JP 2007-330177 A 2007.12.27 (57)【 要 約 】 【課題】ビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を選択的に増加させ、有害細菌であるバクテ ロイデス フラジリス(Bacteroides fragilis)、ユーバクテリウ ム アエロファシエンス(Eubacterium aerofaciens)の増加を 抑制する腸内細菌賦活剤の提供。 【解決手段】セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、 セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼30質量%含み、 グルコース含量が2質量%以下である腸内細菌賦活剤。 【選択図】なし (2) JP 2007-330177 A 2007.12.27 【特許請求の範囲】 【請求項1】 セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタ オース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼30質量%含み、グルコース 含量が2質量%以下である腸内細菌賦活剤。 【請求項2】 セロビオース含量が95質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタ オース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼3質量%含むことを特徴とす る請求項1記載の腸内細菌賦活剤。 【請求項3】 10 ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium Ado lescentis)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacteri um Breve)、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactobacillus Acidophilus)、ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus C asei)、ラクトバチルス ガセリ(Lactobacillus Gasseri) から選ばれる1種以上を増加させ、バクテロイデス フラジリス(Bacteroide s Fragilis)またはユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubacte rium Aerofaciens)の増加を抑制する請求項1または2記載の腸内細菌 賦活剤。 【請求項4】 20 請求項1∼3のいずれかに記載の腸内細菌賦活剤を含有する医薬品。 【請求項5】 請求項1∼3のいずれかに記載の腸内細菌賦活剤を含有する食品。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、食品、医薬品分野において、腸内細菌賦活剤を提供するものであり、さらに 詳しくは、腸内の有害細菌に資化されず、選択的に有用細菌を賦活する腸内細菌賦活剤に 関するものである。 【背景技術】 30 【0002】 セロオリゴ糖は、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオー ス、セロヘキサオースの総称であり、グルコピラノース単位1∼6個が、β−1,4結合 した少糖類であり、ヒトの消化管では、ほとんど分解されない。 セロオリゴ糖は、低カロリー甘味料として有用であるのに加え、一般食品、機能性食品 、化粧品、医薬品およびその添加剤、その他化学変換原料、発酵原料としても有用である 。 また、近年、セロオリゴ糖は、他のオリゴ糖と同様に、その生理機能が明らかになりつ つあり、機能性食品の新素材としても期待されている(非特許文献1)。 【0003】 40 近年、腸内細菌叢が、ヒトの健康と密接に関わることが知られてきた。例えば、ビフィ ズス菌や乳酸菌等は、ヒトに健康をもたらす有用細菌であるが、加齢とともに減少するた め、プレバイオティクス(腸内細菌の栄養源となり、それらを増やす働きをもつもの)等 の機能性食品で腸内細菌叢(腸内フローラ)を改善する試みがなされ、ビフィズス菌、乳 酸菌を増殖させる既存の機能性食品は多い。 特に、上述のプレバイオティクスとしては、腸内の有用細菌のみを賦活し、有害細菌を 賦活しない選択賦活性が高いほど効率がよい。例えば、既存の試みとしては、有用細菌を 賦活しつつ、腸内の有害細菌としてウェルシュ菌であるクロストリジム パーフリンジェ ンス(Clostridium perfringens)を増殖抑制するものがある。 上述の、ビフィズス菌、乳酸菌を増加させ、且つウェルシュ菌を抑制する試みにおいて 50 (3) JP 2007-330177 A 2007.12.27 、β結合性のオリゴ糖に関するものを以下に記載する。 【0004】 特許文献1には、β−グルコシド結合からなるグルコオリゴ糖及び/又はその還元物を 有効成分とする腸内フローラ改善物質が記載されている。該文献に記載される、グルコオ リゴ糖は、セロビオース、ソフォロース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ゲンチ オオリゴシル−D−グルコースから選ばれた1種又は2種以上である。該オリゴ糖は、確 かに、ビフィズス菌及び乳酸菌等の有用細菌の増殖を促進しつつ、ウェルシュ菌の増殖を 抑制する効果を有する。 【0005】 しかしながら、ウェルシュ菌以外の有害細菌であるバクテロイデス フラジリス(Ba 10 cteroides Fragilis)、ユーバクテリウム アエロファシエンス(E ubacterium Aerofaciens)等を少なからず増加させる問題があっ た。尚、バクテロイデス フラジリス(Bacteroides Fragilis)、 ユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubacterium Aerofacie ns)は、嫌気性無芽胞グラム陰性桿菌であり、好気性菌との混合感染の形で、各種膿瘍 形成性感染症、菌血症等に関連する有害細菌である。上記文献の腸内フローラ改善剤は、 本発明の如く、ビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を増加しつつ、有害細菌であるバクテ ロイデス フラジリス(Bacteroides Fragilis)、ユーバクテリウ ム アエロファシエンス(Eubacterium Aerofaciens)の増加を 抑制する腸内細菌賦活剤とは全く異なる。 20 【0006】 従って、セロオリゴ糖の糖組成を特定の範囲に制御し、ビフィズス菌、乳酸菌等の有用 細菌を増加しつつ、有害細菌であるバクテロイデス フラジリス(Bacteroide s Fragilis)、ユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubacteri um Aerofaciens)の増加を抑制する腸内細菌賦活剤は全く知られていなか った。 【0007】 【 非 特 許 文 献 1 】 Cellulose Communications,5, No 2,91-97(1998) 【特許文献1】特開平3−262460号公報 【発明の開示】 30 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明の課題は、ビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を選択的に増加させ、有害細菌で あるバクテロイデス フラジリス(Bacteroides Fragilis)、ユー バクテリウム アエロファシエンス(Eubacterium Aerofaciens )の増加を抑制する腸内細菌賦活剤を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明者らは、特定組成のセロオリゴ糖を有効成分とする腸内細菌叢賦活剤が、腸内の 有用細菌を選択的に増加させ、有害細菌の増加を抑制できることを見出し、本発明をなす 40 に至った。 すなわち、本発明は、下記の通りの腸内細菌賦活剤である。 【0010】 (1)セロビオース含量が70質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペ ンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼30質量%含み、グルコ ース含量が2質量%以下である腸内細菌賦活剤。 (2)セロビオース含量が95質量%以上、セロトリオース、セロテトラオース、セロペ ンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼3質量%含むことを特徴 とする(1)の腸内細菌賦活剤。 (3)ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium A 50 (4) JP 2007-330177 A 2007.12.27 dolescentis)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacte rium Breve)、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactobacillu s Acidophilus)、ラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus Casei)、ラクトバチルス ガセリ(Lactobacillus Gasser i)から選ばれる1種以上を増加させ、バクテロイデス フラジリス(Bacteroi des Fragilis)またはユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubac terium Aerofaciens)の増加を抑制する(1)または(2)の腸内細 菌賦活剤。 (4)(1)∼(3)の腸内細菌賦活剤を含有する医薬品。 (5)(1)∼(3)の腸内細菌賦活剤を含有する食品。 10 【発明の効果】 【0011】 本発明の腸内細菌賦活剤は、腸内のビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を選択的に賦活 し、有害細菌であるバクテロイデス フラジリス(Bacteroides Fragi lis)、ユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubacterium Aero faciens)の増加を抑制するため、腸内細菌叢を改善する効果が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。 本発明は、腸内のビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を選択的に賦活し、有害細菌であ 20 るバクテロイデス フラジリス(Bacteroides Fragilis)、ユーバ クテリウム アエロファシエンス(Eubacterium Aerofaciens) の増加を抑制する腸内細菌賦活剤であり、それを達成する為、セロオリゴ糖中のセロビオ ース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオースの組成 、ならびにグルコース含量を特定範囲に制御されたものである。 【0013】 本発明のセロオリゴ糖は、セロビオースを70質量%以上含む必要がある。セロビオー スは、ビフィズス菌、乳酸菌に分類される有用細菌を増加させる効果があり、クロストリ ジウム属、エシェリキア属、バクテロイデス属、ユーバクテリウム属に属する有害細菌を 増加させない。ここでいう、ビフィズス菌とは、ビフィドバクテリウム属に属する有用細 30 菌のことであり、例えば、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidoba cterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bi fidobacterium breve)である。乳酸菌とは、ラクトバチルス属に属 する有用細菌のことであり、例えば、ラクトバチルス アシドフィルス(Lactoba cillus acidophilus)、ラクトバチルス カゼイ(Lactobac illus casei)、ラクトバチルス ガセリ(Lactobacillus g asseri)である。 【0014】 また、ここでいう、クロストリジウムとは、クロストリジウム属に属する有害細菌のこ とであり、例えば、クロストリジウム パーフリンジェンス(Clostoridium 40 perfringens、別名ウェルシュ菌、以下C.perfringens)であ る。エシェリキアとは、エシェリキア属に属する有害細菌のことであり、例えば、エシェ リキア コライ(Escherichia Coli、別名大腸菌、以下E.coli) である。バクテロイデスとは、バクテロイデス属に属する有害細菌のことであり、例えば 、バクテロイデス フラジリス(Bacteroides fragilis、以下B. fragilis)である。ユーバクテリウムとは、ユーバクテリウム属に属する有害細 菌のことであり、例えば、ユーバクテリウム アエロファシエンス(Eubacteri um aerofances、S−12株、E.aerofances)である。 【0015】 セロビオースは、特に、これらのうちB.fragilisに資化されない特徴がある 50 (5) JP 2007-330177 A 2007.12.27 。セロビオース含量が高いほど、C.perfringens、E.coliおよびB. fragilisの増加を抑制しつつ、ビフィズス菌、乳酸菌を賦活できるため好ましい 。セロビオース含量の好ましい範囲としては80質量%以上であり、95質量%以上が特 に好ましい。セロビオース含量が高いほど、上述の効果が大きくなる為、その上限は特に 設定されないが、簡便な操作で得られる範囲としては、99.9質量%以下である。 【0016】 本発明のセロオリゴ糖は、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セ ロヘキサオースから選ばれる1種以上を0.1∼30質量%含む必要がある。これらのセ ロオリゴ糖類は、ビフィズス菌、乳酸菌等の有用細菌を賦活する点で、セロビオースと同 等の効果を有する。但し、有害細菌の資化性については、セロビオースと異なり、特に、 10 E.aerofaciensに資化されにくい特長がある。セロトリオース、セロテトラ オース、セロペンタオース、セロヘキサオースから選ばれる1種以上の含量が高いほど、 E.aerofaciensの増加を抑制し、且つ、ビフィズス菌、乳酸菌を賦活できる ため好ましい。但し、この含量が高いと、B.fragilisの増加抑制の効果が小さ くなる。従って、ビフィズス菌、乳酸菌を選択的に賦活し、ウェルシュ菌、大腸菌に加え 、バクテロイデス、ユーバクテリウム等、いずれの有害細菌の増加を抑制するには、上述 の含量範囲を満たす必要がある。好ましい範囲としては、0.1∼20質量であり、より 好ましい範囲としては0.1∼5質量%であり、特に好ましい範囲としては、0.1∼3 質量%である。 【0017】 20 本発明のセロオリゴ糖は、グルコース含量が2質量%以下である。グルコースは、C. perfringens、E.coli、B.fragilis、E.aerofaci ensを増加させるため、有用細菌のみ選択賦活するには、グルコース含量は上述の範囲 を満たす必要がある。グルコース含量は、小さいほど選択賦活の効果が促進され、好まし い範囲としては1.5質量%以下であり、より好ましい範囲としては1質量%以下である 。下限は特に設定されないが、簡便な操作で得られる範囲としては、0.1質量%以上で ある。 【0018】 以下に、本発明の腸内細菌賦活剤におけるセロオリゴ糖、グルコース含量の分析法を記 す。本発明のセロオリゴ糖は、純水に1質量%濃度で溶解させた後、高速液体クロマトグ 30 ラフィー(クロマトグラフィーシステム:島津製作所(株)製 商品名 SCL−10A 、カラム:島津製作所製 商品名 Asahipak NH2 P−50、移動相:アセト ニトリル/水=75/25(容積比))で分析できる。セロオリゴ糖の糖組成は、上述の 方法で得られたクロマトグラムにおけるセロビオース、セロトリオース、セロテトラオー ス、セロペンタオース、セロヘキサオース、グルコースのピーク面積を質量換算し、総質 量に占める、それぞれの質量百分率で表される。 【0019】 本発明のセロオリゴ糖の腸内細菌叢改善効果は、以下の方法で確認できる。 まず、Peptone−Yeast−Fildes solution(PYF 日本 製薬製)培地に、本発明のセロオリゴ糖を0.5質量%添加した滅菌培地(pH7.2) 40 1.5mLを作成し、予め、Fildes solution添加GAMブイヨン培地( 日本製薬製 製品名GAMブイヨンにFildes solution0.4体積%を添 加)に、ビフィズス菌、乳酸菌、C.perfringens、E.coli、B.fr agilis、E.aerofaciensを別々に前培養しておいた供試菌液0.03 mLを接種し、37℃で96時間嫌気培養した後、pHを測定し資化性を判断する。該p Hが、5.5未満に下がっている状態で、該菌株がセロオリゴ糖を資化したと判断できる 。なお、pHは低いほど、該菌株の増殖が進むことを意味する。 【0020】 次に、本発明のセロオリゴ糖の製造方法について説明する。 本発明のセロオリゴ糖の起源には、特に制限はなく、セルロース系物質の加水分解で製 50 (6) JP 2007-330177 A 2007.12.27 造されたもの、グルコース等の単糖類またはその誘導体を縮合または糖転移させ製造され たものでもよいが、酵素分解法で得られたものが、安全性の点で好ましい。 