海道通信No.6 - 海の駅~海を楽しみ 海を味わい 海に憩う

海 の 駅 の ある町 づくりを目指す情 報 交 流 誌
みな
物 と
語4
−1枚の写真−
昭和50年文化財保護法の改正により
「伝統的建造物群保存地区」
の制度が発足した。
これにより、
城下町、
宿場町、
門前町、
港町など全国
各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られている。その登録
には、市町村が伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存
さぁ!出かけよう「海の駅へ」
事業を計画的に進めるため、保存条例に基づいて保存計画を定める
仕 組みになっている。国は市町村からの申出を受けて、我が国に
No.6(Vol.1)
MARCH 5, 2013
全国に141ヶ所ある『海の駅』は、海を楽しむ人々の楽しいコミュニティー
ミュニティー
とって価値が高いと判断したものを「重要伝統的建造物群保存地区」に選定する。
また市町
「地域との共生」⑥−海の駅のある町づくりへ−地域コミュニティーをめざして
村の保存・活用の取り組みに対し、文化庁や都道府県教育委員会は指導・助言を行い、市町
湘南海岸で誕生した海の駅と東京湾を舞台に地域との
共生をめざす海の駅を訪ねて
村が行う修理・修景事業、防災設備や案内板の設置事業に対して補助し、税制優遇措置を
設けるなどの支援を行っている。
これまで41都道府県、
81市町村、
98地区が選ばれている。
海や港に関わる地区として選定されているのは、新潟県佐渡市宿根木、石川県輪島市黒島
しょうなん・逗子マリナ海の駅/はやま港海の駅/きさらづ海の駅/よこはま・かなざわ海の駅/
えどがわ海の駅/ゆめのしま海の駅−
−
地区、
広島県豊町御手洗、
香川県塩飽本島町笠島、
長崎県平戸市大島村神浦、
宮崎県美々津
など15ヶ所余りに過ぎない。
かつて北前航路など海運の歴史を誇る日本各地の海岸線に港町
●認定式にフォーカス!地元への知名度UP一しょうなん・逗子マリーナ海の駅/はやま港海の駅 ●地域と結ぶ「もやい綱=サポート店」促
進と、夢を育む海洋塾 一 しょうなん・逗子マリーナ海の駅 ●「海の駅」を拠点に「みなと町・木更津」再生へ官民一体の町おこし 一
きさらづ海の駅 ●「海の学校」でマリンファン層を育てる 一 よこはま・かなざわ海の駅 ●福祉施設のみなさんに「海で笑顔」を継続 一
えどがわ海の駅 ● 点から面へ「海の駅エリア拡大」で動員力UP 一 ゆめのしま海の駅 ● 湘南と東京湾岸海の駅周辺の郷土自慢
は数多あるものの、
その貴重な景観や建造物群がこのまま放置され消失していくのは残念だ。
海の活動団体・企業紹介⑥/UMI協議会「(U)海に、
(M)みんなで、
(I)行こう」を合言葉に
岡山県下津井港は、江戸時代北前船や参勤交代の御座船などの風待ち潮待ちの港として、
また四国丸亀への琴平
参詣船発着港として栄えた。写真は古い建築物の軒下飾り。北前船のレリーフが、
かつての港町の繁栄を偲ばせる。
残念ながら下津井は重伝建には指定されていない。
海道通信 No.6(Vol.1)
発 行 日:平成25年3月5日
発
行:財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会
NPO法人海の駅ネットワーク
企画・制作:株式会社オズ クリエイティブ
デ ザ イン:株式会社 友デザイン事務所
■ 海の駅関連ホームページ http://www.
umi-ek
ij
.
p
■ 海の駅ブログ http://www.uminoeki.org
不許複製
初めてのボート体験に心躍らせる子どもたち
(写真提供/YBM・撮影:上田穂高氏)
集
巻頭特
さぁ
!出かけよう
「海の駅へ」
』
駅
の
『海
ご案内
『海の駅』
は全国141ヶ所、
海を楽しむ人々の楽しいコミュニティー
海の駅は、
「地域の人」
と
「身近な海」
を結ぶ架け橋
海の駅を訪れる寄港艇へ思い出に残る
クルージングメニューを紹介しております。
海の駅は、地域の皆様の「海のある暮らし」への水先案内人です。
美しい海岸線を楽しみながらのクルージングを満喫
全国各地にある海の駅は141ヶ所、それぞれの地域にふさわしい海
するには、信頼のおける寄港地を選びたいものです。
の駅のある町づくりを目指し、地域の人々の「憧れのマリンライフ」への
海の駅となっているマリーナでは、日帰りクルージング
第一歩をサポートしております。ボートやヨットの体験乗船、カヌーや
やロングクルージングでの寄港地として、ホスピタリ
ディンギーを親子で楽しむイベントを通じて、皆様の「海大好き!」宣言
ティーに富んだサービスを心がけております。マリーナ
を後押しします。海の駅が安全で楽しいマリンライフの始まりです。
施設のご利用はもちろん、愛艇の不具合の修理・点検、
周 辺のグルメ&観光情報など、係留するだけでない
サービスと笑顔でお待ちしております。
ベテランスタッフが手ほどきするボートやヨットの体験試乗から
海があるのに『海離れ』が進んでいます。そこで海を身近に感じたり、
マリンスポーツを気軽に体験できる場所として誕生した『海の駅』は、
大海原に白い航跡を残しながら、
寄港地めざすクルージングは想い出に残る
地 域の人々に「海のある暮
海の駅ロビーに飾られた案内マップ掲示版は海道の旅への誘い
保管艇と寄港艇
らしの場所と機会」を提供す
クルージング
海の駅は「マリーナ」の利便性UPと
「海道」のナビステーション
ることで、マリンレジャーを手
遥かなる水平線をめざし、
遥かなる
大海原に白い航跡を刻みながら走
軽に体験していただきます。
るボートやヨッ
ト。対岸の港町はもちろん、島々を巡るクルージン
るボートや
ボートやヨットの展示会や体
