平成21年度 地方の元気再生事業 アスリートヴィレッジと市民活動融合による 滞在型快適温泉地環境プロジェクト 報告書 平成22年3月 山形県 上山市温泉保養地まちづくり協議会 経済産業省 東北経済産業局 上山型温泉クアオルトを目指して 上山市温泉クアオルト協議会は、上山の温泉、食、 自然環境などの地域資源を活用し、市民の健康増進と交 流人口の拡大を図り、地域の活性化を目指す「アスリー トヴィレッジと市民活動の融合による滞在型快適温泉地 環境プロジェクト」を実施しております。二年目を迎え る本年度は、今後の本格的な事業展開を見据え、主に4 つの事業に取り組みました。 第一は、気候性地形療法の普及、そして指導を行う人 材の育成です。市民や来訪者に対し、気候性地形療法を取り入れたウォーキングコー スを整備し、定期的にウォーキングを開催し、その普及と拡大に注力してきました。 また、普及や拡大に不可欠なウォーキング・ガイド等の人材を、研修会や講習会を通 じて育成しました。 第二は、交流人口の拡大を図る観点から、気候性地形療法による健康づくりのツア ープログラムを確立するため、モニターツアーを実施しました。多様な滞在型サービ スの提供を試行するとともに、地元食材を使用した旅館での夕食のメニューを開発す るなど、受入体制の整備に取り組みました。 第三は、地元食材等の地域資源を活用し、農・商工・観光の連携による新たな商品 やサービスの開発を推進してまいりました。ウォーキング時に提供することを目的に、 地元食材を使用した弁当及び地元産果物を使用した飴が市内事業者により開発されま した。また、中心商店街では、東北芸術工科大学、商店街及び市民団体等の連携によ り、空き店舗を活用した「長屋門ギャラリー」が開設され、滞在型温泉保養地にふさ わしい、市民及び来街者の回遊スポットとしての機能を果たしております。 第四は、気候性地形療法と温泉療法の併用による医科学的な効果検証を実施してま いりました。検証の結果、温泉療法による効果の他、気候性地形療法と温泉療法の併 用によるプログラムを組むことで、さらに高い効果が得られることが実証されました。 今後とも、これらの事業の取組を継続・発展させていくとともに、当該効果検証 の結果を活用し、温泉療法を取り入れた取組を実施し、市民の健康増進と交流人口 の拡大を図りながら、上山型温泉クアオルト事業を推進してまいります。 最後に、本事業にご支援ご協力をいただきました市民、関係者の皆様に深く感謝を 申し上げます。 平成22年3月 上山市温泉クアオルト協議会会長 上山市長 横戸 長兵衛 目 次 1 巻頭言 2 プロジェクト概要 3 気候性地形療法と温泉療法の併用及びモニターツアー時の効果検証結果 4 気候性地形療法 ・・・・・・・・・・ 46 5 気候性地形療法普及講習会の開催、指導者の育成 ・・・・・・・・ 気候性地形療法を取り入れたウォーキング普及講習会 気候性地形療法ガイド育成講習会 熊野古道視察研修会 66 6 モニターツアー ・・・・・・・・・・・・・・ 70 7 地元食材を活用した弁当の開発 ・・・・・・・・・・・・・・ 74 8 長屋門ギャラリーの取組 ・・・・・・・・・・・・・・ 76 9 市民報告会 10 ・・・・・・・・・・・・・・・ 蔵王上山全国サミット 地元を楽しもう「知って得する健康術」 取組の成果と今後の展開 1 2 ・・・・・ 78 ・・・・・・・・・・・・・・ 86 ・・・・・・・・・・・・・・ 87 資料編 11 ドイツ気候療法士研修会 12 ドイツ気候療法士研修会 13 熊野古道視察研修会 14 気候性地形療法 15 市民報告会での体験報告写真(抜粋) ・・・・・・・・・・・・・ 107 16 上山市温泉クアオルト協議会 参加者レポート ・・・・・・・・・・・ 91 参加者レポート ・・・・・・・・・・・・・ 100 効果検証モニターの声 ・・・・・・・・・・・・ 105 組織体制 ・・・・・・・・・・・ 109 平成21年度 地方の元気再生事業 「アスリートヴィレッジと市民活動の融合による滞在型快適温泉地環境プロジェクト」 概要 ■ 気候性地形療法 蔵王上山全国サミット 9月26日(土)~27日(日)に、全国サミットを開催し、講演・デイスカッション参加者 350人、翌日の実演講習には100人が参加。気候性地形療法に取り組んでいる和歌山県熊野 古道、九州の由布院の関係者も参加し、同ディスカッションの中で今後の連携の可能性について 議論を深め、市民及び県内の全国の温泉・観光関係者に気候性地形療法の取組の意義をアピール。 また。由布院温泉観光協会青年部と上山温泉組合青年部との交流会も開催し、若手同士の意見交 換を実施した。 ■ モニターツアー 11月12~14日に、2泊3日間の短期間プログラムのモニターツアーを実施。同ツアーに おいて短期間の効果検証を実施した結果、効果を有することを実証するとともに、参加者のニー ズ、主催者側として配慮すべき点などを把握することができた。 また、健康に配慮し、カロリーを抑えた同ツアー用の料理を作るためには、新鮮、かつ、地力 を有する地元産の農産物を使用することが費用対効果の点において有利であることが判明し、今 後、地域の経済的波及効果期待できる。 ■ 気候性地形療法と温泉療法の併用による医科学的効果検証 モニターを公募し、西山・坊平の両コースを使用して、気候性地形療法のウォーキングと温泉 療法の医科学的効果検証を2ヶ月間にわたり実施。具体的には、9月14日~11月6日までの 『月・火・木・金』の31回、参加モニター59人により実施。検証結果は、温泉療法では、筋 力と心肺機能の向上、血糖値の低下が見られ、気候性地形療法と温泉療法の併用では、筋力と姿 勢保持機能、心肺機能の向上、血糖値と悪玉コレステロールの低下を実証することができた。 ■ 気候性地形療法の普及講習会の開催、指導者の育成 7月から11月までの間、季節に合わせたコースを選び、ガイドの同行による気候性地形療法 のウォーキングを5回開催し、参加者の合計は341名であった。参加者は、本市周辺だけでな く、仙台市や会津方面からの参加もあり、リピーターが多数を占めた。ガイドの同行や市民及び 来訪者が皆で歩くことにより、楽しく歩け、徐々に交流が広がり、参加者の高い評価を得た。 葉山地区及び新湯地区で、周辺の市民及び旅館経営者が自主的な早朝ウォーキングを開始し、 周辺の旅館等の宿泊者も参加し、市民及び宿泊客が一体となってウォーキングを実施している。 ガイド育成については、本市での研修を9月19~20日、10月2~4日に開催、ドイツで の気候療法士研修10月24日~11月3日、熊野視察研修11月17~20日を実施し、ガイ ド15名を認定した。 ■ 新ビジネスの試行、地場産農産物の活用 市内事業者が地元食材を使用した弁当や地場産果物を使用したウォーキング用の飴を開発し、 気候性地形療法のウォーキングに使用。弁当の評価は、味及びボリュームの評価は概ね良好であ った。来年度は、品質を維持し、恒常的に弁当を提供することができる体制づくりが急務である。 東北芸術工科大学、商店街、市民団体等と連携を図り、同大学の学生や市民の作品展示により、 市民及び来訪者の回遊スポットとしての機能を果たす商店街の空き店を舗活用した「長屋門ギャ ラリー」を開設。現在、長屋門ギャラリーでは、市内の農家と連携し、来館者に旬の地場産果物 をカットフルーツ等として提供する試みも行われている。来年度は、長屋門ギャラリーの開館日 を増加させるとともに、カットフルーツの提供を販売に結びつける工夫のほか、長屋門ギャラリ ーの両隣の空き店舗の整備・運営が課題である。 3月13日には、21年度事業を市民に報告する市民報告会を開催。参加者のべ335人。 1 気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証 及びモニターツアー時の医科学的効果検証報告書 一般社団法人 健康保養地医学研究機構 1 全体の概要 1.1 目的 現状の日本社会において、高齢化の進行、社会保障としての医療制度、介護保険 制度の見直しなどが社会問題化するなか、地域社会を活性化し、地域資源を有効 に活用するとともに健康寿命を延伸し、健康な社会を実現する方策が求められて いる。 一方、ドイツを中心としたヨーロッパ諸国では、自然資源を活用した気候療法、 温泉療法などが、健康づくり、健康回復、リハビリテーション等に盛んに活用さ れている。 ドイツで実践されているように、上山の地域の自然を活用した気候療法、温泉療 法を行うことで、目的に適した健康づくりサービスの提供やヘルスツーリズム客 を誘致することが可能である。 本検証事業では、気候療法の内の気候性地形療法、温泉療法を活用した市民の 健康づくり、及び観光客の健康・保養プログラムの開発を目的とし、市民の健康 づくりのための「気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証」、及び 観光客の健康・保養プログラムのための「モニターツアー医科学的効果検証」の 2 つの効果検証を行った。 気候性地形療法、温泉療法の効果検証を行い、エビデンスを確立することは、上 山市の地域活性化と地域住民の健康づくり、及び観光客の誘致を実現する有効な 手段となる。本効果検証事業では、エビデンスの確立を目的とした効果検証を行 った。 1.2 背景と経緯 昨年度は、ミュンヘン大学医学部 アンゲラ・シュウ教授に認定された上山市 のコースで、気候性地形療法の効果を検証した。効果検証事業で得られた測定結 果は、それに十分にこたえる検証結果となった。 今年度の本効果検証事業では、今後の上山市の地域活性化につなげることをめ ざし、ドイツにおける複合的な自然療法の概念に沿った温泉療法と連携した気候 性地形療法の効果、及びヘルスツーリズムとしての健康効果について検証を行っ た。 -1- 1.3 実施の組織 実施は以下の組織にて行った。 医科学的効果検証責任者 代表理事 北海道大学名誉教授 医学博士 阿岸祐幸 測定チーム ・ 医科学的検証実施担当責任者 ・ 医科学的検証測定 測定担当者 責任者 宮地正典 宮地正典 木下藤寿、野田史、小関信行 解析チーム ・ 医科学的検証解析責任者 宮地正典 解析担当者 上山市 古川公成、大津未緒 連絡調整チーム 温泉クアオルト 協議会事務局 ・ 進捗管理・調整責任者 野田史 担当者 大津未緒 予算管理チーム ・ 予算管理責任者 野田史 担当者 大津未緒 -2- 1.4 実施スケジュール 以下のスケジュールにて実施した。 日付 5日 10日 11日 14日 15日 17日 18日 21日 22日 24日 25日 28日 29日 10月 1日 2日 5日 6日 8日 9日 12日 13日 15日 16日 19日 20日 22日 23日 26日 27日 29日 30日 11月 2日 3日 5日 6日 9日 10日 12日 13日 14日 12月 3日 4日 9月 土 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 月 火 木 金 土 木 金 内容 参加者説明会 事前測定会(午後) 事前測定会(午前) 医科学検証実施初日 医科学検証実施2 〃 3 〃 4 〃 5 〃 6 〃 7 〃 8 〃 9 〃 10 〃 11 〃 12 〃 13 〃 14 〃 15 〃 16 〃 17 〃 18 〃 19 〃 20 〃 21 〃 22 〃 23 〃 24 〃 25 〃 26 〃 27 〃 28 〃 29 〃 30 〃 31 〃 32終了 事後測定会(午後) 事後測定会(午前) モニターツアー モニターツアー モニターツアー 事後測定会(午後) 事後測定会(午前) 分類 気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 モニターツアー医科学的効果検証 〃 〃 気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証 〃 -3- 気候性地形療法は、 「西山コース」 、「坊平コース」の 2 コースにて実施した。 図-1 西山コース(全長 3.1km、高低差 110m) 図-2 坊平コース(全長 3.55km、高低差 190m) -4- 2 気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証 2.1 概要 2.1.1 調査の目的 本調査の目的は、上山市の自然資源、観光資源である気候、自然の地形、温泉 資源を活用し地域の活性化と観光の活性化を目指し、気候療法の内の気候性地 形療法および温泉療法の実践における効果を検証することにある。 特に、前年度には4週間の実践における気候療法、地形療法を活用した気候性 地形療法の効果検証を行い、気候性地形療法と室内における運動の比較をおこ なうことで、その効果を示した。 本調査では、上山市の重要な観光資源である温泉を活用した効果の検証を行う。 2.1.2 調査対象 モニター全体の平均年齢(標準偏差)は、54.5(±14.2)であった。 男女は、男女それぞれの平均年齢(標準偏差)は、男性 54.1(±14.8)女性 56.2(± 13.4)であった。 62 名のモニター気候温泉療法群(21 名)、温泉療法群(19 名)、非介入群(22 名)に 分けた。それぞれの群の男女および平均年齢(標準偏差)は以下の通りである。 表-1 対象者の性別と年齢 性 別 平均値 度数 標準偏差 最小値 最大値 P Value 男性 54.09 33 14.799 27 77 女性 56.21 29 13.409 31 82 合計 54.53 62 14.091 27 82 表-2 対象者の性別と年齢 Group 気候温泉療法群 温泉療法群 非介入群 合計 性別 n Age(SD) 男性 11(52.4%) 女性 10 (47.6%) 53.40(13.0) 男性 9(47.4%) 41.67(15.7) 女性 10(52.6%) 62.60(14.4) 男性 13(59.1%) 52.08(10.5) 女性 9(40.9%) 52.22(11.2) 62(100.0%) -5- 66.64(7.3) Age(SD) P Value 60.33(12.2) 51.24(17.8) 52.14(10.5) .113 .339 2.1.3 測定方法 気候性地形療法と温泉療法を併用した医科学的効果検証では、以下の測定を行った。 表-3 測定項目 A.血圧・体組成結果 血圧 形態 体組成 C.血液検査結果 区分 最高血圧 最低血圧 身長 体重 BMI 体脂肪率 ウェスト周囲長 ヒップ周囲長 W/H 単位 mmHg mmHg cm kg % cm cm - B.身体機能結果 区分 握力 腹筋 バランス 能力 握力 起き上がりテスト 片足立ちテスト 柔軟性 下肢筋力 体前屈テスト 30秒立ち上りテスト 立ち上がりテスト 移動能力 動的バランス 歩幅能力 心肺機能 タイムアップアンドゴー 10m歩行障害テスト ファンクショナルリーチ 最大二歩幅 心拍数 心拍数 心拍数 心拍数 心拍数 主観的運動強度(RPE) 主観的運動強度(RPE) 主観的運動強度(RPE) 主観的運動強度(RPE) 単位 kg 回/30秒 開眼 閉眼 秒 秒 cm 回/30秒 両足 片足 cm cm 3m 秒 cm cm 実施前 25w 50w 75w 100w 25w 50w 75w 100w 拍/分 拍/分 拍/分 区分 基準値 白血球数 3,500~9,700/μ ℓ 赤血球数 男438~577万/μ ℓ 女376~516万/μ ℓ 血色素量 男13.6~18.3g/㎗ 女11.2~15.2g/㎗ ヘマトクリット 男40.4~51.9% 女34.3~45.2% MCV 男83~101fl 女80~101fl MCH 男28.2~34.7pg 女26.4~34.3pg MCHC 男31.8~36.4% 女31.3~36.1% 血小板数 14.0~37.9万/μ ℓ 総コレステロール 140-199mg/dl 中性脂肪 30-150mg/dl HDLコレステロール 男40、女50mg/dl以上 LDLコレステロール 60-119mg/dl HbA1c 5.6%未満 拍/分 拍/分 - 2.1.4 解析方法 収集したデータの解析の前後の比較で、連続変数に関してはスチューデントの対応 のある両側 t 検定(two-tailed paired Student’s t test)で解析し、p>0.05 をもっ て有意とした。名義変数に関しては、ウィルコクソンの符号付順位和検定 (Wilcoxon signed-rank test)を使用し、p>0.05 をもって有意とした。統計の解 析ソフトには、SPSS16.01JforWindows を使用した。 -6- 2.2 調査結果 2.2.1 バイタルおよび身体機能 各グループ別に参加前、参加後の測定結果の検定は、以下の通りであった。 非介入群では、体重の増加、BMI の上昇、体脂肪率の上昇、ヒップ周囲長の減少、 握力の上昇が見られた。前年度にも、体重の増加、体脂肪率の上昇が見られたこと から、体重増加、BMI、体脂肪率上昇については季節的な変動であると推測できる。 握力上昇に関しては、原因が不明である。 表-4 身体機能の測定結果 非介入群 測定項目 測定時期 最高血圧 最低血圧 心拍数 体重 BMI 体脂肪率 ウェスト周囲長 ヒップ周囲長 ウェスト・ヒップ比 握力 起き上がりテスト 開眼片足立ち 閉眼片足立ち 立位体前屈 30秒立上り タイムアップアンドゴー ファンクショナルリーチ 最大二歩幅 10m歩行障害テスト 平均値 N 標準偏差 事前測定 130.90 21 20.022 事後測定 131.90 80.71 80.62 76.05 74.52 60.571 61.086 22.409 22.583 23.500 24.610 80.95 79.071 94.45 93.214 .8569 .8473 34.176 36.314 15.14 15.19 103.73 101.08 21.20 22.16 6.45 5.8214 24.38 24.43 4.2100 4.3862 36.286 38.2262 246.06 263.20 5.6907 5.53524 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 19.465 12.471 11.595 11.391 12.343 12.4149 12.2162 2.9525 2.9037 4.9756 5.0112 8.647 9.7702 6.504 5.9510 .06706 .07995 10.0455 9.7189 7.309 6.532 33.574 29.351 28.082 21.879 7.553 6.98218 3.827 5.095 .48744 .92035 5.0388 5.14715 45.745 32.786 .98219 .954085 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 -7- P value .682 .957 .455 .029* .025* .003** .083 .039* .403 .010** .968 .544 .861 .604 .961 .288 .065 .095 .535 温泉療法群では、体脂肪率の上昇、ウェスト周囲長の減少、30 秒立上りの向上、 が統計的に有意な差を示した。非介入群と同様、体重の増加、BMI の上昇の傾向 は見られたが、有意差はなかった。 その他上昇傾向のあった項目としては、収縮期血圧の低下、起き上がりテストの向 上、ファンクショナルリーチの向上、最大二歩幅の向上が見られた。 表-5 身体機能の測定結果 温泉療法 測定項目 測定時期 最高血圧 最低血圧 心拍数 体重 BMI 体脂肪率 ウェスト周囲長 ヒップ周囲長 ウェスト・ヒップ比 握力 起き上がりテスト 開眼片足立ち 閉眼片足立ち 立位体前屈 30秒立上り タイムアップアンドゴー ファンクショナルリーチ 最大二歩幅 10m歩行障害テスト 平均値 N 標準偏差 事前測定 133.00 18 19.199 事後測定 126.06 80.89 78.22 78.39 73.72 61.667 62.378 23.494 23.814 26.417 27.411 84.97 81.588 96.53 95.500 1.9046 .8527 31.943 32.601 14.06 15.88 78.10 90.41 10.80 19.96 7.15 7.2083 21.50 26.78 4.4389 4.3867 36.639 38.9028 243.36 250.47 6.2672 6.00444 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 17 17 17 17 17 17 18 18 17 17 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 21.388 13.368 11.899 11.330 6.667 14.5037 13.8039 4.3447 3.9902 7.0109 6.8365 11.452 9.4393 6.414 5.5650 4.25132 .06468 9.7415 10.8866 6.240 7.849 45.452 37.657 10.000 24.291 9.610 9.42199 6.090 6.358 1.01981 .90706 7.0748 6.30834 35.692 41.210 1.43948 1.341945 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 -8- P value .063 .142 .065 .069 .069 .048* .020* .096 .323 .552 .054 .203 .103 .955 .000** 639. .062 .069 .236 気候療法+温泉療法群では、心拍数の減少、体重の増加、ウェスト周囲長の減少、 ウェストヒップ比の減少、起き上がりテストの向上、30 秒立上りテストの向上、 ファンクショナルリーチの向上、最大二歩幅の向上、10m歩行障害テストの向上が 統計的に有意な差を示した。その他上昇傾向のあった項目としては、BMI の上昇、 体脂肪率の上昇が見られた。 表-6 身体機能の測定結果 測定項目 最高血圧 最低血圧 心拍数 体重 BMI 体脂肪率 ウェスト周囲長 ヒップ周囲長 ウェスト・ヒップ比 握力 起き上がりテスト 開眼片足立ち 閉眼片足立ち 立位体前屈 30秒立上り タイムアップアンドゴー ファンクショナルリーチ 最大二歩幅 10m歩行障害テスト 気候療法+温泉療法群 測定時期 平均値 N 標準偏差 事前測定 142.55 20 24.661 事後測定 143.00 85.15 81.95 77.05 70.95 60.665 61.280 23.442 23.635 26.180 26.705 83.85 80.750 94.70 94.025 .8845 .8579 30.120 31.202 11.47 14.89 76.75 82.76 19.59 20.61 8.62 8.8500 23.00 25.28 4.8702 4.6870 33.725 37.03 240.90 249.46 6.6110 5.95875 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 19 19 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 22.302 13.914 10.324 11.678 8.654 8.6485 8.6530 2.9489 2.8702 7.0945 7.1492 8.599 9.0270 4.661 5.5712 .06978 .07436 9.0596 7.3436 4.914 6.959 50.268 48.252 28.223 27.119 8.582 8.34471 4.795 5.052 .82026 .92176 6.0229 64.63633 30.813 28.852 1.58560 1.249418 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 事前測定 事後測定 -9- P value .859 .113 .036* .027* .064 .071 .001** .289 .021* .206 .012* .212 .802 .766 .020* .123 .007** .044* .005** 表-7 身体機能の測定結果 各群の検定結果 まとめ P value 測定項目 気候療法+温泉療法 温泉療法のみ 非介入群 最高血圧 .859 .063 .682 最低血圧 .113 .142 .957 心拍数 .036 .065 .455 体重 .027 .069 .029 .064 .069 .025 体脂肪率 .071 .048 .003 ウェスト周囲長 .001 .020 .083 ヒップ周囲長 .289 .096 .039 ウェスト・ヒップ比 .021 .323 .403 握力 .206 .552 .010 起き上がりテスト .012 .054 .968 開眼片足立ち .212 .203 .544 閉眼片足立ち .802 .103 .861 立位体前屈テスト .766 .955 .604 30秒立上り .020 .000 .961 タイムアップアンドゴー .231 639. .288 ファンクショナルリーチテスト .007 .062 .065 最大二歩幅 .044 .069 .095 10m歩行障害テスト .005 .236 .535 BMI - 10 - 2.2.2 心肺機能測定 自転車エルゴメーターを使用し、心肺機能の測定を行った。各グループ別の各ステ ージにおける心拍数のデータを、Student t-test で検定した。 非介入群では、運動前、25W、50W、75W、100W のどのステージにおいても、参 加前と参加後の差は見られなかった。(P=.455、.372、.328、.063、.130) 表-8 心配機能の測定結果 測定強度 安静時 25W 50W 75W 100W 測定時期 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 非介入群の心拍数評価 平均値 N 21 21 21 21 21 21 21 21 17 17 76.05 74.52 89.38 86.76 100.33 98.38 115.62 112.05 124.29 121.24 - 11 - 標準偏差 11.4 12.3 11.8 14.4 12.5 13.9 18.2 18.3 15.0 15.5 P Value .455n.s. .372 n.s. .328 n.s. .063 n.s. .130 n.s. 温泉療法群では、運動前、25W、50W では参加前後の心拍数の変化は低下傾向にあ るが、統計的な有意差は見られなかった。(P=.065、.159、.305)75W、100W では 参加前後の心拍数の統計的な有意差が見られた。(P=.000、.023) * ** n.s. 表-9 心配機能の測定結果 測定強度 安静時 25W 50W 75W 100W 測定時期 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 n.s. n.s. 温泉療法群の心拍数評価 平均値 N 18 18 18 18 17 17 15 15 12 12 78.39 73.72 92.28 88.72 102.94 99.47 122.80 109.53 134.50 118.33 - 12 - 標準偏差 11.3 6.7 12.9 8.5 14.9 8.3 16.2 12.7 18.0 13.3 P Value .065n.s. .159 n.s. .305 n.s. .000** .023* 気候+温泉療法群では、運動前には統計的な有意差は見られなかった。(P=.417) 25W、50W、75W、100Wでは参加前後の各ステージで統計的な有意差は見られた。 (P=.015、.015、.005、.011) * ** * * 表-10 心配機能の測定結果 測定強度 安静時 25W 50W 75W 100W 測定時期 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 参加前 参加後 気候療法+温泉療法群の心拍数評価 平均値 N 20 20 20 20 20 20 19 19 17 17 70.95 72.75 86.15 81.85 98.60 92.65 112.53 105.05 131.00 117.94 - 13 - 標準偏差 10.2 9.1 10.3 9.1 10.4 12.0 15.3 13.5 17.5 19.6 P Value .417n.s. .015* .010** .005** .011* 2.2.3 生化学検査 各グループ別に参加前、参加後の測定結果の検定は、以下の通りであった。 非介入群では、平均値はTcho、HDLは上昇、LDL、TGは横ばい、HbA1cは減少 の傾向を示したが、各項目で統計的な有意差は見られなかった。 表-11 生化学検査の測定結果 非介入群 測定強度 Tcho HDL LDL TG HbA1c 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 190.40 20 35.713 事後 194.00 20 33.634 事前 57.50 20 14.450 事後 59.00 20 13.992 事前 110.40 20 25.168 事後 110.65 20 26.530 事前 152.25 20 109.962 事後 152.60 20 109.055 事前 5.100 20 .3853 事後 5.055 20 .3832 P Value 0.342 0.284 0.946 0.988 0.119 温泉療法群では、Tcho、TG は上昇の傾向、HDL、LDLは横ばい、HbA1cは低 下傾向を示した。HbA1cのみで統計的な有意差は見られた。 表-12 生化学検査の測定結果 温泉療法群 測定強度 Tcho HDL LDL TG HbA1c 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 209.11 18 43.151 事後 211.28 18 47.090 事前 60.61 18 16.411 事後 60.78 18 15.880 事前 116.06 18 31.433 事後 115.44 18 37.390 事前 184.39 18 213.237 事後 223.89 18 298.969 事前 5.028 18 .3739 事後 4.933 18 .3630 - 14 - P Value 0.598 0.890 0.876 0.129 0.009* 気候療法+温泉療法群では、Tcho、HDL は横ばい、TG は上昇の傾向、LDL、 HbA1c は低下傾向を示した。LDL、HbA1c のみで統計的な有意差は見られた。 表-13 生化学検査の測定結果 気候療法+温泉療法群 測定強度 Tcho HDL LDL TG HbA1c 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 201.45 20 41.923 事後 202.25 20 34.382 事前 59.55 20 13.979 事後 61.00 20 14.850 事前 120.40 20 31.108 事後 113.35 20 28.518 事前 159.35 20 97.557 事後 169.45 20 86.924 事前 5.210 20 .6189 事後 5.080 20 .5773 - 15 - P Value .888 .376 .023* .629 .001** 2.2.4 主観的健康感(SF36v2)と睡眠の質(PSQI)の前後の比較 SF36 の PCS、MCS および PSQI の前後を Paired Student t-test で検定した。 非介入群では、平均値は PSC、MSC、PSQI はで統計的な有意差は見られなか った。 表-14 主観的健康感(SF36v2)と睡眠の質(PSQI)の測定結果 測定強度 PSC MSC PSQI 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 53.463 21 7.0599 事後 52.553 21 8.0784 事前 49.358 21 8.4858 事後 47.737 21 9.6458 事前 6.11 18 2.139 事後 6.22 18 2.463 非介入群 P Value .451 .195 .734 温泉療法群では、平均値は PSC、MSC、PSQI はで統計的な有意差は見られな かった。 表-15主観的健康感(SF36v2)と睡眠の質(PSQI)の測定結果 温泉療法群 測定強度 PSC MSC PSQI 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 53.600 17 10.3298 事後 52.170 17 10.1150 事前 50.617 17 10.1258 事後 48.967 17 10.6202 事前 6.12 17 2.446 事後 6.53 17 1.841 P Value .438 .204 .342 気候療法+温泉療法群では、平均値は PSC でのみ統計的に有意な上昇を示し、 MSC は上昇の傾向を示したが有意差はなく、PSQI は有意差は見られなかった。 表-16 主観的健康感(SF36v2)と睡眠の質(PSQI)の測定結果 気候療法+温泉療法群 測定強度 PSC MSC PSQI 測定時期 平均値 標準偏差 N 事前 52.655 19 13.0202 事後 55.531 19 9.4007 事前 51.522 19 12.8954 事後 54.322 19 9.2251 事前 6.89 18 3.359 事後 7.39 18 3.616 - 16 - P Value .046* .092 .331 2.2.5 気分プロフィール(POMS)の前後の比較 気分プロフィール(POMS)の前後の比較を Paired Student t-test で検定した。 非介入群では、いずれの項目でも統計的な有意差は見られなかった。 表-17 気分プロフィールの(POMS)測定結果 非介入群 測定項目 緊張不安(T-A) 抑うつ(D) 怒り敵意(A-H) 活気(V) 疲れ(F) 混乱(C) 測定時期 平均値 N 標準偏差 事前 45.76 21 7.516 事後 46.19 21 5.474 事前 47.38 21 6.152 事後 47.38 21 4.653 事前 45.48 21 5.767 事後 44.29 21 4.540 事前 51.76 21 11.189 事後 49.38 21 11.356 事前 45.24 21 6.978 事後 45.71 21 5.772 事前 46.29 21 6.404 事後 47.05 21 4.376 P value .782 .100 .337 .129 .796 .567 温泉療法群では、いずれの項目でも統計的な有意差は見られなかった。 表-18 気分プロフィールの(POMS)測定結果 温泉療法群 測定項目 緊張不安(T-A) 抑うつ(D) 怒り敵意(A-H) 活気(V) 疲れ(F) 混乱(C) 測定時期 平均値 N 標準偏差 事前 45.00 18 9.400 事後 46.56 18 12.500 事前 48.67 18 9.036 事後 49.39 18 10.089 事前 44.78 18 8.070 事後 46.33 18 9.493 事前 52.00 18 11.314 事後 49.11 18 12.271 事前 44.11 18 8.791 事後 46.39 18 11.340 事前 48.22 18 9.564 事後 46.94 18 11.420 - 17 - P value .407 .613 .295 .138 .119 .430 気候療法+温泉療法群では、怒り・敵意(A-H)の項目で有意に低下し、抑 うつ(D)で低下の傾向を示した。 