知的障害のある児童・生徒の 教育内容の充実に

平成27年度東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく
都 立 特 別 支 援 学 校 の 指 導 内 容 充 実 事 業 報 告 書
知的障害のある児童・生徒の
教育内容の充実に向けて
8
❶ 知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業報告(教科指導)
❷ 知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業報告
(各教科等を合わせた指導)
❸ 知的障害特別支援学校高等部普通科の職業教育の充実事業報告
❹ 特別支援学校の職業教育・キャリア教育の研究・開発事業報告
平成 28 年 3 月
東京都教育委員会
はじめに
都教育委員会では、平成 22 年 11 月に策定した「東京都特別支援教育推進計画第三次
実施計画」に基づき、都立特別支援学校の教育内容・方法の充実に向けて様々な事業を実
施してきました。
本報告書では、これらの事業の中から、(1)知的障害のある児童・生徒を対象とした教育
内容・方法の充実事業(教科指導)
、(2) 知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・
方法の充実事業(各教科等を合わせた指導)、
(3)知的障害特別支援学校高等部普通科の
職業教育の充実事業、(4) 特別支援学校の職業教育・キャリア教育の研究・開発事業の4
つの事業について、実践研究の成果を報告します。
知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業では、教科別の指導
と「各教科等を合わせた指導」との関係を整理しながら、教科指導の充実に向けたポイン
トや、生活単元学習の単元づくり・授業づくりで配慮すべきことをまとめました。
また、知的障害特別支援学校高等部普通科の職業教育の充実事業、特別支援学校の職業
教育・キャリア教育の研究・開発事業では、
「作業工程の分析」
「補助具の工夫・開発」
「学
習環境の整備」「教員の関わり」の4つの柱をポイントに、できることからスタートする
作業学習について、実践例を基に紹介しました。
各学校においては、本報告書に加え、これまでに作成した「各教科等を合わせた指導の
充実」
(平成 27 年3月)
、
「特別支援学校の教育内容の充実」
(平成 26 年3月)
、「教師一
人一人の専門性を高めるために」
(平成 25 年3月)を併せて活用し、教員一人一人の専門
性の向上にお役立ていただきますようお願いします。
平成 28 年3月
東京都教育委員会
1
1
2
目 次
Ⅰ 知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の
充実事業(教科指導)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅱ 知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の
充実事業(各教科等を合わせた指導)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
Ⅲ 知的障害特別支援学校高等部普通科の職業教育の充実事業
特別支援学校の職業教育・キャリア教育の研究・開発事業・・・・・・35
Ⅳ 資料
資料1 知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校の
各教科の目標・内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
資料2 知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校の
各教科の内容例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59
3
3
4
�
知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業��
(教科指導)
知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業
教科指導充実検討委員会(平成 26~27 年度)
<委員>
大南 英明
河村 久
砥柄 敬三
大沼 広亮
茂木 裕之
村田 真希
大久保 忠行
水江 知子
小関 直樹
髙橋 馨
堀江 浩子
南 美佳
高城 大樹
竹村 祐貴
松井 弘子
全国特別支援教育推進連盟 理事長
専門委員
聖徳大学
教授
専門委員
帝京大学教職大学院
教授
専門委員
都立田無特別支援学校 校長(平成 26 年度)
都立足立特別支援学校 校長(平成 26 年度)
都立田無特別支援学校 主任教諭(平成 26 年度)
都立しいの木特別支援学校 主任教諭(平成 26 年度)
都立しいの木特別支援学校 校長
都立田無特別支援学校 校長
都立足立特別支援学校 校長
都立田園調布特別支援学校 校長
都立足立特別支援学校 主任教諭
都立田無特別支援学校 主任教諭
都立しいの木特別支援学校 教諭
都立田園調布特別支援学校 教諭
5
5
■ 知的障害のある児童・生徒に対する指導
知的障害のある児童・生徒の特性
特別支援学校学習指導要領解説では、知的障害のある児童・生徒の学習上の特性につい
て、次のように述べています。
知的障害のある児童生徒の学習上の特性としては、学習によって得た知識や技能が断片的
になりやすく、実際の生活の場で応用されにくいことや、成功経験が少ないことなどによ
り、主体的に活動に取り組む意欲が十分に育っていないことなどが挙げられる。また、実
際的な生活経験が不足しがちであることから、実際的・具体的な内容の指導が必要であり、
抽象的な内容の指導よりも効果的である。
(特別支援学校学習指導要領解説 総則等編(幼稚部・小学部・中学部)より)
また、同解説には、知的障害のある児童・生徒への教育的対応として、以下の 10 点が挙
げられています。
①
②
児童生徒の実態等に即した指導内容を選択・組織する。
児童生徒が、自ら見通しをもって行動できるよう、日課や学習環境などを分かりやすく
し、規則的でまとまりのある学校生活が送れるようにする。
③ 望ましい社会参加を目指し、日常生活や社会生活に必要な技能や習慣が身に付くよう指
導する。
④ 職業教育を重視し、将来の職業生活に必要な基礎的な知識や技能及び態度が育つよう指
導する。
⑤ 生活に結び付いた具体的な活動を学習活動の中心に据え、実際的な状況下で指導する。
⑥ 生活の課題に沿った多様な生活経験を通して、日々の生活の質が高まるよう指導する。
⑦ 児童生徒の興味・関心や得意な面を考慮し、教材・教具等を工夫するとともに、目的が
達成しやすいように、段階的な指導を行うなどして、児童生徒の学習活動への意欲が育つ
よう指導する。
⑧ できる限り児童生徒の成功経験を豊富にするとともに、自発的・自主的な活動を大切に
し、主体的活動を促すよう指導する。
⑨ 児童生徒一人一人が集団において役割が得られるよう工夫し、その活動を遂行できるよ
う指導する。
⑩ 児童生徒一人一人の発達の不均衡な面や情緒の不安定さなどの課題に応じて指導を徹底
する。
知的障害のある児童・生徒は、知的能力や適応能力が、同年齢の児童・生徒ほどまでは
至っておらず、
・ 知識や技能が断片的で、実際の生活で応用されにくい
・ 成功経験が少ないなどにより、主体的に取り組む意欲が十分に育っていない
などの学習上の特性があり、特別な支援や配慮が必要な状態といえます。このことから、
・ 定着するまで繰り返し、丁寧に指導すること
・ 実際の生活の場で応用できるよう、自然な流れや生活場面を想定した実際的で具体
的な指導を行うこと
により、成功体験を積み、主体的・積極的に取り組む態度を育てることが重要だと言えます。
知的障害のある児童・生徒に対して指導を行う際は、この基本を踏
まえて指導を進めることが前提となります。
6
6
知的障害のある児童・生徒の各教科と内容
知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科(以下「知的障害の
各教科」という。)は、次のように構成されています。
小学部
生活、国語、算数、音楽、図画工作
中学部
国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、職業・家庭、(外国語)
※
高等部
体育
国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、職業、家庭、(外国語)、(情報)
※専門学科において開設される各教科を除く。
また、各教科の内容は学年別ではなく、小学部は3段階、中学部は1段階、高等部は2段
階で示しています。同一学年の児童・生徒であっても、知的障害の状態や経験等は様々で個
人差が大きいため、児童・生徒の実態に応じた内容を選択して指導できるよう、段階を積み
上げることができるようになっています。
各段階の内容は以下のとおりです。
段階
内容(対象とねらい)
小学部 ・ 主として、障害の程度が比較的重く、他人との意思の疎通に困難があり、日常生
1段階
活を営むのにほぼ常時援助が必要とする者を対象とした内容を示している。
・ 知的発達が極めて未分化であること、生活経験が少ないことなどから、主として
教師の直接的な援助を受けながら、児童が体験したり、基本的な行動の一つ一つを
着実に身に付けたりすることをねらいとする内容を示している。
小学部 ・ 障害の程度は、上記ほどではないが、他人との意思の疎通に困難があり、日常生
2段階
活を営むのに頻繁に援助を必要とする者を対象とした内容を示している。
・ 主として教師からの言葉掛けによる援助を受けたり、教師が示した動作や動きを
模倣したりするなどして、児童が基本的な行動を身に付けることをねらいとする内
容を示している。
小学部 ・ 障害の程度が比較的軽く、他人との意思疎通や日常生活を営む際に困難さが見ら
3段階
れるが、前段階の程度までは達せず、適宜援助を必要とする者を対象とした内容を
示している。
・ 主として児童が主体的に活動に取り組み、社会生活につながる行動を身に付ける
ことをねらいとする内容を示している。
中学部 ・ 小学部3段階の内容の程度を踏まえ、生活年齢に応じながら、主として経験の積
み重ねを重視するとともに、他人との意思疎通や日常生活への適応に困難が大きい
生徒にも配慮しつつ、生徒の社会生活や将来の職業生活の基礎を育てることをねら
いとする内容を示している。
高等部 ・ 中学部の内容やそれまでの経験を踏まえ、主として卒業後の家庭生活、社会生活
1段階
及び職業生活などを考慮した、基礎的な内容を示している。
高等部 ・ 高等部1段階を踏まえ、比較的障害の程度が軽度である生徒を対象として、発展
2段階
的な学習内容を示している。
各教科の内容を指導する際は、児童・生徒の実態や課題に応じた指導
内容を選択・組織することが必要です。
7
7
各教科の指導と「各教科等を合わせた指導」
知的障害のある児童・生徒に対する指導について、学校教育法施行規則には次のように示
されています。
【学校教育法施行規則第 130 条第2項】
特別支援学校の小学部、中学部又は高等部においては、知的障害者である児童若しくは
生徒又は複数の種類の障害を併せ有する児童若しくは生徒を教育する場合において特に必
要のあるときは、各教科、道徳、外国語活動及び自立活動の全部又は一部について、合わ
せて授業を行うことができる。
この「合わせて授業を行う」場合の指導内容について、学習指導要領では次のように述べ
ています。
【特別支援学校小学部・中学部学習指導要領】
第1章 総則
第2節 教育課程の編成
第2 内容等の取扱いに関する共通的事項
7 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校において、各教科
の指導に当たっては、各教科(小学部においては各教科の各段階、以下この項におい
て同じ。)に示す内容を基に、児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じて、具体
的に設定するものとする。また、各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一
部を合わせて指導を行う場合には、各教科、道徳、特別活動及び自立活動に示す内容
を基に、児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じて、具体的に指導内容を設定
するものとする。
これらのことから、知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校におい
ては、児童・生徒の知的障害の状態や経験等を考慮しながら、各教科等を合わせて指導を行
う場合と、各教科等それぞれの時間を設けて指導を行う場合(以下、
「教科別の指導」
「領域
別の指導」という。
)との関係や授業時数を、学校ごとに工夫して教育課程を編成しています。
また、特に小学部段階では、
「児童の学習上の特性を考慮して、各教科等を合わせた指導を
重視し、教科別の指導、領域別の指導を補完的に位置付け、適切に組み合わせる」ようにし
ています。
(東京都立特別支援学校小学部 教育課程編成基準・資料 より)
児童の実態にもよりますが、小学校では、「各教科等を合わせた指導」と教科別、領域別
の指導との関係は、学年が上がるにつれ、おおむね次のように変化していくと整理することが
できます。
教科別、領域別の指導
各教科等を合わせた指導
低学年
高学年
8
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「各教科等を合わせた指導」
都立特別支援学校で行っている「各教科等を合わせた指導」としては、主に次のようなものがあ
ります。
(1) 日常生活の指導
児童生徒の日常生活が充実し、高まるように日常生活の諸活動を適切に指導する。
日常生活の指導は、広範囲に、各教科等の内容が扱われる。例えば、衣服の着脱、洗面、手洗い、
排せつ、食事、清潔など基本的生活習慣の内容や、挨拶、言葉遣い、礼儀作法、時間を守ること、
きまりを守ることなどの日常生活や社会生活において必要で基本的な内容である。
(2) 遊びの指導(小学部低学年)
遊びを学習活動の中心に据えて取り組み、身体活動を活発にし、仲間とのかかわりを促し、意欲
的な活動を育み、心身の発達を促していく。
遊びの指導では、生活科の内容をはじめ、各教科等にかかわる広範囲の内容が扱われ、場や遊具
等が限定されることなく、児童が比較的自由に取り組むものから、期間や時間設定、題材や集団構
成などに一定の条件を設定し活動するといった比較的制約性が高い遊びまで連続的に設定される。
また、遊びの指導の成果が各教科別の指導等につながることもある。
(3) 生活単元学習
生活単元学習は、児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の
活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するも
のである。生活単元学習では、広範囲に各教科等の内容が扱われる。
生活単元学習の指導では、児童生徒の学習活動は、生活的な目標や課題に沿って組織されること
が大切である。また、小学部において、児童の知的障害の状態等に応じ、遊びを取り入れた生活単
元学習を展開している学校もある。
(4) 作業学習(中学部・高等部)
作業活動を学習活動の中心にしながら、生徒の働く意欲を培い、将来の職業生活や社会自立に必
要な事柄を総合的に学習するものである。
作業学習の指導は、単に職業・家庭科の内容だけではなく、各教科等の広範囲の内容が扱われる。
作業学習で取り扱われる作業活動の種類は、農耕、園芸、紙工、木工、縫製、織物、金工、窯業、
セメント加工、印刷、調理、食品加工、クリーニングなどのほか、販売、清掃、接客なども含み多
種多様である。
(東京都立特別支援学校小学部
程編成基準・資料より)
教育課程編成基準・資料、同中学部
教育課程編成基準・資料、同高等部
教育課
学年・学部ごとに設定する「各教科等を合わせた指導」は、おおむね下の図のようになります。
小学部
低学年
小学部
中学年
小学部
高学年
中学部
高等部
遊びの指導
生活単元学習
作業学習
日常生活の指導
この他、東京都教育委員会では、都立知的障害特別支援学校の小学部・中学部の「自閉症の教
育課程」に、「各教科等を合わせた指導」として、
「社会性の学習」を設定しています。また、知的
障害特別支援学校の就業技術科・職能開発科で実施する「キャリアガイダンスの時間」も、「各教
科等を合わせた指導」の一形態です。
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■ 知的障害特別支援学校の教育課程と
各教科の指導
下の図は、中学部を例に、都立知的障害特別支援学校の教育課程を図式化したものです。
上の段は、知的障害の各教科等の種類を示しています。また、下の段では、これらの内容
を指導する形態を示しています。知的障害の各教科等は、内容による分類と、実際に指導
する際の指導の形態が異なる場合があり、教育課程の「二重構造」と呼ばれます。
知的障害の各教科は、
「各教科等を合わせた指導」でも扱いながら、「国語」や「音楽」
のような教科別の指導の時間でも指導を行うことがあります。
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※「社会性の学習」は、都立特別支援学校(知的障害)小学部・中学部の「自閉症の教育課程」のみで実施。
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知的障害の各教科の指導内容と指導の形態
知的障害の各教科等の指導について、学習指導要領では
・ 各教科の内容を基に、児童・生徒の知的障害の状態や経験等に応じて、具体的に指
導内容を設定すること
・ 各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又は一部を合わせて指導を行う場合に
は、各教科の各段階、道徳、特別活動及び自立活動に示す内容を基に、児童・生徒の
知的障害の状態や経験等に応じて、具体的に指導内容を設定すること
としています。
これまでのことから、各教科の指導に当たっては、
◆
学習指導要領に示された内容を基に、児童・生徒の実態に応じて指導の形
態を設定すること。
◆ 各教科の内容は、「各教科等を合わせた指導」として指導する場合と、教
科別の指導として指導する場合があること。
を押さえることが必要になります。
下は、
「国語」を例に、
「各教科等を合わせた指導」と教科別の指導との関係を表したもの
です。このように、教科別の指導と「各教科等を合わせた指導」では、指導の形態は異なっ
ても、指導する内容は共通する部分があります。そのため、教科別の指導の時間を設定する
教科については、学習指導要領の目標・内容を踏まえることとともに、「各教科等を合わせ
た指導」との関係についても考慮することが大切です。
学習指導要領の各教科の指導内容(中学部)
各教科の内容は、
「各教科等を合わせ
た指導」で扱いながら、教科別の指導と
しても指導を行うこともあります。
各教科等を合わせた指導
日常生活の指導
生活単元学習
作業学習 等
教科別の指導
教科別、領域別の指導と「各教科等を合わせた指導」とは、それぞれ独
立した内容を指導するのではなく、互いに関連し合っていると捉えることが
大切です。
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■ 知的障害のある児童・生徒への教科指導
の充実に向けて
都教育委員会では、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく事業として、平
成 24 年度から「知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実(教科指導)」
に取り組んできました。
この事業は、知的障害のある児童・生徒を対象とする教育課程の充実への保護者からの期
待と、公立中学校の特別支援学級や通常の学級から高等部に進学してくる生徒やその保護者
からの教科指導の充実に対する高いニーズに応えるものとして、特に知的障害特別支援学校
の高等部普通科の教科指導の充実に視点を当てました。
都教育委員会では、これまで「都立特別支援学校教育課程編成基準・資料」により、知的
障害の各教科の具体的な内容の例(以下「内容例」という。)を示してきました。各都立特
別支援学校では、この「編成基準・資料」を参考に教育課程を編成しています。
本事業では、
「内容例」を、表の見方や活用例を示し、各学校の指導計画の作成や授業での
活用が図られるようにしました。また、教科指導に対する現状を把握し、指導の充実に向け
たポイントを整理することとしました。
<知的障害特別支援学校(高等部)での教科別の指導の現状と課題>
◇
指導内容や教材(教材文・資料等)の選定、単元ごとの時数の設定が担当者の判
断に委ねられており、不安が残る。
◇ 教科の指導経験が少なく、各単元の具体的な指導内容や教材のイメージがもちに
くく、指導計画が作成に苦労する。
◇ 前年度の同学年の指導計画を参考にしているが、生徒集団の実態が異なりそのま
ま活用することができない。
◇
生徒の課題と年齢に応じた適切な教材を用意するのに苦労する。小学校、中学校
で使用する教材を使用する場合には、生徒の生活年齢を考慮して選定、作成するな
どの工夫が必要である。
◇
知的障害の教科の専門性の向上に向けた研修や研究の機会がもちにくい。
個別指導計画と各教科の指導
都教育委員会では、一人一人の児童・生徒について、個別指導計画を各教科・領域等の全体
にわたって作成し、各教科・領域等における目標、内容、方法(手だて)、評価を記載すること
を基本としてきました。学習指導要領においても、各教科等の指導に当たっては、個々の児童・
生徒の実態を的確に把握し、個別の指導計画を作成すること、個別の指導計画に基づいて行わ
れた学習の状況や結果を適切に評価し、指導の改善に努めることが示されています。
各学校では、児童・生徒の実態、学校や地域の実態等から掲げられた学校教育目標の下、重
点目標、学部・学年の目標等を設定します。さらに、これに従って、学年ごと、教科ごとに目
標や内容等を示し、指導計画を作成します。教科別の指導の年間指導計画の作成に当たっては、
学年や学級、学習グループを構成する児童・生徒の実態を把握する必要があります。また、年
間指導計画に基づき指導を行う際は、一人一人の目標や指導の手だてを個別に計画し、実施後
の評価を行うことになります。
各教科別の指導の年間指導計画は、児童・生徒一人一人の個別指導計画との関連を考慮しな
がら作成することが重要です。
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知的障害のある児童・生徒の教科指導の在り方
知的障害の各教科では、児童・生徒の知的障害の状態や経験等に応じて、具体的に指導内
容を設定するとともに、各教科の年間授業時数については目標及び内容を考慮し、適切に定
めることとなっています。
教科指導に当たっては、各教科の目標及び内容を十分に理解した上で、児童・生徒の実態
に応じた内容を選択、組織して指導計画を立てることが必要です。
知的障害の教科指導の充実において、ポイントとなる点は次のとおりです。
① 学習指導要領の目標・内容を踏まえ、教科別の指導として扱う内容と各教科等を
合わせて指導を行う内容とを整理する。
② 児童・生徒の実態に応じ、各教科の目標・内容を達成するために必要な授業時数
を設定する。
③ 授業時数、内容を踏まえた教科別の指導の年間指導計画を作成する。
④ 個別指導計画に基づく指導を実施し、個に応じた評価を行う。
この流れを、年間指導計画作成の視点から整理すると以下の図のようになります。
<教科指導の流れ>
学習指導要領の各教科等の目標・内容
児童・生徒の実態
個別指導計画
各教科等の必要授業時数
・各教科
・道徳、特別活動、自立活動
・総合的な学習の時間
各教科の「内容例」
①
指導内容の選択
「教科別の指導」の
「各教科等を合わせた
指導」で扱う内容
内容
指導の形態ごとの授業時数(教育課程上の配当時数)
②
・教科別、領域別の指導 ・各教科等を合わせた指導 等
「教科別の指導」の年間指導計画
実 践・評
価
③
④
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◆学習指導要領の目標・内容
知的障害のある児童・生徒の各教科等については、学校教育法施行規則第 126 条の第
2項及び第 127 条の第2項で規定しています。さらに、学習指導要領には、知的障害の
特徴及び学習上の特性を踏まえ、児童・生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技
能、態度などを身に付けることを重視した各教科等の目標と内容等が示されています。つ
まり、知的障害の各教科は、小・中学校の各教科とは目標も内容も異なるというこを十分
に理解することが必要です。また、段階ごとに示された各教科の内容は、児童・生徒の実
態に合わせて選択・組織することとしています。教科の指導計画を作成するに当たっては、
まず学習指導要領の目標・内容を理解することが大切です。
◆「各教科の内容例」※
都教育委員会ではこれまで各教科の指導内容の例を作成し、学習指導要領の目標・内容
を踏まえた「各教科の指導内容の例」を段階ごとに示してきましたが、改めて表の構成や
具体例の示し方を見直し、
「各教科の内容例」として表しました。
本書に掲載している「各教科の内容例」は、知的障害の各教科の指導内容について、特
別支援学校学習指導要領の目標・内容に基づき、観点別、段階別に具体的な指導内容を例
示したものです。
特に、国語、算数・数学、社会、理科については、次のように「内容例」の表を整理し、
より参照しやすくしています。
【内容例の見方】
・ 観点(縦軸に表記):学習指導要領の内容を示したもの。教科ごとに異なる。
・ 段階(横軸に表記): 1段階から3段階 … 小学部の1段階から3段階
4段階
… 中学部の内容
小学部から高等部までの内容を1
5段階、6段階
… 高等部の1段階、2段階
~6段階で示しています。
国語の内容例
中学部国語の内容
小学部の国語(1~3段階)の内容
1段階
2段階
1 教師から名前を呼ばれたり言葉をかけられ 1 生活の中で関わる様々な人の話し言葉に
たりしたときに振り向いたり、耳を傾けたりす 慣れる。
る。
3段階
1 話を終わりまで注意して聞く。
4段階
高等部の国語(1~2段階)の内容
5段階
1 教師など周りの大人の説明や、家族、友達 1 周囲の人からの説明を聞いて理解する。
などの話を聞き、内容を大まかに理解する。
6段階
1 相手の立場や意図、気持ちを考慮しながら
話を聞く。
2 物語や劇などを見たりして、場面の情景や
登場人物の気持ちを理解する。
聞
く
内容の例を、
観点別に記載し
ています。国語
の場合は「聞く」
「話す」「読む」
「書く」の4つ
の観点に分けて
います。
2 絵本やかみしばい、漫画などを読んでもら
い楽しむ。
2 テレビやラジオなどの媒体をとおした音声の 2 教師や友達、身近な人などの話、テレビや 2 簡単な放送や録音等を聞き内容の概略を
口調や速度に慣れ、その内容を楽しむ。
ラジオの中の言葉などを聞き、大体の内容を 聞き取る。
理解する。
3 写真や絵画などの中のものの名前などを聞 3 相手の話を最後まで聞く。
く。
3 話を聞いて分からないときに聞き返す。
3 簡単なメモを取りながら聞き、分からないと 3 メモをとって中心的な内容を正しく理解す
きに聞き返す。
る。
4 教師の簡単な指示を受けてよく見たり、よく 4 教師や友達などの話しかけや簡単な指示、 4 簡単な指示や説明を聞き取り、その通りに 4 指示や説明を聞き取って行動する。
聞いたりする。
説明を聞き、内容に合わせた行動をする。
行動する。
5 教師や児童の身近な大人、友達などの話し 5 「○○をした」などのように見たり聞いたり体 5 自分の気持ちや意思、希望などの大体の
かけに応答する。
験したりしたことを簡単な表現で伝える。
内容を話す。
6 話しかけられた言葉を音声で模倣する。
6 要求などの意思を相手に伝えようとする。
2 物語、劇、放送などを聞きあらすじを理解し 3 テレビ、ラジオ放送等から必要な情報を得
たり、中心的な内容を正しく聞き取ったりする。 て生活に生かす。
4 指示や説明の要点を聞き取り行動する。
5 指示や説明を聞き取り、適切に行動する。
5 見聞きしたことや体験したこと、自分の気持 5 物語、劇、放送などを見たり聞いたりして楽 6 誰に話すかを意識し、自分の立場をはっき
りさせ、適切に話したり伝えたりする。
ちや意思などを感情や状態、動作を表す言葉 しみ、その感想を話したりする。
を使い、順序をたどって話す。
6 経験したことや感想などを簡単な言葉で発 6 「いつ、どこで、だれが、だれに、何を、どう 6 場に応じて、正確に必要な内容を伝えたり
表する。
したか」を分かりやすく話す。
話したりする。
7 話し手を見て表情、身振り、音声などで表現 7 友だちと一緒に簡単なせりふのある劇など 7 相手の話を聞き、分からないことを聞き返
する。
を行う。
すなどして会話をする。
7 自分の意見や要望を分かるように話す。
8 話しかけられた言葉に対し表情、身振り、簡
単な言葉などで返事をする。
8 尋ねられたことにはっきりと応答する。
8 簡単なことについての問いかけに答える。
☆
4 必要な情報をメモにとり、生活の中で活用
する。
7 人の意見を聞きながら自分の考えを整理し
て明確に話す。
8 筋道を立てて正確に必要な内容を話す。
9 簡単ななぞなぞや言葉遊びなどでやりとりを 9 簡単ななぞなぞや生活に身近なことわざ、
楽しむ。
標語、簡単な俳句などに触れ、言葉に親しむ。
話
す
8 自分の名前を言う。