グは、オーナーキャプテンにとって思い出に残る
「海道の旅」。その
オー
験試乗会、レンタルボートや
出港地で
出港地でもあり、寄港地でもある「海の駅」は、全国各地に141ヶ
チャーターボート、ボート免許
所(平成2
(平成 5年1月現在)。いつでも、どこでも、だれでも利用でき
取得など海の駅のスタッフが
「海の駅」の施設やサービスをマリンライフにご活用ください。
る「海の
マリーナ保管艇オーナーにはイベント開催
(写真提供/YBM)
海への第一歩をエスコート。
「海が教室、風と波が先生だ!」
−すくすく育て子どもたち
海の駅の利用艇へさまざまな情報を発信しております。
海の駅
海の駅となっているマリーナでは、
海の
保管艇オーナー向けに
海離れが進む現代っ子に、海の素晴らしさ、マリ
周辺
周辺水域のクルージングを、
楽しく安全に楽しめるよう情報
ンスポーツの楽しさ、海で働く仕事の魅力や海の
発信
発信を心がけております。
例えばクルージングのための寄港
環境を学ぶカリキュラムを組み、海を舞台に知
地紹
地紹介、
寄港地周辺での新鮮な魚介類の食べ処紹介、また
力・体力の両面から元気のある子どもたちを育ん
名勝
名勝や史跡、
神社仏閣などの観光スポット紹介。また、年間
を通じての保管艇オーナー向けのイベン
トでは、釣り大会、
を通
初めてのボート乗船体験には海の駅のあるマリーナの
保管艇も協力
(写真提供YBM)
ホスピタリティーに富んだ海の駅スタッフの笑顔が
待っています
でいます。
「UMIアカデミー」
(ふくおか・マリノア海
の駅)や
「海の学校」
(よこはま・かなざわ海の駅)
、
ク
クルージング、
ヨットレース、フェスティバルなどを開催し、
また「海洋塾」
(しょうなん・逗子マリーナ海の駅)
オ
オフなしマリンライフの実現へ向けて努力しております。
他、各地の海の駅の地域活動にご期待ください。
心地よい海風で走るクルーザーでの初めてのセーリング体験
「マリンフェスティバル」
で海上保安庁巡視船見学会(写真提供/いずみさの関空マリーナ海の駅)
カヌー・ディンギー体験
(写真提供/YBM)
マリンレジャーの拠点として、
北から南まで
日本の海岸線を結ぶ海の駅
(海の駅全国マップ)
1
海の駅からの出港や海の駅への寄港時に周辺の水域案内情報も提供
厳しい天候でも本当の海を知る
「海洋塾」の生
徒たち
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
2
ュ ティーをめざして
特 集 「地域との共生」⑥ −海の駅のある町づくりへ− 地 域コミュニ
点としてのマリーナ=海の駅から地域をふまえた面としての立ち位置を考える
ふ
湘南海岸で誕生した海の駅と東京湾を舞台に地域との
共生をめざす海の駅を訪ねて
しょうなん・逗子マリーナ海の駅/はやま港海の駅/きさらづ海の駅/よこはま・か なざわ海の駅/えどがわ海の駅/ゆめのしま海の駅
潜在需要層の多い
都市圏のマリンファン層
拡大の拠点が
「海の駅」
海を舞台に
「暮らしの中のマリンラ
イフ」の夢を贈る
東京湾は静水域と呼ばれる湾奥・湾央エリ
アと外洋に近い湾口のエリアがある。東に
房総半島、
西に三浦半島を控え、
手軽な寄
港地やクルージングスポッ
トが多いエリアだ。
さらに南に航跡をのばせば伊豆七島が訪
れるボートやヨッ
トを待つ。但し、
千葉、
東京、
川崎、
横浜と産業・貿易港も多い水域で大
型船の航行も激しく、
ボートやヨットの航行
には十分な経験と安全第一を優先したい。
日本ヨット発祥の地として有名な葉山港沖には、
さまざまなボートやヨットが休日を楽しむ
多摩川
東京都
置する伊豆半島へのクルージングも楽しめ
る。
こうしたエリアでは、海の駅のネットワー
ク化を図る地域交流も始まろうとしている。
今回はこの2つの水域で海の駅としての
活動を続ける6つの海の駅を紹介する。
3
東京ディズニーリゾート
川崎
よこはま・しんやました海の駅
千葉
東京湾
東
京
湾
海ほたる
ア
ク
ア
ラ
イ
よこはま・かなざわ海の駅
ン
横浜
袖ヶ浦
よこはま・かなざわ海の駅
えどがわ海の駅
ゆめのしま海の駅
(写真提供)
横浜ベイサイ
ドマリーナ
/045-776-7599
ニューポート江戸川/03-3675-4701
東京夢の島マリーナ/03-5569-2710
神奈川県
木更津 しょうなん・逗子マリーナ海の駅
藤沢
富津岬
鎌倉
うらが海の駅
江の島
横須賀
はやま港海の駅 三 浦
半島
観音崎
浦賀水道
の海からの玄関口として、
そして対岸に位
千葉県
羽田国際空港
多い。
また、湘南海岸北部に位置する逗子
や葉山は、鎌倉や江の島など歴史的な町
きさらづ海の駅
(株)
セントラル/0483-23-2091
きさらづ海の駅
房総半島
水域は変化に富んだ魅力的なスポットが
(株)
リビエラリゾート/046-875-1504
浦安
ゆめのしま海の駅
だ。そのひとつ東京湾では、南に向けて走
ての伊豆諸島へのクルージングなど、
その
はやま港海の駅
しょうなん・逗子マリーナ海の駅
(写真提供)
(株)
リビエラリゾート
/0467-24-1000
船橋
市圏に暮らす人々のマリンライフへの拠点
れば房総半島や三浦半島、
また外洋に出
旧江戸川
東京、神奈川、千葉、埼玉という巨大な都
荒川
えどがわ海の駅
東京湾や湘南海岸と呼ばれる相模湾北部
の海岸線に立地する海の駅
(マリーナ)
は、
隅田川
海の駅に人を集める
知恵と工夫は、
「地域」
を巻き込む
仕掛けが鍵
きょなん・ほた海の駅
みうら・みさき海の駅
小網代
三浦
剱崎
城ヶ島
「東京湾周辺」海の駅マップ
館山
東京湾央部ならびに湘南海岸周辺の海の駅リスト
/045-624-2700 ●きょなん・ほた海の駅
(お食事処ばんや・ばんやの湯)
/0470-55-4844・0470-50-1126(ばんやの湯)
