メールマナー

1. 読みやすいeメールを書く
手書きの場合であれば、文字を丁寧に書いたり、大きめの文字にしたりすると読みやすくなりますが、
eメールでは、相手が読む機器の状態を考慮して作成する必要があります。
たとえば、左のようなメールを受信して読み
やすいと言えるでしょうか?
何だか読む気がしなくなりませんか?
印刷物と違い、eメールはモニター画面で読
むわけですから、文字がビッシリと並んでいる
と、大変読みにくいものです。
長文のeメールは、左図のように、段落や話
題の変わるポイントに空白行を入れることで、
ずいぶん読みやすくなります。
また、1行あたりの文字数にも気を配ると、
なお、読みやすくなります。
それは、すべての人が自分とまったく同じ環
境でeメールを受信しているとは限らないから
です。
使用しているメールソフトが異なるかもしれ
ませんし、例え同じソフトでも、ウインドウの
幅が違っている場合もあります。
送り手と受け手では、1行で表示できる文字数
が違うことを考慮しなければなりません。
皆さんは左図のようなメールに出会ったこと
はありませんか?
多くのメールソフトは、ウインドウの右端で
文字を折り返して表示しますので、eメール作
成時に中途半端な位置で改行してしまうと、受
け手の環境によっては、このように読みにくく
なってしまいます。(メールソフトによっては、
右端で折り返さずに、はみ出した文字が隠れて
しまうこともあります。)
受け手がどのような環境でeメールを閲覧し
ているかを想定することは難しいので、何文字
で改行すべきか、一概には言えないのですが、
一般的には、35文字(全角)程度で改行してお
けば読みやすくなるとされています。
■ワンポイント
1) 話題が変わったら、空白行を入れる。
2) 本文は、35文字ぐらいで改行する。
2. わかりやすい件名にする
多くのeメールソフトでは、受信したeメールは件名が一覧表示される仕組みになっていて、本文は件名を指
定(クリックやダブルクリック)して初めて読むことが可能です。もし件名が「こんにちは」や「お世話になっ
ております」だった場合、件名だけでは本文の内容がわかりません。これでは、後で読みたくなった時に、目的
のeメールを探すのがとても不便です。
ずいぶん前に受信したeメールを探すのに件名でソートして
「こんにちは」がズラッと並んで、ウンザリとした経験はありませんか?
送り手のちょっとした不注意で、受け手に余計な手間をかけてしまうこともあるのです。
件名は、そのeメールの内容が一目でわかるように工夫しましょう 。「次回会議の日程について 」「連絡先変
更のお知らせ 」「企画書の件、訂正願います」などなど、eメールの内容を要約するとわかりやすい件名になり
ます。
ただし、件名が長くなりすぎるのもかえってわかりにくくなります。
メールソフトの表示欄から文字があふれないように、件名は、なるべく簡潔にまとめる工夫をしましょう。
その他、
重要なeメールには【重要 】、すぐに返事がほしいときには★至急★など、目立つキーワードを記号で囲って件
名に入れておくのも効果的です。eメールソフトには重要度を設定する機能がありますが、そのeメールが受け
手のeメールソフトでどのように表示されるかはわかりませんので、件名そのものにキーワードを入れると確実
です。
■ワンポイント
1) 一目で内容がわかる件名にする。
2) 長すぎる件名は ×
3) 【重要】、★至急★ などのキーワードで一工夫をする。
3. 署名は忘れずにつける
署名(シグネチャー:Signature)とは、eメールの末尾に名前やeメールアドレスなどの個人情報を記した部
分を指します。特に義務づけられているわけではありませんが、いわば名刺のようなものですから、署名を付け
ることはeメールのマナーとされています。
[署名の例1]
******************************
山口和也 Kazuya Yamaguchi
eメール [email protected]
******************************
署名には、特に決まった形式はありませんが、プライベートで用いる署名には、名前とeメールアドレスだけ
を明記することが一般的です。しかし、ビジネスで用いる場合は、社名(学校名)や住所、電話やFAX番号まで
付けることが多いようです。
次の例は、プライベートで用いる署名です。名前とeメールアドレスのほかに、自分のホームページを開設し
ている場合は、ホームページのURLを付け加えることもあります。
なお、ごく身近な相手を除いて、住所や電話番号のような個人情報を署名に明記することは避けましょう。
[署名の例2]
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
山口和也
[email protected]
ヤマカズWEB http://yamakazu.net/
一方、ビジネスで用いる署名には、社名や部署名、会社住所、電話やFAX番号まで明記しましょう。ビジネス
