基本目標2

第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
基本目標2
2-1
「恵み豊かな自然と共に生きるまち」をめざして
豊かな自然環境の保全
( 1 ) 環 境 指 標 ( 数 値 目 標 ) の 進 捗 状 況 ( ※ 進 捗 状 況 欄 の 見 方 は 、 P 38の 注 を 参 照 し て く だ さ い )
環境項目
計画当初
現状値
年度
現状値
年度
目標値
(H22)
進捗
状況
前年
比較
県環境緑地保全地域
2カ所
17
2カ所
21
2カ所
達成
県環境緑地保全地域 指定面積
380ha
17
380ha
21
380ha
達成
鳥獣保護区
4カ所
17
4カ所
21
4カ所
達成
野 生 生 物 の種 類 (植 物 )/(維 管 束 植 物 )
580種
17
(580種 )
―
580種
―
―
133種
17
(133種 )
―
133種
―
―
4,200種
以上
17
(4,200種
以上)
―
以上
―
―
動 物 レッドリスト
38種
12
(79種 )
―
38種
―
―
植 物 レッドリスト(維 管 束 植 物 )
17種
17
(77種 )
―
17種
―
―
1カ所
17
(1カ所 )
―
1カ所
―
―
同 上 (哺 乳 類 )(鳥 類 )(爬 虫 類 )
(両 生 類 )(淡 水 魚 類 )
同 上 (昆 虫 類 )(クモ、ムカデ類 を含 む)
植 物 群 落 レッドリスト)
4,200種
* 野 生 生 物 の 種 類 : 哺 乳 類 20種 / 鳥 類 63種 / 爬 虫 類 10種 / 両 生 類 15種 / 淡 水 魚 類 25種
*植物群落レッドリスト:1カ所=栗駒国定公園地域(焼石連峰の高山植物)
総括表
*県環境緑地保全地域及び鳥獣保護区
岩 手 県 の 指 定 す る 環 境 緑 地 保 全 地 域 と し て 、北 工 業 団 地 及 び 国 見 山 の 2 箇 所 が 指 定 さ れ て
います。また、鳥獣保護区についても現状維持となっています。
本市は、県内でも有数の水鳥越冬地となっており、鳥獣保護区になっている新堤や大堤、
展 勝 地 周 辺 の 北 上 川 河 畔 で は 、オ オ ハ ク チ ョ ウ 、コ ハ ク チ ョ ウ 、オ ナ ガ ガ モ な ど の 水 鳥 が 多
く見られます。また、国見山周辺地域には、貴重な植物群落として「国見山の岩石地植生」
が あ り 、国 の 天 然 記 念 物 で あ る ニ ホ ン カ モ シ カ 、豊 富 な 昆 虫 類 の 中 で も 特 に 注 目 さ れ て い る
オ オ ム ラ サ キ や ヒ メ ギ フ チ ョ ウ 等 の 希 少 種 が 生 息 す る な ど 、生 物 の 多 様 な 生 息・生 育 地 に も
な っ て い る た め 、今 後 も こ の 地 域 の 緑 地 及 び 生 態 系 の 保 全 に 努 め 、将 来 へ 引 き 継 い で い か な
ければなりません。
*動植物のレッドリスト
岩 手 県 で は 、野 生 生 物 の 保 護 を 図 る た め 、絶 滅 の 怖 れ が あ る 種 に つ い て と り ま と め た「 岩
手 県 版 レ ッ ド リ ス ト 」を 公 表 し て い ま す 。本 市 で は 、レ ッ ド リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る 種 の う
ち 、 平 成 12年 度 以 降 か ら 平 成 21年 度 末 ま で の 間 に 、 動 物 79種 、 植 物 77種 が 確 認 さ れ て お り 、
これらの保護を図る必要があります。
ま た 、在 来 の 野 生 生 物 を 捕 食 す る な ど 、生 態 系 に 影 響 を 与 え る 可 能 性 の あ る 外 来 生 物 の 飼
育 、栽 培 等 を 規 制 す る 外 来 生 物 法( 特 定 外 来 生 物 に よ る 生 態 系 に 係 る 被 害 の 防 止 に 関 す る 法
律 )が 平 成 17年 6 月 に 施 行 さ れ ま し た 。本 市 に お い て も 、ブ ラ ッ ク バ ス 等 の 外 来 生 物 の 繁 殖
が 確 認 さ れ て お り 、生 態 系 へ の 影 響 が 危 惧 さ れ て い る と こ ろ で す 。生 物 多 様 性 を 確 保 し 、在
来 の 貴 重 な 種 や 生 態 系 を 守 る た め に も 、野 生 生 物 保 護 の 意 識 啓 発 や 推 進 を 図 る 必 要 が あ り ま
す。
ま た 、栗 駒 国 定 公 園 は 植 物 群 落 レ ッ ド リ ス ト に 掲 載 さ れ て い る こ と か ら 、利 用 者 の マ ナ ー
向上を図りながら、保護に努めていく必要があります。
- 55 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
(2)環境施策の実施状況
【基本方針】
す ぐ れ た 自 然 の 実 態 を 的 確 に 把 握 し 、自 然 環 境 保 全 に 関 わ る 地 域 指 定 を 推 進 し ま す 。ま た 、
身近な生物の生息・生育の場である緑、水辺などの自然環境を積極的に保全するとともに、
自然の尊さについての理解を深め、人間の営みと自然環境とが共存することのできる活動を
進めます。
【 平 成 21年 度 実 施 状 況 】
■すぐれた自然の保全
〇自然保護団体との連携