表-19 気分プロフィールの(POMS)測定結果 気候療法+温泉療法群 測定項目 緊張不安(T-A) 抑うつ(D) 怒り敵意(A-H) 活気(V) 疲れ(F) 混乱(C) 測定時期 平均値 N 標準偏差 事前 45.58 20 8.050 事後 45.75 20 8.405 事前 48.37 20 7.847 事後 47.64 20 8.281 事前 45.37 20 6.863 事後 44.49 20 7.217 事前 53.46 20 10.438 事後 51.98 20 11.597 事前 44.78 20 7.679 事後 45.29 20 8.512 事前 47.19 20 8.144 事後 46.00 20 9.210 - 18 - P value 405 .078 .031* .570 .504 .169 2.3 考察 本調査では、参加前および参加後、そして一ヶ月後に形態、体組成、身体機能 の測定、採血による生化学検査を行った。 非介入群では、体重の増加、BMI の上昇、体脂肪率の上昇、ヒップ周囲長の減 少で有意差があり、昨年の同様の測定でも非介入群に同様な傾向が見られたこ とから、季節的な変動であると推測できる。握力の有意な上昇が見られた理由 は不明である。温泉療法群では、体脂肪率の上昇、ウェスト周囲長の減少、30 秒立上りの向上、が統計的に有意な差を示し、収縮期血圧の低下、起き上がり テストの向上、ファンクショナルリーチの向上、最大二歩幅の向上が見られた。 気候療法+温泉療法群では、心拍数の減少、体重の増加、ウェスト周囲長の減少、 ウェストヒップ比の減少、起き上がりテストの向上、30 秒立上りテストの向上、 ファンクショナルリーチの向上、最大二歩幅の向上、10m歩行障害テストの向 上が見られた。以上の結果より、温泉療法でも身体機能への影響がみられるが、 気候療法を併用したプログラムでは、より広範囲で全般的な身体機能への影響 があることが示唆される。 心肺機能に関して、非介入群では、運動前、25W、50W、75W、100W のどのス テージにおいても、参加前と参加後の差は見られず、温泉療法群、気候療法+温 泉療法群では、有意差が見られたことから、運動療法としての心肺機能への効 果が認められる。また、温泉療法では運動前では 75W、100W でのみ有意差が見 られ、気候療法+温泉療法では 25W、50W、75W、100W すべてのステージで統 計的な有意差が見られたころから、気候療法では温泉療法のみでは及ぼせない 低強度の運動時の心肺機能を上昇させる影響が示唆された。 生化学検査においては、非介入群では、各項目で統計的な有意差は見られなか った一方、温泉療法群では HbA1c のみで統計的な有意差は見られ、気候療法+ 温泉療法群では LDL、HbA1c で統計的な有意差が見られた。 HbA1c は過去 4 ヶ月の血糖値の動きを表す指標で、特に HbA1c 値の約 50%は過 去 1 ヶ月間の間に作られ約 25%が過去 2 ヶ月、残り 25%が過去 3、4 ヶ月で作 られるため、過去 1、 2 ヶ月の平均血糖値の動きを見るために適した指標である。 そのことから、温泉療法は血糖値を低下させる影響を及ぼす可能性が示唆され る。 また、LDL コレステロール(Low Density Lipoprotein、低比重リポタンパク)は 動脈硬化を促進する方向に傾くため、一般に「悪玉コレステロール」とも呼称 され、その増加は注意を要するとされている。非介入群の値が横ばいであった 一方、温泉療法群、気候療法+温泉療法群では両群とも有意に低下したことから、 ほぼ2日おき1回30分の温泉療法で、動脈硬化の低減に影響する可能性が示 唆された。 - 19 - 本調査では、身体機能の実測、生化学検査に加え、主観的な調査を健康関連 QOL、 睡眠の質、気分プロフィールに関して行った。 健康関連 QOL では、50 カ国語以上に翻訳されて国際的に広く使用されている SF36v2(以下 SF36 とする)を使用した。SF36 では、各国の性別、年齢、都市 規模等の条件高考慮し国民標準値が設定されており、その標準値を係数として 身体面における QOL を総合的に評価する PCS(Physical Component summary Score)と精神面での QOL を総合的に評価する MCS(Mental Component summary Score)を算出することができる。本調査においては、非介入群、温泉療法群と も PCS、MCS での低下の傾向があり、統計的な有意差は見られなかった。一方、 気候療法+温泉療法群では PCS、MCS で上昇の傾向を示し、PSC で統計的に 有意な上昇を示した。これより気候療法は、温泉療法と異なる主観的 QOL を上 昇させる影響を及ぼすことが推測できる。 POMS は心理学領域で用いられている感情状態を評価する手法である。非介入 群では、6つの下位尺度いずれの項目でも統計的な有意差は見られなかったが、 ほぼすべての項目で数値が上昇する傾向が見られた。温泉療法群においても同 様である。気候療法+温泉療法群では2群の傾向とは逆に低下傾向が示され、 怒り・敵意(A-H)の項目で有意に低下したことから、気候療法は温泉療法 とは異なる心理的な影響を与える可能性があることが示唆された。 - 20 - 3 モニターツアー医科学的効果検証 3.1 概要 3.1.1 調査の目的 2 泊 3 日で気候療法による運動効果の測定について、医科学的効果検証を行う ことを目的とし、実施した。 [ツアー実施概要] ・平成 21 年 11 月 12 日(木)~14 日(日) ・ツアープログラムは、①運動、②栄養、③温泉療法、④休養(リラクゼー ション)の 4 つの要素に、⑤観光体験を加えた内容で構成され、1 日の摂 取カロリーは 1800kcal とした。 3.1.2 調査対象 ・参加者 19 名(男 9 名、女 10 名) ・内 訳 県外 9 名、県内 8 名、市内 2 名 3.1.3 測定方法 モニターツアー調査では、以下の測定を行った。 表-20 測定項目 A.血圧心拍表 区分 最高血圧 血圧 最低血圧 心拍 心拍数 B.血液検査結果 単位 mmHg mmHg mmHg mmHg 拍/分 拍/分 区分 白血球数 赤血球数 血色素量 ヘマトクリット MCV MCH MCHC 基準値 3,500~9,700/μℓ 男438~577万/μℓ 女376~516万/μℓ 男13.6~18.3g/㎗ 女11.2~15.2g/㎗ 男40.4~51.9% 女34.3~45.2% 男83~101fl 女80~101fl 男28.2~34.7pg 女26.4~34.3pg 男31.8~36.4% 女31.3~36.1% 血小板数 14.0~37.9万/μℓ 総コレステロール 140-199mg/dl 中性脂肪 30-150mg/dl HDLコレステロール 男40、女50mg/dl以上 LDLコレステロール 60-119mg/dl HbA1c 5.6%未満 - 21 - 3.1.4 解析方法 収集したデータの解析の前後の比較で、連続変数に関してはスチューデントの 対応のある両側 t 検定(two-tailed paired Student’s t test)で解析し、p>0.05 をもって有意とした。名義変数に関しては、ウィルコクソンの符号付順位和検 定(Wilcoxon signed-rank test)を使用し、p>0.05 をもって有意とした。統 計の解析ソフトには、SPSS16.01JforWindows を使用した。 3.2 調査結果 3.2.1 参加満足度 ツアーモニターとして参加した 19 名のうち有効なデータを収集できた男性 7 名、女性10名計17名の調査結果を解析した。参加者の平均年齢は、41.4 才(標準偏差±17.7)であった。 項 目 n 性別 Age (SD) 男性 7 42.3 18.0 女性 10 40.7 18.4 17 41.4 17.7 計 ツアー中のすべての活動を通じた全体の満足度の平均は、2.0(±0.8)であり、 満足の傾向を示した。日別の平均満足度は、一日目 1.8(±0.8) 、二日目 1.9 (±0.8) 、三日目 2.1(±0.8)と大きな変化は示さなかった。活動分野別では、 食事関係 1.8(±0.4) 、自然療法関係 2.2(±0.4)、その他の活動 2.1(±0.7) と食事が最も満足度の高いポイントを示したが、大きな差異は見られなかった。 男女別の比較でも、大きな差異は見られなかった。(P-0.992) 表-21 モニターツアー中の各活動の満足度の比較 全体 平均 全体 男性 標準偏差 平均 女性 標準偏差 平均 標準偏差 2.0 0.8 1.9 0.8 2.0 0.8 一日目 1.8 0.8 1.9 0.7 1.7 0.8 二日目 1.9 0.8 1.7 0.7 2.0 0.9 三日目 2.1 0.8 2.1 0.9 2.1 0.7 食事関係 1.8 0.4 1.9 0.5 1.8 0.4 自然療法活動 2.2 0.4 2.0 0.3 2.2 0.4 その他 活動 2.1 0.7 1.8 0.8 2.1 0.7 - 22 - グラフ-1 モニターツアー中の各活動の満足度の変動 - 23 - 平均年齢に近い 40 才で区分し、40 才未満(低年群)と 40 才以上(高年群)で区 分し、満足度の比較を行った。全体では、低年群では全体 2.1(±0.9) 、高年群 1.7(±0.7)と 0.4 ポイントの差異が見られ、統計的な解析を行ったところ、その 傾向が検証できた。 (P-0.67)内訳では、食事においては大きな差異は見られなか ったが、自然療法活動、その他活動で大きな差異が見られた。 表-22 モニターツアー中の各活動の満足度の比較 全体(再掲) 平均 全体 40 才未満 標準偏差 平均 40 才以上 標準偏差 平均 標準偏差 2.0 0.8 2.1 0.9 1.7 0.7 一日目 1.8 0.8 1.9 0.9 1.6 0.7 二日目 1.9 0.8 2.1 0.9 1.6 0.7 三日目 2.1 0.8 2.2 0.8 1.9 0.7 食事関係 1.8 0.4 1.9 0.6 1.7 0.3 自然療法活動 2.2 0.4 2.3 0.5 1.8 0.1 その他 活動 2.1 0.7 2.2 0.8 1.8 0.5 - 24 - 3.2.2 参加による気持ち、健康に対する意識の変化 ツアー後の気持ちの変化、健康に対する意識の変化を「全くその通り」を7 点、 「その通り」を6点、 「ややその通り」を5点、 「わからない」を4点、 「や や違う」を3点、「違う」を2点、「全く違う」を1点で採点し、集計した。 全体の平均は、5.6(±01.2)であった。性別の平均は、男性 5.4(±1.3) 、 女性 5.8(±1.0)と差異があり、統計的な有意差が示された。前項で区分し た高評価群の平均は 5.8(±1.0) 、低評価群 5.4(±1.2)と差異があり、統計 的な有意差が示された。ツアー参加の満足感と気持ち、意識の変化が連動し ている可能性がある。 表-23 参加による気持ち、健康に対する意識の変化 平均 全体 男性 女性 高評価 低評価 標準偏差 5.6 5.4 5.8 1.2 1.3 1.0 5.8 5.4 1.0 1.2 P Value 0.037 0.023 * * 設問別でみると、最もポイントが高かったのは、 「日常生活の健康管理に今回 の経験が役に立つと思う」6.4(±0.7)、「健康食・栄養管理に興味が出た」 6.2(±1.0) 「森林療法・気候療法に興味が出た」6.1(±1.1) 「健康づくりに より関心を持つようになった」6.1(±0.9)の順であった。 ポイントが低かったのは、 「また同じツアーに参加したい」4.7(±1.8) 、 「他 の主催者の趣旨の違うテーマのツアーに参加したい」4.7(±0.9) 、「参加前 より健康になった」5.0(±0.9)であった。 性別では、男性は全体とほぼ同じ傾向を示したが、女性では「上山に興味が 出た」、「山形県により興味が出た」、「このような健康づくりを目的とした旅 行(ヘルスツーリズム)は将来流行しそうな気がする」が二番目に高いポイ ントを示した 前項で区分した高評価群と低評価群の違いでは、 「また同じツアーに参加した い」 「休養活動、睡眠に興味が出た」で統計的に有意な差が見られた。 - 25 - グラフ-2 モニターツアー参加による気持ち、健康に対する意識の変化① - 26 - グラフ-3 モニターツアー参加による気持ち、健康に対する意識の変化② - 27 - 3.2.3 参加イメージ ツアーに対するイメージを40種の対立するキーワードで評価すると、全体平 均の重心は、 「リラックス」、 「爽快」、 「気分がよい」、 「安心した」、 「興味深い」、 「くつろげる」、「楽しい」、「面白い」、「贅沢な」、「プロらしい」、「割安な」、 「安全な」 、 「信頼できる」 、 「満足感がある」、 「自然な」、 「美しい」 、 「特徴のあ る」 、 「地方色のある」 、 「充実した」 、 「新しい」、 「上品な」、 「快適な」 、 「また利 用したい」の項目にあった。 標準偏差が大きく、イメージに開きがあったと思われる項目(SD≧1.6)は、 「緊張-リラックス」 、 「割高な-割安な」 、 「不調和な-調和した」、 「自然な-不 自然な」 、 「利用しにくい-利用しやすい」、 「個性的な-平凡な」、 「濃厚な-淡白 な」であった。 男女のイメージの評価で開きがあったのは(ポイント≧1.0)、 「危険な-安全な」、 「不調和な-危険な」 、 「縁遠い-身近な」であった。 前項で区分した高評価群と低評価群の差異では、「(低)緊張した-リラックス した(高) 」 、 「 (低)けだるくなった-爽快になった(高)」、 「(低)気分が悪い気分がよい(高) 」 、 「 (低)不安になった-安心した(高)」、 「(低)冷静な-興奮 した(高) 」 、 「 (低)不調和な-調和した(高)」、 「 (低)単純-複雑(高)」 、 「 (低) 縁遠い-身近な(高) 」、「 (低)もう利用したくない-また利用したい(高)」で あった。 - 28 - グラフ-4 ツアーで感じたイメージの性別の比較 - 29 - グラフ-5 ツアーで感じたイメージの高評価群・低評価群の比較 - 30 - 3.2.4 プライシング ツアー全体に価格をつけた適正価格では、33,667 円(±8130)で、個別に価 格設定した合計価格は、34,450 円(±7939)で両データに差異はなかった。 最高価格は、50,000 円で最低価格は、25,000 円と評価に大きな開きが出た。 満足度の平均値との相関は見られなかった。(r=-0.006) 性別の評価では、平均値では男性 33,167(±8010)、女性 34,000(±8675) と女性が高い価格設定を行ったが、両群に統計的な有意差はなかった。 (p= 0.854)男性は、宿泊費に比重が高く、女性は健康づくりに比較的高い比重を 置く傾向が見られた。 グラフ-6 ツアーの適正価格と性別の比較 年齢別の比較では、40 才未満 33,222 円(±8927) 、40 才以上 34,333 円(± 7528)と大きな差は見られなかった。傾向としては、低年齢群は、宿泊に比 重を置かず、食事、健康づくり、観光に比重を置き、高年齢群は、宿泊に高い 比重を置き、食事、観光に低い比重を置く傾向にある。 - 31 - グラフ-7 ツアーの適正価格と年齢別の比較 評価別の比較では、高評価群は 35,000 円(±9129)、低評価群では 32,500 円 (±7578)と高評価群が価格的に高い設定をしたが、両群に有意な差はなか った。高評価群は、宿泊、健康づくりに高い価格設定をする傾向が見られた。 グラフ-8 ツアーの適正価格と満足度評価別の比較 他のツアー価格と比較して本ツアーを高く感じた(否定的反応)か、安く感じ た(肯定的反応)かで区分して比較した。本ツアーを高いと感じ否定的反応を 持った群は、30,750 円(±7479)、安いと感じた肯定的反応群は、38,167 円 (±8134)と、肯定的反応群が高い価格設定をしたが、両群に統計的な差異 は見られなかった。 (P=0.102)食事に関しては両群に全く差異は見られなか ったが、宿泊、健康づくり、観光の費用で価格差が出る傾向にあった。 - 32 - グラフ-9 ツアーの適正価格と他のツアーとの比較による否定的・肯定的群の 比較 他のツアー価格と比較して本ツアーを高く感じた(否定的反応)か、安く感じ た(肯定的反応)回答者のその理由を集計した。否定的回答には、「時間が有 効に使えないから」50%、 「健康の効果があっても価格優先だから」38%、 「内 容に納得がゆかないから」38%、 「医療機関のかかわりが薄いから」25%、 「企 画内容が悪いから」25%の順で理由が挙げられた。肯定的回答では、 「専門的 人材がかかわっているから」75%、「医療機関がかかわっているから」75%、 「プログラムに特徴があるから」75%、「活動内容が豊富だから」63%、「食 事の内容がよいから」63%、 「内容に納得がゆくから」50%の順で理由が挙げ られた。 - 33 - 表-24 他のツアーと比較した否定的回答者と肯定的回答者の評価理由 高いと感じた回答者(否定的回答) % 健康に関する効果が感じられなかったから 0% 13% 13% 25% 13% 13% 13% 50% 13% 13% 0% 0% 13% 38% 38% 25% 0% 13% 13% 活動内容が貧弱だから 専門的な人材で無かったから 医療機関のかかわりが薄いから 楽しめなかったから プログラムに特徴を感じないから スタッフのサービスが悪いから 時間が有効に使えないから ロケーション、.場所が悪いから 温泉地の雰囲気が悪いから 健康によいと感じないから 健康づくりに参考にならないから 温泉の湯の質、量が劣るから 健康の効果あっても価格優先だから 内容に納得がゆかないから 企画内容が悪いから 食事の内容が悪いから 宿泊施設が劣るから、悪いから その他 順 位 安いと感じた回答者(肯定的回答) 健康に関する効果があったから 活動内容が豊富だから . 専門的な人材がかかわっているから 3 医療機関がかかわっているから 楽しかったから プログラムに特徴があるから スタッフのサーヒースが良いから 1 時間が有効に使えたから、充実していたから ロケーション、場所が良いから 温泉地の雰囲気が良いから 健康によいから 今後の健康づくりの参考になったから 温泉の湯の質、量が優れているから 2 2 3 健康の効果はお金に替えられないから 内容に納得がゆくから 企画内容が良いから 食事の内容が良いから 宿泊施設が良いから その他 - 34 - % 38% 63% 75% 75% 38% 75% 25% 13% 25% 13% 38% 25% 0% 13% 50% 38% 63% 38% 0% 順 位 2 1 1 1 3 2 3.2.5 参加の感想 自由回答の参加の感想については以下とおりであった。 ・食事について 「おいしい・素晴しい」に関する意見が全体で 36%あり、「量に不満」に関 する意見が 23%、 「薄味」に関する意見が 18%であった。 性別の評価では「おいしい・素晴しい」に関する意見が、男性 12%、女性 88%と女性の評価が高かった。また、「量に不満」に関する意見は、男性が 40%、女性が 60%であった。 「薄味」に関する意見は、男性が 75%、女性が 25%と男性より多くの指摘があった。 回答 数 男性 % 女性 % (人) % (人) 1 おいしい・素晴しい 8 36% 1 12% 7 88% 2 量に不満 5 23% 2 40% 3 60% 3 薄味だった 4 18% 3 75% 1 25% 4 大変さが見られた 3 14% 0 0% 3 100% 5 男女分けた工夫が必要 2 9% 0 0% 2 100% 22 100.0% 6 計 食事について 4. 大変さが 見られた 14% 5. 男女分け た工夫が 必要 9% 3. 薄味だった 18% 1. おいしい・ 素晴しい 36% 2. 量に不満 23% - 35 - 16 ・宿泊について 「満足・良かった」に関係する評価は 58%あり、「料金が高い」、 「アメニテ ィが欲しい」に関連する意見は共に 14%の意見が挙げられた。 性別の評価では「満足・良かった」に関する意見が、男性 25%、女性 75% と女性より多くの意見が寄せられた。 また、 「料金が高い」に関する意見では男性のみで、「アメニティが欲しい」 に関する意見では男女半々であった。 回答 数 男性 % 女性 % (人) % (人) 1 満足・良かった 8 58% 2 25% 6 75% 2 料金が高い 2 14% 2 100% 0 0% 3 アメニティが欲しい 2 14% 1 50% 1 50% 4 廊下が寒い 1 7% 0 0% 1 100% 5 専用施設希望 1 7% 0 0% 1 100% 14 100% 5 計 宿泊について 4. 廊下が 5. 専用施設 希望 寒い 7% 3. アメニティが 7% 欲しい 14% 2. 料金が 高い 14% - 36 - 1. 満足・ 良かった 58% 9 ・温泉入浴・温泉療法について 「良かった」に関する意見は 57%あり、温泉の後に「リラックス時間が無 い」という意見が 22%挙げられた。 性別の評価では「良かった」に関する意見が、男性 25%、女性 75%と女性よ り多くの意見が寄せられた。 また、 「リラックス時間が無い」に関する意見は、男性が 33%、女性が 67%と 女性より多くの指摘があった。 回答 数 男性 % 女性 % (人) % (人) 1 良かった 8 57% 2 25% 6 75% 2 リラックス時間が無い 3 22% 1 33% 2 67% 3 きつかった 1 7% 1 100% 0 0% 4 自宅でやります 1 7% 1 100% 0 0% 5 プールでやれば良い 1 7% 0 0% 1 100% 14 100% 5 計 温泉入浴・温泉療法について 4. 自宅で 5. プールでや れば良い やります 7% 7% 3. きつかった 7% 1. 良かった 57% 2. リラックス時 間が無い 22% - 37 - 9 ・気候性地形療法について 初めての体験で「満足・良かった」に関する意見が 47%あり、満足度を示し た一方「きつかった」という評価が 29%あり、 「高齢者にはきつい」という意見も 挙げられた。 性別の評価では「満足・良かった」に関する意見が、男性 12%、女性 88%と女 性より多くの意見が寄せられた。また、「きつかった」に関する意見は、男性が 20%、女性が 80%と女性より多くの指摘があった。 回答 男性 % 数 % (人) 女性 % (人) 1 満足・良かった 8 47% 1 12% 7 88% 2 きつかった 5 29% 1 20% 4 80% 3 また参加したい 2 12% 1 50% 1 50% 4 PR 必要 1 6% 1 100% 0 0% 5 1 人で出来そう 1 6% 1 100% 0 0% 17 100% 5 計 気候性地形療法について 3. また参加し たい 12% 5. 1人で出来 そう 4. PR必要 6% 6% 2. きつかった 29% - 38 - 1. 満足・良 かった 47% 12 ・今回実施したその他の動きについて スケジュールが「慌しい」に関する意見が 37%あり、 「チェロとワイン企画 が良かった」が 27%「干し柿作りが良かった」が 18%の意見が挙げられた。 性別の評価では「慌しい」に関する意見が、男性 75%、女性 25%と男性より 多くの指摘があった。また、「チェロとワイン企画が良かった」に関する意見 は、男性が 33%、女性が 67%であった。 「干し柿が良かった」は女性のみの意 見が寄せられた。 回答 数 男性 % 女性 % (人) % (人) 1 慌しい 4 37% 3 75% 1 25% 2 チェロとワインが良かった 3 27% 1 33% 2 67% 3 干し柿が良かった 2 18% 0 0% 2 100% 1 9% 0 0% 1 100% 1 9% 0 0% 1 100% 11 100.0% 4 4 5 早朝散歩で迷子になっ た 自分の体力が分かった 計 今回実施したその他動きについて 5. 自分の体 力が分かった 9% 4. 早朝散歩 で迷子に なった 9% 3. 干し柿が 良かった 18% 1. 慌しい 37% 2. チェロと ワインが 良かった 27% - 39 - 7 ・スタッフの対応については 熱心さが伝わり、 「満足・良かった」に関した意見が 70%あり、「バタバタ している」に関した意見が 12%であった。 性別の評価では「満足・良かった」に関する意見が、男性が 25%、女性が 75% と女性より多くの意見が寄せられた。また、 「バタバタしている」に関する意 見は、男性が 50%、女性が 50%と男女半々であった。 回答 数 1 満足・良かった 2 男性 % % (人) 女性 % (人) 12 70% 3 25% 9 75% バタバタしている 2 12% 1 50% 1 50% 3 気配り、配慮が必要 2 12% 1 50% 1 50% 4 ぎこちない 1 6% 1 100% 0 0% 17 100% 6 計 スタッフの対応について 3.気配り、配 慮が必要 12% 2.バタバタ している 12% 4.ぎこちない 6% 1.満足・ 良かった 70% - 40 - 11 ・その他、全体構成、順序、内容の分量について 全体的に、 「内容が多い・時間が無い」に関した意見が 72%であった。 性別の評価では「内容が多い・時間が無い」に関する意見では、男性が 30%、 女性が 70%であった。また、「PR して欲しい」の意見は女性で、 「差別化が必 要」 、 「年代別に差がある」 「天候を考慮していた」に関する意見は、男性の意見 として挙げられた。 回答 数 1 内容が多い・時間が無い 2 男性 % 女性 % (人) % (人) 10 72% 3 30% 7 70% PR して欲しい 1 7% 0 0% 1 100% 3 差別化が必要 1 7% 1 100% 0 0% 4 年代別に差がある 1 7% 1 100% 0 0% 5 天候を考慮していた 1 7% 1 100% 0 0% 14 100% 6 計 その他、全体構成、順序、内容の分量について 4.年代別に差 がある 3.差別化が必 7% 要 7% 5.天候を考慮 していた 7% 1.内容が多 い・時間が 無い 72% 2.PRして欲し い 7% - 41 - 8 3.3 考察 本調査では、関係者と協議し、上山市に存在する様々なヘルスツーリズムと して活用可能な資源を抽出し、2泊3日の旅行プランとして構成し、公募し たモニターの体験前、体験後、自己回答式のアンケート調査を行った。 アンケート調査は、利用後の満足度、地域および健康に関する意識の変化、 ツアーに対するイメージ、価格に関する項目を設定した。 ツアー全体の満足度の平均は、2.0(±0.8)であり、全体として高い満足の 傾向を示した。性別による満足度の差を検証したが、有意な差は見られなか った。年齢による満足度の傾向を検証するため、40 才で区分し、40 才未満 (低年群)と 40 才以上(高年群)で区分し、満足度の比較を行ったところ、 低年群では全体 2.1(±0.9)に対し、高年群 1.7(±0.7)と統計的な有意差 が見られ、中高齢者により満足感が高い傾向にあることが示唆された。 地域および健康に関する意識の変化の調査においては、女性により変化した という意識が強い傾向が統計的に有意に表れた。変化が大きいと回答した項 目としては、「日常生活の健康管理に今回の経験が役に立つと思う」、「健康 食・栄養管理に興味が出た」、「森林療法・気候療法に興味が出た」、「健康づ くりにより関心を持つようになった」など、健康管理の手法に関係する項目 で高い得点が見られた。また、女性群において「上山市に興味が出た」、「山 形県により興味が出た」などの地域への共感のポイントが高い回答を示し、 また「このような健康づくりを目的とした旅行(ヘルスツーリズム)は将来 流行しそうな気がする」に同意する傾向が見られた。満足感の調査で高い満 足度を示した群と低い満足度を示した群に中間で区分し、調査したところ高 い評価をした群では、 「また同じツアーに参加したい」で高いポイントが見ら れた。 ツアーへのイメージに関しては、概ねヘルスツーリズムのイメージとして肯 定的な「リラックス」 、 「爽快」、 「気分がよい」、 「安心した」 、 「興味深い」 、 「く つろげる」 、「楽しい」 、「面白い」、「贅沢な」、「プロらしい」、「割安な」、「安 全な」 、 「信頼できる」 、 「満足感がある」、 「自然な」、 「美しい」 、 「特徴のある」、 「地方色のある」、「充実した」、「新しい」、「上品な」、「快適な」、「また利用 したい」のイメージに回答が集まった。男女別では「危険な-安全な」、 「不調 和な-危険な」 、 「縁遠い-身近な」などの項目がイメージの開きが見られ、男 性層により好印象の傾向が見られた。ただし、どの項目においても肯定的な 範囲であった。高評価群と低評価群のイメージの違いでは、高評価群はヘル スツーリズムの旅行商品としてより望ましい印象に集まった。低評価群のイ メージが「複雑」、「利用しにくい」、「縁遠い」側によっている傾向は、今後 ヘルスツーリズム商品を開発する課題である。 価格に関する調査では、現地集合・現地解散の形態で 3 万 3 千円代の回答で、 - 42 - 男女別、年齢別、満足度別での差は見られなかったことと、満足感との相関 が見られなかったことから、2 泊3日のヘルスツーリズムに対する、ユーザ ーの適正価格がこのレベルにあることが推測できる。 他のツアーと比較しての評価では、「高い」50%、「安い」50%と評価が 分かれた。その理由として、ツアーを高いと評価した群は、 「時間が有効に使 えないから」というパッケージツアーの時間的な制限を半数が回答し、価格 優先であること以外は、その他は内容に関する理由が占めていることから、 より専門的内容、人材でのサービスで価格の上昇が期待できる。また、安い と評価した群は、専門的人材のかかわりと内容の高評価を回答し、低評価群 の逆の傾向を示したことから、この点からも専門的内容と人材のサービスが 価格アップと高評価のカギとなることが推測できる。 - 43 - 4 全体考察 本年度の調査においては、昨年度の気候療法の効果検証結果を踏まえ、上山市のも う一つの重要な観光資源である、温泉を活用したヘルスツーリズムプログラムの可 能性を検証し、次年度のヘルスルーリズムの実施に向けたデータを収集することが 最大の目的であった。 ヨーロッパ、とりわけドイツの先進的な気候療法、温泉療法の研究結果より、検証 計画当初の仮説では、週3~4回の温泉療法プログラムの実施で身体機能の向上、 血液性状の改善、QOL の向上、睡眠の質の改善が見られ、気候療法を実施するこ とでより広範囲かつ高レベルな改善が見られると想定した。 その結果を阻害する阻害要因、交絡要因としては、昨年度見られた秋から初冬にか けてのイベント、祭りによるものと思われる季節的な日常生活の変化とそれに基づ くものと思われる体重、体脂肪の増加や、温泉療法と気候療法による身体機能の天 井効果を予想した。 運動療法の一種である気候療法そして気候性地形療法そのものの効果は、昨年度の 検証で確認した。本年度の実証事業では、温泉療法と併用した場合の気候療法の複 合的効果の検証と、温泉療法のみのプログラムとの違いを確認することであった。 結果として、温泉浴場の中の湯の環境を使用した温泉療法では、身体機能の向上に 制限があり、気候療法を併用することでより総合的、広範囲な機能の向上が確認で きた。 また、初めて実施するヘルスツーリズムプログラムに関しては、時間的制限から2 泊3日の短期間のプログラムで実施する方針となった。主眼は、ヘルスツーリズム としてどれだけの満足度が実現できるのか、顧客はヘルスツーリズムプログラムに どのようなイメージを感じるのか、どれくらいの価値を認めて価格付けするのかで あった。結果として、満足~非常に満足の評価、ほぼヘルスツーリズムにふさわし いイメージを感受し、2 泊 3 日のプログラムで3万3千円代の価格評価を得た。こ の意味するところは、現状の上山の自然資源、温泉資源およびその他の資源を有機 的に結び付けヘルスツーリズムプログラムを造成すれば、供給側としても提供可能 な価格での商品提供が可能という点である。 - 44 - 気候性地形療法 蔵王上山全国サミット 平成21年9月26日 上山市体育文化センター「エコーホール」 けることができると思います。これで、地元の方々に とっても得がたい特徴ある気候の要素を持ったところ で積極的に運動するという利用することの意義があり ます。これで私どもがお薦めするのは、動くというこ 1 基調講演 「気候性地形療法と健康保養地」 北海道大学名誉教授 医学博士 阿岸祐幸 氏 と、運動なのです。地元の方も、本来持っている気候 の要素を上手に利用して、健康づくりあるいは病気の 治療にしようというのが気候療法とみて良い訳です。 ただ今ご紹 基本的には、転地することによって今までストレスが 介いただきま 多いとか、騒音や汚い空気、そういう所からまず体を した阿岸と申 隔離して保護するという保護作用があります。それか します。私はド らもう一つは、新しい気候の中の要素を取り入れて、 イツの温泉医 それを刺激として健康づくりや病気の回復をはかると 学とか、今日お いう二つの面があります。 話しします気候療法・地形療法ということに大変興味 森のことについてお話しいたします。日本には普通 を持ちまして、1970年代からドイツで研究や体験 住宅地からあまり離れていない、どこにでもあります。 をしてまいりました。それでは気候療法とはどういう そこに入りますと気温が尐し下がる、湿度が尐し高く ものであるということから始めます。これはまず私た なる、騒音に対する防音作用もある、空気のよごれが ちが暮らしている日常生活をしている所から、空気が 葉によってきれいになる。これが、非常に大切な森林 きれいで静かな、あるいは標高差が異なっているよう 内気候であります。 な場所に転地するという事であります。転地というこ 日本では森林浴といわれ、中に入って積極的に歩く とですが、これは、大都会の人たちの論理がかなり入 ということになっています。それから、たとえば、海 っていまして、ストレスあるいは汚染された環境の中 抜300mから1000m、おそらくこの上山の大部 に生活している人たちが、例えば山形あるいは上山に 分が入ると思いますが、そういう所ですと空気がきれ 来るというような一般的な考え方ですが、もともとき いで、気温もある程度低くなる。そういうことが、東 れいな環境下に住んでいる方々にとっても十分享受で 京等に比べると特徴あることで、それを上手に利用す きるものでもあります。そして今日は、上山市が新し ることによって保護作用にもなるし、さらに積極的に い気候性地形療法という概念を導入いたしまして、日 使う事によって刺激作用にもなります。 本に先駆けて新しい組織を作ろうとしていることは素 それから、たとえば蔵王に行きます。ここは海抜高 晴らしいことだと思います。 度が1,000m以上あります。一般に、気温は海抜高 気候とか地形療法という場合に、まずこの上山市が 度100m上がる毎に0.6度くらい下がってきます。 どう位置しているかということを、皆さん勿論地元の 酸素分圧も下がってきます。空気も益々きれいになり 方が大部分でしょうから、ご存知だろうと思いますが、 ます。そういうところがまず保護作用なのです。さら 地球レベルから言いますと、日本海と太平洋との間の 高所に行きますと、気温がさらに下がり、酸素が尐な 丁度真中にあります。そして、もうちょっと近くに下 くなり、風がつよくなるなど気候の刺激を受けること ってまいりますと、この盆地があり、この両側が山に になります。ここで歩く運動などしますと、高所刺激 囲まれています。私ども人間の習性といたしまして、 と高所トレーニングとなります。これが刺激作用なの 広い所に立っているという事は、大変不安感がありま です。 すけれども、その背中にがっちりした壁とか山等があ 風という面からみると、同じ場所でも、あるいは暑 ると安心感があります。これが蔵王であります。この い夏でも気候性保護作用と刺激作用の両面をもつこと 標高差を上手に利用して健康づくりに利用するという が分かります。