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奥州市地域新エネルギービジョン
自然資源とエネルギーの地産地活
∼次世代につなぐエネルギー資源∼
FROM NEW ENERGY VISION
TO RENEWABLE ENERGY VISION
FOR NEXT AGE VISION
平成 19 年 2 月
岩手県 奥州市
新エネルギービジョン策定にあたって
∼次世代につなぐエネルギー資源∼
奥州市は平成 18 年2月 20 日に、水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村が合併して誕生した
ばかりの新しい市です。現在、この地域の継続的発展を願い、新市の礎となる様々な計画を策定し、
具体化に取り組んでいるところです。
新市としての様々な課題のひとつにエネルギーの問題があります。日々の生活に不可欠な資源で
あるエネルギーを得るために多額の支出をする一方で、エネルギー消費が地球温暖化を招くという
事態になっています。このことへの緊急な取り組みが世界的に求められ、日本においても、国内の
年間ガソリン消費量の 1 割に相当する 600 万キロリットルを石油以外の燃料に切り替えるとの政府
方針が示されています。今年の暖冬を見ましても、もう、地球温暖化防止に向けた待ったなしの対
応をせまられているとの感を強くします。
次の世代にこの地球の自然環境を残していくために、今我々に何が出来るのか、何をなすべきか、
奥州市民という以前に地球に生をうけたものとして、真剣に考えなければなりません。特にも、豊
富な山林資源を有効に活用すること、農耕地の低利用傾向・耕作放棄地化をくいとめることが緊急
の課題となっています。また、人口密集地域からのゴミや廃食用油の有効利用を求める市民の声も
多く寄せられるようになっています。石油などの化石資源への依存を極力少なくし再生可能なエネ
ルギー資源を活用していくこと、この豊かな自然を次の世代に継ぐことが、今に生きる我々に課せ
られた課題だと思います。
地域で作り出すことができるエネルギーは最大限自給し、再生可能エネルギーに軸足をおいた循
環型社会に近づけていくならば、奥州市は安定的な地域運営ができるものと思います。
「奪いあえば、足らず、分けあえば余る」と昔から言われます。こういった昔からの知恵と、
エネルギー利用の新しい技術を組み合わせることにより、継続的な地域発展のエネルギーがこの
「新エネルギービジョン」から創生されることを願っています。
平成 19 年 2 月
奥州市長
相原
正明
奥州市地域新エネルギービジョン
目
次
あらまし ................................................................................ 1
計画編
1
地域新エネルギービジョン策定の背景と目的 ............................................. 5
1−1 背景 ........................................................................... 5
1−2 目的 ........................................................................... 5
1−3 対象地域 ....................................................................... 6
2 地球温暖化とエネルギー消費量 ......................................................... 7
2−1 地球温暖化 ..................................................................... 7
2−2 世界の二酸化炭素排出量 ......................................................... 9
2−3 日本のエネルギー需給状況 ...................................................... 10
3 新エネルギーの概要 .................................................................. 13
3−1 新エネルギーとは .............................................................. 13
3−2 新エネルギーの種類 ............................................................ 14
3−3 新エネルギー資源と導入技術 .................................................... 21
4 地域特性の把握 ...................................................................... 24
4−1 自然環境 ...................................................................... 24
4−2 社会環境 ...................................................................... 28
4−3 市民の意識 .................................................................... 35
5 地域におけるエネルギー消費状況 ...................................................... 36
5−1 推計方法 ...................................................................... 36
5−2 推計結果 ...................................................................... 38
5−3 新エネルギーへの転換 .......................................................... 41
6 地域における新エネルギー賦存状況調査 ................................................ 42
6−1 賦存量及び利用可能量の定義と対象となる新エネルギー ............................ 42
6−2 新エネルギーの賦存量及び利用可能量 ............................................ 43
6−3 新エネルギーの効率的利用 ...................................................... 47
7 新エネルギーの導入展開 .............................................................. 49
7−1 新エネルギー導入の基本理念及び基本方針 ........................................ 49
7−2 新エネルギー導入方針 .......................................................... 50
7−3 推進体制 ...................................................................... 54
7−4 新エネルギー導入目標 .......................................................... 55
7−5 新エネルギー導入までの支援制度 ................................................ 57
8 重点プロジェクト .................................................................... 58
8−1 重点プロジェクト .............................................................. 58
8−2 地域活性化プロジェクト ........................................................ 59
8−3 普及啓発プロジェクト .......................................................... 69
8−4 重点プロジェクトの導入スケジュール ............................................ 79
資料編
あ ら ま し
あらまし
○目的
本市の地域特性にそった自然資源による新エネルギーの導入と、地域循環型社会の構築を
推進し、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出量を削減するとともに地域産業の活
性化を目指します。
○基本理念
新エネルギービジョンにおいては、基本理念を「自然資源とエネルギーの地産地活」と定め、
本市の豊かな自然を活かした新エネルギーの導入と循環型社会への転換を進めていきます。
「自然資源とエネルギーの地産地活」
○新エネルギー導入の基本方針
1.エネルギー資源の地産地活
地域の資源を地域で活用する「地産地活」の循環型社会を構築し、自立したまちづくりを推
進します。
2.産・官・学・民の協働
産業界、公的機関、研究機関、市民が一体となって新エネルギー導入に取り組みます。
3.地域産業の振興
新エネルギーと地域産業がともに発展する地域に根ざした新エネルギーの導入を推進します。
4.地域の自然環境保全
豊かな自然環境に調和した新エネルギーの導入を進め、優れた自然の保全を行います。
5.新エネルギー導入活動のPR
新エネルギー導入活動を内外へ情報発信し、普及啓発とともに情報の共有を図ります。
○新エネルギー導入目標
新エネルギー導入目標は、2016 年度までに 2004 年度の二酸化炭素(CO2)排出量の 1%
削減とします。
本市の新エネルギー導入による
CO2削減目標量
1 % (9,580t-CO2)
−
1
−
○自然環境
(地形)市街地を中心として、東西対称的に田園地域と山岳地域が存在しており、自然資源が
豊富に存在する地域です。
(気象)東北地方であるため気温が低く、冬季には暖房用エネルギーが多く利用されていると
考えられます。また山岳地帯では、風が強い地区が存在します。
○社会環境
(土地)「田」と「山林」が多く、農産系と木質系のバイオマスが豊富に存在しています。
(農業)稲作が盛んな地域ですが、米の需要低迷により田の 35%が転作田等となり低利用状態
です。
(林業)森林資源は豊富ですが、国産木材の需要低迷により林業は衰退しており、木質バイマ
スの活用が進んでいません。
(畜産)肉用牛を中心に畜産が盛ですが、家畜排せつ物処理費用の負担軽減が求められます。
(交通)自動車への依存度が高い地域です。
○奥州市のエネルギー消費量とCO2排出量
エネルギーの種類
主な消費部門
エネルギー消費量
CO2排出量
電気
産業、民生(家庭・業務)
2,594,970 GJ(24%)
400,058 t-CO2(42%)
運輸
4,665,395 GJ(43%)
315,810 t-CO2 (33%)
産業、民生(家庭・業務)
3,651,189 GJ(33%)
242,094 t-CO2 (25%)
ガソリン・軽油
ガス・灯油・重油
(
)内は、全体に対する割合
○奥州市の新エネルギー利用可能量
電気の利用可能量
187,354 MWh
(市全体の年間消費量の 26%に相当し、34,064 世帯が1年間に消費する電気に相当)
熱の利用可能量
1,301,235 GJ
(奥州市で消費されている灯油の 78%に相当し、18L 灯油タンク 1,969,777 個に相当)
生ごみ し尿・下水汚泥 廃棄物エネル
4%
1%
ギー
家畜排せつ物
3%
3%
中小水力
10 %
木質バイオマス
15%
太陽光発電
太陽熱利用
鶏糞
3%
風力発電
雪氷熱
太陽熱利用
27%
中小水力
稲収穫残渣
くず米
家畜排せつ物
鶏糞
生ごみ
太陽光発電
62%
風力発電
17 %
稲収穫残渣
43 %
し尿・下水汚泥
廃棄物エネルギー
木質バイオマス
雪氷熱
12%
図−1 電気の利用可能量の割合
廃食油
図−2 熱の利用可能量の割合
−
2
−
○地域活性化プロジェクト
地域の特徴や課題に着目した新エネルギーの導入を推進し、バイオマス資源の生産による
既存産業の活性化と、風力発電の導入や米のエタノール化などの新産業の創出を図ります。
(1)水沢区推進プラン
廃食油のBDF化と生ごみのメタン
発酵システムの導入を検討します。
物質の 流れ
電気の 流れ
ペレ ット ,チッ プ
熱 の流れ
薪 ,炭
流通
熱 需 要施 設
(2)江刺区推進プラン
大型風力発電導入の検討と
木質バイオマス活用を促進します。
木 質バイ オマ ス
近隣 施設
利用
熱需 要施 設
生ご み
ペ レッ ト,チ ッ プ
(3)前沢区推進プラン
岩堰川への中小水力発電の導入を
推進します。
薪 ,炭
江刺 区
メタ ン発酵 発電
売電
籾 , 多収 穫米
胆 沢ダ ム
伐採 木,流 木
大 型風 力発 電
熱 需要 施設
エ タ ノー ル化
中 小 水力 発電
自動車
岩堰 川など
水沢 区
胆沢 区
自 動車
B DF
前 沢区
廃 食油
衣川 区
ガス化 発電
(4)胆沢区推進プラン
米のエタノール化事業、中小水力発電、
胆沢ダムの流木活用等を推進します。
熱需 要施 設
融雪
ペ レット, チップ
薪 ,炭
中小水 力発 電
木 質バイ オ マス
岩 堰川
図−3
地域活性化プロジェクト
(5)衣川区推進プラン
木質バイオマスガス化発電事業の促進と、
チップやペレットによる熱供給事業の推進を図ります。
○普及啓発プロジェクト
(1)公共施設への率先導入と普及啓発プラン
市民や事業者へ新エネルギー導入を促すために、多くの市民の目に触れる場所への新エネルギー
の導入や、シンポジウムやセミナーによる普及啓発を推進します。
(2)エコスクール推進プラン
良好な自然環境とエネルギー資源を継承していくため、次世代を担う子供たちが環境やエネルギ
ー問題について学習しやすい学校づくりを推進します。
(3)グリーン・ツーリズムと新エネルギー体験プラン
農村体験を通じて、奥州市の文化と新エネルギーの活用方法を体験してもらう取り組みを推進し
ます。
(4)新エネルギー基金の設立プラン
市民,事業者,行政が協力して新エネルギーの導入費用を出資し、新エネルギー基金を設立する
ことを検討します。
−
3
−
計
画 編
1 地域新エネルギービジョン策定の背景と目的
1−1
背景
エネルギーは、私たちの日常生活や経済の発展には不可欠です。しかしながら、我が国は
国産のエネルギー資源に乏しく、その大部分を海外に依存しています。また、国際的に見て
も、アジアを中心とする発展途上国において、化石燃料の急速な需要の伸びが見込まれ、エ
ネルギー資源の枯渇が懸念されています。
さらに、エネルギー消費と地球温暖化は密接な関わりがあり、地球温暖化の原因となる温
室効果ガスの中で最も影響度が高い二酸化炭素は、石油・石炭などの化石燃料の消費等によ
り発生し地球温暖化を進行させています。
近年、地球温暖化をはじめとする地球規模の環境問題への取組が、緊急の課題となってい
ます。特に、京都議定書の発効のように、地球温暖化防止のための世界レベルでの取組が活
発化しており、我が国としても、2008 年(平成 20 年)から 2012 年(平成 24 年)までの温
室効果ガスの平均排出量を 1990 年(平成2年)の排出量より6%削減することを国際的に約
束しています。この目標を達成するためには、国や地方公共団体、事業者及び国民各層が連
携・協力する必要があります。
このようなエネルギーを取り巻く諸問題の解決に向け、生物が生みだすエネルギーである
バイオマスや太陽光、風力などの『新エネルギー資源』の利用を促進し、環境への負荷低減
とエネルギーの確保・多様化を図ることは、極めて重要な意味を持っています。
1−2
目的
本市は平成 18 年 2 月 20 日に、水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村の 5 市町村の合
併により誕生しました。構成市町村のうち旧衣川村、旧胆沢町においては、それぞれ、平成
11 年度、平成 15 年度に新エネルギービジョンを策定しています。旧衣川村においては木質
バイオマスガス化発電、旧胆沢町においてはバイオエタノールに着目して、全国的にも先進
的な新エネルギーの導入に取り組んできました。
新エネルギーの推進にあたっては、太陽光や風力などの自然エネルギーや、生物が生み出
すバイオマス資源などの量を把握し、地域の特性にあった技術を導入する必要があります。
本市は田や森林が多くバイオマスが豊富に存在する地域ですが、減反政策や国産木材の需
要低迷によって、その地域資源は有効に活用されているとは言えず、農業や林業の置かれて
いる立場も厳しいものとなっています。
「奥州市地域新エネルギービジョン」では、地域の特性にあった総合的な新エネルギーの
導入と循環型社会の構築により、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素の排出量を削減す
るとともに地域産業の活性化を目指します。
この地域新エネルギービジョンの策定は、海外依存度の高いエネルギー構造の改善に資す
ることのみではなく、将来の枯渇が懸念される地下資源への依存をできる限り低下させ、再
生可能な自然エネルギー資源を活用し、この豊かな環境を次世代に引き継ぐために必要なビ
ジョンとなることを目指します。
−
5
−
1−3
対象地域
対象地域は、平成 18 年 2 月 20 日の市町村合併により誕生した奥州市(旧水沢市、旧江刺
市、旧前沢町、旧胆沢町、旧衣川村)の全域とします。
図 1.3-1 対象地域(奥州市全域)
−
6
−
2 地球温暖化とエネルギー消費量
2−1
地球温暖化
(1)地球温暖化とは
地球の気温は、太陽から地球に届く熱(太陽光)と地表面から宇宙へ放出される熱のバランス
によって決まります。太陽の光によって暖められた地表面から宇宙へ放出する熱を、二酸化炭素
(CO2)などの温室効果ガスが吸収し、地球の大気を暖めています。この作用が温室に似ている
ため、「温室効果」といわれ、これにより地球の微妙な温度バランスが保たれており、地球の平
均気温は現在のところ 15℃前後となっています。
ところが近年、森林の伐採、化石燃料の過剰な消費等の人類の活動により、これら温室効果ガ
スの大気中の濃度が急激に増加してきていて、それに伴い、地球の平均気温が上昇していること
が大きな問題になっています。これが、地球温暖化問題です。
温室効果ガスの中でも、地球温暖化に最も大きな影響を及ぼしているのは二酸化炭素です。地
球温暖化の 6 割は、二酸化炭素の増加による影響とされ、私たち人間が便利で快適な生活をする
ためにエネルギーを大量に消費していることが、その要因とされています。
出典)全国地球温暖化防止活動推進センターホームページ
図 2.1-1 地球温暖化メカニズム
−
7
−
(2)地球温暖化の影響
気候変動による政府間パネル(IPCC)が 2007 年 2 月に発表した第 4 次評価報告書の第 1 作業部会
報告書では、地球温暖化が確実に起こっており、人為起源の温室効果ガスの増加が原因であると
ほぼ断定しています。
このまま地球の温暖化が進行すると、人類がこれまで経験したことのないほど温暖化した気候
となり、異常気象の頻度が増加し、地球上各地の生態系にも大きな影響を与えることが予測され
ています。このような環境を次世代に残さないためにも、私たちは新エネルギーの導入を含め、
現在大量に排出している温室効果ガスの削減に取り組む必要があります。
表 2.1-1 地球温暖化の予測
指標
21 世紀末の
平均気温
21 世紀末の
平均海面水位
積雪・海氷
予測された影響
○環境の保全と経済の発展が地球規模で両立する社会では
約 1.8℃(1.1∼2.9℃)の上昇
○化石エネルギー源を重視しつつ高い経済成長を実現する社会では
約 4.0℃(2.4∼6.4℃)の上昇
○環境の保全と経済の発展が地球規模で両立する社会では
18∼38cm の上昇
○化石エネルギー源を重視しつつ高い経済成長を実現する社会では
26∼59cm の上昇
積雪面積や極域の海氷は縮小。北極海の晩夏における海氷が、
21 世紀後半までに、ほぼ完全に消滅する
出典)気候変動による政府間パネル(IPCC)第 4 次評価報告書 第 1 作業部会報告書
(1)海水の熱膨張や氷河が融けて、海面が
上昇します。南極の氷が融けるとさら
に海面が上昇します。
(2)現在絶滅の危機にさらされている生物は、
ますます追い詰められ、さらに絶滅に近
づきます。
(3)マラリアなど熱帯性の感染症の発生範囲
が広がります。
(4)降雨パターンが大きく変わり、内陸部では
乾燥化が進み、熱帯地域では台風、ハリケ
ーン、サイクロンといった熱帯性の低気圧
が猛威を振るい、洪水や高潮などの被害が
多くなります。
(5)気候の変化に加えて、病害虫の増加で穀物
生産が大幅に減少し、世界的に深刻な食糧難
を招く恐れがあります。
出典)全国地球温暖化防止活動推進センターホームページ
図 2.1-2 地球温暖化の影響予測
−
8
−
2−2
世界の二酸化炭素排出量
(1)世界の二酸化炭素排出量の推移
地球温暖化の主な要因とされている二酸化炭素(CO2)の排出量は、18 世紀の産業革命以
降に石炭や石油などの化石燃料を大量に消費することによって急激に増加しました。大量に排
出されるようになった二酸化炭素は、地球が備える二酸化炭素吸収量を上回り、年々大気中の
二酸化炭素濃度が上昇しています。
単位:百万 CO2-トン
30,000
その他
ガス
石油
石炭
25,000
二
酸
化
炭
素
排
出
量
20,000
15,000
10,000
5,000
0
1750
1800
1850
1900
出所)オークリッジ国立研究所
図 2.2-1 燃料別のCO2排出量
出典)
「気候変動監視レポート 2005」気象庁
図 2.2-2 大気中のCO2濃度
−
9
−
1950
2000
年
2−3
日本のエネルギー需給状況
(1)エネルギー供給量の推移
エネルギー白書によると、1973 年度の日本は安価な石油を大量に輸入し、エネルギー供給の
77%を石油に頼っていました。しかし、1970 年代に二度のオイルショックを経験した日本は、
エネルギー供給を安定化させるため、石油依存度を低減させ、石油に代わるエネルギーとして、
原子力や天然ガスの導入を促進しました。その結果、2004 年度には、石油依存度が 48%と第一
次石油ショック時(77%)から大幅に改善され、その代替として、原子力(11%)、天然ガス(14%)
の割合が増加するなど、エネルギー源の多様化が図られています。
18
(単位:10 J)
30
25
ー
エ
ネ 20
ル
ギ
第
二シ
次
オ
イ ク
ル
ョッ
ョッ
第
一シ
次
オ
イ ク
ル
新エネ ルギー
水力
原子 力
15
供
給 10
量
天然ガ ス
石炭
石油
5
0
1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004
出典)「エネルギー白書 2006」資源エネルギー庁
図 2.3-1 燃料別のエネルギー供給量
(2)部門別エネルギー消費量の推移
部門別のエネルギー消費量は、石油ショック以後、産業部門がほぼ横ばいで推移する一方、
民生・運輸部門がほぼ倍増しています。その結果、産業・民生・運輸のシェアは石油ショック
当時の 4 対 1 対 1 から 2004 年度には 2 対 1 対 1 と変化しています。また、1990 年度から 2004
年度までの伸びは、産業部門がほぼ横ばいであるのに対して、民生部門が 1.3 倍、運輸部門が
1.2 倍になっています。
(単位:10 18J)
20
第
二シ
次
オ
イ ク
ル
ョッ
ョッ
16
運輸部門
民生部門
ー
エ
ネ
ル 12
ギ
第
一シ
次
オ
イ ク
ル
産業部門
消
費
量
8
4
0
1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004
出典)「エネルギー白書2006」資源エネルギー庁
図 2.3-2 部門別のエネルギー消費量
−
10
−
(3)部門別二酸化炭素排出量の推移
京都議定書の基準年度(1990 年)以降の二酸化炭素排出量をみると、産業部門は年度による
変動が激しいものの減少の傾向にあります。運輸部門は 1996 年度まで約 2 割増加し、その後横
ばいの傾向にあります。業務その他の部門と家庭部門では、継続的な増加傾向にあります。
550
産業部門(工場等)
482百万t
500
46 6百万t
(前年度比+0.1%)
︵
排
出 450
量
400
350
運輸部門(自動車・船舶等)
300
26 2 百万t
(前年度比▲0.1%)
217百万t
250
業務その他部門
(商業・サービス・事業所等)
200
22 7 百万t
(前年度比▲0.6%)
164百万t
︶
単
位
百
万
ト
ン
C
O
2
16 8 百万t
(前年度比+0.1%)
150
出典)温室効果ガスインベントリオフィス
図 2.3-3 部門別のCO2排出量
−
11
−
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1997
家庭部門
127 百万t
100
(4)家庭のエネルギー消費量
エネルギー白書によると、1965 年の一世帯当たりの年間消費エネルギーは、18.2 GJ でした
が、家電機器の普及・大型化・多様化や生活様式の変化等に伴い、厨房以外のエネルギー使用
量が大きく増加し、2004 年の一世帯当たりの年間消費エネルギーは 42.9GJ まで増加していま
す。
(単位:GJ/世帯)
50
40
動力・照明他
エ
ネ
ル 30
ギ
厨房
ー
給湯
消
20
費
量
暖房
冷房
10
0
1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004
出典)「エネルギー白書2006」資源エネルギー庁
図 2.3-4 家庭における用途別エネルギー消費量
家庭におけるエネルギー源をみると、1965 年度には家庭用エネルギー消費の 1/3 以上を石
炭が占めていましたが、その後は灯油により代替されました。また家電製品の普及、大型化・
多機能化等によって電気の割合は大幅に増加しました。現在では電気が家庭で最も多く使われ
るエネルギーとなっています。
(単位:GJ/世帯)
50
40
太陽熱
エ
ネ
ル 30
ギ
石炭他
消 20
費
量
都市ガス
灯油
ー
LPガス
電気
10
0
1965 1968 1971 1974 1977 1980 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004
出典)「エネルギー白書2006」資源エネルギー庁
図 2.3-5 家庭における燃料別エネルギー消費量
−
12
−
3 新エネルギーの概要
3−1
新エネルギーとは
新エネルギーとは、太陽光エネルギーや風力エネルギーなどの「自然エネルギー」、ごみ
焼却廃熱や下水熱など今まで利用さていなかったエネルギーを有効に利用する「廃棄資源由
来のエネルギー」、コージェネレーションやクリーンエネルギー自動車などの新しい技術に
より効率的なエネルギー利用をする「従来型エネルギーの新利用形態」を総称しています。
新エネルギーは利用しても二酸化炭素(CO2)排出量が少ないため、石油燃料の代わりに
利用することで、地球温暖化の要因となっているCO2排出量を削減することができます。
新エネルギーの定義は、
「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(略称:新エネル
ギー法又は新エネ法)」により、「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制
約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」
とされており、図 3.1-1 に示すような種類があります。
水力発電や地熱利用は、新エネ法における新エネルギーに該当しませんが、岩手県は水力
エネルギーと地熱エネルギーを新エネルギーとして取り扱っています。また、電力会社に新
エネルギーの利用を義務付けている「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別
措置法(RPS 法)」においては、
「1000kW 以下の水力発電」と「地熱発電」も新エネルギーの
対象となっています。
本市においても、地域特性を活かすことのできる「中小水力発電」を新エネルギーとして
考えます。
エネルギー全般
石油
石油代替エネルギー
石炭
天然ガス
原子力
従来型エネルギー
の新利用形態
再生可能エネルギー
自然エネルギー
水力発電
廃棄資源由来のエネルギー
地熱
太陽光発電
新エネルギー
太陽熱利用
風力発電
バイオマス発電
バイオマス熱利用
バイオマス燃料製造
エネルギー
作物
雪氷熱利用
中小水力発電
波力発電
クリーンエネルギー
廃棄物発電
自動車
(黒液)
(木くず、廃材 )
(バイオガス)
(汚泥)(糞尿)
廃棄物熱利用
天然ガス
コージェネレーション
廃棄物燃料製造
燃料電池
温度差エネルギー
海洋・温泉温度差発電
図 3.1-1
新エネルギーの分類
−
13
−
3−2
新エネルギーの種類
(1)太陽光発電
太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを太陽光パネルで直接電気に変換する発電シス
テムです 。発電した電気が余れば電力会社に電気を売ることができます。太陽光が届けば発
電が可能であるため設置場所の制限がほとんどなく、電気が通っていない地域で自家用電源
としても利用が可能です。システムに可動部分や高温高圧の部分がないため保守が容易で
あり、 低価格化も進んできているため、一般家庭への設置が増えています。
出典)NEDO 資料
図 3.2-1 太陽光発電システム
(2)太陽熱利用
太陽熱利用とは、太陽の光エネルギーが集熱器へ照射することによって発生する熱エネル
ギーを風呂・台所等の給湯や暖房に使用するシステムです。
太陽熱によって温められた温水をそのまま使う太陽熱温水器(自然循環型)、さらに高性能
な強制循環型のソーラーシステム(アクティブソーラーシステム)があります。後者は、集
熱のために水や空気等を強制的に循環させ、給湯だけでなく、床暖房や冷房にも使用できる
システムです。
出典)NEF 資料
図 3.2-2 太陽熱利用システム
−
14
−
(3)風力発電
風力発電とは、風の力で風車の羽根をまわし、その動力により発電機を動かし、電気を
発生させる発電方法です。風の運動エネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できる
ので効率性にも優れ、また大型になるほどスケールメリット(規模のメリット)が働くた
め、大型化すれば発電のコスト低減も期待できます。
また、大型の風車だけでなく定格出力が数 kW 以下の小型風力発電が補完型の分散電源と
して利用されています。
出典:NEF 資料
図 3.2-3 風力発電システム
(4)雪氷熱利用
降雪地域において冬季に降り積もった雪や氷を断熱材で覆われた貯蔵庫に蓄え、夏場に施
設冷房や作物の冷蔵保管に利用します。捨て場所に困る雪も有効利用でき、適度な湿度を持
っているので農作物を乾燥させずに保存できます。雪氷熱利用は、自然の雪や氷のクリーン
なエネルギーを利用するものであり電気の消費量を削減することができます。
出典:NEF 資料
図 3.2-4 雪氷熱利用
−
15
−
(5)中小水力発電
中水力発電とは、水が高い所から低い所へ流れ落ちる力を利用して水車を回し、水車につ
ながれた発電機を回転させて電気を起こす発電方式です。水をそのまま利用する方法(自流
式)や、調整池を設置し水路への水をコントロールして発電する方式、それをさらに大きくし
た貯水池式があります。水のエネルギーは、落差と流れる水の量(流量)の積により求める
ことができ、落差と流量が多ければ多いほど、発電量も大きくなります。
出典:NEDO 資料
図 3.2-5 中小水力発電
(6)農産系バイオマスエネルギー
農産系バイオマスエネルギーは、農作物の収穫時にでる残渣(稲わら・もみ殻)を燃焼
させたり、サトウキビやトウモロコシ、米などの農作物を発酵させバイオエタノール等の
燃料を製造したりします。生成されたエタノールは、ボイラなどの燃料としてや、ガソリ
ンに一定の割合で混合され利用されます。
収穫残渣
燃料
農産物
バイオエタノール化
自動車燃料
図 3.2-6 農産系バイオマスエネルギー
植物系のバイオマスエネルギーはカーボンニュートラルと呼ば
れる性質があり、焼却されてCO2を排出しても、成長過程の
光合成によりCO2を吸収しているため、ライフサイクル全体
でみると大気中のCO2を増加させません。
図 3.2-7 カーボンニュートラル
−
16
−
(7)畜産系バイオマスエネルギー
畜産系バイオマスエネルギーとは家畜(牛・豚・鶏)の排せつ物です。含水率の低い鶏の
排せつ物は燃料として利用可能ですが、含水率の高い牛や豚の排せつ物はメタン発酵での利
用が有利です。メタン発酵とは、家畜排せつ物などの有機物が酸素のない状況で雑多な微生
物の活動により分解され、メタンを含んだガスを生成する反応です。生成したメタンガスを、
ガスエンジンで利用することにより発電することができます。
家畜排せつ物
メタン発酵
鶏糞
発電
燃料
図 3.2-8 畜産系バイオマスエネルギー
(8)木質系バイオマスエネルギー
木質系バイオマスエネルギーには、森林の樹木の他に製材所の廃材、建築廃材があ
ります。利用しやすいようにチップ(大きな材木を細かく砕いたもの)、ペレット(お
がくずや樹皮を固めたもの)、炭(木材を炭化したもの)などに加工されて、ボイラや
ストーブの燃料として活用され、発電に利用されることもあります。
最近では木質系バイオマスを高温で熱分解し、揮発成分をガス化させて発電を行うガス
化発電があります。
加工
ペレット
燃焼
薪ストーブ
森林資源
炭
チップ
図 3.2-9 木質系バイオマスエネルギー
−
17
−
ペレットボイラ
(9)廃棄物系バイオマスエネルギー
可燃ごみとして処理されている生ごみや、し尿,下水処理場で発生する処理汚泥をメタン
発酵させ、発生したメタンガスをガスエンジンの燃料として発電を行います。
その他に、家庭や飲食店で料理に利用された植物油を回収して、BDF(バイオディーゼ
ル燃料)を生成し、自動車の燃料として利用する取り組みも全国で行われています。
メタン発酵
生ごみ
廃食油
発電
BDF
自動車燃料
図 3.2-10 廃棄物系バイオマスエネルギー
(10)廃棄物エネルギー
ごみを焼却する時に発生する高温の燃焼ガスにより、ボイラで高温高圧の蒸気を作り、そ
の蒸気でタービンを回転させて発電します。その際に発生する熱を温水等の形で取り出して
地域の冷暖房の熱源として有効に活用することもできます。
出典:NEF 資料
図 3.2-11 廃棄物エネルギー
−
18
−
(11)温度差エネルギー
温度差エネルギーとは、河川水・海水等の水温と私たちが生活する気温といった自然に存
在する温度差や、工場や変電所等の廃熱など、これまであまり利用されてこなかった廃棄資
源由来のエネルギーのことです。
例えば、河川水を熱源の水とする場合、大気温度に比べ冬期は高く、夏期には低い特性を
持つ河川水の熱を使うことで、エアコンなどのエネルギー効率を向上させことができます。
この熱は、ヒートポンプとよばれる装置を用いて抽出され、冷暖房や給湯に利用されてい
ます。
出典:NEF 資料
図 3.2-12 温度差エネルギー
(12)クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車とは、CO2や窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等、
地球温暖化や大気汚染の原因となる有害物質を全く排出しない、または排出してもその量が
少ないなどと環境に配慮した低公害の自動車です。
クリーンエネルギー自動車には、電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス自動車、メタノ
ール自動車があります。最近では、水素と酸素を反応させて電気を得て、モーターで走る燃
料電池車が次世代型のクリーンエネルギー自動車として注目されています。
出典:NEF 資料
図 3.2-13 クリーンエネルギー自動車
−
19
−
(13)天然ガスコージェネレーション
天然ガスコージェネレーションとは、天然ガスを燃料にガスエンジンやガスタービンを回
し、
「電気」と「熱」を同時に作り出し利用するシステムです。
「電気」は照明・空調に、
「熱」
は温水や蒸気の形で取り出し、給湯・冷暖房・工場の熱源等に利用します。このように「電
気」と「熱」をムダなく有効に利用できるため、燃料が本来持っているエネルギーの利用効
率(総合エネルギー効率)は、約 70∼80%にも達します。
出典:NEF 資料
図 3.2-14 天然ガスコージェネレーション
(14)燃料電池
燃料電池とは、水の電気分解の逆の原理で水素と酸素の化学反応(2H2 + O2 → 2H2O)によ
り、直接、電気を作り出す装置で、発電と同時に発生する熱も活かすことができます。
燃料電池の燃料となる水素は、一般的に天然ガス、メタノール等の燃料を改質して製造し、
酸素は、大気中から取り入れます。将来、海水を電気分解すれば燃料の水素を無尽蔵に作る
ことも可能です。
出典:NEF 資料
図 3.2-15 燃料電池
−
20
−
3−3
新エネルギー資源と導入技術
(1)新エネルギー資源と導入技術
新エネルギー資源に対して導入可能な利用技術についてまとめました。新エネルギーの導入
にあたっては、新エネルギー資源の特徴や利用技術の特徴について適性を検討する必要があり
ます。
表 3.3-1 新エネルギー資源と導入技術
導入技術の特徴
資源の特徴
新エネルギー資源
特性
※1
資源
原価
利用技術
利用形態
残渣
副生物
導入主体
代表的な課題
太陽光発電
分散型
無料
太陽光発電
電気
なし
一般家庭、事業所への
普及促進
行政 事業者 家庭
太陽熱利用
分散型
無料
太陽熱利用
熱
なし
一般家庭、事業所への
普及促進
行政 事業者 家庭
小型
分散型
無料
小型発電
電気
なし
設置適性地の選定
行政 事業者
大型
集中型
無料
大型発電
電気
なし
建設適正地の検討
売電先、利用方法の検討
行政 事業者
太陽・風力(ハイブリッド)
分散型
無料
ハイブリッド街路灯
電気
なし
設置場所の検討
行政
雪氷熱
収集型
集中型
無料
雪氷熱利用
熱(冷気)
なし
収集方法・場所の検討
利用先の検討
行政 事業者
中小水力
集中型
無料
中小水力発電
電気
なし
適性地の選定
利用方法の検討
行政
稲収穫残渣
収集型
安価
ボイラー燃料
熱
灰
くず米
集中型
有償
エタノール化
燃料
家畜排せつ物
収集型
集中型
逆有償
メタン発酵発電
鶏糞
収集型
集中型
逆有償
太陽光
風力
ー
自
然
エ
ネ
ル
ギ
収集コストの低減
事業者
発酵残渣
効率的な作物収穫
エタノール化技術の成熟
事業者
電気・熱
消化液
家畜排せつ物の収集方法
消化液の活用方法
事業者
ボイラー燃料
熱
灰
灰の活用方法の検討
事業者
炭/薪
ストーブ燃料
熱
灰
炭/薪ストーブの普及促進
炭/薪ボイラーの導入促進
行政 事業者 家庭
ペレットストーブ燃料
熱
灰
ペレットストーブの普及促進
本体・ペレットのコスト低減
行政 事業者 家庭
チップ/ペレット
ボイラー燃料
熱
灰
チップ/ペレットの
コスト低減
行政 事業者
農産系
畜産系
木質系 木質バイオマス
収集型
有償
ー
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
技術の熟成による安定稼動
炭
電気・熱 (ナノチューブ)
灰の有効活用
ガス化発電
生ごみ
(厨芥類)
廃棄物系 し尿・下水汚泥
廃食油
廃棄物エネルギー
収集型
−※2
メタン発酵発電
電気・熱
消化液
廃棄物処理計画の検討
収集方法の検討
行政
集中型
−
メタン発酵発電
電気・熱
消化液
廃棄物処理計画の検討
消化液の活用方法
行政
収集型
−
BDF
(バイオディーゼル燃料)
燃料
集中型
−
ごみ発電
電気・熱
収集方法、利用先の検討
グリセリン グリセリンの活用方法
なし
ー
廃の
棄エ
資ネ
源ル
由ギ
来
行政
※1 分散型:資源が分散していて、分散したまま利用される。
収集型:資源が分散していて、収集して利用される。
集中型:資源が集中して存在していて、その場所で利用される。
※2 「−」:廃棄物は、自治体により適正管理されているため、資源原価を評価しない。
−
21
−
廃棄物処理計画の検討
行政 事業者
行政
(2)新エネルギーの導入費用
新エネルギーの導入費用について、一般的に公表されている費用や導入事例についてまとめ
ました。実際の導入にあたっては、導入する技術の種類や地理的条件、物理的条件等により大
きく変動するため、個別に調査する必要があります。
表 3.3-2 新エネルギーの導入費用(1)
新エネルギー資源
導入技術
規模・形式等
導入費用
維持費用
出 所
太陽光発電
<参考価格>
住宅用太陽光発電システム 3kW
(一般住宅導入の標準的規模)
203 万円
−
NEDO HP
技術情報データベース
太陽熱利用
<参考価格>
2
太陽熱温水器 集熱面積 3m
(一般住宅導入の標準的規模)
30 万円
−
NEDO HP
技術情報データベース
小型発電
<参考価格>
小型風力発電機 1kW
150万円
バッテリーの
劣化時交換
メーカー情報
大型発電
<参考価格>
1,000KW級
(売電事業で導入事例が多い規模)
25,000 万円
(25万円/KW)
375万円/年
(設置費の1.5%)
NEDO HP
技術情報データベース
250万円
バッテリーの
劣化時交換
市内 建設会社 情報
3,200 万円
123.5 万円/年
バイオマス等未利用
エネルギー実証試験
概要 NEDO
140万円
(発電設備
本体のみ)
−
東北大学 浅沼助教授 情報
<参考価格>
設備規模:100kW
近隣施設への電力供給
売電を視野に入れた発電設備
10,000万円
・土木 50%
・電気 50%
−
奥州市 新エネルギービジョン
策定検討委員会
和田 副委員長 情報
<導入事例>北海道江別市
町村農場バイオガスプラント
設備規模:処理量 14m 3/日、発電機 65kW