10 「 ○ ○です、 よろ しく お願 いし ます 」の よう 10 自分や家族の名前、住所、学校名や学年 7 場に応じた自己紹介をする。☆
な自己紹介をする。☆
などの簡単な自己紹介をする。
9 「おはよう」などの簡単な挨拶をする。
11 日常の挨拶をする。
9 出身地、趣味、希望など限られた時間の中
で必要な内容を自己紹介する。
12 正しい発音を意識するなど相手に伝わるこ 11 発音や話す速さ、声の大きさを意識して話
とを意識して話す。
す。
13 身近な人などに簡単な内容を伝言する。
14 電話で簡単な受け答えをする。
12 要点を落とさずに伝言などを伝える。
8 必要な内容を正確に伝言する。
13 必要に応じて相手に合わせたていねいな
言葉を使う。
9 相手に応じて敬語を使って話す。
14 基本的な電話での応答をする。
10 相手に応じた電話対応をする。
10 場や相手に応じて敬語を適切に使い分け
て話す。
11 電話やコンピュータ等。活用に際しての言
葉の使い方を身に付ける。
※「内容例」は指導内容の例示であり、必ずこのとおりに指導するということを定めたものではない。
「内容例」に示す事項は、教科別の指導で扱う場合も、
「各教科等を合
わせた指導」として扱う場合もあります。
14
14
◆授業時数の配当
特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(第1章第2節第3)において、特別支援学
校の授業時数については、各教科等の総授業時数は小学校又は中学校の各学年における総
授業時数に準ずるものとすること、また、各教科等の目標及び内容を考慮し、それぞれの
年間の授業時数を適切に定めることとしています。高等部においては、「卒業までに履修
させる各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動及び自立活動のそれぞれの授業時数
を定めるものとする。」としています。そのため知的障害特別支援学校は、各学校で各教
科等の授業時数を定めるとともに、児童・生徒の実態に応じて、実際に指導する際の教科
別、領域別の指導や「各教科等を合わせた指導」の授業時数を配当します。
授業時数の配当では、卒業までを見通した指導を行うという視点が重要です。中学部、
高等部では3年間の、小学部では2~3年間を見通して、指導の計画を立てるようにしま
す。
下は、知的障害特別支援学校高等部の授業時数の配当例です。3年間の総授業時数から、
各教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動、自立活動の指導内容に応じて配当し、そ
の後、実際に実施する指導の形態ごとに時数を配当しています。
この表の時数配当は、「例」であり、各教科等の内容を指導するために必要な授業時数
や指導の形態別の時数は、児童・生徒の実態に応じて学校ごとに定めます。また、「各教
科等を合わせた指導」や教科別の指導の設定についても、学校の実態に応じて工夫します。
<各教科等の内容別の授業時数と指導の形態別の時数配当の例(A特別支援学校高等部)>
指導の形態別の時数配当
内容別の
授業時数
①
児童・生徒の実
態と、学習指導要
領の各教科等の
目標・内容から、
学校独自に定め
た各教科等の必
要授業時数
教科別、領域別の
指導 等
各教科等を
合わせた指導
日常生活の
指導
生活単元
学習
作業学習
国語
420
210
210
●
●
●
社会
210
53
157
●
●
●
数学
420
210
210
●
●
●
理科
210
52
158
●
●
●
音楽
210
105
105
●
●
美術
210
105
105
●
●
保健体育
350
315
35
●
●
職業
280
140
140
●
●
●
家庭
280
140
140
●
●
●
外国語
70
0
70
情報
70
0
70
道徳
105
0
105
●
●
総合
105
105
特別活動
105
105
自立活動
105
0
105
計
3150
1540
1610
●
●
●
●
470
●
●
245
●
895
②
実際に指導する際の、「各教科等を合わせた指導」
と教科別の指導それぞれに配当した授業時数
知的障害の各教科の指導においては、児童・生徒の実態を踏まえるとともに、学習
指導要領の教科の目標・内容に基づき、指導内容を適切に設定することが重要です。
また、知的障害特別支援学校の教育課程を理解し、教科別の指導と「各教科等を合
わせた指導」が、互いに関連付けながら展開し、それぞれの教育効果が相乗的に得ら
れるように指導計画を立てることが大切です。
15
教科別の指導の年間指導計画の作成例
教科の年間指導計画の作成について、知的障害特別支援学校高等部の国語を例に示します。
・
・
・
A特別支援学校 普通学級(知的障害) 1年A組
生徒数 8名(内3名は中学校の特別支援学級、1名は通常の学級、4名は地域の
特別支援学校からの進学)
国語は、おおむね高等部1段階(内容例の5段階)
◆学習指導要領の国語の目標・内容(高等部)
1 目標
生活に必要な国語についての理解を深め、伝え合う力を高めるとともに、それらを適切に活
用する能力と態度を育てる。
2 内容(1段階)
(1) 話の内容の要点を落とさないように聞き取る。
(2) 目的や場に応じて要点を落とさないように話す。
(3) いろいろな語句、文及び文章を正しく読み、内容を読み取る。
(4) 手紙や日記などを目的に応じて正しく書く。
◆国語の内容例
1
2
3
周囲の人からの説明を聞いて理解する。
物語、劇、放送などを聞きあらすじを理解したり、中心的な内容を正しく聞き取ったりする。
メモをとって中心的な内容を正しく理解する。
4
指示や説明の要点を聞き取り行動する。
5
6
7
8
9
10
物語、劇、放送などを見たり聞いたりして楽しみ、その感想を話したりする。
場に応じて、正確に必要な内容を伝えたり話したりする。
場に応じた自己紹介をする。
必要な内容を正確に伝言する。
相手に応じて敬語を使って話す。
相手に応じた電話対応をする。
11
図書館を利用するなどし、歴史小説、伝記、観察記録文、紀行文、旅行などの諸案内、趣味の工
作や料理のつくり方、広告文、俳句など、興味・関心のある文章を読む。
12 小説、詩、新聞、雑誌などで中心となる語や文を捉え、段落相互の関係を考えて読む。
13 叙述を基に場面の移り変わりや情景を想像しながら読む。
14 標識や看板、広告、立札、掲示、テレビやコンピュータ画面の文字などを正しく読み取り、得た
情報を生活に生かす。
15 日常生活に応じた漢字、ローマ字、外来語を読む。
16
国語辞典で必要なことなどを調べる。
17
18
19
日常生活で多く見られる漢字を使って書く。
自分の考えや気持ちを明確に書き表したり、句読点やかぎがっこなどを正しく書き表したりする。
年賀状や暑中見舞い、旅行先からの絵葉書、近況報告、挨拶文、依頼状、礼状などを相手や目的
に応じた書式や言葉遣いで書く。
20 学級新聞、行事の招待状や案内状、諸掲示、予定表などを読み手を意識して分かりやすく書く。
21 住民票や在学証明書の発行申込、定期券の購入申込、その他の生活に必要な文書や諸届など、様
式や目的に応じて正しく書くことに慣れる。
22 ローマ字を書くことに慣れ、コンピュータへのローマ字入力のし方が分かる。
23 太筆と小筆を使い分けて書く。
(「国語の内容例」より5段階のみ抜粋)
16
16
◆授業時数と指導内容の選択
指導の形態別の時数配当
内容別の
授業時数
教科別、領域別の
指導 等
各教科等を
合わせた指導
日常生活の
指導
生活単元
学習
作業学習
国語
420
210
210
●
●
●
社会
210
53
157
●
●
●
数学
420
210
210
●
●
●
A 特別支援学校では、国語の内容を指導するのに必要な授業時数を、3年間で 420 単位時
間としています。そのうち、教科別の指導(以下、教科「国語」という。)として、3年間で
210単位時間、各学年で週当たり2単位時間を配当しています。また、
「各教科等を合わせた
指導」として、日常生活の指導と作業学習、生活単元学習を設定しており、「各教科等を合わ
せた指導」のそれぞれでも、国語の内容を取り扱うこととしています。
週当たり2単位時間で指導する場合の教科「国語」で扱う内容を、「国語の内容例」を参考
に、指導事項としてまとめました。本学級では、教科「国語」では3年間を通して下の表の内
容を中心に指導することとし、「各教科等を合わせた指導」では、教科別の指導と関連付けた
指導や、教科別の指導の時間では十分取り組むことができない活動を中心的に扱うようにし
ました。
5段階相当の学習グループの教科「国語」の指導事項
聞くこと
○メモの取り方
○新聞づくり
○古典に親しむ
話すこと
○インタ
ビュー
○自己紹介
○電話での会話
○敬語の使い方
○発表・報告活動
○話し合い活動
○ニュースの紹介
読むこと
○説明的な文章の理解
○物語文の読解
○詩、俳句、短歌等の鑑賞
○インターネットや新聞記事を活用し
た調べ学習
○国語辞典の活用
○古文
○図書館の利用
書くこと
○漢字
○ローマ字
○外来語
○作文、感想文
○手紙、礼状、案内状
○書類の書き方
○毛筆
学校で設定した教科「国語」の時数配当と、
「国語の指導事項」から、次のページのように
単元の配列を計画しました。
17
17
◆単元配列の例
それぞれの時期にどのように指導を行うのかを、3年
間を見通して計画を立てました。
指導事項の扱い方は、漢字の読み書きのように年間を
通じて継続的に学習するものや、作文のように題材やテ
ーマを変えながら繰り返し取り組むもの、3年間で1度
は触れておき、「各教科等を合わせた指導」や他の授業、
学校生活全般の中で定着を図っていくものなど様々で
す。
単元の配列は、季節や学校行事とも関連付けながら計
画し、行事等への取組みの中で教科別の指導で学んだ内
容を深めたり、実際の生活場面で活用する力を高めたり
できるような工夫も行いました。
教科別の指導では、児童・生徒の実態に応じ、学習活
動に生活的なねらいを持たせ、生活に即した活動を十分
に取り入れつつ段階的に指導することが大切です。本学
級の生徒は、卒業後の生活を意識し、指導の計画を立て
ました。
例えば、
「聞くこと」に関する指導事項として、
「メモ
の取り方」を設定した本学級では、毎学年、段階的に指
導しながら、校外学習や他の授業等での活用を図り、卒
業後に「必要なときに自分からメモを取ることができ
る」ことを目指し、指導計画を作成しました。
5段階相当の学習グループの「国語」の指導事項
○メモの取り方
1年
4 自分について話そう(2)
月 (自己紹介)
国語辞典の引き方(3)
5 聞いたことをメモしよう(6)
(メモの取り方)
6
作文(体育祭)(3)
敬語の使い方(丁寧語)(4)
7 物語を読もう(8)
9 壁新聞を作ろう(12)
(インタビュー、新聞づくり)
10
11 読書に親しもう(7)
・図書館の使い方
・本の紹介
12 漢字に詳しくなろう(4)
・同音異義語、四字熟語
1学年 「聞いたことをメモしよう」
・
メモの取り方の基本を理解する。
・
メモを取る練習によりメモを取り
手紙を書こう(年賀状)(3)
1 書き初め(毛筆)(4)
ながら聞くことに慣れる。
2学年 「ポイントを押さえてメモを取ろう」
・
現場実習を想定した場面でメモの
取り方や使い方を学ぶ。
古典に親しもう(百人一首)
(8)
2
3学年 「伝言メモを残そう」
・
電話のメモや不在の相手への伝言
をメモに取って伝える方法を学ぶ。
18
18
3 私の5大ニュース(6)
(作文、発表)
<3年間の単元配列計画と年間の行事予定>
2年
新聞記事を読もう(5)
詩を読もう(4)
俳句に親しもう(4)
五七五で表現しよう(4)
(体育祭の感想)
3年
伝言メモを残そう(6)
・電話でのやりとり
・伝言メモの書き方、活用
敬語を使って話そう(4)
・職場で使う表現
・尊敬語、謙譲語
行事等
4
月
始業式
入学式
5
体育祭
自分のことを伝えよう(6)
(発表、各種申込書等)
6
古典に親しもう(6)
7
現場実習(3年)
敬語の使い方(3)
(丁寧語、尊敬語を使った自己紹
介、面談での話し方)
ポイントを押さえてメモを取ろ
う(5)
9
物語を読もう(10)
漢字に詳しくなろう(3)
・日常生活の漢字、外来語
書類の書き方(2)
漢字に詳しくなろう(3)
・職業に関する漢字、熟語
調べたことを発表しよう(14)
(インターネット・新聞記事の活
用、インタビュー、発表)
移動教室(1年)
10
11
考えを深めよう(7)
「現場実習を経験して」
1学期終業式
2学期始業式
現場実習(3年)
進路週間(1年)
現場実習(2年)
古典に親しもう(6)
(落語、歌舞伎等の鑑賞)
12
自分の言葉で伝えよう(8)
(話合い、発表)
年賀状の書き方(3)
古典に親しもう(竹取物語)
(11) 詩を読もう(群読)
(5)
読書に親しもう(6)
(図書館の利用)
説明文を読もう(6)
(段落相互の関係の読み取り)
文化祭
1
2学期終業式
3学期始業式
修学旅行(2年)
2
創作エッセイ「卒業したら」
(6)
3
卒業式
修了式
毛筆「私の好きな漢字」
(3)
19
19
◆教科「国語」の年間指導計画(単元配列計画)に基づく授業の実践例
単元名:聞いたことをメモしよう(メモの取り方)
1 単元について
特別支援学校高等部学習指導要領の国語の内容には、「聞く」ことの観点として、「1段
階(1)話の内容の要点を落とさないように聞き取る」とある。学習指導要領解説では、そ
の項目について「周囲の人からの指示や説明を聞いて理解すること、さらに、必要な場合は
メモを取って中心的な内容を正しく理解することなどである」と書かれている。
本単元では、話を聞いて内容を把握し、忘れないようにメモに書き取る課題として「メモの
取り方」を取り上げた。メモを取ること自体は「書く」活動が中心にはなるが、メモを取る
ためには話の内容を正確に聞き取ることが前提となる。授業の中で<メモ取り名人11カ条>
と名付けた「メモを書く時のポイント」を押さえることによって、話の中から何を聞き取る
べきか(話の要点は何か)が分かり、その積み重ねを通して、将来的にはメモを取らない時
でも指示を聞ける力を付けることをねらいにしている。
2 生徒について
本グループの生徒は、学習指導要領の目標・内容や国語の内容例の表によると、概ね5段
階相当の生徒である。
本校では、生徒への指導としてメモ帳を常時携帯し、連絡事項や説明の際にメモを取るよ
うに促してはいるが、本グループの生徒はまだ自分でメモを取り活用するところまでは至っ
ていない。しかし、生徒はメモ帳やメモを取ることへの関心はもっているようで、好きなゲ
ームやテレビ番組について書くなど、自分なりの使い方をしている生徒も見られる。今後の
学校生活の中で、行事を中心にメモの必要な場面が多く出てくると考え、この時期に改めて
メモの取り方について学習し、実際にメモを取る練習を行うこととした。
3 教材について
メモを取るためには聞いたとおりに書くのではなく、話の中から中心的な内容を書き出す
力が求められる。しかし、「耳で聞いただけの情報から中心的な内容を自分の判断で要約す
る」というのは本グループの生徒には難しい課題である。また、生徒には「きれいに書きた
い」「分かる単語は漢字で書きたい」という思いがあり、ノートやワークシートに記入する
際も何度も書き直したり必要以上に時間をかけて書いたりしがちであり、簡単に必要なこと
のみを書く「メモを取る」ということには困難が生じると思われる。
そこで、学習のはじめに「メモ取り名人 11 カ条」としてメモを取る際のルールを提示し、
11 のポイントを順に練習していく中で、メモの書き方や聞き取るべき内容を体感的に理解し
ていくという形式を取ることにした。この「11 カ条」は、それぞれの生徒の国語ファイルと
メモ帳にそれぞれ挟み込んで、必要なときにいつでも確認できるようにした。
4 目標
・ メモをとる際のルールを知り、実践できる。
・ 聞き取らなければならない中心的な内容を、聞き取ることができる。
・ 必要なことを簡潔に書くことができる。
20
20
5 指導計画
①年間指導計画における位置付け
本グループでは、1年間を通して「話す」「聞く」「読む」
「書く」「考える」の各分野の内容
に触れることができるように配慮して単元を設定している。
2学期には「新聞づくり」の単元でインタビューを行い、メモを基に壁新聞を作成する予定
である。聞きとったことを生徒自身がメモすることができるよう、この時期にメモの取り方の
基本を学習することとしている。また、2学期に実施する校内実習においても、メモを取る習
慣を意識付けられるようにする。
②指導計画
学習内容
第1次
第2次
第3次
第1時
メモを取ってみよう(導入)
メモを取る時のルールを知る
第2時
<メモ取り名人 11 カ条>
メモ帳の使い方
第3時
メモ取り名人①②③④⑤
メモの訂正、番号や矢印を使って書く
第4時
メモ取り名人⑥⑦⑧⑨
5W1Hを意識して書く
第5時
メモ取り名人⑩⑪
メモの中で大切なところを見つける
まとめ
自分のメモ帳に書いてみる
第6時
(本時)
6 指導の工夫・配慮事項
・ 国語の授業時は縦書きで書くことが多いが、より実践的なメモの取り方を学習するため、
本単元では横書きで書くことにし、ワークシートを用意した。
・
何度もメモを取る経験をする中で書き方を理解していけるよう、説明や指示を聞いてメ
モを取る例題を多く用意した。また毎回「メモ取り名人 11 カ条」に照らして、ルールを守
って書けたかを各自で評価するようにした。
・ よくできた部分をできるだけ具体的に褒め、生徒が自信をもって学習できるようにした。
・
友達のメモの書き方のよいところを見て真似できるよう、各自で書く時間の後、友達の
メモを読む時間を設定した。
7 展開例(6/6時間目)
(1)本時の目標
・ 聞き取らなければならない中心的な内容(5W1H)を、聞き取れる。
・ メモを取るのに効果的な方法<メモ取り名人 11 カ条>を守ってメモが取れる。
・ 聞き取れなかった時、聞き返すことができる。
21
21
(2)本時の展開
学習活動・学習内容
指導上の留意点
配慮事項
生徒 A
生徒 B
具体的な
評価規準
○前回の授業を思い出し、
本時の学習内容を知る。
今日の学習
『メモの取り方』
・黒板に今日の学習
内容、学習の流れを
板書しながら、めあ
てを確認する。
・何の学習を
するのかを
具体的に知
る。
・学習内容を確
認し、本時へ
の期待感を高
める。
・教師に注目し、
今日の学習につ
いて知ろうとし
ている。
○「メモ取り名人 11 カ条」
を確認する。
・一つずつ声に出して読ん
で、ルールを思い出す。
・それぞれの本時のめあて
を確認する。
○メモ取り(a)
1 教師の課題文を聞く。
2 各自、メモ用紙に書き
取る。
3 (聞き取れなかった場合
は、聞き返す)
4 教師の確認に従い、書
くべきことが書けたか、
自分のメモをチェック
する。新たに分かったも
のは書き足す。
5 メモ取り名人 11 カ条に
照らして、自分がルール
に則って書けていたか確
認する。
6 友達とメモ用紙を交換
して(左の席の友達へ)、
友達の書き方から良いと
ころを見つける。
7 自分のメモ用紙が戻っ
てきたら、より良いメモ
に書き直す。分からない
漢字や言葉が分かった
ら、書き足す。
○プリントを提出する。
○単元を振り返る。
・一つずつ指差しな
がら確認する。
・特に忘れやすいと
ころは、繰り返し
て伝え気を付ける
よう促していく。
・これから課題文を
読むことを伝え集
中を促す。
・重要な部分(5W
1H)は、聞き取
りやすいようには
っきり話す。
・書くときのルール
がうまく使えてい
ない時は、11 カ条
の紙を指し示しな
がら説明する。
・こうしたらよい、
ここはよいという
点を黒板に書き出
し、全員で共有で
きるようにする。
・明らかに間違って
いる部分は友達と
メモを見合う前に
個別に指導する。
本時のめあて
・単語や短い
文で書く。
・集中して話
を聞く。
・分からなく
なった時は、
手を挙げて聞
き返す。
・内容に応じ
て行を変えて
書く。
・単語や短い
文で書くこと
を意識する。
・時間に合わ
せて書く量を
減らす。
・メモ帳を使
うことへの意
識を高める。
・今後のメモ帳の活
用を、具体的な場
面を例示しながら
促す。
・番号や矢印
を使い、分
かりやすく
書く
・メモを取る
意識をもって
話を聞く。
・メモを書き
始める時に、
今日の日付を
忘れずに書
く。
・話の流れが
分かるよう、
番号や矢印を
活用する。
・メモを書い
たら読み直し
て、大切なと
ころに印を付
ける。
・メモ帳を使
う場面を具体
的にイメージ
する。
・メモ取り名人11
カ条を覚えてい
る。
・メモを取る姿勢
になっている。
・集中して話を聞
く。
・分からなくなっ
た時、聞き返すこ
とができる。
・11 カ条の約束
を守ってメモが
取れる。
・初日と今日のメ
モ用紙を見比べ
て、11 カ条を守
って書くとメモ
が見やすくなる
ことが分かる。
・メモ帳の活用へ
の期待や意欲を表
現する。
個別の目標と手だて
生徒の実態
単元の目標
本時の目標
A
細かい聞き取りに課題 ・
「いつ」を押さえながら
があるが、だいたいのポ
話を聞きとる。
イントをつかみ聞くこと ・単語や短い文で簡潔にメ
ができている。
モをとる。
B
興味のあることをメモ ・メモのとり方を理解し、 ・記号や矢印を使って ・分かりやすいメモの
帳に書くなど、メモの活
ポイントを押さえて聞
分かりやすくメモを 例を示し、読み返す際
用に興味をもっている。
き取る。
とる。
に下線や印を付ける
意欲的に学習に取り組ん ・自分から進んでメモをと ・メモを読み返し内容 とよいことを伝える。
でいる。
ろうとする。
を確認する。
・単語や短い文でメモ ・指示や説明を理解で
をとる。
きたか確認しながら
・分からないときに聞 進める。
き返す。
22
22
指導の手だて
評価規準・
評価方法
略
11 カ条」
「メモ取り名人
<メモ取り名人
①その場で書く
11 カ条>
まず「メモを取ってもいいですか?」と聞く
②まず日付
③メモ帳の行は無視して
一行空ける、二行使って書くなど見やすく
④1回のメモで1ページ
⑤メモ帳は前から順番に
⑥間違った時は上から線を引く
⑦漢字が思い出せない時は、ひらがなやカタカナで
⑧単語や短い文で書く
⑨番号や矢印を活用
⑩5W1H を落とさずに
いつ、どこで、誰が、何を、どうした、どのように
⑪大切なところは、丸印や波線などをつけて、目立たせる
聞き取りの課題文(例)
先週の体育祭で、落し物が二つありました。
一つは革の小銭入れです。体育館の舞台の裏に落ちていました。もう一つは、白い
サンバイザーで、グラウンドの男子トイレの中にありました。
心当たりのある人は、落し物担当の○○先生まで今日中に連絡してください。
8 生徒の変化と今後の課題
【単元開始前のメモの取り方】
・
ページに、日付や見出しがなく、その時開いたページに順不同に書いているため、どのページに
何を書いたかが分からなくなっていた。
・
ページ全体にびっしりと文の形で書いていた。
・
聞き取ったとおりに書こうとし、間違えた字を消しゴムで消したり、漢字を丁寧に書いたりして
いるうちにメモが取りきれなくなっていた。
【単元終了時の様子】
・ 生徒の実態を元に「メモ取り名人 11 カ条」を設定したところ、ルールに従って分かりやすいメモ
が書けるようになってきた。
・
自分の書いたメモを見て、おおまかな内容や要点をつかむことができるようになった。また、友
達のメモを見てよい点を真似ようとするなど、学習に意欲をもって取り組むことができていた。
【今後の課題】
・
メモの取り方の基本を理解し、自分なりにわかりやすいメモをとることができるようになってき
たが、メモを取るべき場面に自分で気づき、メモ帳を取り出すところまでは至っていない。今後他
の教科や作業学習等でもメモの活用を促していくなど、継続して指導することで定着を図る必要が
ある。
23
23
24
�
知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業��
�各教科等を合わせた指導�
知的障害のある児童・生徒を対象とした教育内容・方法の充実事業
各教科等を合わせた指導充実検討委員会
<委員>
中坪 晃一
菅野 敦
山本 篤
荒川 早月
井上 美保
磯部 淳子
木村 泰子
小宮山 都美
本莊 建史
山本 紀子
田島 貴子
安藤 梢
植草学園短期大学 学長
専門委員
東京学芸大学
教授
専門委員
都立葛飾盲学校
校長
都立高島特別支援学校
校長
都立調布特別支援学校
校長
都立墨田特別支援学校
校長
都立南花畑特別支援学校
校長
都立葛飾盲学校
主幹教諭
都立調布特別支援学校
主幹教諭
都立南花畑特別支援学校
主幹教諭
都立高島特別支援学校
主任教諭
都立墨田特別支援学校
主任教諭
25
25
■ 生活単元学習の充実に向けて
「各教科等を合わせた指導」と生活単元学習
◆教科別、領域別の指導と「各教科等を合わせた指導」
都立知的障害特別支援学校(知的障害教育部門、知的障害を併せ有する教育課程を含む)
では、教科別、領域別の指導と「各教科等を合わせた指導」について、児童・生徒の実態
や学校の教育方針に基づきそれぞれのバランスを考慮して時数を配当しています。
学習指導要領に示された各教科の内容は、
「各教科等を合わせた指導」として指導を行う
場合や、
「各教科等を合わせた指導」として指導を行いながら、教科別の指導を設定して指
導を行う場合などがあります。各教科の指導を、教科別の指導の時間を設定して行う場合
は、
「各教科等を合わせた指導」との関係を明確にする必要があります。
「各教科等を合わせた指導」においては、各教科等の内容が含まれることを意識して指
導の計画を立てることが重要です。
◆生活単元学習の意義と役割
「各教科等を合わせた指導」の一つの形態である生活単元学習においても、各教科等の
指導内容や教科別、領域別の指導との関連性を考慮しながら、
「合わせた指導」であること
を効果的に発揮できるような指導の展開が必要です。
特別支援学校学習指導要領解説総則等編(幼稚部・小学部・中学部)では、生活単元学
習は、
「児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の活動
を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習す
るものである」としています。
都立特別支援学校の生活単元学習と教科別、領域別の指導との関係から、都における生
活単元学習の意義や役割を次のように捉えます。
生活単元学習では、児童・生徒が学んできた知識や技能を、実際の生活場面で
活用できるようになることを目指し、生活場面を想定した一連の活動の中で、児
童・生徒が自ら活動することを大事にした指導を展開する。
各教科等の指導内容
教科別、領域別の指導
生活単元学習
国語
※指導内容を一連の流れの
中で合わせて指導
※教科別、領域別の指導で学
んだ力の定着、活用
数学
美術等
※各授業場面でそれぞれの内
容を指導
実際の生活場面に
おいて自発的に活
用できる力
生活単元学習では、生活上の目標やテーマに基づく一連の流れやまとまりのある活動を経
験することにより、各教科等の内容を学ぶことになります。その中で、教科別、領域別の指
導を設定している教科等については、教科別、領域別の指導の内容を深め、児童・生徒が生
活の場面で活用できるようになることを大切にしていきます。
26
26
生活単元学習の単元づくり
都では、平成 23 年度から生活単元学習の充実に向けた取り組みを進めてきました。当初
の各学校の生活単元学習の状況については、次のような指摘がありました。
・ 指導内容や方法が学校や担当者に任されており、
「何をしてもよい」反面、何をしたら
よいか分からなくなっている。
・ 生活場面の中でも部分的な活動のスキルの獲得に重点が置かれ、訓練的な活動が中心
である。
このような状況にある学校では、前年度まで実施してきた「単元」を毎年繰り返し行うな
ど、児童・生徒の実態に応じた生活単元学習が行われにくいといった課題もありました。
そこで、
「各教科等を合わせた指導」の意義や望ましい生活単元学習の在り方を、授業実践
の視点から考え、整理しました。
平成 24 年度には、単元づくりに当たって考慮すべき大切なことを次のようにまとめまし
た。
単元づくりで大切なこと
1
2
3
4
児童・生徒が言える単元名にする。
分かりやすい単元の到達目標を設定する。
児童・生徒が「今できること」を大切にする。
テーマに沿って様々な活動ができるように工夫する。
目標や課題を意識して主体的に取り組むためには、児童・生徒が「この時間では何をする
のか」
「何を目標とする単元なのか」という見通しをもつことが必要です。そのためには、児
童・生徒が分かるゴール(到達点)を設定するとともに、見通しやゴールを常に確認できる
ような工夫が大切です。授業の始まりで、単元名を見たり言ったりすることで、これから何
をするのか、という見通しをもちやすくなるような単元名の工夫がポイントとなります。
また、個人差の大きい集団の中であっても、一人一人の児童・生徒が力を発揮できるよう
にするためには、活動の種類や量を工夫する必要があります。一つの単元の中に、様々な活
動が盛り込まれていれば、児童・生徒が自分の得意なことや興味のあることに応じて活動を
選択することができるようになります。
活動量や活動の種類を増やすことで、同じ活動に繰り返し取り組むことができ、
「条件があ
ればできる」ことを「いつでもできる」状態に高めたり、
「今できること」を基に、新たな知
識や技能を身に付けたりすることが期待できます。それにより、児童・生徒が自信をもって
活動に取り組み、より主体的・積極的に取り組もうとする態度を育てることができます。
主体性や積極性を育てるために、活動の量や種類を工夫する際は、児童・生徒が「できる
こと」を十分に把握し、児童・生徒が「できること」から活動を組み立てていくことが必要
です。知的障害の児童・生徒の特徴の一つとして、
「成功経験が少なく自信がもちにくい」と
いうことが挙げられます。活動の回数や時間を多くし、児童・生徒がより多く取り組む機会
を増やしたとしても、児童・生徒が「やってみよう」と思える活動でなければ、知識・技能
