つながり (東中学校生徒指導だより) 生徒保護者向け 生徒指導主事 松原澄規 平成 26 年度 5月8日 みなさんはどんな連休でしたか?私は、どこにもいけず、自宅で過ごしました。しかし、連休最終日に、 ほっとするニュースを見ました。 世界最高のリーグといわれるサッカーのスペインリーグ(リーガ・エスパニュール)で、また悲しい事件 が起こりました。スペインに限らず、ヨーロッパのリーグの多くでは、サポーターによる人種差別の問題が 多く発生しています。黒人選手に対して、サルのような鳴き声でばかにしたり、侮辱した歌を歌ったりする ような事件が何回か起こっています。そういえば、Jリーグでも「ジャパニーズオンリー」という横断幕を 掲げたサポーターやそのチームが厳しい罰を受けました。 今回の事件は、あるサポーターが試合中の会場にバナナを投げ込んだのでした。(黒人をサルに見立てて いる)すると、バナナを投げ込まれたダニエル・アルヴェス(Daniel Alves)というスタープレイヤ ーは、そのバナナの皮をむいて食べて、その後、コーナーキックを蹴ったようです。事件に目くじらを立て るのではなく、「笑い」で返したのです。たぶんこの選手は、「人をばかにするような器の狭い行動をする のではなく、選手もサポーターも一緒に、みんなで気持ちよくサッカーを楽しもうや!!!」という気持ち だったのでしょう。 さて、そのサポーターは、リーグから厳しい罰則を受けました。それに対して、被害者であるはずのダニ エル・アルヴェス選手は、以下のようにコメントしています。 アルヴェス、バナナ投げた男の情状酌量求める 【AFP=時事】スペイン 1 部リーグ、FC バルセロナ(FC Barcelona)のダニエル・アルヴ ェス(Daniel Alves)は 4 日、試合中に自分に向けバナナを投げて観戦禁止処分を受けた スペイン人ファンの情状酌量を求めた。 ブラジルのテレビ局グロボ(Globo)に対しアルヴェスは、「罰はあるべきだ。だが、悪 を持って悪を制すことの正当性は信じない」とコメントした。 バルセロナとの一戦でバナナを投げたファンに対し、ビジャレアルは永久観戦禁止の処 分を与えたが、これに対しアルヴェスは、「人は学ばなければならない。こういった形は いけない」と語った。 CK を蹴る前、皮をむいてバナナを口にする冷静な対応ぶりで称賛されたアルヴェスは、 「許す者は強いんだ」と続けた。 またアルヴェスは、バナナを投げた 26 歳のダビド・カンパージョ(David Campayo) が懲役刑を科されて生活を失ってしまえば、悲しいものだと述べた。 「彼にも家族がある。家族を支えなければならないんだ」 さて、話題を私たちの生活に戻して見ましょう。最近、ラインなどでトラブルが頻発してい ます。 「あいつが先に悪口を書いたから、こっちも書き返した。」というようになって、結局、 気がつくと、悪口の言い合いがどんどんエスカレートして、最後は、「死ね!」だの「殺す!」 だのという物騒な話にまで発展したケースもあります。学級の中でも、過去にその人から嫌な ことを、言われたり、されたりしたという理由で、集団で嫌がらせをするようなことも起こっ ています。 このような問題の解決には、誰かが器の大きな人になることが大切です。きっとこの選手の コメントを見たこのサポーターは、心のそこから自分の恥ずべき行動を後悔したと思います。 罰によって相手の行動を押さえ込むことはできても、心から改心させることができたわけでは ありません。誰もが持っている相手の心の中の良心(正義を愛する気持ち)に問いかけてみる ことが大切なのかもしれません。そういえば、サッカー部の試合で、ある選手がこういうこと を言っていました。「今日の試合相手、めっちゃ腹たった。試合中にいっぱい悪口言いよった。 殴ったろかと思うほど腹たった。」 「でもな、もし殴ったら、チームメイトに迷惑かかるやん。 後輩もどこからも練習試合してもらえんようになる。だから我慢してん。」といっていました。 東中にも器の大きな人が育っているのですね。 (裏面もお読みください)
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