受入原料:乳牛ふん尿、パーラー排水
電気利用:1,300kWh/日
施設内利用、余剰電力売電
熱利用 :184万kcal/日
プラント動力、施設の床暖房
13,000 万円
180 万円/年
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
メタン発酵施設
104,800 万円
メタン発酵施設
50,271 万円/年
堆肥化施設
67,580 万円
堆肥施設
20,976 万円/年
11,360 万円
3,688 万円/年
太陽光
風力
太陽・風力
ー
自
然
エ
ネ
ル
ギ
雪氷熱
<参考価格>
設備概要:風力、太陽光発電により得られた電力
ハイブリッド
を照明灯の電力として利用
街路灯
設備規模:定格出力 風力 30W、太陽光 120W
灯具 発光ダイオード 20W×2灯
雪氷熱利用
<導入事例>岩手県奥州市 工藤建設株式会社
施設概要:雪冷房システム
施設規模:雪貯蔵量 476 t
冷房面積:636 m2+312 m2
<参考価格>
設備規模:1kW
地域利用を目的とした発電設備
中小水力
家畜
排せつ物
中小水力発電
メタン発酵
発電
<導入事例>京都府八木町
八木バイオエコロジーセンター
処理方式:中温湿式+高温湿式 併設
設備規模:処理量 86t/日
発電 70kW×2台、80kW×1台
受入原料:乳牛、肉牛、豚、廃牛乳、おから
残渣処理:排水処理(中温)+液肥(高温)
畜
産
系
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
(ヒートポンプを利用した融雪、
米エタノール設備へのエネルギー供給)
鶏糞
<導入事例>鹿児島県垂水市
(株)ジャパンファーム
ボイラー燃料 設備概要:自家発生する鶏糞をボイラーに利用
設備規模:20 t/日
熱利用 :工場内の給湯、鶏の脱羽、加工に利用
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
○ペレットストーブ
ー
ペレット
ストーブ
<参考価格>いわて型家庭用ペレットストーブ
設備規模:木造12畳、コンクリート19畳
設備機能:安全装置、タイマー点火機能、調理機能
約24万円
ペレット価格
岩手県商工労働観光部
500∼700円/10kg 産業振興課 HP
○ペレット価格
灯油1L≒ペレット2kg 岩手県農林水産部
林業振興課
ペレット
ボイラ
木
質
系
木質
バイオマス
<参考価格>
設備概要:福祉施設の既存ボイラと代替
設備規模:50万kcal×2基
4,978万円
<導入事例>岐阜県白川町
東濃ひのき製品流通協同組合
チップボイラ 設備概要:木屑焚きボイラーによる発電及び熱利用
発電
設備規模:処理量 2.5t/h(50t/日)
発電出力 600kW
受入原料:製材所廃材、建築廃材、間伐材
ガス化発電
22
−
市内 ペレット販売会社
提供情報
15,900 万円/年
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
42万円/月
奥州市 エネルギー推進室
情報提供
56,000 万円
設備費:36,000 万円
工事費:20,000 万円
<導入事例>岩手県奥州市
5,174 万円
木質バイオマスガス化発電施設
設備概要:チップのガス化発電設備
・建屋 1,365万円
設備規模:発電能力25kW(20kWを温泉施設に供給) ・機械設備 809万円
・プラント 3,000万円
原料 :チップ
−
ペレット価格
35円/kg
(運搬費込み)
※相当量利用時
表 3.3-2 新エネルギーの導入費用(2)
新エネルギー資源
生ごみ
し尿汚泥
維持費用
出 所
メタン発酵
発電
<導入事例>宮城県白石市
白石市生ごみ資源化事業所
設備概要:生ごみメタン発酵
+マイクロガスタービン(電気・熱)
設備規模:処理量 3t/日、ガスタービン 30kW
受入原料:生ごみ
(給食センター、旅館・病院、一般世帯)
熱利用 :施設内温室
隣接する給食センターへ熱供給
電気利用:施設内で利用
50,932 万円
2,714 万円/年
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
メタン発酵
発電
<導入事例>新潟県上越市 上越地域広域行政組合
「汚泥リサイクルパーク」
管内人口:約20 万人
処理能力:(し尿 70 kl+浄化槽汚泥 170 kl
+生ごみ 8 t)/日
発酵方式:高温湿式メタン発酵
ガス利用:メタンガス発電機 200 kW
消化汚泥:脱水後 溶融(一部 肥料化)
871,500 万円
23,838 万円/年
都市清掃
メタン発酵
発電
<導入事例>青森県八戸市 東部終末処理場
管内人口:約11万人
3
処理能力:50,000m /日
発酵方式:高温湿式メタン発酵
ガスエンジン:170kW×3基
下水処理施設
(汚泥メタン発酵)
1,276,177万円
下水処理施設
(汚泥メタン発
酵)
49,515万円
規模・形式等
廃
棄
物
系
ー
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
導入費用
導入技術
下水汚泥
ガスエンジン
42,700万円
<参考価格>
設備規模:廃油処理量 100L/6時間
廃食油
ー
廃の
棄エ
資ネ
源ル
由ギ
来
廃棄物
エネルギー
バイオディーゼル
燃料
ごみ発電
<導入事例>京都府京都市
京都市廃食用油燃料化施設
設備規模:廃食油 5,500 L/日
BDF生産 5,000 L/日
受入原料:レストラン・食堂
一般家庭 回収拠点900 箇所
<参考価格>
施設概要:ストーカー方式
施設規模:300 t/日
−
23
−
ガスエンジン
8,700万円
Vol.54
No244
八戸市 環境部
下水道事務所
新エネルギー実証
研究推進室
提供情報
購入 350 万円
リース 5.7万円/月
6.3万円
(2,500L/月)
メーカー資料
75,100 万円
12,750 万円/年
(85 円/L)
バイオマスエネルギー導入
ガイトブック(第2版)
NEDO
1,500,000 万円
(5,000万円/t/日)
61,800 万円/年
(206万円/t/日)
廃棄物発電施設及び
廃棄物ガス変換発電
導入に関する調査
(財)エネルギー総合
工学研究所
4 地域特性の把握
4−1
自然環境
(1)位置、地勢
本市は、岩手県内陸南部に位置し、北は北上市・西和賀町・金ケ崎町・花巻市、南は一関市・
平泉町、東は遠野市・住田町、西は秋田県に接しています。
東西に長い形をしており、面積は 993km2 で岩手県の約 6.5%を占めています。市内は合併前の
市町村区域で水沢区、江刺区、前沢区、胆沢区、衣川区に分けられています。
図 4.1-1 奥州市位置図
−
24
−
(2)地形
本市の地形は、市の中央を北上川が流れており、北上川西側には胆沢川によって開かれた胆
沢扇状地が広がっています。西部地域には、本市最高峰の焼石岳(1,548m)を主峰とする焼石
連峰が、北上川東側には、北上山地につながる田園地帯が広がり、東端部には、種山高原、阿
原山高原が連なっています。
市の中央に市街地があり、田園地域と山岳地域が東西対称的に存在する地形です。新エネル
ギーの導入にあたっては、それぞれの地域特性に即した役割分担が求められます。
江刺区
水沢区
胆沢区
衣川区
出典)新市建設計画(平成 17 年 3 月
前沢区
水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村・合併協議会)に加筆
図 4.1-2 奥州市地形図
−
25
−
(3)気象
江刺地域気象観測所の平成 17 年における年降水量は 1,182mm です。7 月の 234mm が最も多く
なっています。年平均気温は 10.6℃、1 月,2 月と 12 月においては最低気温が-10℃を下回って
います。年間平均風速は 1.9m/s、2 月∼5 月にかけては平均風速が 2.0m/s を上回っています。
全日照時間は 1,409.7 時間であり、4 月と 5 月において 160 時間を越えています。
新エネルギーの導入においては、気温が低い地域であるため、冬場に多く消費される暖房エ
ネルギーとして木質系バイオマスを利用することが考えられます。風力発電については、NEDO
の風況マップでみると、東西の山岳地域では大型風力発電施設の設置に適した風速 6m/s 以上の
場所が存在しています。気象業務支援センターの「メッシュ気候値 2000」によると、東西の山
岳地域では 1m 近い積雪量があり、冬場に積もる雪を利用した雪氷熱利用が可能な地域です。
表 4.1-1 気象一覧(江刺気象観測所)
項目
降水量
平均気温 最高気温 最低気温 平均風速 最大風速 日照時間
単位
mm
℃
1月
47
-1.2
2月
64
-1.9
3月
62
1.8
4月
46
9.3
5月
69
13.2
6月
99
20.6
7月
234
21.5
8月
141
25.0
9月
121
20.2
10月
123
14.0
11月
71
6.7
12月
105
-1.8
全年
1182
10.6
観測地点)江刺気象観測所
℃
7.5
4.6
12.9
25.2
26.7
30.8
32.3
35.7
32.0
23.5
19.5
6.8
35.7
℃
-10.6
-11.0
-9.4
-1.4
3.3
11.8
15.4
15.5
8.0
1.1
-2.1
-14.4
-14.4
(℃)
m/s
1.9
2.1
2.3
2.7
2.4
1.8
1.6
1.4
1.5
1.3
1.8
1.6
1.9
m/s
12
11
12
13
9
6
9
5
9
8
10
11
13
時間
89.2
101.0
123.4
187.1
163.2
106.9
89.7
132.6
120.9
110.8
113.8
71.1
1409.7
(m/s)
(時間)
3.0
240
30
2.5
200
20
2.0
160
10
1.5
120
1.0
80
0.5
40
40
0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11 月
12 月
-10
0.0
-20
0
1月
平均気温
図 4.1-3
最高気温
2月
3月
4月
最低気温
5月
6月
日照時間
気温
図 4.1-4
−
26
−
7月
8月
9月
10月 11月 12月
平均風速
平均風速・日照時間
出典)「風況マップ(16 年度改訂版)
」NEDO
図 4.1-5 奥州市の風況
出典)「メッシュ気候値 2000」:
(財)気象業務支援センター
図 4.1-6 奥州市の積雪量(2月)
−
27
−
4−2
社会環境
(1)人口・世帯数
平成 17 年度の人口は、130,696 人であり岩手県全体の 9.4%を占めています。全ての地区にお
いて人口は減少傾向にありますが世帯数は増加の傾向にあり、核家族化が進行しています。
また、年齢階級別にみると、50∼70 歳代のそれぞれの人口が、0∼40 歳代を上回っており、
構成人口が高年齢化しています。
表 4.2-1 人口・世帯数
地 域
単位:人、世帯
平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度 平成17年度
奥州市
133,809
133,228
132,903
132,449
131,544
130,696
水沢区
60,489
60,391
60,431
60,290
60,051
59,835
江刺区
34,403
34,175
33,985
33,836
33,491
33,154
前沢区
15,542
15,481
15,420
15,351
15,255
15,116
胆沢区
17,920
17,815
17,759
17,755
17,600
17,516
衣川区
5,455
5,366
5,308
5,217
5,147
5,075
岩手県
1,421,796
1,416,421
1,411,176
1,405,060
1,396,637
1,388,164
世帯数
41,308
41,463
41,766
41,989
42,176
42,456
出典)住民基本台帳年報
( 人)
(世 帯)
180,000
60,000
150,000
50,000
120,000
40,000
90,000
30,000
60,000
20,000
30,000
10,000
0
0
平成12年度
水 沢区
平成13年度
江刺区
平成14年度
平成15年度
前沢 区
胆 沢区
平成16年度
平成17年度
衣川 区
図 4.2-1 人口・世帯数
人口(人)
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
0∼9
10∼ 19
男
女
20∼ 29
30∼ 39
40∼ 49
50∼ 59
60∼ 69
70∼ 79
80∼ 89
90∼ 99
100∼109
年齢(歳)
図 4.2-2 年齢階級
−
28
−
世帯 数
(2)土地利用
本市の平成 18 年度における土地利用種別面積は、「田」と「山林」の占める割合が多くそ
れぞれ 18%となっています。
土地利用種別面積を地区別にみると、「宅地」は水沢区と江刺区が多く、「田」は江刺区と
胆沢区が多く、「山林」は江刺区と衣川区で多くなっています。
新エネルギーの導入にあたっては、広い面積を占める「田」と「山林」を活かした、農産
系バイオマスや木質系バイオマスを活用する新エネルギーの導入が有効と考えられます。
表 4.2-2 土地利用種別面積
単位:ha
合計
田
畑
宅地
山林
原野
その他
奥州市
99,335
17,478
4,742
3,535
17,809
6,093
49,677
水沢区
9,692
2,796
638
1,283
1,753
393
2,828
江刺区
36,250
5,696
2,506
1,064
8,396
4,117
14,471
前沢区
7,234
2,530
416
480
1,681
370
1,757
胆沢区
29,802
5,157
804
560
2,323
884
20,074
衣川区
16,357
1,299
378
148
3,656
329
10,548
出典)奥州市 平成18年固定資産の価格等の概要調書
田
18%
畑
5%
宅地
4%
その他
49%
山林
18%
原野
6%
図 4.2-3 土地利用割合
−
29
−
田
畑
宅地
山林
原野
その他
(3)産業(農業、林業、畜産業)
1)産業
本市の平成 16 年度における総就業者数は 48,162 人であり、岩手県の 9.2%を占めています。
就業者数の内訳は、第1次産業が 2%、第2次産業が 35%、第3次産業が 63%となっています。
最も就業者数が多い業種は「卸売・小売業」(23%)で、次いで「製造業」(22%)となってい
ます。
新エネルギーの導入にあたっては、
「農業」
「林業」によるバイオマスの生産、
「建設業」
「製
造業」による新エネルギー設備の製造・設置、
「卸売・小売業」によるバイオマス燃料の販売、
「運輸業」「医療・福祉」によるバイオマス燃料の利用、「飲食店・宿泊業」からの廃棄物系
バイオマスの回収など、様々な産業が関わります。これらの産業の負担とならず、活性化を
促すような新エネルギーの導入が求められます。
表 4.2-3 産業別就業者数
奥州市
全産業
第1次産業
水沢区
江刺区
48,162
856
782
74
0
16,635
24
5,897
10,714
30,671
26,686
148
134
14
6,730
2
2,726
4,002
19,808
185
185
複合サービス事業
393
1,717
11,077
954
620
3,654
3,847
482
791
サービス業(他に分
類されないもの)
6,951
農業
林業
漁業
第2次産業
鉱業
建設業
製造業
第3次産業
電気・ガス・熱供
給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店,宿泊業
医療,福祉
教育,学習支援業
前沢区
10,628
519
496
23
4,763
22
1,325
3,416
5,346
(単位:人)
胆沢区
5,965
66
50
16
2,595
797
1,798
3,304
3,819
73
71
2
2,041
914
1,127
1,705
1,064
50
31
19
506
135
371
508
-
-
-
-
368
979
6,643
835
486
2,502
2,373
367
144
17
379
2,134
86
93
559
690
73
241
8
248
1,518
23
37
393
434
33
83
-
4,926
1,074
527
290
林業 漁業
サービス業(他
0% 鉱業
に分類されない 農業 0%
2%
0%
もの)
複合サ ービス事
建設業
14%
業
12%
2%
教育, 学習支援
業
第1次
1%
産業
2%
医療 ,福祉
8%
第3次
産業
63%
第2次
産業
35%
電気・ガス・熱
供給・水 道業
0%
不動産業
1%
金融・保険業
2%
製造業
22%
運輸業
4%
卸売・小売 業
23%
情報通信業
1%
図 4.2-4 産業別就業者数の割合
−
30
−
岩手県
525,651
7,849
5,622
843
1,384
169,990
1,103
62,545
106,342
347,812
1,690
96
659
10
4
144
278
6
218
出典)平成17年度岩手県統計年鑑
飲 食店,宿泊業
8%
衣川区
56
72
3
105
6,350
26,989
121,207
13,054
6,804
42,241
43,647
8,146
8,399
134
69,285
15
123
-
2)農業
本市の平成 12 年度における総農家数は 13,733 戸であり、そのうち江刺区が最も多く 35%
を占めています。事業形態では第 2 種兼業農家が最も多く 65%を占めています。農家人口は、
61,953 人であり、そのうち江刺区が最も多く 34%を占めています。平成 17 年における経営耕
地面積は 1,692,495 a であり、田が最も多く 88%を占めています。田は胆沢区が最も広く、
畑,樹園地は江刺区が最も多くなっています。
農林業センサスによると、本市の平成 17 年における「田」の面積のうち「稲を作った田」
が占める割合は 75%となっており、米の国内消費量の減少により水田は低利用状態にあると
考えられます。また、
「固定資産の価格等の概要調書(P29 参照)」における「田」の面積と比
較すると、農林業センサスにおける「稲を作った田」の面積との比率は 65%となっており、
「田」として登録されていながら水田として管理されていない土地も多くあるものと考えら
れます。農業の衰退を防ぎ、水田の多面的な機能を守るためにも水田の有効利用が求められ
ています。新エネルギーの導入においては、稲の栽培に利用されていない水田をエネルギー
作物生産の場とすることで、農業の活性化と水田の公的機能維持が期待されます。
稲作以外にリンゴ栽培も盛んであり、果樹園で発生する剪定枝をバイオマス燃料として活
用することも考えられます。
表 4.2-4 農家数・農家人口
(単位:戸・人)
農 家 数
販売農家
地 域
総農家数
計
専業農家
第1種
兼業農家
第2種
兼業農家
自給的農家
総農家
人 口
奥
州
市
13,733
11,978
1,298
1,766
8,914
1,755
61,953
水
沢
区
3,028
2,519
256
294
1,969
509
13,501
江
刺
区
4,842
4,194
561
656
2,977
648
21,155
前
沢
区
2,122
1,777
174
203
1,400
345
9,649
胆
沢
区
2,859
2,695
243
505
1,947
164
13,471
衣
川
区
882
793
64
108
621
89
4,177
岩
手
県
92,438
75,936
9,126
12,264
54,546
16,502
409,975
出典)平成17年度岩手県統計年鑑
表 4.2-5 経営耕地面積
単位:a
田
地 域
経営耕地
総 面 積
面積
稲を作った田
稲以外の
作物を
作った田
何も作ら
なかった田
畑
樹園地
面 積
面 積
奥州市
1,692,495
1,495,476
1,129,082
283,176
83,218
170,625
26,394
水沢区
268,384
240,964
196,817
26,910
17,237
22,794
4,626
江刺区
566,701
468,589
353,105
95,121
20,363
80,948
17,164
前沢区
225,389
204,419
166,439
27,904
10,076
17,013
3,957
胆沢区
505,393
469,179
335,163
112,377
21,639
35,602
612
衣川区
126,628
112,325
77,558
20,864
13,903
14,268
35
岩手県
11,396,198
7,994,294
5,775,578
1,605,208
613,508
3,113,328
288,576
出典)農林業センサス2005
−
31
−
3)林業
森林は、地方自治体や事業者、個人が保有する民有林と、国が管理する国有林に分かれま
す。国有林は、木材などの生産のほかに、水源かん養機能、山地災害の防止機能、生活環境
保全機能、保健文化機能など多面的な機能を保つため、国によって保護されています。その
ため、利用可能な木質バイオマスは、民有林に賦存しています。
本市の平成 16 年における民有林面積は 34,880 ha であり、人工林と天然林がそれぞれ約半
分を占めています。蓄積は、7,802,832 m3 であり、人工林が 61%、天然林が 39%を占めていま
す。民有林では、面積・蓄積ともに江刺区と衣川区が多くなっており、木質系バイオマスの
生産拠点として期待されます。
平成 16 年における国有林面積は 23,594 ha であり、蓄積は 2,759 千 m3 です。面積・蓄積
とも胆沢区が最も多く、全体の約 80%を占めています。
林業では、成長が早く材質が優れていることから、主にスギやマツなどの針葉樹が生産さ
れています。樹木の生長過程で過密となった森林に対して、本数を減らすために品質の良く
ない樹木を対象に間伐が行われますが、その大部分は現地に切り残されて利用されていませ
ん。さらに、国産木材の需要低迷により間伐作業も進んでいません。木質系バイオマス利用
を促進することにより、間伐材の利用促進など林業の活性化が期待されます。
木質バイオマスは、貴重なエネルギー資源として古くから循環利用されており、その中で
林業は樹木の育成や伐採,運搬,加工といった重要な役割を持っています。薪や炭利用の再
評価を含め、この豊かな自然資源を効率よく使うことが地域エネルギー自給にとって極めて
重要な課題です。
表 4.2-6 民有林面積
地 域
奥州市
民有林全体
針葉樹
34,880
単位:ha
人工林
19,007
広葉樹
無立木地
竹林
15,062
7
天然林
針葉樹
804
17,082
広葉樹
16,757
325
針葉樹
16,987
2,250
広葉樹
14,737
水沢区
2,101
1,133
932
1
35
934
930
5
1,131
204
927
江刺区
19,210
10,797
8,017
2
393
9,693
9,603
90
9,121
1,194
7,927
前沢区
2,067
1,231
788
1
48
1,062
1,057
5
957
174
783
胆沢区
2,865
1,289
1,363
0
213
1,209
1,200
8
1,444
89
1,355
8,637
4,557
3,961
2
116
4,183
3,967
217
4,335
590
3,745
783,296 385,400 380,740
264
衣川区
岩手県
16,892 345,067 341,740
3,327 421,073
43,660 377,414
出典)平成17年度岩手県統計年鑑
表 4.2-7 民有林蓄積
地 域
民有林全体
単位:m3
人工林
針葉樹
広葉樹
天然林
針葉樹
広葉樹
針葉樹
広葉樹
奥州市
7,802,832
5,505,582
2,297,250
4,785,503
4,762,223
23,280
3,017,329
743,359
2,273,970
水沢区
474,731
315,152
159,579
256,902
256,077
825
217,829
59,075
158,754
江刺区
4,351,676
3,098,816
1,252,860
2,729,513
2,721,997
7,516
1,622,163
376,819
1,245,344
前沢区
523,681
391,776
131,905
339,750
338,980
770
183,931
52,796
131,135
胆沢区
658,917
463,828
195,089
429,549
428,612
937
229,368
35,216
194,152
1,793,827
1,236,010
557,817
1,029,789
1,016,557
13,232
764,038
219,453
544,585
衣川区
岩手県
159,333,648 105,033,298 54,300,350 92,077,104 91,747,095
出典)平成17年度岩手県統計年鑑
−
32
−
330,009 67,256,544 13,286,203 53,970,341
表 4.2-8 国有林面積・蓄積
(単位:面積ha、蓄積千m 3)
蓄 積
面 積
地 域
立 木 地
総 数
総 数
人工林
除 地
天然林
総 数
人工林
天然林
奥州市
23,594
19,175
5,927
13,247
4,419
2,759
782
1,978
水沢区
303
288
178
110
15
40
24
15
江刺区
649
629
379
250
18
93
53
39
前沢区
71
68
57
11
3
9
8
2
胆沢区
18,769
14,509
3,499
11,010
4,260
2,099
454
1,645
衣川区
3,803
3,680
1,814
1,866
123
519
242
277
岩手県
388,625
355,480
157,068
198,412
32,664
49,153
22,928
26,223
出典)平成16年度岩手県林業動向年報
4)畜産業
本市の平成 16 年における家畜飼養戸数及び頭数は、乳用牛が 47 戸,1072 頭で、地区別で
は胆沢区が最も多くなっています。肉用牛は 1,917 戸,16,900 頭で、地区別では江刺区が最
も多くなっています。豚は 16 戸,7,800 頭で、地区別では胆沢区が最も多くなっています。
平成 17 年における採卵鶏の飼養戸数及び頭数は 12 戸,7,355 羽で、ブロイラーを出荷した
経営体数及び出荷頭数は 7 戸,448,000 羽となっています。
本市は、全国的に有名な「前沢牛」の生産地であり肉用牛の飼育が特に盛んな地域です。
家畜排せつ物は事業所や堆肥化センターで堆肥化されていますが、処理費用が大きな負担と
なっており、処理費用の軽減が求められています。新エネルギーの推進により、家畜排せつ
物をメタン発酵の原料として有効利用することによって、家畜排せつ物の適性処理と畜産業
の活性化が期待されます。
表 4.2-9 家畜飼育頭数(牛、豚)
地 域
乳用牛
飼養戸数
奥州市
単位:戸数:戸 頭数:頭
豚
肉用牛
飼養頭数
47
飼養戸数
1,072
飼養頭数
1,917
飼養戸数
16,900
飼養頭数
16
7,800
水沢区
0
0
115
1,290
1
×
江刺区
15
229
970
6,590
1
×
前沢区
3
41
326
4,350
0
0
胆沢区
18
592
405
3,570
14
7,800
衣川区
11
210
101
1,100
0
0
岩手県
1,820
58,200
9,740
108,700
208
395,700
注 ×は、公表されている結果がないことを示す。
出典)牛・豚:平成16年度岩手県統計年鑑
表 4.2-10 採卵鶏の飼育頭数及びブロイラーの出荷頭数
地 域
採卵鶏
経営体数
(単位 経営体数:戸 羽数:羽)
ブロイラー
飼養羽数
経営体数
12
水沢市
2
江刺市
7
前沢町
1
×
2
胆沢町
2
×
3
衣川村
-
7,355
出荷羽数
奥州市
7
×
448,000
2
7,355 -
-
×
-
-
×
448,000
-
岩手県
112
200,580
163 28,840,756
注 ×は、公表されている結果がないことを示す。
出典)農林センサス2005
−
33
−
(4)交通
本市における交通網は、市の中央部を南北に東北新幹線(水沢江刺駅)、東北本線(水沢駅・陸
中折居駅・前沢駅)、東北自動車道(水沢IC・平泉前沢IC)、国道4号が縦断しています。東
西方向では、国道397号が岩手県南内陸部・沿岸部と秋田県を結んでいます。
新エネルギーの導入にあたっては、これらの交通網を考慮した、エネルギー資源の効率的な流
通方法などの検討が必要になります。
また、本市は自動車への依存度が高い地域であり、運輸部門のCO2排出量削減に向けて、石油
代替燃料やクリーンエネルギー自動車の導入などの対策が求められます。
出典)新市建設計画(平成 17 年 3 月
水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村・合併協議会)
図 4.2-5 交通網
−
34
−
4−3
市民の意識
平成 19 年 3 月に策定予定の「奥州市 総合計画」において市民が考える新市の将来像や市政
への要望などを把握するために実施した市民アンケートでは、これからのまちづくりで力を入
れて取り組むべき項目として、約半数が「ゴミの減量化やリサイクルの促進」と「河川、森林
等自然環境の適正管理と保全」を選択しています。この項目は、大量生産大量消費といった今
までのライフスタイルが、ゴミ処理費用の増大や深刻な環境破壊の原因となっていることを市
民が認識し、反省と警戒の念を強くもっていると推測されます。
新エネルギーの導入にあたっては、市民の関心が高いゴミの有効利用を促進する施策が有効
であると考えられます。また、
「太陽光発電等の新エネルギーの普及促進」についても約 3 割が
選択しており、具体的な行動へ導くための、普及啓発活動が必要であると考えられます。
表 4.3-1 市民アンケート結果
設問
これからのまちづくりについて
豊かな自然環境との共生に関して、今後特にどのようなことに力を入れて取り組むべきとお
考えですか?次の中から3つまでを選び、番号に○をつけてください。
選択肢
回答者数
割合
1
家庭、学校、事業所等における省エネルギー対策の推進
876
34.7 %
2
太陽光発電等の新エネルギーの普及促進
742
29.4 %
3
公共交通機関の積極的利用の促進
516
20.4 %
4
ゴミの減量化やリサイクルの促進
1,275
50.5 %
5
河川、森林等自然環境の適正管理と保全
1,139
45.1 %
6
開発行為の抑制や農地の保全
578
22.9 %
7
環境問題に対する市民の意識啓発
765
30.3 %
8
環境問題に取り組む市民活動団体への支援・協力
569
22.5 %
9
その他
41
1.6 %
発送数 3,043
回答数 2,526
回答率 83.01%
(人)
0
200
400
600
800
1,000 1,200 1,400 1,600 1,800
1. 省エネルギー
2. 新エネルギー
3. 公共交通機関の利用
4.ゴミ減量
5. 自然環境適性管理
6. 開発抑制
7. 意識啓発
8. 市民活動団体支援
9. その他
図 4.3-1 市民アンケート結果
−
35
−
5 地域におけるエネルギー消費状況
5−1
推計方法
(1)部門の分類
本市のエネルギー消費の現状を把握するために、消費部門を産業、民生家庭、民生業務及
び運輸の 4 部門に分類しました。各部門に含まれる対象業種、施設とそこで利用されるエネ
ルギー種別を表 5.1-1 に示します。
表 5.1-1
部門
部門とエネルギー種別の区分
対象業種、施設等
エネルギー種別
農林業、建設業、製造業
電気、都市ガス、LP ガス、石油類(ガソ
リン、灯油、軽油、A 重油、C 重油)
民生家庭
一般家庭
電気、都市ガス、LP ガス、石油類(灯油)
民生業務
事務所、商店、公共施設、学校、病院等
電気、都市ガス、LP ガス、石油類(灯油、
軽油、A 重油、C 重油)
自家用車、貨物車、バス、タクシー等
LP ガス、石油類(ガソリン、軽油)
産業
運輸
(2)エネルギー消費量の推計方法
エネルギー消費量の推計年度は、最近のデータとして統計資料の収集が可能な 2004 年度としま
した。各部門のエネルギー消費量は、可能な限り実績値を用い、実績値の利用が困難な場合は、
全国や東北地域等の広域データを本市の地域指標(世帯数、製造品出荷額、自動車保有車両数等)
により按分して求めました。本市の全エネルギー消費量は、エネルギー種類ごとに標準発熱量と
CO2排出係数で換算して比較検討を行いました。
表 5.1-2
エネルギー
種別
エネルギー種別標準発熱量,CO2 排出係数と補助単位
単位
発熱量(MJ)
CO2 排出係数
(kg-CO2)
補助単位
の記号
読み
乗じる
倍数
電力
kWh
3.6
0.555
k
キロ
103
都市ガス
m3
3.17
M
メガ
106
LPガス
Kg
50.2
3.00
G
ギガ
109
ガソリン
リットル
34.6
2.32
灯油
リットル
36.7
2.49
軽油
リットル
38.2
2.62
Wh
Cal
J
A重油
リットル
39.1
2.71
1
860
3,600
C重油
リットル
41.7
2.98
0.0012
1
4.2
原油(参考)
リットル
38.2
2.62
0.00028
0.24
1
水道水(参考)
m3
−
62.7
(*1)
0.58
単位の比較
(*2)
発熱量・CO2排出係数:
「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令(平成 18 年 3 月)」
*1 都市ガスの発熱量は、水沢ガス㈱による。
*2 水道水の排出係数は、岩手県「CO2ダイエット日記」による。(上下水道への負荷の合計)
−
36
−
表 5.1-3
部門
産業
エネルギー消費量の推計方法
エネルギー 種別
電気
推
計
方
法
奥州市の供給実績(①)の「臨時電灯」
、
「小口高圧電力A」、
「臨時電力」
「農
事用電力」、「建設工事用電力」、「事業用電力」
「大口電力」。
都市ガス
奥州市の供給実績(②)の「工業用」。
LP ガス
石油類
《農林業》全国の農林業におけるエネルギー消費量(③)と全国の農産生
産額(④)から生産額あたりのエネルギー消費原単位を求め、これに奥州
市の農産生産額(④)を乗じて推計。
《建設業》全国の建設業におけるエネルギー消費量(③)と全国の建設業
の就業者数(⑤)から就業者数あたりのエネルギー消費原単位を求め、こ
れに奥州市の建設業の就業者数(⑤)を乗じて推計。
《製造業》全国におけるエネルギー消費量(③)と全国の製造品出荷額
(⑥)から出荷額あたりのエネルギー消費量を求め、これに奥州市の製造
品出荷額(⑥)を乗じて推計。
民生
家庭
電気
奥州市の供給実績(①)の「定額電灯」、「従量電灯A・B」、「時間帯別電
灯」「深夜電力」。
都市ガス
奥州市の供給実績(②)の「家庭用」。
LP ガス
石油類
東北地方の灯油消費量(③)と東北地方の世帯数(⑦)から世帯数あたり
のエネルギー消費量を求め、これに奥州市の総世帯数(⑧)を乗じて推計。
LPガス需要世帯数は、総世帯数(⑧)から都市ガス供給戸数(②)を減じ
て推計。
民生
業務
電気
奥州市の供給実績(①)の「従量電灯C」、「低圧高稼働契約」、「公衆街路
灯」「業務用電力」、「小口低圧電力」、「融雪用電力」。
都市ガス
奥州市の供給実績(②)の「医療用」、「商業用」、
「公用」。
LP ガス
石油類
全国の民生業務部門の消費量(③)と全国の第 3 次産業の就業者数(⑤)か
ら就業者 1 人あたりの燃料消費原単位を求め、これに奥州市の第 3 次産
業就業者数(⑤)を乗じて推計。
LPガス需要世帯数は、総事業所数(⑤)から都市ガス供給事業所数(②)
を減じて推計。
運輸
石油類
LP ガス
全国の自動車の燃料消費量(⑨)と全国の自動車保有台数(⑩)から車両 1
台あたりの燃料消費量を求め。これに奥州市の自動車保有台数(⑪)を乗
じて推計。
⑦「住民基本台帳」総務省
⑧「住民基本台帳年報」岩手県
⑨「交通関係エネルギー便覧」国土交通省
⑩「車両保有台数表」
財団法人 自動車検査登録協会
⑪「市町村別車両数調」 東北運輸局
① 東北電力㈱資料
② 水沢ガス㈱資料
③「総合エネルギー統計」経済産業省
④「生産農業所得統計」農林水産省
⑤「事業所・企業統計調査報告」総務省
⑥「工業統計調査」経済産業省
−
37
−
5−2
推計結果
(1)固有単位
2004 年度の本市におけるエネルギー消費量の推計結果は以下のとおりです。電気は産業部門で
多く消費され、灯油は民生家庭で多く消費され、ガソリンと軽油は運輸部門で多く消費されてい
ます。
表 5.2-1 エネルギー消費量(固有単位)
部 門
奥
州
市
電気
都市ガス
LPガス
ガソリン
灯油
軽油
A重油
C重油
MWh
m3
t
kl
kl
kl
kl
kl
産 業
287,424
0
4,285
105
5,089
3,766
14,265
3,786
民生家庭
205,920
849,361
5,667
0
30,826
0
0
0
民生業務
227,481
630,384
1,199
0
9,503
1,878
10,342
483
0
0
3,817
78,499
0
45,292
0
0
720,825 1,479,745
14,969
78,603
45,418
50,935
24,607
4,268
運 輸
合 計
−
38
−
(2)熱量換算
本市のエネルギー消費量を各エネルギーの発熱量を乗じて熱量に換算すると表 5.2-2 となり、
市全体では、10,911,554GJ となります。
エネルギー種別にみると、電気(24%)とガソリン(25%)が最も多く、次いで軽油(18%)と灯油
(15%)が多くなっています。エネルギー消費量を部門別にみると、運輸が最も多く全体の 43%
を占め、ガソリン(59%)と軽油(37%)が大部分を占めています。産業は全体の 21%を占め、電気
(45%)とA重油(24%)が多く利用されています。民生家庭は 20%を占め、灯油(51%)と電気(34%)
が多く利用されています。民生業務は 16%を占め、電気(46%)、灯油(20%)、A重油(23%)が多
く利用されています。
表 5.2-2 エネルギー消費量(熱量換算)
単位:GJ
奥
州
市
部 門
電気
産 業
1,034,726
都市ガス
LPガス
0
215,118
民生家庭
741,312
53,255
284,504
民生業務
818,932
39,525
60,200
運輸
0
0
合計
2,594,970
92,780
ガソリン
3,624
灯油
軽油
186,780
143,854
0 1,131,298
A重油
C重油
557,774
合 計
157,862 2,299,739
0
0
0 2,210,369
71,723
404,371
20,125 1,763,637
0 1,730,143
0
0 4,637,809
751,438 2,719,675 1,666,839 1,945,720
962,145
177,987 10,911,554
0
348,761
191,615 2,716,051
単位:GJ
3,000,000
2,500,000
運輸
2,000,000
民生業務
民生家庭
1,500,000
産 業
1,000,000
500,000
0
電気
都市ガス LPガス ガソリン
灯油
軽油
A重油
C重油
図 5.2-1 燃料別エネルギー消費量(熱量換算)
電気
産 業
都市ガス
LPガス
民生家庭
ガソリン
灯油
軽油
民生業務
A重油
C重油
運輸
0
1,000,000
2,000,000
3,000,000
4,000,000
5,000,000
図 5.2-2 部門別エネルギー消費量(熱量換算)
−
39
−
単位(GJ)
(3)CO2排出量換算
本市のエネルギー消費量に各エネルギーのCO2排出係数を乗じてCO2排出量に換算する
と表 5-2.3 となり、市全体では 957,961t-CO2 となります。
エネルギー種別にみると電気が最も多く全体の 42%を占めています。部門別のCO2排出量
は、運輸が最も多く全体の 33%を占め、ガソリン(58%)と軽油(38%)による排出量が多くなっ
ています。産業は全体の 26%を占め、電気(65%)とA重油(16%)による排出量が多くなってい
ます。民生家庭は全体の 22%を占め、電気(54%)と灯油(36%)による排出量が多くなっていま
す。民生業務は全体の 20%を占め、電気(66%)、A重油(15%)、灯油(12%)による排出量が多
くなっています。
表 5.2-3 エネルギー消費量(CO2排出量換算)
奥
州
市
都市ガス
LPガス
ガソリン
灯油
軽油
単位:t-CO 2
部 門
電気
産 業
159,520
0
12,856
243
12,673
9,866
A重油
38,659
C重油
11,281
合 計
245,098
民生家庭
114,286
2,692
17,002
0
76,756
0
0
0
210,736
民生業務
126,252
1,998
3,598
0
23,663
4,919
28,027
1,438
189,895
運輸
0
0
11,451
182,117
0
118,664
0
0
312,232
合計
400,058
4,691
44,907
182,360
113,091
133,450
66,686
12,719
957,961
単位:t-CO 2
500,000
400,000
運輸
300,000
民生業務
民生家庭
産 業
200,000
100,000
0
電気
都市ガス LPガス
ガソリン
灯油
軽油
A重油
C重油
図 5.2-3 燃料別エネルギー消費量(CO2排出量換算)
電気
産 業
都市ガス
LPガス
民生家庭
ガソリン
灯油
軽油
民生業務
A重油
C重油
運輸
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
図 5.2-4 部門別エネルギー消費量(CO2排出量換算)
−
40
−
単位(t-CO2)
5−3
新エネルギーへの転換
本市のCO2排出量を削減するためには、現在消費されている各エネルギーを新エネルギー
へ転換していくことが求められます。
本市が排出するCO2排出量の約 42%は、電気の消費によって排出されおり、CO2排出の
主要因となっています。電気消費によるCO2排出量を削減するためには、本市で利用する電