【0021】 酵素分解に使用するセルロース系物質としては、植物性でも、動物性でもよく、例えば 、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、麦、稲、バクテリアセルロース 等の含有する天然物由来の繊維質物質、またそれらを一旦溶剤に溶解させ再生させた再生 セルロースでも、それらの化学処理を施しセルロース誘導体としたものでもよく、上記の うち、1種または2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶解または化学処理を経 ない、天然セルロース系物質を用いると、得られたセロオリゴ糖に人体に有害な溶剤また は化学物質が含まれないため好ましい。また、セルロース系物質は精製パルプの状態で使 10 用することが好ましく、パルプの精製方法には特に制限はなく、サルファイトパルプ、ク ラフトパルプ、NBKPパルプ等のいずれのパルプを使用してもよい。 【0022】 また、セルロース系物質を酵素分解する場合には、使用するセルロース系物質としては 、一旦加水分解し、平均重合度を700以下に部分加水分解したセルロース系物質を用い ると、セロオリゴ糖の収率を向上させる上で好ましい。さらに、該特定の重合度を有する セルロース系物質は、平均粒子径を100μm以下、コロイド状セルロース成分含有量を 10質量%以上に制御したものを用いることが、酵素分解速度の向上、セロオリゴ糖選択 率が向上するため好ましい。 【0023】 20 本発明では、セルロース系物質の加水分解に用いる酵素をセルラーゼといい、本発明で 使用するセルラーゼとは、セルロースを分解する酵素の総称であり、セルロースへの分解 活性を有していれば、本発明でいうセルラーゼに含まれる。セルラーゼ酵素源としては、 例えば、セルラーゼ産生生菌体そのもの、セルラーゼ産生菌が分泌する酵素を精製したも の、精製酵素を賦形剤、安定化剤等の添加剤ともに製剤化したもの等が挙げられる。セル ラーゼ製剤品の場合、それに添加される添加剤にも特に制限はなく、その剤形は、粉末、 顆粒、液体等いずれでもよい。 【0024】 セルラーゼの起源についても、特に制限はないが、例えば、公知のセルラーゼを生産す る微生物としては、トリコデルマ(Tricoderma)属、アクレモニウム(Acr 30 emonium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バチルス(Bac illus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペニシリウム(Pen icillium)属、アエロモナス(Aeromonus)属、イルペックス(Irp ex)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属、フミコーラ(Humico la)属、セロビブリオ(Cellovibrio)属等の「セルラーゼ」(講談社サイ エンティフィック発行(1987))、「セルロースの事典」(朝倉書店発行(2000 ))に記載される菌が生産するセルラーゼを挙げることができるが、セルロースを分解す る酵素であれば、上記公知の菌由来の酵素に限らず、新規の菌由来の酵素も、本発明のセ ルラーゼに含まれる。 【0025】 40 酵素分解方法は、公知の方法を使用すればよく、特に制限されるものではないが、一例 としては、セルロース系物質を水性媒体中に懸濁させ、セルラーゼを添加し、攪拌または 振とうしながら、加温して糖化反応を行う方法が挙げられる。 上記方法において、懸濁方法、攪拌方法、セルラーゼ・基質の添加方法・添加順序、そ れらの濃度等の反応条件は、セロオリゴ糖がより高収率で得られるよう適宜調整されるも のである。その際の、反応液のpH及び温度は、酵素が失活しない範囲内であればよく、 一般的には、常圧で反応を行う場合、温度は5∼95℃、pHは1∼11の範囲でよい。 また、この圧力、温度、pHについても、上記同様、セロオリゴ糖がより高収率で得られ るよう適宜調整されるものである。 【0026】 50 (7) JP 2007-330177 A 2007.12.27 上述の酵素分解により得られたセロオリゴ糖水溶液は、必要に応じて、脱色、脱塩、酵 素除去等の精製処理を施すことができる。精製方法は、公知の方法であれば特に制限され ないが、例えば、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、クロマトグラフィー処理、精密ろ過 、限外ろ過、逆浸透ろ過等の濾過処理、晶析処理等を使用してもよく、これらを単独で使 用しても、2種以上を組み合わせてもよい。セロオリゴ糖の精製方法の中でも、晶析処理 は、セロオリゴ糖の組成を制御しやすいため好ましい。 【0027】 次に、本発明の腸内細菌賦活剤を用いた食品/医薬品について説明する。 本発明の腸内細菌叢賦活剤は、そのまま食品/医薬品として利用することも可能であり 、ビフィズス菌、乳酸菌、バクテロイデス、ユウバクテリウム、嫌気性レンサ球菌、腸球 10 菌、大腸菌等のうち、人体に有用な菌と併せて製剤として利用してもよい。ここでいう有 用細菌をより詳細に説明する。 有用細菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifido bacterium adlescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダム( Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ (Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム インファン ティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム パルバロラム(Bifidobacterium parvulorum)、ラクトバ チルス アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラ 20 クトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス サルバリウス(Lactobacillus salibarius)、ラクトバチルス ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス ファーメ ンタム(Lactobacillus fermentum)、ストレプトコッカス フ ァエカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス パイロジェンス(Streptococcus pyogenes)、シュードモナス アエラジノサ(Psudomonas aeruginosa)、バクテロイデス デス タソニス(Bacteroides destasonis)、バクテロイデス オバタ ス(Bacteroides ovatus)、バクテロイデス セタイオタオミクロン (Bacteroides thetaiotaomicron)、バクテロイデス バ 30 ルファタス(Bacteroides vulfatus)、バクテロイデス ユニフォ ルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス メラニノジ ェニカス(Bacteroides meraninogenicus)、フソバクテリ ウム バリウム(Fusobacterium varium)、フソバクテリウム ネ クロフォラム(Fusobacterium necrophorum)、マエガモナス ハイパーメガス(Maegamonas hypermegas)、ミツオケラ マル チアシダス(Mitsuokella multiacidus)、ユーバクテリウム リモサム(Eubacterium limosum)、ユーバクテリウム ニトリトジ ェネス(Eubacterium nitritogenes)、ユーバクテリウム レ クテール(Eubacterium rectale)、ユーバクテリウム レンタム( 40 Eubacterium lentum)、エンテロバクター アエロゲネス(Ente robacter aerogenes)、エンテロコッカス ファエカリス(Ente rococcus faecalis)、クロストリジウム ビガルメンタンス(Clo stridium bigermentans)、クロストリジウム ブチリカム(Cl ostridium butyricum)、クロストリジウム クロストリジフォルメ (Clostridium clostridiiforme)、クロストリジウム コ ッコイデス(Clostridium coccoides)、クロストリジウム ディ フィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム パラプ トリフィカム(Clostridium paraputrificum)、クロストリ ジウム ラモサム(Clostridium ramosum)、クロストリジウム イ 50 (8) JP 2007-330177 A 2007.12.27 ノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム スポロ ゲネス(Clostridium sporogenes)、プロピオニバクテリウム アクネス(Propionibacterium acnes)、ペプトコッカス プレ ボッチ(Peptococcus prevotii)、ペプトコッカス アナエロバイ アス(Peptostreptcoccus anaerobius)、ペプトストレプ トコッカス パルバラス(Peptostreptcoccus parvulus)、 ペプトストレプトコッカス プロダクタス(Peptostreptcoccus pr oductus)、ペプトストレプトコッカス アサキャロリチカス(Peptostr eptcoccus asaccharolyticus)、ペプトストレプトコッカス マグナス(Peptostreptcoccus magnus)、ペプトストレプト 10 コッカス プレボーリ(Peptostreptcoccus prevolli)、ベ イロネラ アルカエス(Veillonella alcaesces)、ベイロネラ パルンラ(Veillonella parunla)、クレブシエラ ピューモニアエ (Klebsiella pneumoniae)、メガスファエラ エルスデニ(Me gasphaera elsdenii)等が挙げられ、これらの有用細菌を1種単独で 使用しても、2種以上を併用してもよい。 【0028】 ここでいう有用細菌とは、摂取することで、ヒトに何らかの生理的有用性をもたらすも のであり、本発明の有用細菌は、上に挙げる公知の腸内細菌、公知の腸内細菌を改良した ものに加え、新規に発見された菌種も含まれる。また、本発明の腸内細菌賦活剤として使 20 用する際には、生菌そのものを使用しても、凍結乾燥、複合化等の公知の方法で製剤した ものを使用することも自由である。 【0029】 また、本発明のセロオリゴ糖を、食品素材、医薬品薬効成分、それらで使用される添加 物、または上述の有用細菌の中から選択される1種以上の構成成分に含有させ、食品/医 薬品として利用することも自由である。 本発明のセロオリゴ糖を、上述の如く、食品/医薬品とする場合のセロオリゴ糖の添加 量は、0.1質量%以上である。本発明のセロオリゴ糖の添加量が0.1質量%未満であ ると、充分な腸内細菌叢の改善効果が得られないため好ましくない。本発明のセロオリゴ 糖の添加量は、多いほど腸内細菌叢の改善効果が得られるが、服用性等を向上させる等の 30 理由で他成分を添加する場合には、セロオリゴ糖の添加量は99.99質量%以下である 。 【0030】 ここで使用される構成成分としては、例えば以下のものが挙げられる。本発明でいう構 成成分とは、食品素材、医薬品薬効成分、または賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑 沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤、溶剤、油脂、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤等の 添加剤のことであり、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよく 、例えば「食品添加物公定書」、「日本薬局方」(いずれも廣川書店発行)、「医薬品添 加剤事典」(薬事日報社発行)に記載されるものを用いることが可能である。また、それ らは、種々の目的でコーティングを施したものであってもよい。これらの構成成分は単独 40 で使用しても、複数を併用してもよい。構成成分の添加量としては、0.01質量%−9 9.9質量%である。 【0031】 例えば医薬品薬効成分としては、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、 小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿 薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、 滋養強壮剤、ビタミン剤など、経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを 単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。 【0032】 賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸 50 (9) JP 2007-330177 A 2007.12.27 、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナ トリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビ ニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、 軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水 酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテ ン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリ ン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレ ー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸 マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラ フィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セ 10 ルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴ マ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢 酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸 化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミ ノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、 酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグ ネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン 酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックス HM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアル 20 コール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソル ビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳 、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリ ウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ 酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム 、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦 芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人 血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ キシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部 分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末 30 セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレン アルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプ ロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチ ルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニ トール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無 水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿 実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン 、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシ ウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カル シウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、 40 リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品 添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発 行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併 用することも自由である。 