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情報通信審議会 情報通信技術分科会(第115回)
議
1
開
事
日
時:平成28年1月22日(金)
場
14:00~
所:第1特別会議室(8階)
次
第
会
2 議 題
(1)答申事項
「業務用陸上無線通信の高度化等に関する技術的条件」のうち「6.5/7.5GHz
帯等可搬型システムの導入」のうち「400MHz帯災害対策用可搬型無線システ
ムの高度化等に係る技術的条件」について
【平成25年5月17日付け諮問第2033号】
(2)報告事項
① 「携帯電話等の周波数有効利用方策」のうち「第4世代移動通信システ
ム(LTE-Advanced)等の高度化に関する技術的条件」の検討開始について
【平成7年7月24日付け電気通信技術審議会諮問第81号】
② 「2.5GHz帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステムの技術的条件」
のうち「広帯域移動無線アクセスシステムの高度化に関する技術的条件」
の検討開始について
【平成18年2月27日付け諮問第2021号】
3
③
CISPRストレーザ会議の結果について
④
第5期科学技術基本計画の概要等について
⑤
「グローバルコミュニケーション計画」の推進について
閉
会
<
配
付
資
料
>
資料115-1-1
資料115-1-2
資料115-1-3
陸上無線通信委員会報告
陸上無線通信委員会報告
答申書(案)
概要
資料115-2
「第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等の高度
化に関する技術的条件」及び「広帯域移動無線アクセス
システムの高度化に関する技術的条件」の検討開始につ
いて
資料115-3-1
資料115-3-2
電波利用環境委員会報告
電波利用環境委員会報告
資料115-4-1
第5期科学技術基本計画の概要
資料115-4-2
AI・脳研究分野等の先端技術分野の推進方策の検討
資料115-5
「グローバルコミュニケーション計画」の推進について
概要
※審議中継でダウンロードできる資料は、下線のもののみとなっております。
傍聴席
基
幹
通
信
課
課
長
補
佐
臼
井
基
幹
通
信
課 寺
長 沢
電
波
政
策
課 田
長 原
基
盤
局
総
務 佐
課 々
長 木
総
合
通
信
基
盤
局 福
長 岡
知
野
委
員
三
瓶
委
員
近
藤
委
員
石
戸
委
員
安
藤
委
員
青
木
委
員
情報通信技術分科会(第115回) 座席表
速記
伊東
分科会長
日時: 平成28年1月22日(金) 14:00~
鈴木
分科会長代理
場所: 総務省第1特別会議室(8階)
中村
管理室長
電
波
利
用
環
境
専
門
官
操作卓
澤
邊
電 杉
波 野
環
境
課
長
移 中
動 沢
通
信
課
長
研 荻
究 原
推
進
室
長
官 富
房 永
総
括
審
議
官
根
本
委
員
水
嶋
委
員
森
川
委
員
相
澤
委
員
高
田
専
門
委
員
多
氣
専
門
委
員
事務局
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
関
係
者
ッ
出入口
関
係
者
ッ
宮
本
審
理
官
ネ
ネ
ネ
ネ
ネ
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
ト
業
者
資料115-1-1
情報通信審議会 情報通信技術分科会
陸上無線通信委員会報告 概要
「業務用陸上無線通信の高度化等に関する技術的条件」のうち「6.5/7.5GHz帯等可搬型システムの導入」のうち
「400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの高度化等に係る技術的条件」
平成28年1月22日
陸上無線通信委員会
400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの高度化の概要
検討開始の背景
○ 東日本大震災以降、地震をはじめ台風や大雨など甚大な災害が発生しており、災害対
策が重要
○ 衛星通信システムが災害対策機器として利用されているが、地理的条件や容量に制限
○ 様々な無線システムでデジタル化へ移行しており、400MHz帯災害対策用可搬型無線シ
ステムにおいてもデジタル化が急務
○ デジタル化により、従来の音声通話だけではなく、被災地域におけるデータ通信や災害
現場における画像伝送など、幅広く活用できるように周波数を有効利用していくことが
重要
< 現行の400MHz帯災害対策用可搬型無線システム>
1
防災・災害対策用無線システムの現状
電気通信業務用
臨時/災害対策用
無線システム
災害対策用
無線システム
方式
周波数帯
伝送速度
アナログ
60MHz帯
~3回線
アナログ
400MHz帯
~24回線
伝送距離
~50km程度
~数十km程度
利用形態
用途
固定、半固定
音声通話
(特設公衆電話・
臨時/山間部電話)
半固定
音声通話
(特設公衆電話)
公共業務用
①災害対策用
衛星通信システム
デジタル
Ku帯
~8回線
衛星通信
可能範囲
半固定
音声通話
IP通信
②デジタル同報系
③デジタル防災
防災行政無線
行政無線システム
システム
デジタル
デジタル
60MHz帯
260MHz帯
~45kbps
32kbps
④公共
ブロードバンド
デジタル
170~202.5MHz
~7Mbps
~10km程度
~10km程度
~20km程度
固定
音声通話
FAX,音声同報
画像(静止画)
移動、半固定
音声通話
FAX
画像(静止画)
移動、半固定
音声通話
動画
IP通信
避難所等
1
2
3
災害発生
特設公衆電話
インターネット
4
4
(メール、SNS)
2
電気通信業務用システムの現状
○ 山間僻地、離島向け固定無線機として実用化
○ 可搬型無線機として、災害時等に避難所へ臨時的に設置して特設公衆電
話に活用
<主な活用例>
1968年
アナログ400MHz帯無線機1号を山間僻
地、離島向け固定無線機として実用化
1980年
小型軽量化したアナログ400MHz帯無線
機2号を可搬型無線機として実用化
1984年
世田谷ケーブル火災
特設公衆電話の提供
1995年
阪神淡路大震災
特設公衆電話の提供
2008年
洞爺湖サミット
バックアップ回線
2011年
東日本大震災
特設公衆電話の提供
2013年
埼玉県竜巻被害
特設公衆電話の提供
<防災訓練での利用状況>
アンテナ
アンテナ
アンテナ
3
公共業務用システムの現状
既存の防災・災害対策用無線システムとして、60MHz帯デジタル同報系防災
行政無線システム、260MHz帯デジタル防災行政無線システム及び200MHz帯
公共ブロードバンド移動通信システムなどを活用
<防災行政用通信システム>
(車載)移動局
<公共ブロードバンド移動通信システム>
屋上設置型屋外拡声器
(市町村災害対策本部)
移動系基地局
同報系親局
移動系
路上設置型屋外拡声器
(携帯・可搬)移動局
同報系
戸別受信機
○ 60MHz帯デジタル同報系防災行政無線システム及び260MHz帯デジタル防災行政無線シス
テムについては、簡単な文字伝送やFAX等の通信に利用
○ 200MHz帯公共ブロードバンド移動通信システムは、災害・事故現場からの映像伝送等の
高速データ通信に利用
4
400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの新たな方式
○ 「デジタル化」により、音声通信のみならずデータ通信も確保
○ 「狭帯域化」により、周波数有効利用向上を図り公共業務用システムとの周
波数共用が可能
<新たな方式への高度化イメージ>
5
電気通信業務用システムに求められる高度化技術
○ 周波数有効利用を推し進める狭帯域化技術
○ 多様な伝搬環境に対応する適応変調技術
○ 複数台の子局を同時に収容する多元接続技術
<狭帯域化技術>
<適応変調技術>
より多くのチャネルを配置して周波数有効利用を推し進める
ための、帯域外漏えい電力を抑制する狭帯域化技術
電波の伝搬環境の状態変動を吸収して通信品質
を確保するための、変調多値数を自動的に変更
する適応変調技術
620kHz
370kHz
620kHz
620kHz
620kHz
620kHz
370kHz
狭帯域化
デジタル
300kHz
620kHz
300kHz
300kHz
300kHz
300kHz
300kHz
300kHz
300kHz
伝送容量
現行(アナログ)
64QAM
16QAM
QPSK
良
伝搬環境
悪
伝搬距離が短い
伝搬距離が長い
遮蔽物が少ない
遮蔽物が多い
<多元接続技術>
複数台の子局を同時収容するための、同
一周波数の無線チャネルを時間軸で分割
して子局に割当てるTDMA方式を採用し
た多元接続技術
6
公共業務用システムに求められる利用シーン
東日本大震災で被災した自治体などにヒアリングした結果、新たなニーズが顕
在化
地方公共団体へのヒアリングの結果から得られた要望
○ 携帯電話サービスエリア外の災害現場からの動画伝送に期待
○ 災害時には現場で録画した動画をテレビ会議システムを用いて情報共有を
図っているが、いち早く正確な災害情報を入手するため、現場から動画を送
信できるシステムに期待
○ 孤立化集落、避難所とのデータ通信回線の確保
シーン1:災害現場からの動画・静止画伝送
(見通し30km )
シーン2:孤立化集落、避難所との一時的なデータ
通信回線確保(見通し50km )
可搬型無線
システム
可搬型無線
システム
掲示板
動画
災害現場
静止画
情報提供
PC
対策本部・庁舎
災害情報共有
対策本部・庁舎
災害情報共有
通話
孤立化集落・避難所等
7
周波数の共用検討①
以下の周波数について共用検討を実施
○ 電気通信業務用システムと公共業務用システムの相互間の共用検討
○ 隣接するシステムとの共用検討
衛星用非常位置
指示無線標識
(EPIRB)
公共業務等
医療用テレメーター等
各種用途(固定・移動)・特定小電力
[2]
【低群】
特定小電力
[3]
430
420
417.5
415.5
406.04
406.037
406.028
406.025
381.325
公共業務用システム
【MHz】
電気通信業務用システム
400MHz帯災害対策用可搬型無線システム
468.85
468.55
467.4
467
公共業務
各種用途(固定・移動)・特定小電力
[4]
【高群】
465.15
公共業務
電気通信業務用システム
465.0375
公共業務用システム
アナログ簡易無線
デジタル簡易無線
各種用途(固定・移動)・特定小電力
[4]
470
457.5125
457.3625
454.9125
454.2
440
【MHz】
8
周波数の共用検討②
下記の条件の基づき周波数の共用検討を実施
<共用検討条件>
項目
電気通信業務用システム
公共業務用システム
40W
10W
チャネル間隔
300kHz / 600kHz
150kHz / 300kHz
占有周波数帯幅
285kHz / 570kHz
125kHz / 250kHz
隣接チャネル漏えい電力
-37dBc
-37dBc
変調方式
OFDM
64QAM / QPSK
-86dBm
-70dBm
パケットロス率=1×10-3
BER=1×10-4
空中線電力
標準受信入力
干渉検討の品質条件
所要D/Uの判定基準
-30dB (災害発生時に限定地域で一時的に使用されることを考慮)
9
周波数の共用検討結果
電気通信業務用システムと公共業務用システムの相互間及び隣接するシス
テムとの周波数共用検討を実施した結果、いずれの組合せでも共用可能
<共用検討結果>
下側隣接バンド
公共業務
条件:
1m以上の離隔距離 を確保
高群
D 共用可能(免許人と合意)
公共業務
条件:
810m以上の離隔距離を確保
下側
上側
電気通信業務用システム
低群
B 共用可能(免許人と合意)
上側隣接バンド
公共業務用システム
隣接システム
バンド内
A 共用可能
条件:
4.5km以上の
離隔距離を確
保し、さらに、
混信防止機能
を具備するこ
とで条件緩和
隣接システム
C 共用可能
干渉検討結果に加え、実運用
上の条件により共用可能
E 共用可能
干渉発生確率は極めて低い
小電力業務
(医療用テ
レメーター)
公共業務
(狭帯域デ
ジタル等)
10
電気通信業務用システムと公共業務用システムの相互間の共用検討(バンド内 A )
○ 電気通信業務用システムと公共業務用システムを隣接チャネルで利用する
場合は離隔距離が約4.5km必要
○ 実際は混信防止機能を具備することで共用可能
<検討条件>
<共用検討モデル例>
●上り回線(高群)公共業務から電気通信業務への干渉
電気通信業務
親局
希望波伝送距離(電気通信)
電気通信業務子局 無線
干渉波
公共業務
親局
離隔距離
希望波伝送距離(公共)
公共業務
子局
●下り回線(低群)公共業務から電気通信業務への干渉
電気通信業務
親局
希望波伝送距離(電気通信)
電気通信業務子局