気を太陽光や風力といった新エネルギーにより発電し、それを利用することが重要です。
ガソリンと軽油を消費することにより排出されるCO2排出量を合わせると、全エネルギー
の約 33%を占めており、主な消費部門である運輸部門での対策が求められます。運輸部門に
おける新エネルギーの導入としては、走行してもCO2排出量の少ないクリーンエネルギー自
動車の導入が考えられます。また、家庭や飲食店から回収した廃食油でBDF(バイオディ
ーゼル燃料)を生成したり、米などのバイオマスからエタノールを生成して石油代替燃料と
して利用することによりCO2排出量の削減が可能です。
ガスや灯油、重油のうち、暖房や給湯などの熱源として利用されているものについては、
木質系バイオマスを燃料としたボイラやストーブを導入することによってCO2排出量の削
減が可能です。
・太陽光発電
電気
42%
産業・民生(家庭、業務)
・風力発電
・メタン発酵発電
・木質バイオマスガス化発電
奥州市
CO 2排出量
957,961 t
・クリーンエネルギー自動車
ガソリン・軽油
33%
運輸部門等
・米のエタノール化
・BDF
・太陽熱利用
ガス・灯油・重油 25%
産業・民生(家庭、業務)
・木質バイオマスの利用
(薪、炭、チップ、ペレット)
図 5.3-1 消費エネルギーの新エネルギーへの転換
−
41
−
6 地域における新エネルギー賦存状況調査
6−1
賦存量及び利用可能量の定義と対象となる新エネルギー
本市において利用可能な新エネルギーを検討するための基礎資料として、推計が可能な新
エネルギー資源について、賦存量及び利用可能量について推計します。地域への導入を図る
うえで有用となる基本データは「利用可能量」であり、
「賦存量」は利用可能量を算定するた
めの過程として位置づけられます。
表 6.1-1
賦存量及び利用可能量の定義
項目
定
義
地理・物理的、技術的制約条件等を考慮しないで、理論的に考えられる潜在的なエ
賦存量
ネルギー資源の総量。
地理・物理的、技術的制約条件を考慮したうえでの、実際に利用可能なエネルギー
利用可能量
資源量。ただし、経済性や社会的制約条件は考慮しない。
表 6.1-2
区
賦存量及び利用可能量推計の対象とする新エネルギー
分
自然エネルギー
農産系バイオマス
バイオマスエネルギー
畜産系バイオマス
木質系バイオマス
廃棄物系バイオマス
廃棄資源由来
のエネルギー
項
目
対
象
太陽光発電
太陽光
太陽熱利用
太陽光
風力発電
風
雪氷熱利用
冬季に積もる雪
中小水力発電
農業用水路,農業排水路を流れる水
稲作収穫残渣
稲収穫後に発生する稲わら,もみ殻
くず米
ふるい選別時に発生するくず米
家畜排せつ物
乳用牛,肉用牛,豚の排せつ物
鶏糞
採卵鶏,ブロイラーの排せつ物
木質バイオマス
森林に生育する樹木
生ごみ
可燃ごみ中の生ごみ(厨芥類)
し尿・下水汚泥
し尿処理場や下水処理場で
発生する処理汚泥
廃食油
家庭,学校給食センターで
発生する廃食油
廃棄物エネルギー
ごみ焼却熱
−
42
−
6−2
新エネルギーの賦存量及び利用可能量
(1)賦存量推計結果
本市の新エネルギーの割合は、太陽光エネルギーが 96%と大部分を占めています。自然由
来の太陽光、風力、雪氷熱を除いた新エネルギーでは、稲収穫残渣と木質バイオマスがそれ
ぞれ約4割を占めています。地区別にみると江刺区の賦存量が最も多くなっています。衣川
区と江刺区では、木質バイオマスの割合が多く、胆沢区、前沢区、水沢区においては、稲収
穫残渣の割合が多くなっています。推計方法は、資料編へ記載します。
表 6.2-1 賦存量一覧
新エネルギー資源
奥州市
太陽光
4,698,942,840
風力
自然エネルギー
458,470,368 1,714,770,000
単位:GJ
衣川区
胆沢区
342,197,136 1,409,753,808
773,751,528
47,046,430
9,388,521
38,678,005
21,228,647
62,634,446
6,111,170
22,856,986
4,561,309
18,791,280
10,313,702
94,942
稲収穫残渣
家畜排せつ物
鶏糞
生ごみ
廃棄物系バイオマスし尿・下水汚泥
−
−
−
−
260,316
418,588
198,673
379,020
5,436
1,059
1,702
808
1,541
326
100,297
7,903
29,622
24,604
29,953
8,214
44,359
7,547
5,567
22,017
9,229
0
71,878
655,714
70,488
92,042
296,290
48,241
−
−
−
−
154,039
−
−
−
−
4,480
2,288
406,005
1,074
−
462
−
−
−
504
−
雪氷熱
1%
太陽光
風力
雪氷熱
中小水力
稲収穫残渣
くず米
家畜排せつ物
鶏糞
木質バイオマス
生ごみ
し尿・下水汚泥
廃食油
ごみ焼却熱
風力
3%
太陽光
96%
中小水力
3%
ごみ焼却熱
12%
し尿・下水汚泥
5%
152
−
合 計
4,893,878,464
477,511,121 1,785,785,682
356,464,017 1,467,735,382
※生ごみ、し尿・下水汚泥、廃棄物エネルギーは、市内一箇所で集中処理されているため区別には記載しません。
中小水力は、地区ごとではなく水路ごとに推計しているため区別には記載しません。
−
805,679,036
中小水力
稲収穫残渣
40%
稲収穫残渣
くず米
家畜排せつ物
生ごみ
1%
鶏糞
木質バイオマス
生ごみ
し尿・下水汚泥
廃食油
木質バイオマス
35%
図 6.2-1 賦存量割合
鶏糞
1%
家畜排せつ物
3%
ごみ焼却熱
図 6.2-2 賦存量割合
(太陽光・風力・雪氷熱除く)
単位:GJ
1,200,000
1,000,000
廃食油
800,000
木質バイオマス
鶏糞
600,000
家畜排せつ物
くず米
400,000
稲収穫残渣
200,000
0
水沢区
80,177
1,186,411
廃食油
廃棄物エネルギー
−
1,336,773
くず米
木質系バイオマス 木質バイオマス
廃棄資源由来の
エネルギー
前沢区
12,578,593
中小水力
畜産系バイオマス
江刺区
128,920,196
雪氷熱
農産系バイオマス
水沢区
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
図 6.2-3 地区別賦存量(太陽光・風力・雪氷熱除く)
−
43
−
(2)利用可能量推計結果
1)電気利用
本市における電気の利用可能量は、太陽光発電が全体の 62%を占めており最も多く、次い
で風力発電が 17%と多くなっています。地区別にみると水沢区と江刺区の利用可能量が多く
なっています。江刺区では利用可能量の約半分を風力発電が占めていますが、その他の地区
では太陽光発電がほとんどの割合を占めいています。
表 6.2-2 利用可能量一覧(電気)
新エネルギー種類 太陽光発電
奥州市
風力発電
中小水力 家畜排せつ物
19,263
単位:MWh
生ごみ
4,876
し尿・下水汚泥 廃棄物エネルギー
116,536
31,032
2,345
7,167
水沢区
59,991
285
−
384
−
−
−
江刺区
27,626
30,610
−
1,440
−
−
−
前沢区
10,634
50
−
1,196
−
−
−
胆沢区
12,460
59
−
1,456
−
−
−
衣川区
5,826
28
−
399
−
−
−
※厨芥類、し尿・下水汚泥、廃棄物エネルギーは、市内一箇所で集中処理されているため区別には記載しません。
中小水力は、地区ごとではなく水路ごとに推計しているため区別には記載しません。
生ごみ し尿・下水汚泥 廃棄物エネル
4%
1%
ギー
家畜排せつ物
3%
3%
太陽光発電
中小水力
10%
風力発電
中小水力
家畜排せつ物
生ごみ
太陽光発電
62%
し尿・下水汚泥
廃棄物エネルギー
風力発電
17%
図 6.2-4 利用可能量割合(電気)
単位:MWh
80,000
60,000
家畜排せつ物
風力発電
40,000
太陽光発電
20,000
0
水沢区
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
図 6.2-5 地区別利用可能量(電気)
−
44
−
6,135
2)熱利用
本市における熱の利用可能量は、稲収穫残渣の割合が 43%と最も多く、その他では太陽熱
利用が 27%、木質バイオマスが 15%、雪氷熱利用が 12%と大きな割合を占めています。地
区別にみると水沢区では太陽熱利用と稲収穫残渣、江刺区では稲収穫残渣と木質バイオマス、
前沢区と胆沢区では稲収穫残渣、衣川区では木質バイオマスの割合が多くなっています。
表 6.2-3 利用可能量一覧(熱)
新エネルギー種類 太陽熱利用
奥州市
雪氷熱
稲収穫残渣
単位:GJ
くず米
鶏糞
木質バイオマス
廃食油
346,966
158,643
559,743
4,349
37,706
189,348
4,480
水沢区
179,158
28,689
109,001
847
6,415
25,724
2,288
江刺区
82,082
59,271
175,274
1,362
4,732
69,270
1,074
前沢区
31,504
31,275
83,190
646
18,714
9,920
462
胆沢区
36,962
24,150
158,706
1,233
7,845
4,010
504
衣川区
17,259
15,259
33,572
261
0
80,425
152
木質バイオマス
15%
太陽熱利用
鶏糞
3%
雪氷熱
太陽熱利用
27%
稲収穫残渣
くず米
鶏糞
稲収穫残渣
43%
木質バイオマス
雪氷熱
12%
廃食油
図 6.2-6 利用可能量割合(熱)
単位:GJ
500,000
廃食油
400,000
木質バイオマス
鶏糞
300,000
くず米
200,000
稲収穫残渣
雪氷熱
100,000
太陽熱利用
0
水沢区
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
図 6.2-7 地区別利用可能量(熱)
−
45
−
(3)利用可能量の特徴
本市における電気の利用可能量は 187,354 MWh で、市全体の年間消費量の 26%に相当し、
一世帯あたりの年間電気消費量(5.5MWh)になおすと、34,064 世帯に相当します。
熱の利用可能量は、1,301,235 GJ で、本市で消費されている灯油の 78%に相当し、標準的
な灯油ポリタンク(18L)に換算すると、1,969,777 個に相当します。
水沢区は、他の地区に比べて住宅数が多いため、住宅に設置する太陽光発電及び太陽熱利
用の利用可能量の割合が多くなっています。江刺区は、大型風力発電を設置できる可能性が
あるため唯一、風力発電の利用可能量が多くなっています。前沢区は、鶏糞の利用可能量が
他の地区よりも多いものの、全体的な利用可能量は少ない傾向にあります。胆沢区は、稲作
の盛んな地区で、稲収穫残渣の割合が高くなっています。衣川区は、林業が盛んな地区で、
間伐材が多く存在しているため、木質バイオマスの割合が高くなっています。
水 沢区
0
50,000
100,000
江刺 区
( GJ)
150,000
200,000
250,000
太陽 光発 電
太 陽光発 電
太陽 熱利 用
太 陽熱利 用
風 力発 電
風力発 電
雪氷 熱
雪氷 熱
稲収 穫残 渣
稲 収穫残 渣
くず 米
くず 米
家畜排 せつ 物
家畜排 せつ 物
鶏糞
鶏糞
木質 バイオマス
木 質バイオマス
廃食 油
廃食 油
前沢 区
0
20,000
40,000
80,000
太 陽光発 電
太 陽熱利 用
風力発 電
風力発 電
雪氷 熱
雪氷 熱
稲 収穫残 渣
稲 収穫残 渣
くず 米
くず 米
家畜排 せつ 物
家畜排 せつ 物
鶏糞
鶏糞
木 質バイオマス
木 質バイオマス
廃食 油
廃食 油
衣川 区
40,000
0
50,000
( GJ)
60,000
80,000
100,000
太 陽光発 電
太 陽熱利 用
風力発 電
雪氷 熱
稲 収穫残 渣
くず 米
家畜排 せつ 物
鶏糞
木 質バイオマス
廃食 油
図 6.2-8 地区別利用可能量(熱量換算)
−
100,000
( GJ)
150,000
200,000
150,000
200,000
胆沢 区
100,000
太 陽熱利 用
20,000
50,000
( GJ)
60,000
太 陽光発 電
0
0
46
−
100,000
( GJ)
6−3
新エネルギーの効率的利用
新エネルギーの利用可能量は、一般的な利用技術を想定して推計しました。しかし利用技術の
選択や利用形態によっては、エネルギー効率を向上させることが可能です。発電時の廃熱を利用
した場合や、新技術を利用した場合について比較します。推計方法は、資料編へ記載します。
(1)廃熱利用
畜産系バイオマスの利用可能量の推計は、家畜排せつ物をメタン発酵させバイオガス発電
を行うことを想定しました。
発電時の熱はメタン発酵槽の保温に利用されますが、余剰熱がある場合は回収して利用す
ることで、全体のエネルギー効率を向上することができます。
バイオガス発電
電気(MWh)
2,000
熱(GJ)
2,000
7,200
電気
熱
バイオガス発電+熱利用
電気(MWh)
熱(GJ)
7,200
電気
熱
5,760
1,600
1,200
4,320
1,200
4,320
800
2,880
800
2,880
400
1,440
400
1,440
1,600
0
0
0
水沢区
江刺区
前沢区
胆沢区
5,760
0
水沢区
衣川区
図 6.3-1 バイオガス発電(電気のみ)
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
図 6.3-2 バイオガス発電(電気+熱)
(2)木質系バイオマスによるガス化発電
木質系バイオマスの利用可能量の推計は、間伐材をボイラ燃料として利用することを想定
しました。利用技術としてガス化発電システムを採用すると、熱だけではなく発電して電気
を利用することが可能となります。
電気(MWh)
熱(GJ)
電気(MWh)
108,000
30,000
86,400
24,000
18,000
64,800
18,000
64,800
12,000
43,200
12,000
43,200
6,000
21,600
6,000
21,600
ボイラ燃料
30,000
電気
熱
24,000
0
江刺区
前沢区
胆沢区
熱(GJ)
108,000
電気
熱
86,400
0
0
水沢区
ガス化発電
衣川区
0
水沢区
図 6.3-3 ボイラ燃料(熱のみ)
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
図 6.3-4 ガス化発電(電気+熱)
−
47
−
(3)新技術の採用
廃棄物エネルギーの利用可能量は、従来技術である蒸気タービンによる発電を想定しまし
た。蒸気タービン発電とは、ごみの焼却熱を利用して発生させた蒸気をタービンに吹き付け
て発電します。しかし、蒸気タービン発電は、小規模の施設では効率が下がるため普及が進
んでいませんでした。
ガス化改質発電は、ごみを高温でガス化して燃焼性ガスを生成しガスエンジンで発電する
技術で、小規模施設においても高効率で発電が可能な技術として開発が進められています。
電気(MWh)
ごみ発電利用可能量
20,000
16,000
12,000
8,000
4,000
0
蒸気タービン発電
ガス化改質発電
図 6.3-5 廃棄物エネルギーの発電方式による比較
−
48
−
7 新エネルギーの導入展開
7−1
新エネルギー導入の基本理念及び基本方針
(1)奥州市新エネルギービジョン基本理念
本市は、合併前の旧 5 市町村の協議と合意に基づき、地域の歴史や文化を生かしつつ、新市の
均衡ある発展を目指す「新市建設計画」を策定し、基本施策のひとつとして「自然と共生する美
しいまちづくり∼自然環境の保全・循環型社会の形成∼」が示されています。また、平成 19 年 3
月に策定予定の「奥州市総合計画」においても、「環境にやさしく潤いのある循環型社会の形成」
を理念として「新エネルギー活用の推進」が取り上げられています。
新エネルギービジョンにおいては、基本理念を「自然資源とエネルギーの地産地活」と定め、奥
州市の豊かな自然を活かした新エネルギーの導入と循環型社会への転換を進めていきます。
「自然資源とエネルギーの地産地活」
(2)新エネルギー導入の基本方針
1.エネルギー資源の地産地活
本市には、木質バイオマスをはじめ太陽光や畜産バイオマスなど豊富な新エネルギー資源が
存在します。その地域の新エネルギー資源を地域で活用する「地産地活」の循環型社会を構築
し、自立したまちづくりを推進します。
2.産・官・学・民の協働
産業界、公的機関、研究機関、市民のそれぞれが新エネルギーの導入について積極的に参加
し、情報を共有するとともに、新エネルギー導入の大きな課題であるコスト負担を軽減する仕
組みづくりを図ります。
3.地域産業の振興
新エネルギーの推進には、新エネルギー資源を供給する農業や林業などの地域産業、小型風
車や木質ペレット・チップボイラー等の製造業者など地域の様々な産業が関わります。新エネ
ルギーと地域産業が共に発展する地域に根ざした新エネルギーの導入を推進します。
4.地域の自然環境保全
新エネルギーの導入においては、エネルギーの創出だけではなく環境との調和が大切です。
本市の豊かな自然環境に調和した新エネルギーの導入を進めることにより、身近にある優れた
自然の保全を行います。
5.新エネルギー導入活動のPR
新エネルギー導入活動情報を本市の内外へ積極的に発信します。市民へ広く情報を発信する
ことにより普及啓発を図ります。また、全国で新エネルギー導入活動を実施している自治体や
市民団体、新しい技術をもった事業所と情報の共有を行います。
−
49
−
7−2
新エネルギー導入方針
(1)新エネルギー導入方針
本市における新エネルギーの利用可能量や導入技術の特徴をふまえ、新エネルギー導入方針
を定めました。
表 7.2-1
新エネルギー資源
新エネルギーの導入方針(1)
導入技術
評 価
導入方針
太陽光発電
太陽光は利用可能量が多く、導入地域も選びませ
ん。また、有害物質や騒音も発生しないクリーンな
技術です。低価格化が進み一般家庭への設置も可能
です。
公共施設へ率先導入し、事業
者,一般家庭への導入を促進
します。
太陽熱温水器
太陽熱温水器は太陽光がエネルギー源であるため利
用可能量が多く、有害物質や騒音が発生しないク
リーンな技術です。また、価格的にも一般家庭への
設置が可能です。
公共施設へ率先導入し、事業
者,一般家庭への導入を促進
します。
小型発電
平野部の風況は風力発電には適さず、基本的に導入
に適していない地域が多いと考えられます。また、
気象状況に左右されるため安定供給が困難です。
新エネルギーの普及啓発を目
的に、風況が適している公共
施設や学校への導入を検討し
ます。
大型発電
過去の調査によると風況や生態系、送電線の状況か
ら阿原山への導入が有力視されています。東北電力
は大型風力発電の連系条件として、バッテリー設置
による出力変動緩和制御を求めおり、設備費用の増
大が課題となっています。
阿原山等風況の適した地区へ
の導入を検討します。バッテ
リーを設置しての売電の他
に、水素製造や木質バイオマ
スの加工など、電気の現地利
用を検討します。
太陽光発電と風力発電を組み合わせることで、電力
ハイブリッド街路灯 供給の安定性を向上することができるため、独立電
源としての採用が考えられます。
防犯灯や防災拠点における独
立電源としての導入を検討し
ます。
冬季の除雪作業に合わせた収
集など、収集方法や利用先を
考慮した適性地の調査を行
い、雪氷熱利用の導入を促進
します。
太陽光
風力
太陽・風力
(ハイブリッド)
雪氷熱
雪氷熱利用
技術的には原理が単純なため導入は容易と考えられ
ます。本市には積雪が1m以上になるの地区も存在
し、導入事例もあるため地域的に利用可能な項目で
す。
中小水力
中小水力発電
水量や落差に合った発電設備の設置と、利用方法の
検討が必要です。本市においても岩堰川や胆沢区の
農業用水路などで適性地調査が進められています。
導入適性地の調査や利用方法
の検討を進め、中小水力発電
の導入を促進します。
ボイラー燃料
稲収穫残渣は利用可能量が多いものの、量がかさば
るため運搬性・利便性が悪く、燃料としての活用は
進んでいません。
新たな技術として、稲わらを原料にバイオエタノー
ルを生成する研究が進められています。
燃料としての利用は、今後の
検討事項とします。
バイオエタノール化について
は、技術動向や市場動向を調
査して検討していきます。
エタノール化
米のエタノール化はまだ研究途上ですが、石油代替
燃料として注目されています。また、稲作が盛んな
本市の特色を活かせる項目でもあります。
胆沢区で行われている、米の
エタノール化実証調査の推進
に合わせて、エタノールに適
した多種米などの調査を推進
します。
家畜
排せつ物
メタン発酵発電
家畜排せつ物は堆肥化され利用されていますが、処
理費用が大きな負担となっています。
家畜排せつ物の利用可能量は他の新エネルギー資源
と比較して多くありませんが、家畜排せつ物の処理
施設としての役割が期待できます。
各地区での家畜排せつ物処理
の状況を把握し、メタン発酵
発電導入による処理費用軽減
の可能性について検討しま
す。
鶏糞
ボイラー燃料
鶏糞の利用可能量は他の新エネルギー資源と比較し
て多くありませんが、鶏糞の処理施設としての役割
が期待できます。
規模の大きな養鶏場について
導入を推進します。
稲収穫残渣
(稲わら/もみ殻)
くず米
/籾(もみ)
−
50
−
表 7.2-1
新エネルギー資源
新エネルギーの導入方針(2)
導入技術
評 価
導入方針
森林資源が豊富な本市に適した項目です。岩手県で
ペレットストーブ
は、ペレットストーブ導入補助制度を設けて普及に
燃料
努めています。
公共施設へ率先導入し、事業
者,一般家庭への導入を促進
します。
森林資源が豊富な本市に適した項目です。衣川区に
チップ/ペレット
おいては、チップボイラーによる熱供給事業が実施
ボイラー燃料
されています。
温泉施設、福祉施設など熱需
要の大きい事業所への導入を
促進します。
炭/薪
燃料・発電
木質バイオマスの炭化は昔から利用されている技術
で、岩手県は炭の生産量が日本一の地域です。ま
た、粉炭を形成することで運搬性や利便性を向上さ
せることも考えられます。
木質バイオマス活用の幅を広
げるため、炭や薪の燃料,発
電利用について検討していき
ます。
ガス化発電
木質バイオマスのガス化発電は、まだ導入事例の少
ない技術で、安定稼動にはタール等の課題が残って
います。しかし、豊富な木質バイオマスの有効活用
のためには重要な技術と考えられます。また、残渣
にカーボンナノチューブが含まれておりコプロダク
ション(エネルギーと物質の生産)が可能です。
衣川区で行われている木質バ
イオマスガス化発電を推進し
ます。また、発電と同時に生
産されるカーボンナノチュー
ブの有効利用方法を検討して
いきます。
メタン発酵発電
生ごみ(厨芥類)は、メタン発酵の原料として有効
な資源です。本市が実施したアンケートでは「ごみ
の減量化やリサイクルの促進」は市民の関心が高い
結果が出ています。
廃棄物の有効利用を促進する
ため、厨芥類の分別収集やメ
タン発酵発電の導入について
検討していきます。
し尿・下水
汚泥
メタン発酵発電
市内に存在する下水処理施設では、汚泥のメタン発
酵が行われていますが、発電設備が無く発生するメ
タンガスの半分しか活用されていません。一方、し
尿処理施設では、メタン発酵を行わない処理方式が
採用されています。
廃棄物の有効利用を促進する
ため、施設の更新時期にメタ
ン発酵発電の導入について検
討します。
廃食油
BDF
廃食油のBDF化は国内各地で導入され成果をあげ
ています。本市でも廃食油は回収され利用されてい
ますが、BDFの生成は市外で行われています。
廃食油の回収とBDF生成設
備の導入を促進していきま
す。
廃棄物エネルギー
ごみ発電
本市のごみを処理している焼却場には、発電設備が
ありません。最近では技術向上により小規模の焼却
場でも発電設備の設置が可能となっています。
焼却施設の更新時期に、ごみ
発電の導入を検討します。
本市は自動車依存度が高いため、環境負荷の少ない
クリーンエネルギー
クリーンエネルギー自動車の導入は重要な課題と考
自動車
えられます。
公用車を購入する際にクリー
ンエネルギー自動車を率先導
入し、事業者や一般家庭への
導入を促進します。
燃料電池自体は発電の際に水しか排出せず、振動や
騒音の少ない技術です。まだ、導入事例の少ない技
術ですが、メタン発酵施設と連携し、メタンガスを
改質して利用することも考えられます。
今後の技術動向や市場動向を
調査し、他技術との組み合わ
せを検討ていきます。
木質
バイオマス
生ごみ
(厨芥類)
従来型エネルギー
の新利用形態
燃料電池
−
51
−
図 7.2-1 新エネルギーの利用方法
ヒートポンプ
小水力発電
胆沢ダム
温度差発電
雪氷
雪氷熱利用
生活環境の改善
家庭・事業所
自然エネルギー
農業用水路
融雪
(冷熱)
太陽光発電
太陽光
太陽熱利用
大型風力発電
風力
売電,近隣施設利用
観光資源
鶏糞ボイラー
燃料電池
排せつ物適正処理
施設内利用
水素製造
家畜排せつ物
堆肥
メタン発酵発電
し尿・下水汚泥
自動車
廃棄物系バイオマス
メタンガス
残渣
生ごみ
自動車
クリーンエネルギー
畜産系バイオマス
鶏糞
グリセリン
ごみのリサイクル
BDF
廃食油
木質バイオマス
家庭・事業所
木質系バイオマス
林業の活性化
ペレット,チップ
ガス化発電
炭,薪
文化の継承
残渣
新産業の創造 カーボンナノチューブ
︵熱需要施設︶
のエネルギー
農産系バイオマス 廃棄資源由来
くず米
エタノール化
多収穫米
飼料
農業の活性化
稲収穫残渣
可燃ごみ
廃棄物発電
物質の流れ
電気の流れ
他技術との新たな組合せ
−
熱の流れ
研究段階
52
−
残渣
基礎調査段階
∼ バイオマス資源の利用について ∼
家畜排せつ物や稲わらといったバイオマス資源は、様々な産業において重要な
資源として活用されています。例えば家畜排せつ物は堆肥化されて農業で利用し
ており、稲わらは畜産の飼料や敷料として利用されており資源の循環利用が推進
されています。新エネルギーの導入において、これらのバイオマスを活用する際
には、現在行われている資源循環の流れを阻害することなく、さらなる循環利用
を図る必要があります。
本市において家畜排せつ物は、江刺区と胆沢区にある堆肥化施設や各事業所に
より堆肥化されていますが、処理費用の負担が大きな課題となっています。
家畜排せつ物のメタン発酵や衣川区において実証試験が実施されているチップ
サイロを利用した燃料化技術は、資源の循環利用とエネルギーの有効利用が可能
な技術であり、導入を検討していきます。
畜産系バイオマス処理システム
〈概要〉
家畜排せつ物や生ごみと粉砕した木材チップをサイロで混合することで、チッ
プに繁殖するバクテリアの分解作用により有機物を水蒸気と二酸化炭素に分解し
ます。投入したチップは発酵熱で乾燥し、副生成物として良質の堆肥が得られま
す。
■リサイクルチップサイロ
■木材粉砕クラッシャー
−
53
−
7−3
推進体制
本ビジョンの推進にあたっては、行政・市民・事業者・研究機関が連携して取り組みを行い
ます。行政ではエネルギー推進室が中心となって各総合支所との調整を行います。市民・事業
者・研究機関は、それぞれの役割を推進し、行政との情報交換や研究開発等に取り組んでいき
ます。
情報発信
行政
市
エネルギー推進室
民
意見・要望
アドバイス
庁内調整
事業者
共同研究
総合支所
(水沢・江刺・前沢
事業実施
胆沢・衣川)
研究機関
図 7.3-1 推進体制図
■ 行政
【役割】・ビジョンの推進主体
・実行スケジュールの設定及び進行管理
・重点プロジェクトの内、ソフト施策の調査、検討、実施
・重点プロジェクトの事業化計画、導入計画の策定
・新エネルギーの率先的導入
・広報やホームページを利用した啓発活動
■ 市民
【役割】・地域の意見、要望の発信
・地域に対しての普及啓発活動
・新エネルギーの率先的導入
■ 事業者
【役割】・新エネルギーの率先的導入
・新エネルギー設備の開発、製造
■ 研究機関
【役割】・新エネルギーの研究
・情報提供、専門的アドバイス
−
54
−
7−4
新エネルギー導入目標
本市の新エネルギー導入目標は、地球温暖化防止への観点からCO2排出削減量で定めます。
岩手県は、平成 17 年に策定した地球温暖化対策地域推進計画の中で 2010 年を目標年度とし
て、CO2排出削減目標を 1990 年比で 8%と設定しています。岩手県の 2001 年におけるCO2
排出量は、1990 年に比べ 3.3%増加しているため、CO2排出削減目標は 2001 年より 11.3%の
削減が目標となり、その中で新エネルギー導入による削減目標は 0.9%となっています。
温室効果ガスの削減目標は京都議定書の基準年である 1990 年と比較することが望ましいの
ですが、本市には 1990 年のデータが無いため、2004 年度のエネルギー使用量を基準に設定し
ます。
本市の新エネルギー導入によるCO2排出削減量は、岩手県の新エネルギー導入目標の 0.9%
を基本として、1990 年度から 2004 年度までの二酸化炭素排出量増加分を考慮し、本市の基準
年度 2004 年度に対して1%の削減を目標とします。目標達成年度は、ビジョン策定の 10 年後
として、2016 年度(平成 28 年度)とします。
奥州市の新エネルギー導入による
CO2削減目標量
1 % (9,580t-CO2)
大規模な開発を伴わず比較的導入しやすい事業で目標を達成するための例を示します。目
標達成に向けて、CO2削減量の多くを占めている太陽光発電や木質バイオマス利用の普及が
重要になると考えられます。推計方法は、資料編へ記載します。
表 7.4-1
新エネルギーの導入例
新エネルギーの種類
導入の内容
全世帯数の5%(2,031世帯)が3kWの太陽光パネルを導入
太陽光発電
公共施設(庁舎、小学校、中学校)52施設へ10kWの太陽光
発電パネルを設置
CO 2削減量
(t-CO 2)
3,199
273
太陽熱利用
全世帯数の10%(4,062世帯)が3m2 の太陽光パネルを導入
ハイブリッド街路灯
1日12時間点灯する街路灯(40W×2灯)100基を
ハイブリッド街路灯に交換
米のエタノール化
転作田の1/3を活用し、エネルギー作物として米を収穫
1,206
生ごみのメタン発酵
生ごみを収集し、メタン発酵に活用
1,301
木質バイオマス利用
市内のA重油消費量の4%を木質バイオマスでまかなう
2,667
1,033
19
家庭で発生する廃食用油の40%を回収してBDFを生成
110
給食センターで発生する廃食用油100%を回収してBDFを生成
32
廃食油からのBDF生成
合 計
9,842
※各項目の端数が四捨五入されているため合計と一致しません。
−
55
−
∼ 地球温暖化対策への取り組み ∼
地球温暖化対策の取り組みは、新エネルギーの導入だけではなく、省エネルギ
ー等への取り組みが必要です。
岩手県は、
「地球温暖化対策地域推進計画」で 2001 年のCO2排出量から、1990
年比で 11.3%のCO2排出量を削減する目標を立てています。その中で、新エネ
ルギーの導入による削減量が 0.9%となっており、残りの 10.4%を「自動車依存
の高い社会の改善」
「節約エコライフ社会の構築」などの省エネルギーへの取り組
みと、
「二酸化炭素吸収源としての森林資源の利活用」により目標を達成しようと
計画しています。
本市においても、省エネルギー活動の推進や省エネ型社会の構築について検討
して行く必要があります。
[岩手県 8つの地球温暖化対策]
① 積雪寒冷地としての対策 −暖房・冷房は断熱から−
② 自動車依存の高い社会の改善 −便利な乗り物・自動車を考える−
③ 工場・事業所の環境マネジメントシステム(EMS) −事業所全てがエコ事業所−
④ 積極的な省エネの普及 −賢いエネルギーの使い方−
⑤ 森林資源の利活用 −森の恵みの利活用−
⑥ 新エネルギーの利用 −エネルギーの自己生産−
⑦ 節約(エコライフ)社会の構築 −過剰なエネルギー利用の見直し−
⑧ 地球環境教育の充実 −温暖化対策は学習から−
出典)岩手県地球温暖化対策地域推進計画
−
56
−
7−5
新エネルギー導入までの支援制度
新エネルギーは、経済性の面で従来のエネルギーに比べ割高となっています。このような
事情に対して国や地方公共団体等は新エネルギーの加速度的な普及促進を図ることを目的
に様々な支援を行っています。
本市が今後新エネルギーを導入する場合、これらの支援制度を有効に利用することが必要
です。ただし、新エネルギーの支援制度は、対象事業や要件の制約があること、対象となる
新エネルギーの普及の度合いにより、制度が打ち切られることがあるので注意が必要です。
NEDO が実施している主な支援制度を以下に示します。
支 援 制 度
導入フロー
地域の新エネルギー導入計画
の策定(平成 18 年度策定)
●『地域新エネルギービジョン策定等事業(ビジョン策定調査)
』
・地域特性の把握や分析
・個別プロジェクト計画の策定
(補助率:定額)
等
●『地域新エネルギービジョン策定等事業(重点テーマに係る詳
細ビジョン策定調査)
』(補助率:定額)
事業導入及び事業化の検討
●『地域新エネルギービジョン策定等事業(事業化 FS 調査)』
・導入計画
(補助率:定額)
・事業方法
●『風力発電フィールドテスト事業(高所風況精査)』
・財源の検討
(NEDO1/2 相当額負担)
・実証試験
等
●『太陽熱高度利用システムフィールドテスト事業』
(共同研究 NEDO1/2 相当負担)
●『地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業』(1/2 相当額)
事 業 化 の 判 断
●『地域新エネルギー導入促進事業』(補助率:事業費の 1/2 以内)
●『中小水力発電開発費補助金補助事業』
新エネルギー設備の設置
(補助率対象事業により異なる)
●『クリーンエネルギー自動車等導入促進補助事業』
(関連交付団体補助率:自動車は通常車両との価格差の 1/2 以内)
普
及
啓
発
●『地域新エネルギー導入促進事業(普及啓発事業)』
(補助率:定額)
図 7.5-1 新エネルギー導入までの支援制度
−
57
−
8 重点プロジェクト
8−1
重点プロジェクト
新エネルギー導入の重点プロジェクトとして、
「地域活性化プロジェクト」と「普及啓発プ
ロジェクト」を定め、新エネルギー導入の実践と地域社会作りの両面から「新エネルギー普
及社会」の構築を目指します。
「地域活性化プロジェクト」
地域の特徴や課題に着目した新エネルギーの導入を推進し、バイオマス資源の生産に
よる既存産業の活性化と、風力発電の導入や米のエタノール化などの新産業の創出を図
ります。
「普及啓発プロジェクト」
市民や事業者への普及啓発を図るとともに、新エネルギー基金を設立することにより、
新エネルギーの導入に積極的に取り組む地域社会作りを推進します。
普及啓発プロジェクト(社会作り)
水沢区
推進プラン
衣川区
江刺区
地域活性化
推進プラン
プロジェクト
推進プラン
前沢区
推進プラン
推進プラン
重点プロジェクトの概念図
−
58
−
設立プラン
胆沢区
新エネルギー基金の
推進プラン
エコスクール
(導入の実践)
図 8.1-1
新エネルギー体験プラン
グリーン・ツーリズムと
普及啓発プラン
庁舎への率先導入と
新エネルギー普及社会
8−2
地域活性化プロジェクト
地域の特徴や課題に着目した新エネルギーの導入を推進し、バイオマス資源の生産による
既存産業の活性化と、風力発電の導入や米のエタノール化などの新産業の創出を図ります。
まずは、各区の特徴に合った新エネルギーを導入し、それをモデルケースとして他の地区
へと展開し奥州市全体へ広げていきます。
地域の特徴,課題と、それに着目した新エネルギー、その新エネルギーを導入した場合の
効果を図 8.2-1 にまとめました。また、地域活性化プロジェクトにおいて各区に導入する新
エネルギー及び利用方法を図 8.2-2 に示します。
地域の特徴・課題
新エネルギー
森林資源が豊富
導入の効果
森林の保全
木質バイマス
木材需要の低下
林業の活性化
稲作が盛んな地域
水田の低利用状態
農業の活性化
米のエタノール化
水田の保全
自動車への
高い依存度
BDF
ごみ問題に対する
新産業の創出
廃食油,生ごみ,
生ごみ,
市民の強い関心
家畜はせつ物の
家畜排せつ物
の有効利用
メタン発酵
家畜排せつ物処理の
費用負担が大きい
新産業の創出
風の強い山岳地区
風力発電
落差のある
中小水力発電
水路(岩堰川等)
図 8.2-1
地域の特徴・課題と導入の効果
−
59
−
(電気,観光)
融雪の
エネルギー源等
図 8.2-2
地域活性化プロジェクト
−
60
−
胆沢区
胆沢ダム
伐採木,流木
薪,炭
ペレット,チップ
熱需要施設
熱需要施設
ガス化発電
岩堰川など
自動車
木質バイオマス
薪,炭
ペレッ ト,チッ プ
衣川区
中小水力発電
エ タノール化
籾 ,多収穫米
流通
熱の流 れ
電気の流れ
物質の流れ
水沢区
岩堰 川
中 小水力発 電
融雪
前沢区
熱需要施設
メタ ン発酵 発電
生ごみ
廃食油
BDF
自動車
売電
江刺区
熱需要施設
薪,炭
ペレット,チップ
大型風力発電
近隣施設
利用
木質バイオマス
(1)水沢区推進プラン
1)ねらい
水沢区は住宅や事業所が集中しており、廃棄物も多く発生しています。この廃棄物の有効
利用を促進するため、市内の家庭、飲食店などの事業所及び学校給食センターから排出され
る廃食油のBDF化と、生ごみのメタン発酵システムの導入について検討します。
2)取り組み内容
廃食油のBDF化を推進するために、廃食油を効率よく回収するシステムの構築と、BD
F製造装置の導入について検討します。生成したBDFは、市公用車,スクールバス及び農
業機械等の燃料として利用します。
また、BDFへの取り組みのシンボルとしてひまわりを栽培し、ひまわり油の生産から廃
食油の有効利用に至る一連の作業を通じて、環境やエネルギーに対する市民の意識向上を図
ります。
生ごみのメタン発酵システムの導入についても、市民,事業者,行政が一体となって、生
ごみの回収システムの構築及びメタン発酵システムの導入について検討します。
メタン発酵システムから発生する電気と熱は、自家施設での利用のほか、近隣施設での余
剰電力及び余剰熱の有効利用を検討します。消化残渣の液肥については肥料として作物生産
への使用を検討します。
廃
食
油
B
D
F
化
市公用 車
ひ まわ り
栽培
BD F
油
BD F製 造
スク ール バス
グリセ リン
廃
食
油
家庭
農業機 械
生
ご
み
メ
タ
ン
発
酵
発
電
施設 内
利用
余 剰熱
生
ご
み
熱
ビニー ル
ハウ ス
加温 等
余剰
電力
施設 内
利用
飲 食店
ホテ ル等
電気
メタ ン発酵
発電
液肥
作 物生 産
図 8.2-3 水沢区推進プラン
−
61
−
給食
セン ター
(2)江刺区推進プラン
1)ねらい
江刺区にある阿原山は、風力発電の風況精査や適地選定調査が民間で既に実施されており、
大型風力発電導入の可能性が高い地区です。風力発電に適した地域条件を活かし、風力発電
の導入を促進することにより、電力事業としての新たな産業の創出と、観光資源としての活
用を検討します。また、江刺区は本市における木質バイオマス利用可能量の 37%を占めてお
り、衣川区に次いで木質バイオマスが豊富に存在している地域であるため、木質バイオマス
の活用についても促進し、林地の保全と林業の活性化を図ります。
2)取り組み内容
阿原山等風況の適した場所への風力発電の導入を検討し、大型風車による電力会社への供
給や小型風車による隣接事業所への電力供給を行い、CO2排出抑制を推進します。電力会
社へ売電するには、風力発電の出力変動対策として蓄電池等の設置が必要であり、導入費用
の増加が課題となります。そのため出力変動対策をせずに、発電した電力で水素製造するな
ど、売電以外の活用方法についても検討します。風力発電においては、同じ北上高地に束稲
産業開発組合で設置した風車の利用も検討します。
また、江刺区の豊富な森林資源を活用するため、林業で発生する間伐材や木材加工所で発
生する残材から、木質バイオマス燃料を製造し、熱需要の多い施設(温泉施設・福祉施設等)
での利用を検討します。森林資源の循環的利用を推進することにより、林地の保全と林業の
活性化を図ります。
水素
ク リ ーン エ ネ
ル ギ ー自 動 車
風
力
発
電
電気
燃 料電 池
水 素 製造
電気
風 力 発電
熱
売電
風力
電気
電気
観 光 資源
電 力 会社
電 力供 給
加 工工 場
熱 需 要施 設
暖 房 ・給 湯
熱
主 伐・
間 伐材
チッ プ
薪
林地 残 材
ビニールハウス
製材所
ー
木
質
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
供
給
灰
ボイ ラ
ペレ ッ ト
ス ト ーブ
炭化
端 材 ・残 廃 材
農 地還 元
図 8.2-4 江刺区推進プラン
−
62
−
(3)前沢区推進プラン
1)ねらい
前沢区における小水力発電の可能性については、東北大学において継続的に調査され、有
望な地点も見つかっています。前沢区を流れる岩堰川の有効活用を図り、中小水力発電の導
入を検討します。また、発電した電力を利用して冬季の道路融雪に活用するなど、地域資源
に着目した新エネルギーの導入により、生活環境の改善を促進します。
2)取り組み内容
岩堰川に存在する水路の落差を利用した中小水力発電の導入を検討します。発電した電気
はヒートポンプに投入し、大気や河川水から熱を抽出して冬場の道路融雪熱源として利用す
ることを検討します。
河川水は大気に比べると年間を通じての温度変化が少なく、夏場は大気よりも冷たく、冬
場は暖かいといった特徴があります。この性質を利用して効率的な熱利用を行う、温度差エ
ネルギー利用についても検討します。
冬
温熱 源
中
小
水
力
発
電
融雪
熱
電気
(写真:山梨県都留市)
中小水 力発電
冷熱
農 業用水
落差エ ネルギー
熱 エネル ギー
夏
冷 熱源
図 8.2-5 前沢区推進プラン
−
岩堰 川
63
−
3)調査事例
調査者
概要
東北大学大学院
助教授 工学博士
調査水系:岩堰川
水路概要:指定延長
浅沼
宏
北上川水系
5km
用水路部分標高差
96km
調査地点:前沢区内3ヶ所
1号落差
約10m、2号落差 約 5m、3号落差 約 5m
1号落差
○1号落差(10m)のエネルギー
水
量
: 0.4∼2.0m3/s
年間水量
313×105m3
水力発電: 22∼120kWh/月
(1kW発電機を複数台設置した場合)
※ 44∼240世帯分の電力に相当
熱エネルギー:河川水5℃分のエネルギー(1月)