●よこはま・しんやました海の駅(タイクーン)
(サニ―サイドマリーナウラガ)
/046-843-4123 ●みうら・みさき海の駅
(三崎フィッシャリーナ・ウォーフ
「うらり」)
/046-881-6721
●うらが海の駅
4
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
地元への知名度UPに「認定式」
を演出する
−しょうなん・逗子マリー ナ海の駅/はやま港海の駅−その1
身近な「海」を再認識する格好の舞台が「認定式」
(株)
リビ
ビエラ
ラリゾ
ゾートが運営するリビエラ逗子マリーナの
ビ ラ逗子 リ ナの
広大な敷地には、
マリーナ施設
(係留55隻/陸置き225隻)
はもちろん、
リゾートマンション、
レストラン、結婚式場、
ホール
が林立する。昨年、
このリビエラ
逗子マリーナが相模湾で初め
ての「しょうなん・逗子マリーナ海
の駅」
として138番目に登録さ
れた。認定式には黒岩祐司神
奈川県知事も来賓として招か
れた他、
プレスや行政はじめ地
黒岩神奈川県知事も駆けつけ
海の駅への期待を語る
自社菜園でのエコもプロジェクトのひとつだ
鎌倉・湘南エリアエコタウン化プロジェクト第1弾として
「湘南
「しょうなん・逗子マリーナ海の駅
元関係者が参加。
プログラムは
認定式 」。会場にはリビエラリ
ECOLOGYTOWNリビエラ逗子マリーナ」のプレス発表と、
ゾートの経営コンセプトである
「大
気・大地・大海のエコロジー」
を具
現化する、電気自動車(EV車)
やエコ商品の展示、同時に自社
菜園も披露した。
プレス発表では
企業の社会活動の一環として
海の駅の充実を図りたいと語る
渡邊社長
同社の広報ビデオ上映後、渡
邊昇社長からは今後の方向性
や環境への取り組みが説明され、施設内での電気自動車
のカーシェアリングの実施が発表された。また黒岩神奈川
県知事は「今回のプロジェクトは、私が実践したい『こういう
海の駅認定式で
(株)
リビエラリゾート渡邊社長に認定証が手渡される
神奈川県を作りたい!』
という内容と合致します。
また海の駅
水陸両用バスでの遊覧航海には希望者が殺到した
マリーナの敷居を低くした、はやま港海の駅認定式
全国で139番目に登録
された「はやま港海の駅」
(指定管理者:
(株)
リビエ
ラリゾート)
の認定式は、葉
山御前太鼓の勇壮な音
色で幕を開けた。マリーナ
海の駅視察に訪れた真鶴町や大磯町からの皆さん
ヤードにはたくさんのテント
るスポットとしたいと思います」
と語る。天気に
が並び、水陸両用バスの
も恵まれた認定式イベントでは、山梨嵩仁葉
体験試乗はじめ、
ボート体
認定式では地元葉山「御前太鼓保存会」
も協力
山町長や柳新一郎葉山町商工会会長など
験試乗、
ライフジャケット啓発活動、
エリアス工作教室、組み
の挨拶があり、
日本のヨット発祥の地葉山の「海の駅」誕生
ひも教室など、訪れた来場者にエンターティンメント性の高い
に全面的に協力し、開かれた港としての期待感を語った。来
プログラムをそろえ、気軽に立ち
場者は甘酒や豚汁の無料サービスを受けながら、
ボート体験
寄れる
「海の駅」
をアピールした。
乗船や水陸両用バスで海上遊覧を楽しんだ。
は
『水のさと かながわ』の提唱に叶うもの
で、神奈川県の観光に大きなプラスとなる
はやま港海の駅所長
と期待しています」
と語った。
の大庭秀夫さんは
「海
の駅としてビジター艇
を増やし地元商店街
大庭さんの夢は相模湾を活用し
たネットワーク化構想
へ足を運ばせたいです
ね。今後は相模湾を
フィールドにして、大磯、真鶴、熱海、下田などとの
ネットワーク化を図り、
それぞれの拠点から相模湾
をチャーター船を使って移動し、海からの町おこしを
めざしています。海の駅から逗子や鎌倉への足も
電気自動車の導入を予定し、
楽しい時間を過ごせ
レセプション会場にはエコ関連のたくさんの機器類が展示されていた
5
電気自動車のカーシェアリングには車メーカーも協力する
免許艇を使ったボート体験乗船も喜ばれた
6
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
「サポート店」は地元とのもやい綱、
「海洋塾」
で学ぶ自然
−しょうなん・逗子マリーナ海の駅−その2
地元商店とパートナーシップを結び地域振興に貢献
海で育む子どもたちの知力・体力−海洋塾
(株)
リビエラリゾート統括部長の犬塚徹さんと
「しょうなん・
ご飯のおかずに
リビエラ海洋塾は、企業コンセプトのひとつ「大海」に込め
逗子マリーナ海の駅」
を囲むように誕生した「サポート店」
を
も、
おやつにも美
られたメッセージ「海の大きさを知り、海の楽しさを理解する」
訪ねた。このシステムは地域との共生を目標にする各地の
味しく召し上がっ
を具現化、
また企業としての社会活動、次世代育成支援の
「海の駅」のモデル事業にもなる画期的なものといえる。平
ていただけます」
一環としてソーシャルアクションプログラムを構築。子どもた
成25年1月現在、海の駅周辺に17店舗がサポート店として
と笑顔で語る。
登録されている。そのひとつ「めしやっちゃん」
((有)綱蔵)
を
リビエラの犬塚さんは「サポート店へ来る方が、海の駅か
さや、
ゴミの海洋投棄や海岸美化への関心に積極的にアプ
訪ねた。店を仕切る安田保之さんは「相模湾の新鮮な魚を
ら訪れた寄港艇のお客さんであることが確認できる仕組み
ローチする。これまで
(株)
リビエラが運営するシーボニアマ
安く、量を惜しまず提供することがモットーです。特に生しらす
が課題です。今後エリアも広がるでしょうから、地域に根付
リーナで年4回ほど開催されていたが、今後は海の駅となった
いた海の駅の看板としたいと思います」
と語る。