離隔距離
希望波伝送距離(公共)
上り回線
周波数 下り回線
親局高
子局高
送信出力
給電線損失
共用器損失
送信空中線利得
受信空中線利得
周波数共用条件
離隔距離
電気通信
公共業務用
業務用設備
設備
455.4MHz
455.1MHz
418.0MHz
417.7MHz
20m
20m
10m
10m
46dBm
40dBm
3dB
3dB
0dB
1.5dB
12dBi
12dBi
12dBi
12dBi
D/U=-30dB
上り回線:4.54km
下り回線:4.55km
干渉波の離隔距離の算出に用いた2波モデル1
干渉波
公共業務
親局
項目
公共業務
子局
,
ここで:波長(m), d:送受信距離(m), ht:送信空中線高(m),
hr:受信空中線高(m)
1電波伝搬ハンドブック
(細矢良雄監修1999 リアライズ社)
11
低群上側隣接バンドの隣接システムとの共用検討(低群上側隣接バンド C )①
○ 電気通信業務用設備と医療用テレメーターを同じ位置に設置し、空中線を正
対させる最悪条件
○ 受信電力D/Uが11.4dBとなり、医療用テレメーターのC/N 9.5dBを満足
<検討モデル>
<検討条件>
屋外 外壁
設備
病院内
干渉波
希望波
単方向通信
送信機
送信機
電気通信
医療用
業務用設備 テレメーター
項目
帯域外漏えい電力
受信機
医療用
テレメーター
給電線損失
電気通信
空中線利得
業務用設備
干渉波電力
外壁の透過損失
送信電力
<低群周波数>
電気通信業務用システム 医療用テレメーター
の最隣接のチャネル
の使用周波数
8.5kHz
帯域外
漏えい電力
419.8
419.95
420.05
420
(MHz)
占有周波数帯幅
医療用
給電線損失
テレメーター
空中線利得
希望波電力
受信電力D/U
数値
単位
-13.7 dBm
備考
8.5kHz帯域
3 dB
12 dBi
-4.7 dBm
4.6 dB
0 dBm
8.5 kHz
EIRP
外壁材としてALCを想定
※
ARIB STD-21
ARIB STD-21
0 dBm
2.14 dBi
ARIB STD-21
2.14 dBm
EIRP
11.4 dB
-2
理論C/N
9.5 dB
干渉マージン
1.9 dB
2値FSK、BER=1x10 (誤り訂正前)
(ARIB STD-21)、
遅延検波
※進士「無線通信の電波伝搬」,P.241 (社)電子情報通信学会 1992年2月
12
低群上側隣接バンドの隣接システムとの共用検討(低群上側隣接バンド C )②
○ 電気通信業務用設備と医療用テレメーター送信機との離隔距離が医療用テ
レメーターの通信距離と同程度(約6dBの改善)
○ 電気通信業務用設備空中線を正対方向からの方位角差45度以上(約10dB
以上の改善)
上記の運用条件から約16dB以上のマージンが得られ、干渉マージン1.9dBと
合わせて約18dB以上のマージンの確保が期待できるため共用可能
<方位角の例>
<離隔距離の例>
屋外
外壁
病院
病院内
正対方向
干渉波 60m
送信機
離隔距離 30m
送信機
通信距離 30m*
受信機
30m
30m
方位角
電気通信業務用設備
医療用テレメーター
* 「小電力医用テレメーターの運用規定」 規格EIAJ AE-5201A
離隔距離により約6dBの改善
合計のマージン 1.9dB+6dB+10dB ≒18dB
電気通信業務用設備
空中線
方位角により約10dB以上の改善
※方位角を約60度ずらすことで20dBのマージン確保可
能である等、運用により更にマージンの確保が可能
13
周波数配置の検討①
○ 首都直下地震(*1)及び南海トラフ地震(*2)を想定すると、避難所が広範囲
に分布
○ チャネル相互の干渉を回避するためには、現行方式と同等程度のチャネル
数が必要
<現行方式のチャネル配置例>
インターリーブ的に配置して7~8チャネルにて活用
重なるチャネル同士が干渉する機会を減らして運用
<必要チャネル数の計算機シミュレーション>
計算機シミュレーションの結果、90%以上の避難所を収容するためには7チャネルが必要
避難所
送信局
U1
Un
・ ・ ・ ・
干渉局#1
干渉局#n
受信レベル
D
D
U1
U2
所要D/U
U3
U4
U5
U6 U7
・・・
所要D/Uを満たさないU波はD波を
含めそれぞれ異なるチャネルによ
る運用が必要となり、この事例で
は5チャネルが必要
避難所の収容確率 (%)
100
避難所の受信レベル
80
南海トラフ地震
60
40
首都直下地震
20
0
0
(*1) 内閣府中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ
(*2) 内閣府中央防災会議南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
1
2
3
4 5 6 7
チャネル数
8
9 10
14
周波数配置の検討②
周波数共用検討並びに想定される首都直下地震及び南海トラフ地震等の広
域災害で通信回線を確保することを考慮し、周波数配置について検討
<高群:454.9125~457.3625MHz (2.45MHz幅)>
<低群:417.5~420.0 MHz (2.50MHz幅)>
455.40
37.5kHz
50kHz
公共業務用システム
455.10
418.00
417.70
50kHz
公共業務用システム
12.5kHz
電気通信業務用システム
電気通信業務用システム
(MHz)
457.4 457.3625
457.20
456.90
456.60
456.30
456.00
455.70
455.40
(*)
455
454.9125
454.9
420
419.80
419.50
419.20
418.90
418.60
418.30
418.00
417.5
公共業務用
(MHz)
公共業務用
電気通信業務用
電気通信業務用ch
公共業務用ch
(*)
300kHz ch
150kHz ch
電気通信業務用
600kHz ch
300kHz ch
(*)内閣府指定の首都直下地震緊急対策区域及び南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域である都県(以下に示す)については、
当該周波数を電気通信業務用システムが使用し、それ以外の地域では公共業務用システムが使用可能
(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、兵庫県、和歌山県、
徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県)
15
電気通信業務用無線設備の技術的条件の概要
高度化した電気通信業務用無線設備の技術的条件を提示
この技術的条件は、400MHz帯の電気通信業務用システムの親局及び子局
に対して適用することが妥当
項目
無線周波数帯
通信方式
多元接続方式
変調方式
空中線電力
空中線電力の許容偏差
送信空中線の絶対利得
キャリア周波数間隔
占有周波数帯幅
技術的条件
低群:417.5000~420.0000MHz
高群:454.9125~457.3625MHz
FDD
TDMA
OFDM
40 W 以下
+20 %,-50 %
12dBi 以下
300 kHz
600 kHz
285 kHz 以下
570 kHz 以下
周波数の許容偏差
±3 ppm 以下
帯域外領域における
スプリアス発射の強度
スプリアス領域における
不要発射の強度
副次的に発する電波等の強度
受信感度
隣接チャネル漏えい電力
1 mW 以下であり、かつ、基本周波数の平
均電力より 60 dB低い値
基本周波数の搬送波電力より
60 dB 低い値
4 nW 以下
-100.0 dBm 以下
-97.0 dBm 以下
-37 dBc 以下
他の無線局への干渉を防止するための
機能を有すること
混信防止機能
備考
周波数割当計画通り
現行方式通り
無線設備規則第14条
【基地局】
無線設備規則第5条別表第1号の6.2(4)エ(イ)
【陸上移動局】
無線設備規則第5条別表第1号の6.3(3)エ(イ)
無線設備規則第7条別表3号の4項
無線設備規則第24条
パケットロス率=1×10-3 (固定劣化及び誤り訂正改善量含む)
隣接チャネルの中心から占有周波数帯幅で測定
16
公共業務用無線設備の技術的条件の概要
公共業務用無線設備の技術的条件を以下に提示
この技術的条件は、400MHz帯の公共業務用システムの親局及び子局に対し
て新たに追加することが適当
項目
無線周波数帯
通信方式
多元接続方式
変調方式
空中線電力
空中線電力の許容偏差
送信空中線の絶対利得
キャリア周波数間隔
占有周波数帯幅
周波数の許容偏差
帯域外領域における
スプリアス発射の強度
スプリアス領域における
不要発射の強度
副次的に発する電波等の強度
受信感度
隣接チャネル漏えい電力
混信防止機能
技術的条件
低群:417.5000~420.0000MHz
高群:454.9125~457.3625MHz
FDD
TDMA
QPSK、16QAM、64QAM
10W以下
+20 %,-50 %
12dBi 以下
150 kHz
300 kHz
125 kHz 以下
250 kHz 以下
±3 ppm 以下
備考
周波数割当計画通り
無線設備規則第14条
【基地局】
無線設備規則第5条別表第1号の6.2(4)エ(イ)
【陸上移動局】
無線設備規則第5条別表第1号の6.3(3)エ(イ)
25μW以下
無線設備規則第7条別表3号の4項
25μW以下
4 nW 以下
-102.6dBm以下
-99.6dBm以下
-37 dBc 以下
他の無線局への干渉を防止するための
機能を有すること
無線設備規則第24条
BER=1×10-4、QPSK(固定劣化及び誤り訂正改善量含む)
隣接チャネルの中心から占有周波数帯幅で測定
17
(参考資料)
①
検討経過
委員会
○ 第23回陸上無線通信委員会(平成27年6月11日)
 「400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの高度化等に係る技術的
条件」に関し、委員会の運営方針について検討
 検討の促進を図るため、作業班を設置
○ 第25回陸上無線通信委員会(平成27年11月19日)
 委員会報告(案)とりまとめ
○ 第27回陸上無線通信委員会(平成27年12月28日)
 委員会報告とりまとめ
②
作業班
○ 第1回作業班(平成27年6月22日)
 400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの概要について
○ 第2回作業班(平成27年9月1日)
 400MHz帯災害対策用可搬型無線システムの高度化に係る周波数共用
条件及び技術的条件について検討
○ 第3回作業班(平成27年10月22日)
 技術的条件を含め、作業班報告書とりまとめ
18
(参考資料) 情報通信審議会 情報通信技術分科会
陸上無線通信委員会 構成員名簿(敬称略)
氏
主査
委員
主査代理
専門委員
専門委員
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
委員
専門委員
〃
名
安藤 真
矢野 博之
所
属
東京工業大学 理事・副学長(研究担当) 産学連携推進本部長
国立研究開発法人情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク研究所 研究所長
飯塚 留美
伊藤 数子
大寺 廣幸
小笠原 守
加治佐 俊一
川嶋 弘尚
菊井 勉
一般財団法人マルチメディア振興センター 電波利用調査部 研究主幹
特定非営利活動法人STAND 代表理事
一般社団法人日本民間放送連盟 常勤顧問
日本電信電話株式会社 技術企画部門 電波室長
日本マイクロソフト株式会社 兼 マイクロソフトディベロップメント株式会社 技術顧問
慶應義塾大学 名誉教授
一般社団法人全国陸上無線協会 常務理事・事務局長
横浜国立大学大学院 工学研究院 教授
河野 隆二
兼 同大学未来情報通信医療社会基盤センター長
小林 久美子 日本無線株式会社 研究所 ネットワークフロンティア チームリーダ
斉藤 知弘 日本放送協会 放送技術研究所 伝送システム研究部長 (~第23回)
中原 俊二 日本放送協会 放送技術研究所 伝送システム研究部長 (第24回~)
玉眞 博義 一般社団法人日本アマチュア無線連盟 専務理事
本多 美雄 欧州ビジネス協会 電気通信機器委員会 委員長
松尾 綾子 株式会社東芝 研究開発センター 研究主務
三谷 政昭 東京電機大学 工学部情報通信工学科 教授
森川 博之 東京大学 先端科学技術研究センター 教授
矢野 由紀子 日本電気株式会社 クラウドシステム研究所 シニアエキスパート
若尾 正義 元 一般社団法人電波産業会 専務理事
19
(参考資料) 情報通信審議会 情報通信技術分科会 陸上無線通信委員会
400MHz帯災害対策用可搬型無線システム作業班 構成員名簿(敬称略)
氏 名
所
属
主任
三谷 政昭
東京電機大学 工学部 情報通信工学科 教授
伊藤 泰成