の向上や進んで活動しようとする意欲を育てることはできません。そのために、児童・生徒
が経験していること、条件の中であればできること、適切な支援によりできることなど、
「で
きること」をきっかけとして活動を設定するということが大切になります。
これら、4つのポイントに基づいた単元づくりに当たっては、個々の児童・生徒の実態と、
集団としての実態、年齢、発達段階を考慮して、単元テーマや単元の到達点を設定すること
が必要です。
27
27
■ 「自ら取り組む」活動を大事にした単元づくり
児童・生徒が、活動に自ら取り組めるようになるためには、自分が何をすべきかが分かり、
その活動が自分でできることであることが大切です。「分かり、できる」活動を経験すること
により、自分から取り組もうとする意欲や達成感への期待をもつような支援が重要です。
◇
分かる(知識)
自分でする
できる(技能)
(習慣・態度)
自ら取り組む力へ
「できること」からのスタート
児童・生徒の「できること」には、様々な段階や状態があります。学んできた知識
や技能が、どの程度「できる」のかを適切に評価することが重要です。「できない」
と思われていることでも、適切な環境や教材によっては「できる」場合もあります。
さらに、
「できる」経験を繰り返すことで、支援がなくてもできるようになることも
あります。児童・生徒の「できた」ことや「できている」状況を、確実に把握するこ
とが必要です。
特定の場面で
教材・環境の工夫で
促されて
いつも
自分で
常に
自分から
「できた」
「できる」
「している」
「できること」からスタートすることで、学習によってできるようになったことが、
より確実に「できる」ようになり、「できた」という経験を何度も繰り返し、自信を
もって「できる」と感じることを増やすことにつながります。
「できること」からスタートするとは、支援を受けて「できた」ことを、確実に「で
きる」ことへ結び付け、自分から「している」段階までできるようになるために必要
な支援の手だてを工夫することでもあります。
ある特別支援学校では、これまで取り組んできた単元や他の教科等の授業内容か
ら、児童の「できていること」と「できるようになったこと」、経験した学習事項を
整理し、単元を構成しました。また、授業の中でも一人一人の児童の、現在の「でき
ること」を把握し、活動を変更・調整したり必要な補助具を用意したりしました。下
は、この特別支援学校で作成した単元の実施に向けた実態把握表の一部です。
単元名「なつまつりをしよう」実態把握表
◎一人でできる
○言葉かけや支援があればできる
児童名
活動の準備
グループの活動
自分の役割
A
△
△
○
太鼓の係で、曲に合わせて太鼓を叩く。
B
◎
○
◎
活動の順番や時間を意識して司会の役割
を果たす。
C
○
○
○
的当て係で、お客さんに「どうぞ」と言っ
て道具を渡す。
28
28
○教師と一緒に行う
確実に「できる」ことを目指す内容
◇ 「役割」のある活動
一人一人の児童・生徒の「できること」を大事にし、どの児
童・生徒も精一杯活動できるようにするためには、活動の量や
種類の工夫が必要です。学習指導要領解説には、
「単元は、一人
一人の児童生徒が力を発揮し、主体的に取り組むとともに、集
団全体で単元の活動に共同して取り組めるものである」ことに
考慮することが重要であると書かれています。児童・生徒が、集団の中で、自分ので
きる方法で、できることに取り組むためには、それぞれの児童・生徒が「役割」を明
確にすることが重要です。
集団の中で自分の「役割」を果たすことで、
「できた」という意欲や達成感とともに、
責任感や仲間と協力しようとする意識などが育ちます。児童・生徒の実態や育てたい
力に応じた「役割」の設定を工夫することが大切です。
低学年
<「役割」の段階>
児童・生徒の年齢や発達段階に応じて「役割」の捉え
方も変わっていきます。小学部低学年の児童や、単元に
十分に見通しがもちにくい児童・生徒には、主となる活
動をよく理解し、友達と一緒に精一杯取り組むこと自体
が「役割」となります。段階が上がるに従って、自分の
係や仕事を責任をもって行うことや、自分から「役割」
を見つけて取り組む態度が育つように役割を設定するこ
とが大切です。
高学年
活動を理解し、精一杯
取り組む。
準備や片付けを含め
て活動全体に取り組む。
集団の一員として係
や担当の仕事を行う。
活動が成立するよう
にすべきことやできる
ことを進んで行う。
◇ 児童・生徒の学年・年齢に応じた単元テーマの設定
<舞台発表をテーマとした単元の例>
小
げき遊び・げき表現
学
部
学年集会での発表
発表会の準備・進行
中
学
部
校内発表会等の準備・進行の
手伝い
高
等
文化祭の企画・運営
部
(生徒会活動)
児童・生徒にとっての「生活上の目標」や「達成を
目指す課題」は、児童・生徒の学年、年齢や、集団の
構成によっても異なります。そのため、同じような題
材や単元名を扱っても、ねらいや取り組み方はそれぞ
れの児童・生徒集団によって工夫する必要があります。
単元のテーマや到達目標を設定する際は、児童・生徒
の実態を十分考慮するとともに、児童・生徒の学年や
学部を意識することも大切です。
例えば、小学部低学年で「げき遊び」を扱う際は、
生活単元学習としての到達点は、
「発表活動を成功させ
喜びを味わう」ことよりも、
「友達とともにげき遊びそ
のものを楽しむ」こととなります。このような活動を
繰り返し経験しながら、学年が上がるにつれ目標や取
り組み方が「発表会を成功させる」ことや「企画や準
備・進行にも関わる」ことへと変化していきます。
また、高等部段階になると、それまで生活単
元学習で取り組んできた内容が、生徒会活動や
作業学習、教科別の指導等で扱う内容へと変化
していくこともあります。
29
29
◇ 単元指導計画の工夫
児童・生徒が見通しをもちながら毎時間の活動に取り組むことができるようにす
るためには、児童・生徒の実態を十分に把握し、見通しをもちやすい活動期間の設
定や単元の構成を工夫し、単元にどのように取り組むかという単元展開を考慮する
ことが大切です。
1 ねらいに応じた単元の構成
研究指定校の実践からは、次のような単元の構成の工夫が見られました。このように児
童・生徒のねらいに応じて、様々な構成が工夫できます。
①全員で同じ活動に取り組む単元
例えば、小学部低学年で行った「みんなでどうぶつハンターになろう」という単元では、
サーキット運動に全員で取り組むことを中心的な活動としました。この単元では、友達と
一緒に活動しながら、相手を意識できるようになることをねらいとし、全員で取り組むた
めの個々の児童に応じた教材や分かりやすいルールづくりを工夫しました。
②グループごとの役割をもち、各グループの活動が並列に展開する単元
中学部2年の「わくわくランドを開こう」では、学年の生徒が電車コーナー、ケーキ屋、
ミュージックハウス、つり屋に分かれて、それぞれのコーナーの準備を行いました。
それぞれのグループの活動は並行に展開し、当日もそれぞれのコーナーを運営しました。
この単元では、大きな集団で活動することのよさと、比較的小集団のグループごとの活動
により、友達との役割分担や、友達とともに目標に向かって取り組むことをねらいとしま
した。
③役割を分担し、集団として一つの活動をつくり上げていく単元
「喫茶店を開こう」
(平成 25 年度東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく
都立特別支援学校の指導内容充実事業報告書 P8~11)では、生徒が注文係、会計係、調
理係に分かれ、それぞれが役割をもって準備や練習を重ねていきました。そして、
「喫茶店
の開店」として、これまで係ごとに取り組んだ準備や練習の成果を持ちより、それぞれの
力を集結させる単元構成としました。この単元では、全体の活動と自分の役割との関係を
理解し、責任をもって役割を果たすことをねらいとしました。
「準備」と「片付け」のある活動
生活単元学習では、
「児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりする」ために、
実際の生活から発展し、児童・生徒の自然な生活としてのまとまりのある活動を通して学習しま
す。
「実際の生活」から発展し、
「自然な生活としてのまとまり」のある活動を経験するためには、
単元や授業の中心的な活動だけでなく、その「準備」や「活動」も児童・生徒自身の活動として
扱うことが重要です。
ものづくりや発表を中心的な活動とする単元では、材料の準備や発表内容の選定、活動場所の
調整等も、実態を考慮しながら児童・生徒自身ができるような環境や手だてを工夫します。また、
1時間ごとの授業の中でも、児童・生徒自身が、自分たちでできる準備を行い、活動の終了後は
自分たちで片付けを行うことで、「まとまりのある活動」を経験することができます。
30
30
実践例1
みんなでどうぶつハンターになろう(小学部3年生)
「どうぶつハンターになり、いろいろなどうぶつをつかまえる」こと
をテーマに、サーキット運動やゲームを行った単元です。目的やきまり
のある遊びに繰り返し取り組むことで見通しがもて、タイミングを合わ
せて一緒に活動するなど、友達を意識する様子が見られるようになりま
した。
単元の構成(全8時間)
「どうぶつハンター」になることを知る(計画)
どうぶつものまね
ゲーム
ハンタートレーニ
ングをしよう
(サーキット運動)
活動が分かって楽し
めるように、毎時間同
じ順番で3つの活動を
行いました。
まとめ
実践例2
「もうじゅうがり
にいこう」のゲーム
「わくわくランド」へ招待しよう(中学部2年生)
模擬店や体験コーナーで構成した「わくわくランド」に小学部の児童を招待する単元で
す。グループリーダーを中心に、それぞれが自分の役割を果たし、グループの一員として
の意識をもって取り組むことができるようにしました。お客さんに喜んでもらう経験から、
進んで手伝おうとする姿や何かをしてあげようとする姿が見られるようになりました。
単元の構成(全 23 時間)
「わくわくランド」の計画、コーナーの分担(導入・計画)
各コーナーの準備をしよう(準備・練習)
電車コーナー
ケーキ屋
ミュージックハウス
つり屋
各コーナーで係分担・道具の制作・接客練習等
学年集団を意識しながら、役割の経験や関わりを深める活動は少人数のグループで
電車コーナー
ケーキ屋
ミュージックハウス
つり屋
「わくわくランド」オープン(当日の活動)
31
31
2
見通しをもって取り組む単元の展開
児童・生徒が見通しをもって毎時間の活動に取り組むことができるために、児童・
生徒の実態や単元のねらいに応じ単元の展開を工夫することも考えられます。
「一連の活動を組織的に」展開するための取り組み方として、授業実践からは主に
下の2つの授業展開が見られました。
①繰り返し型
「一連の活動」に、毎時間繰り返し取り組む授業展開で、主に小学部の低学年などで、
長期間の活動に見通しがもちにくい場合に効果的です。活動を繰り返していくうちに自分
がすることが分かり、
「できること」が増え、自分なりの見通しや期待感がもてるようにな
ります。
第1時
最終時
第2時
導入
導入
準備
準備
導入
・・・・
準備
主となる活動
まとめ
まとめ
まとめ
(例)「やぎさんのかくれんぼ」(平成 27 年 3 月「各教科等を合わせた指導の充実」に掲載)
「三匹のこぶたのげきをしよう」(33 ページ 実践例1)
②積み重ね型
目標の達成に向けて、毎時間の活動を積み重ねていく授業展開で、児童・生徒が活動へ
の見通しをもち、計画・準備の段階から自分たちで活動をつくり上げていくことを大事に
した展開です。前時までの活動の振り返りと、本時の活動、活動の到達点を視覚的に確認
できるような工夫が必要です。
第1時
第2時
導入
導入
最終時
導入
・・・
準備
準備
主となる活動
まとめ
(例)「かだんをつくろう」
(平成 27 年 3 月「各教科等を合わせた指導の充実」に掲載)
「みんなが使うベンチをつくろう」(33 ページ 実践例2)
児童・生徒の実態や主となる活動の種類によって、上の2つの型を
組み合わせた展開なども工夫することができます。単元を通して、
どのような力を育てたいのかを考え、効果的な展開を工夫することが大切です。
32
32
実践例3
「三匹のこぶた」のげきをしよう(小学部2年生)
活動の流れを理解しながらげき遊びを楽しみ、精一杯活動すること
を期待して取り組んだ単元です。毎時間、ストーリーの確認、道具づ
くり、劇遊びの流れで活動を展開しながら、それぞれの内容を少しず
つステップアップしていきました。
準備・活動も含めた繰り返しの活動で、活動の見通しや始めと終わ
りの区別がつき、自分から行動できる場面が増えました。
単元の展開(全 16 時間)
お話をきこう
お話を思い出そう
お話を確かめよう
こぶたのいえを
つくってみよう
力をあわせて
こぶたのいえを
つくろう
いえを完成させよう
げきをしてみよう
片付けをしよう
実践例3
さんびきのこぶたの
げきをしよう
こぶたになって
げきをしよう
片付けをしよう
片付けをしよう
みんなが使うベンチをつくろう(中学部3年生)
低学年の児童等が靴を脱ぎ履きするために使うベンチをつくり、玄
関に設置することを到達点とした単元です。校内で困っていることや
手伝いの必要なことを見つけ、人の役に立つ経験を通して働く喜びや
活動への意欲を高めることを期待して活動を組み立てました。「ベン
チの完成と設置」に向けて活動を積み重ね、本時の活動成果が「ベン
チの完成度」として視覚的に確かめられるようにしました。
単元の展開(全 17 時間)
校内で困っていることはないか調べよう(導入)
・校内を点検しよう ・学校の人にインタビューしよう
ベンチづくりの計画を立てよう(計画)
道具や材料を用意しよう(準備)
ベンチをつくろう(展開)作業①
作業②
作業③
完成したベンチを紹介しよう(まとめ)
33
33
■ 年間指導計画の作成への配慮
生活単元学習は「各教科等を合わせた指導」の一つであり、各教科、道徳、特別活動、
自立活動の内容を合わせて指導します。そのため、生活単元学習の指導計画を立てる際
は、教科別、領域別の指導の指導計画との関連を考慮することが必要です。
また、学校行事との関連を工夫することで、単元への見通しがもちやすくなり、生活単
元学習の成果を学校行事で発揮するなど、生活に結び付いた力を効果的に育てることがで
きるようになります。
このような、学校生活全体を意識した単元づくりができるような指導計画を作成するこ
とが大切です。
ある特別支援学校では、学校全体で指導計画の見直しを行い、到達目標と主となる活動、
関連する活動を具体的に示した年間指導計画を作成しました。単元テーマだけでなく、児
童・生徒が単元の中で具体的に取り組む活動を書き出したことで、それらの活動が児童・
生徒の実態や「できること」を踏まえられているかを確認することができ、単元に関連し
た指導を行うことで、教科別の指導等の展開も効果的に進めることができるようになりま
した。
生活単元学習の年間指導計画の改善により、生活単元学習はもとより、他の教科別の指
導等の授業改善にもつながります。また、年間指導計画は、書式や記載方法を学校で統一
させるなどし、学年や年齢に応じたテーマの設定や活動の広が
りなどを学部や学年間で共有し、児童・生徒の成長に応じた単
元に取り組むことができるようにすることも大切です。
<行事計画、教科別の指導等とのつながりを考慮した指導計画の例>
生活単元学習の指導計画
行事計画
図画工作
「うちわをつくろう」
「みんなでワッショイ
~あきまつりをひらこう~」
地域センターの
【到達点】
音楽:太鼓演奏「○○音頭」
自分たちで計画、準備をした
あきまつりをつくり上げる。
文化祭への参加
・舞台発表
【主な活動】
山車づくり・山車引き
屋台準備、屋台の運営(接客)
太鼓演奏
※
教科別の指導では、単元テ
ーマに合わせた題材や教材を
意識して扱うようにすること
で、学習への目的意識が高ま
りました。
「○○小で展覧会をしよう」
【到達点】
小学校との交流展覧会を行う。
・屋台での買い
物体験
※
学校 の行 事計画
等へ結び付けられ
る単元を設定する
ことで、単元の成果
を生かした行事活
動ができました。
生活単元学習では、「できること」を大事に、「役割」のある活動を工夫しながら
単元を展開し、児童・生徒が「自ら取り組む」力を育てることを大切にします。
そのためには、学校行事や他の教科別、領域別の指導と関連付け、児童・生徒の
生活に生かされることを大事にした年間指導計画の見直しと改善が求められます。
34
34
�
知的障害特別支援学校高等部普通科の職業教育の充実事業
特別支援学校の職業教育�����教育の�����事業��
知的障害特別支援学校高等部普通科の職業教育の充実事業
<委員>
中坪 晃一
箕輪 優子
石川 誠
鈴木 誠治
山内 俊久
吉田真理子
髙橋 馨
林 津也子
池田奈央子
田島 昭美
村瀬 昌平
古山 武
植草学園短期大学 学長
横河電機株式会社CSR部CSR課
いなげやウィング 管理運営部長
都立羽村特別支援学校 指導教諭
都立青鳥特別支援学校 校長
都立八王子特別支援学校 校長
都立足立特別支援学校 校長
都立港特別支援学校 校長
都立青鳥特別支援学校 主幹教諭
都立八王子特別支援学校 主任教諭
都立港特別支援学校 主任教諭
都立足立特別支援学校 教諭
専門委員
専門委員
専門委員
専門委員
特別支援学校の職業教育・キャリア教育の研究・開発事業
<委員>
引間 宗人
箕輪 優子
若杉 哲文
田添 敦孝
村野 一臣
山口 真佐子
伴 光明
矢部 辰典
江見 大輔
行縄 昭雄
逵 直美
元都立北特別支援学校長
専門委員
横河電機株式会社CSR部CSR課 専門委員
都立村山特別支援学校 校長
専門委員
都立光明特別支援学校 統括校長
都立町田の丘学園 統括校長
都立府中けやきの森学園 統括校長
都立青峰学園 校長
都立町田の丘学園 主任教諭
都立府中けやきの森学園 主任教諭
都青峰学園 主任教諭
都立光明特別支援学校 教諭
35
35
1
作業学習とは
作業学習は、「各教科等を合わせた指導」の一つとして、場に応じた適切な
服装や言葉遣いを含めて、各教科、道徳、特別活動及び自立活動の広範囲の内
容が指導されます。
作業学習について、学習指導要領解説(以下、解説とする。)では次のよう
に示されています。
作業学習は、作業活動を学習活動の中心にしながら、児童生徒の働く意欲を培い、
将来の職業生活や社会自立に必要な事柄を総合的に学習するものである。
2
作業学習の指導の留意点
作業学習の指導に当たって考慮する事項について、
「解説」では
6つの事柄が示されています。
(ア) 生徒にとって教育的価値の高い作業活動等を含み、それらの活動に取り組む喜びや完成
の成就感が味わえること。
生徒が製作した製品提供したやサービスが人の役に立っていると生徒が実感することが
喜びや成就感を高めることになります。また、製品を使っている様子を見たり、感想を聞い
たりすることで、生徒自身が更なる改善を行うことができます。
(イ) 地域性に立脚した特色をもつとともに、原料・材料が入手しやすく、永続性のある作業
種を選定すること。
必要な作業量を十分に確保し、「待つ時間」を無くすことで生徒の集中を高めることにつ
ながります。
(ウ) 生徒の実態に応じた段階的な指導ができるものであること。
一定の品質ができるように���を工�するとともに、工程を明示した手順書を準備する
ことで、一人で作業を遂行することができるようになります。
(エ) 知的障害の状態等が多様な生徒が、共同で取り組める作業活動を含んでいること。
工程の分�を行い、生徒一人一人の「できること」を生かし、工程ごとに分担することで、
生徒同士の関わりが増え協力して行う場面を作ることができます。
36
(オ) 作業内容や作業場所が安全で衛生的、健康的であり、作業量や作業の形態、実習期間など
に適切な配慮がなされていること。
作業種に応じた服装やマスク、手袋等の着用や、作業に適した明るさや気温、換気等衛生・
健康への配慮をするとともに、生徒の動線を考慮して作業台や器具を配置し、安全への配慮
をした��を��する必要があります。
(カ) 作業製品等の利用価値が高く、生産から消費への流れが理解されやすいものであること。
作業学習は、美術等の作品作りとは異なり、実際の生活に役立つ製品やサービスを目指す
ことで、生徒は製作から販売までの流れを理解することができます。
◆
障害が重くても作業に必要な基本的な作業態度の育成や意欲の向
上を図り、将来に向け、任された役割を遂行する知識・技能・態度
を身に付ける。
�のた�には
☆ 生徒主体の作業学習にする。
・ 作業学習で掲げる目標の達成を目指して、夢中になって生徒自らが
取り組む作業となるように計画する。
☆ 必要度の高い作業学習にする。
・ 作業学習では、必要となる工程を効果的に設定して展開する。
(実際の職場を参考にする)
☆ 生徒が「できる」状況をつくる。
・ 「~ができない」ではなく、環境を整えることで、「~ができる」に変えていく。
ど�すれ��できる���になるか。
1 一人一人の障害の状況(作業能力)に応じた工程の工夫
2 「やりにくい」状態を解消(改善)する補助具の開発
3 集中力を高める環境作りの工夫
4 教員の関わり方や立ち位置
ᲮƭƷᙻໜƴؕƮƖŴ੉ಅǛᚘဒȷોծƠLJƠǐƏŵ
37
3
作業学習の全体計画
作業学習を計画する上で、教員は次のような授業の全体計画を立案すること
が必要です。
生徒主体の作業学習となるような目標の設定が大切です。
①全体の計画
(企画・目標の設定)
■ 新たな作業種を開発したり、これまでの作業製品等の工夫点や改善点を整理
したりする際には、作業製品等を使用・購入した人へのアンケートを実施する
などして、調査結果を生かしましょう。
■ 材料の手配や作業に必要な機器等の用品を検討しましょう。
■ 作業の目的(なぜこの工程が必要なのか)、全体の目標(いくつ必要か、い
つまでに必要か)を明確にし、生徒に分かりやすく提示しましょう。
■ 全体の目標を設定する際は、生徒のみならず、作業学習に関わる教員等も「精
一杯」働いて達成できる目標にしましょう。
例
「卒業式で体育館に飾る花を園芸班に育て
てもらいたいので、6月末までに植木鉢を5
0鉢作ってください。」
発注者:校長
②試作・見直し
■ 授業前に作業学習で取り扱う製品等を試作したり、実際に教員が行ったりする
ことで、材料やデザイン、作業工程を見直しましょう。
■ 教員が製品等を試作する際は、効率性のある作業工程となっているか、機器が
危険な工程はないかなど、入念に生徒の理解力や活動を想定しましょう。
■ 工程を十分に見直して、生徒が一人で作業することが難しかったり、一定の品
質を保つことができなかったりすることがないようにするとともに、必要な補助
具を製作しましょう。
■ 生徒一人一人の「できること」を生かすことができる工程や、作業の分担を考
えましょう。
例
実際の作業工程を教員が試し、作業に必要
な道具や備品の位置を決めたことで、スムー
ズに作業を進めることができました。
38
③授業実施
(製作・販売・サービス)
■ 作業工程に沿った「手順書」を手元に置くなど、生徒がいつでも確認できる
ようにして、作業できるようにしましょう。
■ 作業環境が安全であるか、生徒が「やりにくい」と感じている工程は無いか
などを把握し、生徒も改善策を考えられるようにしましょう。
■ 作業の目的に関連した個人目標を設定し、生産量とともに、時間を意識して
作業ができるようにしましょう。
例
生徒の姿勢に合わせ、作業台の高さや機器の
配置を見直したことで、身体に負担がかからな
い安定した姿勢で作業に集中することができ
ました。
例
全体の目標数を掲示するとともに、それぞれ
の工程ごとの目標数をホワイトボードに掲示
し、自分でチェックできるようにしました。
④成果の確認・反省
■ 販売やサービス提供後に実施するお客様へのアンケートや聞き取りから、生
徒とともに製品等の規格やデザイン等を見直しましょう。
■ 一人一人が十分に個人の目標が達成することができたか、生徒自身が評価で
きるようにしましょう。
例
生徒同士が今後の作業計画について話し
合い、改善策を出し合いました。
目標を達成した後に、やり遂げた充実感や満足感を十分に味わうことができ
るようにしましょう。
39
4
作業学習の授業計画とPDCA
作業学習の実施に当たり、生徒一人一人の実態に基づいて、学習指導案を作
成します。生徒が「今できること」を大切にし、生徒がもっている力を最大限
に発揮できる学習にすることが大切です。
①実態の把握
「できる」ことを丁寧に観察・把握する
■
作業学習に関することに焦点化して、生徒一人一人の「~できる」を大切に観
察・把握した実態を記述しましょう。
■ 「~できない」といった記述ではなく、
「~すれば~できる」と記述することに
より「指導の手だて」がより明確になります。
■ 生徒が自分の得意なことが分かり、作業学習の中で十分に発揮できるようにし
ましょう。
②目標の設定
「何を学ぶのか」
■
作業学習を通して職業的自立を促すために必要な目
標として、「どのような姿を期待するのか」「どのよう
な力をつけたいのか」
「どのような力をさらに伸ばして
いきたいのか」を具体的に記述しましょう。
■ 校外での実習の時の記録や、企業や卒後の進路先が
求める力も考慮して目標を設定しましょう。
③指導内容の精選・指導方法の工夫
「どのように学ぶのか」
■ 生徒が作業学習に取り組む喜びや完成の成就感を味わえるようにするとともに、
一人一人の実態や目標に基づき工程の分担をしましょう。
■ 各教科等の内容との関連を十分に図り、作業学習の時間だけでなく他の教科等で
学んだことを発揮できるようにしましょう。
■ 4つの視点に基づき、指導内容・方法の工夫をしましょう。
40
④作業学習の実施
■
生徒が主体となり、自分一人で作業が行えるようにするために、教員の関わり
方や支援の方法を整理した上で、作業学習を担当する教員同士の共通理解を図り
ましょう。
■ 工程の中で、生徒同士が協力する場面を意図的に設定するなど、生徒の役割へ
の理解や責任・参加意識を高めるようにしましょう。
■ 十分な作業量を確保し、作業の途中で「作業がない」といった状態にならない
ようにしましょう。
■ 教員は、生徒からの依頼に基づいて最小限の支援をしましょう。
⑤適切な評価
■
生徒の変容・成長を確かめるもの
「生徒の働きぶりにどのような変化があったか」
「どのような力が身についたか」
■
教員が自身の指導の効果を確かめるもの
「適切な目標の設定がなされていたか」
「支援の方法やタイミング、量は適切であったか」
41
5
■
4つの要件に基づく授業改善
工程の工夫
■ 待っている時間が無くなり、工
程の分担ごとに作業を進めるこ
とができた。
■ 生徒同士で、身体の動きの制限
や理解力に合わせた工程を考え、
協力し合うようになった。
作業工程を見直し、生徒一人一
作業を順番に行い、待っている
間、生徒が何もやっていない。
人に合わせて担当を分担した。
■
工程の分担ごとに目標の確認
ができるようになり、作業の正確
性や目標数への意識が高まった。
■
目標数に対する到達度が分か
りやすくなり、出来高を意識する
生徒が増えた。
「文化祭で販売する」という
目標が分かりにくい。
文化祭までの目標数をパネル
にして示した。
■
補助具等の開発
スタンプを一定の場所に
A4の用紙を三つ折りす
土や肥料を均一に混ぜる
押すための補助具
るための補助具
ための道具
■
環境作りの工夫
■
生徒がプリンターに取り
に行くための動線の確保や、
室内の明るさ、生徒同士の協
力のしやすさの観点から教
室の配置を見直した。
42
■ 教員の関わり方
○支援の方法
言語指示・身振り・手本の提示・手添えなど、様々な段階の支援方法がありますが、生徒
の作業状況に合わせて、最も効果的な方法を選択して、適切なタイミングでの支援を行うと
ともに、必要に応じて、これらを組み合わせて支援をすることが大切です。
工程や手順表、補助具等の工夫を行い、生徒が理解できる(一人でできる)ようにしまし
ょう。
○教員の位置
作業学習を行う上で、支援を行う教員の基本的な位置として、
・生徒の表情が見えて視線を合わせられる位置
・生徒の視界には入らないが、そばにいることが分かる位置
・離れてはいるが、報告・連絡・相談ができる位置
が考えられます。
作業学習では、生徒の作業状況に応じて、適切な位置からの支援が必要になります。真
正面や後ろから生徒の作業を常に「見て」、言葉での指示をすることは適切であるとはい
えません。生徒によっては、教員が生徒の横の位置で同じ方向を向いていることで、生徒
が手順を間違えたり、「やりにくい」と感じたりした時にすぐに支援をすることが有効な
ことがあります。
※
4つの視点に基づく授業改善事例は、特別支援学校の教育
内容の充実(平成26年3月東京都教育委員会)及び各教科
等を合わせた指導の充実(平成27年3月東京都教育委員会)
を参考にしてください。
43
6
作業学習を実施するに当たって
■ 目標を設定する
一定の時期ごとに、生徒がやり遂げられる目標(数値、品質
等)を設定し、それに応じた一単位時間ごとに達成すべき目標
を設定することが、生徒が活動に取り組む喜びや完成の成就感
につながります。そのためには、年間の授業計画をいくつかの
まとまりで区分するなど、生徒自身がその期間、期間で作業学
習の目標の違いを把握しやすくする工夫が有効です。
■
環境の設定により生徒が「できた」ことで終わらせない
生徒ができない作業がある場合、その原因は生徒の障害に起
因するものではありません。生徒の現在の作業状況を把握し、
工程を見直し、必要に応じて補助具を工夫することで、生徒が
一人でできるようになります。
このときの生徒の「できた」という変容は、
「生徒がもってい
る力を発揮できるようになった」と言えます。再度、現在の作
業状況を丁寧に把握することで、生徒のさらなる変容や成長を
促すことができるようになります。
■
支援の方法や評価の観点を共有する
作業学習は、任された役割を遂行する知識・技能・態度を身
に付ける学習であるといえます。このため、生徒の評価に当た
っては、作業の結果だけでなく、生徒の「働きぶり(自分の任
された役割を果たそうとする態度)」や「生徒同士の関わり方」