逗子マリーナとの隔月程度の併催が予定されている。イン
は地 元 の 特 産
「めしやっちゃん」の安田さん
(写真右)
はボート免許を
持ちウエイクボードを楽しむ
お値段は1個115円でボリュームたっぷり
ちへマリンスポーツだけでなく、海を取り巻く環境保全の大切
品ですから、
たっ
ストラクターとして指導するのは、世界一周を3度成し遂げた
ぷりと楽しんでい
セーラーの白石康次郎さんを中心にしたベテランシーマン
ただきます。今後
が顔をそろえている。アクセスディンギーやクルーザーヨット
は海の駅として
体験、小網代の森散策、磯遊び、バーベキュー、
そして白石
の知 名 度や認
さんのお話など盛りだくさんの内容だ。対象はこれまでの小
知度を上げても
学生から、中学生、
らい、パートナー
高校生、
大学生まで
として期待に応
幅を広げ、
海離れの
えたいと考えて
進んでいる現 代っ
います」
と語る。
リビエラの発行する情報誌にもサポート店が紹介されている
白石さん
(右)
が受講生たちにロープワークを指導
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
子を海へ誘う。
海の上ばかりでなく森や干潟も観察し自然を学ぶ
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
夜は白石さんの体験談を聞く
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
この海鮮丼がなんと980円。
まずはお試しあれ
もう一 軒「しらすコ
ロッケ」
が人気の「荻
原 肉 店 」を訪ねた。
経営者の渡邊英一
さんは「小坪名物の
しらす1に対しポテト2
の割合で作りました。
地元の特産品を形にした渡邊さんご夫婦
7
ディンギーヨッ
トも艤装から学ぶ
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
お母さんと一緒にカヌーで楽しむ
(写真提供/
(株)
リビエラリゾート)
8
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
「海の駅」
を拠点に「みなとまち・木 更津」再生へ官民一体の町おこし
−きさらづ海の駅
海に生きた先人たちから学ぶ、海を舞台にした町おこしへ
市民に遠かった「海とみなと」を身近にするイベント開催
東京湾に面した木更津市は潮干狩り、新鮮な魚介類、農
と上総・安房地区を結ぶ渡船営業権を与えられるという勲功
木更津市役所企画部みなと再生推進課の安田貴之さん
産品、
果樹類なども豊富で東京都民、
横浜や川崎市民などか
に恵まれ、
日本橋には木更津河岸も設けられた。
それからは木
は「平成16年に木更津発展のシンボルである
『港』
を活か
らも熱い視線が注がれる。木更津は江戸時代に大阪冬の陣
更津船
(五大力船)
が湾内を行き交い、
「江戸の台所」
を賄う
し、人・物・情報の集積地となる
「現代の船着場」
としての「み
で地元出身の24人の水夫の活躍により、
徳川幕府から江戸
物資の集積地としてはもちろん、葛飾北斎や小林一茶など
なと」の再生を目指し、市の基本
の文人墨客が訪れ上総の海からの玄関口、
江
構想を補完する上位計画として
戸湾
(東京湾)
海上交通の要所として栄えた。
「みなと木更津再生構想」
を策
その後、明治から大正にかけて、東京との定期
定しました。
その実現に向けた主
航路の開設や、鉄道の開通により海上交通と
となるイベントが、
マリンレジャー
鉄道の組み合わせで宿場町、
花街として発展。
体験を通じて木更津の「みなと」
昭和40年代には、
君津町地先に新日鉄が進出
し、木更津港湾や宅地の開発が進み、中心街
にはデパートや商
木更津市役所の窓口となってイ
ベントを切り盛りする安田さん
を満喫してもらう
「みなと木更津
うみ祭り」です。
1回目
(平成21
年)
で来場者数5,
200人、
2回目12,
000人、
3回目23,
000
店街ができ、
南房総
シーズンになると東京湾岸各地から潮干狩りに来る
ボート群
(写真提供/木更津市役所)
人、
4回目は天候が影響して15,
000人でした。参加団体も
の中核を担う商業
1回目の22団体から、
4回目には29団体と増加傾向です。
都市としての歴史
イベント運営の役割分担としては、行政手続き及び各団体
を刻んでいる。
の総合調整の窓口は市役所が。水域に関しては海の駅ネッ
浮世絵師歌川(安藤)広重が描いた「上総木更津」
(写真提供/木更津市役所)
トワークを通じてセントラルボートの大島さんに担当してもらっ
木更津内港のシンボル中之島大橋の向こうには夕焼けに包まれた富士山が美しい
(写真提供/木更津市役所)
ています。
「みなと木更津うみ祭り」
では、市民からは
『近くの
海で遊べることがわかり、
これからも港や海での余暇に期待
できそうで嬉しくなりました』
との声が寄せられています。海ほ
たるやアウトレットとの相乗効果もあるかと思いますが、市民
海の駅のそばに立つ
「みなとオアシス」の看板
に大きな反響をもらい今後も頑張りたいですね」
と語る。
東京湾アク
アク アラインの開通が首都圏に木更津を意識させている
(写真提供/木更津市役所)
9
プロジェクトメンバーを
刺激した
「船橋の港まつり」
(資料提供/セントラル
(株)
)
きさらづ海の駅
(セントラル
(株)
)
10
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
地道に継続してきた関係者への「ボート乗船体験」が功を奏す
今年、開業以来40年の歴史を迎えるヤマハボート販売
学習、消費活動が具現化することを目標としています。
また、
店の老舗セントラル
(株)
の目の前には「きさらづ海の駅」の