28,012MJ/時(河川全体)
本落差工で発電した電力をヒートポンプに投入して熱抽出すると
222MJ/時(1kW発電機を複数台設置した場合)
※ 4kWのエアコン15台に相当
活用方法:傾斜工部での発電+ヒートポンプによる河川熱抽出
(a) ロードヒーティング
(b) 家畜の飼育(冷房および暖房熱源)
(c) 植物栽培(冷房および暖房熱源)
(d) 米のエタノール発酵用熱源
(e) 保養施設(浴場、温水プール等)
−
64
−
(4)胆沢区推進プラン
1)ねらい
胆沢区は、本市の中でも特に稲作が盛んな地域であり、新エネルギーへの取り組みとして、
平成 16 年度から米のエタノール化事業を実施しています。引き続き米のエタノール化事業を
推進し農業全体の活性化及び新たな地域産業の創出を図ります。
また、胆沢区を流れる岩堰川などの水路に中小水力発電を導入し、米のエタノール化事業
へのエネルギー供給を検討します。
2)取り組み内容
米のエタノール化事業では、これまで胆沢区で行われた研究成果を基に、課題であるコス
ト低減に向け、エタノール生成の効率化の調査を進めます。エタノールの原料に使用する米
については、エタノール化事業に適した多収穫米をエネルギー資源作物として生産すること
を検討し調査を行います。多収穫米ついては、食糧用の米との競合をさけるため、生産や流
通において隔離して管理する体制を構築します。
生成したエタノールは、自動車のガソリン代替燃料としての利用や、農業用ボイラの燃料
としての利用を検討します。また、エタノールの高付加価値利用、発酵残渣の高付加価値利
用など、エネルギーと副産物のコプロダクション(同時生産)により、副産物の産業化をす
すめ、ランニングコストの低下を図ります。
また、胆沢区を流れる岩堰川などの水路で中小水力発電の導入し、発電した電気やヒート
ポンプで抽出した熱を米エタノール化施設で利用することを検討します。
胆沢区においては、建設中の胆沢ダムの工事で発生する伐採木や、ダムに集まる流木をチ
ップやペレット化するなどの有効活用についても検討していきます。
ー
農 業用 ボ イラ ー
自動 車
石 油代 替燃 料
ル
ー
米
エ
タ
ノ
エ
タ
ノ
農家
ル
化
米
抽 出残 渣
エ タノ ール 生 成
飼 料と し て活 用
電気
冬
温熱 源
中
小
水
力
発
電
融雪
熱
熱
電気
岩 堰 川な ど
(写真:山梨県都留市)
農業 用水
中小 水力 発電
冷熱
落 差エ ネル ギー
熱 エネ ルギ ー
夏
冷熱 源
図 8.2-6 胆沢区推進プラン
−
65
−
2)実証事例
事業
米のエタノール化
主体
奥州市(旧胆沢町)
概要
●水田地帯におけるエネルギー作物のエタノール化実証調査(平成 16 年)
・転作田におけるエネルギー作物の栽培として米を中心に検討
・エタノール変換技術については、比較的設備が簡便で、技術的にも多くの専門知識
を要しないこと、また発酵工程で排水が発生せず、発酵残渣についても菌体肥飼料
として有効利用が期待できる固体発酵方式を採用。
・固体発酵方式:デンプン原料を固体のまま麹菌により糖化させ、酵母菌を添加して
エタノール発酵させるもの。
●米のエタノール化技術実証調査(平成 17 年度)
(1)低コストエタノール製造技術の確立
・米のエタノール化にあたり、低コスト・高収量のエタノール製法の確立が必要。
・低コスト、99%以上の高濃縮精製技術の確立を目指した実証試験を実施。
・10kg の生米より約 3L の 99%エタノールが 7 日間の発酵で得られる。
(2)E3 等自動車燃料等エタノール使用方法の確立
・実際に精製されたエタノールをガソリンに添加し、E3 燃料として公用車等で使用
試験を実施。
・ボイラ燃料及び消毒用としてのエタノール活用試験も実施。
・精製されたエタノールを試験的に市民等に公開することで、エタノールの新エネル
ギー意識の高揚を図る。
■エタノール製造実証試験装置
■胆沢産の米から作った
エタノールの炎
(3)シンポジウムの開催による住民周知
●バイオマスエタノール燃料国際シンポジウム開催(平成 18 年 1 月 28 日)
−
66
−
(5)衣川区推進プラン
1)ねらい
衣川区では、全国でも導入事例の少ない木質バイオマスガス化発電設備を導入し、温泉施
設へエネルギー供給しており、宿泊施設ではチップボイラーによる熱エネルギー供給事業も
行われているなど、木質バイオマスの活用に積極的に取り組んでいます。
衣川区の豊富な森林資源を活用し、森林の保全と林業の活性化を促進するため、現在稼動
中の木質バイオマスガス化発電や木質バイオマスによる熱供給事業を促進するとともに、昔
ながらの炭や薪について改めて価値を見直し、地域資源に着目した新エネルギーの導入を図
ります。
2)取り組み内容
衣川区で実施されている木質バイオマスガス化発電事業を引き続き推進し、これまでの調
査結果を基に、チップ乾燥などの課題解決に取り組み、施設の安定的稼動と効率の向上を目
指します。
また、副生物である炭にはカーボンナノチューブが含まれており、発電と同時にカーボン
ナノチューブを生産するコプロダクション(同時生産)を構築することにより、副産物の産
業化をすすめ、ランニングコストの低下を図ります。
ガス化発電のように新しい技術のみではなく、薪や炭といった昔ながらのバイオマス資源
の利用価値をもう一度見直し、利用していくことによって、林業で発生する間伐材や木材加
工所で発生する残材の有効活用を図ります。これらの木質バイオマス燃料を製造し、熱需要
の多い施設(温泉施設・福祉施設等)において利用することによって、森林資源の循環的利用
を推進し、林地の保全と林業の活性化を図ります。
加 工 工場
熱 ・ 電気
供給
ー
木
質
バ
イ
オ
マ
ス
エ
ネ
ル
ギ
熱需 要 施設
暖房
給湯
チッ プ
熱
主伐
間伐材
電
気
林地 残 材
ペレ ッ ト
製 材所
ビニール
ハウス
加温
熱 ・ 電気
供給
供
給
薪
ボイラ
灰
農地 還 元
ストーブ
ガ ス 化 発電
図 8.2-7 衣川区推進プラン
−
67
−
炭化
端 材 ・ 残廃 材
2)導入事例
事業
木質バイオマスガス化発電
主体
奥州市(旧衣川村)
概要
●取組みの概要
・木質バイオマスのガス化発電による黒滝温泉への電気及び熱供給
・木質バイオマスのガス化による高付加価値生産物生産
●導入概要(木質バイオマスガス化発電施設)
・チップガス化発電施設が旧衣川村の日帰り入浴施設である村営黒滝温泉に導入され、
平成 16 年 12 月より稼動
・25kW の発電出力のうち 5kW はプラント自体で消費され、20kW が温泉施設に供給
・燃料は含水率 20%の乾燥チップで、一日あたり約 300kg を消費
発電効率は約 20%で、熱も施設内で同時に利用。
ガス化発電炉
●カーボンナノチューブ(CNT)実証事業
・チップを原料にしたガス化による CNT 合成実証事業を開始(平成 16 年度)
・水素生産ガス化炉及び木質バイオマスガス化発電炉において CNT の合成を確認
(平成 17 年度)
施設のシステムフロー
木質チップ
木質バイオガス化炉
木材チップを熱分解
し、高温下でガス化
する。そのガスから
不純物を除いてエン
ジン発電機へ送る。
水素生産ガス化炉
電気・熱
試験研究用炉
木材チップを電気炉で
熱分解し、水蒸気を炉
内にふき込むことでガ
ス化する。
CNT の他、水素の比率
の 高い ガス が発生 す
る。
水素
研究・商品開発
黒滝温泉
カーボンナノチューブ
事業
木質バイオマス熱供給事業
主体
衣川フォーレスト(株)
概要
●国民宿舎サンホテル衣川荘及び温水プールへチップボイラーによる熱エネルギー供
給事業を実施(平成 16 年度)
衣川荘
チップボイラー
−
68
−
8−3
普及啓発プロジェクト
(1)公共施設への率先導入と普及啓発プラン
1)ねらい
地球温暖化問題やエネルギー問題の解決のためには、行政の取り組みだけではなく、市民
や事業者に新エネルギーの導入及び省エネルギーの推進を普及させることが必要です。
主要な公共施設に新エネルギー設備を率先的に導入して、市民や事業者への普及啓発を図
ります。また、新エネルギーのシンポジウムやセミナー等を開催し、新エネルギーの取り組
みを市民や事業者に直接伝えます。
2)取り組み内容
公共施設への新エネルギー設備の導入としては、多くの市民の目に触れる場所に太陽光発
電パネルや小型風力発電等を導入し普及啓発を行います。また、年間を通じて熱需要がある
公共施設にペレットストーブを設置するなど、市民が直接体験できる機会を設けます。市の
取り組み内容や導入効果については、ホームページや広報により広く情報を発信し普及啓発
を行います。新エネルギー設備の導入に関しては、ESCO事業の活用も検討します。
市民や事業者へ新エネルギーを普及するために、学識経験者や市の職員、実際に新エネル
ギー設備を導入した事業者や市民を講師としたシンポジウムやセミナーなどを開催したり、
新エネルギーを導入しようと考えている市民や事業者に対する相談窓口の設置を検討します。
また、太陽光発電などの設備導入の課題のひとつである導入費や維持費用について、普及
に支障がある事例を調査し、補助や優遇処置など普及に向けた施策の検討を行います。
積極的に新エネルギーを導入したり、環境にやさしい取組みを実践している事業者,家庭
に対しては、広報で取り上げるなどして新エネルギー導入のさらなる推進を応援します。
セミ ナ ー
シ ンポ ジ ウム
庁舎 へ 率先 導 入
一般 住 宅・ 事 業者 へ導 入
太陽 光 発電
太 陽 熱利 用 シス テ ム
ペ レ ット ス トー ブ
ク リー ン エネ ル ギー 自 動車
電力
熱
太陽 光 発電
太陽 光 発電 表 示パ ネ ル
導 入成 果
情 報発 信
市民
普 及啓 発
ペ レ ット
ス ト ーブ
事 業者
クリ ー ン
エネ ル ギー
自動車
図 8.3-1
岩手地球環境にやさしい事業所
↓
企業イメージアップ
庁舎への率先導入と普及啓発プロジェクト
−
69
−
3)導入事例
事業
葛巻中学校太陽光発電システム導入事業
主体
葛巻町
概要
●導入目的
・葛巻町では、環境保全や資源の再利用など自然との共生を基本とした町づくりを進
めていることから、全面改築が予定されていた町立葛巻中学校に県内最大規模とな
る 50kW太陽光発電システムを導入(平成 12 年 3 月 15 日受給開始)
・生徒はもとより地域住民に対し、地球環境保全の重要性や新エネルギーへの関心を
高めさせ、普及啓発できる教育環境を整備
●工事概要
・建築場所:葛巻中学校グラウンド南端
・占有面積:962m2
・構造及び規模:太陽光電池容量 50kW相当、太陽電池モジュール 420 枚、
インバーター5 台
●システムの内容
・太陽電池モジュール(パネル)で発生した直流電力を商用電源受電設備(変電設備)
脇に設置するインバーターに集めて交流電力に変換し、連係保護装置を通して既存
の配電設備に接続し、葛巻中学校の昼間に消費する電力を当てる
・余剰電力は、売電用の余剰電力メーターを通して電力会社に売電するシステム
・表示装置を設置して売電の状況等を表示することにより、生徒達や訪れる人々に対
しての環境教育としての役割も期待
出典)「葛巻町ホームページ」
−
70
−
∼ ESCO事業 ∼
ESCO事業とは
ESCO(Energy Service Company)事業とは、省エネルギーを企業活動と
して行う事業であり、顧客にエネルギーサービスを提供するビジネスです。
ESCO事業者の利益は、顧客の省エネルギー効果(メリット)の一部から
報酬として受け取ります。
顧客の利益
保
ESCO事業者の経費
エネルギー消費量
返済分
証
または
金利
初期投資
光熱水費支出
エネルギー消費量
または光熱水費支出
ESCO事業
実施前
ESCO事業
契約後
ESCO事業の特徴
(1)新たな負担を必要としない省エネルギー促進策です。
省エネ改修に要したすべての経費(工事費、金利、ESCO 事業者の経費等)は、
省エネルギー改修で実現する経費削減分で賄われます。
(2)ESCO 事業者が省エネルギー効果(メリット)を保証します。
ESCO 事業者が省エネルギー効果を保証すると同時に、顧客の利益を保証します。
保証した省エネルギー効果が得られなかった場合、ESCO 事業者は顧客の損失を
補填します。
(3)包括的なサービスを提供します。
省エネルギーの経験がなくても、人材が確保できなくても省エネルギーは実現
できます。すべては ESCO 事業者が責任をもって、エネルギーに関する包括的な
サービスの提供を行ないます。
(4)省エネルギー効果の計測・検証を徹底します。
省エネルギー改修後の省エネルギー効果を把握する作業を計測・検証といいま
す。パフォーマンス契約の中で ESCO 事業者が保証した省エネルギー効果は、適
正な計測・検証の結果で明らかになります。省エネルギー効果を確認後、顧客
は ESCO 事業者にサービス料を支払うこととなります。
出典)財団法人 省エネルギーセンターHP
−
71
−
(2)エコスクール推進プラン
1)ねらい
良好な自然環境とエネルギー資源を継承していくためには、次世代を担う子供たちや地域
の住民に対して、環境問題やエネルギー問題の教育が欠かせません。学校の施設を用いてこ
れらの多様な学習プログラムを構築し、環境やエネルギーに対する関心を高め、理解を深め
ていく学習の場とし、地球環境にやさしい取組みを推進する生徒の育成に努めます。また、
校舎の改修や改築に合わせて、シンボルや実物教材として新エネルギー設備の導入を図り、
環境教育に役立てます。
2)取り組み内容
環境教育では、身近な自然環境やエネルギー問題の視点を意識した学習により、これらの
環境問題に対する意識の向上を図ります。また、生徒たちが太陽光発電や風力発電の仕組み
を体験できるような、手で触れる教材を活用した体験的活動を推進します。
施設整備としては、環境学習のシンボルや実物の教材として太陽光発電や風力発電などの
新エネルギーを目に見える形で取り入れ、発電状況を表示パネルに表示させるなど、身近に
体験できるような施設整備を推進します。
小学校や中学校は教育の場であるとともに、地域社会の核であるため、地域住民に対して
も、環境やエネルギーに対して理解を深めていく学習の場を設けます。
学 校 施設 等 へ率 先導 入
環境 負 荷の 低減 や 自然 と の
共生 を 考慮 した 施 設づ く り
環 境教 育
電力
学習 プロ グ ラム の
創 出・ 実践
熱
太 陽光 発 電
太 陽光 発 電表 示 パネ ル
ペレ ッ トス
トーブ
次 世代 へ
良 好 な環 境
と
エ ネ ルギ ー
資 源 の継 承
太陽 熱利 用 シス テ ム
ハイ ブ リッ ト
街 路灯
図 8.3-2 エコスクール推進プラン
−
環 境・
エ ネ ルギ ー
に 対 する
意 識 の向 上
72
−
3)事例案
エコスクール事例案
概要
出典)「環境省 HP」
−
73
−
(3)グリーン・ツーリズムと新エネルギー体験プラン
1)ねらい
本市はグリーン・ツーリズムを積極的に推進しており、平成 18 年度には 3,805 人が訪れ、
農村生活体験をしています。グリーン・ツーリズムの体験内容は、新エネルギーの取り組み
と共通する部分が多くあります。体験者に奥州市の歴史ある文化を体験してもらい、普段の
生活を支えてくれている生産者との交流を深めながら、様々な自然資源が生活のいろんな場
面でエネルギー利用できることを体験してもらいます。
2)取り組み内容
都市部で生活する学校の生徒たちや農村生活に興味を持っている方を対象に、農村生活体
験を通じて、新エネルギーへの取り組みを体験してもらいます。森林資源を薪や炭として利
用してきた先人たちの知恵や、米やひまわりなどの収穫物からバイオマス燃料を生成すると
いった新しい技術も学んでもらえる体験プログラムの構築を検討します。
グリーン・ツーリズムと新エネルギーの結びつきによって、体験者には農村体験や収穫の
よろこびを感じてもらうだけではなく、新エネルギーの普及にも貢献していただきます。
参加の方法としては、日帰りや数日の短期滞在型のほかに、より奥州市に愛着を持っても
らえるように、畑や田んぼのオーナー制度やトラスト制度についても検討します。
農村体験に合わせて、新エネルギー利用が地球環境の保全にとって重要であることを伝え
エコ・ツーリズムについても推進していきます。
これらの取り組みを推進するため、奥州市の魅力を多くの人に伝える主催者育成セミナー
を開催したり、体験プログラムや主催者、体験者の声をホームページや出版物で積極的に PR
するなどの支援を行います。
労働力、資金
農地、林地の保全
農村体験に興味がある
環境問題・新エネルギーに興味がある
農村体験
産業の活性化
収穫(米・野菜・炭)
環境学習
新エネルギー
の発展
新エネルギー体験
写真)おうしゅうグリーン・ツーリズム推進協議会より
図 8.3-3 グリーン・ツーリズムと新エネルギーの連携
−
74
−
表 8.3-1
グリーン・ツーリズムと新エネルギーの連携
体験内容
新エネルギーとの連携
環境学習
水田作業
・田植え
・草刈り
・稲の収穫
畑作業
・植え付け
・収穫
林業
・薪割り
・炭焼き
・枝打ち
・ひまわりの栽培(BDF)
・ビニールハウスの加温
環境問題・エネルギー問題
(ペレット・エタノールボイラー)
について学習
移動
・BDF、エタノール自動車
宿泊施設等
・ペレットストーブ
・太陽光発電
・太陽熱利用
・木質バイオマスを利用した温泉
・米のエタノール化の学習
・もみ殻を利用した炊飯
・星空観察
・炭を利用した食事
・薪を利用した風呂
・自然体験
・新エネルギー導入
施設の見学
オーナー制度
都市部に生活していて農業体験などに興味をもっている方に、水田1区画のオーナー
になっていただきます。オーナーは年間使用料を支払い、自らがオーナーとなった水田
の農作業を行います。農機具などの道具は地元が用意し、作業の指導も行います。収穫
物は、オーナーが持ち帰ることができます。
トラスト制度
農業体験に興味がある方に、トラスト(信託)料金を払っていただき、農地保全の支
援をしていただきます。出資者は、季節ごとに開催される農作業のイベントに参加する
ことができます。収穫物は、出資者に均等配分されます。オーナー制度と違い、農作業
への参加義務はありません。
−
75
−
3)導入事例
事業
くずまきの環境は未来の子どもたちへの贈りもの
主体
岩手県葛巻町
概要
・エネルギー自給率 100%を目標に掲げ、地域にある新エネルギー資源を積極的に
活用するべく、風力発電、太陽光発電とともに、町の基幹産業である酪農と林業の
振興につなげるため、町内の酪農家、林業家、森林組合との意見交換、調査事業に
よる畜ふん・木質バイオマスエネルギーの導入を進めている。
・新エネルギー施設からの税収入を財源とした町民、町内事業者への新エネルギー
導入に対する補助制度の設立
・小中学校の社会科見学での新エネルギー施設案内や勉強会の他、子どもを対象と
した町の環境副読本づくりや自然エネルギー体験講座の実施等により、新エネルギ
ーに対する理解を深めるとともに、町民を主体とした組織による環境関連イベント
も実施
・町おこしと新エネルギーを結びつけた活動であり、新エネルギー導入を産業振興
につなげる事業者との協力関係構築にも成功
・町内に向けての普及啓発に積極的であるとともに、グリーンツーリズム滞在型プ
ラン等を企画しており、地域への流入効果が大きい。
蓄ふんバイオガスシステム
葛巻中学校太陽光発電
自然エネルギー体験講座
袖山高原風力発電施設
出典)「NEF ホームページ」
−
76
−
(4)新エネルギー基金の設立プラン
1)ねらい
新エネルギーの導入を進めていくためには、多くの資金が必要であり本市単独の資金では
限界があります。また、奥州市に新エネルギー設備を導入して地域活性を図りたいと考えて
いる市民や事業者がいても、やはり単独では資金や導入スペースが用意できないといった課
題があります。そこで、市民,事業者,行政が一体となり新エネルギーの導入に取り組むた
めに新エネルギー基金の設立を検討します。
2)取り組み内容
新エネルギー基金は、出資者に負担とならない程度の金額を継続的に出資していただき、
集まった基金を元手に、新エネルギー設備の導入を行います。
新エネルギー設備を導入する場所については、住民に身近な公共施設への設置が想定され
ますが、事業者から設置場所の提供を受けることも考えられます。
これにより市民は、少ない資金で新エネルギー設備導入に参加し、地球温暖化対策に貢献
することができます。また、事業者については環境対策への PR 効果等のメリットもあります。
出資者には、会員証を配布して、導入した設備の効果を定期的に報告することにより、自
分たちの出資した新エネルギー設備に愛着を持っていただきます。特に貢献した市民や事業
者に対して、市から表彰を行うことも検討します。
設置
運営
寄付
会員証
/報告
運営主体
収益
市民
助成
事業者
表彰
資金出資
新エネルギー
システム
市役所
図 8.3-4
新エネルギー基金の設立プラン
−
77
−
3)導入事例
名称
衣川村資源循環型社会推進基金
主体
奥州市(旧衣川村)
概要
●基金設置の概要
資源循環型社会の構築を目的とする事業の財源に充てるため、衣川村資源循環型社会推進
基金を設置
・森林資源などの自然の資源を循環資源として活用推進する事業
・地球環境に対する負荷を軽減する事業
・地域資源の多様な活用を図り、エネルギーの利用効率を高める事業
・循環型社会構築を推進する事業
●基金適用事業
・「木質バイオマスガス化発電事業」(平成 16 年度)
木質バイオマスのガス化発電による黒滝温泉への電気及び熱供給事業
名称
東北電力グリーン電力基金制度
主体
東北電力株式会社
概要
●基金制度の概要
環境保全に貢献したいという個人・法人からの寄付金をもとに、新たに太陽光発電設備ま
たは風力発電設備の設置を計画している助成希望者を募集し、対象設備を選定したうえで
助成する制度
● 新エネルギー導入事例(岩手県)
陸前高田市黒崎温泉保養センター
太陽光発電システム出力 8.8kW
岩手県岩手郡葛巻町
(株)グリーンパワーくずまき
定格出力 21,000kW
(1,750kW×12 基)
出典)「東北電力株式会社ホームページ」
−
78
−
岩手県釜石市
(株)ユーラスエナジー釜石
定格出力 42,900kW
(1,000kW×43 基)
8−4
重点プロジェクトの導入スケジュール
重点プロジェクトの導入スケジュールは、前期(平成 19∼23 年度)と後期(平成 24∼28
年度)に分けて行います。前期は、比較的導入が容易な設備や、ソフト面での推進を行いま
す。後期は、導入費用が高額な設備や、導入までに適性地調査などの準備が必要な項目を対
象に実施します。
表 8.4-1
重点プロジェクトの導入スケジュール
導入目標時期
プロジェクト名
前期(平成19∼23年度)
廃食油BDF化
水沢区
推進プラン
生ごみメタン
発酵発電
風力発電
江刺区
推進プラン
・廃食油収集方法検討
・導入設備の規模等検討
・生ごみ収集方法検討
・導入設備の規模等検討
・立地調査
・風況精査
・導入設備の規模等検討
木質バイオマス
エネルギー供給 ・流通システム検討
・導入設備の規模等検討
・利用先検討
地域活性化
プロジェクト
前沢区
推進プラン
中小水力発電
・導入適正地調査
・導入設備の規模等検討
・利用方法検討
米エタノール化
胆沢区
推進プラン
中小水力発電
衣川区
推進プラン
木質バイオマス
エネルギー供給
庁舎への率先導入と
普及啓発プラン
エコスクール推進プラン
普及啓発
プロジェクト
グリーン・ツーリズムと
新エネルギー体験プラン
新エネルギー基金
の設立プラン
:準備期間
・導入適正地調査
・導入設備の規模等検討
・利用方法検討
・導入施設選定
・導入設備の種類等検討
・導入施設選定
・導入設備の種類等検討
・環境教育プログラム検討
・体験プログラムの検討
・受け入れ先の検討
・基金募集方法の検討
・運営主体の検討
:実施期間
−
79
−
後期(平成24∼28年度)
資
資料編
−
資料編
目次
料 編
−
資−1:新エネルギーの動向
資−2:新エネルギーの技術概要
資−3:新エネルギーの賦存量及び利用可能量の推計方法
資−4:新エネルギーの効率的利用可能量の推計方法
資−5:新エネルギー導入例の推計方法
資−6:新エネルギー導入及び普及のための補助制度
資−7:用語集
資−8:先進地調査
資−9:地域新エネルギービジョン策定委員会
資−1 新エネルギーの動向
(1)
新エネルギーの概念の見直し
1997 年に施行された「新エネルギー法」による新エネルギー政策推進を図るために 2001
年 6 月「新エネルギー部会報告書」によって政策の基本的方向性が示されました。しかし、
その後数年間で世界のエネルギー情勢に大きな変動が起きつつあり、それに伴い我が国のエ
ネルギー政策の方向性についても見直しが必要となってきています。新エネルギーについて
も同様であり、現在、新エネルギー部会において新たな「新エネルギー」の方向性が検討さ
れています。
現在の新エネルギーの概念は、供給サイドと需要サイドの側面から分類されていますが、
世界的に認知されている再生可能エネルギーの概念1の範囲とは異なる部分もあります。また、
新エネルギーには、大気汚染防止、地球温暖化防止といった環境対応が求められていること
から、環境負荷の小さいエネルギーの利活用が重要となります。
表 1-1 に示すように、新たな「新エネルギー」の概念には、中小水力や地熱が追加されて
石油由来の廃棄物利活用は除外(省エネルギーに分類)されています。また、新エネルギー
の普及にはエネルギー効率の向上、経済の優位性などが保たれる必要があることから、既存
技術では不足している点を技術革新により解決していく必要があります。これを「革新的な
エネルギー高度利用技術」として支援していくことが盛り込まれています。
「新エネルギー」の概念について2
表 1-1
現行の「新エネルギー」の概念
ア)石油代替エネルギーを製造、発生、利用すること等のうち、
イ)経済性の面での制約から普及が進展しておらず、かつ
ウ)石油代替エネルギーの促進に特に寄与するもの
○供給サイドの新エネルギー
○需要サイドの新エネルギー
太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、バイオマス発電、バイオマ
電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)、天然ガス自動車、メタノ
ス熱利用、廃棄物発電、廃棄物熱利用、雪氷熱利用、温度差熱利
ール自動車、天然ガスコージェネレーション、燃料電池
用、バイオマス燃料製造、廃棄物燃料製造
新たな「新エネルギー」の概念
ア)「新しい再生可能エネルギー」の導入拡大
イ)革新的なエネルギー技術の開発・利用促進
○新エネルギー
○革新的なエネルギー高度利用技術
・ 中小水力・地熱を追加
・再生可能エネルギーの普及に資する新規技術
・ 石油由来の廃棄物発電・熱利用・燃料製造は除外
・エネルギー効率の飛躍的向上に資する新規技術
・ それ以外は現行概念(供給サイドのみ対象)と同じ
・エネルギー源の多様化に資する新規技術
1
IEA の再生可能エネルギーの定義「絶えず補充される自然のプロセス由来」のエネルギーとされている。
2
「新エネルギー部会中間報告書(案)」平成 18 年 10 月資料より作成
資 1-1
新たな「新エネルギー」の概念は、図 1-1 のようにまとめることができます。革新的
なエネルギー高度利用技術は、①実用化段階にはいたっておらず、技術開発を推進すべ
き技術、②実用化段階にいたっているが経済面での制約から普及が進んでおらず、市場
における導入支援を図るべき技術であるかどうかの二つに着目して支援されていくよう
です。新エネルギー分野における具体的な技術開発テーマについては(3)新エネルギ
ーの技術開発分野にて後述します。
再生可能エネルギー
大規模水力
導入目標の設定
新エネルギー
中小水力
地熱
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
雪氷熱利用
バイオマス発電
バイオマス熱利用
バイオマス燃料製造
温度差熱利用
有機廃棄物発電 有機廃棄物熱利用
有機廃棄物燃料製造
(波力発電)
再生可能なエネルギーのうちそ
の普及のために支援を必要と
するもの
(海洋温度差熱発電)
革新的なエネルギー高度利用技術
再生可能エネルギーの供給
エネルギー効率の飛躍的向上
エネルギー源の多様化
技術革新の進捗等に応じて対
象となる技術を精査
に資する新規技術であって、その普及を
図ることが特に必要なもの
図 1-1
新たな「新エネルギー」と「再生可能エネルギー」の概念
出典:新エネルギー部会資料より作成
資 1-2
(2)新エネルギー導入量見通し等
1)NEDO
2001 年以降の新エネルギー政策の推進やエネルギーを巡る環境の変化に伴い、新エネルギ
ーを取り巻く環境は大きく変化しています。新エネルギーの導入拡大が国内外で急速に進ん
だ一方で、普及を妨げる問題も顕在化してきています。また、アジアの急速な経済発展によ
るエネルギー需要の拡大によって世界的にエネルギーの需給バランスが崩れるなどの問題が
ありますが、このような問題を解決していくために、石油資源に頼らないエネルギー政策の
推進、加えて地球温暖化対策の推進を目的として新エネルギー(再生可能エネルギー)に対
する期待が高まっています。世界的に再生可能エネルギーに対する導入推進、技術開発の競
争が大きくなってきており、産業振興政策としても新エネルギー分野への支援は、わが国に
おいても今後強化されていく方向にあります。
新エネルギー導入量の見通し
総合資源エネルギー調査会 新エネルギー部会を中心とした検討においては、2010
年度までに実現が可能と見込まれる目標量を 1,910kl(原油換算)と設定していま
す。太陽光発電、風力発電を中心に導入量が年々増加してきていますが、現行対策
では達成の厳しい分野もあれば、急速な市場拡大により導入目標が達成目前の分野
もあります。これは、新エネルギーの市場拡大策として助成制度、グリーン電力購
入制度等の社会制度が整備もされてきたことも貢献しています。
表 1-2
新エネルギー導入の見通し
2002年度
2010年度目標
28万kl
118万kl
63.7万kW
86万kW
113万kW
482万kW
18.9万kl
28.9万kl
37.7万kl
134万kl
46.3万kW
67.8万kW
92.7万kW
300万kW
174.6万kl
213.7万kl
−
586万kl
161.8万kW
173.9万kW
−
450万kW
太陽熱利用
74万kl
68万kl
64万kl
90万kl
廃棄物熱利用
164万kl
−
−
186万kl
バイオマス熱利用
68万kl
79万kl
−
風力発電
廃棄物発電+バイオマス発電
熱
利
用
分
野
2004年度
21万kl
太陽光発電
発
電
分
野
2003年度
15.6万kl
未利用エネルギー
※ 2
黒液・廃材等 ※ 3
合計
(対一次エネルギー総供給比)
※1
4.6万kl
308万kl
(記載なし) (記載なし) 5.0万kl
471万kl
(記載なし) (記載なし) 483万kl
991万kl
764万kl
764万kl
1,910万kl
(1.7%)
(1.3%)
(1.3%)
(3%程度)
※発電分野及び熱利用分野の各内訳は、目標達成にあたっての目安。
※1輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料(50万kl)を含む。
※2未利用エネルギーには雪氷冷熱を含む。
※3黒液・廃材はバイオマスの1つであり、発電として利用される分を一部含む。黒液・廃材等の導入量は、
エネルギーモデルにおける紙パの生産水準に依存するため、モデルで内生的に試算されたもの。
2002年度
クリーンエネルギー自動車 ※1
天然ガスコージェネレーション ※2
燃料電池
※ 3
2003年度
2004年度
2010年度目標
135,097台
183,286台
254,861台
約233万台
215万kW
242万kW
313万kW
498万kW
1.2万kW
1.2万kW
1.2万kW
220万kW
※1 クリーンエネルギー自動車は、電気自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、
ディーゼル代替LPガス自動車の合計。実績値は業界調べ。
※2(社)日本ガス協会調べ。
※3燃料電池は、りん酸形、溶融炭酸塩形、固体高分子形の合計。2004年度のみ固体高分子形の設備容量は調査中。
出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会第1回RPS法評価検討小委員会資料,平成17年11月1日(供給サイ
ドの2002年度及び2010年度目標)、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会第11回新エネルギー部会資料,平成
17年7月26日(供給サイドの2003年度及び2004年度、需要サイドの全データ)
出典)NEDO
資 1-3
2)新・国家エネルギー戦略
「新・国家エネルギー戦略(2006 年 5 月)
:経済産業省」では、新エネルギー普及に向け
「新エネルギーイノベーション計画」と「運輸エネルギーの次世代化計画」をあげています。
新エネルギーイノベーション計画
(1)考え方
新エネルギーのうち、再生可能なエネルギーであって、太陽光、風力、バイオマス
など特に導入を促進すべきエネルギー源を特定し、重点的に支援を行う。
(2)目標
産業としての自立を目指しつつその導入拡大を図ることによって、
2030 年までに、
普及に取り組む。
●太陽光発電に要するコストを火力発電並みとする。
●バイオマスエネルギー、風力発電などによる地産地消型の取組を推進し、地域におけ
るエネルギー自給率を引き上げる。
●自動車の新車販売の多くをハイブリッド化するとともに、電気自動車・燃料電池自動
車の導入を促進する。
(3)具体的取組
●エネルギー源毎の特性と成長ステージに応じた導入支援措置により、「需要」と「供
給」の拡大を行う。
●太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギーなど普及期に移行しつつある新エネル
ギーについて、関連設備の公共機関における率先導入、RPS法適用、必要に応じた助成・
税制の適用等市場拡大支援を行う。
●新材料を用いた太陽電池、風力の出力変動の抑制に資する蓄電池、水素社会の実現を
目指した燃料電池等の革新的技術など離陸準備期にあるものについては、戦略的・重
点的に技術開発や実証を推進する。
●太陽光発電産業群の育成、燃料電池・蓄電池産業群の育成、風力・バイオマスなどの
「地産地消」をベースにした地域ビジネスの促進など、新エネ産業に関する厚みのあ
る「産業構造」を形成する。また、新エネルギーなど新たなエネルギー供給・利用形
態を目で見て触れて理解することの出来る次世代エネルギーパークなどを整備する。
●超燃焼及びエネルギー貯蔵を鍵として、次世代蓄電池、バイオ技術を活用したバイオ
エタノールの高効率製造技術、燃料電池の低コスト化など、新たなエネルギー経済を
支える基幹技術を戦略的に開発する。
●化石燃料自体の有効利用も含め、エネルギーの高度利用を促す革新的技術についても、
その開発と普及を推進する。
●革新的技術にチャレンジする新エネルギーベンチャービジネスに対する支援を拡大す
る。
資 1-4
新エネルギーイノベーション計画
図 1-2
新エネルギー等の導入拡大イメージ図
資 1-5
運輸エネルギーの次世代化計画
(1) 目標
石油市場における需給逼迫などエネルギー市場の変動にも柔軟に対応でき、高効
率な運輸インフラを確立するため、2030 年に向け、運輸部門の石油依存度が 80%程
度となることを目指し、必要な環境整備を行う。
図1-3
運輸部門における石油依存度と目標値
(2)新エネルギーに関する具体的取り組み
●給油所の環境・安全対策により、バイオマス由来燃料供給インフラの整備を急ぐとと
もに、自動車産業に10%程度のエタノール混合ガソリンへの対応を促し、2020年頃まで
を目途にエタノールを含む含酸素化合物の混合上限規定を見直すこととする。
●国産バイオエタノール生産拡大に向けた地域の取組に対する支援や、バイオエタノー
ル等バイオマス由来燃料の開発輸入支援の在り方を検討する。高効率エタノール製造技
術の開発などを促進し、バイオマス由来燃料等新燃料の供給の促進や経済性の向上を図
る。
●既に実用化が始まりつつある電気自動車、燃料電池自動車等について普及促進を図る
とともに、次世代電池や燃料電池自動車に係る集中的な技術開発、安全・簡便・高効率
かつ低コストな水素貯蔵技術の確立、次世代を担う自動車の開発実用化の推進などに取
り組む。
資 1-6
3)RPS 法
RPS 法は、電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を一定量以上利用することを
義務付けることにより、電気分野における新エネルギー等の更なる導入拡大を図ることを目
的としています。
総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 RPS 法小委員会により、
「RPS 法小委員
会報告書(案)」が提示され、平成 19 年度から平成 26 年度までの電気事業者による新
エネルギー等電気利用の目標等が示されています。
新エネルギー等電気の利用目標量(各年度)
平成 19 年度以降の 8 年間について、電気事業者による新エネルギー等電気利用の
目標量が示されています。
表 1-3
年度
目標量
(億 kWh)
新エネルギー等電気の利用目標量(RPS 法)
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
56.7
92.7
103.3
122.0
131.5
141.0
150.5
160.0
平成 26 年度における新エネルギー等電気導入可能量の推計
新エネルギー等電気の導入可能量(平成 26 年度)については、今後のエネルギー
需給動向や新エネルギー等電気に係るコスト低減の進捗により、増減があり得るこ
とから、総計 140∼160 億 kWh 程度と推計されています。
表 1-4
太陽光発電
風力発電
新エネルギー等電気導入可能量(RPS 法)
平成17年度(実績)
平成26年度推計
4.6
16(±3)
19.1
77(±5)
平成26年度の時点で、系統制約のある地域
においては、風力系統連系対策小委員会中
間報告書(平成17年6月)で示された対策
を進めた場合の積算(13億kWh)及び同対
策無しに系統に接続可能な量(44億kWh)、
系統制約のない地域においては、風力発電
事業者に対する開発予定に関する調査結果
をベースに、導入量を推計(20億kWh)
地方自治体における一般廃棄物発電の平成
26年度までの発電量の見込み(29億
kWh)、それ以外のバイオマス発電につい
ての事業者へのアンケート調査(19億
kWh)をベースに導入量を推計。
バイオマス発電
(廃棄物発電に
よるものを含
む)
25
48(±2)
水力発電
7
9
55.7
150(±10)
地熱発電
合計
(単位:億キロワット時)
ベースとなる推計の考え方
住宅用太陽光発電が毎年現在とほぼ同量ず
つ伸びた場合をベースに導入量を推計(16
億kWh)。
開発可能性調査をベースに導入量を推計
(若干の伸びにとどまる見込み)。
太陽光発電優遇
太陽光利用の発電量を実際の発電量の 2 倍にカウントする特例措置を導入するな
どして新エネを促進。
資 1-7
(3)バイオ燃料導入へ向けての動き
近年、国内外においてバイオ燃料導入の動きが活発化しています。国内では「京都議定書
目標達成計画」を受けて様々な取組みを推進しています。
京都議定書目標達成計画(2005 年 4 月)
京都議定書の発効を受け、政府がまとめた「京都議定書目標達成計画」では、2010
年バイオマス熱利用 308 万 kL(石油換算)、うち 50 万 kL を輸送用燃料で賄う目標を
定めている。
バイオマス・ニッポン総合戦略(2006 年 3 月改定)
農水省を中心に策定された「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、バイオマス
利活用の施策として、輸送用燃料としての利用を策定している。
・ E3実証事業結果等を踏まえ、未利用バイオマスや資源作物の生産、収集・
輸送、バイオエタノール製造、E3としての利用まで一貫した供給体制の構
築に向けた検討を行い、必要な施設整備を行う。【農林水産省】
・ バイオエタノールを原料として製造するETBE(エチル・ターシャリー・
ブチル・エーテル)について、影響等に関する調査研究を実施する。
【経済産業省】
・ 一般のディーゼル車において、安全や環境等の面から問題のないバイオディ
ーゼル燃料混合軽油に係る燃料規格の策定を行う。【経済産業省】
・ ETBEについて、排出ガス等への影響について調査する。【国土交通省】
・ バイオディーゼル燃料専用車を試作し、排出ガス・安全・耐久性能評価を行
うことにより、バイオディーゼル燃料専用車が環境・安全面で満たすべき車
両側対応技術等を明確にする。【国土交通省】
石油連盟
2010 年に 36 万 kL(石油換算 21 万 kL)のバイオエタノールの導入方針を決定。2007
年より、エタノールを石油の副産物であるイソブテンと合成した ETBE(エタル・タ
ーシャリー・ブチル・エーテル)の形で導入する。当初はフランスから ETBE を輸入
し、その後はブラジルからエタノールを輸入して生産する予定。実際に ETBE が混合
されたガソリンが販売されるのは、5 月ごろの予定。
E3 と ETBE に関する動き
バイオエタノール導入方式をめぐり、環境省と石油業界が対立を深めている。
バイオエタノールについて、環境省はガソリンにエタノールを直接 3%分混ぜた
「E3」という燃料を導入する方向で計画を進めている。
一方、4 月から関東 50 店のガソリンスタンドでバイオガソリンの販売を試験的に
始める石油業界は、エタノールから化学的に合成した「ETBE」をガソリンに混ぜる
方法なら水分の混入に強いと主張。2010 年には全国展開して、原油換算 21 万 kL の
ETBE を販売する計画。
海外では、米国やブラジルが「環境省方式」を採用し、欧州で ETBE 方式がとられ
ている。
石油会社によるバイオエタノールの特性についての公開試験では、エタノールを
ガソリンに直接混入する「環境省」方式では、水分が混じった場合、エンジンなど
に支障が出る可能性が示された。
資 1-8
(4)
新エネルギーの技術開発分野
新たな「新エネルギー」の概念によると、新エネルギー市場の拡大を目指す技術開発
分野として、図 1-4 のように取り上げられています。これまで需要サイドのエネルギー
として燃料電池や天然ガスコージェネレーション等が新エネルギーに分類されていまし
たが、技術進歩により様々なエネルギー源が創出されはじめています。
再生可能 エネルギーの普及
太陽光発電(高効率・新規材料)
太陽光発電・風力発電併設用蓄電池(キャパシタを含む)
セルロース系バイオマスからのエタノール製造技術
BTL(Biomass to Liquid)製造技術