市内で活動する自然保護団体の活動状況を把握するため、連絡会を開催し、情報交換を
行っています。今後は、団体相互の交流事業の実施や、北上市グリーンボランティアの設
置について検討していきます。
〇実態調査の推進
博物館では市民や他課からの情報提供や依頼に基づき、必要に応じて実態調査を行って
い ま す 。 平 成 21年 度 は 、 北 上 市 西 部 域 で 生 物 相 の 調 査 を 行 い ま し た 。
〇自然公園等規制地域による適正な保全
・
栗駒国定公園の自然公園保護管理員(1人)を委嘱し、山野草の採取行為の監視やごみ
処理の指導等を行い、区域内の自然景観や動植物の保護活動を行っています。
昨年に引き続き違反行為は発見されておらず、全体的にマナーの向上が見られます。
・
県では、市街地やその周辺にある緑地で、良好な生活環境を維持するために必要な区域
や、宅地の造成等開発が行われる地区又は行われた地区のうち、良好な環境を形成するた
めに緑地の確保が必要な区域を環境緑地保全地域に指定しています。市内では北工業団地
( 150ha) と 国 見 山 ( 230ha) の 2 ヵ 所 が 指 定 さ れ て お り 、 こ れ ら の 区 域 内 で は 、 次 に 掲 げ
る行為をしようとする場合は、事前に県知事に届け出ることとされています。
- 岩 手 県 自 然 環 境 保 全 条 例 ( 第 23条 第 1 項 ) -
①一定規模以上の建築物、工作物の新増改築
②宅地造成など土地の形質変形
③鉱物の掘採、土石の採取
④水面の埋立、干拓
⑤木竹の伐採
- 56 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
野生鳥獣の保護繁殖の適正化を図るため、次のとおり鳥獣保護区が設定されています。
■ 平 成 21年 度 鳥 獣 保 護 区 面 積
指定面積
飛勢城
展勝地
相
去
焼石連峰
129ha
590ha
361ha
1,697ha
■多様な生物の生息・生育環境の保全
〇実態調査の推進
・
日本野鳥の会北上支部(現:日本野鳥の会北上)では、毎年探鳥会を実施しています。平
成 21年 度 は 14回 開 催 し 、 延 べ 205人 が 参 加 し ま し た 。 市 で は 、 探 鳥 会 を 通 じ て 野 鳥 保 護 意 識 の
普及を図るため、より多くの市民が参加できるよう支援を行っています。
・
本 市 で は 平 成 20年 度 と 21年 度 の 2 年 間 、 セ ミ の 抜 け 殻 に よ る 生 息 地 調 査 を 実 施 し ま し た 。
平 成 21年 度 は 市 内 18小 学 校 の 協 力 の も と 492名 が 参 加 し 、 3,971個 の 抜 け 殻 を 採 集 し ま し た 。
身近な生物の生息地調査による環境学習が展開されています。
- 57 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
岩手県版のレッドリストが公表されていますが、北上市で確認されている動植物は次の
とおりとなっています。
■岩手県レッドデータブック掲載種のうち北上市で確認されている動物
動 物 レ ッ ド リ ス ト ( 79種 )
区分
哺 乳 類
Cランク
情報不足
区分
ヒナコウモリ科
クロホオヒゲコウモリ
ヤマネ科
ヤマネ
ヒナコウモリ科
ウサギコウモリ
トガリネズミ科
ニホンカワネズミ
クマ科
ツキノワグマ
ウシ科
ニホンカモシカ
ヒナコウモリ科
ユビナガコウモリ
両 生 類
Dランク
種
爬 虫 類
Bランク
科
オジロワシ
Aランク
イヌワシ
キツツキ科
クマゲラ
ハヤブサ科
ハヤブサ
タカ科
Bランク
Cランク
Dランク
情報不足
シギ科
オオジシギ
イシガメ科
クサガメ
ヘビ科
シロマダラ
アオガエル科
モリアオガエル
アオガエル科
カジカガエル
サンショウウオ科
トウホクサンショウウオ
クロサンショウウオ
アカガエル科
トウキョウダルマガエル
コイ科
キンブナ
メダカ科
メダカ南日本集団
Bランク
Bランク
ミサゴ
ヒシクイ
オサムシ科
ヤンマ科
マークオサムシ
アカガネオサムシ
サラサヤンマ
マダラヤンマ
鳥
ハイタカ
アゲハチョウ科
ヒメギフチョウ
アカショウビン
タテハチョウ科
オオムラサキ
サギ科
ヨシゴイ
ジャノメチョウ科
ベニヒカゲ
カモ科
マガン
ムカシヤンマ科
ムカシヤンマ
チドリ科
ケリ
タカ科
ノスリ
キジ科
ヤマドリ
クイナ科
バン
カッコウ科
ジュウイチ
Cランク
ムカシトンボ科
ムカシトンボ
エゾゲンゴロウモドキ
昆 虫 類
類
タカ科
カワセミ科
ゲンゴロウ科
ゲンゴロウ
メススジゲンゴロウ
ホタル科
ゲンジボタル
フクロウ科
フクロウ
ハムシ科
オオルリハムシ
ヨタカ科
ヨタカ
イトトンボ科
オゼイイトトンボ
ヤマセミ
トンボ科
チョウトンボ
カワセミ
トワダカワゲラ科
トワダカワゲラ
オオアカゲラ
ホタル科
ヒメボタル
キツツキ科
カササギヒタキ科
サンコウチョウ
カイツブリ科
アカエリカイツブリ
カモ科
ハヤブサ科
アゲハチョウ科
ジャコウアゲハ
セセリチョウ科
オオチャバネセセリ
オシドリ
シロチョウ科
ヒメシロチョウ
ヨシガモ
タテハチョウ科
ゴマダラチョウ
シマアジ
ジャノメチョウ科
コジャノメ
チゴハヤブサ
ヒトリガ科
ジョウザンヒトリ
チョウゲンボウ
チドリ科
コチドリ
カモ科
カワアイサ
クイナ科
オオバン
Dランク
淡水産貝類
情報不足
オオタカ
カモ科
カワセミ科
Dランク
クマタカ
種
情報不足
オオワシ
淡水魚類
タカ科
科
*その他節足動物については未確認となっています。