KDDI株式会社 電波部 企画・制度グループ マネージャー
岩本 宏
日本電気株式会社 消防・防災ソリューション事業部 シニアエキスパート
牛丸 今男
株式会社富士通ゼネラル 情報通信ネットワーク事業部 技師長
江場 健司
電気事業連合会 情報通信部 副部長 (第1回)
相川 和則
電気事業連合会 情報通信部 副部長 (第2回~)
江原 真一郎
消防庁 国民保護・防災部 防災課 防災情報室 課長補佐
小竹 信幸
一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター 企画・技術部門 技術グループ 担当部長
小山 祐一
ソフトバンクモバイル株式会社 技術統括 アクセスソリューション本部 アクセス工事企画部 部長
加藤 数衞
株式会社日立国際電気 映像・通信事業部 技師長
金澤 昌幸
一般社団法人電波産業会 研究開発本部 固定通信グループ 担当部長
川瀬 克行
パナソニックシステムネットワークス株式会社 インフラシステム事業部 無線通信システム部 無線システム課 主幹
岸 博之
東京都 総務局 総合防災部 防災通信課 無線係 統括課長代理
酒井 浩介
株式会社ユビテック ユビキタス研究所 主幹
谷澤 正彦
日本無線株式会社 ソリューション事業部 ソリューション技術部 部長
中村 宏之
日本電信電話株式会社 アクセスサービスシステム研究所 無線エントランスプロジェクト 主幹研究員
橋本 昌史
警察庁 情報通信局 通信施設課 課長補佐
平川 洋
守山 栄松
国土交通省 大臣官房 技術調査課 電気通信室 課長補佐
国立研究開発法人情報通信研究機構 電磁波計測研究所 企画室 参事
山崎 高日子 三菱電機株式会社 通信システムエンジニアリングセンター 技術担当部長
20
資料 115-2
「第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等の高度化に関する技術的条件」
及び「広帯域移動無線アクセスシステムの高度化に関する技術的条件」の
検討開始について
1
検討開始の背景
我が国の携帯電話及び広帯域移動無線アクセスシステムの加入数は、平成 27 年
9月末時点で約 1 億 5,500 万加入に達している。また、スマートフォン等の普及や
LTE の加入数増加により、動画像伝送等の利用拡大が進んでおり、移動通信トラヒ
ックが急増している状況にある。
今後も増加が見込まれる移動通信トラヒックに対応するため、第4世代移動通信
システム(LTE-Advanced)を含む携帯電話及び広帯域移動無線アクセスシステム
の更なる高速化等が期待されており、国際的な標準化団体においても、高度化に向
けた検討が進められている。
こうした状況を踏まえ、第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等の高度
化に関する技術的条件及び広帯域移動無線アクセスシステムの高度化に関する技
術的条件の検討を行う。
2
検討事項
(1) 「携帯電話等の周波数有効利用方策」【平成7年7月 24 日付け電気通信技術
審議会諮問第 81 号】のうち「第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等
の高度化に関する技術的条件」
(2) 「2.5GHz 帯を使用する広帯域移動無線アクセスシステムの技術的条件」【平
成 18 年2月 27 日付け諮問第 2021 号】のうち「広帯域移動無線アクセスシステ
ムの高度化に関する技術的条件」
3
検討体制
既存の携帯電話等高度化委員会(主査:高田
学研究科 教授)において検討を行う。
4
答申を予定する時期
平成 28 年5月頃
1
潤一
東京工業大学大学院 理工
2
図 : 移動通信システムの進化(第1世代~第5世代)
2.主な検討項目
f
Y帯域
64QAM
64QAM
256QAMにより、
約1.33倍高速化
( 64QAM 比)
【検討項目②】下り多値変調方式の追加(256QAM)
256QAM
256QAM
※キャリアアグリーゲーションは、複数の搬送波を束ねた通信を行うことにより、伝送速度を高速化する技術。
下りキャリアアグリゲーションについては、各社から2~3の搬送波を束ねたサービスが提供中。
不連続な
搬送波
X帯域
f
• 異なる周波数帯の複数の搬送波を束ね、
伝送速度を高速化
• 同一周波数帯の不連続な複数の搬送
波を束ね、伝送速度を高速化
X帯域
異なる周波数帯における搬送波
同一周波数帯における不連続な搬送波
【検討項目①】上りキャリアアグリゲーションの拡張
○ 我が国の携帯電話及び広帯域移動無線アクセスシステムの加入数は、平成27年9月末時点で約1億5,500万に達しており、
スマートフォン等の普及やLTEの加入数増加により、動画像伝送等の利用拡大が進んでおり、移動通信トラヒックが急増。
○ 今後も増加が見込まれる移動通信トラヒックに対応するため、第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)を含む携帯電話
及び広帯域移動無線アクセスシステムの更なる高速化等が期待されており、国際的な標準化団体においても、高度化に
向けた検討が進められている。
○ こうした状況を踏まえ、第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等の高度化に関する技術的条件及び広帯域移動無線
アクセスシステムの高度化に関する技術的条件の検討を行う。
1.背 景
「第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)等の高度化に関する技術的条件」及び
「広帯域移動無線アクセスシステムの高度化に関する技術的条件」の検討開始について
資料115-3-1
電波利用環境委員会報告概要
~CISPRストレーザ会議の結果について~
平成28年1月22日
電波利用環境委員会
国際無線障害特別委員会(CISPR)について
構成・目的
目的
昭和9年に設立された、IEC(国際電気標準会議)の特別委員会である。電波監理機関、放送・通信
事業者、産業界、大学・研究機関などからなる各国代表のほか、無線妨害の抑圧に関心を持つ国際
機関も構成員となっている。現在、各国構成員は41カ国(うち18カ国はオブザーバー)である。
無線障害の原因となる各種機器からの不要電波(妨害波)に関し、その許容値と測定法を国際的に
合意することによって国際貿易を促進することを目的とする。CISPRにおいて策定された各規格につ
いては、以下のとおり国内規制に反映される。
電子機器の種類
高周波利用設備
家電・照明機器
医療機器
電気設備
情報機器
規制法令等
電波法(型式制度・個別許可)
電気用品安全法(自主確認)
薬機法(自主確認)
電気事業法(自主保安(ただし、妨害電磁波については努力義務))
VCCI技術基準(自主規制)
組織
総会
(Plenary)
※ 年1回開催
運営委員会
(SC‐S)
日本も参加
A小委員会(SC‐A)
測定法・測定装置
幹事国:米国
B小委員会(SC‐B)
ISM機器・電力設備
幹事国:日本
D小委員会(SC‐D)
自動車
幹事国:ドイツ
F小委員会(SC‐F)
家庭用電気機器・照明器具 幹事国:オランダ
H小委員会(SC‐H)
無線局の保護
幹事国:韓国
I小委員会(SC‐I)
マルチメディア機器
幹事国:日本
※ 各小委員会は年1回開催
※ 各小委員会には、複数の作業班(WG等)が設置されている。
1
CISPRストレーザ会議の主な結果
開催期間・参加者等
 2015年9月21日から10月1日までの11日間、ストレーザ(イタリア)にて開催
 我が国からは、総務省、国立研究開発法人情報通信研究機構、日本電信電話株式会社、各大
学、各試験機関及び各工業会等から40名が参加
 次回会合は、杭州(中国)で開催予定(2016年10月24日~11月4日)
対処方針とそれに対する主な結果
対処方針とそれに対する主な結果
今回の会議では、無線通信に対する各電気製品の妨害波の影響を総合的に勘案し、また我が国の
利益と国際協調を考慮して、大局的に対処することとした。総会、運営委員会及び5つの小委員会が
開催され、主な審議結果は以下の通りとなった。
重点審議事項
ワイヤレス電力伝送システムの検討
 近年、電気自動車を始め、様々な電気機器でワイヤレス電力伝送システム(WPT)の検討が進め
られている。
 CISPRにおいても、関連する小委員会(B小委員会、F小委員会及びI小委員会)にタスクフォース
(TF)が設置され、規格の検討が行われている。
2
各小委員会におけるWPTの審議結果(1/2)
 B小委員会
【対処方針】
これまでの我が国の提案が反映されるように努めつつ、早期の文書化を推進する。作業スケジュール
についてはメンテナンスサイクルを確認し、現行規格の修正を早期に発行するための合意を得られるよ
う審議を促進する。
あわせて、国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)におけるWPTの利用周波数の特定に係る審議
状況を考慮して対処する。
【審議結果】
DC案についての審議が進められ、我が国からは、他の無線設備との共用検討の必要性や測定方法
についての提案を行った。
審議の結果、議論の内容を反映した上でDCを発行することが合意された。
DCでは2016年3月頃を締切りとして各国からの意見を募り、2016年4月に開催される中間会合でDC
に対して寄せられた意見についての検討を行う予定である。
 F小委員会
【対処方針】
我が国はTF-IPT設置当初から参加して意見を提出しており、2ndDCにおいても測定法について誘導
コイルの水平・垂直方向の2回実施すべき等の意見が採用されている。同DCにおける我が国の意見が
引き続き反映されるよう、必要に応じて我が国の意見の説明を行う。
【審議結果】
2ndDCに対する各国意見について審議が行われ、測定法等について議論が行われた。
審議の結果、我が国からの意見は引き続き反映されることとなり、議論の結果を踏まえたCDを回付す
ることとなった。
3
各小委員会におけるWPTの審議結果(2/2)
 I小委員会
【対処方針】
放射妨害波の最大値を適切に測定するために必要な測定帯域幅についての検討を促すため、測定
帯域幅を変えたWPTの妨害波の測定結果を報告する。
あわせて、WPTの動作条件などこれまでの測定法に関する検討結果を取りまとめたDC骨子案を提案
し、骨子の内容について各国に対して意見を求めることを提言する。
【審議結果】
I小委員会単独のWPT-TFは開催されず、I小委員会からの要請に基づき、B小委員会との合同WPTTFが開催された。同TFでは、マルチメディア機器(MME)の規格を検討する上での課題が議論された。
議論の結果を基にMMEのWPTを引き続き検討していくこととなった。
4
CISPRストレーザ会議の主な結果(総会)
総会
 CISPR総会における決定事項の取扱い
【対処方針】
CISPR総会での決定事項が各小委員会に及ぼす影響の取扱いをISO/IEC指針に追加するためのQ
文書が回付され、全会一致で可決された。可決されたQ文書の内容に沿って、ISO/IEC指針が修正さ
れることを確認する。
【審議結果】
議長からQ文書が可決されたことが報告され、今後はISO/IEC指針の修正を待つこととなった。
 9 kHz-150 kHzの伝導妨害波の測定法及び許容値
【対処方針】
現在、9 kHz-150 kHzにおける有線に対する伝導妨害波の許容値は、IEC/ACEC(電磁両立性諮問
委員会)からの要請により、IEC/TC77 SC77Aにおいて検討が行われている。TC77での検討状況につ
いての報告を聞き、内容を確認する。
【審議結果】
SC77Aにおける検討状況について説明があった。CISPRからは、一部のCISPR規格では既に無線に
対する伝導妨害波の許容値を既に定めていることを説明した文書を回付しており、TC77からの連絡を
待つこととなった。
5
CISPRストレーザ会議の主な結果(A小委員会)(1/2)
 30 MHz以下の周波数帯における放射妨害波測定
【対処方針】
測定サイト・アンテナ校正法に関して、我が国の試験結果や壁からの反射を考慮した評価法の追加な
どの意見がCD案に反映されるよう対処する。
【審議結果】
ループアンテナの校正法についての修正案を提案し、我が国の構成員が主導して2015年末までに
RRを発行することとなった(2016年1月に発行済み)。
また、被試験機器(EUT)のサイズ(直径1.5m/2.5m/5m)とそれに対応する測定距離(3m/5m/10m)、
サイト評価法等に関して各TFで検討した結果を受けて、CD案を回付することとなった。
測定サイトの例
電波暗室
オープンテストサイト
アンテナの例
ループアンテナ
バイコニカルアンテナ
6
CISPRストレーザ会議の主な結果(A小委員会)(2/2)
 新たな測定法や測定装置の提案及び既存規格(CISPR 16シリーズ )への反映等
【対処方針】
試験の精度や効率を改善することを目的として、新たに全無響電波暗室(FAR)サイト評価法及びラー