バイオマスのガス化発電
エネルギー効率の飛 躍的向上
定置用燃料電池
ハイブリッド自動車
天然ガスコージェネレーション
ヒートポンプ
石油残渣ガス化技術(IGCC,IGFC等)
クリーンコール技術(石炭ガス化(IGCC,IGFC)等)
エネル ギー源の多 様化
燃料電池自動車
電気自動車
プラグイン・ハイブリッド自動車
天然ガス自動車
ディーゼル代替LPガス自動車
水素自動車
高濃度バイオ燃料自動車(FFV等)
GTL(Gas to Liquid)製造技術
DME製造技術
非在来型化石燃料利用技術
(メタンハイドレート利用技術・超重質油の効率的分解技術)
図 1-4
3
革新的なエネルギーの高度利用技術の対象3
新エネルギー部会「新エネルギー部会中間報告書(案)」平成 18 年 10 月資料より作成
資 1-9
資−2 新エネルギーの技術概要
(1)太陽光発電
1)概要
太陽エネルギーの特徴は、全ての地域に存在するクリーンな非枯渇エネルギーであること
です。太陽光発電とは、シリコン半導体等に光が当たると電気が発生する現象を利用し、太
陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方法です。
(図 2-1 参照)発電した電気は、設置
している家庭などで利用されます。太陽電池と電力会社の配電線を連結していれば、余った
電気を電力会社に売ることができます。(図 2-2 参照)
太陽電池のN型半導体とP型半導体の間には、(+)と(−)
の電位差が生じています。太陽電池に光が当たると、P型半導
体の(−)電子がN型半導体(+)のホールに移動し、不安定
な状態になったN型半導体の自由電子(−)が導線を伝ってP
型半導体に向かって移動することにより、電流が流れることに
なります。光が当たらないときは、太陽電池は発電しません。
図 2-1
太陽光発電の原理
出典:NEF 資料
図 2-2 天候による太陽光発電の傾向と電力消費パターン
出典:太陽光発電協会より転載
2)導入状況
国際エネルギー機関(IEA)によると、2005 年までの IEA 加盟国 20 ヶ国による太陽光発電シ
ステム累積導入量は 3,700MW(370 万 kW)となり、400 万 kW 達成目前のところまで拡大してい
ます。日本における太陽光発電の累積導入量は、2005 年末現在で 142 万 kW であり、ドイツに
次いで世界第 2 位となっています。4また、日本の太陽光発電産業は、世界的な太陽電池需要の
拡大に伴って急速に発展しています。現在、世界の太陽電池市場は、日本企業が世界の 5 割近
くを占めており、世界一のシェアを誇っています。日本における太陽電池生産量は、2000 年に
4
太陽光発電協会統計資料より
資 2-1
100MW 規模を達成し、2004 年は 500MW 規模に成長しています。ドイツでは、太陽光発電システ
ムの初期投資額を 20 年で回収できるよう、電力会社が販売している電力価格より高い価格で買
取価格を設定したことで、太陽光発電システムの導入拡大に成功を収めています。
MW
4000
ドイツ
日本
3500
アメリカ
オーストラリア
オランダ
3000
スペイン
累計導入発電量
イタリア
フランス
2500
その他
2000
1500
1000
500
0
1996
1997
1998
図 2-3
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
年
各国の太陽光発電の累計導入量
出典:太陽光発電協会資料より作成。
但し、統計データの原典は、TRENDS IN PHOTOVOLTAIC APPLICATIONS(Report IEA-PVPS T1-15:2006)。
3)導入における課題
技術開発や需要拡大に伴う量産効果により、太陽光発電の価格は低減し住宅用の太陽光発
電システム(3kW)の価格は約 200 万円です。しかし、既存電源との比較では依然として大き
な隔差があり、最大の導入阻害要因となっています。住宅への普及促進には、地域のエネル
ギー環境対策の中での継続的な導入支援策が望まれます。また、世界的な太陽光発電の需要
拡大によって、近年、太陽電池材料のシリコン不足感が強まり、価格高騰を招いています。
現在、結晶系シリコン太陽電池が主流ですが、薄膜系シリコンでは、自由に曲がるフィルム
型アモルファスシリコン太陽電池が開発されるなど、太陽電池の形状の自由度も広がりをみ
せています。また、Ga-As 系半導体系化合物、色素増感型等の有機半導体など非シリコン型
の太陽電池も開発されています。コスト面からまだ使用用度が限られている面もあり、一般
利用の太陽電池として普及が待たれます。(表 2-1 参照)
現在、2010 年度までの新エネルギー導入目標は定められておりますが、2011 年度以降 4 年
間の利用目標量や RPS 法の制度改善について、新エネルギー部会にて検討されています。そ
の骨子として、太陽光発電の推進のための優遇措置も含まれています。
太陽光発電の発電コストは、2005 年度において 1kWh あたり約 46 円であり、2010 年度には
約 23 円とすべく技術開発が進められています。しかし、この目標が達成されても風力発電の
発電コスト(1kWh あたり約 11∼14 円)の倍となっています。この格差是正のために 2011 年
度より 4 年間について、太陽光発電の RPS 相当量を他の発電と比較して 2 倍として扱うこと
が提案されています。つまり太陽光発電による電気 1kWh あたりを RPS 制度においては 2kWh
として取り扱われることになります。太陽光発電に限定しての措置ですが、世界的に見て日
資 2-2
本の太陽光発電の技術力は優位にあり、その技術の関連産業への波及効果は大きいことから
産業政策としての意味合いも強く表れています。
図 2-4
住宅太陽光発電システム導入量と価格・発電コストの推移
出典:NEF 資料より転載
表 2-1 太陽電池の種類
最も古い歴史があります。200µm∼300µm の薄いシリコンの単結晶の板(基板)に太陽
シリコン系
結晶系シリコン
電池を作ります。基板の値段が高いのが欠点ですが、性能や信頼性に優れていま
す。
比較的小さな結晶が集まった多結晶でできている基板に太陽電池を作ったもので、
単結晶より安価で、作りやすいことから現在の主流となっています。変換効率は、や
や単結晶に劣ります。
薄膜系シリコン
アモルファス(非晶質)シリコンや結晶シリコンをガラスなどの基板の上に1µm 内外の
非常に薄い膜を形成させて作った太陽電池です。大面積で量産ができるという特長
があります。
化合物半導体の一種で、銅とインジウムとセレン等を原料とした薄膜太陽電池です。
化合物系
製造工程が簡単で高性能が期待できることから技術開発が進んでいます。
ガリウムヒ素など特別な化合物半導体の基板を使った超高性能(変換効率:30∼
その他
40%)太陽電池です。現在は、コストが高く宇宙などの特殊用途ですが、将来は身近
で使えるよう技術開発が行われています。
有機物系
酸化チタンについた色素が、光を吸収して電子を放出することで発電する、新しいタイ
プの太陽電池です。簡単につくれ、応用範囲が広いため今後の発展が期待されま
す。
出典:NEDO サイト資料(よくわかる!技術解説)より転載
資 2-3
(2)太陽熱利用
1)概要
太陽熱利用とは、太陽の光エネルギーが集熱器へ照射することによって発生する熱エネル
ギーを風呂・台所等の給湯や暖房に使用する仕組みです。また、熱エネルギーを吸収式冷凍
機等に投入して冷水を作り、冷房に利用することもできます。
太陽熱によって温められた温水をそのまま使う太陽熱温水器(自然循環型と真空貯湯型の
2 方式)、さらに高性能な強制循環型のソーラーシステム(アクティブソーラーシステム;水
式と空気式の 2 方式)があります。後者は、集熱のための水や空気等を強制的に循環させ、
給湯だけでなく、床暖房や冷房にも使用できるシステムです。
一般の住宅に設備導入する場合、太陽熱温水器では、貯湯量 200∼250 リットル、集熱器の面積 3
∼4m2 のものが多くなっています。ソーラーシステムでは、貯湯量 300 リットル、集熱器の面
積 6m2 のものが多くなっています。これらのシステムでは夏 65 度くらい、冬 40 度くらい(関
東地方)の湯が得られ、台所や風呂等の給湯目的に利用できます。床暖房などの目的にも使
用する場合は、集熱器の面積を大きくするなど、設備規模を拡大する必要があります。
図 2-5
水式ソーラーシステムの概略
出典:ソーラーシステム振興協会資料
2)導入状況
太陽熱利用設備の導入は、オイルショックを受けて昭和 55 年より推進されてきた低利融資
事業や補助金制度に支えられ急激に増加しピーク時の設置台数は、年間約 83 万台にも達しま
した。しかし、低利融資事業が平成 8 年で終了すると導入件数は、大幅に低下し、以降は年
間 8 万台の設置台数で推移しました。(図 2-6 参照)
太陽熱利用設備の普及を推進するために、平成 12 年より新たに「住宅用太陽熱高度利用シ
ステム補助制度」が開始されるなど、導入件数の停滞を打開しようとの試みもあります。
平成 17 年末の累積普及台数は、ソーラーシステムが約 62 万台、太陽熱温水器が約 650 万
資 2-4
台となっています。5
900 千台
100円/kl 600
800
ソーラーシステム設置台数(千台)
太陽熱温水器設置台数(千台)
500
700
原油輸入価格(CIF)(100円/kリットル)
設置台数
500
300
400
原油輸入価格
400
600
200
300
200
100
100
0
0
S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 年度
図 2-6
太陽熱使用設備の導入実績と原油輸入価格
出典:ソーラーシステム振興協会の統計データより作成
3)導入における課題
太陽熱利用機器は、経済性、効率性において優れていますが、その普及は進んでいません。
最近ではエコ給湯、太陽光発電、家庭オール電化製品、家庭用燃料電池等の競合製品の出現
により、販売環境は厳しい状況になってきています。
諸外国で見られる設置形態の特徴は、太陽熱集熱器を日本のように個人で設置して個人で
使用するものの他に、国、自治体、電力会社等が一括所有して地域全体の屋根に設置し、温
まったお湯を一カ所に集め、改めて個々の家庭に給湯をする方式がとられ、各家庭で設置費
負担がかからず、更に利益配分が得られると言う方法をとっており、普及促進の拡大につな
がっています。近年、日本においても諸外国のような集合住宅及び地域一帯型の「太陽熱利
用」が計画されるが、なかなか具体化していません。大規模な計画に対して、国または地方
自治体の強力なバックアップが必要です。
5
ソーラーシステム振興協会の統計資料より
資 2-5
(3)風力発電
1)概要
風力発電とは、風の力で風車の羽根をまわし、その動力により発電機を動かし、電気を発
生させる発電方法です。
風力発電用の風車は、発電の効率が最も高いことからプロペラ型のものが普及しています。
その他、回転軸が縦についたダリウス型、ジャイロミル型等があります。
また、大型の風車だけでなく定格出力が数 kW 以下の小型風力発電が補完型の分散電源とし
て利用されています。
図 2-7
風力発電の仕組み
出典:NEF 資料
2)導入状況
我が国における 2006 年 3 月末現在の総設備容量は約 107.8 万 kW(1,050 基)に達し、2001
年 6 月に示された新たな導入目標「2010 年度に 300 万 kW」を目指しています。
日本における風力発電は、風況が弱く風力発電には向いてないという見方もありました。
しかし、1993 年度に NEDO が作成した全国風況マップにより、わが国にも設置有望地域が多
く存在する可能性が示され、風力発電導入の気運が高まりました。
普及促進策として、風力開発フィールドテスト事業、地域新エネルギー導入促進対策事業
や新エネルギー事業者支援対策事業が実施され、事業として風力発電を行う意欲を地方自治
体のみならず民間にももたらし、風力発電導入量が増加した要因となりました。
(図 2-8 参照)
さらに、ここ数年では、電力会社による事業用電力長期購入メニューの設定、開発の大規模
化及び風車の大型化などが風力発電の導入を増大加速させています。(図 2-9 参照)
ちなみに、岩手県内にこれまで導入された風力発電は、設備容量 6.7 万 kW(62 基)に達して
います。6
6
NEDO資料「日本における都道府県別風力発電導入量」
(2006年6月作成)より
資 2-6
図 2-8
日本における風力発電導入量の推移
出典:NEDO 資料「日本における風力発電導入量の推移」(2006 年 6 月作成)より転載
図 2-9
風力発電の出力階層別導入基数の推移
出典:NEDO 資料「出力階層別導入基数の推移」(2006 年 6 月作成)より転載
3)導入における課題
わが国における風力発電のコストは、近年の機器の大型化、事業規模の拡大により、コス
ト低減が進展しつつあり、設置コストは規模にもよりますが、
「新エネルギー部会報告書(2001
年6月)」によると約 21∼37 万円/kW となっています。設置コストの内訳を見ると、風力発
電機器本体が約 6 割、その他工事費が 2 割、電機設備費が約 1 割となっており、事業規模の
増大に伴って出力規模当たりの工事費等の割合が小さくなっています。
また、一定の運転期間、運転・維持費等を前提として、発電コストを試算すると、大規模
資 2-7
施設は約 10∼14 円/kWh 程度、中小規模は約 18∼24 円/kWh 程度7となっています。
新エネルギーの中でも太陽光発電と並んで、順調に導入が進んでいる風力発電ですが、発
電量の増加に伴って顕在化してきた問題もあります。風力発電は自然エネルギーを利用する
ため電力の出力変動が伴いますが、系統電力への連系において電力品質(周波数)を維持す
るための許容可能な連系量に近づいている地域もあり、電力会社は新たな系統連系対策に迫
られています。また、電力会社によっては、風力発電の電力買取量に上限を設けるなどの導
入障壁も新たに発生しています。これは、風力発電施設における蓄電システムの導入(開発)
により、出力変動を一定に保つなどの解決策が考えられています。
今後、技術開発の進展によって新たに顕在化する課題の解決が図られつつ、一層の機器の
低コスト化及び大型化、事業規模の拡大が図られれば、更なるコスト低減が実現する可能性
があると考えられています。
7
新エネルギー部会報告書(2001 年6月)より
資 2-8
(4)雪氷熱利用
1)概要
自然の雪または氷、あるいは寒冷な外気の取り入れやヒートポンプの利用により生産され
る氷を、作物等の冷蔵や施設の冷房等の熱源として利用するものです。
北海道や東北を中心とした豪雪地域では、昔から、雪氷を夏期まで保存し、雪室、氷室と
して農産物の冷蔵用に用いられてきました。現在は、図 2-20 に示すように、冷熱需要施設に
隣接して雪氷を貯蔵する設備を設けて、冷気を自然または強制循環させるシステムで夏季の
冷熱需要に対応するようになっています。このシステムの登場により、ビル建築のような居
住空間などへも用途が拡大しつつあります。
雪氷熱利用は、自然の雪や氷を用いた地球温暖化対策にも資するクリーンなエネルギーを
利用するものであり、火力発電所等で使用される化石燃料を削減、脱石油化に貢献できます。
故に、化石燃料の使用に伴い発生する大気汚染物質やCO2 を削減でき、環境負荷低減効果
と省エネルギー効果を実現します。
図 2-10 雪氷エネルギーの仕組み
出典:エネルギー白書 2004 年版
2)導入状況
近年、地方自治体を中心として、雪氷を夏期の冷房用の冷熱源とする等の取り組みが
活発化しています。これまでに導入された我が国の雪氷冷熱利用施設は、北海道、東北
地方を中心に平成 17 年度には累計 100 施設以上となり、年々増加しています。8
また、
東北地方には 100t 以上の雪氷を貯蔵可能な雪氷冷熱利用施設が 31 ヶ所(建設中1基含
む,平成 18 年 1 月現在)導入されています。岩手県には 2 自治体へ 5 ヵ所導入されてお
8
Cool Energy3(雪氷冷熱エネルギー活用事例集 3),北海道経済産業局,H17 刊行
資 2-9
り、農産物の低温貯蔵が主な利用法となっています。9この雪氷冷熱を用いた生鮮食品の
貯蔵法は、冷却効果に加え鮮度保持に欠かせない適度な湿度を保つことが出来るので、
冷熱を送風機によって直接、冷房・冷蔵空間へ循環させる農業用冷温貯蔵施設が各地で
設置されています。また、倉庫以外の分野においては、直接熱交換冷風循環方式に加え、
貯蔵された雪または氷が溶けてできた冷水を熱交換器により冷熱エネルギーを取り出し
て冷房・冷蔵する熱交換冷水循環方式を利用目的により組み合わせた熱利用システムで、
マンションや保健施設などの居住空間への利用の取り組みが進んできています。
最近では、公園施設内アトリウムや公営温泉施設の冷房システムとして導入されるな
ど雪氷冷熱エネルギーの用途も多様化しつつあります。10
3)導入における課題
施設導入には初期コストの高さが普及への足かせともなっていますが、電気、石油使用の
冷暖房設備との費用対効果を検証すると減価償却や維持管理などのコストでは、6 割程度有
利との試算も出ています。また、近年、降雪地方では排雪運搬費の高騰や都市化による排雪
場所の確保の難しさなどから、雪氷の有効利用が脚光を浴びています。よって雪氷冷熱の活
用による投資・償却コストは、導入時の助成制度の活用による初期コストの低減、冬季の雪
対策費や夏季冷房使用など維持費の低減と有利になってきています。
現状では事例もあまり多くないことから初期投資が高コストになっており、普及を図るに
はコストの低減が必要です。導入支援策として、バイオマス等未利用エネルギー事業調査事
業や雪氷熱利用施設整備事業などの助成制度があります。今後は、予冷・冷房需要のある公
共施設への積極的な導入により、地域の普及拡大に向けたシンボル的な施設として、率先的
に推進することが期待されています。
図 2-11 補助率 1/3 の場合の各モデルシステムのトータルコスト比率の分布
出典:NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」
9
10
東北経済産業局 調査データより
Cool Energy3(雪氷冷熱エネルギー活用事例集 3),北海道経済産業局,H17 刊行
資 2-10
(5)中小水力発電
1)概要
水力発電とは、水の流れ落ちる勢いで水車を回し、発電するものです。水のエネルギーは、
落差と流れる水の量(流量)の積により求めることができ、落差と流量が多ければ多いほど、
発電量も大きくなります。また上下水道施設では導水管に直接発電装置を固定して送水圧と
水流を活用しながら発電するタイプもあり、発電施設の小規模化も進んでいます。
水力発電はその規模によって分類されており、表 2-5 のようになります。RPS法で「新
エネルギー等」と認められた中小水力発電は、ダムを伴わない水路式で出力 1,000kW 以下の
設備が対象とされており、ローカル需要に対処する電源として普及が期待されています。例
えば、出力 500kW の水力発電所では、一般家庭約 150 世帯(1世帯当たり 30Aとして)の使
用電力に相当します。11尚、中水力発電は、新エネルギーに含まれませんが、世界的に再生可
能エネルギーとして認められています。
表 2-2
図 2-12
水力発電の規模分類
反動方式「チューブラ水車(プロペラ水車)」
図 2-13
衝動方式「ターゴインパルス水車」
出典(表 2-5,図 2-22,図 2-23):NEDO「マイクロ水力発電導入ガイドブック」
11
経済産業省・資源エネルギー庁・NEF「ハイドロバレー計画ガイドブック」平成 17 年 3 月
資 2-11
水力発電に利用される水車には、落差や流量に併せて様々ですが、大別すると衝動水車と
反動水車の 2 方式があります。図 2-22 は、上下水道・工場内水等の水路途中に設置される施
設内型で低落差用発電施設に利用される反動方式「チューブラ水車(プロペラ水車)」です。
図 2-23 は、渓流・農業用水等に設置されるタイプで衝動方式「ターゴインパルス水車」です。
表 2-3
中小水力発電の検討ポイント
設置場所 : 渓流・農業用水・上下水道・工場内水等の利用
設置条件 : 水量、落差
発電効率 : 80-90%
【環境負荷の非常に低いエネルギー】
導入検討のポイント : ① 発電ポテンシャルの大きさ(発電に利用できる流量、落差等)
② 需要との関連(需要先の施設、設備容量、電力の利用形態等)
③ 周辺立地環境
④ 系統連系の有無
2)導入状況
我が国の水力発電は、これまで約 1,800 地点開発されてきましたが、未開発適地は約 2,700
地点(合計出力 1,200 万 kW に相当)ほど残されています。新規施設導入に適した地点は、中
山間地域や開発の困難な地点にあるものが多いことから平均出力 4,500kW と施設出力の小規
模化が進んでいます。中小水力の発電方式は、水流のエネルギーをそのまま利用できる流れ
込み式がほとんどで、今後も同様の傾向と思われます。これは、開発地点の環境への配慮や
導入コストが安価や維持管理が容易であるなどが挙げられます。現在は、ローカルエネルギ
ーとして渓流や中小河川・農業用水路・浄水場等地域の水を利用した、より地域に密着した
中小水力発電が行われるようになってきています。
3)導入における課題
中小水力発電は、純国産の再生可能エネルギーであり、エネルギーセキュリティ上または
地球温暖化防止上等の観点からも注目されています。今後の普及には、地方自治体による自
家消費型の水力エネルギーの開発が重要となり、電力利用を通じた特色ある産業の活性化、
つまり「地域おこし」となることが期待されています。これらを意図した普及対策として平
成 14 年度より「ハイドロバレー計画」が策定され、自治体による小規模水力発電導入のため
の調査・計画支援が実施されています。この計画によって、農業用水や上・下水道、砂防え
ん堤など既設設備の未利用落差を有効活用することにより、自然に優しい経済的にも優れる
発電所の開発が可能となります。
今後は、設備・工事のコスト低減を図るために、更なるシステムの合理化・簡素化等の技
術開発や各種助成等の継続が必要とされています。
資 2-12
(6)農産系バイオマスエネルギー
1)概要
農産系バイオマスエネルギーに関して、農作物の収穫時にでる残渣(例.稲わら・もみ殻・
剪定枝)は燃焼エネルギーとして、サトウキビ、トウモロコシ、米などの農作物はアルコー
ル燃料として利用することが期待されています。特に輸送用燃料として幅広い需要が見込め
るアルコール燃料化(バイオエタノール)は、脱石油燃料として需要が高まっています。
バイオエタノールは、種類(用途)として 3 つに分類されます。①地域におけるバイオエ
タノール混合ガソリン、②添加剤として ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)の
ガソリンへの混合、③バイオディーゼル燃料(BDF)[廃棄物系バイオマスエネルギーにて解説 ]が
あります。バイオエタノールは、一般に、サトウキビやトウモロコシ、米等の糖質又はデン
プン質作物を原料に、これらを発酵させ、濃度 99.5%以上の無水エタノールにまで蒸留して
作られます。(図 2-10)また、近年では、廃材などの木質系バイオマスを原料に、セルロー
スを特殊な方法によって糖化させてから、エタノールを製造する技術も進められています。12
ETBE は、バイオエタノールを原料として製造されるガソリン添加剤です。
ETBE は、MTBE(メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)に代わるガソリン添加剤として、
バイオエタノールを原料として利用が推進されています。ガソリンに添加しても相分離しな
い、共沸しない、オクタン価も高いなどの性質を有しているため、MTBE と同様にガソリンの
オクタン価向上の基材として有望視されています。添加剤として品確法13 上 8%(含酸素
1.3wt%)まで添加可能とされています。
図 2-14
バイオエタノールの製造プロセス
出典:農林水産省
バイオマス・ニッポン資料
2)導入状況
国内では、バイオエタノールを 3%の割合で混合したガソリン(E3)を利用する取り組みが
始まっています。サトウキビの産地である沖縄県宮古島では、製糖工場でサトウキビから砂
12
農林水産省
バイオマス・ニッポン資料
13
揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)第 13 条における「揮発油の規格として経済産業省令で定めるもの」とし
て、同法施行規則第10条において、「エタノールが 3 体積%以下であること」、「酸素分が 1.3 質量%以下であること」と規定
資 2-13
糖を生産するときの残液である糖蜜からバイオエタノールを製造しており、ガソリンへの混
合設備や給油設備まで整備され走行試験が行われています。また、農作物の生産が盛んな北
海道の十勝地域においては、規格外小麦を原料としたバイオエタノールを製造して走行試験
が始まっています。(図 2-11)
2010 年のエタノールを含むバイオマス由来燃料の導入目標は、石油換算で 50 万 kl でした
が、2007 年 2 月、600 万 kl を導入目標とする新たな政府方針が打ち出されました。
国内ではバイオエタノールの導入はスタートしたばかりですが、世界ではブラジルを中心
にバイオエタノール車の導入が進んでいます。特に、ブラジルはバイオエタノールの生産・
消費・輸出国であり、バイオエタノール燃料の先進国となっています。(図 2-12)国内規格
では混合ガソリンとして E3 の導入・普及政策が展開されていますが、世界的には 10%混合ガ
ソリン(E10)やブラジルにおいては 100%バイオエタノール(E100)が専用車両により利用
されています。
3)導入における課題
バイオエタノールは、E3∼E100 までありますが、現行のガソリン車に影響がない範囲で混
合可能な比率として 3%程度とされています。エタノールは金属、ゴム、樹脂などを腐食さ
せる性質をもっているため、E10,E100 などエタノール混合率の高い自動車は、腐食対応の部
品を使用する必要があり、専用車両が必要とされます。また、国内においては、バイオエタ
ノール対応車の市場投入だけでなく、バイオエタノール混合ガソリン対応給油所の整備も求
められます。今後の普及には、安価に生産できるバイオエタノールの技術開発や規制緩和も
重要となります。
図 2-15
我が国におけるバイオエタノール混合ガソリン実証の取り組み
出典:農林水産省
資 2-14
バイオマス・ニッポン資料
図 2-16
世界のバイオエタノール生産量
出典:農林水産省
資 2-15
バイオマス・ニッポン資料
(7)畜産系バイオマスエネルギー
1)概要
畜産系バイオマスエネルギーとは家畜(牛・豚・鶏)の排せつ物です。家畜排せつ物
には含水率の高い排せつ物(牛・豚)と、含水率の低い鶏の排せつ物(鶏)があります。
含水率の低い鶏の排せつ物は燃料として利用が可能ですが、含水率の高い牛や豚の排せ
つ物はメタン発酵でバイオガスを生成し発電等に利用します。
鶏糞がボイラー燃料として利用される場合、水分量が多いと燃料としては利用されに
くく、また砂利も多く含まれていることから灰分として残渣分が排出されます。
メタン発酵は、有機物が酸素のない状況で雑多な微生物の活動により分解され、メタ
ンを含んだガスを生成する反応です。反応条件は、発酵温度により高温(50∼60℃)、中
温(35∼45℃)、低温(20∼25℃)に分けられます。中温発酵は、①加温熱量が少なくて
すむ、②温度の変動に対して緩衝性が高い、③阻害物質に対する耐性が高いなどの利点
から主流となっています。しかし最近では、断熱技術、温度制御技術の向上等により、
有機物分解速度が速い高温発酵も用いられるようになってきています。これらは、湿式
発酵による方式で歴史的にも実績があり現在の主流となっていますが、乾式発酵という
方式もあります。乾式発酵は、メタン発酵の種菌となる消化液をバイオマスに散布して
発酵させる方式です。湿式発酵のように消化液槽で反応させないので、余剰の消化液が
発生しない利点があります。
図 2-17 メタン発酵によるエネルギー利用フロー
出典:NEDO「新エネルギーガイドブック」より
2)導入状況
牛を主とする畜産排せつ物の有効利用として、湿式メタン発酵によるバイオガス施設
が全国に導入されつつあります。食品廃棄物の有効利用を目的としたバイオガス施設も
導入されています。畜産系バイオガスは北海道・東北地域を中心に導入されていますが、
実績数は北海道が上回っています。NEDO の助成によりこれまで東北地域に導入された畜
産系メタン発酵の施設数は 5 カ所ありますが、そのうち 4 施設が岩手県内で整備されて
います。
メタン発酵によるバイオガス発電に適するバイオマスは畜産系排せつ物だけでなく、
食品廃棄物や下水残渣なども対象としています。よって畜産業の盛んな地方だけでなく
都市部においても下水処理場を中心にバイオガス発電が導入されています。
資 2-16
3)導入における課題
バイオガス施設導入の問題点は、導入コストが数千万以上するという価格の壁もありま
すが、湿式メタン発酵の場合、余剰分として消化液が発生するという問題もあります。消
化液は液肥としての 2 次利用も可能ですが、衛生面、需給バランスを考慮すると、すべて
再利用されておらず、排水処理を伴う場合もあります。この場合、消化液の処理費もコス
ト計上されることになります。バイオガス施設導入には、各種助成制度がありますが、導
入後の維持管理費を考慮すると、収支バランスに課題を残しています。
乾式発酵は実用段階に入ったばかりですが、①発酵残渣が少ない、②排水が発生し
ない、③発酵槽内の攪拌が不要というメリットがあり、今後の発展が期待されていま
す。
資 2-17
(8)木質系バイオマスエネルギー
1)概要
人類は古来より木質系バイオマスを熱利用のために使用していましたが、近代では
利便性から石油系の燃料に取って代わられてきました。しかし近年の地球温暖化問題
やエネルギー問題が浮上し、改めてエネルギー資
源としての価値が見直されています。
木質系バイオマスエネルギーは、森林の樹木の
他に製材所の廃材、建築廃材があります。大きな
材木を利用し易く細かく砕いたチップや、製材所
廃材の樹皮などを固めたペレットとしてボイラー
やストーブの燃料として活用されます。
図 2-18 木質バイオマス利用のサイクル
出典:NEF
図 2-19
木質系バイオマスの直接燃焼によるエネルギーフロー
出典:NEDO「新エネルギーガイドブック」より
2)導入状況
現在利用されている木質バイオマスは、事業者によって製材所廃材や建築廃材を廃棄物
処理の目的も兼ねてボイラー燃料として使用されています。最近では、電力会社が既存の
火力発電所の燃料の一部として木質バイオマスの混焼発電をおこなったりしています。ま
た、より高度な発電技術として、木質バイオマスを高温で熱分解して揮発成分をガスがさ
せ、可燃性ガスを生成して発電するガス化発電技術の開発も進んでいます。
岩手県では木質バイオマス活用促進を目的に、安全で使いやすい「いわて型ペレットス
トーブ」を開発し、民生用としても普及に努めています。
木質バイオマスエネルギーの利用状況は、黒液・廃材で原油換算 471 万 kl(2002 年度実
績)となっており、1999 年以降は 450 万 kl 程度で推移しています。2010 年度の導入目標
は 494 万 kl となっています。
3)導入における課題
建設廃材にはペンキや接着剤が付着していたり、重金属系防腐処理を施した木材では、
焼却時に有害物質が発生したり、焼却後の灰に有害物質が含まれる可能性があります。
資源として豊富な森林資源ですが、バイオマスエネルギーとしての利用が進まない原因
に価格の問題があります。樹木管理のために切られる間伐木材も、流通費用が入ると他の
資 2-18
エネルギーに対して割高になってしまい、林地に切り倒されたままになっています。また、
国内の林業は安価な輸入木材に押されて衰退傾向にあり、森林の管理が行き届かなくなっ
て山林が荒廃しています。健全な山林環境の保全のためにも、低コストで原料を収集・輸
送するシステムの構築が課題となっています。
図 2-16 に示されるように、供給可能な木質バイオマスの量や輸送コストなども考慮した、
適切な規模の施設導入と利用形態が望まれるため、事前調査も重要な事項となります。
図 2-20
木質バイオマスエネルギーの利用事例の設備規模と利用形態
出典:NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック第 2 版」
資 2-19
(9)廃棄物系バイオマスエネルギー(BDF)
1)概要
廃棄物由来のバイオマスは多岐にわたりますが、本項目では、特に廃棄物由来のバイオ
ディーゼル燃料(BDF,Bio Diesel Fuel)を取り上げます。一般にBDFとは、①家庭・
事業所からの廃食用油、②菜の花等の資源作物の搾油、③海外から輸入した植物油等から
の油脂を原料として製造されたディーゼル(軽油)代替燃料のことです。植物を原料とし
ているため、カーボンニュートラルであり、軽油に比べて硫黄分が少なく排ガスの硫黄酸
化物も減少します。また、黒煙が少ないという特徴もあります。
植物性廃食用油を原料とするBDFは、水酸化ナトリウムを触媒とするメタノールとの
エステル交換反応(アルカリ触媒法)によって作られます。副産物としてグリセリン、石
けん成分、排水が発生します。最終的に廃食用油 100 リットルに対してほぼ同量の 90 リッ
トルのBDF燃料ができます。(図 2-17 参照)
バケツ等の簡易な道具を準備するだけでもBDFを作ることが可能なアルカリ触媒法が
よく知られていますが、酵素法、イオン交換膜法、超臨界法などの方法もあります。
図 2-21
アルカリ触媒法による BDF の製造方法
出典:農林水産省
バイオマス・ニッポン資料
2)導入状況
我が国におけるBDF普及のはじまりは、滋賀県愛東町にあります。琵琶湖の水質問題の
解決のため家庭から流されていた廃食油を回収する市民運動から菜の花プロジェクトが始ま
ったことを起源としています。その後、市民、事業者、行政の協働によりBDFの取り組み
が推進され、その動きは全国に広まっています。菜の花プロジェクトに参加している団体は、
100 機関以上でほぼ全国の都道府県に及んでおり、岩手県では 2 団体が参加しています。14
我が国では廃食油BDFが主流となっていますが、世界的には植物油からBDFを生産す
14
菜の花プロジェクトネットワーク
http://www.nanohana.gr.jp/
資 2-20
る方式が主流です。2005 年のBDFの世界生産量は、約 420 万 kl でしたが、4 分の 3 にあた
る約 320 万 kl のBDFが欧州で生産されました。日本では 0.3∼0.4 万 kl が生産されたと推
計されていますが、これは世界生産量の 0.1%未満の量です。15
BDFの利用形態は、ディーゼル燃料に混合するBDFによって、B5,B20,B10016などが
あります。国内では、京都市のバスが B20 で運行されていますが、他地域では厨芥車や公用
車などに B100 車両の導入事例があります。しかし、環境への意識啓発など象徴的な導入にと
どまっています。
3)導入における課題
我が国おけるBDFの普及状況は、まだ実験的な段階であり、BDF規格もまとまったば
かりですが、普及策として「バイオマスの環づくり交付金」や「産地づくり交付金」などバ
イオマスタウン構想の一環として支援されています。また B100 として利用する場合には、軽
油取引税が課税免除などの税制優遇もありますが、混合燃料とする場合は適用されないなど、
課税方法にも課題があります。燃料性状という視点からも、バイオエタノールと同様、BD
Fもゴムや特定金属・プラスチックを劣化させることが指摘されています。また、油脂原料
の違いによりBDF性状も異なってくるので、BDF燃料規格の統一は重要となります。
今後の普及には制度の充実はいうまでもありませんが、BDFの性状を考慮した製品設計
や燃料性状改良、高効率にBDFを生産可能な植物の品種改良などの技術開発が求められま
す。
表 2-4
BDFの性状
・引火点は軽油より高く、取扱上の安全性は高い。
・粒子状物質(PM)は、規制基準の 1/7∼1/3 の排出量。
・黒煙濃度、SOx は軽油に比べて大幅低下。NOx は増加。
・軽油より密度・粘度が高いため、寒冷地での使用に問題あり。
出典:
「新燃料使用時の排出ガスに関わる調査研究(国交省・環境省)」より
表 2-5
ラウリン系油脂
BDF原料の種別17
オレイン系油脂
パルチミン/ステアリン系油脂
植物:ヤシ油,パーム核油
植物:菜種,大豆,ヒマワリ油
植物:パーム油,牛脂
炭素数:C12∼C14
炭素数:C18(F1,F2,F3)
炭素数:C16∼C18(F0,F1)
特徴:飽和脂肪酸のため酸化安
特徴:賦飽和脂肪酸のため酸化安
特徴:飽和脂肪酸含有量が高く、
定性は良好だが原料が高価格
定性に問題がある
パーム油は高生産性で安価
出典:農林水産省
15
農林水産省
バイオマス・ニッポン資料
バイオマス・ニッポン資料
16
B5 とは 5%BDF 混合燃料のこと
17
例、C12:ラウリン酸,C18(F1):オレイン酸,C16:パルチミン酸,C18(F0):ステアリン酸,F():不飽和結合の数を表す。
資 2-21
(10)廃棄物エネルギー(発電・熱利用・燃料製造)
1)概要
廃棄物エネルギーを利用する方法には、大きく分けて三つ、廃棄物発電と廃棄物熱利用、
廃棄物燃料製造(廃棄物固形化燃料=RDF)があります。
廃棄物発電は、ごみの焼却熱を熱源として、高温高圧の蒸気を作り、その蒸気でタービン
を回して発電する方法です。最近では、ガスタービン発電の排熱を利用し焼却熱を高温化す
ることにより発電効率を向上させた「リパワリング型廃棄物発電(通称:スーパーごみ発電)」
の導入も進められています。また発電設備の導入が少ない小規模廃棄物焼却場への普及を目
的に発電効率のよい「廃棄物ガス変換発電」の開発が進められています。
廃棄物熱利用は、廃棄物等を焼却し、その焼却熱を温水や地域の冷暖房の熱源として利用
するものです。
廃棄物燃料製造は、燃えるごみを破砕分別し、乾燥、加工の工程を経て製造されるRDF
があります。国内で製造・流通しているRDFは、直径数センチのペレット状に圧縮成形さ
れたもので、水分 10%程度、発熱量 12∼17MJ/kg-wet18という性状のものです。固形燃料化に
よりごみの減量化、腐敗防止、輸送や貯蔵性の向上によってバンドリング性のよいものとな
ります。製造されたRDFは、発電またはセメント製造や製鉄、製紙産業などでボイラー燃
料として使用されています。
廃棄物発電はごみの焼却によりエネルギーを得るという方式であることから、燃焼システ
ムの選定は重要となります。一般的な燃焼炉の形式は、次の様なものがあります。
(表 2-4 参
照)
一般廃棄物処理においては、ストーカ炉が最も多く普及していますが、最近は流動床炉も
導入例が増加しています。ロータリーキルン炉は、産業廃棄物処理で多く使われています。
また、燃焼残渣をより少なくし、より多くのエネルギーとして回収する燃焼方式としてガ
ス化という方法があります。最も高い燃焼温度帯は通常 1000∼1200 度で、得られたガスはガ
スエンジンなどの内燃機関で発電し、排熱は熱回収または蒸気タービン発電などをおこなっ
て複合的に発電することも可能となります。
廃棄物燃料製造
廃棄物発電・廃棄物熱利用
図 2-22 廃棄物エネルギーシステムのイメージ
出典:NEF 資料
18
出典:日本エネルギー学会編「バイオマス用語事典」
(オーム社刊)
資 2-22
表 2-6 廃棄物発電の燃焼方式
燃焼炉方式
燃 焼 方 法
火格子(ストーカ)の上方よりごみを投入して、順次搬送しながら燃焼す
ストーカ炉
るタイプ
炉底の多孔板上に流動砂を入れ、ごみを上部より入れ、短時間で燃焼さ
流動床炉
せるタイプ
ロータリーキルン炉
回転キルンで時間をかけて燃焼させるタイプ。後段にストーカ炉を組み
合わせて使用する方式もある。
出典:より作成
2)導入状況
廃棄物は都市ごみ等の一般廃棄物と民間事業者から排出される産業廃棄物に二分されます。
2003 年度末における我が国の廃棄物発電の設備容量は、一般廃棄物発電が 134.9 万 kW(257
ヶ所)、産業廃棄物発電 20.4 万 kW(65 ヶ所:製紙・パルプ除く)の合計 155.3 万 kW となっ
ており、過去からの推移を見ても着実にその導入が進んでいます。(図 2-19
参照)また、
19
2010 年の廃棄物発電の導入目標として、417 万 kW が見込まれています。
図 2-23
国内の廃棄物発電の導入状況推移
出典:資源エネルギー庁資料
3)導入における課題
廃棄物発電の更なる導入促進を図るためには、資源リサイクルの法制化等に伴い可燃性廃
棄物発生量の減少し、発熱量の低下が見込まれるため、廃棄物発電の高効率化とともに、ダ
イオキシン等の社会問題化、規制強化に伴い立地地点の地元住民理解を得るためにも更なる
環境負荷低減が求められます。
19
資源エネルギー庁サイト「新エネルギーについて」より
資 2-23
(11)温度差エネルギー
1)概要
温度差エネルギーは、海水・河川水の持つ温度と私たちが生活する気温とのわずかな温度
差を熱源として利用する未利用エネルギーのひとつです。下水・地下鉄・工場等都市生活に
密着した施設が熱を排出し、その熱を吸収した水との温度差も利用されます。
この熱は、熱交換器やヒートポンプとよばれる装置を用いてくみ上げられ、利用されます。
熱交換器は、高温側から低温側へ熱を移し替えるための装置であり、ヒートポンプはその逆
で低温側から高温側へ熱を移し替えるための装置です。(図 2-24
参照)
様々な熱源から得られた熱エネルギーは、冷暖房や給湯に利用されています。
図 2-24
温度差エネルギーの概念
出典:NEF 資料
2)導入状況
工場排熱、変電所排熱、海水、河川水、下水道の温度差等の未利用エネルギー活用型の地
域熱供給事業が、2005 年 3 月現在、全国の 38 地点において実施されています。国内の熱供
給事業全体では、未利用エネルギー38 地点に加えてコージェネレーションシステム活用 50
地点、蓄熱槽活用 78 地点、計 166 地点となっています。20
熱供給事業における未利用エネ
ルギーの比率は、23%と約 1/4 を占めています。
熱供給事業としては、年間数件ペースで増加傾向にありますが、未利用型の導入であ
るとは限りません。現状では冷熱需要が最も多く、またエネルギー源も都市ガスが大半
を占めています。6
3)導入における課題
未利用エネルギー等を活用する熱供給システムの構築にあたっては、①熱供給配管の整備
等イニシャルコストの高さ、②熱源から需要地までの距離の長さ、③熱源の不安定性、熱源
と熱需要の時間的ミスマッチ等の面に問題があります。