- 58 -
Bランク
イシガイ科
マツカサガイ
タガイ
シジミ科
マシジミ
Cランク
カワシンジュガイ科
カワシンジュガイ
情報不足
マメシジミ科
マメシジミ
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
■岩手県レッドデータブック掲載種のうち北上市で確認されている植物
植 物 レ ッ ド リ ス ト ( 77種 )
区分
野生絶滅
Aランク
科
種
区分
コムラサキ
イワヒバ科
キンポウゲ科
オキナグサ
ヒメシダ科
ゲジゲジシダ
アカネ科
ハナムグラ
カバノキ科
ミヤマカワラハンノキ
シソ科
ムシャリンドウ
ブナ科
ナラガシワ
ラン科
キンラン
ナデシコ科
カワラナデシコ
イワヒバ
ユキノシタ科
ヤシャビシャク
キンポウゲ科
センウズモドキ
リンドウ科
ホソバノツルリンドウ
ツヅラフジ科
コウモリカズラ
タヌキモ科
ヒメタヌキモ
スイレン科
ジュンサイ
ミズニラ科
ミズニラ
タデ科
ノダイオウ
ケシ科
ミチノクエンゴサク
フクジュソウ
マメ科
ツガルフジ
オオレイジンソウ
セリ科
トウキ
イヌセンブリ
イワウメ科
オオイワカガミ
リンドウ科
ガガイモ科
スズサイコ
Cランク
ムラサキミミカキグサ
ミミカキグサ
植
タヌキモ科
ホザキノミミカキグサ
植
キク科
物
ラン科
物
キキョウ科
キキョウ
コウホネ
ツツジ科
オオバツツジ
イチヤクソウ科
シャクジョウソウ
ナス科
イガホオヅキ
ムラサキ科
オニルリソウ
ゴマノハグサ科
エゾシオガマ
タカサゴソウ
オミナエシ科
オミナエシ
オオニガナ
キク科
コオニタビラコ
シマカンギク
オモダカ科
アギナシ
ミズトンボ
イネ科
ヒナザサ
エビネ
サトイモ科
ヒメザゼンソウ
ミヤマモジズリ
カヤツリグサ科
チュウゼンジスゲ
クワ科
クワクサ
ウマノスズクサ科
ウマノスズクサ
ボタン科
ヤマシャクヤク
カキラン
ラン科
ツレサギソウ
ヤマトキソウ
ユキノシタ科
タコノアシ
トンボソウ
マメ科
イヌハギ
ミクリ
フクロソウ科
スギナモ科
チシマフウロ
カヤ
キンポウゲ科
エンコウソウ
シソ科
ツクバキンモクソウ
ミクリ科
ヤマトミクリ
情報不足
サクラソウ
シソ科
キセワタ
アヤメ科
ナガエミクリ
スギナモ
ハシリドコロ
ユリ科
ミクリ科
イチイ科
ナス科
トチカガミ科
Dランク
ハクサンフウロ
サクラソウ科
ゴマノハグサ科
*
種
クマツヅラ科
キンポウゲ科
Bランク
科
オオアブノメ
ヤナギスブタ
ミズオオバコ
ヒメニラ
カキツバタ
アヤメ
カヤツリグサ科
ミヤマジュズスゲ
サンショウモ科
サンショウモ
北 上 市 環 境 基 本 計 画 策 定 時 に 確 認 し て い た 動 物 レ ッ ド リ ス ト ( 38種 ) / 植 物 レ ッ ド リ ス ト ( 17種 ) 以 外 に 、
北上市立博物館の調査により確認された動植物を追加しています。
今後の調査により、種数は増減することがあります。
- 59 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
〇身近な生物の保護
ホタル、セミの抜け殻調査など市民参加による身近な生き物調査を通じ、野生生物の保
護、保全に対する啓発と基礎資料の収集に努めています。また、希少野生動植物等の保全
を図るため「北上地方公共事業に係る希少野生動植物等の保全に関する情報連絡会」が年
2回開催されています。北上市も構成員として連絡会に参加し、希少野生動植物等の保全
に配慮した公共事業の施行に努めています。
〇保存樹木等の指定
( 詳 細 ☞ P 73 保 存 樹 木 等 の 指 定 を 参 照 し て く だ さ い )
〇土地公有化などによる保全
「 憩 い の 森 」の 施 設 用 地( 生 活 環 境 保 全 林 内 借 地 部 分 )の 取 得 事 業 は 平 成 15年 か ら 平 成 22
年まで休止となっています。今後、事業計画への共通認識と理解を得ながら、土地公有化
等により保全を図っていくための交渉を行っていきます。
( 関 連 ☞ P 64 身 近 な 自 然 と の ふ れ あ い を 参 照 し て く だ さ い )
〇郷土本来の生態系の保全
博 物 館 の 自 然 科 学 部 門 の 野 外 調 査 を 通 じ て 、市 内 の 保 全 す べ き 生 態 系 を 調 査 す る こ と に よ
り現状を把握し、必要に応じて関係機関や市民に情報を提供しています。
〇渡り鳥の生息環境の保全
北上川河畔、新堤・大堤に毎年飛来する白鳥に対し、市民から青米・クズ米、古米等の
提 供 を 受 け 、 給 餌 活 動 を 支 援 し て い ま し た が 、 平 成 20年 度 以 降 は 鳥 イ ン フ ル エ ン ザ 防 止 の
ため給餌活動を自粛しています。
■開発に際しての環境配慮
〇適正で秩序ある土地利用
一定規模以上の開発行為については、都市計画法に基づき、緑地の確保を指導していま
す 。 平 成 21年 度 は 、 3 件 の 開 発 行 為 に お い て 、 3,506㎡ の 緑 地 を 確 保 し て い ま す 。
〇樹林地の保存と活用
( 関 連 ☞ P 67 適 正 施 業 に よ る 森 林 の 整 備 を 参 照 し て く だ さ い )
- 60 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
〇多自然型川づくりの推進
ほ場整備事業(江釣子・更木地区)において、親水公園、生態系保全公園等の整備が進
