第12回「処理困難通知」について 今号は、改正廃棄物処理法に基づき

第12回「処理困難通知」について
今号は、改正廃棄物処理法に基づき、平成23年4月1日から創設されました「処理困難
通知」(法第14条第13項)について解説致します。
「処理困難通知」とは、委託された産業廃棄物の処理が環境省令で定められた事由により
困難となった処理業者は、遅滞なく、委託者(排出事業者)に書面で「処理できなくなり
ました」と通知をしなければならないという制度です。
《 参考条文 》
第14条第13項
産業廃棄物収集運搬業者及び産業廃棄物処分業者は、現に委託を受けている産業廃棄物の
収集、運搬又は処分を適正に行うことが困難となり、又は困難となるおそれがある事由と
して環境省令で定める事由が生じたときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、
その旨を当該委託をした者に書面により通知しなければならない。
環境省令で定められた事由【通知の対象となる原因(施行規則第10条の6の2)】
①処理施設で事故が発生し、未処理の産業廃棄物の保管数量が上限に達した
②事業の廃止
③施設の休廃止
④埋立終了(最終処分場の場合のみ)
⑤欠格要件に該当
⑥事業の停止命令を受けた
⑦産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しを受けた
⑧産業廃棄物処理施設に関して、施設の使用停止命令、改善命令措置命令を受け、廃棄物
処理ができなくなり、未処理の産業廃棄物の保管数量が上限に達した
万が一、排出事業者が、「処理困難通知」を処理業者から受けた場合の必要な対応について
は、以下の通りです。
必要な対応
1)生活環境の保全上の支障の除去や被害発生の防止など、必要な措置を講じ、通知を
受けた日から30日以内に、措置内容等報告書を都道府県知事に提出する。
※マニフェストの返送を受けない時の対応と同様。
2)その他、環境省通達に基づいた「必要な措置」として、契約解除や再委託を行うな
どの手段を検討する必要があります。
環境省通達内容は、以下の通りです。
(P19「4.事業者が講ずべき措置」
(2)①~③を参照下さい)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(環廃対発
第 110204005 号・環廃産発第 110204002 号、都道府県・政令市廃棄物主管部(局)長宛
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長/産業廃棄物課長通知)