【0033】 崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシ ウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース 類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン 、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デン プン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリ 50 (10) JP 2007-330177 A 2007.12.27 マー等の合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「 食品添加物公定書」(廣川書店発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができ る。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。 【0034】 結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール 、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラ ン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タ マリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶 セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセ ルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン 10 、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カル シウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無 機化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加 物公定書」(廣川書店発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記 から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。 【0035】 流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬 品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店 発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を 単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。 20 【0036】 滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸 、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本 薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げ ることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも 自由である。 【0037】 矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム 、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添 加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行 30 )に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で 使用しても、2種以上を併用することも自由である。 【0038】 香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョ ウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事 日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に着香剤、香料 として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても 、2種以上を併用することも自由である。 【0039】 着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロ 40 フィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発 行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に着色剤として分類され るものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併 用することも自由である。 【0040】 甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビ ア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報 社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に甘味剤として分類 されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上 を併用することも自由である。 50 (11) JP 2007-330177 A 2007.12.27 【0041】 溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものではないが、例 えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品 添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発 行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用 することも自由である。 【0042】 油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、 ステア リン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬 化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレ 10 ングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添 加物公定書」(廣川書店発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、 2種以上を併用することも自由である。 【0043】 増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル セルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポ リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ア ラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」 、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で 使用しても、2種以上を併用することも自由である。 