ジループアンテナ測定法を提案する。既に提案している設置場所試験法等については、他の小委員
会との合同TFの設立を提案し、既存規格の改定を目指す。
【審議結果】
FARサイト評価法については、I小委員会で必要性を再度議論した上で、引き続き検討することとなっ
た。また、ラージループアンテナ測定法については、プロジェクトチームを設置してさらなる検討を継続
することとなった。
設置場所試験法については、I小委員会との合同TFを設立するための提案を我が国から行う予定だ
ったが、I小委員会での検討が遅れているため、次回以降に延期となった。
全無響電波暗室(FAR)
ラージループアンテナ
電波を吸収する物体(大地面
と違い電波を反射しない)
内部に被試験機器を設置して
妨害波を測定する
7
CISPRストレーザ会議の主な結果(B小委員会)(1/2)
 ISM機器の妨害波許容値と測定法(CISPR 11)の改定
【対処方針】
規格の全般的改正や太陽光発電装置以外の系統連系電力変換器(GCPC)の規格の追加に我が国
は賛成としており、DCの発行に向けて全面的に協力する。また、GCPC関連の改定作業をこれまでどお
り我が国主導で実施できるよう積極的に審議に寄与する。
また、GCPC等に関する要件を追加するために、検討の場として新規TFを設立するとともに我が国の
エキスパートをTFリーダとする提案を行う予定である。
【審議結果】
全般的改正、太陽光発電装置以外のGCPC並びに系統に連系されないDC/DC電力変換装置に対
する要件の補遺について、次期改定に向けたDCを発行することとなった。全般的改正のDCは、2016
年6月頃に発行される予定である。
また、GCPC等について、我が国の提案に基づきTFを新たに設置することが合意され、リーダには我
が国のエキスパートが就任することとなった。2015年10月中にTFの対象機器や作業範囲、名称等を追
記・修正したDC案を準備し、2015年中にDCを発行することが合意された。
規格化済み
太陽光発電装置
負荷側
GCPC
負荷側
GCPC
負荷側
太陽光発電用GCPCの直流電源
ポートについては既に規格化
DC/DC
新たに規格化
を検討
GCPC
太陽光発電装置
新TFにおける検討範囲
蓄電池
8
CISPRストレーザ会議の主な結果(B小委員会)(2/2)
 架空電力線、高電圧装置の妨害波特性に関する技術報告書(TR 18)の改定
【対処方針】
我が国はTRの改定に賛成としており、次版のCDに対する各国からの意見を確認するとともに、情報
の追加や表現の修正など我が国から提出した意見の説明を行う。
【審議結果】
TR 18-1、18-2及び18-3 の第2版のメンテナンスについて、各CDに対する各国意見の確認が行われ
た。我が国の主要な意見は全て採用された。また、TR 18-2については、各国のデジタルTV放送の周
波数帯を勘案した測定法とすべきとの意見等が出され、これらをDTRに反映させることとなった。2016年
3月を目途にDTRの投票が行われる予定である。
 電気鉄道システムの妨害波特性に関する技術報告書(TR 26)の審議
【対処方針】
我が国主導で規格化を進めており、TR発行に係るDC案の提案を行う。
【審議結果】
我が国から新規プロジェクトの設置を提案するDCの回付を提案した。しかし、TC9におけるIEC 62236
(鉄道分野の電磁両立性)のメンテナンスに合わせて検討を行うべきとの意見が出されたため、TC9との
調整後にDC発行を検討することとなった。
9
CISPRストレーザ会議の主な結果(F小委員会)
 家庭用電気機器・電動工具等の妨害波規格(CISPR 14-1)の改定
【対処方針】
2ndCDに対する各国からの意見がCDVに反映されており、技術的事項については審議が重ねられて
いる。CDVにおける我が国の意見が引き続き反映されるよう、必要に応じて説明を行う。
【審議結果】
CDVの審議が行われ、有線ネットワークポートの規定の追加など、技術的事項に係る我が国の提案が
反映された。
また、ラージループアンテナを使った測定法は、これまで対角線寸法1.6m以下の家庭用IH式調理器
にのみ適用されていたが、対角線寸法1.6m以下であれば業務用IH式調理器にも適用されることとなっ
た。
今後、12月中にFDISを発行することとなった(2016年1月現在、未発行)。
 照明機器等の妨害波規格(CISPR 15)の改定
【対処方針】
現行規格では、適用される機器と許容値の対応関係がわかりづらい等の課題があったため、対応関
係の明確化を含んだ次版のCDが発行された。CDにおいて、新たに導入されたポートやネットワーク等
の定義について明確化を求めるなど、我が国の意見が反映されるよう対処する。
【審議結果】
新しい定義が指す機器の範囲を明確化するための意見を我が国から提出し、規格に反映されることと
なった。
検討すべき項目が多く残されているため、規格策定期間を1年間延長して2018年に変更し、次の検
討段階を2ndCDとすることが決定された。
10
CISPRストレーザ会議の主な結果(H小委員会)
 共通エミッション規格(IEC 61000-6-3:住宅、商業及び軽工業環境、IEC 61000-6-4:工
業環境)の改定
【対処方針】
FARにおける床置機器・卓上機器の両試験に対して、従来から我が国が主張してきた偏波別の許容
値案が3rdCDに情報的附属書として採用されており、これを支持する。
【審議結果】
偏波別の許容値案を情報的附属書に含めてCDV段階に進むことが合意された。
また、 商業・軽工業環境と工業環境の両環境区分の一本化については、一本化せずに現行規格と
同じ環境区分のままで引き続き検討を行うこととなった。これは、我が国の考え方とも沿うものである。
 干渉モデルと放射妨害波の許容値設定モデルの技術報告書(TR 16-4-4)の改定
【対処方針】
我が国は30 MHz以下のモデルを追加することに賛成であり、モデルの確率要素の根拠を確認する。
【審議結果】
3rdCDに対する各国意見の審議が行われる予定だったが、時間不足により今年1月に開催されるWG
1中間会合に持ち越しとなった。
 太陽光発電システム及び照明用超低電圧屋内配線設備からの放射モデルの検討
【対処方針】
太陽光発電用GCPCに関する審議(B小委員会)及び超低電圧照明装置に関する審議(F小委員会)
に対して我が国から提出した意見との整合性に留意しつつ対処する。
【審議結果】
これまでアドホックグループで行われてきた検討結果をCISPR 16-4-4に反映させるため、H小委員会
の作業項目として追加することが合意された。
11
CISPRストレーザ会議の主な結果(I小委員会)
 マルチメディア機器の妨害波規格(CISPR 32)の改定
【対処方針】
課題を短期作業と長期作業に整理してまとめたDCに対する各国意見を基に、今後検討すべき課題と
その検討の進め方を確認する。短期作業の課題について、既に個別のDCにより各国の意向を確認し
ている課題や、ラウンドロビンテスト(RRT)の結果等を基に検討の方向性が得られつつある課題は、速
やかにCDを準備するよう提言する。
【審議結果】
DCに対する各国意見が審議され、各課題を整理・統合してメンテナンス事項としてまとめたRRを発行
することとなった。
また、我が国からの提言に従い、測定サイトの電源インピーダンスの規定について、CD段階へ進める
こととなった。
 マルチメディア機器のイミュニティ規格(CISPR 35)の策定
【対処方針】
CDVが可決された場合は、各国から提出された意見を速やかに確認してFDISの準備を開始するよう
提言する。CDVが否決された場合は、速やかに修正CDVの準備を進めることを提言する。
【審議結果】
CDVは賛成多数で承認され、FDIS段階へ進めることとなった。FDISの準備においては、技術的事項
について最小限の変更に留めることが合意された。
今後は、審議結果を反映したFDIS案を準備し、今年4月頃にFDISを投票に付すこととなった。
12
参考(1/3)
【CISPRの審議段階における文書略称】
用語
名称
NP
新業務項目提案(New Work Item Proposal)
WD
作業原案(Working Draft)
DC
コメント用審議文書(Document for Comments)
CD
委員会原案(Committee Draft)
CDV
投票用委員会原案(Committee Draft for Vote)
FDIS
最終国際規格案(Final Draft International Standard)
IS
国際規格(International Standard)
ISH
解釈票(Interpretation Sheet)
DTR
技術報告書案(Draft Technical Report)
TR 技術報告書(Technical Report)
PAS
公開仕様書(Publicly Available Specification)
AC
事務連絡文書(Administrative Circular)
Q
質問票(Questionnaire)
RR
レビュー報告書(Review Report)
13
参考(2/3)
【CISPR規格の制定手順】
NP(新業務項目提案)
否決
廃案
承認
WD(作業原案)
★
ヶ月以内
36
否決
修正WD
回付
CD(委員会原案)
否決
修正CD
否決
修正CDV
承認
FDIS(最終国際規格案)
承認
NPの承認後、小委員会のWGにおいてWDの策
定に当たる専門家を小委員会の幹事が任命
専門家は、NP承認後から6ヶ月以内に小委員会に
WDを提出
CDは、総会でのコンセンサス又は、Pメンバーの投
票にかけて、2/3以上が賛成の時に承認される
承認
CDV(投票用委員会原案)
NPは以下を満たす時に承認される
・投票した小委員会のPメンバー(議決権を持つ参加国)の
単純過半数が賛成
かつ
・Pメンバーが16人以下の小委員会では4人以上、17人以
上の小委員会では5人以上の投票に参加したPメンバー
が審議に参加
否決
修正原案
CDVは以下を満たす時に承認される
・投票した小委員会のPメンバーの2/3以上が賛成
かつ
・反対が投票総数の1/4以下
FDISは以下を満たす時に承認される
・投票した小委員会のPメンバーの2/3以上が賛成
かつ
・反対が投票総数の1/4以下
※否決された場合、CD、CDV、FDISのいずれかに再提出
IS(国際規格)
FDISの承認後から2ヶ月以内に発行
14
参考(3/3)
用語
概要
系統連系電力変換器
(GCPC)
直流電力を交流電力に変換する機器
サイト評価法
電波暗室等におけるシールド材料の遮蔽効果や材料などの属性
に応じたシールド特性の効果を評価する方法。
障害モデル
電磁的ノイズ等による障害が起こる見本。
全無響電波暗室(FAR:
Fully Anechoic Room)
上下左右前後の6面全ての内壁に電磁波吸収体を取り付けて、い
かなる方向からの電波も反射しない電波暗室。
妨害波源モデル
妨害波が発生する仕組み及び原因の見本。
ラウンドロビンテスト
複数の試験機関で同一機器を使用して測定を行い、測定法や測
定装置の信頼性を検証するためのテスト。
15
第5期科学技術基本計画の概要
資料115-4-1
■ 「科学技術基本計画」は、科学技術基本法に基づき政府が策定する、10年先を見通した5年間の科学技術の振興に関する総合的な計画
■ 第5期基本計画(平成28年度~32年度)は、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)として初めての計画であり、「科学技術イノベーション政策」を強力に推進
■ 本基本計画を、政府、学界、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画として位置付け、我が国を「世界で最もイノベーションに適した国」へと導く
第1章 基本的考え方
第2章 未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組
(1) 現状認識
自ら大きな変化を起こし、大変革時代を先導していくため、非連続なイノベーションを生み
出す研究開発と、新しい価値やサービスが次々と創出される「超スマート社会」を世界に先駆
けて実現するための仕組み作りを強化する。
■ ICTの進化等により、社会・経済の構造が日々大きく変化する「大変革時代」が到来
・既存の枠組みにとらわれない市場・ビジネス等の登場 ・「もの」から「コト」へ、価値観の多様化
・知識・価値の創造プロセス変化(オープンイノベーションの重視、オープンサイエンスの潮流)等
■ 国内外の課題が増大、複雑化(エネルギー制約、少子高齢化、地域の疲弊、自然災害、
安全保障環境の変化、地球規模課題の深刻化など)
(1) 未来に果敢に挑戦する研究開発と人材の強化
⇒ こうした中、科学技術イノベーションの推進が必要(科学技術の多義性を踏まえ成果を適切に活用)
(2) 科学技術基本計画の20年間の実績と課題
■ 研究者数や論文数が増加するなど、我が国の研究開発環境
は着実に整備され、国際競争力を強化。LED、iPS細
