大気汚染物質排出規制海域における新規則のご案内

2014
荷主各位
年8月
モラー・マースク AS
トレードマネージメント
A.P.
大気汚染物質排出規制海域における新規則のご案内
拝啓 貴社益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、2015 年 1 月 1 日より、北欧州(バルト海・北海・英仏海峡を含む)および北米(アメリカ並
びにカナダ沿岸から 200 海里)の大気汚染物質排出規制海域(ECA, Emission Control Areas)にお
いて、新規則が発効となります。これに伴い、本船が規制海域を航行する際に使用される燃料の最大硫
黄分濃度を、従来までの 1%から 0.1%に引き下げることが求められます。
弊社といたしましては、環境保全の観点から、新規則の導入を全面的に支持するとともに、当規則が
遵守され、運航船社間の公平性が保たれることが重要であると認識いたしております。
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北欧州・北米における大気汚染物質排出規制海域
A.P. Moller - Maersk A/S
Toranomon 5 Mori Building, 1-17-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105-0001, Japan
www.maerskline.com
環境への影響に関して
船舶から排出される硫黄酸化物(SOx)が規制海域にて 90%削減され、環境ならびに人体の健康に多大
な好影響をもたらすことになります。硫黄酸化物は人体に有害であり、酸性雨だけでなく、呼吸器疾患の
原因にもなり得ます。
マースクラインへの影響に関して
硫黄分濃度が 0.1%以下の燃料(以下、低硫黄燃料)は、従来までの規則に適合した燃料と比較すると、
重大なコストの増大に繋がります。2015 年までに、弊社では年間 65 万トンの低硫黄燃料を調達予定で
すが、これは燃料調達総量の 7%にあたります。現時点でのコスト差額(トンあたり 260US ドル)に基
づいた計算によりますと、追加コストの総額は、年間で 2 億 5 千万ドルとなります。また、規制海域に
おいてフィーダー船社よりスペースを調達する際にも、同様の理由でコスト増が予想されます。
お客様への影響に関して
重 大な コス トの 増大 に鑑 み、 弊 社 に お き ま し て は 、 平均 燃料 コス ト の 高 騰 分 を、 SBF ( Standard
Bunker Adjustment Factor)に反映させていただくことを決定いたしました。該当の航路における値上
げ幅は、規制海域内での航行時間や、荷受地・荷渡し地の組み合わせ等によって異なりますが、主要港間
の船積みで 40 フィートドライコンテナ 1 本あたり 50 から 150US ドルとなる予定です。リーファー貨
物につきましては、温度設定・管理に伴う燃料費用のため、割高の設定となります。また、低硫黄燃料価
格の変動に伴って、チャージの設定金額も変動いたしますので、ご了承ください。各該当航路における
SBF チャージ金額の詳細につきましては、追ってご案内申し上げます。
より厳密な規則遵守の必要性に関して
現状では、北米の当該海域において規則が遵守されている一方で、北欧州の規制海域ではその徹底がなさ
れておらず、運航船社の燃料コスト増大と伴に、新規則の遵守に向けた不安材料となっております。これ
は環境保全に対する好影響が低下するだけでなく、規則の遵守を徹底する運航船社にとって、コスト競争
力の面で大きな不利益になります。弊社といたしましては、関係各国において、規則遵守の実現に向けた
制度が確立されることにより、業界レベルでの公平性が保たれ、かつ環境保全に対する好影響が最大化さ
れることが重要であると認識しております。
本件についてご不明な点につきましては、弊社営業部までお問い合わせください。
敬具
A.P. Moller - Maersk A/S
Toranomon 5 Mori Building, 1-17-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105-0001, Japan
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