め ら れ て い ま す ( 平 成 14~ 24年 )。 平 成 21年 度 現 在 、 江 釣 子 地 区 で は 整 備 が 進 み 、 更 木 地 区
では計画中となっています。
( 関 連 ☞ P 65 親 水 施 設 の 整 備 / 魅 力 あ る 水 辺 空 間 づ く り を 参 照 し て く だ さ い )
■市民意識の高揚
〇自然環境保全の意識の高揚
・
博物館では、北上川の水生生物(淡水産貝類、水生昆虫等)の展示を行い、来場者の環
境 保 全 意 識 の 高 揚 を 図 っ て い ま す 。 な お 、 平 成 21年 度 の 博 物 館 入 館 者 は 26,007人 と な っ て
います。
・
また博物館では、郷土の自然環境への理解を深め、自然を大切にする意識の高揚を図る
ため、自然探索会を実施している他、国見山自然観察ガイド等の関連図書の販売を行って
います。
( 関 連 ☞ P 43 生 物 調 査 の 実 施 を 参 照 し て く だ さ い )
( 関 連 ☞ P 94 自 然 観 察 イ ベ ン ト の 開 催 を 参 照 し て く だ さ い )
■ 平 成 21年 度 「 自 然 探 索 会 」 等 実 施 事 業 一 覧 ( 博 物 館 )
期
日
事業名
内
容
口内新田の早池峰山の史跡と自然を
4 月 12日
訪ねて
5月7日
場
所
長洞~早池峰清水~高清水
参加者
38人
夏油の三角沼の自然
※雨天のため中止
和賀町藤根地区の清水めぐり
道地のすず~卯難神社~釜すず
33人
6月8日
牛形山登山
牛形山
33人
9 月 21日
奥州街道を歩く
相去町~二子―里塚~成田御前水
26人
5 月 10日
郷土の自然探索会
〇市民参加による生物調査の実施と公表
( 詳 細 ☞ P 57 実 態 調 査 の 推 進 を 参 照 し て く だ さ い )
- 61 -
第3章
2-2
北上市環境基本計画の進捗状況
自然との豊かなふれあいの確保
( 1 ) 環 境 指 標 ( 数 値 目 標 ) の 進 捗 状 況 ( ※ 進 捗 状 況 欄 の 見 方 は 、 P 38の 注 を 参 照 し て く だ さ い )
計画当初
環境項目
現状値
森林総合利用施設数
年度
現状値
年度
目 標 値 (H22)
進捗
状況
2カ所
17
2カ所
21
2カ所
達成
生活環境保全林
40.3ha
17
40.3ha
21
40.3ha
達成
水環境整備護岸延長
(親 水 整 備 型 川 づくり)
6,796m
17
7,214m
18
6,953m
達成
自 然 公 園 保 護 管 理 員 (県 認 定 )
1人
17
1人
21
自 然 公 園 指 導 員 (国 認 定 )
2人
17
1人
21
森 林 インストラクター(国 認 定 )
2人
17
1人
21
環 境 アドバイザー(県 認 定 )
(自 然 観 察 ・環 境 教 育 )
2人
17
8人
21
すぐれた人 材
の育 成
2人
前年
比較
―
―
―
減少
―
―
達成
増加
*森林総合利用施設数:
男 山 ( 憩 い の 森 ) / 愛 宕 山 〔 環 境 防 災 整 備 (県 ): 遊 歩 道 、 治 山 施 設 、 間 伐 等 (保 育 整 備 )〕
* 生 活 環 境 保 全 林:
男山周辺
総括表
*森林総合利用施設
県 事 業 に よ り 、平 成 13年 度 に 愛 宕 山 が 整 備( 遊 歩 道 や 治 山 施 設 等 )さ れ 、施 設 数 は 目 標 を
達 成 し ま し た 。今 後 は 、施 設 の 充 実 と 有 効 利 用 を 図 り 、自 然 と ふ れ あ う 機 会 を 確 保 し て い く
必要があります。
ま た 、男 山 周 辺 は 生 活 環 境 保 全 林( 40.3ha)と な っ て い る た め 、維 持 管 理 の ほ か 森 林 教 室
を開催するなど、自然や森林への知識や大切さを学ぶ機会の充実を図ります。
*水環境整備護岸延長(親水整備型川づくり)
新 堰 東 地 区 地 域 用 水 環 境 整 備 事 業 が 平 成 18年 度 に 完 了 し 、目 標 を 達 成 し ま し た 。地 元 自 治
会や土地改良区が協力して、周辺の美化活動を展開しています。
*指導者の育成(自然公園保護管理員、自然公園指導員、森林インストラクター)
国 や 県 で は 、栗 駒 国 定 公 園 の 自 然 公 園 保 護 管 理 員 、自 然 公 園 指 導 員 を 委 嘱 し 、区 域 内 の 自
然景観や動植物保護の適正化を図っています。
そ の ほ か 、市 で は 森 林 イ ン ス ト ラ ク タ ー の 募 集 要 項 な ど を 関 係 機 関 に 周 知 し 、人 材 の 育 成
を図っています。
*環境アドバイザー・インタープリター
県 で は 環 境 ア ド バ イ ザ ー 制 度 を 実 施 し 、環 境 学 習 に 対 す る 取 り 組 み を 推 進 し て い ま す 。平
成 21年 度 は 、 北 上 市 か ら 自 然 保 護 ・ 愛 護 の 分 野 で 8 名( 現 市 立 博 物 館 研 究 員 ほ か )が 登 録 さ
れております。
市 等 が 主 催 す る 自 然 散 策 会 等 に お い て 、自 然 公 園 保 護 管 理 員 や 環 境 ア ド バ イ ザ ー 等 の 講 師
派遣を積極的に活用しています。
こ の ほ か 平 成 16年 度 に 発 足 し た 夏 油 高 原 イ ン タ ー プ リ タ ー の 会 で は 、平 成 21年 度 も 各 種 派