寄港される方には景観を主とした港のある生活が体験可能
ビジターバースがあり、対岸の横浜や東京湾岸のボートの
な港づくりをめざすものです。具体的に展開するためのキー
寄港地となっている。木更津港は平成20年に国交省から
ワードには、
まず子どもたち向けの学習の場づくりとしての
認定された
「みなとオアシス木更津」にもなっており、港の施
『学』
で、地域住民が主体となった学習機会提供とサポー
設やスペースを活用した市民参加型の、継続的なイベント
トの場を作ります。次に寄港地としての利便性を提供する
開催により
「みなと」に市民や
『 交 』で、バースの管理・運営と情報・企画の発信。最後に
水上イベントのキーマンとなって
牽引するセントラルの大島さん
来訪者が訪れることを意図した
東京湾防災ネットワーク拠点としての支援体制の『防』
で、
地域振興の拠点だ。セントラル
内港利用者間の共通認識共有となります。
とはいえ行政の
(株)
常務取締役の大島博さん
理解を得ないことにはプロジェクトも動きませんから、機会あ
は「 海の駅を利用した木更津
るごとに行政に携わる方々を海に誘うことが大切です。近隣
港の活性化コンセプトには
『市
水域へのクルージングの体験を通じて、私たちが考えている
民の暮らしの一部としての港』
を
ことを理解していただかないと、
こうしたプロジェクトも
「絵に描
ふまえ、
市民による町づくり、
文化、
いた餅」
になってしまいます」
と語る。
海上自衛隊と海上保安庁も市民と親しく接する
限定水域内で船外機付きゴムボートの操船を楽しむ親子
周辺各地から参加
したカッタークラブの
競争に声援が飛ぶ
イベントで市民に挨拶する水越勇雄木更津市長
テント内ではシェルアートを楽しむ
11
「きさらづ海まつり」
は親水メニューで市民に体験機会を提供するイベントだ
地元の商工会が中心となって数多くの屋台が並び行列をつくる
手軽に楽しめるハゼ釣り体験も人気が高い
ディンギーとクルーザーでセーリングの醍醐味を体験
豊饒の海を祈りながら稚魚放流
毎年人気のメニューとなっている憧れのボート体験に笑顔で乗りこむ
12
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
地域住民を対象にした「海の学校」で未来のマリンファン層を育む
−よこはま・かなざわ海の駅
マリーナには常時「UW旗」が掲げられ
航海の安全を願う
海の駅として「マリンレジャーへの場所と機会」の提供を軸に
国内最大規模の保管艇
他「もやい祭り」やサマーフェスティバルなど、
さまざまなオー
バース
(約1500隻係留保
ナー層に合わせたイベントで応えると同時に、独自の「ログ
管)
を持つ「よこはま・かなざ
ブック」
を作り、
スタッフのスキルアップを図る。
わ海の駅」
(横浜ベイサイド
上森達朗現支配人は
「海に親
マリーナ)は、アウトレット
しむ機会が少ない今の子どもたち
モールやレストランも隣接
に、海を教室にした様々な体験を
し、
横浜市民だけでなく東京
通じて、海の素晴らしさや楽しさ、
圏内からも訪れる人が多
また海の持つ自然の大切さを感じ
海の学校
い。海の駅としてのビジターバースもセンターハウス前にあり、
てほしいと前任者が考えスタート
ショッピングモールへもレストランへも利便性は高い。
「海と人と
したのが『YBM海の学校』
です。
のふれあい」
を具現化した
「海の学校」
は海の駅の活動として
ボートやヨット、
そしてカヌーに乗り
も注目される。毎年、
横浜市民を対象に様々なプログラム
(ボー
マリンスポーツの楽しさと同時に、海の自然を五感で感じて欲
ト乗船体験、
カヌーやアクセスディンギー乗船体験、海藻おし
しいですね。
マリーナの目の前に東京湾があります。
その向こう
ば教室など)
と、
マリンフェスティバルでのボート体験乗船会や、
に見えるのは房総半島です。
また東京湾を南に走れば太平洋
年末のイルミネーションパレードなどで市民の海へのプロム
に出ます。海の道は大きく広がり世界へとつながります。
この
ナードとなっている。
また保管艇オーナーには、
ボートやクルー
海の学校に参加する可愛いい子どもたちが、海を舞台にして
ザーでの合同クルージング、
ヨットレース、
ボート釣り大会、
この
大きく、健やかに成長することを願っています」
と語る。
年末のイルミネーションコンテストは市民も楽しみだ
(写真提供/YBM)
マリーナの新しいあり方を模索
する上森支配人
海の上を滑るようにカヌー・ディンギー体験乗船
(写真提供/YBM)
魚離れの進む子どもたちも稚魚放流で海の環境を意識 海の森を知る海藻おしばで夏休みの自由課題
する
(写真提供/YBM)
に挑戦
ボート合同クルージング
(写真提供/YBM)
オーナー
オーナー
向け
向け
イベント
イベント
海の駅のイベントにはマリーナ保管艇の協力が欠かせない
(写真提供/YBM)
13
ログブックでマリーナ
スタッフのスキルUPに努力している
クルーザーヨットレース
(写真提供/YBM)
恒例のもやい祭り
(写真提供/YBM)
14
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
区内の福祉施設の皆さんに
「海で笑 顔」
を継続−えどがわ海の駅
年末のイルミネーションコンテストは市民も楽しみだ
(写真提供/YBM)
東京湾といえどもエリアは広い。房総半島や三浦半島、
伊豆七島への変化に富んだクルージングが魅力となっている
クラブハウス2階には
「ビストロ・キャプテンズ」
があり、
美味なイタリアンも寄港艇の楽しみの一つ
地道な社会貢献活動で海の駅の存在感
東京湾奥のシンボルといえば「東京ディズニーリゾート」。
拠点としても知られている。
また、大都市・東京を後背地に持
海から眺めるディズニーシーの景観やホテル群は、子どもだけ