20 【0044】 界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレング リコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ ール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイ ン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパル ミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシ エチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬 品添加剤事典」(薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店 30 発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以 上を併用することも自由である。 【0045】 ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グ アーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロ ース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース、微結晶セルロース 等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」( 薬事日報社発行)、「日本薬局方」、「食品添加物公定書」(廣川書店発行)にゲル化剤 として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも 自由である。 40 【0046】 以下に本発明のセロオリゴ糖と、食品素材、医薬品薬効成分、腸内有用細菌、またはそ れらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む食品/医薬品の製 造方法について記述するが、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。 各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)セロオリ ゴ糖と構成成分を同時に添加し、混合/分散しても、2)セロオリゴ糖と特定の構成成分 を予め混合/分散した後に、別の構成成分を添加し、混合/分散しても、3)2種以上の 構成成分を予め混合/分散した後、セロオリゴ糖を添加し、混合/分散しても、これらの 添加方法を組み合わせた方法でもよい。添加する構成成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合 には、それらをセロオリゴ糖または他の添加剤に噴霧する方法を採用することで、最終製 50 (12) JP 2007-330177 A 2007.12.27 品中の成分濃度ばらつきが小さくなるので好ましい。 【0047】 ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧 送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて 連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われてい る方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合 機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウ ター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機 を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。 【0048】 10 分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキ サー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下 移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー 等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧 ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用す る容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。 【0049】 また、上述の混合、分散において、水又は水/有機溶剤に必要に応じて界面活性剤、増 粘剤、ゲル化剤を添加した水系媒体を添加する順序には特に制限はないが、1)セロオリ ゴ糖に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、他の構成成分を添加しても、2) 20 構成成分に予め水系媒体を添加し、溶解/分散させた後に、セロオリゴ糖を添加しても、 3)セロオリゴ糖と構成成分を予め混合/分散させた後に、水系媒体を添加してもよく、 これらを組み合わせた方法でもよい。ここで得られた水溶液、分散体、ペースト、乳液等 の各液状、半固形状の食品/化粧品/医薬品は必要に応じて乾燥され、造粒、コーティン グ、成型等の加工が施される。 【0050】 造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式また は流動層式のいずれもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては 、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回 転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧 30 式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる 。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。 【0051】 コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく 、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーテ ィング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク 、超音波ノズル等を使用し構成成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから構成成 分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。構成成分溶液/分散液を添加する際に は、セロオリゴ糖粒子表面に構成成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを 施しても、セロオリゴ糖粒子内部に担持させてもよく、構成成分溶液/分散液を結合液と 40 してセロオリゴ糖粒子またはセロオリゴ糖と他の構成成分の混合物をマトリックス状に造 粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は 同様である。 【0052】 本発明のセロオリゴ糖は、液状成分の保持性にも優れ、それを核粒子として使用した場 合には、レイヤリング、コーティング時の粒子の凝集を抑制できる。 また、構成成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、セロオリゴ糖粒子またはセロオリ ゴ糖と他の添加剤の混合物を担体としたディッピングの如く、構成成分溶液、懸濁液、乳 化液に浸漬させ、構成成分を保持させる方法がとれる。成分種、濃度等の条件によるが、 かかるディッピング等の液浸漬方法でも、実用的に成分濃度の均一性が保たれ、また、上 50 (13) JP 2007-330177 A 2007.12.27 記噴霧に比べ、工程が簡略である点で優れている。 【0053】 さらに、構成成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、セロオリゴ糖粒子またはセロオ リゴ糖粒子と他の添加剤の混合物を担体として、構成成分溶液、懸濁液、乳化液に浸漬さ せた後、その分散液を噴霧乾燥し、複合体とする方法をとってもよい。 構成成分溶液/分散液を添加前後のセロオリゴ糖粒子または、セロオリゴ糖粒子と他の 添加剤の混合物は、それぞれの単位粒子が個々に分散した状態であっても、凝集した造粒 物の形態をとっていてもよい。 