などの小さな変化を見落とさず、作業学習を担当する全ての教
員が生徒の活動を把握しておくことが必要です。
■ 生徒に確認する
生徒主体の作業学習にするためには、まず、教員が作業をしてみて、効率や品質を確認した上で、
生徒が「やりにくい」工程がないかを見極め、より「やりやすい」工夫をする必要があります。補助
具の利用や作業台の配置、姿勢など、「どちらがやりやすいか」を生徒自身が確認できるようにしま
しょう。
また、支援が必要な時に生徒から依頼できるようにするために、代替コミュニケーション手段等を
活用することも有効です。
■
全校で組織的に取組む
作業学習についても、各教科・領域との関連を図り、学校の教育活動全体の中で、意図的・計画的
に進めていく必要があります。その際、生徒一人一人がどのような役割を地域や社会の中で担い、積
み重ねていくのかといったキャリア教育の観点から、全校で組織的・継続的に取り組んでいくことが
重要です。
44
「高等学校キャリア教育の手引」(文部科学省
平成23年11月)より抜粋
コラム
□ キャリア教育の定義
キャリア教育は、子供・若者がキャリアを形成していくために必要な能力や態度の育成を目標と
する教育的働きかけである。そして、キャリアの形成にとって重要なのは、自らの力で生き方を選
択していくことができるよう必要な能力や態度を身に付けることにある。したがって、キャリア教
育は、子供・若者一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成してい
くために必要な能力や態度を育てることを目指すものである。キャリア教育をよりわかりやすく言
い換えれば、
「子ども・若者が、社会の一員としての役割を果たすとともに、それぞれの個性、持ち
味を最大限発揮しながら、自立して生きていくために必要な能力や態度を育てる教育」と表すこと
もできよう。
□ キャリアとは
人は、他者や社会との関わりの中で、職業人、家庭人、地域社会の一員等、様々な役割を担い
ながら生きている。これらの役割は生涯という時間的な流れの中で変化しつつ積み重なり、つな
がっていくものである。また、このような役割の中には、所属する集団や組織から与えられたも
のや日常生活の中で特に意識せず習慣的に行っているものもあるが、人はこれらを含めた様々な
役割の関係や価値を自ら判断し取捨選択や創造を重ねながら取り組んでいる。人は、このような
自分の役割を果たして活動すること、つまり「働くこと」を通して、人や社会にかかわることに
なり、そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」となっていくものである。このように、人
が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだし
ていく連なりや積み重ねが、「キャリア」の意味するところである。
(中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」
(平成 23 年1月 31 日))
「働くこと」については、人が果たす多様な役割の中で、
「自分の力を発揮して社会(あるいはそ
れを構成する個人や集団)に貢献すること」と考えることができる。
「働くこと」には、職業生活以
外にも家事や学校での係活動、あるいは、ボランティア活動などの多様な活動が含まれる。個人が
その学校生活、職業生活、家庭生活、市民生活等の生活の中で経験する様々な立場や役割を遂行す
る活動として、幅広く捉える必要がある。
7
肢体不自由特別支援学校での留意点
■
自立活動の視点を基盤とする
肢体不自由特別支援学校では、生徒が「もっと、作業をしたい」と高い意欲をもっても、例えば、
作業学習の内容を製品作りと固定的に捉えてしまうと、障害の特性から作業ができないといった状
況が生じ、教員が補助する場面が多くなり、実際の活動が意欲に応えられないといったことになっ
てしまいます。
そこで、作業学習においても、自立活動を基盤として、内容を設定していくことが重要です。作
業学習の内容の設定に当たっても、生徒一人一人の「できる」ことの把握に基づき、自立活動の6
区分26項目の中から、必要な項目を選定し、それらを相互に関連付けることにより、生徒の意欲
に応え、生き生きと活動することのできる作業を多様に設定していくことが重要です。
■
身体の動きや姿勢を常に見直す
作業台の種類や高さにより力が入りにくかったり操作しにくかったりすることがあります。身体
の動きや姿勢などについて、
「本当に作業しやすい姿勢なのか」を十分に検討する必要があります。
特に肢体不自由特別支援学校では常に見直しが必要な事項でもあります。自立活動専任教員や、理
学療法士や作業療法士など外部の専門家と連携を図り、作業台や教室配置、担当する工程や目標を
準備するとともに見直していく必要があります。
45
8
肢体不自由特別支援学校での事例~府中けやきの森学園の取り組み~
■
新たな作業種の開発
本校では、生徒の働く生活を実現するために、①実社会の視点で、働く力を身に付ける指導を行うこ
と。②肢体不自由のある生徒の働く姿を具体化し、社会に対して発信し、仕事の創出につなげることが
大切だと考えました。そこで、本校の肢知併置という利点を活かし、知的障害教育部門の実践から作業
環境や指導方法を習い、作業ラインを作ることなどの基本的な授業作りからスタートするとともに、肢
体不自由の障害特性に応じた新たな作業種の開発に取り組みました。
均質な製品の量産が製品作りの基本ですが、手指の巧緻性の課題や、不随意運動があったりする肢体
不自由のある生徒には難しい面があります。そこで、それを弱みではなく、強みに転化するべく、規格
はあるが「一点物」という付加価値のある製品「ドット・クリアファイル」を開発し、作業学習改善に
取り組みました。
作業工程の工夫(役割分担)
�
元絵
加工後
���������作工程���(図①)
本単元「ドット・クリアファイル製作」は、タブレット端末
を製品作りに活用し、画面に触れた指先をほんの少し動かすだ
けで、ドット絵を簡単に作ることができます。
タブレット端末の活用により、肢体不自由のある生徒の微細
な動きでも、大きな変化を起こすことが可能になり、製品作り
図① タブレット端末の活用
を自分の力で行えるようになりました。
タブレット端末の画面に触れると、画像が分割され、触れれば触れるほど細かくなっていきます。偶然
性に左右される要素が大きく、同じドット絵を作ることは、誰にとっても不可能と言え、「一点物」の製
品作りが可能になります。
� ��の特�����た工程�分担…6 つの工程に生徒の特長を活かして分担(図②)
1 デザイン係(タブレット端末の随意的操作が可能な生徒 4 名。)
・タブレット端末を操作してドット絵の作成
2 印刷係(PC 操作可能な生徒 1 名。
)
・デザイン係から受け取ったデータを印刷
3 ラミネート係(薄いラミネートフィルム
を扱える生徒 3 名。)
・印刷済用紙のラミネート加工
4 カット係(手を大きく動かすことのでき
る生徒 3 名。)
・ラミネートした縦横2面を断裁機でカット
5 検品係(判断力が高く、的確に○×が伝
えられる生徒 2 名。)
図② 作業工程・分担
・製品の規格を元に、適・不適を判断
6 仕上げ係(訪問学級生徒 2 名が在宅業務として担当。)
・クリアファイルの角を丸くカットして、製品の仕上げ
補助具の開発
■ラミネートガイド
挿入口に真っ直ぐ入るよ
うに両サイドにガイドと、挿
入口と同じ高さの台をつけ
ました。これにより、挿入口
に曲がって入ってしまうと
いう失敗がなくなりました。
46
■位置合わせストッパー
カット位置がずれないよ
うに、断裁機の奥にストッパ
ー(赤い箱)を付けました。断
裁機の前面から製品を入れ
ると正しい位置でカットす
ることができます。
作業環境の整理(けやきファクトリー)
○ 他の教科の時間と雰囲気を変え、
「仕事」を意識して取り組
めるよう環境を整理し、作業実習室「けやきファクトリー」
を設置
【分かりやすく、集中できる作業ライン】
・可動式パーテーション、係毎のカラーリング、テグスを使った
空中の係表示により、環境を整理しました(図③)。
【仕事としての意識を高める工夫】
図③カラーリングと空中係表示
・長期スパンでの数値目標の掲示(「めざせ 100 枚」等)と、当日
の数値目標や出来高表も教室の前面に掲示し、仕事を意識して取
り組めるように工夫をしました(図④)。
【時間への意識を高める工夫】
・スケジュール表の掲示・確認、タイムタイマーを活用し、時間
を意識して仕事を進めるよう工夫しました(図④)。
【狭い空間の有効活用】
図④仕事・時間への意識を高める工夫
・廊下を前室とし、当日の係分担確認等を行いました。
教員の関わり(自分で伝えられる工夫)
○ タブレット端末の VOCA アプリとヘルプライト(無線式フラッシュラ
イト)の活用
発音が聞き取りにくく、失敗したくないという性格のため、本人からの
「ほうれんそう」や支援要請が滞りがちな生徒が活用しました。
タブレット端末の VOCA アプリにより、本人の発声が補完され、作業
完了の報告が相手に伝わるようになりました。また、困ったときに「ヘル
プライト」を押すと、光の点滅と音声が鳴り、目立つので、教員が確実に
気付くことが分かり、自分で支援を依頼できるようになりました。
■
成果と課題
本校では平成 26 年度から、肢知両部門合同で作業学習の充実・改善に取り組んでいます。
昨年度は「一人でできる、自分で進められる作業学習」を目指し、作業環境の整備や補助具の開発・
活用を中心に取り組みました。今年度は、実社会からの視点で作業学習の改善を行いました。製品の品
質向上のため、ドット絵の基のデザインを近隣の専門学校に依頼しました。また、作業工程にタブレッ
ト端末などの支援機器を積極的に活用し、実社会でも通用する「働く姿」を目指しました。
文化祭までに、目標となる 100 枚のクリアファイルが完成し、文化祭当日は完売することができま
した。
6月
12月
右のグラフは、本校の肢知両障害教育部門で用いている
「就労支援のためのチェックリスト」(独立行政法人高齢・
日常生活
障害・求職者支援機構)の、本作業班全体での結果です。
80
60
確実に「働く力」が伸びていることが分かります。全体
40
の数値は、約10%伸びました。しかし、生徒個々の結果
20
では、本作業班 14 名の生徒中、半数の生徒は約 7%の伸
作業態度
対人関係
0
びに止まっています。
すべての生徒の「働く力」をより効果的に育てるために、
「作業学習」の作業種や製品種をさらに開発し、指導のバ
リエーションを増やしていくことが今後の課題です。
作業力
47
9
知的障害特別支援学校での事例~八王子特別支援学校の取り組み~
■
昨年度の研究成果
※各教科等を合わせた指導の充実(平成27年3月 東京都教育委員会)参照
本校では昨年度「食品加工班」を研究を行う作業班として、授業改善に取組みました。これまで
は知的障害が軽い生徒が中心となっていた作業班でしたが、中・重度の生徒一人一人が主体的に作
業することができるように、授業全体を見直したことで、
「指示待ちから主体的な活動」になり、
「生
徒が自分で判断できる」授業になりました。
■
既存の作業種の見直しと改善
昨年度の授業改善の成果を生かし、今年度は窯業班を研究を行う作業班とし、重度・重複学級の
生徒が主体的に活動することができる作業を、工程分析を通して明らかにすることとしました。
窯業班は、高等部2、3年の15名で、知的障害が比較的重い生徒が半数以上を占めています。
このため、既存の工程では生徒の実態に合わないので、生徒の得意な活動を活かした新しい工程が
必要と考えました。
生徒が一人でできるようになるために、他校の指導教諭の授業を見学し、
窯業の工程を改めて見直すとともに、補助具の工夫をしました。
生徒が得意な活動を活かす
作業工程の工夫(役割分担)
これまで行ってきた、不良品を再
生するための「くだき」の工程を無
くし、「粘土練り」「釉薬がけ」の工
程を増やし、作業工程の構築を図り
ました。
釉薬班
切り抜き班
粘土練り班
削り班
成形班
補助具の開発
土練機の投入口にカ
バーを付け、高さを上
げることで、生徒の手
が入りにくくなり、よ
り安全に作業を行う
ことができる。
塊の粘土を切り出す
工程で、ガイドを作成
したことで、粘土の厚
さが均一になる。
補助具は生徒の実態に合わせて作るので、試行錯誤の連続です。補助具はただ作れば良いものでは
なく、生徒のできること、得意なことに着目し、
「こんな道具があったら一人で作業ができる」という
ことを考えて作りました。
48
作業環境の整理
各工程が分かりやす
い看板の設置
教員の関わり
販売目標
200枚
販売結果
300枚
■
必要な道具を分かり
やすく色分け
「自分がいなければ作業工程
は成り立たない」という自覚
生徒自身の目標が分かるように、目
標数の表示を工夫
○
各工程の作業が止まらないよう、
教員は全体の把握をした。
○ 「できないのではないか」という
判断(過小評価)をしない。
○ 必要以上の言葉かけや手出しはせ
ず、生徒との物理的距離を保つ。
○ 作業の一部を事前に準備し、全部
の工程が一斉に動くようにした。
環境が整い生産ラインが明確になると、生徒
自身の役割が分かりやすくなり、目標数を超え
る日が続きました。
文化祭で販売するという、目標数は200枚
でしたが、実際に販売できたのは300枚とな
りました。
成果と課題
○授業改善の成果
生徒一人一人の作業の状況から、生徒の実態に合わない工程を減らしました。その代わりに、生
徒の得意な活動が作業になるように、新しい工程を増やしました。例えば、
「くだき」の工程では補
助具や作業台、配置などを整えても、作業に集中して取り組むことが難しかった生徒が、新しい工
程の「粘土練り」を担当したことで自分から作業に取組むことができるようになりました。
○今後の課題
作業班のメンバーは毎年変わります。今回改善した作業工程が、次年度の生徒の実態に適してい
るとは限りません。作業学習の中で生徒が「やりにくい」状況にある場合は、
「今まであった作業工
程だから行う」のではなく、生徒の実態を把握し、得意な活動が仕事になるよう、
「工程分析」を改
めて行うことが必要です。また、他の作業班においても、生徒の実態に応じた作業工程を常に見直
し、生徒が役割を担って作業ができるように取り組んでいきます。
49
50
�
��
��� 知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校の
各教科の目標・内容
・特別支援学校 小学部・中学部学習指導要領
・特別支援学校 高等部学習指導要領
51
51
[生活]
1 目標
日常生活の基本的な習慣を身に付け、集団生活への参加に必要な態度や技能を養うとともに、自
分と身近な社会や自然とのかかわりについて関心を深め、自立的な生活をするための基礎的能力と
態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 日常生活に必要な身辺処理を求めたり、教師と一緒に行ったりする。
(2) 教師と一緒に健康で安全な生活をする。
(3) 教師や友達と同じ場所で遊ぶ。
(4) 教師と一緒に身近な人に簡単なあいさつをする。
(5) 教師と一緒に集団活動に参加する。
(6) 教師と一緒に簡単な手伝いや仕事をする。
(7) 教師と一緒に日常生活の簡単なきまりに従って行動する。
(8) 教師と一緒に日課に沿って行動する。
(9) 教師と一緒に簡単な買い物をする。
(10) 身近な自然の中で、教師と一緒に遊んだり、自然や生き物に興味や関心をもったりする。
(11) 家族や家の近所などの様子に興味や関心をもつ。
(12) 身近な公共施設や公共物などを教師と一緒に利用する。
2段階
(1) 教師の援助を受けながら日常生活に必要な身辺処理をする。
(2) 教師の援助を受けながら健康で安全な生活をする。
(3) 教師や友達と簡単なきまりのある遊びをする。
(4) 教師の援助を受けながら身近な人にあいさつや話をするなどのかかわりをもつ。
(5) 集団活動に参加し、簡単な係活動をする。
(6) 教師の援助を受けながら簡単な手伝いや仕事をする。
(7) 日常生活に必要な簡単なきまりやマナーに気付き、それらを守って行動する。
(8) 教師の援助を受けながら日課に沿って行動する。
(9) 決まった額の買い物をして、金銭の必要なことが分かる。
(10) 身近な自然の中で遊んだり、動植物を育てたりして自然や生き物への興味や関心を深める。
(11) 家族の役割や身近な地域の様子に興味や関心をもち、自分と家庭や社会とのかかわりに気付
く。
(12) 教師の援助を受けながら身近な公共施設や公共物などを利用する。
3段階
(1) 日常生活に必要な身辺処理を自分でする。
(2) 健康や身体の変化に関心をもち、健康で安全な生活をするように心掛ける。
(3) 友達とかかわりをもち、きまりを守って仲良く遊ぶ。
(4) 身近な人と自分とのかかわりが分かり、簡単な応対などをする。
(5) 進んで集団生活に参加し、簡単な役割を果たす。
(6) 日常生活で簡単な手伝いや仕事を進んでする。
(7) 日常生活に必要な簡単なきまりやマナーが分かり、それらを守って行動する。
(8) 日常生活でのおよその予定が分かり、見通しをもって行動する。
(9) 簡単な買い物をして、金銭の取扱いに慣れる。
(10) 身近な自然の事物・現象に興味や関心を深め、その特徴や変化の様子を知る。
(11) 家庭や社会の様子に興味や関心を深め、その働きを知る。
(12) 身近な公共施設や公共物などを利用し、その働きを知る。
52
[国語]
1 目標
生活に必要な国語についての理解を深め、伝え合う力を高めるとともに、それらを適切に活用す
る能力と態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 話の内容の要点を落とさないように聞き取る。
(2) 目的や場に応じて要点を落とさないように話す。
(3) いろいろな語句、文及び文章を正しく読み、内容を読み取る。
(4) 手紙や日記などを目的に応じて正しく書く。
2段階
(1) 話し手の意図や気持ちを考えながら、話の内容を適切に聞き取る。
(2) 自分の立場や意図をはっきりさせながら、相手や目的、場に応じて適切に話す。
(3) 目的や意図などに応じて文章の概要や要点などを適切に読み取る。
(4) 相手や目的に応じていろいろな文章を適切に書く。
○高等部
1 目標
日常生活に必要な国語についての理解を深め、伝え合う力を高めるとともに、それらを活用する
能力と態度を育てる。
2 内容
(1) 話のおよその内容を聞き取る。
(2) 見聞きしたことや経験したこと、自分の意見などを相手に分かるように話す。
(3) 簡単な語句、文及び文章などを正しく読む。
(4) 簡単な手紙や日記などの内容を順序立てて書く
○中学部
1 目標
日常生活に必要な国語を理解し、伝え合う力を養うとともに、それらを表現する能力と態度を育
てる。
2 内容
1段階
(1) 教師の話を聞いたり、絵本などを読んでもらったりする。
(2) 教師などの話し掛けに応じ、表情、身振り、音声や簡単な言葉で表現する。
(3) 教師と一緒に絵本などを楽しむ。
(4) いろいろな筆記用具を使って書くことに親しむ。
2段階
(1) 教師や友達などの話し言葉に慣れ、簡単な説明や話し掛けが分かる。
(2) 見聞きしたことなどを簡単な言葉で話す。
(3) 文字などに関心をもち、読もうとする。
(4) 文字を書くことに興味をもつ。
3段階
(1) 身近な人の話を聞いて、内容のあらましが分かる。
(2) 見聞きしたことなどのあらましや自分の気持ちなどを教師や友達と話す。
(3) 簡単な語句や短い文などを正しく読む。
(4) 簡単な語句や短い文を平仮名などで書く。
○小学部
1 目標
表現及び鑑賞の活動を通して、音楽についての興味や関心をもち、その美しさや楽しさを味わう
ようにする。
2 内容
1段階
(1) 音楽が流れている中で体を動かして楽しむ。
(2) 音の出るおもちゃで遊んだり、扱いやすい打楽器などでいろいろな音を鳴らしたりして楽し
む。
2段階
(1) 好きな音や音楽を聴いて楽しむ。
(2) 友達や教師とともに簡単なリズムの特徴を感じ取って身体を動かす。
(3) 打楽器などを使ってリズム遊びや簡単な合奏をする。
(4) 好きな歌ややさしい旋律の一部分を楽しく歌う。
3段階
(1) 身近な人の歌や演奏などを聴き、いろいろな音楽に関心をもつ。
(2) 音楽に合わせて簡単な身体表現をする。
(3) 旋律楽器に親しみ、簡単な楽譜を見ながらリズム合奏をする。
(4) やさしい歌を伴奏に合わせながら、教師や友達などと一緒に歌ったり、一人で歌ったりする。
○中学部
1 目標
表現及び鑑賞の能力を培い、音楽についての興味や関心を深め、生活を明るく楽しいものにする
態度と習慣を育てる。
2 内容
(1) いろいろな音楽を楽器の音色などに関心をもって聴く。
(2) 音楽を聴いて感じたことを動作で表現したり、リズムに合わせて身体表現をしたりする。
(3) 打楽器や旋律楽器などを使って、自由に演奏したり、合奏や独奏をしたりする。
(4) 歌詞やリズムなどに気を付けて、独唱、斉唱、簡単な輪唱などをする。
○高等部
1 目標
表現及び鑑賞の能力を伸ばし、音楽活動への意欲を高めるとともに、生活を明るく楽しいものに
する態度と習慣を育てる。
2 内容
1段階
(1) いろいろな音楽をその美しさなどを感じ取りながら鑑賞する。
(2) 音楽を聴いて曲の特徴などを感じ取り、創造的に身体の動きで表現したりする。
(3) 打楽器や旋律楽器などに親しみ、その演奏の仕方に慣れ、気持ちを込めて合奏や独奏をする。
(4) 歌詞の内容を感じ取って、独唱、斉唱、簡単な合唱などをする。
2段階
(1) いろいろな音楽をその美しさなどを味わいながら鑑賞する。
(2) 音楽を聴いて感じたイメージを創造的に身体表現する。
(3) 打楽器、旋律楽器などの演奏の仕方に慣れ、楽器の特色や音色を生かしながら合奏や独奏を
する。
(4) 独唱、斉唱、二部合唱、オペレッタなどによる表現に慣れ、歌詞の内容や曲想などを味わい
ながら歌う。
1 目標
具体的な操作などの活動を通して、数量や図形などに関する初歩的なことを理解し、それらを扱
う能力と態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 具体物があることが分かり、見分けたり、分類したりする。
(2) 身近にあるものの大小や多少などに関心をもつ。
(3) 身近にあるものの形の違いに気付く。
2段階
(1) 身近にある具体物を数える。
(2) 身近にあるものの長さやかさなどを比較する。
(3) 基本的な図形や簡単な図表に関心をもつ。
(4) 一日の時の移り変わりに気付く。
3段階
(1) 初歩的な数の概念を理解し、簡単な計算をする。
(2) 身近にあるものの重さや広さなどが分かり、比較する。
(3) 基本的な図形が分かり、その図形を描いたり、簡単な図表を作ったりする。
(4) 時計や暦に関心をもつ。
○中学部
1 目標
日常生活に必要な数量や図形などに関する初歩的な事柄についての理解を深め、それらを扱う能
力と態度を育てる。
2 内容
(1) 日常生活における初歩的な数量の処理や計算をする。
(2) 長さ・重さなどの単位が分かり、測定する。
(3) 図形の特徴や図表の内容を理解し、作成する。
(4) 金銭や時計・暦などの使い方に慣れる。
○高等部
1 目標
生活に必要な数量や図形などに関する理解を深め、それらを活用する能力と態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 日常生活に必要な数量の処理や計算をする。
(2) 長さ・重さなどの単位の関係が分かり、測定する。
(3) 図形を正しく作図したり、表やグラフを工夫して作ったりする。
(4) 金銭や時計・暦などの正しい使い方が分かる。
2段階
(1) 生活に必要な数量の処理や計算をする。
(2) 長さ・重さ・量などの測定方法を理解し、活用する。
(3) 様々な図形、表やグラフを理解し、工夫して使う。
(4) 生活に必要な金銭や時計・暦などを工夫して使う。
[音楽]
○小学部
[算数]
○小学部
53
[図画工作]
○中学部
1 目標
造形活動によって、表現及び鑑賞の能力を高め、豊かな情操を養う。
2 内容
○1段階
(1) 経験や想像をもとに創造的に絵をかいたり、作品をつくったり、それらを飾ったりする。
(2) いろいろな材料の性質や用具などの扱い方を理解し、工夫して使う。
(3) 自然や優れた造形品を鑑賞し、その美しさなどを味わう。
○2段階
(1) 経験や想像をもとに、様々な技法などを用いて、創造的に絵をかいたり、作品をつくったり、
それらを飾ったりする。
(2) いろいろな材料の性質や用具などの扱い方を理解し、適切に使う。
(3) 自然や優れた造形品を鑑賞し、美しさなどを味わうとともに、地域の伝統工芸品に関心をも
つ。
○高等部
1 目標
造形活動によって、表現及び鑑賞の能力を培い、豊かな情操を養う。
2 内容
(1) 経験や想像をもとに、計画を立てて、絵をかいたり、作品をつくったり、それらを飾ったりす
る。
(2) いろいろな材料や用具などの扱い方を理解して使う。
(3) 自然や造形品の美しさなどに親しみをもつ。
[美術]
1 目標
初歩的な造形活動によって、造形表現についての興味や関心をもち、表現の喜びを味わうように
する。
2 内容
1段階
(1) かいたり、つくったり、飾ったりすることに関心をもつ。
(2) 土、木、紙などの身近な材料をもとに造形遊びをする。
2段階
(l) 見たことや感じたことを絵にかいたり、つくったり、それを飾ったりする。
(2) 粘土、クレヨン、はさみ、のりなどの身近な材料や用具を親しみながら使う。
3段階
(1) 見たこと、感じたことや想像したことを、工夫して絵にかいたり、つくったり、それを飾っ
たり、使ったりする。
(2) いろいろな材料や用具を工夫しながら、目的に合わせて使う。
(3) 友達と作品を見せ合ったり、造形品などの形や色、表し方の面白さなどに気付いたりする。
○小学部
54
[体育]
[保健体育]
1 目標
適切な運動の経験や健康・安全についての理解を通して、心身の調和的発達を図り、明るく豊か
な生活を営む態度と習慣を育てる。
2 内容
1段階
(1) 体つくり運動、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動をする。
(2) きまりやいろいろなスポーツのルールなどを守り、友達と協力して安全に運動をする。
(3) 心身の発育・発達に関心をもち、生活に必要な健康・安全に関する事柄を理解する。
2段階
(1) 体つくり運動、いろいろなスポーツ、ダンスなどの運動を通して、体力や技能を高める。
(2) きまりやいろいろなスポーツのルールなどを守り、友達と協力し、進んで安全に運動をする。
(3) 心身の発育・発達に応じた適切な行動や生活に必要な健康・安全に関する事柄の理解を深め
る。
○高等部
1 目標
適切な運動の経験や健康・安全についての理解を通して、健康の保持増進と体力の向上を図ると
ともに、明るく豊かな生活を営む態度を育てる。
2 内容
(1) 体つくり運動、簡単なスポーツ、ダンスなどの運動をする。
(2) きまりや簡単なスポーツのルールなどを守り、友達と協力して安全に運動をする。
(3) 自分の発育・発達に関心をもったり、健康・安全に関する初歩的な事柄を理解したりする。
○中学部
1 目標
適切な運動の経験を通して、健康の保持増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度
を育てる。
2 内容
○1段階
(1) 教師と一緒に、楽しく手足を動かしたり、歩く、走るなどの基本的な運動をしたりする。
(2) いろいろな器械・器具・用具を使った遊び、表現遊び、水遊びなどを楽しく行う。
(3) 簡単な合図や指示に従って、楽しく運動をする。
○2段階
(1) 歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動に慣れる。
(2) いろいろな器械・器具・用具を使った運動、表現運動、水の中での運動などに親しむ。
(3) 簡単なきまりを守り、友達とともに安全に運動をする。
○3段階
(1) 歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動を姿勢や動きを変えるなどしていろいろな方法で行う。
(2) いろいろな器械・器具・用具を使った運動、表現運動、水の中での運動などをする。
(3) いろいろなきまりを守り、友達と協力して安全に運動をする。
○小学部
1 目標
社会の様子、働きや移り変わりについての関心と理解を一層深め、社会生活に必要な能力と態度
を育てる。
2 内容
1段階
(1) 相手や自分の立場を理解し、互いに協力して役割や責任を果たす。
(2) 社会や国にはいろいろなきまりがあることを知り、それらを適切に守る。
(3) 生活に関係の深い公共施設や公共物などの働きを理解し、それらを適切に利用する。
(4) 政治、経済、文化などの社会的事象や情報メディアなどに興味や関心をもち、生産、消費な
どの経済活動に関する基本的な事柄を理解する。
(5) 我が国のいろいろな地域の自然や生活の様子を理解し、社会の変化や伝統に関心をもつ。
(6) 外国の自然や人々の生活の様子、世界の出来事に関心をもつ。
2段階
(1) 個人と社会の関係が分かり、社会の一員としての自覚をもつ。
(2) 社会の慣習、生活に関係の深い法や制度を知り、必要に応じて生活に生かす。
(3) 公共施設や公共物などの働きについての理解を深め、それらを適切に利用する。
(4) 政治、経済、文化などの社会的事象や情報メディアなどに興味や関心を深め、生産、消費な
どの経済活動に関する事柄を理解する。
(5) 地図や各種の資料などを活用し、我が国のいろいろな地域の自然や生活の様子、社会の変化
や伝統を知る。
(6) 各種の資料を活用し、外国の自然や人々の生活の様子、世界の出来事について知る。
○高等部
[職業・家庭]
1 目標
明るく豊かな職業生活や家庭生活が大切なことに気付くようにするとともに、職業生活及び家庭
