自動車産業 スペイン

スペインの自動車産業は20世紀初頭にまでさかのぼ
る長い歴史と、自動車の黎明期におけるパイオニ
ア、Hispano-Suizaといった伝説的な名前によって彩られ
ています。
技術革新と工業技術のリ ーダー、ス ペイン
スペインは、 国際的な 政治や経済の舞台で 主要な役割
を果たし、世界の総GDP 第8位、 2.53%を占める世界
で最も発展した国の一つで す。
今日、最も重要な多国籍自動車部品メーカーと同
様、世界の大手自動車メーカーのほとんどがスペイ
ンに進出しており、18の生産工場があります。
スペインが優れたソリュ−シ ョンを提供している産業と
しては、航空宇宙、バイオ・テ クノロジー、 機械および工
業技術、公共工事エ ンジ ニアリングおよびマネジ メン
ト、鉄道、再生可能エ ネルギ ー、水処理などがありま
す。
スペインの科学者は、自動車用
模擬画像システム(artificial vision)の特許を保有している(大
学グループ部門)
自動車産業
スペイン
改革があるところ、21世紀の世界企業の成功がありま
す。スペインの技術およびビジ ネス・ チャンス をさらにお
探しの場合はwww.spainbusiness.jp ないし
[email protected]にemailしてください。
関係団体
ICEX (Spanish Institute for Foreign Trade)
www .spainbusiness.com
SERNAUTO (Spanish Association of Manufacturers of Equipment
and Parts for the Automobile Industry)
www .sernauto.com
ANFAC (Spanish Association of Manufacturers of Cars and Trucks)
www .anfac.es
GEAGA (Galician Cluster of Automotive Suppliers)
www .gaega.es
CITEAN (Navarrese Technology Center for the Automotive Industry)
www .citean.com
FITSA (Foundation Technological Institute for Car Security)
www .fundacionfitsa.org
www.spainbusine ss.jp
españa,
technology
for life.
2005年、スペイン企業A3 FICOSA (Advanced Automotive
Antennas) は、同社のフラクタル・アンテナで「Pace Award」
(優秀な自動車製品サプライヤーによる卓越性への貢献)
を獲得。 この賞は、自動車製品企業が開発した最高の技
術革新を顕彰するために制定された、世界の自動車産業
で与えられる最も名誉ある賞で す。A3はまた、「Scientific
Amer ican」誌において2005年の革新的企業として 選出され
ました。
GESTAMP社の6つのR&D センターは、12カ国で合計44工場
のうち、 同社の主要生産工場近く に戦略的に配置されて
いま す。 同社は自動車用金属部品およびユニッ トに特化
し、トータル・ クオリテ ィと技術革新の理念を戦略基盤とし
て いま す。顧客と協力して 行われて いる研究は、燃費向
上と大気汚染の抑制のために新しく、軽い素材を使用す
ることから、 ハイドロフォーミング法といった新技術を導入
することにまで及んでいま す。
GRUPO ANT OLIN社は、自動車用天井モジュ ール・メー
カーとして は世界一です。 最新技術を利用し、軽自家用
車シートに3点支持安全ベルトを取り 付けることでミ ニバ
ン車部門において 主導的地位を築きました。
スペインは、ヨーロッパ第3位の自動車生産国で、世界では第7
位です。また、ヨーロッパ最大の産業用車両の生産国でもありま
す。スペインで生産される車両の82%以上が90カ国以上に輸出
されています。
サプライヤーの産業基盤:自動車部品
スペイン自動車産業成功のもう一つの理由は、国際化が進ん
だ企業の中でも特に自動車部品メーカーのネットワークが大き
いこ とです。グループ として見ればこ れら の企業は2004年に
290億ドル近くを売上げ、1995年の倍以上に達しています。
自動車メーカーとの長い関係から、驚くほど多種にわたる先
端製造技術やソリューションを提供でき、国産技術を利用し
た工作機械モデルは2,000種以上に上ります。スペインの工
作機械の76%は完全にコ ンピュータ数値制御(CNC)になっ
ています。
スペインの自動車工場の高い生産性が、力強い成長を支える
第一の原動力となっています。大部分の工場は、同業グループ
の中で生産性の最も高い部類に入っています。これらの工場の
うちの2つは、ヨーロッパ大陸の上位10位にランクされています。
全世界に輸出される多くの車種がスペインでのみ生産されてい
るのは、こうした理由によるものです。
スペインでは、特に高級大型バス部門向けの強固な車体を製
造する産業もあります。
自動車産業向けサプライヤー:資材
スペインに工場のある自動車メーカーが頼りにできる優位性の
一つは、スペインで生産されるプラスチック、特に複合プラスチッ
クとスチールが質量共に優れていることです。
長尺スチール製品は、エンジン、サスペンション、トランスミッショ
ン、ギヤボックスなど自動車生産の基本資材です。スペインは
ヨーロッパにおけるこの種の製品の主役であり、2004年の生産
量は76万6,000トンでした。スペインのメーカーはこの種のスチー
ルの研究開発を行い、強度や長さを増し、重量を減らす努力を
続けています。
IRIZAR 社は、EU で 第2位の規模を誇る大型バス・メーカ ー
です。 同社は、 豪華大型バス のデザインでは有数な トレン
ドセッターとして 広く認められて いま す。バスク地方の同社
工場は、効率的な生産とロジステ ィッ クス 計画で 国際的な
評価基準とな って いま す。 同社の車種として は、工業的お
よび機械的な優秀性で2004年ヨーロッ パ大型バス 年間賞
を獲得したIrizar PB high- tech coachや、 このクラスでは恐らく
世界最多販売車種のIrizar Centuryなどがありま す。
この部門の1,000社を超える企業は、多角的な戦略的連携を通
じて品質と技術革新に大いに賭けながら 成長し、自動車メ ー
カーの厳しい要求に応えています。この業界は自動車メーカー
以上のスピー ドで成長しています。現在では生産の50%以上
を輸出す るというきわめて国際化された部門を構成するととも
に、世界市場でも最大の自動車製造工場の近くに位置してい
ます。
近代的な生産体制:ロボットおよび工作機械
スペインは、労働者に対す るロボット 数がヨー ロッパ第5位で、
米国の労働者1万人当たり69台に対し89台となっています。ま
た、ロボットの設置台数ではヨーロッパ第3位です。
スペインがこのように高度に発展したロボット 群を擁する理由
は、強力な自動車産業にあります。さら に、オートメーショ ンが
急速に進展していま す。例えば2004年にはロボット の需要が
83%増加しました。
スペインの工場が高い生産性を実現しているも うひとつの大き
な要因は、スペイン工作機メーカーの競争力にあります。
GRUPO ANTOLIN 社は、製品開発を早 め、その安全性お
よび信頼性を高めるために、 迅速かつバーチャルな プロ
トタイピングを大幅に採用していま す。同社は、DTMドア・
モジュールの技術的革新性に対しPrince Felipe賞を、また
フォ ード社 が品質に 対して 与え る Q1賞も 受賞して いま
す。
テクノロジー・センター
自動車部門は、スペインで最も研究開発に力を入れている産
業です。この研究インフラを支えているのが34のテクノロジー・
センター 網で、組織的に運営されていま す。明確に自動車を
対象としたセンター 以外にも、素材(プラ スチックや金属)、エ
ネルギー効率、エレクトロニクスや安全といった自動車産業に
応用できる分野を研究しているところも多くあります。
スペインの大学は独自に、特に推進分野など、自動車の改良
に関す る様々な分野に焦点を合わせ高度に専門化された研
究グループを形成しています。