遣 事 業 を 行 っ て お り 、夏 油 高 原 新 緑 ト レ ッ キ ン グ や ス ノ ー シ ュ ー ハ イ キ ン グ 等 の 軽 登 山 を 中
心 に 活 動 し て い ま す 。夏 油 高 原 温 泉 郷 を 中 心 と し た エ コ ツ ー リ ズ ム が 今 後 更 に 発 展 し て い く
よう活躍が期待されます。
- 62 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
(2)環境施策の実施状況
【基本方針】
自然体験を通して自然の大切さを理解し、豊かな感性を育てるため、自然公園などの適正
な活用を図るとともに、指導者の育成を推進します。また、身近な生き物の生息空間の確保
に努め、市民が自然を身近に感じられる場の創出により、人と自然との豊かなふれあいを確
保します。
【 平 成 21年 度 実 施 状 況 】
■自然公園などの適正な活用
〇自然公園施設の整備
・
市 で は 平 成 13年 度 に 夏 油 高 原 ス キ ー 場 に 展 望 台 ( 39㎡ )、 ト レ ッ キ ン グ コ ー ス ( 2.2km)
を整備しています。また、スキー場施設内にパークゴルフ場や温泉施設も整備され、冬だ
け で な く 一 年 を 通 し て 楽 し め る 施 設 が 充 実 し ま し た 。 平 成 21年 度 の 利 用 者 は 、 雨 天 の 影 響
で 前 年 度 に 比 べ て 減 少 し た も の の 、 約 32,000人 と な っ て い ま す 。
・
生 活 環 境 保 全 林 ( 男 山 40.3ha) に お い て 、 林 内 の 下 刈 り ( 年 1 回 )、 遊 歩 道 の 刈 払 い ( 年
4 回 )、 倒 木 処 理 ( 随 時 ) な ど の 管 理 業 務 を 実 施 し ま し た 。
・
東 北 自 然 歩 道 と し て 整 備 さ れ て い る 「 ミ ズ バ シ ョ ウ の み ち 」( 和 賀 町 山 口 地 区 )、「 桜 と つ
つ じ の み ち 」( 国 見 山 ) に つ い て 、 維 持 管 理 業 務 ( 刈 払 い ) を 3,500m 2 実 施 し ま し た 。
・
憩いの森において、野鳥の水飲み場や給餌台、巣箱等の設置及び補修を実施しました。
〇体験学習の場としての利用
生 活 環 境 保 全 林 内( 男 山 周 辺 )で「 夏・冬 の わ ん ぱ く 自 然 教 室 」を 開 催 し 、ク イ ズ や ゲ ー
ム 等 に よ り 、 自 然 や 森 林 の 知 識 や 役 割 、 大 切 さ を 学 ぶ 機 会 を 提 供 し て い ま す 。 平 成 21年 度
は 、 冬 の わ ん ぱ く 自 然 教 室 は 未 実 施 で し た が 、 夏 の わ ん ぱ く 自 然 教 室 は 親 子 33組 77人 ( 親
子 組 : 前 年 比 20組 減 ) が 参 加 し ま し た 。
■わんぱく自然教室(夏)
- 63 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
■身近な自然環境の保全・活用
〇身近な自然とのふれあい
北上市憩いの森において、木工体験館、キャンプ場、アスレチック施設などを整備し、
施 設 行 事 等 の 開 催 に よ り 利 用 の 拡 大 を 図 っ て い ま す 。 PR活 動 の 結 果 、 平 成 21年 度 の 年 間 利
用 者 数 は 、 65,012人 ( 前 年 度 比 + 11,281人 ) と な っ て い ま す 。
( 関 連 ☞ P 60 土 地 公 有 化 な ど に よ る 保 全 を 参 照 し て く だ さ い )
〇里山における人と自然とのふれあい
多 く の 人 々 が 北 上 の 自 然 と ふ れ あ え る 機 会 を 充 実 さ せ る た め 、 市 町 村 、 JA、 JR等 で 構 成
されている「岩手県グリーンツーリズム推進協議会」に参加し、グリーンツーリズムの啓
発 活 動 を 行 っ て い ま す 。 平 成 21年 度 は モ デ ル 事 業 と し て 、 市 民 を 対 象 と し た 農 業 体 験 交 流
を5地区で実施しました。
■そば打ち体験
■小豆缶詰め作り体験
ワンポイント解説
1
グリーンツーリズム
都 市 の 住 民 が 農 山 漁 村 な ど に お い て 、農 林 漁 業 体 験 や そ の 地 域 の 自 然 ・ 文 化 に 触 れ 、地 元 の 人 々 と の 交 流 を
楽 し む 滞 在 型 の 余 暇 活 動 の こ と で 、い わ ば“ 田 舎 暮 ら し を 体 験 す る 旅 ”の こ と で す 。長 期 バ カ ン ス を 楽 し む こ
と の 多 い ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 で 普 及 し た 旅 の ス タ イ ル で す が 、都 市 に 住 む 人 々 に と っ て は 自 然 と 触 れ 合 う こ と で 心
に ゆ と り を 持 て る よ う に な る 旅 で あ り 、農 山 漁 村 に と っ て は 地 域 の 活 性 化 に つ な が る 旅 と し て 、日 本 で も 最 近
“新しい旅のカタチ”として関心を集めています。
グ リ ー ン ツ ー リ ズ ム と い っ て も 決 ま っ た 形 の も の は な く 、日 帰 り の 体 験 か ら 農 家 等 に 長 期 民 泊 し な が ら 作 業
