ウィキリークス イラク戦争 米軍機密文書 新たに40万件 暴露・公表 2010

〔重要 NEWS〕 発覚! あの実写ビデオの米軍アパッチ・ヘリの僚機が「4日後」に東部バ
グダッドで、こんどは 14 人をガン・ラン(Gun Run 撃ちっ放し掃射)で虐殺!
チ・ヘリ、「5ヵ月前」にも「降伏」の意志表示をしたイラク人を虐殺!
戦争 米軍機密文書
新たに 40 万件
暴露・公表
同じ(?)アパッ
ウィキリークス
イラク
2010-10-23
ウィキリークスがイラク戦争の米軍機密文書をまたも、オンラインで公開した。
⇒
http://www.wikileaks.org/
40 万件近い膨大なもの。アメリカの人々、日本の私たち、世界の人々の目に触れずにいた、イラ
ク戦争の現実の(それでも)一端が示された。
ウィキリークスのサイトによると、今回、新たに「暴露」した米軍機密文書は 39 万 1,832 件。
2004 年1月1日から、2009 年 12 月 31 日までの期間をカバーしている(2004 年5月と 2009 年3
月を除く)。
ウィキリークスは英紙ガーディアンなどの西側報道機関のほか、今回、「アルジャジーラ」とも連
携、原資料(ファイル)を提供し分析を進めて来た。
ガーディアン
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-war-logs-military-leaks
アルジャジーラ
⇒
http://english.aljazeera.net/secretiraqfiles/
以下、ガーディアンの報道から、内容を紹介する。〔( )内は大沼のコメントです〕
【イラク戦争ˇ… ˇ… ありふれた1日の出来事】
ガーディアン紙は今回、公開された米軍機密ファイルを元に、イラク戦争たけなわの「2006 年 10
月 17 日」を、電子版で再現した。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/interactive/2010/aug/13/iraq-war-logs?intcmp=239
その日の死者はイラク人 136 人、アメリカ人 10 人。
武力行使数百件。
以下、その日の始まりの部分だけ、紹介する。
00:00(午前0時0分) 真夜中̶̶すでに戦闘が続いている。バグダッド市内南部の米歩兵部隊
の基地に、ロケット弾が撃ち込まれたのだ。酸素タンクが炎上。米軍が反撃、イラクの民間人が砲
弾の破片を胸に受け、負傷ˇ… ˇ… ˇ… ˇ…
地図とテキストをグラフィックで表示する、新たな報道手法。
1
ガーディアンの努力に脱帽!
【「降伏」を求めているのにˇ… ˇ… あの米軍ヘリが5ヵ月前にもイラク人を掃射】
2007 年2月 22 日、バグダッドで、米軍アパッチ・ヘリ「クレージーホース」が(あるいは僚機
が)トラックを攻撃した。トラックから男たちが飛び出した。
「こちら、クレージーホース。降伏を求めています」
タジ基地の司令官が、基地に配属された「法律家」と協議。
「法律家は、航空機への降伏は不可。なお有効なターゲットだと言っている」として、逃げる男た
ちを(機関砲で)掃射し、トラックにはヘルファイア・ミサイルを撃ち込んだ。
(なんてことだ!
地上部隊でないと、降伏は受け容れられない、とはˇ… ˇ… )
この米軍ヘリ「クレージーホース」とは、その5ヵ月後、バグダッドで起きた、イラクの民衆に
対して機関砲掃射を行った(ウィキリークスに掃射実写ビデオが公開された)、あのヘリ、もしくは
僚機である。
(このヘリのクルーは、今回の「降伏を求めている」との基地への通信でも分かるように、トリ
ガー・ハッピーではない。しかし、「攻撃許可」が出れば、平然と発射の引き鉄を引く彼らˇ… ˇ… )
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-war-logs-apache-insurgents-surrender?in
tcmp=239
【電動ドリルなどの拷問を黙認】
イラク政府軍の武装勢力(容疑者)に対する凄惨な拷問のありさまも報告されている。
両腕を首の後ろで縛り、天井から吊るして、電動ドリルで拷問を加えていた事例も。
米軍が 2004 年6月に出した、Frago と呼ばれる命令で、米軍(英軍)兵士がその場に居合わせた
事件以外、拷問の調査は行なわないことになったことから、サダム・フセイン下の同胞に対するリ
ンチまがいの暴力的尋問が復活した。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-detainee-abuse-torture-saddam?intcmp=239
【検問所で民間人を虐殺】
2005 年9月 23 日の夜のことだった。バグダッド市内南部、マサイッブ近くの路上の検問所。
検問所の米兵2人が近づいて来る1台の車に気付き、両手とフラッシュライトを降って、停車を
2
求めた(一方的なサイン)。
車は止まらなかった。警告の威嚇射撃を行なった。続いて2人はM249 自動機銃を発射した。そ
れぞれ、100 発以上、撃ち込んだ。
車の運転席と助手席で、イラク人の夫婦が死亡。後方座席にいた、9歳と6歳になる子どもは奇
跡的に助かった。
今回、暴露された米軍ファイルには、こんな報告が多数、含まれている。ただし、いかに部下の
米兵たちが手続きに従って行動したかを褒めそやす、上官からの報告。