胞など国民生活や経済に変化をもたらす科学技術が登場。今
世紀、ノーベル賞受賞者(自然科学系)が世界第2位であ
ることは、我が国の科学技術が大きな存在感を有する証し。
総論文数に占める被引用回数トップ10%
論文数割合の推移(国際比較)
(%)
18
■ しかし近年、論文の質・量双方の国際的地位低下、国際研
究ネットワーク構築の遅れ、若手が能力を発揮できていない等、
「基盤的な力」が弱体化。産学連携も本格段階に至っていない。
大学等の経営・人事システム改革の遅れや組織間などの「壁」
の存在などが要因に
英国
16
米国
ドイツ
(2) 世界に先駆けた「超スマート社会」の実現(Society 5.0)
14
フランス
12
中国
10
日本
8
8.5%
韓国
6
(年度)
科学技術・学術政策研究所
「科学研究のベンチマーキング2015」より作成
■ 政府研究開発投資の伸びは停滞。世界における我が国の立ち位置は劣後傾向
(3) 目指すべき国の姿
■ 基本計画によりどのような国
を実現するのかを提示
(4) 基本方針
①
②
③
④
持続的な成長と地域社会の自律的発展
国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現
地球規模課題への対応と世界の発展への貢献
知の資産の持続的創出
■ 先を見通し戦略的に手を打っていく力(先見性と戦略性)と、どのような変化にも的確に対応
していく力(多様性と柔軟性)を重視
■ あらゆる主体が国際的に開かれたイノベーションシステムの中で競争、協調し、各主体の持つ力
を最大限発揮できる仕組みを、人文社会科学、自然科学のあらゆる分野の参画の下で構築
① 第5期科学技術基本計画の4本柱
ⅰ)未来の産業創造と社会変革
ⅲ)基盤的な力の強化
■ 失敗を恐れず高いハードルに果敢に挑戦し、他の追随を許さないイノベーションを生み出してい
く営みが重要。アイデアの斬新さと経済・社会的インパクトを重視した研究開発への挑戦を促すと
ともに、より創造的なアイデアと、それを実装する行動力を持つ人材にアイデアの試行機会を提供
(各府省の研究開発プロジェクトにおける、チャレンジングな研究開発の推進に適した手法の普
及拡大、ImPACTの更なる発展・展開など)
ⅱ)経済・社会的な課題への対応
ⅳ)人材、知、資金の好循環システムの構築
※ ⅰ~ⅳの推進に際し、科学技術外交とも一体となり、戦略的に国際展開を図る視点が不可欠
② 科学技術基本計画の推進に当たっての重要事項
ⅰ)科学技術イノベーションと社会との関係深化 ⅱ)科学技術イノベーションの推進機能の強化
■ 基本計画を5年間の指針としつつ、毎年度「総合戦略」を策定し、柔軟に政策運営
■ 計画の進捗及び成果の状況を把握していくため、主要指標及び目標値を設定(目標値は、国全体と
しての達成状況把握のために設定しており、現場でその達成が自己目的化されないよう留意が必要)
■ 世界では、ものづくり分野を中心に、ネットワークやIoTを活用していく取組が打ち出されている。
我が国ではその活用を、ものづくりだけでなく様々な分野に広げ、経済成長や健康長寿社会の形
成、さらには社会変革につなげていく。また、科学技術の成果のあらゆる分野や領域への浸透を促
し、ビジネス力の強化、サービスの質の向上につなげる
■ サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した「超スマート社会」を未来の姿とし
て共有し、その実現に向けた一連の取組を「Society 5.0」※とし、更に深化させつつ強力に推進
※ 狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続くような新たな社会を生み出す変革を科学技術イノベーションが先導していく、という意味を持つ
■ サービスや事業の「システム化」、システムの高度化、複数のシステム間の連携協調が必要であり、
産学官・関係府省連携の下、共通的なプラットフォーム(超スマート社会サービスプラットフォー
ム)構築に必要となる取組を推進
超スマート社会とは、
「必要なもの・サービスを、必要な人に、
必要な時に、必要なだけ提供し、社会
の様々なニーズにきめ細かに対応でき、
あらゆる人が質の高いサービスを受け
られ、年齢、性別、地域、言語といった
様々な違いを乗り越え、活き活きと快
適に暮らすことのできる社会」であり、
人々に豊かさをもたらすことが期待される
高度道路交通
システム
スマート・フード
チェーンシステム
スマート生産
システム
エネルギー
バリューチェーン
新たな
ものづくりシステム
超スマート社会
サービスプラットフォーム
インターフェース、データ セキュ リティの 標準的データ
フォーマット標準化 高度化・社会実装 の活用
情報通信基盤
新サービス向け
地域包括
ケアシステム
インフラ
維持管理・更新
人材の育成
の開発強化 規制・制度改革
自然災害に対する
統合型材料開発
強靭な社会
システム
〔測位・認証等の既存システムも活用〕
地球環境情報
新しい事業・サービス
プラットフォーム
おもてなしシステム
(3) 「超スマート社会」における競争力向上と基盤技術の戦略的強化
■ 競争力の維持・強化に向け、知的財産・国際標準化戦略、基盤技術、人材等を強化
■ システムのパッケージ輸出促進を通じ、新ビジネスを創出し、課題先進国であることを強みに変える
■ 基盤技術については、超スマート社会サービスプラットフォームに必要となる技術(サイバーセキュリ
ティ、IoTシステム構築、ビッグデータ解析、AI、デバイスなど)と、新たな価値創出のコアとなる
強みを有する技術(ロボット、センサ、バイオテクノロジー、素材・ナノテクノロジー、光・量子など)に
ついて、中長期視野から高い達成目標を設定し、その強化を図る
1
第5章 イノベーション創出に向けた人材、知、資金の好循環システムの構築
第3章 経済・社会的課題への対応
国内又は地球規模で顕在化している課題に先手を打って対応するため、国が重要な政策
課題を設定し、課題解決に向けた科学技術イノベーションの取組を進める。
■ 13の重要政策課題ごとに、研究開発から社会実装までの取組を一体的に推進
<持続的な成長と地域社会の自律的発展>
(1) オープンイノベーションを推進する仕組みの強化
・エネルギーの安定的確保とエネルギー利用の効率化 ・資源の安定的な確保と循環的な利用
・食料の安定的な確保 ・世界最先端の医療技術の実現による健康長寿社会の形成
・持続可能な都市及び地域のための社会基盤の実現
・効率的・効果的なインフラの長寿命化への対策 ・ものづくり・コトづくりの競争力向上
・自然災害への対応 ・食品安全、生活環境、労働衛生等の確保
・サイバーセキュリティの確保 ・国家安全保障上の諸課題への対応
<地球規模課題への対応と世界の発展への貢献>
(2) 新規事業に挑戦する中小・ベンチャー企業の創出強化
・生物多様性への対応
■ 様々な課題への対応に関連し、国家戦略上重要なフロンティアである「海洋」「宇宙」の適切な
開発、利用及び管理を支える一連の科学技術について、長期的視野に立って継続的に強化
第4章 科学技術イノベーションの基盤的な力の強化
今後起こり得る様々な変化に対して柔軟かつ的確に対応するため、若手人材の育成・活躍
促進と大学の改革・機能強化を中心に、基盤的な力の抜本的強化に向けた取組を進める。
(1) 人材力の強化
(%)
30
セクター間の研究者の移動状況
約8,200人
■ 企業・大学・公的研究機関における推進体制強化(産業界の
大学等
人材・知・資金を投入した本格的連携、大学等の経営システム改
318千人
約7,400人
約1,200人
革、国立研究開発法人の橋渡し機能強化など)
約200人
約500人
■ 人材の移動の促進、人材・知・資金が結集する「場」の形成 約2,100人 非営利団体 約800人
約12,400人
企業
・公的機関
43千人 約100人 531千人
■ こうした取組を通じセクター間の研究者移動数の2割増、大学
総務省統計局
等・国立研究開発法人の企業からの共同研究受入額の5割増
<国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現>
・地球規模の気候変動への対応
国内外の人材、知、資金を活用し、新しい価値の創出とその社会実装を迅速に進めるため、
企業、大学、公的研究機関の本格的連携とベンチャー企業の創出強化等を通じて、人材、
知、資金があらゆる壁を乗り越え循環し、イノベーションが生み出されるシステム構築を進める。
大学本務教員の年齢階層構造の推移
40-49歳
50-59歳
■ 若手研究者のキャリアパスの明確化とキャリアの段階に応じ 25
24.7%
25-39歳
能力・意欲を発揮できる環境整備(大学等におけるシニアへ
20
の年俸制導入や任期付雇用転換等を通じた若手向け任期
60歳以上
なしポストの拡充促進、テニュアトラック制の原則導入促進、 15
2001
2004
2007
2010
2013(年度)
大学の若手本務教員の1割増など)
文部科学省 「学校教員統計調査」 より作成
■ 科学技術イノベーションを担う多様な人材の育成・確保とキャリアパス確立、大学と産業界等と
の協働による大学院教育改革、次代の科学技術イノベーションを担う人材育成
■ 女性リーダーの育成・登用等を通じた女性の活躍促進、女性研究者の新規採用割合の増加
(自然科学系全体で30%へ)、次代を担う女性の拡大
■ 海外に出る研究者等への支援強化と外国人の受入れ・定着強化など国際的な研究ネット
ワーク構築の強化、分野・組織・セクター等の壁を越えた人材の流動化の促進
(2) 知の基盤の強化
■ イノベーションの源泉としての学術研究と基礎研究の推進に向けた改革・強化(社会からの負託
に応える科研費改革・強化、戦略的・要請的な基礎研究の改革・強化、学際的・分野融合的な
研究充実、国際共同研究の推進、世界トップレベル研究拠点の形成など)
■ 研究開発活動を支える共通基盤技術、施設・設備、情報基盤の戦略的強化、オープンサイエ
ンスの推進体制の構築(公的資金の研究成果の利活用の拡大など)
■ こうした取組を通じた総論文数増加、総論文のうちトップ10%論文数割合の増加(10%へ)
(3) 資金改革の強化
■ 大学等の一層効率的・効果的な運営を可能とする基盤的経費の改革と確実な措置
■ 公募型資金の改革(競争的資金の使い勝手の改善、競争的資金以外の研究資金への間接
経費導入等の検討、研究機器の共用化の促進など)
■ 国立大学改革と研究資金改革との一体的推進(運営費交付金の新たな配分・評価など)
「平成26年科学技術研究調査」 より作成
■ 起業家の育成、起業、事業化、成長段階までの各過程に適した支援(大学発ベンチャー創出
促進、新製品・サービスに対する初期需要確保など)、新規上場(IPO)やM&Aの増加
(3) 国際的な知的財産・標準化の戦略的活用
■ 中小企業や大学等に散在する知的財産の活用促進(特許出願に占める中小企業割合
15%の実現、大学の特許実施許諾件数の5割増)、国際標準化推進と支援体制強化
(4) イノベーション創出に向けた制度の見直しと整備
■ 新たな製品・サービス等に対応した制度見直し、ICT発展に対応した知的財産の制度整備
(5) 「地方創生」に資するイノベーションシステムの構築
■ 地域主導による自律的・持続的なイノベーションシステム駆動(地域企業の活性化促進など)
(6) グローバルなニーズを先取りしたイノベーション創出機会の開拓
■ グローバルニーズの先取りやインクルーシブ・イノベーション※を推進する仕組みの構築
※ 社会的に包摂的で持続可能なイノベーション。新興国及び途上国との科学技術協力において、これまでの援助型の協力からの脱却を図る
第6章 科学技術イノベーションと社会との関係深化
科学技術イノベーションの推進に当たり、社会の多様なステークホルダーとの対話と協働に取り組む。
■ 様々なステークホルダーの「共創」を推進。政策形成への科学的助言、倫理的・法制度的・社
会的取組への対応などを実施。また、研究の公正性の確保のための取組を実施
第7章 科学技術イノベーションの推進機能の強化
科学技術イノベーションの主要な実行主体である大学及び国立研究開発法人の改革・機能
強化と科学技術イノベーション政策の推進体制の強化を図るとともに、研究開発投資を確保する。
■ 「教育や研究を通じて社会に貢献する」との認識の下での抜本的な大学改革と機能強化、イノ
ベーションシステムの駆動力としての国立研究開発法人改革と機能強化を推進
■ 科学技術イノベーション活動の国際活動と科学技術外交との一体的展開を図るとともに、客観的
根拠に基づく政策推進等を通じ、科学技術イノベーション政策の実効性を向上。さらに、CSTI
の司令塔機能を強化(指標の活用等を通じた恒常的な政策の質の向上、SIPの推進など)
■ 基本計画実行のため、官民合わせた研究開発投資を対GDP比4%以上、政府研究開発投
資について経済・財政再生計画との整合性を確保しつつ対GDP比1%へ。期間中のGDP名
目成長率を平均3.3%という前提で試算した場合、政府研究開発投資の総額の規模は約26兆円
2
AI・脳研究分野等の先端技術分野の推進方策の検討