たとえば、夏で蒸し暑い時に風が吹く ことが、正しく地形療法なのであります。 と、これは体を保護するという作用があるといえます。 それでは、気候性地形療法というものがどういうも 高い山で冷たい風が吹くと、刺激作用になります。上 のであるかをお話しします。まず、体を気候環境に曝 山というのは、蔵王も含めて、どこに行くか、どうい すということと、その中で運動をするという2つに分 うような季節、どういう時間帯に行くかによって、保 1 護作用にもなり刺激作用にもなる。それを上手にまと 基本的には、上山あるいは蔵王には、季節を問わず、 めて、健康づくりとか身の癒し等に利用しようという もちろん冬は寒いですが、利用出来るメリットがあり のが、気候療法であり、特に地形を利用して歩く運動 ます。上山にも蔵王にも、温泉があります。私の専門 をすると地形療法となります。両方合わせて気候性地 は温泉医学でありますが、そういうものと地形療法と 形療法と言って良いかと思います。 結び付けることが素晴らしいことです。 地形療法(ドイツ語で Terrainkur テラインクール) という意味で、これから温泉についてお話いたしま とは、基本的に地域の地形を利用して歩くことです。 す。体に効くという温泉を療養泉と言いますが、一般 その速度は一定にするのが大原則で、メトロノームを に日本の温泉には9種類の療養泉があります。この内 使用するくらいです。本場ドイツに行って行うと、メ 容を書いた温泉分析表が、どこにでも必ずお風呂の脱 トロノームを持って勾配のある所を一定の速度で歩き 衣所あたりに掲げられています。かみのやま温泉は、 ます。ドイツでは、150年ほど前からミュンヘン大 ナトリウムとカルシウムと塩化物と硫酸塩が入ってい 学を中心として行われていました。1970年代から ます。ナトリウムと塩化物が一緒になると食塩泉です。 は、ミュンヘン大学のアンゲラ・シュー教授が自ら山 食塩とぼう硝とカルシウムが入っていますから石膏と 好きということもあり、現代医科学的に研究されてあ いう訳で、よく温まる温泉です。そして、湯冷めがし みだした療法です。正規の専門の医師が処方し、専門 ません。特に全体としてはお湯が非常にまろやかで、 の地形療法士が管理指導しながら行うと、3週間健康 刺激性がなく、年齢を問わず赤ん坊からお年寄りまで 保険が適用される事になっています。 楽しむことができます。 さて、気候療法を行うと、特に気候を利用した地形 蔵王の温泉は、pH が1.8という酸性度が非常に強 療法を行うとどういう結果が得られるでしょうか? い刺激性の温泉です。因みに、日本で一番酸度が強い 結果として、乳酸値や老廃物を体から早く出してし のが、秋田県玉川温泉1.2です。また、卵が腐った まう作用は、冷たい環境の中で行った場合と普通の暖 ような臭いがする硫化水素ガスも多く含まれておりま かい所で行った場合とで、あきらかに冷たい環境で行 す。硫化水素がある温泉に入りますと、からだ末梢の った方が同じ運動をしても効果があるということがわ 血管を広げる作用が強く、体が温まります。さらに、 かってきています。また快適に感じます。気候地形療 特徴的なことは、メタケイ酸が220mg/kg と濃度はか 法のトレーニングを行なわなかったグループと、トレ なり高いことです。しかも、源泉そのものですと、6 ーニングをしたグループとで比較しますと、明らかに 00ppmという高濃度の炭酸ガスも含まれています。 冷たい環境の中で運動した地形療養を行ったグループ バブという炭酸ガスが主成分の入浴剤がありますが、 の方が、冷たさに対して耐性というか、心地良く感じ 普通の家庭のお風呂の湯の中では100ppm位です るようになります。さらに、冷たい水に足をつけ、冷 から、源泉そのもののお風呂に入りますと、バブを6 たくなった足の皮膚温度が元に戻る時間をみると、気 個位入れたと同じ位の濃度です。これを上手に使わな 候性地形療法を行ったグループの方が、早くなる効果 い手はないと思います。とにかく、かみのやま温泉も があることがわかってきています。運動するというこ 蔵王温泉も体が温まる。そして殺菌作用があったり、 とが基本ですが、特に冷たい環境の中で行うことがよ 血管を拡張させたりする作用がある。そういう所でリ り効果的であることがわかります。上山と蔵王での気 ラックスしながら地形療法のような運動を組み合わせ 候地形療法はこのような根拠で設定が行われています。 るというのが、この健康保養地としての非常に価値の 次に、気候療法の適応症についてお話いたします。 高い面があります。 呼吸器疾患で、とくに慢性の呼吸のしづらい閉塞性の 健康保養地ですが、とにかく自然環境の持っている 疾患を持っている方、それから心臓・血管系の循環系 体に良い健康づくり作用を活用出来る所であります。 疾患の方、皮膚疾患などです。こういう特殊な病気と そして積極的な健康づくりは休養と運動と栄養、この しての適用もありますが、一般的には病気に関係なく 3つがバランス良く行われるということが大切です。 メタボリックシンドロームや免疫の機能を高めるトレ そのためにはお風呂に入る、温泉につかる、これが休 ーニング効果を、体力を向上させるという意味のため 養になります。それから運動は、この地形を利用し気 に大いに使うべきであり、その時に冷たい環境という 候を利用して歩くということ、もしできれば水中運動 のが大切であります。 など、温泉のプールなどで運動するとさらに良い効果 2 がでてくる。そして、栄養はとにかく旬の物であって、 のが最適です。そして、大切なのは生活習慣病の予防、 旬の物を活用していわゆる健康食、ヘルシーメニュー 早期発見、早期対策として、一次予防、そして二次予 を提供する。この3つが同時に出来るような場所であ 防も同時に出来るような内容や施設を整えることです。 ります。 加えてそれをサポートする中・長期滞在で それから介護予防として温泉などで、高齢者の方達が きるような宿泊施設がある。それに対応するマンパワ みんな集まってきて楽しみながら、しかも転倒防止の ーがあるというのが、健康保養地ということです。 ための運動なども行うことの出来る場であれば、さら 平成9年に健康保養地を積極的に普及させようとい に価値が高まります。この方法で地域にとって確かに うことが当時の厚生省で決められたのですが、なかな 医療費が減尐したというデータも確実にでています。 か典型的なモデルというところもまだ日本にはできて それから、地域の人達のために、また一人ひとりの生 いません。ヨーロッパ、特にドイツでは、それがなけ 活の質(QOL)を高めるのに、非常に良いというこ れば温泉地とは言わないとなっていますが、今後そう とになります。現在注目されてきたのは、メタボリッ いう意味では、上山市がその発信源、起爆剤となって クシンドロームの対策としてですが、介護予防、転倒 全国に発展させて行くべきものと考えています。この 防止、福祉の場としても好ましいこととなります。 ように、積極的な健康づくりは、休養するということ、 それから最近言われているヘルスツーリズムにも関 運動するということ、それから食事が大切です。それ 係します。ヘルスツーリズムは、さらにエコツーリズ を行う所が健康保養地で、マンパワー、宿泊施設が必 ムや世界遺産、文化遺産鑑賞と結びつくようなヘリテ 要です。その療法内容はヨーロッパでは、ベースとし ージツーリズムともなります。このように歴史的な、 ては医学的、科学的な根拠に基づいた医療という考え 文化的なものが沢山ある山形、それから上山では、ヘ 方ですが、予防、ウエルネスの概念も含める健康づく ルスツーリズムという概念も持ち入れて行うことが出 りの場合でもそういう医学的な根拠に基づいたもので 来ると思います。ただ、最近「ヘルスツーリズムは終 あるべきなのです。 わった。これからメディカルツーリズムである」とい 健康保養地療法のソフトは統合医療ということにな うような発言をしている人がいますが、まだまだヘル ります。統合医療とは、医療として医学校で学んだ医 スツーリズムというのは、グローバルな意味でももっ 療をあくまでもベースとしますが、さらに伝統的な温 ともっと発展させるべきものと考えています。したが 泉療法、あるいは東洋医学的な漢方・マッサージ、あ って、この考えを発展させると必然的に国際交流の場 るいはサプリメント、そういうものを上手に組み合わ となります。そして、地域とか世代間交流の場となり、 せて利用する医療のことであります。日本にもこれを 地域の活性にも結びつきます。 研究する日本統合医療学会という学会ができておりま 温泉があって、山などの地形を利用して、そしてそ す。まさしく温泉や地形療法を行いうるのは、この統 の1,000m以上の高い気候環境も利用するという 合医療をベースとしてこの上山地区は最も適している のがそろっている所で行うと、普通の所よりは非常に 場所と考えます。運動、地形療法ももちろんあります 付加価値が高いものになり、また社会的な益も大きい が、温泉があれば、しかも温泉プールで水中運動を行 ものと思っています。そういうことを行う場所が、健 うようにすると、楽しみながら積極的な運動も出来る 康保養地、ヘルスリゾートです。ドイツではクアオル ということになります。 ト(Kurort)といいます。 この健康保養地療法の適用というのはどういうこと ヘルスリゾートで治療や療養するということがヘル が、どういう場合に好ましいかということになると、 スリゾートメデシンです。そこでは、専門的なマンパ 健康な人はより健康水準を上昇させる、健康度を高め ワーが必要になってきます。専門的技術、知識、資格、 るということです。それから体力をつくるということ。 また各省庁や関連団体によって認定されている資格が 強いストレスにかかっているような状況をいち早く静 既にあります。 める、いわゆる気候的な保護作用によって静めるとい ドイツのある温泉場での看板をご紹介します。何を意 うことです。ストレス関連性の異常がある場合、リズ 味するかと言うと、療養に来る前には、杖をついておら ムが狂っているような場合、不眠とかあるいは長距離 れたり、あるいは体がうつむきかげんになって来られま ジェット機旅行などでリズムが狂っているような場合、 すが、温泉保養地で、基本的には3週間きちんとした医 それらを回復させるには、この健康保養地療法という 師の処方やアドバイスで温泉療法や地形療法を行いま 3 すと杖を使わなくなったり、捨てたり、あるいは背をき 3つを合わせて「日本の3大修験山」と言われていま ちんと伸ばして、おしゃれをして帰って行くというもの す。上山は、出羽三山の三山詣のために精進潔斎して です。専門医が診断、治療をすれば、温泉気候療法も健 お山に登るという起点にもなり、また戻って来る終点 康保険が にもなった550年の歴史ある温泉地です。また蔵王 利きます。 連峰の主峰が熊野岳といわれているように、熊野の峰 これが、 は「東のおやま」と呼ばれ、これもまた山岳信仰の有 「健康保 名な場所であり、その麓のまちが上山になります。こ 養地療 のように上山は、山岳信仰や野山を歩くということと 法」のあ 歴史的に深い繋がりがあります。この山を歩くという るべき姿 時には、山伏または先達が案内して、しきたりを教え であり、 たり、様々な地形の場所を安全に歩けるように気を配 日本でも るという経過もあります。 これからドイツの考えやシステムのよいところを積極 次に、ドイツとの交流ですが、ふるさとの大歌人 斎 的に取り入れて発展すべきものと期待されます。それに 藤茂吉先生がドイツ連邦共和国のドナウ川の源流の地 は、上山がまず原点となりモデルとなって、由布院や和 ドナウエッシンゲン市という所を訪問し素晴らしい紀 歌山なども軸となり、どんどん日本全国で発展して行く 行文を残しています。その縁で友好都市となり、ここ ということを期待しております。 15年間ドイツのまちと学生の交流から、文化、お祭 ご静聴ありがとうございました。 り、産業など様々な交流をしていました。このような 2つの流れからドイツのクアオルトというものを研究 2 事例報告 「気候性地形療法の実証地 上山の実践」 芸術工学博士 小関 信行 氏 (クアオルト研究室代表) してみよう、調べてみようということが上山市の中で も生まれてきました。 「クアオルト」というのは、 「クア」と言う療養や保 養滞在という意味と、 「オルト」と言う地域の意味が合 わさって、 「クアオルト:療養地」という意味になりま こんにちは す。ただ現在は、療養だけではなく保養の滞在者も多 地元の上山温 いため健康保養地という説明をする人もいます。この 泉クアオルト クアオルトは、土、海、気候、クナイプ式と4つの療 協議会の委員 養要因で区分されています。土というのは土の中から をしておりま 出て来る物、温泉とか泥。また海は、海水であったり す小関と言い 海風であったりします。また、気候というのは、空気 ます。上山の実践状況を代表してご報告いたします。 の良い所。また、クナイプ式というのはクナイプ牧師 ご報告の順序は、上山の歴史のことを若干触れた後に が自分の結核を治癒させたときに取り組んだ水療法を ドイツとの国際交流、クアオルトの内容、そして平成 中心とする療法と考えてよいかと思いますが、この4 20年度に採択されました地方の元気再生事業、平成 つの療養要因で分類されています。このクアオルトは、 21年度継続事業の内容、最後に全国との連携、その 様々な厳しい条件を具備した所で滞在の環境が良いと 他という項目で順次ご報告いたします。 いうことで、州の法律でクアオルトに認定されていま 上山は、羽州街道の宿場町、温泉町、城下町という す。2004年におけるドイツの自治体数が12,43 3つの顔を持つ大変珍しい所です。そのため上山藩か 1ということですが、2007年のクアオルトの数は ら津軽藩まで、東北の日本海側13の藩が参勤交代で 374ですので、3%に満たない本当に尐ない厳選さ 歩いたという歴史ある宿場町です。また、山形県には れた所がクアオルトになります。温泉のクアオルトに 出羽三山がありますが、これは江戸時代に「東国の三 おける構成を簡単に申し上げますが、 「テルメ」という 十三ヶ国総鎮守」と言われていました。そして今日お 温泉施設と、 「クアハウス」という人が交流する施設、 出でいただいている熊野は、西国の総鎮守となってい また「クアパーク」という保養のために散策する30 ます。九州の方にも英彦山があると思いますが、この ha~40ha くらいある大きな公園、その他医療施設が 4 一体となって長期滞在ができるという地域になってい さて今年は、地元には良い温泉がありますので、温 ます。現在はだいたい平均5.35泊くらい宿泊して 泉を使った2つの複合効果を調べてみようということ いますが、もちろん保険で治療が可能になっている場 になりました。今、気候性地形療法と温泉療法とを併 所ですから、保険が適用されれば3週間滞在するとい 用した医科学的な効果の検証をしているところです。 うような長期滞在が可能な地域です。 もう1つは、やはり医科学的なことを検証したとして このような経過の中で、平成20年度地方の元気再 も、的確に案内する人がいないとしっかりと普及しな 生事業に上山は「アスリートヴィレッジと市民活動の いということで、 「気候性地形療法の先達」をつくるた 融合による滞在型快適温泉地環境プロジェクト」とい め、人材育成に取り組んでいます。これが2年目の取 う内容で補助申請して採択されました。この中で重要 り組みです。この上山で取り組まれている地方の元気 なのは、 「気候性地形療法」のプログラムの医科学的効 再生事業の目指す効果はいろいろあると思います。最 果検証ということです。地域の自然資源や多様な資源 終的にまとめてみますと、人、自然、産業がそれぞれ と温泉を活用した新しい健康保養地になろうというこ 良い状態にある、それを例えば「地域全体の健康力」 とで、一番重要な医科学的な根拠を明らかにする検証 とでもいうのでしょうか、様々に融合し連携しながら に取組んできました。これは日本で初めての取り組み 増強され、地域全体が健康になって行くというような で、阿岸先生、またこの療法を世界で初めて開発され 方向と思っています。 たミュンヒェン大学のアンゲラ・シュー教授からいろ 上山と同じような取り組みをしている所が全国にも いろご指導をいただいて、その医科学検証に取り組ん あり、大分県由布市由布院温泉もその一つです。ここ だところです。この気候性地形療法の重要な点ですが、 は、クアオルト構想を推進して来たまちですが、現在 自分の体力に合ったスピードで、 「冷気と風」 、 「太陽光 病院と温泉プールとが連携しており、地元の方々が一 線」という気候の要素を活用しながら、 「体表面を尐し 生懸命取り組まれている所です。次に和歌山県熊野古 冷たく」保ち里山や砂浜を歩くということです。去年 道ですが、世界遺産に指定された1,000年の歴史の は51名の方から参加いただき、事前の体力測定と採 ある道がありますので、こちらも健康と融合した取り 血、気候性地形療法の歩行、事後の体力測定と採血な 組みがなされています。 どを検査しました。歩行の途中には、心拍数を計測し このように気候性地形療法というのは、まだ始まっ たり、血圧を計測したりしながら歩いたところです。 たばかりで、全国数ヶ所で取り組まれたばかりです。 上の画像は西山コース。上りの森のコースは、上りの しっかりした情報が、まだ確立していないというとこ ために体が熱くなるので森の中の日陰を歩きます。下 ろがあります。これから皆様とともに育成、推進、拡 りのコースは尐し日向が出てくるかと思います。下の 大していかなくてはなりません。この気候性地形療法 画像は、蔵王高原坊平コースになります。左は上りの を中心とした取組みは、新しい施設を建てるというこ コースで、右の方は丁度ゲレンデを下って来るコース とではなく、地域の自然、伝統文化、人材、産業など です。この医科学効果検証を実施した結果ですが、3 様々な資源が連携した健康保養地ということを目指す つに分けて比較しています。1つは気候性地形療法で まちづくりです。画面の下の方には今回モニターで歩 歩いたグループ、2つ目は気候性地形療法で歩いたグ いてもらっている方の顔写真が出ていますが、やっぱ ループと同じ運動負荷をかけて自転車をこいだグルー り歩いていると気持ちが良くなってみんな笑顔になっ プ、あとは何もしなかったグループと3つに分けて比 てくるのです。こういう参加者の健康な笑顔が、全国 較しました。その中で、気候性地形療法で歩いたグル に展開できるようにと頑張っているのが「気候性地形 ープは中性脂肪が下がったということと、HDLコレ 療法の実証地、上山の実践」の現状です。 ステロールという善玉コレステロールが増えたという 結果がでています。また自転車をこいだ時の心拍数、 これは持久力につながる訳ですが、自転車の負荷がど のレベルでも他のグループに比較して心拍数が上がら ない状態でした。これはみなさんの体力がついて、持 久力が向上したということが去年の結果で分かってい ます。 5 3 ディスカッション をやるととんでもないことになって、お笑いをとるこ 「気候性地形療法を活用した交流人口の拡大策」 とに熱心になってしまうから、それでも良いのかと言 ったら、是非ということで引き受けさせていただきま した。どのくらい真面目なお話を、柔らかく出来るか、 簡単に言いますと、気候性地形療法と何回言っても言 いにくいのですが、昨日来て横戸市長とも話しして、 横戸市長も何回も舌かみながら、まじめにスパッとサ ラッと言えるのはこのまちで小関先生しかいないのだ なと昨日の夜十分分かりました。 冒頭でございますが、今日来ているお客様は気候性 地形療法という初めて聞いたこの言葉、初めて聞いた ● パネリスト 人は手を挙げていただけますか。こんなにいるんです 桑野 和泉氏 よね。やっと恥ずかしくない良かったなと思いますね。 (一般社団法人 由布院温泉観光協会会長) せっかくですから、言いにくいですが、 「気候性地形療 木下 籐寿氏 法」をみんなで発音してみましょう。言ってみないと (一般社団法人 健康保養地医学研究機構理事、 分からないですよね。理解というのは言葉から入りま 熊野で健康ラボ所長) すから。 「気候性地形療法」これから素直に言えるよう 荒木由季子氏 に今日徹底的にしゃべってみたいと思います。 (経済産業省前健康長寿産業政策室長、前副知事) 今日のタイトル、お題をいただいたのが 気候性地 和田 浩一氏 形療法を活用する為には「気候性地形療法の広がりの (観光庁 観光地域振興部観光資源課長) 桝口 豊 可能性」というテーマでいろいろお話をしてみたいと (上山市副市長) 思います。2つ意味があると思います。先ほど阿岸先 ● コメンテーター 生の話を伺ったたり、小関先生のお話を伺いながら 阿岸 祐幸医学博士 そうかやっぱり全国に普及するってこと大事なことで (一般社団法人 健康保養地医学研究機構 す。これがまず1点ありました。今日のお話というの 代表理事、北海道大学名誉教授) は、実は交流人口をどう拡げるかという題になってい ● コーディネーター ます。似て比なるような題のたて方です。こちらかみ 川口 直木氏 (千葉商科大学客員講師) のやま温泉ですから、お客さんいっぱい来て欲しい。 上山をそのお客さんにいっぱい来てもらうために、こ ○川口氏:皆さ れをうまくどう使ったら、使えないか、使いたいな、 んこんにちは、 そういうのが1つポイントになっていると思います。 川口でござい お客さんにいっぱい来てもらえば気候性地形療法を皆 ます。よろしく さんが知ることになりますし、これがまた普及にも役 お願いいたし に立っていくということなので、いかにしたらこれを ます。私、3年 使って交流人口を増加させる、いかにいろんな人に来 山形に通いま ていただけるか、そのためにはどうしたらいいか、と して、この上山にもしばしば参りました。いい所だな いう事で今日のお話を進めていきたいと思います。最 あと思いながら、1ヶ月ぶりくらいでまた来ました。 初に木下さん阿岸先生、小関先生に熊野の話を伺った 今日はほんとにいい季節で、スッカといい青空で実に のですが、今、熊野の方ではどんなことをやっている 健康的な上山の今日の天気、いいなあという感じです。 のか、どういうふうに取り組んでいるかというところ 来ただけで「気候性療法にいいなあ」という印象を感 からご紹介をいただければと思います。 じています。やまがた観光まちづくり塾などやらせて いただきました私が、このコーディネーターを桝口副 市長からご依頼ありました。私が、コーディネーター 6 ○木下氏:昨年もこちらで発表させていただきました。 の聖地として、世界遺産、歴史、文化、史跡等を使っ また、こちらの て、癒し健康サービスをしようというのが熊野の取り 事業にも参加 組みのスタートです。これは、紀伊半島の全体です。 させていただ 京都、大坂より熊野三山を目指す片道300㎞の道が きまして、今日 熊野古道であり、高野山、吉野、伊勢などから色々な で3週連続山 ルート、5つのルート、たくさんあります。この熊野 形にやってま 古道での、効果検証の事を簡単に説明しますと、10 いりまして、明 0名以上の方に協力いただき、アンケ-ト、唾液、血液 日も坊平で歩きますので、皆さん一緒に歩いていただ 検査、血圧、色々な事をやり、歩きながら色々な検査 きたいと思います。和歌山県の取り組みを、簡単にご をやりました。これは、色々な効果のことをまとめた 紹介させていただきます。 もので、森に入ると紫外線が市街地の50分の1であ 熊野の取り組みは2003年に始まりまして、ちょ るとか、熊野古道を歩くと免疫力がアップする、または うど2004年の7月に、世界遺産登録にされたので ストレスが解消するとか、また色々なコースを歩くこ すが、その半年前に和歌山県庁内で、熊野古道活用策 とによって、それぞれ特徴がありますが、安全に歩け を検討しようということで呼ばれて、熊野古道って何 るということがわかっていますし、行き、帰ることに だということ、いろんなことをやろうということで検 よって足の裏側の筋肉も使うとか、考えながら歩くこ 討し、世界遺産に登録のなった年に、熊野古道の健康 とで脳活性にもなるということ、気分も良くなる等 効果検証をやり、それが終わった後に、次の年にモデ 色々なことがわかってきました。この時点では、まだ ルツアーというのを一年間かけて色々やりました。そ まだ地形療法とか気候療法という考え方の基でやって の後、2006年より定期的に開催しようと、現地に いた訳ではありません。2ヶ月間連続して歩いていた 「熊野で健康ラボ」という事務所を設立して、現地の だいた結果ですが、熊野古道を歩く、または平野、高 人材を雇用して、それから3年間和歌山県の補助金で 地を歩くグループと分けると、あきらかに森を歩く人 定期的に色々なプログラムをやってきました。その前 達の方が、前頭葉の活性や内臓脂肪が減ったり、足の の効果検証については、県と国の委託金でやらせてい 筋力がつく等色々ことがわかってきました。また、一 ただきました。その時に、色々なセラピストの養成講 年かけて行ったモニターツアーとか滞在プログラムに 座をやりながら、ホームページを立ち上げたり、昨年 おきましては、滞在することによって気分が改善する はNPO日本ヘルスツーリズム研究機構で第一回ヘル こと、睡眠時間が長くなること、水中プログラムによ スツーリズム大賞をいただき、今年からは、全く自前 ってストレスが減ること、さらには熊野古道を歩いて で定期的な健康ウォークプログラムを実施しています。 温泉に入るとフィットネスジムで運動してお風呂に入 また、今年やり始めたことは、後で紹介しますが、メ るより、よりリラクゼーション効果があること、色々 タボ対策としての制度的な特定保健指導を使った健康 なことがわかってきました。そういうことから、熊野 ウォークをやり始めているところです。 古道はもしかするとすごいのかなと思いながら、色々 そもそもの着想ですが、私は一応民間側として、行 なことに使えるということで、私達は熊野セラピーと 政、こちら上山市と同じように地域発展だということ 呼び、熊野で健康の可能性をさぐってきたところです。 です。私達は地域活性もありますが、医療機関に勤め 熊野セラピーとは、熊野の地形、天候、気象をうま ていますので、健康問題を考えたり、行政としては、 く活用した健康保養といい、森とか山とか温泉、川な 世界遺産熊野の保全と活用ということを考える。われ どうまく使いながらプログラムしていこうというもの われは、この健康ブーム、登山ブ―ム等ありますが、 です。それは、単にやればいいということではなく、 なかなかうまくいかない。熊野古道はどうやら健康に 熊野には1,000年以上前から歩かれていた歴史伝 適しているのではないかという仮説を持ちながら考え 統というものがあります。それを今の科学で、ある程 ていったところです。そういう中で、熊野健康村構想 度科学的に調査して、それを今後活かそうということ というものを、正式に和歌山県の中で立ち上げ、健康 を考えてきたところです。これから、熊野の写真をい の付加価値を付けたり、観光を振興しようということ くつかお見せします。これは熊野川です。そういう森 を色々考えていったところです。 「熊野でよみがえり」 の中を歩く、横に3,4人歩いても平気で通れるよう 7 な道になっています。凸凹道もありますし、木もたく パがありませんので、ほぼ一緒ということですが、私 さんあって非常にきれいですね。これも南の方の道に 達が平成18年より開始していますこの健康プログラ なっています。中にはこういうお地蔵さんもありまし ムによる健康ウォークの参加者数は、年々増加してい て、語り部さんが、この話をすると皆さん「なるほど」 るところです。 ということで、単に歩くというだけでなくて、心にも 今後どんなことを考えているかというと、単に熊野 何かしら影響を受けながら歩いていることになります。 で健康でなくて、今言われているメタボリックシンド 実は、400m位の標高ですが、ちょっと上がるだけ ローム対策としての特定健康指導、こういうことをや ですごく見晴らしが良い場所もでてきます。最終的に っていこうと考えております。つまり、熊野で健康ウ はこのような熊野本宮大社などにお参りするというの ォーキング、熊野セラピストと語り部と一緒に歩き、 が熊野古道です。 食事をきちんとして、温泉に入る。つまり地形療法を また、温泉もありまして、これは11月~2月の間 受ける、そういうものを商品として色々な大手旅行鉄 に仙人風呂というものを作りまして、川の底から70 道会社などと手を組んだり地方紙に載せたり、会員向 度の温泉がでてきます。それを50m位せき止めて誰 けのダイレクトメールを出したり、またホームページ でも入れる、混浴の風呂なのですが、これで温泉療法 で告知をしています。これを旅行会社から申し込みを をやったりしています。また、日本で一番古いと言わ する人もいるでしょうし、個人・団体、または色々な れる湯の峰温泉のつぼ湯というのもうまく活用して、 方々に売って行くというロジック(論理)で今進めて ここに入るプログラムもやっています。これが私達の いるところです。 「熊野で健康ラボ」の当初の企画であり、女性二人が 最終的には、今日の議題の1つでもあり、私達だけ 健康ラボですから、ラボの娘、ラボっ娘と呼ばれてい では全然出来ませんので、各地の連携ネットワークが まして、人材を作っているところです。どういう訳か 必要だろうと思います。スタッフも、きちんとした科 仲間がこういうキャラクターを作ってくれて、私が真 学的な検証エビデンス(根拠)も必要でしょうし、同 ん中らしいのですが、こういう太鼓のプロであったり じ地形療法としての共通認識であったり、共通プログ 平安衣装でもてなす人がでてきたところです。また、 ラムであります。ただ全国それぞれでやる訳ですから、 近くのバス会社の方が、一生懸命やっているからと言 各地域のオリジナリティーをもって、全国に広がって うことで、このキャラクター色のラッピングバスを無 いくマーケティングになって住民の交流になっていく 料で作ってくださいまして、熊野に来るとこれが送迎 ことかと思っています。そのうちこちらでも紹介ある バスとして、今使わせていただいているところです。 かも知れませんが、11月に是非上山市の方に、熊野 ストレッチをして、楽しくこのように歩く訳です。途 に来ていただいて熊野古道を歩いて、温泉に入ってい 中では、足の裏側をよく使いますから、こういう色々 ただこうと、今年第一段と、またこちらからも由布院 な地元のものを使いながらストレッチをしたり、これ に行ったりこちらに来たりと考えているところです。 100人でストレッチをやっています。また、滝の前 でゆっくりする。暑い日は、このように川の中に入り、 ○川口氏:不勉強で知らなかったのですが、大変熱心 実はこれも昔から熊野本宮大社でお参りをする時は、 ですね。 熊野川を渡って、これは音無川なのですが、体を清め て入る。そういうのが儀式であり、それも同じように ○木下氏:そうですね。熱心と言えばちょっと紹介し わらじを履いている。これは、地形療法の考え方の一 たいのですが、年間何万人の方を案内していますので、 つでもあります。木に抱きついたり、また地元の食材 当然3㎞か4㎞、10㎞とか歩く訳です。この前も3 を使ったお弁当を提供したりしているところです。そ 泊4日の80㎞コースをやっています。どうしても疲 ういう受入のために、熊野セラピストを養成し、また れてくると、飴玉を買っていたのです。せっかくなの 温泉療法、運動療法を開発したりしているところです。 で地元のものを使って健康キャンディー、ラボキャン 観光客はどうなったかということですが、平成16 ディー、地元のみかんとゆずを使った天然はちみつの 年に世界遺産登録になりまして、それまでは日帰り客 飴を今日ロビーに置いていますので 普段より格安で が年間4万人位だったのが、世界遺産登録とともに3 売っておりますので是非。まじめに取り組んでいると 倍以上の人が来るようになりました。宿泊者数のキャ ころです。 8 水中運動のプログラムとか気候性地形療法のウォーキ ○川口氏:別に商品をPRしろというのではない、で ングを組み合わせたプログラムをして、それも昨年度 もなんか食べたことないのだけれど、パッケージおも 2回ほど経験しています。その上で木下さんの熊野に しろそう。なんか可愛いですね、熊野古道。由布院は 教えてもらいにみんなで行ったり、今年の7月は小関 どのように取り組まれていますか。 先生にお世話になり、ドイツのガーミッシュ・パーテ ンキルヘンに行きました。それが、今日一緒に来てい ○桑野氏:気 る仲間3人です。ドイツに行きまして、そこでシュー 候性地形療 教授の講習を受けているということで、これからどう 法の全国サ するかというのが先ほどからでているように、私ども ミ ッ ト に は滞在型保養地を目指しているのですから、その時間 由布院を仲 をのばしていく上でも、ウォーキングの自主運営、企 間に入れて 画、販売をおこなっていくための態勢づくりをしてい いただきま るところです。本当に生まれたばかりで、今日ここで してどうもありがとうございます。私ども先ほどご講 学んで帰り、また上山がやはり頑張ってくださること 演くださいました小関先生に教えていただきながら、 が私ども、ずっと40年以上クアオルト保養温泉地で まだ生まれたばかりです。ひよこ、卵ちょっと割れか あげている町なのですが、今上山を見ているというの けた位なので、こういう場面をいただいて本当にあり が由布院の現状でございます。 がたく思っています。この由布院ですが、改めて話し たいのは、2つのバイブルがあると思っています。由 ○川口氏:当地上山につきましては、小関先生からい 布院のクアオルトという流れの中に入っている中で、 ろいろお話しを伺いました。相当熱心にやっています。 1924年(大正13年)本多静六という日比谷公園 私も知らなかったのですが、本当にこんな各地で、全 とか明治神宮の庭を造られた先生、1日だけ講演くだ 国でやっているというのはびっくりしました。交流人 さっています。講演録が残っていまして、その講演の 口をいかに増やすか、もう尐し言葉をかえて、観光に 中で「由布院が目指すのはドイツの保養温泉地である いかに活用するかという木下さんの話で、観光という と。健康を重視した町を作りなさい、公園を作るので 切り口でおっしゃっていましたが、やっぱり木下さん はなく町全体を公園にしなさい」その他、多くのこと の話の中で各地がオリジナリティーを生かしてやって を残してくれています。もう1つのことは、1971 いくといいなという言葉がありました。やはりもう尐 年にその本多静六先生が言った「ドイツっていうのは し立ち入って聞きたいと思うのですが、熊野古道と気 どういう所であろうかと」 、それを私の父達の世代が4 候性地形療法、どこがつながっているのか。いま1つ 0代だったと思うのですが、3人で北ヨーロッパにま ピンとこないものがありまして、世界遺産 観光の側 いります。そこでドイツの保養温泉地に出会い、その 面からいきますと世界遺産をもらったのだから、この 保養温泉地の人達が言った言葉が「工場は1年ででき 上また気候性地形療法なんて贅沢じゃないですかと思 るが、でも保養温泉地は100年の計であるというこ ったりします。きっと先ほどの繰り返しになるのです とです。澄んだ空気や緑、空間や静けさ。それを作っ が、そのつながりが今一ピンとこないので、ご説明い ていくのは今生きている人達が、孫の世代を見据えて ただけると嬉しいです。何故熊野で、気候性地形療法 やっていくべきであると」 。この2つのバイブルがあり なんでしょうか。 ますが、それを持ち今1924年から1971年にと び、今2007年から小関先生に教えていただきなが ○木下氏:熊野古道が世界遺産になるってことがわか ら、この気候性地形療法への取り組みが始まっていま ってきた時に、何を商品として作ろうと考えたのです。 す。 熊野古道は、1,000年以上前から歩かれている伝統 まだ始まったばかりと申し上げましたように、20 があり、そういう建物だけではありませんので、何を 07年からの動きとしましては、勉強会や体験研修等 売っていこうとした時に健康を売っていこうじゃない を小関先生の下にやっていまして、2008年にクア かというのが始まりなのです。この健康を売るには、 ージュ由布院というクアハウスがありますが、そこで 歩く効果とか、滞在する効果とか調べなければいけな 9 い。