体験をするといった形態まで様々あります。
定 年 期 を 迎 え る“ 団 塊 の 世 代 ”の 田 舎 暮 ら し へ の ニ ー ズ の 高 ま り を 背 景 に 各 地 で 動 き が 活 発 化 し て い る 一 方
で 、既 存 ス ト ッ ク や 地 域 資 源 を 活 用 し た 魅 力 あ る 交 流 拠 点 の 整 備 な ど 、農 山 漁 村 に お け る 受 入 体 制 の 整 備 、取
組の中心となる人材の育成確保が課題となっています。
- 64 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
■水辺とのふれあいの場の確保
〇親水施設の整備/魅力ある水辺空間づくり
た め 池 整 備 事 業 に よ り 、田 畑 や 林 野 の 保 全 を 図 っ て い ま す 。平 成 21年 度 は 、新 田 北 堰 に つ
い て 85m を 整 備 し 、 整 備 延 長 は 423m と な り ま し た 。
■人材の育成
〇指導者の育成
・
森林インストラクターの育成制度について、募集要項等を関係機関に周知し、人材の育
成 ・ 活 用 を 図 っ て い ま す 。 平 成 21年 度 末 現 在 、 1 名 が 登 録 さ れ て い ま す 。
・
市等が主催する自然散策会等において、県の環境アドバイザー派遣制度を積極的に利用
し て い ま す 。 平 成 21年 度 の 実 績 は 、 自 然 散 策 会 ( 北 上 市 主 催 : 参 加 者 26名 ) 及 び 自 然 探 索
会 ( 和 賀 川 の 清 流 を 守 る 会 主 催 : 参 加 者 16人 ) と な っ て い ま す 。
( 詳 細 ☞ P 94 自 然 観 察 イ ベ ン ト の 開 催 を 参 照 し て く だ さ い )
( 詳 細 ☞ P 100 「和 賀 川 の 清 流 を 守 る 会 」事 業 内 容 を 参 照 し て く だ さ い )
・
夏油高原温泉郷を中心としたエコツーリズムを発展させるため、夏油高原インタープリ
タ ー の 会 19名 に よ る 夏 油 三 山 を 中 心 と し た ガ イ ド を 行 っ て い ま す 。 平 成 21年 度 は 、 登 山 、
ト レ ッ キ ン グ 、 ス ノ ー シ ュ ー ハ イ キ ン グ 等 の イ ベ ン ト を 8 回 開 催 し 、 延 べ 参 加 者 は 163人 と
なっています。
■紅葉トレッキング
■スノーシューハイキング
- 65 -
第3章
2-3
北上市環境基本計画の進捗状況
森林・農地の保全と活用
( 1 ) 環 境 指 標 ( 数 値 目 標 ) の 進 捗 状 況 ( ※ 進 捗 状 況 欄 の 見 方 は 、 P 38の 注 を 参 照 し て く だ さ い )
環境項目
保 安 林 面 積 (民 有 林 )
人 工 造 林 面 積 (国 有 林 を含 む)
森 林 面 積 (国 有 林 を含 む)
林 業 研 究 グループ登 録 人 数
減農薬栽培面積
休耕地面積
計画当初
現状値
年度
目 標 値 (H22)
進捗
状況
前年
比較
17
661ha
19
650ha
達成
増加
7,982ha
16
7,990ha
19
8,040ha
86.2%
減少
24,998ha
16
25,010ha
19
24,998ha
達成
減少
28人
17
15人
21
人 材 の育 成
―
―
594ha
17
771ha
21
拡 大 を図 る
―
増加
560ha
17
(560ha)
17
有 効 活 用 を図 る
―
―
現状値
年度
633ha
* 森 林 面 積 : 保 安 林 面 積 、 人 工 造 林 面 積 、 森 林 面 積 = 平 成 20年 度 版 ( 平 成 19年 度 ) 岩 手 県 林 業 動 向 年 報 よ り
* 休 耕 地 面 積 : 経 営 耕 地 面 積 の う ち 過 去 1 年 間 作 付 し な か っ た 田 ・ 畑 面 積 = 2005年 世 界 農 林 業 セ ン サ ス よ り
総括表
*保安林面積(民有林)
水 源 か ん 養 や 土 砂 流 出 防 備 等 の 保 安 林 面 積 は 、 平 成 19年 度 ま で に 28ha増 加 し 、 661haと な っ
ています。
今 後 も 保 安 林 制 度 の 仕 組 み に つ い て 林 業 座 談 会 等 を 通 じ て 紹 介 す る な ど 、森 林 の 公 益 的 機 能
を維持・向上するため、保安林の適正な配備を推進します。
*人工造林面積、森林面積(国有林を含む)
平 成 19年 度 の 国 有 林 、民 有 林 を 合 わ せ た 人 工 造 林 面 積 は 、平 成 18年 度 か ら 5ha減 小 し 、7,990ha
と な り ま し た 。 ま た 、 森 林 面 積 も 平 成 18年 度 か ら 6ha減 小 し 、 25,010haと な り ま し た 。 森 林 の
機能的維持・向上を目指し、計画的整備を推進していきます。
*林業研究グル-プ
市 内 の 林 業 研 究 グ ル ー プ は 、平 成 17年 度 で 1 団 体 が 解 散 と な り 、平 成 21年 度 現 在 1 団 体( 熊
沢林業研究会/上門岡森林生産組合)のみとなっています。
適 正 な 森 林 育 成 等 に つ い て の 研 究 を 進 め る た め 、今 後 、県 及 び 森 林 イ ン ス ト ラ ク タ ー 等 と の
