脳卒中の急性期リハビリテーションの重要性について

脳卒中の急性期リハビリテーション
の重要性について
圧 や 脈 拍、心 電 図 な ど
でリスク管理をしな
がらリハビリを始め
ま す。つ ま り、集 中 治
療 室︵I C U ︶で す で
にリハビリが始まっ
て い る わ け で す。そ し
て、患 者 さ ん の 病 状 と
初期評価を合わせ急
性期リハビリの目標
設 定 を し ま す。一 般 的
に回復期リハビリが
様々な動作に対する
アプローチであるこ
と に 対 し て、急 性 期 リ
ハビリは運動機能に
アプローチするもの
で、脳 卒 中 理 学 療 法 診
療ガイドラインにそ
って早期より座位や
立位と歩行につなげ
るリハビリを行いま
す。
急性期病棟は病状が
重 い 方 が 多 く、訓 練 室
でできるようになっ
た 日 常 生 活 動 作︵A D
L ︶を、病 棟 で も 実 践
し1日も早く回復期
に移行できるよう専
任のリハビリスタッ
フ・看 護 師 の 充 実 を さ
らに図っていきたい
と思っています。
55
脳・脊髄・神経センター
脳神経外科
主任部長
島野裕史医師
リハビリテーション科
技師長
藤川
薫
後 遺 症 で 寝 た き り に な る 原 因 の 第1 位
の脳卒中。
2010年のデータでは国内で
年 間 万1,
000人が発症しています。
治療とリハビリテーションを担う島野医
師と藤川理学療法士に話を聞きました。
29
後 遺 症 と 切 り 離 せ な ら、麻 痺 や 制 限 さ れ る
動作を回復するアプ
い脳卒中
脳神経外科 島野医師 ロ ー チ を 始 め な け れ
ば な り ま せ ん。こ れ は
脳の損傷部位周辺の
Time is brain.
脳 卒 中 の 治 療 は ま さ 神 経 は、傷 つ い た 神 経
に 時 間 と の 戦 い で す。 を 補 う よ う に 変 化 す
脳卒中には脳出血や ると言われているた
ク モ 膜 下 出 血 な ど の め で、体 を 動 か す こ と
出 血 性 脳 卒 中 と、脳 血 で 後 遺 症 の 程 度 は 格
管の閉塞による虚血 段に違ってくるから
つまり、
急性期で
性 脳 卒 中 と に 大 別 さ です。
れ、そ れ ぞ れ の 原 因 に の 的 確 な リ ハ ビ リ テ
よ っ て 治 療 方 法 は ーションが日常生活
様 々 で す が、一 旦 症 状 動 作︵A D L ︶改 善 に
が 現 れ た ら 一 刻 も 早 非常に重要なのです。
い診察と治療方法を
選択しなければなり 充実したスタッフ体
制で在宅復帰を目指
ません。
脳 内 出 血 は 開 頭 手 術 します
も し く は 内 視 鏡 で 血 理学療法士 藤川
薫
腫 を 取 り 除 き、ク モ 膜
下 出 血 は 開 頭 手 術 に 現 在、リ ハ ビ リ テ ー
よる脳動脈瘤クリッ ション科では理学療
ピ ン グ 術、血 管 内 手 術 法 士、作 業 療 法 士、言
︵カ テ ー テ ル 治 療 ︶に 語 聴 覚 士 合 わ せ て
よるコイル塞栓術な 名体制でリハビリテ
ーションを行ってい
どがあります。
脳 梗 塞 の 場 合 は 血 栓 ま す。リ ハ ビ リ は 術 後
を 溶 か す t-PA
静 脈 注 2 ケ 月 以 内 の 急 性 期、
射 療 法、血 栓 を 回 収 す そ し て 回 復 期、維 持 期
る カ テ ー テ ル 治 療 な と 移 り、リ ハ ビ リ の 内
ど が あ り ま す。当 セ ン 容 が 変 わ っ て き ま す。
ターでは脳神経外科 当院では従来の急性
専 門 医 と 脳 血 管 内 治 期 病 棟 に 加 え て、 年
療専門医がチームを 前から回復期リハビ
組 み、こ れ ら の 多 く の リ 病 棟 が で き、南 河 内
治 療 方 法 の 中 か ら 患 で は 数 少 な い 急 性 期・
者さんに適切な治療 回復期の一貫したリ
を 迅 速 に 選 択 し、実 践 ハ ビ リ が 可 能 な 病 院
し て 多 く の 方 の 命 を になりました。
実際には手術の翌日
守ってきました。
し か し、手 術 が 成 功 し に 医 師 か ら リ ハ ビ リ
て も 脳 卒 中 は 後 遺 症 内 容 の 指 示 が あ り、私
が残存するケースが たちは患者さんの脳
多 く、治 療 終 了 直 後 か の 画 像 等 を 確 認 し、血
(左から)島野医師 藤川理学療法士
当院敷地内の園庭でも歩行リハビリ
を行っています
城山病院
特集
3