私はほとんど、運動療法を専門でやっていて、高 ズムなのです。そこから次にエコツーリズムがありま 血圧とか糖尿病等の運動療法をやっていたのです。当 す。数年前に国際エコツーリズム年というのがあった 時は厚労省からも1週間に8,000歩、歩きましょ のですが、その国際大会を日本の福島県でやったので うとか、色々な運動が、なかなかうまく広がらない。 すけれど、あんまりエコツーリズムについては啓発さ またこういう高年齢化になった時に、寝たきりの問題 れていないような気がします。それから、健康と結び とかでてきたところです。今日一部ロビーにも見本と つけようとヘルスツーリズムです。ヘルスツーリズム して飾ってあり、脚力を鍛えようというのでステップ は、今はやりなのですが、大きな旅行のエージェント 台を置いていますが、色々な運動的な要素が実は絡ん が人を集めるだけの手段にしかならない。私から辛い できたところです。この熊野古道の健康法を検証する 言葉で言わせていただければ、本来ヘルスツーリズム 時に、実はもともとあったコースを検証したら、地形 というのは、そこに滞在してメディカルチェックを受 療法のコースになっていたということなのです。上山 けたり、健康づくりをしたり、それからただ単に国内 は、地形療法にあったコースセットをしているという ばかりではなく、国外からも来るように、そういうシ のが特徴なのです。熊野古道では、1,000年以上前 ステムにしようというのが本来のヘルスツーリズムな からやっていたのが、実は地形療法そのものだったと のです。 いうことを、調査してわかってきたのです。私達がこ その他に最近では、メディカルツーリズムという考え ういう熊野古道で検証をやった後に、実は阿岸先生と 方です。これは、日本の進んでいる医学的な検査の技術 一緒にドイツに行ったら、考え方が非常に似ていたと、 や施設を利用しながら観光をしようということです。ま 後からこの熊野古道が地形療法だという事を気付かせ た別なものに、グリーンツーリズム、ビューティーツー ていただいたということです。 リズムやエステティックツーリズム等、今いろいろ言葉 がはやっています。 ○川口氏:なるほどそういうことだったのですね。な んかピンと来ますね。阿岸先生ちょっと教えてもらい ○川口氏:その中でヘリテージというのは健康にいい たいのですが、先ほど先生のお話しの中に、ヘリテー のでしょうか。 ジ健康法、療法があるとおっしゃっていたのですね。 熊野古道というのは、歴史のところだし、本宮大社の ○阿岸氏:そうですね。たとえば、それはスピリチュ 方に行くと、あれはもう素晴らしい。本宮大社の登る アルという面が入って来ることが多いのです。神社仏 階段、僕不健康だから階段の途中で何回もぜいぜい言 閣、自然景観のよい所に行くとやはり敬虔な気持ちに ってしまったのですが、大社見て歴史 建築物すごい なって、精神的にも満たされた感じがします。大抵そ し、歩道を歩いていると肌に歴史を感じるのです。分 こは歩かなくてはいけない。これは運動療法にもなり かりませんが、ヘリテージな効果というものもあるの ます。典型的なのは、お伊勢参りです。四国八十八ヶ でしょうか?ヘリテージな効果というのが、よく分ら 所巡り、これが典型的な地形療法でスピリチュアルな ないのですが。 面もととのったヘリテージツーリズムです。この意味 で、精神的にも、心理的にも、からだの面でも健康に ○阿岸氏:国際的な組 よいということが出来ます。 織でツーリズム学会と いうのがあります。 ○川口氏:そういう意味では、熊野古道というのは最 そこでツーリズムを目 適。まさに最適な訳ですね。 的別に幾つか分類して おります。まず、ヘリテージツーリズムというのがあ ○阿岸氏:1,800年くらい前からすでに修験者が歩 ります。ヨーロッパ、東南アジアにしろ、特に東南ア いて、スピリチュアルの信仰という面、歩いて食事を ジアでは活発な活動をしています。そこでは文化遺産 取れる、今でいうツーリズムの概念が全部入っていま や自然資産、そういう物を保護しながら、そこに出掛 す。 けて行って学び、そして地元の人達と一緒になって、 地域活性化に結びつけるというのがヘリテージツーリ ○川口氏:今熊野古道と気候性地形療法のつながりが 10 ちょっととけた。上山の納得できるつながりって何で 上山では気候性地形療法を取り入れ、健康づくりを しょうか。 軸として多様なサービスを提供するということを行な っていこうと。上山には温泉がありますので、温泉保 ○桝口氏:上山は、 養地としての整備、健康づくりを軸にした温泉保養地 先ほど話しありま の整備を進めていこうというのが取組を始めた理由で したが、上山は盆 す。健康保養地の整備につきましては、多様なサービ 地なのです。山に スの提供が必要で、今はやりになっているかも知れま 囲まれています。 せんが、農、商、工、それから観光の連携が不可欠で それで、これまで すし、地元の食材の活用にもなり、また雇用も創出で 地区の方々、それから市民団体の方々が整備をしてき き、経済的な波及効果も視野に入れて今進めていると ました里山、散策道が存在しています。昨年、気候性 ころです。 地形療法のウォーキングコースを3コース整備しまし それからもう1つ大きな理由と言いますと、やはり たが、西山コースにつきましては、これまで住民の方々、 市民の健康増進を図るということがあるかと思います。 PTAの方々も含めて、ヒメサユリという植物があり 本年度は市民とそれから来訪者も対象として、気候性 まして、 「ヒメサユリを見よう会」 、 「西山ホタルまつり」 地形療法のガイド付きの月1回のウォーキングも開催 を、もう何十年も開催して、地区の方々、それから市 しております。9月につきましては明日開催するもの 民団体の方々が散策道を含めて、里山全体の環境整備 です。それから、最近葉山コースにつきましては、市 を行ってきたという歴史があります。それから葉山コ 民と宿泊者向けに毎朝ウォーキングが実施されていま ースにつきましては、葉山神社があり地区の信仰を集 す。気候性地形療法のウォーキングを体験した方々が、 めていて、その地区の方々それから旅館組合の方々も それぞれ家に帰ってから是非続けていただきたいと思 含めて、整備と管理を進めてきた地域です。それから っています。また、楽しみながら効果を実感していた 蔵王高原坊平につきましては、元々昔の蔵王信仰の地 だきたいと思って進めているところです。 域であり、それから本年34回目を迎えましたが、ク ロスカントリー大会を開催していて、上山市と県と共 ○川口氏:盆地というところからお話しいただいたの 同でやっていますが、アスリートヴィレッジ構想の下 ですが、上山は気候と地形、まさに気候性地形療法に スポーツ関係者、それから市民に利用されてきた長い ぴったりだということですね。観光を考える上で非常 歴史があります。 に重要なことと思うのですけれど、上山って全然別な 気候性地形療法の取組があるという説明を受けた時 視点から見た時に、その魅力がでるということがあり に、これまで整備してきた里山の散策道が活用できる ますが、気候性地形療法という視点から見た時に、上 のではないかと思い、上山市ですぐに適応できるので 山はおもしろい、いい所、魅力的で、ヘルスリゾート はないかと思ったのがきっかけです。 ではないかという発見を皆様から伺って感じました。 それから阿岸先生からもお話しがありましたとおり、 プラスその市民の健康増進につなげていこうという流 上山の里山はだいたい標高が300mです。それから、 れですから、ある種必然というか、古道もそうだった 蔵王坊平につきましては、1000m位の標高があり のですが、何でしょう、ぴったりだというそういう意 ますので、先ほどの阿岸先生の話になりますと刺激性 味ではぴったりということは、つまり財産ということ 気候ということになります。里山については保護性気 ですよね。交流人口によって発展できるということ。 候ということになります。多様なコースが、そもそも いいですね。由布院の必然性って何でしょうか。 上山に存在しているのだということですし、それから 里山と蔵王高原坊平の間はだいたい車で30分くらい ○桑野氏:由布院という町は、滞在してもらう町をつ ですが、これができる前にすでに駅から蔵王高原坊平 くり続けてきているのですね。ですから由布院温泉と まで無料シャトルバスグリーンエコー号が運行してい いうのは、盆地の中にどこでも温泉地であり、農村地 て、気候性地形療法を取り入れる以前にウォーキング であるのです。農村の中にどこでも温泉が出ると、で をされている市民や観光客の方もいて、下地があった すから旅館のあり方も、小規模で点在でないと無理が ということです。 ある。小規模点在の旅館が並ぶと、その間に旅館同志 11 の行き来があると、商店とか美術館がつながってくる。 ○川口氏:町の力を味わっていただける。由布院の自 そこで、いつの間にか由布院は歩いて楽しい町だとい 信がなければ言えないですね。普通でいくと「生意気 うことになります。町の中を歩くと、歩きたい方、も なこと言うな」というふうに言われればそうだろうな っと時間を由布院で過ごしたい方、そういう方たちが と思ってしまいます。気候性地形療法に関しては、ま 30年間でいらしているというベースがあると思いま だ初心者、町の力を倍加する事になるのでしょうね。 す。由布院に来ると、歩くのだという、それは外から 今、必然性というのを伺っていて、なるほどと言うの 来るお客様だけではなく、住んでいる人達も朝から夜 はよくできているという意味ですが、交流人口をいか までほんとによく歩いているのです。歩きやすい町で に増やすかという話。今日スタートして、基本的にや もあるのです。週末どうでしょうか。そのような土台 るなら土地、風土、気候、地形とのつながりっていう がある町で、滞在したいという方たちがいらっしゃる 必然性がある、文化とのつながりもある。この必然性 と、連泊とかリピーターが多いとか、そういう方たち があって、やると言うことがポイントですね。これが がこの町をもっともっと深めていきたい、もっとこの 無ければ偽もので、借りてきたものになってしまいま 町で健康を実感したい。そうなっていった時に、20 すから。 07年に出会った気候性地形療法というのは、今の地 さて、これで、そういうコンセプトに立って、せっ 形のお話しもございましたが、由布院も非常にあって かく今日は和田さんと前副知事もおいでいただいてい いるものでありました。そこで色々な出会いがあって るので、実は荒木前副知事は観光庁にもいらっしゃっ プログラムを含めて、今由布院だったらということで、 たのですよね。今えらく難しいことやっていますけど、 まだまだコース設定までは至っていないのですが、そ 生物化学なんとか、訳わからないのですが。危ない生 ういう土台が30数年の間にあるという中で、魅力を 物科学兵器みたいなちょっと怖いなと思いますが、今 もっと違う面から出すには、この出会いがあったこと のところにいらっしゃる前、健康長寿なんとか長くて は大きいのではないかと思います。 わかんないのですけれども、健康長寿を担当していま したよね、経済産業省で。要は観光の商品というので ○川口氏:由布院も大変な盆地ですよね。由布院に行 しょうか。観光としての可能性、これが気候性地形療 くと底霧といって雲海みたいな霧。美しい所ですね。 法に可能性あるかと、荒木さんに個人的関係で伺いた だから高低差大きいですしね。 いです。今、国の政策は、言ってはいけないことにな っていて、なかなか難しい時期なので、今日は個人的 ○桑野氏:由布院にいらっしゃる方が、食やそのよう な荒木さんの話にしようかなと思っています。もちろ なつながり等、保養にしていく事は実感としてあった ん和田さんもそういうふうにしようかなと思っていま と思うのですが、そこにやはり運動的なこと、それが す。阿岸先生が、最近、経済産業省という役所は、ヘ 今まで欠けていたのではないかと思っています。要因 ルスツーリズムの時代は終わった、これからはメンタ があってそれぞれのプログラムがあったのですが、地 ルツーリズムの時代だとおっしゃいました。ちなみに 域全体として今次の世代に戻ってきている中で、チャ もう1つは、医療ツーリズムと言いだしていますよね。 ンスになっているではないかなと感じています。 経済産業省は色々なことを言い出して、観光庁のなん ○川口氏:地形と気候がある。そして、由布院という か超えてやろうと批判があるような感じがしますけど、 温泉の魅力のコンセプトとして、滞在というのと歩く 観光としての可能性どうお感じになりましたか。 というものがある。これがつながって気候性地形療法、 これはなかなかいい切り口になります。 ○荒木氏:今日 は、こういう場 ○桑野氏:より本来の町の姿、町の力を味わってもら に呼んでいた えると思いますので、それも先ほどのお話ではないの だきまして本 ですが、やはり短期間ではなくて長期的に医療的な面 当にありがと からもしっかりとみていけるというのは、何よりも大 うございます。 きいと思います。 今、皆様方の話 しを聞いてつくづく思ったのですが、気候性地形療法 12 ですか、これを活用して観光振興を図るとか、そうい をしておられる方々の参加を得ることによって非常に うことで気候性地形療法というのは、やはり見ないと、 たくさんの確実な情報が得られると思いますので、地 まだ言えないと思います。新しく入ってきた言葉のよ 域の方々と一緒になって参加するというのも大変大事 うには見えるのですが、お話しを聞いていると、中身 なのかなと思います。言ってみれば「あそこの地域の は結局日本の昔からの温泉地ですとか、熊野古道のよ 人達って、すごい長生きするんですよ」とか、 「女性は、 うなスピリチュアルなお参りをする場所、ヘリテージ すごい肌がピカピカで、すごく若く見えますよ」とい ツーリズムっていう話しありましたけども、そういう うような話しがでてくる地域、これは非常に行ってみ 場所を考えると、名前はそういうふうには言われてな たくなるということだと思いますので、言葉だけじゃ かったかも知れません。まあ昔からあったことなのか なくて、やはり実績のようなものが積み重なった部分 なあという感じが非常にしております。ですから、新 をどうやって作っていくのかということが、たぶん必 しい現代的な視点から発見をしているという、いわゆ 要なのではないかと思います。 る再評価というか、また新たに見直して現代版に作り とは言うものの、やはり一方で楽しさもないと、人 かえていくということなのでしょうか、ちょっと今皆 間数字を見てこれは良いかなということだけではなか 様方のお話しを聞きながらつくづくそう思っていて、 なか動かないのではないかと思います。先ほどこれも そういう意味では別に何かすごく新しいものをうちた 阿岸先生のお話しの中にありましたが、やはり体にい てるということではないのかなと思います。逆にその いと分かってきても、なかなか人間行動に移すという 昔からの良い観光地と言いますか、そういうところが のは大変なところがありますので、やはりモチベーシ 持っている、正に気候的な特性ですとか、地形的な文 ョンと言いますか、きっかけというのがすごく必要か 化ですとかスピリチュアルなところ、そういうものを なと思っていまして、そこがやはり観光地として持っ さらに生かして、先ほど副市長からお話しありました ている地域の歴史的な物、あるいはスピリチュアル的 が、住民のためにその魅力を外に発信してたくさん来 な物、あるいは気候や景色という特別な物、たとえば ていただくということで、特別なことでもないのでは ウォーキングであっても、やはり東京でやるのではな ないかなと思っています。ただ、たぶんこれが今まさ くて、上山に来てウォーキングしようかと、しかも1 に芽をふいたところでもあるかと思いますけども、幾 日とか2日とかということではなくて、ある程度長く つかやっぱり現代的な視点からやっていかなければい 滞在して健康にもいい楽しみもいっぱいある、そのよ けないことがあるのかなと思って聞いていました。 うなことを作っていくことが、交流人口の拡大という 1つは、今回熊野古道さんもそうですし、上山でも ことには必要なのかなと思っています。 そうだと思いますが、由布院さんもこれからなさる可 ちょっと長くなって申し訳ありませんが、私が医療 能性あるかと思います。やはり健康にいいとか言って 福祉関係の仕事をしていた時に、福祉の先進国北欧に も、たぶんそれだけでは、なかなかそういうものって 行ったことがあるのです。フィンランドに行ったので 世の中にいっぱい溢れておりますし、場合によっては すが、真冬の厳寒期のフィンランドということで凍死 その言葉だけ踊っているということもありますので、 するのではないかという思いで行ったのです。実は福 やっぱり最後に残っていくと言うものは、ほんとうに 祉の制度素が晴らしくて、仕事をして大変いい勉強に 確かなものが残っていくのではないかと思っています なりました。実は私が一番感心したのはむしろ健康づ ので、先ほど阿岸先生の講演の中にもあったかと思い くりとか予防というのでしょう、広く英語でリハビリ ますが、エビデンス(根拠)と言うのでしょうか、医 テーションという言葉が、たぶん日本人の考えている 学的なあるいは科学的なものに基づいたものをどれだ リハビリテーションよりもっと広い意味を持っていま け出していくかということも大変大事なことになって すので、リハビリテーションという言葉で対応される くると思っています。そういう意味では、数百人レベ 事だと思うのですけれど、そこに非常に力を入れて、 ルとか参加した方々に、たとえば血液など話しありま ちょうど私が10人くらいの調査団で行ったのですが、 したが、どのように健康にいいのかといったことを具 正にリハビリテーションホテルというホテルがあり、 体的な数字、エビデンスで示していくということも必 そこに3日間泊まりました。最初予定表を見た時には、 要なのかなと思っています。その時には、たぶん外か 実は非常に何も周りになさそうな所で、3日間しかも ら参加される方だけではなくて、やはりその場で生活 雪に閉ざされた中でリハビリテーションホテルなんか 13 に泊まってどうするのだろうという感じがしていたの 有効かということをきちんと確認した上で、先ほど人 ですが、これが非常に良く出来たプログラムを、私に 材の話もありましたが、そういうことを指導出来る人 提供してくれたのです。1つは、正にフィンランドと を、いかに育てていくかということが大事かと思いま いうとサウナが有名なのですが、日本と同じような文 す。 化があるのです。言ってみればサウナに入りながら語 らうようなもので、かつ、サウナというのは正に文化 ○川口氏:素材、要素、つまり観光に活用していこう に合っているなと思ったのです。非常に寒い厳寒期に、 というには、素材としていいのではないかということ 私は朝と晩と毎日毎日入ったのですが、毎日入ってい ですね。ただしそれにより魅力化する必要がある。魅 ると日中マイナス30度とかそういう寒さだったので 力付けするためには、エビデンス(科学的根拠)とか、 す。外に出てもちろんすごく着込んでいるのですが、 今サウナという話を伺ったのですが、お客さんの実感、 全然1日寒く無いのです。体がポカポカしていますの 良かったということ、これがあるとより魅力が明快に で。向こうの人は結構雪の中でもぐんぐん歩いている 分かりやすくなって、可能性がでてくるのではないか のですが、スキーではなくてスキーのストックだけを ということ。そういう感じですかね。 持ってノルディックウォーキングと言いますけど、夏 もう1つ、楽しいのはいいのでしょうね。これも重 でもやっているのですが、冬でもみんなああいう形で 要だと思うのですが、和田さんはイギリスに2年いら 歩いているのです。そういうウォーキングも含めた体 して、ドイツにこういうクアオルトがあるのですが、 験を通じて、その行為自体はたぶんそんなに面白いこ イギリスにもあるのでしょうか。 とではないのですけども、林の中を歩くという経験が、 リフレッシュして健康にいいということと、先ほど由 ○和田氏:旅行商品みたいなものを見たことがないの 布院の方でもトライアルが始まっているとおっしゃっ で、ないのでしょう。 ていましたけど、水中ウォーキングということ、そう いうこともリハビリテーションの中でプログラム化さ ○川口氏:イギリスで一時ヒットしたプロバンスの何 れていまして、きちんと指導員がついて指導していま とかっていう本があります。暖かいプロバンスに行っ した。要は、そういう様々なプログラムがたくさんあ て、寒いイギリスの人ならではですね。逆に悲観して って、その中から先ほどこれも阿岸先生のお話ですが、 暖かい所に行くよと。イギリスなんかでは、こういう 個人の状況に応じてアドバイスをする人がいて「あな クアオルトとかそういう考えあるのでしょうか。 たはこういうのをやった方がいいのではないでしょう か」ということで、日替わりで色々なものを提供して ○阿岸氏:現在はないといってよいでしょう。イギリ くれるということを見て、大変私は感銘を受けました。 スはかつて、古代ローマの時代からバースなどの温泉 しかも、これが正にドイツと同じで保健組合からお金 があり、20世紀くらいまでは結構温泉療法はやって がでていて、毎年例えば1年間のあいだに2週間から いたのです。たとえば、19世紀のビクトリア女王の 3週間は義務だというふうに言っていましたが、そう 時代などは特に盛んでした。ビクトリア女王はリュウ いう所に行ってリハビリをするということが、いつで マチを患っており、レミントンというスパ(温泉保養 も色々な職員組合で決まっているという話しでした。 地)に通ったり、一時はそこで政治の仕事も行なった 私が行った時に、色々な話しをさせていただいた方々、 ことがあるといわれております。ですからロイヤルフ 中には警察の組合、教職員の組合の方々とかいらっし ァミリーご用達ということで、ロイヤルレミトンスパ ゃったのですが、その方々は皆さん1年間に1回1週 といわれております。でも数年前にヨーロッパを中心 間そういうところに行って正にリハビリをするという として国際温泉医学学会がありまして、そこで現在 ふうにおっしゃっていました。これは、単に身体的な 色々な国がどういう温泉をどういうふうに使っている トレーニングだけではなく、むしろ精神的なストレス か、現状を話すというシンポジウムがあったのですが、 の多い職場の方々には、精神的なストレスを解放する その時イギリスの発表者は、 「私たち、温泉学は終わり といったことも含めているという話ですので、そうい ました。全てリハビリテーションに移ってしまった」 う意味で日本でもこういうことを進める上では、その と言っていました。 日本も、かつて6ヶ所の国立大学で、大学レベルで プログラムをどういうふうに上手に改造して、いかに 14 温泉気工医学の研究所があったのですが、今全く無く なってしまってリハビリ医学ということに吸収されま ○川口氏:実は先ほど基調講演の阿岸先生のスライド した。 を見てものすごく気にいったのがあるのですが、最後 のカットをすごく気に入ったのですけれど、看板にお ○川口氏:気候性地形療法だとか、クアオルトだとか じいさんのような人が歩いてきて、帰る時しゃんとし の発想というのは、今はイギリスにはないみたいです て帰っていったものありましたよね。あれが物語って ね。 いる。すごく難しい言葉を覚えてしまって、あの絵を 観光庁というよりも観光としてお話を聞いて、気候性 みて、まずいいところではないかって、すごくいい看 地形療法のお話しを聞いていて、観光としての可能性、 板だなって思います。だからきっとあのような伝え方、 あるいはこういうふうにしたら魅力になるのではない 今、和田さんおっしゃったネーミング、もうちょっと ということは、いかがでしょうか。 なんとかならないかという話でしたけれども、あの絵 は一発でわかります。あのようなクアオルトというも ○和田氏:観 のが、今日本にあるか、ないかと言うとなかなか無く 光旅行とい て、あの看板が掲げられる地域ってありますか。阿岸 うと、昔はバ 先生のスライドをいただいて、かみのやま温泉も看板 スに乗って にしちゃう。看板をつけたからにはエビデンスとかっ パッケージ ていう話で実感ということからいけば、あのようなも ツアーです のありますか? ね。観光地名 所で降ろされてそれを見るだけっていうのが多かった ○桝口氏:上山で今やっていますのは、地元に山形大 と思うのですが、最近ではいろいろ自分で経験してみ 学や東北芸術工科大学等がありますので、上山の地域 るとか、そういう着地型商品が増えてきているという 力って言いますか、もうちょっと結集して、市民から ような状況になってきています。それで世の中健康ダ も色々な方々の知恵を借りながら、これから作ってい イエットブーム、それから温泉も人気がありますので、 きたいと思います。 そういうパーツを考えると、商品価値としての魅力は あるのではないかと思います。これは、市場、国がこ ○川口氏:あれだけの看板を掲げるっていうのは大胆 れはいいと言って旗を振るのは、実際に行かれる皆さ な訳ですよ。あの看板掲げられるような所に、もし日 んが価値を決めるということになると思うのです。私 本になければ上山がなったらすごいよねって思ってい は一消費者として、意見を言わせていただけるのであ るところです。あのサイン、やっぱり由布院掲げられ れば、まず最初に川口さんがおっしゃっていましたけ ますか。 れども、ネーミングが難しすぎてしまって、これで一 体何が得られるのかな、分らなくなるということがあ ○桑野氏:あの看板すごい。うちのメンバー ドイツ るので、たぶん今はいろいろ研究されている段階だと に行ってあの看板を持って帰って、スライドでね。 思いますが、世の中の人にやっぱりこれは行ってみた いねと思われるようなネーミングで売り出すとか、そ ○川口氏:危ないね 由布院は。 ういう工夫はいるという気がします。荒木さんも先ほ どおっしゃっていましたけれども、エビデンス「そん ○桑野氏:あの姿はやはりあこがれですね。一番分か なに改善するなら行ってみたいね」と、それから気候 りますし、まず上山がリードしていただかなくてはと と地形とこの他に食べ物ですとか、いろいろこの地域 思います。 で売りになるものがあると思うのですが、そういう物 を色々組み合わせて、これは是非上山に行ってみたい ○川口氏:あの商品化、観光の魅力となってくると木 な、というような商品が作られていくのであれば、お 下さん、先ほどのスライドの中で商品化という言葉を 客さんがいっぱい買ってくれるのではないかなと思い 使っていますよね。これを商品化するための苦労、商 ます。 品化の努力はされておられる。それが結び付いたかと。 15 本当に交流人口増えたか、その点どうでしょうか。 ィネーターはだんだんいいものだと思いはじめている 訳ですね。無理やり話しを進めようとしていますけれ ○木下氏:実は私ども毎月毎月、または毎日毎日プロ ども、残念なことにネーミングの話がでていましたが、 グラムやっていて、どんどん人が増えていく。また、 今日来た人達、和田さん、初めて聞いたでしょう。経 リピーターが6割以上で、そういう意味では地形療法 済産業省はいつも知ったかぶりの経済産業省。 「私は知 という言葉は使わないのですが、熊野で健康ウォーキ っていました」なんて言っていましたが、和田さんな ングという言葉を使い色々な所にPRしていく。色々 んか正直だからね。私は知りませんでした。やっぱり なアンケートをとってみますと、初級者コース 中級 これを知らせて、知らせないことにはどうにもならな 者コ-スと色々なコースがありまして、1回来た方は いですよね。いくら普及しようと商品片方で作る、片 中級、上級に移っていくのです。今まで健康に気にし 方で知らしめる。これなんか知恵ありませんかね。一 なかった方が、健康に気をつけるようになった、歩け 消費者としてはいかがでしょうか。 るようになったということがでてきています。 ○和田氏:やはり単純な名前にして、かつ、何となく ○川口氏:先ほどのエビデンスの数字、統計見せても エッセンスが出ているような名前にするということ、 らって、由布院の滞在型宿泊者あんまりのびていない。 当然あると思いますけれども、その地域の皆さんが参 先ほどのスライドの下にグラフがあって、健康ウォー 加するという話も先程ありましたが、地域の皆さんが キング参加者は増えているのですが、宿泊者というの 参加して、それで皆さんがとっても元気な姿を報道で は横ばいだったのですね。意地悪いでしょうけど、そ 取り上げてもらうとか、そういうこともいいと思いま ういう所だけ見ているのですが、そこが増えてくると すし、幸いにして由布院や熊野という仲間もいること ほんとにいいなと思うのですが、いかがでしょうか。 なので、そういう連携を世の中に示していくとか、そ のような方法でみんなに知ってもらえるようにしてい ○木下氏:僕らが今やっているのはキャパシティの問 けたらといいと思います。 題もありますが、多くの方が白浜に泊まって熊野古道 を歩いて勝浦に行くという、これ実にいい旅行なので ○川口氏:たまたま今日は一消費者ですから、たとえ す。また、 「次に来た時は1回泊まってよ」ということ ばそのことは国が知らしめる、世の中の人にね。そう で、全てうちで受け入れようという気がなくて、地域 いうチャンネルというのはあるのでしょうか。たとえ 連携でやろうかと思っています。また、隣りの奈良県 ば観光庁は、こういう新しいものというか、経済産業 の戸塚とも連携して、どちらでもいいですと言ってい 省の荒木さんには、 「いや昔からあったものだから決し ます。とにかく私は健康ラボという所にいますので、 て新しくないわよ」なんてさっき言っていましたが、 健康ラボに人が来てくれるようにしようというのも当 やはり国は世の中に広めようと思った時に、広めると 然あるのですが、全体として人が増えてくれたらいい いう上でのチャンネルいろいろあると思うのです。な かなと考えています。 んかそういうこと聞いたことありますか。よその役所 でしょうけれども。 ○川口氏:小関先生の話で平均して3.5泊以上とあ ったのですが、3.5泊以上、やはりプログラムって ○和田氏:私、先週観光庁に来たもので偉そうに語る いうお話が荒木さんからありましたけれど、何泊か、 資格が全くないのですが、横で同じ役所で見ている限 3.5泊、4泊、5泊するとプログラムの組み方もお り、たとえばベストプラクティスという全国の成功事 のずと違って来ますよね。今日来て健康ウォーキング 例をいろんな形でまとめて、いろんな所で発表すると して、今日帰ってしまうという人、1泊して、3泊し か、国土交通省のホームページにのせるとか、そのよ て、4泊していったらプログラムの組みようが結構あ うな形でみなさんに知っていただくというのがあると るし、ドイツのクアオルトっていうとそういうことな 思います。また今日のように色々な形でシンポジウム ので、宿泊とか滞在につなげていけるといいのではな が行われている。そこで成功事例を発表して、ああ良 いかと思います。これほどいいものだという感じは いね、うちもやってみようかというような形で信用し お客さんは思っていないかもしれないけれど、コーデ てもらうという手法というのはあるのではないかと思 16 います。成功事例というのは、地域で頑張って取り組 という会員がいます。それで、そこの方々の悩みとい んで地域住民の方も参加して、熱が入ってそれが1つ うのは、これから高齢化していく中で、やはりどうし の成功事例モデル。こうなるとベストプラクティスを ても医療費が増えていく中で、やはりこの会員、健康 広げるきっかけがつくっていけることなのでしょうか。 保険組合員及び家族の方々が、できるだけ元気でいて ほしいと当然思っていますので、そういった中で何を ○川口氏:予算はあんまり持ってないけれど、世の中 したらいいかということは、かなり真剣に考えるよう に知らしめることに関しては、ピカ一の経済産業省と になってきていると思います。昔は若い人が多ければ いうのがありますが、荒木さん、前副知事として、一 そんなに気にならなかったことが、やはり高齢化に伴 観光客として、なんか世の中に知らしめるアイディア って出ていくのが多くなるということになりますので、 がありますか。 健康づくりは、家族を含めて非常に真剣になって考え ていく。ただこういう健康づくりに関して、実はいろ ○荒木氏:これは難しいなと思っていたのですけれど んなトライアルをされていて、色々な補助制度を出し も、いわゆる気候性形療法という言葉というだけでは たりしているようですけれども、そのような対象にな なくて、はっきりグリーンツーリズムと言い換えても る可能性があるかと思うのですが、よく言われるのが いいかもしれないのですが、観光の部分に、力点を置 本当に健康になるのかどうかというところです。分か くか、健康の部分に力点を置くかによって、PRの仕 らないとお金を出すのはなかなか難しいという話しを 方やあるいはどのように誰に向けてどういうふうにす よく聞きますので、おそらくそういうところをもしP るか、観光という事であれば、私自身としましては先 Rされるとしたら、何か証拠になるものをはっきり出 ほどのフィンランドの例やドイツの例もありますが、 していくという事が、必要になるのではないかと思っ 何らかの形で、たとえば健康保険組合ですとか、医療 ています。 費をなるべく使わないでとにかくみんな元気にしてい るほうがいい。これは保健組合のことだけではなくて、 ○川口氏:おっしゃっていることが十分分かりました。 全ての国がそうであるかも知れませんが、何かそうい もう1つ分かったことは、相当に疑っていることが分 うところに働きかけるとか、理解をしていただくとい かりました。信じてないな、北海道大学の阿岸を知ら うことも1つのこれまでとは異なったことです。ある ないなと。冗談はともかく、保健組合等とうまくタイ いは今までももしかすると九州の方でやってらっしゃ アップしていくのはいいことだっていう話と、今のエ るのかも知れませんが、おそらくまだこの分野という ビデンスという話からいくと、この元気再生事業、2 のは本当にどれくらい健康にいいとなっているかとい 年で実証、実験を相当やられて、阿岸先生、それから うことについて、必ずしもそのエビデンスを出すとこ 小関先生の根本的な裏付けといいましょうか、そうい ろまでいっていないのではないかと思います。その部 うことも補強した分、私はこの2年間でやった成果が 分で、もし仮にみんながわかるようなエビデンスがで エビデンスというもので、要はその2年間の成果が世 てくれば、むしろ健康保険組合等の保健関係、そうい の中に対するプレゼンテーションとして説得力のある うところに対するPRもあるのではないかと思ってい ものにまとめられたら、そうとう力が強いよねという ます。 ことだと僕は思います。せっかくの元気再生事業でや ったことは、そこに落とし込んで次の展開といいます ○川口氏:ドイツは、その先ほどお話伺って、健康保 か、次の世の中に広めるプレゼンテーション、つまり 険が適用なるという話しありましたよね。そういうサ あの荒木さんが納得すれば世の中納得すると、私は受 ポートや取組、可能性あるのでしょうか。 け止めたところです。阿岸先生よろしくお願いします。 なかなか信じない荒木氏ですから。 ○荒木氏:たぶん私がお聞きしているのは、企業の健 康保険組合も色々あり、自治体でもっているところも ○阿岸氏:大反論というか、尐し話しさせていただき 結構赤字で大変だとは思うのですが、たぶん共通の問 たいのですが、私、実は、今年5月から7月にかけて 題だとは思います。たとえば、ある非常に大きな企業 ヨーロッパの温泉を中心とした色々な施設や向こうの の健康保険組合ですと家族も含めてそれこそ数十万人 専門家の人達と会って、自分も体験してまいりました。 17 その中で一言でいえますのは、温泉療法は新しい医療 とウエルネスの考えを組み合わせた動きがあるという ○川口氏:実は端的に問題点を広めるため、問題点を ことです。特にオーストリアの温泉地が現在建設ラッ 拡大させるための問題点。実際そうだと思います。そ シュです。