連携を推進し、森林に対する人材の育成を図ります。
*減農薬栽培面積、休耕地面積
市 で は 、JAい わ て 花 巻 と 連 携 し 、営 農 座 談 会 等 を 通 し て 減 農 薬 栽 培 の 普 及 促 進 を 図 っ て い ま
す 。平 成 21年 度 の 減 農 薬 栽 培 面 積 は 平 成 20年 度 か ら 98ha増 加 し ま し た 。今 後 も 水・土 壌 環 境 及
び生態系への影響を軽減するため、更なる栽培面積の拡大を図る必要があります。
ま た 、 平 成 17年 度 の 休 耕 地 面 積 は 約 560ha( 2005年 農 林 業 セ ン サ ス ) で 、 そ の 内 訳 は 田 が
494.6ha、畑 が 65.8haと な っ て い ま す 。地 域 農 業 の 担 い 手 と な る 意 欲 的 な 農 業 後 継 者 の 育 成( 新
規 就 農 者 : 12人 / H21) 等 に よ り 、 休 耕 地 の 有 効 な 活 用 を 図 っ て い く 必 要 が あ り ま す 。
ま た 、今 後 よ り 一 層 、農 業 が 魅 力 あ る 職 業 と し て 選 択 さ れ る よ う に 、「 技 術 」「 資 金 」「 農 地 」
等条件面の整備を進める必要があります。
(2)環境施策の実施状況
【基本方針】
林業施業の計画的な整備を行い、森林の持つ様々な公益的機能の維持・向上に努めます。
また、農業生産基盤となる優良農地の保全や遊休農地の有効活用を図るとともに、環境保全
型農業を推進し、農地が本来持つ多用な環境保全機能の維持・向上を図ります。
- 66 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
【 平 成 21年 度 実 施 状 況 】
■森林の環境保全機能の維持・向上
〇適正施業による森林の整備
・
間伐等森林の維持管理を実施し、適正な森林整備を推進するため、林業座談会等で造林
事 業 制 度 の 仕 組 み を 紹 介 し て い ま す 。 平 成 21年 度 の 座 談 会 参 加 者 は 89人 ( 9 会 場 ) と な っ
ています。
・
森林の有する多面的な機能を総合かつ高度に発揮させるため、各機能の充実と機能間の
調 整 を 図 り な が ら 、 市 有 林 の 下 刈 、 間 伐 等 の 維 持 管 理 事 業 を 実 施 し て い ま す 。 平 成 21年 度
の 市 有 林 造 成 事 業 面 積 は 、 13haと な っ て い ま す 。
・
民有林の公益的機能別施業等森林のゾーニングを行っています。森林面積は3つの類型
機 能 別 に 「 水 土 保 全 林 」 5,596.76ha、「 森 林 と 人 と の 共 生 林 」 212.62ha、「 資 源 の 循 環 利 用
林 」 1,161.22haと な っ て い ま す 。
これらの機能ごとに応じた森林整備の推進と活用を図るため、民有林の下刈、間伐等の
維持管理事業を実施しています。市では造林事業を行った民有林の所有者に対し「北上市
造 林 補 助 金 交 付 事 業 」 に よ り 補 助 金 を 交 付 し て い ま す 。 平 成 21年 度 の 民 有 林 造 成 支 援 事 業
面 積 は 、 58.83haと な っ て い ま す 。
・
森林の荒廃を防ぐため、森林所有者の計画的整備に対し「森林整備地域活動支援交付金」
を 交 付 し 支 援 を 行 っ て い ま す 。平 成 21年 度 の 支 援 実 績 は 6 団 体( 242.5ha)と な っ て い ま す 。
・
森 林 病 害 虫 防 除 事 業 ( 松 食 い 虫 対 策 ) と し て 、 焼 却 ( 34.87㎥ )・ く ん 蒸 ( 2,093.13㎡ )
等 を 実 施 し て い ま す ( 春 4 ~ 6 月 、 冬 12~ 3 月 )。
〇保安林の適正配備の推進
森林の水源かん養や大気の浄化、洪水・土砂流出等の災害を防ぐ公益的機能の維持・向
上を図るため、林業座談会を通じ保安林制度について周知を図っています。
■ 平 成 19年 度 保 安 林 指 定 面 積 ( 民 有 林 )
指 定 面 積 (ha)
水源かん養
土砂流出防備
土砂崩壊防備
466
173
17
防
風
4
なだれ防止
1
保
健
( 32)
計
661
※()は兼種指定面積
■農地の環境保全機能の維持・向上
〇「農地法」の適正な運用
食料の生産基盤である優良農地の確保と有効利用の促進を図るため、毎年農地パトロー
ルを実施し、遊休農地の実態把握と発生防止、農地の違反転用発生防止対策につなげてい
ます。
- 67 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
〇農地の利用集積促進
・
農業従事者の高齢化、兼業化による農地の荒廃を防止し、農地の有効かつ効率的な利用
を図るため、地域担い手農家への利用権(田・畑の貸借)の設定及び農作業委託による農
地 集 積 を 実 施 し て い ま す 。平 成 21年 度 の 利 用 権 の 設 定 は 79ha、作 業 受 委 託 は 1,194haで し た 。
しかしながら、地域担い手農家も高齢化傾向にあるため、今後は利用権の継続・再設定
が難しくなることが懸念されます。地域(集落)単位営農を推進するため、ほ場整備など
面的整備を促進していきます。
・
下 門 岡 、 黒 岩 、 江 釣 子 及 び 更 木 の 各 地 域 に お い て 、『 経 営 体 育 成 基 盤 整 備 事 業 ( 大 区 画 ほ