資料115-4-2
~情報通信審議会 技術戦略委員会の検討再開~
1
1 検討内容・目的
• 昨年7月に取りまとめられた中間答申において提言された重点研究開発課題のうち、
「社会(価値)を創る」分野を中心に、自律型モビリティシステム、次世代IoT等の先端技術
分野、さらに、AI・脳研究分野に関する課題について重点的に議論し、具体的なプロジェ
クトの推進方策、研究人材の育成方策、標準化ロードマップ等について検討する。
2 検討体制
• 技術戦略委員会(主査:相田 仁 東京大学大学院教授)の下に、自律型モビリティシステム、
次世代IoT等の先端技術分野の技術開発等に関する課題を検討する「先端技術WG」を
設置するとともに、AI・脳研究分野の技術開発等に関する課題を検討する「AI・脳研究WG」
を設置する。
• 研究人材の育成方策、標準化ロードマップ等については、技術戦略委員会において検討
を行う。
3 スケジュール
• 平成28年3月目途に中間取りまとめ
• 同年7月目途に第2次中間答申
(参考) 情報通信審議会中間答申(平成27年7月)の概要(重点研究開発分野)
2
世界最先端の「社会全体のICT化」(ソーシャルICT革命)による先進的な未来社会の実現
→新たな価値の創造、社会システムの変革
ICTは国の持続的発展と安全・安心を確保するための基盤であり、次の5年間において、国及びNICTは
基礎的・基盤的な研究開発をしっかりと進めていくことが必要。
新たなIoT時代に対応した世界最先端のテストベッドを整備し、最新の研究開発成果をテストベッドとして
研究機関やユーザー等に開放することで先進的な研究開発と実証を一体的に推進。
未来社会を開拓する世界最先端のICT
社会を
社会を
観る
社会(価値)を
繋ぐ
創る
フィードバック
 センシング&データ取得基盤分野
 電磁波センシング(超高性能レーダー等)
 センサーネットワーク(IoT2.0等)
 センサー・ソーシャルデータ取得・解析
 データ利活用基盤分野
 統合ICT基盤分野
 コア系(光通信基盤等)
 アクセス系(モバイルNW技術等)
 ビッグデータ解析(人工知能等)
 ユニバーサルコミュニケーション(自動翻訳等)
 アクチュエーション(自動制御等)
社会(生命・財産・情報)を
守る
未来を
拓く
◆ 情報セキュリティ分野
◆ 耐災害ICT基盤分野
◆ フロンティア研究分野
自律型モビリティシステム、次世代IoT等の推進方策の検討
~先端技術WGの検討課題~
3
 自動走行技術については、内閣府SIP「自動走行」プロジェクトにて、関係省庁が連携・分担して推進。これを支える
技術として、総務省は通信ネットワーク技術の開発等を推進(国土交通省においては道路の整備・高度化、経済産業省は隊列走行の
研究開発等を推進。)。
 自動走行技術を実装した自律型モビリティシステム(電気自動車、電動車いす、支援ロボット等)は、
高齢者・障がい者の安全・安心な生活、多様な経済活動の生産性確保等に資するため、早期の社会実装が期待。
「先端技術WG」では、以下のような課題及びその他の先端的なIoT関連技術に関する今後の推進方策を検討。
【検討課題例】
① 自律型モビリティシステムのネットワーク制御における高信頼化、緊急時の自動停止、再起動等の安全対策、衛星測位等も組み合わせた
移動の高精度化の実現方策
② 自動走行に必要不可欠な高度地図データベース(ダイナミックマップ)の高効率なリアルタイム更新や各車への高効率情報配信の実現方策
③ 車載及び路側の画像センサ等の情報を自律型モビリティシステムに最小の遅延で伝送する次世代IoTネットワークの実現方策
各種の自律型モビリティ
システム(電気自動車、
電動車いす等)
自動走行技術等の社会実装を加速化し、ITSをより高度化
安全・安心で快適な社会の実現
過疎地向け
電気自動車
多様な応用分野
(ロボット、ドローン等)
自律走行型案内ロボット
自律電動車いす
効率の良い通信方式により、
高度地図情報のリアルタイム更新・配信
ネットワーク制御型
工事車両
高度地図データベースと情報の伝送遅延を最小化した
次世代IoTネットワーク等による自律型モビリティ社会の実現
荷物運搬用
自動飛行ドローン
脳機能に学ぶ人工知能の推進方策の検討
4
~AI・脳研究WGの検討課題~
 人工知能(AI)は、今後の生産性革命・未来社会の実現に不可欠な基盤技術として、総務省、文部科学省、
経済産業省の3省で連携し、研究開発を推進。総務省は、NICTを中心として、脳情報通信技術等の研究開発を実施
(文部科学省においては基礎研究や人材育成等、経済産業省においては応用研究や実用化・社会への適用等を実施。)。
 「AI・脳研究WG」では、以下のようなビッグデータ解析と脳科学を融合した次世代人工知能に関する今後の推進方策
を検討。
※1:NICT ユニバーサルコミュニケーション研究所等に
おいて実施
ビッグデータから知能を理解・創造するアプローチ※1
• 自然言語処理(機械翻訳、質問応答)、ディープラーニング、画像認識、データマイニング、
辞書・知識ベース構築方法論 等
融合
※2:NICT 脳情報通信融合研究センター
(CiNet)において実施
脳機能に学び知能を理解・創造するアプローチ※2
脳が感じ理解する仕組みを解明する研究
【例】
視覚や聴覚等と脳活動との関係を解明する研究
・ 脳活動から、元の視聴した映像や音声に含まれる具体
的な事象を表現するだけでなく、行為や印象を表す動詞
や形容詞のような表現を推定する技術の研究を推進。
BMI※3による脳機能の強化支援
【例】
行動と脳活動との関係を解明する研究
・ 脳活動と行動との関係を解明することで、リハ ビリの効果
的な実施、健常人の能力向上等に活用する研究を推進。
行動の選択
視覚動画の再現
JS
見ていた動画
脳活動から推定した意味内容
名詞
動詞
形容詞
着る
着ける
被る
若い
鋭い
短い
ディフェンスをどう抜く?
関連領域が
広範囲で活性化
知覚・印象・想起内容の
推定
女性
男性
髪
※3:ブレイン・マシン・
インタフェース
AIのブレーク
スルーの創出、
新たな知識
情報社会の
創出
Neymar Jr.
多くの可能性を
引き出し多様な
選択肢を準備
• 超一流サッカー選手がドリブルを行う際の
脳活動を分析すると、一般人と比べて脳の
関連領域が広範囲に活性化。
• また、行動(シュート等)に移す時には脳の
限定的でごく僅かな領域のみが活性化。
例えば、AIが情報通信分
野に活用されることにより、
① ネットワークの保守・障
害対策の自動化、サイ
バー攻撃対策の自動化
等の究極の安全・安心な
情報通信ネットワークの
実現、インフラ運用の低
コスト化
② 個人の特性に合わせ
て最適化した究極の
ヒューマンインタフェース
等の実現が期待
資料115-5
「グローバルコミュニケーション計画」 の推進
平成28年1月22日
総
務
省
情報通信国際戦略局
多言語音声翻訳システム
• 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)では、言語の壁を越える技術
の研究開発を推進している。
• スマートフォンに日本語を音声入力すると即座に外国語に翻訳して、音声出
力するアプリを実現。
1
多言語音声翻訳の仕組み
「駅はどこですか」
翻訳アプリ
音声入力
ネットワーク上のサーバへ
入力された音声を送信
VoiceTra
ネットワーク上のサーバから
翻訳された音声が戻ってくる
音声出力
「Where is the Station?」
音声認識
多言語翻訳
音声合成
音声を文字に変換
日本語を英語に翻訳
文字を音声に変換
ekiwadoko
desuka
駅はどこ
ですか
The station
where is
Where is
the station
• 声を聞き取って文字に変換
• 日本語のコーパスを参照して文字を並び
替え
• コンピュータにある日本語と英語の対訳コーパ
スから同じ意味の英語を探索
• 英語の文法に合わせて自然な英語に並び替え
• 文字を自然な
音声に変換
日本語の音声・文字コーパス
日本語と英語の対訳コーパス
英語の音声コーパス
サーバ内の処理
コーパス:自然言語の文章を品詞など文の構造の注釈をつけて構造化したものを大規模に集積したもの
2
多言語音声翻訳の研究開発の経緯
社会還元加速プロジェクト (実用化が加速)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2015
VoiceTra 約86万ダウンロード
1万発話/日の利用
総合科学技術会議
デモ
社会還元加速
プロジェクトスタート
NTTdocomo
成田国際空港
しゃべってコンシェル
NariTra
(2011.12)
(2012.3)(音声認識を利用)
NICT
VoiceTra
(2015.10)
VoiceTra
(2010. 7- 2013.3)
2009年度補正予算
「総務省 地域の観光振興に
貢献する自動音声翻訳技術の
実証実験」にて全国5カ所で
実証実験実施
音声翻訳可能言語
(4カ国語)
テキスト翻訳可能言語
(21カ国語)
U-STAR
VoiceTra4U
FEAT
VoiceTra+
(2012.7)
(2012.12)
au
おはなし
アシスタント
(2013.7)
このほか、
・民間企業による日英、日中の特許の翻訳サービスに活用
・実用化を目指し実験中
-(聾学校)聾唖者と健常者のコミュニケーション支援
-(大学病院)外国人の患者とのコミュニケーション支援
得られた大規模実験データに
よって旅行会話の音声認識・
翻訳精度が向上
通信プロトコルの
国際標準化の実現
ITU標準化(2010.10)
国際共同研究体
U-STARを組織し
世界展開開始(2010.6)
VoiceTra技術を
世界標準にすべく
研究を推進
3
さらなる多言語化推進の取り組み(「VoiceTra」の概要)
○ 情報通信研究機構(NICT)では、多言語音声翻訳システムの社会実装を促進させるために、スマートフォンアプリ
「VoiceTra」を開発。最新バージョンを2015年10月に公開。
○ 最新バージョンは、タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、スペイン、フランス語の旅行会話の翻訳精度を英・中・
韓と同等レベルに向上するとともに、英・中・韓については駅名などの固有名詞を充実するなど、機能を拡張。
機能
言語
・29言語間の翻訳、19言語の音声入力
15言語の音声出力が可能
ダウンロード用
QRコード
アジア言語
VoiceTraサポートページ:http://voicetra.nict.go.jp/
中東言語
欧米露言語
日本語
英語
中国語
韓国語
ウルドゥ語(パキスタン)
シンハラ語(スリランカ)
トルコ語
ネパール語
ヒンディ語
モンゴル語
インドネシア語
タイ語
フィリピン語
ベトナム語
マレー語
クメール語(カンボジア)
ミャンマー語
ラーオ語(ラオス)
アラビア語
英語
イタリア語
オランダ語
スペイン語
デンマーク語
ドイツ語
ハンガリー語
フランス語
ポーランド語
ポルトガル語
ロシア語
入力
音声
テキスト
✔
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出力
音声
テキスト
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✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
✔
4
「グローバルコミュニケーション計画」の推進
○世界の「言葉の壁」をなくし、グローバルで自由な交流を実現する「グローバルコミュニケーション計画」を推進
するため、情報通信研究機構が開発した多言語音声翻訳技術の精度を高めるとともに、民間が提供する様々
なアプリケーションに適用する社会実証等を実施する。
これにより、ICTを活用したイノベーションを加速し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、
本技術を活用して「言葉の壁」がない社会をショーケースとして世界に発信する。
・多言語音声翻訳の対応領域、対応言語を拡大するための研究開発
多言語音声翻訳技術について、医療やショッピング等の旅行分野以外の会話の翻訳精度を向上するとともに、対応言語数
を拡大する。また、雑音対策や長文翻訳など、翻訳精度の向上に向けた研究開発を実施する。
・病院、商業施設、観光地等における社会実証
産学官の連携により、多様なアプリケーションの社会実証を集中的に実施する。
多言語音声翻訳システムの仕組み
病院
ショッピング
スマートフォンなどに話しかけると即座に他の
言語に翻訳して、音声出力する
多言語対応ヘッドセット等のウェアラ
ブル機器を用い、症状や病名の翻訳
など 医師と患者のコミュニケーション
を支援
多言語対応型レジ端末により、商品の
購入や問合せなど、外国人客の要望に
きめ細やかに対応
5
「多言語音声翻訳技術の研究開発及び社会実証」
グローバルコミュニケーション計画の推進 -多言語音声翻訳技術の研究開発及び社会実証-
