婦人科外来に腹腔鏡外来を新設しました。

神戸大学病院産科婦人科外来に腹腔鏡外来を新設しました
近年の手術の低侵襲化に伴い、婦人科におきましても内視鏡手術のニーズが高まってまいりました。
平成 25 年 4 月より神戸大学産婦人科外来におきまして、腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術に特化した腹腔鏡外来
をスタートいたしました。内視鏡手術が難しい場合にも、内科的治療・手術等について提案させていただきます。
【診察内容】
① 術前評価
(腹腔鏡・子宮鏡手術)
② セカンドオピニオン
③ 手術以外の治療説明
④ 術後フォローアップおよび術後治療
⑤ 月経困難に対する Low dose pill、ジェノゲスト、LNG-IUD などによる治療法の提
案をさせていただきます。
診察日
担当医
毎週木曜日
PM1時~3時
松岡正造
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医
地域医療推進室を通じて御予約可能です
Tel
Fax
078-382-5264(予約問い合わせ専用)
078-382-5265 (24時間受付)
土・日・祝日、年末年始を除く8時30分から17時まで
HP
http://www.hosp.kobe-u.ac.jp
現在行っている手術について簡単にご紹介します。
* 学会などで担当医が変更となる場合
があります。
1) 単孔式手術:臍の小切開から内視鏡手術を行う方法で近年消化器外科領域でもよく行われています。
従来の方法に比べ、創が臍の 1 か所のみのため美容的に優れています。 主に附属器切除や卵巣嚢腫摘出
術などで行っています。
2)従来法(4 孔式)での子宮筋腫核出術・子宮全摘術
(順天堂大学婦人科内視鏡チーム HP より)
腹腔鏡下筋腫核出術:5 個以内、最大径 10cm 以内
腹腔鏡下子宮全摘術:頚部筋腫ではない。GnRH 前で臍を超えない、かつ GnRH 後腰椎下縁を超えない範囲であれ
ば手術可能です。
トロッカーは 3-4 本で筋腫核出、縫合、回収をすべて体腔内で行っております。
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上記以外にもチョコレート嚢腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、線維腫など良性充実性腫瘍に関しても腹腔鏡下手
術を行っております。
3)第 9 肋間アプローチ法を用いて開腹術後の腹腔鏡下手術も積極的に行っております。
腹腔鏡手術を受けられる方へ
腹腔鏡手術とは
腹腔鏡とは、お腹の数か所に小さな穴をあけ、炭酸ガスを入れてスペース
を作り、そこからスコープや器具を入れて手術を行う方法です。
腹腔鏡下手術以外の治療の選択肢
1.
良性卵巣嚢腫
―
経過観察、開腹手術
2.
子宮内膜症
―
経過観察、開腹手術、ホルモン療法
3.
子宮筋腫
―
経過観察、開腹手術、ホルモン療法
動脈塞栓、FUS
4.
不妊症
―
体外受精など
5.
子宮外妊娠
―
開腹手術、抗がん剤治療
入院
腹腔鏡のメリットとデメリット(開腹手術と比べて)
病室の状況によっては数日間個室に入院していただく場合があります。
メリット
入院期間は 6~7 日間の予定です。ただし、手術の状況や体調によってはよ
1.
手術の傷が小さく美容的
り早期の退院も可能です。入院と手術はすべて健康保険が適用されます
2.
術後の痛みが軽い
(個室使用料はのぞきます)。手術の種類により費用は異なりますがおお
3.
入院期間が短い
よそ 50~70 万円で、その 3 割が自己負担となります。収入により高額医療
4.
早期の社会復帰
費制度の適応となります。詳しくは医事課とご相談ください。
5.
術後の癒着が少ない(卵管などの癒着が起こりにくく術後不妊症にな
ることが少ない)
術前治療
デメリット
子宮筋腫・子宮内膜症の術前治療として GnRH(偽閉経療法)やピルなどの
1.
ホルモン療法を 3~6 ヶ月行う場合があります。
開腹手術への移行:
腹腔鏡手術が安全に行えないと判断した場合
輸血:術中・術後に予期しない出血があった場合
2.
最終診断は術後の組織検査で確定:術前診断と異なる場合
3.
他臓器の損傷:隣接臓器である尿管や直腸の損傷
(子宮内膜症などで高度な癒着がある場合)
腹腔鏡手術を受けられる方へ
単孔式腹腔鏡手術とは
デメリット
単孔式手術とは、臍に約 3cm の穴をあけ、炭酸ガスを入れてスペースを作
1.
複雑な操作(癒着剥離、縫合処置など)が必要な場合には行えない
り、そこからスコープや器具を入れて手術を行う方法です。
2.
2~4 孔式腹腔鏡あるいは開腹手術への移行:
単孔式手術が安全に行えないと判断した場合
輸血:術中・術後に予期しない出血があった場合
3.
最終診断は術後の組織検査で確定:術前診断と異なる場合
腹腔鏡下手術以外の治療の選択肢
1.
良性卵巣嚢腫
―
経過観察、腹腔鏡下手術(従来法)、開腹手術
2.
子宮筋腫
―
経過観察、
腹腔鏡下手術(従来法)、開腹手術、
ホルモン療法、動脈塞栓、FUS
3.
子宮外妊娠
―
腹腔鏡下手術(従来法)、開腹手術、
入院
病室の状況によっては数日間個室に入院していただく場合があります。
入院期間は 6~7 日間の予定です。ただし、手術の状況や体調によってはよ
単孔式手術のメリットとデメリット(従来の腹腔鏡手術と比べて)
り早期の退院も可能です。入院と手術はすべて健康保険が適用されます
(個室使用料はのぞきます)。手術の種類により費用は異なりますがおお
メリット
よそ 50~70 万円で、その 3 割が自己負担となります。収入により高額医療
1.
手術の傷が臍部の 1 か所のみで美容的
費制度の適応となります。詳しくは医事課とご相談ください。
2.
傷の大きさが比較的大きいのでサイズの大きい腫瘍も摘出可能