学びの組織的支援 - 各学科・専攻・コースの取組概要 Ⅰ 現代ビジネスコース 1 取組の内容 現代ビジネスコースはキャリア選択や資格取得に直結した科目が多く、自らのキャリ ア形成に対するモチベーションが学習意欲に影響しますから、CTT(キャリアトライアル トレーニング)、インターンシップ、就職体験発表会等を通して就業意識を高め、事前・ 事後指導を徹底して、 「気付き」と「やる気」を促します。 そして、クラス担任や科目担当者だけでなくスタッフ全員、学生同士、さらには卒業 生までもが学生生活全般についてサポートすることが特徴です。 1 年次には、互いの信頼関係を築くことが大切だと考えて、皆さんと向き合います。 入学後の環境変化に戸惑う前期と自分のキャリアを本格的に考え始める後期の 2 回に渡 って、全員を対象に、コース主任がランチミーティングを実施しています。 2 年次は、学生同士が互いにサポートする環境の構築に重点を置きます。コーススタ ッフは学生の状況を日常的に情報共有しながら、適切に支援できる体制を取っています。 なお、各学期の履修状況や成績、取得単位数等については、個人成績の変化や全体の 分布などをあらゆる視点から集計・分析し、活用しています。さらに、個々の置かれて いる状況等を勘案し、最適な指導についてスタッフ間で丁寧に検討しています。 2 取組の目標 現代ビジネスコースは卒業生全員が豊かな社会生活・職業生活を送ることを目標とし ています。 まずは、多様な分野の講義・演習等を通して、キャリア選択の幅を広げ、自らの適性 を見いだして欲しいと考えています。その選択を可能とするためには「どんな職場でも 共通して必要とされる知識・技能・態度」をしっかり修得することが大切です。そして、 資格取得や検定試験に向けた学修を通して、皆さんの努力が実を結び、成果につながる 経験をして欲しいと思います。多くの資格が取得可能ですから、誤解や思い込みによる トラブルを防ぐためにも、カリキュラムの説明や学修支援、履修計画のアドバイス等を 丁寧に行います。短大の 2 年間という短い期間で学業だけでなく、学校行事、就職活動 など複数の事案を同時進行する中で、時間の使い方・作り方を考えることが習慣となり ます。そうして「学ぶスキル」を身に付け、自律的・主体的に自らを磨き続ける姿勢・ 態度を高めます。 現代ビジネスコースはお互いが努力している姿がお互いを刺激し、自然と頑張れる雰 囲気に満ちています。一緒に頑張る友人は、在学中だけでなく、一生心強い存在となる はずです。我々のサポートも一生続きます。 1 Ⅱ 生活クリエイトコース 1 取組の内容 生活クリエイトコースでは、主に陶芸・七宝・染色の作品制作(モノ)を通して自己 表現する『アート系』と、主にコトバを使って郷土について学ぶ『地域文化系』の2つ の系に分かれて自己表現をする技術を学び、自分らしい表現方法を見つけることができ る科目を設けています。 また希望者は、カクテルドレスやウェディングドレスと大島紬を使ったドレスを製作 し、企業からの要請による大島紬のファッションショーに出演するなど、学内外でファ ッションショーを開催し、多くの自己表現の機会があります。 鹿児島県の PR キャラクター「ぐりぶー」と「さくら」の衣装製作の依頼も受け、地域 貢献活動に積極的に取り組んでいます。 アート系でも地域文化系でも 2 年前期まで、陶芸・七宝・染色の授業で作品を制作し ます。希望者は公募展に出品し、毎年入賞や入選を果たしています。絵を描くのが苦手 でも土や金属や布を使って自由に造形活動をすることができます。 さらに、2 年間の集大成として、県内の多種多様な企業・団体・個人が出展するデザ インの祭典である「デザイン百覧会」の会場内で卒業制作展を開催し、4 年連続で特別 賞を受賞しています。学生のモチベーションが上がり、とても充実した 2 年間を過ごし ています。 1 年次に 3 回のインターンシップがあり、企業・ファッション販売・ブライダルショ ップなどで職場体験をします。 国家資格の司書、秘書士、プレゼンテーション実務士、社会福祉主事任用資格と本学 認定のファッションアドバイザーの資格取得にも積極的にチャレンジしています。これ らの資格は、必要な授業を受講し、単位を取ることで取得することができます。 生活クリエイトコースでは、人が生きて行くために必要な衣・食・住に関する知識や 暮らしの中に芸術を生かし、生活に美しさと豊かさをもたらす方法と文章力を身に付け、 地域貢献を通して鹿児島を創造(クリエイト)する力を養うために、 「様々な場で自己表 現する力を身に付ける方法」を学ぶために、次のような取組みを行っています。 ① 色彩、陶芸、七宝、染色、ファッションの基礎を学び、柔軟な発想力を身に付け ています。 ② 感性や表現力を身に付け、ことばの理解と表現方法を学び、人としての豊かさを 身に付けています。 ③ 社会人として必要な視野や教養を身に付け、理論と演習・実習を深めることで実 務能力を高め、資格取得も目指します。 ④ 家庭料理や製菓の知識を知り、衣生活の技術を身に付け、健全な暮らしを営む住 環境について学びます。 ⑤ 郷土の文化・工芸への理解を深め、心と体について学び、地域で生せる力を養成 2 します。 Ⅱ 取組の目標 生活クリエイトコースでは、様々な表現方法を基礎から学び、2 年間の集大成として 卒業制作展で成果を発表するというプログラムが用意されています。 次のことを目標に授業を展開しています。 ① 色や形の知識を生活やビジネスの場で生かし、柔軟な発想力を養成する。 ② 自らを形やことばで表現する方法を身に付け、豊かな人間形成を醸成する。 ③ 柔軟な発想力を身に付け、ビジネスの現場で生かすことができるようになる。 ④ 様々な造形活動を通して表現力を身に付ける。 ⑥ 創造力を高め、社会人に求められる広い視野と教養力を養成する。 2 年間の授業の中で大切にしていることは、基礎的な技術や技法を修得し、生活やビ ジネスの場で活躍できるスキルを身に付けるとともに豊かな人間形成ができるように、 発想力・表現力・創造力・実務能力を高めることに力を注いでいます。生活の基本を学 び、新しい時代を生き抜く力を養成するために、今後もさらに様々なことを創造(クリ エイト)するための取り組みを続けていきます。 Ⅲ こども学専攻 1 取組の内容 こども学専攻では、主に幼稚園教諭二種免許状と保育士資格が取得できます。単に、 資格取得を目指すだけであれば、必要な授業を受講し、必要な単位を取得すればよいの です。しかし、今時代が求めているのは、自ら考え、子どものために行動できる保育者 です。そこでこども学専攻では、 「豊かな子ども理解」に立てる保育者の養成を目指して、 次のような取組みを行っています。 ① 入学時の早い段階から、実際の子どもの姿に触れる機会を数多く設け、子ども理 解を深めています。 ② 子どもの姿から学び、考えたことを確かめたり、試したりする機会を設けていま す。 ③ 幼稚園教育実習や保育実習を通して、保育者としての確かな力を育みます。 ④ 2年間、子どもについて様々な角度から学び、さらに掘り下げて考える機会を設 け、深く豊かな子ども理解に立った保育者を養成します。 こども学専攻には、 「こども学フィールドワーク」という体験重視型の授業からスター トし、「こども学研究」で卒業論文に取組むという、「こども学」について深く学ぶこと のできる確かな道筋が用意されています。 3 2 取組の目標 こども学専攻では、2年間という短い期間であっても、 「豊かな子ども理解」に立てる 保育者の養成を目指しています。単なる資格取得に留まらない学びの機会を提供するた め、次のことを目標に授業を展開しています。 ① 学生自身が考え、行動する機会を大切にする。 ② 入学時の早い段階から、実際の子どもの姿に触れる機会を多く設ける。 ③ 実習で必要とされる力の基礎作りを大切にし、実習の機会がより効果的になるよ うにする。 ④ 「子ども学」の視点を育てることで、深い子ども理解ができる保育者を育てる。 2 年間の授業の中で大切にしていることは、繰り返し学ぶことです。同じことを繰り 返すのではなく、まずは「子どもを知る」ことからスタートさせ、具体的なイメージを 持ちながら子どもと関わる段階へ、そして、自分の持つ子どものイメージと実際の子ど もの姿との隙間を埋めていく段階へ。この過程の中で、何度も繰り返し子どもについて 考え、実践することで、深い子ども理解に立つ確かな実践力を持った保育者を養成しま す。 Ⅳ 食物栄養専攻 1 取組の内容 入学前には、入試合格者に対して調理、化学等の課題を提示しています。また、入学 前の集いを開催し、短大の学習内容を紹介して在学生との交流を図り、短大での学びに 対して準備する機会を提供しています。 入学後の指導ではクラス担任制を設けていいます。学習状況や学習成果に関しては、 専攻のミーティング等で学生個々人の受講態度、欠席、成績等の情報を共有して担任を 中心に個別指導しています。 校外・学外実習に関しては専攻内規を設け、専門性と社会性に関する評価基準を満た した学生が実習を履修するようにしています。 全国栄養士養成施設協会主催の栄養士実力認定試験に関しては、対策科目を設けて専 門科目を復習できるようにしています。 