特集衛星クロック搭載！ GPS 電子工作信号に世界時スタンプを付けてパソコプレートやンに転送！ 10分の高速周波数ロック！電離層の異常箇所を発見！ GPS ＆ OCXO 搭載！ USB− FPGAアナログ計測ボードの製作森榮真一製作の動機本気を出した雷様はどこにいる？時刻差 4 秒 × 音速（340 m/s）＝ B から雷までの距離（L 2）− A から雷までの距離（L 1）＝ 1360 m A 君と B 君の観測点では，1 秒以内の誤差の時計をもっているので，雷様の測位精度は 340 m ですが，C 君や D 君にも手伝ってもらって，観測点を 3 箇所，4 箇所と増やしていくと，もっと正確に雷様の位置を特定できます．時計の時刻精度を上げると位置の推定精度は上がります． ● 雷の光や電撃パルスから位置を推定する…時刻精度が重要図 1 の方法は，雷の音で位置を推定するものでした．雷の位置が音より速く移動したら，場所を推定する前に雷にやられるかもしれません．それに，誤差が 2016 年 2 月号 1 2 音だけで雷様の位置を推定する（稲妻は見ない） ● 雷の音から位置を推定する…腕時計でも OK！ガラガラガラガラァ…ピシャァーン！ A 君は，数十分前まで遠くで鳴っていた雷様がいつのまにか近づいてきていて「どうもその辺にいるらしい…自分の家に落ちたらどうなっちゃうんだろう」と怖がっています． A 君は，図 1 に示すように，時報などで時刻合わせをした時計を 2 個用意し B 君にそのうちの一つをもってもらい雷鳴を聴いた時刻を連絡してもらうことにしました．A 君と B 君の時計のずれは 1 秒以内です．A 君は，自分が雷の音を聴いた時刻と B 君から音を聴いたと連絡を受けた時刻を記録しました．すると，A 君と B 君の観測点での雷の音を聴いた時刻の差は 4 秒でした．この情報から，A 君は次の計算をして，距離差が 1360 m の双曲線（A 君と B 君の位置が焦点）のどこかに雷様がいるはず，と A 君は推定できました． Shinichi Morisaka イントロダクション第3章 3 雷鳴が PM3:23:05に聞こえた 4 B君から雷様までの距離（） L 2 −A君から雷様までの距離（） L 1 が一定になる曲線ドッカーン雷鳴が PM3:23:01に聞こえた誤差は1秒間に音が進む距離つまり340m B君との時刻差は 4秒． 4秒で音波は 1360メートル伝わる A君とB君の時計は時報などで合わせて1秒精度で時刻同期 A君は観測もするし，B君からの報告を聞いて位置の測定をする．A君は，観測役兼取りまとめ役図 1 同期して動く時計が 2 個あれば雷の音から発生位置を推定できる（誤差は 340 m） 340 m もあるのでは信頼性に欠けます．では，雷がピカッと光った場所を推定するにはどうしたらよいのでしょうか？音が伝わる速度は 340 m/s ですが，光は 30 万 km/s と超高速ですから，もっと誤差の小さい測定システムが必要です． A 君が計算してみたところ，雷光が出た時刻と計測時刻のずれが約 1 μs 以下のクロックで動作するアナログ計測装置が必要なことがわかりました（図 2）．これさえあれば図 1 と同じ方法で雷光の場所を推定できます． 89