【0054】 成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いても 10 よく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方 法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、 圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド 成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型 機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に 圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。 圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平 滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠 機等の圧縮機を使用できる。 上述の方法で得られた成型体は、公知の方法でコーティングを施してもよく、成型体が 20 錠剤の場合には、糖をコーティングし、糖衣錠としてもよい。特に、本発明のセロオリゴ 糖は、上述糖衣錠における糖衣層に配合してもよい。 【0055】 本発明のセロオリゴ糖含有食品の例としては、例えば、ゼリー、プリン、ヨーグルト等 のゲル、マヨネーズ、ドレッシング、ソース類、たれ類、スープ、野菜加工品等の調味料 、カレー、ハヤシ、ミートソース、シチュー、スープ等のレトルト食品、チルド食品、ハ ンバーグ、ベーコン、ソーセージ、サラミソーセージ、ハム類等の畜産加工品、蒲鉾、ち くわ、魚肉ハム・ソーセージ、揚げ蒲鉾等の水練製品、パン、生麺、乾麺、マカロニ、ス パゲッティ、中華饅頭の皮、ケーキミックス、プレミックス、ホワイトソース、餃子・春 巻等の皮類などの小麦加工食品、カレー、ソース、スープ、佃煮、ジャムなどの缶詰、瓶 30 詰類、キャンデー、トローチ、錠菓、チョコレート、ビスケット、クッキー、米菓、和洋 菓子、洋生菓子、スナック菓子、砂糖菓子、プリンなどの菓子類、フライ類、コロッケ、 餃子、中華饅頭等の調理加工品、野菜ペースト、肉のミンチ、果実ペースト、魚介類のペ ースト等のペースト類である。また、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ホ イップクリーム、練乳、バター、ヨーグルト、チーズ、ホワイトソース等の乳製品、マー ガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の油脂加工品等がある。さらに、コーラ 等の炭酸飲料、炭酸入り、アルコール入り、乳製品と混合した果実飲料、果汁又は、果実 入り飲料、乳性飲料等の飲料、コーヒー、牛乳、豆乳、ココア牛乳、フルーツ牛乳、ヨー グルト等の乳酸/乳性飲料等、煎茶、ウーロン茶、抹茶、紅茶等の茶飲料等に使用しても よい。 40 【0056】 本発明のセロオリゴ糖含有医薬品の例としては、例えば、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤 、エキス剤、丸剤の固形製剤が挙げられる。 【実施例】 【0057】 本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [製造例1] 普通寒天培地にトリコデルマ リーセイ(Tricoderma reesei)を接 種し、37℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g 、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネ 50 (14) JP 2007-330177 A 2007.12.27 シ ウ ム 0 . 3 g 、 塩 化 カ ル シ ウ ム 0 . 3 g 、 ト レ ー ス エ レ メ ン ト 1 m L( 硼 酸 6 m g 、 モ リブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5 水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量10 0 m L の 精 製 水 に 溶 解 さ せ た も の ) 、 ア デ カ ノ ー ル 1 m L、 結 晶 セ ル ロ ー ス ( 旭 化 成 ケ ミ カルズ製 商品名PH−101)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地 に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用い て、培地のpHを2.8−4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上澄 みを目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過 膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013 )で体積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。 10 【0058】 次に、市販針葉樹由来の溶解パルプを使用し、加水分解条件を塩酸濃度0.4%塩酸水 溶液、120℃、1時間として、加水分解し、酸不溶性残渣を洗浄、ろ過し、ウェットケ ークを得た。このウェットケークをセルロース10%濃度の水分散体とし、超高性能分散 機・湿式微粉砕機(アシザワ(株)製、商品名 パールミルRL φ1mmジルコニアビ ーズ使用 充填率80%)を使用し、圧密・摩砕処理を施し、セルロース微粒子分散体を 得た(平均重合度220、ジエチルエーテル可溶物含有率0.7%、平均粒子径0.7μ m、コロイド状成分含有率51.5%)。 【0059】 この摩砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50 20 mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし 、ガラス製フラスコに仕込んだ。このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部 を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、 限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り 除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、セロ トリオース∼セロヘキサオース0.2質量%、セロビオース1.5質量%、グルコース0 .3質量%であった。 該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイク ローザペンシル型モジュール ACP−0013)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオ ン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た 30 。 【0060】 [製造例2] 製造例1で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコ に導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した。25℃で 水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、減圧ろ過し、40℃の通風式乾燥機で乾燥し、乳鉢 で粉砕後、目開き150μmの篩いで篩下し、篩下粉末を目開き45μmの篩いで微粉を 除去し、セロオリゴ糖粉末CE−1を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に 記す。 【0061】 40 [製造例3] 製造例1で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコ に導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノ ールを水に対し70質量%となるよう、毎分10gの速度で加え晶析した。水溶液中に晶 出したセロオリゴ糖を、製造例2と同様に、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、セロオリゴ 糖粉末CE−2を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。 【0062】 [製造例4] 製造例1の菌株を、セロビブリオ ギルバス(Cellovibrio gilvus )に代え、培養時のpHを4∼10に変更し、酵素反応時の緩衝液をpH6.5のリン酸 50 (15) JP 2007-330177 A 2007.12.27 緩衝液に変更する以外は、製造例1と同様の方法でセロオリゴ糖水溶液を作成した。 