何故かと言うと、実は今お話がありました ういう意味では、気候性地形療法で内閣府の元気再生 健康組合や保健組合が、従業員のため、家族のためと 事業を始めた訳で、2年間でとりあえず国の補助もな いうことで特別のクアホテル又はレハホテル(リハビ くなる今期で、この2年で色々なデータを得られまし リ用ホテル)といいますが、そういうものを作ってい たが、これを基にまた持続していかなければならない。 ます。一部は、専門医が認めると3週間の医療費を出 熊野の木下さんのところは、どんどん実践という事で す。それから、その他にも一部助成するという施設で やられておられる。実はあとわずか残された時間でし す。特に私は、オーストリア十数カ所行きましたけれ て最後まで結論に大急ぎでいかなければならない。何 ども、オーストリアの共通していることは、まず、国 とか頑張って持続して継続させて、ほんとに日本の中 や保険関連組織が一生懸命になっていて、きちんとし で位置付け、ポジションをとっていくためにはどうし た健康保険を提供するということ。それから、大学が たらいいか。このアイディア何かを考えていたなら、 温泉医学、自然療法というナチュラルサイエンス、そ 1分ずつまとめていただければと思います。もうすで ういうことに非常に前向きで学問的な裏付けをしてい にその話しが終わる頃には、アイディアがあるような、 る。そして地域が建築やサービスの提供で地域活性化 桝口さんから伺います。 を図っているということです。 日本は残念ながら温泉医学というのは極めて低調で ○桝口氏:最近同じような気候性地形療法を取り組ん すが、これはやはり国が、たとえば温泉療法などを全 でいます福島県の岳温泉や栃木県の那須塩原温泉に視 部リハビリに一緒にしてしまって、その中に温泉の価 察に行ったのですが、どの地域も試行錯誤しながら行 値を認めない方向になってきています。 っているのが現状です。色々な要因、課題がありまし しかも 経済効率ということを考えると、そういう て、例えばお客さんを呼ぶことができていない等の悩 ことを研究してもあまりお金にならない。それから国 みがあります。解決方法、ノウハウというのがありま も、金銭的な面ではメリットがない。むしろ、それよ すので、その情報共有が1つのカギを握るのかと思っ りも分子レベルの研究した方がいいと、どんどんそち ています。1つは先ほど熊野でもありましたが、ガイ らの方になっていくのです。ですから私は、簡保の宿 ドを付けながらウォーキングしているのです。先ほど 等、こういう既存の物を上手に利用しながら、そこに 荒木さんからもありましたけれども、楽しみを感じな 魂を入れ多彩なメニューを提供すればいいと思ってい がらやらないとなかなか満足感を感じないとか、次か ます。 らお客様、リピーターになってくれないということで 今ドイツでは、メディカルウエルネスという新しい すから、前に進む1つの方法はガイドだと思っていま 動きがあります。一言でいうと、メディカルというの す。ガイドが上手く楽しめるようにウォーキングをす は健康保険がきいて、医者が処方して効果があると言 ることです。やらされ感みたいなことを感じさせない われてからお金を出す。ウエルネスは、自分でお金を でガイドをするというのも1つの方法だと思います。 出して健康になる。今メディカルとウエルネスが一緒 ウォーキングをする人が皆なで効果を共有ウォーキン になって、温泉とか海とか森林などを積極的に利用し グで効果を実感された方の中から、ガイドを育成して ているような動きになってきています。 行くというやり方もあると思っています。 日本ではなかなかこのような領域の研究には理解し また、山形県内は、どの地域でも、市町村全てに温 てくれません。本当の温泉気候療法や健康づくりには、 泉と里山を有しますので、上山の例が1つのモデル地 3週間から4週間くらい続けなければなりません。し 域になると思いますので、どんどん山形県内に情報発 かし、今までの温泉療法や地形療法について実証研究 信をしていきたいと思っています。県内のそれぞれの では3泊4日くらいで、その前後でやって血圧が下が 地域でも取組が始まり連携を行っていくことが、今後、 った、ストレスホルモンが尐なくなっただとかそうい 発展的に継続する1つのやり方、方法ではないかと思 うレベルの研究しかできないような費用しか出ないと っています。 ころにも問題があると思います。 18 ○川口氏:情報共有、ノウハウを含めた情報共有、と 熊野ばっかり行っている。なんか我田引水みたいなね。 りあえず県内に発信して広めて行くということですね。 なかなか荒木さんに輪をかけた詐欺っぽいのもありま すね。 ○荒木氏:私、エビデンスの話をしましたので、別に あの締めた訳ではないのですが、やはり継続のカギは、 ○和田氏:要するに認知度を上げて、たくさん来ても 私自身1つ何かあげるとすると、やっぱり住民の方々 らうということかと思います。それで、今まで出てい の参画ではないかというふうに思っています。住民の ない視点として2つ言わせていただきたいと思います 方々がこういうことを、自ら上山でやることによって、 が、1つは外国人に来てもらったらどうかということ それが先ほど長い時間がかかるとお話がありましたけ です。山形県は残念ながら、外国人の宿泊数が全国で れども、いきなり観光客の方に、2週間、3週間とい 下から7番目。ちょっと昨日データ見てみたら下の方 うのはちょっと難しいと思いますので、やはりここの だったのですね。訪日外国人の3/4がアジアから来 場に住んでおられる方々が、自ら実験台となってと言 ておりまして、アジアの人達は結構温泉に認知度を上 ったら失礼ですが、そういうことを示していくという げていて、そういう人達を取り込むためにビジットジ 意味でも住民の方々が参加をして続けていく。その中 ャパンキャンペーンをやっていますから、それと連携 で、その観光の魅力を高めることと一緒になって、こ していただいて宣伝していくというのが1つ。もう1 の気候性地形療法というものを発展させて、プログラ つは、広域連携をしたらどうかということですが、な ムを開発したり、人材育成につなげていくことを期待 るべくたくさんの泊数を旅行に使ってもらおうという しています。 ことで広域連携をしてもらっています。観光圏整備法 というのを作っていますけれども、こういう中で指定 ○川口氏:まず住民からだろうと。みんながいいなと を受けて何泊か来るうちの1泊は歩いてもらうとか、 思えば広げられる。木下さんいかがですか。 そんなメニューの1つにしたらどうでしょうか。 ○木下氏:1つはすでにやっていますのが、制度を利 ○川口氏:外国人ねらい。それから、地域、広域、徹 用するという事ですね。実はその健保組合に対する特 底ですね。ストレートな答えでいいですね。桑野さん。 定保健指導、一つのプログラムとして利用しています。 6ヶ月間にわたる積極的支援、該当する方に対して熊 ○桑野氏:気候性地形療法ですね、上山に引っ張って 野へ連れて行って集団指導する、熊野から通信指導す いただかないと困るので由布院からエール送っていい ると、きちんと保険で認められますのでお金になる訳 ですか。 です。そうすると地元の私達の雇用している人が継続 できるということになります。もう一つは、田辺市が ○富永希一氏(由布院温泉観光協会副会長) :観光協会 国民健康保険の特定保健指導に対する人を募集すると の副会長をしています、由布院から来ました富永と申 いうことで、今働きかけています。もう一つは、向こ します。 うに行く人を待っている訳にはいきませんので、私は 由布院は、先ほど話されたみたいに滞在型、それか 和歌山市内にウォーキングクラブを作りました。これ ら生活型の保養泉地を80年間目指して来ました。そ は和歌山市内だけを歩くのではなく、色々な健康づく れが尐しずつ認知されて多くのお客様に来ていただい りの情報、やり方を教えて定期的に熊野に連れて行く ています。多くのお客様に来ていただくことになった ための仕掛けを作っています。熊野を歩くけれども、 反面、やはり山が消え、緑が消え、自然が消え、色々 たまに六甲にも行く。たまには京都にも行くと、色々 と景観が悪くなり、交通問題悪くなってきているのが やりながら、いつの間にか結局熊野ばっかり行ってい 現状です。 るということ。そうすると非常にいいプログラムにな クアオルトって一体何なのかと思って、小関先生と るという事でこの2つをやっています。 2年前からいろいろお話しをしていく中で、ドイツに 先日行かせていただきました。それで、医療との連携 ○川口氏:なるほど、ウォーキングクラブっていうの とか色々な事を模索しながら今始めたのですが、小関 を一般化しておいて、そして色々な所に行って、でも 先生に教わって、たぶんドイツというところに教わっ 19 たほんとのクアオルトというのは、気候性地形療法と それからもう1つは、バブルの時、リゾートいっぱ いう名前はそのまんまで、気候性地形療法を使って僕 い出来ましたけれど、これヘルスリゾートという言葉、 たちが健康になる、住んでいる人が健康になる、訪れ 今日阿岸先生から学びましたが、明らかにバブル時代 る人が健康になる。もちろんそうなのですけれど、気 のリゾートとは違う医学が入っている。医学が入って 候性地形療法を使って健康になった人が、今度やっぱ いることにおいて、大きな違いで、私つくづく感慨深 りいい気候といい地形を守らなきゃならない。利用し いのですけども、底の浅いリゾート時代は終わって良 ていい気候があっていい地形があって、初めてこの療 かったと思います。これで医療と結びついて、ドイツ 法というのがなるのかなと思っています。僕たちは、 のクアオルトが実態化していくとすごくいいなと感じ これを広める中でみなさんと一緒になって、いい気候 ました。荒木さんのおっしゃったこと、誠にそうで、 といい地形を守るための療法だと思って、これからも いかに具体としてのプログラムを作るかということが 頑張りたいと思います。気候性地形療法は、たぶん地 重要だと思います。コピーで、キャッチコピーで終わ 球を守る療法だと思っています。 るなということですね。これは大事なことだと思いま す。それで、やるならば本物目指そうねと言うのが本 ○川口氏:まとめられてしまいましたね。私の仕事な 日の先生方の共通の意見だと。僕は強引に締めたいと くなってしまいました。さすがですね。 思いますが、一過性の流行の新しいもの好きで終わる さて、持続するためにはどうするかという点で、 ようなテーマじゃないと、このことは大変難しいけれ ・桝口さんの情報の共有、県内に広める。 ども大変本質的なテーマなのでじっくりと腰をすえて ・木下さんの 健保組合を作って具体としてやる。ウ 本物にしていくという態度や姿勢が必要だろうという ォーキングクラブを作っていっぱい引っ張り込む。 ふうに感じました。 ・荒木さんの 住民参加を徹底してやる。 ・和田さんの 認知度を上げる。外国人ねらい。広域 連携しよう。 ・桑野さんの 由布院は地球の療法。地球のプロジェ クト。 由布院の昔々の人達が100年かかって作ったぞと いう話しありました。やはりその新しいというか、ド イツの歴史あるものを広め、定着していくというのは 2年や3年で出来る訳ではないし、やはり10年位か けるつもりで、そのような形でしっかりと育てていく 姿勢が必要かと思います。その意味では横戸市長に再 選していただき、市長でずっといていただいて、地形 療法とともに名を残す横戸長兵衛という形になってい ただくといいなと思います。 20 気候性地形療法の普及講習会の開催、指導者の育成 1 気候性地形療法を取り入れたウォーキング普及講習会 (1) 目 的 市民等を対象に、気候性地形療法の普及・啓発を図るために、7月から11月までの間、季節 に合わせたコースを選び、ガイドの同行による気候性地形療法のウオーキングを開催した。 (2)< 開催状況 > 合計 6回 参加者総数 476名 □ 7月19日(日) 坊平コース 70名 □ 8月31日(月) 体文センター(雨天) 55名 □ 9月27日(日) 坊平コース(全国サミット)100名 □ 10月15日(木) 葉山コース 55名 □ 11月15日(日) 西山コース 61名 □ 3月13日(土) 葉山コース(市民報告会) 135名 委託契約前に関係機関と協議会が連携し独自の事業として実施 □ 5月23日(土) 西山コース(駅ハイ) □ 6月 6日(土) 西山コース(ゆうがく塾)20名 □ 6月 7日(日) 西山コース(スポレク祭)30名 合 70名 計 120名 (3)成果等 ・ 参加者は、上山市周辺だけでなく、仙台市や会 津方面からの参加もあり、リピーターが多かった。 みんなで歩くことで、楽しく歩け、徐々に交流が 広がってきて、参加者の評価は、結構高かったと 捉えています。昼の弁当も楽しみの一つでありま した。 ・ 西山コース 葉山では、6 月から毎日地域の人たちの自主的な 早朝ウォーキングがはじまり、新湯地区では 9 月 から週 3 回の早朝ウォーキングが取り組まれ、観 光客も気軽に参加できる状態となっている。 その他青年会議所やモニター参加者有志でのウ ォーキングなど、様々な波及効果が見られた。 ・ 新年度のウォーキングの問合せも結構あり、市 民及び周辺の方々の関心は着実に高まっている状 況です。 蔵王高原坊平コース 1 西山コース 蔵王高原坊平コース 2 気候性地形療法ガイド育成講習会 (1) 目 的 上山市を気候性地形療法の活用による健康づくりの新たな温泉保養地にするための気候性地 形療法によるウオーキングを指導できるガイドの育成。 (2)開催状況 *市内の方 16名(女性7名) □ 9月19日~20日、10月2日~4日 □ 講習の内容 ・ ・ ・ ・ ・ □ 気候療法、運動と健康、温泉と健康 上山の自然環境、健康保養地・上山クアオルト構想、気候療法実技 現地講習:特徴的な西山の植物と生物 上山の歴史と文化、気候療法実技、現地講習:蔵王高原坊平の植生 上級救急救命講習(消防本部) 冬期講習会 冬期間に蔵王高原坊平の雪原又は樹氷原での気候性地形療法のウォーキングを実践し、 市民又は来訪者をガイドできるように講習会を1月21日、2月3日、2月24日、3月 8日の計4回開催した。 □ 上山市気候性地形療法ガイド認定証 ・ 平成22年3月13日 認定証交付 15名 (3)成果等 ・ 目的意識をもった方々が16名受講され、研修を熱心に受講された。気候性地形療法の取 組を始めて2年目であるが、市民の関心の高さが伺えた。 ドイツや熊野の事前研修という位置づけ、ねらいどおりの効果が得られた。 ドイツ、熊野の研修を経て、知識と経験を重ね、意識の高いガイドが育成された。 体育文化センターでの講義 西山での現地講習 消防本部での上級救急救命講習 蔵王高原坊平の樹氷原での冬期講習 2 3 熊野古道視察研修 (1)目 的 健康ウォーキングやヘルスツーリズムの先進地である「世界遺産 熊野古道」及 びそこでのガイドを視察し、上山での気候性地形療法ガイド育成とその資質向上 を図る。 (2)日 程 (3)視察内容 平成21年11月17日(火)~21日(金) 和歌山県田辺市 世界遺産 熊野古道、熊野世界遺産センター 熊野本宮大社、世界遺産センター、那智大社、速玉神社等 (4)参 加 者 19名 (5) 熊野古道視察概要 「熊野で健康ウォーキング」プログラム ・旅行業者と一緒に企画し通年のプログラムを組み、リピーターを増やしている。 ・宿泊とウォーキングのプログラムを、それぞれの旅館が企画して それぞれで実施する「スティ&ウォーク」に取組んでいる。 ・押印帳を持ち、スタンプラリーを行いながら進み、最後には完歩証明 をもらうことができる。また、プログラムには多少きついコースもあ り、歩き終えた後の「快感」と、早朝に川の中を歩かせるような「苦 痛」とをうまく折り混ぜた工夫がされている。 ・ウォーキング前に「参加チェックシート」を書いてもらい、体調を確 認するが、途中で心泊測定はしない。リピーターになってもらうため に、五感で感じてもらうことの方を優先させている。 健康ラボで血測定圧 ・坂道や杉の木を利用したストレッチをこまめに取り入れて、足の疲れを 回復させながらウォーキングを進める。ガイドは、各々の体力や体調を 確認しながら、時には歩かない選択も含めて見極める。 ・熊野古道ウォーキングモニターツアーのアンケート結果 1 歩けるのがいい 2 緑がきれい・・・5 温泉 6 食事 温泉、食事は意外にニーズが低い。ウォーキング中に満足させな いと全体の評価につながらない。 五感で感じる「熊野古道」 ・ 川のせせらぎの音を聞かせる、江戸以前と昭和初期の石畳の歩 きやすさの違いを体感させる、シダの葉を飛行機にして遊ばせる 樹木を使ってのストレッチ など、見せたり聞かせたり笑わせたりするポイントがあり、五感に働きかけるような仕掛け、工夫 があちこちにある。 語り部とセラピスト ・どちらも時給1,000円の有給制。養成講座を受け、試験を受験して認定された方。歴史が苦手 な人でも理解しやすい言い回しを使ったり、ビジュアルで見て取れるように資料のファイルを持ち 歩くなど、随所に工夫が見られる。高齢者だけでなく、中年の人材も育っている。熱中症に対応す るために講習会を開催。 世界遺産を地域とともに盛り上げる ・古道途中に点在する昼食会場やトイレなどは地域が管理してい る。設置は市や県。世界遺産となり観光的活用に重点が置かれ がちになるが、熊野古道が地域の人から乖離しないような仕掛 けの一つである。昼食会場や直売所があり、経済的に地域に還 要所に休憩所 元されている。 3 ・無人販売所が多い。地域の特産物の買い物を楽しみながらウォーキングを進めていくことができる。 ・古道の途中に、かかしのようなからくり人形が置かれており、地域の人が我々を歓迎していると実 感できる。 ・企業のCSR事業で道普請に取組んでもらい、古道の 整備を進めている。 熊野古道弁当は4年がかりで完成 弁当を温かい内に休憩所の到着時間に合わせて配達。 寒いときに温かいものをという気配り。 「健康食」と説 明がなされ、健康になった気分にさせる。 地域のものを使って作られており、見た目にも洗練さ れている。味は、ウォーキング用に塩分を多めにして いる。はじめから弁当屋で考えた物ではなく、ラボと 石畳の熊野古道 ↑手づくりのからくり人形 何度もやりとりしてできあがってきたものである。いいも のができあがるには、多少の時間と、労力が必要。 泊食分離でいいとこ取り 文化財に指定されている旅館では「薬膳料理」を研究し、 ローカロリーのお膳を出し、好評を得ている。しかし、ト イレなどの改修が進まないため、宿泊客の満足度は低くな る。旅館同士が得意分野で生かし、お客様にはいいとこ取 りをさせている。また、地元業者により広く利益を分配す る ↑地元食材使用の熊野古道弁当 ことにより、この事業が地元の多くの方から理解や協力を得ることにつながっている。 マネジメントはラボッ娘 ・視察行程や食事の手配などすべて、熊野で健康ラボの嘱託職員の二人(通称 ラボッ娘)が行って いる。20人もの動向に常に気を払い、安全でかつ楽しい旅、ウォーキングができるのも、この二 人のおかげであり、何よりも、 熊野の良さを知って欲しいとい う理由からこの行動につながっ ている。 (6) まとめ 世界遺産であるがゆえに、ス ケールの大きさや施設の整備や 維持管理が行き届いていること に感心させられたが、上山はこ れからであり、上山ならではの 良さを参加者が再認識できた。 また、ラボッ娘の存在がすば らしく、自分達がガイドとして 案内する場合のモデルとして、 川湯温泉「亀屋旅館」の薬膳料理 具体的なイメージや目標が明確になったように思われる。 お品書き この度は、ガイド育成講習会受講者だけでなく、一般市民も参加され、熊野の方々と交流できた ことは、2月のカセ鳥、3月の報告会に熊野の方々がおいでいただく成果につながっている。 4 モニターツアー 一般観光客、企業旅行会社向けモニターツアーの実施 ■事業目的 ・上山型温泉クアオルト構想の柱となる「気候性地形療法」を体験するメニューと地域素材を結びつけて旅行商品を造 成し、モニターツアーでブラッシュアップすることにより、お客さんに来てもらえる旅行商品につなげる。 ・今回は、2泊3日のツアーで気候性地形療法による効果について医科学的な効果検証を目的とする。このことで、健康 づくりを標榜する他のヘルスツーリズムツアーとの差別化を図りたいという狙い。 ・ツアープログラムは健康の3要素①運動 ②栄養 ③休養(リラクゼーション)の3つの要素に、④温泉療法、⑤観光体 験を加えた内容で構成した。 ・医科学検証は、ツアー前後の血液中コレステロール・中性脂肪のほか、血圧、心肺機能の変化、ポムスでの心理検査 による変化から効果を測定するもの。解析は、一般社団法人健康保養地医学研究機構に依頼。 ・一日の食事摂取カロリーを 1800kcal に制限し、朝昼各 500kcal、夕食 800kcal に設定、それに伴う旅館、及び昼食の料 理開発を行う。 ・今回のモニターツアー参加者は、一般公募と商品化に向けて旅行エージェント関係者など19名で構成する。 ※医科学検証には最低20名必要なため、職員1名が参加。 ■気候性地形療法モニターツアー スケジュール ■参加者について 19 名(20~70 代 男性 9 名 女性 10 名)の名簿 ■運動について ○ウォーキング 「気候性地形療法」と上山の取り組みについて(クアオルト研究所 博士 小関 信行)・「運動と健康づ くり」について(健康保養地医学健康機構 理事 宮地 正典)の講話を受け、ウォーキングを実施した。 1 モニターツアー時3日間の天気予報が好天⇒雨と予想されたため、当初計画していたウォーキングプ ログラムを急遽組み替えることとした。結果、足慣らし⇒坊平高原コース⇒西山中級コースの順で計画し ていたが、坊平⇒西山⇒町巡りに変更した。景色と寒さの点を考慮したことは正解であったが、体への負 担はやや大きいと思われた。 標高 1000mの準高地の坊平コースで 90 分のウォーキングを実施した際、落ち葉のクッションと草原の 開けた美しい景色が好評だった。 ○温泉運動療法 温熱療法 温泉の温度を 38 度に設定し、参加者は水着を着て行った。その際、水分を十分に取るよう配慮した。 ■栄養について 1泊目の彩花亭時代屋、2泊目の天神の御湯あづま屋で夕食 800kcal と いう条件で料理を開発していただいた。長岡医院の協力で管理栄養士の 指導の元、11/6 に試食会を開催し、本番に臨んだ。当日は、時代屋では和 食御膳で地元野菜伝統野菜を多用した全 10 品ヘルシーメニュー。あづま 屋では和食と中国料理のコラポレーションによる全 12 品ヘルシーメニューを 試食できた。 どちらも 800Kcal という事に驚き、かつ病院食とはまったく違う料理に仕上がっていることに一同驚いて いた。担当調理長の説明があり、料理人の苦心が伝わった。逆に、苦心が伝わった為、文句が云いにく い状況でもあったようだ。 中には、薄味で塩が欲しいなどという声もあった。運動療法で失われた塩分や ミネラルを補給することを失念しており、病院食と同等な制限をしてしまったことをのちに気付いた。 今回のカロリーは、エビデンス用の為。商品化時にはカロリー制限でなく、 「健康にいい食事」を柱に据えたい。 ■休養(リラクゼーション)について ○体験(観光体験を加えた内容) 蔵王の大露天風呂へ入浴、干し柿づくり体験、太極拳体験、ワイン試飲と音 楽鑑賞を実施した。中でも、映画「おくりびと」のチェロ奏者増川大輔さんの、 演奏が大好評だった。映画のシーンを上映しながらの演奏で雰囲気が良かっ た。会場は、他の宿泊客の参加も多くあり賑わった。地元産タケダワイナリーの ワインの紹介をし、試飲しながら音楽鑑賞というのが相乗効果になった。 ■モニターツアーを終えて・今後に向けて 参加者の主体的参加意識の有無と、旅の経験値で印象がずいぶん異なるツアーだと思った。後日談で、 いかに自分の食生活や運動に対して理解していなかったかを思い知って感動したという電話や話が参加者 から寄せられ、新しい取り組みへの理解は頂けたと思う。問題は、行ってみたいツアーにいかに仕上げられ るかだと思った。 時代屋、あづまやの夕食の御膳は、プロの料理人の作品を味わえたが、1800 Kcal 以内の食事では、満 足感が得られない方もいた。塩分量・摂取カロリーについては再検討が必要だが、厳しいところにチャレン ジしないと個性化差別化は図れないので、見極めが必要。 2 まちあるきをする中で、かみのやま温泉ならではの町の景観づくりが大切だと感じた。道沿いに花を飾るとか、 美しい町並みづくりについて市民の協力を得られるよう働きかけと仕組みづくりが必要と感じた。 ヘルシーメニューの開発と試食 一般観光客、企業旅行会社向けモニターツアーの実施に向けて、 ヘルシーメニューの開発と試食を行った。 ■実施目的 モニターツアーの食事では、一日の食事摂取カロリーを 1800 kcal に制限し、朝昼各 500 kcal、夕食 800 kcal に設定、それに伴う旅館、料理開発を行う。 ■実施内容 日 時 平成21年 11 月 6 日(金)午後 12 時 00 分集合~午後 14 時 00 終了 場 所 彩花亭 時代屋 及び 天神の御湯あづま屋 参加者 11 名 彩花亭 時代屋 ≪献立試食会時のエネルギー694 kcal 塩分 5g≫ 吉田料理長より地元食材を生かした料理の説明があり、塩分を控えているため味が薄くなるので、 土佐酢や生姜を利用するなど工夫したなどの話しがあった。 時代屋 試食会後のまとめ 野菜が多くカリウムがとれる。竜沢のカボチャはあまり知られていないが、その美味しさには、 地元の食材を見直すきっかけになった。 薄味のため苦みや辛みなどの刺激がほしくなるが、味の薄さの良い点は、ゆっくり噛んで味わ うことの大切さを改めて感じられたことであったの感想があった。 3 天神の御湯 あづま屋 ≪献立試食会時のエネルギー780 kcal 塩分 8.7g≫ 五十嵐料理長及び中華担当者より料理についての説明あり、塩分を控え中華を作ることは苦 労したとの事。蔵王の紫カリフラワーや塩味のするアイスプラントなど新しい食材に挑戦し、 トマトにずんだを合わせるなど新たな組み合わせの工夫をした。満腹感を感じてもらいたかっ たとの事。 あづま屋 試食会後のまとめ アケビの苦さやアイスプラントの塩味に刺激を感じ、味にメリハリがあって美味しかったが、 満腹感があり出席者の多くが残してしまった。 キクやみずの実など他県の方にアピールしたい食材だと意 見があった。 鈴木ウメ子さんのだんご汁 ≪献立試食会時のエネルギー280 kcal≫ 内容:だんご汁、おにぎり 2 個、つけもの 醤油のみで味付けし、団子はジャガイモとカボチャで色づけし ている。 鈴木ウメ子さんのだんご汁 試食会後のまとめ シンプルだが本当においしかった。人参や三葉の色はあるが、 さびしく感じるので緑や紫の団子を入れてみては如何かなど の意見があった。 ■試食会を終えて 800 kcal というハイレベルな設定に努力していただいた料理人の姿がみえた。モニターツアーの みならず、これからの温泉宿の料理が地域づくりに貢献する期待を感じた。病院食と同じ 800 kcal という抑えた塩分とカロリーによって、食の持つ本来の味を引き出した、プロの料理人の味を感じ る事ができた。 4 地元食材を活用した弁当開発 1 目 的 「上山温泉クアオルト事業」を契機として地元商業への経済波及効果の創出、地場産品の有効活 用及び普及宣伝を図る。 2 弁当提供に至るまでの経過について 事業者選定については、公平性を期すため、市内に 営業所を持つ飲食関係の事業者に対し、6月下旬に上 山市ホームページや郵送、直接訪問で募集要項を周知 した。その結果4事業者からの提案があり、事務局内 で審査を行い、4事業者全てを採用することとした。 ○採用事業者 丸内、さくら亭、キッチンパクパク、蔵王弁当 ○主な審査基準 上山の食材の活用の程度、 調理法の当地性・独自性、 気候性地形療法のウォーキング 栄養バランス など 3 弁当の提供における枠組みについて 弁当内容(メニュー、使用食材、容器仕様等)につい て固定化は行わず、季節に合った上山産の食材を各々の 事業者がその都度自由にアレンジして提供するスタイル とした。 理由としては、地場産品を活用する以上、内容を固定 化することで季節性を損なう可能性があるためである。 食材調達コストや、加工や調理について通常の業務と は別に時間をかけて行っていることから、単価は700 円(税込)で固定することとした。 地元食材を使用した弁当 また、事業者が4社であるため、順次ローテーションで弁当の提供を行った。提供数については 平均して月1回のウォーキングで50食~60食程度であった。 事業者に対して日々変化していく消費者のニーズを的確にとらえ、商品に反映させるという意識 を持たせるために、弁当を食した参加者全員に対して下記の内容により毎回アンケート調査を実施 し、その結果を製作した事業者にフィードバックし、次回の提供の際に反映させた。アンケートの 主な調査内容は下記のとおりである。 ○アンケートの主な内容 味、外観の印象、調理法の独自性・当地性、ボリューム など 4 アンケートから考察される事項について 全体としては、個人的な味覚による差はあるものの、 味の評価は概ね良好であった。また中高年 層の参加者が多いことから、油脂分を極力控えた野菜中 心のメニューを好む傾向にある。ボリュー ムは概ね適正であるとする意見であった。高評価を示し た参加者の中には、ウォーキング以外でも 購入したいとの意見もあった。 地元食材を使用した弁当 参加者の反応で具体的なものとしては、馴染みのある 食材を馴染みのある事業者が調理している ため安心感がある、食材も調理法も初めて目にするもの であるといった意見が多かった。 5 来年度以降の展開について 来年度以降は観光客向けとして旅行商品化、土日祝日 に 市民向けにウォーキングが開催されることから、恒常的 に ウォーキングの後にみんなで弁当の昼食 弁当を提供することができる体制を事業者と調整の上で構 築することが急務である。 単価や内容については、観光客向けと市民向けに分 けて ニーズを把握・分析した上で、それらに対応した弁当 の 提供が可能であるか検討していく。 また、ウォーキングだけではなく上山市を代表する 弁当 として市民への定着を図るために、市内で開催される イベ 地元食材を使用した弁当 ントや各種会議等における使用可能性、親しみやすい 弁当 のネーミングについても検討していく。 参考 平成21年度の事業内容 5月~6月上旬 弁当の開発にあたり、開発方法、価格、コンセプト等を検討開始。 6月中旬 方式について、製作者を地元事業者から公募し、消費者のアンケートを踏まえな がら改善する方式とする。 6月22日 上山市 HP において市内事業者へ公募を開始。報道機関に対して弁当開発に着手 する旨情報提供。 6月23日~ 7月10日 7月19日 8月31日 9月26日 9月27日 10月15日 11月15日 3月13日 さらなる周知のため、市内事業者へ対して郵送及び直接訪問により事業説明と応 募の依頼を促す。 募集の結果、4事業者から提案があり、応募用紙による書面審査により、4事業 者を採用。 丸内に弁当製作を依頼。坊平にて提供。 さくら亭に弁当製作を依頼。7月19日と同様にアンケートを回収。結果を踏ま えた改良を依頼。坊平の予定が雨天により体育文化センターに変更。 さくら亭に弁当製作を依頼。 「気候性地形療法全国サミット」において講師、パネ リスト、市議会議員に17食提供。 キッチンパクパクに製作を依頼。気候性地形療法現地講習会において提供。坊平 にて87食提供。 丸内に製作を依頼。葉山コース散策後、市役所大会議室にて提供。 さくら亭に製作を依頼。西山コース散策後、市民会館にて61食提供。 蔵王弁当に弁当製作を依頼。「知って得する健康術」ウォーキングにおいて提供。 長屋門ギャラリーの実践 商店街の空き店舗を活用しコミュニティビジネスを含めた新事業及び新サービスの開発・試行 上山城の東側に位置する十日町地区は、城下町の面影を今に残す本市の中心市街である。 今なお、多くの蔵や町屋が点在するこのエリアの南側に、1軒の長屋門がある。 旧家の門が長屋となって羽州街道に面しているこの長屋門の一角を、作品展示ギャラリーとして改 修し「地域のにぎわいを創出しよう」と、2009年春、プロジェクトが動き出した。 ■東北芸術工科大学による挑戦 東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科では、2007年から 十日町界隈をフィールドに住民からの聞き取り調査や町屋実測等を 行ってきた。 今年は、地域の現状分析や課題解決に向けた提案といったこれま での取り組みからさらに一歩踏み込んで「地域づくりを実践しよう」 と、チュートリアル「地域に入る(主宰:温井 亨准教授)」に参加 した学生たちが、住民や地域と連携を図りながら長屋門の一角にあ 現 況 る空き店舗をギャラリーに改修するプロジェクトに取り組んだ。 長年、空き店舗だった長屋の掃除から着手した学生たちは、地域 の方から話を聞いたり、地元の建築士・建具職人などとの意見交換 を繰り返しながら、ギャラリーのイメージを膨らませていった。 このような意見交換の際には、中心市街にある市民活動の拠点、 上山市まちづくりセンターを使用し、センター職員も多方面で学生 たちの活動をサポートした。 完成イメージ ◎長屋門ギャラリー開設に向けた主な動き◎ 2009.06.05 空き店舗を芸工大生が訪問し、店内で実測 07.06 空き店舗で芸工大生が清掃活動 07.14・27 芸工大生とNPO法人が改修に向けた意見交換 08.06 山元林業協同組合を芸工大生が訪問し、改修時 に使う材料の打ち合わせ 08.18~19 芸工大生と市民が改修作業 08.19 果樹生産者を芸工大生が訪問して連携を打診 08.22 「長屋門ギャラリー」オープン 11.30 長屋門ブログ開設 http://nagayamon.blog14.fc2.com/ 活用状況 ①芸工大生・院生による企画展 「いつかみたまち」 開館日数7日/来館者数 50人 「猫町~Kという温泉街」開館日数8日/来館者数212人 「よってみ展」 開館日数5日/来館者数 56人 「長屋門街角 live」 開館日数6日/来館者数 90人 「週末手づくり体験」 開館日数5日/来館者数 81人 ②市民による企画 ■空き店舗の改修 作業は、東北芸術工科大学の夏休みにあわせて行われた。 改修に当たっては、市内を拠点に活動するNPO法人上山まちづくり塾が、 設計や施工の際にアドバイスや作業協力で学生たちをバックアップした。 本市では、まちを挙げて「ゆかたの似合うまちづくり」に取り組んでいる。 このコンセプトに基づき、改修する空き店舗は、城下町にふさわしい外観に することで話し合いが進められた。そして、十日町の老舗味噌屋で以前、実 際に使用され、長年、蔵の中で保管されていた「蔀戸(しとみど)」を提供い ただき、道路に面する外観に活用した。 ゆかたに似合う和の雰囲気を醸し出すため、床には塗装職人指導のもとで柿渋が塗られ、温もりあ ふれる空間を創出するために内壁に使ったソッペ板は、活動趣旨に賛同した山元林業協同組合が無償 で提供するなど、学生による空き店舗の改修を大勢の方がサポートした。 ■長屋門ギャラリーと果樹地帯の連携 本市では、サクランボ、ブドウ、ラ・フランスなど1年を通して様々な果物 が栽培されている。しかし、本市で栽培された果物は、市外・県外出荷が多く、 まちの中で地場産果物を目にする機会は少ない。 そこで、来館者に本市の果物をPRするとともに、果樹地帯と長屋門ギャラ リーがある中心市街が相互に支え合う仕組みの試行として、長屋門ギャラリー で地元の果物を提供することが提案された。 この企画を実現させるため、学生たちは果樹生産者を 訪問してコンセプトを説明し、連携を打診した。 現在、長屋門ギャラリーでは、来館者に旬の地場産果物をカットフルーツと して提供する試みが行われている。 ■長屋門ギャラリーと住民・地域の連携 中心市街にある空き店舗をギャラリーに改修し、作品展示を通して住民や観 光客とコミュニケーションを図る取り組みは、東北芸術工科大学の学部学科を 横断した学生たちの手で進められている。 長屋門ギャラリーを核として地域のにぎわいを創出するため、この空間では 住民がミニコンサートや歌声喫茶を開催したり、もの作りが趣味の主婦グルー プが手づくりをテーマに日替わりプログラムを用意して来館者をもてなすなど、 アイデアあふれる企画が展開されている。 