ガーディアンは、こうした誤認死者の中には数十人の女性、子どもたちが含まれている、と指摘
している。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-checkpoint-killings-american-troops?int
cmp=239
【6万6千人のイラク民間人が死亡】
今回、暴露された米軍ファイルで、2004 年から 2009 年までの間に、イラクの民間人、6万 6,081
人が殺されていたことが確認された。
ガーディアンの分析では、このうち1万 5,000 人以上は、民間の集計団体「イラク・ボディー・
カウント」も把握していなかった、未報告の犠牲者だった。
この間、「敵」として殺されたイラク人は、2万 3,984 人を数えている。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/true-civilian-body-count-iraq?intcmp=239
【無人スパイ飛行船 イランの空へ】
ジャンボ・ジェット機を膨らませたような米軍の無人スパイ飛行船、「JLens」が係留装置の不具
合で、イラク内の基地から飛び立ち、イラン方面に飛び去る事故が2度にわたって起きていたこと
が、今回、暴露された米軍ファイルで分かった。
2006 年4月と 2006 年 10 月の事故。
最初の「放出」の報告は、飛行船を「さらに追跡」で終わっており、ハイテク監視気球がイラン
の手に落ちた可能性もある。
次の「放出」の際は、F18 戦闘機が撃墜のため飛び立ったˇ… ˇ… 。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/iraq-war-logs-spy-balloons-iran?intcmp=239
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【米軍アパッチ・ヘリ
機関砲掃射虐殺事件の4日後に、さらに 14 人を虐殺】
2007 年7月 12 日、バグダッド市内ニュー・バクダッドで 12 人を機関砲掃射で虐殺(実写ビデオ
がウィキリークスで暴露・公開されたその事件)した米軍のアパッチ・ヘリの僚機(クレージーホ
ース 20、とクレージーホース 21。ニュー・バクダッドで掃射したのは、クレージーホース 18)が
4日後の同月 16 日に、今度はバクダット市内東部地区で、同じような地上掃射を行い、14 人のイ
ラク民間人を殺害していたことが、今回暴露された米軍機密ファイルで分かった。
銀行を家宅捜索した地上部隊が射撃を受けたことでアパッチ・ヘ2機が出動。
AIF(反政府ゲリラ)の3つのターゲットに掃射を加えた。
このあと、アパッチのうちの1機は「AIFの可能性のあるイラク人の群れ」を発見。もう1機
の「最後のガン・ラン(地上掃射)」を浴びせた。
イラク人の協力者からの電話連絡で、「14 人殺害」が確認された。
これはニューバグダッドでの掃射の犠牲者を2人上回る。
⇒
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/22/apache-helicopters-kill-iraqi-civilians?intc
mp=239
★
ウィキリークスの今回の「公開」には、予告されていたアフガン虐殺実写ビデオは含まれていな
い。
Posted by 大沼安史
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/10/gun-run-5c50.html#more
〔NEWS〕 ガーディアン紙 米軍アパッチ・ヘリ「7.12」イラク住民虐殺事件を再
報道 死者は「19 人」「蜂の巣」にされたヴァン 生き残った兄妹にインタビュー
2010-10-26
英紙ガーディアン(電子版)は 25 日、2007 年7月 12 日、バクダッド市内ニュー・バクダッドで
起きた、米軍アパッチ・ヘリ、「クレージーホース 18」によるイラク住民の機関砲掃射虐殺事件を
再検証し、報じた。
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⇒ http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/25/wikileaks-apache-attack-iraqi-civilians
それによると、現場で殺されたイラク人は当初、報道の 12 人より7人多い 19 人。
アパッチが「撃たせてくれ」と掃射の許可を受け、30 ミリ機関砲で蜂の巣にしたヴァンは、タク
シー運転手のサラーさんのヴァン。
サラーさんは爆発音を聴いて、急いで現場に救助に駆けつけていた。当時9歳(現在 12 歳)の長
男サジャド君と当時4歳(現在7歳)の長女、ドゥアさんをヴァンに乗せて。
(もしもサラーさんが武装抵抗勢力=テロリストで、米軍と戦おうとしていたなら、幼い子ども
2人をヴァンに乗せて現場に駆けつけるはずがない!̶̶大沼)
ガーディアンの電子版の記事についた、「ウィキリークス」公開の実写ビデオを、あらためて見て
いただきたい(開始後6分 50 秒前後以降)。
サラーさんは、現場で倒れていたイラク人男性を助けようとしていたのだ。
「撃たせてくれ!」と司令官の掃射許可を求める「クレージーホース 18」!
