脳神経外科 - 山陰労災病院

選択科目7、脳神経外科
1)概略
このプログラムは脳神経外科学を選択する場合のプログラムである。
2)内容と方法
脳神経外科学の中でも急性疾患に関する知識を深めることを目指す。外来診療にお
いては、指導医の監督下に頭部外傷患者の診察、検査、治療に当たる。病棟診療に際
しては指導医の監督の下に共同で患者診察にあたり、診察方法の基本、中枢性疾患の
特性の理解、診断のステッブ、検査及び治療の手技を修得する。
定例で開催される、病棟回診、医局カンファレンス、画像カンファレンス、合同カ
ンファレンス、中枢神経懇話会等に参加して脳神経外科学への理解を深める。
3)到達目標
Ⅰ. 一般目標
脳神経外科医に必要とされる以下の知識・技能・態度の基本的部分を修得す
る。脳神経外科に必要な神経診断能力。
● 脳神経外科が対象とする疾患の病態の理解。
● 意識障害の救急対応を行い、その原因を診断する能力。
● 頭蓋内圧亢進を診断し、管理・治療する能力。
● 重症頭部外傷を診断し、管理・治療する能力。
● 脳血管障害を診断し、管理する能力。
● 脳腫瘍の診断能力。
● 脳神経外科の診断および治療に必要な基本的手技。
Ⅱ. 具体的目標
1.神経診断学
・意識レベルの評価(J.C.S.)
・意識レベルの評価(G.C.S.)
・脳神経症状の評価
・錐体路症状の評価
・失語の評価
・高次脳機能の評価
・髄液所見の評価
2.意識障害
・頭蓋内圧亢進の症状・徴候の説明
・脳ヘルニアの症状・徴候の診断
・髄膜刺激症状の診断
・意識障害の原因を推測し、診断計画の樹立
・意識障害の外科適応の判断
3.頭部外傷
・受傷部位の一次処置
・受傷部位の縫合処置
・全身状態を評価し、治療優先順位の説明
・適切な画像診断のオーダー実施
・びまん性脳損傷の診断
・頭部外傷の外科適応の判断し、手術方法の説明
4.脳血管障害
・CT、MRI、SPECT、脳血管撮影、頚部エコーの読影
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・高血圧性脳出血の診断と重症度の評価及び外科適応の判断
・クモ膜下出血の診断と重症度の評価及び外科適応の判断
・脳梗塞の診断と重症度の評価及び血管内治療適応の判断
・リハビリテーションの計画の樹立
5.脳腫瘍
・脳腫瘍の病態・症状の説明
・脳腫瘍の鑑別
・脳腫瘍の外科適応・手術方法の説明
・脳腫瘍の補助療法の説明
・脳腫瘍の予後の説明
6.基本的手技
・眼底検査により頭蓋内圧亢進の評価
・腰椎穿刺の方法・合併症を説明し、髄液採取の実施
・脳血管撮影の適応の説明と介助の実施
・中心静脈の確保及び管理
・気管切開の適応の説明と施術
7.重症患者の患者管理
・意識障害患者の神経徴候の変化の評価
・頭蓋内圧亢進に対する全身管理の説明
・人工呼吸器について理解し、実際の操作
・各種ベッドサイドモニターについての理解
・麻酔薬についての理解
・脳圧降下剤についての理解と実際の使用
・降圧剤についての理解と実際の使用
・脳室ドレナージの構造の理解と管理
・脳波・誘発電位の所見の評価
8.手術
・急性水頭症に対する脳室ドレナージ術の施行
・慢性硬膜下出血に対する穿頭血腫ドレナージ術の施行
・頭蓋形成術の施行
・水頭症に対する脳室―腹腔シャントの施行
・大開頭手術(外傷性血腫除去など)の助手
・顕微鏡手術(脳腫瘍、脳出血など)の助手
・血管内治療の助手
9.その他
・患者本人への正しい病状説明と対応
・急性患者の家族への正しい病状説明と対応
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4)脳神経外科(山陰労災病院) 研修形態
1)週間予定
午前(8:00~12:00)
月
(8:00-9:00)
術前・術後患者・入院患者
カンファレンス
火
水
手術
手術
症例検討・病棟処置
(8:00-9:00)
術前・術後患者・入院患者
カンファレンス
木
金
午後(13:00~17:00)
特殊検査
手術
手術
症例検討・病棟処置
(8:00-9:00)
術前・術後患者・入院患者
カンファレンス
特殊検査
手術
回診・画像カンファレンス
2)卒後研修プログラム
a)中枢神経の生理・機能に対する理解を深める。
b)脳神経外科が対象とする中枢神経疾患に対する理解を深める。
c)主に脳神経外科の急性疾患の診断・検査・治療を、指導医の指導のもとに行う。
d)脳神経外科の基本的検査手技、治療手技を研修する。
e)意識障害患者の全身管理を学ぶ。
3)指導体制
指導責任者
脳神経外科部長
田中 泰明
(専門医)
指導医責任者
第二部長 沼田 秀治
(専門医)
指導医
第三部長 田辺 路晴
(専門医)
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