生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を図り、実践的な態度を育てる。
2 内容
(1) 働くことに関心をもち、作業や実習に参加し、働く喜びを味わう。
(2) 職業に就くためには、基礎的な知識と技能が必要であることを理解する。
(3) 道具や機械、材料の扱い方などが分かり、安全や衛生に気を付けながら作業や実習をする。
(4) 自分の役割を理解し、他の者と協力して作業や実習をする。
(5) 産業現場等における実習を通して、いろいろな職業や職業生活、進路に関心をもつ。
(6) 家族がそれぞれの役割を分担していることを理解し、楽しい家庭づくりをするために協力する。
(7) 家庭生活に必要な衣服とその着方、食事や調理、住まいや暮らし方などに関する基礎的な
知識と技能を身に付ける。
(8) 職業生活や家庭生活で使われるコンピュータ等の情報機器の初歩的な扱いに慣れる。
(9) 家庭生活における余暇の過ごし方が分かる。
○中学部
1 目標
自然の仕組みや働きなどについての理解を深め、科学的な見方や考え方を養うとともに、自然を
大切にする態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 人の体の主なつくりや働きを理解する。
(2) 生物の特徴、その成長や活動の様子について理解し、生命の大切なことを知る。
(3) 生活に関係のある物質の性質や機械・器具の構造及び働きについて理解し、適切に取り扱う。
(4) 自然の事物・現象についての初歩的な理解を図るとともに、自然と生活との関係を理解する。
2段階
(1) 人の体の主なつくりや働きについての理解を深めるとともに、人の成長や環境とのかかわり
について関心をもつ。
(2) 生物とそれを取り巻く自然環境についての理解を深め、生命の大切なことを知る。
(3) 様々な物質の性質や機械・器具の種類、構造及び働きについて理解し、適切に取り扱う。
(4) 自然の事物・現象についての理解を図るとともに、自然と生活との関係について理解を深め
る。
○高等部
1 目標
日常生活に関係の深い自然の仕組みや働きなどに関する初歩的な事柄についての理解を図り、科
学的な見方や考え方を養うとともに、自然を大切にする態度を育てる。
2 内容
(1) 人の体の主なつくりや働きに関心をもつ。
(2) 身近な生物の特徴、その成長及び活動の様子に関心をもつ。
(3) 日常生活に関係の深い事物や機械・器具の仕組みと扱いについての初歩的な知識をもつ。
(4) 自然の事物・現象についての興味を広げ、日常生活との関係を知る。
1 目標
社会の様子、働きや移り変わりについての関心と理解を深め、社会生活に必要な基礎的な能力と
態度を育てる。
2 内容
(1) 集団生活の中での役割を理解し、自分の意見を述べたり、相手の立場を考えたりして、互いに
協力し合う。
(2) 社会生活に必要ないろいろなきまりがあることを知り、それらを守る。
(3) 日常生活に関係の深い公共施設や公共物などの働きが分かり、それらを利用する。
(4) 日常生活で経験する社会の出来事や情報メディアなどに興味や関心をもち、生産、消費などの
経済活動に関する初歩的な事柄を理解する。
(5) 自分が住む地域を中心に、我が国のいろいろな地域の様子や社会の移り変わりに関心をもつ。
(6) 外国の様子や世界の出来事などに興味や関心をもつ。
[理科]
○中学部
[社会]
○中学部
55
[職業]
[家庭]
1 目標
明るく豊かな家庭生活を営む上に必要な能力を高め、実践的な態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 家族がそれぞれの役割を果たしていることを理解し、楽しい家庭づくりのための自分の役割
を果たす。
(2) 家庭生活における計画的な消費や余暇の有効な過ごし方が分かる。
(3) 家庭生活で使用する道具や器具などの正しい使い方が分かり、安全や衛生に気を付けながら
実習をする。
(4) 被服、食物、住居などに関する実習を通して、実際的な知識と技能を習得する。
(5) 保育や家庭看護などに関心をもつ。
2段階
(1) 家庭の機能や家族の役割を理解し、楽しい家庭づくりのために積極的に役割を果たす。
(2) 家庭生活における計画的な消費や余暇の有効な過ごし方について理解を深める。
(3) 家庭生活で使用する道具や器具を効率的に使用し、安全や衛生に気を付けながら実習をする。
(4) 被服、食物、住居などに関する実習を通して、健康で安全な生活に必要な実際的な知識と技
能を習得する。
(5) 保育や家庭看護などに関する基礎的な知識と技能を習得する。
○高等部
1 目標
勤労の意義について理解するとともに、職業生活に必要な能力を高め、実践的な態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 働くことの意義を理解し、作業や実習に取り組み、働く喜びを味わう。
(2) 道具や機械の操作に慣れるとともに、材料や製品の扱い方を身に付け、安全や衛生に気を付
けながら作業や実習をする。
(3) 自分の分担に責任をもち、他の者と協力して作業や実習をする。
(4) 適切な進路選択のために、いろいろな職業や職業生活について知る。
(5) 産業現場等における実習を通して、実際的な職業生活を経験する。
(6) 職業生活に必要な健康管理や余暇の有効な過ごし方が分かる。
(7) 職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの簡単な操作をする。
2段階
(1) 働くことの意義について理解を深め、積極的に作業や実習に取り組み、職場に必要な態度を
身に付ける。
(2) いろいろな道具や機械の仕組み、操作などを理解し、材料や製品の管理を適切に行い、安全
や衛生に気を付けながら正確に効率よく作業や実習をする。
(3) 作業の工程全体を理解し、自分の分担に責任をもち、他の者と協力して作業や実習をする。
(4) 職業生活に必要な実際的な知識を深める。
(5) 産業現場等における実習を通して、職業生活に必要な事柄を理解する。
(6) 職業生活に必要な健康管理や余暇の計画的な過ごし方についての理解を深める。
(7) 職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの操作をする。
○高等部
56
[外国語]
[情報]
1 目標
コンピュータ等の情報機器の操作の習得を図り、生活に必要な情報を適切に活用する基礎的な能
力や態度を育てる。
2 内容
1段階
(1) 日常生活の中で情報やコンピュータ等の情報機器が果たしている役割に関心をもつ。
(2) コンピュータ等の情報機器に関心をもち、簡単な操作をする。
(3) 各種のソフトウェアに関心をもち、実習をする。
(4) コンピュータ等の情報機器を利用した情報の収集、処理及び発信に関心をもつ。
(5) 情報の取扱いに関するきまりやマナーがあることを知る。
2段階
(1) 生活の中で情報やコンピュータ等の情報機器が果たしている役割を知り、それらの活用に関
心をもつ。
(2) コンピュータ等の情報機器の扱い方が分かり、操作する。
(3) 各種のソフトウェアの操作に慣れ、実習をする。
(4) コンピュータ等の情報機器を利用した情報の収集、処理及び発信の方法が分かり、実際に活
用する。
(5) 情報の取扱いに関するきまりやマナーを理解し、それらを守って実習する。
○高等部
1 目標
外国語でコミュニケーションを図る基礎的な能力や態度を育てるとともに、外国語や外国への関
心を深める。
2 内容
英語
1段階
(1) 簡単な英語を使って表現したり、やりとりしたりする。
(2) 簡単な語、句、文に興味や関心をもつ。
(3) 日常生活の中で見聞きする語や句の意味を知る。
2段階
(1) 初歩的な英語を使って簡単な会話をする。
(2) 簡単な語、句、文を書いたり読んだりする。
(3) 簡単な語、句、文の意味を知る。
その他の外国語
その他の外国語の内容については、英語に準ずるものとする。
○高等部
1 目標
外国語に親しみ、簡単な表現を通して、外国語や外国への関心を育てる。
2 内容
英語
(1) 身近な生活の中で見聞きする英語に興味や関心をもつ。
(2) 簡単な英語を使って表現する。
その他の外国語
その他の外国語の内容については、英語に準ずるものとする。
○中学部
57
58
��� 知的障害者である児童・生徒に対する教育を行う特別支援学校の
各教科の内容例
(平成 27 年度改訂版)
国語
算数・数学
社会
理科
(平成 22 年度版)
生活
図画工作・美術
音楽
体育・保健体育
職業・家庭(職業)
職業・家庭(家庭)
外国語
情報
※ 国語、算数・数学、社会、理科以外の教科は、平成 22 年度「東京都立特別支援学校 高等
部
教育課程編成基準・資料」の資料として掲載した「内容の例」を、表の形式を変更して
再掲載した。
59
59
60
話
す
聞
く
2段階
3段階
5段階
6段階
高等部の国語(1~2段階)の内容
4 指示や説明の要点を聞き取り行動す 5 指示や説明を聞き取り、適切に行動す
る。
る。
6 要求などの意思を相手に伝えようとす
る。
6 経験したことや感想などを簡単な言葉
で発表する。
6 「いつ、どこで、だれが、だれに、何を、 6 場に応じて、正確に必要な内容を伝え
どうしたか」を分かりやすく話す。
たり話したりする。
8 話しかけられた言葉に対し表情、身振
り、簡単な言葉などで返事をする。
14 電話で簡単な受け答えをする。
14 基本的な電話での応答をする。
13 必要に応じて相手に合わせたていね
いな言葉を使う。
13 身近な人などに簡単な内容を伝言す 12 要点を落とさずに伝言などを伝える。
る。
10 相手に応じた電話対応をする。
9 相手に応じて敬語を使って話す。
8 必要な内容を正確に伝言する。
11 日常の挨拶をする。
9 「おはよう」などの簡単な挨拶をする。
12 正しい発音を意識するなど相手に伝わ 11 発音や話す速さ、声の大きさを意識し
ることを意識して話す。
て話す。
10 「○○です、よろしくお願いします」の 10 自分や家族の名前、住所、学校名や 7 場に応じた自己紹介をする。 ような自己紹介をする。☆
学年などの簡単な自己紹介をする。
8 自分の名前を言う。
9 簡単ななぞなぞや言葉遊びなどでやり 9 簡単ななぞなぞや生活に身近なことわ
とりを楽しむ。
ざ、標語、簡単な俳句などに触れ、言葉に
親しむ。
8 簡単なことについての問いかけに答え 8 尋ねられたことにはっきりと応答する。
る。
7 話し手を見て表情、身振り、音声などで 7 友だちと一緒に簡単なせりふのある劇 7 相手の話を聞き、分からないことを聞き 7 自分の意見や要望を分かるように話
表現する。
などを行う。
返すなどして会話をする。
す。
6 話しかけられた言葉を音声で模倣す
る。
11 電話やコンピュータ等。活用に際して
の言葉の使い方を身に付ける。
10 場や相手に応じて敬語を適切に使い
分けて話す。
9 出身地、趣味、希望など限られた時間
の中で必要な内容を自己紹介する。
8 筋道を立てて正確に必要な内容を話
す。
7 人の意見を聞きながら自分の考えを整
理して明確に話す。
5 教師や児童の身近な大人、友達などの 5 「○○をした」などのように見たり聞いた 5 自分の気持ちや意思、希望などの大体 5 見聞きしたことや体験したこと、自分の 5 物語、劇、放送などを見たり聞いたりし 6 誰に話すかを意識し、自分の立場を
はっきりさせ、適切に話したり伝えたりす
気持ちや意思などを感情や状態、動作を て楽しみ、その感想を話したりする。
話しかけに応答する。
り体験したりしたことを簡単な表現で伝え の内容を話す。
る。
表す言葉を使い、順序をたどって話す。
る。
4 教師の簡単な指示を受けてよく見たり、 4 教師や友達などの話しかけや簡単な指 4 簡単な指示や説明を聞き取り、その通 4 指示や説明を聞き取って行動する。
よく聞いたりする。
示、説明を聞き、内容に合わせた行動をす りに行動する。
る。
3 話を聞いて分からないときに聞き返す。 3 簡単なメモを取りながら聞き、分からな 3 メモをとって中心的な内容を正しく理解 4 必要な情報をメモにとり、生活の中で活
いときに聞き返す。
する。
用する。
2 物語、劇、放送などを聞きあらすじを理 3 テレビ、ラジオ放送等から必要な情報を
解したり、中心的な内容を正しく聞き取った 得て生活に生かす。
りする。
2 物語や劇などを見たりして、場面の情
景や登場人物の気持ちを理解する。
1 教師など周りの大人の説明や、家族、 1 周囲の人からの説明を聞いて理解す 1 相手の立場や意図、気持ちを考慮しな
がら話を聞く。
友達などの話を聞き、内容を大まかに理解 る。
する。
4段階
中学部国語の内容
2 テレビやラジオなどの媒体をとおした音 2 教師や友達、身近な人などの話、テレ 2 簡単な放送や録音等を聞き内容の概
声の口調や速度に慣れ、その内容を楽し ビやラジオの中の言葉などを聞き、大体の 略を聞き取る。
内容を理解する。
む。
3 写真や絵画などの中のものの名前など 3 相手の話を最後まで聞く。
を聞く。
2 絵本やかみしばい、漫画などを読んで
もらい楽しむ。
1 教師から名前を呼ばれたり言葉をかけ 1 生活の中で関わる様々な人の話し言葉 1 話を終わりまで注意して聞く。
られたりしたときに振り向いたり、耳を傾け に慣れる。
たりする。
1段階
小学部の国語(1~3段階)の内容
国語の内容例
61
書
く
読
む
1段階
2段階
3段階
4段階
5段階
6段階
16 生活に必要な納品書、請求書、領収
書、通知書、広報や回覧板などを読み、必
要な情報を得る。
17 ファクシミリ、携帯電話や電子メール等
を適切に活用する。
19 促音や長音等の含まれた語句や短い 20 生活に必要な身近なものの使用法や
文を読む。
簡単な料理法の説明書、領収書などを読
む。
21 興 味 の あ る 新 聞 記 事 や 雑 誌 、 コ ン
ピュータ画面の電子メール等の文字を読ん
で楽しむ。
12 自分の名前の文字に気付き読む。
26 句点、読点の使い方、長音、よう音、は 18 自分の考えや気持ちを明確に書き表し 21 目的や意図に応じて簡単に書いたり詳
つ音の表記を理解して書く。
たり、句読点やかぎかっこなどを正しく書き しく書いたりする。
表したりする。
16 自分の名前などを平仮名で書く。
26 自分の氏名を漢字等で書く。
25 履歴書、病院での診察申込書及び問
診票、社会生活に必要な諸届や申込書、
申請書などを目的や書式に応じて正しく書
く。
24 事象と感想、意見などとを区別して書
く。
23 目的や意図に応じて自分の考えを効
果的に書く。
32 毛筆に親しむ。
23 太筆と小筆を使い分けて書く。
27 目的や書式に応じて筆記用具を使い
分けて書く。
31 ファクシミリやコンピュータを操作する。 22 ローマ字を書くことに慣れ、コンピュー 26 ファクシミリ、コンピュータ、携帯電話な
タへのローマ字入力のし方が分かる。
どの機器や電子メールを適切に活用する。
30 自分のことについて、氏名や住所、趣 21 住民票や在学証明書の発行申込、定
味などを正しく書く。
期券の購入申込、その他の生活に必要な
文書や諸届など、様式や目的に応じて正し
く書くことに慣れる。
29 体験したことの報告、連絡ノート、観察 20 学級新聞、行事の招待状や案内状、
日記、社会見学の記録、行事の案内状や 諸掲示、予定表などを読み手を意識して分
招待状、壁新聞、卒業新聞などを、必要な かりやすく書く。
事柄や時間的な流れ、文章全体のバラン
スなどを押さえて書く。
25 絵日記や手紙、体験したことの短い作 28 年賀状や暑中見舞い、旅行先からの 19 年賀状や暑中見舞い、旅行先からの 22 経験した事柄を順序立てて、自分の意
文などを書く。
絵葉書、近況報告、簡単な礼状などを順序 絵葉書、近況報告、挨拶文、依頼状、礼状 見や感想を交えながら分かりやすく書く。
などを相手や目的に応じた書式や言葉遣
だてて書く。
いで書く。
17 簡単な語句や身近な物の名前などの 24 「が」や「を」などの助詞を正しく使って 27 助詞の使い方を理解し、主語と述語の
平仮名を見て書き写す。
短い文を書く。
関係に注意して文を書く。
23 長音やよう長音などの書き方が分か
る。
15 見本を見ながら簡単な図形や文字を
模倣して書く。
19 目的に応じて国語辞典や、百科事典、
図鑑などを活用する。
13 筆記用具の基本的な持ち方や正しい
姿勢に慣れる。
16 国語辞典で必要なことなどを調べる。
13 具体物や絵カード等と単語や文字カー 21 濁音や半濁音を含んだ平仮名の語句 25 漢字や片仮名の使い方に気を付けて 17 日常生活で多く見られる漢字を使って 20 相手に応じて漢字や平仮名の使い方
ド等のマッチングをする。
などを書く。
書く。
書く。
を工夫したり、尊敬語や謙譲語を正しく使
い分けて文章を書く。
14 なぞり書きをする。
22 片仮名や身近に用いる簡単な漢字を
書く。
24 簡単な国語辞典を使って辞書の使い
方に慣れる。
20 平仮名や片仮名、身近にある簡単な 22 平仮名、片仮名、漢字、ローマ字を読 15 日常生活に応じた漢字、ローマ字、外 18 外来語や片仮名での表示、アルファ
漢字を読む。
む。
来語を読む。
ベットで表す略語を読み、内容を理解す
る。
23 日常生活でよく使う外来語の意味が分
かる。
15 生 活 で 使 わ れ る 用 品 や 器 具 、 コ ン
ピュータ等の情報機器、医薬品などの説明
書を読みとり、生活の中で適切に利用す
る。
11 日常生活で目に触れるシンボルマーク 18 「入り口」「出口」「非常口」「立ち入り禁 19 校内の各教室の名前、交通機関や乗 14 標識や看板、広告、立札、掲示、テレ
や簡単な表示などに気付く。
止」などの簡単な表示や標識の意味が分 り場の表示、安全や危険、指示を知らせる ビやコンピュータ画面の文字などを正しく
標識や案内板、店の看板やポスター、広告 読み取り、得た情報を生活に生かす。
かる。
などの意味が分かり行動する。
18 短い劇の脚本を読んだり演じたりして、
事柄の流れや登場人物の心情などを理解
する。
17 詩や簡単な説明文を読み、内容につい 13 叙述を基に場面の移り変わりや情景を 14 登場人物の心情や場面についての描
て理解する。
想像しながら読む。
写など、優れた叙述を味わいながら読む。
17 やさしい物語文の登場人物や話の前 16 やさしい物語文を読み、時間的な順序 12 小説、詩、新聞、雑誌などで中心となる 13 目的や意図などに応じて、文章の内容
後関係を捉える。
や事柄の順序などを考え、およその内容を 語や文を捉え、段落相互の関係を考えて を的確に押さえながら要旨を捉える。
読む。
つかむ。
12 図書館等を利用し、興味・関心のある
分野の小説、詩、俳句、短歌、ことわざ、
エッセイ、様々な趣味に関する雑誌などの
読書に親しむ。
11 クレヨン、チョーク、筆、はけ、鉛筆、
ボールペン、水性・油性ペンなどのいろい
ろな筆記具に触れる。
12 いろいろな筆記用具でかくことを楽し
む。
10 好きな絵本を自分で選び、ページを開
いたり読んでもらったりする。
9 絵本やかみしばい、テレビなどを教師と 10 絵本やテレビなどを見て、平仮名や片 16 絵本ややさしい物語などの読み物を読 15 年齢にふさわしいいろいろな文章を読 11 図書館を利用するなどし、歴史小説、
む。
伝記、観察記録文、紀行文、旅行などの諸
一緒に見たり読んでもらったりしながら楽し 仮名で書かれた身近な名詞や動詞などを む。
案内、趣味の工作や料理のつくり方、広告
読む。
む。
文、俳句など、興味・関心のある文章を読
む。
62
2
3
4
中学部数学の内容
算数・数学の内容例
5
6
高等部の数学(1~2段階)の内容
数
と
計
算 計
算
【一対一対応】
①ものを一対一対応させ、多い方や少な
い方を示す。
※小学部1段階は「数量の基礎」
【集合数の理解】
5までの数のものを分けたり、合わせて5
つになる組み合わせをつくったりする。
②一人に1つずつものを配り「同じ」、「足り
【半具体物の対応】
ない」、「余っている」などに気付く。
分割した絵カードや関連の深い絵カードな
どを組み合わせる。
【対応】
一人に1つずつものを配る。
【3位数の大小比較】
やや広い範囲の数の大小を比較する。
加法と減法が混在する計算の意味を理解
し、正しく計算する。
【2・5・3の段の九九】
「2の段」「5の段」「3の段」の九九を理解
する。
【乗法の活用】
「2の段」「3の段」「5の段」以外の九九を
理解する。
【計算機器の使用】
計算機器を使って簡単な計算をする。
【比】
2つの数の関係を比で表す。
【割合と百分率】
割合と%、小数と分数の関係を理解し、必
要な値を計算で求める。
【平均】
平均の概念を理解し、計算により値を求め
る。
【計算機器を使った計算】
【計算機器の活用、割引や消費税】
必要に応じて計算機器を使って計算する。 割引や消費税を含んだ買い物の計算など
で計算機器を活用する。
【除法の活用】
【除法の意味】
【除法の初歩】
具体物を等分にしたり同じ数ずつに分けた 「等分除」や「包含除」の意味を理解して除 具体物を活用して除算の意味を理解し、生
活の中で除法を使う。
算をする。
りする。
【乗法の初歩】
数を2ずつ、5ずつでまとめて数える。
【的確な計算式】
設問の意味を理解し、加法・減法・乗法・除
法を的確に用いて計算式を立てる。
【数の性質】
「整数」「偶数」「奇数」などの数の性質、
「数列」などの数の並びの規則性を理解す
る。
【概数】
「約」「以上」「以下」「未満」「切り上げ」「切
り捨て」「四捨五入」などの表し方を理解す
る。
【分数・小数】
分数・小数の意味を理解し、割合や%など
を生活の中で使う。
【3位数以上の加法・減法】
【10万程度の加法・減法】
繰り上がりや繰り下がりのある、3位数より 将来の生活設計などと結び付けながら
大きい数の加法・減法をする。
100,000程度やそれ以上の数の加法・減法
をする。
【3位数以上の大小比較】
1,000が10個で10,000、10で割るなどの具
体的な操作を通じて、10倍、100倍、10分
の1など、数量の大小関係を感覚的に理
解する。
【計算式の使用】
【計算技能の定着】
【計算方法の基礎】
+、-、=などの記号で式を立てたり筆算 加法・減法の意味を理解し、筆算等により 元の数と加える数や減ずる数との関係を
正しく捉え、計算式を立てる。
正しく計算する。
を行ったりする。
【10の合成・分解】
【2位数以下の加法・減法】
10を分けたり、合わせて10になるような組 2位数以下の加法や減法をする。
み合わせをつくったりする。
繰り上がりや繰り下がりについて理解す
る。
【簡単な加法・減法】
具体物を使っておおむね10までの加法
や減法をする。
【2位数の大小比較】
2位数程度の範囲で大小の比較をする。
【数詞の獲得】
【個別化】
目の前で隠されたものを探したり、身近に 10までの数のものを、一つずつ触れたり、
動かしたり、重ねたりしながら数える。
あるものや人の名を聞いて指さしたりす
る。
【1万程度の数】
【3位数までの数】
【2位数程度の数】
【100万程度の数】
【数詞の活用】
【類別】
10までの数を唱えたり数字を読み書きした 2位数程度の範囲の数を表したり、数字を やや広い範囲の数を表したり、数字を読ん 生活の中で必要な数を数えたり、数字を読 生活の中で、大きな数を束ねて数えたり、
①形や色が同じものを選ぶ。
んだり、書いたりする。
だりする。
読んだりする。
大きな数字を正確に読んだり書いたりす
りする。
る。
【数え方の工夫】
【順序数】
【数え方】
【2位数の計数】
②仲間集め等、似ている2つのものを結び 10までの数で、順序が「何番目」かを知
10ずつまとめて数えることなどにより、位 10ずつのまとまりを集めて100とするなど ○羽、○杯などものを数える際の正しい呼
つける。
して、1000までの数を正しく数える。
る。
称や、○組、○ダースなど品物をまとめた
取りの基礎を理解し、正しく数える。
数え方で数える。
【位取り】
【分類・整理】
単位や位を揃えて数を表す。
関連の深い一対のものを組み合わせたり
数 同じものを集めたりする。
【数の意味】
数の順序及び0の意味を理解する。
1
小学部の算数(1~3段階)の内容
63
実
務
金
銭
暦
時
計
図
形
・
数
量
関
係
量
と
測
定
【様々な図形】
様々な図形の特徴を理解し、生活の中で
目的に応じて活用する。(二等辺三角形、
台形、平行四辺形、ひし形など)
【図形の構成】
直線、辺、頂点、直角、中心、半径などの
図形の構成要素から、正方形、長方形、正
三角形、直角三角形、円の特徴や性質を
捉える。
【基本的な立体】
立方体や直方体などの特徴を捉える。
【図形の理解】
正方形、長方形、三角形、円などの図形の
違いや特徴などを、直線や辺、角の数から
理解する。
【初歩的な数量関係】
簡単な記号を使用した表を活用して、多
少、同等などの数量関係を理解する。
※生活科「金銭」の内容(金銭の扱い、買い物、自動販売機等の利用等)
【暦の読み】
カレンダーの仕組みや作り方が分かり、行
事や誕生日の日付を探したり、曜日を調べ
たりする。
*日付・曜日の名称、順序
*1週間=7日間
*1年間=12か月
*1か月=30日(31日)
【およその時刻】
【一日の時の移り変わり】
朝、昼、晩の違いや今日、昨日、明日、及 時計でおおよその時刻が読める。
び登校する日と休日を区別する。
【簡単な図表】
チェックカードや勝敗表などで使う印の意
味が分かり、記入したり使用したりする。
【簡単な両替や買い物】
買い物や簡単な両替をする。
*貨幣の種類
*小遣い帳
*預貯金
*各種カードの利用
【暦の使い方】
カレンダーの仕組みやその使い方、年の
流れ、年号などを日課表や行事予定など
と関連付けて理解する。
*去年、今年、来年
*西暦
*遠足は○日の○曜日
*あと○日で休日 等
【時刻の読み取り】
時計の仕組みや時、分、秒などの関係を
理解し、時刻を正しく読み取る。
【図表の作成】
ゲームの結果等を表に表したり、絵グラフ
を作成したりする。
*棒グラフ、折れ線グラフの作成・理解
【暦の活用】
曜日、12か月、季節、1年のサイクル、西暦
と元号の違いや換算など生活の中で暦を
活用する。
【金銭の処理】
卒業後の生活に生かすことのできるような
金銭の処理を理解し、適切に管理する。
*レシート、通帳の活用
*現金書留、振込、振替等による送金
*キャッシュカード
【金銭の取扱い】
金銭の必要性を理解し、生活の中で正しく
取扱う。
*釣り銭のある買い物
*金額を想定した買い物
*預金、送金
*郵便料金表、請求書、領収書
【時計の活用】
「あと○分」「○時に着くために○時○分に
出発する」など、行動の見通しをもつ手段
として時計を利用する
*24時間制での時刻の表現
*列車時刻表
*時速
【時間の計算】
時間の単位関係を理解し、様々な表記の
時刻を読んだり簡単な時間計算をしたりす
る。
*1日=24時間、1時間=60分、1分=60
秒
*時刻の24時間表記
【予定や計画】
時計や暦、時刻表などを見て予定を考え
たり計画を立てたりする。
【図表やグラフの活用】
目的に応じた様々なグラフを読んだりかい
たりし、生活の中で活用する。
*円グラフ、帯グラフ
【図表やグラフの読み書き】
いくつかのデータを、目的に合わせた分か
りやすい表やグラフで表す。
*折れ線グラフ、棒グラフの活用
【比例・反比例】
生活の中で比例の関係・反比例の関係に
なっているものに気付く。
【様々な立体】
様々な立体の特徴を理解し、分類したり
性質をまとめたりして、生活の中で活用す
る。
【図形の活用】
【図形の作図】
定規やコンパスなどを使って、いろいろな 生活に関する資料等から相似や対称な図
形を見付けたり、縮図や拡大図を読みとっ
図形を描く。
たりする。
【位置関係】
【座標の理解】
【上下、前後、左右の位置】
【左右の位置】
【位置の基本】
上下、内外、前後などの位置関係を、日常 基準となるものを中心として、左右の位置 「上下」「前後」「左右」の3種類を、基準点を 地図やグラフなど平面上の点の位置や建 2点間の距離や移動にかかる時間、方位・
方角を含めた位置関係を理解する。
物内の部屋の位置などを理解する。
押さえて理解する。
関係を理解する。
の生活の中で体験する。
【三角形、四角形、円】
【基本的な図形】
【形の違い】
形の違いに気付き、いくつかのものの中か 円、三角、四角などが分かり、名称を言っ 正方形、長方形、三角形、円の形やそれ
ぞれの違いを理解し、それらを描く。
ら興味のある形の物を取り出したり、同じ たり指をさしたりする。
形のものを選び取ったりする。
6
【単位の活用】
生活の中で用いている長さ、重さ、量など
の単位を理解し、適切な測定用具を選び
正しく測定する。
*面積(㎠、㎡)、体積など
5
【単位の関係】
単位相互の関係が分かり、生活の中で測
定用具を利用し、いろいろなものを測定す
る。
*長さの単位(mm、cm、m、km)
*重さの単位(g、kg)
*かさの単位(cc、ml、l)など
【簡単な単位】
長さ、重さなどを表す単位が分かり、「もの
さし」「はかり」「計量カップ」などを使用した
測定方法やそれぞれの単位関係を体験的
に理解する。
*長さの単位(cm、m)
*重さ(100g、1kg)、温度、かさ(リットル)
などの量感
【間接的な比較】
3つ以上のものを任意の単位(ロープ、
テープ、棒など)によって間接的に比較す
る。
*重い軽い、広い狭い、太い細い、厚い薄
い、遠い近い、深い浅いなど
【具体物の直接比較】
遊びや生活の中にある具体物の大きさや
重さ、長さなどを感覚的に比較する。
*大きい小さい、多い少ない、長い短い、
高い低い、広い狭い
【身近にあるものの多少や大小】
体験をとおしてものの大きさや重さ、量の
違いに気付く。
*大きい小さい、重い軽い、多い少ないな
ど
高等部の数学(1~2段階)の内容
4
中学部数学の内容
3
2
小学部の算数(1~3段階)の内容
1
64
4 学級、学校、町内、地域社会など生
徒の身近な生活の中での必要なきまり
を知り、守る。
5 日本国憲法やその他の法律の基本
精神を知り、種々の法制度に触れ、社
会のきまりを知る。
11 公共交通機関の基本的な利用方法 11 時刻表や交通路線図をもとに複数