における連絡手段はeメールだけではありません。受け手がeメール以外の手段であなたに連絡できるように、
住所や電話番号といった情報も必要です。
[署名の例3]
====================================
株式会社 いきいきシステム 営業部
山口和也 [email protected]
〒123-0001 東京都品川区北品川4-9-19
TEL 03-1234-5678 / FAX 03-1234-5679
====================================
また、記号を使って署名に飾り付けをすると、本文との違いが明確になり、わかりやすいeメールになります。
●□▲※などの記号(種類に注意)を工夫して、見やすく楽しい署名を考えてみましょう。ただし、長すぎる署
名は本文を読みづらくしてしまうので、5行程度にまとめましょう。
[署名の例4]
♪
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
ヤマカズ <[email protected]>
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
■ワンポイント
1) 本文の末尾には署名をつける。
2) 相手に応じて署名の内容を使い分ける。
3) うっかり個人情報を明記しないように注意(スパムメール対策)
4. 返事の書き方
一般的なeメールソフトでは「返信」ボタンを押すと、件名が「Re:○○○○(もとの件名)」となります。こ
のRe:には「~に関して(Related)」といった意味が含まれています。
また、本文は「>」付きでそのままコピーされます 。「>」は引用を表す記号ですから、ここに自分のメッセー
ジを挿入して返事を書きます。
返信時は、なるべくならもとの件名を書き換
えず、
「 Re:」を付けるだけにしておきましょう。
こうすることで、受け手は返信があったことが
一目でわかります 。(毎日多くのeメールをやり
取りする人にとっては、件名を書き換えられな
い方がわかりやすい。)
ただし、eメールのやり取りをしているうちに、
最初の件名とは違う話題になることがります。
このような場合は、件名を書き直すとわかりや
すくなるでしょう。( 臨機応変に考えましょう。)
eメールソフトの「返信」ボタンを押すと、全文を引用した状態になりますが、長文をダラダラと全文引用す
るのは避けましょう。必要な部分だけを残して、返事のメッセージを挿入するとわかりやすいeメールになりま
す。
もちろん、相手のメッセージを勝手に書き換
えてはいけません。引用部分の編集は、改行位
置の調整ぐらいにとどめておきましょう。たと
え誤字脱字があっても、編集しないのがマナー
です。
■ワンポイント
1) 「Re:」や「>」はeメールの習慣
2) 返信時の件名はなるべく書き換えない。
3) 本文は部分的に引用しよう。
5. 使ってはイケナイ文字
下の図は、Windowsで作成したeメールをMacで受信したときの様子です。
箇条書きの番号に該当する部分が、Macでは違う文字に化けています。
※Windowsから送信
※Macで受信
これは 、「機種依存文字」と呼ばれる文字を使ってしまったことが原因です。ほとんどの文字は、Windowsで
もMacでも同じ文字として表現されるのですが、マル数字やローマ数字などの一部の文字は、違う文字に置き換
わってしまいます。
eメールでは相手が使っているパソコンのOSを特定できないので、機種依存文字は使わないようにしましょう。
■代表的な機種依存文字を知っておきましょう。
㈱ や ℡ 記号は機種依存文字です。
これらは記号を使わず、「(」「株」「)」、「T」「E」「L」と
一文字ずつ入力しましょう。
このほか携帯電話の絵文字も機種依存文字です。
■ワンポイント
1) 機種依存文字を使わないように。
2) 代表的な機種依存文字を知っておく。
3) 携帯電話の絵文字も使わないように。
6. 返事はこまめに
eメールは、受け取った相手が、そのeメールを読んだかどうかを確認する方法がありません。eメールを出し
た人は、相手がメールを読んでくれたかどうかを気にしているはずです。何日も返事が来なければ 、「どうした
んだろう?」と心配しているかもしれません。内容が重要なら、なおさらのことです。
eメールの返信は必ず行いましょう。
ビジネス上の連絡なら、当日の返事ならば理想的ですが、遅くとも3日以内に返事をするべきです。
旅行や出張、またはパソコンの修理などでしばらくeメールのチェックができないときは、得意先や親しい友
人などにeメールのチェックができないことを、事前に知らせておくと良いでしょう。その際に、電話番号など
緊急の連絡先や、次にメールチェックするのはいつになるのかも伝えておきましょう。
また、最近では、一人で複数のメールアドレスを持つことはめずらしくなくなりましたが、一度誰かに伝えた
メールアドレスは、チェックをおこたらないように注意しましょう。
■ワンポイント
1) eメールの返事はこまめに。
2) メールチェックが長期間できない場合は連絡を!
