（農）興里農　場代表 �� 中村泰明 �� 経由して日本のマーケットに販売しています。菊はどうも合わなくて今は止めています。昆そんな中村さんは今回、スペインでどちらを訪ねたのですか？中村「ノベダデス・アグロカルロス」という会社がありまして、ハウオランジブラルタル海峡バルセロナローマサラゴサバリャドリード西洋大オビエドマドリードティレニア海リスボン急成長するスペインの施設園芸に後進国、日本の農家が学ぶべきこと施設園芸の関係者の多くは、オランダやイスラエルに視察に出かける。オランダ発祥の技術、進化させたイスラエルの技術、いずれも優れているが、世界各国を視察して回っている中村泰明さんが注目するのは、スペインだ。オランダやイスラエルとの違いは、自国内にマーケットがあること。スペインでは輸入資材に頼らずに自前の施設で圧倒的な低コスト施工を実現している。月中旬に出かけた視察の模様を報告してもらった。（まとめ／加藤祐子）スの施工から施設園芸のいろいろなねて、農場にも案内してもらいましことをやっています。その会社を訪た。灌水関係の材料をつくっているアに行ってきました。スペインに最年くらい前です６月中旬にスペイン南東部のムルシ初に行ったのは昆はじめに、中村さんの経営の概しています。施設も天敵も種苗以外はすべてスペインの自前で昆吉則（本誌編集長　）中村さんは要を教えてください。昆なるほど。その会社のあるムル中村ムルシアは地中海側にあっ http://www.novedades-agricolas.com が、学ぶべきことが沢山ありますね。和歌山県でバラをつくるだけでな中村和歌山県でバラをａほどつ「アスード（ Azud ）」や資材を提供する「ａｐｒ」は同じグループに属く、インドネシアに行ったり、イスくっていて、その他にインドネシアくらいかな。シアとはどういうところですか？ラエルの資材を輸入販売したり、海の温室は全部で３・５イチゴの大産地のあるアルメリアのて、オレンジで有名なバレンシアと、間にあります。バレンシアより太陽～棟ありますが、イスラエルのでバラを栽培して、興里農場を資材がほとんどです。そのうちの２・ヴァランスバレアス海フィレンツェモナコモンペリエチュニスアルジェベネチアミラノビスケー湾チェニジアアルジェリアモロッコラバトムルシアコルドババレンシアスペインポルトガルアンドラビトリアリヨンリモージュイタリアトリノボルドーリヒテンシュタインスイスフランス外にもよく視察に出かけていらっ 90 ６しゃいます。今回はスペインの施設 ha 園芸についてお話を伺います。 16 中村さんの今回の視察先は、スペインのムルシアノベダデス・アグロカルロス社 15 6 中村泰明（（農）興里農場・代表　） 15 ha コンスタンティーヌアルメリアインタビュー編集長セビーリャ 12 農業経営者 2014 年� �� 8 � 月号 �� れから、果樹ではブドウが沢山あっ量が多いのでレモンがあったり、そインの自前でやっていると。るみたいで、それもオランダから購使ったＩＰＭなんかも結構やってい昆苗はどこからの調達ですか？入するのではなくて、何もかもスペ園芸がすごく盛んです。中村種だけは結構オランダとか、ベツまで作っていて、最近は、施設昆もともと、露地型のエリアだっイスラエルのものが入っているのでて、野菜ではレタス、タマネギ、キャたのが、点滴潅がいをやるような、はないでしょうか。１当たりの施設施工費は約２０００万円言ってみればイスラエル型の農業が発展してきたというわけですね。中村ＥＵになってから強烈なスピードで伸びました。それまでは、て、商社と商社でコミッションをとあるっていう時代から、中村さんは昆オランダがあり、イスラエルが輸出という形で商社に買いたたかれられて、マーケットに直接アクセス年以上前からスペインもすごいとう話で、スペインの園芸はオランダカから輸入して棚を抑えているといないときはスペインなり、北アフリ昆オランダでは、自国で出荷できなったので凄いですよ。に世界中にアクセスできるようにムを張ったものが多いです。鉄骨はだったんです。今でも鉄骨にフィルブドウ棚を使って作った温室が主流中村いや、この地域ではもともと、昆温室の外側はガラスですか？中村一気に来ていますね。れが成長しているわけですね。話しておられましたけど、さらにそできなかったのが、今は生産者が直の競争相手になっていると。㎜角を使っているので、強度は十持っているのですが、アルメリアはので、オーナーは土地をたくさんムルシアは、昔から土地が沢山あるＯ（ポリエチレン系）で０・２㎜厚肉厚です。貼っているフィルムはＰ㎜を使うのですが、それに比べれば分。日本なら㎜角とか、㎜ × んど来ていないと言っていました。とも５？の温室があるとか。少し規模が小さくて、４万万昆温室だけで４万 50 75 ６ｍくらいでしょうか。のものです。軒高は高くて５・５～ 50 昆それらも全部スペインの資材な代表。 ha 中村資本は、オランダからはほと 10 80 中村そうです。ほとんどが玉とり ha んですね。１棟当たりの面積は？ ha ha トマトをつくっています。天敵を農業経営者 2014 年� �� 8 � 月号 �� 13 インタビュー編集長中村泰明 ■�� プロフィール（なかむら・やすあき� ） 1948年生まれ。近畿大学農学部を卒業後、父のミカン栽培を手伝う。その後、外車の平行輸入ビジネスを手がけたが、32歳で農業の世界に戻り、ミカン栽培をやめて、トマトと花のを栽培を始める。和歌山県でバラの栽培を中心に苗生産、資材販売を行なう一方、2001年よりインドネシアに農地を取得し、赤道直下の標高 1000mの高地で大規模な温室栽培を始め、季節に関係なく良品質のバラを日本市場に供給してきた。