得られたセロオリゴ糖水溶液を、活性炭を充填したカラムに通してセロビオースリッチ の画分を除去し、製造例3と同様の操作でセロオリゴ糖粉末CE−3を得た。得たれたセ ロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。 【0063】 [製造例5] 製造例1のセロオリゴ糖水溶液を一旦、製造例2の方法で晶析し、得られたセロオリゴ 糖を水溶液として、製造例4に記す活性炭処理でセロトリオース以上の分子量画分をカッ トした。製造例3と同様の操作で粉末化し、セロオリゴ糖粉末CE−4した。 【0064】 10 [製造例6] 製造例4の活性炭によるカラム分画において、グルコースリッチの画分を採取し、60 ℃の通気オーブン中で、16hr乾燥し、製造例2と同様の操作で粉末化し、セロオリゴ 糖粉末CE−5を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。 【0065】 [製造例7] 製造例4の活性炭によるカラム分画において、セロトリオース∼セロヘキサオースリッ チの画分の画分を採取し、60℃の通気オーブン中で、16hr乾燥し、製造例3と同様 の操作で粉末化し、セロオリゴ糖粉末CE−6を得た。得られたセロオリゴ糖粉末の糖組 成を表1に記す。 20 【0066】 【表1】 30 【0067】 [実施例] 製造例2∼4で得られたCE−1∼3を使用し、以下の方法で各菌株の資化テストを実 施した。 Peptone−Yeast−Fildes solution(PYF 日本製薬製 )培地に、本発明のセロオリゴ糖を0.5質量%添加した滅菌培地(pH7.2)1.5 40 mLを作成し、予め、Fildes solution添加GAMブイヨン培地(日本製 薬製 製品名GAMブイヨンにFildes solution0.4体積%を添加)に 、以下の各種菌株を前培養しておいた供試菌液0.03mLを接種し、37℃で96時間 嫌気培養した後、pHを測定し資化性を判断する。該pHが、5.5未満に下がっている 状態で、該菌株がセロオリゴ糖を資化したと判断できる。なお、pHは低いほど、該菌株 の増殖が進むことを意味する。結果を表2に記す。 【0068】 [比較例] セロオリゴ糖をCE−4∼6に代えて、実施例の方法と同様に、資化性の評価を行った 。 50 (16) JP 2007-330177 A 2007.12.27 [参考例] セロオリゴ糖の代わりに、ゲンチオオリゴ糖(日本食品化工製 商品名ゲントース♯8 0P)、フラクトオリゴ糖(明治製菓製 商品名メイオリゴP)を用いて、実施例と同様 に評価した。 【0069】 <使用した菌株> 1)ビフィドバクテリウム アドレセンティス (Bifidobacterium adlescentis) 2)ビフィドバクテリウム ビフィダム (Bifidobacterium bifidum) 10 3)ビフィドバクテリウム ブレーベ (Bifidobacterium breve) 4)ビフィドバクテリウム インファンティス (Bifidobacterium infantis) 5)ビフィドバクテリウム ロンガム (Bifidobacterium longum) 6)ラクトバチルス アシドフィルス (Lactobacillus acidophilus) 7)ラクトバチルス カゼイ (Lactobacillus casei) 20 8)ラクトバチルス サルバリウス (Lactobacillus salibarius) 9)ラクトバチルス ガセリ (Lactobacillus gasseri) 10)ラクトバチルス ファーメンタム (Lactobacillus fermentum) 11)ストレプトコッカス パイオジェネス (Streptococcus pyogenes) 12)バクテロイデス デスタソニス (Bacteroides distasonis) 30 13)バクテロイデス フラジリス (Bacteroides fragilis) 14)バクテロイデス オバタス (Bacteroides ovatus) 15)バクテロイデス セタイオタオミクロン (Bacteroides thetaiotaomicron) 16)バクテロイデス バルファタス (Bacteroides vulfatus) 17)バクテロイデス ユニフォルミス (Bacteroides uniformis) 40 (Bacteroides meraninogenicus) 18)フソバクテリウム バリウム (Fusobacterium varium) 19)フソバクテリウム ネクロフォラム (Fusobacterium necrophorum) 20)マエガモナス ハイパーメガス (Maegamonas hypermegas) 21)ミツオケラ マルチアシダス (Mitsuokella multiacidus) 22)ユーバクテリウム リモサム 50 (17) JP 2007-330177 A 2007.12.27 (Eubacterium limosum) 23)ユーバクテリウム アエロファシエンス (Eubacterium aerofaciens) 24)ユーバクテリウム ニトリトジェネス (Eubacterium nitritogenes) 25)ユーバクテリウム レンタム (Eubacterium lentum) 26)エンテロバクター アエロゲネス (Enterobacter aerogenes) 27)エンテロコッカス ファエカリス 10 (Enterococcus faecalis) 28)クロストリジウム ブチリカム (Clostridium butyricum) 29)クロストリジウム クロストリジファルメ (Clostridium clostridiiforme) 30)クロストリジウム ディフィシレ (Clostridium difficile) 31)クロストリジウム パーフリンジェンス (Clostridium perfringens) 32)クロストリジウム パラプトリフィカム 20 (Clostridium paraputrificum) 33)クロストリジウム ラモサム (Clostridium ramosum) 34)クロストリジウム イノキューム (Clostridium innocuum) 35)クロストリジウム スポロゲネス (Clostridium sporogenes) 36)プロピオニバクテリウム アクネス (Propionibacterium acnes) 37)ペプトストレプトコッカス パルバラス 30 (Peptostreptcoccus parvulus) 38)ペプトストレプトコッカス アサキャロリチカス (Peptostreptcoccus asaccharolyticus) 39)ペプトストレプトコッカス マグナス (Peptostreptcoccus magnus) 40)ペプトストレプトコッカス プレボーリ (Peptostreptcoccus prevolli) 41)エシェリキア コライ (Escherichia coli) 42)クレブシエラ ピューモニアエ (Klebsiella pneumoniae) 【0070】 <評価基準> −:pHが≧6.0 ±:pHが6.0未満∼5.5 +:pHが5.5未満∼5.0 ++:pHが5.0未満∼4.5 +++:pHが<4.5 【0071】 40 (18) JP 2007-330177 A 2007.12.27 【表2】 10 20 30 40 【0072】 表2に示すように、セロビオース含量を高く、グルコース濃度を低く、セロトリオース ∼セロヘキサオース含量を適正範囲にすることで、ビフィズス菌、乳酸菌を選択賦活し、 クロストリジウム パーフリンジェンス(Clostridium perfringe ns)、エシェリキア コライ(Escharichia coli)の増殖抑制に加え 、バクテロイデス フラジリス(Bacteroides fragilis)、ユーバ クテリウム アエロファシエンス(Eubacterium aerofaciens) の増殖を抑制できた。 50 (19) JP 2007-330177 A 2007.12.27 【産業上の利用可能性】 【0073】 本発明の腸内細菌賦活剤は、腸内の有害細菌に資化されず、選択的に有用細菌を賦活し 、腸内細菌叢を改善する為、通常の食品素材に加え、機能性食品素材、食品・医薬品用の 添加剤、医薬品として食品/医薬品分野で好適に利用できる。 (20) JP 2007-330177 A 2007.12.27 フロントページの続き (51)Int.Cl. FI テーマコード(参考) C07H 3/04 (2006.01) C07H 3/04 C07H 3/06 (2006.01) C07H 3/06 (72)発明者 伊吹 一郎 宮崎県延岡市旭町2丁目1番3号 旭化成ケミカルズ株式会社内 Fターム(参考) 4B018 MD31 ME11 4B065 AA01X BB15 BB16 BB17 BB34 CA41 CA44 4C057 BB01 BB03 BB04 4C086 AA01 AA02 EA01 MA03 MA04 MA52 NA05 NA14 ZA73 ZC75
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