・「言葉の壁」を取り除き、自由でグローバルなコミュニケーションを実現するため、多言語音声翻訳技術で翻訳可能な言語を拡大する
とともに、翻訳精度を実用レベルまで向上させる。
・病院など将来の事業化を前提とした実フィールドでの社会実証に取り組む。
研究開発
利活用実証
・社会実装するために必要な4つの技術課題について研究開発を行う
とともに、当該研究開発に必要な技術実証を実際のフィールドで実施
雑音抑圧技術
平成27年度予算 13.8億円
位置情報を活用した
翻訳精度向上技術
翻訳自動学習技術
特殊文字認識技術
・確実に社会に浸透させるため、様々な場面で求
められる機能(お年寄りにもやさしいユーザインタ
フェースなど)を開発
○ 利活用実証委託者:
(株)リクルートライフスタイル、(株)リクルートコミュ
ニケーションズ、 (株)ATR-Trek
○ 研究開発委託者:
パナソニック(株)、日本電信電話(株)、(研)情報通信研究機構、パナソ
ニックソリューションテクノロジー(株)、(株)KDDI研究所、(株)みらい翻訳
(その他、NTT東日本、京浜急行電鉄、東京メトロ、全国ハイヤータクシー連合会、
鳥取県ハイヤー協同組合、東京大学附属病院国際診療部、パナソニックシステム
ネットワーク(株)、日立製作所、富士通等が、実証に協力予定)
○ 平成27年8月24日~ プロジェクト開始
○ 平成27年9月14日から同年10月16日まで、
利活用実証の実施場所を公募。有識者の審査
の後、以下の地域を選定。
富山市、名古屋市、
奈良県明日香村、
広島県、高松市
平成27年12月~平成28年2月頃 実証実験実施
12.8億円
1.0億円
6
平成27年度の技術実証及び利活用実証 エリアマップ
研究開発にお
ける技術実証
地方における
利活用実証
中心駅を拠点とした活用
医療
富山駅一帯の商業施設での実証
-県内外の観光地への送客
医療現場での模擬実験
広島県内世界遺産の体験コーナーでの実証
-観光振興の推進
・豊島区
・京浜急行電鉄(株)
- 東日本電信電話(株) -
タクシー
香川高松の8商店街に渡る多様な店舗での実証
香川高松の8商店街に渡る多様な店舗での実証
- 市内中心部への誘客と商業活性化
-
市内中心部への誘客と商業活性化
・高松市
・高松中央商店街振興組合連合会
H28 1/13~
インバウンド乗車時の課題抽出と
観光営業中のタクシー内での実証実験
・全国ハイヤータクシー連合会
- KDDI(株) -
ショッピング
・(株)ソルコム
・広島県 ・廿日市市
・広島平和記念資料館
・中国経済連合会
・(株)日本政策投資銀行
・広島市立大学 ・(株)広島銀行
・(株)NTTドコモ
・(株)RCCフロンティア
商店街一体で活用推進
・東京地下鉄(株)
・京浜急行電鉄(株)
- (株)日立製作所 -
平時利用から災害時を想定した模擬実験
観光営業中のタクシー内での実証実験
世界遺産の魅力を紹介
H27 12/4~
H27 11/25~
防災
H27 11/18~
・鳥取県ハイヤー協同組合
- KDDI(株) -
鉄道
駅案内における模擬実験
・東京大学医学部附属病院 国際診療部
・富士通クリニック
- 富士通(株) -
・富山市・富山県
・富山市観光協会
・(株)プラチナコンシェルジュ
・富山ターミナルビル
・あいの風とやま鉄道(株)
タクシー
H27 12/2~
H28 1/19~
店内環境実験及び接客現場での模擬実験
・(株)東急百貨店
・(株)ドン・キホーテ
・(株)三越伊勢丹
- パナソニックシステムネットワークス(株) -
観光ルート上の回遊観光への活用
民家ステイなど外国人受入での活用
奈良市拠点施設と明日香村間での実証
奈良県観光拠点施設と明日香村間での実証
– 地域への誘致促進と観光体験の向上
-外国人誘致とコミュニケーション力の向上
・明日香村
・奈良県
・明日香村地域振興公社
・飛鳥京観光協会 ・(株)J-roots
・飛鳥ニューツーリズム協議会
名古屋市内バスルート上の観光地等での実証
-回遊性向上で街全体の活性化
・名古屋テレビ塔(株)
・名古屋市
・(株)カーネルコンセプト
・トヨタマップマスター(株)
・(株)札幌かに本家
・中部圏インバウンドセールスプロジェクト
7
最近の動き ~ 成田空港及び鉄道事業者(京急・りんかい線・上信電鉄)~
成田空港
京急電鉄
ターミナル内の巡回案内スタッフが「iPad」を活用して、フライト情
報や施設情報等を案内。多言語音声翻訳アプリ「NariTra」も活
用し、中国や韓国からの来客にも案内を行っている。
品川駅、羽田空港国際線ターミナル駅の改札、忘れ物センター
で片言での対応が困難な場合や、インフォメーションセンターで
英・中・韓いずれも話さない旅行者の対応に使用している。
成田国際空港のホームページでアプリを紹介
Google PlayやApp storeでダウンロード可能
【出典】 成田空港ホームページ
東京テレポート駅、国際展示場駅の窓口において、筆談
アプリ等と併せて乗客案内に使用している。
↑筆談アプリ
【出典】 京急電鉄より提供
品川駅
上信電鉄
りんかい線
↑翻訳アプリ
羽田空港国際線ターミナル駅
(改札、インフォメーションセンター)
【出典】 同社ホームページ
富岡製糸場の世界遺産登録で、外国人の乗客が増加したこ
とに対応するため、高崎駅及び上州富岡駅で使用している。
【出典】 同社ホームページ
8
最近の動き ~ 東京マラソン2015 ~
1.大会概要
フィニッシュ地点の手荷物返却スペー
ス(東京ビッグサイト)
・正式名称: 「東京マラソン2015」 兼 世界陸上競技選手権大会(2015/北京)男子マラソン
代表選手選考競技会 (2007年が初回で今回で9回目)
・日時:2015年2月22日(日)の午前9時5分~午後4時10分までの約7時間
・規模:都内を約3万6千人のランナーが走行。うち約5千人が外国人ランナー。
・主催:一般財団法人東京マラソン財団
大会スタッフ(左)による
VoiceTra4U活用状況
2.多言語音声翻訳システムの活用
○ ボランティアに、事前説明会においてNICTの多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra4U」の使用方法を説明。
ボランティアはそれぞれ各自のスマートフォンにダウンロードし、外国人参加者等との会話に「VoiceTra4U」
を必要に応じて実験的に使用してもらったもの。
※ボランティア「Team Smile」:大会中、ランナーへの給水・給食、コース(沿道)の整理、手荷物預かり・返却等に約1万人で対応。
(うち約250名は、東京外語大の学生等を中心に構成された多言語ボランティア(英中韓等))
○ 同日夕方、フィニッシュ地点の手荷物返却スペース(東京ビッグサイト)において、舛添知事が
外国人ランナーに対応するボランティア等を視察し、アプリを使用した感想等を聴取。
○ 総務省及びNICTは、東京都オリンピックパラリンピック準備局と連携し、大会当日、東京ビッグサイト内で
利用が集中した場合に備え、会場内にVoiceTra4Uの臨時サーバーを設置したほか、技術的なサポート等
を実施。
舛添知事による
ボランティアの視察
3.今後の予定
○ 周囲の雑音により音声認識がうまくいかない等の課題が浮き彫りとなった一方、外国人との会話に役
立ったとの意見などもあり期待の高さが明らかになった。NICTにおいては、今後の研究開発や社会実証
において課題解決に取り組むとともに、引き続き多言語音声翻訳システムの社会実装による、「言葉の
壁」のない社会の実現に向けて、東京都や関係機関と連携し取り組んでいく。
※ 写真は東京マラソン財団提供
9
最近の動き ~ 2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会~
2.多言語音声翻訳システムの活用
1.大会概要
・ 正式名称: 2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会
・ 日時: 2015年4月29日(水)~5月5日(火・祝)
うちサッカー大会は1日(金)~4日(月・祝)
・ 規模: 14都市、16チーム、約320名の監督・コーチ、選手
等が参加。
海外からは北京、ベルリン、カイロ、ジャカルタ、モス
クワ、ニュー・サウス・ウェールズ(オーストラリア)、ソ
ウル、サンパウロ、ブエノスアイレスから9チームが参
加。
・ 主催: 東京都、公益財団法人東京都スポーツ文化事業
団、公益財団法人東京都サッカー協会
○ ジャカルタチームと東京都市大学等々力中学校との交流(30日(木))
KDDIの協力により各生徒1台、計40台のiPhone6端末の貸与を受け、
ジャカルタチームと等々力中学校サッカー部生徒との交流会にNICTの
多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra4U」を活用。
○ 選手交流会及び送別会(30日(木)、1日(金)、2日(土)及び4日(月・祝))
夕刻の選手等の相互交流において「VoiceTra4U」を活用。 NICTにて
iPad等の端末やネットワーク環境を整備したほか、交流コーナーにブー
スを設置して使用方法の説明等の支援を実施。
○ 総発話数は2,218。さらに、外国チームをサポートするリエゾン要員に、
アプリの感想等をアンケートにて聴取。
※ 写真は東京都スポーツ文化事業団提供
3.結果及び実験後の改善
○ 現状の翻訳データベースは旅行会話を中心に構成されているため、サッカー用語等が訳せない場面が見られたが、アプリに加
えて、片言の英語や人による通訳を交えながら意思疎通が図られる場面など、オリンピック・パラリンピックにおける様々な場面で
の使用を想定した実験が行えた。実験後、翻訳データを分析して更なる研究開発や用語等データベースの改善・充実等を実施。
モスクワチームとサンパウロ
チームの会話(ロシア語⇔ポ
ルトガル語(ブラジル))
ジャカルタチームと等々力中学
校サッカー部生徒との交流会
オーストラリアチームとFC東京
ユースチームの会話模様
選手達の主な会話
・ ポジションはどこか。
・ 靴を交換しよう。
・ 交換したい。でもコーチの
了解が必要。
・ 好きなサッカー選手は。
・ 僕の髪型はかっこいいか。
・ イタリアでプレイしていた。
・ 君は外国でプレイしたこと
があるか。
※ 会話例は同行者聞き取り
10
最近の動き 総合科学技術・イノベーション会議における多言語音声翻訳のデモ ~
概要
•
•
日時・場所
平成27年4月10日(金) 午前8時40分から
総理官邸(4階 大会議室) で実施
概要
「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に
関するタスクフォース」の検討結果を報告するとともに、同タスクフォースでとりまとめた9つ
のプロジェクト(参考参照)のうち、顔認証技術と多言語音声翻訳システムのデモを実施。
[首相官邸HPより]
多言語音声翻訳システムの紹介
高市大臣より、2007年の総合科学技術会議においてデモを実施した
多言語音声翻訳端末を総理大臣始め出席者の方々にご覧いただきな
がら、NICTの開発によりスマートフォンのアプリとして利用することが可
能となったことをご説明。
2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、端末の形状
や翻訳精度をさらに進化させていくとご発言。
2007年 (ミニPC)
現 在 (スマホ)
デモの内容
訪日外国人と女性スタッフがやりとりをしている(言葉が通じない様子)とこ
ろに、ボランティアがペンダント型翻訳端末を用いて会話を実演。
• ボランティア「どうされたのですか?」
• 訪日者 「財布を落としました。」
[中→日]
• ボランティア「どのようなものですか?」
• 訪日者 「赤い皮の財布です。」
[日→中]
[日→中]
[中→日]
(忘れ物センターに財布が届いていることを確認)
デモ端末
[首相官邸HPより]
• ボランティア「あなたの財布が見つかりました。」
• 訪日者 「素晴らしいご尽力に感謝します。」
[日→中]
[中→日]
11
最近の動き ~多言語対応・ICT化推進フォーラム ~
1.開催概要
多言語対応に取り組む全国の自治体や民間団体などを対象として、先進的取組事例やICTの最新技術動向など、多言語
対応に役立つノウハウをまとめて提供することを目的として開催。具体的には、2020年に向けた社会全体のICT化推進の取組
について、最先端技術の展示や国や自治体の取組に関する講演、パネルディスカッションを実施。
・ 日 時: 平成27年7月22日(水)13:00~17:30
・ 場 所: 東京国際フォーラム
・ 主 催: 2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会(事務局:東京都オリンピック・パラリンピック準備局)
・ 共 催: 総務省
・ 参加者: 舛添東京都知事、遠藤東京オリンピック・パラリンピック担当大臣、西銘総務副大臣(当時) ほか、関係省庁や地方自治
体等から818名が参加
2.多言語対応等に関するICT技術動向の紹介