を分かり、日常的に利用する。
の交通機関を乗り継いで目的地に行く
方法等を理解する。
12 電気、ガス、水道などのしくみを理 12 電気、ガス、水道などの事業や廃棄
解し、その必要性を日常生活と結び付 物の処理について考え、環境との関係
を知る。
けて考える。
13 新聞社や放送局などの働きを知り、 13 新聞社や放送局などの働きを知り、
生活との関係を知る。
実生活との関わりを理解する。
10 学校や公共施設の共有備品の役 10 インターネット等を活用して公共施
割を理解し、それらを適切に利用する。 設の機能、場所、交通経路を調べる。
9 市(区)役所、学校、郵便局、警察
署、消防署、病院や、銀行、公共職業
安定所の働きを理解する。
7 公園や公民館、児童館、図書館など 8 公園、広場、公民館、図書館の場所 9 市(区)役所、学校、郵便局、警察
の地域の公共施設の場所や役割を調 や周辺の環境、利用の仕方や利用する 署、消防署、病院や、銀行、公共職業
安定所の働きを理解し、必要な手続き
べ、絵地図を作ったり、施設の見学をし 人について知る。
の仕方を理解する。
たり公共物を利用したりする。
8 自動車運転免許や、職業によって必
要な資格について知る。
7 療育手帳の利用など、生活とかかわ 7 年金や税金、福祉制度など、生活に
りのある身近な制度を知る。
結び付いた法や制度を理解する。
6 国や地方公共団体の選挙のしくみを
理解する。
4 地域のきまりや祭りなどの行事、地
域で行う活動へ参加するなどして社会
の慣習に親しむ。
5 日本国憲法では、国民として権利、
義務などの重要な事柄が定められてい
ることを理解する。
3 身近な問題について、グループの仲 3 身近な問題に関するグループ討議
間に自分の意見を具体的に述べたり、 等で、全体の流れを意識しながら自分
相手の意見に賛同したり、質問したりす の意見をまとめる。
る。
6 学校の役員選挙のルールや方法を 6 投票や立候補、候補者による選挙
知る。
活動など選挙のしくみを知る。
4 学校のきまりを理解し、時間割や月
や週の予定に沿って行動することの大
切さを知る。
5 道路の歩き方やごみの分別など、地
域社会での基本的なきまりを知り、生活
の中で守ることの大切さを知る。
3 身近な問題を仲間と話し合う場面
で、自分の意見を述べたり、相手の意
見を聞いたりする。
8 区役所、市役所(町、村役場)、警察
署(派出所)、消防署、病院などの公共
施設の働きや自分たちの生活との関係
を知る。
公 9 大規模小売店やコンビニエンススト
共 アの特徴や仕組みが分かり利用する。
施
設
10 電車やバスなどの利用方法を知
る。
集
団
生
活
と
き
ま
り
高等部社会(1~2段階)の内容
4段階
5段階
6段階
1 学級や学年などの集団生活で自分 1 集団の中で協力して役割を果たすこ 1 学級や学校での委員や係の役割を
の役割を果たすことの大切さを知る。 との大切さを知る。
果たしながら、初歩的な社会組織の仕
組みを意識する。
2 困ったときや分からないときは、人に 2 相手と自分の立場を考えながら行動 2 学校や地域社会での立場を知り、自
分のとるべき行動を考える。
教えてもらったり、困っている友達がい することの大切さが分かる。
るときは手伝うなど、助け合って生活す
ることが分かる。
中学部社会の内容
社会の内容例
公
共
施
設
き
ま
り
集
団
生
活
と
役
割
・
責
任
19 ボランティア活動に参加するなど
し、社会の一員としての自覚や他人との
共感、社会に役立つ喜びなどを味わう。
18 清涼飲料水や乗車券などの自動販 18 身近な飲食店の商品の販売の様子
売機、大規模な小売店やコンビニエン を調べ、商品の流通、消費と自分の生
活とのかかわりを考える。
スストアなどを適切に利用する。
28 新聞、テレビ、ラジオ、インターネッ
トなどから得られる情報を活用し、外国
の様子や世界の出来事について理解
する。
30 地図や地球儀で外国の国名や位置
を確認したり、代表的な国の国旗を調
べたりする。
27 外国と我が国との関係について考 29 外国を身近なものとして捉えなが
え、世界の国々が協力し合うことの大切 ら、外交や貿易、世界の国々と我が国
との関係を理解する。
さを知る。
26 テレビや情報通信ネットワークなど
から得られる、外国の自然、政治、経
済、文化、スポーツ、主な出来事などに
関心をもつ。
26 災害や公害について理解し、災害
の予防や環境の保全の重要性につい
て関心を深める。
20 熱帯、温帯、寒帯地方の代表的な 25 世界の国々の自然や生活の様子を 27 外国の人と交流し共に活動する経
国の衣服、料理、住居の様子、挨拶の 知り、それらの国に住む人々の暮らし 験などを通して、外国の文化を理解し、
言葉などを調べ、外国の人々の生活の の様子や言語、文化の違いなどに気付 多様な文化を尊重できるようになる。
く。
様子を知る。
24 災害や公害について知り、災害の
予防や環境の保全に関心をもつ。
23 地域の伝統的な行事などに触れ、 23 歴史的資料から地域や国の移り変
関心をもち、地域の文化財や行事、伝 わりに関心をもち、社会の変化を理解
する。
統芸能について調べる。
24 国内のいろいろな地域と自分たち
の住む地域を比べ、気候や風土に合っ
た生活について知る。
25 地域の伝統的な行事の見学や行事
への参加、日本の代表的な伝統芸能の
鑑賞等により、地域や日本の伝統に関
心をもつ。
17 簡単な絵地図や交通の路線図など 20 地域の地図や交通の路線図、住ん 21 地図や各種グラフ、図表などの資
を見る。
でいる区や市、町の位置、人々の暮らし 料を積極的に活用し特徴を捉える。
方を理解する。
18 地図を見て、自分の住んでいる区 21 学校や所在する市町村の主な道路
市や町、村や学校など身近な地域の位 や建物などを知る。
置を知る。
19 地域の郷土館などを利用し、昔と今 22 古い建物や史跡などを見学したりし 22 古い地図と最新の地図、人口の変
の衣服や生活の道具の違いを調べる。 て、昔の生活に関心を持つ。
化のグラフなどから、現在と過去とを比
較し、変化の様子に気付く。
16 自分の住む地域や学校のある地域 19 地図から国内各地の主な道路や建 20 地図や地球儀、各種グラフや図表
の地形、主な産業、人々の生活などの 物、主な山脈や河川及び平野等の様子 などの資料、衛星写真等により、日本
各地の地形の特徴をつかむ。
を読みとる。
様子を知る。
15 飲料の販売方法や交通機関の利
用方法をが分かり利用する。
14 農家や漁師の仕事、工場、運送、 17 農業、漁業、工業の生産物とそれら 17 主な産業の製品が分かり、生産、
流通、販売、消費の一連の流れを通し
販売などの一連の活動を見学したり様 が生産される仕組みを知る。
た経済活動の基本的な知識を得る。
子を調べたりする。
13 新聞、テレビ、ラジオ、ホームページ 16 情報メディアなどを通じて日本や世 16 情報通信ネットワークや、各種カー
ドの安全な利用方法について理解す
のコンテンツなどで我が国や世界の出 界の出来事を知る。
る。
来事などのおよその流れを捉える。
21 新聞、テレビ、インターネットの写真
外 や映像などを通して、世界の主な国の
国 様子や出来事などに興味や関心をも
の つ。
様
子
地
域
の
様
子
や
社
会
の
変
化
社
会
の
出
来
事
12 テレビやラジオ、インターネット等に 15 新聞、テレビ、ラジオ、インターネッ 15 新聞、テレビ、ラジオ、インターネッ
より、興味のある情報に触れる。
ト等の情報機器を活用し、必要な情報 ト等の情報機器を適切に利用し、生活
に役立てる。
を得る。
4段階
5段階
6段階
11 居住地付近の出来事や使用してい 14 身近な地域の出来事を中心に、政 14 政治、経済、文化などの社会的事
る交通機関の様子、季節の話題や地域 治、経済、文化などの社会的事象を知 象を、自分の生活とのつながりを意識し
ながら理解する。
り、興味や関心をもつ。
社会で催される行事などの情報に興
味・関心をもつ。
外
国
の
様
子
我
が
国
の
地
理
・
歴
史
社
会
的
事
象
学習
指導
要領
の「内
容」
65
事
物
や
機
械
生
物
人
体
高等部社会(1~2段階)の内容
2 循環器系(肺、心臓、腎臓、血
2 健康な生活への関心をもち、病
管)、消化器系(胃、小腸、大腸、肝 気や怪我などの適切な処置や予防
臓)などの身体内部の器官の名前 の方法を理解する。
や働きを理解する。
9 自然環境の仕組みについて基礎
的な知識をもち、自然環境と動物の
生態や植物の成長との関係につい
て理解する。
15 日常生活で使用する道具や機
械、電気器具などを、取り扱いに留
意して正しく使用する。
14 自転車や扇風機、懐中電灯な 13 機械や器具などの用途を知り、
ど、身の回りにある器具を観察し、 適切に取り扱う。
どのような部品でできているか、およ
その構造を知る。
12 洗剤やせっけんなどの生活用 11 金属、プラスチック、ガラスなど 12 化学薬品や洗浄用品、工場等
品、砂糖や塩、サラダ油や天ぷら油 の耐衝撃性の違いなどを知り、安全 で扱う道具等を、用途や性質によっ
などの性質や用途、使い方を知る。 に取り扱う。
て分類し、特徴や扱う際の注意につ
いて知る
13 日常生活に関係の深い金属、プ 12 発電機やオートバイなどの内燃 13 機械・器具の構造や機能を理解
ラスティック、ガラス製品の性質や用 機関を用いた機械やカメラなどの光 し、安全に留意しながら適切に取り
途、保管や保守方法を知り、適切に 学製品、電子レンジなどの電気器 扱う。
具、情報機器などの基本的な構造
取り扱う。
が分かり、適切に取り扱う。
11 日常生活で扱う電気やガスの性 10 漂白剤や殺虫剤などの薬品類 11 生活の中で扱う物質や機械・器
質や留意点を知る。
やワックス等の油脂類、ガス等の用 具の名称、扱い方を理解し、安全に
途と危険性を知り、安全に取り扱う。 取り扱う。
10 幼生期から飼育した動物を観察 9 動物や植物と人の生活とのかか 10 食物連鎖のしくみについて知り、
し、変化の様子を観察する。
わりを知る。
動物や植物と人間の生活との関連
から生命の大切さに気付く。
9 種子をまき、発芽や開花の様
子、落葉などを観察し、植物の成長
や変化に気付く。
8 学校で飼育している動物など、身 8 植物の成長の様子と成長の結果 8 植物の栽培や成長の様子などの
近にいる動物の習性や特徴を知る。 及び動物の生態などが分かる。
観察をとおして、植物に適した環境
について理解する。
7 主な動物や植物の名称を知り、
分類して特徴をつかむ。
6 健康の維持には、食品から摂取 6 栄養と健康との関連について知
する栄養が必要であることを知る。 る。
7 身近で見られる主な植物の名称 7 様々な植物や動物の種類や名
や特徴を知り、観察する。
称、形状の特徴や習性等を知る。
6 食品と栄養との関係を知る。
5 消毒の働きや日常用いる医薬品 5 服薬や消毒などの働きや衛生へ 5 生活に適した温度や湿度、照度
の正しい用法や取扱いを知る。
の配慮を知る。
などを理解する。
4 病気やけがのおよその症状や病 4 病気に関係するカビ、細菌、ウィ 4 健康を害する食品や公害につい
気に関係するカビや細菌、ウィルス ルスの性質を知り、健康への影響が て知る。
の存在についての概要を知る。
分かる。
3 心音を注意深く聞き取る活動や 3 主な病気やけがなどの原因や症 3 重い病気に関係する細菌やウィ
心拍を調べる活動をとおして心臓の 状を知り、予防の方法を知る。
ルスが存在することを知る。
働きを知る。
2 食事と排泄、呼吸などと結び付
け、胃腸や肺などの器官の構造や
働きを知る。
4段階
5段階
6段階
1 目、耳や頭、胴、腹、腕、手、足、 1 目、耳、鼻、頭、口、手、足、指、 1 脳、神経、骨格、筋肉組織、内分
などの各部位の構造や働きを知る。 爪など、人体を構成する外形的な構 泌器官などの構造を理解し、思考や
造と機能が分かる。
触感、姿勢の制御や性徴を示すな
どの働きを知る。
中学部社会の内容
理科の内容例
自
然
16 季節による気象や気温の変化と 16 天気予報や天気の観察から、季
雲の動きについての知識を得る。
節による気候の変化や特徴、生活
の工夫を知る。
20 海や山、川などの自然に関心を 19 海、山、川などの自然を、自分
もって調べたり観察したりする。
たちの生活と関連付けて調べたり考
えたりする。
21 地震など自然災害の様子を知 20 地震や火山活動などに関する
り、発生時の安全な行動を知る。
初歩的な知識をもち、発生時の対応
について理解する。
18 海、山、川などの自然のおよそ
の働きと日常生活との主な関係が
分かる。
19 地震や火山活動などに関する
知識をもち、発生時の対応を説明で
き、日頃の防災・減災活動について
理解する。
20 地球の温暖化や環境破壊など
の自然をとりまく問題について知り、
身近な工夫から地球環境の保全に
取り組む。
18 朝晩の気温の違いや、季節ごと 17 太陽と地球との関係についての 17 月と地球、太陽と地球の位置関
の平均気温の違いについて知る。 初歩的な知識をもち、朝晩の気温や 係による月の満ち欠けや太陽の高
明るさの変化との関連を理解する。 度、北半球と南半球の季節の違い
などを理解する。
19 太陽や月、星の見える位置や動 18 月の満ち欠けや天体の動き、星
き方を知る。
の動き方について理解する。
17 雲と雨の関係や季節や気象の
変化を概括的に知る。
15 粒の大きさによる土の性質の違 15 粒の大きさによる土の性質の違
いや、養分や水を保持する等の土 いや、養分や水を保持する等の土
の役割を知る。
の役割を理解し、植物や農作物の
栽培等に生かされていることを知る
4段階
5段階
6段階
16 水や土と生物との関係について 14 水の性質や特徴を理解し、生活 14 温度による水の変化に気付き、
知る。
との結び付きや、水の循環による
空気中の水蒸気と天気との関係を
雲、雨、川、海の関連に気付く。
理解する。
66
3 食前・食後の挨拶をする。
6 必要があれば、茶わんなどを手に持って食
べる。
7 主食と副食を取り合わせて食べる。
8 行儀よく食べる。
9 食後一人で口の周りを拭く。
10 簡単な献立の名前をいう。
11 しょうゆやソースなどを上手にかける。
7 茶わんなどをおさえて食べる。
8 好ききらいをしないで食べる。
9 食事の途中で遊ばないで食べる。
10 よくかんで食べる。
11 口に入れる量を知る。
12 よい姿勢で食べる。
17 水洗便所の水を流す。
20 教師と一緒に、寝る前に用便に行く。
21 教師と一緒にパジャマに着替える。
24 一人で歯磨きや洗面をする。
27 ハンカチやちり紙を上手に使う。
28 教師と一緒に、髪をとかす。
28 いやがらずに、髪をとかしてもらう。
31 教師と一緒に、腕、足、胸などを洗う。
30 教師と一緒に入浴前に用便をすませる。
19 一人で爪を切る。
18 一人で髪をとかす。
17 ハンカチやちり紙を自分で用意する。
16 自分から進んで歯磨きや洗面をする。
15 自分で寝床の準備や片付けをする。
14 自分から朝の挨拶や、寝るときの挨拶をす
る。
13 夜中でも、一人で用便に行く。
21 湯かげんをみてから浴槽に入る。
30 教師の援助を受けながら、体や髪などを洗 20 一人で散髪に行く。
う。
29 いやがらずに、爪を切ってもらったり、耳あ 29 教師と一緒に、爪を切る。
かを取ってもらったりする。
26 一人で、鼻汁をかむ。
26 教師と一緒に、鼻汁を拭く。
27 いつもハンカチやちり紙を持っている。
25 教師と一緒に、手足を洗ったり、拭いたりす 25 一人で、手足を洗ったり、ふいたりする。
る。
24 教師と一緒に、歯磨きや洗面をする。
23 教師と一緒に、寝床の準備や片付けをす
る。
23 朝の挨拶や、寝るときの挨拶を促されてす 22 朝の挨拶や、寝るときの挨拶をする。
る。
20 寝る前に用便に行く。
21 一人でパジャマに着替える。
22 一人で寝る。
19 指示されて決まった時刻に寝起きする。
12 決まった時刻に寝起きする。
10 出かける前や休憩時間に自分から用をた
す。
11 いろいろな種類の便所のかぎの使用法を
知る。
16 用便後一人で拭き、服装を整える。
19 教師と一緒に、用便後手を洗う。
18 用便後手を洗う。
9 自分の家や、学校以外の便所を一人で使
う。
14 便所の男女のしるしを見て、自分の使う方 8 便器の違いや水洗機能などが分かり、用を
が分かり、用をたす。
たす。
17 尿意、便意、粗相を告げる。
18 パンツやズボンなどを脱がせてもらって、用 15 便所に入るときは、ノックをし、戸を閉めて
をたす。
用をたす。
13 一人で用便に行き、用をたす。
7 便器の周りを汚さないで用をたす。
6 一人で調味料を上手に使う。
5 食べたい献立の名前をいう。
4 マナーを守って食事をする。
3 体に良くするために、好ききらいをしないで
食べる。
16 一定時刻に、教師と一緒に用便に行く。
15 教師と一緒に、こぼしたものを拭く。
14 食後、指示されて口の周りを拭く。
13 食べてはいけないと言われたものは食べな 12 教師と一緒に、食事の前後にテーブルを拭
い。
く。
5 ストローやコップで上手に飲む。
6 ストローやコップで飲む。
生活1
1 簡単な食事の準備や後片付けをする。
1 基本的生活習慣
3段階
5 スプーン・フォークや自助具を使って支援を 4 スプーン・フォークやはしを使ってこぼさない 2 はしで上手に食べる。
受けながら食べる。
ように食べる。
4 食前・食後の挨拶のしぐさをする。
3 教師と一緒に、自分の食器を並べたり、片
付けたりする。
2 自分の食器を並べたり、片付けたりする。
1 一人で食前に手を洗う。
1 教師と一緒に食前に手を洗う。
2 配膳のときに行儀よく待つ。
1 基本的生活習慣
2段階
1 基本的生活習慣
1段階
生活の内容例
2 健康・安全
40 靴の左右を区別して履く。
39 教師と一緒に、鏡の前で着脱後の簡単な
確認をする。
5 物を投げたり、高いところへ登ったりするな
ど、危険な遊びをしない。
4 外から帰ったときやかぜ予防のために、手
洗い、うがいをする。
3 錠剤や水薬を上手に飲む。
2 身体測定の結果に関心を持つ。
10 危険な場所や状況を自分から回避したり、
大人に知らせたりする。
8 部屋の換気や採光に注意する。
6 生理のときは、女性教師に告げ、処置をす
る。
7 外から帰ったとき、かぜ予防のために、進ん
で手洗い、うがいをする。
5 病気やけがをしたときは、必要な薬を飲んだ
り、治療を受けたりする。
4 進んで健康診断などを受ける。
3 身体測定の結果や身体の変化などから、自
分の身体の成長に関心を持つ。
2 一人で保健室を利用する。
1 友達がけがをしたり、体の異状なときは、教
師に告げる。
2 健康・安全
38 いろいろな履物を、場や天候に合わせて履
く。
39 雨具を使用し、始末する。
37 運動や作業のときは、決められた服装をす
る。
36 寒暖や天候に合わせて、衣服を調節する。
35 衣服の汚れやほころびに気付いて、着替え
る。
5 階段やストーブのそばで悪ふざけをしない。 6 ガスの栓、マッチ、刃物などの危険な物にむ 11 電気器具、ガス栓、マッチ、刃物などを安全
やみに触れない。
に取り扱うことに慣れる。
4 ビー玉や硬貨などを口に入れない。
3 外から帰ったときやかぜ予防のために、教
師と一緒に手洗い、うがいをする。
2 付き添われて、健康診断などを受ける。
31 適切な場所で着替えをする。
30 旅行等に必要な物の準備や後片付けをす
る。
29 リュックサックやバックを上手に使い分けて
使用する。
28 机の引き出しやロッカーなどを、上手に使
用する。
27 自分の衣服や持ち物を、決められた場所
に、整頓して置く。
33 そで、えり、すそなどの身だしなみを整え
る。
38 衣服の前後、表裏に気を付けて着脱する。 34 鏡で身なりの確認をする。
37 ハンガーを使って、衣服を始末する。
1 体調が悪いときやけがをしたときに、教師と 1 けが、腹痛、歯痛などを教師に告げる。
一緒に保健室に行く。
2 健康・安全
37 教師と一緒に雨具を使用する。
36 靴を一人で履いたり、脱いだりする。
24 一人で髪を洗う。
23 一人で入浴し、自分から体を洗う。
36 教師の援助を受けながら、脱いだ衣服をた 32 自分の衣服の始末をする。
たむ。
35 簡単な衣服の着脱をする。
34 身の回りの用品の名称が分かる
生活2
22 浴槽に入る前に、股間や手足などを洗う。
3段階
31 入浴後教師と一緒に、用具の片付けをす 25 入浴後、よく体を拭いて着衣する。
る。
32 自分のぼうし、衣服、靴、かばんなどを決め 26 入浴後、用具の片付けをする。
られた場所に置く
2段階
35 教師と一緒に、簡単な衣服の着脱をする。 33 自分の脱いだ履物をそろえる。
34 自分のぼうし、衣服、靴、かばんなどが分
かり、教師と一緒に、決められた場所に置く。
33 教師と一緒に、自分の体を拭く。
32 いやがらずに、髪を洗ってもらう。
1段階
67
7 知らない人に付いていかない。
2段階
生活3
13 道路は右側を歩き、歩道のある場合は、歩
道を歩く。
12 交通信号の見方が分かり、信号に従う。
3段階
3 遊び
4 自分で遊びを選んだり、考えたりする。
4 簡単なルールのある遊びをする。
9 遊具などをゆずり合って遊ぶ。
9 補助車付きの自転車に乗って遊ぶ。
10 指示されて、遊具を譲る。
7 三輪車などに乗って遊ぶ。
3 身近な人に自分から「おはよう」「さようなら」 4 身近な人に簡単な日常の挨拶をする。
などの挨拶をする。
3 自分の家の電話番号を言う。
9 年賀状や礼状などの手紙を出す。
8 手伝ってもらって、年賀状などを書く。
6 お客さんが来たことや電話がかかってきた 9 人の来訪を教師に告げる。
10 電話や来客があったときは、適切に 取
ことに気付き、関心を持つ。
次ぎをする。
7 促されて「ありがとう」「ごめんなさい」の気持 10 教師の援助を受けて、適切な場面で「あり 11 「ありがとう」「ごめんなさい」を適切に言う。
がとう」「ごめんなさい」を言う。
ちを表現する。
8 友達との約束を守る。
7 友達から借りた物は、丁寧に扱って返す。
5 表情、身振り、動作、声などで自分の要求を 4 聞かれれば、見たこと、聞いたこと、遊んだ 5 見たこと、聞いたこと、遊んだことを教師や
表現する。
ことを話そうとする。
友達などと話し合う。
5 促されて、友達におもちゃや学用品を貸す。 6 学用品などを忘れて困っている友達に、自
分の物を貸す。
6 促されて、友達の手助けをする。
7 友達のあやまちをむやみにとがめない。
4 教師と一緒に、頭を下げたり、握手したりし
て挨拶する。
3 友達と手をつなぐ。
2 自分の住所を言う。
2 担任の教師や友達等、身近な人の名前を
言う。
2 教師や友達の名前が分かる。
4 交際
11 進んで、遊具などの後片付けをする。
1 簡単な自己紹介をする。
4 交際
4 交際
1 自分の名前が分かり、名前を呼ばれたとき 1 自分や家族の名前を言う。
に、何らかの方法で応答する。
12 促されて、遊具などの後片付けをする。
8 教師と一緒に、遊具などの後片付けをす
る。
11 自分の使っている遊具などを取られそうに 10 共同遊具などを大切にする。
なったら、返してもらおうとする。
8 補助輪車のない自転車に乗って遊ぶ。
8 シーソー、鉄棒などで遊ぶ。
7 簡単な遊具で遊ぶ。
6 ブランコ、すべり台、砂場などで遊ぶ。
5 おもちゃなど身近にある物で遊ぶ。
3 遊びにじゃんけんを使う。
3 じゃんけんのしぐさをして遊ぶ。
4 すもう、かけっこなどをして遊ぶ。
5 順番や交代の意味が分かり、わがままを言 5 グループを作り、ルールを守って遊ぶ。
わないで遊ぶ。
6 仲間に入れない友達を誘って、一緒に遊
ぶ。
6 玉入れ、カルタとりなどで遊ぶ。
7 自分たちで簡単な遊具を作って遊ぶ。
2 テレビや絵本に関心を持ち、楽しんで見る。 2 テレビの番組を自分で選んで視聴する。
1 友達と一緒に、いろいろな遊びをする。
3 遊び
3 テレビや絵本など、教師と一緒に楽しむ。
2 教師のまねをして、手足を動かして遊ぶ。
17 避難のときは、進んで教師の指示に従う。
15 「火事」「地震」「避難」などの言葉の意味が 18火災時と地震時の避難の仕方が分かり、適
分かる。
切に行動する。
14 避難訓練のときは、教師の指示に従う。
13 道路へ急に飛び出さない。
12 踏切を渡るときは、左右を確かめ、警報機
のある場合は、それに従う。
11 道路を横断するときは、横断歩道や歩道橋 16 交通ルールを守り、安全に自転車に乗る。
を渡る。
10 道路を横断するときは、左右を確かめ、手 15 交通の頻繁な道路では遊ばない。
を上げて渡る。
1 教師や友達と同じ場所で、好きなことをして 1 教師や友達と一緒に、簡単なごっこ遊びを
遊ぶ。
する。
3 遊び
10 避難訓練のときは、教師と一緒に行動す
る。
9 教師と一緒に横断歩道を渡る。
8 教師と手をつながずに、道路を安全に歩く。 9 道路を何人かで歩くときは、横に並んだり、 14 「通行止」「横断禁止」「危険」などの標識が
ふざけたりしない。
分かり、指示を守る。
7 交通信号に注意しながら教師と一緒に行動 8 道路を歩くときは、自動車や自転車に気を
する。
付ける。
6 階段や段差などに注意して歩く。
1段階
5 役 割
2段階
5 役 割
生活4
6 手伝い・仕事
6 手伝い・仕事
4 教材配りや給食運びなどの係活動をする。 4 日直、給食当番、掃除当番などの係活動を
する。
5 簡単な作業をみんなで一緒にする。
5 簡単な作業を分担して行う。
1 誕生会や学級会などで、司会などの役割を
果たす。
2 運動会や学芸会などで、簡単な係活動をす
る。
3 友達と一緒に、地域の行事に参加し、簡単
な役割をする。
3段階
9 窓の開閉、戸締まりなどをする。
3 教師と一緒に、扉や窓の開閉に慣れる。
7 決まり
6 登校・下校時刻などを知り、守る。
5 きまった場所で靴を履き替える。
2 他人の物や学校の物品を無断で持ち出さな
い。
3 学校の図書館や運動用具などを使ったら、
必ず返す。
4 廊下を歩くときは、右側を歩く。
1 自分の物と他人の物を区別する。
2 貴重品や書類に触れたり、それらを持ちだし
たりしない。
3 落し物を拾ったときは、教師に届けたり、持
ち主を探して手渡したりする。
4 学校などで簡単な決まりをつくる。
1 物を貸し借りする。
7 決まり
12 身近な生活におけるマナーを身に付ける。 8 公共の場におけるマナーを身に付ける。
6 公園や遊園地などの決まりを守る。
7 火災報知機や消火器の使用法について、お
よそ理解する。
10 決められた場所で遊ぶ。
11 火災報知器や消火器などをいたずらしな
い。
7 集会や校外学習などのときは、指示に従っ 5 集会や校外学習などのときは、集団行動に
て行動する。
必要な決まりを守る。
6 乗り物の中では、歩きまわったり、騒いだり 8 停留所や駅などでは、並んで順番を待つ。
しない。
9 順番を守って、乗り物の乗り降りをする。
5 廊下は静かに歩く。
4 むやみに他の教室などに入らない。
3 上履き、下履きの区別をする。
2 集合、整列、着席などの指示に従う。
1 教師と一緒に、自他の物を区別する。
7 決まり
11 自分から決められた場所に道具などを片
付ける。
5 教師と一緒に手伝いや仕事で使用した道具 7 仕事の後片付けをする。
などの後片付けをする。
12 仕事がすんだら報告する。
10 決められた場所の掃除をする。
4 教師と一緒に、ごみを拾ったり、ごみ箱のご 6 簡単な掃除をする。
みを捨てに行ったりする。
5 窓の開閉などの手伝いをする。
7 掃除用具、運動用具、図書などを整理整頓
する。
8 みんなの脱いだ履物の整頓をする。
2 教師と一緒に、学習用具などの後片付けを 4 机やロッカーなどの中を整頓する。
する。
6 他の教室などへ、伝言に行く。
5 草花や、飼っている動物の世話をする。
4 修理の手伝いをする。
3 道具や器具を大切に扱う。
1 教師と一緒に、配布物を配ったり、教材等を 1 学級で配りものの手伝いをする。
1 自分から調理や製作などの様々な手伝いを
運搬したりする。
する。
2 他の教室へ、物を届けたり、取りに行ったり
する。
3 仕事に使う簡単な道具や器具の扱いに慣 2 仕事に使う道具や器具に慣れる。
れる。
6 手伝い・仕事
4 給食のときに、教師と一緒に食器を並べた
り、牛乳を配ったりするなどの係活動をする。
1 誕生会や学級会などで、簡単な役割を担
う。
2 教師と一緒に、挨拶の号令かけや黒板ふき 2 運動会や学芸会などで、教師と一緒に、簡
などの係活動をする。
単な係活動をする。
3 教師と一緒に、地域の行事に参加する。
3 教師と一緒に、地域の行事に参加し、簡単
な役割をする。
1 誕生会、遠足、運動会などに参加する。
5 役 割
1段階
68
8 日課・予定
8 シャボン玉、風車などの遊びをする。
7 晴れ、雨などの天気に関心を持つ。
6 「お日さま」「お月さま」「お星さま」などに関
心を持つ。
5 草花や野菜などを栽培し、観察する。
3 食物などにかびがはえたり、腐ったりするこ
とに関心を持つ。
2 カやハエなどの害虫を駆除する。
1 草木、木の実、落ち葉等を集めたり、形、色
などの特徴をつかんだり、植物の変化を捉えた
りする。
10 自 然
11 簡単な自動販売機などを自分で利用する。
8 紙飛行機、舟、こまなどを作って遊ぶ。
12 季節と行事の関係に関心を持つ。
11 たこなどを作って遊ぶ。
10 地震や台風などに関心を持つ。
7 冬は寒く、夏は暑いなどの季節の特徴に関 8 四季の変化に関心を持つ。
心を持つ。
9 テレビの天気予報に関心を持つ
6 身近にいる昆虫、魚、小鳥などを観察した
り、飼育したりする。
6 太陽、月、星などと昼夜との関わりに関心を 7 太陽の出没の方角や月の満ち欠けなどを
持つ
観察する。
4 草花の球根などを植えて育てる。
5 身近にいる小動物をかわいがる。
1 草木、木の実、落ち葉など、摘んだものや
拾ったものを使って遊ぶ。
2 身近にいる昆虫、魚貝などを見たり、捕った
