男女雇用機会均等法の概要 育児・介護休業法の概要

男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法の概要
男女雇用機会均等法の概要
1.性別を理由とする差別の禁止
募集・採用、配置(業務の配分及び権限の付与を含む)・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職
種・雇用形態の変更、退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新において、性別を理由とする差
別を禁止しています。
2.間接差別の禁止
労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、実質的に性別を理由とする差別となるおそ
れがあるものとして、以下の3つの措置については、合理的な理由が認められる場合を除き、間
接差別として禁止しています。
①労働者の募集または採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件とすること 。
②コース別雇用管理における「総合職」の労働者の募集または採用に当たって、転居を伴う転
勤に応じることができることを要件とすること。
③労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること。
3.女性労働者に係る措置に関する特例
職場に事実上生じている男女間の格差を是正して、男女の均等な機会・待遇を実質的に確保す
るために、事業主が、女性のみを対象とするまたは女性を有利に取り扱う措置(ポジティブ・アク
ション)は、法違反とはなりません。
4.妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
妊娠・出産、産前・産後休業を取得したことなどにより、解雇や労働契約の更新をしないことなど
の不利益取扱いを禁止しています。
5.セクシュアルハラスメント対策
職場におけるセクシュアルハラスメントを防止するために雇用管理上必要な措置を講ずることを
事業主に義務づけています。
6.母性健康管理措置
妊娠中及び出産後の女性労働者の健康管理に関する措置を事業主に義務づけています。
育児・介護休業法の概要
1.育児のための両立支援制度
(1)育児休業=育児のために仕事を休める制度です。
(2)短時間勤務制度=短時間勤務(1日 6 時間)ができる制度です。
(3)所定外労働の制限=残業が免除される制度です。
(4)子の看護休暇=子どもの病気の看護などのために仕事を休める制度です。
(5)法定時間外労働の制限=残業時間に一定の制限を設ける制度です。
(6)深夜業の制限=深夜(午後 10 時~午前 5 時)の就労を制限する制度です。
(7)その他の両立支援措置=仕事と育児の両立のために設けられたその他の制度です。
(8)転勤の配慮=育児期の従業員の転勤に一定の配慮を求める制度です。
(9)不利益取扱いの禁止=上記制度を利用した従業員への不利益な取扱いを禁じる制度です
2. 介護のための両立支援制度
(1)介護休業=介護のために仕事を休める制度です。
(2)短時間勤務制度等の措置=短時間勤務などができる制度です。
(3)介護休暇制度=介護の必要がある日について仕事を休める制度です。
(4)法定時間外労働の制限=残業時間に一定の制限を設ける制度です。
(5)深夜業の制限=深夜(午後 10 時~午前 5 時)の就労を制限する制度です。
(6)転勤の配慮=家族の介護をする従業員の転勤に一定の配慮を求める制度です。
(7)不利益取扱いの禁止=上記制度を利用した従業員への不利益な取扱いを禁じる制度で
す。
育児のための所定外労働の制限及び所定労働時間の短縮措置、介護休暇の
制度は、平成21年の育児・介護休業法の改正で新設されました。
これらについては、平成24年7月1日より、これまで適用が猶予されていた従業
員数が100人以下の事業主にも適用されています。
パートタイム労働法
(改正:平成20年4月1日施行)
少子高齢化がすすみ、労働力人口が減少していくなか、パートタイム労働者
がその能力を一層有効に発揮することができる雇用環境を整備するとともに、
多様な就業形態で働く人々が、それぞれの意欲や能力を十分に発揮でき、そ
の働きや貢献に応じた待遇を得ることのできる「公正な待遇の実現」を目指す
ため、パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
が改正されました。
~改正のポイント~
1.労働条件の文書交付・待遇決定の説明義務
雇い入れの際は、新たに「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」を文書の交付などで
明示しなければなりません。また、事業主はパートタイム労働者から求めがあったときは、待遇
の決定に当たって考慮した事項を説明することが義務づけられました。
2.均衡のとれた待遇の確保の推進
通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者に対して、パートタイム労働者であることを理由
とする差別的取扱いが禁止されました。
3.通常の労働者への転換の推進
パートタイム労働者から通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずることが義務づけら
れました。
4.苦情処理・紛争解決の援助
苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関に苦情処理をゆだねるなど、自主的な解決を図る
ように努めることとなりました。