○ 東京都から「グローバルコミュニケーション開発推進協議会」に対して協力依頼があり、会員企業の多言語化に対応するた
めの最新技術や総務省が推進するICT施策を紹介。
(翻訳アプリなど翻訳技術)
聴覚障害者とのコミュニケーション
支援アプリ「こえとら」の視察
(聴覚障害者とのコミュニケーション支援アプリ)
(デジタルサイネージ)
多言語案内・通訳等ロボットとのフォトセッション
(防災・セキュリティ対策技術)
(NICTの翻訳技術を活用して多言語案内や通訳等を行うロボット)
車いす移動者の通過を検知する
センサーシートのデモ体験
講演を行う西銘副大臣(当時)
12
最近の動き ~地方議員を対象としたシンポジウム~
1.開催概要
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け全国の地方議会議員を対象にしたシンポジウムを東京都及び
東京都議会が主催。舛添東京都知事が約600人の全国の地方議会議員に対し、2020年の東京オリンピック・パラ
リンピック開催に向けて気運を盛り上げオールジャパンで取り組むよう呼びかけた。同時企画として多言語音声翻
訳アプリの展示、全国物産展及び、パラリンピック関係のパネル展示が催された。
・ 名 称: 地方議員を対象としたシンポジウム
(全国におけるオリンピック・パラリンピックの気運醸成について)
・ 日 時: 平成27年11月28日(土) 14:00 ~ 16:00 (シンポジウム)
13:00 ~ 17:00 (アプリ展示)
・ 場 所: 日経ホール(千代田区大手町)
・ 主 催: 東京都、東京都議会
・ 後 援: 全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、
全国町村議会議長会
・ 協 力: 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会
組織委員会
全国物産展の展示状況
2.多言語音声翻訳アプリ等の展示
○ 情報通信研究機構(NICT)の多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」や、パラリンピック関係の展示として株式会社フィートの聴覚障害者支援アプ
リ「こえとら」を展示した。
VoiceTra、こえとらの展示状況
舛添都知事への実演・説明
森 東京オリパラ組織委員会 会長への実演・説明
13
多言語音声翻訳システムの活用事例
~ 東京メトロ ~
東京メトロは、乗客への案内サービスの更なる品質向上を目指し、駅社員による案内
時に活用するため、平成27年8月1日から全駅においてiPad の活用を開始。訪日外国
人との円滑なコミュニケーションを支援するツールとして「VoiceTra4U」を導入。
概要
1 導入機種等
iPad Air 2 合計870台
2 配備箇所
東京メトロが管理する全170駅※の、改札口(一部を除く)、駅事務室、
定期券売り場及びお忘れ物総合取扱所
※ 管理委託駅である(日比谷線)北千住、中目黒、中野、西船橋、
代々木上原、和光市、(半蔵門線・副都心線)渋谷及び目黒の各
駅を除く。
駅社員用iPad を使用したご案内
[出典:東京メトロ]
3 主な効果
(1)インターネットやアプリの活用によるご案内のサービス品質向上
(2)音声翻訳アプリ「VoiceTra4U」を活用した多言語への対応
(3)輸送障害時における駅事務室・改札口間のより迅速な情報共有
音声翻訳アプリ
「VoiceTra4U」の画面例
14
多言語音声翻訳システムの活用事例
~ 岡山県警 ~
地理案内や各種「願い」、「届け」等で交番等を訪れる外国人旅行者等に対し、迅速かつ円滑な対
応を行えるよう、地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金関連事業(まち・ひと・しごと関連事
業)の交付金※により、県内交番等にタブレット端末23台を配備し、平成27年8月1日より試験利
用を開始。
内容
(1) 整備するタブレット端末
iPad Air2に多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra4U」及び地図アプリ「グー
グルマップ」を導入したもの
(2) 整備交番等
外国人観光客の訪問が予想される岡山中央警察署岡山駅東口交番
(JR岡山駅等を管轄)や倉敷警察署阿知交番(倉敷美観地区等を管
轄)等、県下15施設に複数配置を含め23台を整備
(3) 活用案件
交番等を訪れる外国人への地理案内、遺失、拾得の受理、各種申請
手続及び「願い」、「届け」の案内に活用
※ 平成26年度補正予算 地域活性化・地域住民生
活等緊急支援交付金(地方創生先行型)
「音声翻訳アプリや地図アプリを導入したタブ
レット端末の整備事業」:交付金額198万8千円
(タブレット端末23台分(通信費を含む。))
NHK広島放送局(中国広域ニュース)(8月3日)
KSB瀬戸内海放送(テレ朝系列)(8月3日)
15
多言語音声翻訳システムの活用事例
~ メガホン型翻訳機 メガホンヤク ® (開発中)~
成田国際空港株式会社は、 空港における緊急時の案内に備え、 パナソニック株式会社
が研究開発を進めている 、日本語を多言語に翻訳して繰り返し拡声することができるメガ
ホン型翻訳機 (以下 「メガホンヤク ®」)を2015年12月から世界で初めて試験配備。実用
性が検証された後、成田国際空港で本格的に導入予定。
概要
1 実施期間
4 機能概要
2015年12月~2016年3月
2 対象エリア
成田国際空港構内
3 対応言語
緊急時や災害時において、ターミナル
館内の旅客へアナウンスを行う場合に、
メガホンヤク ®を用いて、対応言語に
翻訳・拡声した上で繰り返し案内する。
日本語、英語、中国語、韓国語
NariTra
メガホンヤク ®利用イメージ【出典:成田国際空港】
2015年11月12日 成田国際空港株式会社
プレスリリース(抜粋)
16
グローバルコミュニケーション開発推進協議会
1 目的
国立研究開発法人情報通信研究機構を中心に産学官の力を結集して、多言語音声翻訳技術の精度を高める
とともに、その成果を様々なアプリケーションに適用して社会展開していくために必要な検討を行い、「グローバル
コミュニケーション計画」の推進に資することを目的として設立(平成26年12月17日)。
2 概要
3 役職・会員
○ 会 長
須藤 修
東京大学大学院情報学環 教授
(1) 主な活動内容
多言語音声翻訳に関する次の事業を行う。
・研究開発及び標準化の推進
・社会実装及び実用化の促進
・情報の収集、交換及び提供
・関係機関との連携
・普及啓発
等
○ 副会長
(2) 協議会の構成
本推進協議会の目的に賛同し、NICTの多言語音声翻訳技
術を中心に実現する「グローバルコミュニケーション計画」の
推進に協力する意思を有することを要件とする。
○ 会員:135会員 (平成27年12月24日現在)
篠原 弘道 日本電信電話株式会社代表取締役副社長
宮部 義幸 パナソニック株式会社代表取締役専務
坂内 正夫 国立研究開発法人情報通信研究機構理事長
通信事業者、通信機器メーカ、医療機関、公共交通機関、
流通業者、旅行代理店、自治体 ほか
(3) 事務局
情報通信研究機構
協議会ホームページ:http://gcp.nict.go.jp/
17
グローバルコミュニケーション開発推進協議会 参加企業リスト
■メーカ
株式会社アイエスゲート
株式会社エー・アール・アイ
NTTアドバンステクノロジ
MIS九州株式会社
エレコム株式会社
沖電気工業株式会社
株式会社久保田情報技研
株式会社小松製作所
ゴールデンダンス株式会社
株式会社CIJ
シャープ株式会社
ジャトー株式会社
セイコーソリューションズ株式会社
ソニー株式会社
大日本印刷株式会社
TOA株式会社
株式会社東芝
デル株式会社
凸版印刷株式会社
株式会社トヨタIT開発センター
トヨタ自動車株式会社
日本アイ・ビー・エム株式会社
日本電気株式会社
NECソリューションイノベータ株式会社
日本ヒューレット・パッカード株式会社
パナソニック株式会社
パナソニックソリューションテクノロジー株式会社
パナソニックシステムネットワークス株式会社
株式会社ピクセラ
株式会社日立製作所
富士ゼロックス株式会社
富士通株式会社
株式会社富士通研究所
富士通テン株式会社
株式会社本田技術研究所
ヤマハ株式会社
株式会社ログバー
■放送・通信
日本電信電話株式会社
東日本電信電話株式会社
株式会社NTTドコモ
株式会社エフエム東京
KDDI株式会社
KDDI研究所
日本放送協会
■医療
一般社団法人医療国際化推進機構
NTT東日本関東病院
大阪市立大学医学部・大学院医学研究科
京都府立医科大学
熊本赤十字病院
有限会社コスモス
一般社団法人情報通信医学研究所
東京大学医学部附属病院
公立大学法人奈良県立医科大学
公立大学法人和歌山県立医科大学
東京都病院経営本部
■交通
京浜急行電鉄株式会社
新関西国際空港株式会社
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
中部国際空港株式会社
東京急行電鉄株式会社
東京国際空港ターミナル株式会社
東京地下鉄株式会社
成田国際空港株式会社
阪神電気鉄道株式会社
東日本旅客鉄道株式会社
東京都交通局
(135機関、平成27年12月24日現在)
■大学・研究機関
京都大学教授 河原達也
京都大学教授 黒橋禎夫
けいはんな情報通信オープンラボ研究推進協議会
神戸大学教授 定延利之
国立研究開発法人 情報通信研究機構
東京大学大学院 須藤修
名古屋大学大学院情報科学研究科 中岩浩巳
奈良先端科学技術大学院大学教授 中村哲
■自治体等
香川県交流推進部
京丹後市
京都市 都市計画局 歩くまち京都推進室
つくば市
栃木県
東京都オリンピック・パラリンピック準備局
東京都産業労働局
文京区
■観光
一般社団法人南魚沼市観光協会
株式会社JTBコーポレートセールス
日本電波塔株式会社
一般社団法人日本旅行業協会
■ショッピング
一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会
株式会社東急百貨店
東京商工会議所
株式会社ドン・キホーテ
三井不動産株式会社
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
三菱地所株式会社
森ビル株式会社
■各種サービス
株式会社朝日出版社
株式会社アドバンスト・メディア
インクリメント・ピー株式会社
株式会社インターグループ
株式会社エーアイ
株式会社ATR-Trek
株式会社駅探
SCSK株式会社
株式会社NTTデータ
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
有限会社オフィス結アジア
株式会社KADOKAWA
株式会社コアラ
株式会社高電社
株式会社コングレ・グローバルコミュニケーションズ
株式会社神戸デジタル・ラボ
株式会社サン・フレア
有限会社ジーアム
株式会社シグマクシス
株式会社時事通信社
株式会社シードプランニング
株式会社シミズオクト
ジョルダン株式会社
株式会社ゼンリンデータコム
株式会社東和エンジニアリング
トランスコスモス株式会社
株式会社ナブラ・ゼロ
株式会社バオバブ
株式会社ヒムズ
株式会社フィート
株式会社フュートレック
株式会社ブリックス
株式会社ブレイン
HOYAサービス株式会社
株式会社みらい翻訳
株式会社メディアコミュニケーションズ
ランゲージワン株式会社
株式会社リクルートコミュニケーションズ
株式会社リクルートライフスタイル
老テク研究会
株式会社ロゼッタ
18
将来の社会実装イメージ(1)
医療
診療
ショッピング
看護
自動音声翻訳で通じな
いときはHELPボタンを
押すと通訳者に接続
①我的肚子疼
②おなかが痛い
③所服用的药吃完了
④いつも飲んでいる薬が
なくなってしまいました
処方箋説明
①痛みはありますか?
②你有疼痛嗎?
一天三次饭后吃药
(1日3回食後に薬を
飲みます)
主な検討課題
 対面通訳・電話通訳サービス等との役割分担
 医師や看護師の手をふさぐことなく利用できる端末
主な検討課題
 商品に対するQ&A対応(色・サイズ・在庫)を基本的な用途として想定
 見映えの観点から店員が所持する端末のデザイン性の配慮
 小規模な店舗で利用しやすい端末
19
将来の社会実装イメージ(2)
観光
鉄道
街中での案内(ボランティアなど)のサポート
駅構内等
案内業務
主な検討課題
構内アナウンスの自動翻訳
主な検討課題
 分からない言語で話しかけられた時に言語を自動判別する機能
 地図機能や案内用コンテンツとの連携
 駅構内、電車内のアナウンスの多言語化サポート
 駅係員の手や耳をふさぐことなく利用できる端末
タクシー
車載ディスプレイで会話サポート
■多言語コールセンター
▽ カーナビ
主な検討課題
▽ タブレット端末(後部座席)
 運転中、ヘッドセットの装着やスマホの操作は不可
⇒ カーナビ等と組み合わせた端末が必要
 電話通訳サービスや多言語コールセンターとの連携
20