つアドバンテージを活かした
「ニューポートマリンクラブ」
の運営
でなく見る人の心を騒がせる。そのホテル群と葛西臨海公
も27年の長い歴史を誇り、
クラブメンバーも250人余りを数
園手前の三枚洲の間に流れているのが旧江戸川の河口。
こ
える。開業当初はヤマハ発動機
(株)
の中古艇販売と保管場
の川を遡上すること10分余り、
「妙見島」
という中州にあるの
所として、時代が移るに際しいち早く手軽にマリンライフが実
が「えどがわ海の駅」
(ニューポート江戸川)
だ。
だ 川の岸壁に
現する
「マリンクラブシステム」の導入。元気のないマリン業界
沿った長い桟
沿った長い桟橋と
しゃれたピ
の中で、堅実な経営を続ける浅見守男社長に「海の駅」
とし
ンク色のクラ
ンク色のクラブハウスが寄
ての活動をお聞きした。
「昔は区内の少年野球チームなどを
港艇を温かく迎えてくれる。
招いて体験乗船を行っていました。平成12年からマリンウィー
「えどがわ海の駅」
は、
あの
どがわ海
クをきっかけにして、区内の福祉施設(「希望の家」
と
「虹の
マリンイラストレーター「タ
家」)
を対象に、利用者の皆さんにボート乗船体験を継続して
さんが 東京から瀬
ダミ」
さんが、
います。
トータルで80人前後になりますが10月に3回に分けて
戸内海へ 「 海の駅ク
戸内海への
実施しています。東京湾奥を約1時間程度クルーズするので
ジング」
を敢行した際
ルージング
すが、
ディズニーリゾート、
ゲートブリッジ、東京スカイツリーなど
のスタートの舞台でもあ
見物し歓声を聞き笑顔を見ると嬉しいですね」
と語る。
浅見さんの温かい気持ちに感謝状が渡される
(写真提供/ニューポート江戸川)
ロビーに飾られているマリンクラブのイベントボードには笑顔が一杯だ
乗船体験には車イスごと乗れる大型クルーザーで対応
(写真提供/ニューポート江戸川)
り、
東京の下町を流れる
東京の下町を流れる
東京の
ざまな運河めぐりの
さまざまな運河め
施設の付き添いの方も思わぬボート乗船体験に興奮
(写真提供/ニューポート江戸川)
全国のマ
「ニュ
の案内パンフ
全国のマリーナか
ナから注目
ら注目されて
れている
る
「
「ニ
ューポー
ーポ
ポート
トマリンクラ
ンクラブ」
の案内パン
の案内
パンフ
15
かつて
「下
「下田国際ビルフィッシュトーナメント」
で優勝。
そのパネル展示前で笑顔の浅見さん。
そのパネル
地元の少年サッカーチーム
「葛西FC」の子どもたちも海のフィールドを満喫
(写真提供/ニューポート江戸川)
16
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーをめざして
点から面へ海の駅エリア拡大で動 員力UP−ゆめのしま海の駅
海の駅のマリーナとしてより多くの方に憩いの場を
周辺施設も取り込んだ活動メニューを
東京都内で最大規模
(660隻)
の係留バース数を誇る
「ゆ
ちろん都民の憩いの場所となっている。マリーナからは完成
海から寄港するボートやヨットばかりではなく、
イベント開催
の営業活動を指針としたいですね。これまでもマリンフェス
めのしま海の駅」
(東京夢の島マリーナ/指定管理者・スバル
したばかりの東京スカイツリーも眺められ、
1階のマリンショッ
を通じ歩いてくる人も楽しめる場所として、
レストランはもちろん
ティバルでの親子体験ヨットレース、
お花見クルーズ、運河ク
興業(株))
も東京湾奥に位置する。マリーナ手前に立つ清
プ「D
I
CS」、
2階レストラン
「LATERRAZZADa
lMa
l
e」
など
近隣の施設見学などを取り込んだメニューを構成し、
これまで
ルーズなど開催しています。今後は、第4駐車場を有効活用
掃工場の高い煙突がランドマークで、港内の一番奥の水路
が寄港艇を迎える。支配人の吉川尊徳さんにお話を伺った。
「点」
であったマリーナから周辺施設を組み入れた
「面」
として
した
「ドッグランスペース」や、周辺を走るサイクリングコース
を進むとビジターバースが用意されている。マリーナを囲む敷
「海の駅誕生の頃はマリーナ保管艇の利便性向上が目標
の休憩所として利用されるよう考
地には、夢の島熱帯植物園をはじめ、体育館、陸上競技場な
でした。
しかし、
今や時代が変わりマリン業界低迷の中で、
需要
えております。今後はスタッフ研修
どあり、
都心から車で15分という利便性もあって江東区民はも
創造活動としての地域住民への海に親しむ拠点として考えな
として相模湾のマリーナ
(海の駅)
今話題の東京スカイツリーを見学した運河クルージング
(写真提供/夢の島マリーナ)
ければならないと思います。
を巡るクルージングを予定し、保管
要はいかに海の駅として親
艇や寄港艇オーナーさんとの情報
水性に富んだイベントを開催
交換も大切なセールストークにして
し、結果として集客力向上を
いきたいと思っています」
と語る。
図りながらマリンファン層を
拡大する普及・啓発事業の
充実を図るかです。
マリンフェスティバルでは親子体験ヨット
レースを開催
(写真提供/夢の島マリーナ)
海の駅のイメージをマリーナ事業のひ
とつとして活用したいと語る吉川さん
春4月にはお花見クルー
ジングを実施
(写真提供
/夢の島マリーナ)
夢の島マリーナのビッ
グイベント
「スバル・ザ・
カップ」には100隻近
い参加艇(写真提供
/夢の島マリーナ)
全国のマリーナから注目されている
「ニューポートマリンクラブ」
の案内パンフ
17
マリンフェスティバルでの体験クルージング
(写真提供/夢の島マリーナ)
マリーナに隣接する
「熱帯植物園」の来園者を取り込むのも今後の課題だ
18
特 集 「地域との共生」⑥ − 海の駅のある町づくりへ− 地域コミュニティーめざして
湘南海岸&東京湾の海の駅周辺−郷土自慢