3) 人に伝えたアドレスは必ずチェックする。
7. ファイル添付の注意点
ファイル添付は、便利で気軽に利用できる反面、不用意に大きいサイズのファイルを添付した結果、受け手に
迷惑をかけてしまうことがあります。
数MB(メガバイト)もある、巨大なサイズのファイルを添付すると、受信するのに膨大な時間がかかったり、
正常に受信することができず、受け手のeメールサービス自体に障害を与えてしまうケースもあります。
最近のブロードバンドの普及により、以前ほど添付ファイルのサイズを気にしなくなったことは事実ですが、す
べてのインターネット利用者がブロードバンド接続とは限りません。一般的に、合計で 1MBを超えるファイルを
添付する場合は、あらかじめ送っていいものかどうかを確認することがマナーとされています。
デジタルカメラの高画質化にともない、写真画像1枚あたりのファイルサイズが1MBを超えることもめずらしく
ありません。高画質の画像は、キレイに印刷することができる反面、eメールに添付するにはファイルサイズが
大きすぎます。
印刷目的ではなく、eメールに添付することがあらかじめわかっているなら、デジタルカメラの撮影モードを
低画質に切り替えて撮影するか、画像処理ソフトでリサイズしてから添付するようにします。
また最近では、動画や音声ファイルを扱う機会が増えてきました。動画や音声ファイルは、画像ファイル以上
にサイズが大きくなりがちですから、気軽にeメールに添付することは避けましょう。なるべくなら、CD-Rなど
の記憶媒体に保存して、受け渡しすることをオススメします。
■ワンポイント
1) 1MB以上のファイルを添付する場合は要確認。
2) 写真画像は低画質にするか、リサイズをする。
3) 動画や音声ファイルは添付しない。
8. フレームウォーに気をつける
こんなやりとり、見たことありませんか?
「○○とあるが、これは全く理にかなっておらず議論にもならない。」
「私の意見を頭ごなしに否定しているだけで、あなたの人間性を疑う。」
「理論的に間違っていると指摘したままで、人の意見を聞かないのはあなたのほうだ。」
........
上のような発言は、実際の会議の席などで、よほどの事がない限り、ここまでの喧嘩になることはありません。
しかし、eメールの世界、特に複数 対 複数でコミュニケーション、メーリングリストやネットニュース上で、
このような喧嘩は希ではありません。
これを、Frame war (フレームウォー) と言います。このようなフレームウォーはなぜ起こるのでしょうか?