また、上山城が主催する冬のイベント「クリスマス・キャンドルナイト」と 連携を図ろうと、学生たちは本市の果物をデザインしたキャンドルを制作して 長屋門ギャラリーを淡い光で包みこむなど、住民や地域との連携を意識した取 り組みも行われている。 ■現状と課題 現在、長屋門ギャラリーは、大学の授業がない週末のみの開館だが、今後は平日の利活用を視野に 入れ、住民や地域との情報交換を重ねながら連携強化を図っていかなければならない。 長屋門ギャラリーが開館する週末は、多くの観光客がまちを散策して城下の風情を楽しんでおり、 地元の旬の果物をカットフルーツとして来館者に提供する試みは、大変、好評である。しかし、日曜 日に休業する店が目立つ商店街で地場産果物を購入することは非常に難しく、中心市街と果樹地帯が 連携し、相互に支え合う仕組みを築くには、解決しなければならない課題も多い。 市民報告会 地元を楽しもう「知って得する健康術」 ~ 温泉とウォーキングと私 ~ 平成22年3月13日 上山市体育文化センター 「エコーホール」 それでは早速ですが、先ほど事務局の石井さんから 今年一年の事業の内容を報告していただきました。そ の中で色々ありましたが、代表して4名の方の登壇し ていただいています。 最初に難波さんから、 ・ 気候性地形療法ウォーキングに参加して何を感じ たか。 ・ ガイド養成講座を受講したきっかけは。受講して 良かった事は。悪かった事は。 ・ 市民にとってどのような利点があると考えるか。 以上の3点を難波さんに聞いてみたいと思います。 ■ 事業概要報告と意見交換 ○難波氏:皆さんおはようご ○ 報告者 ざいます。歩くことが体にい ・難波 規平 氏 いことは皆さん誰もが知っ (気候性地形療法のウォーキング参加者) ・徳正 ていることですが、いざ継続 強 氏 するとなるとなかなか難し (ドイツでの気候療法士研修参加者) いものです。気候性地形療法 ・結城紀英子 氏 (熊野古道視察研修参加者) は何より医科学的な裏付け ・五十嵐弘幸 氏 と専門家の指導の下に行われますので、私の場合そ (ホテルあづま屋 日本料理 料理長) の信頼感が継続の大きな力になっている気がしていま ○ コメンテーター す。もう1つは集団の力といいますか、皆でわいわい ・木下 藤寿 氏 (熊野で健康ラボ所長) おしゃべりをしながら歩くのはとっても楽しいもので ・桝口 (上山市副市長) す。その楽しさが、体の健康の他に心の健康に大いに 豊 ○ コーディネーター 役に立っている気がしています。私はもともと運動嫌 小関 信行 氏 いで、子供の頃から運動不足だったのですが、楽しい (クアオルト研究室代表 芸術工学博士) 事が継続の大きな力になると思います。とにかく気候 性地形療法は楽しいです。 ○小関氏:皆さん おはようご それから第2点のガイド養成講座受講のきっかけに ざいます。先ほど市長さんから 入ります。去年の1月に温泉入浴アドバイザー研修を もいろいろお話ありましたけ 受けた際に、クアオルト構想を知りました。常々大好 れども、上山のクアオルト構想 きな上山のためになんらかの社会貢献をしたいと思っ は、平成20年度から実施され ていましたので、自分の健康を図りつつ、まちおこし てちょうど2年が経つという に参加できることに魅力を感じて受講しました。良か 時です。ベースになっています ったことは、何より一番が人間関係で、ガイド研修を のは、ドイツで治療に使われている気候性地形療法を 通じてたくさんの色々な方と知り合いました。それで 上山で活かしていこうという事です。健康づくりをし 色々方から様々な知恵をいただいて自分ができたとい ましょうという事です。様々な専門家の方から来てい うのが一番の収穫です。悪かったことは特に無いです ただいて、色々な話しを伺わせていただきましたけれ けれども、メタボという診断をくだされていたのです ども、一番大切なのは市民の方、体験された方がどん が、ウォーキングに親しむようになってからすごくお な感想を持ったかということが一番大事かと思います。 腹がすく、ご飯をたくさん食べてしまいまして、その 今回は色々な研修やガイド養成等に参加された方の本 改善には全然なってないということです。これは気候 音をお聞きして、それを市民の皆様に感じていただき、 性地形療法のせいではなくて私の意志の問題です。 広げていこうという報告会になっています。 それから市民にとっての利点というのは、心身の健 1 康が図られることは言うまでもありませんが、特に体 る蔵王連峰、三吉山、蔵王高原坊平から見る東北アル 験的に感じるのは郷土愛が強く育まれることです。上 プスの展望は非常に似ていると思いました。ガーミッ 山の人が、上山の自然を大好きになります。そのこと シュ・パーテンキルヒェンの町の標高は700mの所 が個人を活性化し、強いては地域を活性化する原動力 にあります。上山は180m位。その両方とも周りを になるものと思っています。私はこの活動を通じまし ずっと山に囲まれている盆地になっています。その高 て、ようやく上山の市民になれたと実感が持てました。 さが違う、それからその建物の様式が違うということ を除けば、正にそのガーミッシュ・パーテンキルヒェ ○小関氏:難波さんありがとうございました。今の質 ンに優るとも务らない上山ではないかなとつくづく感 問に対してお答えいただきましたが、その時気になる じまして、その今見ているガーミッシュ・パーテンキ 言葉がいくつかあったのでちょっと確認したいと思い ルヒェンの景観にこの上山の地形をそっと置いてみま ます。 した。見事にぴったりと乗りました。ほんとうに上山 医科学的な裏付けの指導で、信頼感と継続の大きな というのは素晴らしい土地であるなとつくづく感じま 力になるというお話しがありました。また心の健康に した。 も役に立つ、大変楽しいという感想もあったようです。 ガーミッシュ・パーテンキルヒェンは、世界でも有数 それから、上山型温泉クアオルト構想が素晴らしいと のスキーリゾート地であり、人口は約26,000人、 感じて、健康を図りながらまちおこしに参加できると 宿泊のベット数は約9,000床と多く、クアオルト いう利点と魅力を感じたということですね。それから の利用者だけで年間100万泊以上、1日平均3,0 郷土愛が育まれて地域の活性化の原動力になるだろう 00人以上ということです。この利用者数が全てを語 という報告でした。ありがとうございました。 っているように、気候性地形療法は国の保険が適用さ 次にドイツ研修に参加されて、特に坊平で大変ご活 れ、広く国民の信頼を得ている証です。シュー教授の 躍されている徳正さんから、次の2点についてご報告 講義は私達に分かり易く説明され、端的に言えば自然 をお願いしたいと思います。 界に有る要素を利用して、どのような方法で療法を行 ・ ドイツで講義も受講し、クアオルト(健康保養地) えば、通常の運動の2倍の効果が得られるということ も視察したが、学んだもの、感じたものは何でし を医科学的に実証され、国民に認められ実行されてい ょうか。 る講義に納得しました。 ・ ドイツと比較し上山の優れている所、不足してい また、温泉保養地はバーデンバーデン等の3ヶ所を る所、上山ではどのように取り組めば良いのか。 視察、体験をしました。いずれの温泉地も低温度で2 以上2点について徳正さんからお願いします。 0数度から36℃、複数のプールがあり、その中で運 動したりリラクゼーションをしたりというのが主でし ○徳正氏:皆さんおはようござい た。長期滞在者が多いドイツは、整備されたクアパー ます。研修地ドイツのガーミッシ ク(保養公園)の中に集会場、催事場、野外ステージ、 ュ・パーテンキルヒェンで最初に レストランが常備され毎日催しが開かれていました。 見たのは、美しい街並み、アルプ それから、商店街は夕方6時頃閉店しますが、ショー ス地方特有の建造物が古い石畳の ウィンドウだけ照明されており、暗くても歩いている 道路の両側に並ぶ見事な景観でし 私達には非常に楽しみながら安心して歩けるというふ た。そして次にアルプスの山並み うに感じました。電柱が無いから電線も無く景観が良 が鮮やかな朝焼けに染まり、3,000m級の山並み い。どこを見てもいい観光スポット、風景が見られま が目の前にたたずんでいました。そのアルプスの山並 した。最後に上山での今後の取り組みを私なりに考え みに美しい街並みが溶け込んでいるその景観に圧倒さ ると、病気にかかりにくい体質をつくり、市民の健康 れ、感動しました。もう夢中でシャッターを切ってい と体力の向上を図り、多くの市民に理解してもらう。 ました。その時上山の地形と似ていることに気付き、 同時に市外、県外にアピールしPRをする。このこと ガーミッシュ・パーテンキルヒェンのその景観の上に、 を軌道に乗せ、市の活性化につなげたい。そのために 上山を置いて比較していました。どちらも盆地であり も最初にしなければならないことは、認定ウォーキン 違いは高さと建造物でありますが、葉山、西山から見 グコースの整備とさらなる増設。2つ目には、常に低 2 温浴可能な温泉施設を作る。3つ目には、地産地消が がきれいなのは雨上がりの時、空に架かる虹などでわ できる市民の体制をつくっていく。4つ目には、ウォ かりますし、小川に生える浮き草、川藻から水質の良 ーキングガイドのさらなる育成を図りたい。最後に熊 さがわかります。また、上山の自然は複雑多様で絶滅 野古道さんや由布院さんと共に連携をはかって、大い 危惧の植物を含め、南方系や北方系などの植物が混在 に国民のための健康づくりを支援していけばいいかな しており、珍しい昆虫や野鳥など歩いていると遭遇す と思っています。 ることがあります。自然環境においては、決して世界 遺産の熊野にも負けていないと思います。 ○小関氏:徳正さんどうもありがとうございました。 熊野古道の研修で素晴らしいと感じたことは沢山あ 今のご報告の中で何点か気になるところがありました りました。まず一つ「熊野古道ウォーク」は体全体で ので、もう一度確認したいと思います。ドイツのガー 感じてみてくださいと言われるように「見る・聴く・ ミッシュ・パーテンキルヘンは、ドイツのアルプスの 触れる・嗅ぐ・味わう・感じる」の五感に訴える工夫、 所でありながらも上山のまわりの地形に大変似ている 自然と溶け合った工夫がいろんな所に盛り込まれてあ ということでした。それから、シュー先生の講義の中 って素晴らしいと感じました。そして、何につけても で、通常の運動の2倍の効果が得られるという説明を 頼もしい「ラボっ娘」の存在、ほら貝を吹く姿は山伏 されてすごく納得したということ。クアオルトという より勇ましく「大丈夫ですか?」と気づかってくれる 健康保養地、養療地は大変長期滞在に適した環境で、 「ラボっ娘」は天女のごとく、またユニークで味のあ きれいな景観であり滞在者が楽しく過ごせるような所 る語り部さん、セラピストの皆さんの存在も大きかっ であるということ。それから、気候性地形療法を活用 たですね。 「SLOWSTAY熊野健康村構想」のキャ して、病気になりにくい体質づくり、市民のみなさん ッチフレーズもすごいと思いました。サービスのS, が健康増進になると理解してもらいたいということ。 ロータリーのL、オリジナルのO、ウイルネスのW、 最後に5点ほど、コースの整備・増設、温泉施設建 もてなしにあふれ地域色豊で個性に合った心身共に健 設、地産地消、ガイドの育成、広域連携というお話が 康的な癒しの存在、なるほどと感心してしまいました。 ありました。ありがとうございました。 河川を活用した健康づくりや自然の恵みを活かした薬 それでは続きまして、今日は木下さんはじめ熊野古 膳料理、女の子が喜びそうなスタンプラリー、各王子 道のセラピストさんがいらっしゃっていますが、熊野 の99ある遺跡を周りながらスタンプを集め最後に記 古道を視察した結城さんから次の2点についてご報告 念品がもらえる等、完歩証明証を頂けるのも嬉しいも をお願いしたいと思います。 のです。ウォーキングの道すがらには、地域の人達に ・ 上山に移り住んでガイド養成講習やモニターに参 よる直売所が所々に設けられて、とりたての特産物を 加したが、実際に歩いた中で上山の自然の良さを 味わいながら里山の自然に触れ合うことができます。 どう感じるか。 また、地域の人達による手づくりのからくり人形など ・ 熊野古道での研修で素晴らしいなと感じたこと。 が、心を和ませてくれます。長く滞在してくれるよう、 そうでもないと感じたこと。 そしてもう一度来たいと思っていただけるようにとの 以上についてご報告をお願いします。 熱い思いと地域のみんなが一つになってまちおこしに 取り組んでいらっしゃる姿勢を感じました。熊野古道 ○結城氏:今時間見ると10時 での研修は、私にとってはとても感動の多い研修でし 50分なのでみなさんこんに た。 ちは。ちょっとあがっているの で何をいうか分からないので ○小関氏:結城さんどうもありがとうございました。 すが、聞いてください。イギリ また気になる言葉尐しお聞きしたので、もう一度確認 スの旅行家イザベラ・バードさ いたしますが、上山は地域環境に恵まれていて熊野古 んが、実際に歩いてみて素晴ら 道にも負けていない素晴らしい所、虹で空気のきれい しいと称賛してくださってい さとか水草で水のきれいさが良くわかるというお話で るとおり、上山の地形環境はとても恵まれたものであ した。それから熊野の皆さんは、五感に訴える自然に り、健康づくりに適している所だと感じました。空気 溶け合った工夫をしているということ。多くの皆さん、 3 語り部の皆さん、今日いらっしゃっているセラピスト えました。まず細田管理栄養士のアドバイスを受けな の皆さん、人を迎えるという地元の人の心が大変素晴 がら食材の重さ、また調味料の量などのカロリーを出 らしいということ、そういう人材育成をしっかりして して調理に入りました。一番大変な事は調味料の量で いるということでした。歩いてみて楽しい、楽しいと した。なぜなら、秤で測りながらの経験があまり無い 思った後に完歩証明証をいただいて「ああ達成したな」 からです。しかし、彩花亭時代屋の吉田料理長と意見 と言う達成感ということも大切だということでした。 を交わし、試食会で皆さんの意見を聞き、やっと形が また来たいと思わせる魅力が、たくさんあるのが熊野 できたと思いました。お客様にも満足してもらえたと の魅力ということでした。ありがとうございました。 の話を聞き、このツアー全体が成功したと思いました。 続きまして、先ほど石井さんからも説明ありました また上山で採れる野菜は味が良いので、この調理方法 が、モニターツアーを実施しました。健康というのは であれば野菜の旨みを楽しめると思います。また機会 病気の無い状態ということではなくて、元気で活動的 があれば挑戦してみたいと考えています。 な状態をいうとWHOで言われています。その健康の 3要素と言われている運動・栄養・休養を上手にミッ ○小関氏:五十嵐さんありがとうございました。今ご クスしてモニターツアーのプログラムを作った訳です 報告ありました中でちょっとびっくりしたのは、夕食 けれども、その中の大切な部門としては、食べる物、 で800キロカロリーというのはチーズバーガー1個 食の満足がすごく重要なことになっています。それで だということで、随分その制限された中で美味しいも 先ほどカロリーを低くおさえて、料理を作ってもらっ のを提供する、ヘルシーで満足感のあるものを提供す たのですが、低カロリーだからといってどうでもいい ることで苦労されたということのようです。上山の野 ということではなく、食べて美味しい、満足するとい 菜は味が良いということで、使い勝手があるというこ うことを考え、つくっていただきました。今日はあづ とでした。ここで熊野の方で大変色々な食材や料理、 ま屋さんの五十嵐さんから来ていただいていますので、 お弁当で苦労して提供されてきた。私達も視察に行っ そのご苦労のお話を何点かご報告をしていただきたい た時大変満足して帰ってきているところですけれども、 と思います。 木下さんがいらっしゃいますので、その料理について ・ 1つはモニターツアーの時に管理栄養士さんのア 木下さんからコメントいただきたいと思います。よろ ドバイスを得ながら、低カロリーメニューを作っ しくお願いします。 たが、何が大変で、お客さんの反応はどうだった か。 ○木下氏:木下でございます。 ・ 料理人の目からみて、上山の食材の良さは何か、 先月のカセ鳥まつり以来 足りない部分は何か。 久々にやってまいりまして、 以上2点について五十嵐さんからお願いします。 毎回こちらに来るのが楽し みで仕方なくて、昨日もつい ○五十嵐氏:こんにちは五十 羽目をはずしてしまいまし 嵐です。昨年11月12~1 て、次はいつになるのかと思 4日の3日間上山クアオル いながら来ておりますが、や トモニターツアーがあり、地 はりこちらの食事が非常に大好きで、ほんとによそ 元食材を使い、 1日1,800 で食べれないものがあります。食事については、先ほ キロカロリーと決められた ど熊野に負けてないと、当然上山は素晴らしいと思い 特別な企画でした。昼食2日 ますし、私達が心がけているものは地域の食べ物を出 間で1,000キロカロリー、 してくれる、いわゆるスローフードと言いますか、昔 夜のお膳で800キロカロリーになります。1口で8 から食べられている物を出そうではないかと思ってい 00キロカロリーといってもさっぱりわかりませんが、 ます。ただ日本の場合、悪い言い方ですが、田舎に行 チーズバーガー1個と同じくらいのカロリーと考えて けば行くほどおいしいのですけども、出し方が下手で もらえばわかり易いと思います。その中でお客様に満 すね。食べ物は非常にいい。そこで、いろんな地域か 足感を与える料理となると、どんな献立になるかと考 ら来られる方に対していかに満足してもらうために、 4 普通は量で出そうとするのですけれども、量ではなく てきたとのお話ですけども、葉山での自主的な早朝ウ て見た目とか、器とか、最近熊野で一緒に「熊野の薬 ォーキングの取組に参加して参加市民の反応はどうで 膳」というのをやってもらっていて、普通だったらお しょうか、それについて一言お願いします。 腹いっぱい出すのが「おもてなし」と考えるところで すが、実はそうではなくて「ああ、もうちょっと食べ ○難波氏:初めて参加された方は、まず身近にこんな たい」という位でとどめてもらう、そうすると「また いい所があったのかという驚きが一番です。きわめて 来たい」というふうになる。100%出すのではなく 楽に達成感を味わえる場所だと思います。展望台から てちょっと控えめに、そういうのも1つの手だろうと 上山の東西南北が、端から端まで両手ですくいとれる 思います。私もこちらのお弁当を何回も食べさせても ように見ることができます。参加された人は、かなり らっているのですが、見た目も食材もそうですし、い のパーセンテージでリピーターになっています。朝の かに地元を出すかということが表れているかというこ 決まった時間は無理でも、都合のいい時間を選んで登 とを感じます。ぱっと見た時これは何処の弁当かな、 っておられる方が確実に増えています。ぜひ皆さん葉 普通コンビニに行きますと何処でもあるようなもので 山歩こう会にご参加ください。朝の7時5分前から葉 はなくて、心に訴えるような食事だと本当に満足する 山足湯の下の所になりますが、坂の上り口がスタート のかという思いで、そうさせていただいています。 地点になっています。どうぞ皆さんご参加なさってく ださい。 ○小関氏:ありがとうございます。今大事だなと思っ た言葉があります。繰り返しますが、上山は美味しい ○小関氏:ありがとうございます。私も葉山コースを と言っていただいてすごく嬉しかったなと思いました。 初めて歩いた時に、こんなに上山からきれいに蔵王連 あとは地域の食べものを出すと、その時の出し方、提 峰や市内を望める所があるのかなとびっくりしたとこ 供の仕方を磨くといい、それもお腹いっぱいというこ ろです。ほんとに新しい名所ができたなと思います。 とではなくてちょっと足りないかなというような微妙 今日午後から葉山コースを歩くことになっていますの なさじ加減が、また来ていただくことになるというこ で、なるべくたくさんの方々から歩いていただいて素 と。それから、お腹だけではなく、心に訴えるという 晴らしい眺望を体験していただけたらと思っています。 がキーワードだと思いました。どうもありがとうござ 次は徳正さんですが、徳正さん2年間医科学効果検証 いました。今料理の話になりましたので、もう1つ五 のモニターに参加して自分の体調の変化というか、ス 十嵐さんの方にお伺いしたいと思いますが、木下さん ポーツマンですけども、どのような変化がおきたのか から料理の話しが出ましたけども、調理士さんとして 興味あるところなので、その変化についてご報告をお 調理人として上山温泉として、やはり統一したメニュ 願いします。 ーや調理士さんの研修というのもどうなのかと思いま すが、そのことに関して五十嵐さんは、どのようにお ○徳正氏:私は日常的にスポーツを主体に活動してい 考えなのかお教えいただければと思います。 ますし、特に体に異常がないのでモニターでの変化は 特に無いだろうと思っていましたが、スポーツをやっ ○五十嵐氏:今回のこのツアーのような企画に対して、 ている後に気付いたのは、持久力が付いたということ 研修や意見を交わせる機会があれば良いと思いますし、 です。それはたぶん筋肉が柔らかい筋質に変わったの また違うテーマでも集まって話ができれば自分自身の かなと自分で思っています。もう1点は、モニターの 向上になると思いますので良いと思います。 仲間の皆さん最初は苦痛を感じて歩いていた方も、最 後には笑いながら楽しく歩いている姿に変わりました。 ○小関氏:どうもありがとうございます。機会を設け まさにバードクロツィゲンのクアパークで見た看板の ていただければいいと、そしてまた切磋琢磨するテー 通りだと思いました。 「3週間ここで療法するとこの様 マも違っていれば自分達も向上するだろうという話が に元気になって帰って行ける」というその姿、6つの ありました。ありがとうございます。何点かご報告者 人形がたぶん出ていたと思いますが、まさにそのこと の皆さんに聞きたいことがありますのでお願いします。 を感じました。 難波さんにですが、先ほど横戸市長さんも葉山を歩い 5 ○小関氏:ありがとうございます。スポーツ万能の徳 てもらう、そして、クアオルト構想の推進を通じて、 正さんでも、やはり歩いてみたりモニターになった時 もっともっとこの自然環境の素晴らしさを全国的に知 に持久力が向上してきたということを感じたというこ ってもらい、わかってもらえれば、必ず地域の活性化 とです。モニターの参加者の中で最初は苦痛だったが、 につながるものと信じています。とにかく我が町に多 苦痛の人達も最後には笑いながら楽しく歩けるように くの方から来ていただいて「長く滞在したい、もう一 なったこと、ずいぶん変わったということでした。最 度行ってみたい」と思っていただけるようにクアオル 後に結城さんから様々な講習を受けていただいた訳で ト推進協議会だけなく、市民みんなで取り組んでいく すけれども ことが必要だと思います。 ・ 健康に対する考え方が変わったか。 ・ 上山市民が健康になるクアオルト構想の推進に何 ○小関氏:ありがとうございました。持久力がついた が必要なのか。 こと、気分が晴れやかになったこと、ぐっすり快適な 以上2点について願いします。 睡眠が得られるということ、健康に対する自分の変化 に気付かれたということ、地域の中で広がっていくよ ○結城氏:上山市民となって10年になりますが、い うに市民の方々みんなから取り組んでもらって体験し まだに地域活動に密着できずにいた私です。たまたま てもらうことが重要というご報告だったと思います。 今回のモニターの募集の市報を見て、自分の健康づく ここで報告者の方々から色々報告していただいた中で りを一番に考えて挑戦しました。38年間、長い間事 重要だと思うことは、体験してもらうこと、また市民 務職で座りっぱなしの私だったので山に登ると言った の皆様にそのチャンスを提供することだと思っていま ら、 「やめとけ無理だから」と心配してもらったのです す。五十嵐さんからお話ありましたが、調理士さんは けれども、 「どうしたの急に、気が違ったのか」とも言 調理士同士で研修の場も設定してもらえたらという話 われてしまったのですが、続けることができるだろう もあります。そこで協議会の事務局なされています桝 かととても不安でした。ただ他のモニターの仲間の皆 口副市長さんから、新年度からどういう取組を考えて さんのすごく暖かい言葉をいただき、とにかく楽しか いるのかということをお伺いしたいと思います。 ったです。今回はウォーキングと温泉療法と2つでし たから、温泉療法では裸のつき合いで皆さん丸裸で ○桝口:皆さんこんにちは。 色々と頑張ったのですが、和やかな時間と初めて山に 今、市が皆様方と一体となっ 登ってみてこんなに素晴らしい所があったのかと思い て行っている気候性地形療 ました。すぐ会社に行かないで山に登っている方が良 法の目的は、市民の健康増進 くなってしまって、会社を辞めてしまったのですけれ がまず第一です。気候性地形 ども、とにかくお金はないのですが、心身共に健康に 療法の効果は、これまで医科 なって来るのを感じています。今までだと、すぐエレ 学的な検証を行い、それが証 ベーターを頼ってしまうところだったのですが、今で 明されています。ただし、そ は階段を使うようになっています。最初体力測定の時、 の健康増進を進めていくには、やはり楽しめないと 腹筋が全然出来なくて恥ずかしい思いをしたのですが、 なかなか長続きしないのではないかと今思っていまし 腹筋もなんとか出来るようになりましたし、とにかく て、先ほど報告者からお話がありましたが、山々の季 持久力がついた感じがします。今まで小さなことでく 節毎の楽しさや市民の方々が観光客を交えながら一緒 よくよ考えていたのですが、何よりもすごく気持ちが に歩く楽しさを是非実感していただきたいと思ってい 晴れやかになったのを感じます。食べ物が美味しくい ます。そこで今年度には、今まで認定コースを整備し ただけて、ぐっすり眠れるということが健康なんだと てきましたので、コースを歩く回数を増やしたいと思 思うようになりました。 っています。 先ほどのクアオルト構想の推進に必要なものは何か それから、三吉山等の新たに認定されたコースもあ ということですが、上山の自然環境はとても恵まれて りますので、本年度整備をしていきます。さらに、新 いて、気候療法において前提条件はクリアしています。 たに各地区の市民の皆様方から「私の地区にこんない まずは、みんなで体験してみて気持ちいいなあと感じ い所がある」という新しい認定コースの候補地を出し 6 ていただき、コースをどんどん広げていきたいと思っ ろうやろう」と常に前向き、未来志向でやられている ています。 のが非常にここの強さと思います。市民の方々が盛り また、報告者の中からドイツの研修、由布院、熊野 上がってくると今度は周りから注目されると思います。 に行ってきた、行きたいという話もありましたし、由 だからニューヨークマラソンは、年に1回のマラソン 布院の方々をはじめ多くの方々が来られていますので、 大会だけでなく、毎週毎週色々な公園で小さな大会を 市民レベルの交流をどんどん活発化していければない やっているのだそうです。そういう意味では、先ほど いと思っているところです。 副市長が言われたように、色々なコースを見ながら歩 それから、徳正さんからドイツでのお話がありまし いて行くと、 「そんなにやっているんだ。健康的ないい た温泉の取組ですが、上山にも温泉がありますので、 町だ、そして私達も行ってみよう」とどんどん広がっ 温泉療法との相乗効果が出るような取組を、22年度 て行くのだろうと思います。私達も他の地域から来ら に検討したいと思っております。今、観光については れている方も、上山も勉強させてもらっているのです。 連携が必要ですので、観光圏の申請をしているところ さらには熊野にも来てもらうという、最終的にはみん でありますが、7市7町の新しい観光圏での気候性地 な色々な所に行って楽しい食事や会話、最後はお酒な 形療法を取り入れた取組を、今年度は模索をしていき のですが、そういう交流ができればいいなと私は感じ たいと思っています。 ています。 ○小関氏:ありがとうございます。新年度になると色々 ○小関氏:ありがとうございます。上山が取り組んで な事業が展開されるようで、市民の健康増進というの きているということの方向性、すごく前向きでいいと を基本にしながら、季節毎の楽しさを感じていただく、 いうようなお墨付きをいただいたと思っています。一 一緒に観光客と歩く楽しさを感じてもらう、歩く回数 生懸命上山でやっていることが全国に注目されてきて を増やす、コースの整備をしていく、それから各地区 いる。沢山の人達が、上山市民の方々が歩いている姿 にコースを拡大していきたいというお話がありました。 を見て健康になっていく、そういう意味では地元に定 その中で温泉との複合効果も模索していきたいという 着していくということを肌で感じてくれているという ことですので、これまで以上に市民の皆様には、コー 思いがしています。 スを歩くというチャンスが提供されていくことと思い ます。体験して感じたことを、沢山市民の方に伝えて ○木下氏:私達が上山来る度に、どんどん新しいもの いって、みんなから「ああ良かったな」と思ってもら ができているのです。この報告会もすごいです。さっ うこと、健康になっていただくことが重要ではないか きから気になっているのですが、地元のものを使った と感じています。今日せっかく熊野から来ていただい キャンディがいつの間にかでき上がっているのです。 ている木下さんには、ここ2年間上山の取組に最初か これまで熊野が一歩先を行っていると思っていたので ら関与していただいてご指導いただいていますので、 すが、今は上山から一歩先を越されている感じがして 今後何を重点に取り組むべきか、アドバイスをお伺い いますので、やばいと思っています。 します。 ○小関氏:ありがとうございます。最後にPRしてい ○木下氏:ずっとこちらに来させていただいていまし ただきましたけど、副市長さんの前に上山で作った健 て、今日、熊野の何人かと来ていますが、ほんとにす 康長寿の飴っていうのがあります。さくらんぼ・ラフ ごい盛り上がりで先ほどから発表されていますけれど ランス・桃の3種類。皆さんの資料の中にもあります も、市民の方が自分達で活性をしていこうというボト が、気候性地形療法ウォーキング初飴、まだ仮称です ムアップの活動が非常に進んでいると思います。自分 が、他から来た人にとって、果物はすごく魅力のある 達の力でやっていこう、それをまたトップダウン的に もので、それを飴にしたのはすごく嬉しいと思います。 行政でも市長をはじめ「じゃあこうやっていこう」と そろそろ終わりに近づきましたので、最後にまとめ 前向きな意見しか出ないというのがこの上山のすごさ させていただきます。皆様のご報告の中で、体力がつ です。色々な所に行ってみても、普通絶対こうはなら くということをみなさんがおっしゃっていました。そ ない。だけどここはみんながこれやろうと言ったら「や れだけでは無く、気分が晴れやかになる、すごく気持 7 ちが楽になる、晴れやかになるという話もありました。 それが各地では普通にここは自然があって、食べ物も また、歩いていて楽しくなる、上山の自然は素晴らし あって高くもないし、 「どうぞ」と言って提供くださる いということでしたので、自分の生まれ育ったまちを のです。それは違うと思います。お金をとっていいの そのように言われるとすごく嬉しく思います。それが、 です。地域活性化という意味では、都会の人間が利用 市民の方々に普及されて、たくさん参加してくれるよ したり、お金を払ってでも利用したい訳ですね。勿論 うになるというのが大切なこと、それが市民の方々の ボランティアのおもてなしっていうのは、それで一過 健康づくりになる。この健康づくりがベースになって、 性で嬉しいのですが、そうではなくて地域が継続して 他のまちの人達が来てくれて楽しんでくれる、滞在客 いくためには、地域の方々個人で楽しんですることに が増えてくることにつながっていけば、更にいいとい 気がついて、宝ものがここにあるんだという誇りを持 うことだと思います。その中で第一点重要なことなの って、それを私達に上手に利用させていただけたらな ですが、自分の健康を守ってくれる地域医療機関と連 ということを常々思っております。ですから、地域の 携する本格的な取組がこれからの課題になると思って 方々が自分達の宝ものにいかに気がついて、どう提供 います。この点は、今、皆さん、数字の話は全然しま するか、提供すること決してためらわなくていいと思 せんでしたが、体力が付くとか、気分がいいとか言っ います。たぶん皆さんにとって当たり前なものなのか ていましたけれども、それをもう尐し地元の医療機関 もしれませんが、利用しやすいようにそれを上手に売 と共に数字で表したり、それが入ってくるシステムが り込む。皆さんが喜んで元気になっておられたら、き 出来ればいいと思っているところです。今の方向性を っと都会の人間としては喉から手が出るほど欲しいも 木下さんもおっしゃっていましたが、間違っていない のなので、それをまた上手に迎えていただけたらこん ことなので、自信を持って協議会の皆様と市民の皆様 なに嬉しいものはないと思います。それが、都会と地 と進めていきたいと思っています。 方をつなぐ大きなパイプになっていくと、私達も次ま たここに必ずやって来たいと思います。 会場のからの意見 ○小関氏:長井先生どうもありがとうございます。こ ○長井 聡里氏(医師:大阪) :本日は不思議なご縁で こ壇上に徳正さんがいらっしゃいますけれど、長井先 こちらに思い切って来ることができまして、来た時か 生とはドイツのガーミッシュ・パーテンキルヘンの研 らびっくりしていますが、非常に取組が進んでおられ 修会で初めてお会いして、上山の話をさせていただい るというのをお話では聞いていたのですけども、ほん た時に興味を持っていただき、今日おいでいただいた とうに昨日から1日かけてすでに納得と感じさせてい 訳です。今長井先生から色々都会のストレスの話、こ ただきました。私は、もともと森林療法に興味があり こで上山の取組で感じたことを言っていただきました。 まして、ここ数年信州の信濃町や高知県の梼原町(ゆ どうしても地域の中で生活していくと、提供の仕方や すはら)等にどうやって医療として取り組んでいくの 仕事やビジネスというとなんとなく気が引けてしまう。 かと観察を一緒に参加させていただきながらやってき ビジネスとして提供して、逆に都会の方が利用しやす たところですが、ドイツで気候性地形療法というのを いようにするということも重要なことだというお話で 知りましたし、こちらに来てすでに実践されていると した。ありがとうございます。様々なことを気づくと いうことで一番大事なことは、やはり各地で困ってお いうこと、外部から来る人から気づかせてもらう訳で られるのは、地域の方が乗って来ないと進まないとい すけれども、これからの上山の事業の中でどうやって うことなのですね。私は大阪で、こちらとは雲泥の差 取り入れていったらいいかということや自分達がそれ のストレスばっかりかかる都会にいますので、そうい を体験して何度もくりかえして感じることによって他 う都会のストレスをかかえた人間が旅行で1泊2日で の人にも伝わって行くということが重要と思います。 ああ楽しかったではなくて、やはりそこで人生観を変 上手にまとまりませんが、これからの上山の取り組ん えるくらいの思い切った、ああここに来て、よしこれ でいく方向性は、間違ってないというお墨つきをいた からも人生を変えて行こうと思うくらいの、健康に対 だきましたので、市民の方々と一緒に歩いて、気持ち する動機づけということが達成できる旅行であってほ 良く元気になって、健康になろうということを進めて しいと、私はいつも思って各地に出掛けて行きます。 いきたいと思います。今日はありがとうございました。 8 取組の成果と今後の展開 ■ 気候性地形療法 蔵王上山全国サミット 9月に全国サミットを開催したことにより、上山で取り組んでいる気候性地形療法による温泉 保養地づくりを県内外にアピールすることができ、上山に対する注目度が上がりました。 