場 整 備 )』 を 年 次 計 画 に よ り 実 施 す る と と も に 、 地 区 内 に お け る 農 業 担 い 手 の 育 成 、 確 保 、
農 地 利 用 集 積 の 促 進 を 図 っ て い ま す ( 平 成 8 ~ 24年 度 )。
・
農業経営基盤強化促進法に基づき、効率的かつ安定的な農業経営を営む者が農業生産の
相当部分を担う農業構造を確保するため、それら農業経営に対する農用地の利用集積を推
進しています。
〇里山の保全と活用
憩いの森において、木工体験館やキャンプ場、アスレチックなどの施設整備を行いまし
た。憩いの森では季節に応じて各種イベントが開催されており、PR活動を進めた結果、
平 成 21年 度 の 利 用 者 数 は 前 年 度 か ら 11,281人 増 加 し 、 65,012人 と な り ま し た 。
ま た 、 平 成 21年 度 は 3 名 の 職 員 を 半 年 間 雇 用 し 、 地 域 の 山 林 の 所 有 者 を ま と め た マ ッ プ
の作成、草刈りや枝打等の里山整備を行いました。
〇多様な担い手の育成
・
農産物価格の低迷や生産資材の高騰等により所得が伸び悩み、農業離れの増加が懸念さ
れ て い ま す 。 こ の た め 、 農 業 が 魅 力 あ る 職 業 と し て 選 択 さ れ る よ う 「 技 術 」「 資 金 」「 農 地 」
等 、 条 件 整 備 の た め の 支 援 を 行 っ て い ま す 。 平 成 21年 度 は 、『 い わ て 希 望 農 業 担 い 手 応 援 事
業 』 に よ り 、 牛 舎 、 パ イ プ ハ ウ ス な ど の ほ か 、 機 械 ・ 施 設 整 備 費 等 16,246千 円 の 支 援 や 技
術等の情報提供を行い、生産力の向上、生産コストの削減を図っています。
・
農 地 や 農 業 用 水 等 の 資 源 や 、 環 境 の 適 切 な 保 全 と 質 的 向 上 を 図 る た め 、『 農 地 ・ 水 ・ 環 境
保 全 向 上 対 策 事 業 』に よ り 、農 業 者 だ け で な く 、地 域 住 民 や 学 校 、PTAな ど も 含 め た 活 動 組
織に対して支援を行っています。
平 成 21年 度 の 実 績 は 、 市 内 28地 区 ( 5,999ha) で 共 同 活 動 ( 草 刈 り 、 水 路 補 修 等 )、 4 地
区で高付加価値物(口内米、二子里芋等)の生産普及営農活動を行いました。
〇遊休農地の活用
市 で は 農 地 の 荒 廃 を 防 止 す る た め 、 遊 休 農 地 を 市 民 農 園 と し て 活 用 し て い ま す 。 平 成 21
年度は上野町で整備を行いました。
- 68 -
第3章
北上市環境基本計画の進捗状況
■環境保全型農業の促進
〇環境保全型農業の普及
・
JAい わ て 花 巻 で は 、営 農 座 談 会 で 農 薬 の 安 全 使 用 を 指 導 し 、減 農 薬・減 化 学 肥 料 栽 培( 特
別 栽 培 米 、基 本 栽 培 米 )を 推 進 し て い ま す 。平 成 21年 度 の 栽 培 実 績 は 、特 別 栽 培 米 が 771ha、
基 本 米 栽 培 ( 農 薬 10成 分 ・ 有 機 質 入 り 肥 料 ) が 3,119haと な っ て い ま す 。
( 関 連 ☞ P 49 農 薬 ・ 化 学 肥 料 の 適 正 使 用 を 参 照 し て く だ さ い )
・
岩手県では、減農薬栽培など環境にやさしい栽培技術の実践者をエコファーマーとして
認 定 し て い ま す 。 市 内 に お け る 平 成 21年 度 の 認 定 者 は 243名 ( 新 規 認 定 者 数 は 水 稲 6 名 、 ト
マト2名、キャベツ2名、キュウリ2名、ホウレンソウ1名、枝豆1名、リンゴ4名)と
なっています。
〇良質堆厩肥の供給促進
・
家畜排泄物の堆肥化を促進し、畜産経営に起因する環境汚染の防止及び良質堆肥の利用
を図るとともに、耕畜連携により、堆肥の供給促進を図りながら、環境保全型農業の確立
を推進するため、
『北上市地域循環型土づくり支援事業』
( 堆 肥 購 入 費 用 の 1 /3 以 内 を 助 成 )
に よ り 、 堆 肥 投 入 に よ る 土 づ く り を 支 援 し て い ま す 。 平 成 21年 度 は 、 こ の 補 助 制 度 に よ り
1,412.04t の 堆 肥 投 入 が 行 わ れ ま し た 。
■市民意識の高揚
〇啓発活動の推進
・
■きたかみ農業フォーラムの基調講演
北上市農業委員会では、市民や農業者等を対象
とした「きたかみ農業フォーラム」を開催し、農
業者表彰をはじめ、基調講演や活動事例発表等を
行うなど、担い手等の農業意欲の増進と地域農業
の振興を図っています。しかし、予算が縮小され
るなかでの実施は困難になりつつあり、関係機関
や団体との間で実施する方向を検討していくこと
が 今 後 の 課 題 で す 。 平 成 21年 度 の フ ォ ー ラ ム 参 加
者 は 347人 と な っ て い ま す 。
・
森林に親しみ、森林保護、緑化推進への理解を
広める目的で、緑化まつり(春秋各1回)を開催
し 、 市 民 に 緑 化 木 を 配 布 し て い ま す 。 平 成 21年 度
の 参 加 人 数 は 約 800人( 2 回 合 計 )と な っ て い ま す 。
- 69 -
■緑化まつりの様子