りする。
3 カやハエなどの害虫に関心を持つ。
1 教師と一緒に公園、野山、川、海などで遊
ぶ。
2 木の実拾い、落ち葉拾い、石・貝がら拾いな
どをして遊ぶ。
3 アリ、チョウ、カタツムリなどを探したり、見た
りして遊ぶ。
4 草花に関心を持つ。
10 自 然
10 自 然
5 動物園、牧場などで遊ぶ。
6 できるだけ一人で自動販売機を利用する。
4 教師と一緒に、自動販売機を利用する。
5 商店などで品物を選んで買う。
8 値札を見て、おおよその値段が分かって買
い物をする。
9 商店などでレジの場所が分かり、支払いを
する。
10 旅行先で土産など自分で考えて買う。
3 今すぐ使わないお金は、貯金したり、預金し
たりする。
4 お金を種類ごとに分類して数えたり、必要に
応じて両替をする。
5 価格に応じて、紙幣や硬貨を適切に組み合
わせて支払う。
3 教師と一緒に、品物を選んでレジまで持って 3 「これ、ください」など買い物に必要な簡単な 6 「いくら」「○個ください」「高い」「安い」「おつ
いき、店の人にお金を渡し、品物を袋に入れ
言葉を遣う。
り」など買い物に必要な言葉を使う。
る。
4 少額で、決まった額の買い物を一人でする。 7 簡単なおつりのある買い物をする。
1 もらったお年玉や小遣いを、財布や貯金箱 1 生活にお金が必要なことを知り、無駄使いを
に、大切に保管する。
しない。
2 いろいろな種類の硬貨や紙幣を使って買い 2 小遣いを自分で考えて使う。
物をする。
9 金 銭
9 金 銭
1 お金が大切なものであることが分かり、粗末
に扱わない。
2 教師と一緒に、お店の人にお金を渡したり、
お金を財布に入れたりする。
3 カレンダーや予定表を見て、学校行事や家
庭の予定などに従って行動する。
4 予定の変更にも、落ち着いて対応する。
2 一週間程度の予定が分かる。
9 金 銭
2 明日の予定や身近な予定について知る。
1 教師の言葉掛けを聞いたり、予定の絵や写 1 日常生活におけるおよその予定が分かり、
真などを見たりして、次に何をするかが分かり、 主体的に行動する。
できるだけ一人で日課に沿って行動する。
生活5
8 日課・予定
3段階
1 教師と一緒に、日課に沿って行動し、学校
生活に簡単な見通しを持つ。
2段階
8 日課・予定
1段階
生活6
7 工場や農家で作っている物のおよその名前
が言える。
6 いろいろなお店で売っている品物の名前が
言える。
4 警察署、消防署、郵便局、病院、市役所
(町・村役場)などのおよその仕事の様子が話
せる。
5 いろいろな種類の店の名前が言える。
3 いろいろな職業の名前が言える。
2 家族の職業が言える。
1 家族や親せき、近所の人々の名前が言え
る。
11 社会の仕組み
3段階
12 公共施設
12 自動車や電車には、人を乗せるもの、荷物
を運ぶものなど、いろいろな種類のあることを、
簡単に話せる。
13 自分の国の名や世界のいくつかの国の名
が言える。
3 学校の近くのポストに手紙を投かんする。
2 順番を待ったり、安全な遊び方を知る。
2 教師と一緒に、郵便局を利用する。
1 公園や遊園地等に行き、気に入った遊び場 1 公園や遊園地を適切に利用する。
や遊具で遊ぶ。
12 公共施設
8 身近な乗り物の種類が言える。
10 社会の行事、祝日のおよその意味が分か
り、話し合う。
7 身近な社会の行事に関心を持ち、参加す
る。
11 テレビなどを通して、身近な社会の大きな
出来事に関心を持つ。
9 都道府県名がいくつか言える。
6 自分の住む市(区・町・村)名が言える。
5 自分の住んでいる町や村の山、川、海など
について、簡単に話せる。
4 学校や家の近くの交番や、停留所、駅のあ 8 いろいろな地域の様子や特徴に関心を持
るところが言える。
つ。
3 いろいろな種類の店やそこで販売している
商品に関心を持つ。
2 救急車や消防車の仕事が言える。
1 家の人の役割が分かる。
11 社会の仕組み
2段階
7 通学の電車やバスに乗せてもらって目的地 8 通学の電車やバスを一人で利用する。
で降りる。
4 通学の電車やバスに乗ることに慣れる。
10 交通機関が遅延した際の対応方法が分か
る。
9 校外学習のときの目的地までの交通機関
が分かる。
6 教師の援助を受けて、電車やバスの切符を 7 日常利用している電車やバスの切符を、自
買う。
動券売機などで買う。
3 電車やバスの乗り降りのときは、定期券な
どを見せる。
5 道が分からなくなったときは、交番などで尋
ねる。
6 町内掲示板や案内地図、標識や表示を必
要に応じて探し、適切に利用する。
3 火事や事故のときは、消防署や警察に知ら
2 教師と一緒に、児童館や公衆便所などの身 4 教師の援助を受けながら、図書館、体育
近な公共施設を利用する。
館、児童館や公衆便所など身近な公共施設を せることが分かる。
利用する。
5 自宅や学校内の電話の扱いに慣れる。
4 公衆電話の扱いに慣れる。
1 教師と一緒に、学校の近くの広場や公園、
遊園地を利用する。
12 公共施設
5 学校や家の近くの商店、公園、駅などに出
掛けて関心を持つ。
4 近隣や通学路にある店に関心を持つ。
3 救急車や消防車の名前が言える。
2 「お巡りさん」「郵便やさん」に関心を持つ。
1 父母、兄弟姉妹、祖父母が分かり、家族と
気持ちを安定させて生活する。
11 社会の仕組み
1段階
69
5段階
6段階
3 紙や粘土、その他扱いやすい材料で、版を 3 彫刻刀を使って、ゴム版やリノリューム版な 3 表現したいものを、いろいろな材料の特性 3 表現したいものに適した材料を選び、様々
作り、版画にする。
どで、版を作り、版画にする。
を生かし、立体を作る。
な工夫を加えて、立体的に表す。
7 伝えたいことがよく分かるように、色や形を 7 知らせる内容を考えて、色や形の組み合わ 7 粘土で、飾るものや使うものを成形し、焼 7 コンピュータを使って絵やポスターなどを描
使って表す。
せを工夫して表現する。
成する。
いたり、作品を見せ合ったりする。
7 身近にあるものの形や色に関心を持って自
由に遊ぶ。
5 粘土などを使って、自分で表したいものを 9 身近ないろいろな材料や用具を準備した 9 粘土で器物を成形し、必要に応じて焼成す 9 工具や機械などの正しい扱い方を理解し、 9 木材などの材質や特性を生かして、日常生
作る。
り、後片付けをしたりする。
る。
簡単な手入れをする。
活で使えるものを作る。
12 作ろうとするものを、絵や図にかいたりし
て、見通しを持って作る。
11 行事などに使う飾りや道具などを、いろい 11 ニスや水性・油性塗料等を使用して、工作 11 塗装の初歩的技術を理解して活用する。
ろな材料で、仲よく協力して作る。
物を仕上げる。
13 作りたいものを完成図や制作工程表にし
て、友達と協力して正確に作る。
12 材料や使途に応じた塗装の技術や道具類
の管理保管を適切にする。
11 電動工具類を安全に使用して、木材やプラ
スチックなど正確に加工する。
15 自分の作品を教師に見せる。
13 美しい自然の風景や造形品に関心を持
つ。
14 自分や友達の作品を大切にする。
11 自分の作品や友達の作品を見せ合う。
12 自分の作品を大切にする。
14 自然の風景やすぐれた作品などの美しさ 14 我が国や諸外国の親しみのある美術作品
や良さを味わう。
などのよさや美しさなどに関心を持って鑑賞す
る。
13 身近にある造形品を見たり、使ったりして、 15 美術館や博物館を見学して、様々な美術
その美しさや働きを理解する。
作品などを鑑賞したり、表現方法を知ったりす
る。
14 紙類などを、ちぎったり、折ったり、切った 10 包装紙、アルミ箔、箱、空き缶等身近な材 12 自分と友達の作品の表し方の違いに関心 13 身近にある造形品を見たり、使ったりして、 12 簡単な見取り図や展開図の見方やかき方 14 地域の伝統工芸品を知り、作ったり、使っ
り、つないだりして遊ぶ。
料を使って、自由な表現をする。
を持って見る。
その良さ に気付く。
を理解して、順序よく作る。
たり、飾ったりする。
13 積木などで、いろいろな形を作ったり、くず 9 はさみやのりを使って、貼り絵や工作をす
したりして遊ぶ。
る。
8 身のまわりや教室の飾りをする。
12 紙や布等をちぎったり、丸めたり、貼った 7 基本的な形や色が分かる。
り、つないだりして遊ぶ。
11 自分の好きな色、形、絵等を選んで集めた
り、貼ったり、飾ったりする。
10 草花、木の葉、小石等を集めたり分けた 6 いろいろな形や色を使って、自由に組み合 10 紙や木、針金、ゴム等身近な材料で、簡単 10 木や竹、プラスチックなどいろいろな素材 10 いろいろな用具や工具、機械類を素材の 10 道具や機械の安全な扱い方を知り、簡単
な部品交換をする。
り、並べたりして遊ぶ。
わせたり、組み立てたりする。
な動くおもちゃなどを作って遊ぶ。
の性質を考えて、使えるものを作る。
特性に合わせて活用する。
9 基本的な2、3の色名が分かる。
8 様々な技法や制作意図に応じて釉薬を使
用し、陶芸の作品を作る。
6 形や色の組み合わせによる感じの違いに 6 色合いの違い、色の寒暖等が分かり、色の 6 金属、プラスチック、その他の造形素材の 6 造形素材の種類や性質を生かして、自分
気付き、工夫して表す。
組み合わせを工夫して表現する。
種類や性質を生かして表現する。
の思いをこめた表現をする。
6 身近にあるものの形を版にして遊ぶ。
8 身近にあるものから、同じ形や色の物を集 4 身近な用具で粘土を切ったり、筋をつけた 8 かなづち、のこぎり、きり、ペンチ、小刀など 8 形や色、材質のつり合いの美しさを感じとっ 8 木材などで、日用品や模型などを作る。
めたり、並べたりして遊ぶ。
り、穴をあけたりする。
を使って、いろいろなものを作る。
て、見通しを持って表現する。
5 いろいろな形や色、材質の違いを生かして 5 形の対称や繰り返しリズムなどの、面白さ 5 目的や条件に応じて、材料や用具を選び、 5 目的や条件に応じて、材料や用具を選び、
表す。
に気づき、工夫して表現する。
計画を立て、工夫しながら表現する。
計画に沿って適切に表現する。
5 クレヨン、水彩絵の具、カラーペン等を使っ
て好きな色で思いのまま描いて遊ぶ。
4 粘土をのばしたり、ちぎったり、まるめたりし 3 木の葉、野菜等の自然物や身近な器物の 4 粘土などで、作ろうとするものの感じが出る 4 粘土などで、動物や人、乗り物、建物等の 4 目的や用途に合わせ、形や色などの組み 4 目的や用途に合わせ、形や色などの組み
ながら、簡単な形を作って遊ぶ。
形を押して版画にする。
ように作る。
特徴をとらえて立体表現する。
合わせを工夫して、作ったり、飾ったりする。
合わせを適切にして、作ったり、飾ったりする。
3 土や砂等に線を引いたり、形を作ったりして
遊ぶ。
2 表したいものを水彩絵の具などを使って、 2 絵の主題を決めて描く。
形や色に関心をよせて描く。
2 自然の背景や身の 周りの事物をよく見 2 木版を主として、計画を立て、版を作り、版 2 彫刻刀の種類の特性を生かして版を作った
て、絵の具の性質を生かして絵に描く。
画にする。
り、様々な技法で版画を制作したりする。
4段階
2 泥などをこねたり、くっつけたりして遊ぶ。
3段階
1 見たこと、感じたこと、考えたことなどを絵に 1 見たこと、感じたこと、考えたことなどを工夫 1 見たこと、感じたこと、考えたこと等画材や
描く。
して絵に描く。
技法を工夫して絵に描く。
2段階
1 土、砂、粘土等に親しみ、それらをもとに体 1 体験したことや身近なものの形や色に着目 1 かきたいものを、よく見て描く。
全体で自由に遊ぶ。
して描く。
1段階
図画工作・美術の内容例
70
1段階
2段階
3段階
4段階
5段階
6段階
6 自然音(風の音、波の音など)生活音(チャ 6 良い音楽映画を見たり、音楽会などで鑑賞 6 テレビドラマのテーマソングやヒットソングな
イム、時計、クラクション、鐘の音など)に興味 したりする。
どに興味を持ち、自分の好む曲を聴く。
を持って聞く。
10 民族音楽の特徴を味わいながらフォーク
ダンス、民謡などを踊る。
9 音楽を聴いて、その曲の曲想を感じ取り独 8 音楽を聴いて自分なりのイメージを膨らま
創的に身体表現する。
せ、創造的な身体表現をする。
16 コンガ、ボンゴ、大太鼓、小太鼓、ティンパ
ニー、和太鼓、シンバル、ドラなどを手やバチ
で自由に打ったりする。
17 いろいろな打楽器を教師と一緒に、両手打
ち、片手打ち、交互打ちなどで手やバチを使っ
て楽しむ。
18 タンブリン、ウッドブロック、カスタネット、ト
ライアングル、両面張り柄付き太鼓、ヴィプラス
ラップ、チャッパなどを自由に鳴らして楽しむ。
15 図に合わせて楽器を鳴らしたり、止めたり 14 有音程の打楽器(サウンドブロック、ハンド
する。
ベル、トーンチャイム、リード付き笛など )を
使って曲や旋律の一部を演奏する。
16 打楽器を使って、拍子打ち、リズム遊びや 15 旋律楽器(ハーモニカ、笛、木琴、オルガ
リズム合奏をする。
ン、鍵盤ハーモニカ、アコーディオンなど)に親
しみ、簡単なさぐり吹きやさぐり弾きをする。
17好きな歌や曲などに合わせて、打楽器や吹 16 ピアノやCD、MD、テープレコーダーなど
く楽器などで自由演奏をする。
の演奏に合わせて合奏や部分奏をする。
15 強弱、アクセントなどを意識したり、力をコ
ントロールしたりして、友達と協力して合奏す
る。
16 楽器の扱い方やしまい方を知り、大切に扱
う。
15 簡単な合奏譜を見ながら、いろいろな楽器
を使って、独奏したり、合奏したりする。
14 歌唱教材やテレビなどで覚えた曲を、好き
な旋律楽器で弾いて楽しむ。
14 環境音(生活音、自然音)の中から、関心 13 旋律楽器を含むいろいろな楽器を組み合
のある音を手作り楽器で作って表現する。
わせた合奏をする。
15 ツリーチャイムやカバサなどをこすったり、 14 大きな音、小さな音に気付き、強弱や速度 13 簡単なリズム絵譜や文字譜を見て、楽器 13 絵譜や文字譜を見たり、さぐり弾きをしたり 12 歌唱教材と関連させながら、簡単な旋律 11 友達と協力して、簡単な詩や曲を作って楽
揺らしたり、つかんで離したりして、音を出して を合わせて楽器を鳴らす。
を打ったりリズム合奏したりする。
して、曲の一部や簡単な曲を演奏する。
の階名を覚えて弾く。
しむ。
楽しむ。
14 オートハープやギターなどの弦楽器に親し 13 教師と一緒に木琴、鉄琴、キーボード、な 12 教師の拍子打ちやリズム打ちを模倣する。 12 ハーモニカ、笛、木琴、鉄琴、オルガン、鍵 11 簡単な合奏譜を見て、いろいろなリズム打 10 おもちゃや手作り楽器を含むいろいろな楽
み、弦をはじいたりして楽しむ。
どで、音階、グリッサンド、和音を鳴らしたりす
盤ハーモニカ、アコーディオン、ピアノなどを ちや旋律奏をする。
器を使って、友達と協力して、即興的な作曲を
る。
使って独奏や合奏をする。
する。
13 鈴、マラカス、鳴子、ハンドベル、がらがら 12 タンブリン、ウッドブロック、カスタネット、ト 11 CD、MD、の音楽などに合わせて、模擬 11 有音程の打楽器や笛などで、一人一音ず 10 和太鼓やラテン音楽で用いられる打楽器 9 打楽器、旋律楽器、弦楽器、電子楽器など
などの振る楽器で音を鳴らして楽しむ。
ライアングル、ギロ、ハンドシンバルなどで音あ 楽器を使って身体表現をする。
つ担当し、順に打ったり、振ったり、吹いたりし などを使って、友達とダイナミックにリズム合奏 で好きな楽器を選び、奏法を工夫し、独奏した
て遊びをする。
て、旋律や和音の一部を演奏する。
する。
り、合奏したりする。
12 楽器を見たり触ったりして形や音色、振動 11 「かごめかごめ」「花いちもんめ」「ずいずい
などを楽しむ。
ずっころばし」のようなリズミカルで簡単なわら
べうたや集団遊びをする。
11 歌遊びの中で遊びを交代したり、順番を 10 音楽の大きな流れを感じ取り、自由に身体 10 ペープサート、パネルシアターや簡単な音
待ったりする。
表現をする。
楽劇などをして楽しむ。
10 教師と一緒に簡単な手遊び歌、指遊び 9 歌や曲に合わせて、簡単なハンドプレイや 9 簡単なフォークダンスや踊りをする。
動作模倣をする。
歌、ものまね遊びなどをする。
9 音楽に合わせて、手をたたいたり、歩いた 8 打楽器を打ったり、鳴らしたりしながら、歩 8 楽器や道具(手具)などを使って、音楽に合 9 いろいろな歌のゲームをする。
り、走ったり、止まったりする。
いたり、走ったりの身体表現をする。
わせて身体表現をする。
6 歌や曲に合わせて花、チョウ、魚、うさぎ、 7 音楽を聴いて感じたことを動作で表現した 7 曲の拍子やリズムの違いを聴き分けたり、
象、ジェット機、消防車などの模倣表現をす り、リズムに合わせて身体表現したりする。
聴き比べたりして身体表現をする。
る。
8 教師の手をかりて、歌に合わせて、手足や 7 音楽に合わせて、模倣しながら身体の各部 7 歌を歌いながら、簡単なハンドプレイや身 8 曲想にふさわしい自由な身体表現をする。 8 歌いながら、リズミカルに身体表現をする。 7 世界各地のダンスや民謡をみんなで踊る。
体の部位を打ち鳴らしたり、動かしたりする。 位をたたいたりして動かす。
体表現をする。
7 音楽に反応して、体の動きを止めたり、動 6 友達や教師の表現を見て楽しむ。
かしたりする。
6 音楽が流れている中で、休息したり、手足
を動かしたり、遊んだりする。
5 好きな歌や曲を聴きながら、体を動かす。
5 曲の始まり、終わりを感じて反応する。
5 学校生活の中で流れる音楽に関心を持ち 5 生活の中で良い音楽を聴いて楽しむ習慣 5 音曲を特徴づけている音階、リズム、ハー 5 コンサート、ミュージカル、オペラなどに興
楽しむ。
を持つようにする。
モニーに気を付けて聴く。
味・関心を持ち、積極的に鑑賞する。
4 身近な楽器の音色に関心を持って聴いた 4 CD、MD、テープレコーダー、DVD等で歌 4 自分の歌や演奏を録音・再生し、友達と感 4 日常生活の中で、携帯用の音楽プレイヤー
り、音当て遊びをしたりする。
を聴いて覚えたり、好きな旋律を覚えたりす 想を話し合う。
やCDプレイヤーなどを使って、好きな音楽を
る。
聴いて楽しむ。
4 曲の始まりと終わりを予測しながら聴く。
4 教師などの歌や演奏に興味を示す。
3 いろいろな音楽を聴いて、リズム、旋律、速 3 自分の歌や演奏を録音・再生して聴いて、
さ等の特徴に気を付けて、味わい楽しむ。
より美しく表現しようとする。
3 描写音楽、行進曲、舞曲、序曲、民俗音 3 自分の歌や演奏を録音し、再生して聴く。
楽、現代音楽、環境音楽などいろいろなジャン
ルの音楽を聴く。
3 オルゴール、CD、MD、テープレコーダなど 3 教師の歌や楽器の演奏を聴く。
から流れる音楽や音に関心を示す。
2 だっこ、マッサージ、ゆさぶりなどで音楽の 2 いろいろな楽器の音を聴いて、好きな音や 2 友達や教師の歌や演奏を静かに聴いて楽 2 いろいろな楽器の音色に関心を持って聴 2 いろいろな音楽の音色や人の声の特徴を 2 歌手や作曲家、演奏者などに興味を持ち、
リズムを伝えてもらい反応する。
音色を見つける。
しむ。
く。
感じとって聴く。
幅広い分野の音楽を聴いて、それぞれの特徴
が分かる。
1 体の動きで反応し、音に気付いたり、関心 1 テープレコーダーなどで、知っている歌や 1 自分でCD、MD、テープレコーダー、DVD 1 自分の好きな曲を選んで、CD、MD、テー 1 いろいろな音楽を聴いてその良さ美しさを 1 友達と好きな曲や歌を聴き合い、共有する
を示したりする。
好きな曲を楽しんで聴く。
等をかけて楽しむ。
プレコーダー、テレビ、DVD等を聴く。
楽しむ。
時間を楽しむ。
音楽の内容例
71
22 やさしいメロディーの一部を口ずさむ。
5段階
17 は っ き り し た 発 音 で 、 音 程 も で き る だ け 整 19 呼吸の仕方や口の開け方に気を付けて歌 12 呼吸の仕方や口の開け方に注意し、音程
え、正しいリズムで歌う。
う。
や歌詞を意識して歌う。
18 曲想を感じ取り、演奏の仕方を工夫する。
6段階
21 曲想を考え、その気分になって独唱や斉 14 指揮者や演奏者を意識しながら、のびの
唱をする。
びと歌う。
22 やさしい曲を、正しいメロディーで歌う。
21 どなったり、小声すぎたりしないように、
ちょうど良い声の大きさで歌う。
20 簡単な歌の内容を理解して歌う。
21 伴奏の響きを聴いて歌う。
18 劇や紙芝居などの背景音楽を、場面に応
じて選ぶ。
17 楽譜を見ながら歌ったり、弾きながら歌っ
たり、身体表現をしながら歌ったりする。
22 コンピュータで自分の歌や演奏の音色や
テンポを変えて聴く。
21 電子楽器やコンピュータを使い、旋律を流
しながらコード伴奏をしたり、好みのリズムパ
ターンを選択してバンド演奏したりする。
20 キーボード、シンセサイザー、コンピュータ
などで、自分の好みの音を作り、旋律を弾く。
25 コンピュータで音楽を聴き、コンピュータの 19 簡単なテーマを選び、場面ごとの音楽を考
操作に慣れる。
え、オペレッタなどの音楽劇をつくる。
24 簡単な音楽劇などをして楽しむ。
23 民謡や歌曲などいろいろな歌に関心を持 16 輪唱や簡単な二部合唱をする。
ち、楽しんで歌う。
21 大きい声、小さい声、のばした声などいろ 19 やさしい歌詞を、伴奏や友達と合わせて正 20 知っている歌、好きな歌、歌える歌の範囲 22 互いに歌声を聞き合って、簡単な輪唱や 15 自分の思いや願いを歌にして歌う。
いろな声を出して歌って楽しむ。
しく歌う。
を広げる。
部分合唱をする。
19 独唱や斉唱、簡単な輪唱などをする。
17 みんなと一緒に歌ったり、一人で歌ったり 18 歌詞の表わす情景を想像したりして、気持 20 拍子、スタッカート、レガート、シンコペー 13 CDの演奏に合わせて歌を歌ったり、カラ
する。
ちをこめて、きれいに歌う。
ションに注意して、正しい音程、リズムで歌う。 オケを楽しんだりする。
20 CD.MD.カセットテープなどの流れてい 18 リズムやメロディーに気を付けて歌う。
る中で、知っている歌を歌う。
19 教師の歌う簡単な歌を聴きながら歌う。
18 好きな歌の一部分を歌う。
4段階
17 友達と協力してコードを分担し、ギターで一
つの曲を完成する。
3段階
20 教師とやりとりしながら、打楽器や弦楽
器、吹く楽器などでいろいろ音を鳴らして楽し
む。
21 教師の歌や演奏と一緒に、大きな声を出し
たり、まわって歌ったりする。
2段階
16 色鍵盤と色音符を合わせてメロディを弾
き、楽しむ。
1段階
19 水笛、かっこう笛などの擬音笛やオカリ
ナ、フューポン、カズーなどを自由に吹く。
72
3 直線上を歩く。
3 階段を上った、下りたりする。
3 l~2列で正しく歩く。
2 リズムに合わせて行進する。
<いろいろな運動>
1 トランポリンやジャンピングボードで遊
ぶ。
<いろいろな運動>
1 のびのびと用具を用いて運動する
5 立幅跳び遊びをする。
<器械運動>
1 低鉄棒で足抜き回りをする。
5 走り幅跳びをする。
2 ジグザグ、S宇などのコースに沿って走 2 幅広い障害物を跳び越える。
る
3 バトンパスによるリレーをする。
3 約束を守ってリレーのバトンパスをす
る
4 やや長い距離をゆっくり走る。(5、6分 4 かなり長い距離を走る。(1000mから
程度)
3000m)
<陸上運動>
1 全力疾走する。
9 縄跳び遊びをする。
<基本的な運動>
1 全力で短い距離を走る。
8 脚の開閉跳びなどをする。
9 短縄跳び、長縄跳びをする。
8 馬跳びをする。
5 目標を持って走り幅跳びをする。
4 走り高跳びをする。
3 長距離走をする。(1000mから5000m)
2 障害走をする。
<陸上運動>
1 目標を持って短距離走をする。
<器械運動>
<器械運動>
1 低鉄棒でひざかけ振り上がり、逆上が 1 高鉄棒で振り跳びをする。
りなどをする。
4 幅跳びをする。
3 長距離走をする。(1000mから5000m)
2 小型ハードルなどで障害走をする。
<陸上運動>
1 短距離走をする。
3 体つくりの体ほぐし運動をする。
4 体の状態に合わせて体操をする。
3 遊具や鉄棒にぶら下がったりして遊
ぶ。
水
<水遊び>
の
1 プールの周りで水遊びをする。
中
で
の 2 ひざよりも浅い深さのプールの中で教
運 師と一緒に色々な水遊びをする。
動
・
水
泳
6 低い平均台の上を支えられて歩いた
り、手をひかれて歩いたりする。
2 補助具を使って顔を水につけてばた足
をする。
2 顔や頭を水の中に入れて、いろいろな 2 水の中で、目を開けたり、鼻から息を
遊びをする。
はいたりする。
4 補助具などにつかまってばた足をす
る。
3 水の中で沈み方、浮き方に慣れる。
<水泳>
1 水の中で、伏し浮きやけ伸びをする。
<水の中での運動>
<水の中での運動>
1 ひざぐらいの水中を歩いたり、走ったり 1 プールの中で、碁石拾いや輪くぐり等
する。
をして水に慣れる。
5 マットで開脚前転、開脚後転などをす
る
6 平均台の上で方向転換をする。
5 マットで連続横転や連続前転をする。
6 平均台の上を歩く。
5 マットで横転や前転をする。
6 低い平均台を歩く。
4 跳び箱を使って、跳び上がり、跳び下り 4 マットで前転、後転などをする。
をする。
3 マットで連続前転、連続後転、開脚前
転、開脚後転などをする。
3 長い距離を泳ぐ。
2 スタートやターンをする。
<水泳>
<水泳>
1 水の中で呼吸の仕方を覚え、ばた足や 1 クロール、背泳ぎ、横泳ぎなどをする。
クロールで泳ぐ。
向変換をしたり、後歩き、片足立ちなどを
する。
3 跳び箱で腕立て跳び越しなどをする。 3 平均台の上で方
4 跳び箱を使って、またぎ乗りやまたぎ
下りをする。
3 鉄棒を使って、跳び上がったり、跳び下 3 低鉄棒で前回り下りをする。
りたりする。
2 小山・固定遊具・プレイルームなどで 2 固定施設などを使っていろいろな運動 2 鉄棒にぶらさがって体を前後に振った 2 高鉄棒にぶらさがって体を前後に振っ 2 跳び箱で開脚跳び、台上前転などをす 2 眺び箱で閉脚跳びをする。
這ったり、くぐったり、またいだり、よじ登っ をする。
りする。
て跳ぶ。
る。
たり、飛び下りたりするなどの遊びをする。
<運動遊び>
1 トランポリンの上で揺れを楽しむ。
3 折り返しリレーなどの遊びをする。
<基本的な運動>
<基本的な運動>
1 手をひかれて走ったり、一緒に走ったり 1 同じ調子でかけ足をする。
する
2 まっすぐに走る。
2 緩やかなカーブを走る。
3 ペアでストレッチングをする。
2 歩・走・跳・投・捕などの全身運動をす 2 腕立て伏臥、腕屈伸などをする。
る。
7 ラジオ体操などのリズムに乗った体操 4 ラジオ体操をする。
をする。
5 音楽や合図に合わせて動きを止めた 5 ひざの屈伸や脚の前振りをしたり、脚
り、速めたりする。
を前後左右に開いたりする。
6 いろいろな動きをまねて体を動かす。 6 体の前後屈、側屈、ねん転、回旋をす
る。
7 しゃがんだり、立ったり、その場跳びを 6 幅跳び遊び、ゴム弾遊び、ケンパー跳 7 片足跳びをする。
する。
び遊び、川跳び遊びなどをする。
5 いろいろな運動の中で手足を十分に伸
ばしたり、曲げたりする。
6 支えられて片足で立つ。
5 片足で立つ。
4 腕の前・上下・左右突き、腕の内外回
旋をする。
3 腕の屈伸をする。
2 物を持ったり、かついだりして走る。
3段階
4段階
5段階
6段階
<基本的な運動>
<体つくり運動>
<体つくり運動>
<体つくり運動>
1 後ろ歩き、横歩きなどいろいろな歩き 1 速度や方向を変えて歩いたり、走った 1 身体各部位の屈伸、ねん転、回旋など 1 身体各部位の屈伸、ねん転、回旋など
方をする。
りする。
をする。
を大きな動きで行う。
4 いろいろな運動の中で脚を前後左右に 4 上肢、下肢を曲げたり伸ばしたりする。 4 体の前後屈、側屈をする。
開いたり、腕を振ったり、回したりする。
2 大また、小またなどの歩き方をする。
2段階
<基本的な運動>
1 一人で歩く。
2 低い台に上ったり、下りたりする。
4 遊具や跳び箱によじ登ったり、飛び下
た
りたりたりする。
運
動 5 マットの上でごろごろ転がる。
器
械
・
器
具
を
使
陸
上
運
動
基
本
的
な
運
動
・
体
つ
く
り
運
動
1段階
<基本的な運動>
1 教師と一緒に歩く。
体育・保健体育の内容例
73
保
健
スそ
武
ポの
道
他
・
ツの
※性に関する指導については「性教育の手引き」を参照し個別指
導計画に基づいて指導するものとする。
3 チームゲームでは、役割や作戦など友
達と協力して活動する。
2 運動に必要な用具の準備や片付けを
自主的に行う。
1 様々なスポーツの正規のルールを守っ
て運動する。
2 ダンスを鑑賞したりする。
<ダンス>
1 動きを創作し、自由に伸び伸びと踊る。
3 フライングディスクなどをする。
1 病気の時や疲れたときは適宜休養をと
る。
11 生理の処置を自分でする。
10 喫煙、飲酒、薬物乱用が健康に影響
を与えることを知る。
8 未成年の内は喫煙や飲酒、薬物乱用
の誘いに断る術を身に付ける。
2 身体の発育や健康に関心を持ち、体の
各部の働きを知る。
3 主な病気の種類を知り、進んで予防接
種や健康診断を受ける。
4 主な感染症とその予防法について知
る。
5 体ほぐし運動や音楽を聴く、仲間と遊
ぶなどして欲求やストレスに適切に対処す
る。
6 寒暖に応じて着衣を調節する。
6 身体の形態的な発達や性徴に関心を 6 職業病などについて知り、健康の保持
持ち、自分の体の状態を考えたり知ったり に努める。
する。
7 身体測定や性徴を通して、体の発育に 7 心の状態が体に現れたり、体の状態が
関心を持ち、身体各部の働きを知る。
心に現れたりするこ とを知る。
8 栄養が偏らないようにバランスの取れ 8 不安や悩みなどを家族や先生、友達な
た食事をし食べ過ぎないようにする。
ど、身近な人に相談する。
9 生理はけがや病気でないことを知る。 9 トイレや下着を汚さないようにナプキン 7 生理は毎月5日間程あることを体験を
の交換をする。
通して知る。