市民の参加が多かったことで、気候性地形療法のウォーキングによる健康づくりの理解が深ま り、その後の普及講習会への参加者が市内外から増加しました。 さらに、かみのやま温泉旅館組合青年部は、由布院温泉観光協会青年部との交流会により、温 泉保養地づくりに対する意欲が高揚し、効果検証のモニターにも積極的な参加となり、自主的な 早朝ウォーキングにも取り組み、自ら実践し始めました。 ■ モニターツアー 様々な角度から議論しつ作成したモニターツアーのプログラムを実施したところ、盛りだくさ んな内容となったため、時間的な余裕のない日程になり、スタッフの不慣れさも手伝い、一部満 足度を下げる要因となりましたが、参加者側の視点不足やゆったりとしたプログラムが何より必 要であることを実感できました。 このツアーで重要なポイントは宿泊先の夕食で、健康志向者に対してどのような料理を提供す るかが課題でしたが、試食会を開催して研究を重ねたことで、800キロカロリーという通常の 半分以下の低カロリーでも質が高く味の良い、参加者から満足してもらえる料理を提供すること ができました。旅館の協力体制も得られ、今後の受入にあたっての実践モデルとなりました。 これらの取組により、このプログラムを山形県主催の「山形の旅」コンテストに応募したとこ ろ、見事第1位となり、JR東日本の花回廊キャンペーンや「旅市」、㈱ティー・ゲートでの旅行 商品化が進んでいます。この来訪者が、満足して帰り、再びリピーターとして再来するように、 ■ ■ ■ 丁寧な対応をするよう心がけていきます。 気候性地形療法と温泉療法の併用による医科学的効果検証 気候性地形療法のウォーキングと温泉療法の医科学的効果検証を2ヶ月間実施し、一定の効果 があることを実証することができました。これは、対外的に紹介するための客観的で医科学的な 根拠が整ったことであり、これを元にプログラムを確立し、22年度にはさらに市民の健康増進 と交流人口の拡大を図っていきます。 気候性地形療法の普及講習会の開催、指導者の育成 地元向けの普及講習会を毎月1回ずつ開催したこと、全国サミット、市民モニターによる効果 検証などとも相乗効果があり、この気候性地形療法によるウォーキングが、徐々に市民をはじめ 近隣地域の方々へ浸透してきています。次年度は、ツアー商品とは別に、土日祝のウォーキング を通年とおして開催し、市民と来訪者が一緒に健康づくりができる体制をつくっていきます。 今年度は15名のガイドを育成しましたが、次年度以降も新たなガイドの育成を継続的に実施 し、ツアー商品や土日祝のウォーキングに活躍してもらう予定です。 現在、地域に普及させるため、気候性地形療法の出前講座を開催していますが、あちこちから 申込みがあり、市外からも要望がでている状況です。上山市内だけに留まらず、県内に広めるよ う取組を進めます。 新ビジネスの試行、地場産農産物の活用 地場産食材を活用した弁当について、次年度は、毎週土日祝のウォーキングやツアー商品によ る集客があることから、事業者と連携・協力しながら、上山の特徴をだせる弁当にレベルを上げ、 地場農産物の消費拡大と経済効果を図っていきます。 中心市街地の十日町に開設した長屋門ギャラリーでは、一定の集客があり、回遊スポットとし ての機能を果たしています。今後、東北芸術工科大学との連携で紅花染め体験や特産物の販売な どにまで結びつけ、さらにまちなかのにぎわいづくりを推進していきます。 1 ドイツ気候療法士研修 気候性地形療法のコース (上山市単独事業) ◆目 的:世界先進の本場ドイツでの気候療法を学ぶ 気候性地形療法による健康ウォーキングの指導者となるべき人材の育成とガイドの養成を目的 に、気候性地形療法の世界最高権威・ミュンヘン大学シュー教授から直接講義を受けるとともに本 場ドイツのクアオルト(健康保養地)の視察研修を行った。 ◆期 ◆参 間:平成21年10月24日(土)~11月3日(火・祝) 加 者:選考により決定した方11名、一般参加1名、引率1名 合計13名 ◆研修コース:上山→日本→パリ→チューリッヒ(スイス・10 月 25 日)→ガーミッシュ・パーテン キルヒェン(25 日~29 日)→ドナウエッシンゲン(29 日)→バーデン・バーデン(30 日)→バード・クロツィンゲン(31 日)→バーテン・バイラー(11 月 1 日)→バーゼル (フランス)からパリ経由成田→上山(別紙行程表のとおり) ◆研修内容 ◎ガーミッシュ・パーテンキルヒェン(バイエルン州) ・人口 約26,000人 ・海抜708m ・1935年 冬季オリンピック開催 ・オース トリア国境に近く、ドイツ最高峰のツーク・シュピッツェ(2,962m)を擁する世界的保養地 <10 月 26 日>時差を解消するために、ガーミッシュ・パーテンキルヒェン市内 を1日見学。観光センター、クアパークなどを視察。クアタックス (1人1日2ユーロ)がかかるが、路線バスなどは乗り放題。 <10 月 27 日>ミュンヘン大学アンゲラ・シュー教授 と対面。世界の最高権威から気候性地形療法を直接学 べるとあって、参加者に緊張と興奮が走る。教授のや さしくフレンドリーな雰囲気に一同感激する。ホテル メルキュールの特別室を使い講義開始。 シュー教授 ■講義:気候療法の基礎(クアオルト医学、気候療法の条件、健康を促 進する気候要素、気候曝露の仕方、可視光線での気候療法など)を学ぶ ◇夜:地元観光ガイド・バイトルさんの案内で協会など市内を見学 <10 月 28 日>◇朝:バイトルさんの案内でガーミッシュとクアパーク 講習会で質問をする参加者 など市内見学。 ■講義:異なる気候ゾーンでの気候療法(高山気候における気候療法、中級山岳気 候における気候療法、海洋気候における気候療法~タラソテラピー~など)を学ぶ。 ◇夜:シュー教授を囲んでの懇親パーティ <10 月 29 日>■実地研修:ヴァンク(1,780m)の中腹にある気 候性地形療法のコースを使っての研修。プファイ ファーアルムまで、美しいドイツの山々を見なが ら整備されたコースでの気候性地形療法の実地体 験。シュー教授から説明を受けながら約4㎞のコ ースをウォーキングした。天候にも恵まれ、気持 ちの良いコースに大満足。 研修会場のホテルに戻り、ウォーキングガイド レナーさんからストレッチの指導を受ける。質疑 整備されたコースを歩く 応答の後、シュー教授から全員に修了証が授与された。シュー教授は、 「親愛なる上 山の皆さんは、とても熱心に受講してくれた。熱意のある方々に指導できてうれし い」とコメント。 ◎ドナウエッシンゲン(バーデン・ヴュルテンベルク州) ・人口 約21,000人 ・海抜677m ・ドイツ南端、スイスに近く、シュヴァルツヴァ ルト(黒い森)の北部に位置する。フュルステンベルグ城の中庭にあるドナウ川源流の「ドナウ の泉」は観光名所となっている。上山市の海外友好都市(1995 盟約締結)。 <10 月 30 日>朝市、ドナウ川の起点、ビール工場、ドナウの 泉見学の後、ドナウエッシンゲン市役所を表敬訪問。フライ大 市長に上山からの記念品を贈呈し、懇談。フライ大市長は「遠 来の友を歓迎する。経済状況は厳しいが、暗くならず出来るこ とに前向きに取り組む。上山にもぜひ訪問したい」と歓迎のス ピーチ。 その後、独日友好協会のヴァルター会長夫妻、国際交流担当 のベアトリクスさんを囲んで昼食会をビール工場直営のレス ドナウエッシンゲン市フライ大市長 トランで行い、交流と親睦を深めた。 ◎バーデン・バーデン(バーデン・ヴュルテンベルク州) ・・人口 約54,000人 ・海抜160m ・シュヴァルツヴァルト(黒い森)の北部に位置 する。ヨーロッパ有数の温泉保養地として幅広く知られる。カジノもあり、街の財政も観光に多 くを依存している。 <10 月 30 日>観光インフォメーション、トリンクハレ(飲泉所)、カジノ入口な どを見学。到着時刻が遅くなったためフリードリッヒ浴場でのロー マ式温泉体験ができず、参加者をがっかりさせた。 <10 月 31 日>美しいクアパーク、厳かなコリント式列柱の正面玄関を持つクア ハウス、ローマ浴場跡などを見学。 ◎バード・クロツィンゲン(バーデン・ヴュルテンベルク州) ・人口 約13,000人 ・海抜230m トリンクハレ ・ライン川上流に位置する。ヨーロッパ有数の炭 酸泉。年間宿泊者数は 100 万泊で、主に国内からの湯治客でにぎわっている。竹田市と友好都市。 <10 月 31 日>フライブルクでミュンスター教会見学の後、バード・クロツィンゲンに到着。ヴィタ・ クラシカ(浴場施設)で、施設内容、炭酸泉浴治療や アーユルヴェーダ(インド式オイルマッサージ)など の説明を受ける。その後、様々な入浴施設、水着を着 けずに入る男女混浴のサウナなどを体験。具合の悪い 人が温泉で元気になる様子を端的に表した看板にも感 心する。 <11 月 1 日>公園のまん中を川が流れる クアパークを散策。鳥や昆虫などの生態、 温泉が湧出する要因となるマグマの働き を図示した看板などが設置されており、 「こんな案内板が上山にもほしい」との 感想も聞かれた。 温泉で元気になる様子を表した看板 ヴィタ・クラシカの温泉プール ◎バーテンヴァイラー(バーデン・ヴュルテンベルク州) ・人口 約4,000人 ・海抜425m ・由布院がまちづくりの手本とした州立のクアオル ト。クアハウスのほか古代ローマ時代の入浴施設の遺跡がある。 <11 月 1 日>「森に沈む温泉地」という言葉がぴったりの保養地・バーテンヴァイラー。クアパーク や古代ローマ時代の温泉遺跡を見学。その後、テルメ(温泉施設)を体験した。家族連 れや若いカップルも多く、ドイツでも温泉が見直されていることが実感できた。 テルメ視察 ◆研修のまとめ 水中運動など様々な手法で健康づくりがなされていた 当初、6月中旬から予定であったが、新型インフルエンザの世界的流行により、4か月遅れの10 月の出発となった。しかし、この間、9月26日の「気候性地形療法全国サミット」が開催され、ま た、10月2日から3日間に及ぶガイド養成講習会を受講したうえでドイツ研修に出かけることがで きたため、より理解度が高まったと感じた。 今回のドイツ研修は、小関信行博士の周到な準備と配慮により、ミュンヘン大学のアンゲラ・シュ ー教授から直接指導を受けられるというめったにできない機会を得、 またドイツでも有数のクアオルトを巡るコースで、一般的な旅行では 体験できないことが体験でき、詳しい説明も聞くことができた。さら に参加者も、 「上山の発展に、自分の力を役立てたい」と思う意識の高 い方たちばかりであり、各自の観点から鋭い質問をし、知識を深め、 見聞を広め、気付きの多い有意義な研修となった。 何よりの成果は、志を同じくする市民が、本場を知り、同じものを 見聞きし、気候性地形療法やクアオルトとはどういうものかという共 通認識に立てたことだと思う。今回の研修をより有意義に快適に受講 できるよう細部にまで心を砕き、配慮をしていただいた小関博士、通 訳の堀込由子氏に心より感謝申し上げたい。 Danke マグマの様子の説明版を解説する小関博士 細やかな配慮で研修をサポートしてくれた通訳の堀込由子さん ・・ schon 2009年 10 月 気候療法士研修会とクアオルト視察行程 1日目 2日目 月 日 曜 10 月 24 日 土 10 月 25 日 日 内 容 宿泊地 13:15 発JRかみのやま温泉駅(つばさ116号)―15:56 東京着 成田エアポート 16:33 発(EX39 号)―17:29 成田空港着 レストハウス 成田(泊) 9:30 成田空港発(エールフランス 279 便)―14:10 パリ着 ガーミッシュ・パー 15:45 パリ発(エールフランス 5106 便)―17:05 チューリッヒ着 テンキルヒェン バスで空港出迎え、ガーミッシュ・パーテンキルヒェンへバスで移動 Hotel Mercure 22:00 ガーミッシュ・パーテンキルヒェン着 3日目 10 月 26 日 月 ガーミッシュ・パーテンキルヒェンで時差解消・気候の対応など体調順応 10 月 27 日 火 同上 日、観光、散策、買い物 9:00~18:00 気候療法士研修会 4日目 4 つ星 1日目(講義) ドイツ語の講義、通訳翻訳。資料はドイツ語に日本語訳付き 同上 ◆講 師 :ミュンヒェン大学 アンゲラ・シュー教授 5日目 10 月 28 日 水 9:00~18:00 気候療法士研修会 2日目(講義) 8:30~16:30 気候療法士研修会 3日目 (現地コースでのウォーキン 6日目 10 月 29 日 木 グと気候性地形療法体験) (上山市の友好都 市)Hotel Zum 21:30 ドナウエッシンゲン着 Hirschen 3 つ星 ドナウ川の起点見学 9:30~11:50 ビール工場・源泉その他市内見学 12:00 フライ大市長へ表敬訪問 10 月 30 日 金 ドナウエッシンゲン 16:30 研修会終了後、バスでクアオルト視察へ移動 9:00 発 ドナウエッシンゲン市 7日目 同上 12:30 ビール工場直営レストランで昼食(ヴァルター独日会長夫妻、上 山国際交流担当ベアさんと懇談) 13:30 発 バーデンバーデンへバスで移動 バーデン・バーデン 州立クアオルト Hotel Batschari Suite 4 つ星 17:00 バーデンバーデン着・クアオルト視察 8日目 9日目 10 月 31 日 11 月 1 日 土 日 9:00 発 バーデンバーデン散策(クアハウス、トリンクハレ等) バート・クロツィンゲ 10:00 発 バーデンバーデン発 フライブルクへバスで移動 ン クアオルト 途中ワイン畑とワイナリー見学 12:00 フライブルク着・山の展望レストランで昼食 市 15:00 バート・クロツィンゲン着 Hotel Alla Fonte 3 16:00 テルメの施設説明と体験(希望者:サウナ、炭酸泉治療浴) つ星 9:00 クアパーク散策 バーデンヴァイラー 10:00 バート・クロツィンゲン発、バスで周辺観光(ライン川) 由布院が手本にし 13:00 バーデンヴァイラー着 クアハウスのレストランで昼食 た州立クアオルト 14:00 クアオルト視察とテルメ体験 Hotel Post an der 19:00 ホテルのレストランで夕食(打ち上げ) Therme 4 つ星 8:00 バーテンバイラー発、バスで移動 10日目 11 月 2 日 月 竹田市との友好都 9:00 バーゼル着 10:37 バーゼル空港発(エールフランス 3283 便)→11:45 パリ着 13:30 パリ発(エールフランス 276 便) 11日目 11 月 3 日 火 9:05 成田着 成田空港発(EX18 号)―12:44 東京駅着 13:08 東京駅発(つばさ 117号)― 15:51 かみのやま温泉駅着 機 内 ドイツ気候療法士研修会 参加者レポート 「ドイツで学び感じた事、そしてこれからの上山の対応」 徳正 強 研修地のガルミッシュ・パルテンキルヘンに着いた翌朝、私は目を見張った。何と素晴らしい美しい街並みだろ うと。そして次は当然山を探していた。残念ながら、この日10月26日は、山の頂は雲の中に隠れ姿を見せても らえなかった。翌朝、暗いうちに散歩をしていると突然目の上に、アルプスが出現した。間もなくそのアルプスピ ッシェは鮮やかな朝焼けに染まっていた。夢中でシャッターを押していた。その尾根を右に追って行くと、ドイツ の最高峰ツークスピッェがドーンと構えていた。美しい街並みがアルプスの山並みに溶け込んでいて感動しました。 その時私の頭の中に浮かんだのは転地効果と云う4文字でした。すごく幸せな、良い気分になれました。そしてそ の時すでに坊平の地形、気候とを無意識のうちに、ここと比較していました。 シュー先生の講義が始まり、特に興味を感じたのは「健康を促進する天候と気候の要素」です。つまり①冷と風 ②太陽光 ③可視光線 ④清浄な空気と尐ないアレルゲン、この4要素がガーミッシュ・パーテンキルヒェンには 全て備わっている事は街の標高700mその街を取り囲むアルプスの山並み、そしてブナ、トウキ、モミの木等の 大木が程良く密集している森林を見れば納得します。そこで我が蔵王坊平との比較をした時に、ここにも優るとも 劣らない4要素が備わっている事を確信しました。ガーミッシュ・パーテンキルヒェンは人口約26,000人な がら、ベッド数が9,000床と多く、年間100万泊以上のクアオルトの利用者があるとの事で、1日平均3, 000人以上の人達が利用している事は、この気候療法が国民から認められ信頼されている事の証明であります。 ここG・Pにはウォーキングコースは延べ350Km標高も3,000m 近くまであり、その中でシュー先生が作 ったコースは100Km あるとの事です。その中の一部を歩きましたが非常に歩き易いコースで車椅子を押してで も歩ける様に整備され、しかも、コースの両側も明るさを取り入れ、藪を刈り払われていて、見通しが良く、解放 感が心の中迄伝わるような環境整備、その上要所にはベンチを設置、そこには決まってゴミ缶も設置されてた事に は驚きました。早速シュー先生に質問しました。コースの管理はどうなさっているのですかと。答えは、管理セン ターのその職員が毎日コースを点検して、必要があれば修理をし、特に冬期は毎日除雪をしてコースを確保してい ますと。そしてその財源は、利用者に課税しているクア税(1人2~4ユーロ)が主だとの事でした。 講義の中で私が気になっていた事で2件の質問をしました。1つは霧の事です。霧の中には体に悪いアレルゲン が水滴に集められるので、霧の多い所は気候療法には適さないと云う事で、標高1,000mの坊平は霧の名所(?) ですがどうか。答えは坊平の霧は全く問題ない、低空での霧が問題で高度が上がるにつれてアレルゲンは尐なくな り、1,000mではほとんど無い。一件落着。次2件目は「太陽光」の件で、太陽光にはUV2の優れた治療効 果のある波があると同時に皮膚ガンやシミを発生させる波もある、どのように太陽光を浴びながら歩けば良いのか。 たとえば、森の木漏れ日の中だけで良いのか。答えは、確かに木漏れ日の中は良い事だが、もっと前向きに考えて、 太陽光を多く活用しようとの事。 さて、G・Pで得た研修を上山に持ち帰って来た時、まずは何から始めようか。私の考えを述べさせていただき ます。最初に手を付けなければならないのは、コースの環境整備です。西山も坊平にしても一部を除いては快適な 環境とは云えません。むしろ、圧迫感が感じられます。この整備はボランティア的に行えば金もかかりません。な ぜコース環境整備かと云うと、今のお客さんは目が肥えているからです。そして同時に、地元市民の関心を高め、 地元から盛り上げるような環境を作り、市民から市民へ、友人、知人へとそして宿泊客へPR等々で「気候性地形 療法」の文字を上山発として全国に発進し、定着しなければならないと思います。 最後に、この実の有るドイツ研修会、そして視察会を最初から最後まで和気合の中で気楽に楽しんでこられたの も、小関先生の用意周到な支えがあったればこそと感謝しております。ありがとうございました。 1 ドイツ気候療法士研修会に参加して 土屋 一斗志 今回の実習は、この1コースのみの体験でしたが、特に感じたことはコースの整備が完全に施され、医科学的な 根拠に基づいた運動負荷による治療者や保養者への処方は勿論ですが、歩道の設定を行うにあたっては、多様な勾 配と景色などを考えたうえで、もしかしたら心理的な要素、それらがもたらす効果についても十分に考慮したうえ で、綿密に計算されているものではないかとも感じられました。なぜなら、スタートして短時間のうちに健常者に とっても適切な心拍数まで上げることのできる勾配。景色の最高な場所での心拍数などのチェック、また途中の無 理のないアップダウンに加え、最終の坂路では若干急な勾配のコースを設定することによって、目的地に到達した 時の喜びと感激を増幅させる心理的な効果までをも考慮に入れた、気候療法の手法と意図がこのコースに凝縮され ているのではないかと感じられたからです。また、スタートから歩みを進めて感じたことは、コース自体がひとつ の物語を読み進めるかのようにストーリー性に満ち溢れており、しかも歩く人の想像力をもかき立てるコースでは なかったかということです。また、そこからは自然の雄大さとともに、G・Pに住む人々の『自然との共生という 力強いメッセージ』も一緒に受け取ったような気がしております。私は、このコースで気候療法の素晴らしさを再 確認しながら、至福の時間を過ごすことができました。 【まとめに・・】 以上が今回の研修の中で、最も印象深い町となったG・Pでの体験レポートですが、これらは研修のほんの一部 分にスポットを当てたレポートに過ぎません。その他の地域での、クアオルトの視察や本場ドイツのテルメ体験、 上山市との友好都市であるドナウエッシンゲンでのフライ大市長への表敬訪問など、ドイツの文化や習慣、まちづ くりを実際に目の当たりにして、大変貴重な経験を重ねる中で、今まで以上にドイツが好きになりました。今後は、 気候性地形療法について、自分自身でも更に学習や経験などを積み重ね、またドイツ研修で学んださまざまなこと を公社職員にも伝えたいと考えています。そして、 「上山型温泉クアオルト構想」の中で、上山市体育文化センタ ーの施設機能を十分に活用できるよう、また施設の指定管理者としても、これから果たせる役割について全職員で 考え、今後の事業計画に反映できるよう精進してまいります。 また、最初に述べましたとおり、この研修会をとおして、小関先生はもちろんのこと、13名のメンバーの皆様と 新たな絆を結び、深めあうことができたのも私にとって大きな財産と思っております。メンバーのひとりが研修中 に言った「おらだが最初に手を繋がなくちゃいけない」という言葉を思い出します。 今後ともメンバー相互に情報交換を行いながら、全員が手を携え、 「上山型温泉クアオルト構想」の実現に向けた 取り組みの中で、ドイツ研修メンバー13名のうちの一人として、私はその役割と使命を果たしてゆきます。 この報告書を提出することによって、ドイツでの気候療法士研修会がひとつの区切りになることは、いささか心 寂しい思いもわいてきます。しかし、これからが私たちのスタートだと考えて、未来に向けた確かなプロジェクト を着実に推し進めたいと考えております。 最後になりましたが、この研修会の実施にあたり、計画の段階から携われた上山市のスタッフの皆様、ドイツ で私たちの受け入れ準備をしていただいた小関先生、研修期間中いつも明るく陽気で私たちに元気を注入しつづけ てくれた通訳の堀込さん、また、シュー教授をはじめ対応にあたっていただいたドイツの皆さん・・そして研修会 の参加について当初より理解いただき、快く見送っていただいた職場の上司、同僚など、多くの皆様方にあらため て感謝申しあげます。ありがとうございました。ダンケ・シェーン!!(ありがとうございます。 ) 追記: 今回のドイツ研修会について、上山市を出発した日、10月24日は偶然にも私の誕生日でした。2009年、 42歳の誕生日から数日間・・研修メンバーと結んだ新たな絆とドイツで過ごした思い出は、私の大事な宝物とし て、これからも一生忘れません。 2 ドイツ気候療法士研修報告書 加藤 直美 ガーミッシュ・パーテンキルヒェン 4日間 【学んだこと】 この地は国際的スキー場の麓という、上山に似たシチュエーションを持つ。 気候療法士の講義を提唱者のシュー教授より講義を教授することができたことは大きい。事前に上山市にて、講 義を受けていたため理解しやすく非常に学習しやすかった。実技では、システマティックに運動量をコントロール しているのだが、そこを機械的に見せない(気候療法士が訓練されていて、歩幅・歩数と観察力で参加者の体調、 状態に合わせている。 )方法が実践されており、体育会系に走りやすい日本との差を痛感した。また、外にはあま り出られなかったが、町の空気が非常にきれいであった。町全体が健康のため、クアオルトを維持するために努力 をしている姿が感じられた。 (工場を誘致しない。町の景観を保護する。下草や雑木林の整備、インフラの計画的 整備。 ) 【上山市に今後生かせるか】 テラインクアの講義を聴き、実践を行ったうえで、いま行っている地形性気候療法が上山で十分生かせる方法で あることを実感した。その上で、この方法には、確かな判断力を持った人材を育てる必要があることを痛感した。 また、歩いてもらい、長期に滞在して心地よくすごしてもらうためには、町並みや環境の保全(色彩規制も含め て)の重要性も感じた。歴史的建造物が多く、地震等のないヨーロッパと相等するのは困難だが、視覚的要素も癒 しの重要要素と思われた。 有利な点として、食文化を生かした特殊性が挙げられる。現在マクロビオティック等日本の食材が世界的に見直 されていることや、今回の滞在中の食事を食しても変化に乏しく、山形の食材の多種多様性気づかされた点を考え ると、地形性運動療法、温泉の他、健康に良い食を提供できるところは、コストをかけずに実践できる方法と考え られた。 【雑感】 4日間滞在していたが、ほとんど日中は団体で昼もホテル内と、市五の人々と触れ合う機会が全くなかった。尐 し人々と触れ合う機会がほしかった。 また天候に恵まれていたが、終日ホテルに缶詰状態であった。難しいところだが臨機応変に空気に触れる機会が ほしかった。 6日目からは各都市を毎日視察訪問した。 ドナウエッシンゲンでは、フライ大市長より、過大な歓迎とお言葉をかけていただいた。ヨーロッパ全体の経済・ 文化を踏まえた上での市としての可能性や今後の課題等、私たちも日本の中の上山市というスタンスで迎えられて いるのだと引き締まった思いであった。また、日独協会会長夫妻との会食では、小さな日本との接点を非常に大事 にして労を惜しまず日本人のために動いてくださっていることを知り、私も出会った海外のかたに積極的に関わっ て、今回の親切をどこかでお返ししたいと思った。 バーデンバーデンは到着が遅く、体験ができずに終わってしまい、また次の二箇所も到着の遅れと説明がやや長 く、気分不良者も出てしまった。 しかし、バートクロツィンゲン、バーデンヴァイラーのテルメの体験は温泉の知識を覆すものであった。29度 という体感的には冷たい湯の中で、いろいろな体験ができるプールは、運動療法の一環として取り入れたい設備で あった。 昔からある個人風呂としての炭酸泉治療浴も体験させてもらったが、非常に治療効果が実感でき、歴史を感じる入 浴法を取り入れることは、上山の温泉場でもできるのではないかと感じた。また、新しい方法として音楽でリラッ クスできる温泉や香りを使ったエステなど、亓感に訴えていく施設は興味深く、リハビリ等にも取り入れられる方 法ではないかと思われた。特にバートクロツインゲンでは、アーユルベーダをはじめとする今までドイツにないリ ラクゼーションに富んだ施術に取り組んでいた。庶民的な、多くの人が気軽に入れるプール施設と値段は張るがリ ラックス効果の高い施設が共存しており、興味深かった。 3 全体として、訪れたすべての場所が、有意義で勉強の場となった。これも、事前に綿密に予定を立ててくださっ た小関博士、市役所の石五さん、観光課の皆さんのおかげであり、この場をお借りして感謝申し上げたい。また、 このような機会を作ってくださった上山市に感謝申し上げるとともに、この視察が上山の地域発展のために役立て ていけるよう努力をする所在である。 「修了証」は私の財産 結城 紀英子 場違いな研修に参加したのではなかったのかと後悔する気持ちと、アンゲラ・シュー医学博士に直接講義して頂 ける感動としめつけられるような緊張感で一杯になりました。 2009年10月27日、今日は講義初日、天候はこんな私の不安な気持ちを吹き飛ばしてくれるほどの晴天。 ホテルを囲む山々の美しさと神々しさに心を奪われてしまいます。ドイツ最高峰ツークシュピッツェからの冷んや りとした空気が、とても清々しい気持ちにしてくれます。講義内容は上山市で学んだ養成講座の復習でもあり、西 川力氏による直訳も超一流で、とてもわかり易く、有意義な研修でした。また、シュー教授は、持参した「気候療 法入門」の冊子にサインが欲しいという私のずうずうしいお願いにも、気さくに対応して下さる親しみ易い方でし た。 10月28日、二日目の講義の前に、ガイドのバイエルさんから、クアパークとガーミッシュ・パーテンキルヒ ェンの古い街並みを案内して頂きました。自然保護区に指定されている森や山の谷間につくられた街、ガーミッシ ュ・パーテンキルヒェンの主要産業は観光とのこと。古い歴史を感じさせる壁絵、青銅で出来ているお洒落な看板、 洗練された街並みです。11時~シュー教授による講義開始。今日は気候療法3ゾーン(海洋気候・山岳気候・高 山気候)のページから学びました。 10月29日、テラインクアのコースを実際に歩きながらの研修。今日も晴天、最高な一日となりました。コー スの途中には、歩き疲れたころに軽い体操を促す看板とか、休憩がとれるようなベンチが備えてあったり、とても 美しく整備されており、地域あげての徹底した取り組みが感じられます。ドイツならではの植物(花・木)にも興 味が惹かれました。16時一旦研修所に戻って、いよいよシュー教授から直接、自分の名前を呼ばれての「修了証」 授与。嬉しさ感動で手が震えていた私です。人生久々の感動を覚えました。 10月30日~11月1日、残る三日間は「バーデン・バーデン」 「バート・クロツィンゲン」 「バーデンバイラ ー」のクアオルト視察とテルメ体験。ドイツの土地には、入浴とかお風呂を意味する「バード」とか「バーデン」 がついているとのこと。温泉の発祥はローマ時代にさかのぼるとか・・・ 温泉保養地をクアオルトといい、クアハウス、クアミッテルハウス、クアパークの3つの要素から成り立ってお り、その中のクアパークにて地形療法(テラインクア)が行われていますが、芝生・木々・草花を配した遊歩道が 整備されており、広い自然の中には小鳥・リスなどの小動物も生息しており、身も心も癒してくれます。宿泊した ホテルもそんな自然の中にあり、朝の目覚めに窓を開けると、窓辺に垂れる赤い実をつけた木々に小鳥たちが集ま って来ています。研修をしながら自分自身も、まさに気候療法の治療(日常の生活環境と異なる気候の下で生活し、 疾病治療や健康づくりを行う療法)を受けている状況でした。 確かに、気候療法で地域の活性化をはかり徹底した取り組みを行っているドイツでは、すでに健康保険の適用も あり、国民の意識も温泉療養事情も、我が国とは比較出来ないほど差があります。今すぐ同じように行うことはむ ずかしいことかもしれない。でも、尐しでも近づけるように努力し、 「かみのやま」ならではの良さを盛り込んだ 「上山型温泉クアオルト事業」を全国の方に受け入れてもらえるよう日々邁進することは、素晴しいことだと思い ます。 今回の研修に参加させて頂き、学んだこと、感銘を受けたこと、感じたことなど、たくさんありますが、そのこ とが何らかの形で、上山市のまちづくりにお役に立てればいいなぁと、未熟な私ですが考えています。また、忘れ てはいけないこと、今回の旅で素敵な仲間が出来たことに、心から感謝しています。 4 ドイツ研修で学んだ事・感じた事 栗原 美喜夫 今回の研修は大きく区分すると 1, シュー教授より講義を受け修了書を頂く 2, 上山市との友好都市訪問 3, クアオルト視察とテルメ体験 飛行機、バスの約18時間の長旅で到着したアルプス山麓の町ガーミッシュは正に絵葉書に出てくる町そのもの で、感激がひとしおであった。この町はクアオルトの町で工場などを誘致していないとの事で昔ながらの街並みが 保存され、住民も外国人と判っていても日本のように特別視する事無く同一に扱ってくれる気質があり自然と現地 に溶け込めた感じでした。買い物する時の言葉には全く不便さは感じなかった。 講義が始まり想像していた以上に若く、人に分かり易く教えてくれる熱心な教授であった。普通講義は自分のペ ースで話をし、理解が出来ているかは余り考えないケースが多い。一字一句丁寧に説明してくださった事は感激の 一言である。 (一人でも多くの人々に理解してもらいたいとの強い気持ちを感じる)当たり前の事であったが、山 登りの研修でも一番体力のない私に気を使って頂いた事は、生涯の思い出になる事であろう。 (私も同様にしてい きたい) 友好都市ドナウエッシンゲン訪問は、自分なりに上山市民を代表している気持ちでフライ大市長に表敬訪問した。 35才の若い大市長であったが、外見ではやり手の市長のように見受けられた。又ヴァルター独日協会会長夫妻と の昼食会は、心身とも歓迎の現れがあった。 (自分の娘さんも上山市に交歓留学生として来られたから更に強い歓 迎の気持ち)市外の一部しか見学や散策が出来なかったが、静かで質素な町と感じられた。 (市庁舎も小さく古い 建物である) 名前の聞く事が多いバーデンバーデンのローマ式温泉は時間の関係で体験できなかったが、フライブルク及びバ ーデンバイラーでのテルメ体験は、日本の温泉利用とは全然違い再認識させられた。温度の違うプールが複数あり、 (サウナも当然)子供も喜ぶ流れるプールもあり、日本で言えば年間を通した一大遊園地とも言える。 今回の研修で感じた事は 1, 人間関係の大切さと人の情けである。 2, 仕事はあくまで基本が大事・・・急がば回れ 3, 歴史は大切に。町全体が客を呼ぶ。 冒頭にも述べたように何事も無事に終了出来たのも日頃からの人脈との良好なる人間関係があったからでありま す。またスイスのチューリッヒ空港で、私の手荷物が届かなく同行者の偏り温情を頂いた事です。シュー教授は山 岳研修時、一番体力に劣っていて血圧の薬を飲んでいる私に配慮してくださった。一人くらい・・・と思えるのだ が。小関博士からも学んでいる一番弱い人にあわせる事の大切さ。 ドイツは古い歴史があります。特に先進国に珍しいギルド制度という従弟制度が今でも残っています。古いもので もその良さを認識して守り、良いものは何年でも持とうとする国民である。 (通訳ガイドの堀米さんより) 古い町並みを残しクアオルトの町として生きているガーミッシュ・パーテンキルヒェンは、我々にもコンクリート より、良い物は後世に残せとの暗示をしているようである。一人ひとりの行動がお客様に与える印象は大きく変わ ります。特別な行動をしなく絶えず困っている方への声かけは進んでやる事が大事です。 (観光客へ)長い歴史の あるドイツを師と仰ぎ、研修生の一人として全員心一つにして事業完成の為に尽力して行きたいと考えています。 それには目標を認識して全員がセールスする気持ちを持つ事が大事です。まずは自分のやる事、やれる事を自覚し 日々研鑽して行きたいと考えています。 5 「世界にかみのやま・ブラボー」 冨士 秀子 私達のかみのやま、住んでよし、食べ物よし、空気よし、人もよしほんとうにドイツの国からみても、ひけをと らない良い街です。グルメがあり、歴史もあり、何でもあり、温泉あり、この条件で町おこしをできると確信しま した。このままでも大丈夫です。それだけに具体的にやれるなぁーと思いました。とても胸がドキドキします。農 場面にしても品質は最高ですし、くだものにしても、野菜にしても、花にしても、すべて最高級です。自信を持っ て安心、安全です。ネットワークの事務局がスタートを切ってもらったらすぐにでも、気候と温泉と農商一致に力 をあわせて自信をもって前進です。 人材もさまざまな分野でプロの人々がいっぱい住んでいます。皆様の力を尐しづつネットワークをとっていただ き、分野別に尐しずつ力をかしてもらえたら、とても良い自然に笑顔のあるかみのやまになると思いました。 私はここで生まれ育った『じねんじょ』の私が、とてもドキドキしながらドイツの中で感じました。よろしく前進 して下さい。私も微力ながらお手伝いさせて下さい。ちなみに農業をやって57年目です。みなさんに感謝です。 ありがとうございました。ほんとうに、かみのやまはとても良い街です。「ともに生きよう 分け隔てなく」という 言葉の様に、生きるのみです。よろしくお願い致します。 「クアオルトという 100 年かける価値のあるまちづくりを実感」 馬場 誠 2009 年 10 月 24 日~11 月 3 日上山市温泉クアオルト協議会のガイド養成事業として、ドイツ気候療法士研修に 参加させていただきました。事前に上山でガイド講習会としてクアオルトや気候性地形療法について十分な講習を 受けて臨んだドイツ研修でしたが、現地で実際に見聞きした本場のクアオルトは美しいまちづくりとあわせて、日 本とは考え方と成り立ちがかなり違うことに驚きました。 今回の視察で特に印象に残ったガーミッシュパルテンキルヒェンという町は、気候性地形療法生みの親 Dr.Dr ア ンゲラシュー教授の研究拠点の町です。標高 800m に位置し中級山岳気候の気候性テレーンクア(地形療法)に適 している気候条件です。