これらを克服するためには、技術開発の成果により一層のコストダウンが可能となること
20
エネルギー白書 2006 年版(HTML 版)
資 2-24
が期待されるとともに、熱源や需要のあり方等地域の特性を踏まえたシステムの実施、行政
の支援を含め事業の推進体制の整備が必要です。
また、未利用エネルギーを活用した熱供給事業に関する補助制度の確立が期待されます。
表 2-7 地域熱供給における温度差エネルギー活用事例
活用形態
導入地区名
札幌市真駒内,いわき市小名浜,日立駅前,千葉ニュータウン都心,東京臨
ごみ焼却・工場排熱活用型
区数
8
海副都心,光が丘団地,品川八潮団地,大阪市森之宮
地下鉄排熱活用型
2
札幌駅日田口再開発,新宿南口西
盛岡駅西口,宇都宮市中央,日比谷,銀座 2・3 丁目,芝浦 4 丁目,新川,神
変電所・変圧器排熱活用型
10
田駿河台,中之島 3 丁目,りんくうタウン,西鉄福岡駅再開発
廃棄物・再生油熱源活用型
札幌市厚別,北広島団地,北海道花畔団地
3
発電所油気熱源活用型
和歌山マリーナシティ,西郷
2
盛岡駅西口,千葉問屋町,後楽 1 丁目,幕張新都心ハイテク・ビジネス,高
中水熱・下水等熱活用型
6(1)
松市番町,下川端再開発
河川水熱活用型
箱崎,富山駅北,中之島 3 丁目,天満橋 1 丁目
中部国際空港島,大阪南港コスモスクエア,サンポート高松,シーサイドも
海水熱活用型
4(1)
4
もち
地下水熱活用型
2(1)
高崎市中央,高松市番町
−
合計
41(3)
注:括弧内は複数の熱源を利用している地区で内数
出典:資源エネルギー庁「エネルギーの面的利用導入ガイドブック(平成 17 年)」
180
160
事業者数
許可地点数
140
120
100
80
60
40
20
19
72
19
73
19
74
19
75
19
76
19
77
19
78
19
79
19
80
19
81
19
82
19
83
19
84
19
85
19
86
19
87
19
88
19
89
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
0
年度
図 2-25 熱供給事業の年度別許可推移
出典:資源エネルギー庁,熱供給事業便覧(平成 17 年版)より作成
資 2-25
(12)天然ガスコージェネレーション
1)概要
天然ガスコージェネレーションとは、天然ガスを燃料にガスエンジンやガスタービンを回
し、
「電気」と「熱」を同時に作り出し利用するシステムです。
「電気」は照明・空調に、
「熱」
は温水や蒸気の形で取り出し、給湯・冷暖房・工場の熱源等に利用します。このように「電
気」と「熱」をムダなく有効に利用できるため、燃料が本来持っているエネルギーの利用効
率(総合エネルギー効率)は、約 70∼80%にも達します。
コージェネレーションは、主にホテル・病院・スポーツ施設等、電気や熱を多く使う施設
に導入されていますが、学校・レストラン・住宅等小規模施設向けに超小型のガスエンジン
やマイクロガスタービンといったシステムも開発されています。
図 2-26 コージェネレーションシステムのイメージ
出典:NEF 資料
2)導入状況
我が国において導入された天然ガスコージェネレーションは、2006 年 3 月末で、民生用、
24,858 件、発電容量 85.8 万 kW、産業用 783 件、発電容量 273.5 万 kW、合計 25,641 件、発
電容量 359.3 万 kW(スチームタービン除く)となっており、我が国における電力用発電設備
の 1.29%を占めています。21(図 2-27 参照)
最近では、工場用だけでなく、都市再開発における大規模な導入や、300kW 以下のマイク
ロガスタービン、10kW 以下のマイクロガスエンジンの小型機の導入も顕著になり、また、2003
年春から 1kW の家庭用ガスエンジンの市場導入も開始されました。
なお、熱供給事業においても、2006 年現在、49 地区で天然ガスコージェネレーションシス
テムが稼働しています。
21
(社)日本ガス協会資料(2006 年 6 月 30 日ニュースリリース)より
資 2-26
400
燃料電池
0.1
ガスエンジン
350
ガスタービン
0.1
300
137.2
104.7
設備容量(万kW)
250
0
0
200
0
0
0
150
0
0
100
50
0
15.8
0
19.7
0
23.4
0
26.4
33.4
39.8
50.2
61.4
1992
1993
1994
1995
0
29.2
70.8
1996
74.4
60.5
53.2
46.7
40.3
37.4
207.9
34
110.8
84.7
95.2
1997
1998
1999
年度
122.2
136.7
154.4
222.1
167.1
0
図 2-27
2000
2001
2002
2003
2004
2005
天然ガスコージェネレーションの発電設備容量(累計)
出典:(社)日本ガス協会統計資料より作成
3)導入における課題
コージェネレーションを、今後加速的に普及させるためには、技術開発の推進等により、
高効率化、低公害化、低コスト化、コンパクト化、メンテナンスフリー化を推進していく必
要があります。今後、一般家庭用や中小型業務用の普及を目的としたマイクロガスタービン、
マイクロガスエンジンを原動機とするコージェネレーションや固体高分子形燃料電池コージ
ェネレーションの開発・普及促進が期待されています。また、エネルギーの基本計画でも明
記された分散型エネルギーシステムとして、都市再開発等のエネルギーシステムへの天然ガ
スコージェネレーションの導入も期待されています。
資 2-27
(13)クリーンエネルギー自動車
1)概要
クリーンエネルギー自動車とは、CO2や窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等、
地球温暖化や大気汚染の原因となる有害物質を全く排出しない、または排出してもその量が
少ない等、環境に配慮した低公害型の自動車です。
クリーンエネルギー自動車には、利用する動力源に違いがあり、電気自動車、ハイブリッ
ド自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ディーゼル代替 LPG 車、燃料電池自動車な
どがあります。最近では、水素と酸素を反応させて電気を得て、モーターで走る燃料電池車
が次世代型のクリーンエネルギー自動車として注目されています。
図 2-28
クリーンエネルギー自動車のしくみ
注:普及台数は平成 12 年度末のデータ
出典:環境省「自動車 NOx・PM 法の手引き」パンフレット(平成14年8月)より抜粋
2)導入状況
我が国におけるクリーンエネルギー自動車の普及状況は、表 2-8 に示すとおりです。電気
と併用してガソリンまたは軽油を燃料とするハイブリット自動車が最も普及しています。こ
れは一般自動車と同様の燃料を使用することで、現行のガソリンスタンドを活用できること
と、購入価格も一般車と遜色ない価格で購入可能な点が、消費者に受け入れられていると思
われます。その他の低公害車は、普及が伸び悩んでいますが、近年、天然ガス自動車につい
ては、配送用トラックを主として企業による導入が進んでおり、順調な伸びを見せています。
2006 年 12 月末には 3 万台を突破し、2006 年度末の天然ガス自動車の導入数は 31,500 台を見
込まれています。22
岩手県におけるクリーンエネルギー自動車(ハイブリッド自動車以外)の普及状況は、実
績ゼロとなっています。東北地方では、宮城県と福島県に天然ガスと LP ガスの燃料供給設備
(エコ・ステーション)が計 5 ヶ所設置されているだけで、クリーンエネルギー自動車の導
入はほとんど進んでいません。平成 18 年 3 月末現在、エコ・ステーションの設置状況は、全
国 355 ヶ所で 3 大都市圏を中心としています。なかでも、天然ガスエコ・ステーションの設置
が最も多く、265 ヶ所となっています。23
今後の低公害車の普及については、
「低公害車開発普及アクションプラン」
(平成 13 年策定)
22
(社)日本ガス協会資料(2007.1.18 ニュースリリース)より
23
(財)エコ・ステーション推進協会資料より
資 2-28
に基づき、2010 年度までのできるだけ早い時期に 1,000 万台以上の実用段階にある低公害車
の普及を目指すこととしています。
表 2-8
燃料電池自動車
メタノール自動車
電気自動車
天然ガス自動車
ハイブリッド自動車
低公害車の普及台数
2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度
23
50
61
157
135
114
62
60
3,800
4,700
5,600
7,700
8,500
7,811
12,012
16,561
20,638
24,263
50,400
74,600
91,200 132,500 196,800
注 1:電気自動車,ハイブリッド自動車は概算値,注 2:低燃費かつ低排出ガス認定車は除く
出典:環境省「低公害車ガイドブック 2005」より作成
図 2-29
エコ・ステーションの設置状況
出典:(財)エコ・ステーション推進協会資料より転載
3)導入おける課題
クリーンエネルギー自動車の普及が進んでいない主な原因には、車体価格の高さと燃料供
給施設の整備の遅れがあります。車体価格は、既存車の同型車種に比べ、ハイブリッド車で
1∼1.7 倍、電気自動車で 2∼3.5 倍高くなっています。電気自動車、天然ガス自動車、メタ
ノール自動車は、燃料供給施設が必要ですが、その新設に数千万円∼数億円程度の初期投資
がかかります。普及促進のためには、車両の導入だけでなく、燃料供給施設の整備も同時に
進めて行く必要があります。加えて、クリーンエネルギー自動車は、既存のガソリン車やデ
ィーゼル車に比べて 1 回あたりの充電または充填の走行距離が若干短いといった課題も残さ
れています。これらの課題を克服するための技術開発と導入支援制度の整備により、導入コ
ストは年々低下していますが、新規事業者の参入を促すような規制緩和と支援制度も求めら
れています。
資 2-29
(14)燃料電池
1)概要
燃料電池は、水の電気分解の逆の原理で水素と酸素の化学反応(2H2 + O2 → 2H2O)により、
熱変換を伴わないで、直接、電気を作り出す装置です。また、発電効率が 30∼60%と高く、
さらにコージェネレーションシステム(熱電併給システム)として利用した場合に理論的に
は総合効率が 80%程度と飛躍的なエネルギー効率を持つ新エネルギーです。
燃料電池の燃料となる水素は、一般的に天然ガス、メタノール等の燃料を改質して製造し、
酸素は、大気中から取り入れます。燃料電池には、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、
固体酸化物形、バイオ燃料電池等の種類があります。燃料電池の種類によって反応温度が異
なるため、常温域で反応する固体高分子形の実用化が最も期待されています。
水の電気分解と発電の仕組み
外部から供給された水素分子(H2)は、マイナスの電極内にある触媒に吸着され活性な水素原子(H-H)となります。この水素原子
は、水素イオン(2H+)となり2個の電子(2e -)を電極へ送り出します。この電子は外部回路を通って反対側のプラスの電極に電流とし
て流れます。プラスの電極では、外部から供給された酸素分子(O2)が外部回路から戻ってきた電子を受け取り酸素イオン(O2-)とな
ります。一方マイナス電極で電子を取られてプラスの電荷を帯びた水素イオン(2H+)は、電解質を伝ってプラスの電極に移動し、マ
イナスの電荷を帯びた酸素イオンと結合し水(H2O)となります。
図 2-30 燃料電池の基本原理
出典:NEF 資料
図 2-31
固体高分子型燃料電池スタックの概要
出典:JHFC HP より転載
資 2-30
図 2-32
燃料電池の種類と用途
出典:JHFC HP より転載
2)導入状況
燃料電池のうちリン酸形は最も研究開発が進み、実用化段階にあり、累積で 200 台導入さ
れています。 24固体高分子形は、小型・軽量といった特徴から、携帯用電源、自動車用や家
庭用のコージェネレーションとして開発が進み、現在、試運転段階にあります。また、固体
電解質型は、高い発電効率が期待され、マイクロガスタービンと組み合わせたハイブリッド
システムが研究されていますが、実用化までには至っていません。溶融炭酸塩型は、実証試
験段階にとどまっています。
しかしながら、燃料電池は官民で積極的な研究開発がおこなわれており、2005 年には固体
高分子形家庭用 1kW 燃料電池コージェネレーションシステムが関東エリア内で限定的に 200
台市場投入されています。25
3)導入における課題
燃料電池は、高効率なシステムですが、その設置と熱利用にコストがかかるため、商用電
源から供給される電力よりも割高となっています。燃料電池が広く普及するためには、コス
トの大幅な低減、耐久性や効率性の向上等が課題となっています。
燃料電池の導入による経済性が得られるまでは、自治体や環境意識の高い事業者が先駆的
な導入を推進し、量産効果が期待できる市場の形成が必要と考えられており、
「地域新エネル
ギー導入促進事業」等の助成制度の活用や拡大・継続が必要です。
24
資源エネルギー庁 HP「エネルギー白書 2006」より
25
東京ガス株式会社
プレスリリース 平成 16 年 12 月 6 日
資 2-31
資−3 新エネルギーの賦存量及び利用可能量の推計方法
【自然エネルギー】
(1)太陽光発電
賦存量
太陽光発電の賦存量は、日射量と奥州市の面積から推計します。日射量のデータは新エネ
ルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO という)の「全国日射関連データマップ」(平
成 11 年)を用います。このデータベースには奥州市のデータとして、若柳観測所と江刺観
測所の 2 地点で把握されていたため、両観測所の年平均日射量の平均値である 3.6kWh/m2・
日を基に賦存量の推計を行います。
太陽光発電の賦存量=面積×日射量×日数
面積
項 目
km
太陽光発電の賦存量
2
993.35
水沢区
96.92
江刺区
362.50
前沢区
72.34
胆沢区
298.02
衣川区
日数
kWh/m2 ・日
日
3.6
365
①
MWh
1,305,261,900
476,325,000
365
3.6
95,054,760
391,598,280
214,930,980
②
③
−
出 典
平成18年固定資産の価格等の概要調書 奥州市
NEDO
全国日射関連データマップ
NEDO
新エネルギーガイドブック導入編
年間最適傾斜角日射量
観測地点 1月
太陽光発電
賦存量
127,352,880
163.57
出 典
番号
①
②
③
日射量
2月
(単位:kWh/m2・日)
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月 年平均値 平均値
若柳
2.47 3.39 4.11 4.47 4.76 4.32 3.99 4.08 3.37 3.33 2.43 1.98
3.56
江刺
2.52 3.37 4.21 4.58 4.83 4.47 4.18 4.26 3.40 3.32 2.41 2.00
3.63
出典)「全国日射量関連データマップ」:NEDO
資 3−1
3.60
利用可能量
太陽光発電の利用可能量は、太陽光パネルの規模と設置枚数及び発電効率から推計し
ます。設置規模と枚数は、太陽光パネルを奥州市の一般住宅の全世帯(3kW/世帯)と、
公共施設(庁舎、小学校、中学校、高校及び教育研究機関、保健・医療施設、福祉施設:
10kW/施設)に設置することを想定します。
太陽光発電(家庭)の利用可能量=住宅数×3kW太陽光パネル設置面積
×日射量×発電効率×日数
パネル
住宅数
日射量
発電効率
設置面積
項 目
2
戸
%
m
kWh/m2 ・日
日数
日
MWh
太陽光発電(家庭)の利用可能量
365
115,278
水沢区
40,616
江刺区
9,600
3,680
胆沢区
4,320
衣川区
8
59,603
21,000
前沢区
出 典
3.6
27
27,247
27
3.6
8
365
10,445
12,261
2,016
①
5,722
②
③
④
太陽光発電(公共施設)の利用可能量=公共施設数×10KW太陽光パネル設置面積
×日射量×発電効率×日数
パネル
公共施設数
日射量
発電効率
設置面積
項 目
2
棟
%
m
kWh/m2 ・日
133
太陽光発電(公共施設)の利用可能量
水沢区
3.6
90
8
−
−
日数
太陽光発電
利用可能量
日
MWh
365
1,258
388
41
江刺区
40
前沢区
20
胆沢区
21
衣川区
出 典
太陽光発電
利用可能量
378
90
3.6
8
365
189
199
11
⑤
104
②
③
④
−
−
太陽光発電の利用可能量=太陽光発電(家庭)+太陽光発電(公共施設)
家庭
公共施設 太陽光発電
利用可能量 利用可能量 利用可能量
項 目
MWh
太陽光発電の利用可能量
番号
①
②
③
④
⑤
MWh
MWh
115,278
1,258
116,536
水沢区
59,603
388
59,991
江刺区
27,247
378
27,626
前沢区
10,445
189
10,634
胆沢区
12,261
199
12,460
衣川区
5,722
104
5,826
出 典
総務省統計局
NEDO
NEDO
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック NEDO
水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村合併協議会
新市建設計画
住宅・土地統計調査(平成15年度)
新エネルギーガイドブック導入編
全国日射関連データマップ
資 3−2
(2)太陽熱利用
賦存量
太陽熱の賦存量は、太陽光発電と同様に日射量と奥州市の面積から推計を行います。
太陽熱の賦存量=面積×日射量×日数
項 目
太陽熱の賦存量
番号
①
②
③
日射量
日数
熱量換算
太陽熱
賦存量
km2
kWh/m2・日
日
kJ/kWh
GJ
3.6
365
3,600
993.35
水沢区
96.92
江刺区
362.50
前沢区
72.34
胆沢区
298.02
衣川区
出 典
面積
458,470,368
1,714,770,000
3.6
365
3,600
342,197,136
1,409,753,808
773,751,528
163.57
①
4,698,942,840
②
出 典
平成18年固定資産の価格等の概要調書 奥州市
NEDO
全国日射関連データマップ
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
資 3−3
③
−
−
利用可能量
太陽熱の利用可能量は、日射量とソーラーシステムの設置面積から推計します。設置規模
及び設置数は、奥州市の一般住宅の全世帯(3m2/世帯)と、公共施設(庁舎、小学校、中学
校、高校及び教育研究機関、保健・医療施設、福祉施設:6m2/施設)に設置することを想定
します。
太陽熱(家庭)の利用可能量=住宅数×集熱面積×日射量×熱量換算×集熱効率×日数
住宅数
集熱面積
日射量
戸
m2
kWh/m ・日
kJ/kW
%
日
太陽熱(家庭)の利用可能量
40,616
3
3.6
3,600
60
365
項 目
2
熱量換算
集熱効率
日数
太陽熱
利用可能量
GJ
345,834
水沢区
21,000
178,809
江刺区
9,600
81,741
前沢区
3,680
胆沢区
4,320
36,784
衣川区
2,016
17,166
出 典
3
①
3.6
−
②
3,600
60
③
−
365
−
31,334
−
太陽熱(公共施設)の利用可能量=公共施設数×集熱面積×日射量×熱量換算×集熱効率×日数
項 目
施設数
集熱面積
施設
m
太陽熱(公共施設)の利用可能量
133
日射量
2
2
6
熱量換算
集熱効率
太陽熱
利用可能量
GJ
kWh/m ・日
kJ/kW
%
日
3.6
3,600
60
365
2,265
水沢区
41
349
江刺区
40
341
前沢区
20
胆沢区
21
179
衣川区
11
94
出 典
④
6
3.6
−
②
3,600
−
60
③
太陽熱の利用可能量=太陽熱利用可能量(家庭)+太陽熱利用可能量(公共施設)
家庭
公共施設
太陽熱
利用可能量 利用可能量 利用可能量
項 目
GJ
GJ
GJ
345,834
1,132
346,966
水沢区
178,809
349
179,158
江刺区
81,741
341
82,082
前沢区
31,334
170
31,504
胆沢区
36,784
179
36,962
衣川区
17,166
94
17,259
太陽熱の利用可能量
番号
①
②
③
④
日数
住宅・土地統計調査(平成15年度)
全国日射関連データマップ
新エネルギーガイドブック入門編
新市建設計画
出 典
総務省統計局
NEDO
NEDO
水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村合併協議会
資 3−4
365
−
170
−
(3)風力発電
賦存量
風力発電の賦存量は、年平均風速と奥州市の面積から推計を行います。
賦存量の推計には江刺観測所の平成 17 年度における年平均風速 1.9m/s を用います。
風力の賦存量=面積×平均風力エネルギー密度(1/2×空気密度×平均風速^3)×時間数×熱量換算
項 目
風力の賦存量
空気密度
平均風速
平均風力
エネルギー密度
時間/年
熱量換算
km2
kg/m3
m/s
W/m2
時間
kJ/kWh
8,760
3,600
993.35
1.9
4
4
1.9
4
1.9
4
298.02
1.9
4
38,678,005
163.57
1.9
4
21,228,647
③
−
96.92
江刺区
362.50
前沢区
72.34
胆沢区
衣川区
①
1.2
風力
賦存量
GJ
1.9
水沢区
出 典
番号
①
②
③
面積
1.2
②
128,920,196
12,578,593
47,046,430
8,760
−
3,600
−
出 典
平成18年固定資産の価格等の概要調書
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック
気象統計情報
奥州市
NEDO
気象庁
阿原山
風況 6.5m/s
出典)「風況マップ(16 年度改訂版)
:NEDO」に加筆
資 3−5
9,388,521
−
利用可能量
風力発電の利用可能量は、風力発電システムの設置台数と受風面積、総合効率から年間発
電量を推計します。設置台数及び規模は、風力発電装置を奥州市の一般住宅の全世帯(0.4kW/
世帯)と、公共施設(庁舎、小学校、中学校、高校及び教育研究機関、保健・医療施設、福
祉施設:1kW)に小型風力発電機を導入することを想定します。
また、大型風力発電機については、江刺区の阿原山に 2,000kW の風力発電機を 10 基導入す
るとことを想定します。
風力発電(家庭)の利用可能量=設置箇所数×平均風力エネルギー密度〔1/2×空気密度×平均風速^3〕
×時間数×受風面積[π×(ローター直径/2)^2]×総合効率
風力
400W
平均風速
時間/年
総合効率
住宅数
空気密度
ローター直径
利用可能量
項 目
戸
kg/m3
m/s
時間
m
%
MWh
風力(家庭)の利用可能量
1.9
1.2
8,760
1.2
33.2
550
284
水沢区
21,000
江刺区
9,600
前沢区
3,680
胆沢区
4,320
58
衣川区
2,016
27
出 典
番号
①
②
③
④
40,616
130
1.2
1.9
②
①
8,760
③
−
1.2
④
33.2
②
50
−
出 典
住宅・土地統計調査(平成15年度)
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック
気象統計情報
メーカー資料
総務省統計局
NEDO
気象庁
風力発電(公共施設)の利用可能量=設置箇所数×平均風力エネルギー密度〔1/2×空気密度×平均風速^3〕
×時間数×受風面積[π×(ローター直径/2)^2]×総合効率
風力
1KW
平均風速
時間/年
総合効率
公共施設数 空気密度
ローター直径
利用可能量
項 目
棟
風力(公共施設)の利用可能量
kg/m3
m/s
時間
m
%
1.2
1.9
8,760
1.8
33.2
MWh
4.0
1.2
水沢区
41
江刺区
40
前沢区
20
胆沢区
21
0.6
衣川区
11
0.3
出 典
番号
①
②
③
④
133
①
1.2
1.2
1.9
②
③
8,760
−
1.8
④
33.2
②
出 典
新市建設計画
水沢市・江刺市・前沢町・胆沢町・衣川村合併協議会
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック
NEDO
気象庁
気象統計情報
メーカー資料
資 3−6
0.6
−
大型風力発電(阿原山)の利用可能量=設置箇所数×平均風力エネルギー密度〔1/2×空気密度×平均風速^3〕
×時間数×受風面積[π×(ローター直径/2)^2]×総合効率
風力
設置台数
空気密度
平均風速
時間/年
ローター直径
総合効率
利用可能量
項 目
基
kg/m3
m/s
時間
m
%
MWh
風力(大型)の利用可能量
10
ー
1.2
8,760
ー
33.2
30,478
水沢区
江刺区
10
6.5
90
1.2
前沢区
8,760
30,478
33.2
胆沢区
衣川区
出 典
番号
①
②
③
④
①
②
③
④
−
②
出 典
奥州市
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック
NEDO
NEDO風況マップ
NEDO
風力発電導入ガイドブック
NEDO
江刺区:市内建設会社情報
風力発電の利用可能量=家庭の利用可能量+公共施設の利用可能量+大型風力発電の利用可能量
利用可能量 利用可能量
(公共施設)
(家庭)
項 目
風力
利用可能量
(大型)
利用可能量
MWh
MWh
MWh
MWh
550
4.0
30,478
水沢区
284
1.2
0
江刺区
130
1.2
30,478
前沢区
50
0.6
0
50
胆沢区
58
0.6
0
59
衣川区
27
0.3
0
28
風力の利用可能量
資 3−7
31,032
285
30,610
−
(4)雪氷熱利用
賦存量
雪氷熱の賦存量は、最深積雪量と奥州市の面積から推計します。奥州市には最深積雪量等
を観測している気象観測所がないため、近隣の一関地域気象観測所、北上地域気象観測所に
おける年間最深積雪量の過去 10 年(平成 8 年∼平成 17 年)の平均値である 29.7cm を基に賦
存量の推計を行います。
また、奥州市の 2 月における最深積雪マップは図 5.2-2 に示すとおりです。
雪氷熱の賦存量=面積×最深積雪量×雪比重×(雪比熱×雪温+融解水比熱×放流水温+融解潜熱)
最深
融解水
面積
雪比重
雪比熱
雪温
積雪量
比熱
項 目
m/年
kJ/kg・℃
℃
kJ/kg・℃
kg/m 3
km2
雪氷熱の賦存量
993.35
0.297
600
2.093
kJ/kg
5
335
62,634,446
6,111,170
江刺区
362.50
22,856,986
前沢区
72.34
胆沢区
298.02
衣川区
163.57
①
0.297
600
2.093
-1
H10
H11
H12
5
335
4,561,309
10,313,702
③
②
(単位:cm)
H9
4.186
18,791,280
年間最深積雪量
H8
℃
雪氷熱
賦存量
GJ
96.92
出 典
奥州市ホームページ
気象統計情報
気象庁
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
番号
①
②
③
4.186
融解
潜熱
水沢区
出 典
観測所
-1
放流
水温
H13
H14
H15
H16
H17
北上
36
28
28
40
21
50
42
39
32
47
一関
14
24
32
11
21
33
37
22
14
22
平均
29.7
出典)「気象統計情報」:気象庁
出典)「メッシュ気候値 2000」:
(財)気象業務支援センター
資 3−8
−
利用可能量
雪氷熱の利用可能量は、幹線道路で除雪される雪を想定します。除雪された雪氷は、雪氷庫で
保管して夏季の空調等に利用します。
雪氷熱の利用可能量=除雪面積×最深積雪量×雪比重×(雪比熱×雪温+融解水比熱×放流水温+融解潜熱)
最深
融解水
放流
除雪面積
雪比重
雪比熱
雪温
積雪量
比熱
水温
項 目
m/年
kJ/kg・℃
℃
kJ/kg・℃
℃
kg/m 3
km2
雪氷熱の賦存量
2.52
出 典
番号
①
②
③
水沢区
0.46
江刺区
0.94
前沢区
0.50
胆沢区
0.38
衣川区
0.24
①
0.297
600
2.093
-1
4.186
融解
潜熱
kJ/kg
5
335
雪氷熱
賦存量
GJ
158,643
28,689
59,271
0.297
600
2.093
-1
4.186
5
335
31,275
24,150
15,259
③
②
出 典
(社)交通工学研究会
気象統計情報
気象庁
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
道路交通センサス全国道路交通情勢調査(平成11年度)
資 3−9
−
(5)中小水力発電
賦存量
中小水力発電の賦存量は、市内の農業用水路及び農業排水路を対象とします。農業用水路
については、通水期間を 4 月中旬∼9 月中旬の 5 ヶ月間、農業排水路については、年間を通
して通水されると想定しました。各水路に 1 ヶ所、1mの落差を想定し推計しました。
中小水力(農業用水路)の賦存量=流量×有効落差×重量加速度×時間
流量
項 目
有効落差
3
m
熱量換算
中小水力
賦存量
時間
kJ/kWh
GJ/年
3,672
3,600
重量加速度 時間/5ヶ月
2
中小水力(農業用水路)の賦存量
m /s
86.61
1.江刺幹線水路
3.10
401
2.北部幹線用水路
2.43
315
3.東部幹線用水路
2.32
301
1.32
171
26.57
3,442
6.穴山幹線
1.66
215
7.西南部幹線
4.66
604
8.第5号幹線
1.67
9.茂井羅幹線
7.39
10.茂井羅北堰
3.01
11.茂井羅中堰
12.寿安幹線
1.0
9.8
3,672
216
3,600
957
390
4.05
525
13.40
1,736
13.茂井羅南堰
3.24
420
14.寿安下堰
5.78
749
15.寿安中堰
2.04
264
16.寿安上堰
出 典
②
③
11,220
4.北大堰
5.胆沢幹線導水路
番号
①
1.0
m /s
9.8
3.97
514
①
②
-
③
-
-
出 典
1.∼4. 奥州市調べ
5.∼16. 胆沢町地域新エネルギービジョン
任意の設定値
4月中旬∼9月中旬の5ヶ月間を想定
中小水力(農業排水路)の賦存量=流量×有効落差×重量加速度×時間
項 目
中小水力(農業排水路)の賦存量
流量
m3/s
270.9
小違堰
番号
①
②
③
時間/年
熱量換算
m
m2/s
9.8
時間
kJ/kWh
8,760
3,600
1.0
寿安中堰
50.2
寿安上堰
75.1
1.0
9.8
8,760
3,600
26.3
①
8,993
15,514
23,210
8,128
②
-
③
出 典
胆沢新エネルギービジョン
任意の設定値
12ヶ月間を想定
中小水力賦存量
83,722
14,587
47.2
29.1
項 目
中小水力
賦存量
GJ/年
13,289
茂井羅南堰
明後沢
重量加速度
43.0
大深沢
出 典
有効落差
農業用水路 農業排水路
中小水力賦存量
GJ/年
GJ/年
GJ/年
11,220
83,722
94,942
資 3−10
-
-
利用可能量
中小水力発電の利用可能量は、賦存量を推計した各水路に発電設備を設置するとして推計
しました。
中小水力(農業用水路)の利用可能量=流量×有効落差×重量加速度×時間×水車効率×発電効率
項 目
流量
有効落差
重量加速度 時間/5ヶ月
m3 /s
m
m2 /s
時間
1.0
9.8
3,672
発電効率
中小水力
利用可能量
%
%
MWh/年
83
88
水車効率
中小水力(農業用水路)の利用可能量
86.61
1.江刺幹線水路
3.10
81
2.北部幹線用水路
2.43
64
3.東部幹線用水路
2.32
61
4.北大堰
1.32
35
26.57
698
5.胆沢幹線導水路
6.穴山幹線
1.66
44
7.西南部幹線
4.66
122
8.第5号幹線
1.67
9.茂井羅幹線
7.39
9.8
3,672
83
44
88
194
10.茂井羅北堰
3.01
79
4.05
106
13.40
352
13.茂井羅南堰
3.24
85
14.寿安下堰
5.78
152
15.寿安中堰
2.04
54
16.寿安上堰
3.97
104
出 典
②
③
④
1.0
11.茂井羅中堰
12.寿安幹線
番号
①
2,276
①
②
-
④
③
-
出 典
1.∼4. 奥州市調べ
5.∼16. 胆沢町地域新エネルギービジョン
任意の設定値
4月中旬∼9月中旬の5ヶ月間を想定
マイクロ水力発電導入ガイドブック
中小水力(農業排水路)の利用可能量=流量×有効落差×重量加速度×時間×水車効率×発電効率
項 目
中小水力(農業排水路)の利用可能量
有効落差
重量加速度
m3 /s
m
m2 /s
時間
1.0
9.8
8,760
270.9
時間/年
発電効率
中小水力
利用可能量
%
%
MWh/年
83
88
水車効率
16,986
小違堰
43.0
2,696
茂井羅南堰
47.2
2,960
大深沢
29.1
寿安中堰
50.2
寿安上堰(岩堰川)
75.1
明後沢
26.3
出 典
番号
①
②
③
④
流量
①
1.0
9.8
8,760
中小水力利用可能量
88
1,825
3,148
4,709
1,649
②
-
③
出 典
胆沢町地域新エネルギービジョン
任意の設定値
12ヶ月間を想定
マイクロ水力発電導入ガイドブック
項 目
83
農業用水路 農業排水路
中小水力利用可能量
MWh/年
MWh/年
MWh/年
2,276
16,986
19,263
資 3−11
④
-
【バイオマスエネルギー】
(6)農産系バイオマス
1)稲収穫残渣
賦存量
稲収穫残渣は、
「稲わら」と「もみ殻」を対象とします。賦存量は水稲の収穫量に稲わらと
もみ殻の発生率をかけて推計します。
稲わらの賦存量=稲収穫量×稲わら発生率×稲わら発熱量
項 目
稲わらの賦存量
稲収穫量
稲わら
発生率
稲わら
発生量
稲わら
発熱量
稲わら
賦存量
t
%
t
kJ/kg
GJ
64,190
16,744
1,074,797
64,190
100
水沢区
12,500
12,500
209,300
江刺区
20,100
20,100
336,554
前沢区
9,540
胆沢区
18,200
18,200
304,741
衣川区
3,850
3,850
64,464
出 典
①
100
9,540
②
16,744
159,738
−
③
−
もみ殻の賦存量=稲収穫量×もみ殻発生率×もみ殻発熱量
項 目
もみ殻の賦存量
稲収穫量
もみ殻
発生率
もみ殻
発生量
もみ殻
発熱量
もみ殻
賦存量
t
%
t
kJ/kg
GJ
64,190
25
16,048
16,325
12,500
3,125
51,016
江刺区
20,100
5,025
82,033
25
16,325
前沢区
9,540
胆沢区
18,200
4,550
74,279
衣川区
3,850
963
15,713
出 典
①
2,385
②
−
稲収穫残渣の賦存量=稲わらの賦存量+もみ殻の賦存量
項 目
稲収穫残渣の賦存量
番号
①
②
③
261,975
水沢区
稲わら
賦存量
もみ殻
賦存量
賦存量
GJ
GJ
GJ
1,074,797
261,975
1,336,773
水沢区
209,300
51,016
260,316
江刺区
336,554
82,033
418,588
前沢区
159,738
38,935
198,673
胆沢区
304,741
74,279
379,020
衣川区
64,464
15,713
80,177
出 典
岩手県
胆江地域バイオマス利活用マスタープラン 岩手県県南広域振興局
NEDO
新エネルギーガイドブック導入編
平成17年度岩手県統計年鑑
資 3−12
③
38,935
−
利用可能量
稲収穫残渣の利用可能量は、賦存量にすき込みと焼却処分(廃熱未利用)されている率を
未活用率として乗じて推計します。利用可能量はボイラー燃料として使用した場合の熱量と
します。ボイラー効率は 80%と想定します。
稲わらの利用可能量=稲わら発生量×稲わら未利用率×稲わら発熱量
項 目
稲わらの利用可能量
稲わら
発生量
稲わら
未利用率
稲わら
発熱量
ボイラー
効率
稲わら
利用可能量
t
%
kJ/kg
%
GJ
63.1
16,744
80
64,190
542,558
水沢区
12,500
105,655
江刺区
20,100
169,893
63.1
16,744
80
前沢区
9,540
胆沢区
18,200
153,833
衣川区
3,850
32,542
出 典
①
②
③
80,636
−
−
ボイラー
効率
もみ殻
利用可能量
もみ殻の利用可能量=もみ殻発生量×もみ殻未利用率×もみ殻発熱量
もみ殻
発生量
項 目
t
もみ殻の利用可能量
水沢区
16,048
もみ殻
未利用率
もみ殻
発熱量
%
kJ/kg
%
GJ
8.2
16,325
80
17,186
3,347
3,125
江刺区
5,025
前沢区
2,385
胆沢区
4,550
4,873
衣川区
963
1,031
出 典
①
5,381
8.2
②
16,325
③
稲収穫残渣の利用可能量=稲わらの利用可能量+もみ殻の利用可能量
稲わら
もみ殻
稲収穫残渣
利用可能量 利用可能量 利用可能量
項 目
GJ
GJ
GJ
542,558
17,186
559,743
水沢区
105,655
3,347
109,001
江刺区
169,893
5,381
175,274
前沢区
80,636
2,554
83,190
胆沢区
153,833
4,873
158,706
衣川区
32,542
1,031
33,572
稲収穫残渣の利用可能量
番号
①
②
③
出 典
岩手県
胆江地域バイオマス利活用マスタープラン 岩手県県南広域振興局
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
平成17年度岩手県統計年鑑
資 3−13
80
−
2,554
−
2)くず米
賦存量
旧胆沢町では平成 16 年度より「エネルギー作物のエタノール化」事業に取り組んでおり、
現奥州市においても推進されています。エタノールの原料には、地域の特色と価格面の検討
から、くず米が選定されています。
くず米の賦存量は、米の収穫量にくず米の発生率を乗じて推計します。生成するエタノー
ルは、固体発酵方式による生成とし、エタノール濃度は 70%を想定します。
くず米の賦存量=稲収穫量×くず米発生率×エタノール製造率×エタノール発熱量
項 目
くず米の賦存量
くず米
発生率
エタノール
製造率
70%エタノール
発熱量
くず米
賦存量
t
%
64,190
2
L/kg
kJ/L
GJ
0.3
14,115
5,436
1,059
水沢区
12,500
江刺区
20,100
前沢区
9,540
胆沢区
18,200
1,541
衣川区
3,850
326
出 典
番号
①
②
③
稲収穫量
①
1,702
2
0.3
②
−
14,115
③
808
−
出 典
岩手県
東北農政局
米のエタノール化技術研究開発事業の概要 岩手県
平成17年度岩手県統計年鑑
東北農政局聞き取り
利用可能量
くず米の利用可能量は、製造されたエタノールをボイラー燃料として利用した場合の熱量
とします。ボイラー効率は 80%と想定します。
くず米の利用可能量=稲収穫量×くず米発生率×エタノール製造率×エタノール発熱量
項 目
くず米の利用可能量
番号
①
②
③
くず米
発生率
エタノール
製造率
70%エタノール
発熱量
ボイラー
効率
くず米
利用可能量
t
%
L/kg
kJ/L
%
GJ
64,190
2
0.3
14,115
80
水沢区
12,500
江刺区
20,100
前沢区
9,540
胆沢区
18,200
衣川区
出 典
稲収穫量
4,349
847
1,362
2
0.3
14,115
80
646
1,233
3,850
①
261
②
出 典
岩手県
東北農政局
米のエタノール化技術研究開発事業の概要 岩手県
平成17年度岩手県統計年鑑
東北農政局聞き取り
資 3−14
−
③
−
−
(7)畜産系バイオマス
1)家畜せつ泄物(乳用牛・肉用牛・豚)
賦存量
家畜せつ泄物は、飼育頭数が多い乳用牛・肉用牛・豚を対象とします。賦存量は飼育頭数
に排せつ物の発生係数を乗じて推計します。対象の排せつ物は水分量が多いため、一般的な
湿式中温式メタン発酵によりバイオガスを生成する利用方法を想定しました。
家畜飼育頭数及び排せつ物量の推計
畜種
乳用牛
肉用牛
豚
排せつ物量 排せつ物量
(kg/頭(羽) (t/頭(羽)/
/日)
年)
搾乳牛
58.9
21.50
乾乳牛・未経産牛
35.8
13.07
育成牛
24.6
8.98
2歳未満
24.3
8.87
2歳以上
26.7
9.75
乳用種
25.2
9.20
肥育豚
5.9
2.15
繁殖豚
10.3
3.76
月齢等
排せつ物量合計
−
飼育頭数
水沢区
−
江刺区
前沢区
胆沢区
衣川区
0
113
38
412
139
147
1,078
20
356
3,871
12
63
3,636
133
453
2,934
44
232
759
11,809
280
32
44,215
36,918
846
117
44,924
12,838
家畜排せつ物(乳用牛)の賦存量=乳用牛の家畜排せつ物量×バイオガス発生率
×メタン成分含有率×メタン発熱量
家畜
バイオガス メタン成分
メタン
家畜排せつ物
排せつ物量
発生量
含有率
発熱量
賦存量
項 目
t
m3/kg
%
kJ/m3
GJ
家畜排せつ物(乳用牛)の賦存量
16,969
水沢区
0
江刺区
2,609
0.025
60
37,180
9,463
0
1,455
0.025
60
37,180
516
前沢区
925
胆沢区
10,052
5,606
衣川区
3,383
1,887
出 典
②
①
−
家畜排せつ物(肉用牛)の賦存量=肉用牛の家畜排せつ物量×バイオガス発生率
×メタン成分含有率×メタン発熱量
家畜
バイオガス メタン成分
メタン
家畜排せつ物
排せつ物量
発生量
含有率
発熱量
賦存量
項 目
t
m3/kg
%
kJ/m3
GJ
家畜排せつ物(肉用牛)の賦存量
出 典
130,751
水沢区