1年次の春休みにはインターンシップを病院、保育園、レストランの厨房で実施して 職場体験させています。 学生の諸課題に対しては担任が学生と個別面談し、専攻スタッフや関係者で連絡を密 に取り合い、必要に応じて保護者とも面談して課題の解決を図っています。 キャリア支援に関しては、キャリア支援科目を開講して自己分析や履歴書作成等に取 り組み、担任がキャリア支援課と連携を取りながら個別指導しています。 4 2 取組の目標 食物栄養専攻で学ぶ多様な学生が教育の効果を高め、適切な進路選択ができることを 目標としています。 入学前の指導は、栄養士資格取得を目指す食物栄養専攻の学習の特徴を知り短大の学 習に円滑に適応することを目標にしています。また、入学後は、学生の情報を関係者で 共有し、担任を中心に相談を受けてアドバイスできる体制を築き、これにより学生が専 門性や社会性をよく修得することを目標としています。 校外・学外実習に関しては食物栄養専攻内規(学外の実習科目を履修するための条件) を設けて学生の学習目標、指導目標としています。 栄養士実力認定試験の対策科目では、試験に備えると共に2年間の学びを総括するこ とを目標としています。 インターンシップは社会のルールを知り、社会性を身につけることを目標としていま す。 学生の諸課題に対しては、担任、専攻スタッフ、教務課、学生課等が連携して情報を 共有し、担任が中心となって本人や保護者と面談等を行って課題を解決して、多様化す る学生が円滑に学びを進められるようにしています。 キャリア支援科目での学びや担任等による進路指導は、学生の適性に合った進路選択 の実現を目標としています。 Ⅴ 英語科 1 取組の内容 近年、英語科には英語が大好きだが、得意とは言えないという学生も入学してきま す。入学以前には、課題の一つとして、それぞれ自分の学力にあった教材を使って英語 学習を行ってもらい、基礎を復習するように推奨しています。入学直後プレイスメント テストを行い、主な授業は習熟度別クラス編制になります。学生は英語力に応じて適切 なレベルの授業を受けることができます。また、基礎的な英文法に自信がない人が自由 に参加できる早朝講座も設けています。正規の授業ではありませんが、予習は必要なく、 不明な点はすぐ質問できます。さらに、必要であれば個人指導も行います。 授業についても、 基本を身につけてもらう科目を設定しています。 「JEB ベーシックス」 では授業の受け方、勉強の仕方、語彙力増強法、プレゼンテーションの基本を学んだり、 e ラーニングでの英語学習を行っています。また、 「英語表現演習」では英語の文章を作 る練習をすることで基礎的な英文法力を養成します。 寮生活では、原則として英語を使用することになっていますが、寮監、二人のネイテ ィブ教員が英語面、生活面をサポートし、学生一人ひとりが寮の環境に速やかに適応で きるよう配慮しています。 5 2 取組の目標 この取り組みの目標は英語力に自信のない学生でも、英語科全体の目標を達成するこ とが出来るように手助けを行うことです。直接的には、短大で行われる授業のレベルに ついていけるようにしっかり基礎的な英語力の習得をサポートし、英語面での不安を取 り除きます。そうすることによって、英語科の特徴である体験(寮生活、海外研修、様々 な国際交流など)を通して、より効果的に英語力を向上させることが出来るようにして います。 英語科の目標は、学生が実践的な英語力を磨き、国際的なビジネスの場で活躍できる スキルを身につけるとともに人間的な成長できるようにすることです。基本となるのは 英語力の向上ですが、具体的な英語力の到達目標は、全員が実用英語検定 2 級に合格す ること、TOEIC で卒業時の平均スコアが 550 となることです。様々なサポート体制によ り、入学時、英語力に自信のない学生(TOEIC350 未満)であっても、卒業時には実用英 語検定 2 級を全員が取得し、TOEIC のスコアについては 200 アップさせ、C ランク(470 以上)のレベルに引き上げることを目指しています。ちなみに、前年度の卒業生の最終 成績は実用英語技能検定2級取得者が 90.7%、TOEIC の平均スコアが 544.2、2 年間の伸 びは 175.4、C ランク以上が 74%(入学時 20%)という結果でした。目標を達成するべ く、今後も更に力をいれてこの取り組みを続けていきます。 6
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