この町には温泉はありませんが、高地の特徴を致した汚染のないきれいな空気や紫外線、 酸素分圧の低さなどの気候を活かしたトレーニング療法を特徴としています。800m~1000m は療養的なテレーン クア(運動療法) 、1200m~2000m は治療気候性運動療法として主に心臓や血管、循環器の病気、運動器官の慢性 病のリハビリや虚弱体質の治療などが行われており、年間 100 万泊以上の人が訪れ、中には長期滞在者し療養して いる人も多いと聞きました。 クアオルトは必ず医療機関がなくてはなりません。医師の指導のもと気候療法士が様々なトレーニングや療法の メニューをつくり実践していきます。どんな患者でも大切なことは「健康に対する教育」をクアオルトで学び、自 分の生活の仕方を学んで帰り、自宅でいかに健康を保ち増進するかが肝要なのだというのが印象的でした。 ガーミッシュパルテンキルヒェンの町の中心には、クアパークがあり、放射状に道路が広がり、商店街がある美 しい町並みがありました。クアパークの入り口付近に「i」というマークのインフォメーション機能があり、そこ では、町の地図をはじめとする各種パンフレットをはじめ、クアパークでの音楽会、演劇など各種の催しの案内が たくさんありました。また、パワーウォーキング、ノルディックウォーキングなどのガイドツアーの案内やスポー ツイベントなど、多様な案内があり、どれも「GP」のロゴマーク入りレターヘッドにコピーされた簡便なもの。 長期間滞在する療養者や旅行者が日々楽しく過ごせる工夫があり、それを知らせる案内の仕組みが無理なくよくで きている様子でした。日本では、ややもすると 300 人とか 500 人とか大きなイベントにしがちですが、日常的に音 楽や演劇を楽しめる環境はとても素敵だと思いました。 お金の部分ではクアタックス(Kurtaxe:クアオルト等滞在地利用料)というクアオルト利用のための税の仕組 みがあります。この税はホテル料などに組み込まれており、施設や観光を管轄する団体により、景観整備や芸術文 6 化施設やウォーキングコースの維持管理や環境整備の費用などとして利用されています。また、ホテル宿泊者には フロントで市内の交通機関のフリーチケットが配布されたりします。クアタックスは税というより利用料の性格が 強いということらしく、もう尐し詳しく知りたい点です。 気候性地形療法のウォーキングコースは常にきれいに整備が行き届いており、スニーカーで歩くことはもちろん、 乳母車を押しても大丈夫。適度に可視光線が(木もれ日)が差し込むように、樹木の伐採など計画的に行われてい たり、雤水で道が崩れないような排水の仕組み、休憩ベンチやサインなど、全体がきちんとコントロールされてい るようでした。標高が高いまちですので、冬はもちろん雪が積もります。雪の日も毎日除雪され、除雪などの管理 はすべて市役所がおこなっているということでした。クアオルトの税が行政や観光を所管する法人によって役割分 担しながら維持管理や環境整備などにあてられ、年間通じて快適なウォーキング環境が整っています。 人の部分ではクアマネージャーがあげられます。クアマネージャーはクアオルトの分野に関しては全責任を持ち、 マネージメントしていく役職でその権限はかなり大きいようです。そういった権限がなければ、ハード整備からコ ースの維持管理、療養プログラム、サイン、クアハウスの催事に至るまで、統一感を持たせたまちづくりは難しい だろうと思います。このクアタックスとクアマネージャー及び運営組織については、今後もっと突っ込んで研究し たいところです。 ドイツではクアを「医学的な健康予防管理とリハビリテーションの為の措置」と規定し、医科学的な裏付けに基 づいた高いレベルの規格を設けています。ドイツ人は日常的に「保養の(クア kur)場所(オルト Ort)に行く」 という表現をするといいます。 日本で言えば「湯治」や「転地療養」なのですが、気候とか高度、温泉の泉質、海か山か、きれいな空気、可視 光線など自然環境を利用した治療法やリハビリ療法が確立し、医学的に認められ、その治療法が健康保険適用にな っているところがドイツと日本との大きな違いでした。日本では病気の治療に保険を適用する、ドイツでは予防ま で保険でカバーする方が合理的、といった具合です。 「メディカル気候学/気候療法」 医学的気候学教授 Dr. Dr. アンゲラ・シュー先生 の講座に参加して 小笠原 栄子 10 月 27 日~29 日の 3 日間、ドイツにおける気候性地形療法の世界的第一人者の Dr. Dr. アンゲラ・シュー先 生の講座を、ガーミッシュ・パーテンキルヒェンで受講する事ができた。 この講座で、Dr. Dr. アンゲラ・シュー先生の医学的気候学に対する情熱が、ドイツ語の解らない私にも、ひし ひしと伝わってきた。それは、先生の言葉のあとの通訳間にも、先生は私たちの目を一人一人見、その際、 「私の 説明、理解していますか?皆さんに伝えたい。 」と語りかけて下さっているようにも伺えた。受講して思った事は、 “熱く情熱溢れる講座” だと思った。 講座では、事前に日本でおおよその基本的な柱になる事を教えてもらっていたので、スムーズに聞き取ることが できた方は多いと思う。そして、ドイツにおける、より具体的な内容を重ねる事ができのではないかと思う。 ○コースを歩いてみて ガーミッシュ・パーテンキルヒェンのコースは乳母車でも歩けるコースとは聞いていたが、その通り道幅は広く 歩き安く解放的であった。ところどころに、ベンチとゴミ箱が設置され、景色を眺めながらすぐ休む事ができる。 コースの整備(行政が実施)で印象的だったのは、道に雤水が溜まらないようにと、水はけがよくなるように、 細いU字溝が埋め込まれてあったことだ。景色では、紅葉の時期であったが、色は日本の様々な色彩ある紅葉とは 違い、黒に近い緑の木々や黄色の葉が印象的たった。ゴミっぽくなく空気が澄んでおり、おいしい空気と表現した い。香りは、木々や草の香りが尐し、亓感に響くコースとは、このようなコースなのであろう。 速度は遅めで、3 時間ほどウォーキングし途中、脈拍と皮膚温度を計測した。Dr. Dr. アンゲラ・シュー先生の 名前にちなんだ、看板の靴のマークが印象的だった。 7 ○研修を終えて 1~2 日間は屋内での講義、3 日目は、最高の天候に恵まれた。小関先生は「10 回来てもこんな天候には、恵ま れないよ。 」との事。非常にラッキーだった。 Dr. Dr. アンゲラ・シュー先生の医学的気候学に対する情熱あふれる講義を受け、より一層、小関先生が上山市に クアオルト事業を推進した思いがより強く伝わった。日本は今でこそ、予防医学、生活習慣病予防と介護予防と云 われているが、ドイツの歴史にはまだまだ近づいてはいない。健康は運動・栄養・休養と学んだが、ドイツの健康 づくりは本物だと思った。このクアオルト事業には医師の参加は、必要不可欠である事は言うまでもなく、日本の 介護保険のシステムに似た取り組みのように感じた。ピラミッドの頂点の医師には、治療中心の医学から予防中心 の医学への早急な転換を臨みたい。そのためには、ドイツで研修した我々が微力ながらも、発信していく必要があ ると思った。 「私が考えるクアオルト(保養地)とは」 長橋 圭子 この度は大変貴重な体験をさせていただきました。中でも、クアオルトの在り方について、ドイツでの研修は沢山 のことを学ぶことができました。クアオルト先進地のドイツは、上山に大きな影響をもたらす場所でした。 【ガーミッシュ・パーテンキルヒェン】 クアオルトについて ガーミッシュとパーテンキルヒェンは 2 つに分かれている地域で、それぞれ特色を持った町が一体となってクア オルトになっている。 昔ながらの風情を大切に生活していて、景観条例があるものと思われるが近代的な建物はなく、鉄筋造であって も外部を木造風に見せたり、宗教的なペインティングを施すなど工夫されている。 どの家もベランダには花が飾られ、各庭はきれいに手入れされており、外から見られているという意識が大変強 いのではないか。街に住む人の美意識が強く感じられた。 上山市はどうだろう。例えば天童市の城下町(中心街)には景観条例があり、整備が進んでいる。 上山市も城下町の観光客へ対する見せる意識は高くなっていると思う。もう尐し協力し地域づくりに関心を持つこ と・関心を持たせる情報の提供が上山市の今後の問題点ではないか。 クアパークについて 街の中でも中心地に位置し、保養客が多く集まる地域にクアパークはあった。インホメーションやクアハウスと 隣接し、人が集まりやすい場所だった。買い物や食事をする行動と共に、公園でくつろいだり、運動するという一 連の動作がスムーズに行える環境だ。 クアパークを中心とし町が作られている感じをうけた。クアオルトの中のクアパークが、いかに重要な施設とし て作られているかわかる。市民や他からの保養客が気軽に立ち寄れる空間づくりがされている。クアパークには、 それぞれの趣味にあったブースがあり、コンサートホール・巨大チェス・読書のイス・カフェ・芝生での運動場所・ クナイプなど、それぞれの好みに合った使い方が可能だ。 ガーミッシュ・パーテンキルヒェンは、標高が高く空気が大変きれいな場所である。日本で言えば黒部や軽五沢 といったところだろう。古い石畳の道や、古い教会、馬屋がそのまま残っている。道には馬糞が落ちているほどの どかだ。しかし、温泉や観光施設が上山ほどあるわけではない。観光地としては、上山市の方が素材を沢山持って いるように感じた。準高地である上山は大変恵まれた土地であり、今後の上山型クアオルトに大変期待が持てる宝 庫だ。 トレッキングコースについて スタート地点は里山という感じで、町からすぐの場所にあり、標識も詳しく書いてあり、利用する人がわかりや 8 すい。コースは、体力に合わせ沢山のコースがある。同じ到着地点のほんのちょっとの距離でも急な道となだらか な道に分けられ選択できる。休憩場所のベンチにはゴミ箱があり、冬の除雪を含め市で管理しているとのこと。足 元はなだらかで、乳母車でも走行可能だった。歩道には山水や雤水の為の排水口も設置されていた。 ロングコースには眺めの良いレストランがあり、日中からビールを楽しむ老夫婦が沢山いた。コースは大変開放 的で圧迫感がなく、先の道が見通せない作りになっている。先が分からないため楽しみながら歩くことができる。 上山のコースの問題点は、入り口がわかりにくく市民でも場所が分からない人が多い。今後標識が設置されるこ とで、多くの人が歩くことが可能になるだろう。 まとめ ドイツという国・人の考え方がそもそも違うと感じたが、同じ人間なのでこの保養地づくりをできないわけでは ない。ドイツのクアオルトはどの場所も他と競うように素晴らしいつくりになっている。 それぞれが特徴を生かした町づくりと町を大切に思う人からできている。 上山市は日本でもクアオルトの先駆けという意識をもって取り組まなければならない。今後、上山市や小関博士 その他クアオルト関係者の努力により、保養地に対する国の在り方も変わってくるだろう。数年後の上山及び日本 が楽しみだ。 (順不同、敬称略) ※ 紙面の関係で、執筆者の原稿を部分的に省略し掲載しました。編集事務局 9 熊野古道視察研修 参加者レポート 熊野古道で感じて来た事 徳正 強 標高1,000m前後の山並みが連なる世界遺産熊野古道、初めて行く私は、そんな想像をしていました。全く 外れていました。山また山の低い山並み、そ して杉と桧の森が周りをおおっていました。杉の森を一人がやっと通れる様な道を想像してみて下さい。その道は 暗く、風通しも悪く、何か動物の音を気にしながら、ただひたすらに歩くだけと、しかし、ここ熊野道は違ってい ました。道幅2m位、杉や桧は間抜され、枝打ちされ、適度に明るく、周りの見通しが良く解放感が味わえる素晴 らしい古道でした。流石世界遺産だと思いました。 世界遺産になると2年程は大勢の観光客で賑わうが、その後が問題だと云う事を、熊野で健康ラボの所長木下先 生が云っておられました。そのような事もあり、あるいは最近の健康志向者の増加による、日本各地でトレッキン グが盛んになっている等々の動きを熊野古道で健康な歩き方を、と云う事をアピールして、観光客の増加を計るよ うに仕掛けたのが「熊野で健康ラボ」を始めた目的ではないのかなと思いました。 今回だけなのか、いつもそうなのか、特に感じたのは「泊・食分離」の形を取っていた事に感心しました。そう する事によって、地元の業者に、より広く利益を分配する事により、健康ラボの事業を、多くの地元の方から理解 を得、なおかつ協力も得られ、この事業がスムーズに運営出来ると云う事かもしれません。ラボっ娘の2名も常に 業者とのコンタクトをとっていて、土地の「顔」的な存在だったと思います。 熊野でも気候性地形療法の文字はパンフ等に見られましたが、実際には、普通のトレッキング、プラス最初と最 後に健康状況をチェックするだけで、観光トレッキングと云うイメージを受けましたが、これを上山に置き換えた 時、やはり気候性地形療法を全面的に頭においた療法目的のウォーキング、それを延長した健康ウォーキング、中 級、上級のトレッキング、あるいは雪国だから出来る歩くスキー、かんじきを利用した樹氷トレッキング等で四季 型の気候性地形療法に取りくんでいく事が有効ではないでしょうか。 熊野古道で感じた事、取り入れた事 栗原 美喜夫 今回研修に訪問した田辺市は世界遺産を持つ町。 『千年以上の歴史を歩む熊野古道』 我が上山の歴史とは到底 比較にならない歴史を感じる。それは奈良、大阪、三重県からの各大社へ詣でる各々の壮大な古道であるからであ る。我々がウォーキングした箇所はほんの米粒くらいの距離であるが、感激そのものであった。そんな歴史のある 古道のウォーキングに参加して感じる事は、近隣の観光客に対して『もてなしの心』を持っていることである。古 道ウォーキングの昼食時、途中の茶店で昼食を取ったが、あえて私は隣りの民家に食事場所を依頼してみたが、快 く快諾して取らせてくれた。このように皆で世界遺産を守ろう。お客様を大切にしようとの心が備わっているのを 感じます。これが{歴史と世界遺産から来る物なのだな}と痛感した。 さて研修に参加する前『もてなしのノウハウ』を学ぶ事。更にそれを『上山にどのように具現化するか』アドバ イスが小関博士よりありました。心に思いながら参加し感じた事は 1. 木下博士とラボッ子との強い信頼関係がある。 2. ラボッ子のレベルの高さ。 ○ 先を見据えた段取り ○ 非常時を想定しての(ケガ、病気の医薬品等)所持物 3. ガイド(歴史)のレベルの高さ。他のガイドも研修しているようだ。 4. お客さんのニーズに合うような選択が地域に根付いている。 1 ○ 宿泊のみでOK,夕食は別な場所で {地域全体が潤うのであればいいのでないか・・・・・こんな考え方} 感じた事は沢山あるが、これを我々がどのように実践し企画として取り入れるかです。 考えられる事は 上山市の持つ観光資源や特産物との融合によりお客様を増やす 大手企業の保険組合への勧誘や旅行業者との連携 県内の他地区との総合イベント企画 ガイド終了後のサークル化・・・・趣味の世界での ガイドという仕事は与えられるものですが、仕事自体自分で作るものです。 一人一人ガイドしたお客様をリピーターとして又リピーターが更にお客様を連れてきてもらえる様にするか、これ が一番大事でないだろうか。私は今の自分のスキルアップに勤め自分の体を直すのが一番のPRになると思ってい ます。 ただ、この事業は旅館業界からのかなりの協力が必要ですし、市民一人一人の認識が特に大事な事であろう。 熊野古道視察研修レポート 難波 規平 1 施設・設備について (1) 熊野本宮館~大変立派でうらやましいかぎりでした。世界遺産なればこそ実現したのでしょうから、上山 では無理でもなんらかの形で来訪者や市民の目にみえる施設がぜひ欲しいと思います。 (例クアオルトカフ ェ等) (2) ウオーキングコース~トイレ、休憩所、歩道の清掃等いずれも地域住民の日ごろからの活動がよくなされ ている事が偲ばれました。地域住民の支持が不可欠と思います。 (3) 宿泊~宿泊と食事所が分かれて設けられたのは、地元固有の食材提供の面や、健康食志向の食材提供の面 で良い方法であると思いました。 2 人材について (1) ラボっ娘~心温かくかつ元気いっぱいのガイドぶりはおおいに参考になりました。ガイドとしては知識の 前に心身の健康がまず第一と思います。 (2) その他運営スタッフ~全体の意思の疎通と信頼関係がよく出来ていると思いました。指導者の人柄とスタ ッフの熱意のたまものでしょうか。 (3) 地域住民~人材として前者に劣らず重要な存在です。発心門王子から山里に入った、比較的コースの始め のあたりに「猪脅し」のしかけを使ったカラクリ人形がありました。これを見たとたん地域の人々が私達を 歓迎していると実感して、いっぺんで気持ちがリラックスしたのでした。その後帰りまでその効果が持続し たようです。ぜひ上山住民もそうなって頂けるように活動しなければと思った次第です。 3 プログラムについて ウォーキングほかいろいろなメニューで印象に残るのは、以外につらい思いをした事の様です。それを達成し た自信も心身にいい作用がある気がしました。 (大日越え、2日目の朝の川渡り)快感と苦痛とうまく取り混ぜ た工夫がありました。 4 所感 (1) 世界遺産たる熊野古道と当地上山では、歴史、スケールその他の点で大きな違いがあるのは論をまたない ことではありますが、逆にコンパクトである事を生かす工夫やローカル色を出した接客、固有の産物等で質 の高いクアオルトの事業展開も可能ではないかと思います。 2 (2) 熊野古道にはまた行きたいと思っています。つまり、リピーターの心境になっている訳ですが、その理由 を考えてみますと、具体的な対象物(景色、建造物等)をまた見たいという気持ちよりも、現地で出会った人 とのまた同行した人との心の交流の心地良さをもう一度という気持ちのほうが強い気がします。人を呼ぶ力は、 何より人の温かい心であると改めて実感した研修でありました。 「熊野古道」で感じたこと 片桐 充 熊野古道視察研修に際し世界遺産にもなっている文化的景観やそれらを取り巻く自然や建造物を観て歩くこと も楽しみであったが、いかに癒しのパワーや健康的なセラピーが感じられるか実感したく参加した。先ず最初に感 じたことは熊野古道はコースが完璧に整備されており事前知識がなくとも、安心して回れて案内板の充実によるガ イドなしでもパンフレットや地図を片手に回れるということである。一人で来ても楽しめる。また世界遺産にもな っている関係でハイカーや観光客が平日でも結構いるようである。コースは歴史を学ぶには興味を抱くものもたく さんあったが途中途中の自作の民芸品や無人販売所なども一興を醸し出し疲れを癒してくれるものだ。 上山もこのような駅からの道案内を含めた認定コースへの地図なりアクセス方法が必要ではなかろうか。 観光、名所巡り、セラピー、健康ウォーキング等の綜合的な条件からすれば上山はスケール・景観・利便性から まだまだ劣ると思わざるを得ないが健康ウォーキングの面から気候性地形療法実践地としてはコンパクトでむし ろ行動しやすいのではないだろうか。 以上を踏まえて、観光、宿泊の集客目的からすれば先ほどの分かり易いパンフレットや地図の作成と旅行エージ ェント等とのタイアップないし市・関係団体等からの働きかけに期待をしたいものである。 「気候性地形療法ガイド養成受講生として今後取り入れたいこと」 1. 公共の発信だけではなく個人レベルでのネットでのコースや気候性地形療法紹介 日本のウォーキングコースとネットで調べると 120 万件の検索結果がある。いかに健康ならびにウォーキング等 に関心あるかがわかる。またキャノンなどが配信している日本の 100 選シリーズにもあるように日本の里、日本の 棚田など郷愁を誘う光景や都会から離れて里山を楽しむ傾向がある。テレビでの田舎に泊まろう、ダーツの旅など もそうだ。 都会から離れ里山の現風景に憧れる郷愁を引き出しそれに気候性地形療法を取り入れられればベストなのだが 先ず始められる個人レベルの発信から始めたいと思う。 2.出来ることとして身近なウォーキングを(しかも無理せず、効率のよい気候性地形療法を取り入れ先ず市民レ ベルでの普及を目指す)関係先団体、協会だけではなく小さな集まりでの活動から始めることが普及も早めるこ とだと考える。それには家族から始め、親戚、友人などへ声掛けしていく。また個人レベルでは無理であるが健 康増進、体力アップの面ではリフレッシュ休暇をとりいれていることを検討している企業等に年間の行事予定を リフレッシュ休暇導入や未病の観点また企業での新入社員の研修(会社員となれば自ずと健康管理にも責任があ るものとしてそのための健康づくりのやり方を教える意味でも気候性地形療法をPR、普及していくのも具体的 案は今思いつかないが選択肢の一つではなかろうか。 頼もしい「ラボっ娘」とユニークな「語り部」 結城 紀英子 旅程表が可愛らしく工夫されていたのが嬉しい。観光協会事務局の御苦労ぶりを感じました。こういう手間暇か けるところが大事なんですね。熊野古道が世界遺産と認定され、テレビ番組でも多く取り上げられるようになり、 3 一度は行ってみたいなぁと思っていたところでした。「熊野古道ウオーク」は体全体(五感)で感じてみて下さいと言 われるように、健康ウォーキングコースの中には「見る・聴く・触れる・嗅ぐ・味わう・感じる」のひと工夫が色々 と盛り込まれていました。コースのポイントポイントでの五感に訴える工夫。自然と溶け合った工夫を感じました。 そして何につけても頼もしいラボっ娘の存在には驚きました。ほら貝を吹く姿は山伏よりも勇ましく、「大丈夫?」 と気遣いの声をかけてくれる姿はまるで天女のごとく・・・重いリュックを背負っていながらも、エネルギッシュ さが溢れていて頼もしい限りでした。 また、味のある語り部さんの存在も大きかったですね。歴史に関連する資料などを一冊のファイルにしているの も、目て訴えることも出来るので便利だなぁと思いました。「世界遺産を活用した心身再生の旅」とか「SLOWS TAY熊野健康村構想」などのキャッチフレーズもいいですよね。サービスのS、ロータリティのL、オリジナル のO、ウェルネスのWで、「SLOW、もてなしに溢れ、地域色豊かで、個性に合った、心身ともに健康的な癒し の滞在」・・・なるほどと感心してしまいました。だから昼食の弁当もスローフードって言うのですね。(でも、味 の方は上山の健康弁当が勝っていました。) そのほかにもいろんな工夫を感じました。たとえば、河川を活用した 健康づくりとか、熊野の自然の恵みを生かした薬膳料理とか、女の子が喜びそうなスタンプラリーも良かったです し、完歩証明証を頂けるのも嬉しいものです。長く滞在してくれるよう、もう一度来たいと思って頂けるようにと の熱意が伝わって来ます。 熊野には直売所がところどころに設けられていたのですが、里山の自然に触れ合うことが出来て良かったと思い ます。上山だったら季節ごとの果物とか、ほうずき・紅花などの特産品。食文化だけでなく、はけご・蓑などのミ ニチェア(花器として使える)なんか喜ばれそうです。どんぐり・しいの実・松ぽっくりなどを独楽にして遊べる実 演所なんかもあったら、楽しいのではないでしょうか。 車でなく歩いてみると今まで気付かなかったものが目に入って来ます。自宅付近を散策していたら、「せせらぎ 緑道」を発見しました。(発見はオーバーでしょうか。) 名前の通りせせらぎが流れており、ところどころに公園が 設置され、遊歩道がきちんと整備されています。小川には浮草・川藻も生えており水質の良さがわかります。私の もうひとつの散歩コースは「最上川さくら回廊」です。時々、キジ夫婦とかカルガモの親子と遭遇します。雨上がり 朝には虹が架かります。この間は懐かしい香り、もみ殻焼きを見つけました。何気なく歩いていると上山市の素敵 なところを発見します。おとぼけな案山子が絵柄になっているマンホールもわたしのお気に入りです。 自然環境において決して熊野に負けているとは思っていません。この良さをもっともっと知ってもらえれば、上 山型温泉クアオルト事業推進を通じてわかってもらえれば、地の活性化につながるものと信じています。こうなっ たら、今回の「熊野古道視察研修」で学域んだことを参考にしながら、それ以上の取り組みをめざすしかありません。 (なんだか、私まで熱くなってしまい、偉そうな言い方になってしまいましたね。追加3キロメートルコースでへ ばった人は誰だっけ?) 世界遺産「熊野古道」をサポートする人々 長橋 圭子 (1) 熊野ウォークについて ・ 世界遺産 熊野本宮館で健康チェック(チェック表添付) 、館内案内、同行の熊野セラピストの紹介 など。手慣れた様子でスムーズに行われた。 ・ ラボっ娘のオフィスを拝見できた。仕事量のわりに荷物は尐なくきれいなオフィス。 ・ 健康ラボの看板。このような看板があってもよいのでは。 ・ 無人の休憩所が設置。水洗トイレ完備。施設は市が管理。 ・ 熊野は降水量が多い地域。排水を石の溝で作っていた。 ・ 上山とは異なる気候風土。杉林、蜜柑の木など。無人販売が多く、来客者は楽しい。 4 ・ 小休止はこまめに取っていた。坂道や杉の木を利用したストレッチ。 ・ 熊野古道弁当 1,000 円。竹の器。できたての弁当を温かい内に休憩所の到着時間に合わせて配達。 寒いときに温かい物をとラボっ子の提案らしい。味は濃いめ。ウォーキング中必要な塩分を考慮。 ・ 休憩所には産直の販売店。休日やツアー開催の日のみ、婦人会に出てもらい、コーヒーやみそ汁を 出している。コーヒーは温泉水を利用。至る所に地元の協力が見られた。 ・ 発心門王子から大斎原まで 7km のコース。そこから湯の峰温泉までバスと山越えの選択にした。歩 かない選択も時には必要。 ・ 観光ボランティアと熊野セラピストは一緒にツアーに出ることが多いとのこと。役割分担が明確。 ・ テーピングの技術の習得が必要。今後早急に学びたい。 (2) ガイドに関して ・ 熊野健康ラボと上山市ガイド養成員との意見交換会ができた。 上山の気候性地形療法とは異なり、コースの途中では心拍は測定しない。 こまめに短時間の休憩をし、スケールを使った健康チェックを 10 か所で行うとのこと。 夏など熱中症が多発する時期はセラピストに対し特に力を入れた講習会を開催。 熊野ではツアーの特別プランを作成している。年間スケジュールを作りやすい。 熊野古道アンケートにより①歩きたい②緑がきれい③温泉・食べ物という結果。上山との客層の 違い。 連絡は密にとり、一人で対応しない。 初めに書いた健康チェックシートはウォーキングに持っていき、個人の体調を管理するために使 用。 セラピストは約 20 名に 1 人…1 時間 1 万円。ラボっ子の場合、1 人いくらでもらっている。 今後の取組として健保組合や保険指導士を会社に呼ぶより、熊野で健康になってもらうような仕 組みづくりをしたいとのこと。 (3) 所感 今回の視察で、同じクアオルトを目指す熊野と上山市が近付くことができた。熊野は 5 年間独自で事業を作 り上げてきたが、上山市は自治体やお手本とする地域との連携により、より質の高いクアオルトを目指すことが 可能だと実感。 参加者の意見同様、地元の方の熊野をサポートする体制が素晴らしい。熊野を良くしたいと思う地元の人の心が いたるところに感じられた。上山もこのような体制が取れれば益々良くなると共に、上山型クアオルトも市民に 浸透していくだろう。 気候性地形療法のガイドとして、ラボっ子の指導力は大変参考になった。冷静な判断、的確な指示などは、回数 を重ねたからできることだ。今後は私たちのガイド力向上のため、益々の勉強と場数が必要である。 ☆ 祝・ラボっ娘同盟 ☆ (順不同 敬称略) ※ 紙面の関係で、執筆者の原稿を部分的に省略し掲載しました。編集事務局 5 21年度 気候性地形療法 効果検証モニター アンケート とにかく楽しかった。皆と走り続ける事の気持ち良さは最高で毎日が気分爽快だった。野外で行う 気候療法による効果そのものだったのだろうか。毎日が生きている実感を持つ事が出来て、何事に 対しても気力が溢れた。体力的にも改善が見られ階段の昇り降りも楽に出来るようになった。 腹筋も正座も出来るようになった。足が軽くなったような気がします。 みんなと知り合えた事もラッキーだった。 結城 紀英子 長期間多くの方々と行動を共に出来た事、今後の今後の人生の糧となろう。コースは自分にとって ありふれた所、改めて良さを知り実感。今回のモニター結果が今後どう生かされるのか楽しみであ り関心事である。市として前向きに進んでほしい。長期間参加しないと効果でないのか、歩いただ けの効果はどうなのか知りたい。 「入浴」の専門的な施設がなければ出来ない。 真壁 幸彦 風呂での体操が大変だった。年齢的に運動量の差があってもいいのでは?体重は減らず、食欲が増 した。ウォーキング後は体温が上がり、精神的にイライラせず、落ち込まず良かった。 小玉 信子 全てにおいて大変参考になった。年間を通しいかに継続していけるか課題である。 木村 正光 毎日朝1時間散歩をしているが、当初西山コースを回り大変苦労した。継続し回数をかさねるうち 楽になった。 佐藤 義雄 ウォーキングの体質を知る事が出来て大変良かった。終了後は風呂でのストレッチなかなか出来ず 尐し心配。機会があったらまた参加したい。 黒田 實 大変良いことに参加させてもらったなと感謝しております。上山の事もあまり知らなかったなと思 い、今から何か協力出来る事があればいいなと思いました。健康の事もわかり、今後の生活に参考 にしていきたいと思っています。 高橋 悦子 血液検査の結果報告を早くいただき、運動開始後の検査結果でいかに運動が大切か知る事が出来大 変良かった。市がこの事業を盛り上げているのに、市議会議員さんも参加すべきであり、自ら市民 に良さを知らせるべきではないですか。 石井 博 参加者の方々も大変気持ち良く、一緒に行動でき良かった。自分としても規則正しい生活になり、 健康面でも充実しました。浴場でのトレーニングも自分では筋力UPに? 森谷 俊昭 足湯等利用して、市民指導のウォーキングになれば素晴らしいと思います。温泉の体操は足だけで なく手や首等も入ればと思います。今回参加して「まちづくり」について関心持ちました。 金田 公子 昨年と今年と二回連続で参加したが、昨年は非常に効果が出たように感じられたが、今回は一ヶ月 後くらいに心身共に疲れが出た感じがした。市の重点事業と位置付け、市長さん、副市長さんが一 1 生懸命に訴えられていたし、市報に何度も掲載されていたにもかかわらず、市会議員、課長、誰も 一回も参加してもらえなかったのは残念です。 長岡 敏生 一日しか参加出来ずにいました。健康管理が不足でした。風呂の中でストレッチを自己流でやって います。一日の疲れは一夜で取るには良い事だと思います。 富士 秀子 温泉モニターに22回参加させていただきました。毎日30分も温泉で運動して身体が夜まで暖か くなったような気がします。肌の保水効果がありました。食欲が増し、体重は増加、体力がついた かはわかりません。 長岡 道子 上山市の観光事業として健康、温泉、食の体験出来る事は今後期待出来る素晴らしい事と思いまし た。体験は良い思い出となり、自分のものにしたい。 高橋 郁子 今回のモニターに参加して、健康な体作りに積極的に取り組む事が出来ました。 良い機会を与えてもらいました。 木村 キミ 入浴運動のやり方を学ぶ事ができました。これからどう継続していこうか考えています。水着着用 で運動できる施設があれば良いと思いました。 那須 尚子 (順不同、敬称略) 2 西山コース 百枚田 説明を受けると普段の歩きが変わる ガーミッシュ・パーテンキルヒェンのまち 気候性地形療法ガイド講習会 市内からツークシュピッツェ峰をのぞむ 4日間の講義と実技を終えて 発心門王子~熊野本宮大社/6.9キロ ラボっ娘と木下先生の法螺貝に送られ かみのやま産 地野菜を使う 鎌倉時代~江戸時代の石畳 あづま屋五十嵐料理長の説明 低カロリー食とは思えない出来ばえ 上山市温泉クアオルト協議会 組織体制 (順不同・敬称略) 会 長 横戸 長兵衛 上山市長 副会長 冨士 重人 温泉旅館組合長、観光物産協会副会長 委 員 須藤 信晴 観光物産協会副会長、温泉利用協同組合専務理事 志賀浪 ひろ美 湯町旅館経営者 本木 伸幸 蔵王坊平観光協議会会長 鈴木 正芳 くだものうつわ・上山まちづくり塾代表 阿部 檀 上山を元気にする会代表 高橋 真也 上山市観光果樹園協議会会長 江口勘四郎 蔵王坊平総合交流施設農産物等直売所利用組合長 白畑 富美子 農家生活グループ 華の会会長 長岡 迪生 上山市医師会副会長 長岡 敏生 上山市健康づくり推進協議会 小関 信行 クアオルト研究室代表 宮地 正典 NPO健康保養ネットワーク 常務理事 加藤 満 上山市商工会会長 羽島 健夫 上山市会計課長 事務局長 桝口 豊 上山市副市長 事務局次長 佐藤 英明 観光課長 事務局員 佐藤 研治 経営企画課長 尾形 健介 健康福祉課長 江口 敏昭 農林課長 木村 義博 生涯学習課長 永沢 恒広 商工課長 平吹 義浩 経営企画課 斎藤 誠 経営企画課 枝松 和子 健康福祉課 吉田 由香 農林課 高橋 秀典 生涯学習課 水田 晃裕 商工課 山口 登市 観光課 馬場 誠 観光物産協会 小笠原 栄子 観光物産協会 長橋 圭子 観光物産協会 観光課 石井 隆、木村聖一、大澤恭子、伊藤智彦、櫻井 豊 監 事 (広報担当 石井 隆、会計担当 櫻井 豊) 部会組織 モニターツアー部会 一般観光客、企業健康保険担当者向けモニターツアーの実施 部会員 北村 正広 蔵王坊平観光協議会 志賀浪 ひろ美 湯町旅館経営者 吾妻 永朗 旅館組合青年部(あづま屋) 観光物産協会 渡辺 志郎 はたや旅館 馬場 誠 佐藤 達男 旅館三恵 クアオルト研究室代表 観光課 小関 信行 石井 隆 鈴木 洋吉 坊平ペンション村・坊平地区会長 観光物産協会 高橋 真也 上山市観光果樹園協議会長 小笠原栄子 山川 喜市 体験農業実践者 効果検証部会 気候性地形療法と温泉療法との併用、モニターツアー、冬期間の効果検証 部会員 佐藤 司郎 蔵王坊平観光協議会事務局長 小関 信行 クアオルト研究室代表 宮地 正典 観光課 NPO健康保養ネットワーク 常務理事 渡部 桂 木村聖一 東北芸術工科大学 講師 大澤恭子 吉野 智雄 上山市自然環境調査会 伊藤智彦 豊沢 満 たいらぐら案内人 蔦谷 栄三 櫻井 豊 西山地区 黒田 實 生涯学習課 八幡丁地区 高橋秀典 長岡 敏生 上山市健康づくり推進協議会 観光物産協会 橋本 利幸 葉山まちづくり委員会 小笠原栄子 遠藤 武 上山体力づくり歩こう会 長橋圭子 土屋 芳明 クアオルト研究室 講習会部会 気候性地形療法の市民向けの普及講習会、ガイド育成の講習会、蔵王上山温泉テラ ポイト養成研修会の開催 部会員 須藤 信晴 旅館組合副組合長 健康福祉課 橋本 龍治 旅館組合青年部(橋本屋) 小関 信行 クアオルト研究室代表 枝松和子 宮地 正典 観光課 NPO健康保養ネットワーク 常務理事 櫻井 豊 長岡 敏生 上山市健康づくり推進協議会 観光物産協会 吉野 智雄 上山市自然環境調査会 馬場 誠 豊沢 満 たいらぐら案内人 新ビジネスと地場産食材活用部会 新しいビジネスの試行、健康に適した地場産食材を活用する方法及び発表会の開催、 飲用温泉水の食への活用調査 部会員 江口 勘四郎 蔵王坊平総合交流施設農産物等直売所利用組合長 経営企画課 白畑 富美子 農家生活グループ 華の会会長 平吹義浩 須田 憲一 農業生産者 斎藤 誠 細田 教子 山形県栄養士会会員 農林課 鈴木 ウメ子 食生活改善推進員 吉田由香 鈴木 正芳 くだものうつわ代表 観光物産協会 石井 伸子 旅館組合青年部(長谷屋)、十日町未来会 馬場 誠 内野 逸郎 商工会商業部会 商工課 井上 睦夫 上山まちづくり塾 緑と花のプロジェクトリーダー 水田 晃裕 阿部 檀 上山を元気にする会代表 全国サミット担当 専門的識者及び先進都市から代表者を招聘し、気候性地形療法全国サミット及び講習会の開催 観光課 大澤恭子 石井 隆 小関 信行 宮地 正典 土屋 芳明 クアオルト研究室代表 NPO健康保養ネットワーク 常務理事 クアオルト研究室 平成22年3月 上山市温泉クアオルト協議会 (事務局 上山市観光課) 〒 999-3192 山形県上山市河崎1-1-10 電話 023-672-1111 平成21年度地方の元気再生推進調査委託 (東北経済産業局) ※ 複写使用禁止
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