11,809
江刺区
40,882
0.030
60
37,180
87,504
7,903
27,360
0.030
60
37,180
24,088
前沢区
35,993
胆沢区
32,611
21,825
衣川区
9,455
6,327
②
①
資 3−15
−
家畜排せつ物(豚)の賦存量=豚の家畜排せつ物量×バイオガス発生率
×メタン成分含有率×メタン発熱量
家畜
バイオガス メタン成分
メタン
排せつ物量
発生量
含有率
発熱量
項 目
t
m3/kg
%
kJ/m3
0.050
60
家畜排せつ物
賦存量
GJ
37,180
3,329
家畜排せつ物(豚)の賦存量
2,985
水沢区
0
0
江刺区
723
807
0.050
60
37,180
0
前沢区
0
胆沢区
2,262
2,523
衣川区
0
0
出 典
②
①
−
家畜排せつ物の賦存量=乳用牛の排せつ物賦存量+肉用牛の排せつ物賦存量
+豚の排せつ物賦存量
項 目
肉用牛
排せつ物
賦存量
豚
排せつ物
賦存量
家畜排せつ物
賦存量
合計
GJ
GJ
GJ
GJ
9,463
87,504
3,329
100,297
水沢区
0
7,903
0
7,903
江刺区
1,455
27,360
807
29,622
家畜排せつ物の賦存量
番号
①
②
乳用牛
排せつ物
賦存量
前沢区
516
24,088
0
24,604
胆沢区
5,606
21,825
2,523
29,953
衣川区
1,887
6,327
0
8,214
出 典
奥州市調べ
新エネルギーガイドブック 導入編
NEDO
利用可能量
家畜排せつ物の利用可能量は、生成したバイオガスを燃料として発電する電力量とします。
利用可能量の推計は、発電効率を乗じて電力所内率を差し引いて推計します。
家畜排せつ物の利用可能量=家畜排せつ物量賦存量×発電効率÷電力換算×(1−電力所内率)
項 目
家畜排せつ物の利用可能量
出 典
番号
①
②
家畜排せつ
物賦存量
発電効率
電力換算
電力所内率
家畜排せつ物
利用可能量
GJ
%
kJ/kWh
%
MWh/年
25
3,600
30
100,297
4,876
水沢区
7,903
384
江刺区
29,622
1,440
前沢区
24,604
胆沢区
29,953
1,456
衣川区
8,214
399
25
−
①
出 典
NEDO
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)
NEDO
新エネルギーガイドブック導入編
資 3−16
3,600
−
30
②
1,196
−
2)鶏糞
賦存量
鶏糞は、採卵鶏とブロイラーを対象とします。賦存量は飼育羽数に排泄物の発生係数を乗
じて推計します。対象の排泄物は水分量が少ないため、利用形態はボイラー燃料として使用
した場合の熱量とします。
飼育羽数及び排泄物量の推計
畜種
採卵鶏
排せつ物量 排せつ物量
(kg/頭(羽) (t/頭(羽)/
/日)
年)
0.059
0.02
0.136
0.05
0.13
0.05
月齢等
雛(ひな)
成鶏
ブロイラー
排せつ物量合計
−
−
飼育頭数
水沢区
江刺区
1,000
158,000
7,547
前沢区
35,675
80,000
5,567
胆沢区
464,000
22,017
194,500
9,229
鶏糞の賦存量=鶏糞発生量×鶏糞発熱量
項 目
鶏糞の賦存量
水沢区
鶏糞発生量
鶏糞
発熱量
鶏糞
賦存量
t
kJ/kg
GJ
44,359
1,000
44,359
7,547
7,547
江刺区
5,567
前沢区
22,017
胆沢区
9,229
9,229
0
0
衣川区
出 典
①
5,567
1,000
22,017
②
−
出 典
番号
①
②
奥州市調べ
バイオマスエネルギー導入ガイドブック NEDO
利用可能量
鶏糞の利余可能量は、賦存量にボイラー効率を乗じて推計します。
鶏糞の利用可能量=鶏糞発生量×鶏糞発熱量×ボイラ効率
項 目
鶏糞の利用可能量
出 典
番号
①
②
③
鶏糞発生量
鶏糞
発熱量
ボイラ
効率
鶏糞
利用可能量
t
kJ/kg
%
GJ
44,359
1,000
85
37,706
水沢区
7,547
6,415
江刺区
5,567
4,732
前沢区
22,017
胆沢区
9,229
7,845
衣川区
0
0
①
1,000
②
出 典
奥州市調べ
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
バイオマスエネルギー導入ガイドブック NEDO
資 3−17
85
③
18,714
−
衣川区
0
(8)木質系バイオマス
賦存量
木質系バイオマスは、奥州市に生育する樹木を対象とします。賦存量は森林面積に樹木が
一年間に生長する量を乗じて推計します。
木質バイオマス(針葉樹)の賦存量=森林面積×樹木成長量×重量換算×発熱量
項 目
木質バイオマス(針葉樹)の賦存量
森林面積
年間成長量
重量換算
針葉樹
発熱量
針葉樹
賦存量
ha
m3/ha
kg/m3
kJ/kg
GJ
3.6
500
19,780
19,007
676,725
水沢区
1,133
40,346
江刺区
10,797
384,411
前沢区
1,231
胆沢区
1,289
衣川区
4,557
出 典
3.6
500
19,780
43,824
45,902
162,242
②
①
−
木質バイオマス(広葉樹)の賦存量=森林面積×樹木成長量×重量換算×発熱量
項 目
木質バイオマス(広葉樹)の賦存量
森林面積
年間成長量
重量換算
広葉樹
発熱量
広葉樹
賦存量
ha
m3/ha
kg/m3
kJ/kg
GJ
3.6
500
18,800
15,062
932
31,532
江刺区
8,017
271,302
500
3.6
18,800
前沢区
788
胆沢区
1,363
46,139
衣川区
3,961
134,048
出 典
②
①
木質系バイオマスの賦存量=針葉樹の賦存量+広葉樹の賦存量
項 目
木質系バイオマスの賦存量
番号
①
②
509,685
水沢区
針葉樹
賦存量
広葉樹
賦存量
賦存量
GJ
GJ
GJ
676,725
509,685
1,186,411
水沢区
40,346
31,532
71,878
江刺区
384,411
271,302
655,714
前沢区
43,824
26,664
70,488
胆沢区
45,902
46,139
92,042
衣川区
162,242
134,048
296,290
平成17年度岩手県統計年鑑
新エネルギーガイドブック導入編
出 典
岩手県
NEDO
資 3−18
26,664
−
利用可能量
木質系バイオマスの利用可能量は、林地に切捨てられている間伐材と胆沢ダムの流木を対
象とします。胆沢ダムの流木の量は、現在の石淵ダムの流木と同等と予想されています。
利用形態はボイラー燃料として使用した場合の熱量とします。
木質バイオマスの利用可能量=(切捨間伐量+ダム流木量)×重量換算×発熱量×ボイラ効率
木質バイオマスの利用可能量
番号
①
②
③
重量換算
m3
m3
kg/m3
kJ/kg
%
22,284
240
500
19,780
85
水沢区
3,060
江刺区
8,240
前沢区
1,180
胆沢区
237
衣川区
出 典
胆沢ダム
流木発生量
切捨間伐量
項 目
針葉樹
発熱量
GJ
189,348
69,270
500
19,780
240
85
9,920
4,010
80,425
②
出 典
岩手県県南広域振興局聞き取り
胆沢ダム管理事務所聞き取り
新エネルギーガイドブック導入編
木質バイオマス
利用可能量
25,724
9,567
①
ボイラ
効率
NEDO
資 3−19
③
−
【廃棄物系バイオマス】
(9)廃棄物系バイオマス
1)生ごみ
賦存量
賦存量は可燃ごみに含まれている生ごみ(厨芥類)を対象とします。収集した厨芥類はメ
タン発酵によりバイオガスを生成する利用方法を想定しました。生ごみは水分量が多いため、
湿式中温式メタン発酵によりバイオガスを生成する利用方法を想定しました。
生ごみの賦存量=可燃ごみ搬入量×生ごみの割合
×バイオガス発生率×バイオガス単位発熱量
可燃ごみ
生ごみ
バイオガス バイオガス
搬入量
の割合
発生量
発熱量
項 目
生ごみの賦存量
t
%
m3/kg
kJ/m3
GJ
34,262
44
0.16
20,000
48,241
水沢区
19,596
27,591
江刺区
7,113
10,015
前沢区
3,858
胆沢区
2,821
衣川区
874
出 典
番号
①
②
生ごみ
賦存量
44
0.16
20,000
5,432
3,972
1,231
①
②
−
出 典
胆江地区広域行政組合資料
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)
NEDO
利用可能量
生ごみの利用可能量は、生成したバイオガスを燃料として発電する電力量とします。利用
可能量の推計は、発電効率を乗じて電力所内率を差し引いて推計します。
生ごみの利用可能量=生ごみの賦存量×発電効率÷電力換算×(1−電力所内率)
項 目
生ごみの利用可能量
出 典
番号
①
②
生ごみ
賦存量
発電効率
電力換算
電力
所内率
生ごみ
利用可能量
GJ
%
kJ/kWh
%
MWh/年
48,241
25
3,600
30
2,345
水沢区
27,591
1,341
江刺区
10,015
487
前沢区
5,432
胆沢区
3,972
193
衣川区
1,231
60
−
25
①
出 典
NED0
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版) NEDO
新エネルギーガイドブック導入編
資 3−20
3,600
−
30
②
264
−
2)し尿・下水汚泥
賦存量
し尿・下水汚泥の賦存量は、胆江地区広域行政組合のし尿処理施設と岩手県下水道公社の
水沢浄化センターで発生する汚泥を対象とします。利用方法は、し尿や下水の処理により発
生する汚泥から湿式中温式メタン発酵によりバイオガスを生成する方法を想定します。
し尿汚泥の賦存量=胆江地区広域行政組合の汚泥発生量×バイオガス発生量
×メタン成分含有率×メタン発熱量
組合
バイオガス メタン成分
メタン
汚泥発生量
発生量
含有率
発熱量
項 目
m3
m3/m3
%
kJ/m3
し尿汚泥の賦存量
出 典
490,790
①
13.3
60
37,180
③
②
28,390
13.3
60
②
出 典
37,180
③
し尿・下水汚泥の賦存量=し尿汚泥の賦存量+下水汚泥の賦存量
項 目
し尿・下水汚泥の賦存量
番号
①
②
③
し尿汚泥
賦存量
下水汚泥
賦存量
し尿・下水
汚泥賦存量
GJ
GJ
GJ
145,616
8,423
出 典
胆江地区広域行政組合 資料
岩手県下水道公社 資料
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
資 3−21
154,039
GJ
145,616
−
下水汚泥の賦存量=水沢浄化センターの汚泥発生量×バイオガス発生量
×メタン成分含有率×メタン発熱量
浄化センター
バイオガス メタン成分
メタン
汚泥発生量
発生量
含有率
発熱量
項 目
m3
m3/m3
%
kJ/m3
下水汚泥の賦存量
し尿汚泥
賦存量
下水汚泥
賦存量
GJ
8,423
−
利用可能量
し尿・下水汚泥の利用可能量は、賦存量に発電効率を乗じて電力所内率を差し引いて推計
します。
し尿汚泥の利用可能量=し尿汚泥の賦存量×発電効率÷電力換算×(1-電力所内率)
項 目
し尿汚泥の利用可能量
出 典
し尿
賦存量
発電効率
電力換算
電力
所内率
し尿汚泥
利用可能量
GJ
%
kJ/kWh
%
MWh/年
145,616
25
3,600
33
6,775
−
①
−
②
−
下水汚泥の利用可能量=下水汚泥の賦存量×発電効率÷電力換算×(1-電力所内率)
項 目
下水汚泥の利用可能量
出 典
下水
賦存量
発電効率
電力換算
電力
所内率
下水汚泥
利用可能量
GJ
%
kJ/kWh
%
MWh/年
8,423
25
3,600
33
392
−
①
−
②
−
し尿・下水汚泥の利用可能量=し尿汚泥の利用可能量+下水汚泥の利用可能量
項 目
し尿汚泥
利用可能量
MWh
し尿・下水汚泥の利用可能量
下水汚泥 し尿・下水汚泥
利用可能量 利用可能量
MWh
6,775
MWh
392
7,167
出 典
番号
①
新エネルギーガイドブック導入編
②
メタン発酵利活用施設技術指針(案) 社団法人 地域資源循環技術センター
NEDO
資 3−22
3)廃食油
賦存量
廃食油の賦存量は、家庭で発生する廃食油と市内の学校給食センターで発生する植物系廃
食油を対象とします。廃食油からBDFを製造して軽油の代替燃料としての利用を想定しま
す。
廃食油(家庭)の賦存量=世帯数×廃食油発生量原単位×BDF変換効率×BDF発熱量
項 目
廃食油(家庭)の賦存量
廃食油発生
原単位
世帯
kg/世帯・年
2.8
42,176
BDF
変換効率
BDF
発熱量
廃食油
賦存量
%
kJ/kg
GJ/年
90
37,674
21,683
江刺区
10,117
前沢区
4,334
胆沢区
4,637
440
衣川区
1,405
133
①
2,059
960
2.8
②
平成17年度岩手県統計年鑑
UCオイルのリサイクルの流れ図
メーカー資料
バイオディーゼル・ハンドブック
90
③
37,674
④
人
廃食油(学校給食センター)の賦存量
番号
①
②
③
④
11,392
411
−
出 典
岩手県
全国油脂事業協同組合連合会
池上 詢
廃食油(学校給食センター)の賦存量=児童数×廃食油発生量原単位
×BDF変換効率×BDF発熱量
廃食油発生
BDF
BDF
児童数
原単位
変換効率
発熱量
項 目
出 典
4,004
水沢区
出 典
番号
①
②
③
④
世帯数
kg/人
%
kJ/kg
1.2
90
37,674
廃食油
賦存量
GJ
476
水沢区
5,498
230
江刺区
2,718
114
前沢区
1,217
胆沢区
1,518
63
衣川区
441
18
①
平成17年度学校基本調査
食品廃棄物発生量調査結果概要
メーカー資料
バイオディーゼル・ハンドブック
1.2
②
90
③
出 典
岩手県
岩手県農林水産部流通課
池上 詢
資 3−23
37,674
④
51
−
廃食油の賦存量=家庭からの廃食油賦存量+学校給食センターからの廃食油賦存量
給食センター
家庭
廃食油
廃食油
廃食油
賦存量
項 目
賦存量
賦存量
GJ
GJ
GJ
廃食油の賦存量
4,004
476
4,480
水沢区
2,059
230
2,288
江刺区
960
114
1,074
前沢区
411
51
462
胆沢区
440
63
504
衣川区
133
18
152
利用可能量
廃食油はBDFを製造し軽油の代替燃料として利用するため、発電設備や燃焼設備を必要
としません。そのため賦存量=利用可能量として考えます。
廃食油の利用可能量=家庭からの廃食油賦存量
+学校給食センターからの廃食油賦存量
家庭
廃食油
賦存量
給食センター
廃食油
賦存量
廃食油
利用可能量
GJ
GJ
GJ
4,004
476
4,480
水沢区
2,059
230
2,288
江刺区
960
114
1,074
前沢区
411
51
462
胆沢区
440
63
504
衣川区
133
18
152
項 目
廃食油の利用可能量
資 3−24
【廃棄資源由来のエネルギー】
(10)廃棄物エネルギー
賦存量
廃棄物エネルギーの賦存量は可燃ごみの焼却熱を想定し、胆江地区広域行政組合のごみ焼
却場に搬入される可燃ごみ量と発熱量から推計します。
ごみ焼却熱の賦存量=可燃ごみ搬入量×発熱量
項 目
ごみ焼却熱の賦存量
可燃ごみ
搬入量
発熱量
ごみ焼却熱
賦存量
t
kJ/kg
GJ
34,262
11,850
水沢区
19,596
232,213
江刺区
7,113
84,289
前沢区
3,858
胆沢区
2,821
衣川区
874
出 典
番号
①
②
406,005
11,850
45,717
33,429
10,357
①
−
出 典
胆江地区広域行政組合資料
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)
NEDO
利用可能量
廃棄物エネルギーは、ごみ焼却熱を回収し蒸気タービンで発電することを想定します。利
用可能量は、賦存量に発電効率を乗じ所内率を差し引いて推計します。
ごみ発電の利用可能量=可燃ごみ搬入量×発熱量×発電効率×所内率
可燃ごみ
搬入量
項 目
ごみ発電の利用可能量
水沢区
出 典
番号
①
②
発熱量
発電効率
所内率
電力換算
ごみ発電
利用可能量
MWh
t
kJ/kg
%
%
kJ/kWh
34,262
11,850
17
68
3,600
19,596
江刺区
7,113
前沢区
3,858
胆沢区
2,821
衣川区
874
3,509
1,274
11,850
17
68
3,600
691
505
157
①
②
出 典
胆江地区広域行政組合資料
新エネルギーガイドブック導入編
6,135
NEDO
資 3−25
−
−
資−4 新エネルギーの効率的利用可能量の推計方法
(1)廃熱利用
家畜排せつ物の利用可能量=賦存量×(発電効率÷電力換算×(1−電力所内率)+熱回収効率×(1−熱所内率))
家畜排せつ
物賦存量
項 目
発電効率
電力換算
%
kJ/kWh
%
25
3,600
30
GJ
家畜排せつ物の利用可能量
熱回収
効率
熱所内率
電気
利用可能量
熱
利用可能量
%
%
MWh/年
GJ/年
50
78
4,876
11,033
水沢区
7,903
384
869
江刺区
29,622
1,440
3,258
前沢区
24,604
1,196
2,706
胆沢区
29,953
1,456
3,295
衣川区
8,214
399
出 典
番号
①
②
③
100,297
電力所内率
25
−
3,600
①
30
−
50
78
③
②
904
−
−
電気
利用可能量
kJ/kWh
電気
所内率
%
3,600
20
出 典
NEDO
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)
NEDO
メタン発酵利活用施設技術指針(案) 社団法人 地域資源循環技術センター
新エネルギーガイドブック導入編
(2)木質系バイオマスによる発電
木質バイオマスの利用可能量(電気)=((切捨間伐量+ダム流木量)×重量換算×発熱量)
×発電効率÷電力換算×(1−電気所内率)
胆沢ダム
針葉樹
発電
重量換算
切捨間伐量
流木発生量
発熱量
効率
項 目
m3
m3
kg/m3
kJ/kg
%
木質バイオマスの利用可能量
水沢区
3,060
江刺区
8,240
前沢区
1,180
胆沢区
237
衣川区
出 典
240
22,284
500
19,780
24
電力換算
4,346
500
19,780
24
3,600
622
252
9,567
5,046
③
②
④
−
⑤
240
22,284
500
19,780
51
−
熱
所内率
廃熱
利用可能量
%
GJ
50
56,804
3,060
7,717
江刺区
8,240
20,781
前沢区
1,180
水沢区
番号
①
②
③
④
⑤
20
240
木質バイオマスの利用可能量(熱)=((切捨間伐量+ダム流木量)×重量換算×発熱量)
×廃熱利用効率×(1−熱所内率))
胆沢ダム
針葉樹
廃熱利用
重量換算
切捨間伐量
流木発生量
発熱量
効率
項 目
m3
m3
kg/m3
kJ/kg
%
出 典
11,881
1,614
①
木質バイオマスの利用可能量
MWh
胆沢区
237
衣川区
9,567
500
19,780
51
50
240
2,976
1,203
24,127
③
②
①
出 典
県南広域振興局 資料
胆沢ダム管理事務所 資料
新エネルギーガイドブック導入編
NEDO
葛巻町実証試験プラント先進地調査時説明 葛巻町
バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第2版)
NEDO
資 3−26
④
−
(3)新技術の採用
ごみ発電の利用可能量=可燃ごみ搬入量×発熱量×送電端効率×電力換算
項 目
ごみ発電の利用可能量
可燃ごみ
搬入量
発熱量
発電効率
送電端
効率
電力換算
ごみ発電
利用可能量
t
kJ/kg
%
%
kJ/kWh
MWh
34,262
11,850
25
14
3,600
19,596
9,030
江刺区
7,113
3,278
11,850
25
14
3,600
1,778
前沢区
3,858
胆沢区
2,821
1,300
衣川区
874
403
出 典
番号
①
②
15,789
水沢区
①
②
−
出 典
胆江地区広域行政組合 資料
廃棄物発電施設及び廃棄物ガス変換発電導入に関する調査
財団法人 エネルギー総合工学研究所
資 4−2
−
資−5 新エネルギー導入例の推計方法
新エネルギー導入時のCO2削減量の推計方法を示します。CO2削減量は、導入する新エネ
ルギー量か、新エネルギーの導入により削減する既存エネルギー量のいずれかを推計し、削減
できる既存エネルギー量にCO2排出係数を乗ずることにより求めました。
新エネルギーの種類
CO 2削減量
(t-CO 2)
導入の内容
全世帯数の5%(2,031世帯)が3kWの太陽光パネルを導入
太陽光発電
公共施設(庁舎、小学校、中学校)52施設へ10kWの太陽光
発電パネルを設置
3,199
273
太陽熱利用
全世帯数の10%(4,062世帯)が3m2 の太陽光パネルを導入
ハイブリッド街路灯
1日12時間点灯する街路灯(40W×2灯)100基を
ハイブリッド街路灯に交換
米のエタノール化
転作田の1/3を活用し、エネルギー作物として米を収穫
1,206
生ごみのメタン発酵
生ごみを収集し、メタン発酵に活用
1,301
木質バイオマス利用
市内のA重油消費量の4%を木質バイオマスでまかなう
2,667
1,033
19
家庭で発生する廃食用油の40%を回収してBDFを生成
110
給食センターで発生する廃食用油100%を回収してBDFを生成
32
廃食油からのBDF生成
合 計
9,842
導入量
電気(MWh)
導入量
熱(GJ)
代替
エネルギー
発熱量
(体積換算)
5,764
−
電気
−
0.555
kg-CO2 /kWh
3,199
492
−
電気
−
0.555
kg-CO2 /kWh
273
太陽熱利用
−
17,293
3
kg-CO2/kg
1,033
ハイブリッド街路灯
35
−
電気
−
0.555
kg-CO2 /kWh
19
米のエタノール化
−
17,406
重油
39.1 MJ/リットル
2.71
kg-CO2/リットル
新エネルギーの種類
太陽光発電
LPガス 50.2 MJ/kg
CO2 排出係数
CO2削減量
(t)
1,206
生ごみのメタン発酵
2,345
−
電気
−
0.555
kg-CO2 /kWh
1,301
木質バイオマス利用
−
38,486
重油
39.1 MJ/リットル
2.71
kg-CO2/リットル
2,667
−
1,602
軽油
38.2 MJ/リットル
2.62
kg-CO2/リットル
110
−
464
軽油
38.2 MJ/リットル
2.62
kg-CO2/リットル
32
廃食油からのBDF生成
資 5−1
太陽光発電(家庭)の導入量=住宅数×3kW太陽光パネル設置面積×日射量×発電効率×日数
項 目
住宅数
パネル
設置面積
日射量
発電効率
日数
太陽光発電
導入量
戸
m2
kWh/m 2・日
%
日
MWh/年
27
3.6
8
365
太陽光発電(家庭)の導入量
2,031
5,764
太陽光発電(公共施設)の導入量=公共施設数×10KW太陽光パネル設置面積
×日射量×発電効率×日数
項 目
公共施設数
パネル
設置面積
日射量
棟
m2
kWh/m2・日
90
3.6
太陽光発電(公共施設)の導入量
52
日数
太陽光発電
導入量
%
日
MWh/年
8
365
発電効率
492
太陽熱利用(家庭)の導入量=住宅数×集熱面積×日射量×熱量換算×集熱効率×日数
項 目
太陽熱利用(家庭)の導入量
住宅数
集熱面積
日射量
熱量換算
集熱効率
日数
太陽熱利用
導入量
戸
m2
kWh/m2・日
kJ/kW
%
日
GJ/年
3
3.6
3,600
60
365
2,031
17,293
ハイブリッド街路灯の導入量=照明ワット数×灯数×設置基数×点灯時間×日数
項 目
照明ワット数
灯数
設置基数
点灯時間
日数
導入量
W
灯
基
h/日
日
MWh/年
2
100
12.0
365
ハイブリッド街路灯の導入量
40
35
米のエタノール化導入量=転作田面積×エタノール米生産への転換率×収穫原単位
×エタノール製造率×エタノール発熱量×ボイラ効率
項 目
転作田
面積
エタノール米生産
への転換率
収穫量
原単位
エタノール
製造率
%
t/ha
L/kg
33
5.5
0.3
ha
米のエタノール化導入量
2,831
70%エタノール
発熱量
ボイラ
効率
米のエタノール化
導入量
kJ/L
%
GJ/年
14,115
80
17,406
生ごみの利用可能量=生ごみの賦存量×発電効率÷電力換算×(1−電力所内率)
項 目
生ごみの利用可能量
生ごみ
賦存量
発電効率
電力換算
電力
所内率
生ごみ
利用可能量
GJ
%
kJ/kWh
%
MWh/年
25
3,600
30
代替率
導入量
48,241
2,345
木質バイオマスの導入量=A重油消費量×代替率
項 目
A重油
消費量
GJ/年
木質バイオマスの導入量
962,145
%
GJ/年
4
38,486
廃食油(家庭)BDFの賦存量=世帯数×廃食油発生量原単位×BDF変換効率×BDF発熱量
項 目
廃食油(家庭)BDFの導入量
世帯数
廃食油発生
原単位
世帯
kg/世帯・年
%
2.8
40
42,176
収集率
BDF
変換効率
BDF
発熱量
廃食油BDF
導入量
%
kJ/kg
GJ/年
90
37,674
1,602
廃食油(学校給食センター)の賦存量=児童数×廃食油発生量原単位
×BDF変換効率×BDF発熱量
項 目
廃食油(学校給食センター)BDFの賦存量
児童数
廃食油発生
原単位
BDF
変換効率
BDF
発熱量
廃食油BDF
導入量
人
kg/人
%
kJ/kg
GJ
1.2
90
37,674
11,392
資 5−2
464
資−6 新エネルギー導入及び普及のための補助制度
補助金関連
【新エネルギー全般】
対象
エネルギー
新エネルギー
全般(14 種類
の新エネルギ
ー)
名称
概要
対象
地域新エネ
ルギー導入
促進事業
地方公共団体による新エネルギー
導入事業(設備導入事業、普及啓
発事業)の実施に対して事業費を
補助する。並びに非営利民間団体
等による新エネルギー設備導入事
業の実施に対して事業費を補助す
る。 14 種類の新エネルギーを対
象とする。規模要件あり。
地方公共団体
非営利民間団
体
民間企業等が主務大臣の認定を受
けた「利用計画」に基づいて実施
する新エネルギー導入事業に対し
て事業費を補助する。
上記導入に係る債務を保証する。
13 種類の新エネルギーを対象と
する。規模要件あり。
新エネルギ 非営利活動を実施している民間団
ー・省エネル 体(NPO)等が行う新エネルギー導
ギー非営利 入及び省エネルギーの推進に資す
活動促進事 る普及啓発事業に必要な経費を支
援する。
業
地域新エネ 地方公共団体における新エネルギ
ルギービジ ーの導入に必要となる①ビジョン
ョン策定事 の策定②重点テーマに係る詳細ビ
業
ジョンの策定③事業化 FS 調査④
地域創発型需給一体ビジネス等事
業化可能性調査の費用を補助す
る。ただし、②と③は策定したビ
ジョンに基づくものであること。
新エネルギ 地方公共団体等との密接な連携を
ー対策導入 図りつつ、シンポジウム、合同施
指導事業
設研修会、セミナー等の開催によ
り、新エネルギー導入のための情
報提供、指導、普及啓発等を行う
ことにより、新エネルギー技術の
加速的導入を図ります。
対策技術率 地方公共団体等が実施する温暖化
先導入事業 対策事業に対して支援を行う。8
(地方公共 種類の新エネルギー及びその他の
団体率先対 代替えネルギー利用設備を対象と
策補助事業) する。規模要件あり。
学校エコ改 地域社会の基礎単位である学校及
修と環境教 びその校区において、環境への負
育事業
荷が少なく快適な学校環境づく
り、学校と地域が協力した環境教
育をモデル的に推進。
(1)地球温暖化を防ぐ学校エコ改
修事業
(2)学校エコ改修と環境教育事業
新エネ法の認
定を受けた事
業者
新エネルギー
全般(13 種類
の新エネルギ
ー)
設備導入事業
特定非営利活
動法人(NPO法
人)、公益法人
等
新エネルギー
全般
地方公共団体
等
新エネルギ
ー事業者支
援対策事業
補助率等
実施主体
1/2 以内(又は 1/3
以内)ただし、風力
発電・クリーンエネ
ルギー自動車につ
いては補助率が異
なる。
定額(併せて行う設
備導入補助金額の
10%及び単年度あ
たり 500 万円を上
限)
1/3 以内(風力発電
については 1/3×
0.8 以内)
NEDO
エネルギー対策
推進部
普及啓発事業
1/2 以内
NEDO
エネルギー対策
推進部
新エネルギー
全般
ビジョン策定
費等
定額
NEDO
エネルギー対策
推進部
地方公共団体
新エネルギー
全般
普及啓発等
地方公共団体
8 種類の新エ
ネルギー及び
その他の代替
エネルギー利
用設備
太陽光発電等
の自然エネル
ギー導入等
設備導入事業
1/2
環境省
補助率
1/2
環境省
総合環境政策局
環境教育推進施
室
設備導入事業
普及啓発事業
地方公共団体
-
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
環境省(実施主体)については「平成 19 年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要」等
資 6−1
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
NEDO
エネルギー対策
推進部
【太陽光発電】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
新エネルギー
事業者支援対
策事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事
業(設備導入事業、普及啓発事業)の実
施に対して事業費を補助する。並びに非
営利民間団体等による新エネルギー設備
導入事業の実施に対して事業費を補助す
る。
地方公共団体規模要件:太陽電池出力
10kW 以上
非営利民間団体規模要件:太陽電池出力
10kW 以上
民間企業等が主務大臣の認定を受けた
「利用計画」に基づいて実施する新エネ
ルギー導入事業に対して事業費を補助す
る。規模要件:
太陽電池出力 50kW 以上
対象
地方公共団体
非営利民間団体
新エネ法の認定
を受けた事業者
補助率等
1/2以内(又は1/3 以
内)
普及啓発事業 定額(併せて行う設備
導入補助金額の 10%
及び単年度あたり 500
万円を上限)
実施主体
NEDO
エネルギー対策
推進部
補助率
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
NEDO
新エネルギー技
術開発部
設備導入事業
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
太陽光発電新
技術等フィー
ルドテスト事
業
(設置は平成
18 年度終了)
ソーラー・マイ
レージクラブ
事業
①「新型モジュールル採用型」、②「建材
一体型」、③「新制御方式適用型」、④
「効率向上追求型」の太陽光発電設備の
設置・運転に係る費用を設置者と NEDO が
互いに負担して共同研究を行う。10kW 以
上で電力系統へ連係システムが対象。
住宅からのCO2排出の削減に取組む地域協
議会等に、太陽光発電等に係る普及啓発
活動等の事業を委託し、地域ぐるみでの
CO2削減を支援する。
地方公共団体
民間企業等
-
-
街区まるごと
CO220%削減事
業
大規模な宅地開発の機会をとらえて太陽
光発電等を導入した省 CO2 住宅を街区全
体に整備した新たな宅地開発モデルを構
築する。
地域で1MW 級の大規模太陽光発電の施
設を導入し、電力を地域の需要家が共同
利用するビジネスモデルを構築する。
太陽光発電を含む再生可能エネルギーを
組み合わせて導入し、地域で高度な CO2
削減を達成するモデルを構築する。
地方公共団体等が実施する温暖化対策事
業に対して支援を行う。対象の条件:太
陽電池出力が 200kW 以上
民間企業
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
民間企業
補助額
40 万円/kW
民間事業者
補助率
1/2
地方公共団体
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
メガワットソ
ーラー共同利
用モデル事業
再生可能エネ
ルギー高度導
入モデル事業
対策技術率先
導入事業(地方
公共団体率先
対策補助事業)
設置運転費・
運転研究費
<共同研究>
1/3 以内
NEDO負担1/2
-
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
環境省(実施主体)については「平成 19 年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要」等
【太陽熱利用】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
新エネルギー
事業者支援対
策事業
太陽熱高度利
用システムフ
ィールドテス
ト事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事業
(設備導入事業、普及啓発事業)の実施に
対して事業費を補助する。並びに非営利民
間団体等による新エネルギー設備導入事業
の実施に対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:有効集熱面積 100m2
以上、省エネ率 10%以上(空調用途の場合)
非営利民間団体規模要件:規模、効率要件
なし、省エネ率 10%以上(空調用途の場合)
民間企業等が主務大臣の認定を受けた「利
用計画」に基づいて実施する新エネルギー
導入事業に対して事業費を補助する。規模
要件:有効集熱面積 100m2以上。
①高度利用実証枠②標準化推進枠の中規模
太陽熱高度利用システムの設置・運転に係
る費用を設置者とNEDO が互いに負担して
共同研究を行う。有効集熱面積20m2 以上又
は通常利用形態と異なるものが対象。
対象
地方公共団体
非営利民間団体
補助率等
実施主体
設備導入事業 1/2 以内(又は
NEDO
エネルギー対策
1/3 以内)
普及啓発事業 定額(併せて行 推進部
う設備導入補助
金額の 10%及び
単年度あたり
500 万円を上限)
新エネ法の認定を受け
た事業者
補助率
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
有効集熱面積が20m2以
上、または通常利用形
態と異なるもので実証
の優位性を有するシス
テムの設置計画者
資 6−2
設置運転費・
運転研究費
<共同研究>
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保 証 残高 の
0.2%
NEDO 負担 1/2
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
NEDO
新エネルギー技
術開発部
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
【風力発電】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
新エネルギー
事業者支援対
策事業
風力発電フィ
ールドテスト
事業(高所風況
精査)
対策技術率先
導入事業(地方
公共団体率先
対策補助事業)
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事
業(設備導入事業、普及啓発事業)の実
施に対して事業費を補助する。並びに非
営利民間団体等による新エネルギー設備
導入事業の実施に対して事業費を補助す
る。
地方公共団体規模要件:発電出力 500kW
以上、非営利民間団体:規模、要件なし
民間企業等が主務大臣の認定を受けた
「利用計画」に基づいて実施する新エネ
ルギー導入事業に対して事業費を補助す
る。規模要件:発電出力1,500kW以上
対象
地方公共団体
非営利民間団体
補助率等
設備導入事業 1/2 以内(又は1/3
以内)
普及啓発事業 定額(併せて行う設
備導入補助金額の
10%及び単年度あ
たり 500 万円を上
限)
実施主体
NEDO
エネルギー対策
推進部
新エネ法の認定を
受けた事業者
補助率
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
NEDO
エネルギー技術
開発部
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
風況精査を実施し、風力開発の可能性を
評価する。NEDO との共同研究
地方公共団体
民間企業等
風況精査
<共同研究>
NEDO 負担1/2
地方公共団体等が実施する温暖化対策事
業に対して支援を行う。対象の条件:発
電出力が 2000kW 以上
地方公共団体
補助率
1/2
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
環境省(実施主体)については「平成 19 年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要」等
資 6−3
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
【バイオマス発電・バイオマス熱利用・バイオマス燃料製造】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
新エネルギー
事業者支援対
策事業
地域バイオマ
ス熱利用フィ
ールドテスト
事業
(H18∼H22)
バイオマス等
未活用エネル
ギー事業調査
事業
エコ燃料利用
促進補助事業
(平成19年度
新規)
地球温暖化対
策技術開発事
業
廃棄物処理施
設における温
暖化対策事業
再生可能エネ
ルギー高度導
入地域整備事
業
対策技術率先
導入事業(地方
公共団体率先
対策補助事業)
地球温暖化対
策ビジネスモ
デルインキュ
ベータ(起業支
援)事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入
事業(設備導入事業、普及啓発事業)
の実施に対して事業費を補助する。並
びに非営利民間団体等による新エネル
ギー設備導入事業の実施に対して事業
費を補助する。
地方公共団体規模要件:バイオマス依
存率 60%以上、発電効率 10%以上(蒸
気タービン方式の場合)等の規模要件
あり、非営利民間団体規模要件:バイ
オマス依存率 60%以上等の要件あり
民間企業等が主務大臣の認定を受けた
「利用計画」に基づいて実施する新エ
ネルギー導入事業に対して事業費を補
助する。規模要件:バイオマス依存率
60%以上、発電効率10%未満(蒸気タ
ービン方式、発電出力10,000kW未満の
場合)等の規模要件あり
企業、地方公共団体においてバイオマ
スエネルギー利用システムを各地域に
おいて熱需要先に適した利用形態・規
模で設置し、実証運転を通してバイオ
マスの運搬・収集、エネルギー変換、
エネルギー利用に係わるデータを収
集、蓄積、分析、評価しその情報を広
く公表する。
民間企業、地方公共団体等によるバイ
オマス及び雪氷のエネルギー利活用を
促進するためのFS調査に対して補助を
行う。(単なる資源の賦存量調査やエ
ネルギー転換・利用設備の性能調査を
行うだけの事業は対象外。エネルギー
地活用事業の事業化のあめに必要な関
連データであることを要する。)
廃棄物等からのバイオ燃料製造及びこ
れらエコ燃料の利用に必要な設備の整
備について補助を行い、エコ燃料の製
造・利用に取り組む事業者に対する支
援を行う。
対象
地方公共団体
非営利民間団体
補助率等
実施主体
設備導入事業 1/2 以内(又は
NEDO
エネルギー対策
普及啓発事業 1/3 以内)
定額(併せて行 推進部
う設備導入補助
金額の 10%及び
単年度あたり
500 万円を上限)
新エネ法の認定を受けた
事業者
補助率
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保 証 残高 の
0.2%
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
企業、地方公共団体、公
益法人等の法人
設置運転費・
運転研究費
<共同研究>
NEDO 負担1/2
NEDO
新エネルギー技
術開発部
【一般枠】
民間企業
地方公共団体等
【バイオマスタウン枠】
バイオマスタウ構想を公
表済み等の市町村及び東
京都特別区
FS事業に関す
る人件費、調
査費、諸経費
定額(概ね 1,000
万円を上限)
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課
民間事業者等
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
木質バイオマスのエネルギー利用技術 民間事業者等
の開発、
E10への対応促進のための技術
実証等を進めるため、公募により選定
した民間企業等に委託又は補助して技
術の開発・実証を進める。
高効率な廃棄物エネルギー利用施設及 民間事業者等
び高効率なバイオマス利用施設等の整
備事業(新設、増設又は改造)であっ
て、
一定の要件を満たすものについて、
これに伴う投資の増加費用に対して支
援を行う。
バイオマスエネルギー等の再生可能エ 民間事業者等
ネルギーを集中的に導入するモデル地
域の整備に係る補助を行う。
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
補助率
1/3
環境省
廃棄物・リサイ
クル対策部廃棄
物対策課、産業
廃棄物課
補助率
1/2
環境省
地方公共団体
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
民間
補助率
1/2
環境省
地球環境局地球
温暖化対策課
地方公共団体等が実施する温暖化対策
事業に対して支援を行う。対象の条
件:バイオマス利用率が 80%以上で、
かつ発電効率が 20%以上(バイオマス
発電の場合)
温暖化対策ビジネスモデルとして一定
のフィージビリティが確認されている
先見性、先進性の高い事業について、
本格的なビジネス展開を図るにあたっ
て必要な核となる技術に係る施設整備