相模湾の湾奥である湘南海岸では古都・鎌倉が
観光地として有名だが、海を通して眺める近くの江の
島や遠くの富士山の景観は絶品だ。
また東京湾には
「ビックシティーTOKYO」
をはじめ、
横浜などが国際的
な都市として人気が高い。房総半島西側にある木更
津は、古く江戸時代から港町として知られているが、
鎌倉といえば
伝統工芸の「鎌倉彫」
もある
今では東京湾アクアラインの開通で利便性も高くな
隅田川の桜は江戸時代からの人気スポット
浅草・墨田川のほとりを練り歩く花嫁姿に注目が集まる
り、最近オープンした木更津アウトレットは、東京近郊
からの観光客で賑わっている。東京湾は対岸への航
路を使えば、
手軽に海の旅を楽しめる水域といえる。
鎌倉八幡宮の大銀杏はなくなったが、
鎌倉観光の人気のスポットだ
東京といえば浅草、六区の雰囲気は格別だ
木更津の内港で楽しめる花火大会
(写真提供/木更津市役所)
映画「寅さん」で一躍有
名になった帝釈天も見
てみたい
鎌倉由比ヶ浜から見る江の島
(左)
と富士山
ゲートブリッジとスカイツリーを見ながら子どもたちのヨットレース
みなと横浜の気分を
堪能できる山下公園
のそばの横浜グランド
ホテルの2階ロビー
房総半島から見る大島の夕景
旧江戸川
えどがわ海の駅
木更津の名物といえば「アサリ」
を楽しむ
木更津駅から港へ続く
「富士見通り」の看板
(写真提供/木更津市役所)
荒川
日本橋川では屋形
が並ぶ情緒あふれ
る江戸の気分
隅田川
サーファーのメッカ湘南海岸
横浜中華街で美味を満喫するのも
なかなかのもの
千葉県
船橋
多摩川
東京都
浦安
東京ディズニーリゾート
ゆめのしま海の駅
羽田国際空港
川崎
逗子マリーナの入口前にある
「めしやっ
ちゃん」の「海鮮五色丼」
よこはま・しんやました海の駅
京
横浜
東京都心を流れる神田川のキャンドル
ナイトをボートで楽しむ
湾
海ほたる
ア
ク
ア
ラ
イ
よこはま・かなざわ海の駅
ン
を
江戸っ子の粋を
楽しめる浅草三社まつりで
で
千葉
東京湾
東
袖ヶ浦
神奈川県
木更津 しょうなん・逗子マリーナ海の駅
■ 東京観光情報センター Tel.03-5321-3077
小さい頃に
よく歌った
「証城寺の
狸ばやし」
は木更津で
生まれた
東京スカイツリー完成後もまだまだ人気の東京タワーから見る東京湾と増上寺
19
■ 横浜市産業貿易センター観光案内所 Tel.045-221-2111
■(社)
鎌倉市観光協会 Tel.0467-23-3050
■ 逗子市役所経済観光課 Tel.0468-73-1111
■ 木更津市観光協会 Tel.0438-22-7711
富津岬
鎌倉
うらが海の駅
江の島
横須賀
はやま港海の駅 三 浦
半島
観音崎
きさらづ海の駅
房総半島
お問い合わせ先
藤沢
浦賀水道
クルージングで訪れる保田の番屋での新鮮な海の幸も人気だ
(写真提供/YBM)
きょなん・ほた海の駅
みうら・みさき海の駅
小網代
三浦
剱崎
城ヶ島
「東京湾周辺」海の駅マップ
館山
浅草の三社祭は、見る者もその迫力に酔う
20
海の活動団体・企業紹介
6
●
お問合せはこちらへ
UMI協議会
UMI協議会事務局
「
(U)
海に、
(M)
みんなで、
(I)行こう」を合言葉に、
マリンレジャー の楽しさを啓発
〒231−0011 神奈川県横浜市中区太田町4−47 (財)
日本海洋レジャー安全・振興協会内
TEL
:
045−228−3061
公式ホームページ「UMIちゃんねる」h
t
t
p
://www.
umi
n
i
i
kou.
com/
「海の駅」
イベント企画の「ボート体験試乗」
メニューとともに、親子で楽しめる
「マリンレジャー入門講座」や「海の環
の環 境保全」、
また「海の安全」啓発活動を展開する
団体や企業を紹介するコーナー。第6回目はUMI協議会。身近な海でのマリンイベントを通じ、地域との共生を促進する活動と
進す
して紹介。
15団体が力を結集し、イベント開催時に楽しいマリンレジャー体験機会を支援
『UMI協議会』
は国土交通省の掛け声のもと、
マリンスポーツに
関連する公益法人などの団体が加盟し、平成20年に活動を開
始。マリンレジャーが「誰でも、気軽に、安心して楽しめる」
レジャー
であることを広く発信するとともに、
『 海』
をより身近に感じることの
できる社会の実現を目指している。
加盟団体には、
(公財)
日本釣振興会、
(公財)
笹川スポーツ財
団、
(特)
PW安全協会、
(公財)
マリンスポーツ財団、
マリンジャーナ
協議会メンバーの強い連携を期待
しますと総会で挨拶する岩本泉国 UMI協議会への熱い思いを語る江頭さん
(左)
と
交省海事局舟艇室長
サポートする金子涼子さん
リスト会議、
(財)
日本海洋科学振興財団、
(特)
海の駅ネットワー
国土交通省海事局船舶産業課課長補佐の江頭博之さんは
ク、
(社)
レジャー・スポーツダイビング産業協会、
(一社)
日本マリー
「海を舞台にしたマリンスポーツの安全性や楽しさを、
各地の水辺
ナビーチ協会、
(一社)
日本サーフィン連盟、
(社)
日本舟艇工業会、
親水イベントを通じてPRしていくことが目標です。
それぞれの団体は
(財)
日本海洋レジャー安全・振興協
地道な活動をしていますが、単独で行
会、
(公財)
ブルーシー・アンド・グリー
う広報能力の限界と同時に、
いつも
ンランド財団、
(公財)
日本セーリング
同じメンバーしか集まらない動員力の
連盟、
日本ジェットスポーツ連盟の
弱さが課題でした。
それを各団体が一
15団体が連携し、
それぞれ特色を活
堂に集まり連携を図ることで動員力も
かす普及啓発活動を、
さまざまなイベ
UPし、
参加される市民の方にも海の
ント開催に合わせ繰り広げている。
各団体が一堂に集まり今後の活動を検討する平成24年度UMI協議会総会
