他の大学等教育機関に
でこれらの事業を体系的に管理、運営していくことと
おいても鍛造に係る専門講座の開講が望まれる。また、
なった。
その結果として、鍛造業における優秀な人材の確保と
Ⅰ 鍛造技術通信講座
育成、ひいては世界に誇る日本の鍛造技術のさらなる
・職業訓練認定コース(期間 10 ヶ月)
発展の一助となることが期待されている。
⇒国家試験である技能検定の学科試験が免除
・普通コース(期間 6 ヶ月)
⇒鍛造業に従事するにあたり必要な基礎知識の習得
Ⅱ 実践型人材養成コース(期間 6 ヶ月)
鍛造を理解し、誇りと生き甲斐を持って長く仕事を
社団法人日本鍛造協会
〒 103−0023 東京都中央区日本橋本町 4−9−2 本栄ビル 9 F
TEL 03−5643−5321 FAX 03−3664−6470
http://www.jta.tanzo.jp/
47