海外に積極的に視察に出かけ、世界的な人的ネットワークを育んでいる。農事組合法人興里農場・くらいあったのかな、が４つに分かれていたので。案内ハウスの面積が既に３００て、今回新たにあっですから、１億円。安くてね。昆ほぼ１／５ですね！機能性が云々とかいうのは？中村あまり、日本と変わらないと思います。ただ、スペインではフィルムに強度を持たせて、温室のアーチとアーチの間隔を飛ばしてありま、と造成したそうです。企業ではなくてスペイン人の農家経営です。す。イスラエルも海外はみんなそう、昔は小さかったのよって話していまパンとなると破れてしまうからとなんです。日本はフィルムに強度を背景はわかりませんけど。いって㎝間隔に細いパイプを入れという考え方なんです。２５００万て、それをまたバンドで引っ張ってくる勢いであると。していて、大玉トマトよりミニトマトのほうが単価が良いのでそちらを作っているとのこと。作業している人の賃金は９０００円／日。高い人買っているケースが多くて、労働力昆種はオランダやイスラエルからは北アフリカから集めて、日当が１日９０００円くらいで全然安くない昆その増設したハウスの施工費用が驚きの価格だったとか？的に安い。スペインの施設園芸の全は３０００坪農家の人は先進国にいると思ってい穫も一気にやっているなと。日本ので、施工もそうだし、農場の中の収でしょうね。それと手間暇かけない中村圧倒的に安いから成り立つんを考えたんですか？と。だけど、設備費、その他は圧倒中村でおよそ４億数千万円。潅水も温室、潅水施設、コントロー体像をご覧になって、中村さんは何全部ひっくるめて。１のハウスってなか中村坪３万円、１どのくらいみたらいいんですか？なかないけれども、比較するのに、昆日本では１と約２０００万円になりますね。に換算するルユニット、雨水貯め、水の調達もるんだろうと思いました。件費ですが、作業効率を良くしてい国内にマーケットがあればその産業は発達するあれば持って来られると思います。やっていて、さらに昆そういう人がすでに３００ 50 中村スーパーマーケットに直接卸を一気につでしたから。たまたま経営が良かった 20 もたせていないので、風でパンパンを ha 20 ha ha のか、広大な土地を持っていたのか、 20 ha 70 ha ha ha 14 農業経営者 2014 年� �� 8 � 月号 �� 中村５ 1１棟５haもある新規に造成したハウスは、長すぎて全体像がカメラに収まりきらない　2雨水を貯めるための池。雨が少ないので、雨水は貴重な水資源である　34スペイン製のコントロールユニット。輸入品に頼らず何でも自前でそろえている　5ハウスの仕様はいろいろ。鉄骨アーチ屋根が基本だが、片屋根、両展張、トロピカル（アフリカによくある窓がなく常に上が空いているタイプ）など自在に選べるされたトマトを作っている農場では ha 30 ha 70 ha ha 3 5 ha 20 ha 1 2 4 るけれど、私はいつも世界で最も後資本力のなさ、僕を含めてそうです。行くのですが、スペインのように自一生懸命やっても、なかなか資本力中村僕に言わせたら、全く技術が国のなかにとんでもないマーケット進国にいるなぁと思っていますよ。ないんですよ。自分はできるんですの量があると、産業は物凄く発達すいう国は、マーケットが世界に出てよ。でも、技術もマニュアル化されします。日本は意外と施設園芸は自がつかなくて。加えて、オランダとていないから、１００人連れてきて国にマーケットがなかったんだろうに、設備費用だけはべらぼうに高い。同じことをやるように指示しても、なと思っているんです。昆後進国で技術力レベルも低いの自分がいない間も同じことができる昆みんなビニールハウスかトンネ中村それと、与えられたガラスのというシステムができていない。ダと日本のトマトの収量が５倍違う温室しかなくて、農家自身のマーうもののマーケットがないと。のも、高糖度のトマトばかりを売るケットとしてはなかった。与えられル栽培だから、高度な施設園芸といより、収量のいい品種をつくって収ているから使っているだけであっ昆篤農家ではあるけれど、経営者量が倍になればそっちのほうが儲かて、農家自身がこうしないといけなではないということですね。オランるのにという発想ですよね。いという感覚はなかったんですよ。ない。でも、その後に出てきたスペ中村そう、ぶつけてもコロンと落そうじゃなくて、お客様が要求されインがメーカーも生産者も、後発で昆農家の経営思想のなかから生まるように柔らかくて高糖度のトマトあるがゆえに、極めて健全で健康なとしても問題ないようなトマトををつくろうとする。品質を良くすれことをやっているよと。れてきていないということですね。ばするほど、収穫量は落ちます。中村はい。スペインの施設園芸の作っているから扱いやすいんです昆そういう風にしちゃったんです情報はインターネットにもほどんどオランダが発祥かもしれないし、イよね。国内のマーケットを。それで、載っていないので、ぜひ、実際に現スラエルにいって進化したかもしれそういうのを見れば見るほど、日本地に足を運んでもらいたいですね。事ができるわけ。ところが、日本はが情けなく思って帰ってきたと。昆ありがとうございました。よ。だから今日連れてきた人でも仕中村日本の農家の力のなさ、特に農業経営者 2014 年� �� 8 � 月号 �� 15 インタビュー編集長 6 7 8 9 6天敵を利用したIPMも積極的に導入している（スペイン製）　7ハウスの外観。全長が長いので、ハウスとハウスの間も車で移動する　8地ベタに土を盛ってトマトを植える準備がされている状態。上から紐を垂らしている。通路の幅は大型トラクターが通れるくらい　9ハウス内で管理作業をするワーカーは北アフリカ出身の方が多い。日当は約9,000円。