サラーさんの兄弟は、ガーディアンの取材に対し、こう言っている。
「(ビデオを)観て、ショックを受けました。米軍兵士らがいかに暴力的か、彼らが自分の眼
下で起きていることをいかに理解していなかったかを目の当たりにしてショックを受けました。
わたしのきょうだいは救助しようとしていただけなのにˇ… ˇ… 。イラクの文化の中で、同じこと
(救助中の人を掃射で殺す)をする人はいません」
生き残った兄のサジャド君も言っている。「あの人たち(地上部隊の米兵)は私を(現場から)運
び去った。米兵の腕の中で、僕は恐ろしかった。何が起きたか、分からなかった。妹がどこにいる
か分からなかった」
サジャド君は妹とともに、グリーンゾーン内で手当てを受けたが、妹のドゥアさんは 12 発以上、
も被弾していたそうだ。
夫を米軍ヘリの掃射で失ったサラーさんの奥さんは、心に傷を負って入院したまま。二人の子ど
もの世話もできないでいるそうだ。
サラーさんの遺体は、サラーさんの兄弟がバグダッドのモルグ(死体置き場)を探しまくって見
つけた。
5
サラーさんの兄弟が米軍基地に乗り込むと、大佐が出て来て謝り、「これしかできないけれど」と
言って、5,000 ドルを差し出したそうだ。
ガーディアン紙の再検証・再報道に敬意を表する。
Posted by 大沼安史
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/10/post.html#more
〔重要NEWS〕 アメリカ
を支援
旧ソ連軍の撤退から 21 年ぶりの アフガン復帰
ジア」で取引
ープ報道
アフガンで敗れたり!̶̶ロシア
米・NATOの「アフガン戦争」
兵站ルートを保証
来月のNATOリスボン・サミットで正式発表へ
ヘリを供与 「グル
英紙インディペンデントがスク
2010-10-27
「アメリカ軍事帝国」がついに、「アフガン戦争」での「敗北」を認めた。自力では勝てないˇ… ˇ… 。
タリバンの攻勢でパキスタン・ルートの補給もままならない苦境下、ロシアに救い手を求めたの
だ。ロシアに助けてもらわなければ、来年7月からの、米軍(NATO軍)撤退開始も、覚束ない、
と。
そして、ロシアが助け舟を出した。
ロシアが支援合意̶̶英紙インディペンデントがスクープで報じた。
⇒
http://www.independent.co.uk/news/world/politics/exclusive-afghanistan-russia-steps-in-t
o-help-nato-2117468.html
http://www.independent.co.uk/opinion/leading-articles/leading-article-natos-afghan-endga
me-begins-with-a-helping-hand-from-russia-2117150.html
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/anne-penketh-natos-siren-song-may-well
-drown-out-moscows-bitter-experience-2117470.html
ロシア・ルートでの補給の確保と軍用ヘリ(Mi-21)の供与などがロシア側の支援の柱。ロシア軍
の直接介入はない見通しだが、ロシアのアフガン関与は、旧ソ連軍のアフガン撤退(1989 年)以来、
21 年ぶり。
チェチェン問題などに苦しむロシアとしては、アフガンの「安定」は望むところだが、インディ
ペンデント紙によると、今回の合意は、アメリカ側からの強い働きかけによる。「乞食に選ぶ権利は
ない」と、同紙は手厳しく指摘している。
6
ロシアの支援合意は、来月、リスボンで行われるNATOのサミットにロシアのメドヴェージェ
フ大統領が出席して正式に公表される見通し。
ロシア側は見返りに、「グルジア問題」からの「離脱」を、米・NATO側に約束させた。これは
水面下での「取引」で、公式に明らかにされる種類のものではない。
パキスタン・ルートに代わるロシア・ルート(地上)での補給は、実はこれまでも限定的な形で
続けられており、ロシア領空内の航空機の通過も認められて来た。
バルト海の不凍港、リガ(ラトビア)からロシア領内を通過し、アフガンに入る兵站ルートが全
面的に開かれることで、オバマ政権は来年7月からの米軍など撤退開始を前に、底の抜けたカルザ
イ傀儡政権の土台を少しでも下支えしたい考えのようだ。
ロシア軍ヘリの Mi-21 はすでに5機が、米軍の友軍のポーランド軍に供与され、アフガンでの戦
闘に使用されている。
ロシアは、この Mi-21 ヘリを今後、「数十機」アフガン政府軍に供与する。
ロシアはまた、アフガン政府軍と麻薬取締部隊の訓練も行うという。
インディペンデント紙は、アフガンに「デモクラシー」を移植するなど夢想に終わり、今や、ア
メリカはタリバンとの和平交渉に望みをつなぐまでに追い込まれている、と指摘している。
タリバンを交渉のテーブルに就かせることができるか、どうかも、パキスタンの軍情報部頼りだ
と。
そんな切羽詰まったところで、ロシアにすがりついたアメリカ!ˇ… ˇ…
アメリカは旧ソ連同様、アフガンで敗れたのだ。
ロシアの救いの手のなかで、アフガン戦争のエンドゲーム(終幕)は幕を開けようとしている。
(イラクもそうだったが、アフガンでも、日本はアメリカの「テロとの戦争」を支持して来た。
それが、この結末ˇ… ˇ… !)
Posted by 大沼安史
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2010/10/post-4125.html#more
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