その理由として、eメールは言葉だけのコミュニケーションであるということです。そのため、何気なく、軽
いつもりでeメールに書いたことが相手には中傷に思えたり、その不快感を表すと、さらに強く非難されている
ように思えたりと、ちょっとしたことからエスカレートしてしまいます。
また面と向かっていないので、言いやすいということもあります。その結果、フレームウォーが起きてしまい
ます。
このような事態を防ぐためには、まずフレームウォーには近づかないことです。複数 対 複数のメーリングリ
ストでも、だいだいは、そのなかの特定の二人によって行われることが多いようです。かなり熱くなっていると
きに、仲裁のつもりで入ったのが、自分も中傷に合い、フレームウォーに参加してしまうことがあるのです。
他人とメールで議論をしようと思うときは、書いたものをすぐに送らずに、もう一度じっくり読み返してから
送るようにしましょう。
そして、相手の間違いを指摘するときは、特に注意しましょう。
これらのフレームウォーは、誰か一人の挑発したがる性格の人によって引き起こされることが多いようです。
しかし、他人が淡々とこの挑発を受け流せば、すぐに収まります。
電脳社会でも、お互いをよく理解しようとする気持ちが必要です。
■ワンポイント
1) フレームウォーには近づかない。
2) 送信する前に読み返す。
3) 挑発は受け流す。
9. フェイスマークの利用
文字ベースのコミュニケーションでは、個々の情報を伝えにくく、言葉を発したシチュエーションも相手には
伝わりにくいものです。そのために、あらぬ誤解が生じたり、中傷 誹謗が飛び交うこともあります。
このようなとき便利なのがフェイスマークです。
顔の見えないインターネット上で私たちの顔の代わりとなり、感情や様子を記号で表すことができるメリット
があります。
実際にどのように使うのか、例を上げながら見てみましょう。
フェイスマークの例
にっこり、笑顔
(^。^)
(^_^)
(^0^)
(^^)
泣く、しくしく
(:_;)
(Τ_Τ)
ぽりぽり、冷や汗
(^^ゞ)
(^^;)
ぺこり、すみません
m(_ _)m
<(_ _)>
ばいばい、さようなら
(^^)/~~~
(^_^)ノ"
ウインク
(^_-)
(^_-)-☆
え?
(- ;)
(?-?)
わーい、ばんざい
\(^0^)/
困った、うーん
/(-_-)\
びっくり、マジ?、キャー!
(@_@)
(*_*)
居眠り
゚zzZ
(-_-)zzz
ぽっ
(#^_^#)
むかっ
(`-´)
ちゅっ、キス
☆-(^ε^) (^。^)チュッ (^*^)
反省
\(-- )
メモ
(.- .)φ
φ(..)メモメモ
すすす
((((((^_^;)
((((((゚ ゚;)
(o.;)
(-_-;)
(..;)
(0.0;)
\(^_^)/
(>_<)
(*^0^*)
(`-´)メ
(◎_◎)
(●^_^●)
(-_-#)
(--,)/~~ハンセイ
それぞれの文脈に合わせて自分の気持ち 状況を伝えるものですから、特に決まった使い方はありません。
フェイスマークは会話をよりリアルにしてくれるためのものですから、「自分らしさ」 が相手に伝われば良いの
です。
■ワンポイント
1) 一般にメールでは、強い口調になりやすい。
2) 人の気持ちを動かそうとするときには、フェイスマークを使う。
3) 「自分らしさ」を伝える。
10. チェーンメールは送らない
不特定多数の人に対し、再送を促すメールをチェーンメールと言います。チェーンメールの内容はウイルスの
警告文や人の感情的な部分に訴えてくる内容がほとんどですが、それらの多くはデマです。
たとえ親切心から転送したとしても、受け取った相手にはいい迷惑です。
チェーンメールの例
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********** 警告 **********
この 2,3 日で新種のウイルスがネット上に
現れました。
"Returned or Unable to Deliver" と
書いてあるメールは
いかなるものも開いたり、見ないでください。
このウイルスは、コンピューターコンポーネントに
取り付き、これらを使えなくしてしまいます。
上記のように書いてあるメール項目は、
いかなるものもすぐに開かずに削除してください。
AOL によると、このウイルスは危険である上、
現在、治療法が無いそうです。
気をつけてください。
そして、あなたのオンラインフレンドに
できるだけ早く知らせてあげてください。
この文書をできるだけ早く回してください。
以上
これはウイルスの警告を促すチェーンメールです。
内容はどうあれ 「できるだけ早く多くの人に転送してください」などの文句があっても、絶対に転送しないがメ
ールマナーです。
■ワンポイント
1) チェーンメールであることを文脈から読みとる。
2) チェーンメールの発信者にならない。
(参考資料) 「eメールマナー講座」http://www.iki.point.ne.jp/manner/
「メールマナー講座」
http://www.fujieda.ssu.ac.jp/~f0021098/