費等について支援することにより、新
たな温暖化対策ビジネスモデルの市場
導入を促進するもの。
資 6−4
名称
生ごみリサイ
クル施設整備
事業(循環型
社会形成推進
交付金のう
ち)
エコ・コミュ
ニティ事業
地域バイオマ
ス発見活用促
進事業
(平成 19 年度
新規)
地域活性化の
ためのバイオ
マス利用技術
の開発
バイオ燃料地
域利用モデル
実証事業
(平成 19 年
度新規)
地域バイオマ
ス利活用交付
金
(平成 19 年
度新規)
木質バイオマ
ス利活用推進
対策事業
強い林業・木
材産業づくり
交付金
概要
循環型社会形成推進のための廃棄
物処理・リサイクル施設の整備を、
国と地方が一体となって進めるた
めの、循環型社会形成推進交付金
により、生ごみリサイクル施設の
整備を促進する。特に、生ごみ等
から、微生物により、メタンを主
成分とするガスを回収するエネル
ギー回収推進施設(高効率原燃料
回収施設)について、他の施設よ
り高い交付率で整備を推進してい
く。
バイオマスの利活用を含む循環型
社会の形成に向けた取組みのアイ
ディアであって、NPO/NGO等の民間
団体や事業者が地方公共団体等と
連携を行うものを公募し、実証事
業として実施する。
地域に眠る未利用のバイオマスを
発見し、活用するために、地域に
おける実地調査、シンポジウム等
による普及・啓発、地域の取組の
核となる人材の育成等を実施。
バイオ燃料への利用に向けた国産
の資源作物の育成と低コスト栽培
技術等の開発、バイオマスをエネ
ルギーやマテリアルとして利活用
する技術を最適に組み合わせたバ
イオマス利用モデルの構築・実
証・評価研究を重点的に実施。
食料生産過程の副産物、規格外農
産物等を活用して、バイオ燃料の
地域利用モデルの整備と技術実証
に対する支援を行います。
対象
市町村(一部事
務組合等を含
む。)
補助率等
実施主体
環境省
廃棄物・リサ
イクル対策部
廃棄物対策課
交付率
1/3(循環型社
会形成をリー
ドするモデル
施設は、1/2)
民間法人、任意
団体等
実証事業1事業あたり
おおむね100
∼1,000万円
程度
環境省
-
実地調査、普及啓発等
定額
農林水産省
大臣官房環境
政策課資源循
環室
独立行政法人、 低コスト・高効率なバイオ燃料生
都道府県、大学、 産技術の開発等
民間等
地域協議会、バ
イオ燃料製造事
業者・供給事業
者、農業団体等
バイオマスタウン構想の策定、バ
イオマスの変換・利用施設等の一
体的な整備等、バイオマスタウン
の実現に向けた地域の創意工夫を
凝らした主体的な取組みを支援。
(1)ソフト支援
市町村、農林業
業者の組織する
団体、第 3 セク
ター等
(2)ハード支援
都道府県、市町
村、農林漁業者
の組織する団
体、PFI 事業者等
バイオマ利用に関する技術を有す
る民間企業等から提案された地域
モデルを実践し、木質バイオマス
を総合的に利用するモデルの構築
を図るほか、木質ペレットの規格
化を進めるとともに、木質ペレッ
トを使用する意義等についての普
及活動を実施。
民間事業者の工夫とアイディアを
活かしつつ、地域に賦存する木質
バイオマスをエネルギーや製品の
原料として総合的に利活用する施
設整備を実施。
民間団体
都道府県、市町
村、森林組合、
PFI 事業者等
①バイオ燃料製造事業者・供給事業者、農業
団体等からなる地域協議会における事業計
画策定、バイオ燃料普及啓発等
②バイオ燃料製造施設・供給施設の整備
③バイオ燃料製造施設における技術実証
(1)ソフト支援
①バイオマスタウン構想の策定
②バイオマスタウン構想実現のための
総合的な利活用システムの構築
(2)ハード支援①地域における効果的
なバイオマス利活用を図るために必要
なバイオマス変換施設及びバイオマス
供給施設・利用施設等の一体的な整備
②新技術等を活用したバイオマス変換
施設のモデル的な整備
③家畜排せつ物等有機性資源の利活用
に必要なたい肥化施設等の共同利用施
設等の整備
木質バイオマス利活用地域モデル
実践
木質ペレット利用推進対策
木質バイオマスエネルギー利用施
設整備等
-
定額
補助率 1/2
定額
定額
農林水産省
技術会議
農林水産省
大臣官房環境
政策課資源循
環室
農林水産省
大臣官房環境
政策課資源循
環室
定額
団体から実証
実施団体への
助成は 1/2
定額
農林水産省
林野庁
定額
農新水産省
林野庁
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
環境省(実施主体)については「平成 19 年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要」
農林水産省(実施主体)については「平成 19 年度バイオマス関係予算概算決定の概要」及び「平成 19 年度農林水産予算概
算家決定の概要」等
資 6−5
【廃棄物発電・廃棄物熱利用・廃棄物燃料製造】
名称
地域新エ
ネルギー
導入促進
事業
新エネル
ギー事業
者支援対
策事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事業
(設備導入事業、普及啓発事業)の実施に対
して事業費を補助する。並びに非営利民間団
体等による新エネルギー設備導入事業の実施
に対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:廃棄物依存率 60%以
上、発電効率 23%以上(RDF を燃料とする蒸
気タービン方式発電 200t/日未満の場合)等
の規模要件あり、非営利民間団:廃棄物依存
率 60%以上等の規模要件あり
民間企業等が主務大臣の認定を受けた「利用
計画」に基づいて実施する新エネルギー導入
事業に対して事業費を補助する。規模要件:
地域新エネルギー導入促進事業に同じ
対象
地方公共団体
非営利民間団
体
新エネ法の認
定を受けた事
業者
設備導入事業
普及啓発事業
補助率等
1/2 以内(又は1/3
以内)
定額(併せて行う設
備導入補助金額の
10%及び単年度あ
たり 500 万円を上
限)
1/3 以内
設備費用
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
交付率
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
1/3
(循環型社会形成
をリードするモデ
ル施設は、1/2)
市町村等が、廃棄物の 3Rを総合的に推進し、 市町村(一部
循環型社会形成を図るため、バイオガス化施 事務組合等を
含む。)
設整備等の事業費を補助する。
・高効率原燃料回収施設(バイオガス化施設)
の推進
・廃棄物発電・熱利用を拡大させるためのエ
ネルギー回収能力の増強
・地域のバイオマスを利用促進するための施
設整備
廃棄物処理業を主たる業とする事業者等が行 民間事業者等 ア∼エ:施設の
廃棄物処
1/3を限度
う高効率な廃棄物エネルギー利用施設及び高
理施設に
高効率化を図る
効率なバイオマス利用施設等の整備事業(新
おける温
ことにより追加
設、増設又は改造)であって、一定の要件を
暖化対策
的に生じる施設
満たすものについて、これに伴う投資の増加
事業
整備費用(ただ
費用に対して補助を行う。
し、補助対象と
(ア)廃棄物発電施設、バイオマス発電施設
なる施設整備費
整備事業
1/2を限度
オ、カ:補助対
(イ)廃棄物熱供給施設、バイオマス熱供給
象となる施設整
施設整備事業
備費
(ウ)廃棄物燃料製造施設、バイオマス燃料
製造施設整備事業
(エ)バイオマス改質燃料利用施設整備事業
(オ)ごみ発電ネットワーク事業
(カ)熱輸送システム事業
注)NEDO(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
環境省(実施主体)については「平成 19 年度環境省予算(案)主要新規事項等の概要」
廃棄物処
理施設整
備費(循環
型社会形
成推進交
付金等)
(公共)
実施主体
NEDO
エネルギー対策推
進部
経済産業省
資源エネルギー庁
新エネルギー対策
課(補助金)
NEDO(債務保証)
環境省
廃棄物・リサイクル
対策部 廃棄物対
策課
環境省
廃棄物・リサイクル
対策部 廃棄物対
策課 産業廃棄物
課
【温度差エネルギー】
名称
地域新エ
ネルギー
導入促進
事業
新エネル
ギー事業
者支援対
策事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事業
(設備導入事業、普及啓発事業)の実施に
対して事業費を補助する。並びに非営利民
間団体等による新エネルギー設備導入事業
の実施に対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:熱供給能力
6.28GJ/h 以上、
省エネ率 10%以上又は総合
エネルギー効率 80%以上等の規模要件あ
り、非営利民間団:温度差エネルギー依存
率 40%以上
民間企業等が主務大臣の認定を受けた「利
用計画」に基づいて実施する新エネルギー
導入事業に対して事業費を補助する。規模
要件:地域新エネルギー導入促進事業に同
じ
対象
地方公共団体
非営利民間団体
新エネ法の認定
を受けた事業者
設備導入事業
普及啓発事業
設備費用
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
補助率等
1/2 以内(又は1/3 以
内)
定額(併せて行う設備
導入補助金額の 10%
及び単年度あたり 500
万円を上限)
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
注)NEDO(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
資 6−6
実施主体
NEDO
エネルギー対策推
進部
経済産業省
資源エネルギー庁
新エネルギー対策
課(補助金)
NEDO(債務保証)
【クリーンエネルギー自動車】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
クリーンエネ
ルギー自動車
等導入促進補
助事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入
事業(設備導入事業、普及啓発事業)
の実施に対して事業費を補助する。並
びに非営利民間団体等による新エネル
ギー設備導入事業の実施に対して事業
費を補助する。
地方公共団体規模要件:車種、乗用車5
台相当以上の規模要件あり。
充電設備、
天然ガス充填設備の設置も対象。
非営利民間団体規模要件:車種等の規
模要件あり。充電設備、天然ガス充填
設備の設置も対象。
民間事業者等によるクリーンエネルギ
ー自動車の導入や燃料供給設備の設置
に必要な費用の一部を補助する。
対象
地方公共団体
非営利民間団
体
民間事業者等
設備導入事業
普及啓発事業
補助率等
1/2 以内(又は1/3 以
内)
定額(併せて行う設備
導入補助金額の 10%
及び単年度あたり 500
万円を上限)
自動車
非事業用天然ガス
燃料供給設備
非事業用充電設備
エコ・ステーション
1/2以内
定額
天然ガススタンド80百
万、
充電スタンド3百万
リース経費
(財)日本自動車
研究所
(財)日本ガス協
会
(財)エコ・ステ
ーション推進協
会
次世代低公害車と
環境省
して設計、製造され
大気環境局
た自動車を導入す
るものであって、リ
ースによる導入に
必要なリース経費。
低公害(代エ 地方公共団体が実施する代エネ・省エ 地方公共団体 代エネ・省エネ自動 同種一般自動車との差 環境省
大気環境局
車導入費(リース含 額等
ネ・省エネ)車 ネ自動車導入又はリース事業及び燃料 等
む)、燃料等供給施
等供給施設の整備事業に対して補助を
普及事業
設整備費
行う。
通常車両価格との差額 国土交通省
低公害車普及 バス・トラック事業者を中心に、CN バス・トラッ 新車導入(CNGバ
自動車交通局
ス・トラック、ハイ の1/2
促進対策
Gバス・トラック等の導入に対する補 ク事業者
ブリッドバス、トラ
助を行うことにより、低公害車の普及
ック)
を促進し、大気環境の改善を図る。
使用過程車のCNG車 改造費の1/3
への改造
注)NEDO、(財)自動車研究所等、環境省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
国土交通省(実施主体)については「平成 19 年度自動車交通局関係予算概要」
次世代低公害
車普及事業(対
策技術率先対
策補助事業)
地方公共団体が実施する次世代低公害 地方公共団体
車導入事業
(リースによる事業に限る) 等
に対して補助を行う。
通常車両との価格差の
1/2以内
1/2以内
実施主体
NEDO
エネルギー対策
推進部
【燃料電池】
名称
地域新エネルギ
ー導入促進事業
新エネルギー事
業者支援対策事
業
学校への燃料電
池導入事業(対
策技術率先導入
事業)
対策技術率先導
入事業(地方公
共団体率先対策
補助事業)
概要
地方公共団体による新エネルギー導
入事業(設備導入事業、普及啓発事
業)の実施に対して事業費を補助す
る。並びに非営利民間団体等による
新エネルギー設備導入事業の実施に
対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:発電出力
50kW 以上、省エネルギー率 10%以上、
非営利民間団体規模要件:なし
民間企業等が主務大臣の認定を受け
た「利用計画」に基づいて実施する
新エネルギー導入事業に対して事業
費を補助する。規模要件:地域新エ
ネルギー導入促進事業に同じ
地方公共団体が学校に燃料電池コー
ジェネレーションシステム(熱電併
給システム)を導入する事業に対し
て補助を行う。
地方公共団体等が実施する温暖化対
策事業に対して支援を行う。対象の
条件:発電出力が 1kW 級以上で、か
つ、発電効率が 30%以上。
対象
地方公共団体
非営利民間団体
新エネ法の認定
を受けた事業者
設備導入事業
普及啓発業
補助率等
1/2 以内(又は1/3 以
内)
定額(併せて行う設備
導入補助金額の 10%及
び単年度あたり 500 万
円を上限)
地方公共団体
設備費用
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
補助率
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
1/2
地方公共団体
補助率
1/2
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については新エネルギー導入促進事業 2006
経済産業省、環境省(実施主体)については平成 19 年度の予算案
資 6−7
1/3 以内
実施主体
NEDO
エネルギー対策推
進部
経済産業省
資源エネルギー庁
新エネルギー対策
課(補助金)
NEDO(債務保証)
環境省
地球環境局地球温
暖化対策課
環境省
地球環境局地球温
暖化対策課
【天然ガスコージェネレーション】
名称
地域新エネル
ギー導入促進
事業
新エネルギー
事業者支援対
策事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事業
(設備導入事業、普及啓発事業)の実施に対
して事業費を補助する。並びに非営利民間団
体等による新エネルギー設備導入事業の実
施に対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:発電出力10kW 以上,
省エネルギー率10%以上(高効率型天然ガス
コージェネレーション設備の場合)等の規模
要件あり。
非営利民間団体規模要件:天然ガスコージェ
ネレーションの排熱依存率 40%以上(天然ガ
スコージェネレーション活用型エネルギー
供給設備の場合)
民間企業等が主務大臣の認定を受けた「利用
計画」
に基づいて実施する新エネルギー導入
事業に対して事業費を補助する。規模要件:
地域新エネルギー導入促進事業に同じ
対象
地方公共団体
非営利民間団
体
補助率等
設備導入事業 1/2 以内(又は1/3
普及啓発事業 以内)
定額(併せて行う設
備導入補助金額の
10%及び単年度あ
たり 500 万円を上
限)
実施主体
NEDO
エネルギー対策推進
部
新エネ法の認
定を受けた事
業者
設備費用
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
経済産業省
資源エネルギー庁
新エネルギー対策課
(補助金)
NEDO(債務保証)
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
【中小水力発電】
名称
中小水力発電開
発費補助金補助
事業
農業用水の自然
エネルギーの活
用支援事業
概要
電気事業者等や自家用発電所設置者等による
中小水力発電施設(30,000kW 以下)の設置・改
造及び新技術の導入に対してその事業費を補
助、ただし揚水式は対象外とする。
土地改良区等の施設管理者、農業関係者に対
して、農業水利施設を小水力発電として利用
することを支援する
①地域の土地改良施設へ電力供給する小水力
発電施設の整備は、国営・県営かんがい排水
事業、農村振興総合整備事業により推進
②身近な地域の公共施設等へ電力供給するた
めの小型の小水力発電の機器設置は、村づく
り交付金等により推進
対象
電気事業者、
自家用発電所
設置者
土地改良区等
の施設管理
者、農業関係
者
補助率等
出力5,000kW 以下
出力5,000kW超
30,000kW 以下
新技術導入
①小水力発電の見込め
る農業水利施設の情報
を示した「小水力適地
情報」(仮称)の作成
と整理
②施設を利用する際の
「利用マニュアル」
(仮
称)の作成と普及
1/5 以内
1/10 以内
1/2 以内
定額
実施主体
NEDO
エネルギー対
策推進部
農林水産省
農村振興局水
利整備課
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
農林水産省(実施主体)については「平成 19 年度農林水産概算決定の概要」
【雪氷熱利用】
名称
地域新エ
ネルギー
導入促進
事業
新エネル
ギー事業
者支援対
策事業
バイオマ
ス等未活
用エネル
ギー事業
調査事業
概要
地方公共団体による新エネルギー導入事業
(設備導入事業、普及啓発事業)の実施に
対して事業費を補助する。並びに非営利民
間団体等による新エネルギー設備導入事業
の実施に対して事業費を補助する。
地方公共団体規模要件:雪氷熱の供給に直
接的に供される設備(冷気・冷水の流量を
調節する機能を有する設備)
非営利民間団体:規模、要件なし
民間企業等が主務大臣の認定を受けた「利
用計画」に基づいて実施する新エネルギー
導入事業に対して事業費を補助する。規模
要件:地域新エネルギー導入促進事業に同
じ
民間企業、地方公共団体等によるバイオマ
ス及び雪氷のエネルギー利活用を促進する
ためのFS調査に対して補助を行う。(単な
る資源の賦存量調査やエネルギー転換・利
用設備の性能調査を行うだけの事業は対象
外。エネルギー地活用事業の事業化のあめ
に必要な関連データであることを要する。
)
対象
地方公共団体
非営利民間団体
補助率等
1/2 以内(又は1/3
設備導入事業
以内)
定額(併せて行う
普及啓発事業
設備導入補助金額
の 10%及び単年度
あたり 500 万円を
上限)
実施主体
NEDO
エネルギー対策
推進部
新エネ法の認定を受け
た事業者
設備費用
債務保証
債務保証枠
保証範囲
保証料率
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課(補助金)
NEDO(債務保証)
経済産業省
資源エネルギー
庁
新エネルギー対
策課
【一般枠】
FS事業に関す
民間企業
る人件費、
調査
地方公共団体等
費、諸経費
【バイオマスタウン枠】
バイオマスタウ構想を
公表済み等の市町村及
び東京都特別区
1/3 以内
基金の 15 倍
対象責務の 90%
保証残高の 0.2%
定額(概ね 1,000
万円を上限)
注)NEDO、経済産業省(実施主体)については「NEDO 技術開発機構新エネルギー導入促進事業 2006」
資 6−8
【岩手県
県単独補助事業】
補助金等の名
称
木造公共施設
等整備促進事
業
(1)木造施設
整備事業
目的
補助
事業者
市町村等
県民に木の良さを普及宣伝
し、県産材の利用促進を図る
ため、市町村等が設置する公
共施設等の木造化・内装木質
化する支援、並びに保育園、
幼稚園、小・中学校で導入す
る学校家具等について助成
することを目的とする。
木造建築物の普及展示効果 市町村等
の高い公共施設の木造化へ
の助成。
(2)内装木質
化促進事業
内装木質化の快適性につい
て宣伝効果の高い施設の内
装に県産乾燥材の使用を推
進する。
市町村等
(3)木とのふ
れあい環境整
備事業
木材の快適性、情緒性、物理
的性能等木材の良さを普及
宣伝するため、木の良さを身
近に感じられる施設の設置
を推進する。
市町村等
(4)やすら木
の学校づくり
整備事業
将来の木材利用者となる子
供たちに、木製机・椅子・木
製食器を使用してもらい、木
材利用等の正しい知識を啓
発する。
市町村等
日本一の炭の
里づくり事業
木炭生産施設の整備を促進
し、生産環境の近代化と製炭
経営の安定を図る。
協業体、森林
組合
採択基準等
補助率
摘要
-
-
確認済県産材:岩手
県産材認証推進協
議会が発行する県
産材認証管理票そ
の他の書類によっ
て、市町村により県
産材であることが
確認された木材
床面積 100 平方メートル以上
国土交通省大臣官房庁営繕部監修
「建築工事共通仕様書」第 12 章の
規定を満たす確認済県産材を使用
木工事費の 1/2
以内
1件あたり2,000
万円を限度とす
る。
木工事費の 1/2
以内
1件あたり2,000
万円を限度とす
る。
1/2
1件あたり1,000
万円を限度とす
る。
床面積 100 平方メートル以上
国土交通省大臣官房庁営繕部監修
「建築工事共通仕様書」第 12 章の
規定を満たす確認済県産材を使用
6割以上確認済県産乾燥材使用
木工事費の割合が直接工事費の
1/2 以上
使用木材全てが確認済県産材であ
り、外構を除く部分は確認済乾燥
材利用
直径おおむね 16 センチメートル
以下の中小径材を積極的に利用
確認済県産乾燥材を使用
耐火レンガ窯、大量製炭窯、木酢
液採取施設、集塵装置、原木割り
機、原木運搬車、温度記録計木炭
保管庫
県内の民有林のうち公益林内での
活動
1/2
机、椅子、食器
については、1 個
当たり 6 千円、4
千円、1 千円を限
度とする。
1/3
10 分の 10 以内
県民の森林づくりへの参加 市町村、農林
(原則100万円以
を促進するため、
主体的なア 水産業者の組
内)
イディアと参加による森林 織する団体、
づくり活動等について企画 地 域 住 民 団
体、NPO 等
を募集し支援する。
注)県単独補助:県の助成を受けて行う市町村営、団体営等の事業に対する県の補助金、交付金
出典)
「岩手県ホームページ」
(最終更新年月日平成 18 年 12 月 5 日)
県民参加の森
林づくり促進
事業
平成 18 年 6 月(月)
までに企画書を提
出
【岩手県制度融資】
資金名
融資
区分
銀行
資金の
区分
設備資金
対 象事業区分
借受資格者
融資条件
地熱利用事業、廃熱利 地方公共団体、 【融資限度】(融資規模)地熱利用事業、
用事業、温度差熱利用 民間企業、
廃熱利用事業、温度差熱利用事業、雪氷熱
事業、
廃棄物利用事業、 組合等
利用事業(5 億円)、廃棄物利用事業、バ
雪氷熱利用事業、バイ
イオマス利用事業(3億円)、複合利用事
オマス利用事業
業(5 億円)
【措置期間】3 年以内
【貸出利率】長期貸出最優遇金利に年
0.5%を加えた利率以下の 1/2
【償還期限】10年以内
地域エネルギー 銀行
設備資金
太陽光発電、
風力発電、 地方公共団体、 【融資限度】風力発電事業(4億円)、バ
開発利用発電事
地熱発電、廃熱利用発 民間企業、
イオマス利用発電、廃棄物利用発電事業
(4
業普及促進融資
電、廃棄物利用発電、 組合等
億円)、地熱発電事業(3 億円)、廃熱利
利子補給制度
バイオマス利用発電の
用発電事業(4億円)、複合利用発電事業
各事業
(5 億円)、太陽光発電事業(4億円)
【据置期間】3 年以内
【貸出利率】長期貸出最優遇金利に年
0.5%を加えた利率以下の 1/2
注)制度融資:国等の定める制度による融資
出典)
「岩手県ホームページ」
(最終更新年月日平成 18 年 12 月 5 日)
地域エネルギー
開発利用事業普
及促進融資利子
補給制度
資 6−9
担当課
資源エ
ネルギ
ー課
資源エ
ネルギ
ー課
【岩手県単独貸付】
資金名
取扱金融機関等
環境創
造資金
岩手銀行、東北
銀行、北日本銀
行、商工組合中
央金庫、
(国民生
活金融金庫、中
小企業金融金
庫)
金融機関
協調融資
倍率
3倍
対象事業区分
借受資格者
融資条件
公害防止施設設備の整備 中小事業者
及び移転、公害防止のた
めに必要な測定機器の購
入、環境影響評価の実施、
ISO14001 の認証取得、低
公害車の導入及び低公害
車の燃料等の充填施設の
設置、エネルギーの有効 事業協同組合
利用のための施設の設
置、汚染土壌の浄化、廃
棄物の再生利用のための
施設の設置に要する資金
【融資限度】3 千万円
【据置期間】1 年間
【貸出利率】貸付期間 3 年以内は、
2.1%、3年超から 7年以内は、2.3%
※ISO14001 の認証取得については、
別途の利率を適用する場合がある。
【償還期限】7 年間
【融資限度】4 千万円
【据置期間】1 年間
【貸出利率】貸付期間 3 年以内は、
2.1%、3年超から 7年以内は、2.3%
※ISO14001 の認証取得については、
別途の利率を適用する場合がある。
【償還期限】7 年間
注)県単独貸付:県の助成を受けて行う市町村栄、団体栄等の事業に対す県の補助金、交付金
出典)
「岩手県ホームページ」
(最終更新年月日平成 18 年 12 月 5 日)
担当課
環境
保全課
【ペレットストーブ・ペレット】
事業名
ペレットスト
ーブ普及促進
事業
木質ペレット
流通対策事業
概要
木質バイオマスエネルギ
ーを活用したペレットス
トーブの普及促進を図る
ため、市町村の公共施設、
県内の居宅及び事務所等
にペレットストーブを設
置する場合に要する経費
を補助
木質バイオマスエネルギ
ー利用の定着を図るた
め、岩手県が木質ペレッ
ト購入に係る割引クーポ
ンを発行し、木質ペレッ
トの小売販売体制の強
化、流通システムの定着
及びペレットストーブの
普及を促進する。
補助対象
補助率・補助額
平成 18 年 4 月 1 日から平成 19 年
3月 20日までにペレットストーブ
を設置する方
①県内の各市町村(市町村内の公
共施設に設置する場合に限る)
②県内の住居および事務所などに
設置する方
①県内の各市町村(市町村内の公共施設に設置)
補助率:設置に要する経費の 1/2 に相当する額以内
補助限度額:20万円
②県内の住居および事務所などに設置する方
補助率:設置に要する経費の 1/4 に相当する額以内
補助限度額:5 万円
①平成 18 年度にペレットストー
ブ普及促進事業補助金交付要綱に
掲げる補助金の交付決定を受けた
者
②①以外の者で割引クーポンの使
用を希望するストーブ設置者
ペレットストーブ 1 台当たりの交付限度枚数
①導入促進割引クーポン(ペレット 10kg ごとに 400 円)
10枚及び普通割引クーポン
(ペレット10kgごとに100円)
60 枚
②普通割引クーポン(ペレット 10kg ごとに 400 円)60枚
出典)
「岩手県ホームページ」
資 6−10
資−7 用語集
地球温暖化
カーボンニュートラル
太陽の光によって暖められた地表面から宇宙へ
植物由来のバイオマスを燃焼すると、化石燃料
放出する熱を、二酸化炭素(CO2)などの温室効
と同様に二酸化炭素(CO2)を発生しますが、植
果ガスが吸収し、地球の大気を暖めています。この
物は、成長過程で光合成によりCO2 を吸収して
作用が温室に似ているため、「温室効果」と呼ばれ
おり、ライフサイクル全体でみると大気中のCO
ています。森林の伐採、化石燃料の過剰な消費等の
2
人類の活動により、これら温室効果ガスの大気中の
います。このように、CO2 の増減に影響を与え
濃度が急激に増加してきていて、それに伴い地球の
ない性質のことを「カーボンニュートラル」と呼
平均気温が上昇していることが「地球温暖化」と呼
びます。
を増加させず、収支はゼロであると考えられて
ばれ大きな問題になっています。地球温暖化が進む
と海面の上昇や気候の変化がおこり、生態系へも悪
メタン発酵
メタン発酵とは、有機物が酸素のない条件で、
影響を及ぼすことが懸念されています。
微生物により分解され、最終的にメタンと二酸化
炭素を生成する反応です。条件が満たされると廃
温室効果ガス
棄物の埋立地などでは、自然にメタン発酵が進行
太陽光によって温められた地球の温度を大気中に
して、メタンガスが発生します。
閉じ込め、地球全体を暖める働きがある物質が温室
新エネルギー分野では、家畜排せつ物,食品廃
効果ガスと呼ばれています。京都議定書では、温室
棄物,下水汚泥等を原料として人工的にメタン発
効果ガスのうち二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、
酵させてメタンガスを回収し、このガスをガスエ
ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカ
ンジンで燃焼させて発電等が行われます。
ーボン(PFC)、六ふっ化硫黄(SF6)が削減対象の「温
室効果ガス」として定められています。
バイオエタノール
バイオエタノールとは、サトウキビやトウモロ
京都議定書
コシなどの植物原料から作られたエタノールです。
1997 年 12 月に京都で開催された「気候変動枠組
ガソリンに一定の割合で混合して利用したり、ボ
条約第 3 回締約国会議(地球温暖化防止京都会議、
イラ燃料としての利用が可能です。植物由来のバ
COP3)」において、先進国の温室効果ガス排出量に
イオマスであるため、燃やしても二酸化炭素の総
ついて、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定
量は増えません。
し、その達成方法などを定めた「京都議定書」が合
ガソリンへの混合の方式について、環境省はガ
意されました。2008∼12 年の間に温室効果ガスの排
ソリンに対して 3%のエタノールを直接混合する
出を 1990 年比で、5.2%(日本 6%、アメリカ 7%、
「E3」という燃料を導入する方向で計画を進めて
EU8%など)削減することを義務付けています。2005
いますが、石油業界は、エタノールから化学的に
年 2 月 16 日にロシアの締結を受け発効しましたが、
合成した「ETBE」をガソリンに混ぜる方法を推進
最大排出国であるアメリカは経済への影響と途上
しています。海外では、米国やブラジルが直接混
国の不参加を理由に未締結となっています。
合方式を採用し、欧州で ETBE 方式がとられてい
ます。
バイオマス
バイオマスとは、生物資源(バイオ/bio)の量(マ
ス/mass)をあらわし、エネルギー源として再利用で
E3
きる動植物から生まれた有機性の資源のことです。
バイオマスの種類にはいくつかあり、農産系バイオ
マス(稲わら,もみ殻)、畜産系バイオマス(家畜
排せつ物)、木質系バイオマス(森林樹木,製材所
残材)、廃棄物系バイオマス(生ごみ,廃食用油,
下水汚泥)があります。
「E3」とは、ガソリンに 3%の割合でエタノ
ールを混合した燃料のことです。エタノール混合
割合が高いと、車体に金属の腐食や樹脂部分の劣
化などの悪影響が指摘されており、「揮発油等の
品質の確保等に関する法律(品確法)」によって混
合割合が 3%以下と規定されています。E3は従
来のガソリン車で利用が可能ですが、混合割合の
資 7−1
高い 10%混合ガソリン(E10)∼100%バイオエタノ
開放し、
「ゆとり」や「やすらぎ」のある人間性豊
ール(E100)では専用車両が必要となります。エ
かな余暇活動を提供するとともに、農山漁村地域
タノールは水に溶解、相分離するため燃料性状が
の自然環境の保全や生活・文化基盤の充実、新た
確保できなくなるなどの課題があります。
な産業の創出による若者の定住促進など、農山漁
村地域の活性化を目指した活動が各地で展開され
ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)
ています。
ETBE とは、エタノールとイソブチレンを反応さ
せて合成される化合物でオクタン価向上剤(アン
カーボンナノチューブ(CNT)
チノック剤)として自動車ガソリンに添加される
カーボンナノチューブは、炭素原子が六角形に
MTBE(メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)と類似した特
配置されたグラファイトシートを筒状に巻いた形
性・用途をもっています。エタノールを直接ガソ
をしていますが、巻き方や大きさ、重なり方でさ
リンに混合する場合に比べて、蒸発特性の増加が
まざまな性質をしめします。カーボンナノチュー
無く、水分の吸収もないことから従来のインフラ
ブは、細くて軽く、非常に強いという性質の他に、
が活用でき、ガソリン品質が安定しやすいとして
熱伝導性に優れ、電気をよく通し、立体構造の違
石油業界が推進しています。
いで半導体となるという特徴があり新素材として
大いに期待されています。
しかしETBEは「化学物質の審査及び製造等
の規制に関する法律(化審法)」において、第二種
監視化学物質(難分解性あり、高蓄積性なし、人
への長期毒性の疑いのあるもの)として判定され
ており、漏洩の問題や人への安全性が課題となっ
ています。
BDF(バイオディーゼル燃料)
BDFとは、菜種油等の植物油や調理に利用さ
れた廃食油をメチルエステル化という加工を施し、
出典)NEDO
HP
脂肪酸メチルエステル(FAME)に変換して使用さ
れるディーゼル代替燃料です。植物を原料として
RPS法
いるため、カーボンニュートラルで、軽油に比べ
正式名称は「電気事業者による新エネルギー等
て硫黄分が少なく排ガスの硫黄酸化物も減少しま
の利用に関する特別措置法」。エネルギーの安定的
す。また、黒煙が少ないという特徴もあります。
かつ適切な供給を確保及び新エネルギー等の普及
原料としては、①家庭・事業所からの廃食用油 ②
を目的に、電気事業者に対して、毎年その販売電
菜の花等の資源作物の搾油 ③海外から輸入した
力量に応じた一定割合以上の新エネルギー等から
植物油の3つが考えられています。
発電される電気の利用を義務付けた制度です。新
「揮発性油等の品質の確保等に関する法律施行
エネルギーの対象は風力、太陽光、地熱、小規模
規則の一部を改正する省令(平成 19 年 1 月)」に
水力、バイオマス発電の5種類となっています。
おいて、軽油に混合する FAME の混合率は、5%質
量以下と定められています。
グリーン・ツーリズム
緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文
化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動の
総称です。都市住民の自然・ふるさと志向とこれ
に対応して豊かなむらづくりを進めようとする農
山漁村の動き、特に、都市と農山漁村の交流を求
める動きを背景として、農林水産省が主導してい
ます。農業体験、農山漁村地域の自然体験、農山
漁村地域の生活体験など、農山漁村が育んできた
ヒートポンプ
物質が液体から気体に変化する際に周
囲から熱を奪い、これとは逆に、物質が気
体から液体へ変化する際に周囲へ放熱す
る性質を持っています。この性質を利用し
て、大気中の熱を圧縮機(コンプレッサ)
を利用して効率よくくみあげ、移動させる
ことにより冷却や加熱を行うシステムで
す。消費電力の3倍近くの熱を利用するこ
とができ、エアコンや給湯器などに利用さ
れています。
自然、生活・文化のストックを広く都市の人々に
資 7−2
資−8 先進地調査
本市における新エネルギー導入等の検討を行うため、新エネルギー導入の先進事例
を調査し、新エネルギーに関する見聞を広めるために先進地調査を行った。
1.日時
平成 18 年 10 月 23 日∼24 日
2.視察参加者
所
属
氏
名
和田
清美、
千葉
幸子、
佐藤
功、
南部
智成、
辻村
博夫、
塚本
水樹、 小宮山
庁内ワーキング
佐藤
千幸、
菊池
長、 廣野
グループ
佐々木
事務局
菅原
浩、
中外テクノス㈱
河村
秀樹、
検討委員会
道明、
津田
渡邉
富男
慎一、
千葉 静雄
大輔
アットホームくずまきにて
3.視察施設
10 月 23 日
岩手県
葛巻町
① 木質バイオガス化発電システム(葛巻町)
② 畜糞バイオガスシステム(葛巻町)
③ 風力発電システム(エコ・ワールドくずまき風力発電所)
④ ペレットボイラー(アットホームくずまき)
10 月 24 日
青森県
一博、
雅智
清文、 園
金沢
工藤
八戸市
⑤ リサイクル発電設備(三菱製紙株式会社 八戸工場)
⑥ マイクログリッドシステム(八戸市 東部終末処理場)
資 8−1
文雄
4.視察内容
①木質バイオガス化発電システム(葛巻町)
木材チップを原料としてガス化発電を行っている。タールの発生が少ない「ダウンド
ラフト炉」を採用しているため、発電設備のメンテナンスが容易、タールを落とす洗煙
設備が不要などのメリットがある。
エネルギー効率は、電気 24%+温水 51%=総合効率 75%である。電気の発電量 120kW
で自家消費分が 15kW、残りが売電されている。熱回収量は 266kW で、自家消費が 130kW、
残りの熱量は現在利用先が無いため、大気放出されている。
原料の木材チップは間伐材を利用しており、チップの樹種や形状、バークの混入等の
試験中である。森林保全のためにも間伐材を活用したいが、単価が課題となっていると
のこと。発生する炭は、畜糞に混ぜて消臭剤として利用されている。
全
景
説明風景
チップヤード
ガスエンジン
資 8−2
②畜糞バイオガスシステム(葛巻町)
牧場で飼育している牛の排せつ物をメタン発酵させてバイオガスを取り出している。
バイオガスは、コジェネユニットにより電気と熱が生成され、自家消費されている。
デュアル発電設備であるため、バイオガスが不足の場合は、軽油による稼動が可能。
消化液は、液肥として農地に還元されおり、評判は良いとのこと。また、農地還元の受
け入れ先が無い場合は、浄化処理施設で浄化して放流基準以下にして河川放流される。
生成されたエネルギーは、場内でのみ使用されており、外部への供給はされていない。
発電よりも、家畜排せつ物の適正処理施設としての役割が大きいようであった。
全
景
左:ガスホルダー
右:メタン発酵槽
③ 風力発電システム(エコ・ワールドくずまき風力発電所)
400kW の風力発電機が 3 基ある。年間約 300 万 kWh(一般家庭の消費電力の約 900 世帯
分)を発電している。
残念ながら、視察時はひどい濃霧のため影と音しか確認できなかった。
全景(葛巻町HPより)
視察時風車(濃霧)
資 8−3
④ ペレットボイラー(アットホームくずまき)
介護老人保健施設「アットホームくずまき」内に設置されている。ペレットが燃焼部
中央の下から盛り上がるよう供給されるのが特徴的である。ボイラーの熱は、暖房や給
湯に利用されている。灰は畑に還元している。
視察員はペレットが激しく燃焼している状況を感心した様子で覗き込んでいた。
同保健施設には、太陽光発電設備もあり、環境と福祉の組み合わせに力を入れている。
ペレットボイラー
ボイラー表示パネル
燃焼状況
太陽光発電
太陽光発電表示パネル
資 8−4
⑤ リサイクル発電設備(三菱製紙株式会社 八戸工場)
工場内で発生する、ペーパースラッジ(工程内で発生した紙屑)
・廃材・廃タイヤを燃
料としたリサイクル発電ボイラーによって発電を行っている。最近は、廃タイヤを燃料
とする設備が増えてきており、廃タイヤの需要が高まっているとのこと。
同工場では、工程内で発生する黒液を燃料としたボイラーもあり、この黒液ボイラー
とリサイクルボイラーで場内の 40%のエネルギーを生成している。
同社では、環境保全事業として原材料の輸入国で植林事業を展開している。しかし
視察員からは、海外から原材料を輸入するのではなく、国内資源の活用を望む声も上が
った。
説明会風景
廃タイヤ置場
木材チップ置場
資 8−5
⑥ マイクログリッドシステム(八戸市 東部終末処理場)
八戸市では、複数の小規模電源により特定エリア内の需給制御を行うマイクログリッ
ドシステムが構築されている。構成電源は、下水のメタン発酵によるバイオガス発電、
太陽光発電、風力発電と再生可能エネルギーに限定しており、需給調整として鉛電池、
熱供給原として木質バイオマスボイラが設置されている。
利用状況を聞くと、バイオガス発電は順調に稼動しているが、木質バイオマスボイラ
については、本州最北端という地域柄、燃料のバークが凍結するなど運用に困る点もあ
るとの事であった。
説明風景
バイオガスエンジン
木質ボイラー燃焼状況
太陽光発電
資 8−6
資−9 地域新エネルギービジョン策定委員会
■奥州市地域新エネルギービジョン策定委員会名簿
区
分
氏
名
所
属
委員長
両角
和夫
東北大学大学院農学研究科 教授
副委員長
和田
清美
東北大学大学院環境科学研究科
立花
光雄
地球温暖化対策・エネルギー担当課長
〝
高橋
隆
岩手ふるさと農業協同組合営農生活企画課長補佐
〝
千葉
裕之
江刺市農業協同組合総務部企画管理課主査
〝
高橋
勝明
水沢地方森林組合業務課長補佐
〝
千葉
尚文
江刺森林組合代表理事組合長
〝
小原
剛一郎
江刺森林組合代表理事組合長
〝
菅原
新治
水沢商工会議所
事務局長
〝
佐藤
悦夫
江刺商工会議所
事務局長
〝
菅野
光輝
前沢商工会
〝
及川
レイ子
江刺婦人連合会
〝
千葉
幸子
前沢女性団体会議
〝
佐藤
功
いさわ新エネルギー研究会 会長
〝
阿部
俊徳
東北電力㈱水沢営業所所長
〝
工藤
一博
工藤建設株式会社代表取締役
〝
南部
智成
株式会社阿部総業顧問
〝
伊東
伸朗
衣川フォーレスト株式会社 技術部部長
〝
辻村
博夫
市民公募員
〝
塚本
水樹
市民公募員
〝
小宮山
委
員
文雄
事務局長
副会長
議長
市民公募員
オブザーバー
新エネルギー・産業技術総合開発機構 エネルギー対策推進部
経済産業省東北経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー課
資 9−1
奥州市地域新エネルギービジョン
発行日
平成 19 年 2 月
発行
奥州市 総合政策部 企画調整課 地域エネルギー推進室
〒023-8501
岩手県奥州市水沢区大手町一丁目 1 番地
TEL:0197-24-2111(代表)
FAX:0197-22-2533