10 生理中はナプキンを当てて、清潔にす
ごす。
2 体の状態を考えて進んで適度な運動を
する。
3 小さなけがの処置では消毒薬を適切に 3 体調不良、不安を意識し、必要に応じ
使う。
て伝える。
4 病気の際には、体温計を適切に使い、 4 簡単なけがの手当ての仕方を知る。
薬を指示に応じて服用する。
5 進んで身体及び身辺の清潔に気を付 5 常に身体や身辺を清潔に保つ。
ける。
2 けが、体調不良などを伝える。
2 柔道や剣道、相撲などをする。
1 体調を考えて適度な運動をする。
1 運動や作業などの後に、汗をふいた
り、手足を洗ったり、うがいをしたり、着替
えたりする。
2 生徒の実態に応じて相撲などをする。 2 相撲などをする。
1 地域や季節の特性に応じてスキー、ス 1 スキー、スケート、ハイキングなどをす 1 いろいろな動作でウオーキングやジョ
ケートなどをする。
る。
ギングをする。
3 器械や器具、施設を正しく扱う。
2 特に水泳ではルールや決まりなどを心 2 安全に運動できる環境を整備する。
得て活動する。
4 自発的に用具等の準備や片付けをす 4 体育施設や用具などの安全な使い方
る。
を知り、けがのないよう気を付ける。
小学部段階では教科「生活」での指導内容を中心に、各教科
等と関連して取扱う。
<ダンス>
1 フォークダンスや民謡を踊る。
3 フライングディスクなどをする。
2 フットベースボール、ソフトボール、サッ 2 卓球、バドミントンなどをする。
カー、バスケットボールなどをする。
5段階
6段階
<球技>
<球技>
1 ワンベースボール、ティーボール、ライ 1 バスケットボール、ハンドボール、バ
ンサッカーなどをする。
レーボールなどをする。
1 簡易なルールを守って様々なスポーツ 1 運動にふさわしい服装をする。
をする。
3 友達と協力して、約束や決まりを守って 3 友達と協力して安全に運動する。
活動する。
2 集合・整列をする。
1 教師の援助を受けて1列に並んで歩く。 1 適切な間隔で1~2列で整列する。
ル 2 笛や太鼓、言葉掛けなどによる簡単な 2 合図に従って集合したり、自分の位置
・ 合図や指示により楽しんで遊んだり、運動 に並んだりする。
き したりする。
ま
3 簡単な約束を守って、友達と一緒に活
り
動する。
・
安
全
ル 1 1列に並ぶ。
2 簡単なフォークダンスや民謡を踊る。
<ダンス>
1 音楽に合わせて自由に身体表現をし
たりリズムに乗って踊ったりする。
4 簡易なルールでバスケットボール、バド
ミントン、卓球などをする。
3 簡易なルールでフットベースボール、
ティーボール、サッカーをする。
3 ボール送りゲームをする。
3 円形ドッジボールをする。
2 相手に向かってボールを投げたり、
蹴ったりする。
4段階
<球技>
1 ボールを使ってリレーをする。
2 近い距離でボールを投げたり、受けた 2 ドリブルをする。
りする。
2段階
3段階
<いろいろな運動>
<いろいろな運動>
1 ボールをついたり、蹴ったりして遊ぶ。 1 ボールをけりながら走る。
<表現遊び>
<表現運動>
<表現運動>
表
1 音楽に合わせて自由な表現をする。
現 1 音楽が流れている場所で体を動かした 1 動物などのまねをして遊ぶ。
運 り、はねたり、跳んだりする。
動
・
2 簡単なリズム遊びをする。
ダ
ン
3 音楽に合わせて歩いたり、跳んだりす 2 簡単な振り付けをしたダンスを踊る。
ス
る。
た
運
動
・
球
技
を
使
2 ボールを的当てや籠などに投げ入れ
る。
1段階
<運動遊び>
ル 1 ボールを転がしたり、投げたりする。
ボ
74
4段階
5段階
4 どんな作業にも積極的に取り組み、最後
までやりとげる。
7 作業に必要ないろいろな道具や機械など 7 作業内容と使用する道具や機械の仕組み
の仕組みを理解し、安全と衛生に気をつけて の関係が分かり、道具や機械を安全に正しく
正しく扱う。
扱う。
10 原材料の特徴と加工法との関係について
理解する。
10 製品に必要な原材料の名称が分かる。
11 原材料の扱い方を知り、必要な分量を
量って使う。
10 原材料などを無駄のないように使う。
11 原材料や製品、収穫物などを大切に扱
う。
15 いろいろな形の品物を梱包したり、ほどい 15 道具や機械を使って、品物を決められた
たりする。
手順で梱包したり、ほどいたりする。
14 簡単な梱包をしたり、ほどいたりする。
17 仕事や実習に関連する伝達、作業伝票
の処理、日報の記入などの簡単な実務を正
確にする。
18 図面を見たり、書いたりする。
17 仕事や実習に関連する作業指示書や在
庫表や報告書などが分かり、記入や読み取り
などの実務を適切に行う。
20 安全や衛生に関する用語や表示の意味 20 安全や衛生に関する手引書などを理解す
を理解する。
る。
20 自分や他人の安全・衛生に気を付けて作 21 自分や他人の安全・衛生に気を配って作 21 自分や他人の安全で衛生的な環境を確
業をする。
業をする。
保して、作業をする。
19 安全や衛生に関する用語や表示に関心
を持つ。
18 清掃の用具を使って、きれいに掃除をす 19 清掃用具を使い、清掃やゴミの処理をす 19 用途にあった清掃用具を使い、決められ
る。
る。
た手順で清掃やゴミの処理をする。
17 合図に従って仕事や実習を始め、作業場 18 簡単な図面を見たり、書いたりする。
を離れる時には、必ず、報告をする。
16 簡単な記帳事務を知る。
15 品物を並べたり、束ねたり、積み重ねたり 16 品物を数えたり、束ねたり、積み重ねたり 16 品物を正確に数えたり、決められたとおり
する。
する。
に並べたり、束ねだり、積み重ねたりする。
14 道具や機械を利用して、品物の運搬、移 14 道具や機械を利用して、決められた場所
動をする。
に正確に品物の運搬をする。
13 注意して品物などの運搬ができる。
12 品物の長さや重さなどを測ったり、数えた 13 製品や材料の長さや重さなどを測定器を 13 製品や材料の規格を適切な測定器を
りする。
使って測定する。
使って、正確に測定する。
12 原材料や製品、収穫物などの整理と保管 12 原材料や製品、収穫物をそれぞれの特
をする。
徴を理解して、それぞれ適した方法で、決め
られた場所に保管する。
11 原材料の性質を知り、無駄のないように
適切に使う。
9 道具、材料、製品を決められた場所に保
管したり、機械の管理を正確に行う。
9 道具や機械、材料などの後片付けや整理 9 道具、機械、材料、製品などの後片付け
整頓をする。
や管理をきちんとする。
8 道具や機械などの簡単な手入れをする。 8 道具や機械などの手入れや簡単な修理、 8 道具や機械などを点検し、日常的な手入
点検をする。
れや、簡単な修理をする。
7 作業に使う道具、機械などの名称、操作
の仕方を知り、安全に正しく扱う。
6 作業に必要な簡単な道具や工具を安全に 6 いろいろな道具、機械などの操作に慣れ、 6 いろいろな道具、機械などの操作に習熟
使う。
正しく扱う。
し、正確に扱う。
5 時と場に応じた服装、動作、言葉遣いなど 5 時と場に応じて服装、動作、言葉遣いなど 5 時と場に応じた服装、動作、言葉遣いなど
をする。
を身に付ける。
を正しく覚える。
4 仕事や実習の好き嫌いをしないで最後ま 4 いろいろな作業に積極的に取り組み、最
でする。
後までやりとげる。
3 ふざけたり、無駄話、よそ見などをしたりし 3 注意事項を守り、作業に集中し、長い作業 3 注意事項を守り、作業に集中し、正確に長
ないで、集中して作業や実習をする。
をする。
時間作業をする。
2 物を作ったり、育てたりすることが社会に
役立つことが分かり、自分の仕事や実習の意
味を理解する。
職業2
23 機械の故障の有無や危険な状態や不衛
生な状態であるかを点検し、必要な処置をす
る。
22 危険な場所や状況を予測して、安全に作
業する。
6段階
26 他の者の動きに協調して仕事や実習をす 26 他の者と協調して効率よく仕事や実習を
る。
する。
35 お金や物などで公私の区別をする。
34 公共職業安定所、福祉事務所などの役
割と利用の仕方に関心を持つ。
33 自分の能力や適性などがある程度分か
り、進路について関心を持つ。
35 どんなときに公共職業安定所、職業セン
ター、福祉事務所などを利用するかが分か
り、実際に利用する。
36 職業についてから職業的能力を高める方
法が分かる。
39 労働時間、賃金、休暇などの基本的労働
条件が分かり、進路選択の参考にする。
38 労働の時間や内容と報酬が関係している
ことを理解する。
41 健康保険、労災保険、年金などの制度の
あらましを知る。
40 労働時間、賃金、休暇などの基本的労働 40 職業生活をする上で、健康保険、労災保
条件について知る。
険、年金などが大切であることを理解する。
39 給料の使い方を知る。
38 労働と報酬との関係が分かる。
37 職場の組織や機構について関心を持つ。 37 職場の機構が分かり、職場では組織の一
員として働くことを理解する。
35 公共職業安定所、職業センター、福祉事
務所などの役割が分かり、利用の手続きや
方法に関心を持つ。
36 職業についてからも、たえず職業的能力
を高めようと努めることの大切なことが分が
る。
34 自分の能力や適性などを理解し、進路に 34 自分の個性や能力が発揮できる職業を
ついて考える。
知り、主体的に進路先を選択する。
32 いろいろな交通機関の利用の仕方につい 33 職場までの交通機関の利用の仕方につ 33 職場までの通勤方法や定期券などの購
て関心を持つ。
いて知る。
入方法を知る。
32 働くことの大切さや厳しさを知り、卒業後 32 働くことの意義を自覚し、卒業後の職業
の生活について自覚を持つ。
生活に見通しを持つ。
31 職場には様々な仕事や実習があり、それ
ぞれが関連していることを知る。
30 家族や先輩の職業に関心を持ち、自分の
住んでいる地域にどんな職業の種類がある
かを知る。
31 会社などで働いている人々の様子を見
て、卒業後の生活について関心を持つ。
31 いろいろな職業に関心を持ち、知識を深
める。
29 職場などの見学で、製品の生産工程や流
通について知る。
30 生産工程で仕事や実習をそれぞれ分担
し、責任を持って働くことの意義が分かる。
29 職場などの見学で製品の生産工程を知
る。
28 身近な品物がどのようにして作られるか
職場見学で知る。
28 作業の手順や指示・伝達などを理解し、
そのとおりに仕事や実習をする。
29 物を作るために、多くの人々が仕事や実 30 生産工程で仕事や実習をそれぞれ分担
習を分担し、協力していることを知る。
し、責任を持って働いていることを知る。
28 作業の決まりや指示、伝達、注意などを
よく守る。
27 仕事や実習の決まり、指示などをよく守
る。
26 必要なとき以外は、人の仕事や実習に手 27 他の者の間違いなどに気付いたら、相手 27 他の者が間違えたりした場合は、協調し
出し、口出しをしないようにする。
にそのことを伝える。
て適切に処理に当たるようにする。
25 人と協力して仕事や実習をするようにす
る。
24 仕事や実習について分からないことはよ 25 仕事や実習をするとき、分からないことは 25 仕事や実習の方法や段取りなどが分から
く聞いてする。
自ら尋ねる。
ないときは、分からないことをはっきりさせて
聞く。
23 仕事や実習の内容と、自分の分担する役 24 自分に分担された仕事や実習を時間内 24 自分が分担している仕事や実習の役割
割が分かる。
に正確に成し遂げ、作業が終了したら報告す が分かり、責任を持って正確にやりとげる、作
る。
業が終了したら報告する。
23 機械の故障や危険な状態、不衛生な状
態に気付いたら適切な処理をする。
22 機械の故障や危険な状態、不衛生な状
態に気付いたら、すぐに知らせる。
職業1
2 物を作ったり、育てたりすることに興味・関 2 物を作ったり、育てたりすることの喜びを
心を持ち、仕事や実習への意欲を持つ。
味わい、仕事や実習への自信を持つ。
6段階
21 危険な場所や物に注意して作業をする。 22 危険な場所や状況に注意して作業をす
る。
5段階
1 働くことに関心を持ち、仕事や実習に参加 1 働くことの喜びを知り、進んで仕事や実習 1 働くことの意義が分かり、積極的に仕事や
する。
に参加する。
実習をする。
4段階
職業・家庭(職業)の内容例
75
45 実習中の健康管理と安全確保の方法が
分かり、実践する。
46 実習先の製品の流通、消費などを理解す
る。
46 実習中の健康と安全に注意する。
47 生産した物が、社会でどのように利用さ
れているかを理解する。
54 コピー機、コンピュータなどの情報機器で
情報管理の方法を理解する。
45 電話で、仕事や実習に関する簡単な用件 54 電話で、仕事や実習に関する用件を伝え 53 電話で、仕事や実習に関する用件を正確
を伝えたり、受けたりする。
たり、受けたりする。
に伝えたり、受けたりする。
44 コピー機や電話など簡単な情報機器の扱 53 コンピュータ制御の機械の簡単な入力を 52 コンピュータ制御の機械の入力や操作を
いに慣れる。
行う。
行う。
52 コピー機、コンピュータなどの機器を取り 51 コピー機、コンピュータなどの機器の扱い
扱う。
方が分かり、事務作業をする。
51 職場でのサークル、厚生施設などの利用 50 職場での旅行会やサークルの参加方法
方法を知る。
や厚生施設の計画的な利用方法を知る。
42 卒業後、学校との連携を取ったり、同窓
会などに参加したりすることの大切さが分か
る。
43 職場では、様々な情報機器が使われてい
ることに関心を持つ。
49 休憩時間の使い方や、休日の計画的な
過ごし方を知る。
48 労働災害や職業病などから身を守る方法
を知る。
50 休憩時間や休日の適切な過ごし方を知
る。
49 労働災害や職業病などについて知る。
48 製品の良否が分かり、不良品を出さない 47 製品の良否を点検する方法が分かり、不
ように注意する。
良品を出さない方法を工夫する。
44 実習の様々な場面での役割を理解し、進
んで人と協力する。
45 実習の場面に応じ、進んで人と協力す
る。
41 休憩時間などの意味を知る。
40 製品や収穫物の良否が分かる。
39 実習の場面に応じて、人と協力して仕事
や実習をする。
38 仕事に関する自分の分担を理解して行う 44 仕事や実習に関する自分の分担に責任 43 仕事や実習に関する自分の分担を理解
う。
を持って、最期までやりとげる。
し、効率よく仕事や実習をやりとげる。
42 実習をする場での決まりを理解し、決まり
を遵守して実習する。
43 実習をする場でのいろいろな決まりを守
る。
37 実習先でのいろいろな決まりを守る。
6段階
42 産業現場等における実習(以下、実習) 41 産業現場等における実習(以下、実習)を
の意味を理解し、進んで仕事や実習をする。 積極的に行い、自己の進路選択に役立てる。
5段階
36 産業現場における実習(以下、実習)の
意味を理解して仕事をする。
4段階
職業3
1 進んで清潔な衣服を着る。
5段階
家庭1
1 流行を取り入れながら、自分の体にあった
衣類などを選ぶ。
6段階
5 まつり縫いや返し縫いができ、衣服のほつ 4 一人で衣服の簡単な補修をする。
れなどを直す。
6 ミシンを使って、簡単な小物や袋物などを 5 ミシンの使い方に慣れ、いろいろなものを
縫う。
縫う。
6 ボタン等を付ける。
7 布、針、糸を使って基礎縫いをする。
8 栄養素及びその働きを知り、いろいろな食 8 一日に必要な食物の量や栄養が分かり、
品を組み合わせて食べる。
バランスの良い食事をする。
7 手芸品を作り、日常の生活に生かす。
11 衛生に気を付け、洗剤、消毒剤などを適 12 食中毒について知り、食品衛生に注意す
切に使う。
る。
12 日常よく使用されている食品を使って、簡 13 日常食の献立をたてる。
単な献立をたてる。
16 食品、食器などの衛生に気を付ける。
17 主食、主菜、副菜などについて知る。
23 盛り付けや配膳をする。
18 彩りや量を考え、適切な器に盛りつける。 19 盛り付けや配ぜんを工夫し、手ぎわよくす
る。
22 電気器具、ガス器具、石油器具などの扱 17 電気器具、ガス器具、石油器具などを適 18 電気器具、ガス器具、石油器具などの手
いに慣れる。
切に扱う。
入れ、管理をする。
16 調理用具の種類、用途を知り、適切に扱 17 調理用具の手入れ、管理をする。
う。
21 調理用具などを安全に扱う。
16 自分の好みに合わせて調味料を適切に
使う。
15 献立に見合う調味料を適量使う。
20 主な調味料の使い方が分かる。
19 食品の洗い方、切り方が分かり、簡単な 14 食品の洗い方、切り方、加熱の仕方、味 15 食品の洗い方、切り方、加熱の仕方、味
調理をする。
の付け方が分かり、調理する。
の付け方を工夫し、手順よく調理する。
18 献立に合わせ、必要な材料を取りそろえ 13 献立に合わせ、必要な材料の買い物をす 14 価格や鮮度を考えて、材料を取りそろえ
る。
る。
る。
10 冷蔵庫、冷凍庫を適切に使用する。
11 冷蔵庫、冷凍庫などを適切に使用し、食
品の保存、管理をする。
10 様々な食品表示の情報に注意して、もの
を選ぶ。
15 冷蔵庫の使い方を知る。
14 食品の変質について知り、衛生的な保存
の仕方が分かる。
13 加工食品、半加工食品について知り、利
用する。
12 栄養を考え、いろいろな食品を組み合わ 9 食品製造年月日、消費期限、賞味期間な 9 添加物などに注意して、食品を選ぶ。
せて食べる。
どを見て、新鮮なものを選ぶ。
11 簡単な食品名や料理の名前が分かる。
10 簡単なししゅう、染色、織物などをする。
9 キットを使って、簡単な手芸作品を作る。
8 ミシンの使い方が分かり、直線縫いをす 7 型紙に合わせて裁断し、小物や袋物など 6 寸法や型紙のとり方が分かり、簡単な衣
る。
を作る。
服などの製作をする。
4 布地の性質に合わせ、アイロン仕上げを
する。
3 衣類などの整理や保管の仕方が分かる。
5 簡単なものにアイロンをかける。
4 洗たく用具、器具、洗剤の使い方などが分
かり、簡単な日常着などを洗たくする。
3 自分で身なりを整え、簡単な日常着などの 3 衣類などの材料やよごれに応じた洗い方 2 必要に応じクリーニング店を利用する。
手入れをする。
が分かり、洗濯する。
2 季節や場所などに合わせて自分で身なり 2 季節、温度、場所に応じた服装を着る。
を整える。
1 いつも清潔な衣服を着る。
4段階
職業・家庭(家庭)の内容例
76
23 自分の持ち物を工夫して整理・整頓する。
28 自分の持ち物を整理・整頓する。
21 食堂やレストランで、自分で注文し、作法
を守って楽しく食事する。
29 定められたとおりにゴミを分別し、適切に 25 生活の中でゴミを減らす工夫をしたり、リ
処理する。
サイクルしたりする。
37 療養中の家族や介護の必要な高齢者は 31 家族等の疾病や、高齢者のリハビリテー
通常とは異なる配慮が必要なことが分かる。 ションを理解し、生活の援助をする。
43 必要な薬を処方どおりに服薬する。
46 余暇や休日を楽しく過ごす。
45 テレビ、音楽、ゲームなどを、家族や友達 40 スポーツ、音楽、飼育・栽培などの趣味を
と一緒に楽しむ。
持ち、生活を楽しむ。
44 一日の生活に見通しを持ち、予定を立て 39 生活時間を考え、時間の有効な使い方を 32 余暇や休日を、計画を立てて有効に活用
て生活する。
工夫する。
する。
38 簡単な家庭常備薬と、家庭看護用品を正
しく使う。
36 乳幼児と触れ合い、乳幼児の生活や発達 30 乳幼児の心身の発達を理解した触れ合
などに興味・関心を持つ。
いや関わりを持つ。
42 乳幼児や高齢者に優しく接しする。
29 家庭のだんらんに参加し、家族に思いや
りの心を持つ。
35 家庭のだんらんを楽しむ。
41 家庭のだんらんに参加する。
40 家庭内における仕事の種類や分担が分
かり、手伝いをする。
39 家庭内における家族の立場や役割を理 34 家庭の仕事を分担し、家族の一員として 28 家庭の仕事を分担し、家族の一員として
解する。
の自覚を持つ。
の役割を進んで果たす。
38 地震、台風、洪水などのときには、指示に 33 災害に対する日頃の備えや避難方法な 27 地震、台風、洪水などのときには、適切に
従って行動する。
どが分かる。
行動する。
37 戸じまり、防火などの大切さを知り、事故 32 戸じまり、防火などに注意し、事故の場合
の場合に人に知らせる。
に適切な連絡をする。
36 掃除用の洗剤、殺虫剤などを安全に扱 31 掃除用の洗剤、殺虫剤などの使用法を知
う。
り、適切に扱う。
35 家庭内のいろいろな危険物を注意して取 30 家庭内のいろいろな危険物を注意して扱 26 防犯ベル、火災報知器、消火器などの正
り扱う。
い、危険な場合は適切な処理をする。
しい取り扱い方を知る。
34 指示に従ってゴミを分別する。
33 居住周りの掃き掃除など環境の整備を行 28 居住周りの定期的な清掃や草むしりなど 24 手順を考えて大掃除を行う。
う。
環境の整備を行う。
32 清掃用具、掃除機などを使って住居を清 27 家庭内の整理・整頓や清掃などを行い、 23 定期的に丁寧な整理・整頓や清掃などを
潔にする。
気持ちのよい住まい方を工夫する。
行い、より良い居住環境をつくる。
31 照明器具、冷・暖房用具などを安全に取 26 照明器具、冷・暖房器具などを効果的に
り扱う。
使用する。
30 部屋の換気、採光、照明の仕方を知り、 25 部屋の換気、採光、照明の仕方を知り、 22 照明器具、冷・暖房器具などの手入れ、
調節する。
健康な住まい方を工夫する。
補修の仕方を知る。
29 住まいの簡単な手入れや、室内の飾り付 24 住まいの簡単な手入れや、室内の飾り付
けなどの手伝いをする。
けを工夫する。
22 食堂、レストランでの食事の作法を知る。
27 マナーを守って楽しく食事をする。
26 写真や見本を見て、食事の注文をする。 21 メニューを見て、食事の注文をする。
20 調理室の整理・整頓をし、清潔にする。
家庭2
25 調理室の簡単な整理・整頓をする。
6段階
19 手順を考えながら、食事の準備や片付け 20 食事の準備や、後片付けを手順よくす
をする。
る。
5段階
24 食事の準備や後片付けをする。
4段階
5段階
6段階
家庭3
45 電話で、仕事や実習に関する簡単な用件
を伝えたり、受けたりする。
44 コピー機や電話など簡単な情報機器の扱
いに慣れる。
42 卒業後、学校との連携を取ったり、同窓
会などに参加したりすることの大切さが分か
る。
43 職場では、様々な情報機器が使われてい
ることに関心を持つ。
41 休憩時間などの意味を知る。
40 製品や収穫物の良否が分かる。
50 簡単な金銭収支を記録する
37 家計の収入、支出状況についておおよそ
を知り、家庭の経済計画に協力する。
36 現金購入、分割購入の違いが分かり、物
品の計画的な購入の大切さを理解する。
49 無駄使いをしないで預金・貯金をする。
45 プリペイドカード、キヤッシュカードなどの
利用の仕方が分かり、必要に応じて利用す
る。
46 レシート、領収書などの内容を読み取り、
家計簿に記録する。
35 予算を立てて生活することの必要性を理
解し、計画的に預金・貯金をする。
34 両性の合意等結婚の基本的事柄につい
て理解する。
48 値段の高い安いを知り、上手な買い物を 44 予算を立てて、計画的に買い物をする。
する。
43 妊娠、出産について理解する。
42 結婚の意味が分かる。
47 来客への対応や、親戚や友達の家への 41 親戚や友達の家を訪問したり、来客の対 33 礼儀正しく訪問したり、来客の応対をした
訪問の仕方を知る。
応をしたりする。
りする。
4段階
77
5段階
6段階
11 パンフレットや新聞などでよく使われてい 11 分からない単語や句の意味を辞書で調
る簡単な英語や句などで分からない単語を べ、簡単な文の意味を知る。
簡単な辞書で調べる。
10 日常生活や社会生活で多く使われる会
話や文に見られる語、句、文の内容を理解す
る。
9 外国の生活の様子や簡単な物語が書い
てある文章などを読む。
8 正しい文字の形・つづりや符号の使い方
に関心を持ち、簡単な英語を積極的に読ん
だり書いたりする。
10 自分の好き品物や自分がしたいことなど 7 自分のことを紹介する簡単な手紙を書い
を見本を見て書く。
たりする。
9 日常生活の場面の中でよく用いられる今 6 日常生活や社会生活の場面で用いられる
日の日付、品物の数、活動などを表す英語を 簡単な英語の単語や句、文を読んだり書い
たりする。
模倣して一緒に読む。
10 コンピュータで英語の文字当てゲームを 12 コンピュータのアルファベット・キーに親し 12 コンピュータを使って、簡単な英語を書い
する。
み、語や句を打ち込んだり、書いたりする。 たり、印刷したり、情報通信ネットワーク等で
送信したりする。
9 英語を使って、身近な品物を言う。
8 ゲームの中で使われるアルファベットや簡 8 簡単な英語を聞き分けたり、つづりを見分
単な英語の発音を聞いて親しむ。
けて同じものを探したり、なぞったりして親し
む。
7 アルファベットや簡単な英語の文字を書く 7 アルファベットを聞き分けたり、文字の形
ことに興味を持ち、なぞったりする。
を見分けて同じものを探したり、文字をなぞっ
たりして楽しむ。
6 地域や社会の生活場面にふさわしい簡単 5 適切な発音や文法に関心を持ち、積極的
な英語でのやりとりを楽しむ。
にコミュニケーションを行う。
5 日常の生活場面にふさわしい簡単な英語 4 社会生活の様々な場面にふさわしい表現
による表現を聞いたり、話そうとしたりする。 で、簡単な会話をする。
6 英語で挨拶を交わしたり、簡単な動作を 4 日用品や絵などを使い語、句を含む簡単 3 学校や家庭などの日常の生活場面にふさ
表す言葉を英語で話したり、自分の名前を紹 な英語でのやりとりを楽しむ。
わしい表現で、簡単な会話をする。
介する。
5 ビデオやDVDで優しい英語を扱った教材
等を見たりする。
4 生活の中の使う用具、機器、パンフレッ
ト、新聞などに使われているアルファベットや
簡単な英語を探す。
3 英語の歌を関いて楽しんだり、簡単なア 3 英語の歌を歌ったり、簡単な英語を使った
ルファベットを使ったゲームをしたりする。
ゲームをしたりして楽しむ。
2 外国の人々と一緒に楽しく活動したり、 2 外国の人々と交流し、簡単な英語などで 2 地域に住む外国人と積極的に交流し、初
ゲームをしたりして触れ合う。
答えようとする。
歩的な英語を使って簡単な会話をする。
1 外国のテレビ番組や表記(物語)などに興 1 外国のテレビ番組、映画、ニュースなどを 1 テレビのニュースや新聞を見たり、地域の
味を持ち、見て楽しむ。
見て、外国語や外国に関心を持つ。
外国人と交流したりして、外国語や外国への
関心を深める。
4段階
外国語の内容例
5段階
6段階
5 表計算ソフトを使ってデータを入力し、金銭の出納や製品の数量
管理などに活用する。
9 学校のホームページから学校行事や学習活動などの様子を発信
する。
11 携帯電話を使用し、通話や電子メールの送受信の基本的操作が 11 携帯電話を活用に関する決まりやマナーを理解し、情報の収集
できる。
やダウンロード、電子メールを効果的に活用ができる。
10 情報通信ネットワークに電子メールの送信・受信機能があること 10 電子メールで学習活動等の様子を送信・受信したり、調査・照会
を知り、利用する。
などを行ったりする。
9 情報通信ネットワークに接続してホームページを閲覧する。
8 収集した情報や発信する情報の取扱いの決まりやマナーを守って
活用する。
8 情報通信ネットワークとの接続に必要なIDやパスワードの役割を 7 情報通信ネットワークに接続し、収集したい情報を検索して生活に
知り、適切に取り扱う。
活用する。
7 プリンターやスキャナーなど、コンピュータ周辺機器を利用する。
6 アプリケーションソフトウェアを活用して年賀状や暑中見舞いなど 6 目的に合ったアプリケーションソフトウェアを選択し、インストール
を作成する。
して生活に活用する。
5 コンピュータで簡単な絵を描いたり、画像を保存したりする。
4 コンピュータなど等の情報機器で簡単な案内や連絡、日記などの 4 文書ソフトとデジタルカメラなどの周辺機器を組み合わせて使い、
文書を作成したり、保存したりする。
新聞や広報などを作成する。
3 コンピュータなど等の情報機器に関心を持ち、文書ソフトや表表計 3 コンピュータ及びその周辺機器の基本操作が分かり、入力、出力
算ソフトの画面に文字や数字、記号等を入力しコンピュータの基本的 機器の保守などをする。
な操作法や技能を知る。
2 コンピュータ等の情報機器の起動から終了までの操作に所定の 2 コンピュータなど等の情報機器が、仕事の効率を良くしたり、生産
手順があることが分かり、操作する。
等の処理や管理に役立っていることを知る。
1 生活の中でコンピュータ等の情報機器が活用され、役立っている 1 公共の機関や施設、様々な産業現場等でコンピュータなど等の情
ことを知る。
報機器が活用されていることを知る。
情報の 内容例
78
※本報告書に掲載してあるイラストは、都立多摩桜の丘学園若林
だきました。
啓教諭の御協力をいた
教育庁では、以下の者が担当した。
所属・職
氏
名
教 育 庁 指 導 部 特 別 支 援 教 育 指 導 課 長
伏見
明
教育庁指導部主任指導主事(特別支援教育担当)
緒方 直彦
教育庁指導部特別支援教育指導課統括指導主事
島添
教育庁指導部特別支援教育指導課指導主事
西岡 陽子
同
濱渦 孝治
聡
79
平成27年度東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく
都立特別支援学校の指導内容の充実事業報告書
東京都教育委員会印刷登録
平成27年度
80
第232号
発行日
平成28年3月28日
発 行
東京都教育庁指導部特別支援教育指導課
所在地
〒163-8001 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
電話番号
03(5320)6847
2