海藻おしば教室
元気ハツラツな海なでしこの皆さん
海なでしこ
の
活動シーン
(写真提供/すべて
UMI協議会)
水上バイク体験
幅広い楽しさを啓発できます」
と語る。
海の駅のイベント開催時には「海なでしこ」
を起爆剤に
UMI協議会
加盟団体の
活動紹介
また江頭さんは
「もう一つの課題として、
マリンスポーツイベントの来場者に少ない
「女性」への課題を解決する必要があります。そのためにオフィシャルサポーターの
「海なでしこ」
を積極的に活用することを進めたいと考えております。海のイベントは
(公財)
ブルーシー・アンド・グリーンランド財団
のカヌー体験イベント
女性層にとって、船酔いやトイレの問題など、
どうしても参加
が躊躇されてしまいます。そこでマリンスポーツイベントに欠
かせない「花」
として「海なでしこ」
を派遣し、
イベントの雰囲
気づくりとマリンスポーツが女性にも楽しめることを若い女性
層に広く理解してもらえたらと考えております。ホームページで
(社)
日本舟艇工業会のミニボートフェスティバル
あるUMIちゃんねるには海なでしこのブログもあり、女性の
(一社)
日本マリーナビーチ協会の体験イベント
視点からのマリンスポーツ体験談を掲載し、情報発信の拠点
海なでしこのロゴマーク
として人気があります。但し
「海なでしこ」
は関東近県在住であるため、広く全国で活動
国で活動
できないのが残念です。これまでの活動は、私どもが旗振りをすることで水産省
産省((公
)
、文部
財)
日本釣振興会)
、経済産業省
(
(社)
レジャー・スポーツダイビング産業協会)
科学省
(
(一社)
日本サーフィン連盟)
など、幅広い行政組織の理解と協力を得られ
得られ
ているのも、UMI協議会の成果だと自負しています。現在加盟団体として仲間に
間に
入れて欲しいという新たな海洋関連団体からも手をあげてもらっていますので、
で、
イベント時に展示されるUMI協議会バナー
21
(財)
日本海洋レジャー安全・振興協会のビー チクリーン
発足5年を迎えるこれからが正念場といえます」
と語る。
22
海 の 駅 の ある町 づくりを目指す情 報 交 流 誌
みな
物 と
語4
−1枚の写真−
昭和50年文化財保護法の改正により
「伝統的建造物群保存地区」
の制度が発足した。
これにより、
城下町、
宿場町、
門前町、
港町など全国
各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られている。その登録
には、市町村が伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存
さぁ!出かけよう「海の駅へ」
事業を計画的に進めるため、保存条例に基づいて保存計画を定める
仕 組みになっている。国は市町村からの申出を受けて、我が国に
No.6(Vol.1)
MARCH 5, 2013
全国に141ヶ所ある『海の駅』は、海を楽しむ人々の楽しいコミュニティー
ミュニティー
とって価値が高いと判断したものを「重要伝統的建造物群保存地区」に選定する。
また市町
「地域との共生」⑥−海の駅のある町づくりへ−地域コミュニティーをめざして
村の保存・活用の取り組みに対し、文化庁や都道府県教育委員会は指導・助言を行い、市町
湘南海岸で誕生した海の駅と東京湾を舞台に地域との
共生をめざす海の駅を訪ねて
村が行う修理・修景事業、防災設備や案内板の設置事業に対して補助し、税制優遇措置を
設けるなどの支援を行っている。
これまで41都道府県、
81市町村、
98地区が選ばれている。
海や港に関わる地区として選定されているのは、新潟県佐渡市宿根木、石川県輪島市黒島
しょうなん・逗子マリナ海の駅/はやま港海の駅/きさらづ海の駅/よこはま・かなざわ海の駅/
えどがわ海の駅/ゆめのしま海の駅−
−
地区、
広島県豊町御手洗、
香川県塩飽本島町笠島、
長崎県平戸市大島村神浦、
宮崎県美々津
など15ヶ所余りに過ぎない。
かつて北前航路など海運の歴史を誇る日本各地の海岸線に港町
●認定式にフォーカス!地元への知名度UP一しょうなん・逗子マリーナ海の駅/はやま港海の駅 ●地域と結ぶ「もやい綱=サポート店」促
進と、夢を育む海洋塾 一 しょうなん・逗子マリーナ海の駅 ●「海の駅」を拠点に「みなと町・木更津」再生へ官民一体の町おこし 一
きさらづ海の駅 ●「海の学校」でマリンファン層を育てる 一 よこはま・かなざわ海の駅 ●福祉施設のみなさんに「海で笑顔」を継続 一
えどがわ海の駅 ● 点から面へ「海の駅エリア拡大」で動員力UP 一 ゆめのしま海の駅 ● 湘南と東京湾岸海の駅周辺の郷土自慢
は数多あるものの、
その貴重な景観や建造物群がこのまま放置され消失していくのは残念だ。
海の活動団体・企業紹介⑥/UMI協議会「(U)海に、
(M)みんなで、
(I)行こう」を合言葉に
岡山県下津井港は、江戸時代北前船や参勤交代の御座船などの風待ち潮待ちの港として、
また四国丸亀への琴平
参詣船発着港として栄えた。写真は古い建築物の軒下飾り。北前船のレリーフが、
かつての港町の繁栄を偲ばせる。
残念ながら下津井は重伝建には指定されていない。
海道通信 No.6(Vol.1)
発 行 日:平成25年3月5日
発
行:財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会
NPO法人海の駅ネットワーク
企画・制作:株式会社オズ クリエイティブ
デ ザ イン:株式会社 友デザイン事務所
■ 海の駅関連ホームページ http://www.
umi-ek
ij
.
p
■ 海の駅ブログ http://www.uminoeki.org
不許複製
初めてのボート体験に心躍らせる子どもたち
(写真提供/YBM・撮影:上田穂高氏)