<概要> 「家族の多様化」が言われる中、近年、家族を巡る法状況は、国内外を問わず、大き く変化しつつある。例えば、諸外国では同性婚・パートナーシップ関係について法制化され、国 内では、近時、最高裁は親子関係について重要な判断を続々と下している。 「法律婚主義」を掲げ る日本法において、多様なカップル関係に法的保護はどのように及びうるか。また、法律婚の効 果である嫡出推定(婚姻夫婦間に生まれた子を「嫡出子」として推定する)制度においては、科 学技術の発達(生殖補助医療や DNA 鑑定等)をいかに捉え、法的親子関係をいかに位置づけう るだろうか。各法領域の専門家を招き、近時の最高裁判決の動向の分析や諸外国の法制度との比 較を行いながら、特にカップル関係と出生の多様化について、法的観点から検討したい。 入場無料・事前申込み不要(当日、直接会場へお越し下さい) 主催:札幌学院大学法学部 (担当者:佐々木 健[司会]) お問い合わせ先:札幌学院大学法学部教務課 江別市文京台 11 番地 <講師紹介> TEL:011―386-8111(代) FAX:011-386-8113 (※天候不順による欠航等から講師招聘が困難となる場合もございますので、ご確認方お願い致します) <講師紹介> 「『夫・妻・父・母・男・女』組合せは?」 「日本語で夫婦といえば、夫=男、妻=女を意味しています。しかし、欧米では、同性 カップルが婚姻すること、あるいはパートナーシップを行うことを法律で認める国が増 えています。これまで 20 年以上にわたって、世界では、新しい家族を認めるために動 いてきたのです。今では、同性カップルが養子を迎えるなど、同性の両親も認められて います。そして、男性・女性の性別も、生物学的な性別とは限りません。性同一性障が いの当事者は、日本でも、法律上の性別を変更することができます。婚姻や両親とは異 性の組合せなのか、その場合の性別とは何なのか、考えてみませんか。」 渡邉 泰彦 教授(京都産業大学 法科大学院) <略歴>京都市生まれ。同志社大学大学院法学研究科博士後期課程修了(博士[法学])。徳島文理大学総合政策学部専任 講師、東北学院大学法科大学院准教授を経て、2009 年より現職。専攻:民法・家族法。特に、ヨーロッパにおける同性登 録パートナーシップ制度・同性婚の立法を見ながら、婚姻の法的な位置づけを研究。<主著>「同性の両親と子―ドイツ, オーストリア,スイスの状況―(その 1)」産大法学 47 巻 3/4 号 290 頁以下、 「性別変更の要件の見直し―性別適合手術と 生殖能力について」産大法学 45 巻 1 号 31 頁以下、共著『ジェンダー法・政策研究叢書 第 6 巻 家族 - ジェンダーと自 由と法』 (東北大学出版会、2006 年)、(共著) 『新・判例ガイドブック親族・相続』(日本評論社、2013)等、多数。 「法が示す親子とは?」 「近時、法的親子関係をめぐる最高裁の重要な判断が続いています。家族の多様化は、現 行法では解決困難な問題を私たちに投げかけています。 新聞報道等で社会的関心の高い 3 事件(①性同一性障害者により性別変更をした者の妻 が婚姻中に懐胎した子に関する最決平成 25 年 12 月 10 日、②認知者による認知無効に関 する最判平成 26 年 1 月 14 日、③推定の及ばない子に関する最判平成 26 年 7 月 17 日) を取り上げます。この 3 事件は、民法が定める親子関係の基本的枠組においてどのように 位置づけられるのでしょうか。さらに、法的親子関係の現代的な問題として、DNA 鑑定や 生殖補助医療技術との対峙についても、皆さんと一緒に考えてみましょう。 」 羽生 香織 准教授(上智大学 法学部) <略歴> 東京都生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了(博士[法学])。東京経済大学現代法学部専任講 師・准教授を経て、2013 年より現職(法科大学院兼担) 。専攻:民法・家族法。特に、実親子関係の成立における血縁主 義とその限界をめぐり錯綜する現在の理論状況について、フランス法を比較の対象として研究。第 11 回尾中郁夫・家族 法新人奨励賞受賞。<主著>「実親子関係確定における真実主義の限界」一橋法学 7 巻 3 号(2008 年)353 頁以下、共著 『新基本法コンメンタール人事訴訟法・家事事件手続法』 (日本評論社、2013 年)、共著『家族法』 (法律文化社、2013)、 共著『はじめての家族法(第 2 版)』 (成文堂、2013)等、多数。 江別市文京台 11(JR 大麻駅徒歩 10 分) JR:札幌駅発(江別・岩見沢方面)大麻駅下車(快速 12 分) バス:新札幌バスターミナル(JR バス・夕鉄バス:約 10 分) 学院大正門前又は北翔大学・札学院大前下車(徒歩 1-3 分) 本講演会の開催にあたっては、2014 年度科研費間接経費研究活性化事業より支援を頂いた。
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